IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大倉工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-袋の検査装置及び検査方法 図1
  • 特開-袋の検査装置及び検査方法 図2
  • 特開-袋の検査装置及び検査方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013257
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】袋の検査装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/02 20060101AFI20240125BHJP
   G01N 21/90 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B65B57/02 B
G01N21/90 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115194
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000206473
【氏名又は名称】大倉工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宮本 憲一
(72)【発明者】
【氏名】篠原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】十鳥 智子
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA32
2G051AB13
2G051ED23
(57)【要約】
【課題】液状の内容物が充填する場合に液漏れの発生のおそれが無い袋を可能な限り選別できる袋の検査装置を提供する。
【解決手段】 一対の胴部シート12a,12bの間に、二つ折りの底部シート14が挟まれた状態でサイドシール16及びボトムシール18が施されて作製される袋10の検査方法であって、サイドシール16及びボトムシール18の位置が適正か否かを検査するシール位置検査手段と、底部シート14の位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査手段とを備えることを特徴とする袋の検査装置。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の胴部シートの間に、二つ折りの底部シートが挟まれた状態でサイドシール及びボトムシールが施されて作製される袋の検査装置であって、
前記サイドシール、前記ボトムシール及び前記底部シートの検査箇所を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影された画像を基に、前記サイドシール及び前記ボトムシールの位置が適正か否かを検査するシール位置検査手段と、
前記撮影手段で撮影された画像を基に、前記底部シートの位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査手段と、
を備えることを特徴とする袋の検査装置。
【請求項2】
一対の胴部シートの間に、二つ折りの底部シートが挟まれた状態でサイドシール及びボトムシールが施され、前記底部シートが挟まれた部分のサイドシールで、前記底部シートに設けられたパンチ穴により前記一対の胴部シート同士が直接シールされる部分を有する袋の検査装置であって、
前記サイドシール、前記ボトムシール、前記底部シート、前記パンチ穴の検査箇所を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影された画像を基に、前記サイドシール及び前記ボトムシールの位置が適正か否かを検査するシール位置検査手段と、
前記撮影手段で撮影された画像を基に、前記底部シートの位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査手段と、
前記撮影手段で撮影された画像を基に、前記パンチ穴の位置が適正か否かを検査するパンチ穴位置検査手段と、
を備えることを特徴とする袋の検査装置。
【請求項3】
前記シール位置検査手段は、
前記サイドシール及び前記ボトムシールの位置を検出するシール位置検出手段と、
前記サイドシールと前記ボトムシールの位置が、前記胴部シート上に設定された基準位置との位置関係で予め設定された適正範囲に入るか否か判定するシール位置判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2記載の袋の検査装置。
【請求項4】
前記シール位置検出手段における前記サイドシールの位置検出は、
前記サイドシールの両側の境界線を検出し、前記両側の境界線の中心線を算出して位置検出することを特徴とする請求項3記載の袋の検査装置。
【請求項5】
前記シール位置検出手段における前記ボトムシールの位置検出は、
前記ボトムシール内における未シール部の輪郭を検出し、前記未シール部の重心を算出して位置検出することを特徴とする請求項3記載の袋の検査装置。
【請求項6】
前記シール位置検査手段は、
前記サイドシールと前記ボトムシールのシール部交点αから位置を検出することを特徴とする請求項1または2記載の袋の検査装置。
【請求項7】
前記底部シート位置検査手段は、
前記底部シートの折り目線の位置を検出する底部シート位置検出手段と、
前記底部シートの折り目線が、前記胴部シート上に設定された基準位置との位置関係で予め設定された適正範囲に入るか否か判定する底部シート位置判定手段とを備えることを特徴とする請求項1または2記載の袋の検査装置。
【請求項8】
前記パンチ穴位置検査手段が、
前記パンチ穴の重心γの位置を検出するパンチ穴位置検出手段と、
前記パンチ穴の重心γの位置が、前記胴部シート上に設定された基準位置との位置関係で予め設定された適正範囲に入るか否か判定するパンチ穴位置判定手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の袋の検査装置。
【請求項9】
一対の胴部シートの間に、二つ折りの底部シートが挟まれた状態でサイドシール及びボトムシールが施されて作製される袋の検査方法であって、
撮影手段により、前記サイドシール、前記ボトムシール及び前記底部シートの検査箇所を撮影する撮像工程と、
前記撮像工程により撮影された画像を基に、前記サイドシール及び前記ボトムシールの位置が適正か否かを検査するシール位置検査工程と、
前記撮像工程により撮影された画像を基に、前記底部シートの位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査工程と、
を備えることを特徴とする袋の検査方法。
【請求項10】
一対の胴部シートの間に、二つ折りの底部シートが挟まれた状態でサイドシール及びボトムシールが施され、前記底部シートが挟まれた部分のサイドシールで、前記底部シートに設けられたパンチ穴により前記一対の胴部シート同士が直接シールされる部分を有する袋の検査方法であって、
撮影手段により、前記サイドシール、前記ボトムシール、前記底部シート及び前記パンチ穴の検査箇所を撮影する撮像工程と、
前記撮像工程より撮影された画像を基に、前記サイドシール及び前記ボトムシールの位置が適正か否かを検査するシール位置検査工程と、
前記撮像工程により撮影された画像を基に、前記底部シートの位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査工程と、
前記撮像工程により撮影された画像を基に、前記パンチ穴の位置が適正か否かを検査するパンチ穴位置検査工程と、
を備えることを特徴とする袋の検査方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋の検査装置及び袋の検査方法に関し、詳細には、一対の胴部シートの間に二つ折りの底部シートが挟まれた状態でシールされて作製される自立袋の検査装置及び自立袋の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の胴部シートの間に二つ折りの底部シートが挟まれた状態でシールされて作製される袋が適正に作られているか否かを検査する検査装置が従来から多く開発されており、例えば特許文献1がある。
特許文献1には、連続製袋においてシートに十分なテンションがかけられないことによるシートのばたつきや位置ずれに伴ってヒートシール部の位置がずれてしまい、印刷された絵柄の位置もずれてしまうといった問題から、サイドシール及びボトムシールの際にシールと同時に、指標となる孔が形成されるようにし、基準位置とシール時の孔との位置差を計測して判定する検査装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-218207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サイドシールの位置及びボトムシールの位置を測定検査して、適正なシール位置の袋を選別して作製しても、その中に液状の内容物を充填した際、液漏れが発生する場合があった。
そこで、一対の胴部シートの間に二つ折りの底部シートが挟まれた状態でシールされて作製される袋において、液状の内容物が充填される場合に液漏れ発生のおそれが無い袋を可能な限り選別できる袋の検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、液漏れの原因について検証したところ、液漏れは、サイドシールにおける胴部シートと底部シートの境界位置、すなわち、底部シートの折り目線部分で段差になる位置で発生していることに気づき、シールが正確な位置に施されていても、底部シートが適正位置から僅かにずれた状態でシールされてしまうと液漏れが発生するケースがあることから本発明に至ったものである。
【0006】
すなわち、本発明によると上記課題を解決するための手段として、
(1)一対の胴部シートの間に、二つ折りの底部シートが挟まれた状態でサイドシール及びボトムシールが施されて作製される袋の検査装置であって、前記サイドシール、前記ボトムシール及び前記底部シートの検査箇所を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された画像を基に、前記サイドシール及び前記ボトムシールの位置が適正か否かを検査するシール位置検査手段と、前記撮影手段で撮影された画像を基に、前記底部シートの位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査手段と、を備えることを特徴とする袋の検査装置が提供され、
(2)一対の胴部シートの間に、二つ折りの底部シートが挟まれた状態でサイドシール及びボトムシールが施され、前記底部シートが挟まれた部分のサイドシールで、前記底部シートに設けられたパンチ穴により前記一対の胴部シート同士が直接シールされる部分を有する袋の検査装置であって、前記サイドシール、前記ボトムシール、前記底部シート、前記パンチ穴の検査箇所を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された画像を基に、前記サイドシール及び前記ボトムシールの位置が適正か否かを検査するシール位置検査手段と、前記撮影手段で撮影された画像を基に、前記底部シートの位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査手段と、前記撮影手段で撮影された画像を基に、前記パンチ穴の位置が適正か否かを検査するパンチ穴位置検査手段と、を備えることを特徴とする袋の検査装置が提供され、
(3)前記シール位置検査手段は、前記サイドシール及び前記ボトムシールの位置を検出するシール位置検出手段と、前記サイドシールと前記ボトムシールの位置が、前記胴部シート上に設定された基準位置との位置関係で予め設定された適正範囲に入るか否か判定するシール位置判定手段と、を備えることを特徴とする(1)または(2)の袋の検査装置が提供され、
(4)前記シール位置検出手段における前記サイドシールの位置検出は、前記サイドシールの両側の境界線を検出し、前記両側の境界線の中心線を算出して位置検出することを特徴とする(3)の袋の検査装置が提供され、
(5)前記シール位置検出手段における前記ボトムシールの位置検出は、前記ボトムシール内における未シール部の輪郭を検出し、前記未シール部の重心を算出して位置検出することを特徴とする(3)または(4)の袋の検査装置が提供され、
(6)前記シール位置検査手段は、前記サイドシールと前記ボトムシールのシール部交点αから位置を検出することを特徴とする(1)または(2)の袋の検査装置が提供される。
【0007】
(7)前記底部シート位置検査手段は、前記底部シートの折り目線の位置を検出する底部シート位置検出手段と、前記底部シートの折り目線が、前記胴部シート上に設定された基準位置との位置関係で予め設定された適正範囲に入るか否か判定する底部シート位置判定手段とを備えることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかの袋の検査装置が提供され、
(8)前記パンチ穴位置検査手段が、前記パンチ穴の重心γの位置を検出するパンチ穴位置検出手段と、前記パンチ穴の重心γの位置が、前記胴部シート上に設定された基準位置との位置関係で予め設定された適正範囲に入るか否か判定するパンチ穴位置判定手段とを備えることを特徴とする(2)の袋の検査装置が提供される。
【0008】
(9)一対の胴部シートの間に、二つ折りの底部シートが挟まれた状態でサイドシール及びボトムシールが施されて作製される袋の検査方法であって、撮影手段により、前記サイドシール、前記ボトムシール及び前記底部シートの検査箇所を撮影する撮像工程と、前記撮像工程により撮影された画像を基に、前記サイドシール及び前記ボトムシールの位置が適正か否かを検査するシール位置検査工程と、前記撮像工程により撮影された画像を基に、前記底部シートの位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査工程と、を備えることを特徴とする袋の検査方法が提供され、
(10)一対の胴部シートの間に、二つ折りの底部シートが挟まれた状態でサイドシール及びボトムシールが施され、前記底部シートが挟まれた部分のサイドシールで、前記底部シートに設けられたパンチ穴により前記一対の胴部シート同士が直接シールされる部分を有する袋の検査方法であって、撮影手段により、前記サイドシール、前記ボトムシール、前記底部シート及び前記パンチ穴の検査箇所を撮影する撮像工程と、前記撮像工程より撮影された画像を基に、前記サイドシール及び前記ボトムシールの位置が適正か否かを検査するシール位置検査工程と、前記撮像工程により撮影された画像を基に、前記底部シートの位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査工程と、前記撮像工程により撮影された画像を基に、前記パンチ穴の位置が適正か否かを検査するパンチ穴位置検査工程と、を備えることを特徴とする袋の検査方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の袋の検査装置及び袋の検査方法は、袋に液状の内容物を入れた場合においても液漏れが発生しない袋の検査を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態の袋を示す斜視図である。
図2図2は、本発明における連続製袋機の一実施形態を示す模式図である。
図3図3は、図2の検査工程Cにおける製袋時の一実施形態を示す部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面に基づいて説明するが、本発明は以下に限定されるものではなく、同様の効果を奏する範囲において種々の実施形態をとることができる。
【0012】
図1は、一実施形態の袋を示す斜視図である。図1に示すように本実施形態の袋10は、一対の胴部シート12a,12bの間に二つ折りの底部シート14が挟まれた状態でサイドシール16及びボトムシール18が施されて作成された袋であり、自立性を有する。
【0013】
この袋10は連続製袋機により製袋される。図2は、本発明における連続製袋機の一実施形態を示す模式図である。図2に示すように、連続製袋機20は、長尺の胴部シート12a,12b及び長尺の底部シート14を繰り出し、底部シート14を袋の内側に向かって山折りに折り返し、パンチ穴打抜き部(図示しない)により底部シート14にパンチ穴が設けられ、該底部シート14が胴部シート12a(表側)と胴部シート12b(裏側)の間に挿入され重ね合わせる繰出工程A、重ね合わされた胴部シート12a,12bと底部シート14をボトムシールバー22及びサイドシールバー24によりシールするシール工程B、及び、打抜き装置28により袋の形状に打ち抜く打抜き工程Dを備える。尚、図2は、連続製袋機20の要部の構成を示しており、本実施形態の特徴部分との関連性の低い構成部分は省略している。
【0014】
図3は、図2の検査工程Cにおける製袋時の袋の部分拡大平面図である。
胴部シート12a,12b及び底部シート14は、ベースフィルム層とシーラント層がラミネートされたシートであり、ボトムシールバー22及びサイドシールバー24の熱によりシーラント層が溶融してシート同士が融着する。
また、底部シート14には、図3に示すように、サイドシール16が付される位置にパンチ穴30が設けられており、パンチ穴30により一対の胴部シート12a,12b同士が直接シールされ融着されるように設けられている。
【0015】
ボトムシールバー22は中央が凹んだ凹曲線の船底形状に形成された熱板で、底部シート14と一対の胴部シート12a,12bを融着させる。また、サイドシールバー24は直線状に形成され、一対の胴部シート12a,12b同士の融着及び胴部シート12a,12bと底部シート14を融着させる。
サイドシールバー24は、連続して製袋する先行の袋と後行の袋のサイドシールを一度にシールする幅寸法に設けられている。また、同じ位置を複数のサイドシールバー24でシールすることによりシール強度を高めることができる。
【0016】
ボトムシール18及びサイドシール16が施された袋は、打抜き工程Dにおいて打ち抜き刃で打ち抜かれて一つ一つの袋となる。なお、打ち抜く前の袋には、先行の袋と後行の袋の隣接する袋の間に、所定幅の袋の領域外となる部分32が設けられている。
【0017】
本発明においては、ボトムシール22及びサイドシール14がされるシール工程Bと、打抜き工程Dの間に、検査装置26が設置され、該検査装置による検査工程Cが備えられている。
本発明に係る袋の検査装置の一実施形態としては、以下の方法で検査を行うことに特徴を有する。すなわち、一対の胴部シート12a,12bの間に、二つ折りの底部シート14が挟まれた状態でサイドシール16及びボトムシール18が施されて作製される袋10の検査装置であって、サイドシール16、ボトムシール18及び底部シート14の検査箇所を撮影する撮影手段と、撮影手段で撮影された画像を基に、サイドシール16及びボトムシール18の位置が適正か否かを検査するシール位置検査手段と、撮影手段で撮影された画像を基に、底部シート14の位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査手段と、を備えるものである。
【0018】
また、別の実施形態としては、一対の胴部シート12a,12bの間に、二つ折りの底部シート14が挟まれた状態でサイドシール16及びボトムシール18が施され、底部シート14が挟まれた部分のサイドシール16で、底部シート14に設けられたパンチ穴30により一対の胴部シート12a,12b同士が直接シールされる部分を有する袋10の検査装置であって、サイドシール16、ボトムシール18、底部シート14及びパンチ穴30の検査箇所を撮影する撮影手段と、撮影手段で撮影された画像を基に、サイドシール16及びボトムシール18の位置が適正か否かを検査するシール位置検査手段と、撮影手段で撮影された画像を基に、底部シート14の位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査手段と、撮影手段で撮影された画像を基に、パンチ穴30の位置が適正か否かを検査するパンチ穴位置検査手段と、を備えるものである。
【0019】
先ず、本発明に係る検査装置の一実施形態の撮影手段について説明する。
撮影手段は、連続製袋機の検査装置26において、連続して流れてくる袋毎に検査箇所を撮影するカメラ等が例示される。検査箇所となる撮影範囲は、後述する検査対象である、サイドシールの検査位置やボトムシールの検査位置、底部シートの検査位置、パンチ穴の検査位置が含まれる範囲である。検査対象毎に撮影しても良いし、全検査対象と基準位置が含まれる範囲を撮影することでも良い。特に、全検査対象が含まれる範囲を撮影することが、撮影した画像を一度処理から好ましい。
尚、撮影範囲には、位置ずれの判定を行う為の基準位置を含んでいることが好ましい。
【0020】
基準位置は、長尺の一対の胴部シート12a,12bのうち、撮像手段により撮影される側の一方の胴部シート12a上に設けられていれば良い。基準位置は、長尺の胴部シート12aに施された印刷情報の中から設定しても良いし、胴部シート12aの袋の領域外となる位置32に基準位置となる印刷を別途施すことでも良いし、又は、胴部シート12aの袋の領域外となる位置32にエンボス加工等で突起や凹部を設けることであっても良い。
【0021】
胴部シート12aに施された印刷情報の中から基準位置を設定する場合は、文字、記号、数字、絵柄等の印刷デザインの中から、例えば文字の角部など、適宜設定することができる。
また、袋の領域外となる位置32に基準位置aを印刷する場合は、胴部シートの印刷と同時に付すことが好ましく、黒丸や×マークなど撮像部で撮影した際に認識しやすい色や形であることが好ましい。
基準位置は、全検査対象に対して1つのみ設定することであっても良いし、検査対象毎に複数の基準位置を設定することであっても良い。
【0022】
次に、シール位置検査手段について説明する。シール位置検査手段は、撮影手段で撮影された画像を基に、サイドシール16とボトムシール18が適正位置か否かの検査を行う。
サイドシール16及びボトムシール18の位置が適正か否かを検査するシール位置検査手段は、サイドシール16及びボトムシール18の位置を検出するシール位置検出手段と、該シール位置検出手段により検出されたサイドシール16とボトムシール18の位置が、適正位置か否かを判定するシール位置判定手段とを備える。
【0023】
シール位置検出手段は、サイドシール16及びボトムシール18の任意の箇所、特に画像処理で検出しやすい箇所を選定して設定することが好ましい。
検出方法としては、サイドシール16とボトムシール18を別々に検出する方法、サイドシール16とボトムシール18の交点により検出する方法がある。
サイドシール16とボトムシール18を別々に検出する場合、サイドシール16の検出方法としては、例えば、サイドシール16の両側の境界線16a,16a’を検出し、この両側の境界線16a,16a’を基に、仮想中心線16bを算出してサイドシール16の検査対象位置を得ることができる。
そして、次のシール位置判定手段において、仮想中心線16bと基準位置aとの位置関係より、サイドシール16が適正範囲に位置するか否か判定することができる。
【0024】
また、ボトムシール18の検出方法としては、例えば、ボトムシールバーに設けられたエア抜き用の穴(円形または楕円形であり、図示しない)に伴って形成されるボトムシール18の未シール部18aの輪郭を検出し、検出した未シール部18aの重心18bを算出してボトムシール18の検査対象位置を得ることができる。
そして、シール位置判定手段において、未シール部の重心18bと基準位置aとの位置関係により、ボトムシール18が適正範囲に位置するか否かを判定することができる。
【0025】
サイドシール16とボトムシール18の交点により検出する方法としては、サイドシール16の境界線16aとボトムシール18の境界線18cとの交点αの位置を検出して検査対象位置を得ることができる。
そして、シール位置判定手段において、サイドシール16とボトムシール18の交点αと基準位置aとの位置関係により、サイドシール16及びボトムシール18の両方が適正範囲に位置するか否か判定することができる。
これにより、上述したサイドシール16とボトムシール18の位置を別々に検出しなくても、一度に両方のシール位置を検査することができる。
【0026】
シール位置判定手段は、胴部シート12a上に設定された基準位置aからの位置関係で、予め設定された適正範囲と比較して、サイドシール16及びボトムシール18が適正範囲に位置するか否かを判定する。
具体的には、サイドシール16の仮想中心線16bを用いて判定を行う場合、サイドシール16の仮想中心線16bと基準位置aとの適正距離及び前記適正距離から許容されるズレ範囲(適正範囲)を予め設定しておき、シール位置検出工程で算出されたサイドシール16の仮想中心線16bを基に、適正範囲か否かを判定する。
また、ボトムシール18の未シール部の重心18bを用いて判定する場合や、サイドシール16とボトムシール18の交点αを用いて判定する場合も、上記と同様の内容で判定をすることができる。
判定された結果は、連続製袋機に設けられている表示部(図示しない)に送られて合否が表示されるのが好ましい。この表示により、製袋装置のオペレーターは、製袋が確実に行われているか否かを認識することができる。
【0027】
次に、底部シート位置検査手段について説明する。
本発明は、上述したシール位置検査手段と、底部シート位置検査手段の2つの位置を確認することで液漏れのない袋をつくることを見出したものである。
すなわち、袋に液状の内容物を充填した際、サイドシールにおける胴部シートと底部シートとの境界位置に応力が集中し、経時により境界位置のシール強度が弱くなってしまうとそこから液漏れが発生してしまうという課題の発見から、上述のシール部交点α及びシート段差部交点16cの位置関係が重要であることを見出し、更に、サイドシール16とボトムシール18のシール位置に加え、底部シート14の位置関係が重要であることを見出し、本発明に至ったものである。
【0028】
本発明に係る検査装置の一実施形態の底部シート位置検査手段について説明する。
撮影手段で撮影された画像を基に、底部シート14の位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査手段は、底部シート14の折り目線34の位置を検出する底部シート位置検出手段と、底部シート位置検出手段により検出された底部シートの折り目線34が、胴部シート12a上に設定された基準位置aとの位置関係で予め設定された適正範囲に入るか否か判定する底部シート位置判定手段とを備えることが好ましい。
【0029】
底部シート位置検出手段では、撮影手段で撮影された画像を処理して底部シートの折り目線34を検出する。そして、底部シート位置判定手段において、底部シートの折り目線34と基準位置aとの位置関係により、予め設定された適正範囲に底部シートの折り目線34が位置するか否かを判定する。
判定された結果は、連続製袋機に設けられている表示部(図示しない)に送られて合否が表示されるのが好ましい。この表示により、製袋装置のオペレーターは、製袋が確実に行われているか否かを認識することができる。
【0030】
次に、上述において、別の実施形態として記載したパンチ穴位置検査手段について説明する。
本発明においては、別の実施形態として、シール位置及び底部シート位置に加え、底部シートに設けられたパンチ穴30が適正な位置かを検査するパンチ穴位置検査手段を備えることを特徴とする。作製された袋のパンチ穴の位置がずれていると、袋のシール強度が低下するおそれがあり、袋に液状の内容物が充填された際に液漏れの原因となり得るためである。
【0031】
本実施形態に係るパンチ穴位置検査手段は、パンチ穴の重心γの位置を検出するパンチ穴位置検出手段と、パンチ穴位置検出手段により検出されたパンチ穴の重心γの位置が、胴部シート12a上に設定された基準位置aとの位置関係で予め設定された適正範囲に入るか否か判定するパンチ穴位置判定手段とを備える。
【0032】
パンチ穴位置検出手段では、撮影手段で撮影された画像を基にパンチ穴30の輪郭を検出し、この輪郭からパンチ穴30の重心γを算出してパンチ穴30の検査対象位置を得ることができる。
そして、パンチ穴位置判定手段において、パンチ穴30の重心γと基準位置aとの位置関係により、予め設定された適正範囲にパンチ穴30の重心γが位置するか否かを判定する。
尚、パンチ穴位置検出手段においてパンチ穴30の輪郭を検出した際、パンチ穴が真円状に保たれているか、即ち連続製袋でシートにテンションがかかった際にパンチ穴が伸びていないかの検査を行うことも可能である。
そして、判定された結果は、連続製袋機に設けられている表示部(図示しない)に送られて合否が表示されるのが好ましい。この表示により、製袋装置のオペレーターは、製袋が確実に行われているか否かを認識することができる。
【0033】
上述のように、本実施形態においては、シール位置検査手段、底部シート位置検査手段、及び、任意でパンチ穴位置検査手段の3つの検査を行うことについて説明したが、4つ以上の位置検査を行うことであっても良い。例えば、サイドシール幅やボトムシール幅、底部シート下端の位置検査を行うことであっても良い。
【0034】
次に、本発明に係る袋の検査方法について説明する。
本発明に係る袋の検査方法は、上述した袋の検査装置を用いて行う。すなわち、一対の胴部シート12a,12bの間に、二つ折りの底部シート14が挟まれた状態でサイドシール16及びボトムシール18が施されて作製される袋10の検査方法であって、撮影手段により前記サイドシール、前記ボトムシール及び前記底部シートの検査箇所を撮影する撮像工程と、撮像工程により撮影された画像を基に、サイドシール16及びボトムシール18の位置が適正か否かを検査するシール位置検査工程と、撮像工程により撮影された画像を基に、底部シート14の位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査工程と、を備えるものである。
【0035】
また、別の実施形態としては、一対の胴部シート12a,12bの間に、二つ折りの底部シート14が挟まれた状態でサイドシール16及びボトムシール18が施され、底部シート14が挟まれた部分のサイドシール16で、底部シート14に設けられたパンチ穴30により一対の胴部シート12a,12b同士が直接シールされる部分を有する袋10の検査方法であって、撮影手段により、前記サイドシール、前記ボトムシール、前記底部シート及び前記パンチ穴の検査箇所を撮影する撮像工程と、撮像工程により撮影された画像を基に、サイドシール16及びボトムシール18の位置が適正か否かを検査するシール位置検査工程と、撮像工程により撮影された画像を基に、底部シート14の位置が適正か否かを検査する底部シート位置検査工程と、撮像工程により撮影された画像を基に、パンチ穴30の位置が適正か否かを検査するパンチ穴位置検査工程と、を備えるものである。
【0036】
本発明に係る袋の検査工程は、液状の内容物が充填する場合に液漏れ発生のおそれが無い袋を作製するために必要な検査を行うことができる方法であり、本方法により、液漏れのしにくい袋の選別が可能となる。
【符号の説明】
【0037】
10 袋
12a 胴部シート
12b 胴部シート
14 底部シート
16 サイドシール
16a 16a’ サイドシールの境界線
16b サイドシールの仮想中心線
16c サイドシールの段差部
18 ボトムシール
18a 未シール部
18b 未シール部の重心
18c ボトムシールの境界線
20 連続製袋機
22 ボトムシールバー
24 サイドシールバー
26 検査装置
28 打ち抜き装置
30 パンチ穴
32 袋の領域外となる部分
34 底部シートの折り目線
a 基準位置
α サイドシールとボトムシールのシール部交点
γ パンチ穴の重心
A 繰出工程
B シール工程
C 検査工程
D 打抜き工程

図1
図2
図3