(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132590
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】フォトフレーム
(51)【国際特許分類】
A47G 1/14 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A47G1/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043424
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】521134709
【氏名又は名称】株式会社ノハナ
(74)【代理人】
【識別番号】100134706
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】大森 和悦
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111BD01
3B111BD04
3B111BE01
3B111CA02
3B111CB01
3B111CC01
3B111CC03
3B111CD01
3B111CD04
3B111CE01
(57)【要約】
【課題】複数の写真を収容し、鑑賞される写真を他の写真に容易に交換できるフォトフレームを提供する。
【解決手段】フォトフレーム10は、矩形状の前面板部15と、矩形状の背面板部16と、周囲部13と、貫通孔25と、写真が挿入される挿入口12とを備え、複数の写真を収容する。前面板部15は、最前面の写真を露出する開口が形成され、背面板部16は、前面板部との間に複数の写真を収容する収容空間17を形成する。周囲部20は、収容空間17を画定する。貫通孔25は、背面板部16の一対の第1端縁21a,21bの中央、かつ、一対の第2端縁26aに寄せた位置に形成される。貫通孔25は、支持棒と、壁面からの突出物とが選択的に挿入される。挿入口12は、第1端縁21bに接続する周囲部20aに、スリット状に形成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の写真を収容するフォトフレームにおいて、
積層された前記複数の写真のうち最前面の前記写真を露出する開口が形成された矩形状の前面板部と、
前記前面板部との間に前記複数の写真を収容する収容空間を形成する矩形状の背面板部と、
前記前面板部と前記背面板部との周囲に配されて前記収容空間を画定する周囲部と、
前記背面板部の互いに向かい合う一対の第1端縁の中央、かつ、前記第1端縁と交差する一対の第2端縁のうちの一方に寄せた位置に形成され、前記フォトフレームが台上に載置される場合に前記フォトフレームを前記背面板部側から支持する支持棒と前記フォトフレームが壁面上に配される場合に前記壁面から突出して設けられた突出物とが選択的に挿入される貫通孔と、
前記一対の第1端縁のうちいずれか一方に接続する前記周囲部に、スリット状に形成され、前記写真が挿入される挿入口と
を備えるフォトフレーム。
【請求項2】
前記貫通孔に挿脱される前記支持棒を備える請求項1に記載のフォトフレーム。
【請求項3】
前記貫通孔は、
前記支持棒が挿入される第1孔部と、
前記突出部が挿入され、前記第1孔部よりも孔径が小さい第2孔部と
を有する請求項1または2に記載のフォトフレーム。
【請求項4】
前記第2孔部は、前記第1孔部よりも前記第2端縁に近い位置に形成されており、
前記背面板部には、前記第2孔部の外側が薄肉にされた薄板部が形成されており、
前記薄板部の前記収容空間側の表面は、前記背面板部の前記収容空間側の表面よりも奥まっている請求項3に記載のフォトフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
鑑賞される写真を保持するフォトフレームとして、鑑賞される写真に加えて他の写真を収容することができるものがある。例えば、特許文献1に記載されるフォトフレームは、仕切板と、仕切板の外周縁部に設けられた枠板と、写真を収容するポケットとを備え、鑑賞される写真以外の写真はポケットに収容されることにより保管される。このフォトフレームにおいては、仕切板の外周縁部に、側面からみて枠板の側端面部が仕切板の一方または両方の外側へ突出しているように固定して該枠板で囲まれた内側に写真嵌め込み用の窓が形成されている。さらに、該仕切板と接する窓の奥の位置にある枠板の上下端縁部または左右端縁部に、写真及び透明な写真カバーの端縁部が係止する係合溝が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるフォトフレームは、仕切板の一方の板面側のポケットに保管された写真と他方の板面側において係合溝に係止された鑑賞される写真との交換の容易さを欠いている。
【0005】
そこで、本発明は、複数の写真を収容し、鑑賞される写真を他の写真に容易に交換できるフォトフレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフォトフレームは、矩形状の前面板部と、矩形状の背面板部と、周囲部と、貫通孔と、写真が挿入される挿入口とを備え、複数の写真を収容する。前面板部は、積層された複数の写真のうち最前面の写真を露出する開口が形成されている。背面板部は、前面板部との間に複数の写真を収容する収容空間を形成する。周囲部は、前面板部と背面板部との周囲に配されて収容空間を画定する。貫通孔は、背面板部の互いに向かい合う一対の第1端縁の中央、かつ、第1端縁と交差する一対の第2端縁のうちの一方に寄せた位置に形成される。貫通孔は、フォトフレームが台上に載置される場合にフォトフレームを背面板部側から支持する支持棒と、フォトフレームが壁面上に配される場合に壁面から突出して設けられた突出物とが選択的に挿入される。挿入口は、一対の第1端縁のうちいずれか一方に接続する周囲部に、スリット状に形成される。
【0007】
貫通孔は、支持棒が挿入される第1孔部と、突出部が挿入され、第1孔部よりも孔径が小さい第2孔部とを有することが好ましい。
【0008】
第2孔部は、第1孔部よりも第2端縁に近い位置に形成されており、背面板部には、第2孔部の外側が薄肉にされた薄板部が形成されており、薄板部の収容空間側の表面は、背面板部の収容空間側の表面よりも奥まっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の写真を収容し、鑑賞される写真を他の写真に容易に交換できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態であるフォトフレームの斜視図である。
【
図3】フォトフレームの説明図であり、(A)は断面図、(B)は正面図である。
【
図4】壁面上に配される場合のフォトフレームの断面図である。
【
図5】支持棒使用時のフォトフレームの断面図である。
【
図6】別の実施形態であるフォトフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すように、本発明の実施形態の一例であるフォトフレーム10は、複数の写真11A,11B,11C,・・・を積層された状態に収容する。写真11A,11B,11C,・・・は、印画紙に画像が記録されたプリント写真である。写真11A,11B,11C,・・・が挿入される挿入口12は、一方向に延びたスリット状に形成されている。この挿入口12により写真11A,11B,11C,・・・が出し入れされる。
【0012】
フォトフレーム10は、正面を成す前面板部15と、前面板部15と対向して配され、背面を成す背面板部16と、周囲部20とを有する。周囲部20は、前面板部15と背面板部16との間の周囲に配されて前面板部15と背面板部16との外周同士を接続する。これにより周囲部20は、写真11A,11B,11C,・・・が収容される収納空間17を画定する。前面板部15には、写真の記録面を直接に露出する開口23が形成されている。これにより、積層された複数の写真11A,11B,11C,・・・の内、最前面の写真11Aは、開口23から直接に露出し、鑑賞される。
【0013】
複数の写真11A,11B,11C,・・・の各印画紙は、本実施形態においては専用の印画紙を使用しているが、市販のもので構わない。
図1においては、印画紙の厚みは大きく誇張して描いている。以降の説明において、写真11A,11B,11C,・・・を区別しない場合には写真11と記載する。
【0014】
図2に示すように、挿入口12が延びた方向、すなわち挿入口12の長手方向をX方向とし、X方向と直交し、かつ前面板部15と背面板部16とが対向する方向をY方向とし、X方向及びY方向と直交する方向をZ方向とする。前面板部15及び背面板部16は、外郭の形状が互いに等しく、サイズも互いに等しい。前面板部15及び背面板部16は、XZ平面において正方形であるが、矩形であればよい。本例において、前面板部15及び背面板部16は、X方向における長さL1とZ方向における長さL2とが150mmである。前面板部15のY方向における長さ(厚み)L3は5mm、背面板部16のY方向における長さ(厚み)L4は5mmである。しかし、長さL1~L4は本例に限定されない。挿入口12のX方向における長さL5は143mm、Y方向における長さL6は5mmであるが、長さL5,L6は本例に限定されない。フォトフレーム10のY方向における長さL7は、長さL3と長さL4と長さL6との和であり、本例では15mmとなっている。
【0015】
本例において、開口23のX方向における長さL8は135mm、Z方向における長さL9は135mmである。ただし、長さL8及び長さL9は本例に限定されない。
【0016】
前面板部15との間に収容空間17を形成する背面板部16はY方向である厚み方向に貫通した貫通孔25を有する。貫通孔25は、Z方向において背面板部16の互いに向かい合う一対の第1端縁21a,21bの中央、すなわち、一方の第1端縁21aと他方の第1端縁21bとの間の中央に形成されている。貫通孔25は、一対の第1端縁21a,21bと交差する一対の第2端縁26a,26bのうちの一方26aに寄せた位置に形成されている。挿入口12は、一対の第1端縁21a,21bのうちいずれか一方に接続する周囲部20に形成され、本例では、第1端縁21bに接続する周囲部20aに形成されている。以上の構成により、フォトフレーム10は、一対の第2端縁26a,26bのうちのいずれか一方が上側、他方が下側となるような姿勢にされると、スリット状の挿入口12は第2端縁26a,26bに直交する第1端縁21bに沿って、すなわち上下方向に、延びている。そのため、写真11の出し入れが極めて容易であり、その結果、鑑賞される最前面の写真11Aが他の写真11B,11C,・・・に容易に交換される。
【0017】
挿入口12の幅(Y方向における長さ)は、収容空間17のY方向における長さと同じであり、Y方向において挿入口12と収容空間17とは重なって位置する。これにより、写真11の挿入口12を介しての出し入れがより容易であり、鑑賞される最前面の写真11Aが他の写真11B,11C,・・・に容易に交換される。なお、収容空間17及び挿入口12のY方向における長さは、本例では5mmとし、写真11が8枚収容できるようにしているが、写真11が複数枚収容される収容空間17及び出し入れされる挿入口12であれば、本例よりも大きく設定してもよいし小さく設定してもよい。また、本例では、挿入口17のX方向における両端位置は、収容空間17のX方向における両端位置と同じとしており、これにより、写真11の出し入れがより容易になるので、写真11の交換がより容易である。
【0018】
図3に示すように、貫通孔25は、背面板部16においてY方向である厚み方向に貫通した孔として形成されており、円形状の第1孔部31と、第1孔部31の内径よりも小さい開口幅で第1孔部31からX方向に延びた第2孔部32とを有する。第2孔部32の端部は半円形状になっている。第2孔部32は、第1孔部31よりも、一対の第2端縁26a,26bのうちの一方に近い位置、この例では第2端縁26aに近い位置に形成されている。すなわち、貫通孔25は、X方向に延びた長穴の第2端縁26b側の端部に、当該長穴の開口幅よりも大きな径の円形の孔を形成した形状に形成されており、第2端縁26b側の端部の円形の孔が第1孔部31であり、第2端縁26a側の端部が第2孔部32である。背面板部16の第2孔部32の外側(外周部分)には、背面板部16の他の部分よりも厚みが小さな薄板部40がU字状に形成されている。薄板部40の収容空間17側の表面40sは、背面板部16の他の部分の収容空間17側の表面52よりも奥まっている。本例において、貫通孔25及び薄板部40のX方向における長さL10は20mm、第1孔部31の孔径D1は10mm、第2孔部32の孔径D2は5mmである。薄板部40の厚さT51は、3mmである。背面板部16の表面52と開口23との距離は10mm、薄板部40の表面40sと開口23との距離は12mmである。
【0019】
貫通孔25は、フォトフレーム10が台上に載置される場合にフォトフレーム10を背面板部16側から支持する支持棒と、フォトフレーム10が壁面上に配される場合に当該壁面から突出して設けられた突出物とが選択的に挿入される。例えば、
図4に示すように、突出物の一例としての鉤35が壁面36sから突出して設けられている場合には、鉤35が第2孔部32に挿入される。これにより、フォトフレーム10が壁36に掛けられて最前面の写真11A(
図1参照)が鑑賞される。突出物は、鉤35に限定されず、鉤35の代わりに、釘(図示無し)やフック(図示無し)でもよい。
【0020】
薄板部40の収容空間17側の表面40sは、背面板部16の他の部分の収容空間17側の表面52よりも前面板部15からの距離が上記のように大きい。これにより、第2孔部32に通された鉤35の屈曲した先端または突出物として他例である釘(図示無し)の第2孔部32の孔径D2よりも大きい先端が薄板部40の内部に納められ、鉤35の当該先端が収容空間17へ突出しないよう、あるいは当該先端の収容空間17への突出量が小さく抑えられる。その結果、鉤35は、複数の写真11A,11B,11C,・・・の内、背面板部16に最も近い位置にある写真11に触れにくくなる。このため、フォトフレーム10が壁面36s上に配された状態で写真11が背面板部16に対面するように挿入された場合に、当該写真11が鉤35の先端に当たりにくく、収容空間17に円滑かつ迅速に収められる。したがって、写真の交換も容易である。本例において、背面板部16の収容空間17側の表面52から薄板部40の収容空間17側の表面40sまでの距離は2mmである。背面板部16の収容空間17と反対側の裏面54には貫通孔25が第1孔部31と第2孔部32との形に開口している。
【0021】
また、フォトフレーム10が台55の上に載置される場合には、
図5に示すように、第1孔部31に支持棒56が挿入される。支持棒56は、フォトフレーム10を背面板部16側から支持するものであり、第1孔部31に端部が挿通することができる直径を有する円柱状に形成されている。支持棒56は、第1孔部31に挿通された先端が収容空間に突出しないような直径に設定されていることが好ましい。本例の支持棒56の直径は8mmであり、長さは58mmである。
【0022】
以上のように、貫通孔25には、フォトフレーム10が台55上に載置される場合にフォトフレーム10を背面板部16側から支持する支持棒56と、フォトフレーム10が壁面36s上に配される場合に壁面36sから突出して設けられた鉤35とが選択的に挿入される。これにより、フォトフレーム10は壁掛け態様と写真立て態様とのいずれの態様でも用いられる。
【0023】
なお、前面板部15と背面板部16と周囲部20とは、それぞれ別部材で形成されていてもよいし、これらのうち少なくとも2つが一体に形成されていてもよい。例えば、
図6に示すフォトフレーム60は、前面板部15を構成する前面部材61aと周囲部を構成する周囲部材62aとが一体に形成されている。同様に前面部材61bと周囲部材62bとが一体、前面部材61cと周囲部材62cとが一体、前面部材61dと周囲部材62dとが一体に形成され、これらが組み付けられることで前面板部15と周囲部20とが形成される。これらが背面板部63と組み付けられることでフォトフレーム60が構成される。
【符号の説明】
【0024】
10,60 フォトフレーム
11A,11B,11C,・・・ 複数の写真
12 挿入口
15 前面板部
16,63 背面板部
17 収容空間
20 周囲部
21a,21b 第1端縁
23 開口
25 貫通孔
26a,26b 第2端縁
31 第1孔部
32 第2孔部
35 鉤
36s 壁面
40 薄板部
40s 薄板部の表面
D1,D2 孔径
L4 背面板部の厚み
T51 薄板部の厚み
52 背面板部の表面
54 背面板部の裏面
55 台
56 支持棒