(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132597
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】逆止め弁
(51)【国際特許分類】
F16K 15/08 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
F16K15/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043433
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】390002381
【氏名又は名称】株式会社キッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100221198
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 寿
(72)【発明者】
【氏名】浅川 芳比古
【テーマコード(参考)】
3H058
【Fターム(参考)】
3H058AA05
3H058BB14
3H058CA04
3H058CB24
3H058CC02
3H058CC07
3H058CD04
3H058EE09
3H058EE10
(57)【要約】
【課題】 小型でありながら流量を大きくすることができる逆止め弁を提供する。
【解決手段】 弁座及び流路が構成された弁箱と、前記弁座に着座して前記弁箱内における2次側からの流体の流れを止める弁体と、前記弁箱内において前記弁体を前記弁座に着座させる方向に付勢するスプリングと、を備えた逆止め弁であって、前記弁体は、前記弁座に押しつけられることで前記流路を塞いで流れを閉止する基部と、前記基部の外周面から外側に突起する複数の外周突起部と、を有し、前記スプリングが前記複数の外周突起部の端面と前記弁箱の2次側に形成された段部の面との間に配置されて前記外周突起部を前記弁座に向けて押しつけ、隣接する2つの前記外周突起部の間で、前記弁体における前記基部の前記外周面と、当該外周面よりも外側に位置する前記スプリングの内周面との間に流体が直線的に流れる流路が形成される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座及び流路が構成され一対の通孔を介して流体を流す弁箱と、
流体の流れる方向において往復可能に前記弁箱に収容されて、前記弁座に着座して前記弁箱内における2次側からの流体の流れを止める弁体と、
前記弁箱内において前記弁体を前記弁座に着座させる方向に付勢するスプリングと、を備えた逆止め弁であって、
前記弁体は、前記弁座に押しつけられることで前記流路を塞いで流れを閉止する基部と、
前記基部の外周面から外側に突起する複数の外周突起部と、を有し、
前記スプリングが前記複数の外周突起部の端面と前記弁箱の2次側に形成された段部の面との間に配置されて前記外周突起部を前記弁座に向けて押しつけ、
隣接する2つの前記外周突起部の間で、前記弁体における前記基部の前記外周面と、当該外周面よりも外側に位置する前記スプリングの内周面との間に流体が直線的に流れる前記流路が形成される、
逆止め弁。
【請求項2】
前記外周突起部における前記端面が前記基部の2次側に向けられた端部から2次側に離れて設けられる、
請求項1に記載の逆止め弁。
【請求項3】
弁座及び流路が構成され一対の通孔を介して流体を流す弁箱と、
流体の流れる方向において往復可能に前記弁箱に収容されて、前記弁座に着座して前記弁箱内における2次側からの流体の流れを止める弁体と、
前記弁箱内において前記弁体を前記弁座に着座させる方向に付勢するスプリングと、を備えた逆止め弁であって、
前記弁体は、前記弁座に押しつけられることで前記流路を塞いで流れを閉止する基部と、
前記基部の外周面から外側に突起する複数の外周突起部と、を有し、
前記スプリングが前記複数の外周突起部の端面と前記弁箱の2次側に形成された段部の面との間に配置されて前記外周突起部を前記弁座に向けて押しつけ、
前記外周突起部における前記端面が前記基部の2次側に向けられた端部から2次側に離れて設けられる、
逆止め弁。
【請求項4】
隣接する2つの前記外周突起部の間で、前記弁体における前記基部の前記外周面と、当該外周面よりも外側に位置する前記スプリングの内周面との間に流体が直線的に流れる前記流路が形成される、
請求項3に記載の逆止め弁。
【請求項5】
前記隣接する前記外周突起部の間における前記弁体の前記外周面が、前記外周突起部が形成された位置における前記弁体の前記外周面よりも、内側に位置する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の逆止め弁。
【請求項6】
前記弁体は、前記複数の外周突起部から2次側に向けて伸びる複数の足部を備え、
前記スプリングは、前記複数の足部の外周面と前記弁箱の内周面との間に配置される、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の逆止め弁。
【請求項7】
前記弁箱は、一方の前記通孔を有して前記弁体及び前記スプリングを収容するボデーと、他方の前記通孔を有し前記ボデーの開口部を塞ぐキャップとを有し、
前記キャップの前記ボデーに向けられる端面に、他方の前記通孔の外周を囲むように環状に形成された環状突起部が形成され、
前記環状突起部に、可撓性を有するシートリングがはめ合わされて設けられている、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の逆止め弁。
【請求項8】
前記ボデーと前記キャップとの間において、前記シートリングの外側にOリングが設けられている、
請求項7に記載の逆止め弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、逆止め弁に関する。
【背景技術】
【0002】
案内式剛体弁部材をもつ逆止め弁として、例えば、特許文献1に示すような逆止め弁が知られている。この逆止め弁では、略筒状に形成されたボデーとキャップ体とによって構成される円筒空間においてポペット弁体が往復可能にガイドされている。ポペット弁体は、連続する平面部と円筒部とにより構成される。ポペット弁体は、その内部に収容されたスプリングの弾発力によって平面部をキャップ体の弁座シール面に押しつけられることで、シール可能に構成されている。
【0003】
この逆止め弁では、ポペット弁体の円筒部においてキャップ体側の位置に4つの流路穴が設けられている。これにより、ポペット弁体では円筒部の内周側と外周とを連通して、キャップ体に設けられた流路とボデー側に設けられた縮径孔が連通され、流体を流すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなポペット弁体を用いた逆止め弁では、キャップ体側の流路からボデーの円筒空間内に流れ込んだ流体が、ポペット弁体の外周に沿って流れた後に、4つの流路穴を介してポペット弁体の内部を通過する。このため、このような逆止め弁では、ポペット弁体の外側から内側に流れ込む際に流体の流れが大きく曲げられることで流体抵抗を低くしにくく、流量を増加させるためには逆止め弁を大きくする必要があった。
【0006】
このため、このような逆止め弁では、高圧流体に対する優れた逆止め性能を発揮することはできる反面、逆止め弁の内部における流体抵抗が高くなってしまう。したがって、小型な構成で流量を増やすことは困難であった。
【0007】
そこで、本開示では、小型でありながら流量を大きくすることができる逆止め弁を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示によれば、弁座及び流路が構成され一対の通孔を介して流体を流す弁箱と、流体の流れる方向において往復可能に前記弁箱に収容されて、前記弁座に着座して前記弁箱内における2次側からの流体の流れを止める弁体と、前記弁箱内において前記弁体を前記弁座に着座させる方向に付勢するスプリングと、を備えた逆止め弁であって、前記弁体は、前記弁座に押しつけられることで前記流路を塞いで流れを閉止する基部と、前記基部の外周面から外側に突起する複数の外周突起部と、を有し、前記スプリングが前記複数の外周突起部の端面と前記弁箱の2次側に形成された段部の面との間に配置されて前記外周突起部を前記弁座に向けて押しつけ、隣接する2つの前記外周突起部の間で、前記弁体における前記基部の前記外周面と、当該外周面よりも外側に位置する前記スプリングの内周面との間に流体が直線的に流れる流路が形成される、逆止め弁が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、弁座及び流路が構成され一対の通孔を介して流体を流す弁箱と、 流体の流れる方向において往復可能に前記弁箱に収容されて、前記弁座に着座して前記弁箱内における2次側からの流体の流れを止める弁体と、前記弁箱内において前記弁体を前記弁座に着座させる方向に付勢するスプリングと、を備えた逆止め弁であって、前記弁体は、前記弁座に押しつけられることで前記流路を塞いで流れを閉止する基部と、前記基部の外周面から外側に突起する複数の外周突起部と、を有し、前記スプリングが前記複数の外周突起部の端面と前記弁箱の2次側に形成された段部の面との間に配置されて前記外周突起部を前記弁座に向けて押しつけ、前記外周突起部における前記端面が前記基部の2次側に向けられた端部から2次側に離れて設けられる、逆止め弁が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本技術を適用した逆止め弁の一実施形態の内部構成を示す断面図。
【
図2】第1実施形態の逆止め弁の弁体の構成を示す斜視図。
【
図5】弁開状態における逆止め弁の内部構成を示す断面図。
【
図6】弁開状態の逆止め弁における流体の流れを示す説明図。
【
図7】弁が完全に開いた状態の逆止め弁における流体の流れを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、逆止め弁の実施形態について説明する。以下では、逆止め弁の主要な構成部分を中心に説明するが、逆止め弁には、図示又は説明されていない構成部分や機能が存在しうる。以下の説明は、図示又は説明されていない構成部分や機能を除外するものではない。
【0012】
≪第1実施形態≫
<逆止め弁の概略構成例>
図1は、本技術を適用した逆止め弁の一実施形態の内部構成を示す断面図である。本実施形態の逆止め弁1は、例えば-100℃を下回るような低温で高圧の流体を1次側から2次側に流し逆流を防ぐインラインチャッキとして利用可能な小型の逆止め弁である。なお、
図1を含め以下で説明する全ての図面において、1次側はX軸における正側であり、2次側はX軸における負側である。また、全ての図面において、逆止め弁1の中心線に近い側を内側といい、逆止め弁1の中心線から遠い側を外側という。
【0013】
逆止め弁1は、弁箱2の内部の流路3において流体を1次側から2次側に流し、2次側から1次側への逆流を防ぐ構成を有する。弁箱2は、ボデー10とキャップ20とを例えば図示しないボルト・ナットで固着することで構成される。なお、ボデー10にキャップ20をねじ込む螺着構造で固定して弁箱2を構成してもよい。弁箱2の内部には、弁体(ジスク)30、スプリング40、シートリング50、及び、Oリング60が収容される。換言すれば、逆止め弁1は、ボデー10、キャップ20、弁体30、スプリング40、シートリング50、及び、Oリング60を備える。ボデー10、キャップ20、弁体30、及び、スプリング40は、例えばステンレス合金などの金属製であり、シートリング50、及び、Oリング60は、例えばフッ素樹脂などの樹脂やゴム製である。
【0014】
ボデー10は、略円筒形状を有して、その内周面の形状がキャップ20側に向けて段階的に内径寸法が大きくなるように形成されている。ボデー10には、弁体30が収容される円筒空間の内周面11と、図外で外部の配管に接続される2次側に向けられた通孔12と、これらの間に設けられた段部の面である段部面13と、が形成されている。また、ボデー10には、キャップ20に向けられる面にシートリング50を挟み込む端面14が形成されている。また、ボデー10には、キャップ20に向けられる面にOリング60を挟み込む端面15が形成されている。
【0015】
キャップ20は、流体が流れ込む1次側に向けられる通孔21を有し、ボデー10の開口部を塞ぐ。通孔21は、ボデー10にキャップ20を固着した状態で通孔12と同軸となる位置に形成されている。これにより、図外で外部の配管に通孔21が接続されることで、ボデー10に形成された一方の通孔12とキャップ20に形成された他方の通孔21の一対の通孔12、21と、弁箱2内における流路3を介して流体が流される。
【0016】
また、キャップ20には、ボデー10に向けられる端面22が形成されている。シートリング50は、この端面22とボデー10の端面14とで挟み込まれる。Oリング60はこの端面22とボデー10の端面15とで挟み込まれる。弁箱2においては、これらの端面14、15、22でシートリング50だけでなくOリング60も挟み込んだ構成とすることで2重の密閉構造が構成される。また、キャップ20において、ボデー10に向けられる端面22には、他方の通孔21の外周を囲むように環状突起部23が形成されている。この環状突起部23は、後述するようにシートリング50の内周面を支持することで低温流体との接触によるシートリング50の内側への収縮を抑制する。
【0017】
弁体30は、流体の流れる方向において往復可能に弁箱2に収容されている。弁体30は、基部31と、複数の外周突起部32と、複数の足部33とを有する。弁体30は、流体圧が加わらない状態ではスプリング40の弾発力で基部31がシートリング50に押しつけられることで平面接触してシールする。
【0018】
基部31は、一端面が面取りされるとともに他端面に穴が形成された略円柱形状に形成されている。基部31は、シートリング50(特に後述する弁座部51)に押しつけられることで流路3を塞いで流れを閉止する。外周突起部32は、基部31から径方向外側に突起するように形成されている。外周突起部32は、弁体30をボデー10の内周面11においてスムーズに案内できるように、内周面11に対応した曲面形状の外周面32aを有する。足部33は、その外周にスプリング40が配置されることでスプリングガイドとして機能する。より具体的には、足部33の外周面33aとスプリング40の内周面41とが向かい合うように足部33にスプリング40が重ね合わされる。これにより、足部33はスプリング40を弁箱2内において所定の位置に配置する。なお、弁体30の具体的な構成については後述する。
【0019】
スプリング40は、圧縮ばねであり、
図1に示すように、複数の外周突起部32の端面32bと弁箱2の2次側に形成された段部面13との間に配置される。より具体的には、スプリング40の一方の端面42はボデー10の段部面13に当接し、スプリング40の他方の端面43は外周突起部32の端面32bに当接する。これにより、スプリング40は、外周突起部32を弁座部51に向けて押しつける。これにより、スプリング40は、間接的に弁体30の基部31をシートリング50に押しつける。換言すれば、スプリング40は、弁箱2内において弁体30をシートリング50の弁座部51に着座させる方向に付勢する。
【0020】
シートリング50は、可撓性を有する例えばフッ素樹脂等のソフトシートである。シートリング50は、キャップ20の通孔21の内径と同じ内径寸法を有する。シートリング50は、弁座となる弁座部51と、ボデー10とキャップ20との間に挟み込まれることでガスケットとして機能する外周部52とで構成される。弁座部51には、弁体30の斜面部31aが押しつけられるシート面51aが形成されている。これにより、逆止め弁1では、シートリング50の弁座部51に弁体30が着座して弁箱2内における2次側からの流体の流れを止めつつ、ボデー10とキャップ20との間から流体が漏れるのを防止する構成となっている。
【0021】
また、弁座部51には、環状突起部23がはめ込まれる凹部51bが形成されている。これにより、逆止め弁1を組み立てた状態においてシートリング50が環状突起部23にはめ合わされる。例えば、逆止め弁1に低温の流体が流れ込むような場合には、シートリング50は、
図1に示す破線の矢印のように内側に向けて収縮する。しかしながら、シートリング50が収縮しても環状突起部23によって収縮が止められることで、弁体30の斜面部31aと弁座部51との当たり位置を安定させることができ、低温シール性を確保することができる。
【0022】
Oリング60は、可撓性を有する樹脂材料やゴムにより断面円形の環状に形成されている。Oリング60は、ボデー10とキャップ20との間において、シートリング50の外側に設けられている。より具体的には、Oリング60がボデー10の端面15とキャップ20の端面22との間に挟み込まれることでシートリング50による密閉構造だけでは漏出を防止できなかった流体を確実にシールすることができる。なお、
図1に示すように、キャップ20の端面22に支持されたOリング60とボデー10の端面14とでシートリング50を挟み込んだシール構造としてもよい。
【0023】
このように、逆止め弁1では、弁箱2内において弁体30が着座する弁座部51が構成されるとともに、流体が流れる流路3が構成されている。これにより、逆止め弁1は、一対の通孔12、21を介して、1次側に配置された通孔21からの流体は流すが、2次側に配置された通孔12からの流体の流れは阻止する案内式剛体弁部材をもつ逆止め弁となっている。
【0024】
また、弁体30における基部31の外周面31cよりも足部33の外周面33aのほうが外側に位置するように弁体30が形成されている。これにより、基部31の外周面31cの位置する円の直径D1は、スプリング40の内周面41の直径D2よりも小さくなる。よって、弁体30における基部31の外周面31cと、外周面31cよりも外側に位置するスプリング40の内周面41との間に流体が流れる空間S(流路3)が形成されて、弁開状態において、この流路3に流体を流すことができる(
図5参照)。
【0025】
<弁体の詳細構造>
続いて、逆止め弁1において流路3となる空間Sについて説明するために、弁体30の構成について
図2から
図4を用いて具体的に説明する。
図2は、第1実施形態の逆止め弁の弁体の構成を示す斜視図である。
図3は、本実施形態の弁体の構成を示す側面図である。
図4は、本実施形態の弁体の構成を示す正面図である。
【0026】
図2に示すように、弁体30には、略円柱形状の基部31から周方向において等間隔に4つの外周突起部32が径方向外側に向けて突起するように形成されている。また、それぞれの外周突起部32より基部31から離れる向きに伸びる足部33が形成されている。これにより、弁体30は、4つの外周突起部32と4つの足部33とを有する。
【0027】
以下、各部の構成について具体的に説明する。弁体30の基部31は、斜面部31aと、平面部31bと、外周面31c、31dとを有する。斜面部31aは、
図1に示すように、逆止め弁1の中心軸を基準に弁座部51のシート面51aの傾斜と略同じ角度となるように基部31の一方の端面に形成されている。これにより、斜面部31aをシート面51aに平面接触させることで密閉性よく流路3を閉止する(
図1参照)。
【0028】
平面部31bは、基部31の一方の端面において斜面部31aの内側に形成されている。平面部31bは、逆止め弁1の中心軸に対して直交するように平面状に形成されている。また、平面部31bは、シートリング50の内径寸法、すなわちキャップ20の通孔21の内径寸法よりも小さくなるように形成されている。平面部31b及び斜面部31a が逆止め弁1の1次側から流れ込んだ流体からの圧力を受けることで、弁体30は2次側に移動する。
【0029】
基部31の外周面は、
図2に示すように、外側に位置する外周面31cと、内側に位置する外周面31dと、で構成される。外周面31cは、
図4に示すように、基部31の径方向における中心点Oを中心とした直径D1の円周上に位置することで基部31の外形をなす。また、外周面31cは、基部31の円周方向において90度おきで均等に配置される。
【0030】
一方、外周面31dは、外周面31cの位置する円の直径D1よりも小さな直径D1-1の円周上を通過しながら、隣接する2つの外周面31cを繋ぐように形成されている。より具体的には、外周面31dは、直径D1-1の円周上に位置する線分、及び、この線分と外周面31cと接続する曲線状の線分とで構成される。このように、基部31は、外周面31dにおいて外周面31cから凹んだ構成を有する。なお、外周面31dの位置する直径D1-1は、斜面部31aとシート面51aとが当接する距離を確保してシール性を確保するために、キャップ20の通孔21の直径であるD3(換言すれば弁座部51の内径寸法)よりも十分に大きくすることが好ましい。
【0031】
外周突起部32は、基部31のうち外形寸法の大きい外周面31cから径方向外側に突起するように形成されている。より具体的には、外周突起部32は、外側に位置する外周面31cから外側に突起するように形成される。これにより、外周突起部32の突起長さを短くして強度を確保することができる。結果として、外周突起部32の幅を狭めて流路3を広く取ることができる。また、外周突起部32は、基部31における外周面31cの2次側における一部分から外側に突起するように形成される。
【0032】
これにより、逆止め弁1内で弁体30の周囲を流体が
図2において破線で示すように流れるとき、外周突起部32がある部分には流体が流れることができずに迂回して隣接する2つの外周突起部32に挟まれた空間Sを流れることになる。一方、外周突起部32に挟まれた空間Sに直接流れてきた流体は外周突起部32に流れを止められず2次側に流れていく。このように、外周突起部32に挟まれた空間S は、流体を流れやすくすることができる部分となっている。
【0033】
また、
図3に示すように、外周突起部32における端面32bは、基部31の2次側に向けられた端部31eから2次側に離れて設けられる。そのぶん、ボデー10の内周面11に案内される外周面32aが逆止め弁1の軸方向に長く確保される。スプリング40は、この外周突起部32の端面32bに当接し、これ以上基部31側には配置されないため、スプリング40の基部31側の端面43と基部31の端部31eとの間には、スプリング40によって流れが阻害されない隙間C2xが形成されることになる。よって、流体が流れる空間Sを広く取るとともに、空間Sの中に特に流体の流れが阻害されない隙間C2xが形成されることによって、流体を流れやすくすることができる。また、外周突起部32には、1次側の角がC面取りされたC面部32cが形成され、2次側の角がC面取りされたC面部32dが形成されている。これらのC面部32c、32dにより、外周突起部32の外周面32aがボデー10の内周面11において摺動する際に安定的に案内される。
【0034】
次に、足部33は、逆止め弁1の2次側に向けて伸びるように外周突起部32のそれぞれから形成されている。足部33の外周面33aは、
図4に示すように、中心点Oを中心とした直径の円周上に位置するように形成されている。外周面33aの位置する円の直径は、足部33をスプリング40の内部に差し込んだ状態で、スプリング40で足部33をスムーズに案内できるように、スプリング40の内周面41の直径D2より若干小さい寸法となる。
【0035】
本実施形態における足部33は、スプリング40を押し縮めきった長さ(
図7参照)と同等な長さに形成されている。これにより、足部33における2次側に向けられた端面33bは、ボデー10の段部面13に接触する。このような構成にすることで、弁箱2内における逆止め弁1の軸方向の長さを有効に利用することができ、逆止め弁1を小型化することができる。また、スプリング40を押し縮めきった状態では、流体はスプリング40のピッチ間の隙間を通り抜けることができなくなるが、本実施形態によればその状態でも上述の隙間C2xが確実に形成されるので、小型でも流体を流すのに有利な構造となっている。
【0036】
足部33において、外周面33aと端面33bとの間にはC面取りされたC面部33cが形成されている。これにより、1次側の圧力が高くなってスプリング40を圧縮して足部33がスプリング40内に差し込まれていく際に、足部33の端面33bがスプリング40の巻き線に引っかかることをC面部33cによって防止することができる。
【0037】
また、
図2に示すように、足部33の側面33dは外周突起部32の側面と連続する面になるように形成されている。これにより、隣接する2つの外周突起部32に挟まれた空間Sを流れてきた流体は、隣接する2つの足部33の側面33dの間を通過して2次側に流れていく。
【0038】
続いて、弁体30における各部の大きさについて、
図4を用いて、逆止め弁1の他の構成と比較しながら説明する。同図において、弁体30が逆止め弁1に組み込まれた状態における他の構成の位置を、各種の線を用いて表示している。内側の1点鎖線はキャップ20における通孔21の内周面の位置を示し、2点鎖線はスプリング40の内周面及び外周面の位置を示し、外側の1点鎖線はボデー10の内周面11の位置を示す。なお、同図では、逆止め弁1の径方向の中心を中心点Oとして示す。
【0039】
図4において弁体30の上側に示すように、隣接する2つの外周突起部32の間には、流体が流れる空間Sが形成される。また、空間Sは、径方向に重ねられるように配置された4つの空間S1~S4に分けられる。同図において荒い点のハッチングで示した第1の空間S1は、弁体30における基部31の外周面31cとスプリング40の内周面41との間に形成される。また、同図において細かい点のハッチングで示した第2の空間S2は、基部31における内側の外周面31dと外側の外周面31cの位置する円との間に形成される。弁開状態において、流体はこれらの空間S1、S2を逆止め弁1の軸方向に通過することができるため、直線的な流路3を確保することができ、流体抵抗を低くし流体をスムーズに流すことができる。
【0040】
ここで、
図4に示すように、流体を主に流す第1の空間S1の径方向の内側の境界となる円を規定する直径D1に対して、その外側の境界を規定する円の直径D2は、103%以上109%以下の寸法とするのが好ましい。これにより、基部31の外周面31cが位置する円の直径D1とスプリング40の内周面の直径D2とを適切な大きさにすることができ、直線的な流路3を確保して流体をスムーズに流すことができる。また、直径D1に対する直径D2は、105%以上107%以下の寸法とするのがより好ましい。これにより、必要十分な空間S1を有する直線的な流路3を確保することができ、小型でありながら流体抵抗を低くし流体をスムーズに流すことができる逆止め弁1とすることができる。なお、基部31の内側の外周面31dの位置する円の直径D1-1を基準にスプリング40の内周面の直径D2を決定してもよい。
【0041】
一方、
図4において十字のハッチングで示した第3の空間S3は、スプリング40の外周面とボデー10の内周面11との間に形成される。後述するようにこの第3の空間S3にも流体は流れ込む。第3の空間S3に流れ込んだ流体は、スプリング40が縮めきられるまでは、第1の空間S1と第3の空間S3とに挟まれた第4の空間S4を介して、第1の空間S1に流れることができる(
図6参照)。
【0042】
<逆止め弁における流体の流れ>
続いて、逆止め弁1における流体の流れを説明するために、弁体30の構成について
図5から
図7を用いて具体的に説明する。
図5は、弁開状態における逆止め弁の内部構成を示す断面図である。
図6は、弁開状態の逆止め弁における流体の流れを示す説明図である。
図7は、弁が完全に開いた状態の逆止め弁における流体の流れを示す説明図である。これらの図面では、流体が1次側から流れ込むことで弁体30が弁座部51から離れた弁開状態を示す。なお、
図6及び
図7では、弁体30における基部31の外周面31dで切断した断面を示す。また、これらの図面では、弁箱2内の流路3における流体の流れと各部の大きさの関係を容易に理解できるように、関係する各部の図示を簡略化し、この断面に現れない構成を2点鎖線の仮想線として図示している。
【0043】
キャップ20の通孔21を介して1次側から流体が流れ込むと、
図5及び
図6に示すように、流体が基部31を押し込むことで、弁体30は2次側に移動する。これにより、シートリング50の弁座部51から弁体30が離れて弁開状態となる。
【0044】
この際に、逆止め弁1に流れ込んだ流体は、
図6に破線で示すように、2次側に流れていく。より具体的には、流体は、弁座部51のシート面51aと、弁体30における基部31の斜面部31aとの隙間C1を通過して、ボデー10の内周面11と、弁体30における基部31の外周面31dとの隙間に流れ込む。そして、流体は、スプリング40を挟んで内側の流れと外側の流れに分けられる。
【0045】
ここで、スプリング40の内側に流れ込んだ流体は、弁体30の基部31とスプリング40との隙間C2を通過する。この隙間C2は、逆止め弁1の軸方向における隙間C2xと径方向における隙間C2zとのなす斜めの辺の長さに相当する。ここで、隙間C2xは、弁体30における基部31の2次側に向けられた端部31eと、スプリング40の1次側の端面43との隙間である。隙間C2zは、弁体30における基部31の外周面31dと、スプリング40の内周面41との隙間である。この隙間C2zは、
図4に示す第1の空間S1と第2の空間S2とに相当する。このように、スプリング40の内側を流れる流体は、同図に示すスプリング40内の空間S1、S2である流路3を通過することで直線的に流れる。これにより、流体抵抗を低くして流体をスムーズに流すことができる。
【0046】
また、逆止め弁1において、隣接する外周突起部32の間における弁体30の外周面(具体的には基部31の外周面31d)が、外周突起部32が形成された位置における弁体30の外周面31cよりも、内側に位置する。これにより、流体が流れる空間Sの幅を広げて流体を流れやすくすることができる。よって、直線的な流路3を形成して小さな流体抵抗で流体を流すことができる。したがって、弁箱2内の径方向の空間を効率的に活用することで、小型の逆止め弁1であっても流量を大きくすることができる。
【0047】
また、基部31とスプリング40とのなす隙間C2は、隙間C2zだけでなく、隙間C2xの成分も含むため、基部31とスプリング40との軸方向における隙間C2xにも流体を流すことができる。これにより、小径の逆止め弁1であっても流体をスムーズに流すことができる。したがって、弁箱2内の軸方向の空間を効率的に活用して、逆止め弁1を小型化することができる。
【0048】
一方、スプリング40の外側に流れ込んだ流体は、スプリング40の外周面とボデー10の内周面11との間の空間である第3の空間S3(
図4参照)に流れ込む。そして、その流体は、
図4に示す第4の空間S4において、
図6に示すスプリング40の巻き線のピッチ間の隙間C3を通過して、スプリング40の内側に流れ込む。このように、本実施形態における逆止め弁1では、小型の弁箱2内においてスプリング40の巻き線の間にも流体を流すことで流体が流れやすい構成とすることができる。
【0049】
続いて、1次側から流れ込む流体の流量が多くなることで弁体30の基部31に加えられる圧力が高くなりスプリング40を押し縮めきったときには、
図7に示すように、弁体30がボデー10の段部面13に足部33の端面33bで接触する。この場合、スプリング40の巻き線の隙間C3は消滅する。
【0050】
これにより、弁座部51のシート面51aと、弁体30における基部31の斜面部31aとの隙間C1を通過した流体は、基部31から離れて外側に流れてもスプリング40の隙間C3を通ってスプリング40の内側に流れ込むことはなく、基部31の外周面31dの近くを通過した流体と合流する。この場合において、1次側の隙間C1は広くなり逆止め弁1に流れ込むことができる流体の流量は多くなるが、基部31とスプリング40とのなす隙間C2はそれ以上広くなることがない。このため、隣接する外周突起部32の間において隙間C2を流れることができる流量のみを通過させることができる。これにより、弁体30が最大まで開いた状態になっても流体が流れすぎてしまうことを防止することができる。このように、弁体30が最大開度に近づくにつれてスプリング40の隙間C3が小さくなり、主に隙間C2を流体が通過するようにできることで、例えば、流体の流入量が急増して2次側の圧力が急激に高まるのを避けることができる。
【0051】
また、本実施形態では、スプリング40は、複数の足部33の外周面33aと弁箱2(特にボデー10の内周面11)との間に配置されることで、スプリング40で弁体30の外側を支持することができ、弁箱2内で弁体30が傾いてしまうのを防止することができる。また、逆にボデー10の内周面11に案内されて弁箱2内において同心に位置決めされた弁体30に、スプリング40の位置を合わせることができる。これによれば、弁体30における基部31の外周面31dと、スプリング40の内周面41との間において、流体が流れる空間S(流路3)を弁体30の外周に均一に配置することができ、弁箱2内における流体を周方向において均一に流すことができる。また、スプリング40が足部33の外側に配置されることで、例えば弁体の内側にスプリングを配置する構成と比較して、弁体30に対して均等に圧力を加えることができ、シール性を高めることができる。
【0052】
以上説明したとおり、本実施形態における逆止め弁1では、弁体30が、弁座部51に押しつけられることで流路3を塞いで流れを閉止する基部31と、基部31の外周面31cから外側に突起する複数の外周突起部32と、を有する。また、スプリング40が、基部31における複数の外周突起部32の端面32bと弁箱2の2次側に形成された段部面13との間に配置されて、外周突起部32を弁座部51に向けて押しつけている。そして、隣接する2つの外周突起部32の間で、弁体30における基部31の外周面31dと、スプリング40の内周面41との間に流体が直線的に流れる流路3(空間S)が形成される。また、外周突起部32における端面32bが基部31の2次側に向けられた端部31eから2次側に離れて設けられることで隙間C2xに流体を流すこともできる。以上の構成により、本実施形態における逆止め弁1によれば、流体抵抗を小さくして、小型でありながら流量を大きくすることができる。また、逆止め弁1を軽量化することもできる。
【0053】
<逆止め弁におけるシール機能>
また、本実施形態の逆止め弁1では、シートリング50としてソフトシートを用いることで、弁体30の斜面部31aとの密着性を向上させることができる。これにより、優れたシール性を得ることができる。また、
図1に示すように、弁閉状態においては、2次側から弁体30に流体圧が加わるとともに、スプリング40による弾発力も加えられる。これにより、基部31の斜面部31aが弁座部51のシート面51aに強く押しつけられる。この場合、ボデー10に固着されたキャップ20(特に環状突起部23)がシートリング50の背面を支持しているので2次側から高圧が加えられてもシートを確実に保持して良好なシール性を維持することができる。
【0054】
また、逆止め弁1に低温流体を流すときにはソフトシートであるシートリング50は収縮する。しかしながら、
図1に示すように、キャップ20には環状突起部23が形成され、この環状突起部23にはめ込まれる凹部51bがシートリング50に形成されている。これにより、これらをはめ合わせるインロー構造とすることで、シートリング50が収縮しようとしたときには、シートリング50の凹部51bにおける外側の部分がキャップ20の環状突起部23によって支持されるのでシートリング50の収縮を防ぐことができる。これにより、低温でもシートリング50の変形を抑えて良好なシール性を維持することができる。
【0055】
<変形例>
上述した実施形態では、基部31における外側の外周面31cの位置する円の直径D1と、内側の外周面31dの位置する円の直径D1-1とが異なる構成について説明したが、これらの外周面31c、31dの位置する円の直径を同じにしてもよい。
【0056】
また、弁体30の足部33の長さを短くしてもよい。例えば、足部33の長さは、スプリング40が足部33に対して傾かないようにスプリング40の巻き線の1ピッチ分以上の長さとすることが好ましい。また、足部33に対するスプリング40の位置を保持するために、足部33の長さをスプリング40の巻き線の1ピッチ分以下としてもよい。また、弁体30における足部33の端面33bがボデー10の段部面13に接触したときに、スプリング40の巻き線の隙間C3が残るような足部33の長さとしてもよい。この場合には、弁が完全に開いた状態でも隙間C3を介して流体を流すことができる。
【0057】
また、4つの外周突起部32と4つの足部33とを有する弁体30について説明したが、弁体30を安定的に案内し、流体の流れる空間Sを確保できれば、外周突起部32及び足部33を、3つ設けてもよく、5つ以上設けてもよい。
【0058】
また、弁座部51をシートリング50に設ける構成としたが、弁座をキャップ20に形成してもよい。この場合、弁体30は、例えば、スーパーエンジニアリングプラスチックであるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリイミド(PI)などの樹脂材料により形成してもよい。
【0059】
また、流体を流す流路3となる空間Sとして、基部31とスプリング40とのなす隙間C2を隙間C2zだけでなく隙間C2xの成分で構成する例について説明したが、隙間C2zだけ、又は、隙間C2xの成分だけで隙間C2を構成してもよい。より具体的には、外周突起部32における端面32bが、基部31の2次側に向けられた端部31eから2次側に離れない位置に設けられていてもよい。また、隣接する2つの外周突起部32の間で、弁体30における基部31の外周面31dと、その外周面31dよりも外側に位置するスプリング40の内周面41との間に流体が直線的に流れる流路3が形成されない構成としてもよい。
【0060】
≪応用例≫
上述した逆止め弁1の構成を例えばボール弁の1次側又は2次側に設けた逆止め弁機能付きのボール弁としてもよい。また、上述した逆止め弁1を、例えば、水素ステーションの供給ラインにおけるインラインチャッキとして用いてもよい。
【0061】
なお、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)弁座及び流路が構成され一対の通孔を介して流体を流す弁箱と、
流体の流れる方向において往復可能に前記弁箱に収容されて、前記弁座に着座して前記弁箱内における2次側からの流体の流れを止める弁体と、
前記弁箱内において前記弁体を前記弁座に着座させる方向に付勢するスプリングと、を備えた逆止め弁であって、
前記弁体は、前記弁座に押しつけられることで前記流路を塞いで流れを閉止する基部と、
前記基部の外周面から外側に突起する複数の外周突起部と、を有し、
前記スプリングが前記複数の外周突起部の端面と前記弁箱の2次側に形成された段部の面との間に配置されて前記外周突起部を前記弁座に向けて押しつけ、
隣接する2つの前記外周突起部の間で、前記弁体における前記基部の前記外周面と、当該外周面よりも外側に位置する前記スプリングの内周面との間に流体が直線的に流れる前記流路が形成される、
逆止め弁。
(2)前記外周突起部における前記端面が前記基部の2次側に向けられた端部から2次側に離れて設けられる、
(1)に記載の逆止め弁。
(3)弁座及び流路が構成され一対の通孔を介して流体を流す弁箱と、
流体の流れる方向において往復可能に前記弁箱に収容されて、前記弁座に着座して前記弁箱内における2次側からの流体の流れを止める弁体と、
前記弁箱内において前記弁体を前記弁座に着座させる方向に付勢するスプリングと、を備えた逆止め弁であって、
前記弁体は、前記弁座に押しつけられることで前記流路を塞いで流れを閉止する基部と、
前記基部の外周面から外側に突起する複数の外周突起部と、を有し、
前記スプリングが前記複数の外周突起部の端面と前記弁箱の2次側に形成された段部の面との間に配置されて前記外周突起部を前記弁座に向けて押しつけ、
前記外周突起部における前記端面が前記基部の2次側に向けられた端部から2次側に離れて設けられる、
逆止め弁。
(4)隣接する2つの前記外周突起部の間で、前記弁体における前記基部の前記外周面と、当該外周面よりも外側に位置する前記スプリングの内周面との間に流体が直線的に流れる前記流路が形成される、
(3)に記載の逆止め弁。
(5)前記隣接する前記外周突起部の間における前記弁体の前記外周面が、前記外周突起部が形成された位置における前記弁体の前記外周面よりも、内側に位置する、
(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の逆止め弁。
(6)前記弁体は、前記複数の外周突起部から2次側に向けて伸びる複数の足部を備え、
前記スプリングは、前記複数の足部の外周面と前記弁箱の内周面との間に配置される、
(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の逆止め弁。
(7)前記弁箱は、一方の前記通孔を有して前記弁体及び前記スプリングを収容するボデーと、他方の前記通孔を有し前記ボデーの開口部を塞ぐキャップとを有し、
前記キャップの前記ボデーに向けられる端面に、他方の前記通孔の外周を囲むように環状に形成された環状突起部が形成され、
前記環状突起部に、可撓性を有するシートリングがはめ合わされて設けられている、
(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の逆止め弁。
(8)前記ボデーと前記キャップとの間において、前記シートリングの外側にOリングが設けられている、
(7)に記載の逆止め弁。
【0062】
本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1:逆止め弁 2:弁箱 3:流路 10:ボデー 11、41:内周面 12、21:通孔 13:段部面(段部の面) 14、15、22、32b、33b、42、43:端面 20:キャップ 23:環状突起部 30:弁体 31:基部 31a:斜面部 31b:平面部 31c、31d、32a、33a:外周面 31e:端部 32:外周突起部 33:足部 40:スプリング 50:シートリング 51:弁座部(弁座) 51a:シート面 51b:凹部 60:Oリング C1、C2、C2x、C2z、C3:隙間 S:空間