IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日東電工株式会社の特許一覧

特開2024-132615ブラインド確認フィルム、画像表示装置、およびブラインドの確認方法
<>
  • 特開-ブラインド確認フィルム、画像表示装置、およびブラインドの確認方法 図1
  • 特開-ブラインド確認フィルム、画像表示装置、およびブラインドの確認方法 図2
  • 特開-ブラインド確認フィルム、画像表示装置、およびブラインドの確認方法 図3
  • 特開-ブラインド確認フィルム、画像表示装置、およびブラインドの確認方法 図4
  • 特開-ブラインド確認フィルム、画像表示装置、およびブラインドの確認方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132615
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ブラインド確認フィルム、画像表示装置、およびブラインドの確認方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20240920BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240920BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20240920BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G02B5/30
G02F1/1335 510
B32B7/023
G09F9/00 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043458
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003845
【氏名又は名称】弁理士法人籾井特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 沙織
(72)【発明者】
【氏名】豊田 悠司
【テーマコード(参考)】
2H149
2H291
4F100
5G435
【Fターム(参考)】
2H149AA01
2H149BA02
2H149FA02X
2H149FA03W
2H149FC07
2H149FC08
2H149FD10
2H291FA22X
2H291FA31X
2H291LA40
4F100AB01B
4F100AB10B
4F100AJ06
4F100AK01C
4F100AK21A
4F100AK25G
4F100AK41
4F100AR00A
4F100AR00B
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100EH66
4F100EJ37
4F100EJ85
4F100EJ86
4F100GB41
4F100HB00B
4F100HB00C
4F100JL10B
4F100JL10C
4F100JN01C
4F100JN06B
4F100JN10A
5G435FF05
(57)【要約】
【課題】覗き見防止システムを適用した空間内で画像表示装置に対するブラインドの有無を簡単に確認できるブラインド確認フィルムを提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態によるブラインド確認フィルムは、偏光子を含む偏光板と、偏光板の一方の主面の少なくとも一部に配置された反射層と、を有する。本発明の実施形態によるブラインドの確認方法は、偏光フィルムを介して視認可能な空間内に配置された画像表示装置の表示画面の所定の位置に、上記のブラインド確認フィルムを配置すること;および、空間内で視認したブラインド確認フィルムの明るさを基準として、画像表示装置にブラインド機能が付与されているか否かを確認すること;を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光子を含む偏光板と、該偏光板の一方の主面の少なくとも一部に配置された反射層と、を有する、ブラインド確認フィルム。
【請求項2】
前記反射層の全光線反射率が80.0%以上である、請求項1に記載のブラインド確認フィルム。
【請求項3】
前記反射層が金属層である、請求項2に記載のブラインド確認フィルム。
【請求項4】
前記反射層が白色層である、請求項2に記載のブラインド確認フィルム。
【請求項5】
前記反射層が前記偏光板の一方の主面の一部に配置されて、該反射層が存在する反射部と該偏光板が露出した露出部とが規定され、
該露出部が、画像表示装置の視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向を認識する吸収軸方向認識部として機能する、
請求項1に記載のブラインド確認フィルム。
【請求項6】
前記偏光板と前記反射層との間に透明着色層をさらに有する、請求項1に記載のブラインド確認フィルム。
【請求項7】
全光線反射率が20.0%以上である、請求項1に記載のブラインド確認フィルム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のブラインド確認フィルムを備える、画像表示装置。
【請求項9】
偏光フィルムを介して視認可能な空間内に配置された画像表示装置の表示画面の所定の位置に、請求項1から7のいずれかに記載のブラインド確認フィルムを配置すること、および
該空間内で視認した該ブラインド確認フィルムの明るさを基準として、該画像表示装置にブラインド機能が付与されているか否かを確認すること、
を含む、ブラインドの確認方法。
【請求項10】
偏光フィルムを介して視認可能な空間内に配置された画像表示装置の表示画面の所定の位置に、請求項5に記載のブラインド確認フィルムを配置すること、
該空間内で視認した該ブラインド確認フィルムの前記露出部の明るさを基準として、該画像表示装置の視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向を確認すること、および
該空間内で視認した該ブラインド確認フィルムの前記反射部の明るさを基準として、該画像表示装置にブラインド機能が付与されているか否かを確認すること、
を含む、ブラインドの確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインド確認フィルム、画像表示装置、およびブラインドの確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空間的な解放感をもたらすオープンな会議室の利用が広まっている。例えば、壁または間仕切りをガラス板またはアクリル板で構成して透明にすることにより開放感を演出した会議室が、数多く設計・施工されるようになっている。会議室においては、多くの場合、プレゼンテーション用の表示装置として使用される大型モニターが設置され、さらに、会議参加者が使用するノート型パーソナルコンピュータ(PC)またはタブレット端末が持ち込まれる。上記のような会議室は開放感をもたらす一方で、会議室に設置された大型モニターまたは会議室に持ち込まれたノート型PC等に表示された情報を第三者に覗き見されることが問題となる場合がある。
【0003】
上記のような問題を解決するために、会議室の透明な壁または間仕切りに偏光フィルムを貼り合わせ、開放感を維持しつつ会議室の外からは大型モニターに表示される情報を見えないようにブラインドする覗き見防止システムが提案されている。このような覗き見防止システムにおいては、偏光フィルムは、代表的には、その吸収軸が会議室に設置されている大型モニターの視認側偏光板の吸収軸と直交するようにして貼り合わせられる。しかし、会議室に持ち込まれるノート型PC等は、その視認側偏光板の吸収軸が偏光フィルムの吸収軸と直交しているか否かがわからないので、会議参加者がノート型PC等の表示画面がブラインドされているのか否かについて不安を感じる場合があり、ブラインドの有無を確認するためには会議室の外に出る必要がある。また、偏光フィルムの吸収軸方向は大型モニター等の視認側偏光板の吸収軸方向に応じて変わり得るので、このような場合にも同様の問題が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社くろがね工作所、総合カタログ[2020年版、Vol.45、110頁]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、覗き見防止システムを適用した空間内で画像表示装置に対するブラインドの有無を簡単に確認できるブラインド確認フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明の実施形態によるブラインド確認フィルムは、偏光子を含む偏光板と、該偏光板の一方の主面の少なくとも一部に配置された反射層と、を有する。
[2]上記[1]において、上記反射層の全光線反射率は80.0%以上である。
[3]上記[1]または[2]において、上記反射層は金属層である。
[4]上記[1]または[2]において、上記反射層は白色層である。
[5]上記[1]から[4]のいずれかにおいて、上記反射層は上記偏光板の一方の主面の一部に配置されて、該反射層が存在する反射部と該偏光板が露出した露出部とが規定され;該露出部は、画像表示装置の視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向を認識する吸収軸方向認識部として機能する。
[6]上記[1]から[5]のいずれかにおいて、上記ブラインド確認フィルムは、上記偏光板と上記反射層との間に透明着色層をさらに有する。
[7]上記[1]から[6]のいずれかにおいて、上記ブラインド確認フィルムは、全光線反射率が20.0%以上である。
[8]本発明の別の局面によれば、画像表示装置が提供される。当該画像表示装置は、上記[1]から[7]のいずれかのブラインド確認フィルムを備える。
[9]本発明の別の局面によれば、ブラインドの確認方法が提供される。当該方法は、偏光フィルムを介して視認可能な空間内に配置された画像表示装置の表示画面の所定の位置に、上記[1]から[7]のいずれかのブラインド確認フィルムを配置すること;および、該空間内で視認した該ブラインド確認フィルムの明るさを基準として、該画像表示装置にブラインド機能が付与されているか否かを確認すること;を含む。
[10]上記[9]において、上記方法は、偏光フィルムを介して視認可能な空間内に配置された画像表示装置の表示画面の所定の位置に、上記[5]のブラインド確認フィルムを配置すること;該空間内で視認した該ブラインド確認フィルムの上記露出部の明るさを基準として、該画像表示装置の視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向を確認すること;および、該空間内で視認した該ブラインド確認フィルムの上記反射部の明るさを基準として、該画像表示装置にブラインド機能が付与されているか否かを確認すること;を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、覗き見防止システムを適用した空間内で画像表示装置に対するブラインドの有無を簡単に確認できるブラインド確認フィルムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の1つの実施形態によるブラインド確認フィルムの概略断面図である。
図2】本発明の別の実施形態によるブラインド確認フィルムの概略断面図である。
図3図2のブラインド確認フィルムの概略平面図である。
図4】本発明のさらに別の実施形態によるブラインド確認フィルムの概略断面図である。
図5】本発明の1つの実施形態によるブラインドの確認方法を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、見やすくするために、図面は模式的に表されており、図面におけるブラインド確認フィルムの各構成要素の厚み、サイズならびに構成要素間の厚み等の相互の比率は、実際とは異なっている。
【0010】
A.ブラインド確認フィルム
図1は、本発明の1つの実施形態によるブラインド確認フィルムの概略断面図である。図示例のブラインド確認フィルム100は、偏光板10と、偏光板10の一方の主面全面に配置された反射層20と、を有する。偏光板10は、偏光子と、偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を含む。すなわち、偏光板は、いわゆる片保護偏光板であってもよく、いわゆる両保護偏光板であってもよい。反射層は、金属層(代表的には、鏡面金属層)であってもよく、白色層であってもよい。反射層は、偏光板に直接形成されてもよく、任意の適切な接着層(例えば、接着剤層、粘着剤層)を介して貼り合わせられてもよい。なお、偏光板、反射層等のブラインド確認フィルムの構成要素については、後述のC項で具体的に説明する。
【0011】
図2は、本発明の別の実施形態によるブラインド確認フィルムの概略断面図であり;図3は、図2のブラインド確認フィルムを反射層側から見た概略平面図である。図示例のブラインド確認フィルム101においては、反射層20は偏光板10の一方の主面の一部に配置されてている。その結果、偏光板10が露出した露出部12が規定されている。反射層20が存在する部分は反射部として規定され得る。露出部12は、覗き見防止システムを適用した空間内でブラインド確認フィルムが画像表示装置に適用された場合に、当該画像表示装置の視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向を認識する吸収軸方向認識部として機能する。
【0012】
図4は、本発明のさらに別の実施形態によるブラインド確認フィルムの概略断面図である。図示例のブラインド確認フィルム102は、偏光板10と反射層20との間に透明着色層30をさらに有する。透明着色層30は、反射層20が配置されている位置に対応して設けられ得る。したがって、図1のブラインド確認フィルムにおいては、透明着色層30は、偏光板10の一方の主面全面に設けられ得る。
【0013】
ブラインド確認フィルムの全光線反射率は、好ましくは20.0%以上であり、より好ましくは21.0%以上であり、さらに好ましくは24.0%以上であり、特に好ましくは27.0%以上であり、とりわけ好ましくは30.0%以上である。一方、ブラインド確認フィルムの全光線反射率は、例えば35.0%以下であり得、また例えば34.0%以下であり得る。
【0014】
以下、ブラインド確認フィルムの使用形態および機能と併せて、ブラインドの確認方法をB項で説明し、次いで、ブラインド確認フィルムの構成要素(偏光板、反射層および透明着色層)をC項で説明する。
【0015】
B.ブラインドの確認方法
本発明の実施形態によるブラインドの確認方法は、偏光フィルムを介して視認可能な空間(覗き見防止システムを適用した空間)内に配置された画像表示装置の表示画面の所定の位置に、上記A項に記載のブラインド確認フィルムを配置すること;および、該空間内で視認した該ブラインド確認フィルムの明るさを基準として、該画像表示装置にブラインド機能が付与されているか否かを確認すること;を含む。
【0016】
以下、一例として、図5(a)および図5(b)に示すように、偏光フィルム300が貼り合わせられたガラスで仕切られた会議室(覗き見防止システムを適用した空間)に、画像表示装置としてのノート型PC200が持ち込まれた場合について説明する。
【0017】
まず、ノート型PCの所定の位置にブラインド確認フィルムを配置する。ブラインド確認フィルムは、接着層(例えば、接着剤層、粘着剤層)を介してノート型PCに貼り合わせられてもよく、例えばホルダーに取り付けられて任意の適切な手段(例えば、フック)によりノート型PCに着脱可能に取り付けられてもよい。所定の位置は、代表的には、表示画像に悪影響を与えない位置であり、かつ、ノート型PCの視認側偏光板が存在する位置である。したがって、所定の位置は、例えばノート型PCの額縁近傍部分であり得る。ブラインド確認フィルムは、代表的には、反射層が画像表示装置側となるようにして配置され得る。
【0018】
ブラインド確認フィルムは、ノート型PCへの配置に適切な形状とされている。ブラインド確認フィルムは、代表的には、細長矩形形状(例えば、短冊状)であり得る。ブラインド確認フィルムに含まれる偏光子の吸収軸方向は、長手方向であってもよく短手方向であってもよい。
【0019】
例えば、図5(a)および図5(b)に示すように、細長矩形形状の図1のブラインド確認フィルム100が、ノート型PC200の水平方向の額縁近傍部分(図示例では右上隅)に配置され得る。ノート型PC200の表示画面は通常の横長形状である。
【0020】
ここで、ノート型PC200の視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向A2が水平方向であり、および、ブラインド確認フィルム100の偏光子の吸収軸方向A1が水平方向となるようにしてノート型PC200に配置されている場合について説明する。図5(a)に示すように、ノート型PC200の視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向A2と偏光フィルム300の偏光子の吸収軸方向A3とが直交している場合(すなわち、偏光フィルム300の偏光子の吸収軸方向A3が垂直方向である場合)、空間の外にある光源からの光を100%とすると、偏光フィルム300を介して空間に入った光は、偏光フィルム300で吸収されるので、水平方向に振動する45%以下の偏光となる。当該偏光は、ブラインド確認フィルム100の偏光板で吸収され1%未満となるので、覗き見防止システムを適用した空間内の視認者(ノート型PCの使用者)が視認するブラインド確認フィルム100は暗く認識される。ここで、ノート型PC200から出る光(すなわち、表示画像)は垂直方向に振動する偏光であるから、偏光フィルム300で吸収され、空間の外からは認識されない。
【0021】
一方、図5(b)に示すように、ノート型PC200の視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向A2と偏光フィルム300の偏光子の吸収軸方向A3とが平行である場合(すなわち、偏光フィルム300の偏光子の吸収軸方向A3が水平方向である場合)、空間の外にある光源からの光を100%とすると、偏光フィルム300を介して覗き見防止システムを適用した空間に入った光は、垂直方向に振動する45%以下の偏光となる。当該偏光は、ブラインド確認フィルム100の偏光板では吸収されず、反射層で反射される。その結果、空間内の視認者(ノート型PCの使用者)が視認するブラインド確認フィルム100は明るく認識される。ここで、ノート型PC200から出る光(すなわち、表示画像)は垂直方向に振動する偏光であるから、偏光フィルム300では吸収されず、空間の外から認識されてしまう。
【0022】
上記から明らかなとおり、ブラインド確認フィルム100の偏光子の吸収軸方向A1とノート型PC200の視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向A2とが平行であれば、覗き見防止システムを適用した空間内の視認者(ノート型PCの使用者)が視認するブラインド確認フィルム100が暗ければブラインドは機能しており、当該視認者が視認するブラインド確認フィルム100が明るければブラインドは機能していないことがわかる。すなわち、視認者(ノート型PCの使用者)は、覗き見防止システムを適用した空間内で視認したブラインド確認フィルムの明るさを基準として、画像表示装置としてのノート型PCに覗き見防止システムによるブラインド機能が付与されているか否かを確認することができる。言い換えれば、ノート型PCの使用者は、覗き見防止システムを適用した空間(例えば、会議室)の外に出ることなく、ブラインドの有無を確認することができる。
【0023】
さらに、上記から明らかなとおり、ブラインド確認フィルムの偏光子の吸収軸方向とノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向とが平行であるか否かを確認できれば好ましい。図2に示すような偏光板の露出部が規定されたブラインド確認フィルム101を用いることにより、このような確認を簡単に行うことができる。例えば図5(a)に示す状況において、ブラインド確認フィルムに露出部が規定されている場合、ノート型PCからの垂直方向の偏光を100%とすると、当該露出部は、吸収軸方向がノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向と平行であるので、ノート型PCからの垂直方向の偏光は吸収されず、露出部は明るいままである。この場合、ブラインド確認フィルムはそのままの状態で、ノート型PCの使用者はブラインドの有無を確認することができる。一方、ノート型PCからの垂直方向の偏光を100%とすると、ブラインド確認フィルムの偏光子の吸収軸方向とノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向とが例えば直交していると、露出部はノート型PCからの垂直方向の偏光を吸収し、偏光は1%以下になるので、露出部は暗くなる。この場合、ブラインド確認フィルムの配置を変更することにより、ブラインド確認フィルムの偏光子の吸収軸方向とノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向とを平行にすることができる。例えば、吸収軸方向がブラインド確認フィルムの短手方向である場合、ブラインド確認フィルムを図5(a)のように水平方向に配置すると、露出部は暗くなる。この場合、ブラインド確認フィルムの配置を垂直方向に変更することにより、ブラインド確認フィルムの偏光子の吸収軸方向とノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向とを平行にすることができる。その結果、ノート型PCの使用者は、上記と同様にしてブラインドの有無を確認することができる。このように、露出部が規定されたブラインド確認フィルムを用いる場合には、露出部の明るさを基準として、ノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向を確認することができる。
【0024】
ブラインド確認フィルムが透明着色層を有する場合、覗き見防止システムを適用した空間におけるブラインド確認フィルムの視認性が向上し得る。透明着色層の色は、目的に応じて適切に設定され得る。透明着色層の色としては、例えば、赤色、青色、緑色、黄色が挙げられる。
【0025】
以上のように、本発明の実施形態によるブラインド確認フィルムを用いることにより、画像表示装置の視認者は、覗き見防止システムを適用した空間から出ることなく、画像表示装置に覗き見防止システムによるブラインド機能が付与されているか否かを確認することができる。すなわち、本発明の実施形態によるブラインド確認フィルムを備えた画像表示装置は、覗き見防止システムを適用した空間におけるブラインドの有無を簡便かつ良好に確認することができる。したがって、このような画像表示装置も、本発明の実施形態に包含され得る。
【0026】
C.ブラインド確認フィルムの構成要素
C-1.偏光板
C-1-1.偏光子
偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。偏光子は、代表的には、二色性物質(例えば、ヨウ素)を含むポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムで構成されている。PVA系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン―酢酸ビニル共重合体系部分ケン化物が挙げられる。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
【0027】
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、PVA系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。好ましくは、光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子が用いられる。
【0028】
上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
【0029】
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、好ましくは、樹脂基材の片側に、ハロゲン化物とポリビニルアルコール系樹脂とを含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成する。延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。加えて、本実施形態においては、好ましくは、積層体は、長手方向に搬送しながら加熱することにより幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理に供される。代表的には、本実施形態の製造方法は、積層体に、空中補助延伸処理と染色処理と水中延伸処理と乾燥収縮処理とをこの順に施すことを含む。補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂上にPVAを塗布する場合でも、PVAの結晶性を高めることが可能となり、高い光学特性を達成することが可能となる。また、同時にPVAの配向性を事前に高めることで、後の染色工程や延伸工程で水に浸漬された時に、PVAの配向性の低下や溶解などの問題を防止することができ、高い光学特性を達成することが可能になる。さらに、PVA系樹脂層を液体に浸漬した場合において、PVA系樹脂層がハロゲン化物を含まない場合に比べて、ポリビニルアルコール分子の配向の乱れ、および配向性の低下が抑制され得る。これにより、染色処理および水中延伸処理など、積層体を液体に浸漬して行う処理工程を経て得られる偏光子の光学特性は向上し得る。さらに、乾燥収縮処理により積層体を幅方向に収縮させることにより、光学特性を向上させることができる。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離した剥離面に、もしくは、剥離面とは反対側の面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
【0030】
偏光子の厚みは、例えば12μm以下であり、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは1μm~8μmであり、さらに好ましくは3μm~7μmである。このような薄い偏光子と液晶配向固化層とを組み合わせることにより、ブラインド確認フィルムの顕著な薄型化が可能となる。また、偏光子の厚みが上記のような範囲であれば、加熱時のカールを良好に抑制することができ、および、良好な加熱時の外観耐久性が得られる。
【0031】
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、好ましくは41.0%~46.0%であり、より好ましくは42.0%~45.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
【0032】
C-1-2.保護層
保護層は、任意の適切な樹脂フィルムで構成される。樹脂フィルムを構成する材料としては、代表的には、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂の代表例としては、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、特開2000-230016号公報、特開2001-151814号公報、特開2002-120326号公報、特開2002-254544号公報、特開2005-146084号公報に記載されている。これらの公報は、本明細書に参考として援用されている。
【0033】
保護層の厚みは、好ましくは10μm~80μmであり、より好ましくは12μm~40μmであり、さらに好ましくは15μm~35μmである。
【0034】
C-2.反射層
反射層は、全光線反射率が好ましくは80.0%以上であり、より好ましくは85.0%以上であり、さらに好ましくは90.0%以上である。反射率がこのような範囲であれば、覗き見防止システムを適用した空間において画像表示装置にブラインド機能が付与されているか否かを確認する際に、ブラインド確認フィルムの明暗を良好に認識することができる。全光線反射率は高いほど好ましく、その上限は例えば99.0%であり得、また例えば98.0%であり得る。
【0035】
反射層は、本発明の実施形態の効果が得られる限りにおいて、任意の適切な構成が採用され得る。具体的には、反射層は、上記のとおり、金属層(代表的には、鏡面金属層)であってもよく、白色層であってもよい。
【0036】
金属層は、ドライプロセスで形成される層であってもよく、金属箔であってもよい。ドライプロセスの具体例としては、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法が挙げられる。PVD法としては、真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト法、スパッタリング法、イオンプレーティング法が挙げられる。CVD法としては、プラズマCVD法が挙げられる。金属層を構成する金属の具体例としては、アルミニウム、金、銀、銅、白金等が挙げられる。1つの実施形態においては、金属層は、アルミニウム蒸着層である。
【0037】
金属層は、全光線反射率が好ましくは80.0%以上であり、より好ましくは85.0%以上であり、さらに好ましくは90.0%以上である。全光線反射率は高いほど好ましく、その上限は例えば99.0%であり得、また例えば98.0%であり得る。金属層の反射は、実質的にすべてが正反射である。したがって、金属層の全光線反射率は、実質的には正反射率である。
【0038】
ドライプロセスで形成される金属層の厚みは、好ましくは10nm~150nmであり、より好ましくは20nm~100nmである。金属箔で構成される金属層の厚みは、好ましくは1μm~200μmであり、より好ましくは10μm~100μmである。
【0039】
白色層は、代表的には、多孔質の白色反射フィルムまたはマトリックス樹脂中に酸化チタンやシリカ微粒子などの微粒子を分散させた白色反射フィルムで構成され得る。多孔質の白色反射フィルムとしては、内部に気泡および/または非相溶の粒子を含有する熱可塑性樹脂フィルムが好適に用いられ得る。フィルムを構成する樹脂としては、代表的には、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル)が挙げられる。ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。成形性、機械的強度および汎用性に優れるからである。多孔質の白色反射フィルムは、未延伸フィルムであってもよく、一軸延伸フィルムであってもよく、二軸延伸フィルムであってもよい。多孔質の白色反射フィルムの詳細な構成については、例えば、特開平8-262208号公報、特開2002-90515号公報、特許第5218931号公報に記載されている。これらの公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
【0040】
白色層は、全光線反射率が好ましくは80.0%以上であり、より好ましくは85.0%以上であり、さらに好ましくは90.0%以上である。全光線反射率は高いほど好ましく、その上限は例えば99.0%であり得、また例えば98.0%であり得る。白色層の反射は、大半が拡散反射である。白色層の拡散反射率は、例えば80.0%~93.0%であり得、また例えば85.0%~92.0%であり得る。
【0041】
白色層の厚みは、好ましくは10μm~300μmであり、より好ましくは50μm~200μmである。
【0042】
白色層として、市販の白色反射フィルムを用いてもよい。そのような市販品の具体例としては、東レ社製の商品名「ルミラーE6SR」、「ルミラーE20」、三菱ケミカル社製の商品名「DIAFOIL W400-50」、きもと社製の商品名「レフホワイト」、プリンター用印刷紙(白色)等が挙げられる。
【0043】
C-3.透明着色層
上記のとおり、ブラインド確認フィルムに透明着色層を設けることにより、覗き見防止システムを適用した空間におけるブラインド確認フィルムの視認性が向上し得る。透明着色層としては、このような効果が得られる限りにおいて任意の適切な構成が採用され得る。透明着色層としては、代表的には、任意の適切な着色材を含む透明樹脂フィルム、または、任意の適切な着色材を含む透明接着剤が挙げられる。フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等が挙げられる。接着剤を構成するベースポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、アミドイミド系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合系樹脂、スチレン・ブタジエンゴム系樹脂、塩化ビニル系樹脂、クロロプレンゴム系樹脂、ニトリルゴム系樹脂、再生ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
【0044】
着色材は、透明着色層の所望の色に応じて適切に選択され得る。着色材は、有機着色材であってもよく、無機着色材であってもよい。有機着色材としては、代表的には染料が挙げられる。染料としては、例えば、フタロシアニン系染料、キノフタロン系染料、ジオキサジン系染料、キナクリドン系染料、イソインドリノン系染料が挙げられる。無機着色材としては、代表的には顔料が挙げられる。顔料としては、例えば、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラックが挙げられる。着色材は、単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。
【0045】
透明着色層の色は、上記のとおり、目的に応じて適切に設定され得る。透明着色層の色としては、例えば、赤色、青色、緑色、黄色が挙げられる。
【0046】
透明着色層の厚みは、好ましくは1μm~50μmであり、より好ましくは5μm~30μmである。
【0047】
反射層と透明着色層との積層体として市販品を用いてもよい。例えば、アルミニウム蒸着された着色透明ポリエステルフィルムが市販されている。市販品としては、例えば、日東電工社製の商品名「リビックテープ」が挙げられる。
【実施例0048】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0049】
[実施例1]
1.偏光板の作製
1-1.偏光子の作製
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用い、樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で縦方向(長手方向)に2.4倍に一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光子の単体透過率(Ts)が所望の値となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、約90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が約75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに接触させた(乾燥収縮処理)。
このようにして、樹脂基材上に厚み約5μmの偏光子を形成し、樹脂基材/偏光子の構成を有する偏光板を得た。偏光子の単体透過率Tsは42.2%であった。
【0050】
1-2.偏光板の作製
得られた偏光子の表面(樹脂基材とは反対側の面)に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み25μm)を貼り合わせた。次いで、樹脂基材を剥離した後、剥離面に同様のTACフィルムを貼り合わせた。このようにして、TACフィルム(保護層)/偏光子/TACフィルム(保護層)の構成を有する偏光板を得た。
【0051】
2.ブラインド確認フィルムの作製
上記で得られた偏光板を10mm×50mmの短冊状に切り出した。この時、偏光子の吸収軸方向が縦方向(長手方向)となるように切り出した。切り出した偏光板の一方の主面全面に、アクリル系粘着剤を介して反射層(金属層)としてのアルミ蒸着ポリエステルフィルムを基材とした粘着テープを貼り合わせ、図1に示すようなブラインド確認フィルムを得た。金属テープの全光線反射率は95.1%、正反射率は95.1%、ブラインド確認フィルムの全光線反射率は30.4%であった。
【0052】
3.ブラインドの確認
ガラス板の間仕切りに、偏光フィルム(通常の偏光板)を偏光子の吸収軸が垂直方向となるようにして貼り合わせ、間仕切りを介して視認可能な空間に市販のノート型PCを配置した。次いで、ノート型PCの額縁近傍(右上隅)に、上記で得られたブラインド確認フィルムを水平方向に貼り合わせた。この間仕切りを介してノート型PCを視認すると表示画像は暗くなっており、空間の外部からブラインドが機能していることを確認できた。さらに、空間内においてノート型PCを直接視認するとブラインド確認フィルムは暗くなっており、空間内においてブラインドが機能していることを確認できた。ただし、ノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向は確認できなかった。結果をまとめて表1に示す。
【0053】
[実施例2]
粘着テープを偏光板の一方の主面の一部に貼り合わせて偏光板の露出部を設けたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示すようなブラインド確認フィルムを得た。このブラインド確認フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ブラインドの有無を確認した。その結果、空間の外部および内部の両方でブラインドが機能していることを確認できた。さらに、ノート型PCを直接視認するとブラインド確認フィルムの露出部は明るくなっており、ノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向が水平方向であること(すなわち、ブラインド確認フィルムの吸収軸方向とノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向とが平行であること)を確認できた。結果をまとめて表1に示す。
【0054】
[実施例3]
粘着テープの代わりに白色反射フィルム(東レ社製、商品名「ルミラーE6SR」)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、図2に示すようなブラインド確認フィルムを得た。白色反射フィルムの全光線反射率は96.6%、正反射率は5.1%、ブラインド確認フィルムの全光線反射率は21.9%であった。
このブラインド確認フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ブラインドの有無を確認した。その結果、空間の外部および内部の両方でブラインドが機能していることを確認できた。さらに、ノート型PCを直接視認するとブラインド確認フィルムの露出部は明るくなっており、ノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向が水平方向であること(すなわち、ブラインド確認フィルムの吸収軸方向とノート型PCの視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向とが平行であること)を確認できた。結果をまとめて表1に示す。
【0055】
[比較例1]
ブラインド確認フィルムをノート型PCに貼り合わせなかったこと以外は実施例1と同様にして、ブラインドの有無を確認した。その結果、空間内においてブラインドが機能していることを確認できなかった。結果をまとめて表1に示す。
【0056】
[比較例2]
実施例1において切り出した偏光板をそのまま用いた。すなわち、反射層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、ブラインドの有無を確認した。その結果、空間内においてブラインドが機能していることを確認できなかった。結果をまとめて表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
本発明の実施例によれば、ブラインド確認フィルムを用いることにより、覗き見防止システムを適用した空間内においてブラインドの有無を確認できることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の実施形態によるブラインド確認フィルムは、覗き見防止システムを適用した空間内におけるブラインドの有無の確認に好適に用いられ得る。
【符号の説明】
【0060】
10 偏光板
12 露出部
20 反射層
30 透明着色層
100 ブラインド確認フィルム
101 ブラインド確認フィルム
102 ブラインド確認フィルム
図1
図2
図3
図4
図5