(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132623
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ディジタルビームフォーミング受信機及び受信装置
(51)【国際特許分類】
H04B 1/16 20060101AFI20240920BHJP
G01S 7/02 20060101ALI20240920BHJP
G01S 7/40 20060101ALI20240920BHJP
H01Q 3/26 20060101ALI20240920BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04B1/16 Z
G01S7/02 216
G01S7/40 121
H01Q3/26 Z
H01Q21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043467
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】木舩 茉悠
【テーマコード(参考)】
5J021
5J070
5K061
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA07
5J021AA11
5J021DB01
5J021FA13
5J021FA29
5J021GA02
5J021JA07
5J070AD06
5J070AD09
5J070AH31
5K061AA01
5K061CC02
5K061JJ06
(57)【要約】
【課題】DBF受信機を小型化しつつ、複数の受信チャネル間でAD変換処理の同期を確保することができるDBF受信機を得ること。
【解決手段】DBF受信機10は、サンプリングクロックを使用してアナログの受信信号をRF帯域の周波数帯でディジタル信号に変換するADコンバータ3
1,3
2,…,3
mを備えるADコンバータ部30と、受信チャネルごとの遅延量を保持するメモリ70と、ADコンバータ3
1,3
2,…,3
mで変換された各々の信号を出力するときに、メモリ70が保持する遅延量に基づいて、当該信号を受信チャネルごとに遅延させる遅延回路50と、遅延回路50から出力される信号を用いて信号処理を行う信号処理部60とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受信チャネルを有し、アンテナ部の受信ビームの指向性制御をディジタル信号処理で実現するディジタルビームフォーミング受信機であって、
サンプリングクロックを使用してアナログの受信信号をRF帯域の周波数帯でディジタル信号に変換するADコンバータを複数備えるADコンバータ部と、
前記受信チャネルごとの遅延量を保持する記憶部と、
複数の前記ADコンバータで変換された各々の信号を出力するときに、前記記憶部が保持する前記遅延量に基づいて前記信号を前記受信チャネルごとに遅延させる遅延回路と、
前記遅延回路から出力される信号を用いて信号処理を行う信号処理部と、
を備えたことを特徴とするディジタルビームフォーミング受信機。
【請求項2】
校正モード及び信号処理モードを有し、
前記校正モードにおいては、インパルス信号又は矩形波信号である基準信号を各々の前記ADコンバータに入力し、
前記信号処理部は、前記基準信号が前記信号処理部に到達したタイミングに基づいて各々の前記受信チャネルにおける遅延量を算出して前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載のディジタルビームフォーミング受信機。
【請求項3】
前記遅延回路は、
前記校正モードにおいては、入力される前記基準信号に前記遅延量を付与せずに前記信号処理部に出力し、
前記信号処理モードにおいては、入力される信号に前記遅延量に基づく遅延時間だけ遅延させた信号を前記信号処理部に出力する
ことを特徴とする請求項2に記載のディジタルビームフォーミング受信機。
【請求項4】
前記信号処理モードにおいて、
前記遅延回路は、前記記憶部に記憶されている各々の前記受信チャネルにおける遅延量のうちの最大値である最大遅延量を基準にして前記信号処理部に出力するタイミングを調整する
ことを特徴とする請求項3に記載のディジタルビームフォーミング受信機。
【請求項5】
校正モード及び信号処理モードを有し、
前記校正モードにおいては、インパルス信号又は矩形波信号である基準信号を各々の前記ADコンバータに入力し、
前記信号処理部は、前記基準信号が前記信号処理部に到達したタイミングに基づいて各々の前記受信チャネルにおける遅延量を算出すると共に、遅延量の最大値である最大遅延量を算出し、前記最大遅延量から各々の前記受信チャネルの遅延量を差し引いた各々の前記受信チャネルごとの補正値を前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載のディジタルビームフォーミング受信機。
【請求項6】
前記遅延回路は、
前記校正モードにおいては、入力される前記基準信号に前記遅延量を付与せずに前記信号処理部に出力し、
前記信号処理モードにおいては、入力される信号に前記補正値だけ遅延させた信号を前記信号処理部に出力する
ことを特徴とする請求項5に記載のディジタルビームフォーミング受信機。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載のディジタルビームフォーミング受信機と、
それぞれが複数の前記受信チャネルの1つを構成する複数のアンテナ素子を備えるアンテナ部と、
を備えたことを特徴とする受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナ部の受信ビームの指向性制御をディジタル信号処理で実現するディジタルビームフォーミング(Digital Beam Forming)受信機(以下「DBF受信機」と呼ぶ)及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の非特許文献1には、DBFに関する技術的な説明がなされている。また、非特許文献1には、AD(Analog to Digital:アナログディジタル)変換時のサンプリング処理をベースバンドの周波数帯で行う構成例と、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)帯域の周波数帯で行う構成例と、RF(Radio Frequency:無線周波数)帯域の周波数帯で行う構成例とが示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】唐沢好男、猪股英行、“通信用ディジタルビームフォーミングアンテナ”、電子情報通信学会誌、1995年9月、Vol.78 NO.9 pp.899-906
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に記載されているように、DBFにおけるAD変換時のサンプリング処理では、どの帯域でサンプリング処理を行うかによって3つの構成例が存在するが、ベースバンド及びIF帯域の周波数帯で行う場合、DBF受信機が大型化するという課題がある。このため、DBF受信機を小型化するには、RF帯域の周波数でサンプリングを行う必要がある。また、DBF受信機において、ディジタル信号処理を精度良く行うためには、RF帯域で処理を行う複数の受信チャネル間でAD変換処理の同期を確保しなければならない。一方、複数の受信チャネル間で処理の同期を確保するには、ADコンバータの遅延時間の個体差やサンプリングクロックの位相差を考慮しながら、信号の経路長差をナノ秒単位の範囲内に抑えなければならないという課題をクリアする必要がある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、DBF受信機を小型化しつつ、複数の受信チャネル間でAD変換処理の同期を確保することができるDBF受信機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るDBF受信機は、複数の受信チャネルを有し、アンテナ部の受信ビームの指向性制御をディジタル信号処理で実現するDBF受信機であって、ADコンバータ部と、記憶部と、遅延回路と、信号処理部とを備える。ADコンバータ部は、サンプリングクロックを使用してアナログの受信信号をRF帯域の周波数帯でディジタル信号に変換するADコンバータを複数備える。記憶部は、受信チャネルごとの遅延量を保持する。遅延回路は、複数のADコンバータで変換された各々の信号を出力するときに、記憶部が保持する遅延量に基づいて当該信号を受信チャネルごとに遅延させる。信号処理部は、遅延回路から出力される信号を用いて信号処理を行う。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るDBF受信機によれば、DBF受信機を小型化しつつ、複数の受信チャネル間でAD変換処理の同期を確保することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係るDBF受信機を備える受信装置の構成例を示す図
【
図2】
図1の構成のDBF受信機において生じ得る位相ずれの説明に供する図
【
図3】実施の形態に係るDBF受信機の校正モードにおける動作の説明に供する図
【
図4】実施の形態に係るDBF受信機の校正モードにおける遅延量等の算出処理の説明に供するフローチャート
【
図5】実施の形態に係るDBF受信機の校正モードにおける遅延量の説明に供する図
【
図6】実施の形態に係るDBF受信機の信号処理モードにおける動作の説明に供する図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照し、本開示の実施の形態に係るDBF受信機及び受信装置について詳細に説明する。なお、各図面において、同一又は同等の部分には同一の符号を付している。また、以下の記載において、同種の複数の構成要素については、添字付きの符号で示すが、各構成要素の個々を区別しない場合には、添字の表記を適宜省略する。
【0010】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係るDBF受信機を備える受信装置の構成例を示す図である。
図1において、実施の形態に係る受信装置100は、DBF受信機10と、アンテナ部20とを備える。実施の形態に係るDBF受信機10は、アンテナ部20の受信ビームの指向性制御をディジタル信号処理で実現する受信機である。
【0011】
DBF受信機10は、
図1に示すように、ADコンバータ部30と、サンプリングクロック発生器40と、遅延回路50と、信号処理部60と、メモリ70とを備える。ADコンバータ部30は、複数のADコンバータ3
1,3
2,…,3
mを備えている。mは、2以上の任意の整数である。アンテナ部20は、複数のアンテナ素子2
1,2
2,…,2
mを備えている。アンテナ素子2の数とADコンバータ3の数とは同じであり、1つのアンテナ素子2と1つのADコンバータ3とは、各々が1対1に接続されている。
【0012】
実施の形態に係るDBF受信機10は、校正モード及び信号処理モードを有する。ここでは、信号処理モードにおける動作について説明する。
【0013】
ADコンバータ部30は、サンプリングクロック発生器40から出力されるサンプリングクロックを使用して、アンテナ部20から出力されるアナログの受信信号をRF帯域の周波数帯でディジタル信号に変換する。記憶部であるメモリ70は、受信チャネルごとの遅延量を保持する。受信チャネルとは、1つのアンテナ素子2と1つのADコンバータ3とを組み合わせた一纏まりの処理単位である。
【0014】
遅延回路50は、ADコンバータ3で変換された各々の信号を信号処理部60に出力するときに、メモリ70が保持する遅延量に基づいて、信号処理部60に出力する信号を受信チャネルごとに遅延させる。信号処理部60は、遅延回路50から出力される信号を用いて信号処理を行う。
【0015】
受信装置100がレーダ装置に搭載される受信装置である場合、アンテナ部20は、空間に放射されたレーダ信号の目標物からの反射波を受信する。DBF受信機10において、ADコンバータ部30は、アンテナ部20から出力される受信信号をディジタル信号に変換する。信号処理部60は、遅延回路50を介して受信したディジタル信号に基づいて、目標物までの距離、目標物の相対速度、目標物の方位といったレーダ情報を得るための演算処理を行う。
【0016】
図2は、
図1の構成のDBF受信機において生じ得る位相ずれの説明に供する図である。なお、
図2では、ADコンバータ部30から出力される信号と、遅延回路50から出力される信号とを便宜的にアナログ信号で示しているが、実際の信号はディジタル信号である。
【0017】
例えばアンテナ部20のアンテナ面の垂直方向から信号が入力される場合、アンテナ部20からDBF受信機10に入力される信号の位相は揃っている。一方、各々のADコンバータ3に入力されるサンプリングクロックは、サンプリングクロック発生器40と各々のADコンバータ3との間の経路長の差によって位相差が生じ、また、ADコンバータ3の処理時間には個体差がある。従って、遅延回路50を介してADコンバータ3から出力される各々の信号には、図示のような位相ずれが生じ、信号処理部60では、このような位相ずれが残ったままの信号で処理が行われてしまう。これにより、信号処理部60におけるディジタル信号処理の処理精度が劣化する。
【0018】
図3は、実施の形態に係るDBF受信機の校正モードにおける動作の説明に供する図である。
図3には、ADコンバータ部30を通過した基準信号の位相がばらつく様子が示されている。
【0019】
校正モードは、位相ずれを補正するモードである。校正モードにおいては、
図3に示すように、基準信号生成部80及び分配器90を校正用のツールとして使用する。まず、基準信号生成部80によって基準信号を生成し、分配器90及び各々のアンテナ素子2を介して各々のADコンバータ3に入力する。基準信号の例は、インパルス信号又は矩形波信号である。また、基準信号生成部80はトリガ信号を生成して信号処理部60に入力する。なお、基準信号生成部80が生成した基準信号が各々のアンテナ素子2に入力されるタイミングと、基準信号生成部80が生成したトリガ信号が信号処理部60に入力されるタイミングとがほぼ同時と見なされるように、基準信号生成部80及び分配器90の設置位置が調整されていることが望ましい。
【0020】
校正モードにおいて、遅延回路50は、入力される基準信号に後述する遅延量を付与せずにそのままで信号処理部60に出力する。即ち、各々のADコンバータ3によってAD変化された基準信号は、遅延回路50で遅延量が付与されずに信号処理部60に到達する。
【0021】
信号処理部60は、トリガ信号が信号処理部60に到達したタイミングと、基準信号が信号処理部60に到達したタイミングとに基づいて各々の受信チャネルにおける遅延量を算出してメモリ70に記憶させる。
【0022】
図4は、実施の形態に係るDBF受信機の校正モードにおける遅延量等の算出処理の説明に供するフローチャートである。また、
図5は、実施の形態に係るDBF受信機の校正モードにおける遅延量の説明に供する図である。
図5には、信号処理部60に入力される基準信号が示されている。
図5において、受信チャネル1は、アンテナ素子2
1とADコンバータ3
1とによって構成される受信チャネルであり、受信チャネル2は、アンテナ素子2
2とADコンバータ3
2とによって構成される受信チャネルであり、受信チャネルmは、アンテナ素子2
mとADコンバータ3
mとによって構成される受信チャネルである。
図5の横軸は、時間を示している。
【0023】
次に、
図4及び
図5を参照して、校正モードにおける処理の流れについて説明する。まず、基準信号生成部80は、基準信号を分配器90及び各々のアンテナ素子2を介して各々のADコンバータ3に入力すると共に、トリガ信号を信号処理部60に入力する(ステップS1)。信号処理部60は、各々の受信チャネルにおける基準信号の波形の立ち上がりのタイミングを検出する(ステップS2)。信号処理部60は、基準信号が信号処理部60に到達したタイミングに基づいて各々の受信チャネルにおける遅延量τを算出すると共に、遅延量τの最大値である最大遅延量τ
maxを算出する(ステップS3)。
【0024】
ステップS2,S3の処理については、
図5を参照して補足する。信号処理部60は、トリガ信号が入力されるタイミングを基準にして各々の受信チャネルごとに、基準信号の波形の立ち上がりのタイミングを検出する。信号処理部60は、とリガ信号が入力されるタイミングと基準信号の波形が立ち上がるタイミングとの間の時間差を遅延量τとして算出する。
図5では、受信チャネル1の遅延量がτ
1として算出され、受信チャネル2の遅延量がτ
2として算出され、受信チャネルmの遅延量がτ
mとして算出される様子が示されている。また、
図5の例では、遅延量τ
1,τ
2,…,τ
mのうちで遅延量τ
2が最も大きく、最大遅延量τ
max=τ
2として算出される。
【0025】
図4に戻り、信号処理部60は、最大遅延量τ
maxから各々の受信チャネルの遅延量τを差し引いた各々の受信チャネルごとの補正値Δτをメモリ70に記憶させる(ステップS4)。
図3には、信号処理部60によって算出された補正値Δτがメモリ70に出力される様子が示されている。
【0026】
図6は、実施の形態に係るDBF受信機の信号処理モードにおける動作の説明に供する図である。信号処理モードにおいて、遅延回路50は、メモリ70に記憶されている各々の受信チャネルごとの補正値Δτを参照する。遅延回路50は、各々の受信チャネルごとに、入力される信号に補正値Δτだけ遅延させた信号を信号処理部60に出力する。
図6には、各々のADコンバータ3に入力される信号の位相ずれが遅延回路50によって補正される様子が示されている。
【0027】
なお、上記の処理では、メモリ70には、各々の受信チャネルごとの補正値Δτを記憶させていたが、この例に限定されない。メモリ70には、各々の受信チャネルにおける遅延量τと最大遅延量τmaxとを記憶させるようにしてもよい。この例の場合、上記のステップS3,S4の処理に代え、信号処理部60は、基準信号が信号処理部60に到達したタイミングに基づいて各々の受信チャネルにおける遅延量τ1,τ2,…,τmを算出してメモリ70に記憶させる。このとき、遅延回路50は、メモリ70に記憶されている各々の受信チャネルにおける遅延量τ1,τ2,…,τmのうちの最大値である最大遅延量τmaxを基準にして信号処理部60に出力するタイミングを調整するようにすればよい。また、遅延回路50は、信号処理モードにおいては、入力される信号に遅延量τ1,τ2,…,τmに基づく遅延時間だけ遅延させた信号を信号処理部60に出力すればよい。
【0028】
以上説明したように、実施の形態に係るDBF受信機は、複数の受信チャネルを有し、アンテナ部の受信ビームの指向性制御をディジタル信号処理で実現するDBF受信機であって、ADコンバータ部と、記憶部と、遅延回路と、信号処理部とを備える。ADコンバータ部は、サンプリングクロックを使用してアナログの受信信号をRF帯域の周波数帯でディジタル信号に変換するADコンバータを複数備える。記憶部は、受信チャネルごとの遅延量を保持する。遅延回路は、複数のADコンバータで変換された各々の信号を出力するときに、記憶部が保持する遅延量に基づいて当該信号を受信チャネルごとに遅延させる。信号処理部は、遅延回路から出力される信号を用いて信号処理を行う。このように構成されたDBF受信機によれば、ADコンバータの遅延時間の個体差やサンプリングクロックの位相差に起因する信号の経路長差をナノ秒単位の範囲内に抑えることが可能となる。また、実施の形態に係るDBF受信機は、RF帯域の周波数帯でディジタル信号に変換する処理を行うので、DBF受信機を小型化することができる。従って、実施の形態に係るDBF受信機を用いれば、DBF受信機を小型化しつつ、複数の受信チャネル間でAD変換処理の同期を確保することが可能となる。
【0029】
また、実施の形態に係るDBF受信機は、校正モードを有しているので、記憶部に記憶している補正値又は遅延量を定期的又は任意のタイミングで見直すことができる。これにより、DBF受信機の設計に関する制約を緩和できるという効果も得られる。
【0030】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0031】
2,21,22,2m アンテナ素子、3,31,32,3m ADコンバータ、10 DBF受信機、20 アンテナ部、30 ADコンバータ部、40 サンプリングクロック発生器、50 遅延回路、60 信号処理部、70 メモリ、80 基準信号生成部、90 分配器、100 受信装置。