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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132625
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】照明装置およびプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20240920BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240920BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 E
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043470
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】秋山 光一
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA34
2K203FA44
2K203FA54
2K203FA62
2K203GA25
2K203GA40
2K203HA13
2K203HA14
2K203HA58
2K203HA62
2K203HA92
2K203HA93
2K203HB10
2K203KA65
2K203MA08
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA51
(57)【要約】
【課題】スペックルノイズを低減できる、照明装置およびプロジェクターを提供する。
【解決手段】本発明の照明装置は、第1波長帯の第1光を射出する第1光源と、第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光を射出する第2光源と、第1光および第2光を合成して合成光を射出する光合成部材と、入射する合成光を拡散して射出する拡散面を有する基板、および、基板を回転させる駆動装置、を有する拡散装置と、光合成部材と拡散装置との間に配置され、合成光を拡散装置へ向けて集光する集光素子と、拡散装置から射出された合成光を平行化するコリメーター素子と、コリメーターレンズから射出された合成光が入射する第1レンズアレイ面および第1レンズアレイ面から入射した光を射出する第2レンズアレイ面を有し、第1レンズアレイ面および第2レンズアレイ面が一体化された光均一化素子と、光均一化素子を振動させる振動発生装置と、光均一化素子から射出された光を重畳する重畳レンズと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長帯の第1光を射出する第1光源と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光を射出する第2光源と、
前記第1光および前記第2光を合成して合成光を射出する光合成部材と、
入射する前記合成光を拡散する拡散板と、
前記光合成部材と前記拡散板との間に配置され、前記合成光を前記拡散板へ向けて集光する集光素子と、
前記拡散板から射出された前記合成光を平行化するコリメーター素子と、
前記コリメーター素子から射出された前記合成光が入射する第1レンズアレイ面および前記第1レンズアレイ面を経由した光を射出する第2レンズアレイ面を有し、前記第1レンズアレイ面および前記第2レンズアレイ面が一体化された光均一化素子と、
前記光均一化素子を振動させる振動発生装置と、
前記光均一化素子から射出された光を重畳する重畳レンズと、
を備える、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記振動発生装置は、前記第1レンズアレイ面および前記第2レンズアレイ面を、前記光均一化素子の光軸に直交する方向に沿って一体的に振動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記振動発生装置は、前記第1レンズアレイ面および前記第2レンズアレイ面を、前記光均一化素子の光軸に直交する第1方向と、前記光軸および前記第1方向に直交する第2方向と、に沿って一体的に振動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1レンズアレイ面は、複数の第1小レンズを有し、
前記第2レンズアレイ面は、前記複数の第1小レンズの各々に対応する複数の第2小レンズを有し、
前記第2レンズアレイ面における前記複数の第2小レンズ各々の焦点は、前記複数の第1小レンズのうち対応する各第1レンズの光入射面に配置されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1レンズアレイ面および前記第2レンズアレイ面は、一体的に形成された1つの光学部品であり、
前記振動発生装置は、前記光学部品を振動させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1レンズアレイ面を含む第1光学部材と前記第2レンズアレイ面を含む第2光学部材とを一体に保持し、前記第2レンズアレイ面に対する前記第1レンズアレイ面の相対的な位置を固定する保持部材をさらに備え、
前記振動発生装置は、前記保持部材を振動させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記振動発生装置が発生させる振動の周波数は、60Hz以上、20000Hz以下である、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記振動発生装置は、回転軸を中心として回転する軸部を含むモーターと、前記モーターの前記軸部に設けられ、前記回転軸に対して偏芯する錘を含む回転部材と、を有する、
ことを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光を射出する第3光源をさらに備え、
前記光合成部材は、前記第1光および前記第2光に前記第3光を合成した前記合成光を射出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の照明装置と、
前記照明装置から射出された光を変調する光変調装置と、
前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項11】
前記第1レンズアレイ面は、前記光変調装置において画像を生成する画像生成領域と光学的に共役の関係にある、
ことを特徴とする請求項10に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターの高性能化を目的として、広色域かつ高効率な光源であるレーザー光源を用いた照明装置を備えるプロジェクターが提案されている。下記特許文献1には、青色光源アレイと、赤色光源アレイと、緑色光源アレイと、色合成光学系と、集光レンズと、拡散板と、を備える照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-78906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の照明装置は、3色のレーザー光を合成した合成光が透過型拡散板を透過することで投射画像にスペックルノイズが発生することを低減していたが、この構成ではスペックルノイズを低減する対策が十分とは言えず、新たな技術の提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の1つの態様によれば、第1波長帯の第1光を射出する第1光源と、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光を射出する第2光源と、前記第1光および前記第2光を合成して合成光を射出する光合成部材と、入射する前記合成光を拡散して射出する拡散面を有する基板、および、前記基板を回転させる駆動装置、を有する拡散装置と、前記光合成部材と前記拡散装置との間に配置され、前記合成光を前記拡散装置へ向けて集光する集光素子と、前記拡散装置から出射された前記合成光を平行化するコリメーター素子と、前記コリメーターレンズから射出された前記合成光が入射する第1レンズアレイ面および前記第1レンズアレイ面から入射した光を射出する第2レンズアレイ面を有し、前記第1レンズアレイ面および前記第2レンズアレイ面が一体化された光均一化素子と、前記光均一化素子を振動させる振動発生装置と、前記光均一化素子から射出された光を重畳する重畳レンズと、を備える、照明装置が提供される。
【0006】
また、本発明の別の態様によれば、上記態様の照明装置と、前記照明装置から射出された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備える、プロジェクターが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】プロジェクターを示す概略構成図である。
図2】照明装置の概略構成を示す図である。
図3】光均一化素子の構成を示す図である。
図4】振動発生装置の構成を示す図である。
図5】第1変形例の光均一化素子の構成を示す図である。
図6】第2変形例の照明装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0009】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、一実施形態のプロジェクターを示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター1は、スクリーンSCR上に映像を表示する投射型画像表示装置である。プロジェクター1は、照明装置2と、色分離光学系3と、光変調装置4Rと、光変調装置4Gと、光変調装置4Bと、合成光学系5と、投射光学装置6と、を備える。
【0010】
照明装置2は、色分離光学系3に向けて白色の照明光WLを射出する。照明装置2の構成については、後で詳しく説明する。
【0011】
色分離光学系3は、照明光WLを赤色照明光Rと、緑色照明光Gと、青色照明光Bとに分離する。色分離光学系3は、ダイクロイックミラー7a及びダイクロイックミラー7bと、全反射ミラー8a、全反射ミラー8b及び全反射ミラー8cと、第1のリレーレンズ9a及び第2のリレーレンズ9bとを備えている。以下、赤色、緑色及び青色を総称してRGB各色と呼ぶ場合もある。
【0012】
ダイクロイックミラー7aは、照明装置2からの照明光WLを赤色照明光Rと、その他の光(緑色照明光G及び青色照明光B)とに分離する。ダイクロイックミラー7aは、赤色照明光Rを透過すると共に、その他の光を反射する。ダイクロイックミラー7bは、緑色照明光Gを反射すると共に青色照明光Bを透過させる。
【0013】
全反射ミラー8aは、赤色照明光Rを光変調装置4Rに向けて反射する。全反射ミラー8b及び全反射ミラー8cは、青色照明光Bを光変調装置4Bに導く。緑色照明光Gは、ダイクロイックミラー7bから光変調装置4Gに向けて反射される。
【0014】
第1のリレーレンズ9a及び第2のリレーレンズ9bは、青色照明光Bの光路中におけるダイクロイックミラー7bの後段に配置されている。
【0015】
光変調装置4Rは、赤色照明光Rを画像情報に応じて変調し、赤色の画像光を形成する。光変調装置4Gは、緑色照明光Gを画像情報に応じて変調し、緑色の画像光を形成する。光変調装置4Bは、青色照明光Bを画像情報に応じて変調し、青色の画像光を形成する。
【0016】
光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bには、例えば透過型の液晶パネルが用いられている。また、液晶パネルの入射側及び射出側各々には、偏光板(図示せず。)が配置されている。
【0017】
また、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bの入射側には、それぞれフィールドレンズ10R,フィールドレンズ10G,フィールドレンズ10Bが配置されている。
【0018】
合成光学系5には、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bからの各画像光が入射する。合成光学系5は、各画像光を合成し、この合成された画像光を投射光学装置6に向けて射出する。合成光学系5には、例えばクロスダイクロイックプリズムが用いられている。
【0019】
投射光学装置6は、投射レンズ群からなり、合成光学系5により合成された画像光をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー映像が表示される。
【0020】
続いて、本発明の一実施形態に係る照明装置2について説明する。図2は照明装置2の概略構成を示す図である。
図2に示すように、照明装置2は、光源装置20と、集光素子26と、拡散板23と、コリメーター素子25と、光均一化素子50と、重畳レンズ52と、振動発生装置30と、を備えている。
【0021】
光源装置20は、赤色用光源(第1光源)20Rと、緑色用光源(第2光源)20Gと、青色用光源(第3光源)20Bと、光合成部材24と、を含む。
本実施形態において、赤色用光源20R、光合成部材24および青色用光源20Bは、赤色用光源20Rの光軸ax1上に設けられている。緑色用光源20G、光合成部材24、集光素子26、拡散板23、コリメーター素子25、光均一化素子50および重畳レンズ52は、照明装置2の照明光軸AX上に設けられている。光軸ax1と照明光軸AXとは、互いに直交している。なお、青色用光源20Bの光軸は赤色用光源20Rの光軸ax1と一致しており、緑色用光源20Gの光軸は照明光軸AXと一致する。
【0022】
以下、照明装置2の構成部材の形状や配置を説明するに際し、XYZ座標系を用いる場合もある。本明細書では、照明装置2の照明光軸AXに沿う方向をX方向とし、赤色用光源20Rから赤色光LRが射出される方向であり光軸ax1に沿う方向をY方向とし、X方向およびY方向と垂直な方向をZ方向として説明する。
【0023】
赤色用光源20Rは、複数の赤色半導体レーザー21Rと複数のコリメーターレンズ22Rとを有する。緑色用光源20Gは、複数の緑色半導体レーザー21Gと複数のコリメーターレンズ22Gとを有する。青色用光源20Bは、複数の青色半導体レーザー21Bと複数のコリメーターレンズ22Bとを有する。
【0024】
複数の赤色半導体レーザー21Rは光軸ax1と直交する面内において、アレイ状に配置されている。各赤色半導体レーザー21Rは、例えば585nm~720nmの第1波長帯の赤色光線Brを射出する。複数のコリメーターレンズ22Rは、それぞれ複数の赤色半導体レーザー21Rに対応して配置され、対応するレーザーから射出された赤色光線Brを平行光に変換する。
このような構成に基づき、赤色用光源20Rは、平行光線束からなる複数の赤色光線Brを含む赤色光LRを光合成部材24に向けて射出する。
【0025】
複数の緑色半導体レーザー21Gは照明光軸AXと直交する面内において、アレイ状に配置されている。各緑色半導体レーザー21Gは、例えば495nm~585nmの第1波長帯とは異なる第2波長帯の緑色光線Bgを射出する。複数のコリメーターレンズ22Gは、それぞれ複数の緑色半導体レーザー21Gに対応して配置され、対応するレーザーから射出された緑色光線Bgを平行光に変換する。
このような構成に基づき、緑色用光源20Gは、平行光線束からなる複数の緑色光線Bgを含む緑色光LGを光合成部材24に向けて射出する。
【0026】
複数の青色半導体レーザー21Bは光軸ax2と直交する面内において、アレイ状に配置されている。各青色半導体レーザー21Bは、例えば380nm~495nmの第1および第2波長帯とは異なる第3波長帯の青色光線Bbを射出する。複数のコリメーターレンズ22Bは、それぞれ複数の青色半導体レーザー21Bに対応して配置され、対応するレーザーから射出された青色光線Bbを平行光に変換する。
このような構成に基づき、青色用光源20Bは、平行光線束からなる複数の青色光線Bbを含む青色光LBを光合成部材24に向けて射出する。
【0027】
光合成部材24は、光源装置20から射出されるRGB各色の光(赤色光LR、緑色光LG及び青色光LB)を合成した白色の照明光WLを一方向に射出し、集光素子26に入射させる。集光素子26は、照明光WLを所定の位置に集光させる。
【0028】
光合成部材24は、クロスダイクロイックプリズムから構成されている。クロスダイクロイックプリズムは、第1ダイクロイックミラー24aと、第2ダイクロイックミラー24bと、を有する。第1ダイクロイックミラー24aおよび第2ダイクロイックミラー24bは、それぞれ光軸ax1及び光軸ax2に対して45°で交差するように配置されている。また、第1ダイクロイックミラー24a及び第2ダイクロイックミラー24bは、互いに45°の角度をなすように交差する。
【0029】
第1ダイクロイックミラー24aは、青色光LBを反射するとともに、緑色光LGおよび赤色光LRを透過させる光学特性を有している。第2ダイクロイックミラー24bは、赤色光LRを反射するとともに、青色光LBおよび緑色光LGを透過させる光学特性を有している。
【0030】
集光素子26は、照明光WLを集光させつつ拡散板23に入射させる。拡散板23は、集光素子26の射出側(+X側)に配置される。拡散板23は、照明光WLを拡散させることにより、照明光WLの照度分布を均一化する。
【0031】
なお、拡散板23としては、公知の拡散板、例えば、磨りガラスや、ホログラフィックディフューザー、透明基板の表面にブラスト処理を施したもの、透明基板の内部にビーズのような散乱材を分散させ、散乱材によって光を散乱させるものなどを用いることができる。
【0032】
コリメーター素子25は、拡散板23から射出された照明光WLを平行化し、光均一化素子50に向けて射出する。本実施形態の場合、コリメーター素子25は、一つの凸レンズから構成されている。なお、コリメーター素子25は、複数のレンズから構成されていてもよい。
【0033】
光均一化素子50は、重畳レンズ52とともに、コリメーター素子25から射出された照明光WLの照度分布を光変調装置4R、4G、4Bの各々の画像生成領域において均一化する。
【0034】
本実施形態の光均一化素子50は、第1レンズアレイ面51aおよび第2レンズアレイ面51bが一体化された両面マルチレンズアレイから構成されている。つまり、本実施形態の光均一化素子50は、第1レンズアレイ面51aおよび第2レンズアレイ面51bが一体的に形成された1つの光学部材で構成されている。
なお、本実施形態の光均一化素子50を構成するマルチレンズアレイのピッチは、例えば、0.1mm以上1mm以下に設定することが好ましい。これにより、光均一化素子50が狭ピッチマイクロレンズアレイユニットで構成され、被照明領域上に重畳される光源像の数を増やすことで光均一性能を高めるとともに後述のスペックルノイズの発生を抑制することができる。
【0035】
第1レンズアレイ面51aは、コリメーター素子25から射出された照明光WLが入射する面である。第1レンズアレイ面51aは、照明光WLを複数の部分光線束に分割するための複数の第1小レンズ53を含む。複数の第1小レンズ53は、照明光軸AXと直交する面内にマトリクス状に配列されている。
【0036】
第2レンズアレイ面51bは、第1レンズアレイ面51aを経由して分割された複数の部分光束を射出する面である。第2レンズアレイ面51bは、第1レンズアレイ面51aの各第1小レンズ53に対応する複数の第2小レンズ54を含む。第2レンズアレイ面51bは、後段の重畳レンズ52とともに、第1レンズアレイ面51aの各第1小レンズ53の像を光変調装置4R、光変調装置4Gおよび光変調装置4Bの各々の画像生成領域もしくはその近傍に結像させる。複数の第2小レンズ54は、照明光軸AXに直交する面内にマトリクス状に配列されている。
【0037】
重畳レンズ52は、光均一化素子50から射出される複数の部分光線束のそれぞれを集光して光変調装置4R、光変調装置4Gおよび光変調装置4Bの各々の画像生成領域もしくはその近傍で互いに重畳させる。
【0038】
光均一化素子50はホルダー55に収容されている。ホルダー55は光均一化素子50の外周部510を枠状に囲むゴム状の部材である。振動発生装置30は、ホルダー55に接触した状態に配置され、ホルダー55を介して光均一化素子50を振動させる。本実施形態のホルダー55は、光均一化素子50のZ軸回りあるいはY軸回りの回転を規制した状態で光均一化素子50を保持する。
【0039】
振動発生装置30は、第1レンズアレイ面51aおよび第2レンズアレイ面51bを、光均一化素子50の光軸に直交する方向に沿って一体的に振動させる。ここで、第1レンズアレイ面51aおよび第2レンズアレイ面51bが一体に振動するとは、振動発生装置30により光均一化素子50が振動された場合でも、第1レンズアレイ面51aおよび第2レンズアレイ面51bの位置関係が変化しないことを意味する。
【0040】
より具体的に振動発生装置30は、第1レンズアレイ面51aおよび第2レンズアレイ面51bを、光均一化素子50の光軸に直交するY方向(第1方向)と、光軸およびY方向に直交するZ方向(第2方向)と、に沿って一体的に振動させる。光均一化素子50はホルダー55によってZ軸回りあるいはY軸回りの回転が抑制された状態で振動する。
【0041】
ここで、本実施形態のプロジェクター1において、光均一化素子50の第1レンズアレイ面51aと光変調装置4R、4G、4Bの各々において画像を生成する画像生成領域と光学的に共役の関係になる。そのため、第1レンズアレイ面51aの第1小レンズ53各々の形状は、光変調装置4R、4G、4Bの画像生成領域の形状と略相似となる矩形状を有する。
【0042】
一方、光変調装置4R、4G、4Bの各画像生成領域で生成した画像光を投射するスクリーン面と、光変調装置4R、4G、4Bの各画像生成領域とは、光学的に共役の関係にある。つまり、画像生成領域と共役関係にある第1レンズアレイ面51aは、間接的にスクリーン面と共役関係にあると言える。
【0043】
つまり、本実施形態のプロジェクター1では、スクリーン面と共役関係にある光均一化素子50の第1レンズアレイ面51aを振動させることで、後述のように投射画像のスペックルノイズを低減することができる。
【0044】
振動発生装置30が発生させる振動の周波数は、60Hz以上、20000Hz以下とすることが好ましい。これは、周波数が60Hzより小さいと投射画像にフリッカーが生じてしまうためである。また、周波数が20000Hzより高くしても装置のコストが高くなるものの人間の目にはスペックルノイズの低減効果が感じ難いためである。
よって、本実施形態のプロジェクター1では、振動発生装置30の振動数を60Hz以上20000Hz以下とすることで装置のコストを抑えつつスペックルを効率良く低減することができる。
【0045】
図3は光均一化素子50の構成を示す図である。
図3に示すように、第2レンズアレイ面51bにおける複数の第2小レンズ54各々の焦点P1は、複数の第1小レンズ53のうち対応する各第1小レンズ53の光入射面53aに配置されている。このため、各第1小レンズ53の光入射面53aから入射した光は対応する第2小レンズ54から平行光として射出される。
【0046】
また、第1レンズアレイ面51aにおける複数の第1小レンズ53各々の焦点P2は、複数の第2小レンズ54のうち対応する各第2小レンズ54の光射出面54aに配置されている。このため、第1小レンズ53で分割された部分光線束は各第2小レンズ54の光射出面54a上で集光されるので、第2小レンズ54は第1小レンズ53からの光を効率良く取り込んで射出することができる。よって、光均一化素子50における光損失を低減できる。
【0047】
図4は振動発生装置30の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、振動発生装置30は、光均一化素子50に当接する当接部36を含むケース本体31と、回転軸Oを中心として回転する軸部33を含むモーター32と、モーター32の軸部33に設けられた回転部材34と、回転部材34を回転可能に支持するベアリング37と、を有する。なお、回転軸Oは軸部33の中心を通る仮想的な軸である。
【0048】
ケース本体31は、モーター32、回転部材34およびベアリング37を内部に収容する。回転部材34は、回転軸Oに沿う方向の一端側が軸部33に連結され、回転軸Oに沿う方向の他端側がベアリング37に保持され、中央部に回転軸Oに対して偏芯する錘35を含む。ここで、回転軸Oに対して偏芯する錘35とは回転軸Oと直交する方向に錘35の重心がずれた状態を意味する。
【0049】
振動発生装置30は、モーター32の軸部33が回転することで軸部33とともに回転部材34が回転する。このとき、錘35の重心が回転軸Oからずれたまま回転するため、モーター32自体が錘35によって振り回されることで振動する。モーター32の振動はケース本体31へと伝わり、当接部36を介して光均一化素子50を振動させる。
【0050】
本実施形態の振動発生装置30によれば、モーター32の軸部33とともに回転する回転部材34に回転軸Oに対して偏芯した錘35を設けるといった簡便な構成により、装置構成を大型化させることなく光均一化素子50を低コストで振動させる構成を実現することができる。
【0051】
本実施形態の照明装置2において、照明光WLに含まれる各色光LR,LG,LBはコヒーレント光であるため、投射画像にスペックルを発生させるおそれがある。
従来、プロジェクターの画像を投射するスクリーン面を揺らすことで投射画像のスペックルノイズを低減する手法が知られている。しかしながら、一般的にスクリーンは大型であるため、スクリーン面を揺らす構成の実現は非常に困難と言える。
【0052】
これに対して、本実施形態の照明装置2は、赤色光LRを射出する赤色用光源20Rと、緑色光LGを射出する緑色用光源20Gと、青色光LBを射出する青色用光源20Bと、赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBを合成して照明光WLを射出する光合成部材24と、照明光WLを拡散する拡散板23と、光合成部材24と拡散板23との間に配置され、照明光WLを拡散板23へ向けて集光する集光素子26と、拡散板23から射出された照明光WLを平行化するコリメーター素子25と、コリメーター素子25から射出された照明光WLが入射する第1レンズアレイ面51aおよび第1レンズアレイ面51aを経由した光を射出する第2レンズアレイ面51bを有し、第1レンズアレイ面51aおよび第2レンズアレイ面51bが一体化された光均一化素子50と、光均一化素子50を振動させる振動発生装置30と、光均一化素子50から射出された光を重畳する重畳レンズ52と、を備えている。
【0053】
これにより、本実施形態の照明装置2は、振動発生装置30によりスクリーンSCRと共役面である第1レンズアレイ面51aを振動させることで、画像が投射されるスクリーンSCRを見かけ上、振動させた場合と同様、スクリーン上に投射される画像のスペックルノイズを低減するようにしている。
【0054】
つまり、本実施形態のプロジェクター1では、画像が投射されるスクリーンSCRを見かけ上、振動させた場合と同様、投射画像のスペックルノイズを低減することが可能となっている。つまり、スクリーンSCRを振動させた場合と同様、各色光LR,LG,LBにおけるスペックルパターンを時間的に変化させ、時間平均されたスペックルパターンをプロジェクター1の視聴者に視認させることでスペックルノイズを視認され難くすることができる。
【0055】
本実施形態の照明装置2では、上述のように第2小レンズ54の焦点P1が第1小レンズ53の光入射面53a上に位置するため、光均一化素子50が振動した場合でも、第2小レンズ54から平行光を射出することができる。よって、光均一化素子50の第2レンズアレイ面51bから射出された光の重畳レンズ52に対する入射角度が変化することを抑制できる。
【0056】
また、本実施形態の場合、光均一化素子50を振動させる際、光均一化素子50がZ軸回りあるいはY軸回りに回転することを規制するため、第2レンズアレイ面51bから平行光として射出された光は重畳レンズ52に対して所定の角度で入射する。
【0057】
このように本実施形態の照明装置2は、光均一化素子50を振動させた場合でも、重畳レンズ52における光均一化素子50からの光の入射角度が変化しないので、重畳レンズ52による照明エリア、つまり、光変調装置4R、4G、4Bの各々の画像生成領域上の照明エリアが移動することがない。
よって、本実施形態の照明装置2によれば、光均一化素子50が振動する場合でも、被照明領域である光変調装置4R、4G、4B各々の画像生成領域上の照度分布が変化しない。
したがって、照明装置2を備えた本実施形態のプロジェクター1によれば、投射画像の品質を低下させることなく、スクリーン面と共役である第1レンズアレイ面51aを振動させたことでスペックルの発生を低減することでより高画質な画像を表示できる。
【0058】
なお、上記実施形態の照明装置2では、光均一化素子50が第1レンズアレイ面51aと第2レンズアレイ面51bが一体的に形成された1つの光学部品で構成されていたが、光均一化素子は第1マルチレンズ面を含む光学部材と第2マルチレンズ面を含む別の光学部材との2つの光学部材で構成されてもよい。
【0059】
(第1変形例)
以下、変形例として、光均一化素子の別形態について説明する。本変形例と上記実施形態との違いは光均一化素子の第1マルチレンズ面および第2マルチレンズ面が2つの光学部材で構成される点である。このため、上記実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0060】
図5は変形例の光均一化素子の構成を示す図である。
図5に示すように、本変形例の光均一化素子150は、第1レンズアレイ(第1光学部材)151と、第2レンズアレイ(第2光学部材)152と、第1レンズアレイ151および第2レンズアレイ152を保持する保持部材155と、を有する。
【0061】
第1レンズアレイ151は、第1レンズアレイ面153aを含む。第1レンズアレイ面153aは、照明光WLを複数の部分光線束に分割するための複数の第1小レンズ153を含む。第2レンズアレイ152は、第2レンズアレイ面154aを含む。第2レンズアレイ面154aは、第1レンズアレイ面153aの各第1小レンズ153に対応する複数の第2小レンズ154を含む。
【0062】
保持部材155は、第1レンズアレイ151と第2レンズアレイ152とを一体に保持し、第2レンズアレイ面154aに対する第1レンズアレイ面153aの相対的な位置を固定する。具体的に保持部材155は、各々が対応する第1小レンズ153および第2小レンズ154の光軸を一致させるように、第1レンズアレイ151および第2レンズアレイ152を一体に保持する。
なお、本変形例の光均一化素子150において、第1レンズアレイ面153aおよび第2レンズアレイ面154aの形状あるいは互いの位置関係は上記実施形態の光均一化素子50の第1レンズアレイ面51aおよび第2レンズアレイ面51bと等しい。
【0063】
本変形例の場合、振動発生装置30は保持部材155に接触した状態に配置され、保持部材155を介して光均一化素子150を振動させる。保持部材155は、光均一化素子150のZ軸回りあるいはY軸回りの回転を規制した状態で光均一化素子150を保持する。
【0064】
本変形例の光均一化素子150においても、振動発生装置30によって、第1レンズアレイ面153aおよび第2レンズアレイ面154aを、光均一化素子150の光軸に直交するY方向とZ方向とに沿って一体的に振動させることが可能である。
【0065】
上記実施形態および第1変形例では、拡散板23を透過した拡散光を光均一化素子50に入射させる照明装置2を例に挙げたが、本発明の照明装置は拡散板で反射した光を光均一化素子に入射させる照明装置にも適用可能である。
【0066】
(第2変形例)
以下、第2変形例として、照明装置の別形態について説明する。
本変形例と上記実施形態との違いは照明装置における拡散板の周辺構成であり、それ以外の構成は共通である。このため、上記実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0067】
図6は本変形例の照明装置の概略構成を示す図である。
図6に示すように、本変形例の照明装置2Aは、光源装置20と、集光素子26と、回転拡散装置60と、コリメーター素子25と、光均一化素子50と、重畳レンズ52と、振動発生装置30と、を備えている。
【0068】
本変形例において、緑色用光源20G、光合成部材24、集光素子26および回転拡散装置60は、緑色用光源20Gの光軸ax2上に設けられている。また、回転拡散装置60、コリメーター素子25、光均一化素子50および重畳レンズ52は、照明装置2Aの照明光軸ax3上に設けられている。なお、光軸ax1と光軸ax2とは互いに直交し、光軸ax1と照明光軸ax3とは互いに平行である。
【0069】
本変形例において、集光素子26は、照明光WLを集光させつつ回転拡散装置60に入射させる。回転拡散装置60は、照明光WLを拡散させることにより、照明光WLの照度分布を均一化する。回転拡散装置60は、所定の回転軸を中心として回転可能な拡散板61と、モーターからなる駆動装置62と、を有する。拡散板61は、例えば、アルミニウム等の金属製の円板の表面に例えば、エッチング処理やブラスト処理等によって凹凸構造を形成することで構成される。回転拡散装置60は、光軸ax2及び照明光軸ax3に対して45°で交差するように配置されている。
【0070】
本変形例の照明装置2Aにおいても、振動発生装置30により光均一化素子50を振動させることでスペックルノイズを低減できる。また、本変形例の照明装置2Aでは、回転拡散装置60の拡散板61として反射型の偏光板を用いるため、上記実施形態のように透過型の拡散板23を用いる場合に比べて、拡散した照明光WLに生じる偏光の乱れを抑制できる。
【0071】
本変形例の照明装置2Aによれば、拡散後の照明光WLの偏光の乱れを小さくできるため、照明光WLを分離した各色光を光変調装置4R,4G,4Bの画像形成領域に効率良く入射させることができる。よって、本変形例の照明装置2Aを用いたプロジェクターによれば、照明装置2Aからの照明光WLを効率良く利用することで明るく良質な画像を投射することができる。
【0072】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上記実施形態で示した照明装置およびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
【0073】
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)
第1波長帯の第1光を射出する第1光源と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光を射出する第2光源と、
前記第1光および前記第2光を合成して合成光を射出する光合成部材と、
入射する前記合成光を拡散する拡散板と、
前記光合成部材と前記拡散板との間に配置され、前記合成光を前記拡散板へ向けて集光する集光素子と、
前記拡散板から射出された前記合成光を平行化するコリメーター素子と、
前記コリメーター素子から射出された前記合成光が入射する第1レンズアレイ面および前記第1レンズアレイ面を経由した光を射出する第2レンズアレイ面を有し、前記第1レンズアレイ面および前記第2レンズアレイ面が一体化された光均一化素子と、
前記光均一化素子を振動させる振動発生装置と、
前記光均一化素子から射出された光を重畳する重畳レンズと、
を備える、
ことを特徴とする照明装置。
【0074】
この構成の照明装置によれば、振動発生装置により第1レンズアレイ面および第2レンズアレイ面を一体的に振動させることで、照明装置の被照明領域を見かけ上、振動させた場合と同様、被照明領域を照明する照明光のスペックルノイズを低減することができる。
【0075】
(付記2)
前記振動発生装置は、前記第1レンズアレイ面および前記第2レンズアレイ面を、前記光均一化素子の光軸に直交する方向に沿って一体的に振動させる、
ことを特徴とする付記1に記載の照明装置。
【0076】
この構成によれば、振動発生装置が第1レンズアレイ面および第2レンズアレイ面を光軸に直交する方向に一体的に振動させることで、スペックルノイズを効率良く低減することができる。
【0077】
(付記3)
前記振動発生装置は、前記第1レンズアレイ面および前記第2レンズアレイ面を、前記光均一化素子の光軸に直交する第1方向と、前記光軸および前記第1方向に直交する第2方向と、に沿って一体的に振動させる、
ことを特徴とする付記1または付記2に記載の照明装置。
【0078】
この構成によれば、振動発生装置が第1レンズアレイ面および第2レンズアレイ面を2方向に一体的に振動させることで、スペックルノイズを効率良く低減することができる。
【0079】
(付記4)
前記第1レンズアレイ面は、複数の第1小レンズを有し、
前記第2レンズアレイ面は、前記複数の第1小レンズの各々に対応する複数の第2小レンズを有し、
前記第2レンズアレイ面における前記複数の第2小レンズ各々の焦点は、前記複数の第1小レンズのうち対応する各第1レンズの光入射面に配置されている、
ことを特徴とする付記1から付記3のうちのいずれか一つに記載の照明装置。
【0080】
この構成によれば、光均一化素子を振動させた場合でも、各第1小レンズの光入射面から入射した光は対応する第2小レンズから平行光として射出される。このため、第2レンズアレイ面から射出された光の重畳レンズに対する入射角度が変化することを抑制できる。よって、この構成によれば、光均一化素子を振動させた場合でも、重畳レンズによる照明エリアが移動しないため、被照明領域を均一な光で照明することができる。
【0081】
(付記5)
前記第1レンズアレイ面および前記第2レンズアレイ面は、一体的に形成された1つの光学部品であり、
前記振動発生装置は、前記光学部品を振動させる、
ことを特徴とする付記1から付記4のうちのいずれか一つに記載の照明装置。
【0082】
この構成によれば、第1レンズアレイ面および第2レンズアレイ面が一体に形成された1つの光学部材で構成された光均一化素子を振動させること合成光のスペックルノイズを低減することができる。
【0083】
(付記6)
前記第1レンズアレイ面を含む第1光学部材と前記第2レンズアレイ面を含む第2光学部材とを一体に保持し、前記第2レンズアレイ面に対する前記第1レンズアレイ面の相対的な位置を固定する保持部材をさらに備え、
前記振動発生装置は、前記保持部材を振動させる、
ことを特徴とする付記1から付記5のうちのいずれか一項に記載の照明装置。
【0084】
この構成によれば、第1レンズアレイ面および第2レンズアレイ面が別体の光学部材で構成された光均一化素子を振動させること合成光のスペックルノイズを低減することができる。
【0085】
(付記7)
前記振動発生装置が発生させる振動の周波数は、60Hz以上、20000Hz以下である、
ことを特徴とする付記1から付記6のうちのいずれか一つに記載の照明装置。
【0086】
この構成によれば、振動発生装置のコストを抑えつつスペックルノイズを効率良く低減することができる。
【0087】
(付記8)
前記振動発生装置は、回転軸を中心として回転する軸部を含むモーターと、前記モーターの前記軸部に設けられ、前記回転軸に対して偏芯する錘を含む回転部材と、を有する、
ことを特徴とする付記7に記載の照明装置。
【0088】
この構成によれば、モーターの回転軸に偏芯した錘を設ける簡便な構成により振動発生装置を小型かつ低コストで実現できる。
【0089】
(付記9)
前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光を射出する第3光源をさらに備え、
前記光合成部材は、前記第1光および前記第2光に前記第3光を合成した前記合成光を射出する、
ことを特徴とする付記1から付記8のうちいずれか一つに記載の照明装置。
【0090】
この構成によれば、3つの色光を含む合成光のスペックルノイズを低減することができる。
【0091】
(付記10)
付記1から付記9のうちのいずれか一つに記載の照明装置と、
前記照明装置から射出された光を変調する光変調装置と、
前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
【0092】
この構成のプロジェクターによれば、スペックルの発生を低減することでより高画質な画像を表示できる。
【0093】
(付記11)
前記第1レンズアレイ面は、前記光変調装置において画像を生成する画像生成領域と光学的に共役の関係にある、
ことを特徴とする付記10に記載のプロジェクター。
【0094】
この構成によれば、投射画像の品質を低下させることなく、被投射面と共役である第1レンズアレイ面を振動させたことでスペックルの発生を低減することでより高画質な画像を表示できる。
【符号の説明】
【0095】
1…プロジェクター、2,2A…照明装置、4B,4G,4R…光変調装置、6…投射光学装置、51b,154a…第2レンズアレイ面、20B…青色用光源(第3光源)、20G…緑色用光源(第2光源)、20R…赤色用光源(第1光源)、23,61…拡散板、24…光合成部材、25…コリメーター素子、26…集光素子、30…振動発生装置、32…モーター、33…軸部、34…回転部材、35…錘、50,150…光均一化素子、51a,153a…第1レンズアレイ面、52…重畳レンズ、53,153…第1小レンズ、53a…光入射面、54,154…第2小レンズ、151…第1レンズアレイ(第1光学部材)、152…第2レンズアレイ(第2光学部材)、155…保持部材、O…回転軸、P1…焦点。
図1
図2
図3
図4
図5
図6