(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013263
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】浮体
(51)【国際特許分類】
B63H 21/38 20060101AFI20240125BHJP
B63B 25/16 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B63H21/38 B
B63B25/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115203
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】518022743
【氏名又は名称】三菱造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 大祐
(72)【発明者】
【氏名】桑畑 一志
(72)【発明者】
【氏名】本田 照裕
(57)【要約】
【課題】エネルギーロスを削減することができる浮体を提供する。
【解決手段】浮体は、浮体本体と、浮体本体に設けられて、液化ガスが貯留された液化ガスタンクと、浮体本体に設けられて、液化ガスによって駆動される燃焼器と、液化ガスタンクと燃焼器とを接続する液化ガスラインと、液化ガスラインの液化ガスがパージガスとともに導入されるノックアウトドラムと、ノックアウトドラムの下方に設けられて、ノックアウトドラムに貯留された液化ガスが流れ落ちる回収タンクと、回収タンクの気相領域と液化ガスラインの気相領域とを互いに連通させる均圧管と、回収タンクから液化ガスラインに液化ガスを送り込むことが可能な戻し管と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体本体と、
前記浮体本体に設けられて、液化ガスが貯留された液化ガスタンクと、
前記浮体本体に設けられて、液化ガスによって駆動される燃焼器と、
前記液化ガスタンクと前記燃焼器とを接続する液化ガスラインと、
前記液化ガスラインの液化ガスがパージガスとともに導入されるノックアウトドラムと、
前記ノックアウトドラムの下方に設けられて、前記ノックアウトドラムに貯留された液化ガスが流れ落ちる回収タンクと、
前記回収タンクの気相領域と前記液化ガスラインの気相領域とを互いに連通させる均圧管と、
前記回収タンクから前記液化ガスラインに液化ガスを送り込むことが可能な戻し管と、
を備える浮体。
【請求項2】
前記回収タンクは、前記液化ガスラインの上方に設けられている、請求項1に記載の浮体。
【請求項3】
前記戻し管に設けられ、前記回収タンクから前記液化ガスラインに液化ガスを圧送する戻しポンプを備える、請求項1又は2に記載の浮体。
【請求項4】
前記回収タンク内の液化ガスの液面の上限位置及び下限位置を検知可能な液面センサを備える請求項1又は2に記載の浮体。
【請求項5】
前記ノックアウトドラムから前記回収タンクに液化ガスを導く回収管と、
前記回収管に設けられ、前記回収管を開閉可能な回収遮断弁と、
前記均圧管に設けられ、前記均圧管を開閉可能な均圧遮断弁と、
前記戻し管に設けられ、前記戻し管を開閉可能な戻し遮断弁と、
を備える、請求項1又は2に記載の浮体。
【請求項6】
前記回収タンク内を前記回収タンクの外部と連通させる放出管と、
前記放出管に設けられ、前記放出管を開閉可能な放出遮断弁と、
を備える、請求項1又は2に記載の浮体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浮体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液化ガスを燃料として海洋上を推進する船舶(浮体)が開示されている。この浮体は、液化ガスを貯留する貯留タンクと、液化ガスを燃料として使用するエンジンと、貯留タンクの液化ガスをエンジンに供給する燃料供給ラインと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のような液化ガスを燃料とするエンジンでは、長期間運転を停止する際や、供給する燃料を切り替える際などに、エンジン及び配管内に残留した液化ガスをパージして排出する必要がある。このように排出された液化ガスは、パージガスと共にノックアウトドラムにより回収されて気液分離される。そして、この気液分離された液化ガスは、ノックアウトドラム内で蒸発させた後に大気中に放出されたり、除害装置によって除害されたりして、廃棄される場合が多く、エネルギーロスとなっている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、エネルギーロスを削減することができる浮体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る浮体は、浮体本体と、前記浮体本体に設けられて、液化ガスが貯留された液化ガスタンクと、前記浮体本体に設けられて、液化ガスによって駆動される燃焼器と、前記液化ガスタンクと前記燃焼器とを接続する液化ガスラインと、前記液化ガスラインの液化ガスがパージガスとともに導入されるノックアウトドラムと、前記ノックアウトドラムの下方に設けられて、前記ノックアウトドラムに貯留された液化ガスが流れ落ちる回収タンクと、前記回収タンクの気相領域と前記液化ガスラインの気相領域とを互いに連通させる均圧管と、前記回収タンクから前記液化ガスラインに液化ガスを送り込むことが可能な戻し管と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の浮体によれば、エネルギーロスを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の第一実施形態に係る船舶の側面図である。
【
図2】本開示の第一実施形態に係る船舶の燃料供給及び燃料パージを行う配管系統を示す図である。
【
図3】本開示の第一実施形態に係る液化ガスラインへの液化ガスの戻し手順を示すフローチャートである。
【
図4】本開示の第二実施形態に係る船舶の燃料供給及び燃料パージを行う配管系統を示す図である。
【
図5】本開示の第三実施形態に係る船舶の燃料供給及び燃料パージを行う配管系統を示す図である。
【
図6】本開示の第四実施形態に係る船舶の燃料供給及び燃料パージを行う配管系統を示す図である。
【
図7】本開示の第四実施形態に係る液化ガスラインへの液化ガスの戻し手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第一実施形態>
(船舶)
以下、本開示の第一実施形態に係る浮体について、
図1から
図3を参照して説明する。
本実施形態の浮体は、液化ガスを燃焼して発生した熱エネルギーにより海洋上を推進する船舶1である。本実施形態では、燃焼器9の燃料の液化ガスとして、液化アンモニアが用いられる。なお、燃焼器9の燃料の液化ガスとして、液化アンモニアの他に、例えば、LNG(Liquefied Natural Gas)や、LPG(Liquefied Petroleum Gas)等が挙げられる。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の船舶(浮体)1は、船体(浮体本体)2と、上部構造4と、液化ガスタンク8と、燃焼器9と、配管系統10と、を備える。船舶1の船種は、特定のものに限られない。船舶1の船種として、例えば液化ガス運搬船、フェリー、RORO船、自動車運搬船、客船等が挙げられる。
【0011】
(船体)
船体2は、その外殻をなす、一対の舷側5と、船底6と、を有する。舷側5は、左右舷側をそれぞれ形成する一対の舷側外板を備える。船底6は、これら舷側5を接続する船底外板を備える。これら一対の舷側5及び船底6により、船体2の外殻は、船首尾方向に直交する断面において、U字状を成している。
【0012】
船体2は、最も上層に配置される全通甲板である上甲板7を更に備える。上部構造4は、この上甲板7上に形成されている。上部構造4内には、居住区等が設けられている。本実施形態の船舶1では、例えば、上部構造4よりも船首尾方向の船首3a側に、貨物を搭載するカーゴスペース(不図示)が設けられている。
【0013】
(液化ガスタンク)
液化ガスタンク8は、船体2に設けられ、後述する燃焼器9の燃料として液化ガスを貯留する。本実施形態で例示する液化ガスタンク8は、上部構造4よりも船尾3b側の上甲板7上に設置されているが、液化ガスタンク8の配置は、上部構造4よりも船尾3b側の上甲板7上に限られない。
【0014】
(燃焼器)
燃焼器9は、液化ガスタンク8から供給される液化ガスの燃焼によって駆動し、熱エネルギーを発生させる装置であり、上記の船体2内に設けられている。燃焼器9として、例えば、船舶1を推進させるための主機に用いられる内燃機関、船内に電気を供給する発電機等に用いられる内燃機関、作動流体としての蒸気を発生させるボイラー等が挙げられる。
【0015】
(配管系統)
配管系統10は、液化ガスタンク8から燃焼器9への液化ガスの供給、及び燃焼器9内に残留した液化ガスのパージ等を行う。以下、
図2を参照して、配管系統10の構成について説明する。
【0016】
図2に示すように、配管系統10は、液化ガスライン30と、パージガス供給装置40と、パージライン50と、ノックアウトドラム11と、排気管12と、第一液面センサ60と、回収管14と、回収遮断弁15と、回収タンク13と、第二液面センサ61と、均圧管16と、均圧遮断弁17と、戻し管18と、戻し遮断弁19と、戻しポンプ20と、放出管21と、放出遮断弁22と、を備える。配管系統10の各構成は、船体2に設けられた不図示の燃料調整室Sに設けられている。燃料調整室Sは、気密構造とされ、換気装置(不図示)によって室内の換気がなされる。
なお、配管系統10の各構成は、燃料調整室Sに設けられていなくてもよい。
【0017】
(液化ガスライン)
液化ガスライン30は、液化ガスタンク8と燃焼器9とを接続している。液化ガスライン30内は、大気圧よりも高圧に保たれている。また、液化ガスライン30の系統内各場所の温度下において飽和蒸気圧よりも高い圧力に保たれている。このため、液化ガスライン30内のガスは、液化状態を維持することができる。液化ガスライン30は、導入管32と、導入部31と、供給管33と、供給ポンプ35と、供給遮断弁36と、リターン管34と、リターン遮断弁37と、キャッチタンク38と、を有する。
【0018】
(導入管)
導入管32は、液化ガスタンク8と導入部31とを接続し、互いに連通させる管である。
【0019】
(導入部)
導入部31は、液化ガスタンク8から導入管32を通じて液化ガスが導かれるタンクである。また、導入部31は、リターン管34に接続されてキャッチタンク38に貯留された液化ガスが導かれるタンクでもある。つまり、導入部31は、液化ガスタンク8及びキャッチタンク38から導かれた液化ガスを一時的に貯留可能なミキシングタンクである。
【0020】
(供給管)
供給管33は、導入部31に導かれた液化ガスを燃焼器9に供給する管である。供給管33の途中には、供給ポンプ35と、供給遮断弁36と、熱交換器(図示省略)と、圧力調整弁(図示省略)と、が設けられている。
【0021】
(供給ポンプ)
供給ポンプ35は、導入部31から燃焼器9に向けて液化ガスを圧送する。
【0022】
(供給遮断弁)
供給遮断弁36は、供給ポンプ35と燃焼器9との間の供給管33に設けられている。即ち供給遮断弁36は、供給ポンプ35よりも下流側の供給管33に、液化ガスの流れ方向に並んで2つ設けられている。供給遮断弁36は、供給管33を開閉可能に設けられ、供給管33を閉塞することにより供給管33内の流体の流れを遮断するいわゆる主燃料遮断弁でもある。以下では、供給管33に設けられた2つの供給遮断弁36のうち、上流側(液化ガスタンク8側)の供給遮断弁36を上流側供給遮断弁36aと称し、下流側(燃焼器9側)の供給遮断弁36を下流側供給遮断弁36bと称する。
【0023】
(リターン管)
リターン管34は、燃焼器9で燃料として用いられずに残った余剰の液化ガスを導入部31に戻す管である。リターン管34の途中には、リターン遮断弁37と、キャッチタンク38と、熱交換器(図示省略)と、圧力・流量調整弁(図示省略)と、が設けられている。
【0024】
(リターン遮断弁)
リターン遮断弁37は、液化ガスの流れ方向に並んで複数設けられている。本実施形態では、リターン遮断弁37が液化ガスの流れ方向に並んで2つ設けられている場合を一例として示している。リターン遮断弁37は、リターン管34を開閉可能に設けられ、リターン管34を閉塞することによりリターン管34内の流体の流れを遮断するいわゆる主燃料遮断弁でもある。以下では、リターン管34に設けられた2つのリターン遮断弁37のうち、上流側(燃焼器9側)のリターン遮断弁37を上流側リターン遮断弁37aと称し、下流側(液化ガスタンク8側)のリターン遮断弁37を下流側リターン遮断弁37bと称する。
【0025】
(キャッチタンク)
キャッチタンク38は、2つのリターン遮断弁37よりも液化ガスタンク8側、即ち2つのリターン遮断弁37よりも下流側のリターン管34に設けられている。キャッチタンク38は、燃焼器9から戻された液化ガスを一時貯留する。キャッチタンク38内には、液化ガスからなる液相と、液化ガスの気化したガス等からなる気相とが形成されている。本実施形態では、燃焼器9から戻された液化ガスは、キャッチタンク38の液相に導入される。そして、このキャッチタンク38に貯留された液相の液化ガスが、リターン管34を介して導入部31に戻される。キャッチタンク38の内圧は、例えば2.5MPa程度の高圧に保たれている。
【0026】
上述した液化ガスライン30には、燃焼器9内にパージガスを供給するパージガス供給装置40が設けられている。
【0027】
(パージガス供給装置)
パージガス供給装置40は、燃焼器9内に残留した液化ガスをパージガスに置き換える、いわゆるパージを行う。パージガスとは、例えば窒素等の不活性ガスである。パージガス供給装置40は、パージガス供給部41と、パージガス供給管42と、パージガス供給弁43と、を備える。
【0028】
(パージガス供給部)
パージガス供給部41は、パージガスをパージガス供給管42へ供給可能とされている。
【0029】
(パージガス供給管)
パージガス供給管42は、パージガス供給部41と、液化ガスライン30とを接続する。パージガス供給管42は、パージ対象領域Pに接続されている。
パージ対象領域Pとは、少なくとも、燃焼器9及び、液化ガスライン30における供給管33の上流側供給遮断弁36aとリターン管34の下流側リターン遮断弁37bとの間で、燃焼器9側を含む領域である。本実施形態では、パージガス供給管42は、供給管33における下流側供給遮断弁36bと燃焼器9との間に接続されている。
【0030】
(パージガス供給弁)
パージガス供給弁43は、パージガス供給管42に設けられている。パージガス供給弁43は、パージガス供給管42を開閉可能に設けられている。パージガス供給弁43は、通常時(燃焼器9の駆動時)にパージガス供給管42を閉塞し、パージガス供給部41から配管系統10のパージ対象領域Pへのパージガスの供給を遮断する。
【0031】
パージガス供給弁43は、燃焼器9のアンモニア運転停止時等にパージガス供給管42を開放する。この時、上流側供給遮断弁36a及び下流側リターン遮断弁37bによって供給管33、リターン管34が閉塞され、液化ガスタンク8と燃焼器9間の液化ガスの流れが遮断される。つまり、液化ガスタンク8から燃焼器9への液化ガスの供給が停止状態となる。この状態で、パージガス供給弁43を操作してパージガス供給管42を開放すると、パージガス供給部41からパージ対象領域Pにパージガスが供給される。パージガス供給装置40は、パージ対象領域Pにパージガスを供給することで、パージ対象領域P内の液化ガスをパージガスに置き換える。
パージガス供給装置40から供給されるパージガスによって、液化ガスがパージ対象領域Pからパージライン50に押し出される。
【0032】
(パージライン)
パージライン50は、液化ガスライン30のパージ対象領域Pからパージガスによって押し出された液化ガス及びパージガスをノックアウトドラム11に導く。パージライン50は、供給側パージ管51と、供給側パージ弁52と、リターン側パージ管53と、リターン側パージ弁54と、を有する。
【0033】
(供給側パージ管)
供給側パージ管51は、供給管33とノックアウトドラム11とを接続している。供給側パージ管51の供給管33側の端部は、供給管33における2つの供給遮断弁36の間の領域に接続されている。供給側パージ管51には、供給側パージ管51を開閉可能な供給側パージ弁52が設けられている。
【0034】
(供給側パージ弁)
供給側パージ弁52は、通常時(燃焼器9の駆動時)に供給側パージ管51を閉塞し、供給管33から供給側パージ管51への液化ガスの流入を阻止する。一方で、供給側パージ弁52は、パージガス供給装置40によるパージガスの供給時に、供給側パージ管51を開放する。供給側パージ管51が開放されると、供給側パージ管51にパージガスによってパージ対象領域Pから押し出された液化ガス及びパージガスが流入する。そして、供給側パージ管51に流入した液化ガス及びパージガスがノックアウトドラム11に導かれる。なお、本実施形態の供給側パージ弁52は、2つの供給遮断弁36とともに、いわゆるダブルブロック・アンド・ブリード弁を構成している。
【0035】
なお、供給側パージ管51は、供給管33に複数設けられてもよく、その場合、供給側パージ弁52は、各供給側パージ管51に少なくとも1つずつ設けられる。
【0036】
(リターン側パージ管)
リターン側パージ管53は、リターン管34とノックアウトドラム11とを接続している。本実施形態では、リターン側パージ管53は、3本設けられている。3本のうち1本のリターン側パージ管53のリターン管34側の端部は、リターン管34における2つのリターン遮断弁37の間の領域に接続されている。3本のうち2本のリターン側パージ管53のリターン管34側の端部は、リターン管34における燃焼器9と上流側リターン遮断弁37aとの間の領域に接続されている。これら3本のリターン側パージ管53は、下流側で合流してノックアウトドラム11に接続される。各リターン側パージ管53には、リターン側パージ管53を開閉可能なリターン側パージ弁54が設けられている。
【0037】
(リターン側パージ弁)
リターン側パージ弁54は、通常時(燃焼器9の駆動時)にリターン側パージ管53を閉塞し、リターン管34からリターン側パージ管53への液化ガスの流入を阻止する。一方で、リターン側パージ弁54は、パージガス供給装置40によるパージガスの供給時に、リターン側パージ管53を開放する。リターン側パージ管53が開放されると、リターン側パージ管53にパージガスによってパージ対象領域Pから押し出された液化ガス及びパージガスが流入する。そして、リターン側パージ管53に流入した液化ガス及びパージガスがノックアウトドラム11に導かれる。なお、本実施形態のリターン側パージ弁54は、2つのリターン遮断弁37とともに、いわゆるダブルブロック・アンド・ブリード弁を構成している。
【0038】
なお、リターン側パージ管53は、リターン管34に1本または2本、4本以上の複数設けられてもよく、リターン側パージ管53の本数は適宜変更可能である。リターン側パージ管53の本数によらず、リターン側パージ弁54は、各リターン側パージ管53に少なくとも1つずつ設けられる。
上述したパージライン50は、液化ガスライン30とノックアウトドラム11とを接続している。
【0039】
(ノックアウトドラム)
ノックアウトドラム11には、液化ガスライン30の液化ガスがパージガスとともに導入される。ノックアウトドラム11は、液化ガス(液体)と、液化ガスが蒸発して生じたガス及びパージガス等のガス(気体)と、が気液分離される。ノックアウトドラム11の内圧は、大気圧近くに保たれている。
【0040】
パージライン50を通じてノックアウトドラム11に導かれた液化ガスのうち液相のものは、ノックアウトドラム11内に貯留される。このノックアウトドラム11に貯留された液化ガスは、回収管14を通じてノックアウトドラム11の下方に設けられた回収タンク13に流れ落ちる。このため、ノックアウトドラム11内の液化ガスの貯留量は次第に減少する。ノックアウトドラム11には、ノックアウトドラム11内の液化ガスの貯留量を測定するために、第一液面センサ60が設けられている。
一方で、上述したパージライン50を通じてノックアウトドラム11に導かれたパージガス等の気相のガスは、ノックアウトドラム11に連通した排気管12を通じて外部に排出される。
【0041】
(排気管)
排気管12は、ノックアウトドラム11から延びている。排気管12は、ノックアウトドラム11内の気相と連通されている。排気管12のノックアウトドラム11とは反対側の端部は、船舶1外の大気に向けて開放されてもよく、液化ガスが蒸発して生じる気相のガスを除害する除害装置(不図示)に接続されてもよい。
【0042】
(第一液面センサ)
第一液面センサ60は、ノックアウトドラム11内の液化ガスの液面の位置を検知する。この第一液面センサ60によってノックアウトドラム11内の液化ガスの貯留量が、例えば、所定の上限値と下限値との間に維持されるように、ノックアウトドラム11から回収タンク13に導く液化ガスの流量を調整することができる。
【0043】
(回収管)
回収管14は、ノックアウトドラム11から回収タンク13に液化ガスを導く。回収管14には、回収管14を開閉可能な回収遮断弁15が設けられている。
【0044】
(回収遮断弁)
回収遮断弁15は、回収管14を開放することにより回収管14内の液化ガスの移動を可能とし、回収管14を閉塞することにより回収管14内の液化ガスの移動を遮断する。以下では、回収遮断弁15が回収管14を閉塞した状態を回収遮断弁15の閉塞状態とし、回収遮断弁15が回収管14を開放した状態を回収遮断弁15の開放状態とする。
【0045】
(回収タンク)
回収タンク13は、ノックアウトドラム11に貯留された液化ガスを回収する。回収タンク13は、ノックアウトドラム11に貯留される液化ガスを全て貯留可能な程度の容積を有する。例えば、回収タンク13の容積は、ノックアウトドラム11の容積よりも大きい。回収タンク13は、ノックアウトドラム11と液化ガスライン30の両方と均圧化されるため、幅広い圧力レンジを有する圧力容器が用いられている。なお、本実施形態では、回収タンク13は、キャッチタンク38に対して水平方向で対向する位置に、縦置きで配置されている。
【0046】
回収タンク13には、回収タンク13内の液化ガスタンク8の貯留量を測定するために、第二液面センサ61が設けられている。また、回収タンク13は、回収管14によってノックアウトドラム11に接続され、均圧管16及び戻し管18によって液化ガスライン30に接続されている。回収タンク13は、ノックアウトドラム11から供給された液化ガスを貯留し、戻し管18を通じて液化ガスライン30に液化ガスを導く。また、回収タンク13は、放出管21によって排気管12に接続されている。
【0047】
(第二液面センサ)
第二液面センサ61は、回収タンク13内の液化ガスの液面の位置を検知する。この第二液面センサ61によって、回収タンク13内の液化ガスの貯留量が所定の上限値と下限値との間に維持されるようにしつつ、回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスを導くことができる。
【0048】
(均圧管)
均圧管16は、回収タンク13の気相領域と液化ガスライン30の気相領域とを互いに連通させ、回収タンク13と液化ガスライン30とを均圧化させることが可能となっている。本実施形態では、均圧管16は、回収タンク13の気相領域と、液化ガスライン30のキャッチタンク38の気相領域とを互いに連通させている。
【0049】
(均圧遮断弁)
均圧遮断弁17は、均圧管16に設けられ、均圧管16を開閉する。例えば、均圧管16を開放することにより均圧管16内の気体の移動を可能にし、均圧管16を閉塞することにより均圧管16内の気体の移動を遮断する。以下では、均圧遮断弁17が均圧管16を閉塞した状態を均圧遮断弁17の閉塞状態とし、均圧遮断弁17が均圧管16を開放した状態を均圧遮断弁17の開放状態とする。
【0050】
(戻し管)
戻し管18は、回収タンク13と液化ガスライン30とを連通させる。戻し管18は、回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスを送り込むことが可能とされている。本実施形態では、戻し管18は、回収タンク13とキャッチタンク38とを連通させている。戻し管18には、戻し管18を開閉可能な戻し遮断弁19と、戻しポンプ20とが設けられている。
【0051】
(戻し遮断弁)
戻し遮断弁19は、戻し管18を開閉する。戻し遮断弁19は、例えば、戻し管18を開放することにより戻し管18内の液化ガスの移動を可能とする一方で、戻し管18を閉塞することにより戻し管18内の液化ガスの移動を遮断する。以下では、戻し遮断弁19が戻し管18を閉塞した状態を戻し遮断弁19の閉塞状態とし、戻し遮断弁19が戻し管18を開放した状態を戻し遮断弁19の開放状態とする。
【0052】
(戻しポンプ)
戻しポンプ20は、戻し遮断弁19よりも回収タンク13側の戻し管18に設けられている。戻しポンプ20は、回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスを圧送する。本実施形態では、戻しポンプ20は、回収タンク13からキャッチタンク38に液化ガスを圧送する。戻しポンプ20によって圧送された液化ガスは、キャッチタンク38に導入される。
【0053】
(放出管)
放出管21は、回収タンク13内を回収タンク13の外部と連通させる。本実施形態では、放出管21は、回収タンク13と排気管12とを接続しており、排気管12を介してノックアウトドラム11の気相領域と回収タンク13の気相領域とを互いに連通させている。放出管21には、放出遮断弁22が設けられている。
【0054】
(放出遮断弁)
放出遮断弁22は、放出管21を開閉する。放出遮断弁22は、例えば、放出管21を開放することにより放出管21内の気体の移動を可能にし、放出管21を閉塞することにより放出管21内の気体の移動を遮断する。以下では、放出遮断弁22が放出管21を閉塞した状態を放出遮断弁22の閉塞状態とし、放出遮断弁22が放出管21を開放した状態を放出遮断弁22の開放状態とする。
【0055】
(液化ガスの戻し手順)
上述した船舶1では、パージされた液化ガスは、ノックアウトドラム11に導かれた後、液化ガスライン30に戻される。
以下、パージされた液化ガスを液化ガスライン30に戻す手順について、
図3のフローチャートを参照して説明する。なお、パージ開始前は、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、戻し遮断弁19、及び放出遮断弁22は、閉塞状態とされている。
【0056】
まず、放出遮断弁22を開放状態にしてノックアウトドラム11と回収タンク13とを均圧化する(ステップS1)。また、ステップ1では、回収遮断弁15を開放状態にする。なお、放出遮断弁22及び回収遮断弁15が既に開放状態で、ノックアウトドラム11と回収タンク13との均圧化がなされている場合、ステップS1は省略することができる。
【0057】
この状態(ステップS1完了後の初期状態)で、パージガス供給装置40を操作してパージ対象領域Pにパージガスを供給してパージ対象領域Pをパージする(ステップS2)。パージを開始すると、パージ対象領域Pからノックアウトドラム11に導かれた液化ガスは、ノックアウトドラム11に、一時的に貯留される。この時、ノックアウトドラム11内の液化ガスの液面が、少なくとも第一液面センサ60によって検知される下限位置より上に位置するまで、ノックアウトドラム11内に液化ガスが貯留される。
以下では、ノックアウトドラム11内の液化ガスの液面が第一液面センサ60によって検知される下限位置にある時のノックアウトドラム11内の液化ガスの貯留量を、ノックアウトドラム11の最小貯留量と称する。ノックアウトドラム11の最小貯留量は、ノックアウトドラム11が空き状態とみなせる程度の量である。
【0058】
ノックアウトドラム11内では、液相の液化ガスと、気相のパージガス及び液化ガスの蒸発ガスとに気液分離される。
【0059】
その後、回収遮断弁15が開放状態となっているため、ノックアウトドラム11から回収タンク13に向けて流れ落ちる。このようにして、液化ガスが回収タンク13に回収される(ステップS3)。すると、ノックアウトドラム11内の液化ガスの液面が低下する。
【0060】
続いて、第一液面センサ60によってノックアウトドラム11内の液化ガスの液面が下限位置であるか否かを検知することにより、ノックアウトドラム11の貯留量が最小貯留量以下であるか否かを判定する(ステップS4)。ノックアウトドラム11の貯留量が最小貯留量以下でない場合(ステップS4;NO)、液化ガスを回収し続ける(ステップS3)。一方、ノックアウトドラム11の貯留量が最小貯留量以下である場合(ステップS4;YES)、回収遮断弁15と放出遮断弁22とを閉塞状態にして、液化ガスの回収を停止する(ステップS5)。
【0061】
ステップS5の完了後、回収タンク13内の液化ガスの液面が、少なくとも第二液面センサ61によって検知される下限位置より上に位置するまで、回収タンク13内に液化ガスが貯留されている。
以下では、回収タンク13内の液化ガスの液面が第二液面センサ61によって検知される下限位置にある時の回収タンク13内の液化ガスの貯留量を、回収タンク13の最小貯留量と称する。回収タンク13の最小貯留量は、回収タンク13が空き状態とみなせる程度の量である。
【0062】
その後、均圧遮断弁17を開放状態にして、回収タンク13と液化ガスライン30とを均圧化する(ステップS6)。より具体的には、回収タンク13とキャッチタンク38とを均圧化する。
【0063】
その後、戻し遮断弁19を開放状態にして、戻しポンプ20を起動する。すると、回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスが送られる。このようにして、液化ガスライン30に液化ガスが戻される(ステップS7)。
【0064】
続いて、第二液面センサ61によって回収タンク13内の液化ガスの液面が下限位置より下であるか否かを検知することにより、回収タンク13の貯留量が最小貯留量以下であるか否かを判定する(ステップS8)。回収タンク13の貯留量が最小貯留量以下でない場合(ステップS8;NO)、液化ガスを戻し続ける(ステップS7)。一方、回収タンク13の貯留量が最小貯留量以下である場合(ステップS8;YES)、その後、戻し遮断弁19と均圧遮断弁17とを閉塞状態にして、液化ガスの戻しを停止する(ステップS9)。
【0065】
その後、放出遮断弁22を開放状態にして、ノックアウトドラム11と回収タンク13とを均圧化する(ステップS10)。また、ステップS10では、回収遮断弁15を開放状態にする。ステップS10は、次のパージに備えるステップである。
以上のようなステップを経て、パージされた液化ガスを液化ガスライン30に戻す手順が完了する。
【0066】
上述した液化ガスの戻し手順では、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、戻し遮断弁19、放出遮断弁22を閉塞状態から開放状態にする操作を行う度に、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、戻し遮断弁19、放出遮断弁22が開放状態となったかを確認し、また逆に、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、戻し遮断弁19、放出遮断弁22を開放状態から閉塞状態にする操作を行う度に、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、戻し遮断弁19、放出遮断弁22が閉塞状態となったかを確認する。これらの確認は、目視で行われてもよく、不図示の制御装置によって自動で行われてもよい。
また、上述した液化ガスの戻し手順は、人力で行われてもよく、不図示の制御装置によって自動で行われてもよい。
【0067】
(作用効果)
本実施形態の船舶1によれば、以下の作用効果が発揮される。
本実施形態では、船舶1は、船体2と、燃焼器9と、ノックアウトドラム11と、回収タンク13と、均圧管16と、戻し管18と、を備える。液化ガスタンク8は、浮体本体に設けられて、液化ガスが貯留される。燃焼器9は、浮体本体に設けられて、液化ガスによって駆動される。液化ガスライン30は、液化ガスタンク8と燃焼器9とを接続する。ノックアウトドラム11は、液化ガスライン30の液化ガスがパージガスとともに導入される。回収タンク13は、ノックアウトドラム11の下方に設けられている。回収タンク13には、ノックアウトドラム11に貯留された液化ガスが流れ落ちる。均圧管16は、回収タンク13の気相領域と液化ガスライン30の気相領域とを互いに連通させる。戻し管18は、回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスを送り込むことが可能とされている。
【0068】
ノックアウトドラム11内の液化ガスは、重力によって回収タンク13に送られる。その後、均圧管16によって回収タンク13と液化ガスライン30とが均圧化されると、回収タンク13内の液化ガスが戻し管18を通って液化ガスライン30に送り込まれる。このようにして、船舶1は、ノックアウトドラム11に貯留した液化ガスを、回収タンク13を介して液化ガスライン30に再び送り込むことができる。また、ノックアウトドラム11の液化ガスを回収タンク13により回収することで、ノックアウトドラム11を迅速に空にすることができる。そのため、ノックアウトドラム11内の液化ガスが蒸発して大気中に放出される量を低減することができる。よって、パージで失われる液化ガスを最小化できるので、エネルギーロスを削減することができる。
また、均圧管16によって回収タンク13と液化ガスライン30とが均圧化され、回収タンク13と液化ガスライン30との差圧が小さくなるため、回収タンク13の液化ガスを液化ガスライン30にスムーズに送り込むことができる。
【0069】
また、上記構成によれば、液化ガスが戻し管18を通じて液化ガスライン30に送り込まれる際、回収タンク13と液化ガスライン30とを均圧化させればよく、ノックアウトドラム11と液化ガスライン30とを均圧化させる必要はない。このため、回収タンク13のみ、大気圧から液化ガスライン30と同等の高圧に調整可能な広めの圧力レンジを持つ圧力タンクとすればよいため、ノックアウトドラム11の耐圧性を向上させる必要がない。また、回収タンク13を設けることで、ノックアウトドラム11から液化ガスライン30へ液化ガスを送り込むための高圧ポンプが不要となる。
【0070】
また、ノックアウトドラム11内の気体を大気中に放出する前に希釈等の処理を行う装置等の除害装置(不図示)が設置される場合があるが、この場合、パージされた大量の液化ガスの全量を除害しようとすると、除害装置が大型化したり、また、液化ガス除害処理にかかる処理時間が長くなったりする。これに対し、上記構成によれば、ノックアウトドラム11で受けた液化ガスを燃焼器9で再び利用することができるので、除害装置を小型化したり、液化ガスの除害処理にかかる処理時間を短縮したりすることができる。特に、燃焼器9の燃料としての液化ガスがアンモニアの場合、除害装置の小型化の効果は、より一層顕著となる。
【0071】
本実施形態では、船舶1は、戻しポンプ20を備える。戻しポンプ20は、戻し管18に設けられ、回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスを圧送する。
【0072】
これにより、船舶1は、戻しポンプ20によって回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスを送り込むことができる。このため、船舶1は、液化ガスライン30に対する回収タンク13の位置によらず、回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスを送り込むことができる。したがって、回収タンク13の配置の制限が緩和される。よって、船舶1の空いたスペースに回収タンク13を配置することができる。このため、船舶1の小型化に繋がる場合がある。
また、均圧管16によって回収タンク13と液化ガスライン30とを均圧化するため、回収タンク13と液化ガスとの差圧が小さくなる。この状態で戻しポンプ20を起動することにより、少ない動力で液化ガスを圧送することができる。よって、低コストの戻しポンプ20を用いることができるため、船舶1の製造コストを削減することができる。
【0073】
本実施形態では、船舶1は、回収管14と、回収遮断弁15と、均圧遮断弁17と、戻し遮断弁19と、を備える。回収管14は、ノックアウトドラム11から回収タンク13に液化ガスを導く。回収遮断弁15は、回収管14に設けられ、回収管14を開閉可能とされている。均圧遮断弁17は、均圧管16に設けられ、均圧管16を開閉可能とされている。戻し遮断弁19は、戻し管18に設けられ、戻し管18を開閉可能とされている。
【0074】
本実施形態では、回収遮断弁15を操作して回収管14を開放し、ノックアウトドラム11から回収タンク13に液化ガスを送る。ノックアウトドラム11から回収タンク13への液化ガスの供給が完了すると、回収遮断弁15を操作して回収管14を閉塞し液化ガスの流れを遮断する。その後、均圧遮断弁17を操作して均圧管16を開放し、回収タンク13と液化ガスライン30とを均圧化する。続いて、戻し遮断弁19を操作して戻し管18を開放し、回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスを送り込む。
このように、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、及び戻し遮断弁19を操作することにより、ノックアウトドラム11から回収タンク13、回収タンク13から液化ガスライン30への液化ガスの供給を簡単、かつ確実に行うことができる。よって、液化ガスの再利用をより一層効率良く行うことができる。
【0075】
本実施形態では、船舶1は、放出管21と、放出遮断弁22と、を備える。放出管21は、回収タンク13内を回収タンク13の外部と連通させる。放出遮断弁22は、放出管21に設けられ、放出管21を開閉可能とされている。
【0076】
本実施形態では、放出遮断弁22を操作して放出管21を開放することにより、回収タンク13内の気相のガスを外部に放出することができる。これにより、回収タンク13の内圧の上昇が抑制される。このため、ノックアウトドラム11と回収タンク13との差圧が小さくなるので、ノックアウトドラム11から回収タンク13に液化ガスをスムーズに送り込むことができる。よって、液化ガスの再利用をより一層効率良く行うことができる。
【0077】
<第二実施形態>
以下、本開示の第二実施形態に係る船舶(浮体)201について、
図4を参照して説明する。上述した第一実施形態と同様の構成については、同一の名称及び同一の符号を付す等して説明を適宜省略する。
【0078】
図4に示すように、本実施形態の船舶201は、第一実施形態と一部異なる配管系統210を備え、配管系統210は、液化ガスライン30の上方に設けられた回収タンク213を備える。本実施形態では、回収タンク213は、キャッチタンク38よりも上方に配置されている。
【0079】
(作用効果)
本実施形態の船舶201によれば、以下の作用効果が発揮される。
なお、上述の実施形態と同様の構成については、上述の実施形態と同様の作用効果が発揮される。
【0080】
本実施形態では、回収タンク213は、液化ガスライン30の上方に設けられている。
【0081】
これにより、液化ガスライン30と回収タンク213とが均圧化された状態で、液化ガスは、重力によって回収タンク213から液化ガスライン30に送り込まれる。このため、回収タンク213から液化ガスライン30に液化ガスを送り込むためのポンプを設ける必要がなくなる。したがって、部品点数の増加を抑制して船舶201の製造コストを低減できるとともに、船舶201の小型化につながる場合がある。
【0082】
<第三実施形態>
以下、本開示の第三実施形態に係る船舶(浮体)301について、
図5を参照して説明する。上述した第一実施形態と同様の構成については、同一の名称及び同一の符号を付す等して説明を適宜省略する。
【0083】
図5に示すように、本実施形態の船舶301は、第一実施形態と一部異なる配管系統310を備え、配管系統310は、第一実施形態と一部異なる液化ガスライン330を備える。
【0084】
液化ガスライン330は、導入部331を有する。導入部331は、第一実施形態と同様に、液化ガスタンク8及びキャッチタンク38から導かれた液化ガスを一時的に貯留可能なミキシングタンクである。本実施形態の均圧管16及び戻し管18は、回収タンク213と導入部331とを接続し、均圧管16は、回収タンク213の気相領域と導入部331の気相領域とを連通させている。なお、本実施形態では、戻し管18に戻しポンプ20が設けられていないものとするが、第一実施形態と同様に戻しポンプ20が設けられていてもよい。
また、第二実施形態と同様に、回収タンク213が液化ガスライン30の上方に設けられている。
【0085】
(作用効果)
本実施形態の船舶301は、上述の実施形態と同様の構成を備えている。このため、上述の実施形態と同様の構成については、上述の実施形態と同様の作用効果が発揮される。
【0086】
<第四実施形態>
以下、本開示の第四実施形態に係る船舶(浮体)401について、
図6から
図8を参照して説明する。上述した第一実施形態と同様の構成については、同一の名称及び同一の符号を付す等して説明を適宜省略する。
【0087】
図6に示すように、本実施形態の船舶401は、第一実施形態と一部異なる配管系統410を備え、配管系統210は、第二実施形態と同様に、液化ガスライン30の上方に設けられた回収タンク213を備える。なお、本実施形態では、戻し管18に戻しポンプ20が設けられていないものとするが、第一実施形態と同様に戻しポンプ20が設けられていてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、回収タンク213は、小型に設計されており、回収タンク213の容積は、ノックアウトドラム11の液化ガスの最大貯留量と比較して小さい。
【0089】
また、本実施形態の第二液面センサ(液面センサ)461は、回収タンク213内の液化ガスの液面の上限位置及び下限位置を検知可能とされている。より具体的には、第二液面センサ461は、回収タンク213内の液化ガスの液面の上限位置を検知する上限位置センサ462と、回収タンク213内の液化ガスの液面の下限位置を検知する下限位置センサ463と、を有する。
なお、第二液面センサ461は、1つのセンサで、回収タンク213内の液化ガスの液面の上限位置及び下限位置の両方を検知するものであってもよい。
【0090】
また、以下では、回収タンク213内の液化ガスの液面が第二液面センサ461によって検知される上限位置にある時の回収タンク213内の液化ガスの貯留量を、回収タンク213の最大貯留量と称する。回収タンク213の最大貯留量は、回収タンク213が満液状態とみなせる程度の量である。
【0091】
(液化ガスの戻し手順)
以下、本実施形態に係るパージされた液化ガスを液化ガスライン30に戻す手順について説明する。
【0092】
ところで、本実施形態の回収タンク213が小型に設計されているため、ノックアウトドラム11から回収タンク213への液化ガスの供給は、数回に分けて行う必要がある。
以下、回収タンク213が小型の場合における、ノックアウトドラム11に貯留された液化ガスを液化ガスライン30に送る手順について、
図7を参照して説明する。なお、パージ開始前は、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、戻し遮断弁19、及び放出遮断弁22は、閉塞状態とされている。
【0093】
まず、放出遮断弁22を開放状態にしてノックアウトドラム11と回収タンク213とを均圧化する(ステップS1A)。また、ステップS1Aでは、回収遮断弁15を開放状態にする。なお、放出遮断弁22及び回収遮断弁15が既に開放状態で 、ノックアウトドラム11と回収タンク213との均圧化がなされている場合、ステップS1Aは省略することができる。
【0094】
この状態(ステップS1A完了後の初期状態)で、パージガス供給装置40を操作してパージ対象領域Pにパージガスを供給してパージ対象領域Pをパージする(ステップS2A)。パージを開始すると、パージ対象領域Pからノックアウトドラム11に導かれた液化ガスは、ノックアウトドラム11に、一時的に貯留される。この時、ノックアウトドラム11内の液化ガスの液面が、少なくとも第一液面センサ60によって検知される下限位置より上に位置するまで、ノックアウトドラム11内に液化ガスが貯留される。
【0095】
ノックアウトドラム11内では、液相の液化ガスと、気相のパージガス及び液化ガスの蒸発ガスとに気液分離される。
【0096】
その後、回収遮断弁15が開放状態となっているため、ノックアウトドラム11から回収タンク213に向けて流れ落ちる。このようにして、液化ガスが回収タンク213に回収される(ステップS3A)。
【0097】
続いて、第一液面センサ60によってノックアウトドラム11内の液化ガスの液面が下限位置より下であるか否かを検知することにより、ノックアウトドラム11の貯留量が最小貯留量以下であるか否かを判定する(ステップS4A)。
【0098】
ノックアウトドラム11の貯留量が最小貯留量以下でない場合(ステップS4A;NO)、上限位置センサ462によって回収タンク213内の液化ガスの液面が上限位置より上であるか否かを検知することにより、回収タンク213の貯留量が最大貯留量以上であるか否かを判定する(ステップS5A)。回収タンク213の貯留量が最大貯留量以上でない場合(ステップS5A;NO)、液化ガスを回収し続ける(ステップS3A)。
【0099】
一方、回収タンク213の貯留量が最大貯留量以上である場合(ステップS5A;YES)、回収遮断弁15と放出遮断弁22とを閉塞状態にして、液化ガスの回収を停止する(ステップS6A)。
【0100】
また、ノックアウトドラム11の貯留量が最小貯留量以下である場合(ステップS4A;YES)でも、回収遮断弁15と放出遮断弁22とを閉塞状態にして、液化ガスの回収を停止する(ステップS6A)。
【0101】
ステップS6Aの完了後、回収タンク213内の液化ガスの液面が、少なくとも第二液面センサ461によって検知される下限位置より上に位置するまで、回収タンク213内に液化ガスが貯留されている。
【0102】
その後、均圧遮断弁17を操作して均圧管16を開放状態にして、回収タンク213と液化ガスライン30とを均圧化する(ステップS7A)。より具体的には、回収タンク213とキャッチタンク38とを均圧化する。
【0103】
その後、戻し遮断弁19を開放状態にする。すると、回収タンク213から液化ガスライン30に液化ガスが重力により送られる。このようにして、液化ガスライン30に液化ガスが戻される(ステップS8A)。
【0104】
続いて、下限位置センサ463によって回収タンク213内の液化ガスの液面が下限位置より下であるか否かを検知することにより、回収タンク213の貯留量が最小貯留量以下であるか否かを判定する(ステップS9A)。回収タンク213の貯留量が最小貯留量以下でない場合(ステップS9A;NO)、液化ガスを戻し続ける(ステップS8A)。
【0105】
一方、回収タンク213の貯留量が最小貯留量以下である場合(ステップS9A;YES)、第一液面センサ60によってノックアウトドラム11内の液化ガスの液面が下限位置より下であるか否かを検知することにより、ノックアウトドラム11の貯留量が最小貯留量以下であるか否かを判定する(ステップS10A)。
【0106】
ノックアウトドラム11の貯留量が最小貯留量以下でない場合(ステップS10A;NO)、戻し遮断弁19と均圧遮断弁17とを閉塞状態にして、液化ガスの戻しを停止する(ステップS11A)。
【0107】
その後、放出遮断弁22を開放状態にしてノックアウトドラム11と回収タンク213とを均圧化する(ステップS12A)。また、ステップS12Aでは、回収遮断弁15を開放状態にする。
ステップS12Aの完了後は、ステップS3Aに戻り、上述した一連のフローを繰り返す。
【0108】
一方、ノックアウトドラム11の貯留量が最小貯留量以下である場合(ステップS10A;YES)、戻し遮断弁19と均圧遮断弁17とを閉塞状態にして、液化ガスの戻しを停止する(ステップS13A)。
【0109】
その後、放出遮断弁22を開放状態にして、ノックアウトドラム11と回収タンク213とを均圧化する(ステップS14A)。また、ステップS14Aでは、回収遮断弁15を開放状態にする。ステップS14Aは、次のパージに備えるステップである。
以上のようなステップを経て、パージされた液化ガスを液化ガスライン30に戻す手順が完了する。
【0110】
上述した液化ガスの戻し手順では、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、戻し遮断弁19、放出遮断弁22を閉塞状態から開放状態にする操作を行う度に、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、戻し遮断弁19、放出遮断弁22が開放状態となったかを確認し、また逆に、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、戻し遮断弁19、放出遮断弁22を開放状態から閉塞状態にする操作を行う度に、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、戻し遮断弁19、放出遮断弁22が閉塞状態となったかを確認する。これらの確認は、目視で行われてもよく、不図示の制御装置によって自動で行われてもよい。
また、上述した液化ガスの戻し手順は、人力で行われてもよく、不図示の制御装置によって自動で行われてもよい。
【0111】
(作用効果)
本実施形態の船舶401によれば、以下の作用効果が発揮される。
なお、上述の実施形態と同様の構成については、上述の実施形態と同様の作用効果が発揮される。
【0112】
本実施形態では、船舶401は、第二液面センサ461を備える。第二液面センサ461は、回収タンク213内の液化ガスの液面の上限位置及び下限位置を検知可能とされている。
【0113】
これにより、第二液面センサ461は、液化ガスの液面の上限位置を検知することにより回収タンク213の液化ガスの貯留量が最大貯留量以上であることを検知することができる。これにより、本実施形態のようにノックアウトドラム11よりも容量の小さい回収タンク213を用いた場合に、回収タンク213の容量以上に液化ガスが送り込まれることが抑制される。また、第二液面センサ461は、液化ガスの液面の下限位置を検知することにより回収タンク213の液化ガスの貯留量が最小貯留量以下であることを検知することができる。これにより、回収タンク213からの液化ガスの排出が完了した際、即座にノックアウトドラム11から回収タンク213への液化ガスの供給に切り替えることができる。よって、液化ガスの再利用をより一層効率良く行うことができる。
さらに、上述したように小型の回収タンク213を用いることができるので、船舶401を小型化することができる。
【0114】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0115】
なお、上記実施形態では、浮体が液化ガスを燃焼して発生した熱エネルギーにより海洋上を推進する船舶1、201、301、401であるの場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、浮体は、海洋上に浮遊する船舶1、201、301、401以外の海洋構造物等であってもよい。より具体的には、浮体は、LNG船によって運搬される、浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU;Floating Storage and Regasification Unit)であってもよい。
【0116】
上記実施形態では、パージガス供給管42は、供給管33における下流側供給遮断弁36bと燃焼器9との間に接続されているとしたが、これに限るものではない。例えば、パージガス供給管42は、燃焼器9に直接接続されていてもよい。
【0117】
上記実施形態では、配管系統10、210、310、410が放出管21及び放出遮断弁22を備えるとしたが、これに限るものではなく、配管系統10、210、310、410は放出管21及び放出遮断弁22を備えていなくてもよい。
【0118】
上記実施形態では、均圧管16が、回収タンク13、213とキャッチタンク38とを接続する場合や、回収タンク13、213と導入部331とを接続する場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、均圧管16は、リターン管34のうちキャッチタンク38と導入部31(または導入部331)との間の領域と、回収タンク13、213と、を接続するように設けられてもよい。
【0119】
<付記>
各実施形態に記載の浮体は、例えば以下のように把握される。
【0120】
(1)第1の態様に係る浮体は、浮体本体と、前記浮体本体に設けられて、液化ガスが貯留された液化ガスタンク8と、前記浮体本体に設けられて、液化ガスによって駆動される燃焼器9と、前記液化ガスタンク8と前記燃焼器9とを接続する液化ガスライン30、330と、前記液化ガスライン30、330の液化ガスがパージガスとともに導入されるノックアウトドラム11と、前記ノックアウトドラム11の下方に設けられて、前記ノックアウトドラム11に貯留された液化ガスが流れ落ちる回収タンク13、213と、前記回収タンク13、213の気相領域と前記液化ガスライン30、330の気相領域とを互いに連通させる均圧管16と、前記回収タンク13、213から前記液化ガスライン30、330に液化ガスを送り込むことが可能な戻し管18と、を備える。
浮体の例として、上述した船舶1、201、301、401等が挙げられる。
また、浮体本体の例として、上述した船体2等が挙げられる。
【0121】
ノックアウトドラム11内の液化ガスは、重力によって回収タンク13、213に送られる。その後、均圧管16によって回収タンク13、213と液化ガスライン30、330とが均圧化されると、回収タンク13、213内の液化ガスが戻し管18を通って液化ガスライン30、330に送り込まれる。このようにして、船舶1は、ノックアウトドラム11に貯留した液化ガスを、回収タンク13、213を介して液化ガスライン30、330に再び送り込むことができる。また、ノックアウトドラム11の液化ガスを回収タンク13、213により回収することで、ノックアウトドラム11を迅速に空にすることができる。そのため、ノックアウトドラム11内の液化ガスが蒸発して大気中に放出される量を低減することができる。
また、均圧管16によって回収タンク13、213と液化ガスライン30、330とが均圧化され、回収タンク13、213と液化ガスライン30、330との差圧が小さくなるため、回収タンク13、213の液化ガスを液化ガスライン30、330にスムーズに送り込むことができる。
【0122】
(2)第2の態様の浮体は、(1)の浮体であって、前記回収タンク213は、前記液化ガスライン30、330の上方に設けられていてもよい。
【0123】
これにより、液化ガスライン30、330と回収タンク213とが均圧化された状態で、液化ガスは、重力によって回収タンク213から液化ガスライン30、330に送り込まれる。このため、回収タンク213から液化ガスライン30、330に液化ガスを送り込むためのポンプを設ける必要がなくなる。
【0124】
(3)第3の態様の浮体は、(1)又は(2)の浮体であって、前記戻し管18に設けられ、前記回収タンク13から前記液化ガスライン30に液化ガスを圧送する戻しポンプ20を備えてもよい。
【0125】
これにより、浮体は、戻しポンプ20によって回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスを送り込むことができる。このため、浮体は、液化ガスライン30に対する回収タンク13の位置によらず、回収タンク13から液化ガスライン30に液化ガスを送り込むことができる。したがって、回収タンク13の配置の制限が緩和される。
【0126】
(4)第4の態様の浮体は、(1)から(3)のいずれかの浮体であって、前記回収タンク213内の液化ガスの液面の上限位置及び下限位置を検知可能な液面センサを備えてもよい。
例えば、液面センサの例として、第二液面センサ461が挙げられる。
【0127】
これにより、液面センサは、液化ガスの液面の上限位置を検知することにより回収タンク213の液化ガスの貯留量が最大貯留量以上であることを検知することができる。これにより、ノックアウトドラム11よりも容量の小さい回収タンク213を用いた場合に、回収タンク213の容量以上に液化ガスが送り込まれることが抑制される。また、液面センサは、液化ガスの液面の下限位置を検知することにより回収タンク213の液化ガスの貯留量が最小貯留量以下であることを検知することができる。これにより、回収タンク213からの液化ガスの排出が完了した際、即座にノックアウトドラム11から回収タンク213への液化ガスの供給に切り替えることができる。
【0128】
(5)第5の態様の浮体は、(1)から(4)のいずれかの浮体であって、前記ノックアウトドラム11から前記回収タンク13、213に液化ガスを導く回収管14と、前記回収管14に設けられ、前記回収管14を開閉可能な回収遮断弁15と、前記均圧管16に設けられ、前記均圧管16を開閉可能な均圧遮断弁17と、前記戻し管18に設けられ、前記戻し管18を開閉可能な戻し遮断弁19と、を備えてもよい。
【0129】
本態様では、回収遮断弁15を操作して回収管14を開放し、ノックアウトドラム11から回収タンク13、213に液化ガスを送る。ノックアウトドラム11から回収タンク13、213への液化ガスの供給が完了すると、回収遮断弁15を操作して回収管14を閉塞し液化ガスの流れを遮断する。その後、均圧遮断弁17を操作して均圧管16を開放し、回収タンク13、213と液化ガスライン30、330とを均圧化する。続いて、戻し遮断弁19を操作して戻し管18を開放し、回収タンク13、213から液化ガスライン30、330に液化ガスを送り込む。
このように、回収遮断弁15、均圧遮断弁17、及び戻し遮断弁19を操作することにより、ノックアウトドラム11から回収タンク13、213、回収タンク13、213から液化ガスライン30、330への液化ガスの供給を簡単、かつ確実に行うことができる。
【0130】
(6)第6の態様の浮体は、(1)から(5)のいずれかの浮体であって、前記回収タンク13、213内を前記回収タンク13、213の外部と連通させる放出管21と、前記放出管21に設けられ、前記放出管21を開閉可能な放出遮断弁22と、を備えてもよい。
【0131】
本態様では、放出遮断弁22を操作して放出管21を開放することにより、回収タンク13、213内の気相のガスを外部に放出することができる。これにより、回収タンク13、213の内圧の上昇が抑制される。このため、ノックアウトドラム11と回収タンク13、213との差圧が小さくなるので、ノックアウトドラム11から回収タンク13、213に液化ガスをスムーズに送り込むことができる。
【符号の説明】
【0132】
1…船舶(浮体) 2…船体(浮体本体) 3a…船首 3b…船尾 4…上部構造 5…舷側 6…船底 7…上甲板 8…液化ガスタンク 9…燃焼器 10…配管系統 11…ノックアウトドラム 12…排気管 13…回収タンク 14…回収管 15…回収遮断弁 16…均圧管 17…均圧遮断弁 18…戻し管 19…戻し遮断弁 20…戻しポンプ 21…放出管 22…放出遮断弁 30…液化ガスライン 31…導入部 32…導入管 33…供給管 34…リターン管 35…供給ポンプ 36…供給遮断弁 36a…上流側供給遮断弁 36b…下流側供給遮断弁 37…リターン遮断弁 37a…上流側リターン遮断弁 37b…下流側リターン遮断弁 38…キャッチタンク 40…パージガス供給装置 41…パージガス供給部 42…パージガス供給管 43…パージガス供給弁 50…パージライン 51…供給側パージ管 52…供給側パージ弁 53…リターン側パージ管 54…リターン側パージ弁 60…第一液面センサ 61…第二液面センサ 201…船舶(浮体) 210…配管系統 213…回収タンク 301…船舶(浮体) 310…配管系統 331…導入部 401…船舶(浮体) 410…配管系統 461…第二液面センサ(液面センサ) 462…上限位置センサ 463…下限位置センサ P…パージ対象領域 S…燃料調整室