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特開2024-132647情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132647
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20240920BHJP
   G01N 17/00 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
G01R31/00
G01N17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043501
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金木 一生
【テーマコード(参考)】
2G036
2G050
【Fターム(参考)】
2G036AA06
2G036AA25
2G036AA27
2G036BB09
2G036BB12
2G050AA01
2G050BA05
2G050EB02
2G050EC01
(57)【要約】
【課題】外部環境による電子機器の故障を予測すること。
【解決手段】情報処理装置10は、プリント基板Pに搭載された発振回路であって、導電性を有する金属により形成された電子素子である腐食センサを含む発振回路から出力される信号の周波数を取得し、周波数の変動に基づき、プリント基板Pの異常を検知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に搭載された発振回路であって、導電性を有する金属により形成された電子素子を含む前記発振回路から出力される信号の周波数を取得する取得部と、
前記周波数の変動に基づき、前記基板の異常を検知する検知部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記発振回路は、
前記金属により生成された少なくとも2枚の金属箔を対向させて形成することで所定のキャパシタンス値を示す前記電子素子を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記発振回路を形成するインダクタは、
前記金属により生成された金属箔を螺旋状または渦巻き状に形成することで所定のインダクタンス値を示す前記電子素子を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記金属は、銅である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検知部は、
前記発振回路から出力される信号の周波数の変動値を算出し、算出した前記変動値が閾値以上となった場合に、前記基板に異常が発生したと検知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
基板に搭載された発振回路であって、導電性を有する金属により形成された電子素子を含む前記発振回路から出力される信号の周波数を取得し、
前記周波数の変動に基づき、前記基板の異常を検知する、
処理を実行する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
基板に搭載された発振回路であって、導電性を有する金属により形成された電子素子を含む前記発振回路から出力される信号の周波数を取得し、
前記周波数の変動に基づき、前記基板の異常を検知する、
処理を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラント制御システムを構成するセンサ機器、通信機器、制御機器等の電子機器は、より高精度な測定、より高度な通信や制御、かつより安定性の高い稼働が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-062476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記電子機器には、様々な電子部品が取り付けられて電子回路を構成するプリント基板が搭載される。このプリント基板の電子部品は、例えば大気中の腐食ガス、粉塵等の外部環境により劣化することがあり、このような劣化が電子機器の故障の原因となり、プラント制御システムの停止、さらにはプラントの停止等を誘発させることがある。しかしながら、電子機器の内部に搭載されるプリント基板の電子部品が外部環境により劣化することを検知することが難しい。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、大気中の腐食ガス、粉塵等の外部環境による電子機器の故障を予測することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基板に搭載された発振回路であって、導電性を有する金属により形成された電子素子を含む前記発振回路から出力される信号の周波数を取得する取得部と、前記周波数の変動に基づき、前記基板の異常を検知する検知部と、を備える情報処理装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、コンピュータが、基板に搭載された発振回路であって、導電性を有する金属により形成された電子素子を含む前記発振回路から出力される信号の周波数を取得し、前記周波数の変動に基づき、前記基板の異常を検知する、処理を実行する情報処理方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、コンピュータに、基板に搭載された発振回路であって、導電性を有する金属により形成された電子素子を含む前記発振回路から出力される信号の周波数を取得し、前記周波数の変動に基づき、前記基板の異常を検知する、処理を実行させる情報処理プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部環境による電子機器の故障を予測することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成例および処理例を示す図である。
図2】実施形態に係る腐食センサの具体例1-1を示す図である。
図3】実施形態に係る腐食センサの具体例1-2を示す図である。
図4】実施形態に係る腐食センサの具体例1-3を示す図である。
図5】実施形態に係る腐食センサの具体例2を示す図である。
図6】実施形態に係る情報処理システムの情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図7】実施形態に係る腐食検出回路の構成例を示す回路図である。
図8】実施形態に係る情報処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態に係るハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0012】
〔実施形態〕
以下に、実施形態に係る情報処理システムの構成および処理、情報処理装置等の構成および処理、各処理の流れを順に説明し、最後に実施形態の効果を説明する。
【0013】
〔1.情報処理システム100の構成および処理〕
図1を用いて、実施形態に係る情報処理システム100の構成および処理を詳細に説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システム100の構成例および処理例を示す図である。以下では、情報処理システム100全体の構成例、情報処理システム100の処理例、腐食センサSの具体例、情報処理システム100の効果について説明する。なお、実施形態では、プラントの大気中の腐食ガスGによる異常を検知する情報処理装置10を一例にして説明するが、大気中の粉塵や湿気による異常を検知してもよく、対象物や利用分野を限定するものではない。
【0014】
(1-1.情報処理システム100全体の構成例)
情報処理システム100は、情報処理装置10を有する。また、図1の例では、情報処理装置10がデスクトップPC(Personal Computer)である場合を示したが、サーバ装置、センサ機器、ネットワークスイッチ等、プリント基板Pを有するものであればよい。
【0015】
情報処理装置10は、腐食検出回路Dを含むプリント基板Pを有する。腐食検出回路Dは、後述する腐食センサS(S-C、S-L)を含む発振回路Oによって構成される。
【0016】
(1-2.情報処理システム100の処理例)
上記のような情報処理システム100の処理例として、プラントに設置される情報処理装置10が実行する処理について説明する。以下では、回路信号取得処理、腐食異常検知処理の順に説明する。なお、下記の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0017】
(1-2-1.回路信号取得処理)
情報処理装置10は、腐食検出回路Dが出力する腐食検出回路信号を取得する(図1(1)参照)。例えば、情報処理装置10は、銅箔が対向したコンデンサ様の腐食センサS-Cを含む腐食検出回路Dが出力する腐食検出回路信号の周波数Fを取得し、腐食検出回路信号をモニタリングする。
【0018】
上記の腐食センサS-Cは、銅箔を対向させることにより形成され、一定のキャパシタンス値(電気容量)Cを示す電子素子である。上記の腐食センサS-Cは、大気中の硫化水素等の腐食ガスGによって腐食する。このとき、腐食センサS-Cの銅箔が腐食することによってキャパシタンス値Cが変化し、腐食検出回路Dが出力する腐食検出回路信号の周波数Fも変化する(図1(2)参照)。
【0019】
また、銅箔が螺旋状または渦巻き状に設置されたインダクタ様の腐食センサS-Lを含む腐食検出回路Dが出力する腐食検出回路信号の周波数Fを取得し、腐食検出回路信号をモニタリングしてもよい。上記の腐食センサS-Lは、銅箔を螺旋状または渦巻き状に設置させることにより形成され、一定のインダクタンス値(誘導係数)Iを示す電子素子である。上記の腐食センサS-Lは、大気中の硫化水素等の腐食ガスGによって腐食する。このとき、腐食センサS-Lの銅箔が腐食することによってインダクタンス値Iが変化し、腐食検出回路Dが出力する腐食検出回路信号の周波数Fも変化する。
【0020】
(1-2-2.腐食異常検知処理)
情報処理装置10は、モニタリングしている腐食検出回路信号に基づいて、プリント基板Pの腐食に起因する異常(腐食異常)を検知する(図1(3)参照)。例えば、情報処理装置10は、腐食センサS-Cを含む腐食検出回路Dが出力する腐食検出回路信号の周波数Fから周波数Fの偏差等の周波数変動値ΔFを算出し、周波数変動値ΔFが閾値X以上となった場合には、プリント基板Pの腐食異常の発生を検知する。
【0021】
また、情報処理装置10は、上述した腐食センサS-Cと同様の機能を有する腐食センサSである腐食センサS-Lに基づいて、腐食異常を検知してもよい。すなわち、情報処理装置10は、腐食センサS-Lを含む腐食検出回路Dが出力する腐食検出回路信号の周波数Fから周波数Fの偏差等の周波数変動値ΔFを算出し、周波数変動値ΔFが閾値X以上となった場合には、プリント基板Pの腐食異常の発生を検知してもよい。
【0022】
情報処理装置10は、プリント基板Pの腐食異常を検知した場合には、プラントの管理者にアラームを通知する。このとき、情報処理装置10は、プラントの管理者に、プリント基板Pが故障するかもしれない旨を通知してもよいし、自動でバックアップ機器への切替を実行してもよい。
【0023】
(1-3.腐食センサSの具体例)
図2図5を用いて、情報処理システム100において使用される腐食センサSの具体例について説明する。図2図4は、実施形態に係る腐食センサSの具体例1(1-1、1-2、1-3)を示す図である。図5は、実施形態に係る腐食センサSの具体例2を示す図である。以下では、コンデンサ様の腐食センサS-Cの具体例1、インダクタ様の腐食センサS-Lの具体例2、腐食センサSの接続方式、金属の材質、検出可能な腐食ガスGの順に説明する。
【0024】
(1-3-1.具体例1)
図2図4を用いて、コンデンサ様の腐食センサS-Cの具体例1について説明する。図2に示すように、腐食センサS-Cは、プリント基板P上の腐食検出回路Dの一部として形成される。なお、図2の例では、腐食センサS-Cに対応する部分のみを図示し、腐食検出回路Dの詳細を省略している。このとき、腐食センサS-Cは、銅箔が対向するように、発振回路Oのプリント回路上の配線パターンとして露出されることによって設置される。また、腐食センサS-Cは、銅箔を基盤として使用するプリント基板P表面を、銅箔部分を対向するように露出させることによって形成されてもよい。このとき、腐食センサS-Cは、図2斜線部で示すようなレジスト(保護膜)で覆うことなくむき出しの状態で露出させる。
【0025】
図3(1)に示すように、腐食センサS-Cは、銅箔が対向するように形成され、腐食検出回路Dにおいてキャパシタンス値C(1)を示す。このとき、腐食センサS-Cを含む発振回路Oは、キャパシタンス値C(1)に対応する周波数F(1)の信号を出力する。一方、図3(2)に示すように、腐食センサS-Cは、時間経過とともに腐食ガスGによって腐食され銅箔が細くなった場合には、腐食検出回路Dにおいてキャパシタンス値C(1)より小さいキャパシタンス値C(2)を示す。このとき、腐食センサS-Cを含む発振回路Oは、キャパシタンス値C(2)に対応する、周波数F(1)より大きい周波数F(2)の信号を出力する。以上のように、図3の例では、腐食センサS-Cのキャパシタンス値Cは、腐食ガスGによる腐食によってキャパシタンス値C(1)からC(2)に減少し、腐食センサS-Cを含む発振回路Oの周波数Fは、周波数F(1)からF(2)に増加する。
【0026】
また、腐食センサS-Cに粉塵(ゴミ)等が付着した場合には、腐食センサS-Cのキャパシタンス値Cは、粉塵等の付着前と比較して減少し、腐食センサS-Cを含む発振回路Oの周波数Fは、粉塵等の付着前と比較して増加する。
【0027】
また、図4に示すように、腐食センサS-Cは、複数に分岐した銅箔が対向するように、発振回路Oのプリント回路上の配線パターンとして露出されることによって設置されてもよい。また、腐食センサS-Cは、銅箔を基盤として使用するプリント基板P表面を、複数に分岐した銅箔が対向するように露出させることによって形成されてもよい。なお、図4の例では、プリント基板P上の腐食検出回路Dの一部として形成される腐食センサS-Cに対応する部分のみを図示し、腐食検出回路Dの詳細を省略している。このとき、腐食センサS-Cは、図4斜線部で示すようなレジストで覆うことなくむき出しの状態で露出させる。
【0028】
(1-3-2.具体例2)
図5を用いて、インダクタ様の腐食センサS-Lの具体例2について説明する。図5に示すように、腐食センサS-Lは、プリント基板P上の腐食検出回路Dの一部として形成される。なお、図5の例では、腐食センサS-Cに対応する部分のみを図示し、腐食検出回路Dの詳細を省略している。このとき、腐食センサS-Lは、銅箔が螺旋状または渦巻き状に形成されるように、発振回路Oのプリント回路上の配線パターンとして露出されることによって設置される。また、腐食センサS-Lは、銅箔を基盤として使用するプリント基板P表面を、銅箔部分を螺旋状または渦巻き状に露出させることによって形成されてもよい。なお、腐食センサS-Lは、腐食検出回路Dを形成する必須の電子素子であるインダクタとして設置されてもよいし、腐食を検出する専用の電子素子として設置されてもよい。
【0029】
腐食センサS-Lは、銅箔が螺旋状または渦巻き状に形成され、腐食検出回路Dにおいてインダクタンス値I(1)を示す。このとき、腐食センサS-Lを含む発振回路Oは、インダクタンス値I(1)に対応する周波数F(1)の信号を出力する。一方、腐食センサS-Lは、時間経過とともに腐食ガスGによって腐食され銅箔が細くなった場合には、腐食検出回路Dにおいてインダクタンス値I(1)より小さいインダクタンス値I(2)を示す。このとき、腐食センサS-Lを含む発振回路Oは、インダクタンス値I(2)に対応する、周波数F(1)より大きい周波数F(2)の信号を出力する。以上のように、図5の例では、腐食センサS-Lのインダクタンス値Iは、腐食ガスGによる腐食によってインダクタンス値I(1)からI(2)に減少し、腐食センサS-Lを含む発振回路Oの出力周波数は、周波数F(1)からF(2)に増加する。
【0030】
また、腐食センサS-Lに粉塵等が付着した場合には、腐食センサS-Lのインダクタンス値Iは、粉塵等の付着前と比較して減少し、腐食センサS-Lを含む発振回路Oの周波数Fは、粉塵等の付着前と比較して増加する。
【0031】
(1-3-3.腐食センサSの接続方式)
実施形態に係る腐食センサSの接続方式は、特に限定されない。例えば、発振回路Oにおいて、腐食センサS-Cを並列で接続、腐食センサS-Lを直列で接続するが、特に限定されない。
【0032】
(1-3-4.金属の材質)
実施形態に係る腐食センサSを形成する金属の材質は、一般的にプリント基板Pで使用される銅が好ましいが、特に限定されない。例えば、腐食センサSを形成する金属の材質は、銀でもよい。また、腐食センサSを形成する金属の材質は、複数の金属によって生成される合金やメッキであってもよい。
【0033】
(1-3-5.検出可能な腐食ガスG)
実施形態に係る検出可能な腐食ガスGは、硫化水素について説明してきたが、特に限定されない。例えば、検出可能な腐食ガスGは、アンモニア、塩素、二酸化硫黄でもよい。
【0034】
(1-3-6.その他)
実施形態に係る腐食センサSは、腐食ガスGによる腐食以外も検出することができる。例えば、腐食センサSは、大気中の粉塵の付着、大気中の水蒸気の付着、大気中の酸素による酸化等の劣化も検出することができる。
【0035】
(1-4.情報処理システム100の効果)
以下では、情報処理システム100の背景および概要を説明した上で、情報処理システム100の効果について説明する。
【0036】
(1-4-1.情報処理システム100の背景)
プラント等のプリント基板Pを含むシステムを稼働させる際に、プリント基板Pが故障するとシステムの稼働が停止してしまう。特に、プリント基板Pが腐食ガスGに曝露される場合、腐食ガスGがプリント基板P上の電子部品を腐食させ突然故障する。プリント基板Pが故障すると、その電子回路が機能しなくなるので、システム全体が停止してしまう。情報処理システム100は、上記のようなプリント基板Pを含むシステムであって、プリント基板Pが腐食ガスGの雰囲気に曝露される可能性があるシステムに適用することができる。
【0037】
(1-4-2.情報処理システム100の概要)
情報処理システム100では、情報処理装置10は、腐食センサSを含む腐食検出回路Dが出力する腐食検出回路信号の周波数Fを取得し、腐食検出回路信号をモニタリングする。このとき、腐食センサSの金属が腐食することによってキャパシタンス値Cやインダクタンス値Iが変化し、腐食検出回路Dが出力する腐食検出回路信号の周波数Fも変化する。そして、情報処理装置10は、腐食センサSを含む腐食検出回路Dが出力する腐食検出回路信号の周波数Fが閾値X以上となった場合には、プリント基板Pの腐食異常の発生を検知する。また、情報処理装置10は、プリント基板Pの腐食異常を検知した場合には、プラントの管理者にアラームを通知したり、バックアップ機器への切替を実行したりする。
【0038】
(1-4-3.情報処理システム100の効果)
情報処理システム100では、以下の効果が期待できる。第1に、情報処理システム100は、腐食センサSを発振回路Oで周波数Fとしてモニタリングすることにより、キャパシタンス値Cやインダクタンス値Iの変動を検知することができる。このとき、情報処理システム100は、自身が使用している高精度なクロック信号と比較する事で、腐食やゴミ等によるキャパシタンス値Cやインダクタンス値Iの小さな変動を検知することができる。第2に、参考技術において、単純な銅配線をプリント基板P上にむき出しにし、その配線の電気抵抗を測定することで腐食ガスGを検知することも可能であるが、情報処理システム100は、銅箔に電流を流して電気抵抗を測定するAD(Analog-to-Digital)コンバータ等の高価な電子素子を必要とすることなく、キャパシタンス値Cやインダクタンス値Iの変動をデジタル信号として処理できるので、低コストで腐食ガスGの検出を実現することができる。
【0039】
上述してきたように、情報処理システム100では、外部環境による電子機器の故障を予測することができる。
【0040】
〔2.情報処理システム100の情報処理装置10の構成および処理〕
図6を用いて、図1に示した情報処理システム100が有する情報処理装置10の構成および処理について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理システム100の情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。以下では、実施形態に係る情報処理システム100全体の構成例を説明した上で、実施形態に係る情報処理装置10の構成例および処理例について詳細に説明する。
【0041】
(2-1.情報処理システム100全体の構成例)
図6に示すように、情報処理システム100は、情報処理装置10を有する。情報処理装置10は、デスクトップPC、サーバ装置、センサ機器、ネットワークスイッチ等、プリント基板Pを有するものであればよい。なお、情報処理システム100は、複数の情報処理装置10を有し、互いをバックアップ機器として使用できるように、所定の通信網によって通信可能に接続されていてもよい。
【0042】
(2-2.情報処理装置10の構成例)
図6を用いて、情報処理装置10の構成例および処理例について説明する。情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、制御部13および腐食検出回路Dを有する。なお、情報処理装置10は、情報処理装置10の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0043】
(2-2-1.通信部11)
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部11は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部11は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0044】
(2-2-2.記憶部12)
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。ここで、記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、図6の例では、記憶部12は、情報処理装置10の内部に設置されているが、情報処理装置10の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0045】
(2-2-3.制御部13)
制御部13は、当該情報処理装置10全体の制御を司る。制御部13は、取得部13aおよび検知部13bを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。なお、制御部13は、腐食検出回路Dが含まれるプリント基板Pに設置されてもよいし、腐食検出回路Dが含まれないプリント基板Pに設置されてもよい。
【0046】
(2-2-3-1.取得部13a)
取得部13aは、腐食検出回路信号を取得する。例えば、取得部13aは、プリント基板Pに搭載された発振回路Oであって、導電性を有する金属により形成された電子素子である腐食センサSを含む発振回路Oから出力される腐食検出回路信号の周波数Fを取得する。なお、取得部13aは、取得した周波数Fを記憶部12に格納してもよい。
【0047】
周波数Fについて説明すると、例えば、取得部13aは、腐食センサS-Cの示すキャパシタンス値Cをもとに、発振回路Oとしてコルピッツ発振回路によって出力された腐食検出回路信号の周波数Fを取得する。また、取得部13aは、腐食センサS-Lの示すインダクタンス値Iをもとに、発振回路Oとしてコルピッツ発振回路によって出力された腐食検出回路信号の周波数Fを取得する。
【0048】
腐食センサS-Cをもとに出力される腐食検出回路信号の周波数Fについて具体的な例を説明すると、取得部13aは、キャパシタンス値C(1)に対応する周波数F(1)、キャパシタンス値C(2)に対応する周波数F(2)、キャパシタンス値C(3)に対応する周波数F(3)、・・・を取得し、記憶部12に格納する。なお、C(1)、C(2)、C(3)、・・・は、所定の時間におけるキャパシタンス値Cを示し、F(1)、F(2)、F(3)、・・・は、所定の時間におけるキャパシタンス値Cに対応する周波数Fを示す。
【0049】
腐食センサS-Lをもとに出力される腐食検出回路信号の周波数Fについて具体的な例を説明すると、取得部13aは、インダクタンス値I(1)に対応する周波数F(1)、インダクタンス値I(2)に対応する周波数F(2)、インダクタンス値I(3)に対応する周波数F(3)、・・・を取得し、記憶部12に格納する。なお、I(1)、I(2)、I(3)、・・・は、所定の時間におけるインダクタンス値Iを示し、F(1)、F(2)、F(3)、・・・は、所定の時間におけるインダクタンス値Iに対応する周波数Fを示す。
【0050】
取得部13aは、プリント基板P上にあるCPUやFPGA等のロジック系の部品が使用する、水晶発振器が生成する高精度のクロック信号、およびカウンタを用いて、腐食を検知する。具体的な例を挙げて説明すると、取得部13aは、水晶からの高精度クロック信号を100万回カウントする時間で、腐食センサSから出力された信号が何回トグルするかをカウントして、そのカウント数で、腐食具合を判断する。ここで、取得部13aは、水晶発振器から出力される10MHzのクロック信号を、分周器を介して1MHzの基準信号に変換し、カウンタを用いてカウントする。一方、取得部13aは、腐食センサSから出力される信号を腐食検出回路信号としてカウンタを用いてカウントする。そして、取得部13aは、1MHzの基準信号に変換されたクロック信号の1秒間に、何回の腐食検出回路信号がトグルされるかをカウントすることによって、周波数Fを取得する。
【0051】
(2-2-3-2.検知部13b)
検知部13bは、以下に示すように、異常発生検知処理および異常アラーム通知処理を実行する。
【0052】
(異常発生検知処理)
検知部13bは、周波数Fの変動に基づき、プリント基板Pの異常を検知する。例えば、検知部13bは、取得部13aによって取得された周波数Fを用いてプリント基板Pの異常の発生を検知する。このとき、検知部13bは、取得された周波数Fから周波数変動値ΔFを算出し、周波数変動値ΔFが閾値X以上となった場合に、プリント基板Pの異常の発生を検知する。なお、検知部13bは、算出した周波数変動値ΔFを記憶部12格納してもよい。また、検知部13bは、プリント基板Pの異常の発生を示す閾値Xを記憶部12から取得してもよい。
【0053】
ここで、初期値との差分を用いた周波数変動値ΔFについて説明する。例えば、検知部13bは、発振回路Oによって出力された初期状態(t=0)での腐食検出回路信号の周波数Fの初期周波数F(0)と、時間tにおける周波数Fとの差分を時間tにおける周波数変動値ΔF(t)として算出する。ここで、周波数変動値ΔF(t)=|F(t)-F(0)|と表わされる。そして、検知部13bは、ΔF(t)≧Xである場合には、時間tにおいて腐食センサS-Cに起因する異常の発生があると判断する。
【0054】
また、検知部13bは、発振回路Oによって出力された初期状態(t=0)での腐食検出回路信号の周波数Fの初期周波数F(0)と、時間tにおける周波数Fとの差分を時間tにおける周波数変動値ΔF(t)として算出する。ここで、周波数変動値ΔF(t)=|F(t)-F(0)|と表わされる。そして、検知部13bは、ΔF(t)≧Xである場合には、時間tにおいて腐食センサS-Lに起因する異常の発生があると判断する。
【0055】
また、平均値との差分を用いた周波数変動値ΔFについて説明する。例えば、検知部13bは、正常稼働中と判断される1日分のN個の周波数Fを用いて、周波数平均値F(Ave)=ΣF(i)/Nを算出し、算出した周波数平均値F(Ave)と、時間tにおける周波数Fとの差分である平均偏差を時間tにおける周波数変動値ΔF(t)として算出する。ここで、周波数変動値ΔF(t)=|F(t)-F(Ave)|と表わされる。そして、検知部13bは、ΔF(t)≧Xである場合には、時間tにおいて腐食センサS-Cに起因する異常の発生があると判断する。
【0056】
また、検知部13bは、正常稼働中と判断される1日分のN個の周波数Fを用いて、周波数平均値F(Ave)=ΣF(i)/Nを算出し、算出した周波数平均値F(Ave)と、時間tにおける周波数Fとの差分である平均偏差を時間tにおける周波数変動値ΔF(t)として算出する。ここで、周波数変動値ΔF(t)=|F(t)-F(Ave)|と表わされる。そして、検知部13bは、ΔF(t)≧Xである場合には、時間tにおいて腐食センサS-Lに起因する異常の発生があると判断する。
【0057】
(異常アラーム通知処理)
検知部13bは、異常の発生を検知した場合に、異常アラームを通知する。例えば、検知部13bは、算出した周波数変動値ΔFが閾値X以上である場合には、プラントの管理者が使用する端末に異常アラームを通知する。
【0058】
異常アラームについて説明すると、例えば、検知部13bは、算出した周波数変動値ΔFが閾値X以上、または算出した周波数変動値ΔFが閾値X以上である場合には、プラントの管理者が使用する端末に異常アラームを通知するとともに、周波数平均値F(Ave)または周波数平均値F(Ave)の変化率から推定される異常の発生時期を通知する。また、検知部13bは、プラントの管理者が使用する端末に異常アラームを通知するとともに、バックアップ機器への切替を実行することもできる。
【0059】
(2-2-4.腐食検出回路D)
腐食検出回路Dは、腐食センサSを含む発振回路Oを有する。
【0060】
(2-2-4-1.発振回路O)
【0061】
発振回路Oは、コルピッツ発振回路によって実現される。発振回路Oは、コルピッツ発振回路に限定されず、例えば、ハートレー発振回路、クラップ発振回路等であってもよい。
【0062】
発振回路Oは、電子素子である腐食センサSが示す数値をもとに周波数Fの信号を出力する。例えば、発振回路Oは、腐食センサS-Cの示すキャパシタンス値Cをもとに、対応する周波数Fの信号を1秒ごとに出力する。なお、出力する間隔は、1秒に限定されず任意の時間を設定できる。また、発振回路Oは、腐食センサS-Lの示すインダクタンス値Iをもとに、対応する周波数Fの信号を1秒ごとに出力する。なお、出力する間隔は、1秒に限定されず任意の時間を設定できる。
【0063】
(2-2-4-2.腐食センサS)
腐食センサSは、導電性を有する金属により形成された電子素子である。例えば、腐食センサSは、銅により形成された電子素子である。腐食センサSは、銅に限定されず、例えば、銀、銅の合金、銀の合金、銅メッキ金属、銀メッキ金属等であってもよい。
【0064】
腐食センサSは、コンデンサ様の腐食センサS-C、およびインダクタ様の腐食センサS-Lのうち少なくとも1つによって実現される。腐食センサS-Cは、金属により生成された少なくとも2枚の金属箔を対向させて形成することで所定のキャパシタンス値Cを示す電子素子である。なお、腐食センサS-Cは、金属板、金属線を用いて形成することもできる。また、腐食センサS-Lは、発振回路Oを形成するインダクタ(コイル)であって、金属により生成された金属箔を螺旋状または渦巻き状に形成することで所定のインダクタンス値Iを示す電子素子である。なお、腐食センサS-Lは、金属板、金属線を用いて形成することもできる。
【0065】
(2-2-4-3.腐食検出回路Dの具体例)
図7を用いて、発振回路Oおよび腐食センサSを有する腐食検出回路Dの具体例について説明する。図7は、実施形態に係る腐食検出回路Dの構成例を示す回路図である。図7の例では、発振回路Oは、コルピッツ発振回路で構成される(図7一点破線)。また、腐食センサSは、1つの腐食センサS-Cおよび1つの腐食センサS-Lで構成される(図7破線)。図7で示すように、腐食検出回路Dは、発振回路Oを介して、腐食センサS-Cが示すキャパシタンス値Cおよび腐食センサS-Lが示すインダクタンス値Iに対応する周波数Fの腐食検出回路信号を出力する。
【0066】
〔3.情報処理システム100の処理の流れ〕
図8を用いて、実施形態に係る情報処理システム100の処理の流れについて説明する。図8は、実施形態に係る情報処理全体の流れを示すフローチャートである。なお、下記のステップS101~S105の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S105の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0067】
(3-1.回路信号取得処理)
第1に、情報処理装置10は、回路信号取得処理を実行する(ステップS101)。例えば、情報処理装置10は、腐食センサSを含む腐食検出回路Dが出力する周波数Fの腐食検出回路信号を取得し、腐食検出回路信号をモニタリングする。
【0068】
(3-2.回路信号判定処理)
第2に、情報処理装置10は、回路信号判定処理を実行する(ステップS102)。例えば、情報処理装置10は、取得した腐食検出回路信号の周波数F、すなわち一定時間あたりの腐食検出信号のカウント数を算出し、周波数変動値ΔFを算出し、閾値Xと比較する。このとき、情報処理装置10は、ΔF≧Xの場合(ステップS102:Yes)、ステップS103の処理に移行する。一方、情報処理装置10は、ΔF<Xの場合(ステップS102:No)、ステップS101の処理に戻る。
【0069】
(3-3.腐食異常検知処理)
第3に、情報処理装置10は、腐食異常検知処理を実行する(ステップS103)。例えば、情報処理装置10は、腐食検出回路Dが搭載されているプリント基板Pに腐食による異常が発生していると検知する。
【0070】
(3-4.腐食異常通知処理)
第4に、情報処理装置10は、腐食異常通知処理を実行する(ステップS104)。例えば、情報処理装置10は、腐食異常を検知した場合には、プリント基板Pに腐食による異常の発生をプラントの管理者の端末に通知する。
【0071】
(3-5.バックアップ機器切替処理)
第5に、情報処理装置10は、バックアップ機器切替処理を実行し(ステップS105)、処理を終了する。例えば、情報処理装置10は、腐食異常を検知した場合には、異なる情報処理装置であるバックアップ機器に自動的に切り替える。
【0072】
〔4.実施形態の効果〕
最後に、実施形態の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~5について説明する。
【0073】
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態に係る処理では、情報処理装置10は、プリント基板Pに搭載された発振回路Oであって、導電性を有する金属により形成された電子素子である腐食センサSを含む発振回路Oから出力される腐食検出回路信号の周波数Fを取得し、周波数Fの変動に基づき、プリント基板Pの異常を検知する。このため、本処理では、外部環境による電子機器の故障を予測することができる。
【0074】
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態に係る処理では、情報処理装置10は、発振回路Oとして、金属により生成された少なくとも2枚の金属箔を対向させて設置することで所定のキャパシタンス値Cを示す電子素子である腐食センサS-Cを含む。このため、本処理では、コンデンサ様の電子素子を用いて、外部環境による電子機器の故障を予測することができる。
【0075】
(4-3.効果3)
第3に、上述した実施形態に係る処理では、情報処理装置10は、発振回路Oを形成するインダクタとして、金属により生成された金属箔を螺旋状または渦巻き状に形成することで所定のインダクタンス値Iを示す電子素子である腐食センサS-Lを含む。このため、本処理では、発振回路Oに形成されるインダクタを用いて、外部環境による電子機器の故障を予測することができる。
【0076】
(4-4.効果4)
第4に、上述した実施形態に係る処理では、情報処理装置10は、電子素子である腐食センサSの金属として、銅を用いる。このため、本処理では、安価かつ簡便に、外部環境による電子機器の故障を予測することができる。
【0077】
(4-5.効果5)
第5に、上述した実施形態に係る処理では、情報処理装置10は、発振回路Oから出力される信号の周波数Fの周波数変動値ΔFを算出し、算出した周波数変動値ΔFが閾値X以上となった場合に、プリント基板Pに異常が発生したと検知する。このため、本処理では、外部環境による電子機器の故障の発生を即座に予測するとともに、通知することができる。
【0078】
〔システム〕
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0079】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0080】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0081】
〔ハードウェア〕
次に、情報処理装置10のハードウェア構成例を説明する。なお、その他の装置も同様のハードウェア構成とすることができる。図9は、ハードウェア構成例を説明する図である。図9に示すように、情報処理装置10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図9に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0082】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカード等であり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、図6に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0083】
プロセッサ10dは、図6に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、図6等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、情報処理装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、取得部13a、検知部13b等と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、取得部13a、検知部13b等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0084】
このように、情報処理装置10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する装置として動作する。また、情報処理装置10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、情報処理装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0085】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【0086】
〔その他〕
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
【0087】
(1)基板に搭載された発振回路であって、導電性を有する金属により形成された電子素子を含む前記発振回路から出力される信号の周波数を取得する取得部と、前記周波数の変動に基づき、前記基板の異常を検知する検知部と、を備える情報処理装置。
【0088】
(2)前記発振回路は、前記金属により生成された少なくとも2枚の金属箔を対向させて形成することで所定のキャパシタンス値を示す前記電子素子を含む、(1)に記載の情報処理装置。
【0089】
(3)前記発振回路を形成するインダクタは、前記金属により生成された金属箔を螺旋状または渦巻き状に形成することで所定のインダクタンス値を示す前記電子素子を含む、(1)または(2)に記載の情報処理装置。
【0090】
(4)前記金属は、銅である、(1)~(3)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0091】
(5)前記検知部は、前記発振回路から出力される信号の周波数の変動値を算出し、算出した前記変動値が閾値以上となった場合に、前記基板に異常が発生したと検知する、(1)~(4)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0092】
(6)コンピュータが、基板に搭載された発振回路であって、導電性を有する金属により形成された電子素子を含む前記発振回路から出力される信号の周波数を取得し、前記周波数の変動に基づき、前記基板の異常を検知する、処理を実行する情報処理方法。
【0093】
(7)コンピュータに、基板に搭載された発振回路であって、導電性を有する金属により形成された電子素子を含む前記発振回路から出力される信号の周波数を取得し、前記周波数の変動に基づき、前記基板の異常を検知する、処理を実行させる情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0094】
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
13a 取得部
13b 検知部
100 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9