IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特開2024-132648決定装置、決定方法及び決定プログラム
<>
  • 特開-決定装置、決定方法及び決定プログラム 図1
  • 特開-決定装置、決定方法及び決定プログラム 図2
  • 特開-決定装置、決定方法及び決定プログラム 図3
  • 特開-決定装置、決定方法及び決定プログラム 図4
  • 特開-決定装置、決定方法及び決定プログラム 図5
  • 特開-決定装置、決定方法及び決定プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132648
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】決定装置、決定方法及び決定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0283 20230101AFI20240920BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q30/0283
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043502
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 浩二
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB21
5L049BB21
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】効率的に、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する。
【解決手段】本願に係る決定装置は、特定部が、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、決定部が、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定し、所定の施設の所定のエリアの利用に対する利益を獲得することが適正になされているか否か等について客観的に提示することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定する特定部と、
前記特定部により特定された利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する決定部と
を有することを特徴とする決定装置。
【請求項2】
前記特定部は、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した複数の利用者に係る代表的な仮想的利用者について、前記利用者として特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の決定装置。
【請求項3】
所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者の位置情報を取得する取得部
を有し、
前記特定部は、前記取得部により取得された位置情報に基づき利用者を特定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の決定装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記特定部により特定された利用者に係る属性情報を取得する
ことを特徴とする請求項3に記載の決定装置。
【請求項5】
前記取得部は、所定の施設の所定のエリアにおける商品またはサービスの提供対象者に係る属性情報を取得する
ことを特徴とする請求項4に記載の決定装置。
【請求項6】
前記特定部により特定された利用者について、前記取得部により取得された前記利用者の属性情報に基づき、所定の属性を推定し、該推定された属性を用いて前記利用者に係る顧客像に関する情報を生成する推定部と
を有することを特徴とする請求項5に記載の決定装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記取得部により取得された、所定の施設の所定のエリアにおける商品またはサービスの提供対象者に係る属性情報に基づき、所定の属性を推定し、該推定された属性を用いて当該所定のエリアに係る顧客像に関する情報を生成する
ことを特徴とする請求項6に記載の決定装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記特定部により特定された利用者が訪問したエリアについて、前記利用者による評価情報を取得する
ことを特徴とする請求項3に記載の決定装置。
【請求項9】
前記推定部は、前記特定部により特定された利用者について、前記利用者に係る顧客像に関する情報と、前記所定のエリアに係る顧客像に関する情報との類似度を、所定の方法により推定する
ことを特徴とする請求項7に記載の決定装置。
【請求項10】
前記推定部は、前記特定部により特定された利用者について、前記利用者に係る顧客像に関する情報と、前記所定のエリアに係る顧客像に関する情報との類似度と、前記所定のエリアの利用料金と、前記所定のエリアに係る前記利用者による評価情報とに基づき、所定の方法で、前記所定のエリアに係るスコアを算出する
ことを特徴とする請求項9に記載の決定装置。
【請求項11】
前記推定部は、所定の期間内に、所定の施設の所定のエリアにおける利用料金について、前記スコアを、複数回、算出し、前記スコアが所定の範囲内である場合、前記スコアの平均値を基準スコアと推定する
ことを特徴とする請求項10に記載の決定装置。
【請求項12】
前記推定部は、所定の期間ごとに、所定の施設の所定のエリアにおける利用料金について、前記スコアを、複数回、算出し、前記スコアが前記基準スコアと比較して所定の範囲内である場合、当該利用料金は適正であると推定する
ことを特徴とする請求項11に記載の決定装置。
【請求項13】
前記推定部は、前記特定部により特定された利用者について、前記利用者に係る顧客像に関する情報と、前記所定のエリアに係る顧客像に関する情報との類似度と、前記所定のエリアの利用料金と、前記所定のエリアに係る前記利用者による評価情報を入力し、所定の方法で、前記所定のエリアに係るスコアを算出するモデルを用いて、前記所定のエリアの利用料金が適正であるか否かを推定する
ことを特徴とする請求項12に記載の決定装置。
【請求項14】
コンピュータが実行する決定方法であって、
所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定する特定工程と、
前記特定工程により特定された利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する決定工程と
を含むことを特徴とする決定方法。
【請求項15】
所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定する特定手順と、
前記特定手順により特定された利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する決定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする決定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決定装置、決定方法及び決定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ソーシャルメディアデータ、ウェブサイトデータ、カスタマーデータ等を含むビッグデータを容易に入手することが可能となり、商品やサービスの需要・供給の変化を迅速に把握することができるようになってきている、このような状況で、商業施設、ビジネス施設、娯楽施設等における所定のエリアにおいて、利用者に商品やサービスを提供する際、エリアに係るリソースに対し最大の利益を効率的に獲得することが求められている。著名な商業施設、娯楽施設等では、売上高が入場者数(会員数)の増加以上に伸びているケースが多々あり、この場合、一人当たりの売上高が上昇していることになる。これは、その施設またはその施設の所定のエリアを利用することに同感した利用者に、利用者自身の価値観等を具現化するコミュニティに存することを感じさせるブランド力によって、客単価を増加させても、大きな収益を得ることができることを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023―010491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、所定の施設の所定のエリアを利用することにより、利用者が得られるライフスタイルブランドを備えた、エリアごとのブランド価値を、数値化して利用料金に反映させることや、所定の施設の所定のエリアの利用に対する利益を獲得することが適正になされているか否かについて客観的に判断することができていないという問題があった。
【0005】
本願は、上記に鑑み、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る決定装置は、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定する特定部と、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する決定部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、効率的に、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づき、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する決定処理の一例を示す図である。
図2図2は、エリアごとのメタ・ペルソナ情報の設定の一例を示す図である。
図3図3は、所定のスコアを算出する処理の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る決定装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る決定装置によって実行される、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、ハードウエア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る決定装置、決定方法及び決定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る決定装置、決定方法及び決定プログラムが限定されるものではない。1つまたは複数の実施形態の詳細は、以下の説明および図面に記載される。また、1つまたは複数の実施形態の各々は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の1つまたは複数の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
〔1.決定処理について〕
図1を参照して、実施形態に係る決定処理の一例について説明する。図1は、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する処理の一例である。本実施形態において、「訪問」とは、所定の施設の所定のエリアにおいて提供される商品またはサービス等について、その購入または提供等を受けるための訪問であり、その回数は、1回でも複数回であってもよい。また、本願実施形態において、「利用者」とは、所定の施設の所定のエリアにおいて提供される商品またはサービス等を受けるために訪問し、所定のエリアを利用する会員またはそれに準じる客等であり、利用の頻度は定期であっても不定期であってもよい。まず、決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、商品またはサービスを提供する提供者が、その商品またはサービスの提供を受けると想定する利用者について、メタ・ペルソナ情報を生成する(ステップS10)。本願実施形態において、ペルソナ情報とは、商品やサービスの提供を受ける顧客像を示す情報である。本実施形態におけるメタ・ペルソナ情報とは、所定の施設の所定のエリアにおいて、商品またはサービスの提供を受けると想定される利用者についての顧客像を示す情報であり、その施設のそのエリアにおける、商品またはサービスの提供者とその利用者との間の契約内容に係る情報でもあり、そのエリアのブランド力に係る情報でもある。本実施形態におけるメタ・ペルソナ情報は、例えば、年齢、性別、所得水準、職業、居住地域等で構成される人口統計学的属性であるデモグラフィック属性、ライフスタイル、価値観等の心理学的属性であるサイコグラフィック属性、サービス等に対する行動を基準とした行動学的属性であるビヘイビアル属性にそれぞれ対応するメタ・デモグラフィック属性、メタ・サイコグラフィック属性、メタ・ビヘイビアル属性等を含む。本実施形態では、メタ・ペルソナ情報について、メタ・デモグラフィック属性、メタ・サイコグラフィック属性、メタ・ビヘイビアル属性等のように分類しているが、このような分類に限定されるものではなく、分類しなくてもよい。
【0011】
次に、決定装置100は、利用者の位置情報等を取得する(ステップS11)。決定装置100は、例えば、利用者が所有する利用者端末装置101、利用者端末装置10に備えられた各種センサーが取得した位置情報等を、利用者端末装置101、利用者端末装置10から取得する。そして、決定装置100は、取得した位置情報等を用いて、エリアごとに、そのエリアを訪問した利用者を特定する(ステップS12)。決定装置100は、例えば、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した複数の利用者に係る代表的な仮想的利用者について、利用者として特定してもよい。
【0012】
次に、決定装置100は、特定した利用者の属性情報等を取得する(ステップS13)。決定装置100は、例えば、利用者について、マーケットリサーチ等の所定の方法で取得された年齢、性別、職業、職歴、所得水準等を含む情報を利用してもよい。
【0013】
次に、決定装置100は、特定した利用者の属性情報等に基づき、特定した利用者のペルソナ情報を生成する(ステップS14)。決定装置100は、例えば、利用者の属性情報等を用いて、利用者のデモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、ビヘイビアル属性等に係るペルソナ情報を生成する。
【0014】
次に、決定装置100は、利用者が利用する所定の施設の所定のエリアについて、所定の方法で、利用者の評価を収集する(ステップS15)。決定装置100は、例えば、利用者端末装置101、利用者端末装置10等から利用者の評価を収集する。そして、決定装置100は、エリアごとに、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報と、収集した利用者の評価等に基づき、所定のスコアを算出する(ステップS16)。
【0015】
次に、決定装置100は、算出したスコアに基づいて、エリアごとの利用料金を決定する(ステップS17)。決定装置100は、算出したスコアに基づき、例えば、各エリアを利用する利用者にとって「同然に、この価格であろう」と納得する利用料金を決定する。
【0016】
図1に示すように、決定システム1には、利用者端末装置10~10と、決定装置100とが含まれる(nは任意の自然数)。明細書では、利用者端末装置10~10を区別する必要がない場合は、利用者端末装置10~10を「利用者端末装置10」と総称する。図1では図示していないが、決定システム1は、複数台の決定装置100を含んでもよい。
【0017】
利用者端末装置10は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末装置10は、スマートフォン、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット型PCを含む、任意のタイプの情報処理装置であってもよい。
【0018】
図1の例では、利用者端末装置10は、利用者によって利用されるクライアント装置である。図1の例では、利用者端末装置10は、自身に備えられている各種センサーが取得した位置情報等を、決定装置100に提供する。
【0019】
決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づき、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する情報処理装置である。決定装置100は、サーバを含む、任意のタイプの情報処理装置であってもよい。図1では図示していないが、決定装置100は、ネットワーク網を介して、有線又は無線により利用者端末装置10と通信を行う。また、図1では図示していないが、決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに所有されている情報処理装置等と、ネットワーク網を介して、有線又は無線により通信を行う。所定の施設の所定のエリアごとに所有されている情報処理装置等は複数台であってもよい。
【0020】
図1について、さらに詳しく説明する。図1の例では、決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する。まず、決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、商品やサービスの提供者が、そのエリアを利用することを想定している利用者について、メタ・ペルソナ情報を生成する(ステップS10)。メタ・ペルソナ情報の生成については、図2を用いて後述する。図1に戻り、決定装置100は、利用者端末装置101、利用者端末装置10が備える各種センサーが取得した位置情報等を、利用者端末装置101、利用者端末装置10から取得する(ステップS11)。決定装置100は、例えば、商業施設のエリアA1におけるエステティックサロンを利用するために訪問している利用者1について、利用者端末装置10から位置情報等を取得する。また、決定装置100は、例えば、ゴルフクラブハウスのエリアB1を利用するために訪問している利用者2について、利用者端末装置10から位置情報等を取得する。
【0021】
次に、決定装置100は、取得した位置情報等を用いて、所定の施設の所定のエリアを訪問した利用者を特定する(ステップS12)。決定装置100は、例えば、利用者端末装置10から取得した位置情報等を用いて、商業施設のエリアA1におけるエステティックサロンを訪問した利用者1を特定する。また、決定装置100は、例えば、利用者端末装置10から取得した位置情報等を用いて、ゴルフクラブハウスのエリアB1を訪問した利用者2を特定する。これにより、決定装置100は、エリアA1と、エリアA1を訪問した利用者1とを紐付け、エリアB1と、エリアB1を訪問した利用者2とを紐付ける。
【0022】
次に、決定装置100は、特定した利用者の属性情報等を取得する(ステップS13)。決定装置100は、利用者について、例えば、マーケティングリサーチ等の所定の方法や所定のポータルサイトにおける人物データベース等を用いて、年齢、性別、職業、職歴、学歴、所得水準等を含む属性情報等を取得してもよい。また、決定装置100は、利用者について、例えば、ソーシャルメディアデータ、ウェブサイトデータ、カスタマーデータ等から属性情報等を取得してもよい。決定装置100は、利用者1について、例えば、「20代、女性、未婚、年収1000万、美容師、ネイリスト、サスティナビリスト、ビューティインスタグラマー、サロンオーナー等」の属性情報1を取得する。また、決定装置100は、利用者2について、例えば、「40代、男性、既婚、年収1200万、SM商事勤務、常務、子供2人、週末ゴルフコンペ、家族キャンプ、アウトドア派、アウトドア車欲しい等」の属性情報2を取得する。
【0023】
次に、決定装置100は、特定した利用者の属性情報等に基づき、特定した利用者のペルソナ情報を生成する(ステップS14)。決定装置100は、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、ビヘイビアル属性等を含むペルソナ情報を生成する。デモグラフィック属性は、年齢、性別、所得水準、職業、居住地域等に係る情報を含み、サイコグラフィック属性は、ライフスタイル、価値観等に係る心理的情報を含み、また、ビヘイビアル属性は、サービス等に対する行動を基準とした行動的情報を含む。本実施形態では、利用者のペルソナ情報について、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、ビヘイビアル属性等のように分類して生成しているが、このような分類に限定されるものではなく、分類しなくてもよい。決定装置100は、例えば、利用者1について、属性情報1に基づき、ペルソナ情報1を生成する。具体的には、決定装置100は、例えば、デモグラフィック属性DID1として、「女性、20代、未婚、年収1000万、美容師、ネイリスト、サロンオーナー等」、サイコグラフィック属性SID1として、「サスティナビリスト等」、ビヘイビアル属性BID1として、「ビューティインスタグラマー等」を含むペルソナ情報1を生成する。また、決定装置100は、例えば、利用者2について、属性情報2に基づき、ペルソナ情報2を生成する。具体的には、決定装置100は、例えば、デモグラフィック属性DID2として、「男性、40代、既婚、年収1200万、SM商事勤務、常務、子供2人等」、サイコグラフィック属性SID2として、「アウトドア派等」、ビヘイビアル属性BID2として、「週末ゴルフコンペ、家族キャンプ等」を含むペルソナ情報2を生成する。
【0024】
次に、決定装置100は、所定の方法で、利用者の評価を、利用者端末装置10等から収集する(ステップS15)。決定装置100は、例えば、商業施設のエリアA1におけるエステティックサロンを訪問した利用者1について、利用者端末装置10において、エステティックサロンのサービス提供者から提供される評価アンケートに対し、利用者1が入力した評価データを収集する。また、決定装置100は、例えば、ゴルフクラブハウスのエリアB1を訪問した利用者2について、利用者端末装置10において、ゴルフクラブハウスのサービス提供者から提供される評価アンケートに対し、利用者2が入力した評価データを収集する。例えば、評価アンケートの項目について、商品またはサービスに係る利用料金に対する満足の度合いに加えて、商品またはサービスの品質、利用時間帯、オプション等に係る満足の度合いを含むものであってもよい。エリアごとの利用者の評価の収集について、決定装置100は、利用者端末装置101、利用者端末装置10から収集することに限定されず、例えば、マーケティングリサーチ等の所定の方法により収集してもよい。決定装置100は、エリアごとの利用者の評価について、例えば、商品またはサービスに係る利用料金、提供する商品またはサービスの品質、利用時間帯、オプション等の評価項目について、5段階評価方式等を用いてもよい。
【0025】
次に、決定装置100は、エリアごとに、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報と、収集した利用者の評価等に基づき、所定のスコアを算出する(ステップS16)。決定装置100は、例えば、所定のエリアのメタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報とを用いて、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、ビヘイビアル属性等について、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報との類似度を所定の方法で算出する。決定装置100は、例えば、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報とに含まれている属性情報(例えば、属性を示す単語、以下「属性単語」と表記する)の類似度を求め、所定の閾値以上の類似度を持つ属性単語を同義語とみなし、メタ・ペルソナ情報に含まれる属性単語と、特定した利用者のペルソナ情報に含まれる属性単語について、所定の類似度尺度に係る計算式を用いて、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報との間の類似度を算出し、ペルソナ判定値とする。そして、決定装置100は、例えば、ペルソナ判定値と、所定のエリアの利用料金と、そのエリアに対する利用者の評価値とを用いて、所定の計算式で、所定のスコアを算出する。
【0026】
次に、決定装置100は、算出したスコアに基づいて、エリアごとの利用料金を決定する(ステップS17)。決定装置100は、例えば、所定の期間内に、所定の施設の所定のエリアにおける利用料金について、所定の方法で、複数回、スコアを算出し、スコアが所定の範囲内である場合、スコアの平均値を基準スコアとする。決定装置100は、例えば、利用料金を増加させた場合であっても、所定期間、スコアが基準スコアから所定範囲内ある場合、その利用料金は適正であり、利用者にとって、同然に、この価格であろうと納得する利用料金であると推定する。
【0027】
〔2.メタ・ペルソナ情報について〕
メタ・ペルソナ情報とは、所定の施設の所定のエリアにおいて、商品またはサービスの提供を受けると想定される利用者についての顧客像を示す情報であり、その施設のそのエリアにおける、商品またはサービスの提供者とその利用者との間の契約内容に係る情報でもあり、そのエリアのブランド力に係る情報でもある。決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、商品またはサービスを提供する提供者が、その商品またはサービスの提供を受けると想定する利用者について、メタ・ペルソナ情報を生成する。
【0028】
図2の例では、決定装置100は、商業施設のエリアA1におけるエステティックサロンにおけるサービス等の提供者から提供された、サービス等の提供対象者に係る情報に基づき、エリアA1におけるエステティックサロンに係るメタ・ペルソナ情報A1を生成する。決定装置100は、例えば、メタ・ペルソナ情報A1において、メタ・デモグラフィック属性DA1として、女性、20歳以上等、メタ・サイコグラフィック属性SA1として、ラグジュアリーブランド志向等、メタ・ビヘイビアル属性BA1として、ソーシャルメディアにおける発信頻度、ビューティインフルエンサー等を、属性項目として生成する。また、決定装置100は、例えば、ホテルのエリアA2の高級バーにおけるサービス等の提供者から提供された、サービス等の提供対象者に係る情報に基づき、エリアA2における高級バーに係るメタ・ペルソナ情報A2を生成する。決定装置100は、例えば、メタ・ペルソナ情報A2において、メタ・デモグラフィック属性DA2として、25歳以上、所得水準、職歴、上場企業勤務、管理職以上の役職、メタ・サイコグラフィック属性SA2として、人脈(紹介)等、メタ・ビヘイビアル属性BA2として、資産運営等を、属性項目として生成する。
【0029】
また、決定装置100は、例えば、ゴルフクラブハウスのエリアB1のエグゼクティブラウンジにおけるサービス等の提供者から提供された、サービス等の提供対象者に係る情報に基づき、エリアB1におけるエグゼクティブラウンジに係るメタ・ペルソナ情報B1を生成する。決定装置100は、例えば、メタ・ペルソナ情報B1において、メタ・デモグラフィック属性DB1として、30歳以上、所得水準、職歴、上場企業勤務、役員・管理職以上の役職等、メタ・サイコグラフィック属性SB1として、人脈(紹介)等、メタ・ビヘイビアル属性BB1として、債務履歴・収入等の信用性等を、属性項目として生成する。また、決定装置100は、例えば、ゴルフクラブハウスのエリアB2のクラブラウンジにおけるサービス等の提供者から提供された、サービス等の提供対象者に係る情報に基づき、エリアB2におけるクラブラウンジに係るメタ・ペルソナ情報B2を生成する。決定装置100は、例えば、メタ・ペルソナ情報B2において、メタ・デモグラフィック属性DB2として、25歳以上、職歴等、メタ・サイコグラフィック属性SB2として、紹介等、メタ・ビヘイビアル属性BB2として、収入等の信用性等を、属性項目として生成する。本実施形態では、メタ・ペルソナ情報について、メタ・デモグラフィック属性、メタ・サイコグラフィック属性、メタ・ビヘイビアル属性等のように分類しているが、このような分類に限定されるものではなく、分類しなくてもよい。また、決定装置100は、エステティックサロン、高級バー、ゴルフクラブハウスの他に、一般的な商業施設、娯楽施設、住宅施設、宿泊施設等、所定のサービス等を提供する各施設において、複数のエリアについて、エリアごとにサービス等の提供者から提供された、サービス等の提供対象者に係る情報に基づき、エリアごとのメタ・ペルソナ情報を生成してもよい。
【0030】
〔3.ペルソナ情報について〕
ペルソナ情報とは、商品やサービスの提供を受ける顧客像を示す情報である。決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、特定した利用者の属性情報等に基づき、特定した利用者のペルソナ情報を生成する。例えば、決定装置100は、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、ビヘイビアル属性等を含むペルソナ情報を生成する。デモグラフィック属性は、年齢、性別、所得水準、職業、居住地域等に係る情報を含み、サイコグラフィック属性は、ライフスタイル、価値観等に係る心理的情報を含み、ビヘイビアル属性は、サービス等に対する行動を基準とした行動的情報を含む。本実施形態では、利用者のペルソナ情報について、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、ビヘイビアル属性等のように分類して生成しているが、このような分類に限定されるものではなく、分類しなくてもよい。
【0031】
まず、決定装置100は、ペルソナ情報の生成に必要な利用者の属性情報等を収集する。決定装置100は、例えば、利用者について、所定のホームページやEC(Electronic Commerce)サイトへのアクセス状況、SNS(Social Networking Service)等での発信、閲覧状況、既存の顧客データ等に係る情報を収集する。決定装置100は、収集した情報について、利用者ごとに、例えば、デモグラフィック属性(年齢、性別、家族構成、職業、居住地域、職務地域等)、サイコグラフィック属性(趣味、嗜好等)、ビヘイビアル属性(購買履歴、検索履歴、習慣等)に分類する。デモグラフィック属性について、決定装置100は、例えば、利用者に係る所定の登録情報から、取得してもよい。サイコグラフィック属性について、決定装置100は、例えば、所定のホームページやECサイトへのアクセス状況、SNS等での発信、閲覧状況等から取得または推定してもよい。ビヘイビアル属性について、決定装置100は、例えば、所定のホームページやECサイトの閲覧、購買履歴、SNS等での発信、閲覧状況等から取得または推定してもよい。
【0032】
既に図1の例で上述したように、決定装置100は、例えば、利用者1について、属性情報1に基づき、ペルソナ情報1を生成する。具体的には、決定装置100は、例えば、デモグラフィック属性DID1として、「女性、20代、未婚、年収1000万、美容師、ネイリスト、サロンオーナー等」、サイコグラフィック属性SID1として、「サスティナビリスト等」、ビヘイビアル属性BID1として、「ビューティインスタグラマー等」を含むペルソナ情報1を生成する。また、例えば、決定装置100は、利用者2について、属性情報2に基づき、ペルソナ情報2を生成する。具体的には、決定装置100は、例えば、デモグラフィック属性DID2として、「男性、40代、既婚、年収1200万、SM商事勤務、常務、子供2人等」、サイコグラフィック属性SID2として、「アウトドア派等」、ビヘイビアル属性BID2として、「週末ゴルフコンペ、家族キャンプ等」を含むペルソナ情報2を生成する。
【0033】
決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、複数の利用者についての年収、性別、年代等の分布から、仮想的で全体的な利用者のペルソナ情報を生成してもよい。決定装置100は、例えば、個々の利用者の属性情報等に基づき、所定の統計的方法で、仮想的で全体的な利用者についてペルソナ情報を生成してもよく、また、個々の利用者のペルソナ情報に基づき、所定の統計的方法で、仮想的で全体的な利用者についてペルソナ情報を生成してもよい。
【0034】
〔4.スコアの算出について〕
決定装置100は、例えば、図3に示す処理手順により、エリアごとに、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報とに基づきペルソナ比較をし、ペルソナ判定値と、利用者の評価等とに基づき、所定のスコアを算出する。決定装置100は、例えば、所定のエリアのメタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報とを用いて、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、ビヘイビアル属性等について、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報との類似度を所定の方法で算出する。決定装置100は、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報とに含まれている属性情報を比較する際、例えば、属性情報のうち、属性を示す単語である属性単語どうしの類似度を推定する(ステップS31)。決定装置100は、例えば、属性情報Aに含まれる属性単語aと属性情報A´に含まれる属性単語a´について、所定の方法で算出した類似度が所定の閾値以上である場合、属性単語a≒属性単語a´であるとして、属性単語aと属性単語a´とについて同義語とし、属性情報A´の属性単語a´に係る属性情報と、属性情報Aの属性単語aに係る属性情報とは、略同等の情報であると推定する。決定装置100は、例えば、メタ・ペルソナ情報において、属性情報B(所得水準)について、1000万円(属性単語bとする)を条件として設定している場合で、属性情報B´(年収)が1200万円(属性単語b´とする)の場合、属性単語b´は、数値上、属性単語b以上であるとして、ペルソナ情報の年収はメタ・ペルソナ情報の所得水準以上であることから、属性情報B´の属性単語b´に係る属性情報は、属性情報Bの属性単語bに係る属性情報を満たすと推定する。また、決定装置100は、例えば、メタ・ペルソナ情報において、属性情報C(タレント性)について、ビューティインフルエンサー(属性単語cとする)を条件として設定している場合で、ペルソナ情報において、属性情報C′(行動特性)について、ビューティインスタグラマー(属性単語c´とする)が設定されている場合、属性単語c⊃属性単語c´であるとして、ペルソナ情報の属性単語c´がメタ・ペルソナ情報の属性単語cに含まれ、属性情報C´の属性単語c´に係る属性情報は、属性情報Cの属性単語cに係る属性情報を満たすと推定する。
【0035】
そして、決定装置100は、ペルソナ情報とメタ・ペルソナ情報の間で、略同等の情報であり、ペルソナ情報の属性情報がメタ・ペルソナ情報の属性情報を満たす等の場合、メタ・ペルソナ情報に含まれる属性単語と、特定した利用者のペルソナ情報に含まれる属性単語について、属性に関して略一致した単語であるとして、メタ・ペルソナ情報に含まれる複数の属性単語とペルソナ情報に含まれる複数の属性単語とについて、例えば、所定の類似度尺度に係る計算式を用いて、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報との間の類似度を算出し、ペルソナ判定値とする。
【0036】
決定装置100は、例えば、ペルソナ判定値が、所定閾値以上であると判定した場合(ステップS33)、ペルソナ判定値と、所定のエリア利用料金と、利用者による評価値とを乗算し、スコアを算出する(ステップS34)。一方、決定装置100は、ペルソナ比較において、ペルソナ判定値が、所定に閾値以上でない場合、例えば、スコアを算出せず、ペルソナ判定値のみを出力する。(ステップS32)。
【0037】
決定措置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、複数の利用者について、年収、性別、年代等の分布から、仮想的な人物情報をペルソナ情報として生成する場合、エリアごとの利用者の評価について、例えば、商品またはサービスに係る利用料金、提供する商品またはサービスの品質、利用時間帯、オプション等の評価項目についての利用者からの評価について、所定の方法で集計し平均値を算出する等して、仮想的な人物に係る利用者による評価値とする。また、決定措置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、個々の利用者についてペルソナ情報を生成する場合、エリアごとの利用者の評価について、例えば、商品またはサービスに係る利用料金、提供する商品またはサービスの品質、利用時間帯、オプション等の評価項目についての利用者からの評価について、所定の方法で集計し、個々の利用者ごとに、平均値を算出する等して、利用者による評価値とする。決定装置100は、エリアごとの利用者の評価について、例えば、商品またはサービスに係る利用料金、提供する商品またはサービスの品質、利用時間帯、オプション等の評価項目について、5段階評価方式等を利用して、総合的な利用者による評価値を用いてもよい。
【0038】
決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、複数の利用者について、年収、性別、年代等の分布から、仮想的な人物情報をペルソナ情報として生成する場合、スコアについて、例えば、所定のエリアのメタ・ペルソナ情報と仮想的な人物情報に係るペルソナ情報とからペルソナ判定値を算出する。決定装置100は、ペルソナ判定値が、所定の閾値以上である場合、そのペルソナ判定値と、エリア利用料金と、仮想的な人物に係る利用者による評価値とを乗算して、スコアとする(ステップS33)。また、決定措置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、個々の利用者についてペルソナ情報を生成する場合、スコアについて、例えば、所定のエリアのメタ・ペルソナ情報と個々の利用者についてペルソナ情報とからペルソナ判定値を算出する。決定装置100は、ペルソナ判定値が、所定の閾値以上である場合、そのペルソナ判定値と、エリア利用料金と、個々の利用者による評価値とを乗算して、個々の利用者についてスコアを算出し、個々の利用者のスコアを用いて算出した平均値をスコアとする(ステップS33)。
【0039】
特定した利用者のペルソナ情報が、所定の属性により分類されておらず、所定のテキスト形式の情報である場合、決定装置100は、例えば、所定の形態素解析ツールを利用して、所定の方法で、属性情報のうち、属性を示す単語である属性単語を抽出してもよい。
【0040】
決定装置100は、例えば、ペルソナ判定値のみを用いて、所定の施設の所定のエリアの所定のブランド戦略の達成率を評価してもよい。また、決定装置100は、例えば、複数のエリアについて、所定のブランド戦略の達成率を比較してもよい。
【0041】
また、決定装置100は、例えば、メタ・ペルソナ情報または利用料金について、他のエリアのメタ・ペルソナ情報または利用料金に代えて、所定のスコアを算出し、スコアを比較することにより、エリアどうしのブランド戦略または利用料金について比較してもよい。
【0042】
また、決定装置100は、例えば、ペルソナ情報または利用料金について、他のエリアのペルソナ情報または利用料金に代えて、所定のスコアを算出し、スコアを比較することにより、エリアどうしの利用者または利用料金について比較してもよい。
【0043】
〔5.モデルについて〕
決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報との間の類似度としてペルソナ判定値を算出し、ペルソナ判定値が所定の閾値以上であると判定した場合、ペルソナ判定値と、所定のエリア利用料金と、利用者による評価値とを乗算し、スコアを算出する。決定装置100は、例えば、所定の期間内に、所定の施設の所定のエリアにおける利用料金について、上述した方法で、複数回、スコアを算出し、それらのスコアが所定の範囲内である場合、それらのスコアの平均値を基準スコアとする。決定装置100は、例えば、所定の期間ごとに、所定の施設の所定のエリアにおける利用料金について、所定のスコアを、複数回、算出し、所定のスコアが基準スコアと比較して所定の範囲内である場合、適正な利用料金であると推定する。決定装置100は、例えば、「利用者」について、所定の施設の所定のエリアを利用する会員客またはそれに準じる客を想定している場合、利用者による評価値の変動がスコア値の変動に影響を与えるものと推定し、基準スコアを持たすような利用料金を推定する。決定装置100は、例えば、所定のエリアについて、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報と、利用料金と、利用者による評価値とを入力し、上述したスコア算出処理方法により、スコアを出力するモデルを用いて、基準スコアを満たすように、エリアごとに、所定の方法で学習し、最適な利用料金を推定してもよい。ここで、さらに施設基本情報を入力変数としてスコアを算出してもよい。例えば、施設基本情報は、施設の広さ、規模、設備内容等の施設の情報もしくはこの情報にもとづたカテゴリ情報である。スコアを算出するモデルは、このような施設基本情報を入力としてスコアを算出するように学習等が行われていてもよく、若しくは、施設基本情報ごとに異なるスコアを算出するように学習された複数のモデルが準備されていてもよい。
【0044】
〔6.利用料金の決定について〕
決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、基準スコアに基づき、利用料金を決定する。決定装置100は、例えば、所定の施設の所定のエリアごとに、ペルソナ判定値が所定の範囲内に収まるようにメタ・ペルソナ情報の属性情報を変更し、基準スコアに基づき、利用料金を決定することで、ブランド力を制御してもよい。また、決定装置100は、例えば、所定の施設の所定のエリアごとに、ペルソナ判定値が所定の範囲内に収まるようにペルソナ情報の属性情報を変更し、基準スコアに基づき、利用料金を決定することで、利用者層を制御してもよい。また、決定装置100は、例えば、利用料金について、所定の値上げまたは値下げについて、基準スコアに基づき、利用者による評価値の変動を推定し、利用料金を決定してもよい。
【0045】
〔7.決定装置の構成〕
次に、図4を参照して、実施形態に係る決定装置100の構成例について説明する。図4は、実施形態に係る決定装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、決定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、決定装置100は、決定装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0046】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、ネットワーク網と有線又は無線により接続され、ネットワーク網を介して、利用者端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0047】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部120は、属性情報等記憶部121と、メタ・ペルソナ情報記憶部122と、ペルソナ情報記憶部123、モデル記憶部124とを有する。
【0048】
(属性情報等記憶部121)
属性情報等記憶部121は、利用者の属性情報等を記憶する。属性情報等記憶部121は、例えば、個々の利用者について、マーケティングリサーチ等の所定の方法や所定のポータルサイトにおける人物データベース等から取得された、年齢、性別、職業、職歴、学歴、所得水準等を含む属性情報を記憶する。また、属性情報等記憶部121は、例えば、個々の利用者について、ソーシャルメディアデータ、ウェブサイトデータ、カスタマーデータ等から取得された属性情報を記憶する。属性情報等記憶部121は、例えば、所定の施設の所定のエリアを利用する複数の利用者について、ソーシャルメディアデータ、ウェブサイトデータ、カスタマーデータ等における年収、性別、年代等の分布から取得された、代表的な仮想的利用者としての属性情報を記憶する。
【0049】
属性情報等記憶部121は、例えば、個々の利用者と、所定の施設の所定のエリアとを紐付けて記憶する。また、属性情報等記憶部121は、例えば、複数の利用者に係る代表的な仮想的利用者と、所定の施設の所定のエリアとを紐付けて記憶する。
【0050】
決定装置100は、属性情報等記憶部121とともに、または属性情報等記憶部121の代わりに、マーケティングリサーチ等の所定の方法で作成されたカスタマーデータベースや所定のカスタマーポータル等を用いてもよい。
【0051】
(メタ・ペルソナ情報記憶部122)
メタ・ペルソナ情報記憶部122は、所定の施設の所定のエリアに係るメタ・ペルソナ情報を記憶する。メタ・ペルソナ情報記憶部122は、所定の施設の所定のエリアにおいて、商品またはサービスを提供する提供者が、その商品またはサービスの提供を受けると想定する利用者についてのペルソナ情報を、メタ・ペルソナ情報として記憶する。
【0052】
メタ・ペルソナ情報記憶部122は、例えば、年齢、性別、所得水準、職業、居住地域等で構成される人口統計学的属性であるデモグラフィック属性、ライフスタイル、価値観等の心理学的属性であるサイコグラフィック属性、サービス等に対する行動を基準とした行動学的属性であるビヘイビアル属性にそれぞれ対応するメタ・デモグラフィック属性、メタ・サイコグラフィック属性、メタ・ビヘイビアル属性等を記憶する。本願実施形態では、メタ・ペルソナ情報について、メタ・デモグラフィック属性、メタ・サイコグラフィック属性、メタ・ビヘイビアル属性等のように分類しているが、このような分類に限定されるものではなく、分類しなくてもよい。
【0053】
(ペルソナ情報記憶部123)
ペルソナ情報記憶部123は、所定の施設の所定のエリアごとに、特定した利用者の属性情報等に基づき、生成された利用者のペルソナ情報を記憶する。ペルソナ情報記憶部123は、例えば、年齢、性別、所得水準、職業、居住地域等に係るデモグラフィック属性、ライフスタイル、価値観等に係る心理的情報等に係るサイコグラフィック属性、サービス等に対する行動を基準とした行動的情報等に係るビヘイビアル属性等を含むペルソナ情報を記憶する。本実施形態では、利用者のペルソナ情報について、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、ビヘイビアル属性等のように分類しているが、このような分類に限定されるものではなく、分類しなくてもよい。
【0054】
(モデル記憶部123)
モデル記憶部123は、例えば、所定の施設の所定のエリアごとについて、メタ・ペルソナ情報と、特定された利用者のペルソナ情報と、エリア利用料金と、特定された利用者の評価を入力し、所定のスコアを出力するモデルを記憶する。また、モデル記憶部123は、例えば、メタ・ペルソナ情報に含まれる属性単語と、特定した利用者のペルソナ情報に含まれる属性単語とを入力し、属性単語間の類似度を出力するモデルを記憶する。また、モデル記憶部123は、例えば、メタ・ペルソナ情報に含まれる複数の属性単語とペルソナ情報に含まれる複数の属性単語とを入力し、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報との間の類似度を示す類似度尺度を出力するモデルを記憶する。具体的には、モデル記憶部123は、各モデルのモデル計算式と、そのパラメータを記憶する。さらに、モデル記憶部123は、施設の広さ、規模、設備内容等の施設の情報もしくはこの情報にもとづたカテゴリ情報である施設基本情報ごとに異なるスコアを算出するように学習された複数のモデルを記憶する。
【0055】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、決定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(決定プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0056】
制御部130は、図4に示すように、取得部131と、受信部132と、推定部133と、特定部134と、決定部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0057】
(取得部131)
取得部131は、以下で説明される受信部132によって受信された、所定の施設の所定のエリアにおける商品またはサービスの提供対象者に係る属性情報等を取得する。取得部131は、取得した、商品またはサービスの提供対象者に係る属性情報等を属性情報等記憶部121に格納してもよい。
【0058】
取得部131は、以下で説明される受信部132によって受信された利用者の位置情報等を取得する。また、取得部131は、受信部132によって受信された、利用者の属性情報等を取得する。取得部131は、取得した利用者の位置情報等を属性情報等記憶部121に格納してもよい。また、取得部131は、取得した、利用者の属性情報等を属性情報等記憶部121に格納してもよい。
【0059】
取得部131は、以下で説明される受信部132によって受信された利用者が利用する所定の施設の所定のエリアに係る評価情報を取得する。取得部131は、取得した評価情報を属性情報等記憶部121に格納してもよい。
【0060】
また、取得部131は、モデル記憶部124から、所定のスコアを出力するモデルを取得する。取得部131は、例えば、所定のスコアを出力するモデル計算式、モデル計算式に用いるパラメータ等を取得する。また、取得部131は、モデル記憶部124から、メタ・ペルソナ情報に含まれる属性単語と、特定した利用者のペルソナ情報に含まれる属性単語とを入力し、属性単語間の類似度を出力するモデルを取得する。取得部131は、例えば、属性単語間の類似度を出力するモデル計算式、モデル計算式に用いるパラメータを取得する。また、取得部131は、モデル記憶部124から、メタ・ペルソナ情報に含まれる複数の属性単語とペルソナ情報に含まれる複数の属性単語とを入力し、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報との間の類似度を示す類似度尺度を出力するモデルを取得する。取得部131は、例えば、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報との間の類似度尺度を出力するモデル計算式、モデル計算式に用いるパラメータを取得する。さらに、取得部131は、所定の記憶装置等から、所定のモデル計算式、モデル計算式に用いるパラメータを取得し、モデル記憶部124に格納してもよい。
【0061】
(受信部132)
受信部132は、所定の施設の所定のエリアにおける商品またはサービスの提供者が所有する情報処理装置から、サービス等の提供対象者に係る属性情報等を受信する。また、受信部132は、サービス等の提供対象者に係る属性情報等を属性情報等記憶部121に格納してもよい。
【0062】
受信部132は、利用者端末装置10から利用者の位置情報等を受信する。受信部132は、例えば、利用者端末装置10に備えられた各種センサーが取得した位置情報等を利用者端末装置10から受信する。また、受信部132は、所定のポータルサイト、所定のECサイト等から、特定された利用者の属性情報等を受信する。受信部132は、例えば、所定のポータルサイト、所定のECサイト等から、特定された利用者の年齢、性別、家族構成、職業、居住地域、職務地域、閲覧状況、購買履歴等、SNS等から、発信、閲覧状況等を受信する。受信部132は、受信した利用者の位置情報等を属性情報等記憶部121に格納してもよい。また、受信部132は、受信した、特定された利用者の年齢、性別、家族構成、職業、居住地域、職務地域、閲覧状況、購買履歴等、SNS等での発信、閲覧状況等を属性情報等記憶部121に格納してもよい。
【0063】
受信部132は、利用者が利用する所定の施設の所定のエリアの評価情報を受信する。受信部132は、例えば、利用者が利用者端末装置10に入力した評価情報を利用者端末装置10から受信する。受信部132は、受信した、利用者が利用する所定の施設の所定のエリアの評価情報を属性情報等記憶部121に格納してもよい。
【0064】
受信部132は、所定の記憶装置から、所定のモデルデータを受信してもよい。受信部132は、例えば、所定のスコアを出力するモデル計算式、そのモデル計算式に用いるパラメータを受信する。受信部132は、例えば、属性単語間の類似度を出力するモデル計算式、そのモデル計算式に用いるパラメータを受信する。受信部132は、例えば、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報との間の類似度尺度を出力するモデル計算式、そのモデル計算式に用いるパラメータを受信する。また、受信部132は、受信したモデル計算式、パラメータをモデル記憶部124に格納してもよい。
【0065】
(推定部133)
推定部133は、取得部により取得された、所定の施設の所定のエリアにおける商品またはサービスの提供対象者に係る属性情報等に基づき、サービス等の提供対象者のメタ・サイコグラフィック属性、メタ・ビヘイビアル属性を推定する。推定部133は、例えば、ソーシャルメディアデータ、ウェブサイトデータ、カスタマーデータ等から、サービス等の提供対象者のメタ・サイコグラフィック属性、メタ・ビヘイビアル属性を推定する。
【0066】
推定部133は、特定された利用者について、所定のホームページやECサイトへのアクセス状況、SNS等での発信、閲覧状況等から、利用者のサイコグラフィック属性を推定する。推定部133は、例えば、所定のホームページやECサイトへのアクセス状況、SNS等での発信、閲覧状況等から、利用者の趣味、嗜好等を推定する。また、推定部133は、特定された利用者について、所定のホームページやECサイトへのアクセス状況、SNS等での発信、閲覧状況等から、利用者のビヘイビアル属性を推定する。推定部133は、例えば、所定のホームページやECサイトへのアクセス状況、SNS等での発信、閲覧状況等から、購買履歴、検索履歴、習慣等を推定する。
【0067】
推定部133は、取得部131により取得された、所定の施設の所定のエリアにおける商品またはサービスの提供対象者に係る属性情報等と、推定したメタ・サイコグラフィック属性及びメタ・ビヘイビアル属性とに基づいて、メタ・ペルソナ情報を生成する。
【0068】
推定部133は、以下で説明される特定部134によって特定された利用者について、取得部131により取得された利用者属性情報等と、推定したサイコグラフィック属性及びビヘイビアル属性とに基づいて、ペルソナ情報を生成する。
【0069】
推定部133は、例えば、所定のエリアのメタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報とを用いて、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、ビヘイビアル属性等について、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報との類似度を所定の方法で推定する。推定部133は、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報とに含まれている属性情報を比較する際、例えば、属性情報のうち、属性を示す単語である属性単語どうしの類似度を推定する。推定部133は、例えば、属性情報Aに含まれる属性単語aと属性情報A´に含まれる属性単語a´について、所定の方法で算出した類似度が所定の閾値以上である場合、属性単語a≒属性単語a´であるとして、属性単語aと属性単語a´とについて同義語とし、属性情報A´の属性単語a´に係る属性情報と、属性情報Aの属性単語aに係る属性情報とは、略同等の情報であると推定する。推定部133は、例えば、メタ・ペルソナ情報において、属性情報B(所得水準)について、1000万円(属性単語bとする)を条件として設定している場合で、属性情報B´(年収)が1200万円(属性単語b´とする)の場合、属性単語b´は、数値上、属性単語b以上であるとして、ペルソナ情報の年収はメタ・ペルソナ情報の所得水準以上であることから、属性情報B´の属性単語b´に係る属性情報は、属性情報Bの属性単語bに係る属性情報を満たすと推定する。また、推定部133は、例えば、メタ・ペルソナ情報において、属性情報C(タレント性)について、ビューティインフルエンサー(属性単語cとする)を条件として設定している場合で、ペルソナ情報において、属性情報C′(行動特性)について、ビューティインスタグラマー(属性単語c´とする)が設定されている場合、属性単語c⊃属性単語c´であるとして、ペルソナ情報の属性単語c´がメタ・ペルソナ情報の属性単語cに含まれ、属性情報C´の属性単語c´に係る属性情報は、属性情報Cの属性単語cに係る属性情報を満たすと推定する。
【0070】
推定部133は、例えば、所定の期間内に、所定の施設の所定のエリアにおける利用料金について、所定のスコアを、複数回、算出し、所定のスコアが所定の範囲内である場合、所定のスコアの平均値を基準スコアと推定する。推定部133は、例えば、所定の期間ごとに、所定の施設の所定のエリアにおける利用料金について、所定のスコアを、複数回、算出し、所定のスコアが基準スコアと比較して所定の範囲内である場合、適正な利用料金であると推定する。推定部133は、例えば、所定のエリアについて、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報と、利用料金と、利用者による評価値とを入力し、所定スコア算出処理方法により、スコアを出力するモデルを用いて、基準スコアを満たすように、エリアごとに、最適な利用料金を推定してもよい。また、推定部133は、例えば、利用料金について、所定の値上げまたは値下げについて、基準スコアに基づき、利用者による評価値の変動に基づき、適正な利用料金を推定する。
【0071】
(特定部134)
特定部134は、取得部131により取得された利用者の位置情報等を用いて、エリアごとに、そのエリアを訪問した利用者を特定する。特定部134は、特定した利用者と、その位置情報等とを紐づけて、属性情報等記憶部121に格納してもよい。
【0072】
(決定部135)
決定部135は、特定部134により特定された、所定の施設の所定のエリアを訪問した利用者について、特定された利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する。決定部135は、例えば、ペルソナ判定値と、所定のエリアの利用料金と、そのエリアに対する利用者の評価値とを用いて算出されたスコアに基づいて、エリアごとの利用料金を決定する。
【0073】
〔8.決定処理のフロー〕
次に、実施形態に係る決定装置100による決定処理の手順について説明する。
【0074】
図5は、実施形態に係る決定装置100によって実行される、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定するための処理手順を示すフローチャートである。
【0075】
図5に示すように、一実施形態では、はじめに、決定装置100は、所定の施設の所定のエリアごとに、商品またはサービスを提供する提供者が、その商品またはサービスの提供を受けると想定する利用者について、メタ・ペルソナ情報を生成する(ステップS100)。
【0076】
次いで、決定装置100は、利用者の位置情報等を取得する(ステップS101)。決定装置100は、例えば、利用者が所有する利用者端末装置10に備えられた各種センサーが取得した位置情報等を、利用者端末装置10から取得する。
【0077】
次いで、決定装置100は、エリアごとに、そのエリアを訪問した利用者を特定する(ステップS102)。決定装置100は、例えば、取得した位置情報等を用いて、エリアごとに、そのエリアを訪問した利用者を特定する。
【0078】
次いで、決定装置100は、特定した利用者の属性情報等を取得する(ステップS103)。決定装置100は、例えば、利用者について、マーケットリサーチ等の所定の方法で取得された年齢、性別、職業、職歴、所得水準等を含む情報を取得する。
【0079】
次いで、決定装置100は、特定した利用者の属性情報等に基づき、特定した利用者のペルソナ情報を生成する(ステップS104)。決定装置100は、例えば、利用者の属性情報等を用いて、利用者のデモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、ビヘイビアル属性等に係るペルソナ情報を生成する。
【0080】
次いで、決定装置100は、決定装置100は、特定した利用者から、利用しているエリアに係る評価を収集する(ステップS105)。決定装置100は、例えば、所定の方法で、エリアごとに利用者の評価を、利用者端末装置10等から収集する。
【0081】
次いで、決定装置100は、エリアごとに、メタ・ペルソナ情報と、特定した利用者のペルソナ情報と、収集した利用者の評価等に基づき、所定のスコアを算出する(ステップS106)。決定装置100は、例えば、メタ・ペルソナ情報とペルソナ情報とに基づき算出されたペルソナ判定値と、所定のエリア利用料金と、利用者による評価値とを乗算し、スコアを算出する。
【0082】
次いで、決定装置100は、算出したスコアに基づいて、エリアごとの利用料金を決定する(ステップS107)。決定装置100は、算出したスコアに基づき、例えば、各エリアを利用する利用者にとって「同然に、この価格であろう」と納得する利用料金を決定する。
【0083】
〔9.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0084】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0085】
例えば、図4に示した記憶部120の一部又は全部は、決定装置100によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、決定装置100は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0086】
上記実施形態において説明した各処理について、エステティックサロン、高級バー、ゴルフクラブハウスを対象として説明したが、これらに限定されることはなく、一般的な商業施設、娯楽施設、住宅施設、宿泊施設、病院等、所定のサービス等を提供する各施設を対象としてもよい。
【0087】
〔10.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る決定装置100は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0088】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0089】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0090】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0091】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0092】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0093】
例えば、コンピュータ1000が決定装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。
【0094】
〔11.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決定装置100は、特定部134と、決定部135とを有する。
【0095】
実施形態に係る決定装置100において、特定部134は、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定する。また、決定部135は、特定部134により特定された利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定する。
【0096】
実施形態に係る決定装置100において、特定部134は、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した複数の利用者に係る代表的な仮想的利用者について、利用者として特定する。
【0097】
実施形態に係る決定装置100において、取得部131は、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者の位置情報を取得する。また、特定部134は、取得部131により取得された位置情報に基づき利用者を特定する。
【0098】
実施形態に係る決定装置100において、取得部131は、特定部134により特定された利用者に係る属性情報を取得する。
【0099】
実施形態に係る決定装置100において、取得部131は、所定の施設の所定のエリアにおける商品またはサービスの提供対象者に係る属性情報を取得する。
【0100】
実施形態に係る決定装置100において、推定部133は、特定部134により特定された利用者について、取得部131により取得された利用者の属性情報に基づき、所定の属性を推定し、推定された属性を用いて利用者に係る顧客像に関する情報を生成する。
【0101】
実施形態に係る決定装置100において、推定部133は、取得部134により取得された、所定の施設の所定のエリアにおける商品またはサービスの提供対象者に係る属性情報に基づき、所定の属性を推定し、推定された属性を用いて所定のエリアに係る顧客像に関する情報を生成する。
【0102】
実施形態に係る決定装置100において、取得部131は、特定部134により特定された利用者が訪問したエリアについて、利用者による評価情報を取得する。
【0103】
実施形態に係る決定装置100において、推定部133は、特定部134により特定された利用者について、利用者に係る顧客像に関する情報と、所定のエリアに係る顧客像に関する情報との類似度を、所定の方法により推定する。
【0104】
実施形態に係る決定装置100において、推定部133は、特定部134により特定された利用者について、利用者に係る顧客像に関する情報と、所定のエリアに係る顧客像に関する情報との類似度と、所定のエリアの利用料金と、所定のエリアに係る利用者による評価情報とに基づき、所定の方法で、所定のエリアに係るスコアを算出する。
【0105】
実施形態に係る決定装置100において、推定部133は、所定の期間内に、所定の施設の所定のエリアにおける利用料金について、スコアを、複数回、算出し、スコアが所定の範囲内である場合、スコアの平均値を基準スコアと推定する。
【0106】
実施形態に係る決定装置100において、推定部133は、所定の期間ごとに、所定の施設の所定のエリアにおける利用料金について、スコアを、複数回、算出し、スコアが基準スコアと比較して所定の範囲内である場合、利用料金は適正であると推定する。
【0107】
実施形態に係る決定装置100において、推定部133は、特定部134により特定された利用者について、利用者に係る顧客像に関する情報と、所定のエリアに係る顧客像に関する情報との類似度と、所定のエリアの利用料金と、所定のエリアに係る利用者による評価情報を入力し、所定の方法で、所定のエリアに係るスコアを算出するモデルを用いて、所定のエリアの利用料金が適正であるか否かを推定する。
【0108】
上述した各処理により、決定装置100は、効率的に、所定の施設の所定のエリアごとに訪問した利用者を特定し、特定した利用者の属性情報と評価情報とに基づいて、当該所定のエリアに応じて最適化された利用料金を決定することができる。
【0109】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0110】
また、上述した決定装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0111】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0112】
1 決定システム
10 利用者端末装置
100 決定装置
110 通信部
120 記憶部
121 属性情報等記憶部
122 メタ・ペルソナ情報記憶部
123 ペルソナ情報記憶部
124 モデル記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受信部
133 推定部
134 特定部
135 決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6