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特開2024-132672販売管理装置、原価管理システム、販売管理方法、及び販売管理プログラム
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  • 特開-販売管理装置、原価管理システム、販売管理方法、及び販売管理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132672
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】販売管理装置、原価管理システム、販売管理方法、及び販売管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043536
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米津 侑佑
(72)【発明者】
【氏名】林 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】田口 正賢
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB64
5L055BB64
(57)【要約】      (修正有)
【課題】管理粒度の異なる製造品と、製造品を材料として使用して製作された販売品の紐づけ情報である紐づけのためのコードを設定することで原価を一元管理する販売管理装置、システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】原価管理システム1において、製造管理装置は、製品品番マスタおよび製品標準原価単価マスタを基に、管理コード別かつ単価集計区分別に、生産予定数を重みとした標準原価単価の加重平均を算出し、算出した加重平均と管理コードとを含む連携管理原価単価マスタを作成し、作成した連携管理原価単価マスタを販売管理装置に送信し、販売管理装置は、連携管理原価単価マスタを受信し、販売品品番マスタを参照して、連携管理原価単価マスタに含まれる管理コードに紐づく販売品を特定し、販売品標準原価単価マスタに含まれる、特定した販売品に紐づく標準原価単価を、連携管理原価単価マスタに含まれる加重平均で更新する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造品の管理を行う製造管理装置とネットワークを介して通信可能に接続されている、前記製造品を材料として使用して製作された販売品の管理を行う販売管理装置であって、
1)前記製造品の生産予定数を、前記製造品および前記販売品を紐づけるための紐づけ情報と紐づけて管理する第一データならびに前記製造品の標準原価単価を所定の区分と紐づけて管理する第二データを基に、前記製造管理装置が前記紐づけ情報別かつ前記所定の区分別に算出した、前記生産予定数を重みとした前記標準原価単価の加重平均と、2)前記紐づけ情報と、を含む、前記製造管理装置が作成し送信した第三データを受信する受信部と、
前記販売品を前記紐づけ情報と紐づけて管理する第四データを参照して、前記第三データに含まれる前記紐づけ情報に紐づく前記販売品を特定し、前記販売品の前記標準原価単価を前記所定の区分と紐づけて管理する第五データに含まれる、特定した前記販売品に紐づく前記標準原価単価を、前記第三データに含まれる前記加重平均で更新する更新部と、
を備えること、
を特徴とする販売管理装置。
【請求項2】
1)前記販売品の売上データを参照して前記販売品の売上数量を取得すると共に、前記第四データを参照して前記販売品に紐づく前記紐づけ情報を取得し、2)前記第三データを参照して、取得した前記紐づけ情報に紐づく、前記所定の区分別の前記加重平均を取得し、3)取得した前記売上数量に、取得した前記加重平均を掛けて、前記所定の区分別の売上原価を算出し、4)算出した前記売上原価を基に仕訳データを作成する仕訳データ作成部
をさらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の販売管理装置。
【請求項3】
1)前記売上データおよび前記第四データを参照して前記紐づけ情報単位で売上金額を集計すると共に、前記売上データ、前記第三データ、および前記第四データを参照して前記紐づけ情報単位で前記所定の区分別に前記加重平均を集計し、2)前記売上金額の集計値、前記加重平均の集計値、および前記紐づけ情報を含む集計データを作成する集計データ作成部
をさらに備えること、
を特徴とする請求項2に記載の販売管理装置。
【請求項4】
前記所定の区分は、限界原価または固定費を意味するものであること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の販売管理装置。
【請求項5】
製造品の管理を行う製造管理装置と、前記製造品を材料として使用して製作された販売品の管理を行う販売管理装置と、がネットワークを介して通信可能に接続されている原価管理システムであって、
前記製造管理装置は、
前記製造品の生産予定数を、前記製造品および前記販売品を紐づけるための紐づけ情報と紐づけて管理する第一データならびに前記製造品の標準原価単価を所定の区分と紐づけて管理する第二データを基に、前記紐づけ情報別かつ前記所定の区分別に、前記生産予定数を重みとした前記標準原価単価の加重平均を算出し、算出した前記加重平均と前記紐づけ情報とを含む第三データを作成する第三データ作成部と、
前記第三データを前記販売管理装置に送信する送信部と、
を備え、
前記販売管理装置は、
前記製造管理装置から送信された前記第三データを受信する受信部と、
前記販売品を前記紐づけ情報と紐づけて管理する第四データを参照して、前記第三データに含まれる前記紐づけ情報に紐づく前記販売品を特定し、前記販売品の前記標準原価単価を前記所定の区分と紐づけて管理する第五データに含まれる、特定した前記販売品に紐づく前記標準原価単価を、前記第三データに含まれる前記加重平均で更新する更新部と、
を備えること、
を特徴とする原価管理システム。
【請求項6】
製造品の管理を行う製造管理装置とネットワークを介して通信可能に接続されている、前記製造品を材料として使用して製作された販売品の管理を行う販売管理装置が備える受信部が、1)前記製造品の生産予定数を、前記製造品および前記販売品を紐づけるための紐づけ情報と紐づけて管理する第一データならびに前記製造品の標準原価単価を所定の区分と紐づけて管理する第二データを基に、前記製造管理装置が前記紐づけ情報別かつ前記所定の区分別に算出した、前記生産予定数を重みとした前記標準原価単価の加重平均と、2)前記紐づけ情報と、を含む、前記製造管理装置が作成し送信した第三データを受信する受信ステップと、
前記販売管理装置が備える更新部が、前記販売品を前記紐づけ情報と紐づけて管理する第四データを参照して、前記第三データに含まれる前記紐づけ情報に紐づく前記販売品を特定し、前記販売品の前記標準原価単価を前記所定の区分と紐づけて管理する第五データに含まれる、特定した前記販売品に紐づく前記標準原価単価を、前記第三データに含まれる前記加重平均で更新する更新ステップと、
を含むこと、
を特徴とする販売管理方法。
【請求項7】
製造品の管理を行う製造管理装置とネットワークを介して通信可能に接続されている、前記製造品を材料として使用して製作された販売品の管理を行う販売管理装置を、
1)前記製造品の生産予定数を、前記製造品および前記販売品を紐づけるための紐づけ情報と紐づけて管理する第一データならびに前記製造品の標準原価単価を所定の区分と紐づけて管理する第二データを基に、前記製造管理装置が前記紐づけ情報別かつ前記所定の区分別に算出した、前記生産予定数を重みとした前記標準原価単価の加重平均と、2)前記紐づけ情報と、を含む、前記製造管理装置が作成し送信した第三データを受信する受信手段、
前記販売品を前記紐づけ情報と紐づけて管理する第四データを参照して、前記第三データに含まれる前記紐づけ情報に紐づく前記販売品を特定し、前記販売品の前記標準原価単価を前記所定の区分と紐づけて管理する第五データに含まれる、特定した前記販売品に紐づく前記標準原価単価を、前記第三データに含まれる前記加重平均で更新する更新手段、
として機能させるための販売管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売管理装置、原価管理システム、販売管理方法、及び販売管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上流の業務と下流の業務とでデータ粒度が異なるデータを連携し得る計算機システム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-201532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、工場および販売拠点を持つメーカーでは、製造側で管理している製造品と販売側(営業側)で管理している販売品の管理体系が異なる場合がある。この場合、製造側と販売側で原価管理を独立させ、製造側と販売側の各々で、基準とする原価基準(標準原価)での管理を行うことが考えられるが、原価管理が独立しているが故に、各部門において煩雑な会計処理が発生するという問題、それに伴い各部門において管理コストの増加が発生するという問題、および決算処理期間の面での問題などがあった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、管理粒度の異なる製造品と販売品(製造品を材料として使用して製作されたもの)の紐づけ情報(例:紐づけのためのコード)を設定することで原価の一元管理ができる販売管理装置、原価管理システム、販売管理方法、及び販売管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる販売管理装置は、製造品の管理を行う製造管理装置とネットワークを介して通信可能に接続されている、前記製造品を材料として使用して製作された販売品の管理を行う販売管理装置であって、1)前記製造品の生産予定数を、前記製造品および前記販売品を紐づけるための紐づけ情報と紐づけて管理する第一データならびに前記製造品の標準原価単価を所定の区分と紐づけて管理する第二データを基に、前記製造管理装置が前記紐づけ情報別かつ前記所定の区分別に算出した、前記生産予定数を重みとした前記標準原価単価の加重平均と、2)前記紐づけ情報と、を含む、前記製造管理装置が作成し送信した第三データを受信する受信部と、前記販売品を前記紐づけ情報と紐づけて管理する第四データを参照して、前記第三データに含まれる前記紐づけ情報に紐づく前記販売品を特定し、前記販売品の前記標準原価単価を前記所定の区分と紐づけて管理する第五データに含まれる、特定した前記販売品に紐づく前記標準原価単価を、前記第三データに含まれる前記加重平均で更新する更新部と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
なお、本発明にかかる販売管理装置は、1)前記販売品の売上データを参照して前記販売品の売上数量を取得すると共に、前記第四データを参照して前記販売品に紐づく前記紐づけ情報を取得し、2)前記第三データを参照して、取得した前記紐づけ情報に紐づく、前記所定の区分別の前記加重平均を取得し、3)取得した前記売上数量に、取得した前記加重平均を掛けて、前記所定の区分別の売上原価を算出し、4)算出した前記売上原価を基に仕訳データを作成する仕訳データ作成部をさらに備えてもよい。
【0008】
また、発明にかかる販売管理装置は、1)前記売上データおよび前記第四データを参照して前記紐づけ情報単位で売上金額を集計すると共に、前記売上データ、前記第三データ、および前記第四データを参照して前記紐づけ情報単位で前記所定の区分別に前記加重平均を集計し、2)前記売上金額の集計値、前記加重平均の集計値、および前記紐づけ情報を含む集計データを作成する集計データ作成部をさらに備えてもよい。
【0009】
また、発明にかかる販売管理装置において、前記所定の区分は、限界原価または固定費を意味するものでもよい。
【0010】
また、本発明にかかる原価管理ステムは、製造品の管理を行う製造管理装置と、前記製造品を材料として使用して製作された販売品の管理を行う販売管理装置と、がネットワークを介して通信可能に接続されている原価管理システムであって、前記製造管理装置は、前記製造品の生産予定数を、前記製造品および前記販売品を紐づけるための紐づけ情報と紐づけて管理する第一データならびに前記製造品の標準原価単価を所定の区分と紐づけて管理する第二データを基に、前記紐づけ情報別かつ前記所定の区分別に、前記生産予定数を重みとした前記標準原価単価の加重平均を算出し、算出した前記加重平均と前記紐づけ情報とを含む第三データを作成する第三データ作成部と、前記第三データを前記販売管理装置に送信する送信部と、を備え、前記販売管理装置は、前記製造管理装置から送信された前記第三データを受信する受信部と、前記販売品を前記紐づけ情報と紐づけて管理する第四データを参照して、前記第三データに含まれる前記紐づけ情報に紐づく前記販売品を特定し、前記販売品の前記標準原価単価を前記所定の区分と紐づけて管理する第五データに含まれる、特定した前記販売品に紐づく前記標準原価単価を、前記第三データに含まれる前記加重平均で更新する更新部と、を備えること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる販売管理方法は、製造品の管理を行う製造管理装置とネットワークを介して通信可能に接続されている、前記製造品を材料として使用して製作された販売品の管理を行う販売管理装置が備える受信部が、1)前記製造品の生産予定数を、前記製造品および前記販売品を紐づけるための紐づけ情報と紐づけて管理する第一データならびに前記製造品の標準原価単価を所定の区分と紐づけて管理する第二データを基に、前記製造管理装置が前記紐づけ情報別かつ前記所定の区分別に算出した、前記生産予定数を重みとした前記標準原価単価の加重平均と、2)前記紐づけ情報と、を含む、前記製造管理装置が作成し送信した第三データを受信する受信ステップと、前記販売管理装置が備える更新部が、前記販売品を前記紐づけ情報と紐づけて管理する第四データを参照して、前記第三データに含まれる前記紐づけ情報に紐づく前記販売品を特定し、前記販売品の前記標準原価単価を前記所定の区分と紐づけて管理する第五データに含まれる、特定した前記販売品に紐づく前記標準原価単価を、前記第三データに含まれる前記加重平均で更新する更新ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる販売管理プログラムは、製造品の管理を行う製造管理装置とネットワークを介して通信可能に接続されている、前記製造品を材料として使用して製作された販売品の管理を行う販売管理装置を、1)前記製造品の生産予定数を、前記製造品および前記販売品を紐づけるための紐づけ情報と紐づけて管理する第一データならびに前記製造品の標準原価単価を所定の区分と紐づけて管理する第二データを基に、前記製造管理装置が前記紐づけ情報別かつ前記所定の区分別に算出した、前記生産予定数を重みとした前記標準原価単価の加重平均と、2)前記紐づけ情報と、を含む、前記製造管理装置が作成し送信した第三データを受信する受信手段、前記販売品を前記紐づけ情報と紐づけて管理する第四データを参照して、前記第三データに含まれる前記紐づけ情報に紐づく前記販売品を特定し、前記販売品の前記標準原価単価を前記所定の区分と紐づけて管理する第五データに含まれる、特定した前記販売品に紐づく前記標準原価単価を、前記第三データに含まれる前記加重平均で更新する更新手段、として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、管理粒度の異なる製造品と販売品(製造品を材料として使用して製作されたもの)の紐づけ情報(例:紐づけのためのコード)を設定することで原価の一元管理ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施の形態の概要を示す図である。
図2図2は、本実施の形態に係る原価管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態における原価管理システムで行われる処理フローの一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における原価管理システムで行われる各処理の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における各データ作成処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る販売管理装置、原価管理システム、販売管理方法、および販売管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
まず、本実施形態の概要を、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態の概要を示す図である。
【0017】
図1に示すように、製造側(製造管理装置)でライン別製造品別に標準原価を管理し、営業側(販売管理装置)で品目別に標準原価を管理し、荷姿別(例:色別)に在庫管理を行う場合、製造品(例:包装紙)と販売品(例:標準原価単価が異なる複数の包装紙を材料として使用し色付けして製作された色別の包装箱)で原価管理の粒度が異なるため、品目単位(販売品の原価管理単位)での原価算出が必要となる(※算出方法:「製造品の標準原価単価と生産数での加重平均」)。しかし、販売品の在庫管理単位がさらに細かくなる場合は、原価算出と販売品への原価の紐づけを行う必要があり、管理や決算処理に時間がかかることが課題となっていた。
【0018】
そこで、本実施形態では、品番管理体系が製造管理装置と販売管理装置間で異なる場合において、製造品と販売品の紐づきを管理する管理コード(例:管理A)を新設する。これにより、製造管理装置で管理されている品番と管理コードと販売管理装置で管理されている品番とを、「M:1:N」の関係で管理することができるので、製造管理装置側と販売管理装置側で独立して管理している原価の一元管理が汎用的に可能となる。そして、その結果、作業負荷が軽減され、より正確な原価の把握が効率的に可能となり、それに伴い決算処理の早期化および効率化の効果が期待できる。
【0019】
また、本実施形態では、販売品単位での収支管理だけでなく、管理コード単位での収支管理も可能になるので、仕入商品の標準原価管理や、製品(標準原価)と原材料(実際原価)の混在にも対応可能となる。また、本実施形態では、原価仕訳に変動費または固定費などの内訳を保持しているため、分析または経営資料作成への活用も期待できる。
【0020】
[2.構成]
本実施形態に係る原価管理システム1の構成の一例について、図2等を参照して説明する。図2は、原価管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
原価管理システム1は、少なくとも製造管理装置100と販売管理装置200とが、ネットワーク300を介して通信可能に接続されている情報処理システムである。
【0022】
製造管理装置100は、製造品の情報管理を行う情報処理装置である。製造管理装置100は、例えば、製造品を製造する工場等に設置される。
【0023】
製造管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、製造管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0024】
製造管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。製造管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、製造管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、製造管理装置100とサーバ400とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ400(具体的には、製造管理装置100からのみアクセス可能に管理されている記憶領域など)に格納されてもよい。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0028】
記憶部106は、製品品番マスタ106a(本発明の第一データに相当)、製品標準原価単価マスタ106b(本発明の第二データに相当)、連携管理原価単価マスタ106c(本発明の第三データに相当)等を格納する。
【0029】
図3には、製品品番マスタ106aに格納される情報の一例が示されている。製品品番マスタ106aは、図3で示すように、製造品に割当てられた製品識別情報(例えば製品品番コード等)、製造品と販売品の紐づけを管理するための管理識別情報(例えば管理コード等)、および生産予定数等を格納する。
【0030】
図3には、製品標準原価単価マスタ106bに格納される情報の一例が示されている。製品標準原価単価マスタ106bは、図3で示すように、製品識別情報、原価の費目である原価費目(例えば材料費等)、標準原価単価、および単価集計区分(本発明の所定の区分に相当)等を格納する。
【0031】
図3図4には、連携管理原価単価マスタ106cに格納される情報の一例が示されている。連携管理原価単価マスタ106cは、図3図4で示すように、管理識別情報、限界原価単価(単価集計区分「限界原価」に対応)、および固定費単価(単価集計区分「固定費」に対応)等を格納する。
【0032】
図2に戻り、制御部102は、製造管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0033】
制御部102は、機能概念的に、管理単価計算処理部102a(本発明の第三データ作成部に相当)および管理単価連携処理部102b(本発明の送信部に相当)などを備える。
【0034】
管理単価計算処理部102aは、製品品番マスタ106aおよび製品標準原価単価マスタ106bを基に、管理識別情報別かつ単価集計区分別に、生産予定数を重みとした標準原価単価の加重平均を算出し、算出した単価集計区分別の加重平均と管理識別情報の組み合わせを連携管理原価単価マスタ106cに格納する。
【0035】
具体的には、管理単価計算処理部102aは、1)製品品番マスタ106aおよび製品標準原価単価マスタ106bを参照して、管理識別情報別かつ単価集計区分別に、製造識別情報と標準原価単価と生産予定数との組み合わせを抽出し、2)抽出した各組み合わせに対し、標準原価単価と生産予定数の積の算出を行って、製造識別情報と積と生産予定数との組み合わせを作成し、3)管理識別情報別かつ単価集計区分別に作成した組み合わせを基に、「積の合計÷生産予定数の合計」という計算式により、管理識別情報別かつ単価集計区分別に当該計算式の値を算出し、4)算出した単価集計区分別の値と管理識別情報の組み合わせを連携管理原価単価マスタ106cに格納する。
【0036】
管理単価連携処理部102bは、連携管理原価単価マスタ106c(具体的には、当該マスタに格納されているレコード)を販売管理装置200に送信する。
【0037】
販売管理装置200は、製造品を材料として使用して製作された販売品の情報管理を行う情報処理装置である。販売管理装置200は、例えば、販売品を販売する販売拠点(例:販売店、営業所等)に設置される。
【0038】
販売管理装置200は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、販売管理装置200は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0039】
販売管理装置200は、制御部202と通信インターフェース部204と記憶部206と入出力インターフェース部208と、を備えている。販売管理装置200が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0040】
通信インターフェース部204は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、販売管理装置200をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部204は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、販売管理装置200とサーバ400とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部206に格納されるデータは、例えばサーバ400(具体的には、販売管理装置200からのみアクセス可能に管理されている記憶領域など)に格納されてもよい。
【0041】
入出力インターフェース部208には、入力装置212および出力装置214が接続されている。出力装置214には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置212には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置214をモニタ214とし、入力装置212をキーボード212またはマウス212として記載する場合がある。
【0042】
記憶部206には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部206には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部206として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0043】
記憶部206は、販売品品番マスタ206a(本発明の第四データに相当)、販売品標準原価単価マスタ206b(本発明の第五データに相当)、連携管理原価単価マスタ206c、売上データ206d、仕訳データ206e、および管理別売上原価データ206f(本発明の集計データに相当)等を格納する。
【0044】
図3図5には、販売品品番マスタ206aに格納される情報の一例が示されている。販売品品番マスタ206aは、図3図5で示すように、販売品に割当てられた販売品識別情報(例えば販売品品番コードなど)および管理識別情報等を格納する。
【0045】
図3には、販売品標準原価単価マスタ206bに格納される情報の一例が示されている。販売品標準原価単価マスタ206bは、図3で示すように、販売品識別情報、原価費目(本発明の所定の区分に相当)および標準原価単価等を格納する。
【0046】
図3図4、および図5には、連携管理原価単価マスタ206cに格納される情報の一例が示されている。連携管理原価単価マスタ206cは、図3図4、および図5で示すように、管理識別情報、限界原価単価、および固定費単価等を格納する。
【0047】
図5には、売上データ206dに格納される情報の一例が示されている。売上データ206dは、図5で示すように、売上識別情報、販売品識別情報、売上金額、売上数量、および売上日付等を格納する。
【0048】
図5には、仕訳データ206eに格納される情報の一例が示されている。仕訳データ206eは、図5で示すように、仕訳識別情報、発生日、貸借区分、勘定科目、および金額等を格納する。
【0049】
図5には、管理別売上原価データ206fに格納される情報の一例が示されている。管理別売上原価データ206fは、図5で示すように、管理識別情報、会計年月、売上金額、変動費金額、および固定費金額等を格納する。
【0050】
図2に戻り、制御部202は、販売管理装置200を統括的に制御するCPU等である。制御部202は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0051】
制御部202は、機能概念的に、管理単価連携処理部202a(本発明の受信部に相当)、標準原価更新処理部202b(本発明の更新部に相当)、売上入力部202c、仕訳データ作成処理部202d、および管理別売上原価データ作成処理部202e(本発明の集計データ作成部に相当)などを備える。
【0052】
管理単価連携処理部202aは、製造管理装置100から送信された連携管理原価単価マスタ106c(具体的には、当該マスタに格納されているレコード)を受信し、連携管理原価単価マスタ106cに格納されている管理識別情報、限界原価単価、および固定費単価を、連携管理原価単価マスタ206cに格納する。
【0053】
標準原価更新処理部202bは、販売品品番マスタ206aを参照して、連携管理原価単価マスタ206cに含まれる管理識別情報に紐づく販売品識別情報を特定し、販売品標準原価単価マスタ206bに含まれる、当該特定した販売品識別情報と原価費目「限界原価」とに紐づく標準原価単価を、連携管理原価単価マスタ206cに含まれる限界原価単価で更新し、販売品標準原価単価マスタ206bに含まれる、当該特定した販売品識別情報と原価費目「固定費」とに紐づく標準原価単価を、連携管理原価単価マスタ206cに含まれる固定費単価で更新する。
【0054】
売上入力部202cは、オペレータ等により入力された売上数量等を売上識別情報と共に売上データ206dに格納する。
【0055】
仕訳データ作成処理部202dは、売上データ206dを参照して仕訳データ206eを作成する。特に、仕訳データ作成処理部202dは、1)売上データ206dを参照して、販売品識別情報と売上数量とを取得すると共に、販売品品番マスタ206aを参照して、取得した販売品識別情報に紐づく管理識別情報を取得し、2)連携管理原価単価マスタ206cを参照して、取得した管理識別情報に紐づく限界原価単価および固定費単価を取得し、3)取得した売上数量を、取得した限界原価単価および固定費単価のそれぞれに掛けて、変動費の売上原価と固定費の売上原価を算出し、算出した各売上原価を基に変動費の仕訳データと固定費の仕訳データを作成する。
【0056】
管理別売上原価データ作成処理部202eは、1)販売品品番マスタ206aおよび売上データ206dを参照して、管理識別情報単位で売上金額を集計すると共に、販売品品番マスタ206a、連携管理原価単価マスタ206c、および売上データ206dを参照して、管理識別情報単位で、限界原価単価と固定費単価をそれぞれ集計し、2)売上金額の集計値、限界原価単価の集計値、固定費単価の集計値、および管理識別情報等を管理別売上原価データ206fに格納する。
【0057】
[3.処理]
ここでは、原価管理システム1で実行される処理の一例について、図3から図5を参照して説明する。図3は、本実施形態における原価管理システムで行われる処理フローの一例を示す図である。図4は、本実施形態における原価管理システムで行われる各処理の一例を示す図である。図5は、本実施形態における各データ作成処理の一例を示す図である。
【0058】
[ステップS1:図3図4参照]
管理単価計算処理部102aは、以下の1)から6)の処理を実行する。
1)製品品番マスタ106aおよび製品標準原価単価マスタ106bを参照して、管理コード別かつ単価集計区分「限界原価」単位に、製品品番コードと標準原価単価と生産予定数との組み合わせを抽出する。
2)管理コード別かつ単価集計区分「固定費」単位に、製品品番コードと標準原価単価と生産予定数との組み合わせを抽出する。
3)抽出した各組み合わせに対し、標準原価単価と生産予定数の積の算出を行って、製品品番コードと積と生産予定数との組み合わせを作成する。
4)管理コード別かつ単価集計区分「限界原価」単位に作成した組み合わせを基に、「積の合計÷生産予定数の合計」という計算式により、管理コード別かつ単価集計区分「限界原価」単位に当該計算式の値を算出する。
5)管理コード別かつ単価集計区分「固定費」単位に作成した組み合わせを基に、「積の合計÷生産予定数の合計」という計算式により、管理コード別かつ単価集計区分「固定費」単位に当該計算式の値を算出する。
6)算出した単価集計区分「限界原価」単位の値(限界原価単価)と算出した単価集計区分「固定費」単位の値(固定費単価)と管理コードの組み合わせを連携管理原価単価マスタ106cに格納する。
【0059】
具体的には、管理単価計算処理部102aは、製品品番マスタ106aで設定した製品品番コードと管理コードの紐づきおよび製品標準原価単価マスタ106bの設定をまとめて図4のワークテーブルAを作成し、作成したワークテーブルAを基に、以下の計算により、単価集計区分「限界原価」の平均原価単価(限界原価単価)「156円」と、単価集計区分「固定費」の平均原価単価(固定費単価)「78円」を算出し、算出した限界原価単価「156円」および固定費単価「78円」を管理コード「管理A」とともに連携管理原価単価マスタ106cに格納する。
●単価集計区分「限界原価」の平均原価単価={(120円※1×40個※2)+(180円※3×60個※4)}÷(40個※2+60個※4)=156円
※1:製品品番コード「製品A-1」、管理コード「管理A」、および単価集計区分「限界原価」に紐づく標準原価単価
※2:製品品番コード「製品A-1」に紐づく生産予定数
※3:製品品番コード「製品A-2」、管理コード「管理A」、および単価集計区分「限界原価」に紐づく標準原価単価
※4:製品品番コード「製品A-2」に紐づく生産予定数
●単価集計区分「固定費」の平均原価単価={(60円※5×40個※2)+(90円※6×60個※4)}÷(40個※2+60個※4)=78円
※5:製品品番コード「製品A-1」、管理コード「管理A」、および単価集計区分「固定費」に紐づく標準原価単価
※6:製品品番コード「製品A-2」、管理コード「管理A」、および単価集計区分「固定費」に紐づく標準原価単価
【0060】
[ステップS2:図3図4参照]
管理単価連携処理部102bは、連携管理原価単価マスタ106cに含まれるレコードを販売管理装置200へネットワーク300を介して送信し、管理単価連携処理部202aは、販売管理装置200から送信されたレコードを受信して連携管理原価単価マスタ206cに格納する。
【0061】
[ステップS3:図3図4参照]
標準原価更新処理部202bは、以下の1)から3)の処理を実行する。
1)販売品品番マスタ206aを参照して、連携管理原価単価マスタ206cに含まれる管理コードに紐づく販売品品番コードを特定する。
2)販売品標準原価単価マスタ206bに含まれる、特定した販売品品番コードと原価費目「限界原価」とに紐づく標準原価単価を、連携管理原価単価マスタ206cに含まれる限界原価単価で更新する。
3)販売品標準原価単価マスタ206bに含まれる、特定した販売品品番コードと原価費目「固定費」とに紐づく標準原価単価を、連携管理原価単価マスタ206cに含まれる固定費単価で更新する。
【0062】
具体的には、標準原価更新処理部202bは、1)販売品品番マスタ206aで設定された販売品品番コードと管理コードの紐づきおよび連携管理原価単価マスタ206cを基に、販売品品番コード単位で限界原価単価および固定費単価をまとめた図4のワークテーブルBを作成し、2)販売品標準原価単価マスタ206b内の標準原価単価を、作成したワークテーブルBを基に、以下の通り更新する。
●販売品標準原価単価マスタ206bに含まれる、販売品品番コード「販売品1」と原価費目「限界原価」に紐づく標準原価単価を、ワークテーブルBに格納されている販売品品番コード「販売品1」に紐づく限界原価単価「156円」で更新する。
●販売品標準原価単価マスタ206bに含まれる、販売品品番コード「販売品1」と原価費目「固定費」に紐づく標準原価単価を、ワークテーブルBに格納されている販売品品番コード「販売品1」に紐づく固定費単価「78円」で更新する。
●販売品標準原価単価マスタ206bに含まれる、販売品品番コード「販売品2」と原価費目「限界原価」に紐づく標準原価単価を、ワークテーブルBに格納されている販売品品番コード「販売品2」に紐づく限界原価単価「156円」で更新する。
●販売品標準原価単価マスタ206bに含まれる、販売品品番コード「販売品2」と原価費目「固定費」に紐づく標準原価単価を、ワークテーブルBに格納されている販売品品番コード「販売品2」に紐づく固定費単価「78円」で更新する。
●販売品標準原価単価マスタ206bに含まれる、販売品品番コード「販売品3」と原価費目「限界原価」に紐づく標準原価単価を、ワークテーブルBに格納されている販売品品番コード「販売品3」に紐づく限界原価単価「156円」で更新する。
●販売品標準原価単価マスタ206bに含まれる、販売品品番コード「販売品3」と原価費目「固定費」に紐づく標準原価単価を、ワークテーブルBに格納されている販売品品番コード「販売品3」に紐づく固定費単価「78円」で更新する。
【0063】
[ステップS4:図5参照]
売上入力部202cは、オペレータ等の入力等により売上データ206dを作成する。
【0064】
ここで、以下のステップS5以降の処理を説明するにあたり、製造管理装置100と販売管理装置200の間で、双方の連携管理原価単価マスタが連携されていることを前提とする。
【0065】
[ステップS5:図5参照]
仕訳データ作成処理部202dは、作成された売上データ206dを基に、販売品品番マスタ206aおよび連携管理原価単価マスタ206cを参照して、仕訳データ206eを作成する(ステップS5)。なお、作成する仕訳について、本説明では原価対立法を採用する。
【0066】
具体的には、仕訳データ作成処理部202dは、売上データ206dの売上番号「UR001」を仕訳番号「001」として紐づけし、売上番号「UR002」についても同様の紐づけを行う。仕訳データ作成処理部202dは、仕訳番号に紐づけされた元の売上データ206dの売上番号のレコードから売上日付を取得し、仕訳データ206eの発生日のカラムに格納する。仕訳データ作成処理部202dは、発生する仕訳について、原価対立法に従い、貸借区分のカラムに「貸方」および「借方」を格納する。
【0067】
仕訳データ作成処理部202dは、売上に関する仕訳の勘定科目については、原価対立法に従い、勘定科目のカラムに「売掛金」「売上」を格納し、売上データ206dから売上金額を取得し、仕訳データ206eの金額のカラムに格納する。そうすると仕訳データ206eの(1)(2)(7)(8)のレコードが作成される。
【0068】
仕訳データ作成処理部202dは、原価(変動費)に関する仕訳の勘定科目については、原価対立法に従い、仕訳データ206eの勘定科目のカラムに「売上原価_変動費」「製品_変動費」を格納する。仕訳データ作成処理部202dは、売上データ206dから販売品品番コード、例えば「販売品1」、売上数量「10」を取得し、販売品品番マスタ206aを参照し、「販売品1」に紐づく管理コード「管理A」を取得し、連携管理原価単価マスタ206cを参照し、管理コード「管理A」に紐づく変動費である限界原価単価「156円」を取得し、売上数量を「10」を掛けて、変動費「1560円」を算出し、仕訳データ206eの金額のカラムに格納する。そうすると仕訳データ206eの(3)(4)のレコードが作成される。仕訳データ作成処理部202dは、同様の処理を仕訳番号「002」に紐づく販売品品番コード「販売品2」について行い、仕訳データ206eの(9)(10)のレコードを作成する。
【0069】
仕訳データ作成処理部202dは、売上原価(固定費)に関する仕訳の勘定科目については、原価対立法に従い、仕訳データ206eの勘定科目のカラムに「売上原価_固定費」「製品_固定費」を格納する。仕訳データ作成処理部202dは、売上データ206dから販売品品番コード、例えば「販売品1」、売上数量「10」を取得し、販売品品番マスタ206aを参照し、「販売品1」に紐づく管理コード「管理A」を取得し、連携管理原価単価マスタ206cを参照し、管理コード「管理A」に紐づく固定費である固定費単価「78円」を取得し、売上数量を「10」を掛けて、固定費「780円」を算出し、仕訳データ206eの金額のカラムに格納する。そうすると仕訳データ206eの(5)(6)のレコードが作成される。仕訳データ作成処理部202dは、同様の処理を仕訳番号「002」に紐づく販売品品番コード「販売品2」について行い、仕訳データ206eの(11)(12)のレコードを作成する。
【0070】
仕訳データ作成処理部202dは、作成した仕訳データ206eを基に図5の仕訳を発生させる。仕訳データ作成処理部202dにより、上記処理が可能になったことで、従来の製造品の粒度で算出された標準原価に対し、販売品の粒度での標準原価の付け替えの作業が不要となり、決算処理における早期化につながり、さらに、売上原価の内訳についても確認可能となった。
【0071】
[ステップS6:図5参照]
管理別売上原価データ作成処理部202eは、売上データ206d、販売品品番マスタ206a、および連携管理原価単価マスタ206cをもとに、図5のワークテーブルCを作成する。
【0072】
具体的には、管理別売上原価データ作成処理部202eは、売上データ206dの販売品品番コードから、販売品品番マスタ206aを参照し、販売品品番コードに紐づく管理コードを取得し、連携管理原価単価マスタ206cから、取得した管理コードに紐づく、限界原価単価および固定費単価を取得し、売上データ206dの売上数量に限界原価単価を掛け「限界原価金額」を算出、売上データ206dの売上数量に固定費単価を掛け「固定費金額」を算出し、売上データ206dおよび連携管理原価単価マスタ206cから取得したデータと算出した各金額をまとめてワークテーブルCを作成する。
【0073】
管理別売上原価データ作成処理部202eは、ワークテーブルCをもとに月別管理コード単位で集計し管理別売上原価データ206fを作成する。
【0074】
具体的には、管理別売上原価データ作成処理部202eは、ワークテーブルCの売上日付が集計対象月であり、管理コードが同一のものを集計する。管理別売上原価データ作成処理部202eは、所定の集計対象月「2023年1月」の売上日付で、同一の管理コード「管理A」である売上番号「UR001」のレコードと「UR002」のレコードを集計する。そうすると、管理別売上原価データ作成処理部202eはワークテーブルCの売上金額のカラムに格納された「3,300円」と「2,700円」を合計した結果「6,000円」を管理別売上原価データ206fの売上金額のカラムに格納し、ワークテーブルCの限界原価金額のカラムに格納された「1,560円」と「1,404円」を合計した結果「2,964円」を管理別売上原価データ206fの変動費金額のカラムに格納し、ワークテーブルCの固定費金額のカラムに格納された「780円」と「702円」を合計した結果「1,482円」を管理別売上原価データ206fの固定費金額のカラムに格納し、さらに管理コードのカラムに「管理A」、会計年月のカラムに「202301」を格納することにより、管理別売上原価データ206fを作成する。
【0075】
管理コード単位での売上金額と、売上原価を月次で集計する処理により、管理コード単位での収支管理が可能となった。従来は、販売品の単位での収支管理のみ可能であったが、本実施形態により、管理コード単位での収支管理についても可能となり、経営分析等に活用可能となる。
【0076】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0079】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0080】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0081】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0082】
また、製造管理装置100および販売管理装置200に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0083】
例えば、製造管理装置100および販売管理装置200が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて製造管理装置100および販売管理装置200に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0084】
また、このコンピュータプログラムは、製造管理装置100および販売管理装置200に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0085】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0086】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0087】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0088】
また、製造管理装置100および販売管理装置200は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、製造管理装置100および販売管理装置200は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0089】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、製造・物販で独立して原価を管理している業界(メーカー、鉄鋼、化学など)において有用である。
【符号の説明】
【0091】
1 原価管理システム
100 製造管理装置
102 制御部
102a 管理単価計算処理部
102b 管理単価連携処理部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 製品品番マスタ
106b 製品標準原価単価マスタ
106c 連携管理原価単価マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 販売管理装置
202 制御部
202a 管理単価連携処理部
202b 標準原価更新処理部
202c 売上入力部
202d 仕訳データ作成処理部
202e 管理別売上原価データ作成処理部
204 通信インターフェース部
206 記憶部
206a 販売品品番マスタ
206b 販売品標準原価単価マスタ
206c 連携管理原価単価マスタ
206d 売上データ
206e 仕訳データ
206f 管理別売上原価データ
208 入出力インターフェース部
212 入力装置
214 出力装置
300 ネットワーク
400 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5