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特開2024-13268画像形成方法、画像形成物の製造方法、及び画像形成システム
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  • 特開-画像形成方法、画像形成物の製造方法、及び画像形成システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013268
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】画像形成方法、画像形成物の製造方法、及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/00 20060101AFI20240125BHJP
   C09D 11/322 20140101ALI20240125BHJP
   D06P 5/30 20060101ALI20240125BHJP
   D06P 5/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B41M5/00 100
C09D11/322
D06P5/30
D06P5/00 104
B41M5/00 132
B41M5/00 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115210
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】水野 菜央
【テーマコード(参考)】
2H186
4H157
4J039
【Fターム(参考)】
2H186AB02
2H186AB13
2H186AB29
2H186AB44
2H186AB46
2H186BA08
2H186DA17
2H186FA18
2H186FB10
2H186FB11
2H186FB15
2H186FB16
2H186FB17
2H186FB22
2H186FB25
2H186FB29
2H186FB48
2H186FB54
2H186FB58
4H157AA02
4H157BA15
4H157CA15
4H157CB08
4H157CC01
4H157DA01
4H157DA24
4H157GA06
4H157HA01
4H157JA10
4H157JA14
4H157JB03
4J039AD09
4J039AE04
4J039AE06
4J039BA04
4J039BC09
4J039BC13
4J039BE01
4J039BE12
4J039BE22
4J039BE28
4J039CA07
4J039EA15
4J039EA19
4J039EA29
4J039EA36
4J039EA46
4J039EA47
4J039FA03
4J039GA24
(57)【要約】
【課題】 前処理剤による前処理跡がなく、かつ、インクのにじみもない画像形成方法を提供する。
【解決手段】 本発明の画像形成方法は、画像形成する対象物に樹脂粉体を付与する樹脂粉体付与工程と、前記樹脂粉体を付与した領域に、水性インクをインクジェット方式により付与する画像形成工程と、前記樹脂粉体を付与した領域及び前記水性インクを付与した領域に熱を加えて、前記樹脂粉体及び前記水性インクを、前記対象物に熱定着する熱定着工程と、を有し、前記水性インクは、顔料を含み、且つ前記樹脂粉体との接触により増粘又は前記水性インク中の前記顔料が凝集することを特徴とする。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成する対象物に樹脂粉体を付与する樹脂粉体付与工程と、
前記樹脂粉体を付与した領域に、水性インクをインクジェット方式により付与する画像形成工程と、
前記樹脂粉体を付与した領域及び前記水性インクを付与した領域に熱を加えて、前記樹脂粉体及び前記水性インクを、前記対象物に熱定着する熱定着工程と、
を有し、
前記水性インクは、顔料を含み、且つ前記樹脂粉体との接触により増粘又は前記水性インク中の前記顔料が凝集することを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記水性インクは、水溶性有機溶媒を含み、
前記水溶性有機溶媒は、前記樹脂粉体の融点において液体であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記水性インクは、水溶性有機溶媒を含み、
前記水溶性有機溶媒は、沸点が200℃以上であることを特徴とする請求項2記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記樹脂粉体及び前記顔料の一方がカチオン性であり、他方がアニオン性であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記樹脂粉体がカチオン性であり、前記顔料がアニオン性顔料であることを特徴とする請求項4記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記水性インクは、界面活性剤を含み、
前記界面活性剤は、アニオン性であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
【請求項7】
前記水性インクは、前記樹脂粉体に対する接触角が50度以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【請求項8】
前記水性インクは、定着樹脂を含み、
前記水性インク全量における前記定着樹脂の固形分配合量が、5質量%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記熱定着工程における加熱部材の温度が150から200℃であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【請求項10】
前記樹脂粉体の付与量が0.1mg/cm以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【請求項11】
前記樹脂粉体の付与量(X)、および、前記水性インクの付与量(Y)の比率(X/Y)が、0.04以上、かつ、240以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【請求項12】
前記樹脂粉体付与工程後、前記樹脂粉体付与工程で付与された樹脂粉体状態を維持したまま、前記画像形成工程を行い、さらにその後、前記熱定着工程を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【請求項13】
画像形成工程を含み、
前記画像形成工程は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成方法により実施される、
画像形成物の製造方法。
【請求項14】
インク流路、樹脂粉体収容部、インク付与手段、及び樹脂粉体付与手段を含み、
前記樹脂粉体収容部に収容された前記樹脂粉体を前記樹脂粉体付与手段によって画像形成する対象物に付与し、
前記樹脂粉体が付与された領域に重なるよう、前記インク流路に供給された水性インクを前記インク付与手段によって画像形成する対象物に付与し、
前記インク流路に、請求項1から3のいずれか一項に記載の水性インクが供給されることを特徴とする、画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法、画像形成物の製造方法、及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成する対象物のインクにじみを防止するために、印刷前の前記対象物に対して液体の前処理剤(前処理液)を付与する方法が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-55886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような前処理剤には多価金属塩が含まれている。多価金属塩はインクにじみを防止できるものの、乾燥後においても揮発せずに残留するため、前処理剤の前処理跡が残ってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、前処理剤による前処理跡がなく、かつ、インクのにじみもない画像形成方法、画像形成物の製造方法、及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の画像形成方法は、
画像形成する対象物に樹脂粉体を付与する樹脂粉体付与工程と、
前記樹脂粉体を付与した領域に、水性インクをインクジェット方式により付与する画像形成工程と、
前記樹脂粉体を付与した領域及び前記水性インクを付与した領域に熱を加えて、前記樹脂粉体及び前記水性インクを、前記対象物に熱定着する熱定着工程と、
を有し、
前記水性インクは、顔料を含み、且つ前記樹脂粉体との接触により増粘又は前記水性インク中の前記顔料が凝集することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成方法、画像形成物の製造方法、及び画像形成システムは、前処理剤による前処理跡がなく、かつ、インクのにじみもない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、「質量」という場合は、特に断らない限り「重量」と読み替えてもよいものとする。例えば、「質量比」は、特に断らない限り「重量比」と読み替えてもよく、「質量%」は、特に断らない限り「重量%」と読み替えてもよいものとする。
【0010】
画像形成する対象物に樹脂粉体を付与する樹脂粉体付与工程と、前記樹脂粉体を付与した領域に、水性インクをインクジェット方式により付与する画像形成工程と、前記樹脂粉体を付与した領域及び前記水性インクを付与した領域に熱を加えて、前記樹脂粉体及び前記水性インクを、前記対象物に熱定着する熱定着工程と、を有し、前記水性インクは、顔料を含み、且つ前記樹脂粉体との接触により増粘又は前記水性インク中の前記顔料が凝集することを特徴とする。
【0011】
本発明において、「顔料」という場合は、特に断らない限り「樹脂分散顔料」及び「自己分散顔料」の少なくとも一方を含む。前記樹脂分散顔料は、例えば、樹脂分散剤によって溶媒に顔料粒子が分散可能となったものである。また、前記自己分散顔料は、例えば、樹脂分散剤を使用しなくても溶媒に顔料粒子が分散可能なものである。
【0012】
前記樹脂分散顔料は、例えば、カーボンブラック、無機顔料及び有機顔料等があげられる。前記カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等があげられる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄系無機顔料及びカーボンブラック系無機顔料等をあげることができる。前記有機顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料;フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料;塩基性染料型レーキ顔料、酸性染料型レーキ顔料等の染料レーキ顔料;ニトロ顔料;ニトロソ顔料;アニリンブラック昼光蛍光顔料;等があげられる。また、その他の顔料であっても水相に分散可能なものであれば使用できる。これらの顔料の具体例としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、6及び7;C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、15、16、17、55、74、78、150、151、154、180、185及び194;C.I.ピグメントオレンジ31及び43;C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、12、15、16、48、48:1、53:1、57、57:1、112、122、123、139、144、146、149、150、166、168、175、176、177、178、184、185、190、202、209、221、222、224及び238;C.I.ピグメントバイオレット19及び196;C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、22及び60;C.I.ピグメントグリーン7及び36;並びにこれらの顔料の固溶体等もあげられる。
【0013】
前記樹脂分散剤としては、例えば、一般的な高分子分散剤(顔料分散用樹脂や樹脂分散剤等ともいう)等を用いてよく、自家調製してもよい。また、本発明の水性インクにおいて、前記顔料は、高分子によりカプセル化されたものであってもよい。前記樹脂分散剤としては、例えば、メタクリル酸及びアクリル酸の少なくとも一方をモノマーとして含むものを用いることができ、例えば、市販品を用いてもよい。前記樹脂分散剤は、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等の疎水性単量体、又は、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体からなる群から選ばれる2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、グラフト共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等であってもよい。前記市販品としては、例えば、ジョンソンポリマー(株)製の「ジョンクリル(登録商標)611」、「ジョンクリル(登録商標)60」、「ジョンクリル(登録商標)586」、「ジョンクリル(登録商標)687」、「ジョンクリル(登録商標)63」及び「ジョンクリル(登録商標)HPD296」;ビックケミー社製の「Disperbyk190」及び「Disperbyk191」;ゼネカ社製の「ソルスパース20000」及び「ソルスパース27000」;等があげられる。
【0014】
前記顔料分散用樹脂を用いた前記顔料の分散方法としては、例えば、分散装置を使用して顔料を分散させることがあげられる。前記顔料の分散に使用する分散装置は、一般的な分散機であれば特に限定はされないが、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル(例えば、高速型)等があげられる。
【0015】
前記自己分散型顔料は、例えば、顔料粒子にカルボニル基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性官能基及びこれらの塩の少なくとも一種が、直接又は他の基を介して化学結合により導入されていることによって、分散剤を使用しなくても水に分散可能なものである。前記自己分散型顔料は、例えば、特開平8-3498号公報、特表2000-513396号公報、特表2008-524400号公報、特表2009-515007号公報、特表2011-515535号公報等に記載の方法によって顔料が処理されたものを用いることができる。前記自己分散型顔料の原料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。また、前記処理を行うのに適した顔料としては、例えば、三菱化学(株)製の「MA8」及び「MA100」等のカーボンブラック等があげられる。前記自己分散型顔料は、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、キャボット・コーポレーション社製の「CAB-O-JET(登録商標)200」、「CAB-O-JET(登録商標)250C」、「CAB-O-JET(登録商標)260M」、「CAB-O-JET(登録商標)270Y」、「CAB-O-JET(登録商標)300」、「CAB-O-JET(登録商標)400」、「CAB-O-JET(登録商標)450C」、「CAB-O-JET(登録商標)465M」及び「CAB-O-JET(登録商標)470Y」;オリエント化学工業(株)製の「BONJET(登録商標)BLACK CW-2」及び「BONJET(登録商標)BLACK CW-3」;東洋インク製造(株)製の「LIOJET(登録商標)WD BLACK 002C」等があげられる。
【0016】
前記水性インク全量における前記顔料の顔料固形分配合量は、例えば、0.5質量%~20質量%、好ましくは、1質量%~10質量%、より好ましくは、3質量%~5質量%である。
【0017】
前記水性インクは、さらに、水溶性有機溶媒を含んでもよい。前記水溶性有機溶媒としては、例えば、インクジェットヘッドのノズル先端部におけるインクの乾燥を防止する湿潤剤及び記録媒体上での乾燥速度を調整する浸透剤があげられる。
【0018】
前記湿潤剤は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトン等のケトン;ジアセトンアルコール等のケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;ポリアルキレングリコール等のポリエーテル;アルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;2-ピロリドン;N-メチル-2-ピロリドン;1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン;等があげられる。前記ポリアルキレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等があげられる。前記アルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等があげられる。これらの湿潤剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中で、アルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好ましい。
【0019】
前記水性インク全量における前記湿潤剤の含有量は、例えば、0質量%~30質量%、好ましくは、5質量%~20質量%、より好ましくは、10質量%~15質量%である。
【0020】
前記浸透剤は、例えば、グリコールエーテル系化合物、及びアルキレン系ジオールがあげられる。前記グリコールエーテル系化合物は、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコール-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコール-n-ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコール-n-プロピルエーテル、トリエチレングリコール-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール-n-プロピルエーテル、プロピレングリコール-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコール-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコール-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコール-n-プロピルエーテル及びトリプロピレングリコール-n-ブチルエーテル等があげられる。アルキレン系ジオールは、例えば、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール及び3-メチル-1,5-ペンタンジオール等があげられる。前記浸透剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0021】
前記水性インク全量における前記浸透剤の含有量は、例えば、0質量%~20質量%、0質量%~15質量%、5質量%~15質量%である。
【0022】
前記水溶性有機溶媒は、例えば、前記樹脂粉体の融点において液体であることが好ましい。前記水溶性有機溶媒が前記樹脂粉体の融点において液体ではない場合(すなわち、揮発してしまう場合)、前記水性インクと前記樹脂粉体とが混ざりにくくなる。一方で、前記水溶性有機溶媒が前記樹脂粉体の融点において液体であれば、前記樹脂粉体中の結着樹脂が前記水性インク中に入り込み、前記水性インク中の樹脂量が増える。その結果、前記水性インクの定着性、及び耐擦性が向上する。
【0023】
前記水溶性有機溶媒は、例えば、沸点が200℃以上、250℃以上、270℃以上であってもよい。
【0024】
前記水性インクは、さらに、定着樹脂を含んでもよい。前記定着樹脂は、例えば、水溶性樹脂、または樹脂エマルション等があげられる。
【0025】
前記水溶性樹脂は、例えば、構造中の親水性部の含有率がより高く、水に溶解する樹脂があげられる。前記水溶性樹脂は、例えば、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等があげられる。前記水溶性樹脂は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記水溶性樹脂は、例えば、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂が、耐擦性を向上させる点でより好ましい。
【0026】
前記樹脂エマルションは、例えば、樹脂微粒子と、分散媒(例えば、水)とで構成されるものであり、前記樹脂微粒子は、前記分散媒に対して溶解状態ではなく、特定の粒子径を持って分散している。前記樹脂エマルションは、例えば、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、ポリエステル樹脂エマルション、ポリスチレン樹脂エマルション、ポリエチレン樹脂エマルション、塩化ビニル樹脂エマルション等があげられる。前記樹脂エマルションは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記水性樹脂エマルションは、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、ポリエステル樹脂エマルションが好ましく、ウレタン樹脂エマルションが、耐擦性を向上させる点でより好ましい。
【0027】
前記樹脂エマルションとしては、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションとして、第一工業製薬(株)製の「スーパーフレックス(登録商標)460」;三井化学(株)製の「タケラック(登録商標)W-6110」;DIC(株)製の「ハイドラン(登録商標)WLS-210」;等があげられ、ポリエステル系ウレタン樹脂エマルションとして、三洋化成工業(株)製の「ユーコート(登録商標)UWS-145」;三井化学(株)製の「タケラック(登録商標)W-5030」;DIC(株)製の「ハイドラン(登録商標)HW-920」;等があげられ、ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルションとして、三井化学(株)製の「タケラック(登録商標)W-6061T」;DIC(株)製の「ハイドラン(登録商標)FCS-855」、「ハイドラン(登録商標)WLS-201」;等があげられる。
【0028】
前記水性インク全量に対する、前記定着樹脂の固形分配合量の下限は、例えば、5質量%以上、好ましくは、7質量%以上である。前記定着樹脂の固形分配合量の上限は、例えば、20質量%以下、好ましくは、15質量%以下、より好ましくは、10質量%以下である。
【0029】
前記水性インクは、さらに、界面活性剤を含んでもよい。前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤があげられる。ここで、例えば、前記樹脂粉体がカチオン性であり、前記水性インクに含まれる顔料がアニオン性である場合、界面活性剤としてノニオン性界面活性剤を使用すると、画像形成する対象物に前記水性インクが浸透し、その結果、前記顔料も前記画像形成する対象物の表面から内部に入り込んでしまう。一方で、界面活性剤としてアニオン性界面活性剤を使用すると、カチオン性の前記樹脂粉体と界面活性剤とが前記画像形成する対象物の表面で反応するため、その結果、前記顔料も前記画像形成する対象物の表面で留まることになり、画質(OD値)が向上する。したがって、前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤が好ましい。
【0030】
前記ノニオン性界面活性剤は、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、日信化学工業(株)製の「オルフィン(登録商標)E1004」、「オルフィン(登録商標)E1006」及び「オルフィン(登録商標)E1010」等があげられる。
【0031】
前記アニオン性界面活性剤は、分子中にアニオン基を1個のみ有するものであれば、特に限定されず、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、三洋化成工業(株)製の「ビューライト(登録商標)ECA」(ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム)及び「ビューライト(登録商標)LCA25N」(ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム);ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の「エナジコール(登録商標)EC-30」(ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム)及び「サンノール(登録商標)NL1430」(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム);花王(株)製の「ネオペレックス(登録商標)G25」(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ソフト型));等があげられる。
【0032】
前記界面活性剤は、さらに、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤以外の界面活性剤(例えば、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等)を含んでもよいが、ノニオン性界面活性剤、またはアニオン性界面活性剤のみを前記界面活性剤として用いてもよい。
【0033】
前記水性インク全量における前記界面活性剤の含有量は、例えば、0.1質量%~2質量%、好ましくは、0.3質量%~1.5質量%、より好ましくは、0.5質量%~1質量%である。
【0034】
前記水性インクは、例えば、さらに、水、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、防カビ剤、架橋剤等の成分を含んでもよい。
【0035】
前記水は、イオン交換水又は純水であることが好ましい。前記水性インク全量における前記水の含有量は、例えば、10質量%~90質量%、好ましくは、20質量%~80質量%である。前記水の含有量は、例えば、他の成分の残部としてもよい。
【0036】
本発明において「樹脂粉体」とは、樹脂を主成分とする、粉体を指す。前記樹脂粉体は、例えば、結着樹脂、離型剤、帯電制御剤、及び外添剤等の成分を含んでもよい。なお、結着樹脂、離型剤、帯電制御剤、及び外添剤、及び顔料等を有するものとしては印刷に使用されるトナーがあるが、当該トナーから顔料を除いたものを、樹脂粉体としてもよい。
【0037】
前記結着樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂であってもよい。前記熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエステル樹脂等があげられる。前記ポリエステル樹脂としては、酸価が、例えば、0.5~40mgKOH/g、好ましくは、1.0~20mgKOH/gであってもよい。また、重量平均分子量(標準ポリスチレンを検量線とするGPC測定による)が、例えば、9,000~200,000、好ましくは、20,000~150,000であってもよい。さらに、ゲル分(THF不溶分)が、例えば、10質量%以下、好ましくは、0.5~10質量%でであってもよい。またさらに、ガラス転移点(Tg)が、例えば、50~70℃、好ましくは、55~65℃であってもよい。具体的には、市販のポリエステル樹脂として、例えば、FC1565(三菱レイヨン製)、FC023(三菱レイヨン製)等があげられる。前述のとおり、前記水溶性有機溶媒が前記樹脂粉体の融点において液体ではない場合、前記水性インクと前記樹脂粉体とが混ざりにくくなる。一方で、前記水溶性有機溶媒が前記樹脂粉体の融点において液体であれば、前記樹脂粉体中の結着樹脂が前記水性インク中に入り込み、前記水性インク中の樹脂量が増える。その結果、前記水性インクの定着性、及び耐擦性が向上する。したがって、前記樹脂粉体に結着樹脂を含む場合、前記結着樹脂は、前記水溶性有機溶媒が液体である温度において融解しているものが好ましい。
【0038】
前記離型剤は、例えば、ポリオレフィン系ワックス、長鎖炭化水素系ワックス、エステル系ワックスがあげられる。
【0039】
前記帯電制御剤は、目的および用途に対応して、正帯電性電荷制御剤から、単独または併用して用いられ、公知のものを使用することができる。例えば、前記帯電制御剤が合成樹脂からなる帯電制御樹脂であれば、前記結着樹脂に良好に固着させることができる。さらに、帯電制御樹脂がカチオン性基を有した合成樹脂であれば、前記樹脂粉体に安定的に正帯電性を付与できる。
【0040】
前記カチオン性基としては、例えば、第4級アンモニウム基、第4級アンモニウム塩含有基、アミノ基、ホスホニウム塩含有基等があげられる。前記カチオン性基のうち、好ましくは、第4級アンモニウム塩含有基があげられる。前記カチオン性基が第4級アンモニウム塩含有基であれば、帯電制御樹脂を安定的に乳化させることができ、得られるトナーの帯電の安定性を向上させることができる。
【0041】
前記樹脂粉体の付与量の下限は、例えば、0.1mg/cm以上である。前記樹脂粉体の付与量の上限は、例えば、4.0mg/cm以下、好ましくは3.0mg/cm以下、より好ましくは、2.5mg/cm以下である。本発明者らは、前記樹脂粉体の付与量が0.1mg/cm未満である場合、十分なOD値が得られないことを突き止めている。また、消費量抑制の観点からも、前記樹脂粉体の付与量は少なければ少ないほどよい。これらの理由から、前記樹脂粉体の付与量は、0.1mg/cm以上であることが好ましい。
【0042】
前記水性インクの付与量の下限は、例えば、0.004mg/cm以上、0.04mg/cm以上、0.4mg/cm以上である。前記水性インクの付与量の上限は、例えば、24mg/cm以下、12mg/cm以下、8mg/cm以下、4mg/cm以下である。
【0043】
前記樹脂粉体の付与量(X)と、前記水性インクの付与量(Y)の比率(X/Y)は、
例えば、0.04~240、好ましくは、0.4~80、より好ましくは、40~80である。
【0044】
前記樹脂粉体及び前記顔料は、例えば、一方がカチオン性であり、他方がアニオン性であってもよい。例えば、前記樹脂粉体がカチオン性であり、前記顔料がアニオン性であってもよく、前記樹脂粉体がアニオン性であり、前記顔料がカチオン性であってもよい。インクにじみの点からは、前記樹脂粉体がカチオン性であり、前記顔料がアニオン性であることが好ましい。
【0045】
前記水性インクの、前記樹脂粉体に対する接触角は、例えば、50度以上、好ましくは55度以上、より好ましくは、60度以上である。
【0046】
前記接触角は、例えば、以下のような方法により測定できる。
【0047】
(接触角の評価)
前記接触角は、協和界面科学(株)製の接触角計(商品名「Drop Master 701SA」)を用いて測定した。
【0048】
前記画像形成する対象物は、例えば、布帛、または紙などの記録媒体等があげられる。
【0049】
前記布帛は、編物及び織物の双方を含んでいてもよい。前記布帛の材質は、例えば、天然繊維、合成繊維があげられる。前記天然繊維としては、例えば、綿、絹等があげられる。前記布帛の材質は、例えば、複数種の前記天然繊維を混ぜて紡績された混紡であってもよいし、前記天然繊維と前記合成繊維との繊維を混ぜて紡績された混紡であってもよい。前記合成繊維としては、例えば、ポリエステル、アクリル、レーヨン、ウレタン、ナイロン等があげられる。前記天然繊維と前記合成繊維との混紡としては、例えば、綿/ポリエステル=50%/50%等があげられる。
【0050】
前記記録媒体は、例えば、普通紙、光沢紙、マット紙、コート紙、合成紙、板紙、ダンボール、フィルム等があげられる。
【0051】
前記樹脂粉体付与工程は、例えば、手作業で行ってもよいし、電子写真方式により行ってもよい。手作業で行う場合、例えば、手、または、匙、刷毛、粉ふるい等の器具を用いて、前記画像形成する対象物に前記樹脂粉体を付与することができる。電子写真方式で行う場合、例えば、従来公知のレーザープリンタを使用して、前記画像形成する対象物に前記樹脂粉体を付与することができる。
【0052】
前記画像形成工程は、例えば、図1に示すインクジェット記録装置を用いて実施できる。
【0053】
図1に、前記インクジェット記録装置の一例の構成を示す。図示のとおり、このインクジェット記録装置1は、インクカートリッジ2と、インク付与手段(インクジェットヘッド)3と、ヘッドユニット4と、キャリッジ5と、駆動ユニット6と、プラテンローラ7と、パージ装置8とを主要な構成要素として含む。また、図示していないが、インクカートリッジ2と、インク付与手段3とは、インク流路により接続されており、前記水性インクが収容されたインクカートリッジ2から、前記インク流路に前記水性インクが供給され、インク付与手段3は、前記水性インクを画像形成する対象物Pに付与する。
【0054】
インクカートリッジ2は、例えば、前記水性インクを含んでもよい。前記インクカートリッジの本体としては、例えば、従来公知のものを使用できる。
【0055】
また、図示していないが、インクジェット記録装置1は、前記水性インクを含むインクカートリッジ2に加えて、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の水性インクを、それぞれ1色ずつ含む4つのインクカートリッジのセットを含んでもよい。また、前記4つのインクカートリッジのセットに代えて、水性イエローインク収納部、水性マゼンタインク収納部、水性シアンインク収納部及び水性ブラックインク収納部を形成するようにその内部が間仕切りされた一体型のインクカートリッジを用いてもよい。
【0056】
ヘッドユニット4に設置されたインクジェットヘッド3は、画像形成する対象物Pに画像形成を行う。キャリッジ5には、インクカートリッジ2及びヘッドユニット4が搭載される。駆動ユニット6は、キャリッジ5を直線方向に往復移動させる。駆動ユニット6としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008-246821号公報参照)。プラテンローラ7は、キャリッジ5の往復方向に延び、インクジェットヘッド3と対向して配置されている。
【0057】
パージ装置8は、インクジェットヘッド3の内部に溜まる気泡等を含んだ不良インクを吸引する。パージ装置8としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008-246821号公報参照)。
【0058】
パージ装置8のプラテンローラ7側には、パージ装置8に隣接してワイパ部材20が配設されている。ワイパ部材20は、へら状に形成されており、キャリッジ5の移動に伴って、インクジェットヘッド3のノズル形成面を拭うものである。図1において、キャップ18は、インクの乾燥を防止するため、記録が終了するとリセット位置に戻されるインクジェットヘッド3の複数のノズルを覆うものである。
【0059】
本例のインクジェット記録装置1においては、インクカートリッジ2は、ヘッドユニット4と共に、1つのキャリッジ5に搭載されている。ただし、本発明は、これに限定されない。インクジェット記録装置1において、インクカートリッジ2は、ヘッドユニット4とは別のキャリッジに搭載されていてもよい。また、インクカートリッジ2は、キャリッジ5には搭載されず、インクジェット記録装置1内に配置、固定されていてもよい。これらの態様においては、例えば、インクカートリッジ2と、キャリッジ5に搭載されたヘッドユニット4とが、チューブ等の前記インク流路により連結され、インクカートリッジ2からヘッドユニット4に前記インクが供給される。また、これらの態様においては、インクカートリッジ2に代えて、ボトル形状のインクボトルを用いてもよい。この場合、前記インクボトルには、外部から内部にインクを注入するための注入口が設けられていることが好ましい。
【0060】
このインクジェット記録装置1を用いた前記画像形成工程は、例えば、つぎのようにして実施される。まず、画像形成する対象物Pが、インクジェット記録装置1の側方又は下方から供給される。画像形成する対象物Pは、インクジェットヘッド3と、プラテンローラ7との間に導入される。導入された画像形成する対象物Pの前記樹脂粉体を付与した領域に、インクジェットヘッド3から付与される水性インクにより所定の画像が形成される。画像形成後の画像形成する対象物Pは、インクジェット記録装置1から排出される。図1においては、画像形成する対象物Pの供給機構及び排出機構の図示を省略している。
【0061】
図1に示す装置では、シリアル型インクジェットヘッドを採用するが、本発明は、これに限定されず、例えば、ライン型インクジェットヘッドやロールトゥロールを採用する装置であってもよい。なお、前記シリアル型インクジェットヘッドは、インクジェットヘッドを画像形成対象物の幅方向に往復させつつ印刷するインクジェットヘッドである。ライン型インクジェットヘッドは、画像形成対象物の幅方向全体をカバーするインクジェットヘッドである。ロールトゥロールは、ロール状の画像形成対象物を繰り出して印刷し、再びロール状に巻き取る方式である。
【0062】
図1のインクジェット記録装置1は、図示していないが、さらに、加熱処理部を含んでいてもよい。前記加熱処理部は、その内部に、接触加熱部材、または非接触加熱部材を含んでもよい。前記接触加熱部材としては、例えば、ヒートローラ、熱板等があげられる。前記非接触加熱部材としては、例えば、オーブン、ベルトコンベアオーブン、ドライヤー等があげられる。前記加熱処理部は、インクジェット記録装置1とは別個独立に設けられてもよい。
【0063】
前記熱定着工程における熱定着は、例えば、前記画像形成する対象物と接触して行ってもよいし、非接触で行ってもよい。前記接触する方法としては、例えば、ヒートローラ、市販のホットプレス機等を用いる方法があげられる。前記非接触の方法としては、例えば、オーブン、ベルトコンベアオーブン、ドライヤー等を用いる方法があげられる。前記熱定着における前記接触加熱部材、及び前記非接触加熱部材の温度は、例えば、100℃~200℃、好ましくは、150℃~200℃である。画像形成する対象物が綿(コットン)である場合、綿の分解温度は235℃であり、それを超える温度では燃焼する。したがって、前記熱定着における前記温度は、例えば、綿の耐熱温度を超えない、200℃以下であることが好ましい。また、乾燥性について、前記温度が100℃以上であれば前記水性インクは素早く乾燥するが、綿の傷みを抑制しつつ、より素早く乾燥させるために、前記熱定着における前記温度は、例えば、150℃以上とすることが好ましい。
【0064】
本発明の画像形成方法は、例えば、前記樹脂粉体付与工程後、前記樹脂粉体付与工程で付与された樹脂粉体状態を維持したまま、前記画像形成工程を行い、さらにその後、前記熱定着工程を行ってもよい。このような方法で画像形成を行うことで、例えば、後述するような樹脂粉体付与工程後に熱定着工程を行う場合と比べて、画質(OD)が向上する。
【0065】
また、本発明の画像形成方法は、例えば、前記樹脂粉体付与工程後、前記熱定着工程を行い、その後、前記画像形成工程を行い、さらにその後、前記熱定着工程を行ってもよい。
【0066】
前記樹脂粉体付与工程後、前記熱定着工程を行う場合、例えば、前記レーザープリンタは加熱処理部を含んでもよい。前記レーザープリンタに含まれる前記加熱処理部は、例えば、前記実施例記載のインクジェット記録装置1における加熱処理部と同様である。また、前記加熱処理部は、前記レーザープリンタとは別個独立に設けられてもよい。
【0067】
つぎに、本発明の画像形成物の製造方法について説明する。本発明の画像形成物の製造方法は、画像形成工程を含み、前記画像形成工程は、本発明の画像形成方法により実施される。
【0068】
つぎに、本発明の画像形成システムについて説明する。本発明の画像形成システムは、インク流路、樹脂粉体収容部、インク付与手段、及び樹脂粉体付与手段を含み、前記樹脂粉体収容部に収容された樹脂粉体を前記樹脂粉体付与手段によって画像形成する対象物に付与し、前記樹脂粉体が付与された領域に重なるよう、前記インク流路に供給された水性インクを前記インク付与手段によって画像形成する対象物に付与し、前記インク流路に、前記実施形態に記載の水性インクが供給されることを特徴とする。
【0069】
本発明の画像形成システムは、例えば、図1のインクジェット記録装置1と、前述の実施形態に記載した従来公知のレーザープリンタとを組み合わせたものであってもよい。本発明の画像形成システムは、例えば、インクジェット記録装置1と、前記レーザープリンタとが別個独立に設けられてもよいし、これらが一体となっていてもよい。
【実施例0070】
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例及び比較例により限定及び制限されない。また、以下の説明において、「部」および「%」は、特に言及のない限り、質量基準である。さらに、各種物性は、後述する測定方法に準じて測定した。
【0071】
(水性インク)
1.顔料分散液の調整
<自己分散Bk>
三菱化学(株)製のカーボンブラック「#2650」40gを、イオン交換水200gに混合して、ビーズミルにて粉砕した。これにカルボキシル基剤を添加して、加熱撹拌を行い、酸化処理した。ついで、得られた液を溶剤にて数回洗浄した後、水中に注ぎ、再度水洗を繰り返した後、フィルターにてろ過処理し、表1に示す自己分散Bk顔料を得た。この自己分散Bk顔料に含まれるカーボンブラックの平均粒子径を、(株)堀場製作所製の「LB-550」を用いて測定したところ、135nmであった。
【0072】
<樹脂分散Bk>
顔料(カーボンブラック)20wt%、スチレン-アクリル酸共重合体の水酸化ナトリウム中和物7wt%(酸価175mgKOH/g、分子量10000)に、純水を加えて全体を100wt%とし、攪拌混合して混合物を得た。この混合物を、0.3mm径ジルコニアビーズを充填した湿式サンドミルに入れて、6時間分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズをセパレータにより取り除き、孔径3.0μmセルロースアセテートフィルターでろ過することにより、表1に示す樹脂分散Bkを得た。なお、スチレン-アクリル酸共重合体は、一般に顔料の分散液として用いられる水溶性のポリマーである。
【0073】
<樹脂分散M>
顔料(C.I.ピグメントレッド122)20質量%、スチレン-アクリル酸共重合体の水酸化ナトリウム中和物 7質量%(酸価50mgKOH/g、分子量10000)に、純水を加え全体を100質量%とし、撹拌混合して混合物を得た。この混合物を、0.3mm径ジルコニアビーズを充填した湿式サンドミルに入れ、6時間分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズをセパレータにより取り除き、孔径3.0μmセルロースアセテートフィルターでろ過することにより、表1に示す樹脂分散Mを得た。なお、スチレン-アクリル酸共重合体は、一般に顔料の分散剤として用いられる水溶性のポリマーである。
【0074】
2.定着樹脂
<ウレタン樹脂>
グリコール類と、ポリイソシアネートとを反応させて合成したものを用いた。この定着樹脂の平均粒子径を、動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製の「LB-550」)を用いて測定したところ、40nmであった。
【0075】
<アクリル樹脂>
44.7wt%モビニール6899D(ジャパンコーティングレジン製)を用いた。
【0076】
<ポリエステル樹脂>
30wt%エリーテルKT-8803(ユニチカ製)を用いた。
【0077】
3.水性インクの調整
表1及び表2の水性インク組成における、顔料を除く成分を、均一に混合し、インク溶媒を得た。次に、顔料を前記インク溶媒に加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、表1に示す実施例1~13、及び表2に示す比較例1~8の水性インクを得た。
【0078】
(樹脂粉体)
1.帯電制御樹脂微粒子懸濁液の調製工程
MEK82.5部と、帯電制御樹脂(商品名「FCA-201PS」、藤倉化成製)17.5部とを混合攪拌し、帯電制御樹脂をMEKに溶解させて、帯電制御樹脂液を得た。この帯電制御樹脂液100部に、蒸留水100部を混合し、ホモジナイザー(ローター・ステーター式、シャフト18F、ローター径12.5mm:DIAX-900型ハイドルフ製)を用いて、回転数16000rpm(先端周速10.5m/s)で20分間攪拌して乳化させて帯電制御樹脂乳化液を得た。得られた帯電制御樹脂乳化液を1Lセパラブルフラスコへ移し、窒素を気相中へ送気しながら、60℃で120分間、加熱攪拌してMEKを揮発させて除去し、帯電制御樹脂微粒子が分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液を得た。帯電制御樹脂微粒子懸濁液の固形分濃度は、22.9%であった。また、帯電制御樹脂微粒子懸濁液中の帯電制御樹脂微粒子の体積平均粒子径(メジアン径:D50)は、110nmであった。
【0079】
2.樹脂粉体母粒子製造工程
(1)母体微粒子懸濁液
(1-1)結着樹脂液の調製
ポリエステル樹脂(FC1565:Tg62℃、Mn(数平均分子量)3600、Mw(重量平均分子量)50000、ゲル分2wt%未満、酸価6.0KOHmg/g:三菱レイヨン製)180部と、MEK720部を混合して攪拌し、これを液温70℃に加熱攪拌して結着樹脂液を得た。
【0080】
(1-2)結着樹脂乳化液の調製
得られた結着樹脂液900部と、蒸留水900部と、1規定の水酸化ナトリウム水溶液9.0部とを混合し、ホモジナイザー(シャフト22F、ローラ径:16.5mm)にて回転数15000rpm(先端周速13.0m/s)で20分間攪拌して乳化させて結着樹脂乳化液を得た。
【0081】
(1-3)母体微粒子懸濁液の調製
これを2Lセパラブルフラスコへ移し、窒素を気相中へ送気しながら、75℃で140分間加熱攪拌してMEKを除去し、母体微粒子が分散された母体微粒子懸濁液を得た。母体微粒子懸濁液の固形分は、23.1質量%であった。また、母体微粒子懸濁液中の母体微粒子の体積平均粒子径(メジアン径:D50)は、299nmであった。また、母体微粒子懸濁液中の母体微粒子のガラス転移点(Tg)は、58.3℃であった。
【0082】
(2)樹脂粉体母粒子懸濁液
次いで、母体微粒子懸濁液692.6部に、ノニオン性界面活性剤(エパン785:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー:第一工業製薬製)の5%水溶液57.6部を混合し、蒸留水849.8部で希釈して、固形分濃度10%の母体微粒子懸濁液の希釈液1600部を準備した。この希釈液に、凝集剤として0.2規定の塩化アルミニウム水溶液35部を添加し、ホモジナイザー(シャフト22F、ローラ径:16.5mm)にて、回転数8000rpmで10分間、高速混合した。その後、希釈液を、6枚平板タービン翼(φ75mm)にて回転数300rpmで攪拌しながら45℃に加熱して母体微粒子を凝集させた。その後、凝集停止剤として0.2規定の水酸化ナトリウム水溶液46部を投入した後、90℃まで昇温し、約6.5時間攪拌し、樹脂粉体母粒子懸濁液を得た。得られた樹脂粉体母粒子懸濁液を濾過し、濾別された樹脂粉体母粒子を、蒸留水で洗浄した後、セパラブルフラスコへ投入した。そこへ蒸留水を注いで、樹脂粉体母粒子を再び分散させ、固形分10質量%の樹脂粉体母粒子懸濁液1600部(樹脂粉体母粒子として160部)を得た。樹脂粉体母粒子の体積基準の平均粒子径(Dv)は、8.1μmであった。
【0083】
3.樹脂粉体化工程
(1)樹脂粉体母粒子の帯電性付与
25℃の湯浴中において、固形分10質量%の樹脂粉体母粒子懸濁液1600部(樹脂粉体母粒子として160部)に、帯電制御樹脂微粒子が分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液(固形分22.9質量%)を7部(帯電制御樹脂微粒子として1.6部)混合し、インペラー(6枚平板タービン翼2段:直径75mm)を用いて200rpmで15分間攪拌し、混合液を調製した。その後、混合液を濾過し、さらにケーキを蒸留水で洗浄濾過し、その濾液の導電率が4μS/cm以下になるまで繰り返した。
【0084】
(2)外添処理
その後、十分した帯電性付与した樹脂粉体母粒子100部に対して、HVK2150(疎水性シリカ:クラリアント製)1部と、NA50H(疎水性シリカ:アエロジル製)1部とを配合し、メカノミル(岡田精工製)にて回転数2500rpmで3分間攪拌した。その後、疎水性シリカの粗大凝集物を、篩によって除去し、樹脂粉体を得た。
【0085】
組成(一例)
結着樹脂 80~90wt%
離型剤 3~10wt%
帯電制御剤 0~ 5wt%
外添剤 1~ 2wt%
【0086】
<実施例1~13及び比較例1~8>
後述の画像形成を行い、表1に示す実施例1~13、及び表2に示す比較例1~8の布帛を得た。
【0087】
(画像形成)
まず、前述の「2.樹脂粉体母粒子製造工程」および「3.樹脂粉体化工程」で調整した樹脂粉体を、適当な樹脂フィルムに塗り広げた。なお、前記樹脂粉体の付与量は、下記表1及び表2に示す量とした。これを布帛に被せ、その後樹脂フィルムをはがして樹脂粉体を布帛に転写(付与)した。布帛として、綿(COTTON HERITAGE社製の「MC1082」)を用いた。続いて、下記表1及び表2に示す水性インクを、樹脂粉体を付与した領域に付与した(付与量:4.0mg/cm)。その後、180℃のヒートプレスで加圧定着し、樹脂粉体と水性インクを布帛に熱定着させた。実施例12では、熱定着の温度を110℃にした。実施例13では、樹脂粉体を布帛に転写した後、180℃のヒートプレスで加圧定着を行い、その後水性インクを付与して、さらに熱定着を行った。比較例1では、樹脂粉体を使用する代わりに、カルシウムを含む多価金属塩を使用し、その他は、実施例1と同条件とした。比較例2、4~8は、樹脂粉体を使用せず、その他は、実施例1、8~11のそれぞれと同条件とした。比較例3は、樹脂粉体にアニオン性のものを使用し、その他は、実施例5と同条件とした。
【0088】
実施例1~13及び比較例1~8の布帛について(a)前処理跡、(b)にじみ、(c)画質(OD値)、(d)耐擦性評価を、下記方法により実施した。
【0089】
(a)前処理跡評価
樹脂粉体が付与された記録部分を、目視により、下記の評価基準に従って評価した。
【0090】
前処理跡評価 評価基準
A:なし
C:あり
【0091】
(b)にじみ評価
水性インクを、インクジェット方式により吐出してベタ印刷をした。目視により、下記の評価基準に従って評価した。
【0092】
にじみ評価 評価基準
A:なし
C:あり
【0093】
(c)画質(OD値)評価
X-Rite社製の分光測色計XRite-939(光源:D65、視野角:10°、ANSI-T)により測定し、平均値を求めた。自己分散Bk、樹脂分散Bk、及び樹脂分散Mを使用した場合のそれぞれについて、以下の評価基準に従って評価した。
【0094】
画質(OD値)評価 評価基準
・自己分散Bk
AA:1.41以上
A:1.36以上、1.41未満
B:1.36未満
・樹脂分散Bk
A:1.40以上
B:1.40未満
・樹脂分散M
A:1.33以上
B:1.33未満
【0095】
(d)耐擦性評価
(株)大栄科学精機製作所製の学振型摩擦試験機「RT-200」のプローブに白色の試験布をセットし、画像形成(インク膜)部分を擦り、前記白色の試験布への色移り(OD値)を、下記評価基準により評価した。
【0096】
耐擦性評価 評価基準
AA:0.13未満
A:0.13以上、0.20未満
B:0.20以上、0.35未満
C:0.35以上
【0097】
実施例1~13及び比較例1~8の評価結果を、表1及び表2に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
表1に示すように、実施例1~13は、前処理跡評価、及びにじみ評価の双方が良好であった。また、沸点が200℃以上である水溶性有機溶媒を含み、沸点が200℃未満である水溶性有機溶媒を含まず、樹脂粉体付与後に熱定着を行わず、熱定着温度が150~200℃の、実施例1~6、8~11は、前処理跡評価、にじみ評価に加え、画質評価が「A」以上で良好であった。さらに、定着樹脂にウレタン系樹脂を使用した、実施例1~9、12、13は、前処理跡評価、にじみ評価に加え、耐擦評価が「A」以上で良好であった。
【0101】
表2に示すように、比較例1~8は、前処理跡評価、またはにじみ評価のいずれかが悪かった。具体的には、前処理剤に多価金属塩を使用した比較例1は、前処理跡評価が悪かった。樹脂粉体による前処理を行わなかった比較例2、4~8は、いずれもにじみ評価が悪かった。アニオン性の樹脂粉体を使用した比較例3も、にじみ評価が悪かった。
【0102】
上記実施形態及び実施例の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載し得るが、以下には限定されない。
(付記1)
画像形成する対象物に樹脂粉体を付与する樹脂粉体付与工程と、
前記樹脂粉体を付与した領域に、水性インクをインクジェット方式により付与する画像形成工程と、
前記樹脂粉体を付与した領域及び前記水性インクを付与した領域に熱を加えて、前記樹脂粉体及び前記水性インクを、前記対象物に熱定着する熱定着工程と、
を有し、
前記水性インクは、顔料を含み、且つ前記樹脂粉体との接触により増粘又は前記水性インク中の前記顔料が凝集することを特徴とする画像形成方法。
(付記2)
前記水性インクは、水溶性有機溶媒を含み、
前記水溶性有機溶媒は、前記樹脂粉体の融点において液体であることを特徴とする付記1記載の画像形成方法。
(付記3)
前記水性インクは、水溶性有機溶媒を含み、
前記水溶性有機溶媒は、沸点が200℃以上であることを特徴とする付記2記載の画像形成方法。
(付記4)
前記樹脂粉体及び前記顔料の一方がカチオン性であり、他方がアニオン性であることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
(付記5)
前記樹脂粉体がカチオン性であり、前記顔料がアニオン性顔料であることを特徴とする付記4記載の画像形成方法。
(付記6)
前記水性インクは、界面活性剤を含み、
前記界面活性剤は、アニオン性であることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の画像形成方法。
(付記7)
前記水性インクは、前記樹脂粉体に対する接触角が50度以上であることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の画像形成方法。
(付記8)
前記水性インクは、定着樹脂を含み、
前記水性インク全量における前記定着樹脂の固形分配合量が、5質量%以上であることを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の画像形成方法。
(付記9)
前記熱定着工程における加熱部材の温度が150~200℃であることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の画像形成方法。
(付記10)
前記樹脂粉体の付与量が0.1mg/cm以上であることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の画像形成方法。
(付記11)
前記樹脂粉体の付与量(X)、および、前記水性インクの付与量(Y)の比率(X/Y)が、0.04以上、かつ、240以下であることを特徴とする付記1から10のいずれかに記載の画像形成方法。
(付記12)
前記樹脂粉体付与工程後、前記樹脂粉体付与工程で付与された樹脂粉体状態を維持したまま、前記画像形成工程を行い、さらにその後、前記熱定着工程を行うことを特徴とする付記1から11のいずれかに記載の画像形成方法。
(付記13)
画像形成工程を含み、
前記画像形成工程は、付記1から12のいずれかに記載の画像形成方法により実施される、
画像形成物の製造方法。
(付記14)
インク流路、樹脂粉体収容部、インク付与手段、及び樹脂粉体付与手段を含み、
前記樹脂粉体収容部に収容された樹脂粉体を前記樹脂粉体付与手段によって画像形成する対象物に付与し、
前記樹脂粉体が付与された領域に重なるよう、前記インク流路に供給された水性インクを前記インク付与手段によって画像形成する対象物に付与し、
前記インク流路に、付記1から12のいずれかに記載の水性インクが供給されることを特徴とする、画像形成システム。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上のように、本発明の画像形成方法によれば、前処理跡評価とにじみ評価の双方が優れる。本発明の画像形成方法は、各種画像形成する対象物への画像形成に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 インクジェット記録装置
2 インクカートリッジ
3 インク付与手段(インクジェットヘッド)
4 ヘッドユニット
5 キャリッジ
6 駆動ユニット
7 プラテンローラ
8 パージ装置
図1