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特開2024-132691トラッカモジュール、電源供給システム、高周波システム、通信装置、及びICチップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132691
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】トラッカモジュール、電源供給システム、高周波システム、通信装置、及びICチップ
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/02 20060101AFI20240920BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20240920BHJP
   H03F 3/20 20060101ALI20240920BHJP
   H02M 3/07 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H03F1/02 144
H04B1/04 A
H03F3/20
H02M3/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043564
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 祥
(72)【発明者】
【氏名】加藤 棟治
(72)【発明者】
【氏名】山口 浩司
【テーマコード(参考)】
5H730
5J500
5K060
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AA15
5H730AS04
5H730AS05
5H730BB02
5H730BB03
5H730DD04
5H730FF06
5H730ZZ04
5H730ZZ11
5J500AA01
5J500AA25
5J500AA41
5J500AC18
5J500AC46
5J500AC92
5J500AF16
5J500AH24
5J500AH29
5J500AH33
5J500AH38
5J500AK11
5J500AK12
5J500AK41
5J500AK49
5J500AK66
5J500AQ04
5J500AT01
5J500LV08
5J500RG05
5J500RU06
5K060LL11
(57)【要約】
【課題】トラッカモジュールを小型化し、かつ、出力特性の低下を低減する。
【解決手段】トラッカモジュール100は、基板9と、ICチップ80と、スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタC11と、を備える。ICチップ80は、基板9に配置されている。スイッチトキャパシタ回路は、入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されている。ICチップ80は、スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、出力スイッチ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、を含む。出力スイッチ回路は、複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプに出力するように構成されている。少なくとも1つのキャパシタC11は、ICチップ80にスタックされている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に配置されているICチップと、
入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されているスイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタと、を備え、
前記ICチップは、
前記スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、
前記複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプに出力するように構成されている出力スイッチ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、を含み、
前記少なくとも1つのキャパシタは、前記ICチップにスタックされている、
トラッカモジュール。
【請求項2】
基板と、
前記基板に配置されているICチップと、
入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されているスイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタと、を備え、
前記ICチップは、
前記スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、
前記複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプに出力するように構成されている出力スイッチ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、を含み、
前記少なくとも1つのキャパシタと、前記基板との間に、前記ICチップが位置している、
トラッカモジュール。
【請求項3】
前記ICチップは、
前記スイッチトキャパシタ回路に含まれる前記少なくとも1つのスイッチを含む第1スイッチ部と、
前記出力スイッチ回路に含まれる前記少なくとも1つのスイッチを含み、前記第1スイッチ部とは異なる第2スイッチ部と、を含み、
前記少なくとも1つのキャパシタは、前記基板の厚さ方向からの平面視で、前記第1スイッチ部と重なる、
請求項1又は2に記載のトラッカモジュール。
【請求項4】
前記基板の厚さ方向からの平面視で、前記第2スイッチ部は、前記少なくとも1つキャパシタと重ならない、
請求項3に記載のトラッカモジュール。
【請求項5】
前記少なくとも1つのキャパシタは、少なくとも1つのフライングキャパシタを含み、
前記少なくとも1つのフライングキャパシタは、前記基板の厚さ方向からの平面視で、前記ICチップと重なる、
請求項1又は2に記載のトラッカモジュール。
【請求項6】
前記スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つの平滑キャパシタを更に備え、
前記少なくとも1つの平滑キャパシタは、前記基板に配置されており、かつ、前記基板の厚さ方向からの平面視で、前記ICチップと重ならない、
請求項5に記載のトラッカモジュール。
【請求項7】
前記出力スイッチ回路と前記パワーアンプとの間に接続されているフィルタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタ又はインダクタを更に備え、
前記フィルタ回路に含まれる前記少なくとも1つのキャパシタ又はインダクタは、前記基板に配置されており、かつ、前記基板の厚さ方向からの平面視で、前記ICチップと重ならない、
請求項6記載のトラッカモジュール。
【請求項8】
前記出力スイッチ回路と前記パワーアンプとの間に接続されているフィルタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタ又はインダクタを更に備え、
前記フィルタ回路に含まれる前記少なくとも1つのキャパシタ又はインダクタは、前記基板に配置されており、かつ、前記基板の厚さ方向からの平面視で、前記ICチップと重ならない、
請求項5記載のトラッカモジュール。
【請求項9】
前記少なくとも1つのキャパシタは、少なくとも1つの平滑キャパシタを含み、
前記少なくとも1つの平滑キャパシタは、前記基板の厚さ方向からの平面視で、前記ICチップと重なる、
請求項1又は2に記載のトラッカモジュール。
【請求項10】
前記出力スイッチ回路と前記パワーアンプとの間に接続されているフィルタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタ又はインダクタを更に備え、
前記フィルタ回路に含まれる前記少なくとも1つのキャパシタ又はインダクタは、前記基板に配置されており、かつ、前記基板の厚さ方向からの平面視で、前記ICチップと重ならない、
請求項9記載のトラッカモジュール。
【請求項11】
請求項1又は2に記載のトラッカモジュールと、
直流電圧を前記入力電圧に変換するように構成されているプリレギュレータ回路に用いられるパワーインダクタと、
前記基板を第1基板としたとき、前記トラッカモジュール及び前記パワーインダクタが配置されている第2基板と、を備え、
前記パワーインダクタの前記第2基板からの高さは、前記トラッカモジュールの前記第2基板からの高さよりも高い、
電源供給システム。
【請求項12】
請求項1又は2に記載のトラッカモジュールと、
前記トラッカモジュールに接続されているパワーアンプと、を備える
高周波システム。
【請求項13】
請求項12に記載の高周波システムと、
前記高周波システムに接続されている信号処理回路と、を備える
通信装置。
【請求項14】
入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されているスイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタと接続されるICチップであって、
前記スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、
前記複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプに出力するように構成されている出力スイッチ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、を備え、
前記少なくとも1つのキャパシタは、前記ICチップにスタックされている、
ICチップ。
【請求項15】
前記スイッチトキャパシタ回路に含まれる前記少なくとも1つのスイッチを含む第1スイッチ部と、
前記出力スイッチ回路に含まれる前記少なくとも1つのスイッチを含み、前記第1スイッチ部とは異なる第2スイッチ部と、を更に備え、
前記少なくとも1つのキャパシタは、前記ICチップの厚さ方向からの平面視で、前記第1スイッチ部と重なる、
請求項14に記載のICチップ。
【請求項16】
前記第2スイッチ部は、前記ICチップの厚さ方向からの平面視で、前記少なくとも1つのキャパシタと重ならない、
請求項15に記載のICチップ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのキャパシタは、少なくとも1つのフライングキャパシタを含み、
前記少なくとも1つのフライングキャパシタは、前記ICチップの厚さ方向からの平面視で、前記ICチップと重なる、
請求項14に記載のICチップ。
【請求項18】
前記スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つの平滑キャパシタは、前記ICチップの厚さ方向からの平面視で、前記ICチップと重ならない、
請求項17に記載のICチップ。
【請求項19】
前記少なくとも1つのキャパシタは、少なくとも1つの平滑キャパシタを含み、
前記少なくとも1つの平滑キャパシタは、前記ICチップの厚さ方向からの平面視で、前記ICチップと重なる、
請求項14に記載のICチップ。
【請求項20】
前記出力スイッチ回路と前記パワーアンプとの間に接続されているフィルタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタ又はインダクタは、前記ICチップの厚さ方向からの平面視で、前記ICチップと重ならない、
請求項17から19のいずれか1項に記載のICチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はトラッカモジュール、電源供給システム、高周波システム、通信装置及びICチップに関し、より詳細には、キャパシタを備えるトラッカモジュール、トラッカモジュールを備える電源供給システム及び高周波システム、高周波システムを備える通信装置、及びトラッカモジュールに用いられるICチップに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、高周波信号に応じて時間の経過とともに動的に調整された電源電圧を電力増幅器に供給することができる電源変調回路が開示されている。電源変調回路は、複数の離散的電圧のうち1つを電力増幅器に出力する構成を有する。複数の離散的電圧は、例えば、スイッチトキャパシタ回路を用いて生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8829993号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電源変調回路をトラッカモジュールとして実現する場合、トラッカモジュールが大型化する場合がある。また、キャパシタの配置方法によっては、スイッチトキャパシタ回路の配線部における抵抗や寄生容量によって、出力特性が低下する場合がある。
【0005】
本開示は、出力特性の低下を低減し、かつ、小型化されたトラッカモジュール、電源供給システム、高周波システム、通信装置及びICチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るトラッカモジュールは、基板と、ICチップと、スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタと、を備える。前記ICチップは、前記基板に配置されている。前記スイッチトキャパシタ回路は、入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されている。前記ICチップは、前記スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、出力スイッチ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、を含む。前記出力スイッチ回路は、前記複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプに出力するように構成されている。前記少なくとも1つのキャパシタは、前記ICチップにスタックされている。
【0007】
本開示の他の一態様に係るトラッカモジュールは、基板と、ICチップと、スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタと、を備える。前記ICチップは、前記基板に配置されている。前記スイッチトキャパシタ回路は、入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されている。前記ICチップは、前記スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、出力スイッチ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、を含む。前記出力スイッチ回路は、前記複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプに出力するように構成されている。前記少なくとも1つのキャパシタと、前記基板との間に、前記ICチップが位置している。
【0008】
本開示の一態様に係る電源供給システムは、前記基板を第1基板としたとき、前記トラッカモジュールと、パワーインダクタと、第2基板と、を備える。前記パワーインダクタは、プリレギュレータ回路に用いられる。前記プリレギュレータ回路は、直流電圧を前記入力電圧に変換するように構成されている。前記第2基板には、前記トラッカモジュール及び前記パワーインダクタが配置されている。前記パワーインダクタの前記第2基板からの高さは、前記トラッカモジュールの前記第2基板からの高さよりも高い。
【0009】
本開示の一態様に係る高周波システムは、前記トラッカモジュールと、前記トラッカモジュールに接続されているパワーアンプと、を備える。
【0010】
本開示の一態様に係る通信装置は、前記高周波システムと、前記高周波システムに接続されている信号処理回路と、を備える。
【0011】
本開示の一態様に係るICチップは、スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのキャパシタと接続される。前記スイッチトキャパシタ回路は、入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されている。前記ICチップは、前記スイッチトキャパシタ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、出力スイッチ回路に含まれる少なくとも1つのスイッチと、を備える。前記出力スイッチ回路は、前記複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプに出力するように構成されている。前記少なくとも1つのキャパシタは、前記ICチップにスタックされている。
【発明の効果】
【0012】
上記態様に係るトラッカモジュール、電源供給システム、高周波システム、通信装置及びICチップによれば、出力特性の低下を低減してトラッカモジュールを小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態1に係るトラッカモジュールの平面図である。
図2図2は、同上のトラッカモジュールにおけるICチップの平面図である。
図3図3は、同上のトラッカモジュールの概念図である。
図4図4は、同上のトラッカモジュールを示し、図1のIII-III線断面図である。
図5図5は、実施形態1に係る電源回路、高周波システム及び通信装置の回路ブロック図である。
図6図6Aは、デジタルETモードにおける電源電圧の遷移の一例を示す波形図である。図6Bは、アナログETモードにおける電源電圧の遷移の一例を示す波形図である。
図7図7は、実施形態1に係る電源回路の回路図である。
図8図8は、同上の電源回路におけるデジタル制御回路の回路構成図である。
図9図9は、実施形態2に係るトラッカモジュールの断面図である。
図10図10は、実施形態3に係るトラッカモジュールの断面図である。
図11図11は、実施形態4に係るトラッカモジュールの断面図である。
図12図12は、実施形態5に係る電源供給システムの平面図である。
図13図13は、同上の電源供給システムを示し、図12のX-X線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態1~5について、図面を参照して説明する。以下の実施形態等において参照する図は、模式的な図であり、図中の構成要素の大きさ及び厚さは必ずしも実際の寸法を反映しているとは限らず、構成要素間における大きさの比及び厚さの比も、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0015】
(実施形態1)
(1)トラッカモジュール
実施形態1に係るトラッカモジュール100について、図面を参照して説明する。
【0016】
実施形態1に係るトラッカモジュール100は、図1図4に示すように、モジュール基板9と、ICチップ80と、フィルタ回路40(図5及び図7参照)と、を備える。ICチップ80は、モジュール基板9に配置されている。フィルタ回路40は、複数の機能素子(図7では、複数のインダクタL0,L1,L2及び複数のキャパシタC1,C2)を含む。ICチップ80は、入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されているスイッチトキャパシタ回路20(図7参照)に含まれる少なくとも1つのスイッチと、複数の離散的電圧のうちの少なくとも1つを、選択的にフィルタ回路40に出力するように構成されている出力スイッチ回路30(図3及び図7参照)に含まれる少なくとも1つのスイッチと、を含む。フィルタ回路40の複数の機能素子は、ICチップ80に集積化されている少なくとも1つの機能素子を含む。トラッカモジュール100は、例えば、図5に示すように、通信装置7の備える直流電源70に接続され、通信装置7の備えるパワーアンプ2に電源電圧Vccを供給する構成である。
【0017】
(2)電源回路、高周波システム及び通信装置の回路構成
以下、実施形態1に係る電源回路1、高周波システム200及び通信装置7の回路構成について、図面を参照して説明する。
【0018】
(2.1)高周波システムの回路構成
高周波システム200は、図5に示すように、電源回路1と、パワーアンプ2と、フィルタ3と、制御回路4と、複数の外部接続端子と、を備える。複数の外部接続端子は、アンテナ端子T1と、信号入力端子T2と、第1制御端子T3と、電源接続端子T4と、4つ(図5では1つのみ図示)の第2制御端子T5と、を含む。
【0019】
電源回路1は、エンベロープ信号に基づいて複数の離散的な電圧レベルの中から選択される電圧レベルを有する電源電圧Vccをパワーアンプ2に供給する回路である。
【0020】
電源回路1及びパワーアンプ2を備える通信装置7では、パワーアンプ2において、高周波信号を増幅する際に、エンベロープ・トラッキング方式(以下「ET方式」という)が用いられる。ET方式には、アナログ・エンベロープ・トラッキング方式(以下「アナログET方式」という)と、デジタル・エンベロープ・トラッキング方式(以下「デジタルET方式」という)とがある。
【0021】
デジタルET方式は、1フレーム内で、電圧レベルの異なる複数の離散的電圧を用いて高周波信号(変調波)の包絡線を追跡する方式である。デジタルET方式が電源電圧Vccの生成に適用されるモードをデジタルETモードと呼ぶ。また、アナログET方式は、連続的な電圧レベルを用いて高周波信号の包絡線を追跡する方式である。アナログET方式が電源電圧Vccの生成に適用されるモードをアナログETモードと呼ぶ。
【0022】
フレームとは、高周波信号を構成する単位を表す。例えば5G NR(5th Generation New Radio)及びLTE(Long Term Evolution)(登録商標)では、フレームは、10個のサブフレームを含み、各サブフレームは、複数のスロットを含み、各スロットは、複数のシンボルを含む。サブフレーム長は1msであり、フレーム長は10msである。
【0023】
ここで、デジタルETモード及びアナログETモードについて、図6A及び図6Bを参照して説明する。
【0024】
デジタルETモードでは、図6Aに示すように、1フレーム内で、複数の離散的な電圧レベルに電源電圧Vccを変動させることで高周波信号の包絡線を追跡する。その結果、電源電圧Vccの波形は、矩形波状の波形となる。デジタルETモードでは、エンベロープ信号に基づいて、複数の離散的な電圧レベルの中から電源電圧レベルが選択される。
【0025】
アナログETモードでは、図6Bに示すように、電源電圧Vccを連続的に変動させることで高周波信号の包絡線を追跡する。アナログETモードでは、エンベロープ信号に基づいて、電源電圧Vccが決定される。アナログETモードでは、チャネル帯域幅が狭い場合(チャネル帯域幅が例えば60MHz未満である場合)には、電源電圧Vccが高周波信号の包絡線の変化に追随しやすいが、チャネル帯域幅が広い場合(チャネル帯域幅が例えば60MHz以上である場合)には、電源電圧Vccが高周波信号の包絡線の変化に追随しにくくなる。言い換えると、チャネル帯域幅が広い場合には、電源電圧Vccの振幅変化は、高周波信号の包絡線の変化に対して遅れが生じやすくなる。
【0026】
これに対して、チャネル帯域幅が広い場合には、デジタルETモードを適用することで、電源電圧Vccの高周波信号への追随性を改善させることができる。
【0027】
電源回路1は、プリレギュレータ回路10と、スイッチトキャパシタ回路20と、出力スイッチ回路30と、フィルタ回路40と、を備える。
【0028】
プリレギュレータ回路10は、例えば、通信装置7の備える直流電源70から供給される直流電圧(第1電圧)を第2電圧に変換するDC(Direct Current)/DCコンバータである。プリレギュレータ回路10は、第1電圧の電圧値よりも第2電圧の電圧値を大きくする昇圧動作と、第1電圧の電圧値よりも第2電圧の電圧値を小さくする降圧動作と、を行うように構成されている。つまり、プリレギュレータ回路10は、昇降圧型のDC-DCコンバータである。
【0029】
スイッチトキャパシタ回路20は、プリレギュレータ回路10からの第2電圧を入力電圧とし、複数の離散的電圧(複数の第3電圧)を生成するように構成されている。複数の離散的電圧は、互いに異なる電圧レベルを有する。スイッチトキャパシタ回路20は、スイッチトキャパシタ電圧バランサ(Switched-Capacitor Voltage Balancer)と呼ばれる場合もある。
【0030】
出力スイッチ回路30は、エンベロープ信号に対応するデジタル制御信号に基づいて、スイッチトキャパシタ回路20で生成された複数の離散的電圧(複数の第3電圧)のうちの少なくとも1つを、選択的にフィルタ回路40に出力するように構成されている。出力スイッチ回路30は、複数の離散的電圧の中から選択された少なくとも1つの離散的電圧を出力する。電源回路1では、出力スイッチ回路30での離散的電圧の選択を時間の経過とともに繰り返すことで、出力スイッチ回路30の出力電圧(電源電圧Vcc)の電圧レベルを時間の経過とともに変化させることができる。これにより、電源回路1は、パワーアンプ2へ供給する電源電圧Vccの電圧レベルを時間の経過とともに変化させることができる。
【0031】
フィルタ回路40は、出力スイッチ回路30の出力電圧をフィルタリングする。フィルタ回路40は、例えば、ローパスフィルタを含む。
【0032】
フィルタ回路40は、出力スイッチ回路30から出力された出力電圧のスパイク状の電圧の振幅を低減させる。つまり、電源回路1は、フィルタ回路40を備えることにより、出力スイッチ回路30から出力された出力電圧の波形歪を低減させることができるので、上記出力電圧の高周波成分を低減させることができる。これにより、電源回路1では、電源電圧Vccに含まれるノイズを低減させることができるので、電源回路1からパワーアンプ2に入るノイズを低減させることができる。
【0033】
パワーアンプ2は、入力端子、出力端子、電源端子及び制御端子を有する。パワーアンプ2の入力端子は、信号入力端子T2を介して通信装置7の信号処理回路5に接続される。パワーアンプ2の出力端子は、フィルタ3及びアンテナ端子T1を介して通信装置7のアンテナ6に接続される。パワーアンプ2は、信号処理回路5から出力された所定バンドの高周波送信信号(以下、送信信号と記す)を増幅して出力する。
【0034】
フィルタ3は、パワーアンプ2の出力端子とアンテナ端子T1との間に接続されている。フィルタ3は、所定バンドの周波数帯域を含む通過帯域を有する。これにより、フィルタ3は、パワーアンプ2で増幅された所定バンドの送信信号を通過させることができる。高周波システム200では、パワーアンプ2から出力される送信信号を、フィルタ3及びアンテナ端子T1を介してアンテナ6へ出力する。
【0035】
制御回路4は、第1制御端子T3を介して信号処理回路5のRF信号処理回路51に接続されている。また、制御回路4は、パワーアンプ2の制御端子に接続されている。制御回路4は、信号処理回路5のRF信号処理回路51からの制御信号を受けることにより、パワーアンプ2の制御端子へ供給するバイアス電流(又はバイアス電圧)の大きさ及び供給タイミングを制御する。
【0036】
(2.2)通信装置
通信装置7は、図5に示すように、高周波システム200と、信号処理回路5と、アンテナ6と、直流電源70と、を備える。
【0037】
直流電源70は、例えば、充電式電池(rechargeable battery)である。なお、直流電源70は、充電式電池に限定されず、他の電池であってもよい。
【0038】
アンテナ6は、アンテナ端子T1から出力される所定バンドの送信信号を送信する。
【0039】
信号処理回路5は、RF信号処理回路51と、ベースバンド信号処理回路52と、を含む。RF信号処理回路51は、例えばRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)であり、高周波信号に対する信号処理を行う。RF信号処理回路51は、例えば、ベースバンド信号処理回路52から出力される高周波信号(送信信号)に対してアップコンバート等の信号処理を行い、信号処理が行われた高周波信号を出力する。ベースバンド信号処理回路52は、例えばBBIC(Baseband Integrated Circuit)である。ベースバンド信号処理回路52は、ベースバンド信号からI相信号及びQ相信号を生成する。ベースバンド信号は、例えば、外部から入力される音声信号又は画像信号である。ベースバンド信号処理回路52は、I相信号とQ相信号とを合成することでIQ変調処理を行って、送信信号を出力する。この際、送信信号は、所定周波数の搬送波信号を、搬送波信号の周期よりも長い周期で振幅変調される変調信号(IQ信号)として生成される。
【0040】
また、RF信号処理回路51は、電源回路1及びパワーアンプ2を制御する制御部511を有する。RF信号処理回路51の制御部511は、ベースバンド信号処理回路52から入力される高周波入力信号のエンベロープ信号に基づいて、スイッチトキャパシタ回路20で生成された複数の離散的電圧の電圧レベルの中からパワーアンプ2で用いられる電源電圧Vccの電圧レベルを出力スイッチ回路30に選択させる。これにより、電源回路1は、デジタル・エンベロープ・トラッキングに基づいて電源電圧Vccを出力する。エンベロープ信号とは、高周波信号(変調波)の包絡線を示す信号である。エンベロープ値は、例えば(I+Q1/2である。ここで、(I,Q)は、コンスタレーションポイントを表す。コンスタレーションポイントとは、デジタル変調によって変調された信号をコンスタレーションダイヤグラム上で表す点である。(I,Q)は、例えば送信情報に基づいてベースバンド信号処理回路52で決定される。なお、RF信号処理回路51の制御部511としての機能の一部又は全部は、RF信号処理回路51の外部にあってもよく、例えば、ベースバンド信号処理回路52又は電源回路1がRF信号処理回路51の制御部511としての機能の一部又は全部を備えてもよい。例えば、上記の出力スイッチ回路30に電源電圧Vccの電圧レベルを選択させる制御機能を、RF信号処理回路51が備えず、電源回路1が備えてもよい。
【0041】
(2.3)電源回路
電源回路1は、図7に示すように、プリレギュレータ回路10と、スイッチトキャパシタ回路20と、出力スイッチ回路30と、フィルタ回路40と、バンドセレクトスイッチ回路50と、デジタル制御回路60と、を備える。
【0042】
(2.4)プリレギュレータ回路
プリレギュレータ回路10は、図7に示すように、入力端子110と、複数(図7の例では4つ)の出力端子111~114と、複数のインダクタ接続端子115,116と、制御端子117と、複数(図7の例では5つ)のスイッチS61,S62,S63,S71,S72と、パワーインダクタL71と、複数(図7の例では4つ)のキャパシタC61,C62,C63,C64と、を備える。パワーインダクタL71は、直流電圧の昇圧及び/又は降圧(昇圧、降圧又は昇降圧)に用いられるインダクタである。
【0043】
入力端子110は、直流電圧の入力端子である。つまり、入力端子110は、直流電源70(図7参照)から入力電圧を受けるための端子である。
【0044】
出力端子111は、電圧V4の出力端子である。つまり、出力端子111は、スイッチトキャパシタ回路20に電圧V4を供給するための端子である。出力端子111は、スイッチトキャパシタ回路20のノードN4に接続されている。
【0045】
出力端子112は、電圧V3の出力端子である。つまり、出力端子112は、スイッチトキャパシタ回路20に電圧V3を供給するための端子である。出力端子112は、スイッチトキャパシタ回路20のノードN3に接続されている。
【0046】
出力端子113は、電圧V2の出力端子である。つまり、出力端子113は、スイッチトキャパシタ回路20に電圧V2を供給するための端子である。出力端子113は、スイッチトキャパシタ回路20のノードN2に接続されている。
【0047】
出力端子114は、電圧V1の出力端子である。つまり、出力端子114は、スイッチトキャパシタ回路20に電圧V1を供給するための端子である。出力端子114は、スイッチトキャパシタ回路20のノードN1に接続されている。
【0048】
インダクタ接続端子115は、パワーインダクタL71の一端(第1端)に接続されている。インダクタ接続端子116は、パワーインダクタL71の他端(第2端)に接続されている。
【0049】
制御端子117は、制御信号Sg1の入力端子である。つまり、制御端子117は、プリレギュレータ回路10を制御するための制御信号Sg1を受けるための端子である。制御信号Sg1は、プリレギュレータ回路10に含まれる複数のスイッチS61~S63,S71,S72のオン/オフを制御するための信号である。
【0050】
スイッチS71は、入力端子110とパワーインダクタL71の一端(第1端)との間に接続されている。具体的には、スイッチS71は、入力端子110に接続されている第1端子と、インダクタ接続端子115を介してパワーインダクタL71の一端(第1端)に接続されている第2端子と、を有する。上記の接続構成において、スイッチS71は、オン/オフを切り替えることで、入力端子110とパワーインダクタL71の一端との間の接続及び非接続を切り替える。
【0051】
スイッチS72は、パワーインダクタL71の一端(第1端)とグランドとの間に接続されている。具体的には、スイッチS72は、インダクタ接続端子115を介してパワーインダクタL71の一端(第1端)に接続されている第1端子と、グランドに接続されている第2端子と、を有する。上記の接続構成において、スイッチS72は、オン/オフを切り替えることで、パワーインダクタL71の一端とグランドとの間の接続及び非接続を切り替える。
【0052】
スイッチS61は、パワーインダクタL71の他端(第2端)と出力端子111との間に接続されている。具体的には、スイッチS61は、パワーインダクタL71の他端(第2端)に接続されている第1端子と、出力端子111に接続されている第2端子と、有する。上記の接続構成において、スイッチS61は、オン/オフを切り替えることで、パワーインダクタL71の他端と出力端子111との間の接続及び非接続を切り替える。
【0053】
スイッチS62は、パワーインダクタL71の他端(第2端)と出力端子112との間に接続されている。具体的には、スイッチS62は、パワーインダクタL71の他端(第2端)に接続されている第1端子と、出力端子112に接続されている第2端子と、有する。上記の接続構成において、スイッチS62は、オン/オフを切り替えることで、パワーインダクタL71の他端と出力端子112との間の接続及び非接続を切り替える。
【0054】
スイッチS63は、パワーインダクタL71の他端(第2端)と出力端子113との間に接続されている。具体的には、スイッチS63は、パワーインダクタL71の他端(第2端)に接続されている第1端子と、出力端子113に接続されている第2端子と、有する。上記の接続構成において、スイッチS63は、オン/オフを切り替えることで、パワーインダクタL71の他端と出力端子113との間の接続及び非接続を切り替える。
【0055】
キャパシタC61は、出力端子111と出力端子112との間に接続されている。キャパシタC61の2つの電極の一方は、スイッチS61及び出力端子111に接続され、キャパシタC61の2つの電極の他方は、スイッチS62及び出力端子112と、キャパシタC62の2つの電極の一方とに接続されている。
【0056】
キャパシタC62は、出力端子112と出力端子113との間に接続されている。キャパシタC62の2つの電極の一方は、スイッチS62及び出力端子112と、キャパシタC61の2つの電極の他方とに接続され、キャパシタC62の2つの電極の他方は、スイッチS63及び出力端子113と、キャパシタC63の2つの電極の一方とに接続されている。
【0057】
キャパシタC63は、出力端子113と出力端子114との間に接続されている。キャパシタC63の2つの電極の一方は、スイッチS63及び出力端子113と、キャパシタC62の2つの電極の他方とに接続され、キャパシタC63の2つの電極の他方は、出力端子114と、キャパシタC64の2つの電極の一方とに接続されている。
【0058】
キャパシタC64は、出力端子114とグランドとの間に接続されている。キャパシタC64の2つの電極の一方は、出力端子114と、キャパシタC63の2つの電極の他方とに接続され、キャパシタC64の2つの電極の他方は、グランドに接続されている。
【0059】
複数のスイッチS61~S63は、排他的にオンになるように制御される。つまり、スイッチS61~S63のいずれかのみがオンにされ、スイッチS61~S63の残りがオフにされる。スイッチS61~S63のいずれをオンとするかにより、電圧V1~V4の電圧レベルを変化させることが可能となる。
【0060】
上記のように構成されたプリレギュレータ回路10は、複数の出力端子111~113の少なくとも1つを介してスイッチトキャパシタ回路20に電荷を供給する。
【0061】
(2.5)スイッチトキャパシタ回路
スイッチトキャパシタ回路20は、図7に示すように、複数(図7の例では6つ)のキャパシタC11~C16と、複数(図7の例では4つ)のキャパシタC21~C24と、複数(図7の例では16個)のスイッチS11~S14,S21~S24,S31~S34,S41~S44と、制御端子120と、を備える。
【0062】
制御端子120は、デジタル制御回路60からの制御信号Sg2の入力端子である。制御信号Sg2は、スイッチトキャパシタ回路20に含まれる複数のスイッチS11~S14,S21~S24,S31~S34,S41~S44のオン/オフを制御するための信号である。
【0063】
複数のキャパシタC11~C16の各々は、フライングキャパシタ(トランスファキャパシタ)として機能する。つまり、複数のキャパシタC11~C16の各々は、プリレギュレータ回路10から供給される電圧(入力電圧)を昇圧又は降圧するために用いられる。より具体的には、複数のキャパシタC11~C16は、4つのノードN1~N4においてV1:V2:V3:V4=1:2:3:4を満たす電圧V1~V4(グランド電位に対する電圧)が維持されるように、キャパシタC11~C16とノードN1~N4との間で電荷を移動させる。複数の電圧V1~V4は、複数の離散的な電圧レベルをそれぞれ有する複数の離散的電圧に相当する。電圧V1は、ノードN1における電圧であり、電圧V2は、ノードN2における電圧であり、電圧V3は、ノードN3における電圧であり、電圧V4は、ノードN4における電圧である。
【0064】
キャパシタC11は、2つの電極を有する。キャパシタC11の2つの電極の一方は、スイッチS11の一端(第1端)及びスイッチS12の一端(第1端)に接続されている。キャパシタC11の2つの電極の他方は、スイッチS21の一端(第1端)及びスイッチS22の一端(第1端)に接続されている。
【0065】
キャパシタC12は、2つの電極を有する。キャパシタC12の2つの電極の一方は、スイッチS21の一端(第1端)及びスイッチS22の一端(第1端)に接続されている。キャパシタC12の2つの電極の他方は、スイッチS31の一端(第1端)及びスイッチS32の一端(第1端)に接続されている。
【0066】
なお、スイッチトキャパシタ回路20では、キャパシタC12が第1キャパシタの一例であり、キャパシタC12の2つの電極の一方が第1キャパシタの第1電極を構成し、キャパシタC12の2つの電極の他方が第1キャパシタの第2電極を構成している。
【0067】
キャパシタC13は、2つの電極を有する。キャパシタC13の2つの電極の一方は、スイッチS31の一端(第1端)及びスイッチS32の一端(第1端)に接続されている。キャパシタC13の2つの電極の他方は、スイッチS41の一端(第1端)及びスイッチS42の一端(第1端)に接続されている。
【0068】
キャパシタC14は、2つの電極を有する。キャパシタC14の2つの電極の一方は、スイッチS13の一端(第1端)及びスイッチS14の一端(第1端)に接続されている。キャパシタC14の2つの電極の他方は、スイッチS23の一端(第1端)及びスイッチS24の一端(第1端)に接続されている。
【0069】
キャパシタC15は、2つの電極を有する。キャパシタC15の2つの電極の一方は、スイッチS23の一端(第1端)及びスイッチS24の一端(第1端)に接続されている。キャパシタC15の2つの電極の他方は、スイッチS33の一端(第1端)及びスイッチS34の一端(第1端)に接続されている。
【0070】
なお、スイッチトキャパシタ回路20では、キャパシタC15が第2キャパシタの一例であり、キャパシタC15の2つの電極の一方が第2キャパシタの第3電極を構成し、キャパシタC15の2つの電極の他方が第2キャパシタの第4電極を構成している。
【0071】
キャパシタC16は、2つの電極を有する。キャパシタC16の2つの電極の一方は、スイッチS33の一端(第1端)及びスイッチS34の一端(第1端)に接続されている。キャパシタC16の2つの電極の他方は、スイッチS43の一端(第1端)及びスイッチS44の一端(第1端)に接続されている。
【0072】
キャパシタC11,C14のセットと、キャパシタC12,C15のセットと、キャパシタC13,C16のセットとの各々は、第1フェーズ及び第2フェーズが繰り返されることで相補的に充電及び放電を行うことが可能である。
【0073】
第1フェーズでは、スイッチS12,S13,S22,S23,S32,S33,S42,S43がオンにされる。これにより、例えば、キャパシタC12(第1キャパシタ)の2つの電極の一方(第1電極)はノードN3に接続され、キャパシタC12の2つの電極の他方(第2電極)及びキャパシタC15(第2キャパシタ)の2つの電極の一方(第3電極)はノードN2に接続され、キャパシタC15の2つの電極の他方(第4電極)はノードN1に接続される。
【0074】
第2フェーズでは、スイッチS11,S14,S21,S24,S31,S34,S41,S44がオンにされる。これにより、例えば、キャパシタC15(第2キャパシタ)の2つの電極の一方(第3電極)はノードN3に接続され、キャパシタC15(第2キャパシタ)の2つの電極の他方(第4電極)及びキャパシタC12(第1キャパシタ)の2つの電極の一方(第1電極)はノードN2に接続され、キャパシタC12(第1キャパシタ)の2つの電極の他方(第2電極)は、ノードN1に接続される。
【0075】
第1フェーズ及び第2フェーズが繰り返されることにより、例えばキャパシタC12,C15の一方がノードN2から充電されているときに、キャパシタC12,C15の他方がキャパシタC23に放電することができる。つまり、キャパシタC12,C15は、相補的に充電及び放電を行うことができる。キャパシタC12,C15は、相補的に充電及び放電を行う一対のフライングキャパシタである。
【0076】
なお、キャパシタC11とC14とのセットも、適宜スイッチを切り替えることで、キャパシタC12,C15のセットと同様に、相補的にノードからの充電及び平滑キャパシタへの放電を行う一対のフライングキャパシタとなる。また、キャパシタC13とC16とのセットも、適宜スイッチを切り替えることで、キャパシタC12,C15のセットと同様に、相補的にノードからの充電及び平滑キャパシタへの放電を行う一対のフライングキャパシタとなる。
【0077】
複数のキャパシタC21~C24の各々は、平滑キャパシタとして機能する。つまり、キャパシタC21~C24の各々は、ノードN1~N4における電圧V1~V4の保持及び平滑化に用いられる。
【0078】
キャパシタC21は、ノードN1とグランドとの間に接続されている。具体的には、キャパシタC21の2つの電極の一方は、ノードN1に接続されている。一方、キャパシタC21の2つの電極の他方(第6電極)は、グランドに接続されている。
【0079】
キャパシタC22は、ノードN2とノードN1との間に接続されている。具体的には、キャパシタC22の2つの電極の一方は、ノードN2に接続されている。一方、キャパシタC22の2つの電極の他方は、ノードN1に接続されている。
【0080】
キャパシタC23は、ノードN3とノードN2との間に接続されている。具体的には、キャパシタC23の2つの電極の一方は、ノードN3に接続されている。一方、キャパシタC23の2つの電極の他方は、ノードN2に接続されている。
【0081】
キャパシタC24は、ノードN4とノードN3との間に接続されている。具体的には、キャパシタC24の2つの電極の一方は、ノードN4に接続されている。一方、キャパシタC24の2つの電極の他方は、ノードN3に接続されている。
【0082】
スイッチS11は、キャパシタC11の2つの電極の一方とノードN3との間に接続されている。具体的には、スイッチS11の一端(第1端)は、キャパシタC11の2つの電極の一方に接続されている。一方、スイッチS11の他端(第2端)は、ノードN3に接続されている。
【0083】
スイッチS12は、キャパシタC11の2つの電極の一方とノードN4との間に接続されている。具体的には、スイッチS12の一端(第1端)は、キャパシタC11の2つの電極の一方に接続されている。一方、スイッチS12の他端(第2端)は、ノードN4に接続されている。
【0084】
スイッチS21は、キャパシタC12(第1キャパシタ)の2つの電極の一方(第1電極)とノードN2との間に接続されている。具体的には、スイッチS21の一端(第1端)は、キャパシタC12(第1キャパシタ)の2つの電極の一方(第1電極)及びキャパシタC11の2つの電極の他方に接続されている。一方、スイッチS21の他端(第2端)は、ノードN2に接続されている。なお、スイッチトキャパシタ回路20では、スイッチS21が第1スイッチの一例である。
【0085】
スイッチS22は、キャパシタC12の2つの電極の一方(第1電極)とノードN3との間に接続されている。具体的には、スイッチS22の一端(第1端)は、キャパシタC12の2つの電極の一方(第1電極)及びキャパシタC11の2つの電極の他方に接続されている。一方、スイッチS22の他端(第2端)は、ノードN3に接続されている。なお、スイッチトキャパシタ回路20では、スイッチS22が第3スイッチの一例である。
【0086】
スイッチS31は、キャパシタC12(第1キャパシタ)の2つの電極の他方(第2電極)とノードN1との間に接続されている。具体的には、スイッチS31の一端(第1端)は、キャパシタC12(第1キャパシタ)の2つの電極の他方(第2電極)及びキャパシタC13の2つの電極の一方に接続されている。一方、スイッチS31の他端(第2端)は、ノードN1に接続されている。なお、スイッチトキャパシタ回路20では、スイッチS31が第4スイッチの一例である。
【0087】
スイッチS32は、キャパシタC12(第1キャパシタ)の2つの電極の他方(第2電極)とノードN2との間に接続されている。具体的には、スイッチS32の一端(第1端)は、キャパシタC12の2つの電極の他方(第2電極)及びキャパシタC13の2つの電極の一方に接続される。一方、スイッチS32の他端(第2端)は、ノードN2に接続されている。つまり、スイッチS32の他端(第2端)は、スイッチS21の他端(第2端)に接続されている。なお、スイッチトキャパシタ回路20では、スイッチS32が第2スイッチの一例である。
【0088】
スイッチS41は、キャパシタC13の2つの電極の他方とグランドとの間に接続されている。具体的には、スイッチS41の一端(第1端)は、キャパシタC13の2つの電極の他方に接続されている。一方、スイッチS41の他端(第2端)は、グランドに接続されている。
【0089】
スイッチS42は、キャパシタC13の2つの電極の他方とノードN1との間に接続されている。具体的には、スイッチS42の一端(第1端)は、キャパシタC13の2つの電極の他方に接続されている。一方、スイッチS42の他端(第2端)は、ノードN1に接続されている。つまり、スイッチS42の他端(第2端)は、スイッチS31の他端(第2端)に接続されている。
【0090】
スイッチS13は、キャパシタC14の2つの電極の一方とノードN3との間に接続されている。具体的には、スイッチS13の一端(第1端)は、キャパシタC14の2つの電極の一方に接続される。一方、スイッチS13の他端(第2端)は、ノードN3に接続されている。つまり、スイッチS13の他端(第2端)は、スイッチS11の他端(第2端)及びスイッチS22の他端(第2端)に接続されている。
【0091】
スイッチS14は、キャパシタC14の2つの電極の一方とノードN4との間に接続されている。具体的には、スイッチS14の一端(第1端)は、キャパシタC14の2つの電極の一方に接続されている。一方、スイッチS14の他端(第2端)は、ノードN4に接続されている。つまり、スイッチS14の他端(第2端)は、スイッチS12の他端(第2端)に接続されている。
【0092】
スイッチS23は、キャパシタC15(第2キャパシタ)の2つの電極の一方(第3電極)とノードN2との間に接続されている。具体的には、スイッチS23の一端(第1端)は、キャパシタC15の2つの電極の一方(第3電極)及びキャパシタC14の2つの電極の他方に接続される。一方、スイッチS23の他端(第2端)は、ノードN2に接続されている。つまり、スイッチS23の他端(第2端)は、スイッチS21の他端(第2端)及びスイッチS32の他端(第2端)に接続される。なお、スイッチトキャパシタ回路20では、スイッチS23が第5スイッチの一例である。
【0093】
スイッチS24は、キャパシタC15(第2キャパシタ)の2つの電極の一方(第3電極)とノードN3との間に接続されている。具体的には、スイッチS24の一端(第1端)は、キャパシタC15の2つの電極の一方(第3電極)及びキャパシタC14の2つの電極の他方に接続されている。一方、スイッチS24の他端(第2端)は、ノードN3に接続されている。つまり、スイッチS24の他端(第2端)は、スイッチS11の他端(第2端)、スイッチS22の他端(第2端)及びスイッチS13の他端(第2端)に接続されている。なお、スイッチトキャパシタ回路20では、スイッチS24が第7スイッチの一例である。
【0094】
スイッチS33は、キャパシタC15(第2キャパシタ)の2つの電極の他方とノードN1との間に接続されている。具体的には、スイッチS33の一端(第1端)は、キャパシタC15の2つの電極の他方(第4電極)及びキャパシタC16の2つの電極の一方に接続されている。一方、スイッチS33の他端(第2端)は、ノードN1に接続されている。つまり、スイッチS33の他端(第2端)は、スイッチS31の他端(第2端)及びスイッチS42の他端(第2端)に接続されている。なお、スイッチトキャパシタ回路20では、スイッチS33が第8スイッチの一例である。
【0095】
スイッチS34は、キャパシタC15(第2キャパシタ)の2つの電極の他方(第4電極)とノードN2との間に接続されている。具体的には、スイッチS34の一端(第1端)は、キャパシタC15の2つの電極の他方(第4電極)及びキャパシタC16の2つの電極の一方に接続されている。一方、スイッチS34の他端(第2端)は、ノードN2に接続されている。つまり、スイッチS34の他端(第2端)は、スイッチS21の他端(第2端)、スイッチS32の他端(第2端)及びスイッチS23の他端(第2端)に接続されている。なお、スイッチトキャパシタ回路20では、スイッチS34が第6スイッチの一例である。
【0096】
スイッチS43は、キャパシタC16の2つの電極の他方とグランドとの間に接続されている。具体的には、スイッチS43の一端(第1端)は、キャパシタC16の2つの電極の他方に接続されている。一方、スイッチS43の他端(第2端)は、グランドに接続されている。
【0097】
スイッチS44は、キャパシタC16の2つの電極の他方とノードN1との間に接続されている。具体的には、スイッチS44の一端(第1端)は、キャパシタC16の2つの電極の他方に接続されている。一方、スイッチS44の他端(第2端)は、ノードN1に接続されている。つまり、スイッチS44の他端(第2端)は、スイッチS31の他端(第2端)、スイッチS42の他端(第2端)及びスイッチS33の他端(第2端)に接続される。
【0098】
スイッチS12,S13,S22,S23,S32,S33,S42,S43を含む第1セットのスイッチと、スイッチS11,S14,S21,S24,S31,S34,S41,S44を含む第2セットのスイッチとは、相補的にオン及びオフが切り替えられる。具体的には、第1フェーズでは、第1セットのスイッチがオンにされ、第2セットのスイッチがオフにされる。逆に、第2フェーズでは、第1セットのスイッチがオフにされ、第2セットのスイッチがオンにされる。
【0099】
例えば、第1フェーズ及び第2フェーズに一方において、キャパシタC11~C13からキャパシタC21~C24への充電が実行され、第1フェーズ及び第2フェーズの他方において、キャパシタC14~C16からキャパシタC21~C24への充電が実行される。つまり、キャパシタC21~C24には、常にキャパシタC11~C13又はキャパシタC14~C16から充電されるので、ノードN1~N4から出力スイッチ回路30へ高速で電流が流れても、ノードN1~N4には高速で電荷が補充されるので、ノードN1~N4の電位変動を抑制できる。
【0100】
上記のように動作することで、スイッチトキャパシタ回路20は、キャパシタC21~C24のそれぞれの両端でほぼ等しい電圧を維持することができる。具体的には、4つのノードN1~N4において、V1:V2:V3:V4=1:2:3:4を満たす電圧V1~V4(グランド電位に対する電圧)が維持される。電圧V1~V4の電圧レベルは、スイッチトキャパシタ回路20によって出力スイッチ回路30に供給される複数の離散的な電圧レベルに対応する。
【0101】
なお、電圧比V1:V2:V3:V4は、1:2:3:4に限定されない。例えば、電圧比V1:V2:V3:V4は、1:2:4:8であってもよい。
【0102】
(2.6)出力スイッチ回路
出力スイッチ回路30は、図7に示すように、複数(図7の例では4つ)の入力端子131~134と、複数(図7の例では4つ)のスイッチS51~S54と、出力端子130と、制御端子135と、を備える。
【0103】
出力端子130は、フィルタ回路40に接続されている。出力端子130は、フィルタ回路40を介してパワーアンプ2に、電圧V1~V4の中から選択された電圧を電源電圧Vccとして供給するための端子である。
【0104】
複数の入力端子131~134は、スイッチトキャパシタ回路20のノードN4~N1にそれぞれ接続されている。複数の入力端子131~134は、スイッチトキャパシタ回路20から電圧V4~V1を受けるための端子である。
【0105】
制御端子135は、デジタル制御回路60からの制御信号Sg3の入力端子である。制御信号Sg3は、出力スイッチ回路30に含まれる複数のスイッチS51~S54のオン/オフを制御するための信号である。出力スイッチ回路30は、制御信号Sg3に基づいて、複数のスイッチS51~S54のオン/オフを制御する。
【0106】
スイッチS51は、入力端子131と出力端子130との間に接続されている。具体的には、スイッチS51は、入力端子131に接続されている第1端子と、出力端子130に接続されている第2端子と、を有する。上記の接続構成において、スイッチS51は、オン/オフを切り替えることで、入力端子131と出力端子130との接続及び非接続を切り替える。
【0107】
スイッチS52は、入力端子132と出力端子130との間に接続されている。具体的には、スイッチS52は、入力端子132に接続されている第1端子と、出力端子130に接続されている第2端子と、を有する。上記の接続構成において、スイッチS52は、オン/オフを切り替えることで、入力端子132と出力端子130との接続及び非接続を切り替える。なお、出力スイッチ回路30では、スイッチS52が第10スイッチの一例である。
【0108】
スイッチS53は、入力端子133と出力端子130との間に接続されている。具体的には、スイッチS53は、入力端子133に接続されている第1端子と、出力端子130に接続されている第2端子と、を有する。上記の接続構成において、スイッチS53は、オン/オフを切り替えることで、入力端子133と出力端子130との接続及び非接続を切り替える。なお、出力スイッチ回路30では、スイッチS53が第9スイッチの一例である。
【0109】
スイッチS54は、入力端子134と出力端子130との間に接続されている。具体的には、スイッチS54は、入力端子134に接続されている第1端子と、出力端子130に接続されている第2端子と、を有する。上記の接続構成において、スイッチS54は、オン/オフを切り替えることで、入力端子134と出力端子130との接続及び非接続を切り替える。
【0110】
複数のスイッチS51~S54は排他的にオンになるように制御される。つまり、スイッチS51~S54のいずれかのみがオンにされ、スイッチS51~S54の残りがオフにされる。これにより、出力スイッチ回路30は、電圧V1~V4の中から選択された1つの電圧を出力することができる。
【0111】
出力スイッチ回路30は、上記の構成を有することにより、エンベロープ信号に対応するデジタル制御信号が制御端子135から入力され、制御端子135から入力されたデジタル制御信号に基づいて、複数のスイッチS51~S54のオンオフを制御して、スイッチトキャパシタ回路20で生成される複数の電圧V1~V4のうちの少なくとも1つを選択する。出力スイッチ回路30は、選択された電圧を出力する。
【0112】
出力スイッチ回路30の出力電圧の波形は複数の離散的電圧のみを含む矩形波ではない場合もある。具体的には、出力スイッチ回路30の出力電圧の波形は、相対的に低い電圧レベルの離散的電圧から相対的に高い電圧レベルの離散的電圧に遷移するときにオーバーシュート電圧(スパイク状の電圧)が発生して矩形波から歪んだ波形となる。また、出力スイッチ回路30の出力電圧の波形は、相対的に高い電圧レベルの離散的電圧から相対的に低い電圧レベルの離散的電圧に遷移するときにアンダーシュート電圧(スパイク状の電圧)が発生して矩形波から歪んだ波形となる。上記のような出力スイッチ回路30の出力電圧の波形の歪は、ノイズの原因となる。スパイク状の電圧の振幅は、電圧変化率(dV/dt)の絶対値が大きいほど大きくなる。
【0113】
(2.7)バンドセレクトスイッチ回路
バンドセレクトスイッチ回路50は、図7に示すように、共通端子150と、複数(図7の例では4つ)のスイッチS81~S84と、複数(図7の例では4つ)の選択端子151~154と、制御端子155と、を備える。
【0114】
バンドセレクトスイッチ回路50の共通端子150は、出力スイッチ回路30の出力端子130に接続されている。複数の選択端子151~154には、例えば、互いに異なる通信バンドに対応した複数のパワーアンプがそれぞれ接続される。図7に示す例では、複数の選択端子151~154のうち1つの選択端子151にフィルタ回路40を介してパワーアンプ2が接続される。
【0115】
制御端子155は、制御信号Sg4の入力端子である。つまり、制御端子155は、複数の通信バンドのうちの1つを示す制御信号Sg4を受けるための端子である。バンドセレクトスイッチ回路50は、制御信号Sg4が示す通信バンドに対応するパワーアンプが出力スイッチ回路30に接続されるように、複数のスイッチS81~S84のオン/オフを制御する。
【0116】
スイッチS81は、共通端子150と選択端子151との間に接続されている。具体的には、スイッチS81は、共通端子150に接続されている第1端子と、選択端子151に接続されている第2端子と、を有する。上記の接続構成において、スイッチS81は、オン/オフを切り替えることで、共通端子150と選択端子151との接続及び非接続を切り替える。
【0117】
スイッチS82は、共通端子150と選択端子152との間に接続されている。具体的には、スイッチS82は、共通端子150に接続されている第1端子と、選択端子152に接続されている第2端子と、を有する。上記の接続構成において、スイッチS82は、オン/オフを切り替えることで、共通端子150と選択端子152との接続及び非接続を切り替える。
【0118】
スイッチS83は、共通端子150と選択端子153との間に接続されている。具体的には、スイッチS83は、共通端子150に接続されている第1端子と、選択端子153に接続されている第2端子と、を有する。上記の接続構成において、スイッチS83は、オン/オフを切り替えることで、共通端子150と選択端子153との接続及び非接続を切り替える。
【0119】
スイッチS84は、共通端子150と選択端子154との間に接続されている。具体的には、スイッチS84は、共通端子150に接続されている第1端子と、選択端子154に接続されている第2端子と、を有する。上記の接続構成において、スイッチS84は、オン/オフを切り替えることで、共通端子150と選択端子154との接続及び非接続を切り替える。
【0120】
図7の例では、複数のスイッチS81~S84は排他的にオンになるように制御される。つまり、スイッチS81~S84のいずれか1つのみがオンにされ、スイッチS81~S84の残りがオフにされる。
【0121】
(2.8)フィルタ回路
フィルタ回路40は、図7に示すように、入力端子141と、出力端子142と、複数の機能素子を有する。複数の機能素子は、複数(図7の例では3つ)のインダクタL0,L1,L2及び複数(図7の例では2つ)のキャパシタC1,C2を含む。
【0122】
入力端子141は、出力スイッチ回路30で選択された電圧の入力端子である。つまり、入力端子141は、複数の電圧V1~V4の中から選択された電圧を受けるための端子である。なお、図7の例では、入力端子141は、バンドセレクトスイッチ回路50を介して出力スイッチ回路30の出力端子130に接続されている。
【0123】
出力端子142は、フィルタ回路40によってフィルタリングされた電圧が出力される端子である。フィルタ回路40の出力端子142から出力される電圧は、パワーアンプ2に供給される電源電圧Vccである。
【0124】
インダクタL0は、入力端子141と出力端子142との間に接続されている。より具体的には、インダクタL0の一端(第1端)は、入力端子141に接続され、インダクタL0の他端(第2端)は、出力端子142に接続されている。
【0125】
インダクタL1及びキャパシタC1は、インダクタL0の一端とグランドとの間で直列接続されている。より具体的には、インダクタL1の一端(第1端)は、インダクタL0の一端(第1端)に接続され、インダクタL1の他端(第2端)は、キャパシタC1の2つの電極の一方に接続され、キャパシタC1の2つの電極の他方は、グランドに接続されている。つまり、フィルタ回路40は、インダクタL1(以下、第1インダクタL1ともいう)及びキャパシタC1(以下、第1キャパシタC1ともいう)を含む第1LC直列回路41(図3参照)を有している。
【0126】
インダクタL2及びキャパシタC2は、インダクタL0の他端とグランドとの間で直列接続されている。より具体的には、インダクタL2の一端(第1端)は、インダクタL0の他端(第2端)に接続され、インダクタL2の他端(第2端)は、キャパシタC2の2つの電極の一方に接続され、キャパシタC2の2つの電極の他方は、グランドに接続されている。つまり、フィルタ回路40は、インダクタL2(以下、第2インダクタL2ともいう)及びキャパシタC2(以下、第2キャパシタC2ともいう)を含む第2LC直列回路42(図3参照)を有している。
【0127】
フィルタ回路40は、ローパスフィルタを構成している。これにより、フィルタ回路40は、電源電圧Vccに含まれる高周波成分を低減することができる。例えば、所定バンドが周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)用の周波数バンドである場合、フィルタ回路40は、所定バンドのダウンリンク動作バンドの成分を低減するように構成される。
【0128】
フィルタ回路40のフィルタ特性は、2つの減衰極を有する。2つの減衰極の一方の減衰極の周波数は、第1LC直列回路の第1インダクタL1及び第1キャパシタC1それぞれの回路定数によって決まる。また、2つの減衰極の他方の減衰極の周波数は、第2LC直列回路の第2インダクタL2及び第2キャパシタC2それぞれの回路定数によって決まる。
【0129】
フィルタ回路40は、出力スイッチ回路30から出力された出力電圧のスパイク状の電圧の振幅を低減させる。つまり、電源回路1は、フィルタ回路40を備えることにより、出力スイッチ回路30から出力された出力電圧の波形歪を低減させることができるので、上記出力電圧の高周波成分を低減させることができる。これにより、電源回路1では、電源電圧Vccに含まれるノイズを低減させることができるので、電源回路1からパワーアンプ2に入るノイズを低減させることができる。
【0130】
(2.9)デジタル制御回路
デジタル制御回路60は、図8に示すように、第1コントローラ61と、第2コントローラ62と、2つのキャパシタC81,C82と、4つの制御端子601~604と、を備える。デジタル制御回路60の4つの制御端子601~604は、高周波システム200の備える4つの第2制御端子T5(図5参照)に一対一に接続される。したがって、デジタル制御回路60の4つの制御端子601~604は、通信装置7のRF信号処理回路51(図5参照)に接続される。
【0131】
第1コントローラ61は、RF信号処理回路51から制御端子601,602を介してソース同期方式のデジタル制御信号を受信し、上記デジタル制御信号を処理して制御信号Sg1及び制御信号Sg2を生成する。
【0132】
第1コントローラ61では、プリレギュレータ回路10及びスイッチトキャパシタ回路20のためのデジタル制御信号として1セットのクロック信号Sg7及びデータ信号Sg8が用いられている。クロック信号Sg7は、制御端子601を介して第1コントローラ61に入力される。データ信号Sg8は、制御端子602を介して第1コントローラ61に入力される。
【0133】
第2コントローラ62は、RF信号処理回路51から制御端子603,604を介して受信したデジタル制御信号であるデジタル制御論理信号DCL1,DCL2を処理して制御信号Sg3を生成する。デジタル制御論理信号DCL1,DCL2は、エンベロープ信号に対応している。
【0134】
デジタル制御論理信号DCL1,DCL2の各々は、1ビット信号である。電圧V1~V4の各々は、2つの1ビット信号の組み合わせによって表される。例えば、V1,V2,V3,V4は、「00」,「01」,「10」,「11」によってそれぞれ表される。電圧レベルの表現には、グレイコード(Gray code)が用いられてもよい。なお、上記の場合には、出力スイッチ回路30の制御に2つのデジタル制御論理信号が用いられているが、デジタル制御論理信号の数は、2つに限定されない。例えば、出力スイッチ回路30が選択可能な電圧レベルの数に応じて1つ又は3つ以上の任意の数のデジタル制御論理信号が用いられてもよい。また、出力スイッチ回路30の制御に用いられるデジタル制御信号は、デジタル制御論理信号に限定されない。
【0135】
キャパシタC81は、第1コントローラ61とグランドとの間に接続されている。例えば、キャパシタC81は、第1コントローラ61に電力を供給する電源ラインとグランドとの間に接続され、バイパスキャパシタとして機能する。キャパシタC82は、第2コントローラ62とグランドとの間に接続されている。例えば、キャパシタC82は、第2コントローラ62に電力を供給する電源ラインとグランドとの間に接続され、バイパスキャパシタとして機能する。
【0136】
(3)トラッカモジュールの構造
実施形態1に係るトラッカモジュール100は、図1図4に示すように、モジュール基板9と、ICチップ80と、スイッチトキャパシタ回路20の複数(図7では10個)のキャパシタC11~C16,C21~C24と、プリレギュレータ回路10の複数(図7では4つ)のキャパシタC61~C64と、フィルタ回路40のインダクタL0~L2及びキャパシタC1,C2と、複数の外部接続端子160と、を備える。また、実施形態1に係るトラッカモジュール100は、樹脂層94を更に備える。実施形態1に係るトラッカモジュール100は、電源回路1の回路構成からパワーインダクタL71を除いた回路構成を有する。つまり、トラッカモジュール100は、パワーインダクタL71を備えていない。なお、図1では、樹脂層94の図示を省略してある。
【0137】
(3.1)モジュール基板
モジュール基板9は、図1及び図4に示すように、モジュール基板9の厚さ方向D0において互いに対向する主面91及び主面92を有する。ここにおいて、「対向する」とは物理的ではなく幾何学的に対向することを意味する。モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、モジュール基板9の外縁は、例えば、矩形状であるが、矩形状以外の形状であってもよい。モジュール基板9は、例えば、複数の誘電体層及び複数の導電層(図示せず)が積層された多層基板である。各導電層の材料は、例えば、銅である。複数の導電層は、グランド層を含む。モジュール基板9のグランド層は、複数の外部接続端子160に含まれる少なくとも1つの外部グランド端子と、モジュール基板9の有するビア導体等を介して電気的に接続されている。
【0138】
モジュール基板9は、例えば、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)基板である。なお、モジュール基板9は、LTCC基板に限らず、例えば、プリント配線板、HTCC(High Temperature Co-fired Ceramics)基板、樹脂多層基板又は部品内蔵基板であってもよい。
【0139】
(3.2)ICチップ
ICチップ80は、図1及び図4に示すように、モジュール基板9に配置されている。「ICチップ80が、モジュール基板9に配置されている」とは、ICチップ80がモジュール基板9に機械的に接続されていることと、ICチップ80がモジュール基板9と電気的に接続されていることと、を含む。ICチップ80は、モジュール基板9の主面91に配置されている。ICチップ80は、例えば、シリコン基板を備えるSi系ICチップである。Si系ICチップは、シリコン基板の代わりにSOI(Silicon on Insulator)基板を備えてもよい。ICチップ80は、Si系ICチップに限らず、例えば、GaAs系ICチップ、SiGe系ICチップ又はGaN系ICチップであってもよい。
【0140】
ICチップ80の外縁800は、図1及び図2に示すように、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、矩形状である。ICチップ80の外縁800は、第1辺801と、第2辺802と、第3辺803と、第4辺804と、を含む。第1辺801、第2辺802、第3辺803及び第4辺804は、第1辺801、第2辺802、第3辺803及び第4辺804の順に並んでいる。外縁800では、第1辺801と第3辺803とが互いに平行であり、第2辺802と第4辺804とが互いに平行である。
【0141】
ICチップ80は、図2に示すように、PRスイッチ部101と、SCスイッチ部102と、SCスイッチ部103と、SMスイッチ部104と、BSスイッチ部105と、デジタル制御部106と、複数の入出力電極81と、を有する。SCスイッチ部102は、第1スイッチ部に相当する。また、SMスイッチ部104は、第2スイッチ部に相当する。
【0142】
PRスイッチ部101は、プリレギュレータ回路10の複数のスイッチS61~S63,S71,S72(図7参照)を含む。ICチップ80では、PRスイッチ部101は、第1辺801に沿って配置されている。
【0143】
SCスイッチ部102は、スイッチトキャパシタ回路20の複数のスイッチS11,S12,S21,S22,S31,S32,S41,S42(図7参照)を含む。具体的には、SCスイッチ部102は、複数のスイッチS12,S11,S22,S21,S32,S31,S42,S41が、この順に接続されている直列回路を含む。ICチップ80では、SCスイッチ部102は、第2辺802に沿って配置されている。
【0144】
SCスイッチ部103は、スイッチトキャパシタ回路20の複数のスイッチS13,S14,S23,S24,S33,S34,S43,S44(図7参照)を含む。具体的には、SCスイッチ部102は、複数のスイッチS14,S13,S24,S23,S34,S33,S44,S43が、この順に接続されている直列回路を含む。ICチップ80では、SCスイッチ部103は、第3辺803に沿って配置されている。
【0145】
SMスイッチ部104は、出力スイッチ回路30の複数のスイッチS51~S54(図7参照)を含む。ICチップ80では、SCスイッチ部103がSMスイッチ部104に隣接するように配置されている。
【0146】
BSスイッチ部105は、バンドセレクトスイッチ回路50に含まれる複数のスイッチS81~S84(図7参照)を含む。ICチップ80では、BSスイッチ部105は、SMスイッチ部104と隣接するように配置されている。また、ICチップ80では、BSスイッチ部105は、第4辺804に沿って配置されている。
【0147】
デジタル制御部106は、デジタル制御回路60の第1コントローラ61及び第2コントローラ62(図7参照)を含む。デジタル制御部106は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80の中央部に配置されており、PRスイッチ部101とSMスイッチ部104とBSスイッチ部105とによって囲まれている。
【0148】
ICチップ80において、複数のスイッチS11~S14,S21~S24,S31~S34,S41~S44,S51~S54,S61~S63,S71,S72,S81~S84の各々は、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。
【0149】
(3.3)スイッチトキャパシタ回路の複数のキャパシタ
スイッチトキャパシタ回路20に含まれるキャパシタC11は、図4に示すように、ICチップ80にスタックされている。ここで、「キャパシタC11は、ICチップ80にスタックされている」とは、キャパシタC11がICチップ80に実装されていることを言う。キャパシタC11は、フライングキャパシタである。
【0150】
具体的には、ICチップ80は、モジュール基板9の厚さ方向D0において互いに対向する主面805及び主面806を有する。ICチップ80の主面806は、モジュール基板9の主面91と対向している。キャパシタC11は、ICチップ80の主面805に実装されている。言い換えると、少なくとも1つのキャパシタC11と、モジュール基板9の主面91との間に、ICチップ80が位置している。
【0151】
また、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80にスタックされているキャパシタC11は、図4に示すように、ICチップ80のSCスイッチ部102と重なる。また、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80にスタックされているキャパシタC11は、図4に示すように、ICチップ80のSMスイッチ部104とは重ならない。
【0152】
なお、スイッチトキャパシタ回路20の複数のキャパシタC11~C16及びC21~C24のうち、キャパシタC12~C16及びC21~C24は、モジュール基板9に配置されている。ここで「キャパシタC12~C16及びC21~C24は、モジュール基板9に配置されている」とは、キャパシタC12~C16及びC21~C24がモジュール基板9に機械的に接続されていることと、キャパシタC12~C16及びC21~C24がモジュール基板9と電気的に接続されていることと、を含む。より具体的には、キャパシタC12~C16及びC21~C24は、モジュール基板9の主面91のうちSC容量部902に実装されている。
【0153】
複数のキャパシタC11~C16及びC21~C24の各々は、チップキャパシタである。つまり、複数のキャパシタC11~C16及びC21~C24は、表面実装型のキャパシタである。
【0154】
(3.4)プリレギュレータ回路の複数のキャパシタ
プリレギュレータ回路10の複数(図7の例では4つ)のキャパシタC61~C64は、モジュール基板9に配置されている。より具体的には、複数のキャパシタC61~C64は、モジュール基板9の主面91のPR容量部901(図1参照)に実装されている。複数のキャパシタC61~C64の各々は、チップキャパシタである。つまり、複数のキャパシタC61~C64の各々は、表面実装型のキャパシタである。
【0155】
トラッカモジュール100では、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、複数のキャパシタC61~C64は、ICチップ80と隣接している。モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、プリレギュレータ回路10の複数のキャパシタC61~C64は、ICチップ80の第1辺801に沿って配置されている。
【0156】
(3.5)フィルタ回路のインダクタ及びキャパシタ
フィルタ回路40に含まれる複数(図7では3個)のインダクタL0~L2及び1以上(図7では2個)のキャパシタC1~C2は、モジュール基板9に配置されている。より具体的には、複数のインダクタL0~L2及びキャパシタC1~C2は、モジュール基板9の主面91のフィルタ回路部903(図1参照)に実装されている。複数のインダクタL0~L2の各々は、チップインダクタである。つまり、複数のインダクタL0~L2の各々は、表面実装型のインダクタである。また、キャパシタC1~C2の各々は、チップキャパシタである。つまり、キャパシタC1~C2の各々は、表面実装型のキャパシタである。
【0157】
(3.6)入出力電極
複数の入出力電極81は、図4に示すように、モジュール基板9に形成された配線部又はビア導体部等を介して、モジュール基板9の主面91に配置されているICチップ80以外の回路部品又はモジュール基板9の主面92に配置されている複数の外部接続端子160等に電気的に接続されている。
【0158】
(3.7)外部接続端子
図4に示す複数の外部接続端子160は、入力端子161(図5参照)と、複数(4つ)の入力制御端子165(図5では1つのみ図示)と、出力端子164(図5参照)と、グランド端子(図示せず)と、を含む。入力端子161は、プリレギュレータ回路10の入力端子110に接続されている。入力端子161は、高周波システム200の備える電源接続端子T4を介して直流電源70に接続される端子である。つまり、プリレギュレータ回路10の入力端子110は、入力端子161を介して直流電源70に接続される。4つの入力制御端子165は、4つの第2制御端子T5に接続される端子である。4つの入力制御端子165は、デジタル制御回路60の制御端子601~604に接続されている。出力端子164は、フィルタ回路40の出力端子142に接続されている。出力端子164は、電源電圧Vccが出力される端子であり、パワーアンプ2の電源端子に接続される。複数のグランド端子は、グランド電位が与えられる端子である。
【0159】
(3.8)樹脂層
樹脂層94は、モジュール基板9の主面91に配置されており、トラッカモジュール100に含まれる複数の回路部品それぞれの一部及びモジュール基板9の主面91を覆っている。複数の回路部品は、ICチップ80と、複数のキャパシタC11~C16と、複数のキャパシタC21~C24と、複数のキャパシタC61~C64と、を含む。樹脂層94は、樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を含む。樹脂層94は、樹脂の他にフィラーを含んでいてもよい。樹脂層94は、電気絶縁性を有する。
【0160】
(3.9)トラッカモジュールの配置
トラッカモジュール100は、例えば、高周波システム200の備えるマザー基板に配置される。より具体的には、トラッカモジュール100は、複数の外部接続端子160により、マザー基板に電気的かつ機械的に接続される。これにより、高周波システム200では、例えば、トラッカモジュール100の出力端子(フィルタ回路40の出力端子142)は、マザー基板に配置されているパワーアンプ2の電源端子に接続される。
【0161】
(4)高周波システムの構造
高周波システム200は、マザー基板(図示せず)と、マザー基板に配置されている複数の電子部品と、を備える。マザー基板は、例えば、プリント配線板である。複数の電子部品は、トラッカモジュール100と、パワーインダクタL71と、パワーアンプ2と、フィルタ3と、を含む。
【0162】
(5)通信装置の構造
通信装置7は、高周波システム200と、高周波システム200のマザー基板に配置される信号処理回路5と、アンテナ6と、を備える。なお、通信装置7は、高周波システム200のマザー基板である第1マザー基板とは別に、高周波システム200及び信号処理回路5が配置される第2マザー基板を備えてもよい。
【0163】
(6)効果
実施形態1に係るトラッカモジュール100は、モジュール基板9と、ICチップ80と、キャパシタC11と、を備える。ICチップ80は、モジュール基板9に配置されている。キャパシタC11は、スイッチトキャパシタ回路20に含まれる。スイッチトキャパシタ回路20は、入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されている。ICチップ80は、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるスイッチS11~S44と、出力スイッチ回路30に含まれるスイッチS51~S54と、を含む。出力スイッチ回路30は、複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプ2に出力するように構成されている。キャパシタC11は、ICチップにスタックされている。
【0164】
これにより、スイッチトキャパシタ回路20において、スイッチS11~S44と、キャパシタC11との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路20の配線部における抵抗又は寄生容量を小さくすることができ、トラッカモジュール100の出力特性の低下を低減することができる。また、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるキャパシタC11がICチップ80にスタックされているため、モジュール基板9の主面91の面積を小さくすることができる。したがって、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視において、トラッカモジュール100の投影面積を小さくすることが可能となる。
【0165】
また、実施形態1に係るトラッカモジュール100では、キャパシタC11とモジュール基板9との間に、ICチップ80が位置している。
【0166】
これにより、スイッチトキャパシタ回路20において、スイッチS11~S44と、キャパシタC11との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路20の配線部における抵抗又は寄生容量を小さくすることができ、トラッカモジュール100の出力特性の低下を低減することができる。また、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視において、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるキャパシタC11とICチップ80とが重なるため、モジュール基板9の主面91の面積を小さくすることができる。したがって、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視において、トラッカモジュール100の投影面積を小さくすることが可能となる。
【0167】
また、実施形態1に係るトラッカモジュール100では、ICチップ80は、互いに対向する主面805及び主面806を有する。ICチップ80の第1主面806は、モジュール基板9と対向する。ICチップ80の主面805には、キャパシタC11が配置されている。
【0168】
これにより、スイッチトキャパシタ回路20において、スイッチS11~S44と、キャパシタC11との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路20の配線部における抵抗又は寄生容量を小さくすることができ、トラッカモジュール100の出力特性の低下を低減することができる。また、キャパシタC11がICチップ80の主面805に配置されているため、モジュール基板9の主面91の面積を小さくすることができる。したがって、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視において、トラッカモジュール100の投影面積を小さくすることが可能となる。
【0169】
また、実施形態1に係るトラッカモジュール100では、ICチップ80は、SCスイッチ部102とSMスイッチ部104と、を含む。SCスイッチ部102は、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるスイッチS11,S12,S21,S22,S31,S32,S41及びS42を含む。SMスイッチ部104は、出力スイッチ回路30に含まれるスイッチS51~S54を含む。キャパシタC11は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、SCスイッチ部102と重なる。これにより、スイッチトキャパシタ回路20において、スイッチS11,S12,S21,S22,S31,S32,S41及びS42のいずれかと、キャパシタC11との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路20の配線部における抵抗又は寄生容量を小さくすることができ、トラッカモジュール100の出力特性の低下を低減することができる。
【0170】
また、実施形態1に係るトラッカモジュール100では、キャパシタC11は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、SMスイッチ部104と重ならない。これにより、キャパシタC11と出力スイッチ回路30との距離が近すぎないため、スイッチトキャパシタ回路20と出力スイッチ回路30との間の寄生容量を低減させることができる。
【0171】
(実施形態2)
(1)構成
【0172】
実施形態2に係るトラッカモジュール100では、図9に示すように、ICチップ80に複数(図9では2つ)のキャパシタがスタックされている。ICチップ80にスタックされている複数のキャパシタは、フライングキャパシタである。
【0173】
実施形態2に係るトラッカモジュール100では、スイッチトキャパシタ回路20(図7参照)の複数のキャパシタC11~C16(フライングキャパシタ)の一部であるキャパシタC11及びC12は、ICチップ80にスタックされている。
【0174】
また、複数のキャパシタC21~C24(平滑キャパシタ)の一部であるキャパシタC21は、モジュール基板9の主面91のうち、SC容量部902に配置されている。すなわち、平滑キャパシタC21は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80と重ならない。
【0175】
また、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80にスタックされているキャパシタC11は、図9に示すように、ICチップ80のSCスイッチ部102と重なる。また、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80にスタックされているキャパシタC11は、図9に示すように、ICチップ80のSMスイッチ部104とは重ならない。
【0176】
なお、スイッチトキャパシタ回路20の複数のキャパシタC21~C24と、キャパシタC11~C16のうちキャパシタC13~C16とは、モジュール基板9の主面91のうちSC容量部902(図1参照)に配置されている。
【0177】
(2)効果
実施形態2に係るトラッカモジュール100では、キャパシタC11及びC12はフライングキャパシタである。キャパシタC11及びC12は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視でICチップ80と重なる。一般に、平滑キャパシタC21~C24の容量よりもフライングキャパシタC11~C16の容量の方が大きい。したがって、フライングキャパシタC11~C16の一部がICチップ80にスタックされていることで、スイッチトキャパシタ回路20が配線部の抵抗又は寄生容量の影響を受けづらくなり、トラッカモジュール100の出力特性の低下を更に低減できる。
【0178】
また、実施形態2に係るトラッカモジュール100では、キャパシタC21は平滑キャパシタである。キャパシタC21は、モジュール基板9に配置されている。キャパシタC21は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視でICチップ80と重ならない。したがって、全ての平滑キャパシタC21~C24をICチップ80にスタックすることが難しい場合に、スイッチトキャパシタ回路20の配線部を短くすることができる。
【0179】
また、実施形態2に係るトラッカモジュール100では、ICチップ80は、SCスイッチ部102とSMスイッチ部104と、を含む。SCスイッチ部102は、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるスイッチS11,S12,S21,S22,S31,S32,S41及びS42を含む。SMスイッチ部104は、出力スイッチ回路30に含まれるスイッチS51~S54を含む。キャパシタC11は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、SCスイッチ部102と重なる。
【0180】
これにより、スイッチトキャパシタ回路20において、スイッチS11,S12,S21,S22,S31,S32,S41及びS42のいずれかと、キャパシタC11との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路20の配線部における抵抗又は寄生容量を小さくすることができ、トラッカモジュール100の出力特性の低下を低減することができる。
【0181】
また、実施形態2に係るトラッカモジュール100では、キャパシタC11は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、SMスイッチ部104と重ならない。これにより、キャパシタC11と出力スイッチ回路30との距離が近すぎないため、スイッチトキャパシタ回路20と出力スイッチ回路30との間の寄生容量を低減させることができる。
【0182】
(実施形態3)
(1)構成
【0183】
実施形態3に係るトラッカモジュール100では、図10に示すように、ICチップ80に複数のキャパシタがスタックされている。ICチップ80にスタックされている複数のキャパシタは、平滑キャパシタである。
【0184】
実施形態3に係るトラッカモジュール100では、スイッチトキャパシタ回路20(図7参照)の複数のキャパシタC21~C24(平滑キャパシタ)の一部であるキャパシタC23及びC24は、ICチップ80にスタックされている。
【0185】
また、複数のキャパシタC21~C24(平滑キャパシタ)の一部であるキャパシタC21は、モジュール基板9の主面91のうち、SC容量部902に配置されている。すなわち、平滑キャパシタC21は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80と重ならない。
【0186】
また、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80にスタックされているキャパシタC24は、図10に示すように、ICチップ80のSCスイッチ部102と重なる。また、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80にスタックされているキャパシタC24は、図10に示すように、ICチップ80のSMスイッチ部104とは重ならない。
【0187】
なお、スイッチトキャパシタ回路20の複数のキャパシタC11~C16と、キャパシタC21~C24のうちキャパシタC23及びC24とは、モジュール基板9の主面91のうちSC容量部902(図1参照)に配置されている。
【0188】
(2)効果
実施形態3に係るトラッカモジュール100では、キャパシタC23及びC24は平滑キャパシタである。キャパシタC23及びC24は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視でICチップ80と重なる。したがって、スイッチトキャパシタ回路20の出力電圧の安定性が向上し、トラッカモジュール100の出力特性の低下を更に低減できる。
【0189】
また、実施形態3に係るトラッカモジュール100では、ICチップ80は、SCスイッチ部102とSMスイッチ部104と、を含む。SCスイッチ部102は、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるスイッチS11,S12,S21,S22,S31,S32,S41及びS42を含む。SMスイッチ部104は、出力スイッチ回路30に含まれるスイッチS51~S54を含む。キャパシタC24は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、SCスイッチ部102と重なる。
【0190】
これにより、スイッチトキャパシタ回路20において、スイッチS11,S12,S21,S22,S31,S32,S41及びS42のいずれかと、キャパシタC24との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路20の配線部における抵抗又は寄生容量を小さくすることができ、トラッカモジュール100の出力特性の低下を低減することができる。
【0191】
また、実施形態3に係るトラッカモジュール100では、キャパシタC24は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、SMスイッチ部104と重ならない。これにより、キャパシタC24と出力スイッチ回路30との距離が近すぎないため、スイッチトキャパシタ回路20と出力スイッチ回路30との間の寄生容量を低減させることができる。
【0192】
(実施形態4)
(1)構成
実施形態4に係るトラッカモジュール100では、図11に示すように、フィルタ回路40(図7参照)のキャパシタC2がICチップ80にスタックされていない。
【0193】
実施形態4に係るトラッカモジュール100では、スイッチトキャパシタ回路20(図7参照)の複数のキャパシタC11~C16及びC21~C24(図7参照)の一部であるキャパシタC13及びC16は、ICチップ80にスタックされている。
【0194】
また、複数のキャパシタC21~C24(平滑キャパシタ)の一部であるキャパシタC21は、モジュール基板9の主面91のうち、SC容量部902(図1参照)に配置されている。すなわち、平滑キャパシタC21は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80と重ならない。
【0195】
また、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80にスタックされているキャパシタC24は、図10に示すように、ICチップ80のSCスイッチ部102と重なる。また、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80にスタックされているキャパシタC24は、図10に示すように、ICチップ80のSMスイッチ部104とは重ならない。
【0196】
なお、スイッチトキャパシタ回路20の複数のキャパシタC11~C16と、キャパシタC21~C24のうちキャパシタC23及びC24とは、モジュール基板9の主面91のうちSC容量部902(図1参照)に配置されている。
【0197】
また、フィルタ回路40(図7参照)に含まれる複数(図7では2個)のキャパシタC1~C2は、モジュール基板9の主面91のうち、フィルタ回路部903(図1参照)に配置されている。すなわち、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、フィルタ回路40のキャパシタC1及びC2は、ICチップ80と重ならない。
【0198】
(2)効果
実施形態4に係るトラッカモジュール100は、フィルタ回路40に含まれるキャパシタC1及びC2を備える。フィルタ回路40は、図7に示すように、出力スイッチ回路30とパワーアンプ2との間に接続される。キャパシタC1及びC2は、モジュール基板9に配置されている。また、キャパシタC1及びC2は、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視で、ICチップ80と重ならない、これにより、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるスイッチS11~S44の各々と、フィルタ回路40に含まれるキャパシタC1及びC2との間の距離を十分に離すことが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路20の影響によるフィルタ回路40のフィルタ性能の低下を低減することが可能となる。
【0199】
(実施形態5)
(1)構成
実施形態5に係る電源供給システム300は、図12及び図13に示すように、トラッカモジュール100と、パワーインダクタL71と、を備える。電源供給システム300は、モジュール基板9(第1基板)とは異なる第2基板8を更に備える。第2基板8は、例えば、通信装置7(図5参照)のマザー基板であり、プリント配線板である。
【0200】
トラッカモジュール100及びパワーインダクタL71は、第2基板8に配置されている。第2基板8は、モジュール基板9の厚さ方向D0において互いに対向する第3主面82及び第4主面83を有する。トラッカモジュール100及びパワーインダクタL71は、第2基板8の第3主面82に配置されている。
【0201】
パワーインダクタL71は、プリレギュレータ回路10(図7参照)に用いられる。具体的には、パワーインダクタL71は、プリレギュレータ回路10において、直流電圧の昇圧及び/又は降圧(昇圧、降圧又は昇降圧)に用いられる。
【0202】
実施形態5に係る電源供給システム300では、図14に示すように、パワーインダクタL71の第2基板8からの高さH2は、トラッカモジュール100の第2基板8からの高さH1よりも高い。
【0203】
ここで、「トラッカモジュール100の第2基板8からの高さH1」とは、トラッカモジュール100が第2基板8に実装されている状態で、トラッカモジュール100の外周面と、第2基板8の第3主面82との距離の最大値を言う。「トラッカモジュール100の第2基板8からの高さH1」は、例えば、樹脂層94のモジュール基板9とは反対側の主面から、第2基板8の第3主面82までの距離である。
【0204】
また、「パワーインダクタL71の第2基板8からの高さH2」とは、パワーインダクタL71が第2基板8に実装されている状態で、パワーインダクタL71の外周面と、第2基板8の第3主面82との距離の最大値を言う。「パワーインダクタL71の第2基板8からの高さH2」は、例えば、パワーインダクタL71の第2基板8とは反対側の主面から、第2基板8の第3主面82までの距離である。
【0205】
実施形態5に係る電源供給システム300では、パワーインダクタL71の第2基板8からの高さH2は、トラッカモジュール100の第2基板8からの高さH1よりも高い。すなわち、電源供給システム300の第2基板8からの高さの最大値は、パワーインダクタL71の高さに依存し、トラッカモジュール100の高さに依存しない。したがって、トラッカモジュールにおいてICチップにインダクタがスタックされていない比較例と比べて、実施形態5に係る電源供給システム300では、電源供給システム300の第2基板8からの高さの最大値が増加しない。
【0206】
一方で、実施形態5に係る電源供給システム300では、スイッチトキャパシタ回路20(図7参照)に含まれるキャパシタC11~C16及びC21~C24(図7参照)のうち、キャパシタC11及びC24がICチップ80にスタックされている。したがって、モジュール基板9の主面91におけるSC容量部902に配置されるキャパシタの数を削減できるため、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視におけるトラッカモジュール100の面積を小さくすることができる。したがって、実施形態5に係る電源供給システム300では、電源供給システム300を小型化することが可能となる。
【0207】
(2)効果
実施形態5に係る電源供給システム300は、第2基板8と、トラッカモジュール100と、パワーインダクタL71とを備える。トラッカモジュール100は、第2基板8に配置されている。パワーインダクタL71は、第2基板8に配置されており、プリレギュレータ回路10に用いられる。パワーインダクタL71の第2基板8からの高さH2は、トラッカモジュール100の第2基板8からの高さH1よりも高い。これにより、実施形態5に係る電源供給システム300では、モジュール基板9の厚さ方向D0におけるトラッカモジュール100の高さを増加させずに、モジュール基板9の厚さ方向D0からの平面視での電源供給システム300の面積を小さくすることができる。したがって、電源供給システム300を小型化することが可能となる。
【0208】
(変形例)
以下、実施形態の変形例について説明する。
【0209】
実施形態1~5に係るトラッカモジュール100では、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるキャパシタC11~C16及びC21~C24のうち2つのキャパシタがICチップ80にスタックされているが、1つのキャパシタがICチップ80にスタックされていてもよいし、3以上のキャパシタがICチップ80にスタックされていてもよい。例えば、実施形態2に係るトラッカモジュール100において、キャパシタC11~C13がICチップ80にスタックされていてもよい。
【0210】
実施形態1~5に係るトラッカモジュール100では、ICチップ80を1つ含むが、トラッカモジュール100が複数のICチップ80を含んでもよい。このとき、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるスイッチS11~S44のうち少なくとも1つは、複数のICチップ80のうちいずれか1つに含まれる。また、出力スイッチ回路30に含まれるスイッチS51~S54のうち少なくとも1つは、複数のICチップ80のうちいずれか1つに含まれる。スイッチトキャパシタ回路20に含まれるキャパシタC11~C16及びC21~C24のうち少なくとも1つは、複数のICチップ80のうちいずれか1つにスタックされている。
【0211】
実施形態1~5に係るトラッカモジュール100では、フィルタ回路40に含まれるキャパシタC2がICチップ80にスタックされないが、同様に、フィルタ回路40に含まれるキャパシタC1及びインダクタL1,L2もICチップにスタックされない。これにより、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるスイッチS11~S44の各々と、フィルタ回路40に含まれるインダクタL1,L2又はキャパシタC1との間の距離を十分に離すことが可能となる。したがって、この場合にも、スイッチトキャパシタ回路20の影響によるフィルタ回路40のフィルタ性能の低下を低減することが可能となる。
【0212】
実施形態1~5に係る高周波システム200では、トラッカモジュール100に含まれるICチップ80がモジュール基板9に配置されているが、ICチップ80が第2基板8に配置されていてもよい。また、通信装置7が第2基板8とは異なるマザー基板を備える場合、ICチップ80はマザー基板に配置されていてもよい。この場合、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるキャパシタC11~C16及びC21~C24のうち少なくとも1つは、ICチップ80にスタックされている。言い換えると、スイッチトキャパシタ回路20に含まれるキャパシタC11~C16及びC21~C24のうち少なくとも1つと、第2基板8又は通信装置7のマザー基板との間に、ICチップ80が位置している。
【0213】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0214】
第1の態様に係るトラッカモジュール(100)は、基板(9)と、ICチップ(80)と、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)と、を備える。ICチップ(80)は、基板(9)に配置されている。スイッチトキャパシタ回路(20)は、入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されている。ICチップ(80)は、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、出力スイッチ回路(30)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S51~S54)と、を含む。出力スイッチ回路(30)は、複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプ(2)に出力するように構成されている。少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)は、ICチップ(80)にスタックされている。
【0215】
上記態様に係るトラッカモジュール(100)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)において、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減することができる。また、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)がICチップ(80)にスタックされているため、基板(9)を小さくし、トラッカモジュール(100)を小型化することが可能となる。
【0216】
第2の態様に係るトラッカモジュール(100)は、基板(9)と、ICチップ(80)と、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)と、を備える。ICチップ(80)は、基板(9)に配置されている。スイッチトキャパシタ回路(20)は、入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されている。ICチップ(80)は、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、出力スイッチ回路(30)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S51~S54)と、を含む。出力スイッチ回路(30)は、複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプに出力するように構成されている。少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)と、基板(9)との間に、ICチップ(80)が位置している。
【0217】
上記態様に係るトラッカモジュール(100)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)において、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減することができる。また、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)がICチップ(80)にスタックされているため、基板(9)を小さくし、トラッカモジュール(100)を小型化することが可能となる。
【0218】
第3の態様に係るトラッカモジュール(100)では、第1又は第2の態様において、ICチップ(80)は、第1スイッチ部(102)と、第2スイッチ部(104)と、を含む。第1スイッチ部(102)は、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)を含む。第2スイッチ部(104)は、出力スイッチ回路(30)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S51~S54)を含み、第1スイッチ部(102)とは異なる。少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)は、基板(9)の厚さ方向(D0)からの平面視で、第1スイッチ部(102)と重なる。
【0219】
上記態様に係るトラッカモジュール(100)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)において、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減することができる。
【0220】
第4の態様に係るトラッカモジュール(100)は、第3の態様において、基板(9)の厚さ方向(D0)からの平面視で、第2スイッチ部(104)は、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)と重ならない。
【0221】
上記態様に係るトラッカモジュール(100)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれるキャパシタ(C11~C24)と、出力スイッチ回路(30)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S51~S54)との間の距離を十分に離すことが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路(20)と出力スイッチ回路(30)との間の寄生容量等によるトラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減することができる。
【0222】
第5の態様に係るトラッカモジュール(100)では、第1から第4の態様のいずれかにおいて、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)は、少なくとも1つのフライングキャパシタ(C11~C16)を含む。少なくとも1つのフライングキャパシタ(C11~C16)は、基板(9)の厚さ方向(D0)からの平面視で、ICチップ(80)と重なる。
【0223】
上記態様に係るトラッカモジュール(100)によれば、少なくとも1つのフライングキャパシタ(C11~C16)と、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下の程度を更に低減することができる。
【0224】
第6の態様に係るトラッカモジュール(100)は、第5の態様において、少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)を更に備える。少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)は、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる。少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)は、基板(9)に配置されている。少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)は、基板(9)の厚さ方向(D0)からの平面視で、ICチップ(80)と重ならない。
【0225】
上記態様に係るトラッカモジュール(100)によれば、少なくとも1つのフライングキャパシタ(C11~C16)と少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)との両方をICチップ(80)にスタックすることが難しい場合でも、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減し、トラッカモジュール(100)を小型化することが可能となる。
【0226】
第7の態様に係るトラッカモジュール(100)は、第6の態様において、フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)を更に備える。フィルタ回路(40)は、出力スイッチ回路(30)とパワーアンプ(2)との間に接続されている。フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)は、基板(9)に配置されており、かつ、基板(9)の厚さ方向(D0)からの平面視で、ICチップ(80)と重ならない。
【0227】
上記態様に係るトラッカモジュール(100)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)との間の距離を十分に離すことが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路(20)の影響によるフィルタ回路(40)のフィルタ性能の低下を低減することが可能となる。
【0228】
第8の態様に係るトラッカモジュール(100)は、第5の態様において、フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)を更に備える。フィルタ回路(40)は、出力スイッチ回路(30)とパワーアンプ(2)との間に接続されている。フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)は、基板(9)に配置されており、かつ、基板(9)の厚さ方向(D0)からの平面視で、ICチップ(80)と重ならない。
【0229】
上記態様に係るトラッカモジュール(100)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)との間の距離を十分に離すことが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路(20)の影響によるフィルタ回路(40)のフィルタ性能の低下を低減することが可能となる。
【0230】
第9の態様に係るトラッカモジュール(100)では、第1から第4の態様のいずれかにおいて、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)は、少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)を含む。少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)は、基板(9)の厚さ方向(D0)からの平面視で、ICチップ(80)と重なる。
【0231】
上記態様に係るトラッカモジュール(100)によれば、少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)と、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路(20)の出力電圧の安定性が向上し、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下の程度を更に低減することができる。
【0232】
第10の態様に係るトラッカモジュール(100)は、第9の態様において、フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)を更に備える。フィルタ回路(40)は、出力スイッチ回路(30)とパワーアンプ(2)との間に接続されている。フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)は、基板(9)に配置されており、かつ、基板(9)の厚さ方向(D0)からの平面視で、ICチップ(80)と重ならない。
【0233】
上記態様に係るトラッカモジュール(100)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)との間の距離を十分に離すことが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路(20)の影響によるフィルタ回路(40)のフィルタ性能の低下を低減することが可能となる。
【0234】
第11の態様に係る電源供給システム(300)は、基板(9)を第1基板(9)としたとき、第1から第10の態様のいずれかに係るトラッカモジュール(100)と、パワーインダクタ(L71)と、第2基板(8)と、を備える。パワーインダクタ(L71)は、プリレギュレータ回路(10)に用いられる。プリレギュレータ回路(10)は、直流電圧を入力電圧に変換するように構成されている。第2基板(8)には、トラッカモジュール(100)及びパワーインダクタ(L71)が配置されている。パワーインダクタ(L71)の第2基板(8)からの高さ(H2)は、トラッカモジュール(100)の第2基板(8)からの高さ(H1)よりも高い。
【0235】
上記態様に係る電源供給システム(300)によれば、トラッカモジュール(100)の高さ(H1)を増加させずに、第1基板(9)の厚さ方向(D0)からの平面視での電源供給システム(300)の面積を小さくすることができる。したがって、電源供給システム(300)を小型化することが可能となる。
【0236】
第13の態様に係る高周波システム(200)は、第1から第11の態様のいずれかに係るトラッカモジュール(100)と、トラッカモジュール(100)に接続されているパワーアンプ(2)と、を備える。
【0237】
上記態様に係る高周波システム(200)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)において、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減することができる。また、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)がICチップ(80)にスタックされているため、基板(9)を小さくし、トラッカモジュール(100)を小型化することが可能となる。
【0238】
第13の態様に係る通信装置(7)は、第12の態様に係る高周波システム(200)と、高周波システム(200)に接続されている信号処理回路(5)と、を備える。
【0239】
上記態様に係る通信装置(7)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)において、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減することができる。また、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)がICチップ(80)にスタックされているため、基板(9)を小さくし、トラッカモジュール(100)を小型化することが可能となる。
【0240】
第14の態様に係るICチップ(80)は、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)と接続される。スイッチトキャパシタ回路(20)は、入力電圧に基づいて複数の離散的電圧を生成するように構成されている。ICチップ(80)は、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのスイッチと、出力スイッチ回路(30)に含まれる少なくとも1つのスイッチと、を備える。出力スイッチ回路(30)は、前記複数の離散的電圧の少なくとも1つを、選択的にパワーアンプに出力するように構成されている。少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)は、ICチップ(80)にスタックされている。
【0241】
上記態様に係るICチップ(80)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)において、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、ICチップ(80)を含むトラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減することができる。また、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)がICチップ(80)にスタックされているため、トラッカモジュール(100)を小型化することが可能となる。
【0242】
第15の態様に係るICチップ(80)では、第14の態様において、第1スイッチ部(102)と、第2スイッチ部(104)と、を更に備える。第1スイッチ部(102)は、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)を含む。第2スイッチ部(104)は、出力スイッチ回路(30)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S51~S54)を含む。少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)は、ICチップ(80)の厚さ方向(D0)からの平面視で、第1スイッチ部(102)と重なる。
【0243】
上記態様に係るICチップ(80)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)において、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減することができる。
【0244】
第16の態様に係るトラッカモジュール(100)は、第15の態様において、第2スイッチ部(104)は、ICチップ(80)の厚さ方向(D0)からの平面視で、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)と重ならない。
【0245】
上記態様に係るICチップ(80)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれるキャパシタ(C11~C24)と、出力スイッチ回路(30)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S51~S54)との間の距離を十分に離すことが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路(20)と出力スイッチ回路(30)との間の寄生容量等によるトラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減することができる。
【0246】
第17の態様に係るICチップ(80)では、第14から第16の態様のいずれかにおいて、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)は、少なくとも1つのフライングキャパシタ(C11~C16)を含む。少なくとも1つのフライングキャパシタ(C11~C16)は、ICチップ(80)の厚さ方向(D0)からの平面視で、ICチップ(80)と重なる。
【0247】
上記態様に係るICチップ(80)によれば、少なくとも1つのフライングキャパシタ(C11~C16)と、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下の程度を更に低減することができる。
【0248】
第18の態様に係るICチップ(80)は、第17の態様において、少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)は、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる。少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)は、ICチップ(80)の厚さ方向(D0)からの平面視で、ICチップ(80)と重ならない。
【0249】
上記態様に係るICチップ(80)によれば、少なくとも1つのフライングキャパシタ(C11~C16)と少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)との両方をICチップ(80)にスタックすることが難しい場合でも、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下を低減し、トラッカモジュール(100)を小型化することが可能となる。
【0250】
第19の態様に係るICチップ(80)では、第14から第16の態様のいずれかにおいて、少なくとも1つのキャパシタ(C11~C24)は、少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)を含む。少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)は、ICチップ(80)の厚さ方向(D0)からの平面視で、ICチップ(80)と重なる。
【0251】
上記態様に係るICチップ(80)によれば、少なくとも1つの平滑キャパシタ(C21~C24)と、少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)との間の配線部を短くすることが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路(20)の出力電圧の安定性が向上し、トラッカモジュール(100)の出力特性の低下の程度を更に低減することができる。
【0252】
第20の態様に係るICチップ(80)は、第17から第19の態様のいずれかにおいて、フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)は、ICチップ(80)の厚さ方向(D0)からの平面視で、ICチップ(80)と重ならない。フィルタ回路(40)は、出力スイッチ回路(30)とパワーアンプ(2)との間に接続されている。
【0253】
上記態様に係るICチップ(80)によれば、スイッチトキャパシタ回路(20)に含まれる少なくとも1つのスイッチ(S11~S44)と、フィルタ回路(40)に含まれる少なくとも1つのキャパシタ(C1~C2)又はインダクタ(L0~L2)との間の距離を十分に離すことが可能となる。したがって、スイッチトキャパシタ回路(20)の影響によるフィルタ回路(40)のフィルタ性能の低下を低減することが可能となる。
【符号の説明】
【0254】
1 電源回路
2 パワーアンプ
3 フィルタ
4 制御回路
5 信号処理回路
51 RF信号処理回路
511 制御部
52 ベースバンド信号処理回路
6 アンテナ
7 通信装置
10 プリレギュレータ回路
20 スイッチトキャパシタ回路
30 出力スイッチ回路
40 フィルタ回路
41 第1LC直列回路
42 第2LC直列回路
50 バンドセレクトスイッチ回路
60 デジタル制御回路
61 第1コントローラ
62 第2コントローラ
601、602、603、604 制御端子
70 直流電源
80 ICチップ
800 外縁
801 第1辺
802 第2辺
803 第3辺
804 第4辺
805 主面
806 主面
81 入出力電極
9 モジュール基板(基板、第1基板)
91 主面
92 主面
94 樹脂層
901 PR容量部
902 SC容量部
903 フィルタ回路部
8 第2基板
82 第3主面
83 第4主面
100 トラッカモジュール
101 PRスイッチ部
102 SCスイッチ部(第1スイッチ部)
103 SCスイッチ部
104 SMスイッチ部(第2スイッチ部)
105 BSスイッチ部
106 デジタル制御部
110、131、132、133、134、141 入力端子
111、112、113、114、130、142 出力端子
115、116 インダクタ接続端子
117、120、135 制御端子
150 共通端子
151、152、153、154 選択端子
155 制御端子
160 外部接続端子
161 入力端子
164 出力端子
165 入力制御端子
200 高周波システム
300 電源供給システム
C1、C2 キャパシタ
C11、C12、C13、C14、C15、C16 キャパシタ(フライングキャパシタ)
C21、C22、C23、C24 キャパシタ(平滑キャパシタ)
C61、C62、C63、C64、C81、C82 キャパシタ
L0、L1、L2 インダクタ
L71 パワーインダクタ
S11、S12、S13、S14、S21、S22、S23、S24、S31、S32、S33、S34、S41、S42、S43、S44、S51、S52、S53、S54、S61、S62、S63、S71、S72、S81、S82、S83、S84 スイッチ
Sg1 制御信号
Sg2 制御信号
Sg3 制御信号
Sg4 制御信号
Sg7 クロック信号
Sg8 データ信号
T1 アンテナ端子
T2 信号入力端子
T3 第1制御端子
T4 電源接続端子
T5 第2制御端子
Vcc 電源電圧
DCL1、DCL2 デジタル制御論理信号
N1、N2、N3、N4 ノード
D0 モジュール基板の厚さ方向
H1 トラッカモジュールの高さ
H2 パワーインダクタの高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13