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特開2024-132693接続構造体の製造方法及びガイドフィルム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132693
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】接続構造体の製造方法及びガイドフィルム
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240920BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20240920BHJP
   H05K 3/04 20060101ALN20240920BHJP
   H01L 33/62 20100101ALN20240920BHJP
【FI】
G09F9/00 338
H01L21/60 311Q
H05K3/04 B
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043566
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000224
【氏名又は名称】弁理士法人田治米国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚尾 怜司
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 恭志
(72)【発明者】
【氏名】柄木田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 賢一
【テーマコード(参考)】
5E339
5F044
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5E339AA02
5E339AB02
5E339BE05
5E339DD03
5E339EE01
5F044KK01
5F044KK16
5F044KK23
5F044QQ02
5F142AA51
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142FA34
5F142GA01
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】
【課題】μLED等の微細な第2部品をそれよりも大きな基板等の第1部品の所定箇所に、例えばスタンプ転写法やレーザーリフトオフ法を始めとする種々のマストランスファー手法等で配置する際に、微細な第2部品に傾きや転倒が生じないようにする。
【解決手段】第1部品の所定領域に第1部品よりも微細な第2部品が接合されている接続構造体の製造方法は、第1部品と第2部品との間に、該第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムを配置する工程A;第2部品をガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置する工程B;及び第2部品を第1部品の所定領域に接合させる工程Cを有し、第2部品の第1部品の所定領域への接合を、第1部品の所定領域と第2部品との間に接続材料を介して行うことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部品の所定領域に第1部品よりも微細な第2部品が接合されている接続構造体の製造方法であって、以下の工程A~工程C:
(工程A)
第1部品と第2部品との間に、該第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムを配置する工程;
(工程B)
第2部品をガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置する工程;及び
(工程C)
第2部品を第1部品の所定領域に接合させる工程
を有し、
第2部品の第1部品の所定領域への接合を、第1部品の所定領域と第2部品との間に接続材料を介して行う、接続構造体の製造方法。
【請求項2】
工程Bに先だって、第1部品の所定領域に対し、ガイドフィルムの貫通孔と該第2部品とを位置合わせする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
工程Aに投入する第1部品が、その所定領域側全面に接続材料として接着フィルムが積層されているものである請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
工程Aに投入する第1部品が、その所定領域のみに接続材料として個片状の接着フィルムが積層されているものである請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
工程Aに投入する第2部品が、その第1部品側表面に接続材料として個片状の接着フィルムが積層されているものである請求項1記載の製造方法。
【請求項6】
工程Aにおいて、第1部品と、透明基板に保持されている第2部品との間に、第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムを配置し、工程Bにおいて、レーザーリフトオフ法により、透明基板側から第2部品にレーザーを照射して透明基板から第2部品を剥離し、ガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置する請求項1記載の製造方法。
【請求項7】
工程Aにおいて、キャリア基板の片面に保持されている第2部品を、スタンプ転写法により、ベース基材の片面に形成されている凸部を有するスタンプ材の当該凸部に付着させ、第1部品と該凸部に付着している第2部品との間に、該第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムを配置し、工程Bにおいて、該第2部品をガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置する請求項1記載の製造方法。
【請求項8】
工程Aにおいて、キャリア基板の片面に保持されている第2部品を、第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムとその片全面に形成された粘着層とその上にピックアップヘッド代替基板とが積層されているスタンプ材代替ガイドフィルムの当該貫通孔の底に存在する粘着層に付着させ、工程Bにおいて、該第2部品を第1部品の所定領域に押し出すことにより、第2部品をガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置する請求項1記載の製造方法。
【請求項9】
工程Aにおいて、キャリア基板の片面に保持されている第2部品を、第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムとその片全面に形成された粘着層とその上にピックアップヘッド代替基板とが積層されているスタンプ材代替ガイドフィルムの当該貫通孔の底に存在する粘着層に付着させ、工程Bにおいて、レーザーリフトオフ法により、光透過性のピックアップヘッド代替基板側から第2部品に対してレーザーを照射して粘着層から第2部品を剥離し、ガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置する請求項1記載の製造方法。
【請求項10】
第1部品の所定領域に第1部品よりも微細な第2部品を移送する際のガイドとなる貫通孔を有するガイドフィルムであって、貫通孔の孔径が、第2部品が通過し得るサイズとなっているガイドフィルム。
【請求項11】
貫通孔の開口形状は第2部品の形状と略同一であり、ガイドフィルムのフィルム厚が第2部品の最大厚みの0.1~0.9倍である請求項10記載のガイドフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、μLEDディスプレイなどの接続構造体の製造方法、並びにその製造方法に使用するガイドフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代ディスプレイとして、自発光型のμLED(Micro Light-Emitting Diode)をディスプレイ用配線基板にマストランスファーさせてマトリックス状に配置したμLEDディスプレイが、比較的小型のスマートフォン用ディスプレイや、比較的大型のTV用ディスプレイ、サイネージ用ディスプレイとして注目されている。μLEDは、通常、片面に一対の電極が配置されているものであるが、10~30μm角の矩形の微細電子部品であり、電極間スペースが極めて狭いファインピッチとなっている。
【0003】
このようなμLEDディスプレイを製造する際、膨大な数の微細なμLEDを、ディスプレイ用配線基板の所定位置に高い精度で迅速に配置することが要請されている。このような要請に応じた方法として、粘着性を有するスタンプツール(ピックアップヘッド)を用いるスタンプ転写法(特許文献1、図15)や、レーザー照射により生ずるアブレーション現象を利用するレーザーリフトオフ法(特許文献1、図16)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-151816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スタンプ転写法の場合、スタンプツールでμLEDをピックアップする際に、μLEDを傾いた状態でピックアップしてしまう可能性が懸念され、また、レーザーリフトオフ法の場合、ウエハ上のμLEDにレーザーを照射してウエハから剥離させ、更にディスプレイ配線基板に移送する際に、μLEDが傾いた状態であるいは更に転倒した状態で移送されてしまう可能性が懸念されていた。
【0006】
本発明の目的は、従来の問題を解決しようとするものであり、μLED等の微細な第2部品をそれよりも大きな基板等の第1部品の所定箇所に、例えばスタンプ転写法やレーザーリフトオフ法を始めとする種々のマストランスファー手法等で配置する際に、微細な第2部品に傾きや転倒が生じないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは、μLED等の微細な第2部品をそれよりも大きな基板等の第1部品の所定箇所にスタンプ転写法やレーザーリフトオフ法を始めとする種々のマストランスファー手法等で配置する際に、微細な第2部品に傾きや転倒が生じないようにするためには、第1部品と第2部品との間に、第2部品が第1部品に対して意図したような位置関係を保持しつつ配置されることを可能とするガイドを設けることが有効であり、そのようなガイドとして、フィルム材料に設けた貫通孔を利用できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は、第1部品の所定領域に第1部品よりも微細な第2部品が接合されている接続構造体の製造方法であって、以下の工程A~工程C:
(工程A)
第1部品と第2部品との間に、該第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムを配置する工程;
(工程B)
第2部品をガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置する工程;及び
(工程C)
第2部品を第1部品の所定領域に接合させる工程
を有し、
第2部品の第1部品の所定領域への接合を、第1部品の所定領域と第2部品との間に接続材料を介して行う、接続構造体の製造方法を提供する。接続材料には導電材料(例えば、導電ペースト)や絶縁材料(例えば、非絶縁性の固定用接着剤)も含まれる。これらは接着性を有していることが好ましい。また、形状はフィルム状であることが好ましい。
【0009】
本発明の接続構造体の製造方法においては、工程Bに先だって、第1部品の所定領域に対し、ガイドフィルムの貫通孔と該第2部品とを位置合わせすることが好ましい。
【0010】
また、本発明の接続構造体の製造方法においては、工程Aに投入する第1部品として、その所定領域側全面に接続材料として接着フィルムが積層されているもの、又はその所定領域のみに接続材料として個片状の接着フィルムが積層されているものを使用することが好ましい。また、工程Aに投入する第2部品として、その第1部品側表面に接続材料として個片状の接着フィルムが積層されているものを使用することが好ましい。個片状の接着フィルムに代えて、導電ペースト(又はそれをフィルム状にしたもの)を配設してもよい。
【0011】
本発明の接続構造体の製造方法では、工程Aにおいて、第1部品と、透明基板に保持されている第2部品との間に、第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムを配置し、工程Bにおいて、レーザーリフトオフ法により、透明基板側から第2部品にレーザーを照射して透明基板から第2部品を剥離し、ガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置することが好ましい。
【0012】
また、本発明の接続構造体の製造方法では、工程Aにおいて、キャリア基板の片面に保持されている第2部品を、スタンプ転写法により、ベース基材の片面に形成されている凸部を有するスタンプ材の当該凸部に付着させ、第1部品と該凸部に付着している第2部品との間に、該第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムを配置し、工程Bにおいて、該第2部品をガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置することが好ましい。
【0013】
また、本発明の接続構造体の製造方法では、工程Aにおいて、キャリア基板の片面に保持されている第2部品を、第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムとその片全面に形成された粘着層とその上にピックアップヘッド代替基板とが積層されているスタンプ材代替ガイドフィルムの当該貫通孔の底に存在する粘着層に付着させ、工程Bにおいて、該第2部品を第1部品の所定領域に押し出すことにより、第2部品をガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部材の所定領域に配置することが好ましい。
【0014】
また、本発明の接続構造体の製造方法では、工程Aにおいて、キャリア基板の片面に保持されている第2部品を、第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムとその片全面に形成された粘着層とその上にピックアップヘッド代替基板とが積層されているスタンプ材代替ガイドフィルムの当該貫通孔の底に存在する粘着層に付着させ、工程Bにおいて、レーザーリフトオフ法により、光透過性のピックアップヘッド代替基板側から第2部品に対してレーザーを照射して粘着層から第2部品を剥離し、ガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置することが好ましい。
【0015】
また、本発明は、第1部品の所定領域に第1部品よりも微細な第2部品を移送する際のガイドとなる貫通孔を有するガイドフィルムであって、貫通孔の孔径が、第2部品が通過し得るサイズとなっているガイドフィルムを提供する。貫通孔の開口形状は通過させるべき第2部品の形状と略同一であることが好ましく、ガイドフィルムのフィルム厚が第2部品の最大厚みの0.1~0.9倍であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の接続構造体の製造方法においては、μLED等の微細な第2部品をそれよりも大きな基板等の第1部品の所定箇所に配置する際に、第1部品と第2部品との間に、第2部品が第1部品に対して意図したような位置関係を保持しつつ配置されることを可能とするガイドとして、貫通孔を有するガイドフィルムを配置する。このため、微細な第2部品を傾きや転倒が生じないように第1部品に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の接続構造体の製造方法(基本的態様)の工程説明図である。
図2図2は、本発明の接続構造体の製造方法(基本的態様)の工程説明図である。
図3図3は、本発明の接続構造体の製造方法(基本的態様)の工程説明図である。
図4図4は、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その1)の工程説明図である。
図5図5は、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その1)の工程説明図である。
図6図6は、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その1)の工程説明図である。
図7A図7Aは、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その2)の工程説明図である。
図7B図7Bは、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その2)の工程説明図である。
図8図8は、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その2)の工程説明図である。
図9図9は、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その2)の工程説明図である。
図10A図10Aは、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その3)の工程説明図である。
図10B図10Bは、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その3)の工程説明図である。
図11図11は、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その3)の工程説明図である。
図12図12は、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その3)の工程説明図である。
図13A図13Aは、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その4)の工程説明図である。
図13B図13Bは、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その4)の工程説明図である。
図14図14は、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その4)の工程説明図である。
図15図15は、本発明の接続構造体の製造方法(変形態様その4)の工程説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
<接続構造体の製造方法(基本的態様)>
本発明は、第1部品の所定領域に第1部品よりも微細な第2部品が接合されている接続構造体の製造方法であり、工程A~工程Cを有する。以下、工程毎に説明する。
【0020】
(工程A)
工程Aは、図1に示す様に、予め用意された第1部品1と第2部品2との間に、第2部品2が通過し得る貫通孔thを有するガイドフィルム3を配置する工程である。第2部品2がガイドフィルム3の貫通孔thを通過する際に、第2部品2の傾きが是正され、第1部品1に対して適切な向きで配置することが可能となる。また、第2部品2は、フリップチップ実装が可能となるように、第2部品2を保持する基板4と反対側の片面に一対の電極2aが形成されていることが好ましい。
【0021】
(第1部品)
第1部品1は、微細な第2部品2が実装される部材であり、第2部品2を載置し得る平面を有するものである。通常、第1部品1の第2部品側表面には、第2部品2をフリップチップ実装するためのパッドやバンプ状の電極1aが設けられている。このような電極1aを含む領域が、第1部品1の所定領域5となる。このような第1部品1としては、実装に適するものであれば特に制限はないが、公知のリジッド配線基板、フレキシブル配線基板等を使用することができる。特に接続構造体をディスプレイ用途に適用する場合には、光透過性を示すガラス配線基板、プラスチック配線基板等を使用することができる。また、電極1aとしては、銅、アルミ、金などの金属や、ITO等の金属酸化物等から形成されたものを使用することができる。特に、光透過性を示すITO電極を好ましく使用することができる。
【0022】
(第2部品)
第2部品2は、微細な部品であり、通常、最大長が10μm以上200μm以下の電子部品を例示することができるが、平面形状や立体形状については特に制限はない。例えば、第2部品2としては、一辺が10μm~200μm程度の矩形の電子部品が好ましく、具体的には、1辺が10μm~50μmのマイクロLEDや、1辺が100μm~200μmのミニLEDを好ましく挙げることができる。通常、第2部品2には、第1部品1の少なくとも一部の電極に対応した電極が設けられている。
【0023】
なお、第1部品1の電極とそれに対応した第2部品2の電極とを、後述する接続材料でそれらの電極同士を直接接触させた状態で固定してもよく、あるいは接続材料が導電粒子を含有する場合には、それらの電極の間に、接続材料の導電粒子を挟持させて接着すると共に導通させることにより、接続構造体を得ることができる。なお、接続材料として公知の導電材料や絶縁材料を利用することができ、これらは接着性を有していることが好ましく、また、形状はフィルム状であることが好ましい。このような接続材料については後述する。
【0024】
なお、第2部品2は、通常、基板4(例えば、シリコーン粘着基板、透明基板、キャリア基板、半導体基板等)に保持されているが、第2部品2を人手でハンドリングする場合やロボットハンドでハンドリングする場合には、そのような基板4が存在しない場合も想定し得る。
【0025】
(ガイドフィルム)
ガイドフィルム3は、μLED等の微細な第2部品2をそれよりも大きな基板等の第1部品1の所定領域5に配置する際に、第1部品1と第2部品2との間に、第2部品2が第1部品1に対して意図したような位置関係を保持しつつ配置されることを可能とするガイドとして、貫通孔thを有する。このため、微細な第2部品2を傾きや転倒が生じないように第1部品1に移送することができる。このようなガイドフィルム3は、フィルム材料、例えば、ニッケルやステンレスなどの金属フィルム材料、高密度ポリエチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂フィルム材料に、ガイドとして貫通孔thが形成されたものである。フィルム材料における貫通孔thの形成箇所は、第1部品1の所定領域5に対応する領域であり、通常、第1部品1の電極1aに対応する箇所であり、その形成個数は、第1部品1に配置させるべき第2部品2の個数に対応する。
【0026】
ガイドとして機能する貫通孔thの開口形状は、通過させるべき第2部品2が通過可能となる種々の形状を採用することできるが、第2部品2の外形と略同一であることが好ましい。例えば、第2部品2の形状が矩形である場合には、貫通孔thの開口形状も矩形とすることが好ましい。第2部品2の形状の影響を小さくすることができるからである。なお、貫通孔thの開口形状を円形にすると、異なる形状の第2部品2に対する適用性も高めることができる。また、貫通孔thの孔径は、第2部品が通過し得るサイズである。第2部品の形状や最大厚などを考慮して適宜決定する事ができる。ガイドフィルムのフィルム厚と同じであってもよい。フィルム厚より小さくすることで不要な接触を減らしてもよく、フィルム厚より大きくすることで位置制御をより正確にしてもよい。第2部品2のガイドとして機能させるためである。ガイドフィルム3のフィルム厚は、第2部品2の最大厚みの好ましくは0.1~0.9倍、より好ましくは0.2~0.7倍である。
【0027】
なお、工程Bに先だって、第1部品1の所定領域に対し、ガイドフィルム3の貫通孔thと第2部品2とを位置合わせすることが好ましい。位置合わせは常法により行うことができる。
【0028】
(工程B)
工程Bは、図2に示すように、第2部品2をガイドフィルム3の貫通孔thを通過させて第1部品1の所定領域5に配置する工程である。この配置の際、第1部品1と第2部品2との間には、公知の材料からなる接続材料6が存在している。この接続材料6は、工程Cの接合の際に、第1部品1と第2部品2とを密着させ、接合するものであるので、接合までは、第1部品1と第2部品2との間に存在している限り、第1部品1の第2部品2側表面に積層もしくは配設されていてもよく、第2部品2の第1部品1側表面に積層もしくは配設されていてもよく、両者から離隔した単体(例えばフィルム)として用いることもできる。例えば、工程Aに投入する第1部品1として、その所定領域5側全面に接続材料6として接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用することができ、また、工程Aに投入する第1部品1として、その所定領域5のみに接続材料6として個片状の接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用することができる。あるいは、工程Aに投入する第2部品2として、その第1部品1側表面に接続材料6として個片状の接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用してもよい。なお、接続材料を個片状で用いた場合には、接続材料を必要としないガイドフィルム3や貫通孔の部分に接続材料が配設されることを避けることができ、コンタミや汚染の発生を抑制することができる。
【0029】
また、第2部品2をガイドフィルム3の貫通孔thを通過させる際、第2部品2を1つずつ通過させてもよいが、複数個を一括して通過させてもよい。その場合、第2部品2と貫通孔thとは一対一で対応させておくことが好ましい。ガイドフィルム3のガイド機能を担保しやすくするためである。なお、複数個を一括して通過させる手法として、μLEDの実装の際に採用されている公知のマストランスファー法(例えば、スタンプ転写法、レーザーリフトオフ法等)を利用することができる。
【0030】
(接続材料6)
接続材料6としては、公知の導電材料や絶縁材料の中から適宜選択して利用することができる。接続材料6は、接着性を有していることが好ましい。接続材料6の形態としては、特に制限はなく、フィルムであってもよく、ペーストであってもよく、液状であってもよい。レーザーリフトオフ法を適用して微小な個片で設置する観点からはフィルムであることが好ましい。具体的には、公知のμLEDディスプレイにおいて、μLEDをディスプレイ基板に実装する際に用いられているフィルム状、ペースト状あるいは液状の導電材料や絶縁材料を目的に応じて適宜使用することができる。導電材料としては、例えば導電接着フィルム、異方性導電接着フィルム、導電接着ペースト、絶縁材料としては、絶縁接着フィルム、絶縁接着ペースト等を適宜使用することができる。これらの接続材料のベースとなる樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物から形成することができる。このような熱硬化性樹脂組成物は、好ましくは、ゴム成分と、膜形成樹脂と、熱硬化性樹脂と、熱硬化剤と、無機フィラーとを含有するものである。
【0031】
*ゴム成分
熱硬化性樹脂組成物が含有するゴム成分は、接続材料にクッション性(衝撃吸収性)を付与するための成分であり、クッション性の良好なエラストマーであれば特に限定されるものではなく、具体例として、例えば、アクリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、ポリウレタン樹脂(ポリウレタン系エラストマー)などを挙げることができる。これらの中でも、アクリルゴム、シリコーンゴムから選択される1種以上であることが好ましい。ゴム成分の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と無機フィラーとの合計100質量部に対し、好ましくは1質量部以上20質量部以下、より好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
【0032】
*膜形成樹脂
膜形成樹脂としては、膜形成性の観点から、好ましくは約10000以上80000以下の重量平均分子量のフェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ブチラール樹脂等の種々の樹脂が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂を用いることが好ましい。膜形成樹脂の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と無機フィラーとの合計100質量部に対し、好ましくは20質量部以上50質量部以下、より好ましくは25質量部以上45質量部以下、さらに好ましくは35質量部以上45質量部以下である。
【0033】
*熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂としては、エポキシ化合物、(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができ、特にエポキシ化合物が好ましい。これらの化合物はモノマー、オリゴマー、ポリマーであってもよい。熱硬化性樹脂の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と無機フィラーとの合計100質量部に対し、好ましくは10質量部以上50質量部以下、より好ましくは20質量部以上40質量部以下、さらに好ましくは25質量部以上35質量部以下である。
【0034】
熱硬化性樹脂として使用できるエポキシ化合物としては、分子内に1つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等であってもよく、ウレタン変性のエポキシ樹脂であっても構わない。これらの中でも、高純度ビスフェノールA型エポキシ樹脂を好ましく用いることができる。高純度ビスフェノールA型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば三菱ケミカル株式会社製の商品名「YL980」を挙げることができる。熱硬化性樹脂としてエポキシ化合物を使用する場合、エポキシ化合物の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と無機フィラーとの合計100質量部に対し、好ましくは30質量部以上60質量部以下、より好ましくは35質量部以上55質量部以下、さらに好ましくは35質量部以上45質量部以下である。
【0035】
*熱硬化剤
熱硬化剤は、熱硬化性樹脂に応じて選択され、例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ化合物である場合には、熱アニオン重合開始剤又は熱カチオン重合開始剤を好ましく選択することができ、レーザー光による硬化反応を抑制し、熱により速硬化させることができる熱カチオン重合開始剤をより好ましく選択することができる。熱硬化剤の含有量は、熱硬化剤の種類や熱硬化性樹脂の種類等に応じて決定することができる。熱硬化剤の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と無機フィラーとの合計100質量部に対し、好ましくは1質量部以上10質量部以下、より好ましくは2質量部以上8質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上6質量部以下である。
【0036】
なお、エポキシ化合物に好ましく適用可能な熱カチオン重合開始剤としては、熱によりカチオン重合型化合物をカチオン重合させ得る酸を発生するものであり、公知のヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、フェロセン類等を用いることができる。これらの中でも、温度に対して良好な潜在性を示す芳香族スルホニウム塩を好ましく使用することができる。芳香族スルホニウム塩系の重合開始剤の具体例としては、例えば三新化学工業株式会社製の商品名「サンエイドSI-60L」を挙げることができる。このような熱カチオン重合開始剤の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と無機フィラーとの合計100質量部に対し、好ましくは1質量部以上15質量部以下、より好ましくは1質量部以上10質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上8質量部以下である。
【0037】
*無機フィラー
熱硬化性樹脂組成物中の無機フィラーは、接続材料のデュロメータA硬度、周波数200Hzにおける貯蔵弾性率、及び硬化後の貯蔵弾性率を調整する目的で用いられるものであり、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、シランカップリング剤、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤等を用いることができる。無機フィラーは、単独でも2種類以上を併用してもよい。
【0038】
無機フィラーの含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と無機フィラーとの合計100質量部に対し、好ましくは1質量部以上20質量部以下、より好ましくは5質量部以上15質量部以下、さらに好ましくは8質量部以上12質量部以下である。特に、ゴム成分の含有量が、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と無機フィラーとの合計100質量部に対して2質量部以上10質量部以下である場合に、無機フィラーの含有量を8質量部以上12質量部以下とすることにより、所望のデュロメータA硬度、周波数200Hzにおける貯蔵弾性率、及び硬化後の貯蔵弾性率を容易に実現可能となる。
【0039】
(工程C)
工程Cは、図3に示すように、第2部品2を第1部品1の所定領域5に接合させる工程である。第2部品2の第1部品1の所定領域5への接合は、第1部品1の所定領域5と第2部品2との間に接続材料6を介してヒートツールによる熱圧着、超音波振動子による超音波圧着等の公知の接合手法を採用して行うことができる。
【0040】
<接続構造体の製造方法の変形態様その1>
「変形態様その1」は、工程Aにおいて、第1部品と透明基板に保持されている第2部品との間に、第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムを配置し、レーザーリフトオフ法により、第2部品を第1部品に移送することを特徴とするものである。具体的には、工程A、B及びCに対応して以下の工程A1、B1及びC1を有する。
【0041】
(工程A1)
工程A1は、図4に示す様に、予め用意された第1部品1と透明基板41に保持されている第2部品20との間に、第2部品20が通過し得る貫通孔thを有するガイドフィルム3を配置する工程である。第2部品20がガイドフィルム3の貫通孔thを通過する際に、第2部品20の傾きが是正され、第1部品1に対して適切な向きで配置することが可能となる。なお、透明基板41としては、レーザーリフトオフ法で使用するレーザーを透過する材料であり、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板などを使用することができる。なお、変形態様その1では、第2部品20の電極20aは、透明基板41と反対側に位置するように配置されている。フリップチップ実装を可能とするためである。
【0042】
(工程B1)
工程B1は、図5に示すように、公知のレーザーリフトオフ法により、透明基板41側から第2部品20にレーザーLを照射して透明基板41から第2部品20を剥離し、ガイドフィルム3の貫通孔thを通過させて第1部品1の所定領域5に配置(移送)する工程である。この配置の際、第1部品1と第2部品20との間には、公知の接着材料からなる接続材料6が存在している。この接続材料6は、工程C1の接合の際に、第1部品1と第2部品20とを密着させ、接合するものであるので、第1部品1と第2部品20との間に存在している限り、第1部品1の第2部品20側表面に積層もしくは配設されていてもよく、第2部品20の第1部品1側表面に積層もしくは配設されていてもよく、両者から離隔した単体(例えばフィルム)として用いることもできる。例えば、工程A1に投入する第1部品1として、その所定領域5側全面に接続材料6として接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用することができ、また、工程A1に投入する第1部品1として、その所定領域5のみに接続材料6として個片状の接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用することができる。あるいは、工程A1に投入する第2部品20として、その第1部品1側表面に接続材料6として個片状の接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用してもよい。なお、接続材料を個片状で用いた場合には、接続材料を必要としないガイドフィルム3や貫通孔の部分に接続材料が配設されることを避けることができ、コンタミや汚染の発生を抑制することができる。
【0043】
(工程C1)
工程C1は、図6に示すように、第2部品20を第1部品1の所定領域5に接合させる工程である。第2部品20の第1部品1の所定領域5への接合は、第1部品1の所定領域5と第2部品20との間に接続材料6を介してヒートツールによる熱圧着、超音波振動子による超音波圧着等の公知の接合手法を採用して行うことができる。
【0044】
<接続構造体の製造方法の変形態様その2>
「変形態様その2」は、工程Aにおいて、キャリア基板の片面に保持されている第2部品を、スタンプ転写法により、ベース基材の片面に形成されている凸部を有するスタンプ材の当該凸部に付着させ、第1部品と該凸部に付着している第2部品との間に、該第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムを配置し、工程Bにおいて、該第2部品をガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置するものである。具体的には、工程A、B及びCに対応して以下の工程A2、B2及びC2を有する。
【0045】
(工程A2)
工程A2は、まず、図7Aに示す様に、キャリア基板42の片面に保持されている第2部品21を、スタンプ転写法により、ベース基材71の片面に形成されている凸部72を有するスタンプ材70の当該凸部72に付着させ、換言すれば、第2部品21をスタンプ材70の凸部72でピックアップし、図7Bに示すように、第1部品1と該凸部72に付着している第2部品21との間に、該第2部品21が通過し得る貫通孔thを有するガイドフィルム3を配置する工程である。第2部品21がガイドフィルム3の貫通孔thを通過する際に、第2部品21の傾きが是正され、第1部品1に対して適切な向きで配置することが可能となる。キャリア基板としては、μLEDの製造の際に用いられているキャリア基板を適宜使用することができる。また、スタンプ材70としては、公知のスタンプ材料、例えば、粘着性を有するシリコーン樹脂等から形成されたものを使用できる。なお、変形態様その2では、第2部品21の電極21aは、キャリア基板42側に位置するように配置されている。スタンプ転写した際にフリップチップ実装を可能とするためである。
【0046】
(工程B2)
工程B2は、図8に示すように、第2部品21をガイドフィルム3の貫通孔thを通過させて第1部品1の所定領域5に配置する工程である。この配置の際、第1部品1と第2部品21との間には、公知の材料からなる接続材料6が存在している。この接続材料6は、工程C2の接合の際に、第1部品と第2部品とを密着させ、接合するものであるので、接合までは、第1部品1と第2部品21との間に存在している限り、第1部品1の第2部品21側表面に積層もしくは配設されていてもよく、第2部品21の第1部品1側表面に積層もしくは配設されていてもよく、両者から離隔した単体(例えばフィルム)として用いることもできる。例えば、工程A2に投入する第1部品1として、その所定領域5側全面に接続材料6として接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用することができ、また、工程A2に投入する第1部品1として、その所定領域5のみに接続材料6として個片状の接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用してもよい。あるいは、工程A2に投入する第2部品21として、その第1部品側表面に接続材料6として個片状の接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用してもよい。なお、接続材料を個片状で用いた場合には、接続材料を必要としないガイドフィルム3や貫通孔の部分に接続材料が配設されることを避けることができ、コンタミや汚染の発生を抑制することができる。
【0047】
(工程C2)
工程C2は、図9に示すように、第2部品21を第1部品1の所定領域5に接合させる工程である。第2部品21の第1部品1の所定領域5への接合は、第1部品1の所定領域5と第2部品21との間に接続材料6を介してヒートツールによる熱圧着、超音波振動子による超音波圧着等の公知の接合手法を採用して行うことができる。
【0048】
<接続構造体の製造方法の変形態様その3>
「変形態様その3」は、工程Aにおいて、キャリア基板の片面に保持されている第2部品を、第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムとその片全面に形成された粘着層とその上にピックアップヘッド代替基板とが積層されているスタンプ材代替ガイドフィルムの当該貫通孔の底に存在する粘着層に付着させ、工程Bにおいて、該第2部品を第1部品の所定領域に押し出すことにより、第2部品をガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置するものである。具体的には、工程(A)、(B)及び(C)に対応して以下の工程(A3)、(B3)及び(C3)を有する。
【0049】
(工程A3)
工程A3は、まず、図10Aに示すように、キャリア基板42の片面に保持されている第2部品22を、第2部品22が通過し得る貫通孔thを有するガイドフィルム3とその片全面に形成された粘着層6aとその上にピックアップヘッド代替基板80とが積層されているスタンプ材代替ガイドフィルム3Aの当該貫通孔thの底に存在する粘着層6aに付着させる工程である。この工程ではさらに、図10Bに示すように、ピックアップした第2部品22を第1部品1に対向させる。結果的に、第1部品1と第2部品22との間にガイドフィルム3が配置されると解される。粘着層6aとしては、公知の粘着材料から形成したものを適宜選択して使用することができる。ピックアップヘッド代替基板80としても、基板4、透明基板41、キャリア基板42等から適宜選択して使用することができる。なお、変形態様その3では、第2部品22の電極22aは、キャリア基板42側に位置するように配置されている。スタンプ転写した際にフリップチップ実装を可能とするためである。
【0050】
(工程B3)
工程B3は、図11に示すように、スタンプ材代替ガイドフィルム3Aにピックアップされた第2部品22を第1部品1の所定領域5に公知の手法により押し出すことにより、結果的に第2部品22をガイドフィルム3の貫通孔thを通過させて第1部品1の所定領域5に配置する工程である。この配置の際、第1部品1と第2部品22との間には、公知の接着材料からなる接続材料6が存在している。この接続材料6は、工程C3の接合の際に、第1部品と第2部品とを密着させ、接合するものであるので、第1部品1と第2部品22との間に存在している限り、第1部品1の第2部品22側表面に積層あるいは配設されていてもよく、第2部品22の第1部品1側表面に積層あるいは配設されていてもよく、両者から離隔した単体(例えばフィルム)として用いることもできる。例えば、工程A3に投入する第1部品1として、その所定領域5側全面に接続材料6として接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用することができ、また、工程A3に投入する第1部品1として、その所定領域5のみに接続材料6として個片状の接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用してもよい。あるいは、工程A3に投入する第2部品22として、その第1部品1側表面に接続材料6として個片状の接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用してもよい。なお、接続材料を個片状で用いた場合には、接続材料を必要としないガイドフィルム3や貫通孔の部分に接続材料が配設されることを避けることができ、コンタミや汚染の発生を抑制することができる。
【0051】
(工程C3)
工程C3は、図12に示すように、第2部品22を第1部品1の所定領域5に接合させる工程である。第2部品22の第1部品1の所定領域5への接合は、第1部品1の所定領域5と第2部品22との間に接続材料6を介してヒートツールによる熱圧着、超音波振動子による超音波圧着等の公知の接合手法を採用して行うことができる。
【0052】
<接続構造体の製造方法の変形態様その4>
「変形態様その4」は、工程Aにおいて、キャリア基板の片面に保持されている第2部品を、第2部品が通過し得る貫通孔を有するガイドフィルムとその片全面に形成された粘着層とその上にピックアップヘッド代替基板とが積層されているスタンプ材代替ガイドフィルムの当該貫通孔の底に存在する粘着層に付着させ、工程Bにおいて、レーザーリフトオフ法により、ピックアップヘッド代替基板側から第2部品に対してレーザーを照射して粘着層から第2部品を剥離し、ガイドフィルムの貫通孔を通過させて第1部品の所定領域に配置するものである。具体的には、工程(A)、(B)及び(C)に対応して以下の工程(A4)、(B4)及び(C4)を有する。
【0053】
(工程A4)
工程A4は、まず、図13Aに示すように、キャリア基板42の片面に保持されている第2部品23を、第2部品23が通過し得る貫通孔thを有するガイドフィルム3とその片全面に形成された粘着層6aとその上にピックアップヘッド代替基板80とが積層されているスタンプ材代替ガイドフィルム3Aの当該貫通孔thの底に存在する粘着層6aに付着させる工程である。この工程ではさらに、図13Bに示すように、ピックアップした第2部品23を第1部品1に対向させる。結果的に、第1部品1と第2部品23との間にガイドフィルム3が配置されると解される。粘着層6aとしては、公知の粘着材料から形成したものを適宜選択して使用することができる。ピックアップヘッド代替基板80としても、基板4、透明基板41、キャリア基板42等から適宜選択して使用することができる。なお、変形態様その4では、第2部品23の電極23aは、キャリア基板42側に位置するように配置されている。スタンプ転写した際にフリップチップ実装を可能とするためである。
【0054】
(工程B4)
工程B4は、図14に示すように、公知のレーザーリフトオフ法により、ピックアップヘッド代替基板80側から第2部品23にレーザーLを照射してピックアップヘッド代替基板80の粘着層6aから第2部品23を剥離し、ガイドフィルム3の貫通孔thを通過させて第1部品1の所定領域5に配置(移送)する工程である。結果的に第2部品23をガイドフィルム3の貫通孔thを通過させて第1部品1の所定領域5に配置する工程である。この配置の際、第1部品1と第2部品23との間には、公知の接着材料からなる接続材料6が存在している。この接続材料6は、工程C4の接合の際に、第1部品と第2部品とを密着させ、接合するものであるので、第1部品1と第2部品23との間に存在している限り、第1部品1の第2部品23側表面に積層あるいは配設されていてもよく、第2部品23の第1部品1側表面に積層あるいは配設されていてもよく、両者から離隔した単体(例えばフィルム)として用いることもできる。例えば、工程A4に投入する第1部品1として、その所定領域5側全面に接続材料6として接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用することができ、また、工程A4に投入する第1部品1として、その所定領域5のみに接続材料6として個片状の接着フィルムあるいは接着ペーストが積層あるいは配設されているものを使用してもよい。あるいは、工程A4に投入する第2部品23として、その第1部品1側表面に接続材料6として個片状の接着フィルムあるいは接着ペーストが積層されているものを使用してもよい。なお、接続材料を個片状で用いた場合には、接続材料を必要としないガイドフィルム3や貫通孔の部分に接続材料が配設されることを避けることができ、コンタミや汚染の発生を抑制することができる。
【0055】
(工程C4)
工程C4は、図15に示すように、第2部品23を第1部品1の所定領域5に接合させる工程である。第2部品23の第1部品1の所定領域5への接合は、第1部品1の所定領域5と第2部品23との間に接続材料6を介してヒートツールによる熱圧着、超音波振動子による超音波圧着等の公知の接合手法を採用して行うことができる。
【0056】
<ガイドフィルム>
以上説明した本発明の接続構造体の製造方法においては、ガイドフィルムを使用することが必須となっている。このようなガイドフィルムは、第1部品の所定領域に第1部品よりも微細な第2部品を移送する際のガイドとなる貫通孔を有するガイドフィルムであって、貫通孔の孔径が、第2部品が通過し得るサイズとなっているものである。具体的には、ガイドフィルムのフィルム厚が第2部品の最大厚みの0.1~0.9倍であることが好ましい。また、貫通孔の開口形状は、第2部品が通過可能となる種々の形状を採用することできる。例えば、第2部品の外形が矩形(長方形)であるなら矩形(長方形)、円形もしくはそれに近似した形状であるなら円形もしくはそれに近似した形状にすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の接続構造体の製造方法においては、μLED等の微細な第2部品をそれよりも大きな基板等の第1部品の所定箇所に配置する際に、第1部品と第2部品との間に、第2部品が第1部品に対して意図したような位置関係を保持しつつ配置されるように可能となるようなガイドとして、貫通孔を有するガイドフィルムを配置する。このため、微細な第2部品を傾きや転倒が生じないように第1部品に配置することができる。よって、μLEDディスプレイの製造に有用である。
【符号の説明】
【0058】
1 第1部品
1a 第1部品の電極
2、20、21、22、23 第2部品
2a、20a、21a、22a、23a 第2部品の電極
3 ガイドフィルム
3A スタンプ材代替ガイドフィルム
4 基板
5 第1部品の所定領域
6 接続材料
6a 粘着層
41 透明基板
42 キャリア基板
70 スタンプ材
71 ベース基材
72 凸部
80 ピックアップヘッド代替基板80
L レーザー
th スルーホール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15