IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

特開2024-132700商品販売データ処理装置及びプログラム
<>
  • 特開-商品販売データ処理装置及びプログラム 図1
  • 特開-商品販売データ処理装置及びプログラム 図2
  • 特開-商品販売データ処理装置及びプログラム 図3
  • 特開-商品販売データ処理装置及びプログラム 図4
  • 特開-商品販売データ処理装置及びプログラム 図5
  • 特開-商品販売データ処理装置及びプログラム 図6
  • 特開-商品販売データ処理装置及びプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132700
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240920BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240920BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G07G1/12 361D
G07G1/01 301E
G07G1/00 311D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043578
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 裕一
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142DA04
3E142DA07
3E142EA21
3E142FA36
3E142GA35
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】法改正の前後に亘り免税に係る手続きを行うことが可能な商品販売データ処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】顧客のパスポートから前記顧客のパスポート情報を取得する取得手段と、現在の年月日が、予め設定された年月日以降かを判定する第1判定手段と、前記パスポート情報と前記第1判定手段の判定結果に応じた免税に係る条件とに基づいて、前記顧客が行う取引が免税の条件を満たすか判定する第2判定手段と、前記第2判定手段が免税の条件を満たすと判定した場合、税金を免除した決済処理を実行する決済手段と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客のパスポートから前記顧客のパスポート情報を取得する取得手段と、
現在の年月日が、予め設定された年月日以降かを判定する第1判定手段と、
前記パスポート情報と前記第1判定手段の判定結果に応じた免税に係る条件とに基づいて、前記顧客が行う取引が免税の条件を満たすか判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段が免税の条件を満たすと判定した場合、税金を免除した決済処理を実行する決済手段と、
を備える、商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記予め設定された年月日は免税制度の法改正が行われる改正日であり、法改正前の内容が、前記パスポート情報に含まれる国籍情報が自国の国籍と外国籍との何れかであることを免税の条件とするものであり、改正後の内容が、前記国籍情報が外国籍であることを免税の条件とするものである場合、
前記第2判定手段は、前記取得手段が取得したパスポート情報に含まれる国籍情報が自国の国籍であり、且つ現在の年月日が前記改正日の前である場合、前記免税の条件を満たすと判定する、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記第2判定手段が前記免税の条件を満たさないと判定した場合に報知を行う報知手段を更に備える、
請求項1又は2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記第2判定手段が免税の条件を満たすと判定した場合、前記顧客に関する情報の入力を支援するための操作画面を提供する提供手段を更に備える、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記提供手段は、前記第1判定手段の判定結果に基づいて、前記操作画面に表示する前記情報の入力に係る選択肢の内容又は項目数を変更する、
請求項4に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
商品販売データ処理装置のコンピュータを、
顧客のパスポートから前記顧客のパスポート情報を取得する取得手段と、
現在の年月日が、予め設定された年月日以降かを判定する第1判定手段と、
前記パスポート情報と前記第1判定手段の判定結果に応じた免税に係る条件とに基づいて、前記顧客が行う取引が免税の条件を満たすか判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段が免税の条件を満たすと判定した場合、税金を免除した決済処理を実行する決済手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
輸出物品販売場(免税店)を経営する事業者が外国人旅行者等の非居住者に対して商品を販売する場合に、当該商品に係る消費税等の税金を免除するいわゆる免税制度が存在する。また、従来、免税に係る手続きを行うことが可能な商品販売データ処理装置が存在している。
【0003】
ところで、免税制度は、法改正に伴い免税対象者の条件が変更となる場合がある。例えば、2023年4月1日の法改正では、海外に居住する日本人について免税を受けることができる条件が変更されることが判明している。
【0004】
このような場合、法改正に伴い免税を受けることができる条件が変更となるため、上述した従来の技術では、法改正の前後に亘って免税に係る手続きを行うことができない可能性があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、法改正の前後に亘り免税に係る手続きを行うことが可能な商品販売データ処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の商品販売データ処理装置は、受付手段と、第1判定手段と、第2判定手段と、決済手段とを備える。受付手段は、顧客の国籍情報の入力を受け付ける。第1判定手段は、現在の年月日が、予め設定された年月日以降かを判定する。第2判定手段は、前記国籍情報と前記第1判定手段の判定結果に応じた免税に係る条件とに基づいて、前記顧客が行う取引が免税の条件を満たすか判定する。決済手段は、前記第2判定手段が免税の条件を満たすと判定した場合、税金を免除した決済処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るPOSシステムの一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るPOS端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るPOS端末の機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態の免税処理部が表示する在留資格画面の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態の免税処理部が表示する在留資格画面の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態のPOS端末が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態のPOS端末が実行する免税処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態においては、外国人旅行者等の非居住者に対して通常生活の用に供する販売対象を一定の方法で販売する輸出物品販売場(免税店)で用いられるPOS(Point Of Sales)システムについて説明する。実施形態は、販売データ処理装置の一例として、免税店の店舗に設置されたPOS端末を用いて説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係るPOSシステム1の概略構成図である。POSシステム1は、図1に示すように、免税店内に設置された1台又は複数台(図では2台)のPOS端末2と、これらのPOS端末2とLAN(Local Area Network)等のネットワーク3を介して接続されるサーバ4とを有する。
【0010】
サーバ4は、例えば免税店のバックヤードに設けられ、POSシステム1全体の制御を受け持つものである。例えば、サーバ4は、後述する商品マスタ242、免税条件ファイル243、免税関連ファイル244、及び改正日設定ファイル245を記憶し、各POS端末2に送信する。また、サーバ4は、各POS端末2で決済処理した商品の取引結果(商品情報及び決済情報)を収集し管理する。
【0011】
POS端末2は、免税店の店内の精算場所に配置されている。POS端末2は、オペレータ(キャッシャ)が入力した商品コードに基づいて取引処理を行うための端末である。
【0012】
POS端末2は、店内で販売されている商品の販売に係る取引処理を行う。オペレータがPOS端末2を操作することで、POS端末2は、販売される商品の売上登録処理及び決済処理を実行する。
【0013】
売上登録処理は、販売される商品に付されたバーコード等のコードを光学的に読み取ることで、又はコードを撮像することで、商品コードを取得し、取得した商品コードに基づいて商品マスタから当該商品の商品情報(商品名、価格、免税区分コード等)読み出し、読み出した商品情報をRAM203等に記憶する処理をいう。
【0014】
決済処理は、売上登録処理に伴い商品情報部331に記憶された商品情報に基づいて、取引に係る合計金額や税額の表示、顧客から預かった預り金に基づいて釣銭を計算して表示する処理、釣銭の発行を釣銭機に指示する処理等をいう。なお、売上登録処理と決済処理を合わせた処理を取引処理ともいう。
【0015】
次に、POS端末2のハードウェアについて説明する。図2は、POS端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、POS端末2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203等を備えている。
【0017】
CPU201は、プロセッサの一例であり、POS端末2の動作を制御する制御主体となる。ROM202は、各種プログラムを記憶する。RAM203は、プログラムや各種データを展開する。CPU201、ROM202、及びRAM203は、バスを介して接続されている。CPU201とROM202とRAM203とが、制御部200を構成する。また、制御部200は、現在の日時を計時することが可能なRTC(Real Time Clock)等の計時部(図示せず)を備える。
【0018】
また、POS端末2は、メモリ部204、操作部205、表示部206、プリンタ207、コードリーダ208、パスポートリーダ209、及び通信部210等を備える。メモリ部204、操作部205、表示部206、プリンタ207、コードリーダ208、パスポートリーダ209、及び通信部210は、バスを介してCPU201に接続される。
【0019】
メモリ部204は、HDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部204は、制御プログラム241、商品マスタ242、免税条件ファイル243、免税関連ファイル244、及び改正日設定ファイル245等を記憶する。
【0020】
制御プログラム241は、CPU201が実行可能な各種のプログラムである。商品マスタ242、免税条件ファイル243、免税関連ファイル244、及び改正日設定ファイル245の一部又は全ては、例えばサーバ4からダウンロードされる。
【0021】
商品マスタ242は、免税店で販売される商品に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。商品マスタ242は、商品を特定する商品コードに関連付けて、当該商品の商品情報を記憶する。商品情報は、例えば、商品名や価格(単価)の他、商品の免税区分を示す情報等を含む。ここで、免税区分は、「消耗品」、「一般物品」、「免税対象外」であり、例えば各区分を示す01~03等の区分コードが商品情報に含まれる。
記憶される。
【0022】
免税条件ファイル243は、免税が成立するための条件、すなわち免税を受けることができる条件(以下、免税条件ともいう)を記憶するデータファイルである。例えば、免税条件ファイル243は、消耗品及び一般物品の合計金額等の商品及び購入金額に関する条件を記憶する。また、免税条件ファイル243は、国籍に関する条件を記憶する。
【0023】
また、本実施形態の免税条件ファイル243は、第1免税条件ファイル2431と、第2免税条件ファイル2432とを有する。ここで、第1免税条件ファイル2431と、第2免税条件ファイル2432とは、免税制度の法改正の前後に対応するものである。具体的には、第1免税条件ファイル2431は、法改正前の免税制度において免税が成立するための条件を記憶する。また、第2免税条件ファイル2432は、法改正後の免税制度において免税が成立するための条件を記憶する。
【0024】
第1免税条件ファイル2431と、第2免税条件ファイル2432とは、重複する設定値を含んでもよいが、少なくとも第2免税条件ファイル2432は、法改正により変更(追加、削除を含む)される法改正後の条件を記憶する。
【0025】
本実施形態では一例として、2023年4月1日の法改正で変更される海外に居住する日本人(以下、日本人非居住者)に関する条件を、第2免税条件ファイル2432が記憶するものとする。係る法改正は、国内以外の地域に引き続き二年以上住所又は居所を有することが在留証明等で確認できた場合に免税を許可するものであるが、本実施形態では説明の便宜上、国籍情報が日本(自国)の場合に免税を不成立とする条件が第2免税条件ファイル2432に記憶されているものとする。一方で、法改正前の第1免税条件ファイル2431には、国籍情報が日本の場合であっても免税成立とする条件が記憶されているものとする。
【0026】
免税関連ファイル244は、免税が成立した際に入力が必要な入力事項や当該入力事項の入力に係る入力画面等の情報を記憶する。
【0027】
また、本実施形態の免税関連ファイル244は、第1免税関連ファイル2441と、第2免税関連ファイル2442とを有する。ここで、第1免税関連ファイル2441と、第2免税関連ファイル2442とは、免税制度の法改正の前後に対応するものである。具体的には、第1免税関連ファイル2441は、法改正前の免税制度で入力が必要な入力事項に関る情報を記憶する。また、第2免税関連ファイル2442は、法改正後の免税制度で入力が必要な入力事項に関る情報を記憶する。
【0028】
第1免税関連ファイル2441と、第2免税関連ファイル2442とは、重複する内容を含んでもよいが、少なくとも第2免税関連ファイル2442には、法改正により変更(追加、削除を含む)される情報を記憶する。
【0029】
本実施形態では一例として、2023年4月1日の法改正に伴い変更される、在留資格の選択項目についての情報を第2免税条件ファイル2432が記憶するものとする。なお、第1免税関連ファイル2441と、第2免税関連ファイル2442とでは、在留資格の選択項目の内容や個数が異なるものとする。
【0030】
改正日設定ファイル245は、免税制度の法改正が行われる年月日(及び時刻)を示す情報を記憶するデータファイルである。例えば、本実施形態では、上述した2023年4月1日(0時0分)を示す情報が改正日設定ファイル245に記憶される。
【0031】
操作部205は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスである。例えば、操作部205は、締めキーや免税キー等を含む。締めキーは、一顧客との取引を終了する場合に操作する。免税キーは、購入した商品について免税制度の適用を受ける場合に操作する。
【0032】
表示部206は、取引に関する各種の情報を表示する。プリンタ207は、顧客が購入した商品の商品情報や決済情報を印字したレシートを発行する。コードリーダ208は、商品に付されたバーコード等のコードシンボルを光学的又は撮像して入力する。POS端末2は、入力されたコードシンボルをデコードして、当該商品を特定する商品コードを取得する。パスポートリーダ209は、パスポート(旅券)が保持する情報(以下、パスポート情報ともいう)を読み取るリーダ装置である。実施形態では、パスポートリーダ209は、パスポートに記載された文字列を光学的に読み取る光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)機能を有する。
【0033】
また、通信部210は、ネットワーク3に接続可能な有線又は無線の通信インタフェースである。通信部210は、ネットワーク3を介してサーバ4とデータ通信を行う。
【0034】
次に、POS端末2が備える機能構成について説明する。図3は、POS端末が備える機能構成の一例を示す図である。図3に示すように、POS端末2は、登録部21と、決済処理部22と、パスポート情報取得部23と、条件判定部24と、免税処理部25とを機能構成として備える。
【0035】
POS端末2が備える機能構成の一部又は全ては、POS端末2のプロセッサ(例えばCPU201)とメモリ(例えばROM202、メモリ部204)に記憶されたプログラム(例えば制御プログラム241)との協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、POS端末2が備える機能構成の一部又は全ては、POS端末2に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0036】
登録部21は、販売対象の商品の商品コードや商品情報等を登録する。具体的に、登録部21は、コードリーダ208を駆動し、コードリーダ208が読み取った商品コードを取得する。また、登録部21は、商品コードを基に商品マスタ242から商品情報を取得し、取得した商品情報をRAM203等に登録する売上登録処理を実行する。
【0037】
決済処理部22は、締めキーの操作に応じて、売上登録処理で登録された各商品の商品情報に基づき、当該商品の決済処理を行う。具体的には、決済処理部22は、消費税等の税金分の金額を含んだ合計金額を算出し、算出した合計金額を顧客が支払った支払金額で精算する決済処理を実行する。また、決済処理部22は、決済処理の際に、支払金額から商品の合計金額を差し引いた釣銭額を算出し、釣銭額を払い出すための処理を実行する。
【0038】
また、決済処理部22は、決済処理が完了すると、プリンタ207を制御し、決済処理した商品の商品情報や決済情報等をレシート用紙に印字してレシートを発行する。また、決済処理部22は、決済処理した商品の商品情報(取引番号、取引日時、レジ番号、商品コード、単価、点数等)や決済情報(合計金額、税額、釣銭額等)等を含んだ取引結果をサーバ4に送信する。
【0039】
パスポート情報取得部23は、取得手段の一例である。パスポート情報取得部23は、例えば免税キーの操作に応じ、パスポートリーダ209を駆動することで、パスポートリーダ209がパスポートから読み取ったパスポート情報を取得する。また、パスポート情報取得部23は、操作部205を介して入力されるパスポート情報を取得してもよい。言い換えると、パスポート情報取得部23は、パスポートリーダ209や操作部205を介してパスポート情報の入力を受け付ける。パスポート情報には、取引を行う顧客の氏名や年齢、国籍情報等が含まれる。
【0040】
条件判定部24は、第1判定手段、第2判定手段及び報知手段の一例である。条件判定部24は、免税条件ファイル243に基づいて、免税条件を満たすか否かを判定する。具体的には、条件判定部24は、現在の年月日と改正日設定ファイル245に記憶された年月日とを比較し、現在の年月日が免税制度の法改正が行われる年月日(以下、改正日ともいう)以降か否かを判定する。ここで、改正日より前と判定した場合、条件判定部24は、第1免税条件ファイル2431に基づいて、免税条件を満たすか否かを判定する。また、改正日以降と判定した場合、条件判定部24は、第2免税条件ファイル2432に基づいて、免税条件を満たすか否かを判定する。
【0041】
例えば、条件判定部24は、顧客が購入する商品の金額を免税区分毎に算出し、算出した金額の合計金額が、免税条件を満たすか否かを判定する。また、例えば、条件判定部24は、パスポート情報取得部23が取得したパスポート情報に含まれる国籍情報が、免税条件を満たすか否かを判定する。
【0042】
上述したように、第1免税条件ファイル2431と第2免税条件ファイル2432とでは、日本人非居住者に関する条件が異なる。そのため、条件判定部24は、第1免税条件ファイル2431を用いて条件判定を行う場合、パスポート情報取得部23が取得した国籍情報が日本であれば日本人非居住者に係る免税条件を満たすと判定する。また、条件判定部24は、第2免税条件ファイル2432を用いて条件判定を行う場合、パスポート情報取得部23が取得した国籍情報が日本であると、免税条件を満たさないと判定する。
【0043】
なお、条件判定部24は、日本人非居住者の免税条件を満たさないと判定した場合等、免税条件を満たさないと判定した場合には、エラーの報知を行ってもよい。例えば、条件判定部24は、表示部206にエラーを報知するメッセージや画像を表示させてもよい。
【0044】
免税処理部25は、決済手段及び提供手段の一例である。免税処理部25は、決済処理部22と協働することで、条件判定部24が免税条件を満たしていると判定した取引の商品について、消費税等の税金の課税を免除した決済処理を行う。
【0045】
また、免税処理部25は、条件判定部24が免税条件を満たしていると判定した場合、免税関連ファイル244に基づいて、免税に必要な入力事項の入力を支援するための操作画面を表示部206に表示させる。具体的には、免税処理部25は、現在の年月日と改正日設定ファイル245に記憶された年月日とを比較し、現在の年月日が免税制度の改正日以降か否かを判定する。ここで、改正日より前と判定した場合、条件判定部24は、第1免税関連ファイル2441に基づいて、在留資格の入力を支援するための操作画面(以下、在留資格画面ともいう)を提供する。また、改正日以降と判定した場合、免税処理部25は、第2免税関連ファイル2442に基づいて、在留資格画面を提供する。具体的には、免税処理部25は、表示部206に在留資格画面を表示させる。
【0046】
図4及び図5は、免税処理部25が表示する在留資格画面の一例を示す図である。ここで、図4は、第1免税関連ファイル2441に基づく在留資格画面の一例である。また、図5は、第2免税関連ファイル2442に基づく在留資格画面の一例である。
【0047】
図4及び図5に示すように、第1免税関連ファイル2441と第2免税関連ファイル2442とでは、選択可能な在留資格の内容及び項目数が異なっている。具体的には、第1免税関連ファイル2441に基づく在留資格画面Gaでは、選択可能な在留資格の項目が18種類であるの対し、第2免税関連ファイル2442に基づく在留資格画面Gbでは、選択可能な在留資格の項目が6種類となっている。
【0048】
POS端末2のオペレータは、在留資格画面Ga、Gbに表示された選択肢CHを選択操作することで、在留資格を入力することができる。例えば、図4の在留資格画面Gaの場合、顧客が日本人非居住者である場合、オペレータは、画面右下の選択肢CH「非居住者に該当」を操作することになる。
【0049】
以下、POS端末2が実行する処理例について説明する。なお、以降の説明では、一例として、免税区分及び合計金額が免税条件を満たす商品が購入されたものとして説明する。
【0050】
図6は、POS端末2が実行する処理の一例を示すフローチャートである。まず、登録部21は、コードリーダ208からの入力に基づいて商品コードを取得したか否かを判定する(ステップS11)。商品コードを取得したと判定した場合は(ステップS11;Yes)、制御部200は、取得した商品コードに関連付けられた商品情報を商品マスタ242から検索し、当該商品情報に基づいて商品の売上登録処理を実行する(ステップS12)。具体的には、制御部200は、商品の商品情報をRAM203等に記憶することで売上登録処理を実行する。
【0051】
また、ステップS11で商品コードが入力されていないと判定した場合(ステップS11;No)、決済処理部22は、操作部205の締めキーが操作されたか否かを判定する(ステップS13)。締めキーが操作されたと判定した場合(ステップS13;Yes)、制御部200は、当該取引について、売上登録処理で記憶した商品情報に基づいて、合計金額や釣銭額等を算出する決済処理を実行する(ステップS14)。ステップS14で実行する決済処理は、消費税等の税金が課税された税額を含む合計金額を算出する通常の決済処理である。
【0052】
続いて、決済処理部22は、決済処理した商品の商品情報や決済情報等をレシート用紙に印字してレシートを発行する(ステップS15)。そして、決済処理部22は、決済処理した商品の商品情報や決済情報等を含む取引結果をサーバ4に送信し(ステップS16)、ステップS11に戻る。
【0053】
また、ステップS13で締めキーが操作されていないと判定した場合(ステップS13;No)、制御部200は、免税キーが操作されたか否かを判定する(ステップS17)。免税キーが操作されたと判定した場合は(ステップS17;Yes)、制御部200は、免税処理の宣言があったとして、図7に示す免税処理を実行する(ステップS18)。そして制御部200は、ステップS11に処理を戻す。なお、免税キーが操作されていないと判定した場合(ステップS17;No)、制御部200は、ステップS11に処理を戻す。
【0054】
次に、図7を参照して、上述のステップS18で実行される免税処理について説明する。図7は、POS端末2が実行する免税処理の一例を示すフローチャートである。
【0055】
まず、パスポート情報取得部23は、パスポートリーダ209を駆動することで、顧客のパスポートから情報を取得する(ステップS181)。例えば、パスポート情報取得部23は、パスポートから顧客のパスポート情報を取得する。
【0056】
続いて、条件判定部24は、現在の年月日が改正日設定ファイル245に記憶された改正日以降か否かを判定する(ステップS182)。ここで、改正日より前と判定した場合(ステップS182;No)、条件判定部24は第1免税条件ファイル2431に基づき、免税条件を満たすか否かを判定する。この場合、パスポート情報に含まれる国籍情報が日本(又は日本以外の外国籍)であっても免税条件を満たすため、条件判定部24は、日本人非居住者に係る免税条件を満たすと判定し、ステップS185に処理を移行させる。
【0057】
一方、改正日以降と判定した場合(ステップS182;Yes)、条件判定部24は、第2免税条件ファイル2432に基づいて免税条件を満たすか否かを判定する。具体的には、条件判定部24は、ステップS181で取得されたパスポート情報に含まれる国籍情報が日本か否かを判定する(ステップS183)。
【0058】
ここで、国籍情報が日本であった場合(ステップS183;Yes)、条件判定部24は、第2免税条件ファイル2432に基づき、免税条件を満たさないと判定する。この場合、条件判定部24は、免税条件を満たさないことを示すエラーを報知し(ステップS184)、図6のステップS14に移行させる。なお、国籍情報が日本以外の外国籍であった場合(ステップS183;No)、条件判定部24は、免税条件を満たすと判定し、ステップS185に処理を移行させる。
【0059】
続いて、免税処理部25は、ステップS182の判定結果に基づき、判定結果に応じた在留資格画面を表示部206に表示させる(ステップS185)。例えば、ステップS182で改正日より前と判定された場合、免税処理部25は、第1免税関連ファイル2441に基づく在留資格画面(図4参照)を表示部206に表示させる。また、ステップS182で改正日以降と判定された場合、免税処理部25は、第2免税関連ファイル2442に基づく在留資格画面(図5参照)を表示部206に表示させる。なお、免税処理部25は、現在の年月日が改正日設定ファイル245に記憶された改正日以降かを判定する処理を、独自に行う構成としてもよい。
【0060】
続いて、免税処理部25は、在留資格画面に基づき在留資格が入力されるまで待機する(ステップS186;No)。在留資格が入力されると(ステップS186;Yes)、免税処理部25は、決済処理部22と協働することで、売上登録処理で記憶した商品情報に基づき、消費税等の税金を免除した決済処理を実行する(ステップS187)。そして、免税処理部25は、ステップS15に処理を戻す。
【0061】
なお、この場合、決済処理部22は、ステップS15において、レシートとともに免税処理用の証明書等を発行してもよい。また、決済処理部22は、ステップS16において、決済処理した商品の商品情報等(取引番号、取引日時、レジ番号、商品コード、単価、点数等)や決済情報(合計金額、釣銭額等)の他、パスポートから取得した情報や、入力された在留資格等の情報を取引結果としてサーバ4に送信する。
【0062】
以上のように、POS端末2は、顧客のパスポートからパスポート情報を取得し、現在の年月日が、改正日設定ファイル245に設定された年月日以降かを判定し、前記パスポート情報と前記第1判定手段の判定結果に応じた免税条件とに基づいて、顧客が行う取引が免税の条件を満たすか判定する。そして、POS端末2は、免税の条件を満たすと判定した場合、税金を免除した決済処理を実行する。これにより、POS端末2は、免税制度の法改正の前後に亘り、免税に係る手続きを行うことができる。
【0063】
なお、上述した実施形態は、上述したPOS端末2が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0064】
(変形例1)
上述の実施形態では、法改正の前後における免税条件及び操作画面を、免税条件Φ宇r243や免税関連ファイル244等の設定情報として記憶し、現在の年月日と改正日とに基づき使用する設定情報を切り替える構成と説明した。しかしながら、法改正の前後における免税条件及び操作画面は、設定情報の形態ではなく、他の形態で保持してもよい。
【0065】
例えば、免税条件の条件判定用のアルゴリズムや操作画面のGUI(Graphical User Interface)を含んだ免税処理用のプログラム(以下、免税処理プログラム)を、法改正の前後でそれぞれ用意し、現在の年月日と改正日とに基づき使用する免税処理プログラムを切り替える構成としてもよい。
【0066】
この場合、条件判定部24は、現在の年月日と改正日とに基づき使用する免税処理プログラムを選択する。具体的には、条件判定部24は、現在の年月日と改正日設定ファイル245に記憶された年月日とを比較し、現在の年月日が改正日より前と判定した場合、法改正前用の免税処理プログラム、つまり現行の免税処理プログラムを実行対象に選択する。また、条件判定部24は、現在の年月日が改正日より前と判定した場合、法改正後用の免税処理プログラムを実行対象に選択する。そして、条件判定部24は、選択した免税処理プログラムを実行することで免税条件の判定を行う。また、この場合、免税処理部25は、免税処理プログラムの実行により実現される構成としてもよい。
【0067】
(変形例2)
上述の実施形態では、パスポート情報に含まれる国籍情報について、免税条件の判定を行う形態を説明した。しかしながら、パスポート情報に含まれる他の情報についても、免税条件の判定を行う構成としてもよい。
【0068】
(変形例3)
上述の実施形態では、免税条件と必要項目の入力に係る操作画面とを同じタイミングで変更する例を説明したが、これに限らないものとする。例えば、免税条件を維持したまま入力が必要な項目を変更するような場合も想定される。このような場合、改正日設定ファイル245に、免税条件ファイル243用の改正日と、免税関連ファイル244用の改正日とを2つ登録することで、別々のタイミングで変更できるように構成してもよい。
【0069】
また、この場合、条件判定部24は、改正日設定ファイル245に登録された改正日のうち、免税条件ファイル243用の改正日を参照し、免税処理部25は、改正日設定ファイル245に登録された改正日のうち、免税関連ファイル244用の改正日を参照するものとする。これにより、免税条件と操作画面とを異なるタイミングで更新することができる。
【0070】
なお、上述の実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0071】
さらに、上述の実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 POSシステム
2 POS端末
3 ネットワーク
4 サーバ
21 登録部
22 決済処理部
23 パスポート情報取得部
24 条件判定部
25 免税処理部
200 制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開2022-113846号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7