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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132736
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240920BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L21/60 301B
H01L23/30 R
H01L21/56 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043638
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】井口 知洋
(72)【発明者】
【氏名】平川 達也
(72)【発明者】
【氏名】南 尚吾
(72)【発明者】
【氏名】松尾 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】小松 出
【テーマコード(参考)】
4M109
5F044
5F061
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109DB09
5F044AA15
5F061AA02
5F061BA03
5F061CA02
(57)【要約】
【課題】配線の接続不良を抑制可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態の半導体装置は、ベース板と、ベース板の上に設けられ、第1の金属層と第2の金属層とを有する絶縁基板と、第1の金属層の上に設けられ、上部電極と、第1の金属層に接続された下部電極と、上部電極と下部電極との間の半導体層を含む半導体チップと、第1の端部と第2の端部を有し、第1の端部が上部電極に接続され、第2の端部が第2の金属層に接続されたボンディングワイヤと、絶縁基板、半導体チップ、及びボンディングワイヤを覆い、第1の樹脂を含む第1の樹脂層と、第1の端部と上部電極との接合部の少なくとも一部を覆い、第1の樹脂のよりも高いヤング率を有する第2の樹脂を含む第2の樹脂層と、第1の樹脂層の上に第1の樹脂層に接して設けられ、第1の樹脂よりも透湿度の低い第3の樹脂を含む第3の樹脂層と、絶縁基板、第1の樹脂層、及び第3の樹脂層を囲む枠体と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース板と、
前記ベース板の上に設けられ、表面に第1の金属層と第2の金属層とを有する絶縁基板と、
前記第1の金属層の上に設けられ、上部電極と、前記第1の金属層に接続された下部電極と、前記上部電極と前記下部電極との間に設けられた半導体層を含む半導体チップと、
第1の端部と第2の端部を有し、前記第1の端部が前記上部電極に接続され、前記第2の端部が前記第2の金属層に接続されたボンディングワイヤと、
前記絶縁基板、前記半導体チップ、及び前記ボンディングワイヤを覆い、第1の樹脂を含む第1の樹脂層と、
前記第1の端部と前記上部電極との接合部の少なくとも一部を覆い、前記第1の樹脂のヤング率よりも高いヤング率を有する第2の樹脂を含む第2の樹脂層と、
前記第1の樹脂層の上に前記第1の樹脂層に接して設けられ、前記第1の樹脂の透湿度よりも透湿度の低い第3の樹脂を含む第3の樹脂層と、
前記絶縁基板、前記第1の樹脂層、及び前記第3の樹脂層を囲む枠体と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第2の樹脂のヤング率は1000MPa以上である、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の樹脂のガラス転移温度は250℃以上である、請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第3の樹脂の伸び率は、前記第1の樹脂の伸び率以上である、請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ベース板と前記枠体との間に設けられ、前記ベース板と前記枠体とを接着し、第4の樹脂を含む第4の樹脂層と、
前記第1の樹脂層と前記第4の樹脂層との間に設けられ、前記第1の樹脂の透湿度及び前記第4の樹脂の透湿度よりも透湿度の低い第5の樹脂を含む第5の樹脂層と、
を更に備える、請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第5の樹脂層は、前記第1の樹脂層及び前記第4の樹脂層に接する、請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第5の樹脂層は、前記枠体と前記第1の樹脂層との間に設けられ、
前記第5の樹脂層は、前記絶縁基板の少なくとも一部を覆う、請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第5の樹脂層は、前記半導体チップの少なくとも一部を覆う、請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ベース板と前記枠体との間に設けられ、前記ベース板と前記枠体とを接着し、第4の樹脂を含む第4の樹脂層と、
前記枠体及び前記ベース板に接し、前記第1の樹脂の透湿度及び前記第4の樹脂の透湿度よりも透湿度の低い第5の樹脂を含む第5の樹脂層と、
を更に備え、
前記第1の樹脂層と前記第5の樹脂層との間に、前記第4の樹脂層が設けられる、請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第4の樹脂層は、前記第1の樹脂層と前記第5の樹脂層に接する、請求項9記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体モジュールでは、例えば、ベース板の上に、絶縁基板を間に挟んでパワー半導体チップが実装される。パワー半導体チップは、例えば、MOSFET(Metal Oxide Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、又は、ダイオードである。
【0003】
例えば、パワー半導体モジュールのオン動作とオフ動作の繰り返しにより、パワー半導体チップの温度変化が繰り返される。温度変化が繰り返されることにより、例えば、半導体チップとボンディングワイヤの接合部(interface)が熱応力によって剥離し、接続不良となる場合がある。したがって、パワー半導体チップの温度変化が繰り返される場合であっても、半導体チップとボンディングワイヤの接合部の剥離を抑制し、パワー半導体モジュールの高い信頼性を実現することが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/145667号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、配線の接続不良を抑制可能な半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の半導体装置は、前記ベース板の上に設けられ、表面に第1の金属層と第2の金属層とを有する絶縁基板と、前記第1の金属層の上に設けられ、上部電極と、前記第1の金属層に接続された下部電極と、前記上部電極と前記下部電極との間に設けられた半導体層を含む半導体チップと、第1の端部と第2の端部を有し、前記第1の端部が前記上部電極に接続され、前記第2の端部が前記第2の金属層に接続されたボンディングワイヤと、前記絶縁基板、前記半導体チップ、及び前記ボンディングワイヤを覆い、第1の樹脂を含む第1の樹脂層と、前記第1の端部と前記上部電極との接合部の少なくとも一部を覆い、前記第1の樹脂のヤング率よりも高いヤング率を有する第2の樹脂を含む第2の樹脂層と、前記第1の樹脂層の上に前記第1の樹脂層に接して設けられ、前記第1の樹脂の透湿度よりも透湿度の低い第3の樹脂を含む第3の樹脂層と、前記絶縁基板、前記第1の樹脂層、及び前記第3の樹脂層を囲む枠体と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態の半導体装置の模式図。
図2】第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
図3】第1の実施形態の変形例の半導体装置の拡大模式断面図。
図4】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図5】第2の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
図6】第2の実施形態の変形例の半導体装置の模式断面図。
図7】第3の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図8】第3の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
図9】第3の実施形態の変形例の半導体装置の模式断面図。
図10】第3の実施形態の変形例の半導体装置の拡大模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書中、同一又は類似する部材については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0009】
本明細書中、部品等の位置関係を示すために、図面の上方向を「上」、図面の下方向を「下」と記述する場合がある。本明細書中、「上」、「下」の概念は、必ずしも重力の向きとの関係を示す用語ではない。
【0010】
実施形態の半導体装置を構成する樹脂の種類は、例えば、フーリエ変換赤外分光法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy法:FT-IR法)又は熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析法(Pyrolysis-Gas Chromatography/Mass Spectrometry法)により特定することが可能である。また、実施形態の半導体装置を構成する樹脂の「ヤング率」、「透湿度」、「伸び率」などの物性値は、樹脂の種類を特定することで、特定できる。
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置は、ベース板と、ベース板の上に設けられ、表面に第1の金属層と第2の金属層とを有する絶縁基板と、第1の金属層の上に設けられ、上部電極と、第1の金属層に接続された下部電極と、上部電極と下部電極との間に設けられた半導体層を含む半導体チップと、第1の端部と第2の端部を有し、第1の端部が上部電極に接続され、第2の端部が第2の金属層に接続されたボンディングワイヤと、絶縁基板、半導体チップ、及びボンディングワイヤを覆い、第1の樹脂を含む第1の樹脂層と、第1の端部と上部電極との接合部の少なくとも一部を覆い、第1の樹脂のヤング率よりも高いヤング率を有する第2の樹脂を含む第2の樹脂層と、第1の樹脂層の上に第1の樹脂層に接して設けられ、第1の樹脂の透湿度よりも透湿度の低い第3の樹脂を含む第3の樹脂層と、絶縁基板、第1の樹脂層、及び第3の樹脂層を囲む枠体と、を備える。
【0012】
図1(a)、図1(b)は、第1の実施形態の半導体装置の模式図である。図1(a)は断面図である。図1(b)は上面図である。図1(a)は、図1(b)のAA’断面である。
【0013】
第1の実施形態の半導体装置は、パワー半導体モジュール100である。図1(a)に示すように、第1の実施形態のパワー半導体モジュール100は、2個のMOSFETが直列に接続されている。第1の実施形態のパワー半導体モジュール100は、1モジュールでハーフブリッジ回路を構成できる、いわゆる「2in1」タイプのモジュールである。例えば、第1の実施形態のパワー半導体モジュール100を3個用いることにより3相インバータ回路を構成できる。
【0014】
パワー半導体モジュール100は、ベース板10、絶縁基板12、第1のMOSFET14、第2のMOSFET16、ボンディングワイヤ18、封止層20、ワイヤ固定層22、第1の防湿層24、樹脂ケース26、接着層28、第1の電力端子30、及び、第2の電力端子32を備える。絶縁基板12は、セラミック層12a、第1の表面金属層12b、第2の表面金属層12c、及び、裏面金属層12dを有する。第1のMOSFET14は、上部電極14a、下部電極14b、及び、半導体層14cを含む。ボンディングワイヤ18は、第1の端部18aと第2の端部18bを有する。
【0015】
第1の表面金属層12bは第1の金属層の一例である。第2の表面金属層12cは、第2の金属層の一例である。第1のMOSFET14は半導体チップの一例である。封止層20は、第1の樹脂層の一例である。ワイヤ固定層22は、第2の樹脂層の一例である。第1の防湿層24は、第3の樹脂層の一例である。樹脂ケース26は枠体の一例である。接着層28は、第4の樹脂層の一例である。
【0016】
なお、パワー半導体モジュール100は、図示しないAC端子及びゲート端子を備える。また、パワー半導体モジュール100は、図示しない樹脂蓋を、第1の防湿層24の上に備えても構わない。
【0017】
図2は、第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図である。図2は、ボンディングワイヤ18の第1の端部18aと上部電極14aとの接合部35(interface)を含む拡大図である。
【0018】
ベース板10は、パワー半導体モジュール100の下部に設けられる。
【0019】
ベース板10は、例えば、金属である。ベース板10は、例えば、銅である。例えば、パワー半導体モジュール100を製品に実装する際、ベース板10の裏面には、図示しない放熱板が接続される。
【0020】
絶縁基板12は、ベース板10の上に設けられる。絶縁基板12は、ベース板10と第1のMOSFET14との間、及び、ベース板10と第2のMOSFET16との間に設けられる。絶縁基板12は、ベース板10と、第1のMOSFET14及び第2のMOSFET16を電気的に分離する機能を有する。
【0021】
絶縁基板12は、セラミック層12a、第1の表面金属層12b、第2の表面金属層12c、及び、裏面金属層12dを有する。セラミック層12aは、第1の表面金属層12bと裏面金属層12dとの間、及び、第2の表面金属層12cと裏面金属層12dとの間に設けられる。
【0022】
セラミック層12aは、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、又は、窒化シリコンである。第1の表面金属層12b、第2の表面金属層12c、及び、裏面金属層12dは、例えば、銅である。
【0023】
第1のMOSFET14は、第1の表面金属層12bの上に設けられる。第1のMOSFET14は、半導体チップの一例である。
【0024】
第1のMOSFET14は、上部電極14a、下部電極14b、及び、半導体層14cを含む。半導体層14cは、上部電極14aと下部電極14bの間に設けられる。
【0025】
上部電極14aは、例えば、ソース電極として機能する。下部電極14bは、例えば、ドレイン電極として機能する。第1のMOSFET14は、例えば、図示しないゲート電極を備える。
【0026】
上部電極14a及び下部電極14bは、金属である。上部電極14a及び下部電極14bは、例えば、アルミニウムである。
【0027】
半導体層14cは、例えば、炭化珪素又はシリコンである。
【0028】
第1のMOSFET14の下部電極14bは、第1の表面金属層12bに接続される。第1のMOSFET14の下部電極14bは、第1の表面金属層12bに電気的に接続される。
【0029】
第2のMOSFET16は、第2の表面金属層12cの上に設けられる。第2のMOSFET16は、上部電極、下部電極、及び、半導体層を含む。
【0030】
第2のMOSFET16の下部電極は、第2の表面金属層12cに接続される。第2のMOSFET16の下部電極は、第2の表面金属層12cに電気的に接続される。
【0031】
ボンディングワイヤ18は、パワー半導体モジュール100内の導電体を電気的に接続する機能を有する。ボンディングワイヤ18の材質は、例えば、アルミニウム、銅、又は金である。
【0032】
ボンディングワイヤ18は、例えば、第1のMOSFET14の上部電極14aと第2の表面金属層12cとの間を電気的に接続する。ボンディングワイヤ18は、例えば、第1の端部18aと第2の端部18bを有する。第1の端部18aは、第1のMOSFET14の上部電極14aに接続される。第2の端部18bは、第2の表面金属層12cに接続される。
【0033】
第1の端部18aは、第1のMOSFET14の上部電極14aと接合部35で接続される。第1の端部18aは上部電極14aと接合部35で接する。
【0034】
ボンディングワイヤ18は、例えば、第1の電力端子30と第2のMOSFET16の上部電極との間を電気的に接続する。また、ボンディングワイヤ18は、例えば、第1の表面金属層12bと第2の電力端子32との間を電気的に接続する。
【0035】
封止層20は、絶縁基板12、第1のMOSFET14、第2のMOSFET16、及びボンディングワイヤ18を覆う。封止層20は、第1の樹脂層の一例である。封止層20は、樹脂ケース26に囲まれる。
【0036】
封止層20は、絶縁基板12、第1のMOSFET14、第2のMOSFET16、及びボンディングワイヤ18を保護する機能を有する。また、封止層20は、絶縁基板12、第1のMOSFET14、第2のMOSFET16、及びボンディングワイヤ18を電気的に絶縁する機能を有する。
【0037】
封止層20は、封止樹脂を含む。封止樹脂は、第1の樹脂の一例である。封止層20は、例えば、封止樹脂で形成される。封止樹脂は、例えば、シリコーンゲルである。
【0038】
ワイヤ固定層22は、図2に示すように、ボンディングワイヤ18の第1の端部18aと第1のMOSFET14の上部電極14aとの接合部35の少なくとも一部を覆う。ワイヤ固定層22は、第2の樹脂層の一例である。図2の場合、ワイヤ固定層22は、第1の端部18aの全体を覆っている。
【0039】
ワイヤ固定層22は、封止層20に覆われる。ワイヤ固定層22は、上部電極14a、ボンディングワイヤ18、及び封止層20に接する。
【0040】
ワイヤ固定層22は、例えば、接合部35の外縁部の全周を覆う。ワイヤ固定層22は、例えば、接合部35の外縁部の一部だけを覆っていても構わない。
【0041】
ワイヤ固定層22は、熱応力による接合部35の剥離を抑制する機能を有する。
【0042】
ワイヤ固定層22は、高ヤング率樹脂を含む。高ヤング率樹脂は、第2の樹脂の一例である。ワイヤ固定層22は、例えば、高ヤング率樹脂で形成される。高ヤング率樹脂は、封止層20に含まれる封止樹脂のヤング率よりも高いヤング率を有する。高ヤング率樹脂のヤング率は、例えば、1000MPa以上100GPa以下である。
【0043】
高ヤング率樹脂のガラス転移温度は、例えば、250℃以上400℃以下である。高ヤング率樹脂の線膨張係数は、例えば、10×10―6/℃以上50×10―6/℃以下である。
【0044】
高ヤング率樹脂は、例えば、ポリアミドイミド、ポリイミド、又は、ポリイミドシリコーンである。
【0045】
高ヤング率樹脂は、例えば、ジェットディスペンサ法、エアディスペンサ法、又はスプレーコート法を用いて形成することが可能である。
【0046】
第1の防湿層24は、封止層20の上に設けられる。第1の防湿層24は、封止層20に接して設けられる。第1の防湿層24は、第3の樹脂層の一例である。
【0047】
図1(b)に示すように、第1の防湿層24は、樹脂ケース26に囲まれる。第1の防湿層24の外周部は、例えば、樹脂ケース26に接する。
【0048】
第1の防湿層24は、パワー半導体モジュール100の外部からの水分の侵入を抑制する機能を有する。
【0049】
第1の防湿層24は、第1の低透湿性樹脂を含む。第1の低透湿性樹脂は、第3の樹脂の一例である。第1の防湿層24は、例えば、第1の低透湿性樹脂で形成される。第1の低透湿性樹脂は、封止層20に含まれる封止樹脂の透湿度よりも低い透湿度を有する。
【0050】
第1の低透湿性樹脂は、例えば、封止層20が含む封止樹脂の伸び率以上の伸び率を有する。伸び率とは、材料が破断する直前における最大の変形量であり、変形前の材料の長さに対する比率であらわされる。
【0051】
第1の低透湿性樹脂は、例えば、合成ゴム、ポリオフィレン樹脂、パラキシレン、又は、ポリビニルアルコール(PVA)である。
【0052】
樹脂ケース26は、絶縁基板12、封止層20、及び、第1の防湿層24を囲む。樹脂ケース26は、枠体の一例である。樹脂ケース26は、ベース板10の上に設けられる。
【0053】
樹脂ケース26は、第1のMOSFET14、第2のMOSFET16、及び絶縁基板12を保護する機能を有する。
【0054】
接着層28は、ベース板10と樹脂ケース26との間に設けられる。接着層28は、第4の樹脂層の一例である。接着層28は、ベース板10と樹脂ケース26を接着し、固定する機能を有する。
【0055】
接着層28は、例えば、ベース板10の上に、絶縁基板12を囲むように設けられる。
【0056】
接着層28は、接着樹脂を含む。接着樹脂は第4の樹脂の一例である。接着層28は、例えば、接着樹脂で形成される。接着樹脂は、例えば、シリコーン樹脂である。
【0057】
第1の電力端子30、及び、第2の電力端子32は、樹脂ケース26の上部に設けられる。第1の電力端子30には、例えば、負電圧が印加される。第2の電力端子32には、例えば、正電圧が印加される。
【0058】
次に、第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果について説明する。
【0059】
例えば、パワー半導体モジュールのオン動作とオフ動作の繰り返しにより、パワー半導体チップの温度変化が繰り返される。温度変化が繰り返されることにより、例えば、半導体チップとボンディングワイヤの接合部(interface)が熱応力によって剥離し、オープン不良(接続不良)となる場合がある。したがって、パワー半導体チップの温度変化が繰り返される場合であっても、半導体チップとボンディングワイヤの接合部の剥離を抑制し、パワー半導体モジュールの高い信頼性を実現することが要求される。いいかえれば、パワー半導体チップの温度変化が繰り返される場合であっても、配線の接続不良を抑制し、パワー半導体モジュールの高い信頼性を実現することが要求される。
【0060】
第1の実施形態のパワー半導体モジュール100は、ボンディングワイヤ18の第1の端部18aと第1のMOSFET14の上部電極14aとの接合部35の少なくとも一部を覆うワイヤ固定層22を備える。ワイヤ固定層22に含まれる高ヤング率樹脂は、封止層20に含まれる封止樹脂のヤング率よりも高いヤング率を有する。
【0061】
ヤング率の高いワイヤ固定層22を備えることで、接合部35に熱応力が加わった場合でも、第1の端部18aと上部電極14aの相対的な動きが抑制される。したがって、第1の端部18aと上部電極14aの接合部35の剥離が抑制される。よって、接合部35におけるオープン不良が抑制され、高い信頼性を備えたパワー半導体モジュール100が実現できる。
【0062】
ワイヤ固定層22に含まれる高ヤング率樹脂のヤング率は、1000MPa以上であることが好ましい。ヤング率が1000MPa以上であることで、接合部35の剥離が更に抑制される。
【0063】
ワイヤ固定層22に含まれる高ヤング率樹脂のガラス転移温度は、例えば、250℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が250℃以上であることで、高温下での接合部35の剥離が更に抑制される。
【0064】
ワイヤ固定層22に含まれる高ヤング率樹脂の線膨張係数は、10×10―6/℃以上50×10―6/℃以下であることが好ましい。線膨張係数が10×10―6/℃以上50×10―6/℃以下であることで、例えば、ボンディングワイヤ18の材質がアルミニウムの場合に、高ヤング率樹脂の線膨張係数がアルミニウムの線膨張係数と同等になる。したがって、熱応力が抑制され接合部35の剥離が更に抑制される。
【0065】
上述のように、第1の実施形態のパワー半導体モジュール100は、ワイヤ固定層22を備えることで、接合部35の剥離を抑制することができる。一方、ワイヤ固定層22と封止層20との界面に水分が侵入しやすくなるという懸念がある。
【0066】
ワイヤ固定層22と封止層20との界面に水分が侵入すると、例えば、第1のMOSFET14の上部電極14aと下部電極14bのショート不良が生じるおそれがある。ショート不良が生じると、パワー半導体モジュール100の信頼性が低下する。
【0067】
第1の実施形態のパワー半導体モジュール100は、封止層20の上に第1の防湿層24を備える。第1の防湿層24に含まれる第1の低透湿性樹脂は、封止層20に含まれる封止樹脂の透湿度よりも低い透湿度を有する。
【0068】
封止層20の上に、透湿度の低い第1の防湿層24を備えることで、ワイヤ固定層22と封止層20との界面への水分の侵入を抑制できる。したがって、例えば、第1のMOSFET14のショート不良が生じることが抑制される。
【0069】
第1の防湿層24が含む第1の低透湿性樹脂は、封止層20が含む封止樹脂の伸び率以上の伸び率を有することが好ましい。第1の防湿層24が高い伸び率を有することで、封止層20の変形に第1の防湿層24が追従できる。したがって、例えば、第1の防湿層24に封止層20の変形に伴ってクラックが入ることが抑制される。
【0070】
(変形例)
第1の実施形態の変形例の半導体装置は、第2の樹脂層は、ボンディングワイヤの第1の端部と、半導体チップの上部電極との間の空間のみを埋める点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。
【0071】
図3は、第1の実施形態の変形例の半導体装置の拡大模式断面図である。図3は、第1の実施形態の図2に対応する図である。
【0072】
第1の実施形態の変形例の半導体モジュールのワイヤ固定層22は、図3に示すように、ボンディングワイヤ18の第1の端部18aと第1のMOSFET14の上部電極14aとの間の空間を埋めるように設けられる。ワイヤ固定層22は、第1の端部18aの上部には設けられない。
【0073】
第1の実施形態の変形例の半導体モジュールにおいても、ワイヤ固定層22が接合部35の少なくとも一部を覆うことで、第1の実施形態のパワー半導体モジュール100と同様の作用及び効果が実現される。
【0074】
以上、第1の実施形態及び変形例によれば、配線の接続不良を抑制可能で、高い信頼性を備えた半導体装置が実現できる。
【0075】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置は、第1の樹脂層と第4の樹脂層との間に設けられ、第1の樹脂の透湿度及び第4の樹脂の透湿度よりも透湿度の低い第5の樹脂を含む第5の樹脂層と、を更に備える点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部、記述を省略する場合がある。
【0076】
図4は、第2の実施形態の半導体装置の模式断面図である。図4は、第1の実施形態の図1(a)に対応する図である。
【0077】
第2の実施形態の半導体装置は、パワー半導体モジュール200である。
【0078】
パワー半導体モジュール200は、ベース板10、絶縁基板12、第1のMOSFET14、第2のMOSFET16、ボンディングワイヤ18、封止層20、ワイヤ固定層22、第1の防湿層24、樹脂ケース26、接着層28、第1の電力端子30、第2の電力端子32、及び、第2の防湿層34を備える。絶縁基板12は、セラミック層12a、第1の表面金属層12b、第2の表面金属層12c、及び、裏面金属層12dを有する。第1のMOSFET14は、上部電極14a、下部電極14b、及び、半導体層14cを含む。ボンディングワイヤ18は、第1の端部18aと第2の端部18bを有する。
【0079】
第1の表面金属層12bは第1の金属層の一例である。第2の表面金属層12cは、第2の金属層の一例である。第1のMOSFET14は半導体チップの一例である。封止層20は、第1の樹脂層の一例である。ワイヤ固定層22は、第2の樹脂層の一例である。第1の防湿層24は、第3の樹脂層の一例である。樹脂ケース26は枠体の一例である。接着層28は、第4の樹脂層の一例である。第2の防湿層34は、第5の樹脂層の一例である。
【0080】
図5は、第2の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図である。図5は、図4において点線で囲まれた部分の拡大図である。図5は、第2の防湿層34を含む拡大図である。
【0081】
第2の防湿層34は、封止層20と接着層28との間に設けられる。第2の防湿層34は、第5の樹脂層の一例である。
【0082】
第2の防湿層34は、封止層20及び接着層28に接する。第2の防湿層34は、例えば、ベース板10及び樹脂ケース26に接する。
【0083】
第2の防湿層34は、例えば、ベース板10と樹脂ケース26の角部に沿って設けられる。第2の防湿層34は、例えば、環状である。
【0084】
第2の防湿層34は、パワー半導体モジュール200の外部からの水分の侵入を抑制する機能を有する。第2の防湿層34は、ベース板10と樹脂ケース26の間の接着層28を通る水分の侵入を抑制する機能を有する。
【0085】
第2の防湿層34は、第2の低透湿性樹脂を含む。第2の低透湿性樹脂は、第5の樹脂の一例である。第2の防湿層34は、例えば、第2の低透湿性樹脂で形成される。第2の低透湿性樹脂は、封止層20に含まれる封止樹脂の透湿度、及び、接着層28に含まれる接着樹脂の透湿度よりも低い透湿度を有する。
【0086】
第2の低透湿性樹脂は、例えば、合成ゴム、ポリオフィレン樹脂、パラキシレン、又は、ポリビニルアルコール(PVA)である。
【0087】
第2の低透湿性樹脂は、第1の低透湿性樹脂と同一の材料であっても、異なる材料であっても構わない。
【0088】
第2の実施形態のパワー半導体モジュール200によれば、ワイヤ固定層22と封止層20との界面への水分の侵入を更に抑制できる。したがって、例えば、第1のMOSFET14のショート不良が生じることが更に抑制される。
【0089】
(変形例)
第2の実施形態の変形例の半導体装置は、第5の樹脂層は、枠体と第1の樹脂層との間に設けられ、第5の樹脂層は、絶縁基板の少なくとも一部を覆う点で、第2の実施形態の半導体装置と異なる。
【0090】
第2の実施形態の変形例の半導体装置は、パワー半導体モジュール201である。
【0091】
図6は、第2の実施形態の変形例の半導体装置の模式断面図である。図6は、第2の実施形態の図4に対応する図である。
【0092】
パワー半導体モジュール201の第2の防湿層34は、封止層20と接着層28との間に設けられる。第2の防湿層34は、封止層20及び接着層28に接する。
【0093】
第2の防湿層34は、封止層20と樹脂ケース26との間に設けられる。第2の防湿層34は、樹脂ケース26の内壁面に沿って設けられる。第2の防湿層34は、樹脂ケース26の内壁面に接する。
【0094】
第2の防湿層34は、封止層20とベース板10との間に設けられる。第2の防湿層34は、ベース板10及び樹脂ケース26に接する。
【0095】
第2の防湿層34は、絶縁基板12を覆う。また、第2の防湿層34は、第1のMOSFET14及び第2のMOSFET16を覆う。また、第2の防湿層34は、ワイヤ固定層22を覆う。第2の防湿層34は、例えば、第1の防湿層24と接する。
【0096】
第2の実施形態の変形例のパワー半導体モジュール201によれば、ワイヤ固定層22と封止層20との界面への水分の侵入を更に抑制できる。したがって、例えば、第1のMOSFET14のショート不良が生じることが更に抑制される。
【0097】
以上、第2の実施形態及び変形例によれば、配線の接続不良を抑制可能で、高い信頼性を備えた半導体装置が実現できる。
【0098】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体装置は、枠体及びベース板に接し、第1の樹脂の透湿度及び第4の樹脂の透湿度よりも透湿度の低い第5の樹脂を含む第5の樹脂層と、を更に備え、第1の樹脂層と第5の樹脂層との間に、第4の樹脂層が設けられる点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部、記述を省略する場合がある。
【0099】
図7は、第3の実施形態の半導体装置の模式断面図である。図7は、第1の実施形態の図1(a)に対応する図である。
【0100】
第3の実施形態の半導体装置は、パワー半導体モジュール300である。
【0101】
パワー半導体モジュール300は、ベース板10、絶縁基板12、第1のMOSFET14、第2のMOSFET16、ボンディングワイヤ18、封止層20、ワイヤ固定層22、第1の防湿層24、樹脂ケース26、接着層28、第1の電力端子30、第2の電力端子32、及び、第2の防湿層34を備える。絶縁基板12は、セラミック層12a、第1の表面金属層12b、第2の表面金属層12c、及び、裏面金属層12dを有する。第1のMOSFET14は、上部電極14a、下部電極14b、及び、半導体層14cを含む。ボンディングワイヤ18は、第1の端部18aと第2の端部18bを有する。
【0102】
第1の表面金属層12bは第1の金属層の一例である。第2の表面金属層12cは、第2の金属層の一例である。第1のMOSFET14は半導体チップの一例である。封止層20は、第1の樹脂層の一例である。ワイヤ固定層22は、第2の樹脂層の一例である。第1の防湿層24は、第3の樹脂層の一例である。樹脂ケース26は枠体の一例である。接着層28は、第4の樹脂層の一例である。第2の防湿層34は、第5の樹脂層の一例である。
【0103】
図8は、第3の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図である。図8は、図7において点線で囲まれた部分の拡大図である。図8は、第2の防湿層34を含む拡大図である。
【0104】
第2の防湿層34は、樹脂ケース26及びベース板10に接する。第2の防湿層34は、樹脂ケース26の外壁面に接する。第2の防湿層34は、樹脂ケース26の外壁面を環状に囲む。
【0105】
封止層20と第2の防湿層34との間に、接着層28が設けられる。接着層28は、封止層20及び第2の防湿層34に接する。第2の防湿層34は、接着層28を環状に囲む。
【0106】
第2の防湿層34は、パワー半導体モジュール200の外部からの水分の侵入を抑制する機能を有する。第2の防湿層34は、ベース板10と樹脂ケース26の間の接着層28を通る水分の侵入を抑制する機能を有する。
【0107】
第2の防湿層34は、第2の低透湿性樹脂を含む。第2の低透湿性樹脂は、第5の樹脂の一例である。第2の防湿層34は、例えば、第2の低透湿性樹脂で形成される。第2の低透湿性樹脂は、封止層20に含まれる封止樹脂の透湿度、及び、接着層28に含まれる接着樹脂の透湿度よりも低い透湿度を有する。
【0108】
第2の低透湿性樹脂は、例えば、合成ゴム、ポリオフィレン樹脂、パラキシレン、又は、ポリビニルアルコール(PVA)である。
【0109】
第2の低透湿性樹脂は、第1の低透湿性樹脂と同一の材料であっても、異なる材料であっても構わない。
【0110】
第3の実施形態のパワー半導体モジュール300によれば、ワイヤ固定層22と封止層20との界面への水分の侵入を更に抑制できる。したがって、例えば、第1のMOSFET14のショート不良が生じることが更に抑制される。
【0111】
(変形例)
第3の実施形態の変形例の半導体装置は、第5の樹脂層は、枠体とベース板との間に設けられる点で、第3の実施形態の半導体装置と異なる。
【0112】
第3の実施形態の変形例の半導体装置は、パワー半導体モジュール301である。
【0113】
図9は、第3の実施形態の変形例の半導体装置の模式断面図である。図9は、第3の実施形態の図7に対応する図である。
【0114】
図10は、第3の実施形態の変形例の半導体装置の拡大模式断面図である。図10は、図9において点線で囲まれた部分の拡大図である。図10は、第2の防湿層34を含む拡大図である。
【0115】
パワー半導体モジュール301の第2の防湿層34は、樹脂ケース26とベース板10との間に設けられる。第2の防湿層34は、樹脂ケース26及びベース板10に接する。
【0116】
封止層20と第2の防湿層34との間に、接着層28が設けられる。接着層28は、封止層20及び第2の防湿層34に接する。第2の防湿層34は、接着層28を環状に囲む。
【0117】
第2の防湿層34は、ベース板10を環状に囲む。樹脂ケース26は、第2の防湿層34を環状に囲む。
【0118】
第3の実施形態の変形例のパワー半導体モジュール301によれば、第3の実施形態のパワー半導体モジュール300と同様、ワイヤ固定層22と封止層20との界面への水分の侵入を更に抑制できる。したがって、例えば、第1のMOSFET14のショート不良が生じることが更に抑制される。
【0119】
第3の実施形態の変形例のパワー半導体モジュール301によれば、第2の防湿層34は樹脂ケース26の外周には設けられない。したがって、例えば、第2の防湿層34を設けることに伴う外観不良の発生が抑制される。
【0120】
以上、第3の実施形態及び変形例によれば、接続不良を抑制可能で、高い信頼性を備えた半導体装置が実現できる。
【0121】
第1ないし第3の実施形態では、半導体チップとしてMOSFETを用いる場合を例に説明したが、半導体チップはこれらに限定されるものではない。例えば、IGBT、SBD(Schottky Barrier Diode)、PINダイオードなど、その他のトランジスタやダイオードを適用することも可能である。また、トランジスタとダイオードの組み合わせを適用することも可能である。
【0122】
第1ないし第3の実施形態では、半導体チップの数が2個の場合を例に説明したが、半導体チップは、1個であっても、3個以上であっても構わない。
【0123】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0124】
10 ベース板
12 絶縁基板
12b 第1の表面金属層(第1の金属層)
12c 第2の表面金属層(第2の金属層)
14 第1のMOSFET(半導体チップ)
14a 上部電極
14b 下部電極
14c 半導体層
18 ボンディングワイヤ
18a 第1の端部
18b 第2の端部
20 封止層(第1の樹脂層)
22 ワイヤ固定層(第2の樹脂層)
24 第1の防湿層(第3の樹脂層)
26 樹脂ケース(枠体)
28 接着層(第4の樹脂層)
34 第2の防湿層(第5の樹脂層)
35 接合部
100 パワー半導体モジュール(半導体装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10