(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132743
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】移動体制御システムおよび移動体
(51)【国際特許分類】
G05D 1/00 20240101AFI20240920BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20240920BHJP
H04W 4/70 20180101ALI20240920BHJP
H04W 76/18 20180101ALI20240920BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240920BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G05D1/00 Z
H04W4/38
H04W4/70
H04W76/18
H04W92/18
G08G5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043657
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】523101073
【氏名又は名称】株式会社藤千商会
(74)【代理人】
【識別番号】100129001
【弁理士】
【氏名又は名称】林 崇朗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 千統
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
5K067
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB08
5H181CC04
5H301AA06
5H301AA10
5H301BB10
5H301CC04
5H301CC07
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG09
5H301KK07
5H301KK18
5H301KK19
5K067AA21
5K067BB27
5K067BB28
5K067DD20
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE16
5K067EE25
(57)【要約】
【課題】複数の移動体の各々と管理装置との間で通信可能なオンライン状態を維持する必要なく、任務の進行状況に応じて各移動体の行動を調整する。
【解決手段】移動体制御システムにおける複数の移動体の各々は、複数の移動体が協働して遂行すべき任務の指示を管理装置から受け付け、自機の観測データと他機の観測データとを複数の移動体の間で共有し、共有される観測データに基づいて、任務を遂行するために複数の移動体の各々が取るべき行動を、複数の移動体で共通のアルゴリズムによって共通のタイミングで繰り返し判断し、共通のアルゴリズムによって判断される自機が取るべき行動に基づいて、自機の駆動デバイスおよびセンサモジュールの少なくとも一方を制御する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が自律的に移動可能に構成された複数の移動体を備える移動体制御システムであって、
前記複数の移動体の各々は、
前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと、
当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと、
当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するメモリと
を備え、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、
当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて共有し、
前記複数の移動体の間で共有される当該移動体および前記他の移動体の前記観測データに基づいて、前記複数の移動体が協働して遂行すべき任務を遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって繰り返し判断し、
前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御する、移動体制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備え、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記管理装置が前記複数の移動体の各々と通信できないオフライン状態を許容し、前記オフライン状態となった後、前記複数の移動体の少なくとも1つの移動体が前記管理装置との通信再開を試行する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体が、該移動体とは異なる別の移動体と通信できないオフライン状態を許容し、前記オフライン状態となった移動体が前記別の移動体との通信再開を試行する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体によって、該移動体とは異なる別の移動体同士の間で通信可能となるようにデータを中継する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項5】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備え、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体によって、該移動体とは異なる別の移動体と前記管理装置との間で通信可能となるようにデータを中継する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項6】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち通信途絶した移動体によって通信途絶前に共有された前記観測データに基づいて、前記通信途絶した移動体を、該移動体とは異なる別の移動体によって捜索する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項7】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記複数の移動体の各々は、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、
前記複数の移動体で共通のタイミングで、前記複数の移動体の間で共有される当該移動体および前記他の移動体の前記観測データに基づいて、前記複数の移動体の各々が取るべき行動を前記共通のアルゴリズムによって繰り返し判断し、
前記複数の移動体における前記無線通信の品質に応じて、前記共通のアルゴリズムによって判断する次回の前記共通のタイミングを調整する、移動体制御システム。
【請求項8】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記複数の移動体の各々は、ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、前記複数の移動体の各々によって生成される前記観測データをブロックチェーンによって共有する、移動体制御システム。
【請求項9】
請求項8に記載の移動体制御システムであって、
更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備え、
前記管理装置は、前記複数の移動体の各々と共に前記ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、前記複数の移動体の各々によって生成される前記観測データをブロックチェーンによって共有する、移動体制御システム。
【請求項10】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の移動体制御システムであって、
前記複数の移動体は、複数の無人飛行機であり、
前記任務は、捜索、災害調査、生態調査、空撮、配送、農薬散布、鳥獣駆除、測量、監視および偵察の少なくとも一つを含む、移動体制御システム。
【請求項11】
各々が自律的に移動可能に構成された複数の移動体の一つである移動体であって、
前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと、
当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと、
当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するメモリと
を備え、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、
当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて共有し、
前記複数の移動体の間で共有される当該移動体および前記他の移動体の前記観測データに基づいて、前記複数の移動体が協働して遂行すべき任務を遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって繰り返し判断し、
前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御する、移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、移動体制御システムおよび移動体に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の移動体を制御する移動体制御システムにおいて、各々が自律的に移動可能に構成された複数の移動体(無人飛行機)が協働することによって、農薬散布、空撮、高所点検および輸送などの任務を遂行する技術について記載されている。特許文献1の移動体制御システムでは、複数の移動体を管理する管理装置が、各移動体の状態を示す状態情報を各移動体から受け取るとともに、それぞれの状態情報に基づいて各移動体に対して行動を指示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、複数の移動体の各々と管理装置との間で通信可能な状態(オンライン状態)を維持しなければ、任務の進行状況に応じて各移動体の行動を調整できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する技術は、以下の形態として実現できる。
【0006】
(1)本明細書に開示する一形態は、各々が自律的に移動可能に構成された複数の移動体を備える移動体制御システムである。この移動体制御システムにおいて、前記複数の移動体の各々は、前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと;当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと;当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと;プロセッサと;プログラム命令を記憶するメモリとを備える。前記複数の移動体の各々は、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて共有し;前記複数の移動体の間で共有される当該移動体および前記他の移動体の前記観測データに基づいて、前記複数の移動体が協働して遂行すべき任務を遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって繰り返し判断し;前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御する。この形態の移動体制御システムによれば、複数の移動体の各々と管理装置との間で通信可能なオンライン状態を維持する必要なく、任務の進行状況に応じて各移動体の行動を調整できる。
【0007】
(2)上述した形態の移動体制御システムは、更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備えてもよい。この移動体制御システムにおいて、前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記管理装置が前記複数の移動体の各々と通信できないオフライン状態を許容し、前記オフライン状態となった後、前記複数の移動体の少なくとも1つの移動体が前記管理装置との通信再開を試行する行動を含んでもよい。この形態の移動体制御システムによれば、管理装置が複数の移動体の各々と通信できないオフライン状態になった場合であっても、少なくとも1つの移動体が管理装置との通信を再開することによって、その移動体がオフライン状態の間に別の移動体と共有した観測データを管理装置において利用できる。
【0008】
(3)上述した形態の移動体制御システムにおいて、前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体が、該移動体とは異なる別の移動体と通信できないオフライン状態を許容し、前記オフライン状態となった移動体が前記別の移動体との通信再開を試行する行動を含んでもよい。この形態の移動体制御システムによれば、オフライン状態であった移動体が別の移動体との通信を再開することによって、オフライン状態の移動体においてオフライン状態の間に生成された観測データを、別の移動体との間で共有できる。
【0009】
(4)上述した形態の移動体制御システムにおいて、前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体によって、該移動体とは異なる別の移動体同士の間で通信可能となるようにデータを中継する行動を含んでもよい。この形態の移動体制御システムによれば、移動体同士のオンライン状態を維持した複数の移動体による活動範囲を局所的に拡張できる。
【0010】
(5)上述した形態の移動体制御システムは、更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備えてもよい。この移動体制御システムにおいて、前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体によって、該移動体とは異なる別の移動体と前記管理装置との間で通信可能となるようにデータを中継する行動を含んでもよい。この形態の移動体制御システムによれば、少なくとも1つの移動体を介して別の移動体と管理装置との間の通信を維持した複数の移動体による活動範囲を拡張できる。
【0011】
(6)上述した形態の移動体制御システムにおいて、前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち通信途絶した移動体によって通信途絶前に共有された前記観測データに基づいて、前記通信途絶した移動体を、該移動体とは異なる別の移動体によって捜索する行動を含んでもよい。この形態の移動体制御システムによれば、別の移動体による捜索行動で得られる観測データを、通信途絶した移動体の回収に利用できる。
【0012】
(7)上述した形態の移動体制御システムにおいて、前記複数の移動体の各々は、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、前記複数の移動体で共通のタイミングで、前記複数の移動体の間で共有される当該移動体および前記他の移動体の前記観測データに基づいて、前記複数の移動体の各々が取るべき行動を前記共通のアルゴリズムによって繰り返し判断し;前記複数の移動体における前記無線通信の品質に応じて、前記共通のアルゴリズムによって判断する次回の前記共通のタイミングを調整してもよい。この形態の移動体制御システムによれば、任務遂行の効率化と通信異常の抑制との両立を図ることができる。
【0013】
(8)上述した形態の移動体制御システムにおいて、前記複数の移動体の各々は、ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、前記複数の移動体の各々によって生成される前記観測データをブロックチェーンによって共有してもよい。この形態の移動体制御システムによれば、複数の移動体において観測データの改ざんおよび消失をブロックチェーンによって防止できる。
【0014】
(9)上述した形態の移動体制御システムは、更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備えてもよい。この移動体制御システムにおいて、前記管理装置は、前記複数の移動体の各々と共に前記ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、前記複数の移動体の各々によって生成される前記観測データをブロックチェーンによって共有してもよい。この形態の移動体制御システムによれば、複数の移動体に加え管理装置において観測データの改ざんおよび消失をブロックチェーンによって防止できる。
【0015】
(10)上述した形態の移動体制御システムにおいて、前記複数の移動体は、複数の無人飛行機であってもよい。前記任務は、捜索、災害調査、生態調査、空撮、配送、農薬散布、鳥獣駆除、測量、監視および偵察の少なくとも一つを含んでもよい。この形態の移動体システムによれば、複数の無人飛行体を用いた各種の任務を遂行する際に、複数の無人飛行体の各々と管理装置との間で通信可能なオンライン状態を維持する必要なく、任務の進行状況に応じて各無人飛行体の行動を調整できる。
【0016】
本明細書に開示する技術は、移動体制御システムとは異なる種々の形態で実現できる。本明細書に開示する技術は、例えば、移動体、管理装置、これらのコンピュータプログラム、ならびに、複数の移動体を管理する方法などの形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】移動体制御システムの構成を示す説明図である。
【
図4】管理装置が実行する任務受付処理を示すフローチャートである。
【
図5】複数の移動体の各々が実行するデータ共有処理を示すフローチャートである。
【
図6】複数の移動体の各々が実行する任務遂行処理を示すフローチャートである。
【
図7】複数の移動体による行動の一例を示す説明図である。
【
図8】複数の移動体による行動の一例を示す説明図である。
【
図9】複数の移動体による行動の一例を示す説明図である。
【
図10】複数の移動体による行動の一例を示す説明図である。
【
図11】複数の移動体による行動の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、移動体制御システム10の構成を示す説明図である。移動体制御システム10は、複数の移動体100を制御することによって、複数の移動体100に任務MSを協働して遂行させるためのシステムである。本実施形態では、複数の移動体100によって遂行可能な任務MSは、人または物の捜索である。
【0019】
移動体制御システム10は、複数の移動体100と、管理装置200とを備える。複数の移動体100は、各々が自律的に移動可能に構成された無人飛行機(ドローン)である。管理装置200は、複数の移動体100を管理するコンピュータである。本実施形態の説明では、複数の移動体を包括的に示す場合には符号「100」を使用し、複数の移動体のうち特定の移動体を個別に示す場合には符号「100」に枝番を付けた符号を使用する。
図1の例では、移動体100の個数はn台であり、移動体100-1,100-2,100-3,・・・,100-nが図示されている。
【0020】
移動体制御システム10では、複数の移動体100の各々は、他の移動体100および管理装置200とP2P(ピア・ツー・ピア)で通信可能に構成されている。移動体制御システム10では、複数の移動体100の各々は、基本的に、他の移動体100および管理装置200とP2Pで通信可能な通信エリアCAの範囲内において運用される。任務MSの進行状況に応じて、複数の移動体100は、管理装置200との間で通信可能なオンライン状態を維持する必要なく、各移動体100の行動を調整可能に構成されている。言い換えると、複数の移動体100は、管理装置200とオフライン状態であっても任務MSを遂行可能に構成されている。
【0021】
図2は、移動体100の詳細構成を示す説明図である。移動体100は、プロセッサ110と、メモリ120と、無線モジュール130と、カメラモジュール140と、フライトコントローラ150と、バッテリ160と、配電基板170と、複数の駆動モータ180と、複数のプロペラ185とを備える。
【0022】
移動体100のプロセッサ110は、メモリ120に記憶されている飛行制御プログラム122およびデータ共有プログラム124に含まれる複数のプログラム命令を実行することによって、移動体100の各部を制御する。プロセッサ110の個数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0023】
移動体100のメモリ120は、プロセッサ110が取り扱うデータを記憶する。メモリ120の個数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。メモリ120は、プロセッサ110に行わせるプログラム命令を記述した飛行制御プログラム122およびデータ共有プログラム124を記憶している。飛行制御プログラム122は、カメラモジュール140およびフライトコントローラ150を用いて、移動体100の飛行によって任務MSの遂行を実現するためのコンピュータプログラムである。データ共有プログラム124は、無線モジュール130を用いて他の移動体100および管理装置200との間でデータ共有を実現するためのコンピュータプログラムである。
【0024】
メモリ120は、観測データ126と、共有データ128とを記憶可能に構成されている。観測データ126は、移動体100において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づいて生成されるデータである。観測データ126は、カメラモジュール140によって移動体100から周囲を撮影した撮影データと、フライトコントローラ150によって測定される移動体100の位置および姿勢を示す飛行データとを含む。
【0025】
共有データ128は、複数の移動体100の間で共有される自機および他機の観測データ126を格納したデータである。本実施形態では、複数の移動体100の各々は、ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、共有データ128は、複数の移動体100の各々によって生成される観測データ126を格納したブロックチェーンである。本実施形態では、管理装置200も、複数の移動体100の各々と共にブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、複数の移動体100の各々によって生成される観測データ126をブロックチェーンによって共有する。本実施形態では、共有データ128には、複数の移動体100の各々によって生成される観測データ126に加え、任務MSの内容を示すデータも格納される。
【0026】
移動体100の無線モジュール130は、無線通信によって他の移動体100および管理装置200とP2P(ピア・ツー・ピア)で通信可能に構成された電子部品である。無線モジュール130には、無線チップ、周辺回路、コントローラおよびソフトウェアが一体に構成されている。無線モジュール130による無線通信は、無線LAN規格に準拠した無線通信であってもよいし、携帯電話ネットワークに準拠した無線通信であってもよい。
【0027】
移動体100のカメラモジュール140は、移動体100から観測される周囲の光景を撮影可能に構成されたセンサモジュールである。カメラモジュール140には、撮像素子、周辺回路、コントローラおよびソフトウェアが一体に構成されている。本実施形態では、カメラモジュール140は、可視光カメラおよび赤外線カメラとして機能する。
【0028】
移動体100のフライトコントローラ150は、移動体100の自律飛行を実現するために、プロセッサ110からの制御信号に基づいて複数の駆動モータ180の出力を制御可能に構成された電子部品である。フライトコントローラ150には、各種のセンサ、周辺回路、コントローラおよびソフトウェアが一体に構成されている。フライトコントローラ150は、移動体100の飛行状態(姿勢および位置など)を測定するための各種のセンサとして、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、気圧センサおよびGNNS(Global Navigation Satellite System)センサを備える。フライトコントローラ150は、配電基板170を介してバッテリ160のバッテリ残量を測定可能に構成されている。フライトコントローラ150は、移動体100において観測可能な観測データとして、移動体100の飛行状態を測定したデータ、ならびにバッテリ160のバッテリ残量を測定したデータを生成するセンサモジュールとして機能する。
【0029】
移動体100のバッテリ160は、複数の駆動モータ180の電源となる蓄電池である。本実施形態では、バッテリ160は、リチウムイオン二次電池である。移動体100の配電基板170は、フライトコントローラ150からの制御信号に基づいてバッテリ160の電力を複数の駆動モータ180の各々に分配する。
【0030】
移動体100における複数の駆動モータ180は、バッテリ160からの電力に基づいてプロペラ185を回転させる回転力を出力する駆動デバイスである。移動体100における複数のプロペラ185は、駆動モータ180の回転力を推進力に変換することによって、移動体100の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構である。本実施形態では、1台の移動体100には、4つの駆動モータ180および4つのプロペラ185が設けられており、1つの駆動モータ180が1つのプロペラを駆動する。
【0031】
図3は、管理装置200の詳細構成を示す説明図である。管理装置200は、プロセッサ210と、メモリ220と、通信モジュール230と、出力デバイス240と、入力デバイス250とを備える。
【0032】
管理装置200のプロセッサ210は、メモリ220に記憶されている飛行管理プログラム222およびデータ共有プログラム224に含まれる複数のプログラム命令を実行することによって、管理装置200の各部を制御する。プロセッサ210の個数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0033】
管理装置200のメモリ220は、プロセッサ210が取り扱うデータを記憶する。メモリ220の個数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。メモリ220は、プロセッサ210に行わせるプログラム命令を記述した飛行管理プログラム222およびデータ共有プログラム224を記憶している。飛行管理プログラム222は、複数の移動体100による任務MSの遂行を管理するためのコンピュータプログラムである。データ共有プログラム224は、通信モジュール230を用いて複数の移動体100との間でデータ共有を実現するためのコンピュータプログラムである。
【0034】
メモリ220は、任務データ226と、共有データ228とを記憶可能に構成されている。任務データ226は、複数の移動体100が遂行すべき任務MSの内容を示すデータである。
【0035】
共有データ228は、複数の移動体100の間で共有される共有データ128と共通のデータである。本実施形態では、管理装置200は、複数の移動体100の各々と共にブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、複数の移動体100の各々によって生成される観測データ126をブロックチェーンによって共有する。本実施形態では、共有データ228には、複数の移動体100の各々によって生成される観測データ126に加え、任務データ226も格納される。
【0036】
管理装置200の通信モジュール230は、複数の移動体100の各々とP2Pで通信可能に構成された電子部品である。通信モジュール230には、通信チップ、周辺回路、コントローラおよびソフトウェアが一体に構成されている。管理装置200と移動体100との間の通信ネットワークは、移動体100との最終的な接続が無線通信であれば途中に有線通信を含んでもよく、通信モジュール230による通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。本実施形態では、通信モジュール230による通信は、有線LAN規格に準拠した無線通信であり、管理装置200と移動体100との間の通信ネットワークは、有線LAN、インターネット、無線LANおよび携帯電話ネットワークによって構成されている。
【0037】
管理装置200の出力デバイス240は、移動体制御システム10の管理者に情報を出力するユーザインタフェースである。出力デバイス240は、任務MSの進行状況および結果を表示するディスプレイを含む。
【0038】
管理装置200の入力デバイス250は、移動体制御システム10の管理者から情報の入力を受け付けるユーザインタフェースである。入力デバイス250は、任務MSの指示を受け付けるキーボードおよびマウスを含む。
【0039】
図4は、管理装置200が実行する任務受付処理を示すフローチャートである。
図4の任務受付処理は、移動体制御システム10の管理者から任務MSの指示を受け付けるための処理である。管理装置200は、プロセッサ210により飛行管理プログラム222およびデータ共有プログラム224に含まれるプログラム命令が実行されることによって、
図4の任務受付処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。
【0040】
図4の任務受付処理を開始した後、管理装置200は、任務MSを受け付け可能であるか否かを判断する(ステップS212)。本実施形態では、管理装置200は、通信エリアCAの範囲内において所定の台数の移動体100が待機中である場合、任務MSを受け付け可能であると判断する。任務MSを受け付け可能でない場合(ステップS212:「NO」)、管理装置200は、
図4の任務受付処理を終了する。
【0041】
任務MSを受け付け可能である場合(ステップS212:「YES」、管理装置200は、任務MSの指示を受け付けるための受付画面(図示しない)を出力デバイス240に表示し(ステップS214)、移動体制御システム10の管理者から入力デバイス250を用いて任務MSの指示が入力されるまで待機する(ステップS216:「NO」)。
【0042】
移動体制御システム10の管理者から入力デバイス250を用いて任務MSの指示が入力された場合(ステップS216:「YES」)、管理装置200は、移動体制御システム10の管理者から受け付けた任務MSの遂行を複数の移動体100に指示する(ステップS218)。本実施形態では、管理装置200は、任務MSの内容を示す任務データ226を複数の移動体100と共有し、任務データ226は、ブロックチェーンである共有データ128,228に格納される。任務MSが捜索である場合、任務データ226には、捜索対象、捜索地域、捜索期間および発見時の対処などの各種情報が含まれる。複数の移動体100に任務MSを指示した後(ステップS218)、管理装置200は、
図4の任務受付処理を終了する。
【0043】
図5は、複数の移動体100の各々が実行するデータ共有処理を示すフローチャートである。
図5のデータ共有処理は、複数の移動体100の各々によって生成される観測データ126を複数の移動体100の間で共有するための処理である。移動体100は、プロセッサ110により飛行制御プログラム122およびデータ共有プログラム124に含まれるプログラム命令が実行されることによって、
図5のデータ共有処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。
【0044】
図5のデータ共有処理を開始した後、移動体100は、自機で観測される各種の情報を観測データ126として蓄積する(ステップS112)。本実施形態では、移動体100は、カメラモジュール140およびフライトコントローラ150から取得した各種の情報を観測データ126として蓄積する。
【0045】
各種情報を観測データ126として蓄積した後(ステップS112)、移動体100は、他の移動体100との間で観測データ126の共有を実行するタイミングである共有実行タイミングTSであるか否かを判断する(ステップS114)。共有実行タイミングTSは、複数の移動体100の間で共通のタイミングに設定されている。本実施形態では、共有実行タイミングTSの間隔は、10秒であり、他の実施形態では、10秒未満であってもよいし、10秒超過であってもよい。共有実行タイミングTSでない場合(ステップS114:「NO」)、移動体100は、
図5のデータ共有処理を終了する。
【0046】
共有実行タイミングTSである場合(ステップS114:「YES」)、移動体100は、複数の移動体100の間で自機および他機の観測データ126を共有する(ステップS116)。本実施形態では、移動体100は、自機および他機の観測データ126を複数の移動体100と共有し、複数の移動体100の各々で生成された観測データ126は、複数の移動体100の各々においてブロックチェーンである共有データ128に格納される。移動体100が管理装置200とオンライン状態である場合には、移動体100は、自機および他機の観測データ126を管理装置200と共有し、複数の移動体100の各々で生成された観測データ126は、管理装置200においてブロックチェーンである共有データ228に格納される。観測データ126を共有した後(ステップS116)、移動体100は、
図5のデータ共有処理を終了する。
【0047】
図6は、複数の移動体100の各々が実行する任務遂行処理を示すフローチャートである。
図6の任務遂行処理は、複数の移動体100で協働して任務MSを遂行するための処理である。移動体100は、プロセッサ110により飛行制御プログラム122およびデータ共有プログラム124に含まれるプログラム命令が実行されることによって、
図6の任務遂行処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。
【0048】
図6の任務遂行処理を開始した後、移動体100は、遂行すべき任務MSがあるか否かを判断する(ステップS221)。本実施形態では、移動体100は、自機のメモリ120に記憶されている共有データ128に含まれる任務データ226に基づいて、遂行すべき任務MSがあるか否かを判断する。遂行すべき任務MSがない場合(ステップS221:「NO」)、移動体100は、
図6の任務遂行処理を終了する。
【0049】
遂行すべき任務MSがある場合(ステップS221:「YES」)、移動体100は、任務MSを遂行するために複数の移動体の各々が取るべき行動を判断するためのタイミングである行動判断タイミングTAであるか否かを判断する(ステップS222)。行動判断タイミングTAは、複数の移動体100の間で同期したタイミングに設定されている。本実施形態では、行動判断タイミングTAの間隔は、10秒であり、他の実施形態では、10秒未満であってもよいし、10秒超過であってもよい。行動判断タイミングTAでない場合(ステップS222:「NO」)、移動体100は、
図6の任務遂行処理を終了する。
【0050】
行動判断タイミングTAである場合(ステップS222:「YES」)、移動体100は、自機のメモリ120から共有データ128を読み出す(ステップS224)。共有データ128を読み出した後(ステップS224)、移動体100は、共有データ128に基づいて、任務MSを遂行するために複数の移動体100の各々が取るべき行動を、複数の移動体100で共通のアルゴリズムALによって判断する(ステップS226)。これによって、複数の移動体100の各々において判断される複数の移動体100の行動は、同じ内容となる。共通のアルゴリズムALは、機械学習による学習済みパラメータを用いて、任務MSを遂行するために複数の移動体100の各々が取るべき行動を判断するAI(Artificial Intelligence:人工知能)判断を実現するためのアルゴリズムである。
【0051】
複数の移動体100の各々が取るべき行動を判断した後(ステップS224)、移動体100は、共通のアルゴリズムALによって判断された自機が取るべき行動に基づくカメラモジュール140およびフライトコントローラ150の制御を開始する(ステップS228)。本実施形態では、移動体100は、任務MSである捜索の一環として、自機に割り当てられた捜索地域へ移動するとともに、捜索地域の撮影を実行する。移動体100は、撮影データを画像解析することによって撮影データから捜索対象の特定を試みる。撮影データから捜索対象を特定した場合には、移動体100は、その旨を管理装置200に通知する。自機が取るべき行動に基づく制御を開始した後(ステップS228)、移動体100は、
図6の任務遂行処理を終了する。
【0052】
図7は、複数の移動体100による行動の一例を示す説明図である。共通のアルゴリズムALによって判断される複数の移動体100による行動は、管理装置200が複数の移動体100の各々と通信できないオフライン状態を許容してもよい。複数の移動体100から管理装置200がオフライン状態となった後、複数の移動体100の少なくとも1つの移動体100は、管理装置200との通信再開を試行する。
【0053】
図7の例では、複数の移動体100の各々の間でP2Pで通信可能な通信エリアCA1から管理装置200がオフライン状態になっている。管理装置200が通信エリアCA1からオフライン状態となった後、移動体100-6は、無線通信を介した管理装置200との通信再開を試行する(移動体100-6による移動M1)。これによって、管理装置200が複数の移動体100の各々と通信できないオフライン状態になった場合であっても、移動体100-6が管理装置200との無線通信を再開することによって、オフライン状態の間に移動体100-6が別の移動体100と共有した観測データ126を管理装置200において利用できる。
【0054】
図8は、複数の移動体100による行動の一例を示す説明図である。共通のアルゴリズムALによって判断される複数の移動体100による行動は、複数の移動体100のうち少なくとも1つの移動体100が、その移動体100とは異なる別の移動体100および管理装置200と通信できないオフライン状態を許容してもよい。オフライン状態となった移動体100は、別の移動体100および管理装置200の少なくとも一方との通信再開を試行する。
【0055】
図8の例では、複数の移動体100および管理装置200の間でP2Pで通信可能な通信エリアCA2から移動体100-3がオフライン状態になっている。移動体100-3が通信エリアCA2からオフライン状態となった後、移動体100-3は、通信エリアCA2における別の移動体100および管理装置200との通信再開を試行する(移動体100-3による移動M2)。これによって、オフライン状態であった移動体100-3が通信エリアCA2における別の移動体100との無線通信を再開することによって、オフライン状態の移動体100-3においてオフライン状態の間に生成された観測データ126を、通信エリアCA2における別の移動体100および管理装置200との間で共有できる。
【0056】
図9は、複数の移動体100による行動の一例を示す説明図である。共通のアルゴリズムALによって判断される複数の移動体100による行動は、複数の移動体100のうち少なくとも1つの移動体100によって、その移動体100とは異なる別の移動体100同士の間で通信可能となるようにデータを中継する行動を含んでもよい。
図9の例では、移動体100-2は、移動体100-3と、複数の移動体100(移動体100-2,100-3を除く)との間で通信可能となるようにデータを中継する。これによって、移動体100同士のオンライン状態を維持した複数の移動体100による活動範囲を局所的に拡張できる(通信エリアCA3)。
【0057】
図10は、複数の移動体100による行動の一例を示す説明図である。共通のアルゴリズムALによって判断される複数の移動体100による行動は、複数の移動体100のうち少なくとも1つの移動体100によって、その移動体100とは異なる別の移動体100と管理装置200との間で通信可能となるようにデータを中継する行動を含んでもよい。
図10の例では、移動体100-5,100-6は、複数の移動体100(移動体100-5,100-6を除く)と、管理装置200との間で通信可能となるようにデータを中継する。これによって、複数の移動体100と管理装置200とのオンライン状態を維持した複数の移動体100による活動範囲を拡張できる(通信エリアCA4)。
【0058】
図11は、複数の移動体100による行動の一例を示す説明図である。共通のアルゴリズムALによって判断される複数の移動体100による行動は、複数の移動体100のうち通信途絶した移動体100によって通信途絶前に共有された観測データ126に基づいて、通信途絶した移動体100を、その移動体100とは異なる別の移動体100によって捜索する行動を含んでもよい。
図11の例では、移動体100-5が、故障およびバッテリ切れなどの問題によって通信途絶した状態である。この場合、移動体100-5が通信途絶する直前に移動体100-5の近隣を飛行していた移動体100-1は、移動体100-5によって通信途絶前に共有された観測データ126に基づいて、移動体100-5の捜索を実行する(移動体100-1による移動M6)。これによって、移動体100-1による捜索行動で得られる観測データ126を、通信途絶した移動体100-5の回収に利用できる。
【0059】
以上説明した実施形態によれば、複数の移動体100の各々は、共有データ128に基づいて、任務MSを遂行するために複数の移動体100の各々が取るべき行動を、複数の移動体100で共通のアルゴリズムALによって、複数の移動体100で共通のタイミングで判断し(
図6のステップS226)、共通のアルゴリズムALによって判断された自機が取るべき行動に基づくカメラモジュール140およびフライトコントローラ150を制御する(
図6のステップS228)。これによって、複数の移動体100の各々と管理装置200との間で通信可能なオンライン状態を維持する必要なく、任務MSの進行状況に応じて各移動体100の行動を調整できる。
【0060】
また、複数の移動体100の各々は、ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、複数の移動体100の各々によって生成される観測データ126をブロックチェーンによって共有する。これによって、複数の移動体100において観測データ126の改ざんおよび消失をブロックチェーンによって防止できる。
【0061】
また、管理装置200は、複数の移動体100の各々と共にブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、複数の移動体100の各々によって生成される観測データ126をブロックチェーンによって共有する。これによって、複数の移動体100に加え管理装置200において観測データ126の改ざんおよび消失をブロックチェーンによって防止できる。
【0062】
本明細書に開示する技術は、上述した実施形態、実施例および変形例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、上述した実施形態、実施例および変形例における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えおよび組み合わせることができる。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴については、適宜、削除できる。
【0063】
上述した実施形態の移動体制御システム10は、管理装置200が複数の移動体100に任務MSを指示する構成であるが、他の実施形態では、管理装置200を必ずしも設ける必要はなく、製造時または起動時に移動体100に任務MSが設定される構成であってもよい。また、移動体制御システム10は、複数の管理装置200を備えてもよい。
【0064】
移動体制御システム10で遂行される任務MSは、人または物の捜索に限らず、災害調査、生態調査、空撮、配送、農薬散布、鳥獣駆除、測量、監視および偵察の少なくとも一つであってもよい。また、移動体100は、任務の内容に応じて任務遂行に必要な各種のセンサモジュールを備えてもよい。
【0065】
複数の移動体100の各々は、複数の移動体100における無線通信の品質に応じて、共通のアルゴリズムALによって判断する次回の行動判断タイミングTAを調整してもよい。複数の移動体100の各々は、無線通信の品質が基準値より低下した場合、次回の行動判断タイミングTAを、通信異常を抑制するために通常のタイミングよりも遅延したタイミングにしてもよいし、通信品質の迅速な復旧ために通常のタイミングよりも短縮したタイミングにしてもよい。また、この場合、複数の移動体100の各々は、行動判断タイミングTAの調整に加えて、共有実行タイミングTSについても同様に調整してもよい。これによって、任務遂行の効率化と通信異常の抑制との両立を図ることができる。
【0066】
移動体100は、無人飛行機に限らず、自律的に移動可能な移動体であればよく、有人飛行機であってもよいし、無人または有人の車両および船舶などであってもよい。複数の移動体100は、1種類の移動体の組合せに限らず、2種類以上の移動体の組合せ(例えば、無人飛行機と無人車両との組合せ)であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
10…移動体制御システム
100,100-1~100-n…移動体
110…プロセッサ
120…メモリ
122…飛行制御プログラム
124…データ共有プログラム
126…観測データ
128…共有データ
130…無線モジュール
140…カメラモジュール
150…フライトコントローラ
160…バッテリ
170…配電基板
180…駆動モータ
185…プロペラ
200…管理装置
210…プロセッサ
220…メモリ
222…飛行管理プログラム
224…データ共有プログラム
226…任務データ
228…共有データ
230…通信モジュール
240…出力デバイス
250…入力デバイス
【手続補正書】
【提出日】2023-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が自律的に移動可能に構成された複数の移動体を備え、前記複数の移動体に協働して任務を遂行させる移動体制御システムであって、
前記複数の移動体の各々は、
前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと、
当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと、
当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するメモリと
を備え、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、
当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて前記複数の移動体で共通の第1のタイミングで繰り返し共有することによって、前記複数の移動体の各々で生成される前記観測データを格納した共有データを記憶し、
前記共有データに基づいて、前記任務を協働して遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって、前記複数の移動体で共通の第2のタイミングで繰り返し判断し、
前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御する、移動体制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備え、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記管理装置が前記複数の移動体の各々と通信できないオフライン状態を許容し、前記オフライン状態となった後、前記複数の移動体の少なくとも1つの移動体が前記管理装置との通信再開を試行する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体が、該移動体とは異なる別の移動体と通信できないオフライン状態を許容し、前記オフライン状態となった移動体が前記別の移動体との通信再開を試行する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体によって、該移動体とは異なる別の移動体同士の間で通信可能となるようにデータを中継する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項5】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備え、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体によって、該移動体とは異なる別の移動体と前記管理装置との間で通信可能となるようにデータを中継する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項6】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち通信途絶した移動体によって通信途絶前に共有された前記観測データに基づいて、前記通信途絶した移動体を、該移動体とは異なる別の移動体によって捜索する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項7】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記複数の移動体の各々は、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、前記複数の移動体における前記無線通信の品質に応じて、前記第1のタイミングおよび前記第2のタイミングを調整する、移動体制御システム。
【請求項8】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記複数の移動体の各々は、ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、前記複数の移動体の各々によって生成される前記観測データをブロックチェーンによって共有する、移動体制御システム。
【請求項9】
請求項8に記載の移動体制御システムであって、
更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備え、
前記管理装置は、前記複数の移動体の各々と共に前記ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、前記複数の移動体の各々によって生成される前記観測データをブロックチェーンによって共有する、移動体制御システム。
【請求項10】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の移動体制御システムであって、
前記複数の移動体は、複数の無人飛行機であり、
前記任務は、捜索、災害調査、生態調査、空撮、配送、農薬散布、鳥獣駆除、測量、監視および偵察の少なくとも一つを含む、移動体制御システム。
【請求項11】
各々が自律的に移動可能であるとともに各々が協働して任務を遂行可能に構成された複数の移動体の一つである移動体であって、
前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと、
当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと、
当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するメモリと
を備え、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、
当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて前記複数の移動体で共通の第1のタイミングで繰り返し共有することによって、前記複数の移動体の各々で生成される前記観測データを格納した共有データを記憶し、
前記共有データに基づいて、前記任務を協働して遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって、前記複数の移動体で共通の第2のタイミングで繰り返し判断し、
前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御する、移動体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本明細書に開示する技術は、以下の形態として実現できる。
本明細書に開示する一形態は、各々が自律的に移動可能に構成された複数の移動体を備え、前記複数の移動体に協働して任務を遂行させるための移動体制御システムである。この移動体制御システムにおいて、前記複数の移動体の各々は、前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと;当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと;当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと;プロセッサと;プログラム命令を記憶するメモリとを備える。前記複数の移動体の各々は、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて前記複数の移動体で共通の第1のタイミングで繰り返し共有することによって、前記複数の移動体の各々で生成される前記観測データを格納した共有データを記憶し;前記共有データに基づいて、前記任務を協働して遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって、前記複数の移動体で共通の第2のタイミングで繰り返し判断し;前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御する。この形態の移動体制御システムによれば、複数の移動体の各々と管理装置との間で通信可能なオンライン状態を維持する必要なく、任務の進行状況に応じて各移動体の行動を調整できる。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が自律的に移動可能に構成された複数の移動体を備え、前記複数の移動体に協働して任務を遂行させる移動体制御システムであって、
前記複数の移動体の各々は、
前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと、
当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと、
当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するメモリと
を備え、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、
当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて前記複数の移動体で共通の第1のタイミングで繰り返し共有することによって、前記複数の移動体の各々で生成される前記観測データを格納した共有データを記憶し、
前記共有データに基づいて、前記任務を協働して遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって、前記複数の移動体で共通の第2のタイミングで繰り返し判断し、
前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御し、
前記複数の移動体の各々における前記センサモジュールによって生成される前記観測データは、当該移動体から周囲を撮影した撮影データと、当該移動体の位置および姿勢を示すデータとを含む、移動体制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備え、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記管理装置が前記複数の移動体の各々と通信できないオフライン状態を許容し、前記オフライン状態となった後、前記複数の移動体の少なくとも1つの移動体が前記管理装置との通信再開を試行する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体が、該移動体とは異なる別の移動体と通信できないオフライン状態を許容し、前記オフライン状態となった移動体が前記別の移動体との通信再開を試行する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体によって、該移動体とは異なる別の移動体同士の間で通信可能となるようにデータを中継する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項5】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備え、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち少なくとも1つの移動体によって、該移動体とは異なる別の移動体と前記管理装置との間で通信可能となるようにデータを中継する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項6】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記共通のアルゴリズムによって判断される前記複数の移動体による行動は、前記複数の移動体のうち通信途絶した移動体によって通信途絶前に共有された前記観測データに基づいて、前記通信途絶した移動体を、該移動体とは異なる別の移動体によって捜索する行動を含む、移動体制御システム。
【請求項7】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記複数の移動体の各々は、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、前記複数の移動体における前記無線通信の品質に応じて、前記第1のタイミングおよび前記第2のタイミングを調整する、移動体制御システム。
【請求項8】
請求項1に記載の移動体制御システムであって、
前記複数の移動体の各々は、ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、前記複数の移動体の各々によって生成される前記観測データをブロックチェーンによって共有する、移動体制御システム。
【請求項9】
請求項8に記載の移動体制御システムであって、
更に、前記複数の移動体の各々と通信可能に構成され、前記複数の移動体を管理する管理装置を備え、
前記管理装置は、前記複数の移動体の各々と共に前記ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、前記複数の移動体の各々によって生成される前記観測データをブロックチェーンによって共有する、移動体制御システム。
【請求項10】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の移動体制御システムであって、
前記複数の移動体は、複数の無人飛行機であり、
前記任務は、捜索、災害調査、生態調査、空撮、配送、農薬散布、鳥獣駆除、測量、監視および偵察の少なくとも一つを含む、移動体制御システム。
【請求項11】
各々が自律的に移動可能であるとともに各々が協働して任務を遂行可能に構成された複数の移動体の一つである移動体であって、
前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと、
当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと、
当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するメモリと
を備え、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、
当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて前記複数の移動体で共通の第1のタイミングで繰り返し共有することによって、前記複数の移動体の各々で生成される前記観測データを格納した共有データを記憶し、
前記共有データに基づいて、前記任務を協働して遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって、前記複数の移動体で共通の第2のタイミングで繰り返し判断し、
前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御し、
前記複数の移動体の各々における前記センサモジュールによって生成される前記観測データは、当該移動体から周囲を撮影した撮影データと、当該移動体の位置および姿勢を示すデータとを含む、移動体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本明細書に開示する技術は、以下の形態として実現できる。
本明細書に開示する一形態は、各々が自律的に移動可能に構成された複数の移動体を備え、前記複数の移動体に協働して任務を遂行させるための移動体制御システムである。この移動体制御システムにおいて、前記複数の移動体の各々は、前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと;当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと;当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと;プロセッサと;プログラム命令を記憶するメモリとを備える。前記複数の移動体の各々は、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて前記複数の移動体で共通の第1のタイミングで繰り返し共有することによって、前記複数の移動体の各々で生成される前記観測データを格納した共有データを記憶し;前記共有データに基づいて、前記任務を協働して遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって、前記複数の移動体で共通の第2のタイミングで繰り返し判断し;前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御する。この形態において、前記複数の移動体の各々における前記センサモジュールによって生成される前記観測データは、当該移動体から周囲を撮影した撮影データと、当該移動体の位置および姿勢を示すデータとを含む。この形態の移動体制御システムによれば、複数の移動体の各々と管理装置との間で通信可能なオンライン状態を維持する必要なく、任務の進行状況に応じて各移動体の行動を調整しながら、複数の移動体の各々で生成される撮影データを複数の移動体の各々で共有できる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が自律的に移動可能に構成された複数の移動体を備え、前記複数の移動体に協働して任務を遂行させる移動体制御システムであって、
前記複数の移動体の各々は、
前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと、
当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと、
当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するメモリと
を備え、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、
当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて前記複数の移動体で共通の第1のタイミングで繰り返し共有することによって、前記任務の遂行に際して前記複数の移動体の各々で生成される前記観測データを格納し続けた共有データを記憶し、
前記共有データに基づいて、前記任務を協働して遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって、前記複数の移動体で共通の第2のタイミングで繰り返し判断し、
前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御し、
前記複数の移動体の各々における前記センサモジュールによって生成される前記観測データは、当該移動体から周囲を撮影した撮影データと、当該移動体の位置および姿勢を示すデータとを含み、
前記複数の移動体の各々は、ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、前記複数の移動体の各々によって生成される前記観測データをブロックチェーンによって共有する、移動体制御システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本明細書に開示する技術は、以下の形態として実現できる。
本明細書に開示する一形態は、各々が自律的に移動可能に構成された複数の移動体を備え、前記複数の移動体に協働して任務を遂行させるための移動体制御システムである。この移動体制御システムにおいて、前記複数の移動体の各々は、前記複数の移動体のうち当該移動体とは異なる他の移動体と無線通信を介してデータを送受信可能に構成された無線モジュールと;当該移動体の位置および姿勢の少なくとも一方を変更可能に構成された機構を駆動する駆動デバイスと;当該移動体において観測可能な物理的現象および化学的現象の少なくとも一方に基づく観測データを生成するセンサモジュールと;プロセッサと;プログラム命令を記憶するメモリとを備える。前記複数の移動体の各々は、前記プロセッサにより前記プログラム命令が実行されることによって、当該移動体において生成される前記観測データと、前記他の移動体において生成される前記観測データとを、前記複数の移動体の間で前記無線モジュールを用いて前記複数の移動体で共通の第1のタイミングで繰り返し共有することによって、前記任務の遂行に際して前記複数の移動体の各々で生成される前記観測データを格納し続けた共有データを記憶し;前記共有データに基づいて、前記任務を協働して遂行するために前記複数の移動体の各々が取るべき行動を、前記複数の移動体で共通のアルゴリズムによって、前記複数の移動体で共通の第2のタイミングで繰り返し判断し;前記共通のアルゴリズムによって判断される当該移動体が取るべき行動に基づいて、当該移動体における前記駆動デバイスおよび前記センサモジュールの少なくとも一方を制御する。この形態において、前記複数の移動体の各々における前記センサモジュールによって生成される前記観測データは、当該移動体から周囲を撮影した撮影データと、当該移動体の位置および姿勢を示すデータとを含む。前記複数の移動体の各々は、ブロックチェーンネットワークを構成するノードであり、前記複数の移動体の各々によって生成される前記観測データをブロックチェーンによって共有する。この形態の移動体制御システムによれば、複数の移動体の各々と管理装置との間で通信可能なオンライン状態を維持する必要なく、任務の進行状況に応じて各移動体の行動を調整しながら、複数の移動体の各々で生成される撮影データおよびデータを複数の移動体の各々で共有できる。