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  • 特開-曳航用浮体及び曳航方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132746
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】曳航用浮体及び曳航方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 77/10 20200101AFI20240920BHJP
【FI】
B63B77/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043660
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(71)【出願人】
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100197848
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 良一
(72)【発明者】
【氏名】栗本 卓
(72)【発明者】
【氏名】松岡 義博
(72)【発明者】
【氏名】山下 力蔵
(72)【発明者】
【氏名】胡 長洪
(72)【発明者】
【氏名】末吉 誠
(57)【要約】
【課題】従来のようにフローティングクレーンによって揚重して曳航することなく、サクションバケットジャケットを直接設置場所まで安定して曳航することが可能な、曳航用浮体及び曳航方法を提供する。
【解決手段】複数のサクションバケット10を有するサクションバケットジャケット100の曳航用浮体40であって、前記曳航用浮体40は、浮遊する前記サクションバケット10間に配置されて互いに連結される複数の中空の本体部40A、40B、40Cを有し、前記本体部40A、40B、40Cは、前記サクションバケット10を保持することが可能なバケット保持部43を備えていることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサクションバケットを有するサクションバケットジャケットの曳航用浮体であって、
前記曳航用浮体は、浮遊する前記サクションバケット間に配置されて互いに連結される複数の中空の本体部を有し、
前記本体部は、前記サクションバケットを保持することが可能なバケット保持部を備えている
ことを特徴とする曳航用浮体。
【請求項2】
複数の中空の前記本体部は、それぞれ空気配管で接続される
請求項1に記載の曳航用浮体。
【請求項3】
前記バケット保持部は、前記サクションバケットを懸垂する懸垂手段を備え、
前記懸垂手段は、前記サクションバケットを水中で降下させることが可能である
請求項1又は2に記載の曳航用浮体。
【請求項4】
前記本体部は、該本体部を任意の方向に移動させることが可能なアジマススラスターを備えている
請求項1又は2に記載の曳航用浮体。
【請求項5】
前記本体部は、該本体部を任意の方向に移動させることが可能なアジマススラスターを備えている
請求項3に記載の曳航用浮体。
【請求項6】
複数のサクションバケットを有するサクションバケットジャケットの曳航方法であって、
浮遊する前記サクションバケット間に中空の本体部を配置するステップと、
前記サクションバケット間に配置された複数の前記本体部を互いに連結して曳航用浮体を形成するステップと、
前記本体部のバケット保持部によって前記サクションバケットを保持するステップと、
前記曳航用浮体に曳索を接続して前記サクションバケットジャケットを曳航するステップと、を有する
ことを特徴とする曳航方法。
【請求項7】
複数の中空の前記本体部を、それぞれ空気配管で接続するステップを有する
請求項6に記載の曳航方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洋上においてサクションバケットジャケットを設置場所まで安定して曳航することが可能な、曳航用浮体及び曳航方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クリーンエネルギーである洋上風力発電は世界中で広く利用される状況にあるが、従来、これら装置の基礎(例えば、サクションバケットとジャケット)を設置する際は、フローティングクレーンによって完全に揚重した状態で、洋上の設置場所まで曳航していた。
【0003】
しかし、風車や塔体の大型化に伴って基礎も大型化してくると、数少ない超大型のフローティングクレーンが必要となってしまう。そこで、例えば非特許文献1では、トリプルバケットジャケット基礎自体を、直接曳航船によって浮遊曳航させる方法について室内実験とシミュレーションを行って安定性の評価を行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Chaojun Yan、他4名、“Laboratory Study of Integrated Wet-Towing of a Triple-Bucket Jacket Foundation for Far-Offshore Applications”、[online]、Journal of Marine Science and Engineering、[令和4年10月20日検索]、インターネット<https://www.mdpi.com/2077-1312/9/11/1152>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記非特許文献1に開示された方法では、トリプルバケットジャケット基礎の浮力を3つのバケットのみから得ているため、風や波といった外力を受け、曳航中にバケット内の空気が漏れて大量の海水がバケット内に流れ込んだ場合には、トリプルバケットジャケット基礎が大きく傾いて転覆してしまう可能性がある。つまり風や波といった外力の作用による姿勢の変化も考慮した曳航の安定性について、なお課題がある。
【0006】
そこで本願発明は、上記した問題点等に鑑み、従来のようにフローティングクレーンによって揚重して曳航することなく、サクションバケットジャケットを設置場所まで安定して曳航することが可能な、曳航用浮体及び曳航方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)に係る発明は、複数のサクションバケットを有するサクションバケットジャケットの曳航用浮体であって、前記曳航用浮体は、浮遊する前記サクションバケット間に配置されて互いに連結される複数の中空の本体部を有し、前記本体部は、前記サクションバケットを保持することが可能なバケット保持部を備えていることを特徴とする曳航用浮体である。
【0008】
(2)に係る発明は、複数の中空の前記本体部は、それぞれ空気配管で接続される上記(1)に記載の曳航用浮体である。
【0009】
(3)に係る発明は、前記バケット保持部は、前記サクションバケットを懸垂する懸垂手段を備え、前記懸垂手段は、前記サクションバケットを水中で降下させることが可能である上記(1)又は(2)に記載の曳航用浮体である。
【0010】
(4)に係る発明は、前記本体部は、該本体部を任意の方向に移動させることが可能なアジマススラスターを備えている上記(1)又は(2)に記載の曳航用浮体である。
【0011】
(5)に係る発明は、前記本体部は、該本体部を任意の方向に移動させることが可能なアジマススラスターを備えている上記(3)に記載の曳航用浮体である。
【0012】
(6)に係る発明は、複数のサクションバケットを有するサクションバケットジャケットの曳航方法であって、浮遊する前記サクションバケット間に中空の本体部を配置するステップと、前記サクションバケット間に配置された複数の前記本体部を互いに連結して曳航用浮体を形成するステップと、前記本体部のバケット保持部によって前記サクションバケットを保持するステップと、前記曳航用浮体に曳索を接続して前記サクションバケットジャケットを曳航するステップと、を有することを特徴とする曳航方法である。
【0013】
(7)に係る発明は、複数の中空の前記本体部を、それぞれ空気配管で接続するステップを有する上記(6)に記載の曳航方法である。
【発明の効果】
【0014】
上記(1)及び(6)に係る発明によれば、浮遊するサクションバケット間に中空の本体部を配置し、複数の当該本体部を互いに連結して曳航用浮体を形成するので、サクションバケットの配置に応じてバランスよく浮力を与えることが可能となり、サクションバケットジャケットを安定して洋上の設置場所まで曳航することができる。これにより、従来のように、フローティングクレーンによってサクションバケットジャケットを揚重して曳航する必要がなくなり、大幅に曳航によるコストや手間を削減するとともに、安全且つ安定した曳航が可能となる。
【0015】
上記(2)及び(7)に係る発明によれば、複数の本体部のいずれかで空気漏れが生じた場合に、接続する空気配管によって曳航用浮体の浮力のアンバランス化を効果的に防止することが可能となり、サクションバケットジャケットを安定して洋上の設置場所まで曳航することができる。
【0016】
上記(3)に係る発明によれば、サクションバケットジャケットの設置場所において、懸垂手段によりサクションバケットを海底へ降下させることが可能となる。これにより、別途クレーンを用意することなく大幅に設置コストや手間を削減してサクションバケットを着底させることができる。
【0017】
上記(4)及び(5)に係る発明によれば、本体部が備えるアジマススラスターによって、曳航用浮体の細かな移動調整が可能となり、サクションバケットを精度よく移動させて設置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態における、サクションバケットジャケットの斜視図である。
図2】本発明の一実施形態における、サクションバケットの構成を説明する断面図である。
図3】本発明の一実施形態における、サクションバケットジャケットの曳航態様を説明する斜視図である。
図4】本発明の一実施形態における、本体部の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態における、サクションバケットの懸垂態様を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態における、曳航方法を説明する側面図である。
図7】本発明の一実施形態において、サクションバケットの降下態様を説明する側面図である。
図8】本発明の一実施形態における、サクションバケットの着底態様を説明する側面図である。
図9】本発明の一実施形態における、サクションバケットジャケットの設置完了状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の曳航用浮体及び曳航方法の一実施形態について説明する。
【0020】
図1には、本発明の一実施形態において、曳航の対象となるサクションバケットジャケット100の斜視図が示されている。図示されるように、3つのサクションバケット10の上部にはトラス構造から成るジャケット部20が接続されている。
【0021】
図2には、サクションバケット10の構成を説明する断面図が示されているが、サクションバケット10の頂版12から下方に伸びた円筒形の側壁11を海底地盤中に貫入し、洋上風車の安定性を確保する構造となっている。
【0022】
すなわち、側壁11と海底地盤面で囲まれた空洞13内の海水を、配管を通してポンプで排水し、水圧の低減によって得られるサクション(排水によって空洞13内が静水圧以下となること)と、サクションバケットジャケット100の自重によって側壁11を貫入することが可能となっている。
【0023】
図3には、本実施形態におけるサクションバケットジャケット100の曳航態様が示されている。本実施形態の曳航用浮体40は、浮遊するサクションバケット10間に配置されて互いに連結される複数の中空の本体部40A、40B、40Cを有し、本体部40A、40B、40Cは、サクションバケット10を保持することが可能なバケット保持部43を少なくとも備えている。
【0024】
より詳細に説明すると、各本体部40A、40B、40Cは、それぞれ図4に示されるように単独で浮遊することが可能となっており、浮遊するサクションバケット10間に接近させて隣接する他の本体部40A、40B、40Cと連結される。これにより、一体的な曳航用浮体40が形成されるように構成されている。さらに、各本体部40A、40B、40Cが、バケット保持部43によってサクションバケット10を保持することで、安定してサクションバケットジャケット100を曳航することが可能となっている。
【0025】
また、サクションバケットジャケット100の曳航完了又は海底面への着底完了後は、サクションバケット10の保持を解除し、各本体部40A、40B、40Cの連結状態を解除することで、各本体部40A、40B、40Cは分離・離脱するように構成されている。
【0026】
以上のような構成により、サクションバケットジャケット100を岸壁から洋上の設置場所まで安全且つ安定して曳航することが可能となる。したがって、従来のように、フローティングクレーンによってサクションバケットジャケット100を揚重して曳航する必要がなくなり、大幅に曳航によるコストや手間を削減することが可能となる。
【0027】
続いて図4には、本実施形態における本体部40A、40B、40Cの一例として、本体部40Aの斜視図が示されている。図示されるように、本実施形態の本体部40A、40B、40Cは、中空の箱型形状を有するとともに、隣接する他の本体部40A、40B、40Cと連結される連結部44が両端部に設けられている。
【0028】
連結部44の構成としては特に限定されるものではなく、索具を引き寄せて連結してもよいし、機械的な固定手段を用いて連結することも可能である。好ましくは、一方の連結部44に、すり鉢状の開口を有する凹部を形成し、結合相手の連結部44に凸部を形成することで、波のある海上においても容易かつ正確に、本体部40A、40B、40Cを互いに凹凸嵌合することができる。もちろん、上記した索具や機械的な固定手段、凹凸嵌合構成を併用することも可能である。
【0029】
さらに図4に示されるように、本実施形態の本体部40A、40B、40Cは、バケット保持部43としてサクションバケット10を懸垂する懸垂手段431を備えており、サクションバケット10を水中で降下させることが可能となっている。
【0030】
より詳細に説明すると、本実施形態では懸垂手段431としてウインチが設けられており、当該ウインチに巻かれたワイヤ432は、図5に示されるようにサクションバケット10の頂版12に設置された接続部材121に接続されている。
【0031】
したがって、ウインチを巻上げることによってサクションバケット10をしっかり保持することが可能となり、サクションバケットジャケット100を安定して曳航することが可能となる。さらに、曳航後、サクションバケットジャケット100を設置する際には、ウインチからワイヤ432を送り出して、サクションバケット10を海底へ降下させることが可能となっている。
【0032】
もちろん、サクションバケット10を強固に保持するために、ウインチ以外の機械的な固定手段を別途設けることも可能である。これにより、より強固にサクションバケット10を保持することが可能となり、安全且つ安定してサクションバケットジャケット100を曳航することができる。なお、サクションバケットジャケット100と曳航用浮体40とを強固に保持するために、本体部40A、40B、40Cとジャケット部20とを接続するように構成してもよい。
【0033】
また、図4に示されるように、本実施形態の本体部40A、40B、40Cの底部には、当該本体部40A、40B、40Cを任意の方向に移動させることが可能なアジマススラスター42が設けられている。これにより、各本体部40A、40B、40Cを接近させて連結する際や、各本体部40A、40B、40Cを分離して離脱させる際に、効率的に移動させることが可能となる。さらに、サクションバケットジャケット100を設置する際には、設置位置の微調整にも役立つ。
【0034】
加えて、本体部40A、40B、40Cには曳航用浮体制御部41が設けられ、前述した懸垂手段431を含むバケット保持部43や、アジマススラスター42の駆動制御が可能となっている。また、自動船位保持装置(DPS)を設けることも可能であり、サクションバケットジャケット100を精度よく設置することが可能となる。
【0035】
本実施形態の本体部40A、40B、40Cの主要な寸法は、図4に示されるように幅Bが8.1m、水線長Lが22.7m、喫水dが1.35m、深さDが8.1mで、排水量238.5mである。本体部40A、40B、40Cの合計水線面積は551.1m、予備浮力は3720mとなる。すべてのサクションバケット10内の浮力が喪失した際のメタセンタ高さは7.1mとなっており、安定したサクションバケットジャケット100の曳航が可能となっている。なお、上記した各寸法は一例であり、サクションバケットジャケット100の規模や仕様に応じて適宜変更することが可能である。
【0036】
(曳航方法)
続いて、サクションバケットジャケット100の曳航方法について、その一例を以下に説明する。
【0037】
まず浮遊するサクションバケット10間に中空の本体部40A、40B、40Cを配置する。そしてサクションバケット10間に配置された複数の本体部40A、40B、40Cを互いに連結して曳航用浮体40を形成する。さらに本体部40A、40B、40Cのバケット保持部43によってサクションバケット10を保持する。
【0038】
続いて、図6(a)に示されるように曳航用浮体40に曳索を接続してサクションバケットジャケット100を洋上の設置場所まで曳航する。サクションバケットジャケット100の設置場所に到着したら、サクションバケット10内の空気量を中性浮力より小さくなるまで減らす。これにより、図6(b)に示されるように全体の喫水は大きくなる。
【0039】
次に、図7(c)に示されるように一次降下を実施する。すなわち、中性浮力に近い重量となったサクションバケット10を、バケット保持部43の懸垂手段431により海底近くまで降下させる。
【0040】
続いて、図7(d)に示されるように二次降下を実施する。すなわち、海底近くまで降下させたサクションバケット10を、GPSなどの計測データを利用し、アジマススラスター42を制御して位置調整しながら海底面へ着底させる。
【0041】
サクションバケット10の着底後、さらに懸垂手段431のワイヤ432を送り出すことで、図8(e)に示されるように曳航用浮体40の喫水が下がってワイヤ432の張力がなくなる。その後、サクションバケット10とワイヤ432との接続を解除する。サクションバケット10とワイヤ432との接続解除後は、図8(e)に示されるように曳航用浮体40を分離して各本体部40A、40B、40Cを離脱させる。
【0042】
続いて、図9(g)に示されるように、前述したサクションバケット10の施工を行うことで海底地盤中にサクションバケット10を貫入し、サクションバケットジャケット100の設置を完了する。
【0043】
(別実施形態)
以上、本実施形態の曳航用浮体40及び曳航方法について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、以下のような変更が可能である。
【0044】
前述した実施形態の曳航用浮体40は、各本体部40A、40B、40Cのバケット保持部43に懸垂手段431を設け、サクションバケット10を降下させることができるように構成した。しかし、サクションバケットジャケット100を設置場所まで安定して曳航することのみを目的とするのであれば、必ずしも懸垂手段431を各本体部40A、40B、40Cに設ける必要はない。
【0045】
また、サクションバケット10の貫入に際し、クレーンによる保持が必要となるようなケースでは、前述した実施形態の曳航用浮体40をクレーンの代替手段として利用することができる。この場合、曳航用浮体40の分離及び各本体部40A、40B、40Cの離脱を、サクションバケットジャケット100の設置完了後とすることになる。サクションバケット10の施工に必要なポンプなどの機材を本体部40A、40B、40Cに搭載し、動力も共用するように構成すれば、曳航用浮体40を作業船として利用でき、別途作業船を用意する必要もない。
【0046】
さらに、各本体部40A、40B、40Cを連結した後、各本体部40A、40B、40Cを空気配管で連結するように構成してもよい。すなわち、空気配管の弁は圧力に異常がない場合は閉状態としておき、いずれかの本体部40A、40B、40Cで空気漏れが生じた場合は、上記弁を開状態とすることで、曳航用浮体40の浮力のアンバランス化を効果的に防止することが可能となる。
【0047】
また、前述した実施形態では、各本体部40A、40B、40Cのそれぞれに、曳航用浮体制御部41を設けたが、各本体部40A、40B、40Cのいずれかに曳航用浮体制御部41を設け、制御機能や駆動源を各本体部40A、40B、40Cで共用することも可能である。
【0048】
本発明の範囲は、上記した各実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。また、上記実施形態に記載された具体的な材質、寸法形状等は本発明の課題を解決する範囲において、変更が可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 サクションバケット
11 側壁
12 頂版
13 空洞
20 ジャケット部
40 曳航用浮体
40A、40B、40C 本体部
41 曳航用浮体制御部
42 アジマススラスター
43 バケット保持部
44 連結部
100 サクションバケットジャケット
121 接続部材
431 懸垂手段
432 ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9