IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リスパック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-包装用容器 図1
  • 特開-包装用容器 図2
  • 特開-包装用容器 図3
  • 特開-包装用容器 図4
  • 特開-包装用容器 図5
  • 特開-包装用容器 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132747
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20240924BHJP
   B65D 75/60 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
B65D77/20 C
B65D75/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043663
(22)【出願日】2023-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 智久
(72)【発明者】
【氏名】田中 潤
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067AB09
3E067BA05A
3E067BA07A
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067BC07A
3E067EA18
3E067EA32
3E067EB17
3E067EB19
3E067EB27
3E067EE59
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】極めて簡易な構造でもって、これまでの蓋体の開封状況を簡単に把握できるので、改ざん防止等の役割を果たすことができる。
【解決手段】包装用容器100は、収容部52の外側に容器フランジ53を有する容器本体50と、蓋体フランジ14を有する蓋体10を備える。蓋体フランジ14が容器フランジ53に嵌合した状態で、蓋体10下方の収容空間56で収容物が収容される。蓋体フランジ14は、外側に位置する蓋体係合部16を備える。容器フランジ53は、立壁部60と、この立壁部60から延設され、蓋体係合部16と係合する容器係合部58と、収容部52及び立壁部60を相互に接続する接続部62を備える。接続部62に、収容部52と容器係合部58間の開裂を容易にする開裂部64を設け、開裂部64は立壁部60に沿う位置に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部の外側に容器フランジを有する容器本体に、天面部の外側に蓋体フランジを有する蓋体を被せることで、前記蓋体フランジと前記容器フランジとが嵌合し、前記収容部で収容物を収容する包装用容器において、
前記蓋体フランジは、外側に位置する蓋体係合部を備え、更に、
前記容器フランジは、
立壁部と、
この立壁部の収容部側に位置し、前記蓋体係合部と係合する容器係合部と、
前記収容部及び前記容器係合部間を相互に接続する接続部と、
前記接続部に、前記収容部と前記容器係合部間の開裂を容易にする開裂部とを設け、
この開裂部は前記立壁部に沿う位置に配置されていることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記開裂部は、前記接続部の周方向の一部に設け、前記立壁部は、前記開裂部の両端付近に、前記開裂部の開裂を容易にする折り曲げ部をそれぞれ設けることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記開裂部は、前記容器フランジの外側に向かって突状となることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記立壁部は、前記容器フランジの全外周に沿って配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体を容器本体に被せることで、例えば、弁当・果物等の食品、その他の収容物を収容できる包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の包装用容器は、収容部の外周に容器フランジを有する容器本体と、更に、天面部の外周に蓋体フランジを有する蓋体を備えている。そして、蓋体フランジが容器フランジと嵌合することで、収容部及び天面部間の収納空間で、例えば惣菜、寿司等の食品その他の収容物を収容できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4431924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装用容器には、例えば特許文献1に記載される包装用容器等がある。この包装用容器の場合、容器本体に蓋体が嵌合することによって容器が密閉されるとともに、例えばいたずら等によって、仮に蓋体が不用意に開封された場合、開封の痕跡を残し、目視により簡単に発見できることが求められる。
しかしながら、特許文献1に記載される包装用容器の場合、細かな構造物を形成することが必要であって、その包装用容器を形成する際、煩雑な手間がかかるとともに、コストも嵩張るという課題があった。また、開裂部が立ち上り壁に沿った位置に配置されていないため、運搬、陳列時などに外部から衝撃が加わることで開裂部が開裂し、意図せず蓋体が開いてしまうという課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的とするところは、極めて簡易な構造でもって、いたずら抑止や防止及び改ざん抑止や防止等の役割を果たすことで、安価で且つ優れた包装用容器を提供することにある。
また、本発明の包装用容器は、運搬、陳列時などに外部から衝撃が加わっても、立壁部により変形を防止しているため、開裂部が開裂せず、不用意に蓋体が外れにくく改ざんされたことにならない包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明は以下の手段を有する。即ち、手段1として、 収容部の外側に容器フランジを有する容器本体に、天面部の外側に蓋体フランジを有する蓋体を被せることで、前記蓋体フランジと前記容器フランジとが嵌合し、前記収容部で収容物を収容する包装用容器において、前記蓋体フランジは、外側に位置する蓋体係合部を備え、更に、前記容器フランジは、立壁部と、この立壁部の収容部側に位置し、前記蓋体係合部と係合する容器係合部と、前記収容部及び前記容器係合部間を相互に接続する接続部と、前記接続部に、前記収容部と前記容器係合部間の開裂を容易にする開裂部とを設け、この開裂部は前記立壁部に沿う位置に配置されていることを特徴とする。
【0006】
手段2として、手段1において、前記開裂部は、前記接続部の周方向の一部に設け、前記立壁部は、前記開裂部の両端付近に、前記開裂部の開裂を容易にする折り曲げ部をそれぞれ設けることが望ましい。
【0007】
手段3として、手段1または手段2において、前記開裂部は、前記容器フランジ側に向かって突状となることが好ましい。
【0008】
手段4として、手段1または手段2において、前記立壁部は、前記容器フランジの全外周に沿って配設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容器の収容部及び容器係合部を相互に接続する接続部に、これら収容部と容器係合部間の開裂を容易にする開裂部を設け、この開裂部は立壁部に沿う位置に配置されているという極めて簡易な構造を採用することで、開裂部の開裂状況を容易に確認でき、蓋体の開封状況(既に開封されたか否か)を簡単に把握できる。仮に、蓋体が不用意に開封された場合、包装用容器の管理者は、開封した包装用容器を撤去したり、不用意に開封した者に対し、適切な対応をすることができる。この結果、いたずらや改ざんを企てる者は、いたずらや改ざんを企てることをためらったり、諦めたりして、いたずら抑止や防止、改ざん抑止や防止等の機能を果たすことができる。よって、極めて簡易な構造で、いたずら抑止等の役割を果たすことができ、安価で且つ優れた包装用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の包装用容器を具体化した実施の形態であって、蓋体が容器本体から分離した状態を示す斜視図である。
図2図1の蓋体が容器本体に被さった状態を示す平面図である。
図3図2の蓋体と容器本体との係合状況を示す要部拡大断面図である。
図4図1の蓋体が外された状態において、容器本体の一部を拡大して示す部分拡大図である。
図5図4の容器本体一部(外縁)が、容器本体から切離した状態を示す拡大状態図である。
図6図2の容器本体一部(外縁)が、容器本体から切離した状態を示す拡大状態図である。
【符号の説明】
【0011】
10 蓋体 12 天面部 12A 角部
14 蓋体フランジ 16 蓋体係合部 19 外縁部 50 容器本体
52 収容部 53 容器フランジ 53A 曲線部分 53B 直線部分
58 容器係合部 60 立壁部 62 接続部 64 開裂部
68 折り曲げ部 70 押下げ位置 100 包装用容器
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の包装用容器を具体化した実施の形態を図面に従って説明する。図1は、蓋体10が容器本体50から分離した状態を示し、図2は、蓋体10が容器本体50に被さった状態を示す。
本実施の形態の包装用容器100は、蓋体10と容器本体50を備える。蓋体10及び容器本体50は、合成樹脂製であり、蓋体10、容器本体50のそれぞれは、複雑な形状を一体的に成形することができる。
蓋体10は、中央上方に位置する透明な天面部12と、この天面部12の外周(外側)に延設された周囲側壁部13と、この周囲側壁部13の外側に設けられた蓋体フランジ14を有している。蓋体10は、図1及び図2に示すように、天面部12が大きな面積を占めている。天面部12は、その角部12A(この場合は4隅)が丸みを帯びるとともに、平面視正方形状をなし、縦辺部12B及び横辺部12Cを備える。
容器本体50は、収容部52と、この収容部52の外周(外側)に位置する容器フランジ53を備える。本実施の形態の場合、収容部52には、収容空間56の空間容積を確保するため、底面から立ち上がる周囲側壁部54が連設され、この周囲側壁部54の外周(外側)には、容器フランジ53が連設されている。収容部52は、果物・弁当等の食品その他の収容物(図示せず)を収容することができる。
【0013】
前記蓋体フランジ14は、蓋体係合部16を備える一方、容器フランジ53は、容器係合部58(後述)を設けている。蓋体係合部16は容器係合部58と嵌合することで、蓋体10を容器本体50に被せた状態で、容器本体50は蓋体10でもって密封される。図3は、蓋体10が容器本体50に被せた状態で、蓋体フランジ14が容器フランジ53に嵌合した状態を示す。
蓋体フランジ14の具体的な構造として、図3に示すように、急峻に立ち下がった周囲側壁部13から、ほぼ水平方向外側に延びる大きい面積の平面部16Aと、この平面部16Aに設けられる液止め用の凹部17と、この凹部17から外側に向かって急峻に立ち上がる壁部18と、この壁部18から外側に延設する外縁部19とを備えており、この外縁部19が、容器係合部58の凸部60B(後述)と係合する機能を果たし、蓋体係合部16を構成する。
なお、外縁部19と凸部60Bとが係合する構造として、外縁部19及び凸部60Bの形態を変更する等、図示以外の構成を採用してもよい。また、蓋体フランジ14及び蓋体係合部16の係合構造は、図示以外の構成を採用してもよい。
【0014】
容器フランジ53は、図1及び図2に示すように、容器本体50の収容部52の外側に位置し、容器フランジ53の外周は、収容部52の4隅に位置する曲線部分53Aと、この曲線部分53Aから双方向に延びる直線部分53Bとを備える。
更に、容器フランジ53は、図3に示すように、収容部52及び容器係合部58間を相互に接続する接続部62を設けている。この場合、接続部62の外端に位置する立壁部60は、斜め上方に立ち上がる壁部60Aと、この壁部60Aから収容部52側に突き出る凸部60Bと、この凸部60Bから外側に緩やかな上り勾配面を一部(収容部52側)に有する平面部60Cと、この平面部60Cから下方に急峻に延びる壁部60Dと、この壁部60Dから外に延設される外縁部60E等を備える。立壁部60が壁部60A、凸部60B、平面部60C及び壁部60D等から構成され、立壁部60が外部からの力を吸収できる構造であるので、仮に、包装用容器100外側から衝撃が加わることがあった場合、立壁部60は衝撃力を吸収することができる。立壁部60の構造は、図示以外の構成を採用してもよい。
なお、平面部60Cは、凸部60Bを介して壁部60Aと繋がり、凸部60Bより高い位置にあるので、蓋体係合部16が容器係合部58と上方側から係合する際に、外縁部19が凸部60Bの下端側と当接する状態で、外縁部19は凸部60Bで係止される。かかる当接状態から、外縁部19が凸部60Bの下端側から持ち上げられると、外縁部19が凸部60Bの上側に移動して当接状態から離間状態に変化し、蓋体フランジ14及び容器フランジ53間の嵌合を開封させることができる。
【0015】
外縁部19が凸部60Bの下端側と強く係合する場合、蓋体フランジ14及び容器フランジ53間の嵌合強度を高める効果がある。また、外縁部19及び凸部60Bの下端側が接触している場合、消費者の指が外縁部19及び凸部60Bの下端側間に入り難くなり(密着性が高くなり)、いたずら抑止や防止等の機能が高くなる効果がある。
更に、立壁部60が、容器フランジ53の全外周に沿って配設されている場合、外縁部19の全周と壁部60Aの全周が係合することで、外縁部19の露出がなくなり消費者の指が立壁部60の内側(即ち、外縁部19外側と壁部60A間)に入り難くなるため、いたずら抑止や防止等の効果がある。また、立壁部60が全外周でつながっていることで、立壁部自体に剛性があるため、運搬、陳列時などで外部から衝撃が加わっても立壁部60の内側にある開裂部64が開裂せず、不用意に蓋体が外れない効果がある。
また、接続部62は、収容部52及び容器係合部58間を接続する一方、この接続部62には、収容部52と容器係合部58間の開裂を容易にする開裂部64が配設されている。
開裂部64は、具体的には、ミシン目等の如く、切れ目または切り込み等の切断部位と非切断部位を一列に並べたものである。開裂部の他の構成としては、例えば、レーザー加工等により肉厚の薄い部位(肉厚小部位)を設ける構成であってもよい。開裂部64がミシン目等からなる場合に、開裂部64に力が加わると、開裂部64の開裂が容易になる。開裂部64が開裂すると接続部62の形態が変わるので、消費者は、開裂部64の開裂状況を容易に目視できる状況になる。接続部62及び開裂部64は、図示以外の構成でよく、開裂状況が容易に認識できる形態であれば、その形態を採用してもよい。
【0016】
図4は、蓋体10が容器本体50から外された状態の、容器本体50の一角の周囲を示す。図5及び図6は、開裂部64が開裂し、容器本体50の一部が、容器本体50から開裂した状態を示す。
開裂部64は、図4で示す端部64A及び端部64C間で延設され、中心位置64Bを通る支点64D及び支点64E間(曲線部分64H)で立壁部60(容器係合部58)に沿うように配置され、容器フランジ53側に向かって突状となっている。このように開裂部64の先端が突状になっているため、開裂部64付近の立壁部60が押し下がると、開裂部64付近に力が集中しやすくなり、開裂が一層容易になる。
また、開裂部64は、接続部62の両端部62A、62B(図3参照)のほぼ中央部62Cから立壁部60に近いところに配置される(即ち、開裂部64が立壁部60の内側にある)ので、容器本体50外側からの力は、立壁部60等で吸収され、開裂部64に及ぼしにくい(外からの衝撃に強い)。このため、開裂部64の不用意な開裂を防止し、結果的に蓋体10が不用意に開くことを防止できる。
また、開裂部64の一部は(図4参照)、周囲側壁部54の縦辺部54B及び横辺部54Cと並設しており、開裂部64は、縦辺部54Bと並設する直線部64F(端部64A及び支点64D間)と、横辺部54Cと並設する直線部64G(端部64C及び支点64E間)と、両直線部64F、64Gを結ぶ曲線部64H(中心位置64Bを通る支点64D及び支点64E間)とを備える。
開裂部64の曲線部64H及び直線部64Fの縦辺部54Bに沿う部分の長さ(端部64A及び中心位置64B間の長さ)は、開裂部64の曲線部64H及び直線部64Gの横辺部54Cに沿う部分の長さ(端部64C及び中心位置64B間の長さ)とほぼ等しくなっており、その長さは概ね40~60mm程度である。
上記のように開裂部64の長さを等しくする理由は、接続部62や開裂部64に力が加わって、収容部52及び容器係合部58間が開裂部64で開裂し、接続部62が降下する場合、中心位置64B付近が一番降下し、且つ、縦辺部54Bに沿う開裂部64付近の降下量と横辺部54C付近の開裂部64の降下量を同程度として(即ち、縦辺部54Bに沿う開裂部64付近の降下の際の形態と、横辺部54C付近の開裂部64の降下の際の形態が同様な形態となる)、両形態に相違を生じさせなくすることで、より容易に開裂させるためである。このように開裂部64が開裂した際、既述した如く、開裂部64の降下に伴う接続部62の降下量が前記双方向に関し等しくなることで、降下量が不均一になる場合に比べて、容易に開裂でき、美観が優れる。
【0017】
この場合、消費者等が後述する両折り曲げ部68間を跨ぐ平面部60C及びその周囲の接続部62や開裂部64付近等(以下「押下げ位置70」という。)を押下すると、接続部62や開裂部64に対し上方から力が加わることで、収容部52と容器係合部58間が開裂し、開裂した接続部62(容器係合部58側)が降下するので、この降下の状況を目視すると、収容部52と容器係合部58間の開裂した状態も把握しやすくする。
また、立壁部60の平面部60Cは、収容部52の底面とほぼ平行となるが、この平面部60Cにおける前記開裂部64の両端(64A、64C)付近に、開裂部64の開裂を容易にする折り曲げ部68をそれぞれ設けている。この場合、押下げ位置70を指先で押下すると、蓋体フランジ14の位置(高さ)が保持された状態で、押下げ位置70において下方へ向かう力が折り曲げ部68に加わることで、折り曲げ部68が変形して折れ曲がり、接続部62及び開裂部64等に対して加わる力が大きくなる。そして、接続部62及び開裂部64等に対し力が加わる場合、立壁部60等に沿って開裂部64が開裂し、開裂部64付近の立壁部60に近い接続部62がより降下することになる。
このように開裂部64における開裂が大きくなると、図6に示すように、開裂部64の外側に位置する立壁部60が外縁部19より低い位置まで下がることで、外縁部19が露出し指で摘まむことができる。この結果、蓋体10の取り外しは容易になる他に、この動作の際、開裂部64には、開裂の痕跡が残ることになる。そのため、管理者等は、この痕跡を確認することで、蓋体10に関し既に開封される動作が行われたか否かを簡単に把握できる。
また、折り曲げ部68を平面部60Cに設ける場合、開裂部64の開裂が容易になり、開裂部64の開裂が顕著になって、開裂部64の開裂状況が認識し易くなる。もっとも、折り曲げ部68は、上記以外の位置で配置してもよいし、折り曲げ部68の大きさ、形状等を適宜変更してもよい。また、押下げ位置70付近に押し下げを示唆する押下示唆部を設けても良いし、必要であれば、容器100の外側に、操作を容易にする摘み部(図示せず)を配設しても良い。
本実施の形態の場合、従来技術と異なり、摘み部及び押下示唆部を形成していないため、容器本体50の製造が簡素化できる効果がある。
【0018】
また、容器フランジ53の立壁部60は、全外周に沿って配設されることで、立壁部60の剛性が大きくなり、全体的な強度が保たれ、更に外側から立壁部60内側に向かう力を減らすので、蓋体10及び容器本体50は、外側からの衝撃力に対し強いという特性がある。
以上、上述した如く本実施の形態の包装用容器100によれば、包装用容器100は、収容部52の外側に容器フランジ53を有する容器本体50と、蓋体フランジ14を有する蓋体10を備える。蓋体フランジ14が容器フランジ53に嵌合した状態で、蓋体10下方の収容空間56で収容物が収容される。蓋体フランジ14は、外側に位置する蓋体係合部16を備え、容器フランジ53は、立壁部60と、この立壁部60の収容部側に位置し、蓋体係合部16と係合する容器係合部58と、収容部52及び容器係合部58を相互に接続する接続部62を備え、この接続部62に、収容部52と容器係合部58間の開裂を容易にする開裂部64を設け、開裂部64は立壁部60に沿う位置に配置されている。このような構造であることから、消費者や管理者等は、蓋体10が既に開封されたか否かの状況を、即ち、これまでの蓋体の開封状況を簡単に把握できる。この結果、蓋体10が不用意に既に開封された場合は、管理者は、開封した包装用容器100を撤去したり、不用意に開封した者に対し適切な対応をすることができる。
【0019】
そのため、いたずらや改ざんを企てる者は、その試みを企てることをためらったり、諦めたりするので、いたずら抑止やいたずら防止、改ざん抑止等の機能を果たすことができる。これにより、本実施の形態の包装用容器100は極めて簡易な構造で、いたずら抑止等の役割を果たすこともできる。
他の実施の形態として、収容部52及び容器係合部58間の開裂を容易にする工夫を施すことで、開裂部64の長さを短く設定することもできる。また、蓋体10や容器本体50の平面視正方形状を、円形状、楕円形状、長方形状等に設計変更しても良い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6