(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013275
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】端末装置、プログラムおよび印刷システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240125BHJP
B41J 5/30 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G06F3/12 347
G06F3/12 303
B41J5/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115224
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕太
【テーマコード(参考)】
2C187
【Fターム(参考)】
2C187AC05
2C187AE07
2C187BF11
2C187BG03
2C187BG05
2C187CC16
(57)【要約】
【課題】2次元コードを含む印字イメージを適切に印刷する。
【解決手段】端末装置とプリンタとを別体または一体で有する印刷システムにおける前記端末装置であって、印刷に使用する前記プリンタがページモードの機能を有する場合に前記プリンタの前記ページモードの機能を使用することを優先させるように、前記印刷の印字イメージを生成する形態を判断するイメージ生成判断部と、前記イメージ生成判断部によって前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態を判断した場合、前記印刷の対象となる印刷対象データを前記プリンタの前記ページモードの機能に対応したコマンドへ変換するコマンド変換部と、を備える、端末装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置とプリンタとを別体または一体で有する印刷システムにおける前記端末装置であって、
印刷に使用する前記プリンタがページモードの機能を有する場合に前記プリンタの前記ページモードの機能を使用することを優先させるように、前記印刷の印字イメージを生成する形態を判断するイメージ生成判断部と、
前記イメージ生成判断部によって前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態を判断した場合、前記印刷の対象となる印刷対象データを前記プリンタの前記ページモードの機能に対応したコマンドへ変換するコマンド変換部と、
を備える、端末装置。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記プリンタの前記ページモードの機能の使用に関するユーザの設定内容を記憶する記憶部を備え、
前記イメージ生成判断部は、前記ユーザの前記設定内容を優先させて、前記印字イメージを生成する形態を判断する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記イメージ生成判断部は、前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態の前記印字イメージが前記プリンタの印刷可能範囲に収まらない場合、前記印字イメージを生成する形態として、前記端末装置において前記印字イメージを縮小した印字イメージを生成する形態を判断する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記印字イメージを生成する形態として、前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態と、前記プリンタのスタンダードモードの機能を使用して印字イメージを生成する形態と、前記端末装置の前記ページモードの機能を使用して印字イメージを生成する形態、がある、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記端末装置は、前記プリンタとは別体であり、
前記端末装置は、前記コマンド変換部によって変換された前記コマンドを前記プリンタに送信する通信部を備える、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項6】
端末装置とプリンタとを別体または一体で有する印刷システムにおける前記端末装置を構成するコンピューターに、
印刷に使用する前記プリンタがページモードの機能を有する場合に前記プリンタの前記ページモードの機能を使用することを優先させるように、前記印刷の印字イメージを生成する形態を判断するイメージ生成判断機能と、
前記イメージ生成判断機能によって前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態を判断した場合、前記印刷の対象となる印刷対象データを前記プリンタの前記ページモードの機能に対応したコマンドへ変換するコマンド変換機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項7】
端末装置とプリンタとを別体または一体で有する印刷システムであって、
前記端末装置は、
印刷に使用する前記プリンタがページモードの機能を有する場合に前記プリンタの前記ページモードの機能を使用することを優先させるように、前記印刷の印字イメージを生成する形態を判断するイメージ生成判断部と、
前記イメージ生成判断部によって前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態を判断した場合、前記印刷の対象となる印刷対象データを前記プリンタの前記ページモードの機能に対応したコマンドへ変換するコマンド変換部と、
を備える、
印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置、プログラムおよび印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置からプリンタに印刷の指示を送ることで、当該プリンタによりレシートなどの媒体に印刷を行う印刷システムが知られている。このような印刷システムとしては、端末装置とプリンタとが別体である場合と、端末装置の機能とプリンタの機能とが一体である場合がある。
端末装置では、例えば、専用のアプリケーションを用いて、プリンタに印刷の指示を行う。
【0003】
このような印刷システムでは、レシートなどに印刷を行う際に印字イメージを生成する形態として、複数の形態があり得る。
例えば、印字イメージをプリンタの側で生成する形態の印刷システム、または、印字イメージを端末装置の側で生成する形態の印刷システム、あるいは、印字イメージを生成する機能をプリンタの側と端末装置の側との双方で有し、ユーザがプリンタと端末装置とのいずれの機能を使用するかを選択することが可能な形態の印刷システムがある。
【0004】
また、このような印刷システムでは、バーコードなどの2次元コードを含む印字イメージの印刷を行う場合がある。
【0005】
例えば、特許文献1に記載されたプリンタでは、指定されたバーコードに対応するバーコードフォントを発生するバーコード発生器と、上位装置からの印字指令を解析してそれがバーコード印字に関する印字指令であることを認識したとき当該バーコード発生器から指定されたバーコードに対応するバーコードフォントを取り出して印字データを編集する制御部とを備える(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、印字イメージを生成する機能をプリンタの側と端末装置の側との双方で有する印刷システムにおいて、端末装置からプリンタにコマンドを送信することで印字イメージを順次生成するモード(スタンダードモード)によってプリンタの側でバーコードを含む印字イメージを生成する場合には、次のような問題があった。
すなわち、スタンダードモードでは、プリンタの印刷モードと印字イメージとの組み合わせによっては、例えば、バーコードの左右には文字を配置することができない、などの印刷制約が存在する。
また、このような印刷制約の要件を正確に判断する知識を持たないユーザにとっては、適切な印刷モードを選択することができない。
【0008】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、2次元コードを含む印字イメージを適切に印刷することができる端末装置、プログラムおよび印刷システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、端末装置とプリンタとを別体または一体で有する印刷システムにおける前記端末装置であって、印刷に使用する前記プリンタがページモードの機能を有する場合に前記プリンタの前記ページモードの機能を使用することを優先させるように、前記印刷の印字イメージを生成する形態を判断するイメージ生成判断部と、前記イメージ生成判断部によって前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態を判断した場合、前記印刷の対象となる印刷対象データを前記プリンタの前記ページモードの機能に対応したコマンドへ変換するコマンド変換部と、を備える、端末装置である。
【0010】
本開示の一態様は、端末装置とプリンタとを別体または一体で有する印刷システムにおける前記端末装置を構成するコンピューターに、印刷に使用する前記プリンタがページモードの機能を有する場合に前記プリンタの前記ページモードの機能を使用することを優先させるように、前記印刷の印字イメージを生成する形態を判断するイメージ生成判断機能と、前記イメージ生成判断機能によって前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態を判断した場合、前記印刷の対象となる印刷対象データを前記プリンタの前記ページモードの機能に対応したコマンドへ変換するコマンド変換機能と、を実現させるためのプログラムである。
【0011】
本開示の一態様は、端末装置とプリンタとを別体または一体で有する印刷システムであって、前記端末装置は、印刷に使用する前記プリンタがページモードの機能を有する場合に前記プリンタの前記ページモードの機能を使用することを優先させるように、前記印刷の印字イメージを生成する形態を判断するイメージ生成判断部と、前記イメージ生成判断部によって前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態を判断した場合、前記印刷の対象となる印刷対象データを前記プリンタの前記ページモードの機能に対応したコマンドへ変換するコマンド変換部と、を備える、印刷システムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る端末装置、プログラムおよび印刷システムによれば、2次元コードを含む印字イメージを適切に印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る印刷システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るプリンタの構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る端末装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係るスタンダードモードの印刷物の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係るページモードの印刷物の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る印刷システムにおいて行われる処理の一例を示す図である。
【
図7】実施形態の変形例に係る印刷システムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
【0015】
[印刷システム]
図1は、実施形態に係る印刷システム1の構成の一例を示す図である。
印刷システム1は、複数であるN個のプリンタ11-1~11-Nと、1個の端末装置12と、を備える。
ここで、本実施形態では、説明を簡易化するために、1個の端末装置12を示すが、印刷システム1に複数の端末装置が備えられていてもよい。
【0016】
端末装置12は、それぞれのプリンタ11-1~11-Nと通信を行うことが可能である。
端末装置12とそれぞれのプリンタ11-1~11-Nとの通信は、例えば、有線の通信であってもよく、または、無線の通信であってもよく、あるいは、有線と無線を含む通信であってもよい。
端末装置12とそれぞれのプリンタ11-1~11-Nとは、例えば、必要なときだけ通信接続する構成が用いられてもよく、あるいは、常時、通信接続している構成が用いられてもよい。
【0017】
<印刷対象>
本実施形態では、2次元コードの一例であるバーコードの情報を含む印刷対象データの印刷をプリンタ11-1~11-Nにより行う場合を示す。本実施形態では、当該印刷対象データに対応するコマンドを端末装置12からプリンタ11-1~11-Nに送り、当該印刷対象データの印刷をプリンタ11-1~11-Nにより行う。
つまり、本実施形態では、ホストとなる端末装置12からの要求(印刷指示)によって、プリンタ(プリンタ11-1~11-Nのいずれか)により、バーコードを含む印字イメージの印刷を行う。
なお、2次元コードとしては、例えば、バーコード以外の任意のコードが用いられてもよい。
【0018】
<プリンタ>
複数のプリンタ11-1~11-Nは、それぞれ、任意の場所に設置されていてもよく、例えば、コンビニエンスストアなどの店の中に設置されていてもよい。
具体例として、複数のプリンタ11-1~11-Nの一部または全部は、バーコードの情報を含む印字イメージを紙面に印刷して出力する発券機であってもよい。
また、具体例として、複数のプリンタ11-1~11-Nの一部または全部は、POS(Point Of Sales)に備えられて、バーコードの情報を含む印字イメージをレシート(紙面)に印刷して出力するレシート発行機であってもよい。
本実施形態では、プリンタ11-1~11-Nは、それぞれ、サーマルプリンタであるが、これに限定されず、様々なプリンタが用いられてもよい。
【0019】
なお、複数のプリンタ11-1~11-Nは、例えば、同一の施設(例えば、店舗など)のように近隣に設置されていてもよく、あるいは、異なる施設のように離隔して設置されていてもよい。
また、複数のプリンタ11-1~11-Nのうちの一部または全部は、移動させられることが可能なモバイル型のプリンタであってもよい。
【0020】
バーコードの情報としては、任意の情報であってもよく、例えば、広告などのために所定のサイトのURL(Uniform Resorce Locator)を表す情報であってもよく、個人または会社などの団体を表す情報であってもよく、あるいは、商品を表す情報などであってもよい。
なお、1個の印字イメージ(ひとまとまりの印字イメージ)に2個以上のバーコードのイメージが含まれる印刷対象データが用いられてもよい。
【0021】
本実施形態では、複数のプリンタ11-1~11-Nは、それぞれ、所定のモード(本実施形態では、説明の便宜上、ページモードと呼ぶ。)の機能を有するか否かが異なり得る。
本実施形態では、説明の便宜上、ページモードの機能の有無を除いて、複数のプリンタ11-1~11-Nの構成および動作は同様であるとする。
なお、他の例として、ページモードの機能の有無以外の点で複数のプリンタ11-1~11-Nの構成および動作が異なり得る構成が用いられてもよい。
【0022】
図2は、実施形態に係るプリンタ11-1の構成の一例を示す図である。
ここでは、説明の便宜上、プリンタ11-1の構成および動作について説明するが、他のプリンタ11-2~11-Nの構成および動作についても、ページモードの機能の有無を除いて、同様である。
【0023】
プリンタ11-1は、通信部111と、印刷部112と、制御部113と、を備える。
制御部113は、記憶部131と、コマンド解析部132と、を備える。
【0024】
なお、
図2に示されるプリンタ11-1の構成例は、本実施形態の説明のための概略的な構成例であり、他の様々な構成が用いられてもよい。
【0025】
通信部111は、他の装置と通信を行う機能を有する。本実施形態では、通信部111は、端末装置12との間で通信を行う。
【0026】
印刷部112は、印刷対象データに基づく印字イメージの印刷を行う機能を有する。本実施形態では、印刷部112は、制御部113からの指示にしたがって、レシートなどの紙面に印字イメージの印刷を行う。
本実施形態では、印刷部112は、バーコードのイメージを生成する機能を有する。
【0027】
制御部113は、プリンタ11-1における各種の制御および処理を実行する。
記憶部131は、各種の情報(データと呼ばれてもよい。)を記憶する。
コマンド解析部132は、端末装置12から受信された印刷指示のコマンドを解析する。
制御部113は、コマンド解析部132によって印刷指示のコマンドが解析された結果に基づいて、印刷部112により印字イメージの印刷を実行させる。
【0028】
ここで、例えば、制御部113は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサーを備えており、当該プロセッサーにより記憶部131に記憶されたプログラム(制御プログラム)を実行することで、各種の制御および処理を実行する。
【0029】
<プリンタのモード>
本実施形態では、すべてのプリンタ11-1~11-Nは、標準的なモード(本実施形態では、説明の便宜上、スタンダードモードと呼ぶ。)の機能を有している。
また、本実施形態では、N個のプリンタ11-1~11-Nのうちの一部はページモードの機能を有しており、他の部(残り)はページモードの機能を有していない。
つまり、本実施形態では、N個のプリンタ11-1~11-Nのうちの一部はスタンダードモードの機能およびページモードの機能の双方を有しており、他の部(残り)はスタンダードモードの機能を有するがページモードの機能を有していない。
【0030】
また、本実施形態では、すべてのプリンタ11-1~11-Nは、端末装置12から受信した印字イメージのデータを印刷部112により印刷する機能を有している。
ここで、当該データは、ドット単位の情報を持つ印字イメージであり、端末装置12からプリンタ11-1に送信される場合がある。
【0031】
<端末装置>
図3は、実施形態に係る端末装置12の構成の一例を示す図である。
端末装置12は、ユーザ(図示を省略)により操作される。
端末装置12は、例えば、スマートフォン、あるいは、他のパーソナルコンピューターなどであってもよい。
【0032】
端末装置12は、入力部211と、出力部212と、通信部213と、制御部214と、を備える。
入力部211は、ユーザによって操作することが可能な操作部231を備える。
出力部212は、情報を表示する画面を有する表示部232を備える。
制御部214は、記憶部251と、イメージ生成判断部271と、イメージ生成部272と、コマンド変換部273と、を備える。
【0033】
ここで、本実施形態では、イメージ生成判断部271、イメージ生成部272、および、コマンド変換部273は、専用のアプリケーションによって実現される機能部(アプリケーション機能部311)となっているが、必ずしも、このような構成に限定されなくてもよい。
【0034】
なお、
図3に示される端末装置12の構成例は、本実施形態の説明のための概略的な構成例であり、他の様々な構成が用いられてもよい。
【0035】
入力部211は、外部から情報を入力する。
入力部211は、例えば、ユーザによって行われる操作部231の操作の内容に応じた情報を入力してもよい。当該情報は、所定の指示であってもよい。
出力部212は、外部へ情報を出力する。
出力部212は、例えば、表示対象の情報を表示部232の画面に表示出力してもよい。これにより、ユーザは、当該画面に表示出力された情報を閲覧等することが可能である。
なお、表示部232の画面にタッチパネル機能を備え、当該タッチパネル機能が操作部231として用いられてもよい。
通信部213は、外部の装置と通信を行う機能を有する。本実施形態では、通信部213は、それぞれのプリンタ11-1~11-Nとの間で通信を行う。
【0036】
制御部214は、端末装置12における各種の制御および処理を実行する。
記憶部251は、各種の情報を記憶する。
【0037】
本実施形態では、印刷対象のデータ(印刷対象データ)が、端末装置12または他の装置で発生する。
一例として、端末装置12が商品の会計等を行う機能を有していて、当該会計等の結果を表す情報を含む印刷対象データを発生してもよい。
他の例として、端末装置12以外のサーバー装置など(他の装置)が、印刷対象データを発生し、発生した当該印刷対象データを端末装置12に送信してもよい。これにより、端末装置12は当該印刷対象データを取得する。
【0038】
イメージ生成判断部271は、印字イメージの生成処理を端末装置12の側で実行する形態と、印字イメージの生成処理をプリンタ(印刷指示を発する先のプリンタ)の側で実行する形態と、のいずれの形態を使用するかを判断する。
【0039】
このような判断の際、イメージ生成判断部271は、例えば、印刷指示を発する先のプリンタの機能を確認してもよい。
また、このような判断の際、イメージ生成判断部271は、例えば、ユーザによる形態に関する設定内容がある場合には、当該設定内容を確認してもよい。
【0040】
具体的には、イメージ生成判断部271は、印刷対象データが印刷制約の要件に当てはまるか否かを判断する機能を有しており、これにより、まず、第1段階の判断処理として、当該印刷対象データをスタンダードモードで印刷するか否かを判断する。
この結果、イメージ生成判断部271は、当該印刷対象データをスタンダードモードで印刷するすると判断した場合、当該印刷対象データをスタンダードモードで印刷するためのコマンドをプリンタに送信する。
一方、イメージ生成判断部271は、当該印刷対象データをスタンダードモードで印刷しないと判断した場合、第2段階の判断処理へ移行する。
【0041】
なお、印刷対象データをスタンダードモードで印刷するか否かを判断する手法としては、任意の手法が用いられてもよく、必ずしも印刷対象データをスタンダードモードで印刷することが可能であるか否かに基づいて判断されなくてもよい。
【0042】
ここで、イメージ生成判断部271は、印刷対象データをスタンダードモードで印刷するか否かを判断する際に、例えば、印刷対象データの内容を確認してもよい。
具体例として、イメージ生成判断部271は、印刷対象データにバーコードが含まれるか否かを判断して、印刷対象データにバーコードが含まれないと判断した場合にはスタンダードモードを選択し、印刷対象データにバーコードが含まれると判断した場合にはスタンダードモードを選択しない、という構成が用いられてもよい。
【0043】
なお、イメージ生成判断部271は、印刷対象データにバーコードが含まれる場合においても、スタンダードモードを選択する余地を持っていてもよい。具体例として、イメージ生成判断部271は、印刷対象データにバーコードが含まれる場合、スタンダードモードを使用する形態でも十分であるか否かを判断して、スタンダードモードを使用する形態でも十分であると判断した場合にはスタンダードモードを選択し、他の場合にはスタンダードモードを選択しない、構成とされてもよい。
【0044】
第2段階の判断処理では、イメージ生成判断部271は、印刷指示を発する先のプリンタがページモードの機能を有しているか否か(つまり、ページモードをサポートしているか否か)を判断する。
この結果、イメージ生成判断部271は、当該プリンタがページモードの機能を有していると判断した場合、当該プリンタのページモードの機能を使用することを決定し、当該プリンタの側で印字イメージの生成処理を行うように制御する。
一方、イメージ生成判断部271は、当該プリンタがページモードの機能を有していないと判断した場合、端末装置12のページモードの機能を使用することを決定し、端末装置12の側(本実施形態では、イメージ生成部272)で印字イメージの生成処理を行うように制御する。
【0045】
また、イメージ生成判断部271は、例えば、ユーザによる操作部231の操作などに応じて、端末装置12の側(本実施形態では、イメージ生成部272)で印字イメージを生成することを常時行う設定が可能である。このような設定がされると、固定的に、端末装置12の側(本実施形態では、イメージ生成部272)で印字イメージの生成が行われる。
このような設定は、例えば、印刷制約の要件の判断が可能であって、印刷モードの適宜変更を希望しないユーザに向けたものである。例えば、印字イメージの生成処理を端末装置12の側で行うかプリンタの側で行うかによって、同一の印刷対象データであっても、印刷の結果(印刷物の見た目)が変わり得るという状況があるため、ユーザは当該設定によって、このような状況を防止することができる。
【0046】
このように、本実施形態に係る印刷システム1では、印刷対象データをスタンダードモードで印刷することが妥当ではない場合においても、適切な印刷モードを使用することが可能である。
また、本実施形態に係る印刷システム1では、ユーザの設定によって印刷イメージの生成処理が端末装置12の側で行われるように固定したときには、ユーザの設定内容に基づいて、適切な印刷モードを使用することが可能である。
【0047】
ここで、ユーザが選択できる印刷モードとしては、例えば、ドット印刷(端末装置12のページモードの機能を使用したドット印刷)を優先する印刷モードと、プリンタの側で印字イメージを生成する印刷を優先する印刷モードと、いった二択があり得るが、必ずしも、これらに限られない。
本実施形態では、ユーザは、当該ユーザの希望に応じて、印刷モードの優先度を設定することが可能である。
また、このような印刷モードの優先度は、例えば、すべての印刷について共通に設定されてもよく、あるいは、印刷ごとの単位のように、所定の単位ごとに設定されてもよい。
また、このような印刷モードの優先度は、例えば、あらかじめ設定されてもよく、あるいは、任意のタイミングで設定(新規設定、または、設定後の変更の設定)することが可能であってもよい。
【0048】
ドット印刷を優先する印刷モードがユーザによって選択されている場合、イメージ生成判断部271は、端末装置12の側で印字イメージを生成するように制御を行う。
【0049】
一方、プリンタの側で印字イメージを生成する印刷を優先する印刷モードが選択されている場合、イメージ生成判断部271は、印刷指示を発する先のプリンタがページモードの機能を有しているか否かを判断(確認)する。
そして、当該プリンタがページモードの機能を有している場合には、イメージ生成判断部271は、当該プリンタの側で印字イメージを生成するように制御を行う。
また、当該プリンタがページモードの機能を有していない場合には、イメージ生成判断部271は、端末装置12の側で印字イメージを生成するように制御を行う。
【0050】
また、ユーザが選択することが可能な印刷モードとして、印刷モードの適宜変更を希望しないユーザ(例えば、印刷制約の要件を判断することが可能なユーザ)向けに、端末装置12の側で印字イメージの生成を行うことを固定させる印刷モードが用意されてもよい。
なお、このような印刷モードは、必ずしも使用されなくてもよい。
【0051】
また、端末装置12の側で印字イメージを生成する処理に関し、例えば、印刷指示を発する先のプリンタにおける印刷可能範囲の内部に印字イメージが収まるように、端末装置12の側で印字イメージの縮小(または、拡大)を行う機能を有していてもよい。
当該機能は、制御部214(例えば、イメージ生成部272)に備えられてもよい。
また、印字イメージの縮小(または、拡大)は、例えば、印字イメージの全体について行われてもよく、あるいは、印字イメージに含まれる一部のイメージについて行われてもよい。
【0052】
ここで、端末装置12において、それぞれのプリンタ11-1~11-Nがページモードの機能を有しているか否かを判断する手法としては、特に限定はなく、任意の手法が用いられてもよい。
【0053】
一例として、制御部214(例えば、イメージ生成判断部271)は、判断対象となるプリンタ(本実施形態では、プリンタ11-1~11-Nのうちの1個)に、ページモードの機能の有無を質問する所定のコマンドを送信し、当該コマンドに対する当該プリンタからのレスポンスのコマンドを受信し、当該レスポンスの内容に基づいて、当該プリンタがページモードの機能を有するか否かを判断する手法が用いられてもよい。
この場合、当該プリンタは、端末装置12から当該所定のコマンドを受信した場合に、当該レスポンスのコマンドを端末装置12に送信(返信)する機能を有している。当該レスポンスのコマンドは、当該プリンタがページモードの機能を有するか否かを表す情報を含む。
【0054】
一例として、制御部214(例えば、イメージ生成判断部271)は、判断対象となるプリンタ(本実施形態では、プリンタ11-1~11-Nのうちの1個)と通信した際に、当該プリンタから受信されるコマンドを解析し、その解析の結果に基づいて、当該プリンタがページモードの機能を有するか否かを判断する手法が用いられてもよい。
【0055】
一例として、制御部214(例えば、イメージ生成判断部271)は、判断対象となるプリンタ(本実施形態では、プリンタ11-1~11-Nのうちの1個)が所定の記憶装置を備えるか否かを判断し、その結果に基づいて、当該プリンタがページモードの機能を有するか否かを判断する手法が用いられてもよい。
この場合、ページモードの機能を有するプリンタは当該所定の記憶装置を備え、ページモードの機能を有していないプリンタは当該所定の記憶装置を備えない、構成を想定している。
当該所定の記憶装置は、例えば、ページモードの機能を実現するために必要なRAM(Random Access Memory)などであってもよい。
【0056】
一例として、制御部214(例えば、イメージ生成判断部271)は、あらかじめ、各プリンタの識別情報(ID)と、ページモードの有無を表す情報と、を対応付けた情報(例えば、テーブル)を記憶しておいて、当該テーブルの内容に基づいて、各プリンタがページモードの機能を有するか否かを判断する手法が用いられてもよい。
この場合、制御部214(例えば、イメージ生成判断部271)は、判断対象となるプリンタ(本実施形態では、プリンタ11-1~11-Nのうちの1個)から受信する情報に基づいて、当該プリンタの識別情報を特定する機能を有する。
当該識別情報としては、任意の情報が用いられてもよく、例えば、各プリンタに固有な装置情報、または、各プリンタに割り当てられた識別情報などが用いられてもよい。
なお、当該テーブルの内容の情報は、例えば、記憶部251などに記憶されてもよい。
【0057】
一例として、制御部214(例えば、イメージ生成判断部271)は、あらかじめ、各プリンタの型番を表す情報と、ページモードの有無を表す情報と、を対応付けた情報(例えば、テーブル)を記憶しておいて、当該テーブルの内容に基づいて、各プリンタがページモードの機能を有するか否かを判断する手法が用いられてもよい。
この場合、制御部214(例えば、イメージ生成判断部271)は、判断対象となるプリンタ(本実施形態では、プリンタ11-1~11-Nのうちの1個)から受信する情報に基づいて、当該プリンタの型番を特定する機能を有する。
なお、当該テーブルの内容の情報は、例えば、記憶部251などに記憶されてもよい。
【0058】
一例として、制御部214(例えば、イメージ生成判断部271)は、あらかじめ、印刷指示を発する先の1個以上のプリンタ(本実施形態では、プリンタ11-1~11-Nのうちの1個以上)のそれぞれについて、ページモードの機能を有するか否かを表す情報を記憶しておいて、その情報に基づいて、各プリンタがページモードの機能を有するか否かを判断する手法が用いられてもよい。
なお、当該情報は、例えば、記憶部251などに記憶されてもよい。
【0059】
このように、端末装置12では、例えば、判断が必要なときに各プリンタ11-1~11-Nと通信を行うことで当該各プリンタ11-1~11-Nがページモードの機能を有するか否かを判断してもよく、あるいは、あらかじめ、各プリンタ11-1~11-Nがページモードの機能を有するか否かを記憶しておいてもよい。
【0060】
イメージ生成部272は、ページモードの機能を有している。
イメージ生成部272は、印字イメージの生成処理を端末装置12で実行する形態が用いられる場合、ページモードの機能によって、印字イメージを生成する。
【0061】
コマンド変換部273は、印刷指示を発する先のプリンタに印刷を指示するためのコマンドを生成する。
例えば、当該プリンタの側で印字イメージの生成処理が行われる場合、コマンド変換部273は、印刷対象データを、当該プリンタによって当該印刷対象データに基づく印字イメージを生成するためのコマンドへ変換する。
また、例えば、端末装置12の側で印字イメージの生成処理が行われる場合、コマンド変換部273は、当該印字イメージを、当該プリンタによって印刷するためのコマンドへ変換する。
【0062】
ここで、例えば、制御部214は、CPUなどのプロセッサーを備えており、当該プロセッサーにより記憶部251に記憶されたプログラム(制御プログラム)を実行することで、各種の制御および処理を実行する。
【0063】
<スタンダードモード>
スタンダードモードについて説明する。
スタンダードモードは、コマンドの順に印字を行うモードである。
スタンダードモードは、例えば、レシートなどのように、非定型の長さでの印字に適している。
【0064】
図4は、実施形態に係るスタンダードモードの印刷物411の一例を示す図である。
なお、
図4の例では、印刷物411として、紙面の一部を示してある。
印刷物411は、
図4に示される紙送り方向D1に沿って、搬送される。
印字命令としては、例えば、(手順1)テキストデータの送信、(手順2)バーコードの印字の命令、(手順3)指定されたファイルの送信(イメージファイルを指定)、がある。
このような印字命令によって、テキストデータの印字、バーコードの印字、イメージファイルの印字が行われる。
【0065】
図4の例では、印刷物411の紙面に、テキストデータが印字されたテキスト部431と、バーコードが印字されたバーコード部432と、イメージファイルのデータ(イメージデータ)が印字されたイメージ部433が形成される。
【0066】
なお、
図4の例では、1個の印字イメージ(ひとまとまりの印字イメージ)に、テキストデータの印字イメージ部分、バーコードの印字イメージ部分、および、イメージファイルの印字イメージ部分が含まれる場合を示したが、必ずしもこれに限られず、例えば、印刷対象ごとに、これらのうちの1個の印字イメージ(のみ)が用いられてもよく、または、これらのうちの2個の印字イメージ部分を含む印字イメージが用いられてもよい。
【0067】
<ページモード>
ページモードについて説明する。
ページモードは、1ページごとに印字を行うモードである。
ページモードでは、初めにページモードの印字領域を確保し、確保した印字領域における任意の位置に、印刷データ(それぞれのイメージ部分)を展開していく。そして、展開された印刷データは、ページモードの印字命令に応じて印刷される。
ページモードは、例えば、定型の長さでの印字に適している。また、ページモードは、例えば、文章の書き出しあるいは罫線の印字位置などを座標指定することが必要である印字に適している。
【0068】
図5は、実施形態に係るページモードの印刷物511の一例を示す図である。
なお、
図5の例では、印刷物511として、紙面の一部を示してある。
印刷物511は、
図5に示される紙送り方向D2に沿って、搬送される。
印字命令としては、例えば、(手順1)ページモードの開始、(手順2)ページモードの印字領域(印刷領域)の指定、(手順3)ページモードのテキストデータの送信、(手順4)ページモードのバーコードの印字の命令、(手順5)ページモードの指定されたファイルの送信(イメージファイルを指定)、(手順6)ページモードの印字、(手順7)ページモードの終了がある。
ここで、(手順6)ページモードの印字では、(手順3)~(手順5)におけるデータを、(手順2)で指定された印字領域に印字する処理が行われる。
ページモードの印字では、1個の印字イメージ(ひとまとまりの印字イメージ)を構成する各印字イメージ部分が印字領域の所定箇所に配置される。
【0069】
図5の例では、印刷物511の紙面に、印字領域(印刷領域)531が指定され、そして、テキストデータが印字されたテキスト部551と、バーコードが印字されたバーコード部552と、イメージファイルのデータ(イメージデータ)が印字されたイメージ部553が形成される。
このように、ページモードでは、指定された印字領域に、展開されたそれぞれのデータ(例えば、テキストの印字データ、バーコードの印字データ、イメージファイルの印字データ)を配置して印刷することが可能である。
【0070】
なお、
図5の例では、1個の印字イメージ(ひとまとまりの印字イメージ)に、テキストデータの印字イメージ部分、バーコードの印字イメージ部分、および、イメージファイルの印字イメージ部分が含まれる場合を示したが、必ずしもこれに限られず、例えば、印刷対象ごとに、これらのうちの1個の印字イメージ(のみ)が用いられてもよく、または、これらのうちの任意の2個の印字イメージ部分が用いられてもよい。
【0071】
<スタンダードモードとページモード>
本実施形態では、プリンタ11-1~11-Nのスタンダードモードの機能を使用する場合と、プリンタ11-1~11-Nのページモードの機能を使用する場合とでは、いずれも、端末装置12からプリンタ11-1~11-Nに所定のコマンドを送信して、プリンタ11-1~11-Nの側で当該コマンドに基づいて印字イメージを生成する。また、当該印字イメージにバーコードが含まれる場合には、プリンタ11-1~11-Nの側で当該バーコードの印字イメージを生成する。
なお、スタンダードモードでのコマンドと、ページモードでのコマンドとは、一部または全部が異なっていてもよい。
【0072】
ページモードの機能では、スタンダードモードの機能と比べて、比較的自由にバーコードおよび文字などを配置させることが可能である。一方、スタンダードモードの機能では、コマンドの順にイメージを生成するため、ページモードの機能と比べて、配置の自由度が小さい。
ページモードの機能では、例えば、座標単位で印字イメージの配置が可能であり、印字領域の指定(例えば、上下左右の余白の指定など)が可能であり、バーコードを90度回転して配置することなども可能である。
【0073】
<処理の手順の一例>
図6は、実施形態に係る印刷システム1において行われる処理の一例を示す図である。
図6の例では、端末装置12によって、3種類の印刷モードが使い分けられる。
第1の印刷モードは、プリンタ11-1~11-Nのスタンダードモードの機能を使用する印刷モードである。第1の印刷モードでは、プリンタ11-1~11-Nの側で、スタンダードモードの機能により、印字イメージを生成する。
第2の印刷モードは、プリンタ11-1~11-Nのページモードの機能を使用する印刷モードである。第2の印刷モードでは、プリンタ11-1~11-Nの側で、ページモードの機能により、印字イメージを生成する。
第3の印刷モードは、端末装置12のページモードの機能を使用する印刷モードである。第3の印刷モードでは、端末装置12の側で、ページモードの機能により、印字イメージを生成する。
【0074】
本例では、説明を簡易化するために、端末装置12において印刷対象データが発生し、当該印刷対象データの印刷に使用するプリンタ(本実施形態では、プリンタ11-1~11-Nのうちのいずれか)が一意に定められている場合を例とする。
なお、他の例として、端末装置12では、印刷対象データが発生するたびに、所定の規則にしたがって、当該印刷対象データの印刷に使用するプリンタを可変に決定する構成が用いられてもよい。
また、他の例として、端末装置12では、印刷対象データが発生するたびに、ユーザからの指示にしたがって、当該印刷対象データの印刷に使用するプリンタを可変に決定する構成が用いられてもよい。
【0075】
(ステップS1)
端末装置12では、印刷対象データが発生した際、イメージ生成判断部271によって、スタンダードモードを使用するか否かを判断する。
この判断の結果、端末装置12では、スタンダードモードを使用すると判断した場合(ステップS1:YES)、ステップS5の処理へ移行する。
一方、この判断の結果、端末装置12では、スタンダードモードを使用しないと判断した場合(ステップS1:NO)、ステップS2の処理へ移行する。
【0076】
(ステップS2)
端末装置12では、イメージ生成判断部271によって、印刷に使用するプリンタがページモードをサポートしているか否かを判断する。
この判断の結果、端末装置12では、印刷に使用するプリンタがページモードをサポートしていると判断した場合(ステップS2:YES)、ステップS3の処理へ移行する。
一方、この判断の結果、端末装置12では、印刷に使用するプリンタがページモードをサポートしていないと判断した場合(ステップS2:NO)、ステップS7の処理へ移行する。
【0077】
(ステップS3)
端末装置12では、イメージ生成判断部271によって、プリンタのページモードを優先させることが指定されているか否かを判断する。この指定は、例えば、ユーザによって行われる。
この判断の結果、端末装置12では、プリンタのページモードを優先させることが指定されていると判断した場合(ステップS3:YES)、ステップS4の処理へ移行する。
一方、この判断の結果、端末装置12では、プリンタのページモードを優先させることが指定されていないと判断した場合(ステップS3:NO)、ステップS7の処理へ移行する。
【0078】
(ステップS4)
端末装置12では、イメージ生成判断部271によって、印刷対象データが印刷可能範囲(印刷に使用するプリンタのページモードの印刷可能範囲)に収まるか否かを判断する。
この判断の結果、端末装置12では、印刷対象データが印刷可能範囲に収まると判断した場合(ステップS4:YES)、ステップS5の処理へ移行する。
一方、この判断の結果、端末装置12では、印刷対象データが印刷可能範囲に収まらないと判断した場合(ステップS4:NO)、ステップS7の処理へ移行する。
【0079】
(ステップS5)
端末装置12では、コマンド変換部273によって印刷対象データを印刷指示のコマンドへ変換し、通信部213を介して、印刷に使用するプリンタに当該コマンドを送信する。
そして、印刷システム1では、ステップS6の処理へ移行する。
【0080】
(ステップS6)
端末装置12から印刷指示のコマンドを受信したプリンタでは、受信したコマンドに基づいて、印字イメージを生成して、当該印字イメージの印刷を実行する。
そして、印刷システム1では、本フローの処理が終了する。
【0081】
ここで、ステップS5の処理では、端末装置12は印字イメージの生成処理を実行せずにプリンタに直接コマンドを送信し、また、ステップS6の処理では、プリンタが印字イメージ(例えば、バーコードを含む印字イメージ)を生成する。
【0082】
また、本実施形態では、ステップS6の処理では、プリンタは、受信したコマンドに応じて、スタンダードモードの機能、または、ページモードの機能のいずれかを使用する。
図6の例では、ステップS5の処理およびステップS6の処理において、ステップS1の処理からステップS5の処理へ移行した場合にはスタンダードモードに対応した印刷処理が行われ、つまり、第1の印刷モード(プリンタのスタンダードモードの機能を使用する印刷モード)の印刷処理が行われる。
また、ステップS5の処理およびステップS6の処理において、ステップS4の処理からステップS5の処理へ移行した場合にはプリンタのページモードに対応した印刷処理が行われ、つまり、第2の印刷モード(プリンタのページモードの機能を使用する印刷モード)の印刷処理が行われる。
【0083】
(ステップS7)
端末装置12では、端末装置12のページモードの機能を使用して、印刷対象データに基づいて印字イメージを生成する。
そして、印刷システム1では、ステップS8の処理へ移行する。
【0084】
(ステップS8)
端末装置12では、コマンド変換部273によって、印刷対象となる印字イメージ(例えば、ドットデータ)を印刷指示のコマンドへ変換し、印刷に使用するプリンタに当該印字イメージを表す当該コマンドを送信する。これにより、当該コマンドを受信した当該プリンタでは、受信したコマンドに基づく当該印字イメージの印刷を行う。
そして、印刷システム1では、本フローの処理を終了する。
【0085】
ここで、ステップS7の処理では、端末装置12が印字イメージ(例えば、バーコードを含む印字イメージ)を生成し、また、ステップS8の処理では、端末装置12が自装置で生成した印字イメージを印刷させるためのコマンドをプリンタに送信する。
また、ステップS4の処理からステップS7の処理へ移行した場合には、ステップS7の処理では、端末装置12は、印刷対象データのイメージを縮小して、印字イメージをプリンタの印刷可能範囲に収める処理を行う。
【0086】
なお、ステップS7の処理およびステップS8の処理では、端末装置12のページモードに対応した印刷処理が行われ、つまり、第3の印刷モード(端末装置12のページモードの機能を使用する印刷モード)の印刷処理が行われる。
【0087】
ここで、
図6の例では、端末装置12においてイメージの縮小が行われ得る場合を示したが、他の例として、端末装置12においてイメージの拡大が行われ得る構成が用いられてもよく、あるいは、端末装置12においてイメージの縮小と拡大が行われ得る構成が用いられてもよい。
【0088】
なお、
図6に示されるフローにおける処理の順序は、説明のための一例であり、他の処理の順序が用いられてもよい。
例えば、ステップS2の処理とステップS3の処理とで、処理の順序が入れ替えられてもよい。
また、例えば、ステップS2の処理とステップS3の処理とステップS4の処理とで、処理の順序が入れ替えられてもよい。
【0089】
また、
図6に示されるフローでは、ステップS3の処理が行われる場合を示したが、他の例として、ステップS3の処理が行われない構成が用いられてもよい。この場合、
図6の例では、例えば、ステップS2のYESの場合にステップS4の処理へ移行する。
また、
図6に示されるフローでは、ステップS4の処理が行われる場合を示したが、他の例として、ステップS4の処理が行われない構成が用いられてもよい。この場合、
図6の例では、例えば、ステップS3のYESの場合にステップS5の処理へ移行する。
また、
図6に示されるフローにおいて、ステップS3の処理およびステップS4の処理が行われない構成が用いられてもよい。この場合、
図6の例では、例えば、ステップS2のYESの場合にステップS5の処理へ移行する。
【0090】
<以上の実施形態について>
以上のように、本実施形態に係る印刷システム1では、2次元コードを含む印字イメージを適切に印刷することができる。
【0091】
本実施形態に係る印刷システム1では、例えば、アプリケーション開発者が、次のようなシステムを構築することができる。
すなわち、端末装置12が、指定されたプリンタの持つ印刷モードの機能(および印字パターンの内容)に基づいて、バーコードを含んだ印字イメージの生成処理を、プリンタの側の機能を使用して行うか、あるいは、端末装置12の側の機能を使用して行うか、を判断することが可能な印刷システム1を構築することが可能である。
【0092】
本実施形態に係る印刷システム1では、プリンタが有する機能を十分に活用しながら、最善のバーコード印刷環境を実現することができ、例えば、印刷フォーマットが崩れるもしくはバーコードの印刷ができないなどの状況を最大限回避することが可能となる。
【0093】
本実施形態に係る印刷システム1では、例えば、端末装置12の側で印刷イメージを解析し、バーコードを含む印字イメージについて、最適な印刷指示をプリンタに出力することが可能である。
本実施形態に係る印刷システム1では、例えば、バーコードの印刷においてプリンタのベストな機能を優先しつつ、動的に制御を切り替えることで、印刷結果に影響を出さない制御を可能とすることができる。
【0094】
また、本実施形態に係る印刷システム1では、例えば、ユーザによって、バーコードを有する印刷対象データの印刷時の優先モード(本実施形態では、使用する印刷モードの優先順位)を指定することが可能である。
【0095】
[変形例]
図7は、実施形態の変形例に係る印刷システム611の構成の一例を示す図である。
印刷システム611は、プリンタの機能を有する部分であるプリンタ機能部631と、端末装置の機能を有する部分である端末機能部632と、を備える。
なお、ここでは、説明の便宜上、プリンタ機能部631および端末機能部632と呼んで説明するが、それぞれ、プリンタおよび端末装置、などと呼ばれてもよい。
【0096】
変形例では、プリンタ機能部631は、概略的に、
図2に示されるプリンタ11-1と同様な構成を有しており、同様な動作を行う。
変形例では、端末機能部632は、概略的に、
図3に示される端末装置12と同様な構成を有しており、同様な動作を行う。
【0097】
このように、プリンタの機能と端末装置の機能とが一体化されたシステム(変形例では、印刷システム611)が用いられてもよい。
なお、変形例では、このようなシステムを印刷システム611と呼んでいるが、他の任意の名称で呼ばれてもよく、例えば、端末一体型プリンタ、または、プリンタ一体型端末装置などと呼ばれてもよい。
【0098】
また、プリンタの機能と端末装置の機能とが一体化されたシステムでは、必ずしも、
図2に示されるような各機能部および
図3に示されるような各機能部がそのまま備えられなくてもよく、例えば、一体化されるにあたり、一部の機能部が省略あるいは変更されてもよく、また、別の機能部が追加されてもよい。
【0099】
<実施形態の変形例について>
以上のように、本実施形態の変形例に係る印刷システム611では、
図1に示される印刷システム1の場合と同様に、2次元コードを含む印字イメージを適切に印刷することができる。
変形例に係る印刷システム611では、例えば、プリンタ機能部631と端末機能部632との一方が故障などして交換された場合においても、端末機能部632が適度な印刷モードを選択することができる。
このように、本実施形態に係る技術は、端末機能部632とプリンタ機能部631とが1対1に固定される場合においても有用である。
【0100】
なお、以上に説明した任意の装置(例えば、端末装置、プリンタなど)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)であってもよい。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0101】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0102】
また、以上に説明した任意の装置(例えば、端末装置、プリンタなど)における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューターが読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0103】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0104】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0105】
[付記]
(構成例1)~(構成例7)を示す。
【0106】
(構成例1)
端末装置とプリンタとを別体または一体で有する印刷システムにおける前記端末装置であって、
印刷に使用する前記プリンタがページモードの機能を有する場合に前記プリンタの前記ページモードの機能を使用することを優先させるように、前記印刷の印字イメージを生成する形態を判断するイメージ生成判断部と、
前記イメージ生成判断部によって前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態を判断した場合、前記印刷の対象となる印刷対象データを前記プリンタの前記ページモードの機能に対応したコマンドへ変換するコマンド変換部と、
を備える、端末装置。
【0107】
(構成例2)
前記端末装置は、
前記プリンタの前記ページモードの機能の使用に関するユーザの設定内容を記憶する記憶部を備え、
前記イメージ生成判断部は、前記ユーザの前記設定内容を優先させて、前記印字イメージを生成する形態を判断する、
(構成例1)に記載の端末装置。
【0108】
(構成例3)
前記イメージ生成判断部は、前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態の前記印字イメージが前記プリンタの印刷可能範囲に収まらない場合、前記印字イメージを生成する形態として、前記端末装置において前記印字イメージを縮小した印字イメージを生成する形態を判断する、
(構成例1)または(構成例2)に記載の端末装置。
【0109】
(構成例4)
前記印字イメージを生成する形態として、前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態と、前記プリンタのスタンダードモードの機能を使用して印字イメージを生成する形態と、前記端末装置の前記ページモードの機能を使用して印字イメージを生成する形態、がある、
(構成例1)から(構成例3)のいずれか1つに記載の端末装置。
【0110】
(構成例5)
前記端末装置は、前記プリンタとは別体であり、
前記端末装置は、前記コマンド変換部によって変換された前記コマンドを前記プリンタに送信する通信部を備える、
(構成例1)から(構成例4)のいずれか1つに記載の端末装置。
【0111】
(構成例6)
端末装置とプリンタとを別体または一体で有する印刷システムにおける前記端末装置を構成するコンピューターに、
印刷に使用する前記プリンタがページモードの機能を有する場合に前記プリンタの前記ページモードの機能を使用することを優先させるように、前記印刷の印字イメージを生成する形態を判断するイメージ生成判断機能と、
前記イメージ生成判断機能によって前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態を判断した場合、前記印刷の対象となる印刷対象データを前記プリンタの前記ページモードの機能に対応したコマンドへ変換するコマンド変換機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0112】
(構成例7)
端末装置とプリンタとを別体または一体で有する印刷システムであって、
前記端末装置は、
印刷に使用する前記プリンタがページモードの機能を有する場合に前記プリンタの前記ページモードの機能を使用することを優先させるように、前記印刷の印字イメージを生成する形態を判断するイメージ生成判断部と、
前記イメージ生成判断部によって前記プリンタの前記ページモードの機能を使用して前記印字イメージを生成する形態を判断した場合、前記印刷の対象となる印刷対象データを前記プリンタの前記ページモードの機能に対応したコマンドへ変換するコマンド変換部と、
を備える、
印刷システム。
【符号の説明】
【0113】
1、611…印刷システム、11-1~11-N、12…端末装置、111、213…通信部、112…印刷部、113、214…制御部、131、251…記憶部、132…コマンド解析部、211…入力部、212…出力部、231…操作部、232…表示部、271…イメージ生成判断部、272…イメージ生成部、273…コマンド変換部、311…アプリケーション機能部、411、511…印刷物、431、551…テキスト部、432、552…バーコード部、433、553…イメージ部、531…印字領域、631…プリンタ機能部、632…端末機能部、D1、D2…紙送り方向