(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132758
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ヘッドクーリングシート
(51)【国際特許分類】
A42B 3/10 20060101AFI20240920BHJP
A42B 1/008 20210101ALI20240920BHJP
A42B 1/205 20210101ALI20240920BHJP
【FI】
A42B3/10
A42B1/008 Z
A42B1/008 K
A42B1/205 Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060700
(22)【出願日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】10-2023-0033391
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0033404
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ベルクロ
(71)【出願人】
【識別番号】523067654
【氏名又は名称】エムパックプラス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン クァンオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン サンヨル
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107AA05
3B107BA08
3B107CA00
3B107DA02
3B107DA04
3B107DA18
(57)【要約】
【課題】頭に載せると、頭頂から半径方向の曲面周りに対応して密着を自然に誘導してクーリング効果及び着用感を高めるヘッドクーリングシートを提供。
【解決手段】本発明は、第1及び第2のフィルムシートの間に液状の相変化物質を充填し接合して頭皮熱を下げるヘッドクーリングシートであって、第1及び第2のフィルムシートからなる2枚のフィルムシートの中心に相変化物質が区画充填された頭頂部が形成され、頭頂部から放射状方向に複数個の切欠き部を形成して、切欠き部を介して複数個のブレードクーリング部を形成し、ブレードクーリング部が頭頂部から曲げ可能なように第1のフィルムヒンジが形成され、ブレードクーリング部には、頭頂部から放射状方向へ行くほど重さを次第に増加させた相変化物質を充填した複数の区画充填セルを形成し、区画充填セル間には、それぞれの区画充填セルが曲げ可能なように第2のフィルムヒンジが形成されて構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフィルムシートと第2のフィルムシートとの間に液状の相変化物質を充填し、接合して頭の頭皮熱を下げるようにするヘッドクーリングシートであって、
前記第1のフィルムシート及び第2のフィルムシートからなる2枚のフィルムシートの中心に相変化物質が区画充填された頭頂部が形成され、前記頭頂部から放射状方向に複数個の切欠き部を形成して、この切欠き部を介して複数個のブレードクーリング部を形成し、前記ブレードクーリング部が頭頂部から曲げ可能なように第1のフィルムヒンジが形成され、前記ブレードクーリング部には、頭頂部から放射状方向へ行くほど重さを次第に増加させた相変化物質を充填した複数の区画充填セルを形成し、前記区画充填セル間には、それぞれの区画充填セルが曲げ可能なように第2のフィルムヒンジが形成されて構成されたことを特徴とするヘッドクーリングシート。
【請求項2】
前記第1のフィルムヒンジと第2のフィルムヒンジとは、頭の半径方向の曲面周りへの密着を誘導するために弓形で形成されたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドクーリングシート。
【請求項3】
前記第1のフィルムヒンジ及び第2のフィルムヒンジには、曲げが円滑になされるように長孔形態のスリットが形成されたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドクーリングシート。
【請求項4】
前記ブレードクーリング部には、固定手段としてベルクロテープ(面ファスナ)が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドクーリングシート。
【請求項5】
前記ブレードクーリング部には、固定手段として磁石が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドクーリングシート。
【請求項6】
前記複数のブレードクーリング部のうち、少なくとも1個または2個を放射状方向に拡張させ、第3のフィルムヒンジを介して曲げ可能なように固定バンドを形成したことを特徴とする請求項1に記載のヘッドクーリングシート。
【請求項7】
第1のフィルムシートと第2のフィルムシートとの間に液状の相変化物質を充填し、接合して頭の頭皮熱を下げるようにするヘッドクーリングシートであって、
前記第1のフィルムシート及び第2のフィルムシートからなる2枚のフィルムシートの中心に孔が形成され、前記孔から放射状方向に複数個の切欠き部を形成して、この切欠き部を介して複数個のブレードクーリング部を形成し、前記ブレードクーリング部が孔から曲げ可能なように第1のフィルムヒンジが形成され、前記ブレードクーリング部には、孔から放射状方向へ行くほど重さを次第に増加させた相変化物質を充填した複数の区画充填セルが形成され、前記区画充填セル間には、それぞれの区画充填セルが曲げ可能なように第2のフィルムヒンジが形成されて構成されたことを特徴とするヘッドクーリングシート。
【請求項8】
前記第1のフィルムヒンジと第2のフィルムヒンジとは、頭の半径方向の曲面周りへの密着を誘導するために弓形で形成されたことを特徴とする請求項7に記載のヘッドクーリングシート。
【請求項9】
前記第1のフィルムヒンジ及び第2のフィルムヒンジには、曲げが円滑になされるように長孔形態のスリットが形成されたことを特徴とする請求項7に記載のヘッドクーリングシート。
【請求項10】
前記ブレードクーリング部には、固定手段としてベルクロテープ(面ファスナ)が形成されたことを特徴とする請求項7に記載のヘッドクーリングシート。
【請求項11】
前記ブレードクーリング部には、固定手段として磁石が形成されたことを特徴とする請求項7に記載のヘッドクーリングシート。
【請求項12】
前記複数のブレードクーリング部のうち、少なくとも1個または2個を放射状方向に拡張させ、第3のフィルムヒンジを介して曲げ可能なように固定バンドを形成したことを特徴とする請求項7に記載のヘッドクーリングシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相変化物質(PCM、phase change materials)が充填されて頭の頭皮熱を下げるのに使用するヘッドクーリングシートに関し、特に、ヘッドクーリングシートに充填される相変化物質をシートの中心から放射状方向へ行くほど重さを次第に増加させた複数の区画充填セルと、前記各区画充填セルがフィルムヒンジにより曲げ可能にして、ヘッドクーリングシートが頭の頭頂から半径方向の曲面周りに対応して密着が自然に誘導されるようにしてクーリング効果及び着用感を高め、これによる構造を極めて簡単にして生産性を大きく向上させ得るようにするヘッドクーリングシートに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヘルメットは、建設などの作業現場、オートバイや自転車の運行の際に頭を保護するために使用され、帽子は、頭保護及びレジャー活動などのために使用される。
【0003】
このようなヘルメットや帽子を着用すれば、内部において空気の流動が制限されて、温度が上昇するようになることで頭皮が高温環境に置かれるようになる。
【0004】
これに対して発明者らは、ヘルメットや帽子を着用時または未着用時、頭皮熱を下げるために様々な技術を提案している。
【0005】
韓国公開特許第10-2010-0052863号公報(2010年5月20日公開)の「かつらまたは頭皮用相変化物質パッド」は、相変化物質が混合された原糸で製織された繊維またはマイクロカプセルで製造された相変化物質がコーティング、塗布されて製造されたパッドを用いて、かつらと頭皮との間に着用して頭皮の快適な状態を維持するものであって、これは、繊維原反からなるパッドに相変化物質をコーティングまたは塗布する形態で構成したものである。
【0006】
韓国登録特許第10-1424384号公報(2014年8月1日公告)の「ヘルメットクーリング用パック」は、周縁膨満部は断面径が大きく構成され、内向きに区画線を構成した中段膨満部は、断面径が小さく構成されるようにし、中央部は、両側に若干半弧状に湾曲させるのに容易なように切取り口が構成され、前記周縁膨満部と中端膨満部との内部に相変化物質を充填密閉構成したものであって、前記切取り口によりパックの湾曲が容易なようにしているが、このような構造は、頭の頭頂から半径方向の曲面周りによる湾曲が容易でなく、ヘルメットの内部に形成された支えバンドが押されなければならない。
【0007】
韓国公開特許第10-2022-0148633号公報(2022年11月7日公開)の「ヘルメット用クーリングシート」は、板状形態で形成され、予め設定された収容空間を有する2つ以上のポケット部を備える面状クーリング部と、前記面状クーリング部のポケット部内部に構成される冷却媒体と、前記面状クーリング部の中央に面状クーリング部の上下部の空気が流動するように形成される流動ホールとを備えて構成されるヘルメット用クーリングシートであって、前記ヘルメット用クーリングシートが平たい板状形態からヘルメットに挿入後、着用者の頭に密着されるように半球形に変形させるために面状クーリング部に切欠き部と区画部とを設けている。このような切欠き部と区画部とは、ヘルメットを着用してヘルメット内部の支えバンドが押されてこそ半球形に変形されるものである。
【0008】
韓国公開特許第10-2022-0135601号公報(2022年10月7日公開)の「ヘッドクーラ」は、第1の冷却突部、第1の通気凹部、第2の冷却突部、第2の通気凹部、第3の冷却突部、第3の通気凹部、及び第4の冷却突部を備え、前記各冷却突部と通気凹部とは、円形の環状をなし、交互に連なって形成され、前記冷却突部の内部に相変化物質が収納されたものであり、前記冷却突部に補助通気路を形成し、前記補助通気路が東西南北の4方向に柔軟な構造を提供するものであって、これは、ヘルメットを着用してヘルメット内部の支えバンドがヘッドクーラを押すとき、補助通気路の構造によって東西南北の4方向に曲がるものである。
【0009】
特開2005-273119号公報(2005年10月6日公開)の「頭部冷却用の冷却材と冷却材付きヘルメット及び帽子」と特開2007-217846号公報(2007年8月30日公開)の「ヘルメット」が提案されている。
【0010】
これらの先行技術は、頭の頭頂から半径方向の頭周りに沿って自然に密着されるのに限界を有しているという共通的な問題点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2010-0052863号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-1424384号公報
【特許文献3】韓国公開特許第10-2022-0148633号公報
【特許文献4】韓国公開特許第10-2022-0135601号公報
【特許文献5】特開2005-273119号公報
【特許文献6】特開2007-217846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、2枚のフィルムシート間に相変化物質が充填されたヘッドクーリングシートであって、前記ヘッドクーリングシートに充填される相変化物質をシートの中心から放射状方向へ行くほど重さを次第に増加させた複数の区画充填セルを形成し、前記各区画充填セルは、フィルムヒンジにより曲げ可能にして、ヘッドクーリングシートを頭に載せると、頭の頭頂から半径方向の曲面周りに対応して密着を自然に誘導してクーリング効果及び着用感を高めるヘッドクーリングシートを提供することに目的がある。
【0013】
また、本発明は、上記のような目的を達成するための構造を非常に簡単にして生産性を向上させることで、製品競争力を高めることができるようにするヘッドクーリングシートを提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的は、本発明によって提供されるヘッドクーリングシートにより達成される。
【0015】
本発明は、第1のフィルムシートと第2のフィルムシートとの間に液状の相変化物質を充填し、接合して頭の頭皮熱を下げるようにするヘッドクーリングシートであって、前記第1のフィルムシート及び第2のフィルムシートからなる2枚のフィルムシートの中心に相変化物質が区画充填された頭頂部が形成され、前記頭頂部から放射状方向に複数個の切欠き部を形成して、この切欠き部を介して複数個のブレードクーリング部を形成し、前記ブレードクーリング部が頭頂部から曲げ可能なように第1のフィルムヒンジが形成され、前記ブレードクーリング部には、頭頂部から放射状方向へ行くほど重さを次第に増加させた相変化物質を充填した複数の区画充填セルを形成し、前記区画充填セル間には、それぞれの区画充填セルが曲げ可能なように第2のフィルムヒンジが形成されて構成されたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、第1のフィルムシートと第2のフィルムシートとの間に液状の相変化物質を充填し、接合して頭の頭皮熱を下げるようにするヘッドクーリングシートであって、前記第1のフィルムシート及び第2のフィルムシートからなる2枚のフィルムシートの中心に孔が形成され、前記孔から放射状方向に複数個の切欠き部を形成して、この切欠き部を介して複数個のブレードクーリング部を形成し、前記ブレードクーリング部が孔から曲げ可能なように第1のフィルムヒンジが形成され、前記ブレードクーリング部には、孔から放射状方向へ行くほど重さを次第に増加させた相変化物質を充填した複数の区画充填セルを形成し、前記区画充填セル間には、それぞれの区画充填セルが曲げ可能なように第2のフィルムヒンジが形成されて構成されたことを特徴とする。
【0017】
前記第1のフィルムヒンジと第2のフィルムヒンジとは、頭の半径方向の曲面周りへの密着を誘導するために弓形で形成されたことを特徴とする。
【0018】
前記第1のフィルムヒンジ及び第2のフィルムヒンジには、曲げが円滑になされるように長孔形態のスリット(slit)が形成されたことを特徴とする。
【0019】
前記ブレードクーリング部には、固定手段としてベルクロテープ(面ファスナ)が形成されたことを特徴とする。
【0020】
前記ブレードクーリング部には、固定手段として磁石が形成されたことを特徴とする。
【0021】
前記複数のブレードクーリング部のうち、少なくとも1個または2個を放射状方向に拡張させ、第3のフィルムヒンジを介して曲げ可能なように固定バンドを形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のヘッドクーリングシートによれば、ヘッドクーリングシートに外部の力を加えなくても、相変化物質が放射状方向へ行くほど次第に重さを増加させたブレードクーリング部の区画充填セルと第1及び第2のフィルムヒンジにより頭の頭頂から半径方向の曲面周りに対応して自然に頭に密着を誘導することで頭の頭皮熱を下げるクーリング効果を向上させることができるという効果を有する。
【0023】
また、本発明のヘッドクーリングシートは、2枚のフィルムシート間に相変化物質を充填してボリュームを有する頭頂部、ブレードクーリング部の区画充填セルと曲げ機能をするフィルムヒンジを形成するようになるが、このような構造は、非常に単純であって、生産性向上とともに、製品競争力を高めるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態を例示したヘッドクーリングシートの斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態のヘッドクーリングシートを頭に載せた使用状態図である。
【
図6】本発明の第2実施形態を例示したヘッドクーリングシートの斜視図である。
【
図9】本発明の第2実施形態のヘッドクーリングシートを頭に載せた使用状態図である。
【
図10】本発明のヘッドクーリングシートの第1及び第2のフィルムヒンジの変形例を示した正面図である。
【
図11】本発明のヘッドクーリングシートの固定手段の例を示した正面図である。
【
図12】本発明のヘッドクーリングシートの固定手段の変形例を示した正面図である。
【
図13】本発明のヘッドクーリングシートの固定手段の他の変形例を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照して、本発明を具体的な例を挙げて説明すれば、次のとおりである。
【0026】
本明細書において使用する「相変化物質」という用語は、PCM(phase change material)としてよく知られている。これは、0℃で相変化を起こす水でない他の物質を指し、例えば、5℃、10℃、18℃、または28℃などのように、ユーザの望む温度で物質の状態が変化しつつ、多くの熱を吸収または放出できる物質を意味する。この物質は、主に潜熱を利用し、蓄熱物質と呼ばれることもある。一般に、PCMは、ハイドロカーボン系のテトラデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカンなどの有機物質、水和物形態の塩化カルシウムなどのような無機物質、及び自然から得ることができる植物性物質に分類されることができる。アメリカ航空宇宙局(NASA)の研究によれば、実質的に適用可能なPCMは、100~200余種と報告されている。元々、PCMは、宇宙飛行船と宇宙人を外部温度変化から保護するために開発されたが、近来には、常温用(5℃蓄熱)PCMを用いた冷暖房システムなどのように、一般消費者用としても広く応用されている実情である。
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態を例示したヘッドクーリングシートの斜視図であり、
図2は、
図1の正面図であり、
図3は、
図1の背面図であり、
図4は、
図2のA-A線断面図であり、
図5は、本発明の第1実施形態のヘッドクーリングシートを頭に載せた使用状態図である。
【0028】
図1~
図5のように、本発明のヘッドクーリングシート10は、第1のフィルムシート12と第2のフィルムシート14との間に液状の相変化物質100を充填し、接合して構成されるものであって、前記相変化物質100が固体(冷却)状態から液体に変化するとき、熱を吸収する作用により頭の頭皮熱を下げるようにするヘッドクーリングシート10である。
【0029】
前記第1のフィルムシート12及び第2のフィルムシート14からなる2枚のフィルムシート16の中心に相変化物質100が区画充填された頭頂部30が形成され、前記頭頂部30を中心に放射状方向に複数個の切欠き部18を形成して、この切欠き部18を介して複数個のブレードクーリング部32を形成し、前記ブレードクーリング部32が頭頂部30から曲げ可能なように第1のフィルムヒンジ20が形成され、前記ブレードクーリング部32には、頭頂部30から放射状方向へ行くほど重さを次第に増加させた相変化物質100を充填した複数の区画充填セル34を形成し、前記区画充填セル34が頭200の頭頂から半径方向の曲面周りに対応して密着を自然に誘導するために、前記区画充填セル34間にはそれぞれの区画充填セル34が曲げ可能なように第2のフィルムヒンジ22が形成されて構成されている。
【0030】
上記において、第1のフィルムシート12及び第2のフィルムシート14からなる2枚のフィルムシート16は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)素材にして、剛性及び柔軟性、曲げ性を同時に有することが望ましく、2枚のフィルムシート16の厚みは、相変化物質100の熱伝達効率及び曲げ可能なように0.2mm~1.0mmが好ましい。
【0031】
上記において、ヘッドクーリングシート10のブレードクーリング部32の縁と、第1のフィルムヒンジ20と、第2のフィルムヒンジ22とは、第1のフィルムシート12と第2のフィルムシート14とを高周波接合または熱接合により接合することで、頭頂部30と区画充填セル34に充填された液状の相変化物質100は流動しないようになる。
【0032】
上記のように構成された発明によれば、
図5のように、頭200の頭頂にヘッドクーリングシート10を載せると、放射状方向へ行くほど相変化物質100の重さを次第に増加させたブレードクーリング部32の区画充填セル34が、第1のフィルムヒンジ20と第2のフィルムヒンジ22とにより頭200の頭頂から半径方向の曲面周りに対応して自然に密着がなされるようになり、頭200のクーリング効果を高めて頭皮熱を下げることができるようになる。
【0033】
上記のように、ヘッドクーリングシート10を頭200に載せた後、ヘルメット300や帽子を着用すれば、冷却された相変化物質100が固体状態から液体に変化するとき、熱を吸収する作用により頭の頭皮熱を下げるようにする。
【0034】
図6~
図9は、本発明のヘッドクーリングシートの第2実施形態を示したものであって、本発明の第1実施形態と異なる点は、頭頂部30の代わりに、孔17が形成されたことであり、残りの構成は同一であって、同じ図面符号として説明し、同じ作用効果は、第1実施形態に代替し、省略する。
【0035】
図6~
図9に示されたように、本発明の第2実施形態であるヘッドクーリングシート11は、前記第1のフィルムシート12及び第2のフィルムシート14からなる2枚のフィルムシート16の中心に孔17が形成され、前記孔17を中心に放射状方向に複数個の切欠き部18を形成して、この切欠き部18を介して複数個のブレードクーリング部32を形成し、前記ブレードクーリング部32が孔17から曲げ可能なように第1のフィルムヒンジ20が形成され、前記ブレードクーリング部32には、孔17から放射状方向へ行くほど重さを次第に増加させた相変化物質100を充填した複数の区画充填セル34を形成し、前記区画充填セル34が頭200の頭頂から半径方向の曲面周りに対応して密着を自然に誘導するために、前記区画充填セル34間にはそれぞれの区画充填セル34が曲げ可能なように第2のフィルムヒンジ22が形成されて構成されている。
【0036】
上記において、孔17は、ヘッドクーリングシート11の中心に位置することで、
図9のように頭200に載せると、頭頂に位置するようになり、空気通路を形成でき、頭皮の熱を外へ排出する機能を発揮することができる。
【0037】
一方、前記第1のフィルムヒンジ20と第2のフィルムヒンジ22とは、
図1~
図3のように、頭200の半径方向の曲面周りへの密着を効果的に誘導するために弓形で形成することが好ましい。これは、第1のフィルムヒンジ20と第2のフィルムヒンジ22とが弓形に沿って曲げられることにより頭200の曲面周りに対応して密着がなされるためである。
【0038】
一方、ブレードクーリング部32に形成された区画充填セル34は、各図面において5個で形成したことを例示しているが、これに限定するものではなく、頭のサイズに鑑みてブレードクーリング部32の長さを放射状方向に延長または短縮して区画充填セル34を増減させることができる。
【0039】
図10は、本発明のヘッドクーリングシートの第1及び第2のフィルムヒンジの変形例を示した正面図である。
【0040】
図10のように、前記第1のフィルムヒンジ20及び第2のフィルムヒンジ22には、曲げがより円滑になされるように長孔形態のスリット24を形成している。前記スリット24は、第1及び第2のフィルムヒンジ20、22の長さによって1個または複数個で形成することができる。
【0041】
上記のように、第1のフィルムヒンジ20及び第2のフィルムヒンジ22にスリット24を形成することにより、スリット24を除いた残りの部分が第1のフィルムヒンジ20及び第2のフィルムヒンジ22の役割をするようになり、ヒンジ作動がより柔軟になされて、頭200の半径方向曲面周りへの密着をより効果的に達成することができる。
【0042】
図11は、本発明のヘッドクーリングシートの固定手段の例を示した正面図である。
【0043】
図11のように、前記ブレードクーリング部32には、ヘルメット300または帽子400に固定するためのベルクロテープ(面ファスナ)36を形成している。
【0044】
前記ベルクロテープ36に形成された両面テープを介して各ブレードクーリング部32の外側に貼り付けて形成することができ、前記ベルクロテープ36は、ヘルメット300や帽子400の内部に形成されたベルクロテープ(図示せず)に貼り付けて使用することができる。
【0045】
図12は、本発明のヘッドクーリングシートの固定手段の変形例を示した正面図である。
【0046】
図12のように、前記ブレードクーリング部32には、ヘルメット300または帽子400に固定するための磁石38を形成している。
【0047】
前記磁石38は、各ブレードクーリング部32の区画充填セル34の一部を割り当てて形成することができ、前記磁石38を第1のフィルムシート12と第2のフィルムシート14との間に埋め込む形態で形成することができ、両面テープを介してブレードクーリング部32外側に貼り付けて形成することができる。
【0048】
前記磁石38は、ヘルメット300や帽子400内部に形成された磁石(図示せず)または鉄類(図示せず)に付けて使用することができる。
【0049】
図13は、本発明のヘッドクーリングシートの固定手段の他の変形例を示した正面図であり、
図14は、
図13を帽子に使用した例を示したものである。
【0050】
図13のように、前記複数のブレードクーリング部32のうち、少なくとも1個または2個を放射状方向に拡張させ、第3のフィルムヒンジ26を介して曲げ可能なように固定バンド28を形成している。
【0051】
上記のように形成された固定バンド28を帽子400やヘルメット300の内部に形成されるスウェットバンド(汗取り:Sweat band)402に嵌め込んで使用することができる。
【0052】
一方、前記固定バンド28は、相変化物質が充填されていないものを図示しているが、この固定バンド28に相変化物質100を充填した区画充填セル34を形成して、スウェットバンド402に入れて使用できるものである。
【符号の説明】
【0053】
10、11 ヘッドクーリングシート
12 第1のフィルムシート
14 第2のフィルムシート
16 フィルムシート
17 孔
18 切欠き部
20 第1のフィルムヒンジ
22 第2のフィルムヒンジ
24 スリット
26 第3のフィルムヒンジ
28 固定バンド
30 頭頂部
32 ブレードクーリング部
34 区画充填セル
36 ベルクロテープ(面ファスナ)
38 磁石
100 相変化物質
200 頭
300 ヘルメット
400 帽子
402 スウェットバンド