(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132761
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】無人飛行体用搬送箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/02 20060101AFI20240920BHJP
B65D 5/44 20060101ALI20240920BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20240920BHJP
B64U 50/19 20230101ALI20240920BHJP
B64U 101/64 20230101ALN20240920BHJP
【FI】
B65D5/02 B
B65D5/44 F
B64U10/13
B64U50/19
B65D5/44 H
B64U101:64
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023061774
(22)【出願日】2023-03-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】519372593
【氏名又は名称】ライセン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 英之
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC02
3E060CD02
3E060CD03
3E060CD12
3E060DA09
3E060DA11
3E060EA16
3E060EA20
(57)【要約】
【課題】一般的に物流用箱は立方体であり、そのままドローンに乗せて運送すると進行方向前面が平板となり空気抵抗が大きいので、飛行スピードを遅くし、モーター出力を下げて電力消費量を抑える必要があった。
【解決手段】箱の平面形状を五角形とし、その1つの頂部を進行方向に向けてドローンに積み、運行させる。箱の進行方向に向けられた頂部で空気を切りさき進行するため前面の空気抵抗が低減し、飛行時間を伸ばすことができるようになる。
又、安定性は向上する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行体に搭載する平面形状を五角形とした段ボール箱で略直方体を構成する第1の筐体と略三角柱を構成する第2の筐体とからなり、第1の筐体は、胴部を形成する側板(1)に折り曲げ線(2a)を介して蓋フラップ(2)が連設され又折り曲げ線(3a)を介して底フラップ(3)が連設され、物品梱包時には前記蓋フラップ(2)及底フラップ(3)が内側に折り曲げられて平面及底面が閉じられて略直方体を構成し、第2の筺体は、側板(11)に折り曲げ線(21a)を介して三角形の蓋フラップ(21)が連設され、又折り曲げ線(31a)を介して底フラップ(31)が連設されて、側板(12)に折り曲げ線(22a)を介して五角形以上の多角形の蓋フラップ(22)が連設され、又折り曲げ線(32a)を介して五角形以上の多角形の底フラップ(32)が連設されて略三角柱を構成し、第1と第2の筺体を各々接着しろ4bと4b’、5bと5b’を接着し、折り曲げ組立てる時に五角形以上の多角形の蓋フラップ(22)が三角形の蓋フラップ(21)の内側に、五角形以上の多角形の底フラップ(32)が三角形の底フラップ(31)の内側に折り曲げ組立てることにより、前記蓋フラップ(2)及前記底フラップ(3)の裏受けとして前記多角形の蓋フラップ(22)及前記多角形の底フラップ(32)を使い、形状保持や強度アップを企った事を特徴とする段ボール箱。
【請求項2】
渦流を低減するために請求項1記載の段ボール箱において、第1の筺体を挟んで第2の筺体の対称となる位置に略三角柱を構成する第3の筺体を設けることで平面形状を六角形とした段ボール箱であって、第3の筐体は、側板(13)に折り曲げ線(25a)を介して三角形の蓋フラップ(25)が連設され、折り曲げ線(35a)を介して三角形の底フラップ(35)が連設され、一方、側板(14)に折り曲げ線(26a)を介して五角形以上の多角形の蓋フラップ(26)が連設され、折り曲げ線(36a)を介して五角形以上の多角形の底フラップ(36)が連設されて略三角柱を構成し、前記第1と第3の筐体を各々接着しろ8bと8b’、9bと9b’とを接着し、五角形以上の多角形の蓋フラップ(26)が三角形の蓋フラップ(25)の内側に、五角形以上の多角形の底フラップ(36)が三角形の底フラップ(35)の内側に折り曲げ組み立てすることにより、前記三角形の蓋フラップ(25)及前記三角形の底フラップ(35)の裏付けとして、前記多角形の蓋フラップ(26)及前記多角形の底フラップ(36)を使い、形状保持や強度アップを企った事を特徴とする請求項1記載の段ボール箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人飛行体(例えばマルチコプター型ドローン等)の左右の脚間に搭載する搬送用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチコプター型ドローン等の無人飛行体を用いた宅配サービス等の実用化に向けた研究や実証実験が進められている。
飛行体の自律飛行システムまたは遠隔操作飛行システムによる宅配サービスの開発においては、ECサイトにおける商品の注文から受け取りまでの速度向上や、離島などへの即時配送の実現などについて、早期の実用化が望まれる他、運搬の品質向上が求められている。
一般的に物流用搬送箱は立方体であり、現状はこの立方体の搬送箱をそのままドローンに乗せて搬送しており、進行方向前面が平面となり空気抵抗が大きいのでプロペラ用モーターの出力を低下させて飛行スピードを遅くして搬送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-113075 ドローン等用搬送ボックス
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に即時性を求められる配送品として、医療機器および医療検体等の緊急性の高い物品や、食事などが挙げられ、現在これらの多くは四駆車を利用して運搬されている。陸路での運搬は、舗装路の有無や交通状況により所要時間が大きく異なり、山中や離島などは車輌による直線距離でのアクセスが困難であることから、運搬に長い時間を要するケースがある。
限られたバッテリー容量で物流用ドローンの搬送距離を伸ばすそうとするとドローンの飛行スピードを上げる必要がある。
一般用に使用されている段ボール製の搬送箱をそのままドローンで搬送するには空気抵抗が大きくなるので、モーターの電力消費が激しくバッテリー容量には限りがあるため長時間飛行させることができない。また、ドローンの物流用で使われる搬送箱は、ドローン固定用のフックがついたり、固定用の金物が取付けられた専用の搬送箱が使われている。
この搬送箱は、ドローン独自のものであるため配送先から回収する必要があり、回収のコストがかかるものとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
無人飛行体に搭載する平面形状を五角形とした段ボール箱で略直方体を構成する第1の筐体と略三角柱を構成する第2の筐体とからなり、第1の筐体は、胴部を形成する側板(1)に折り曲げ線(2a)を介して蓋フラップ(2)が連設され又折り曲げ線(3a)を介して底フラップ(3)が連設され、物品梱包時には前記蓋フラップ(2)及底フラップ(3)が内側に折り曲げられて平面及底面が閉じられて略直方体を構成し、第2の筺体は、側板(11)に折り曲げ線(21a)を介して三角形の蓋フラップ(21)が連設され、又折り曲げ線(31a)を介して底フラップ(31)が連設されて、側板(12)に折り曲げ線(22a)を介して五角形以上の多角形の蓋フラップ(22)が連設され、又折り曲げ線(32a)を介して五角形以上の多角形の底フラップ(32)が連設されて略三角柱を構成し、第1と第2の筺体を各々接着しろ4bと4b’、5bと5b’を接着し、折り曲げ組立てる時に五角形以上の多角形の蓋フラップ(22)が三角形の蓋フラップ(21)の内側に、五角形以上の多角形の底フラップ(32)が三角形の底フラップ(31)の内側に折り曲げ組立てることにより、前記蓋フラップ(2)及前記底フラップ(3)の裏受けとして前記多角形の蓋フラップ(22)及前記多角形の底フラップ(32)を使い、形状保持や強度アップを企る。
渦流を低減するために第1の筺体を挟んで第2の筺体の対称となる位置に略三角柱を構成する第3の筺体を設けることで平面形状を六角形とした段ボール箱であって、第3の筐体は、側板(13)に折り曲げ線(25a)を介して三角形の蓋フラップ(25)が連設され、折り曲げ線(35a)を介して三角形の底フラップ(35)が連設され、一方、側板(14)に折り曲げ線(26a)を介して五角形以上の多角形の蓋フラップ(26)が連設され、折り曲げ線(36a)を介して五角形以上の多角形の底フラップ(36)が連設されて略三角柱を構成し、前記第1と第3の筐体を各々接着しろ8bと8b’、9bと9b’とを接着し、五角形以上の多角形の蓋フラップ(26)が三角形の蓋フラップ(25)の内側に、五角形以上の多角形の底フラップ(36)が三角形の底フラップ(35)の内側に折り曲げ組み立てることにより、前記三角形の蓋フラップ(25)及前記三角形の底フラップ(35)の裏付けとして、前記多角形の蓋フラップ(26)及前記多角形の底フラップ(36)を使い、形状保持や強度アップを企る。
【発明の効果】
【0006】
ドローンの進行方向に向けられた頂部11aで、空気を切りさき進行するため前面の空気抵抗が低減し、プロペラ用モーターの電力消費が下がり飛行時間や距離を伸ばすことができる。同時にドローンの直進性がよくなり飛行も安定させることができる。
また、前記平面形状が五角形の搬送箱において、進行方向とは逆の方向に頂部を追加する。この進行方向に対して後ろ向き頂部は、進行方向とは逆の後部が平面のままの五角形タイプの搬送箱より、搬送箱後部に発生する空気の渦潮を抑制して、さらに空気抵抗を低減させる。
この搬送箱は紙製の段ボール箱とすれば現状の紙リサイクルシステムの中に組み込むことができるため、わざに回収する必要がなくなりコストがかからない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は、五角形段ボール箱の平面形状を示す。五角形ではあるが頂部11aをドローンの進行方向に向ける。他は長方形となる。
図2は、その立面図である。
図3は、その斜視図である。
図4は、六角形段ボール箱の平面形状を示す。六角形の頂部11aは進行方向に頂部13aは進行方向とは逆に向ける。他は長方形とする。
図5は、その立面図である。
図6は、その斜視図である。
図7は、五角形段ボール箱の展開図で1点サセンは曲げ線を表している。11aが頂部、5b、4bが接着しろで5bと5b’を合わせて、4bと4b’を合わせて接着し、組立てる。
図8は、六角形段ボール箱の展開図で1点サセンは曲げ線を表している。11a、13aが頂部、6b、7b、8b、9bが接着しろで6b、6b’と7b、7b’と8b、8b’と9b、9b’を合わせて接着し、組立てる。
【0009】
図11は五角形の段ボール箱をドローンに乗せて搬送中の空気の流れの状態で、進行方向の頂部11aで空気を切りさきながら進行している図である。
図12は六角形の段ボール箱をドローンに乗せて搬送中の空気の流れの状態で、進行方向の頂部11aで空気を切りさき逆の方向の頂部13bで渦潮を抑制して進行している図である。
【符号の説明】
【00010】
1 胴部側板
2 蓋フラップ
3 底フラップ
21、25 三角形の蓋フラップ
22、26 五角形の蓋フラップ
31、35 三角形の底フラップ
32、36 五角形の底フラップ
21a、22a 前部三角柱を形成するフラップの曲げ線
31a、32a 前記三角柱を形成するフラップの曲げ線
2a 蓋フラップの曲げ線
3a 底フラップの曲げ線
1a 胴の側板の曲げ線
11、12 三角柱を形成する側板
13、14 三角柱を形成する側板
25a、26a 後部三角柱を形成するフラップの曲げ線
35a、36a 後部三角柱の形成するフラップの曲げ線
11a 進行方向に向ける頂部
13a 進行方向とは逆に向ける頂部
5b、5b’ 接着部
4b、4b’ 接着部
6b、6b2 接着部
7b、7b’ 接着部
8b、8b’ 接着部
9b、9b’ 接着部
16 ドローン進行方向
10 風の流れ
15 プロペラ