(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132774
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】視覚システムの較正方法、電子デバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 7/80 20170101AFI20240920BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240920BHJP
【FI】
G06T7/80
G06T7/00 300E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086133
(22)【出願日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202310268668.3
(32)【優先日】2023-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522138696
【氏名又は名称】河南富▲馳▼科技有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】516114396
【氏名又は名称】鴻富錦精密電子(鄭州)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】510283557
【氏名又は名称】富泰華工業(深▲セン▼)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523196910
【氏名又は名称】太原富馳科技有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】66,Chung Shan Road,Tu-Cheng New Taipei,236(TW)
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】汪 傑
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA02
5L096CA02
5L096EA05
5L096FA04
5L096FA09
5L096FA32
5L096FA62
5L096FA64
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】視覚システムの較正を補助し、視覚システムの結像結果と実際の物体との差異を減らすことができる視覚システムの較正方法、電子デバイス及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】視覚システムの較正方法は、予め構築された視覚システムに基づいてプリセットされた、少なくとも1つのプリセットパターンを含む標準画像を撮影することで得られるテスト画像を取得するステップと、少なくとも1つのプリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップと、前記特徴差分値に基づいて前記視覚システムに対する較正スキームを生成するステップと、備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスに適用される視覚システムの較正方法であって、
予め構築された視覚システムに基づいて、プリセットされた、少なくとも1つのプリセットパターンを含む標準画像を撮影することで得られるテスト画像を取得するステップと、
前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップと、
前記特徴差分値に基づいて前記視覚システムに対する較正スキームを生成するステップと、備えることを特徴とする視覚システムの較正方法。
【請求項2】
前記プリセットパターンは、互いに平行なラインを有する少なくとも1つの第1パターンを含み、前記特徴差分値は、画像の傾斜度差分値、画像の平行度差分値、画像を撮影するカメラの架設高さの差分値のうちの少なくとも1つを含み、
前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップは、
前記画像の傾斜度差分値、前記画像の平行度差分値及び前記カメラの架設高さの差分値のうちの少なくとも1つを、前記テスト画像における第1パターンと前記標準画像における第1パターンとの対比に基づいて決定されることを含むことを特徴とする請求項1に記載の視覚システムの較正方法。
【請求項3】
前記プリセットパターンは、少なくとも1つの第2パターンを含み、前記第2パターンは、階調図を含み、前記特徴差分値は、画像の階調値に基づいて決定された明暗均一性の差分値を含み、
前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップは、
前記テスト画像における第2パターンの階調値と前記標準画像における第2パターンの階調値とに基づいて、前記明暗均一性の差分値を決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の視覚システムの較正方法。
【請求項4】
前記プリセットパターンは、互いに平行でないラインを有する少なくとも1つの第3パターンを含み、前記特徴差分値は、画像の鮮明度に基づいて決定される鮮明度差分値を含み、
前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップは、
前記テスト画像における第3パターンの鮮明度と前記標準画像における第3パターンの鮮明度との差分を前記鮮明度差分値とすることを含むことを特徴とする請求項1に記載の視覚システムの較正方法。
【請求項5】
前記プリセットパターンは、少なくとも1つの第4パターンを含み、前記第4パターンは、複数の色を有するパターンを含み、且つ前記標準画像の中心に位置し、前記特徴差分値は、画像の中心位置に基づいて決定される中心位置差分値を含み、
前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップは、
前記テスト画像における第4パターンの中心位置と前記標準画像における第4パターンの中心位置とに基づいて、前記中心位置差分値を決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の視覚システムの較正方法。
【請求項6】
前記特徴差分値は、画像の輝度に基づいて決定される全体輝度差分値を含み、
前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップは、
前記テスト画像と前記標準画像の両方を階調画像に変換し、前記テスト画像の階調画像における全パターンの平均階調値と前記標準画像の階調画像における全パターンの平均階調値とに基づいて、前記全体輝度差分値を決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の視覚システムの較正方法。
【請求項7】
前記特徴差分値に基づいて前記視覚システムに対する較正スキームを生成するステップは、
前記特徴差分値が対応する差分範囲を超える場合、前記特徴差分値に基づいて前記較正スキームを生成することを含むことを特徴とする請求項1に記載の視覚システムの較正方法。
【請求項8】
前記方法は、さらに、
前記標準画像、前記テスト画像、前記特徴差分値及び前記較正スキームを展示することを特徴とする請求項1に記載の視覚システムの較正方法。
【請求項9】
前記電子デバイスは、記憶装置と、前記記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムを実行する際に、請求項1乃至8の何れか1項に記載の視覚システムの較正方法を実現するためのプロセッサと、を含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項1乃至8の何れか1項に記載の視覚システムの較正方法を実行することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、視覚システムの技術分野に関し、特に視覚システムの較正方法、電子デバイス及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業用視覚システムは、自動検査、ワーク加工、組立自動化及び生産過程での制御及び監視のための画像認識機器に使用することができ、一般的には照明光源、カメラ、カメラ架設装置などを含む。インストール担当者は標準作業プログラムにおける各種の標準ハードウェアパラメータ(例えば、光源輝度、カメラの取付位置または角度など)に基づいて工業視覚システムをインストールすることができるが、工業視覚システムの取付要求が高いため、最終的に得られた工業視覚システムの実際のハードウェアパラメータは標準ハードウェアパラメータと人工的に知覚し難い違いがあり、これにより、産業用視覚システムの結像結果と実際の物体との差が生じ、結像結果に基づいて得られた検出結果に誤差が生じることを招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上のことから、視覚システムの較正を補助し、視覚システムの結像結果と実際の物体との差異を減らすことができる視覚システムの較正方法、電子デバイス及び記憶媒体を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本願発明による視覚システムの較正方法は、テスト画像を取得するステップと、前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップと、前記特徴差分値に基づいて前記視覚システムに対する較正スキームを生成するステップと、備え、前記テスト画像は、予め構築された視覚システムに基づいて、プリセットされた標準画像を撮影することによって得られたものである。前記標準画像は、少なくとも1つのプリセットパターンを含む。
【0005】
一実施形態によると、前記プリセットパターンは、互いに平行なラインを有する少なくとも1つの第1パターンを含み、前記特徴差分値は、画像の傾斜度差分値、画像の平行度差分値、画像を撮影するカメラの架設高さの差分値のうちの少なくとも1つを含み、前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップは、前記画像の傾斜度差分値、前記画像の平行度差分値及び前記カメラの架設高さの差分値のうちの少なくとも1つを、前記テスト画像における第1パターンと前記標準画像における第1パターンとの対比に基づいて決定されることを含む。
【0006】
一実施形態によると、前記プリセットパターンは、少なくとも1つの第2パターンを含み、前記第2パターンは、階調図を含み、前記特徴差分値は、画像の階調値に基づいて決定された明暗均一性の差分値を含み、前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップは、前記テスト画像における第2パターンの階調値と前記標準画像における第2パターンの階調値とに基づいて、前記明暗均一性の差分値を決定することを含む。
【0007】
一実施形態によると、前記プリセットパターンは、互いに平行でないラインを有する少なくとも1つの第3パターンを含み、前記特徴差分値は、画像の鮮明度に基づいて決定される鮮明度差分値を含み、前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップは、前記テスト画像における第3パターンの鮮明度と前記標準画像における第3パターンの鮮明度との差分を前記鮮明度差分値とすることを含む。
【0008】
一実施形態によると、前記プリセットパターンは、少なくとも1つの第4パターンを含み、前記第4パターンは、複数の色を有するパターンを含み、且つ前記標準画像の中心に位置し、前記特徴差分値は、画像の中心位置に基づいて決定される中心位置差分値を含み、前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップは、前記テスト画像における第4パターンの中心位置と前記標準画像における第4パターンの中心位置とに基づいて、前記中心位置差分値を決定する。
【0009】
一実施形態によると、前記特徴差分値は、画像の輝度に基づいて決定される全体輝度差分値を含み、前記プリセットパターンに基づいて、前記テスト画像と前記標準画像との特徴差分値を算出するステップは、前記テスト画像と前記標準画像の両方を階調画像に変換し、前記テスト画像の階調画像における全パターンの平均階調値と前記標準画像の階調画像における全パターンの平均階調値とに基づいて、前記全体輝度差分値を決定することを含む。
【0010】
一実施形態によると、前記特徴差分値に基づいて前記視覚システムに対する較正スキームを生成するステップは、前記特徴差分値が対応する差分範囲を超える場合、前記特徴差分値に基づいて前記較正スキームを生成することを含む。
【0011】
一実施形態によると、前記方法は、さらに前記標準画像、前記テスト画像、前記特徴差分値及び前記較正スキームを展示する。
【0012】
また、本願発明による電子デバイスは、記憶装置と少なくとも1つのプロセッサとを含み、前記記憶装置には、少なくとも1つの指令が記憶されており、前記少なくとも1つの指令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、前記視覚システムの較正方法が実現される。
【0013】
また、本願発明によるコンピュータ可読記憶媒体には、少なくとも1つのコンピュータプログラムが記憶されており、前記少なくとも1つのコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、前記視覚システムの較正方法が実現される。
【発明の効果】
【0014】
関連技術に比べて、本願の実施形態に係る視覚システムの較正方法は、標準画像と対応するテスト画像との差異に基づいて、対応する視覚システムの較正スキームを迅速に生成することができ、それによって視覚システムを較正することができ、視覚システムによる結像と実際の物体との差異を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本願の実施形態または先行技術における技術的態様をより明確に説明するために、以下に、実施形態または先行技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本願の実施形態にすぎず、本技術分野の普通の技術者にとっては、創造的な労働を払わない前提下で、提供される図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0016】
【
図1】本願の実施形態によって提供される視覚システムの較正方法の適用シーンの模式図である。
【
図2】本願の実施形態によって提供される視覚システムの較正方法のフローチャートである。
【
図3】本願の実施形態により提供される標準画像の一例を示す図である。
【
図4】本願の実施形態により提供されるプリセットパターンの一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態により提供されるテスト画像の一例を示す図である。
【
図6】本願の実施形態により提供される電子デバイスのアーキテクチャを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の具体的な実施形態について、上述の図面に基づいて本願をさらに説明する。
【0018】
本願の上述の目的、特徴及び利点をより明確に理解することができるように、以下に添付図面及び具体的な実施形態を用いて本願発明を詳細に説明する。なお、衝突しない場合には、本願の実施形態及び実施形態における特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0019】
以下の説明では、本願を十分に理解するための多くの具体的な詳細が説明されている。説明された実施形態は、本願の一部の実施形態にすぎず、すべての実施形態ではない。本願の実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他の実施形態は、何れも本願保護の範囲に属される。
【0020】
特に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本願の技術分野に属する技術者が一般に理解するものと同じ意味である。本願の明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本願を制限することを目的とするものではない。
【0021】
一実施形態では、産業用視覚システムは、自動検査、ワーク加工、組立自動化及び生産過程の制御及び監視のための画像認識機器であり、一般的に照明光源、カメラ及びカメラ架設装置などを含む。インストール担当者は標準作業プログラムにおける各種の標準ハードウェアパラメータ(例えば、光源輝度、カメラ取付位置または角度など)に基づいて工業視覚システムをインストールすることができるが、工業視覚システムの取付要求が高いため、最終的に得られた工業視覚システムの実際のハードウェアパラメータは標準ハードウェアパラメータと人工的に知覚し難い違いがあり、これにより、産業用視覚システムの結像結果と実際の物体との間に差が生じ、結像結果に基づいて得られた検出結果に誤差が生じる。
【0022】
上記の問題を解決するために、本願の実施形態による視覚システムの較正方法は、予め構築された視覚システムに基づいて、プリセットされた標準画像を撮影して、テスト画像を取得する。ここで、標準画像は、少なくとも1つのプリセットパターンを含む。次に、プリセットパターンに基づいて、テスト画像と標準画像との特徴差分値を算出する。最後に、特徴差分値に基づいて視覚システムに対する較正スキームを生成する。本願発明による視覚システムの較正方法は、標準画像と対応するテスト画像との差異に基づいて、対応する視覚システムの較正スキームを迅速に生成することができ、それによって較正スキームに基づいて視覚システムを較正して、視覚システムによる結像と実際の物体の差異を低減することができる。以下において、本願の実施形態によって提供される視覚システムの較正方法について、適用シーンの模式図を参照しながら紹介する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態によって提供される視覚システムの較正方法の適用シーンを示す図である。
図1に示すように、電子デバイス3は、画像を撮影する視覚システムのカメラ2と通信し、画像を撮影するカメラ2は、予め設定された標準画像を撮影する。電子デバイス3は、カメラ2と通信可能に接続するかまたは電気的に接続することにより、テスト画像を得る。
【0024】
電子デバイス3は、カメラ2からテスト画像を取得し、且つテスト画像を解析して、視覚システムの較正が必要かどうかを判断し、且つ視覚システムの較正スキームを生成する。
【0025】
本願の実施形態の方法によって提供される視覚システムの較正機能は、電子デバイスに統合されるか、またはソフトウェア開発キット(Software Development Kit,SDK)として電子デバイスにおいて運行される。電子デバイスは、コンピュータ、サーバ、ノートパソコンなどのデバイスであってもよい。
【0026】
他の実施形態では、カメラは、電子デバイスのカメラであってもよい。また、電子デバイスは、視覚システムと直接通信して、視覚システムからテスト画像を取得することができる。
【0027】
図2は、本願の好適な実施形態による視覚システムの較正方法のフローチャートである。本実施形態では、視覚システムの較正方法は、電子デバイス(例えば、
図1に示される電子デバイス3)に適用することができる。
【0028】
図2に示すように、視覚システムの較正方法は、具体的には、以下のステップを含む。フローチャートにおけるステップの順序は、必要に応じて変更されることができる。幾つかのステップは、省略されてもよい。
【0029】
ステップS1において、テスト画像を取得する。
【0030】
一実施形態では、テスト画像は、予め構築された視覚システムに基づいて、プリセットされた標準画像を撮影することによって得られる。標準画像は、少なくとも一種のプリセットパターンを含む。
【0031】
一実施形態では、視覚システムは、産業用視覚システムを表し、照明光源、光学レンズ、カメラ、カメラ架設装置などを含むが、これらに限定されない。電子デバイスは、産業用視覚システムと通信可能に接続するかまたは電気的接続して、テスト画像を得ることができる。
【0032】
一実施形態では、標準作業プログラム(Standard Operating Procedure,SOP)に基づいて視覚システムを構築しておくことができる。標準作業プログラムには、視覚システムの複数の標準ハードウェアパラメータ、例えば、光源輝度、カメラ取付位置又は角度などが含まれる。本実施形態では、予め構築された視覚システムにおけるハードウェアパラメータを実際のハードウェアパラメータと呼ぶ。
【0033】
他の実施形態では、視覚システムは、画像処理システムをさらに含んでもよい。画像処理システムは、画像前処理モジュールを含むが、これに限定されない。画像前処理モジュールは、画像に対して圧縮、強化、ノイズ除去などを行うために使用されることができる。標準作業プログラムは、例えば画像圧縮スケールなどの視覚システムの複数の標準ソフトウェアパラメータを含んでもよい。
【0034】
一実施形態では、ハードウェア装置をインストールした後に、視覚システムの実際のハードウェアパラメータと標準のハードウェアパラメータとの間にしばしば大きなまたは小さな違いが生じる。しかし、ハードウェアパラメータの微小な誤差は、常に視覚システムが撮影した画像に拡大反映されることになる。これにより、視覚システムの結像は、実際の物体(例えば、ある被検出部品)を復元することができなくなる。したがって、視覚システムの結像ができるだけ実際の物体に近づくように、視覚システムを正確に較正する必要がある。
【0035】
一実施形態では、視覚システムのハードウェアパラメータの誤差が結像効果に影響を与える以上、逆に、視覚システムの結像と実際物体との差異を分析して、差異から計算した特徴差分値に基づいてハードウェアパラメータに対する較正スキームを得ることができる。
【0036】
しかし、実際物体の標準サンプル画像を取得することは困難であり、しかも、実際物体の標準サンプル画像に含まれる特徴の種類が少ない場合、実際物体の標準サンプル画像と視覚システムの結像との差異から得られる特徴の差分値は比較的に一面的であり、より多くのハードウェアパラメータの誤差に対する較正スキームを得ることができない可能性がある。一方、実際物体の標準サンプル画像に含まれる特徴の種類が多い場合、乱雑な特徴に基づいて、特徴差分値を計算して得ることができないため、ハードウェアパラメータの誤差に対する較正スキームを得ることができない可能性がある。
【0037】
上記の問題を解決するために、本願の実施形態が提供する視覚システムの較正方法では、実体物体の標準サンプル画像の代わりに、予め設定された標準画像(またはカラーカードと称される)を使用する。さらに、テスト画像と標準画像に基づいてできるだけ正確な較正スキームを得ることができるようにするために、標準画像は少なくとも一種のプリセットパターンを含む。例えば、
図3に示される、本願の実施形態によって提供される標準画像の例示図を参照する。
【0038】
一実施形態では、プリセット画像は、互いに平行なラインを有する少なくとも1つの第1パターンと、階調マップを含む少なくとも1つの第2パターンと、互いに平行でないラインを有する少なくとも1つの第3パターンと、複数の色を有するパターンを含み且つ標準画像の中心に位置する少なくとも1つの第4パターンとを含むが、これらに限定されない。他の実施形態では、第4パターンは、複数の色を含まなくてもよいが、標準画像の中心に配置されなければならない。
【0039】
例えば、
図4は、本願の実施形態に提供されるプリセットパターンの例示図を示している。ここで、
図4におけるA部は、本願の実施形態に提供される第1パターン(矩形額縁)の例示的な図であり、
図3に関連して、標準画像には互いに平行する3つの第1パターンが含まれる。
図4におけるB部は、本願の実施形態で提供される第2パターンの例を示す図である。
図3を併せて参照すると、標準画像には、分散するように分布される6つの第2パターンが含まれている。
図4におけるC部は、本願の実施形態によって提供される第3パターンの例を示す図である。
図3を併せて参照すると、標準画像には、分散するように分布される8つの第3パターンが含まれている。
図4におけるD部は、本願の実施形態によって提供される第4パターンの例を示す図である。
図3を併せて参照すると、標準画像には、中心位置にある1つの第4パターンが含まれている。
【0040】
一実施形態では、過去較正された視覚システムを用いて標準画像を撮影し、過去較正された視覚システムが標準画像を撮影することで得られた履歴画像を、後続に使用される標準画像とすることもできる。
【0041】
例えば、
図5は、本願の実施形態に提供されるテスト画像の例を示す図である。テスト画像は、予め構築された視覚システムを用いてプリセットされた標準画像を撮影することで得られたものである。対比によって、
図5は、
図3と異なることが分かる。
【0042】
一実施形態では、プリセットパターンは、標準画像とテスト画像の少なくとも1つの局面の特徴間の差異を検出するために使用される。例えば、少なくとも1つの局面の特徴は、鮮明度、平行度、照光整合性、視野サイズ(カメラの架設高さに対応)を含み、それによって視覚システムのより全面的且つ正確な較正スキームを得る。
【0043】
ステップS2では、プリセットパターンに基づいて、テスト画像と標準画像との特徴差分値を算出する。
【0044】
一実施形態において、特徴差分値は、画像の傾斜度差分値、平行度差分値、画像を撮影するカメラの架設高さ差分値を含む。
【0045】
プリセットパターンに基づいて、テスト画像と標準画像との特徴差分値を算出するステップは、テスト画像における第1パターンと標準画像における第1パターンとの対比に基づいて、傾斜度差分値、平行度差分値、画像を撮影するカメラの架設高さ差分値を決定するサブステップを含む。
【0046】
一実施形態では、第1パターンが互いに平行なラインを有するパターンを含むので、平面幾何学の基礎知識に基づいて、テスト画像と標準画像の傾斜度差分値、平行度差分値、画像を撮影するカメラの架設高さ差分値を決定することができる。
【0047】
具体的には、傾斜度差分値を決定することは、テスト画像における何れかの第1パターンの何れかのラインと、標準画像において対応する何れかの第1パターンにおける対応する何れかのラインとの間のオフセット角度を計算し、すべてのラインに対応するオフセット角度の平均値を傾斜度差分値とすることを含む。傾斜度差分値は、テスト画像と標準画像との間の傾斜度の差値を表す。例えば、傾斜度差分値が0より小さい場合は、テスト画像が標準画像に対して時計回りに回転したことを表す。傾斜度差分値が0より大きい場合は、テスト画像が標準画像に対して反時計回りに回転したことを表す。傾斜度差分値の絶対値が大きいほど、回転角度が大きいことを表す。
【0048】
平行度差分値を決定するステップは、テスト画像における何れかの第1パターンの何れかの辺と、標準画像において対応する何れかの第1パターンの対応する何れかの辺との差分値を計算し、すべての第1パターンのすべての辺と対応する対辺との差分値の二乗和を平行度差分値とするステップを含む。平行度差分値は、撮像装置に対するテスト画像と標準画像との平行度間の差分値を表す。例えば、第1パターンは上下左右という4つの辺を有し、上辺方向の辺に対応する平行度差分値が0より大きい場合は、テスト画像が撮像装置の上辺に対して平行度に偏差が現れることを示す。平行度差分値が大きいほど、偏差が大きくなる。
【0049】
画像を撮影するカメラの架設高さ差分値を決定するステップは、テスト画像における何れかの第1パターンの何れかの垂直ラインの長さと、カメラの架設高さとの第1比率を計算し、標準画像における何れかの第1パターンの何れかの垂直ラインの長さとカメラの架設高さとの第2比率を計算し、第1比率と第2比率との差の絶対値を、カメラの架設高さ差分値とする。カメラの架設高さ差分値は、視覚システムがテスト画像を撮影する際のカメラの架設高さパラメータとSOP中の架設高さパラメータの差分値を示す。例えば、カメラの架設高さ差分値が0より小さい場合は、カメラの架設高さが低いことを示す。カメラの架設高さ差分値が0より大きい場合は、カメラの架設高さが高いことを示す。差分値が大きいほど、架設位置の偏差が大きいことを示す。
【0050】
一実施形態では、特徴差分値は、画像の階調に基づいて明暗均一性差分値を決定することを含む。
【0051】
プリセットパターンに基づいて、テスト画像と標準画像との特徴差分値を算出するステップは、テスト画像における第2パターンの階調値と標準画像における第2パターンの階調値とに基づいて、明暗均一性差分値を決定するステップを含む。
【0052】
一実施形態では、第2パターンがカラースケールマップを含み、カラースケールマップが多階調マップを含むので、第2パターンに基づいてテスト画像と標準画像との明暗均一性差分値を決定することができる。
【0053】
具体的には、テスト画像における何れかの第2パターン中の何れかの階調マップと、標準画像中の同じ位置の何れかの第2パターン中の何れかの階調マップとの階調値の差分値を算出し、得られたすべての階調の階調マップに対応する階調値の差分値の分散総和を対応位置の明暗均一性差分値とすることができる。例えば、
図5に示すように、対応する明暗均一性の差分値が0より大きい場合、複数の位置の第2パターン間の明暗均一性に差があることを表す。明暗均一性の差が大きいほど、テスト画像の異なる位置での明暗均一性が悪いことを示す。
【0054】
1つの実施形態では、特徴差分値は、画像の鮮明度に基づいて決定された鮮明度差分値を含む。
【0055】
プリセットパターンに基づいて、テスト画像と標準画像との特徴差分値を算出するステップは、テスト画像における第3パターンの鮮明度と標準画像における第3パターンの鮮明度との差を鮮明度差分値とするステップを含む。
【0056】
一実施形態では、第3パターンは、互いに平行でない複数のラインから構成されるので、ラインの鮮明さに基づいてテスト画像の鮮明さを決定することができる。具体的には、パターンの鮮明度を決定する方法としては、Roberts関数、Brenner関数などの予め設定された画像鮮明度の評価関数を使用することを含む。例えば、テスト画像と標準画像との鮮明度差が0より小さい場合、テスト画像の鮮明度が標準画像よりも低いことを示す。鮮明度差の絶対値が大きいほど、テスト画像の鮮明度が低いことを示す。
【0057】
1つの実施形態では、特徴差分値は、画像の中心位置に基づいて決定される中心位置の差分値を含む。
【0058】
プリセットパターンに基づいて、テスト画像と標準画像との特徴差分値を算出するステップは、テスト画像中の第4パターンの中心位置と標準画像中の第4パターンの中心位置とに基づいて、中心位置の差分値を決定するステップを含む。
【0059】
一実施形態では、第4パターンは円形図であり、円形図の中心位置が画像の中心位置であるため、第4パターンの中心位置に基づいて中心位置の差分値を決定することができる。中心位置の差分値は、方向と長さの値を含むベクトルであってもよい。具体的には、特徴点の検出方法に基づいて、第4パターンの中心位置を特定することができる。例えば、円形図のラインの合流点が円形図の中心位置となる。さらに、中心位置の差分値は、テスト画像の中心が標準画像の中心からのオフセット方向とオフセット距離を示すことができる。
【0060】
1つの実施形態では、特徴差分値は、画像の輝度に基づいて決定される全体輝度の差分値を含む。
【0061】
プリセットパターンに基づいて、テスト画像と標準画像との特徴差分値を算出するステップは、テスト画像と標準画像の両方を階調画像に変換し、テスト画像の階調画像中の全パターンの平均階調値と標準画像の階調画像中の全パターンの平均階調値とに基づいて、全体輝度の差分値を決定するステップを含む。
【0062】
一実施形態では、標準画像としてカラーカードを直接使用することに加えて、過去較正された視覚システムが標準画像を撮影することで得られた履歴画像を、標準画像とすることもできる。この場合、履歴画像と標準カラーカードにおける複数の第1特徴差分値を算出し、さらにテスト画像の複数の特徴差分値と履歴画像の複数の第2特徴差分値とを比較して、第1特徴差分値と対応する第2特徴差分値との差分値を最後に較正スキームを生成する際に用いられる特徴差分値とすることができる。
【0063】
ステップS3において、特徴差分値に基づいて視覚システムに対する較正スキームを生成する。
【0064】
一実施形態において、特徴差分値に基づいて視覚システムに対する較正スキームを生成するステップは、特徴差分値が対応する差分範囲を超える場合、特徴差分値に基づいて較正スキームを生成するステップを含む。
【0065】
一実施形態では、特徴差分値はいずれも対応する差分範囲を有し、例えば、傾斜度差分値に対応する差分範囲は[-1度,1度]であり、明暗均一性差分値に対応する差分範囲は[-10,10]などである。
【0066】
一実施形態では、較正スキームは、過去人工較正方法に基づいてまとめられたものでもよい。いずれの特徴差分値に対応する較正スキームは、テスト画像を標準画像に近づけることを目的としている。例えば、カメラの架設高さ差分値は、カメラの架設高さが高すぎることを指示する場合、カメラの架設高さを下げる。明暗均一性の差分値は、テスト画像の全体が暗いことを指示する場合、光源の明るさなどを高くする。
【0067】
一実施形態では、視覚システムの較正方法は、電子デバイスの表示画面において、予め設定されたユーザインタフェースを介して標準画像、テスト画像、特徴差分値及び較正スキームを表示することをさらに含む。
【0068】
一実施形態では、上述の実施形態によって提供された方法をソフトウェアプログラムに統合し、且つソフトウェアに較正可視化インタフェースを設計し、較正可視化インタフェースにおいて標準画像、テスト画像、特徴差分値及び較正スキームを展示して、それによってユーザーに較正スキームをより直感的に了解させる。
【0069】
一実施形態では、本願が提供する視覚システムの較正方法は、予め構築された視覚システムを用いてプリセットされた標準画像を撮影して、テスト画像を得る。ここで、標準画像は、少なくとも1つのプリセットパターンを含む。プリセットパターンに基づいて、テスト画像と標準画像との特徴差分値を算出する。特徴差分値に基づいて、視覚システムに対する較正スキームを生成する。つまり、本願発明は、標準画像と対応するテスト画像との差異に基づいて、対応する視覚システムの較正スキームを迅速に生成することができ、それによって、較正スキームに基づいて視覚システムに対して較正することができ、視覚システムによる結像と実際物体との間の差異を低減することができる。
【0070】
上記
図2は、本願の視覚システムの較正方法を詳細に紹介した。以下に、
図6と関連して、視覚システムの較正方法を実現するソフトウェアシステムの機能モジュール及び視覚システムの較正方法を実現するハードウェア装置のアーキテクチャについて紹介する。
【0071】
本実施形態は説明のためだけのものであり、特許出願の範囲においてこの構造に限定されないことを理解すべきである。
【0072】
図6は、本願の好適な実施形態によって提供される電子デバイスの概略構造を示している。
【0073】
本願の好ましい実施形態では、電子デバイス3は、記憶装置31と、少なくとも1つのプロセッサ32とを含む。当業者は、
図6に示される電子デバイスの構造は、本願の実施形態を限定するものではなく、バス型構造であってもよいし、スター型構造であってもよい。上記電子デバイス3は、図示よりも多くまたは少ない他のハードウェアまたはソフトウェア、または異なる部品配置を含んでもよい。
【0074】
幾つかの実施形態では、上記電子デバイス3は、事前に設定または記憶可能な命令を含み、数値計算及び/又は情報処理を自動的に行う端末である。そのハードウェアには、マイクロプロセッサ、専用集積回路、プログラマブルゲートアレイ、デジタルプロセッサ及び組み込み式機器などが含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
なお、電子デバイス3は、単なる例であり、他の既存または今後出現する可能性のある電子製品は、本願に適応可能であれば、本願の保護範囲内にも含まれ、参照としてこれに含まれるべきである。
【0076】
幾つかの実施形態では、記憶装置31は、プログラムコード及び様々なデータを記憶するために使用される。例えば、記憶装置31は、電子デバイス3にインストールされた視覚システム較正システム30を記憶し、電子デバイス3の運行中にプログラムまたはデータへの高速、自動的なアクセスを実現するために使用されてもよい。記憶装置31は、リードオンリー記憶装置(Read-Only Memory,ROM)、プログラマブルリードオンリー記憶装置(Programmable Read-Only Memory,PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリー記憶装置(Erasable Programmable Read-Only Memory,EPROM)、1回プログラマブルリードオンリー記憶装置(One-time Programmable Read-Only Memory,OTPROM)、電子消去式複写可能読み出し専用メモリ(Electrically-Erasable Programmable Read-Only Memory,EEPROM)、読取り専用光ディスク(Compact Disc Read-Only Memory,CD-ROM)、またはその他の光ディスクメモリ、磁気ディスクメモリ、磁気テープ記憶装置、またはデータを搬送または記憶するために使用できるその他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。
【0077】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサ32は、集積回路から構成されていてもよい。例えば、単一のパッケージ化された集積回路により構成されてもよいし、同一の機能又は異なる機能のパッケージ化された集積回路により構成されてもよく、1つまたは複数の中央プロセッサ(Central Processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル処理チップ、グラフィックプロセッサ、及び各種制御チップの組み合わせなどを含む。また、少なくとも1つのプロセッサ32は、電子デバイス3の制御コア(Control Unit)であり、各種のインタフェース及び回線を用いて電子デバイス3全体の各コンポーネントを接続し、記憶装置31内に記憶されたプログラム又はモジュールを運行又は実行し、記憶装置31内に記憶されたデータを呼び出すことにより、電子デバイス3の各種機能及び処理データ、例えば
図2に示す視覚システムの較正機能を実行する。
【0078】
幾つかの実施形態では、視覚システム較正システム30は、電子デバイス3において運行される。視覚システム較正システム30は、プログラムコードセグメントからなる複数の機能モジュールを含むことができる。視覚システム較正システム30内の各セグメントのプログラムコードは、電子デバイス3の記憶装置31に記憶可能であり、且つ
図2に示す視覚システムの較正機能を実現するために、少なくとも1つのプロセッサ32によって実行されてもよい。
【0079】
本実施形態では、視覚システム較正システム30は、それが実行する機能に応じて、複数の機能モジュールに分割されてもよい。本明細書でいうモジュールは、少なくとも1つのプロセッサによって実行され、且つ固定機能を完成できる一連のコンピュータプログラムセグメントを指し、記憶装置に格納される。
【0080】
図示していないが、電子デバイス3は、各部品に電力を供給する電源(例えば、電池)を含むこともできる。好ましくは、電源は、電源管理装置を介して少なくとも1つのプロセッサ32と論理的に接続されて、電源管理装置を介して充電、放電、及び消費電力などの機能を管理する。電源は、1つまたは複数の直流/交流電源、再充電装置、電源故障テスト回路、電源コンバータまたはインバータ、電源状態インジケータなどの任意のコンポーネントを含むことができる。さらに、電子デバイス3は、複数のセンサ、Bluetoothモジュール、Wi-Fiモジュールなどを含むことができ、ここではこれ以上説明しない。
【0081】
上記実施形態は、説明のためだけのものであり、特許出願の範囲はこれらの構造に限定されないことを理解すべきである。
【0082】
上述したソフトウェア機能モジュールとして実現された統合されたユニットは、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。上述のソフトウェア機能モジュールは、1つの記憶媒体に格納されており、1台の電子デバイス(サーバ、パソコンなどであってもよい)またはプロセッサ(processor)が本願の様々な実施形態に記載された方法を実行するように、幾つかの命令を含む。
【0083】
記憶装置31にはプログラムコードが格納されており、少なくとも1つのプロセッサ32は、関連する機能を実行するために記憶装置31に格納されたプログラムコードを呼び出すことができる。記憶装置31に格納されたプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサ32によって実行されることにより、各モジュールの機能を実現して、さらに視覚システムを較正する目的を達成する。
【0084】
本明細書で提供される幾つかの実施形態では、開示された装置及び方法は、他の方法で実現されてもよいことを理解すべきである。例えば、上述した装置の実施形態は単なる例示的なものである。例えば、モジュールの分割は、単なる論理機能の分割であり、実際に実現する際に別の分割方式があってもよい。
【0085】
分離手段として説明されるモジュールは、物理的に分離されてもよいし、物理的に分離されなくてもよい。モジュールとして表示される手段は、物理ユニットであってもよいし、そうでなくてもよい。すなわち、1箇所に位置していてもよいし、複数のネットワークユニットに分散していてもよい。本実施形態の目的は、実際の必要に応じてその一部または全部のモジュールを選択して実現することができる。
【0086】
また、本願の各実施形態における各機能モジュールは、1つの処理ユニットに統合されていてもよいし、各ユニットが個別に物理的に存在していてもよいし、2つまたは2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されていてもよい。上記統合されたユニットは、ハードウェアの形式で実現してもよいし、ハードウェアプラスソフトウェアの機能モジュールの形式で実現されてもよい。
【0087】
当業者にとって、本願は上述の例示的な実施形態の詳細に限定されるものではなく、本願の精神的または基本的な特徴から逸脱しない前提下で、他の具体的な形態で本願を実現できることは明らかである。したがって、いずれの点から見ても、上記の実施形態は例示的であり、非限定的なものである。本願の範囲は、上記の説明ではなく、添付の請求項によって限定されるので、請求項の均等要件に該当するまたはその範囲内に落ちたすべての変化を本願発明に包含することを意図する。特許請求の範囲内の任意の参照符号を、関連する請求項を制限するものと見なすべきではない。また、「含む」という言葉が他の要素を排除することではなく、単数が複数を除外しないことは明らかである。装置請求項に記載の複数のユニットまたは装置は、1つのユニットまたは装置がソフトウェアまたはハードウェアによって実現されてもよい。第1、第2などの言葉は、特定の順序を表すのではなく、名前を表すために使用される。
【0088】
最後に説明すべきことは、上述の実施形態は、本願の技術的態様を説明するためにのみ使用され、本願請求項の範囲を限定するものではない。上述の好ましい実施形態を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は、本願の技術的態様の精神及び範囲から逸脱することなく、本願の技術的態様に対して修正するまたは均等に置き換えることができることを理解すべきである。