(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132779
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】果菜引継ぎ搬送装置、果菜箱詰め装置及び果菜載せ体
(51)【国際特許分類】
B65G 17/36 20060101AFI20240920BHJP
B65G 47/28 20060101ALI20240920BHJP
B65B 5/08 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65G17/36 Z
B65G47/28 F
B65B5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107085
(22)【出願日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】P 2023039616
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391017702
【氏名又は名称】日本協同企画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】宮田 和男
【テーマコード(参考)】
3E003
3F034
3F081
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB02
3E003BB02
3E003BB04
3E003BC03
3E003BD04
3E003CA02
3E003CB06
3E003DA06
3E003DA07
3F034LA08
3F034LB13
3F081AA46
3F081BA02
3F081BD11
3F081CE04
(57)【要約】
【課題】 果菜の箱詰め作業の自動化に資する果菜引継ぎ搬送装置、果菜箱詰め装置及び果菜載せ体を提供する。
【解決手段】 本発明の果菜引継ぎ搬送装置は、コンベア上の果菜を検知する検知器と、検知器からの出力信号に基づいて動作する第一回転体と、第一回転体の回転に伴って移動する果菜載せ体と、第一回転体の先方で第一回転体から送り出された果菜載せ体を引き継いで搬送する第一搬送体と、第一搬送体から送り出される果菜載せ体を回収する第二回転体と、第二回転体で回収された果菜載せ体を第一回転体に向けて搬送する第二搬送体を備えたものである。本発明の果菜箱詰め装置は、本発明の果菜引継ぎ搬送装置と箱詰めユニットを備えたものである。本発明の果菜載せ体は、ベース部と、ベース部の上面側に立設した立設壁と、ベース部の長手方向両外側に突設された走行車輪を備えたものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベア上の果菜を引き継いで搬送する果菜引継ぎ搬送装置であって、
前記コンベア上の果菜を検知する検知器と、
前記検知器からの出力信号に基づいて動作する第一回転体と、
前記第一回転体の回転に伴って移動する果菜載せ体と、
前記第一回転体の先方で第一回転体から送り出された果菜載せ体を引き継いで搬送する第一搬送体と、
前記第一搬送体から送り出される果菜載せ体を回収する第二回転体と、
前記第二回転体で回収された果菜載せ体を前記第一回転体に向けて搬送する第二搬送体を備えた、
ことを特徴とする果菜引継ぎ搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載の果菜引継ぎ搬送装置において、
第一搬送体で搬送される果菜載せ体を、当該第一搬送体上で停止させるストッパーを備えた、
ことを特徴とする果菜引継ぎ搬送装置。
【請求項3】
請求項1記載の果菜引継ぎ搬送装置において、
果菜載せ体は、ベース部と、当該ベース部の上面側に立設した立設壁と、当該ベース部の長手方向両外側に突設された走行車輪を備えた、
ことを特徴とする果菜引継ぎ搬送装置。
【請求項4】
請求項1記載の果菜引継ぎ搬送装置において、
第一回転体は、検知器からの出力信号に基づいて間欠回転する、
ことを特徴とする果菜引継ぎ搬送装置。
【請求項5】
請求項1記載の果菜引継ぎ搬送装置において、
第一搬送体に、当該第一搬送体を走行中の果菜載せ体の脱落を防止する脱落防止突条が設けられた、
ことを特徴とする果菜引継ぎ搬送装置。
【請求項6】
請求項1記載の果菜引継ぎ搬送装置において、
第一搬送体の搬送方向先方に、当該第一搬送体上に残存した果菜を取り出して搬送する残存果菜搬送体が設けられた、
ことを特徴とする果菜引継ぎ搬送装置。
【請求項7】
果菜を取り出して箱詰めする果菜箱詰め装置において、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の果菜引継ぎ搬送装置と、
前記果菜引継ぎ搬送装置の第一搬送体上の果菜載せ体から果菜を取り出して箱詰めする箱詰めユニットを備えた、
ことを特徴とする果菜箱詰め装置。
【請求項8】
請求項7記載の果菜箱詰め装置において、
箱詰めユニットは、二以上の果菜取出し体を備えた、
ことを特徴とする果菜箱詰め装置。
【請求項9】
請求項8記載の果菜箱詰め装置において、
箱詰めユニットは、二以上の果菜取出し体の間隔を調整する間隔調整機を備えた、
ことを特徴とする果菜箱詰め装置。
【請求項10】
請求項9記載の果菜箱詰め装置において、
間隔調整機は、果菜の箱詰め前に、果菜取り出し後の二以上の果菜取出し体の間隔を果菜取出し時の間隔よりも狭くする、
ことを特徴とする果菜箱詰め装置。
【請求項11】
コンベア上の果菜を引き継いで搬送する果菜載せ体であって、
ベース部と、
前記ベース部の上面側に立設した立設壁と、
前記ベース部の長手方向両外側に突設された走行車輪を備えた、
ことを特徴とする果菜載せ体。
【請求項12】
請求項11記載の果菜載せ体において、
ベース部の長手方向両外側に突設された係合突材を備えた、
ことを特徴とする果菜載せ体。
【請求項13】
請求項12記載の果菜載せ体において、
係合突材は、走行車輪よりも外側に突き出る長さを備えた、
ことを特徴とする果菜載せ体。
【請求項14】
請求項11記載の果菜載せ体において、
走行車輪は、載置部と当該載置部よりも外径の大きな突状リング部を備えた、
ことを特徴とする果菜載せ体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果菜を搬送する果菜引継ぎ搬送装置と、当該果菜引継ぎ搬送装置で搬送された果菜を箱詰めする果菜箱詰め装置と、果菜を搬送する果菜載せ体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キュウリ、茄子、ゴーヤ、人参、ズッキーニ等の長物果菜(長尺果菜)や、トマト、柿、桃、リンゴ、マンゴー、梨、デコポン等の丸物果菜(丸玉果菜)を等階級別に選別する装置として、本件発明者が先に開発した果菜選別装置(特許文献1及び2)がある。
【0003】
図15に示すように、前述の果菜選別装置は、果菜を載せて搬送するバケットAと、搬送中の果菜のサイズや形状等を計測する計測装置Bと、計測装置Bでの計測結果に基づいて等階級が判別された果菜をバケットAから取り出す果菜取出しコンベアCと、果菜取出しコンベアC上の果菜を引き継いで搬送する引継ぎ搬送体Dを備えている。
【0004】
この果菜選別装置では、バケットAに載せて搬送中の果菜のサイズや形状等が計測装置Bで計測され、その計測結果に基づいて等階級が判別された果菜が果菜取出しコンベアCで取り出され、その果菜取出しコンベアC上の果菜が引継ぎ搬送体Dで引き継がれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-153119号公報
【特許文献2】特開2020-186132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記引継ぎ搬送体Dで引き継がれた果菜のように、等階級別に選別された果菜は等階級別に箱詰めされて出荷されるが、従来の果菜選別装置は果菜を等階級ごとに選別するところまでを行う装置であり、その後の箱詰め作業は手作業で行う必要があった。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、果菜の箱詰め作業の自動化に資する果菜引継ぎ搬送装置、当該果菜引継ぎ搬送装置を備えた果菜箱詰め装置及び果菜載せ体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[果菜引継ぎ搬送装置]
本発明の果菜引継ぎ搬送装置は、コンベア上の果菜を引き継いで搬送する装置であって、コンベア上の果菜を検知する検知器と、検知器からの出力信号に基づいて動作する第一回転体と、第一回転体の回転に伴って移動する果菜載せ体と、第一回転体の先方で第一回転体から送り出された果菜載せ体を引き継いで搬送する第一搬送体と、第一搬送体から送り出される果菜載せ体を回収する第二回転体と、第二回転体で回収された果菜載せ体を第一回転体に向けて搬送する第二搬送体を備えたものである。
【0009】
本発明の果菜引継ぎ搬送装置では、第一搬送体で搬送される果菜載せ体を、第一搬送体上で停止させるストッパーを備えたものとすることもできる。
【0010】
本発明の果菜引継ぎ搬送装置では、果菜載せ体として、ベース部と、ベース部の上面側に立設した立設壁と、ベース部の長手方向両外側に突設された走行車輪を備えたものを用いることができる。なお、本願において果菜載せ体は果菜を載せるための部材(いわゆるバケット)のことであり、その形状は特に問わない。
【0011】
本発明の果菜引継ぎ搬送装置では、第一回転体を検知器からの出力信号に基づいて間欠回転するようにすることもできる。
【0012】
本発明の果菜引継ぎ搬送装置では、第一搬送体に、第一搬送体を走行中の果菜載せ体の脱落を防止する脱落防止突条を設けることもできる。
【0013】
本発明の果菜引継ぎ搬送装置では、第一搬送体の搬送方向先方に、第一搬送体上に残存した果菜を取り出して搬送する残存果菜搬送体を設けることもできる。
【0014】
[果菜箱詰め装置]
本発明の果菜箱詰め装置は、果菜を取り出して箱詰めする装置であって、本発明の前記果菜引継ぎ搬送装置と、果菜引継ぎ搬送装置の第一搬送体上の果菜載せ体から果菜を取り出して箱詰めする箱詰めユニットを備えたものである。
【0015】
本発明の果菜箱詰め装置では、箱詰めユニットとして、二以上の果菜取出し体を備えたものを用いることができる。
【0016】
本発明の果菜箱詰め装置では、箱詰めユニットとして、二以上の果菜取出し体の間隔を調整する間隔調整機を備えたものを用いることができる。
【0017】
本発明の果菜箱詰め装置では、間隔調整機によって、果菜の箱詰め前に、果菜取り出し後の二以上の果菜取出し体の間隔を果菜取出し時の間隔よりも狭くできるようにすることができる。
【0018】
[果菜載せ体]
本発明の果菜載せ体は、コンベア上の果菜を引き継いで搬送するものであって、ベース部と、ベース部の上面側に立設した立設壁と、ベース部の長手方向両外側に突設された走行車輪を備えたものである。
【0019】
本発明の果菜載せ体では、ベース部の長手方向両外側に突設された係合突材を備えたものとすることもできる。
【0020】
本発明の果菜載せ体では、係合突材として、走行車輪よりも外側に突き出る長さを備えたものを用いることもできる。
【0021】
本発明の果菜載せ体では、走行車輪として、載置部と載置部よりも外径の大きな突状リング部を備えたものを用いることもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の果菜引継ぎ搬送装置、果菜箱詰め装置及び果菜載せ体によれば、果菜の箱詰め作業の自動化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の果菜箱詰め装置の一例を示す概要説明図。
【
図2】(a)は果菜引継ぎ搬送装置の一例を示す側面図、(b)は(a)のIIb部の拡大図。
【
図3】(a)は果菜載せ体の一例を示す説明図、(b)は果菜載せ体の他例を示す説明図。
【
図4】(a)は果菜載せ体がストッパーに到達する前の状態の説明図、(b)は果菜載せ体がストッパーで停止した状態の説明図。
【
図5】(a)は箱詰めユニットの果菜取出し体が離れた状態の説明図、(b)は箱詰めユニットの果菜取出し体が接近した状態の説明図。
【
図6】本発明の果菜箱詰め装置の他例を示す概要説明図。
【
図7】(a)は果菜引継ぎ搬送装置の他例を示す側面図、(b)は(a)のVIIb部の拡大図。
【
図8】(a)は果菜載せ体の他例を示す説明図、(b)は(a)の果菜載せ体を異なる角度から見た場合の説明図。
【
図9】(a)は
図8の果菜載せ体の正面図、(b)は(a)の背面図、(c)は(a)の左側面図、(d)は(a)の右側面図、(e)は(a)の平面図、(f)は(a)の底面図。
【
図10】(a)は果菜載せ体の他例を示す説明図、(b)は(a)の果菜載せ体を異なる角度から見た場合の説明図。
【
図11】(a)は
図10の果菜載せ体の正面図、(b)は(a)の背面図、(c)は(a)の左側面図、(d)は(a)の右側面図、(e)は(a)の平面図、(f)は(a)の底面図。
【
図12】(a)は果菜載せ体がストッパーに到達する前の状態の説明図、(b)は果菜載せ体がストッパーで停止した状態の説明図。
【
図13】(a)は箱詰めユニットの果菜取出し体が離れた状態の説明図、(b)は箱詰めユニットの果菜取出し体が接近した状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態1)
本発明の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。本発明は各種果菜の箱詰めに用いることができるが、ここでは、果菜が長物果菜であるキュウリの場合を一例として説明する。
【0025】
一例として
図1に示す果菜箱詰め装置10は、等階級別に選別された果菜をコンベアXから引き継いで搬送する果菜引継ぎ搬送装置20と、果菜引継ぎ搬送装置20で搬送された果菜を取り出して箱詰めする箱詰めユニット30を備えている。
【0026】
前記果菜引継ぎ搬送装置20は、コンベアX上の果菜を引き継いで搬送する装置である。
図1に示すように、この実施形態の果菜引継ぎ搬送装置20は、検知器21、第一回転体22、果菜載せ体23、第一搬送体24、第二回転体25及び第二搬送体26を主要構成として備えている。
【0027】
第一回転体22はコンベアXの終端側の下方に、第一搬送体24はコンベアXの搬送方向先方側に、第二回転体25は第一搬送体24の先方側の下方に、第二搬送体26は第二回転体25及び第一回転体22の下方側の間に配置されている。
【0028】
前記検知器21は、コンベアX上の果菜を検知するものである。検知器21は、近接センサやフォトセンサ、光電センサ、レーザセンサをはじめとする、既存の各種センサで構成することができる。検知器21はコンベアXの終端側の上方に配置されている。
【0029】
前記第一回転体22は、コンベアX上の果菜を引き継ぐ果菜載せ体23を先方に送るためのものである。一例として
図1に示す第一回転体22は、円筒状のドラム部22aと、ドラム部22aの両端に設けられたギヤ部22bを備えている。両ギヤ部22bはドラム部22aの内部に設けられた連結軸22cで連結されている。
【0030】
連結軸22cは図示しないモータと接続され、当該モータによって
図2(a)(b)の時計廻り方向に回転するようにしてある。この実施形態の第一回転体22は、検知器21からの出力信号に基づいて間欠回転するように構成されている。
【0031】
具体的には、検知器21によって所定位置に果菜があることが検知されると、第一回転体22が予め設定された1ピッチ分回転するようにしてある。第一回転体22の回転により果菜載せ体23が1ピッチ分移動(前進)することで、コンベアX上の所定位置にある果菜が果菜載せ体23上に移載される(引き継がれる)。
【0032】
前記果菜載せ体23は、コンベアX上の果菜を取り出して引き継ぐ部材である。一例として
図3(a)に示す果菜載せ体23は、ベース部23bとベース部23bの上面側に立設した立設壁23cを備えている。ベース部23bは横長方形状の肉厚部材であり、その長手方向両外側のそれぞれには外向きに突設された二つの走行車輪23dが設けられている。二つの走行車輪23dは走行方向前後に間隔をあけて設けられている。
【0033】
前記走行車輪23dは、後述する第一搬送体24及び第二搬送体26上に載置される部材である。走行車輪23dには、ベアリングローラのほか、ゴムローラや樹脂ローラ等を用いることができる。
【0034】
走行車輪23dの形状に特に限定はないが、たとえば、第一搬送体24及び第二搬送体26上に載る載置部23fと、載置部23fよりも外径の大きな突状リング部23gを備えたものを用いることができる。突状リング部23gを備えたものとすることで、当該突状リング部23gが第一搬送体24及び第二搬送体26の内面に当接し、脱輪を防止することができる。なお、走行車輪23dには、
図3(b)のような突状リング部23gのないものを用いることもできる。
【0035】
二つの走行車輪23dの間には、係合突材23eが走行車輪23dと同方向に突設されている。係合突材23eは、ベース部23bの長手方向両外側のそれぞれに設けられている。前記係合突材23eは、第一回転体22のギヤ部22bが果菜載せ体23を引き継ぐ際に、当該ギヤ部22bが係止する部材である。係合突材23eは、走行車輪23dよりも外側に突き出る長さであり、その突き出した部分に第一回転体22及び第二回転体25が係合するようにしてある。
【0036】
前記立設壁23cは、果菜が載置される載置凹部23hを構成する部分である。この実施形態では、立設壁23cはベース部23bの長手方向に間隔をあけて八枚設けられている。立設壁23cの間の間隔は、コンベアX上の果菜を取り出す際に、コンベアXと干渉しないようにする通路として機能する。
【0037】
立設壁23cの枚数はコンベアXの本数に応じて設定することができ、八枚より多くても少なくても良い。各立設壁23cの間隔の広さも、果菜が載置されたコンベアXの幅に応じて適宜設定することができる。
【0038】
各立設壁23cの上面には果菜が載る載置凹部23hが設けられている。載置凹部23hを構成する二つの先鋭部23iのうち、果菜載せ体23の移動方向後方側の先鋭部23iは、引継ぎコンベアX上の果菜を取り出す係止爪として機能する。載置凹部23hに収まった果菜は、先鋭部23iによって前後方向への落下が防止される。
【0039】
図1に示すように、第一回転体22の外周には、果菜載せ体23の脱落を防止するためのガイド(以下「第一ガイド」という)27aが設けられている。第一ガイド27aは後述する第二搬送体26の終端位置から果菜載せ体23を垂直方向に移動させる範囲に設置された四分円弧状の部材である。
【0040】
果菜載せ体23に設けられた走行車輪23dは、第一回転体22のギヤ部22bと第一ガイド27aの間に挟まれた状態で第一回転体22に沿って先方へ移動したのち、第一回転体22を通過して先方の第一搬送体24へ移動する。
【0041】
前記第一搬送体24は、第一回転体22から送り出された果菜載せ体23を引き継いで搬送するための部分である。
図1に示すように、この実施形態の第一搬送体24は、第一回転体22の先方側に平行に配置された二本の無端搬送体(以下「第一無端コンベア」という)24aを備えている。
【0042】
二本の第一無端コンベア24aは図示しない連結部材で連結され、図示しないモータの動力によって同期回転するようにしてある。この実施形態では、第一搬送体24は常時回転するようにしてある。第一無端コンベア24aには、たとえばタイミングコンベア等を用いることができる。
【0043】
両第一無端コンベア24aには、果菜載せ体23の走行車輪23dが載るようにしてある。第一回転体22から送り出された果菜載せ体23は、走行車輪23dの部分が第一無端コンベア24a上に載り、第一無端コンベア24aの走行によって同方向に移動する。
【0044】
図4(a)(b)に示すように、この実施形態では、第一搬送体24の第二回転体25寄りの位置にストッパー24bが設けられている。このストッパー24bは、果菜載せ体23を第一搬送体24の所定位置で所定時間停止させるための部材である。
【0045】
ストッパー24bが果菜載せ体23の前面側に当接することで、果菜載せ体23が当該位置で停止する。この時、走行車輪23dは第一無端コンベア24a上で空転し、果菜載せ体23は当該位置でアキューム(滞留)する。
【0046】
前記第二回転体25は、第一搬送体24から送り出される果菜載せ体23を回収するための部材である。この実施形態の第二回転体25の構造は第一回転体22と同様であり、円筒状のドラム部25aと、ドラム部25aの両端に設けられたギヤ部25bを備えている。
【0047】
両ギヤ部25bはドラム部25aの内部に設けられた連結軸25cで連結されている。連結軸25cは図示しないモータと接続され、当該モータによって第二回転体25が回転するようにしてある。第二回転体25は、装置動作中は、常時回転させておくことができる。このほか、第二回転体25は、外部信号に基づいて動作(回転)するようにすることもできる。
【0048】
図1に示すように、第二回転体25の外周には、第一搬送体24から引き継いだ果菜載せ体23の脱落を防止するためのガイド(以下「第二ガイド」という)27bが設けられている。第二ガイド27bは、第一搬送体24の終端位置と第二搬送体26の始端位置の間に設置された半円弧状の部材である。
【0049】
果菜載せ体23に設けられた走行車輪23dは、第二回転体25のギヤ部25bと第二ガイド27bの間に挟まれた状態で第二回転体25に沿って先方へ移動したのち、第二回転体25を通過して先方の第二搬送体26へ移動する。
【0050】
この実施形態では、所定位置でアキュームした果菜載せ体23上の果菜が、後述する箱詰めユニット30の吸着アーム35で取り出されたときに、ストッパー24bによる規制(停止)が解除され、果菜載せ体23が第二回転体25に向けて移動するようにしてある。ストッパー24bは図示しないセンサからの出力信号によって動作するようにしてある。
【0051】
なお、この実施形態では、第二回転体25がギヤ部25bを備えた場合を一例としているが、第二回転体25はギヤ部25bのない円筒状とすることもできる。この場合、果菜載せ体23が第二回転体25に沿って勢いよく移動するため、果菜載せ体23の勢いを抑えるためのブレーキ装置(図示しない)を第二ガイド27bに設けることもできる。
【0052】
前記第二搬送体26は、第二回転体25で回収された果菜載せ体23を第一回転体22に向けて搬送するものである。第一搬送体24と同様、この実施形態の第二搬送体26は、二本の無端搬送体(以下「第二無端コンベア」という)26aを備えている。
【0053】
二本の第二無端コンベア26aは図示しない連結部材で連結され、図示しないモータの動力によって同期回転するようにしてある。この実施形態では、第一搬送体24は常時回転するようにしてある。第二無端コンベア26aには、たとえば、タイミングコンベア等を用いることができる。
【0054】
両第二無端コンベア26aには、果菜載せ体23の走行車輪23dが載るようにしてある。第二回転体25から送り出された果菜載せ体23は、走行車輪23dの部分が第二無端コンベア26a上に載り、第二無端コンベア26aの走行によって第一回転体22の方向に移動する。
【0055】
この実施形態では、後方から順次第二搬送体26に送り込まれる果菜載せ体23によって、それよりも前方(第一回転体22側)に位置する果菜載せ体23が押され(果菜載せ体23にプレッシャーがかかり)、果菜載せ体23が隙間なく第一回転体22に送り込まれるようにしてある。
【0056】
前記箱詰めユニット30は、果菜引継ぎ搬送装置20で搬送された果菜を取り出して箱詰めするためのものである。一例として
図5(a)(b)に示す箱詰めユニット30は、取付けベース31と、取付けベース31に固定されたエアシリンダ32と、エアシリンダ32のロッドの先端に連結された可動体33を備えている。
【0057】
取付けベース31と可動体33の間には、前後方向(ロッドの伸縮方向)に伸縮するパンタグラフ状の伸縮体34が設けられている。伸縮体34には、伸縮体34をガイドする伸縮体ガイド34aが、上下に間隔をあけて二本設けられている。
【0058】
この実施形態の取付けベース31、エアシリンダ32、可動体33及び伸縮体34は、後述する二以上の吸着アーム35(果菜取出し体)の間隔を調整するための機構(間隔調整機)として機能する。
【0059】
この実施形態の伸縮体34には、吸引によって載置凹部23h上の果菜を取り出す吸着アーム35が設けられている。吸着アーム35は、伸縮体34の伸縮方向に間隔をあけて複数本(この実施形態では八本)設けられている。
【0060】
複数本の吸着アーム35の間隔は、伸縮体34の伸長時に果菜載せ体23の載置凹部23hと等間隔になるようにしてある。吸着アームは35は、所定位置にアキュームされた果菜載せ体23の果菜を取り出せるよう、アキュームされた果菜載せ体23の上方に位置するようにしてある。
【0061】
この実施形態では、伸縮体34を伸長させた状態で、所定位置にアキュームされた果菜載せ体23上の果菜を吸着アーム35で取り出したのち、伸縮体34を収縮させることによって、吸着アーム35で吸着された複数本の果菜の間隔を詰められるようにしてある。この間隔は、箱詰め間隔(隣接する果菜同士が軽く触れる程度の間隔)と同じ間隔してある。
【0062】
果菜の取出し時と箱詰め時で吸着アーム35の間隔を変えられる(広くしたり狭くしたりできる)ようにすることで、果菜を隙間なく整列させて箱詰めすることができる。吸着アーム35の設置間隔は、箱詰め対象である果菜のサイズや箱の大きさ等に応じて適切な間隔とすることができる。
【0063】
この実施形態では、吸着アーム35での吸着動作が完了したタイミングで、吸着動作が完了した旨の信号が制御部(図示しない)に送られ、その信号に基づいてストッパー24bによる果菜載せ体23の規制が解除され、果菜載せ体23が第二回転体25に向けて移動するようにしてある。
【0064】
なお、果菜取出し体は、果菜載せ体23上の果菜を取り出せるものであれば吸着アーム以外であってもよい。
【0065】
この実施形態では、第一搬送体24の先方に、第一搬送体24上に残存した果菜を取り出して搬送する残存果菜搬送体28が設けられている。一例として
図1に示す残存果菜搬送体28は、図示しないモータで回転する七本のベルトコンベア(以下「細コンベア」という)を備えている。細コンベアの幅は、果菜載せ体23の立設壁23cの間に形成された間隔よりも狭くしてある。
【0066】
残存果菜搬送体28は、その始端が第一搬送体24の終端側の先方、且つ、第二回転体25の上方に位置するように設けられている。第一搬送体24の終端と残存果菜搬送体28の始端の間には、双方が干渉しないように若干の隙間が確保されている。この隙間は果菜が落下しない程度の隙間としてある。
【0067】
この実施形態では、第一搬送体24の上面と残存果菜搬送体28の上面が面一又は略面一となるようにしてある。両搬送体の上面の位置を同じ高さに揃えることで、果菜の移動がスムーズになり、落下などのリスクを抑えることができる。
【0068】
残存果菜搬送体28では、箱詰めユニット30の吸着アーム35で取り出されなかった果菜が取り出される。具体的には、載置凹部23hに果菜が載置された果菜載せ体23が第二回転体25に沿って下がっていく際に、載置凹部23hの果菜が細コンベアの回転によって残存果菜搬送体28上に引き継がれる。
【0069】
なお、残存果菜搬送体28は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することができる。
【0070】
(実施形態2)
本発明の実施形態の他例を、果菜が丸物果菜であるトマトの場合を一例として説明する。この実施形態の基本的な構成は実施形態1と同様である。以下では、実施形態1と共通する部分については適宜説明を省略し、実施形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0071】
この実施形態の果菜箱詰め装置10の基本的な構成は実施形態1と同様であり、
図6に示すように、等階級別に選別された果菜をコンベアXから引き継いで搬送する果菜引継ぎ搬送装置20と、果菜引継ぎ搬送装置20で搬送された果菜を取り出して箱詰めする箱詰めユニット30を備えている。
【0072】
前記果菜引継ぎ搬送装置20は、コンベアX上の果菜を引き継いで搬送する装置である。
図6に示すように、この実施形態の果菜引継ぎ搬送装置20は、検知器21、第一回転体22、果菜載せ体23、第一搬送体24、第二回転体25及び第二搬送体26を主要構成として備えている。
【0073】
第一回転体22はコンベアXの終端側の下方に、第一搬送体24はコンベアXの搬送方向先方側に、第二回転体25は第一搬送体24の先方側の下方に、第二搬送体26は第二回転体25及び第一回転体22の下方側の間に配置されている。
【0074】
前記検知器21は、コンベアX上の果菜を検知するものであり、実施形態1と同様のものを用いることができる。検知器21はコンベアXの終端側の上方に配置されている。
【0075】
前記第一回転体22は、コンベアX上の果菜を引き継ぐ果菜載せ体23を先方に送るためのものである。実施形態1と同様、第一回転体22は、円筒状のドラム部22aと、ドラム部22aの両端に設けられたギヤ部22bを備えている。両ギヤ部22bはドラム部22aの内部に設けられた連結軸22cで連結されている。実施形態1のドラム部22aに比べて、この実施形態のドラム部22aは厚さが薄い。
【0076】
連結軸22cは図示しないモータと接続され、当該モータによって
図7(a)(b)の時計廻り方向に回転するようにしてある。この実施形態の第一回転体22は、検知器21からの出力信号に基づいて間欠回転するように構成されている。具体的な動作については、実施形態1と同様である。
【0077】
前記果菜載せ体23は、コンベアX上の果菜を取り出して引き継ぐ部材である。一例として
図8(a)(b)に示す果菜載せ体23は、平面視円形状であり、ベース部23bとベース部23bの上面側に立設した立設壁23cを備えている。
【0078】
ベース部23bは平面視円形又は略円形の肉厚部材である。ベース部23bのうち、果菜載せ体23の走行方向両外側の位置には、立設壁23cと平行な平坦部23kが設けられている。ベース部23bは平坦部23kのない形状とすることもできる。
【0079】
図8(a)(b)の果菜載せ体23は、意匠的には、
図9(a)~(f)のような外観を備えている。
図8(a)(b)の果菜載せ体23においては、正面図と背面図が同一に表れ、左側面図と右側面図が同一に表れる。
【0080】
それぞれの平坦部23kには、外向きに突設された二つの走行車輪23dが設けられている。二つの走行車輪23dは走行方向前後に間隔をあけて設けられている。
【0081】
前記走行車輪23dは、第一搬送体24及び第二搬送体26上に載置される部材である。走行車輪23dには、ベアリングローラのほか、ゴムローラや樹脂ローラ等、第一搬送体24及び第二搬送体26上に載る載置部23fを備えたものを用いることができる。
【0082】
二つの走行車輪23dの間には、係合突材23eが走行車輪23dと同方向に突設されている。走行車輪23d及び係合突材23eの構成は、実施形態1と同様にすることができる。
【0083】
前記立設壁23cは、果菜が載置される載置凹部23hを構成する部分である。この実施形態では、立設壁23cがベース部23bの長手方向に間隔をあけて五枚設けられている。立設壁23cの間の間隔は、コンベアX上の果菜を取り出す際に、コンベアXと干渉しないようにする通路として機能する。
【0084】
立設壁23cの枚数はコンベアXの本数に応じて設定することができ、五枚より多くても少なくても良い。各立設壁23cの間隔の広さも、果菜が載置されたコンベアXの幅に応じて適宜設定することができる。
【0085】
立設壁23cのうち、両外側の立設壁23cを除く三枚の立設壁23cの上面には果菜が載る載置凹部23hが設けられている。載置凹部23hの前後の高台状の部分(実施形態1の先鋭部23iに相当)は、コンベアX上の果菜を取り出す係止爪として機能する。載置凹部23hに収まった果菜は、高台状の部分によって前後方向への落下が防止される。
【0086】
果菜載せ体23は、
図10(a)(b)のような平面視正方形又は略正方形のベース部23bを備えたものとすることもできる。ベース部23bを平面視正方形又は略正方形とすることで、ベース部23bが平面視円形又は略円形の場合に比べて、走行時の不用意な回転が生じにくく、回転に伴う落下等のリスクを低減できるメリットがある。
【0087】
図10(a)(b)の果菜載せ体23は、意匠的には、
図11(a)~(f)のような外観を備えている。
図8(a)(b)の果菜載せ体23と同様、
図10(a)(b)の果菜載せ体23においても、正面図と背面図が同一に表れ、左側面図と右側面図が同一に表れる。
【0088】
なお、
図8(a)(b)及び
図10(a)(b)に示す走行車輪23dは、第一搬送体24及び第二搬送体26上に載る載置部23fを備えたものであるが、実施形態1における果菜載せ体23の走行車輪23dと同様、載置部23fと載置部23fよりも外径の大きな突状リング部23gを備えたもの(
図3(a)参照)を用いることができる。この場合、突状リング部23gが第一搬送体24及び第二搬送体26の内面に当接し、脱輪を防止することができる。
【0089】
図6に示すように、第一回転体22の外周には、果菜載せ体23の脱落を防止する第一ガイド27aが設けられている。第一ガイド27aは後述する第二搬送体26の終端位置から果菜載せ体23を垂直方向に移動させる範囲に設置された四分円弧状の部材である。
【0090】
果菜載せ体23に設けられた走行車輪23dは、第一回転体22のギヤ部22bと第一ガイド27aの間に挟まれた状態で第一回転体22に沿って先方へ移動したのち、第一回転体22を通過して先方の第一搬送体24へ移動する。
【0091】
前記第一搬送体24は、第一回転体22から送り出された果菜載せ体23を引き継いで搬送するための部分である。
図6に示すように、この実施形態の第一搬送体24は、第一回転体22の先方側に平行に配置された二本の第一無端コンベア24aを備えている。
【0092】
二本の第一無端コンベア24aは図示しない連結部材で連結され、図示しないモータの動力によって同期回転するようにしてある。この実施形態では、第一搬送体24は常時回転するようにしてある。第一無端コンベア24aには、たとえばタイミングコンベア等を用いることができる。
【0093】
両第一無端コンベア24aには、果菜載せ体23の走行車輪23dが載るようにしてある。第一回転体22から送り出された果菜載せ体23は、走行車輪23dの部分が第一無端コンベア24a上に載り、第一無端コンベア24aの走行によって同方向に移動する。
【0094】
図12(a)(b)に示すように、この実施形態では、第一搬送体24の第二回転体25寄りの位置にストッパー24bが設けられている。このストッパー24bは、果菜載せ体23を第一搬送体24の所定位置で所定時間停止させるための部材である。
【0095】
ストッパー24bが果菜載せ体23の前面側に当接することで、果菜載せ体23が当該位置で停止する。この時、走行車輪23dは第一無端コンベア24a上で空転し、果菜載せ体23は当該位置でアキューム(滞留)する。
【0096】
前記第二回転体25は、第一搬送体24から送り出される果菜載せ体23を回収するための部材である。この実施形態の第二回転体25は、円筒状のドラム部25aと、ドラム部25aの両端に設けられたギヤ部25bを備えている。
【0097】
両ギヤ部25bはドラム部25aの内部に設けられた連結軸25cで連結されている。連結軸25cは図示しないモータと接続され、当該モータによって第二回転体25が回転するようにしてある。第二回転体25は、装置動作中は、常時回転させておくことができる。このほか、第二回転体25は、外部信号に基づいて動作(回転)するようにすることもできる。
【0098】
実施形態1と同様、第二回転体25の外周には、第一搬送体24から引き継いだ果菜載せ体23の脱落を防止するための第二ガイド27bが設けられている。第二ガイド27bは、第一搬送体24の終端位置と第二搬送体26の始端位置の間に設置された半円弧状の部材である。
【0099】
果菜載せ体23に設けられた走行車輪23dは、第二回転体25のギヤ部25bと第二ガイド27bの間に挟まれた状態で第二回転体25に沿って先方へ移動したのち、第二回転体25を通過して先方の第二搬送体26へ移動する。
【0100】
この実施形態では、所定位置でアキュームした果菜載せ体23上の果菜が、後述する箱詰めユニット30の吸着アーム35で取り出されたときに、ストッパー24bによる規制(停止)が解除され、果菜載せ体23が第二回転体25に向けて移動するようにしてある。ストッパー24bは図示しないセンサからの出力信号によって動作するようにしてある。
【0101】
なお、この実施形態では、第二回転体25がギヤ部25bを備えた場合を一例としているが、第二回転体25はギヤ部25bのない円筒状とすることもできる。この場合、果菜載せ体23が第二回転体25に沿って勢いよく移動するため、果菜載せ体23の勢いを抑えるためのブレーキ装置(図示しない)を第二ガイド27bに設けることもできる。
【0102】
前記第二搬送体26は、第二回転体25で回収された果菜載せ体23を第一回転体22に向けて搬送するものである。第一搬送体24と同様、この実施形態の第二搬送体26は、二本の第二無端コンベア26aを備えている。
【0103】
二本の第二無端コンベア26aは図示しない連結部材で連結され、図示しないモータの動力によって同期回転するようにしてある。この実施形態では、第一搬送体24は常時回転するようにしてある。第二無端コンベア26aには、たとえば、タイミングコンベア等を用いることができる。
【0104】
両第二無端コンベア26aには、果菜載せ体23の走行車輪23dが載るようにしてある。第二回転体25から送り出された果菜載せ体23は、走行車輪23dの部分が第二無端コンベア26a上に載り、第二無端コンベア26aの走行によって第一回転体22の方向に移動する。
【0105】
この実施形態では、後方から順次第二搬送体26に送り込まれる果菜載せ体23によって、それよりも前方(第一回転体22側)に位置する果菜載せ体23が押され(果菜載せ体23にプレッシャーがかかり)、果菜載せ体23が隙間なく第一回転体22に送り込まれるようにしてある。
【0106】
前記箱詰めユニット30は、果菜引継ぎ搬送装置20で搬送された果菜を取り出して箱詰めするためのものである。この実施形態の箱詰めユニット30の構成は実施形態1と同様である(
図13(a)(b))。
【0107】
この実施形態では、第一搬送体24の先方に、第一搬送体24上に残存した果菜を取り出して搬送する残存果菜搬送体28が設けられている。残存果菜搬送体28の構成は実施形態1と同様である。
【0108】
(その他の実施形態)
前記実施形態1では、コンベアX及び残存果菜搬送体28の双方が七本の細コンベアで構成されている場合を一例としているが、コンベアX及び残存果菜搬送体28の構造はこれ以外であっても良い。
【0109】
たとえば、コンベアXは、前記実施形態2のように、五本の長尺の細コンベア(以下、「長尺コンベア」という)X1と、各長尺コンベアX1の間に設けられた短尺の細コンベア(以下「短尺コンベア」という)X2を備えた構成とすることもできる(
図6)。
【0110】
丸物果菜用の果菜載せ体23は長物果菜用の果菜載せ体23に比べて横幅が短い傾向にあり、長物果菜用の果菜載せ体23と同じ幅の通路を確保する場合、立設壁23cの数が少なくなる。この場合、必然的にコンベアXを構成する細コンベアの本数が少なくなるが、本数が少ないと果菜の重さによって細コンベアが撓み、第一回転体22と干渉するおそれがある。
【0111】
このとき、コンベアXとして、長尺コンベアX1と短尺コンベアX2を組み合わせたものを用いることで、必要強度を確保した上で、果菜載せ体23での果菜の取出しを実現することができる。残存果菜搬送体28についても同様である。
【0112】
前記実施形態2では、実施形態1と同様、第一搬送体24が二本の第一無端コンベア24aを備え、それら二本の第一無端コンベア24aによって果菜載せ体23が移動する場合を一例としているが、前記実施形態1及び2の第一搬送体24の構成はこれ以外であっても良い。
【0113】
たとえば、第一搬送体24を、果菜載せ体23の底面が載る二本のベルトコンベアを備え、それら二本のベルトコンベアによって果菜載せ体23が移動するような構成とすることもできる。この場合、ベルトコンベア上の果菜載せ体23が不用意に回転するのを防止するため、二本のベルトコンベアの間に、それらベルトコンベアと平行なガイド(図示しない)を設けることができる。
【0114】
二本のベルトコンベアの間にガイドを設ける場合、果菜載せ体23の底面にガイド溝23jを設けておく(
図8(a)(b)及び
図10(a)(b)参照)。これにより、果菜載せ体23の底面のガイド溝23jに当該ガイドが収まり、果菜載せ体23の不用意な回転やそれに伴う果菜載せ体23の落下を防止することができる。なお、ガイド溝23jはガイドを設ける場合に設ければ良く、それ以外の場合は省略することもできる。
【0115】
前記実施形態1では長物果菜用の果菜載せ体23を、前記実施形態2では丸物果菜用の果菜載せ体23を一例としているが、果菜載せ体23は、長物果菜と丸物果菜の双方を載せられるような構成にすることもできる。この場合、一種類の果菜載せ体23を長物果菜にも丸物果菜にも用いられるというメリットがある。
【0116】
前記実施形態1及び2では説明を省略しているが、第一搬送体24には、第一搬送体24を走行中の果菜載せ体23の脱落(落下)を防止する脱落防止突条29を設けることもできる。具体的には、
図14に示すように、第一搬送体24の図示しないフレームから内向きに突条29aを突設し、その先端にクッション材29bを設けたものを脱落防止突条29とすることができる。
【0117】
脱落防止突条29は、第一搬送体24の長手方向に沿って設けることができる。脱落防止突条29は、第一搬送体24の幅方向両側に設けることも、第一搬送体24の幅方向のいずれか一方にのみ設けることもできる。
【0118】
図14に示すように、突条29a及びクッション材29bは、果菜載せ体23の両外側の立設壁23cの外側面に対向する位置に設けられている。各立設壁23cと各クッション材29bの間には若干のクリアランスが確保され、果菜載せ体23が正しい向きで搬送されている際には接触せず、果菜載せ体23が蛇行や横ズレした際に接触するようにしてある。
【0119】
脱落防止突条29の構成は一例であり、これ以外であってもよい。また、脱落防止突条29は必要に応じて設ければよく、不要な場合は省略することができる。
【0120】
本発明の果菜引継ぎ搬送装置20は、前記実施形態1及び2のように、果菜箱詰め装置10の一部として箱詰めユニット30と共に使用するのに適するが、箱詰めユニット30とは別に単独の装置として利用することもできる。
【0121】
前記実施形態1及び2の構成は一例であり、本発明の果菜引継ぎ搬送装置、果菜箱詰め装置及び果菜載せ体はこの構成に限定されるものではない。本発明の果菜引継ぎ搬送装置、果菜箱詰め装置及び果菜載せ体は、所期の目的を達成できる範囲内で、構成の追加や省略、入替え等の変更を加えることができる。
【0122】
本発明の果菜箱詰め装置は、
図15に示すような従来の果菜選別装置、具体的には、果菜が果菜搬送体の果菜載せ体23に載せて搬送され、搬送中の果菜のサイズや形状等が計測され、その計測結果に基づいて果菜の等階級が判別された果菜を箱詰めする装置として好適に利用できるものであるが、果菜選別装置自体の構成は
図15に示すものに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の果菜引継ぎ搬送装置、果菜箱詰め装置及び果菜載せ体は、各種果菜の搬送及び箱詰めに用いることができ、キュウリ、茄子、ゴーヤ、人参、ズッキーニ等の長物果菜(長尺果菜)のほか、トマト、柿、桃、リンゴ、マンゴー、梨、デコポン等の丸物果菜(丸玉果菜)の箱詰めに特に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0124】
10 果菜箱詰め装置
20 果菜引継ぎ搬送装置
21 検知器
22 第一回転体
22a ドラム部
22b ギヤ部
22c 連結軸
23 果菜載せ体
23b ベース部
23c 立設壁
23d 走行車輪
23e 係合突材
23f 載置部
23g 突状リング部
23h 載置凹部
23i 先鋭部
23j ガイド溝
23k 平坦部
24 第一搬送体
24a 無端搬送体(第一無端コンベア)
24b ストッパー
25 第二回転体
25a ドラム部
25b ギヤ部
25c 連結軸
26 第二搬送体
26a 無端搬送体(第二無端コンベア)
27a ガイド(第一ガイド)
27b ガイド(第二ガイド)
28 残存果菜搬送体
29 脱落防止突条
29a 突条
29b クッション材
30 箱詰めユニット
31 取付けベース
32 エアシリンダ
33 可動体
34 伸縮体
34a 伸縮体ガイド
35 吸着アーム(果菜取出し体)
A バケット
B 計測装置
C 果菜取出しコンベア
D 引継ぎ搬送体
X コンベア
X1 長尺コンベア
X2 短尺コンベア