(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132783
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】X線CT検査における被曝線量実測値をCT画像を援用して解析するシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20240920BHJP
A61B 6/58 20240101ALI20240920BHJP
【FI】
A61B6/03 370A
A61B6/03 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111491
(22)【出願日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】P 2023043229
(32)【優先日】2023-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】林 裕晃
(72)【発明者】
【氏名】竹上 和希
(72)【発明者】
【氏名】前田 達哉
(72)【発明者】
【氏名】淺原 孝
(72)【発明者】
【氏名】後藤 聡汰
(72)【発明者】
【氏名】西上 莉奈
(72)【発明者】
【氏名】小林 大空
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093BA07
4C093BA10
4C093CA33
4C093EE30
4C093FA18
4C093FA55
4C093FC23
4C093FF28
(57)【要約】
【課題】X線CT検査にて、小型の放射線被曝線量計を用いて実測を行う際に、被検者の表面線量分布が一定にならず測定誤差が大きくなるという課題を解決し、被曝線量を精度よく解析できるシステムの提供を目的とする。
【解決手段】被検者のCT画像のSD分布の情報からX線の入射方向を推定し、事前に取得しておいた模擬ファントムの線量分布を援用することで、1個以上の小型放射線被曝線量計のデータから被曝線量の最大値と最小値および平均値を高精度で解析する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模擬ファントムを用いた放射線線量の線量分布の作成手段と、被検者を撮像したX線CT画像のSD(CT値の標準偏差)分布の作成手段を備え、
前記線量分布と前記SD分布とからX線の入射方向を推定することで被検者への正しい被曝線量を解析する解析手段を有することを特徴とする被曝線量解析システム。
【請求項2】
円柱ファントムを用いてコンベンショナルスキャンを行い、円柱ファントム線量分布及び円柱ファントムSD分布の作成手段を有し、人体ファントムを用いてコンベンショナルスキャンを行い、人体ファントム線量分布及び人体ファントムSD分布の作成手段を有し、前記円柱ファントム線量分布と人体ファントム線量分布とから線量補正関数の作成手段と、前記円柱ファントムSD分布と人体ファントムSD分布とからSD補正関数の作成手段とを有し、前記SD補正関数を用いて前記SD分布を補正する手段と、前記線量補正関数を用いて前記線量分布を補正する手段とを有していることを特徴とする請求項1記載の被曝線量解析システム。
【請求項3】
前記模擬ファントムを用いた線量分布の作成は、前記模擬ファントムの周廻りに複数の線量計を配置してヘリカルスキャンにて計測したものであり、前記被検者に基づく計測は1つ以上の線量計を用いてヘリカルスキャンすることを特徴とする請求項2記載の被曝線量解析システム。
【請求項4】
前記SD分布の作成は、前記模擬ファントム及び前記被検者をヘリカルスキャンにて撮像したX線CT画像において、被検者部を囲うように複数個の関心領域(ROI)を設定し、CT値のばらつき(SD)の計測によって作成することを特徴とする請求項3記載の被曝線量解析システム。
【請求項5】
被検者のCT画像のSD分布からSD分布重心のなす角θSDを求めることでX線の入射角(入射方向)を解析し、前記模擬ファントムの線量分布を用いて被検者の線量分布を1個以上の放射線被曝線量計を用いた実測データに対してフィッティングすることで、被曝線量の最大値と最小値および平均値の解析手段を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の被曝線量解析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ断層撮影(X線CT)検査において、被検者の被曝線量を管理するための被曝線量測定技術に関し、特にCT画像を用いてX線の入射方向を解析することで正しい被曝線量を算出する機能を有する被曝線量測定技術に係る。
【背景技術】
【0002】
X線CT検査は非侵襲的に体内の様子を診断できるため、医療現場で広く普及している。
近年広く利用されているCT装置では,スキャン速度を速くすることで検査時間を短縮できる高ピッチファクターのヘリカルスキャン(らせんスキャン)が主流である。
また、昨今では被曝線量管理の関心が高まっており、小型の放射線被曝線量計を用いることで、CT検査における被検者の被曝線量を実測することも検討されている。
【0003】
しかし、高ピッチファクターのヘリカルスキャンを行った場合には、
図1に示すように、放射線被曝線量計にX線が直接照射され高い線量が計測されたり、逆に人体を透過したX線が照射されることにより低い線量が計測されるということが起こるため、被検者の表面線量が一定とならず、測定値に大きなばらつきが生じる。
この事実は非特許文献1および2にも報告されている。
このことは、少数の放射線被曝線量計を用いた実測手法で、被曝線量の最大値と最小値および平均値を正しく推定することが極めて困難であることを意味している。
【0004】
特許文献1には、被検者の部位毎の被曝線量をモニターし、積算被曝線量を表示するX線透視撮影装置を開示するが、X線透視撮影装置における照射線量を測定し被曝線量を算出するものであり、CT検査において小型の放射線被曝線量計を用いて被検者の被曝線量を直接計測する本発明とは本質的に異なるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Kazuki Takegami et al. (2017). Entrance surface dose measurements using a small OSL dosimeter with a computed tomography scanner having 320 rows of detectors, Radiological Physics and Technology, 10, 49-59. https://doi.org/10.1007/s12194-016-0366-1
【非特許文献2】Masahide Tominaga et al. (2011). Measurements of multidetector CT surface dose distributions using a film dosimeter and chest phantom. Medical Physics, 38(5), 2467-2478. https://doi.org/10.1118/1.3570769
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、X線CT装置にて取得されたCT画像の被検者の診断に用いられていない部分の情報を有効に活用することで、線量計に対する放射線の入射方向を推定し、少数の線量計を用いて精度の高い解析ができる放射線線量の解析システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る被曝線量の解析システムは、模擬ファントムを用いた放射線線量の線量分布の作成手段と、被検者を撮像したX線CT画像のSD(CT値の標準偏差)分布の作成手段を備え、前記線量分布と前記SD分布とからX線の入射方向を推定することで被検者への正しい被曝線量を解析する解析手段を有することを特徴とする。
【0009】
ここでX線の入射方向の推定手段とは、取得したX線CT画像に対して検体部を取り囲むように複数の関心領域(ROI)を設定し、ROI内で計測したCT値のSD分布からX線の入射角度の情報を得る手段である。
本発明者らは、線量分布の重心のなす角θDoseと前記SD分布の重心のなす角θSDの間に負の相関があることを見出した。
【0010】
本発明において、線量分布は実測データを用いて関数化されたものであり、任意のX線の入射角に対して線量分布を推定することができる。
実際の計測では、被検者のCTスキャン時に被検者の体表に貼付した線量計を用いて得られた実測データに対して、前述の線量分布をフィッティングさせることで、被検者の体表の線量分布を得る。
【0011】
被検者に基づく計測を想定した線量分布の作成は、模擬ファントムの同一の解析部位に対して周廻りに複数の線量計を配置して実測、もしくはシミュレーションを用いて事前に決定する。
これにより、被検者に基づく計測は線量計を1個以上用いれば実行できる。
【0012】
高ピッチファクターによるヘリカルスキャンは、息止め等が必要な胸腹部撮影等において、体動の影響が小さく、有用である。
しかし、実際のCT検査において、CT装置の寝台によるX線吸収の影響や胸部や腹部等の撮影対象が複雑な構造を持つ場合には、それらの影響も考慮することが好ましい。
この場合には、円柱ファントムを用いてコンベンショナルスキャンを行い、円柱ファントム線量分布及び円柱ファントムSD分布の作成手段を有し、さらに、人体ファントムを用いてコンベンショナルスキャンを行い、人体ファントム線量分布及び人体ファントムSD分布の作成手段を有し、前記円柱ファントム線量分布と人体ファントム線量分布の差から線量補正関数の作成手段と、前記円柱ファントムSD分布と人体ファントムSD分布の差からSD補正関数の作成手段とを有し、前記SD補正関数を用いて前記寝台の影響や撮影対象における複雑な構造の影響を補正する手段と、前記線量補正関数を用いて前記線量分布を補正する手段とを有していることがよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、予め模擬ファントムを用いて放射線の線量分布を作成し、CT検査では1個以上の放射線線量計を被検者に貼付してCT検査を実行する。
そしてCT画像の非検体部に設定した複数のROIのCT値のばらつき(SD)からSD分布を作成し、SD重心のなす角θSDを求め、X線の入射方向を推定することで、線量分布を線量の実測値にフィッティングする。
線量計を用いた実測値から、被検者の表面線量の最大値と最小値および平均値を高精度に解析できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】ヘリカルCTスキャンにおいて表面線量が一定にならないことを示す説明図である。
【
図2】本発明に係る解析システムのアルゴリズムである。
【
図3】X線CT画像の各スライスにおけるX線の入射方向と画像情報の特性の関係を示す概念図である。
【
図4】線量分布および画像のSD分布と重心の関係を示す概念図である。
【
図5】本発明に係る1回の実験に基づいた線量分布および重心のなす角の解析手法である。
【
図6】本発明に係る複数回の実験に基づいた線量分布関数の作成手法である。
【
図7】取得した線量データと0度入射方向相当に補正した線量分布関数の一例を示す。
【
図8】本発明に係る1回の実験に対するSD分布の解析手法である。
【
図9】実験によって取得した線量分布と画像のSD分布の重心のなす角の相関図である。
【
図10】頸部ファントムを用いたX線の入射方向の解析と線量の解析の1例である。
【
図11】多数の実験データに対する円柱ファントムを用いた線量データの解析結果である。
【
図12】多数の実験データに対する頸部ファントムを用いた線量データの解析結果である。
【
図14】寝台や胸腹部等の構造の不均質性に寄与する影響を補正するためのアルゴリズムを示す。
【
図16】円柱ファントムを用いたヘリカルスキャンによる線量分布の作成の流れを示す。
【
図17】円柱ファントムを用いたヘリカルスキャンによるSD分布の作成の流れを示す。
【
図20】θ
i,
Doseとθ
i,
SDの相関を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る被曝線量の解析手法の内容について、以下、図を用いて説明する。
【0016】
図2に本発明に係る解析システムのアルゴリズムを説明する。
事前に模擬ファントムを用いて線量分布を作成する。
実際の被検者の測定では、線量計を含む1スライスの画像データを解析し、SD分布からX線入射方向を推定する。
事前に取得した線量分布をX線の入射角度に合わせて回転させることで、推定したX線の入射方向に相当する線量分布を得る。
被検者に1個以上の放射線被曝線量計を貼付し実測データを得て、先に推定した線量分布をフィッティングすることで、線量の最大値と最小値および平均値を解析できる。
【0017】
次に、
図3を用いてX線CT画像情報の特徴を説明する。
X線CT検査におけるヘリカルスキャンでは、各スライスでX線の入射方向が異なる。
そして、X線の入射方向の違いが影響し、表面線量とCT画像上のアーチファクト(画像の標準偏差:SD)の出方に違いが生じる。
そのため、
図4に示すようにCT画像のSD分布の重心ベクトルのなす角から、X線の入射方向を推定可能である。
この実験をファントムの表面に放射線被曝線量計を配置して行う事で、表面線量分布や線量分布の重心ベクトルとSD分布の重心ベクトルとの関係性を明らかにできる。
【0018】
図5を用いて、1回の実験における線量分布および線量分布の重心ベクトルの解析手法を説明する。
本実施例では小型のOSL線量計とOSLリーダーを用いて線量測定を行ったが、他の小型放射線被曝線量計(ガラス線量計や熱ルミネセンス線量計)でも適用可能である。
また、使用する線量計の個数や実験の回数に制限はない。
まず、線量計をファントムの円周上に配置しCTスキャンを行う。
次に線量を計測し、得られた線量値を極座標上にプロットする。
そして、線量分布の重心を計算し、なす角θ
Doseを算出する。最後にθ
Doseを補正し、0度入射を想定した線量分布を作成する。
この一連の流れを
図6に示すように、複数回行うことで得られた線量分布に対し、多項式のFittingを行うことで、線量分布の関数を取得する。
本実施例では
図7に示すように、頸部ファントムに30度毎に12個の線量計を付け、線量分布を取得した。
そのデータを10回分取得し、X線の入射方向を推定して0度入射相当に補正して関数化を行った。
【0019】
図8を用いて、1回の実験におけるSD分布のなす角を解析するための解析手法を示す。
実験で得られたCT画像のスライスデータにおいて、線量計が描出されているスライスを選択し、被写体が描出されていない空気領域において30度毎に12個のROIを設定し、作成したSD分布の重心のなす角θ
SDを解析した。
【0020】
図9に示すように、前記線量分布の重心のなす角θ
Doseと前記SD分布のなす角θ
SDは、180度反転した関係にあることを明らかにした。
【0021】
図10は、1回の実験における本解析手法の適用例である。
実験的に得られたSD分布からSD分布のなす角θ
SDを解析し、X線の入射方向を特定した。
事前に関数化した線量分布を任意の場所で計測された線量実測値にフィッティングすることで、線量の最大値と最小値および平均値を解析することができた。
【0022】
本発明の実証実験の結果を
図11と
図12を用いて説明する。
図11は、円柱の水ファントムを用いた場合の線量測定の結果である。
本発明による補正を行わなかった場合には、線量データのばらつきが非常に大きくなっているが、本発明による補正を行うことでばらつきが小さく、線量の最大値と最小値および平均値を精度よく解析することができた。
図12に示すように、頸部ファントムを用いた場合でも同様の結果が得られた。
【0023】
図13に示すようにX線の照射に対して、胸部や腹部等の複雑な部位の構造による影響や、寝台等による周囲の影響を補正できる解析システムの例について、以下に説明する。
解析アルゴリズムの例を
図14に示す。
頸部等の比較的均一な部位のCT検査においては、前述した実施例のように円柱ファントムを用いたヘリカルスキャンによる線量分布とSD分布を計測し、これに基づいて被検者のヘリカルスキャンCT画像からX線の入射角度を算出し、入射角度を補正した線量分布と、被検者の実測線量とをフィッティングさせることができる。
これに対して、撮影対象が複雑な構造を持つことによる不均一性の影響や寝台等の影響を補正するには、予め、寝台等を含まない撮影体系で円柱ファントムを用いたコンベンショナルスキャンと、寝台等を考慮した実際の撮影体系で人体ファントムを用いたコンベンショナルスキャンを実施し、それらの比からSD補正関数と線量補正関数を求め、これらの補正関数にて円柱ファントムを用いたヘリカルスキャンにより取得したSD分布と線量分布を補正することで、さらに解析精度を上げることができる。
【0024】
以下、解析の流れを具体的に説明する。
図15[A]は、円柱の水ファントム(water phantom)の周囲に、8~12個の放射線線量計を等間隔に配置し、線量分布とそれに対応したROI領域のSD分布を計測し、X線の入射角度θを0°になるように補正をした線量分布f
W,Heli,doseとSD分布f
W,Heli,SDの例を示す。
[B]は補正関数の説明図を示す。
補正関数は、寝台を移動させないでCTスキャンを行うコンベンショナルスキャンにて作成した。
水ファントムを用いて計測し、線量分布f
W,Conv,dose(θ)とSD分布f
W,Conv,SD(θ)を得る。
次に、寝台(Bed)等の外部要因と、胸腹部等の不均一性の要因が含まれる人体ファントム(Actual phantom)を用いてコンベンショナルスキャンを行い、線量分布f
A,Conv,dose(θ)と、SD分布f
A,Conv,SD(θ)を得る。
この水ファントムと外部要因を含む人体ファントムとの関数から、線量補正関数C.F.
dose(θ)とSD補正関数C.F.
SD(θ)得る。
[A]と[B]とで得られた関数から[C]に示すように、ヘリカルスキャンで得られた線量分布とSD分布を補正することで、ヘリカルスキャンによる実際の被検者の実測線量に推定した線量分布をフィッティングすることができる。
【0025】
図16には線量分布関数f
W,Heli,dose(θ)の作成手法を示し、
図17はX線の入射角度0°に補正したSD分布関数f
W,Heli,SD(θ)の作成手法を示す。
また、
図18に線量補正関数C.F.
doseの作成手法、
図19にSD補正関数C.F.
SDの作成手法を示す。
なお、
図20にθ
i,doseとθ
i,SDの相関を示す。
【0026】
次に、実際に計測した実施例について説明する。
円柱の水ファントムを用いて、ヘリカルスキャンによる線量の計測(10回)データに基づいて、X線の入射角度0°に補正した線量分布から求めた線量分布関数f
W,Heli,doseの例を
図21に示す。
同様にして求めたSD分布関数f
W,Heli,SDの例を
図22に示す。
図23には、実際に計測して得られた線量補正関数C.F.
dose(θ)とSD補正関数の例を示す。
【0027】
図24には、X線の入射角度65°(case 1)と-113°(case 2)の測定に基づく線量分布の例を示す。
5つの線量計を用いた例である。
図25は、上記計測値に基づいて得られた補正なしのOriginal dataと、
図21,
図22の線量分布関数、SD分布関数と、
図23の線量補正関数とSD補正関数を用いて補正したDerived values with correctionデータを比較して示す。
図25は、上段に5つの線量計に基づくデータを示し、中段に3つの線量計、下段に1つの線量計によるデータの結果を示す。
本発明に係る解析システムを用いると、少ない線量計の数にて精度高く、被曝線量の最大値,最小値及び平均値が得られている。