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特開2024-132786水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132786
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20240920BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20240920BHJP
【FI】
G01N33/543 521
C12Q1/686 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023119529
(22)【出願日】2023-07-22
(31)【優先権主張番号】112109378
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506255902
【氏名又は名称】中原大學
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】黄 郁慈
(72)【発明者】
【氏名】呉 瑞璋
(72)【発明者】
【氏名】黄 亭慈
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ06
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR42
4B063QR62
4B063QS25
4B063QX01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、以下の工程を含む、水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法を提供する。
【解決手段】検出対象となるサンプルについて、アンモニア酸化機能遺伝子をPCRで増幅し、フォワードプライマー及びリバースプライマーの5’末端にそれぞれビオチン及びジゴキシゲニンを付加することにより、前記PCRに使用するプライマーを修飾する。次に、免疫化学に基づいて、抗体を生体認識に使用し、金ナノコロイド粒子を発色物質として使用する。サンプルはラテラルフロー免疫アッセイテストストリップのサンプルパッド上に配置され、サンプルはサンプルパッドから吸収パッドに流れる。サンプルがニトロセルロース膜を通って流れるときのテストラインとコントロールラインの両方の発色は、陽性結果を示す。コントロールラインのみの発色は陰性結果を示し、発色のない場合は試験無効を示す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象となるサンプルについて、アンモニア酸化機能遺伝子をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅し、フォワードプライマー及びリバースプライマーの5’末端にそれぞれビオチン及びジゴキシゲニンを付加することにより、前記PCRに使用するプライマーを修飾することと、
サンプルパッドと、
発色物質で構成され、前記発色物質は、金ナノコロイド粒子と一次抗体との複合体である結合パッドと、
サンプルの流動方向に応じて、テストラインとコントロールラインが順次描かれ、前記テストラインで使用される試薬はストレプトアビジンであり、前記コントロールラインは二次抗体で構成されるニトロセルロース膜と、
毛細管引力を提供し、残りのサンプルを収集するために使用される吸収性パッドと、
前記サンプルの前記流動方向に従って、前記サンプルパッド、前記結合パッド、前記ニトロセルロース膜、及び前記吸収パッドが順番に配置される下部カードと、を備えるラテラルフロー免疫アッセイテストストリップを提供することと、
前記ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップの前記サンプルパッド上に前記サンプルを配置し、前記サンプルが前記サンプルパッドから前記吸収パッドに流れ、前記サンプルが前記ニトロセルロース膜を通って流れるときの前記テストラインと前記コントロールラインの両方の発色は陽性結果を示し、前記コントロールラインのみの発色は陰性結果を示し、発色のない場合は試験無効を示す、
水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法。
【請求項2】
前記一次抗体が、マウス抗ジゴキシゲニン抗体を含む、請求項1に記載の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法。
【請求項3】
前記二次抗体が、ヤギ抗マウス抗体を含む、請求項1に記載の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法。
【請求項4】
前記アンモニア酸化機能遺伝子が、アンモニア酸化微生物、亜硝酸酸化細菌、脱窒菌、またはアナモックス細菌の16S rRNAを含む、請求項1記載の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法。
【請求項5】
前記サンプルの検出濃度が1ng~0.1fgである、請求項1記載の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法。
【請求項6】
前記サンプルパッド上に前記サンプルを1ng~0.1fgの量で配置する、請求項1記載の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法。
【請求項7】
前記サンプルパッドの材質が不織布を含み、前記結合パッドの材質が不織布を含み、
前記吸収パッドの材料が綿を含み、前記下部カードの材料がプラスチック及び粘着材料を含む、請求項1記載の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法。
【請求項8】
前記サンプルの流動方向において、前記サンプルパッドの長さが9mm~19mmであり、前記結合パッドの長さが6mm~12mmであり、前記ニトロセルロース膜の長さが17mm~33mmであり、前記吸収パッドの長さが14mm~26mmであり、前記下部カードの長さが41mm~77mmである、請求項1記載の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法。
【請求項9】
前記サンプルパッド、前記結合パッド、前記ニトロセルロース膜、前記吸収パッド、及び前記下部カードの前記サンプルに垂直な流動方向の幅は同一であり、前記幅は2mm~6mmである、請求項1記載の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検出方法に関し、特に水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の迅速な検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、水質汚染は深刻化している。ハイテク産業から排出される廃水には、河川を深刻に汚染する高濃度のアンモニア態窒素が含まれている。したがって、下水処理が非常に重要である。現在、物理的、化学的、生物学的方法など、さまざまな効率的な下水処理技術が開発されている。物理的及び化学的下水処理システムは良い結果をもたらすことができるものの、大量の廃水による処理コストがその利点に見合っていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、アナモックス法のバイオリアクターが徐々に注目を集めており、アンモニア態窒素廃水を低コストで効率よく処理できるシステムである。しかし、バイオリアクター内の微生物の分布と代謝を即座に分析できないため、操作者がリアクターを正確に制御できず、それによって操作するコストが増加する可能性があり、また、やみくもに修正すると、バイオリアクターがフリーズして、その効果が失われる可能性もある。これによって、実用化の普及が図れない可能性がある。アナモックスバイオリアクターの実用化には分子生物学的検出技術が非常に重要であり、現在そのような技術が多数存在する。例としては、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)、マイクロアレイチップ、次世代シーケンシング(NGS)などが挙げられる。これらの方法は、バイオリアクター内の微生物を正確に分析できるものの、技術的なハードルが比較的高く、精密な設備が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記に基づいて、バイオリアクターの細菌相を分析するための生物学的検出方法が開発される。これにより、廃水処理施設の運転中のバイオリアクター内の細菌相の分析が高速化され、現場で即時に検出され、問題を知ることができ、これにより、操作するコストが削減され、現在の研究の重要なテーマとなっている。
【0005】
本発明は、水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法を提供する。ラテラルフロー免疫アッセイ法の迅速検出テストストリップを使用すると、肉眼で判断できる結果を15分以内に得ることができ、これにより、高濃度窒素含有廃水の生物学的処理プロセスの細菌種に関するリアルタイムの情報を操作者に提供することができる。
【0006】
本発明の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法は、以下の工程を含む。検出対象となるサンプルについて、アンモニア酸化機能遺伝子をPCRで増幅し、フォワードプライマー及びリバースプライマーの5’末端にそれぞれビオチン及びジゴキシゲニンを付加することにより、前記PCRに使用するプライマーを修飾する。次に、サンプルパッド、結合パッド、ニトロセルロース膜、吸収パッド、及び下部カードを含むラテラルフロー免疫アッセイテストストリップが提供される。結合パッドは、発色物質で構成されており、発色物質は、金ナノコロイド粒子と一次抗体との複合体である。サンプルの流動方向に応じて、ニトロセルロースメンブレン上にテストラインとコントロールラインが順次描かれる。テストラインで使用される試薬はストレプトアビジンであり、コントロールラインは二次抗体で構成される。吸収パッドは毛細管引力を提供し、残りのサンプルを収集するために使用される。サンプルの流動方向に従って、サンプルパッド、結合パッド、ニトロセルロース膜、及び吸収パッドが、下部カード上に順番に配置される。次に、サンプルがラテラルフロー免疫アッセイテストストリップのサンプルパッド上に配置され、サンプルがサンプルパッドから吸収パッドに流れる。サンプルがニトロセルロース膜を通って流れるときのテストラインとコントロールラインの両方の発色は、陽性結果を示す。コントロールラインのみの発色は陰性結果を示し、発色のない場合は試験無効を示す。
【0007】
本発明の一実施形態では、一次抗体はマウス抗ジゴキシゲニン抗体を含む。
【0008】
本発明の一実施形態では、二次抗体はヤギ抗マウス抗体を含む。
【0009】
本発明の一実施形態において、アンモニア酸化機能遺伝子は、アンモニア酸化微生物、亜硝酸酸化細菌、脱窒菌、またはアナモックス細菌の16S rRNAを含む。
【0010】
本発明の一実施形態では、サンプルの検出濃度は1ng~0.1fgである。
【0011】
本発明の一実施形態では、サンプルは、1ng~0.1fgの量でサンプルパッド上に配置される。
【0012】
本発明の一実施形態では、サンプルパッドの材質は不織布を含み、結合パッドの材質は不織布を含み、吸収性パッドの材質は綿を含み、下部カードの材質はプラスチック及び粘着材料を含む。
【0013】
本発明の一実施形態では、サンプルの流動方向において、サンプルパッドの長さは9mm~19mmであり、結合パッドの長さは6mm~12mmであり、ニトロセルロース膜の長さは17mm~33mmであり、吸収パッドの長さは14mm~26mmであり、下部カードの長さは41mm~77mmである。
【0014】
本発明の一実施形態では、サンプルパッド、結合パッド、ニトロセルロース膜、吸収パッド、及び下部カードは、サンプルに垂直な流動方向に同一の幅を有し、その幅は2mm~6mmである。
【発明の効果】
【0015】
上記に基づいて、本発明は、水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法を提供する。この方法は、ラテラルフロー免疫アッセイによって開発され、バイオリアクターの細菌相を分析するための迅速な生物学的検出方法を確立するものであり、標的遺伝子に対する特異的プライマーが設計され、当該プライマーが修飾され、PCR増幅に用いる。増幅が成功した後、ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップを検出に使用し、テストストリップは肉眼で読み取られ、15分以内に半定量分析される。検出限界は1ng~0.1fgの範囲である。このようにして、本発明の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法は、迅速検出テストストリップによって支援され、廃水処理施設の運転においてバイオリアクター内の細菌相の分析を加速して、現場の問題を即座に検出して知ることができるため、操作するコストが削減される。さらに、やみくもな修正によるバイオリアクターのフリーズ及び機能喪失のリスクを回避するために、アナモックスリアクターの細菌の活性を事前に検出することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態によるラテラルフロー免疫アッセイテストストリップの概略構成図である。
図2】本発明のAnammox-IIプライマーのPCR蛍光信号の解離曲線解析図である。
図3】本発明のアガロースゲル電気泳動の検出限界値試験の解析図である。
図4】ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップ上で本発明のAnammox-IIプライマーによって増幅されたPCR産物の検出信号の解析図である。
図5】本発明のアガロースゲル電気泳動結果の信号強度の解析図である。
図6】ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップ結果の信号強度の解析図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、これらの実施形態は例示であり、本発明の開示はこれに限定されるものではない。
【0018】
なお、本明細書において「ある値から他の値」で示される範囲は、その範囲内の全ての値を列挙することを避けるための一般的な表現である。したがって、特定の数値範囲の記載は、あたかもそのような任意の数値及びそのようなより小さな数値範囲が明細書に明示的に記載されているかのように、この数値範囲内の任意の数値及びその数値範囲内の任意の数値によって境界付けられる任意のより小さな数値範囲を包含する。
【0019】
本発明に関連する技術的内容、特徴、及び効果は、図面を参照した以下の様々な実施形態の詳細な説明で明確に示される。以下の実施形態で言及される「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「下部」、「上部」などの方向に関する用語は、専ら図の方向の参照用である。したがって、使用される方向性に関する用語は、本発明を例示するものであり、限定するものではない。なお、本明細書及び各図面において、同一の要素には同一の符号を付す。図面では、本発明を明確にするために構造のサイズが拡大されている。
【0020】
本発明の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法は、主に以下の工程を含む。まず、検出対象となるサンプルについて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりアンモニア酸化機能遺伝子を増幅する。次に、ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップが提供され、サンプルがラテラルフロー免疫アッセイテストストリップのサンプルパッド上に配置され、サンプルがサンプルパッドから吸収パッドに流れる。サンプルがニトロセルロース膜を通って流れるときのテストラインとコントロールラインの両方の発色は、陽性結果を示す。コントロールラインのみの発色は陰性結果を示し、発色のない場合は試験無効を示す。以下、本発明の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法における各工程の詳細について詳細に説明する。
【0021】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
【0022】
本発明の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法では、まず、検出対象となるサンプルについて、アンモニア酸化機能遺伝子をPCRで増幅し、フォワードプライマー及びリバースプライマーの5’末端にそれぞれビオチン及びジゴキシゲニンを付加することにより、前記PCRに使用するプライマーを修飾する。本実施形態において、アンモニア酸化機能遺伝子としては、アンモニア酸化微生物、亜硝酸酸化細菌、脱窒菌、またはアナモックス細菌の16S rRNAが挙げられ、機能遺伝子プライマーAnammox-II(anaerobic ammonium oxidation、アナモックス細菌)を用いたPCRにより16S rRNAが増幅される。
【0023】
本実施形態では、例えば、PCR条件は、総反応量10μL(2X SuperRed PCR Master Mix:5μL、フォワードプライマー及びリバースプライマー:各0.4μL、検出対象DNA:1μL、ddHO:3.2μL)である。反応条件は、95℃で1分間の初期変性、95℃で30秒間の変性、62℃で30秒間のアニーリング、72℃で1分間の伸長、30サイクル、72℃で5分間の最後の伸長反応である。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、実際の操作要件に応じてPCR条件を調整することもできる。
【0024】
ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップ
【0025】
図1は、本発明の一実施形態によるラテラルフロー免疫アッセイテストストリップの概略構成図である。
【0026】
図1を参照すると、本発明のラテラルフロー免疫アッセイテストストリップ10は、サンプルパッド20、結合パッド30、ニトロセルロース膜40、吸収パッド50、及び下部カード60を含む。結合パッド30は、発色物質で構成され、発色物質は、金ナノコロイド粒子と一次抗体との複合体であり、一次抗体としては、マウス抗ジゴキシゲニン抗体を含んで良い。ニトロセルロース膜40は、サンプルの流動方向Aに従って、テストライン42とコントロールライン44とをニトロセルロース膜40上に順次描く。テストライン42で使用される試薬はストレプトアビジンである。コントロールライン44は二次抗体で構成されており、二次抗体は、ヤギ抗マウス抗体を含んで良い。吸収性パッド50は、毛細管引力を提供し、残りのサンプルを収集するために使用される。サンプルパッド20、結合パッド30、ニトロセルロース膜40、及び吸収パッド50は、サンプルの流動方向Aに従って、下部カード60上に順番に配置される。PCRによってPCR産物が得られた後、ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップ10が提供され、ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップ10のサンプルパッド20上に配置される。サンプルパッド20上に配置されるサンプルの量は、たとえば、1ng~0.1fgである。サンプルは、サンプルパッド20から吸収パッド50に流れる。サンプルがニトロセルロース膜40を通って流れるときのテストラインとコントロールラインの両方の発色は、陽性結果を示す。コントロールラインのみの発色は陰性結果を示し、発色のない場合は試験無効を示す。
【0027】
本実施形態では、サンプルパッド20の材質は不織布を含んで良く、結合パッド30の材質は不織布を含んで良く、吸収パッド50の材質は綿を含んで良く、下部カード60の材質は、プラスチック及び粘着材料を含んで良い。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
本実施形態では、サンプルの流動方向において、サンプルパッドの長さは9mm~19mmであり、結合パッドの長さは6mm~12mmであり、ニトロセルロース膜の長さは17mm~33mmであり、吸収パッドの長さは14mm~26mmであり、下部カードの長さは41mm~77mm である。サンプルパッド、結合パッド、ニトロセルロース膜、吸収パッド、及び下部カードは、サンプルに垂直な流動方向に同一の幅を有し、幅は2mmから6mmである。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
実験例
【0030】
図2は、本発明のAnammox-IIプライマーのPCR蛍光信号の解離曲線解析図である。この研究では、プライマーの特異性をテストするために、Anammox-IIプライマーに対してPCR反応蛍光信号の解離曲線分析を実行した。結果は、プライマーが単一のピークを示し、良好な特異性を備えていることを示す。
【0031】
図3は、本発明のアガロースゲル電気泳動の検出限界値試験の解析図である。図4は、ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップ上で本発明のAnammox-IIプライマーによって増幅されたPCR産物の検出信号の解析図である。図5は、本発明のアガロースゲル電気泳動結果の信号強度の解析図である。図6は、ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップ結果の信号強度の解析図である。プライマーの適用における利用可能性と特異性に加えて、検出限界をアガロースゲル電気泳動によって試験した。精製した遺伝子を鋳型として10倍段階希釈し、鋳型遺伝子の濃度が0.1ngから0.1fgの範囲となるようにした。図3より、検出限界値が少なくとも0.1fgに達し得ることがわかる。図3の電気泳動結果から、鋳型遺伝子の濃度が減少するにつれて、電気泳動ゲル上に示される信号強度も減少することが観察され得る。図4で観察されたラテラルフロー免疫アッセイテストストリップの信号変化傾向は、図3のアガロースゲル電気泳動信号よりも安定している。
【0032】
上記に基づいて、本発明は、水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法を提供する。この方法は、ラテラルフロー免疫アッセイによって開発され、バイオリアクターの細菌相を分析するための迅速な生物学的検出方法を確立するものであり、標的遺伝子に対する特異的プライマーが設計され、プライマーが修飾され、PCR増幅に用いる。増幅が成功した後、ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップを検出に使用し、テストストリップは肉眼で読み取られ、15分以内に半定量分析される。検出限界は1ng~0.1fgの範囲である。バイオリアクターを実際に分析すると、遺伝子発現の差異が水質の変化と相関し、バイオリアクターの一般的な状況を事前に解析できる可能性がある。
【0033】
本発明は、バイオリアクター内の微生物の分布及び代謝を即座に分析することができ、操作者がリアクターを正確に制御し、現場の問題を即座に検出して知ることができる、水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法を提供する。これにより、操作するコストが削減され、やみくもな修正によるバイオリアクターのフリーズのリスクが回避される。したがって、アナモックス法のバイオリアクターの実用化が促進される。さらに、本発明の水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法は、主にラテラルフロー免疫アッセイテストストリップを採用しており、従来技術における分子生物学的検出技術とは異なり、肉眼で15分以内に迅速に解釈して半定量的に分析することができる。従来技術における技術的なハードルと精密な設備が必要という欠点が有効に軽減される。
【産業上の利用可能性】
【0034】
水処理におけるアンモニア酸化機能遺伝子の検出方法は、いかなる形態の水処理にも適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
10: ラテラルフロー免疫アッセイテストストリップ
20: サンプルパッド
30: 結合パッド
40: ニトロセルロース膜
42: テストライン
44: コントロールライン
50: 吸収パッド
60: 下部カード
A: 流動方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】