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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013281
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】コイルアッシー
(51)【国際特許分類】
   H01F 5/02 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H01F5/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115236
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】302038741
【氏名又は名称】新電元メカトロニクス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】樋口 丈洋
(72)【発明者】
【氏名】北原 弘昭
(57)【要約】
【課題】 コイルの巻き層が奇数層となるコイルアッシーにおいて、コイルの外周面に突出部ができず、コイルが略円筒状に形成されるコイルアッシーを提供すること。
【解決手段】 コイルアッシー10は、巻胴部20の第1の巻胴領域21に配線された導入部16と、コイルワイヤ40が配線溝29の内部を通って第3の巻胴領域23に1周未満巻回された先端側導出部17と、第2の巻胴領域22に奇数層の巻き層をなすように巻回された巻き線構成部18と、巻き線構成部18に連続すると共に第2の鍔部25の第2の巻回用切り込み部37を通り、第1の鍔部24と第2の鍔部25との間隙に戻る導出部19を備えているので、コイルワイヤ40を巻胴部20の先端側から巻回し始め、基端側で巻回し終えることになり、巻き層が奇数層となるコイル41を簡単に形成することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒状に形成された巻胴部と、略円環状又は略扇状に形成されると共に、前記巻胴部の外周面の基端側端部又はその近傍となる部位に、かつ、前記巻胴部の中心軸に直交する向きに配置された第1の鍔部と、略円環状に形成されると共に、前記巻胴部の前記外周面の前記基端側端部の近傍であって前記第1の鍔部よりも先端側となる部位に、かつ、前記巻胴部の前記中心軸に直交する向きに配置された第2の鍔部と、略円環状又は扇板状に形成されると共に、前記巻胴部の前記外周面の先端側端部又はその近傍となる部位に、かつ、前記巻胴部の前記中心軸に直交する向きに配置された第4の鍔部と、略円環状に形成されると共に、前記巻胴部の前記外周面の前記先端側端の近傍であって前記第4の鍔部よりも基端側となる部位に、かつ、前記巻胴部の前記中心軸に直交する向きに配置された第3の鍔部を備えたコイルボビンと、
前記巻胴部にコイルワイヤを巻回して形成されたコイルを有するコイルアッシーであって、
前記コイルボビンは、前記巻胴部の前記中心軸に沿って延在するように、かつ、前記巻胴部の前記外周面の前記第1の鍔部と前記第2の鍔部との間にある第1の巻胴領域から、前記第2の鍔部と前記第3の鍔部との間にある第2の巻胴領域を通って、前記第3の鍔部と前記第4の鍔部との間にある第3の巻胴領域まで到達するように形成された配線溝を備え、前記第2の鍔部に周縁から前記配線溝まで達する第1の配線溝用切り込み部と前記周縁から前記周縁の近傍の所定位置まで達する第2の巻回用切り込み部が形成され、前記第3の鍔部に周縁から前記配線溝まで達する第2の配線溝用切り込み部と前記周縁から前記巻胴部の前記外周面まで達する第1の巻回用切り込み部が形成され、
前記コイルは、前記コイルワイヤを、前記巻胴部の前記第1の巻胴領域に配線された導入部と、前記導入部に連続すると共に前記配線溝の内部を通って前記巻胴部の前記第3の巻胴領域に1周未満巻回された先端側導出部と、前記先端側導出部に連続すると共に前記第3の鍔部の前記第1の巻回用切り込み部を通って前記巻胴部の前第2の巻胴領域に奇数層の巻き層をなすように巻回された巻き線構成部と、前記巻き線構成部に連続すると共に前記第2の鍔部の前記第2の巻回用切り込み部を通り、前記第1の鍔部と前記第2の鍔部との間隙に戻る導出部を備えていることを特徴とするコイルアッシー。
【請求項2】
前記コイルボビンは、前記配線溝の深さが前記コイルワイヤの径と等しく、又は、前記コイルワイヤの径よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコイルアッシー。
【請求項3】
前記コイルボビンは、前記中心軸と直交する方向において、前記配線溝の底部と前記中心軸との距離が前記第1の巻胴領域と前記中心軸との距離よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載のコイルアッシー。
【請求項4】
前記コイルボビンは、前記第3の鍔部に前記第2の配線溝用切り込み部を介して対向する第1の端部と第2の端部とを備え、前記第1の端部と前記第2の端部とは、外周面の一部又は全部が凸状の曲面をなすように形成されていることを特徴とする請求項3に記載のコイルアッシー。
【請求項5】
前記コイルボビンは、略円環状に形成されると共に、前記巻胴部の前記外周面の前記第2の鍔部と前記第3の鍔部との間となる部位に、かつ、前記巻胴部の前記中心軸に直交する向きに配置された仕切り用鍔部をさらに備え、前記仕切り用鍔部に周縁から前記配線溝まで達する第3の配線溝用切り込み部と前記周縁から前記巻胴部の接線方向に延びる折り返し用切り込み部が形成され、
前記コイルは、前記巻き線構成部が前記先端側導出部に連続すると共に前記第3の鍔部の前記第1の巻回用切り込み部を通って前記巻胴部の前記第3の鍔部と前記仕切り用鍔部との間隙となる領域に奇数層の巻き層をなすように巻回された第1方向のコイル部と、前記第1方向の部分に連続すると共に前記仕切り用鍔部の前記折り返し用切り込み部を通り、前記仕切り用鍔部と前記第2の鍔部との間隙となる領域に、前記巻胴部の前記第3の鍔部と前記仕切り用鍔部との前記間隙の前記巻き層とは逆向きに奇数層の巻き層をなすように巻回された第2方向のコイル部を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のコイルアッシー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルアッシーに関し、特に奇数層の巻き層を備えたコイルを有しているコイルアッシーに関する。
【背景技術】
【0002】
コイルボビンの巻胴領域に対してコイルワイヤを巻回してコイルを形成したコイルアッシーは、一部の例外を除いてソレノイドやボイスコイルモータにとって必須の構成部品である。また、ほとんどのコイルアッシーでは、コイルボビンの基端側にコイルワイヤとリード線との接続部を収納する領域を設けるために、コイルを偶数層の巻き層からなるものとしている。すなわち、コイルワイヤをコイルボビンの巻胴領域に巻回してコイルを形成する際には、巻胴部の基端側端部からコイルワイヤを巻回し始める。そして、巻胴部の先端側端部に到達したところで1層目の巻き層が形成され、さらに基端側端部に向かって巻回し、基端側端部に到達したところで2層目の巻き層が形成される。3層目以降も同様に形成してゆく。よって、必然的に巻き層が偶数層になる。これに対して、コイルワイヤを奇数層とすることが求められる場合に、
【0003】
図14は、従来技術に係るコイルアッシーを示す断面図である。図14において、100はコイルアッシー、101はコイルボビン、102は巻胴部、103は第1の鍔部、104は第2の鍔部、105は第1の仕切り部、106は第2の仕切り部、107は第3の仕切り部、108は第3の鍔部、109は複合コイル、110はコイルワイヤ端部領域、111は第1のコイル部、112は第1の渡り線部、113は第2のコイル部、114は第2の渡り線部、115は第3のコイル部、116は第3の渡り線部、117は第4のコイル部、118は戻り線部、119は巻き層である。
【0004】
図14は、特開2008-61397号公報で開示された発明を表したものである。コイルアッシー100は、コイルボビン101に対して、第1のコイル部111、第2のコイル部113、第3のコイル部115、及び、第4のコイル部117からなる複合コイル109が設けられた構成となっている。すなわち、コイルボビン101の巻胴部102には、コイルワイヤの巻き始めとなり、リード線に接続される側となる基端側端部に第1の鍔部103、第1の鍔部103の基端側端部の近傍に第2の鍔部104、巻胴部102の先端側端部に第3の鍔部108がそれぞれ形成されている。さらに、巻胴部102には、第2の鍔部104と第3の鍔部108との間には、第1の仕切り部105、第2の仕切り部106、及び、第3の仕切り部107が所定間隔で形成されている。
【0005】
そして、コイルワイヤの第1の鍔部103と第2の鍔部104との間隙となる巻胴部102を起点として、第2の鍔部104と第1の仕切り部105との間隙に巻回し、次に第1の仕切り部105の間隙を通してから第1の仕切り部105と第2の仕切り部106との間隙に巻回し、次に第2の仕切り部106を通してから第2の仕切り部106と第3の仕切り部107との間隙に巻回する。さらに、コイルワイヤを第3の仕切り部107の間隙を通してから第3の仕切り部107と第3の鍔部108との間隙に巻回する。以上のように、コイルワイヤを先端側に隣接する巻胴部102に順次奇数層となるように巻回して行くことによって、第1の渡り線部112、第2の渡り線部114及び第3の渡り線部116を介して、第1のコイル部111、第2のコイル部113、第3のコイル部115、及び、第4のコイル部117からなると共に、巻き層119が奇数となる複合コイル109が形成される。最後に、コイルワイヤを第1のコイル部111、第2のコイル部113、第3のコイル部115、及び、第4のコイル部117の外周面に沿って、かつ、コイルボビン101の基端側に向かって直線的に配線する。戻り線部118をこのように配線することによって、コイルボビン101の基端側にコイルワイヤ端部領域110が2本揃った状態となり、リード線との接続が容易になる。
【0006】
以上の構成によれば、コイルボビン101の巻胴部102に奇数層巻回したコイルであっても、コイルワイヤの両端部及びその近傍部分を基端側に位置させることが可能となる。さらに、単一のコイルボビンに対して任意の個数のコイルを形成することができるという利点もある。しかしながら、戻り線部118を第1のコイル部111、第2のコイル部113、第3のコイル部115、及び、第4のコイル部117の外周面に沿って配線するので、戻り線部118が第1のコイル部111、第2のコイル部113、第3のコイル部115、及び、第4のコイル部117の外周面から突出した状態になる。すなわち、コイルアッシー100を収納するために必要となる空間の径は、第1のコイル部111、第2のコイル部113、第3のコイル部115、及び、第4のコイル部117の巻き層数に1層分追加したものとなる。また、戻り線部118が第1のコイル部111、第2のコイル部113、第3のコイル部115、及び、第4のコイル部117の外周面から突出していることから、コイルアッシー100をソレノイドのケース等に収納する際に、戻り線部118がある部位にケースが接触し、コイルアッシー100の外周面に設けた絶縁材に瑕疵ができる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-61397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するために、コイルの巻き層が奇数層となるコイルアッシーにおいて、コイルの外周面に突出部ができず、コイルが略円筒状に形成されるコイルアッシーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、略円筒状に形成された巻胴部と、略円環状又は略扇状に形成されると共に、前記巻胴部の外周面の基端側端部又はその近傍となる部位に、かつ、前記巻胴部の中心軸に直交する向きに配置された第1の鍔部と、略円環状に形成されると共に、前記巻胴部の前記外周面の前記基端側端部の近傍であって前記第1の鍔部よりも先端側となる部位に、かつ、前記巻胴部の前記中心軸に直交する向きに配置された第2の鍔部と、略円環状又は扇板状に形成されると共に、前記巻胴部の前記外周面の先端側端部又はその近傍となる部位に、かつ、前記巻胴部の前記中心軸に直交する向きに配置された第4の鍔部と、略円環状に形成されると共に、前記巻胴部の前記外周面の前記先端側端の近傍であって前記第4の鍔部よりも基端側となる部位に、かつ、前記巻胴部の前記中心軸に直交する向きに配置された第3の鍔部を備えたコイルボビンと、前記巻胴部にコイルワイヤを巻回して形成されたコイルを有するコイルアッシーであって、前記コイルボビンは、前記巻胴部の前記中心軸に沿って延在するように、かつ、前記巻胴部の前記外周面の前記第1の鍔部と前記第2の鍔部との間にある第1の巻胴領域から、前記第2の鍔部と前記第3の鍔部との間にある第2の巻胴領域を通って、前記第3の鍔部と前記第4の鍔部との間にある第3の巻胴領域まで到達するように形成された配線溝を備え、前記第2の鍔部に周縁から前記配線溝まで達する第1の配線溝用切り込み部と前記周縁から前記周縁の近傍の所定位置まで達する第2の巻回用切り込み部が形成され、前記第3の鍔部に周縁から前記配線溝まで達する第2の配線溝用切り込み部と前記周縁から前記巻胴部の前記外周面まで達する第1の巻回用切り込み部が形成され、
前記コイルは、前記コイルワイヤを、前記巻胴部の前記第1の巻胴領域に配線された導入部と、前記導入部に連続すると共に前記配線溝の内部を通って前記巻胴部の前記第3の巻胴領域に1周未満巻回された先端側導出部と、前記先端側導出部に連続すると共に前記第3の鍔部の前記第1の巻回用切り込み部を通って前記巻胴部の前第2の巻胴領域に奇数層の巻き層をなすように巻回された巻き線構成部と、前記巻き線構成部に連続すると共に前記第2の鍔部の前記第2の巻回用切り込み部を通り、前記第1の鍔部と前記第2の鍔部との間隙に戻る導出部を備えていることを特徴とするコイルアッシーである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記コイルボビンは、前記配線溝の深さが前記コイルワイヤの径と等しく、又は、前記コイルワイヤの径よりも大きくなるように形成されていることを特徴とするコイルアッシーである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記コイルボビンは、前記中心軸と直交する方向において、前記配線溝の底部と前記中心軸との距離が前記第1の巻胴領域と前記中心軸との距離よりも大きくなるように形成されていることを特徴とするコイルアッシーである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記コイルボビンは、前記第3の鍔部に第2の配線溝用切り込み部を介して対向する第1の端部と第2の端部とを備え、前記第1の端部と前記第2の端部とは、外周面の一部又は全部が凸状の曲面をなすように形成されていることを特徴とするコイルアッシーである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記コイルボビンは、略円環状に形成されると共に、前記巻胴部の前記外周面の前記第2の鍔部と前記第3の鍔部との間となる部位に、かつ、前記巻胴部の前記中心軸に直交する向きに配置された仕切り用鍔部をさらに備え、前記仕切り用鍔部に周縁から前記配線溝まで達する第3の配線溝用切り込み部と前記周縁から前記巻胴部の接線方向に延びる折り返し用切り込み部が形成され、前記コイルは、前記巻き線構成部が前記先端側導出部に連続すると共に前記第3の鍔部の前記第1の巻回用切り込み部を通って前記巻胴部の前記第3の鍔部と前記仕切り用鍔部との間隙となる領域に奇数層の巻き層をなすように巻回された第1方向のコイル部と、前記第1方向の部分に連続すると共に前記仕切り用鍔部の前記折り返し用切り込み部を通り、前記仕切り用鍔部と前記第2の鍔部との間隙となる領域に、前記巻胴部の前記第3の鍔部と前記仕切り用鍔部との前記間隙の前記巻き層とは逆向きに奇数層の巻き層をなすように巻回された第2方向のコイル部を備えていることを特徴とするコイルアッシーである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、巻胴部の第1の巻胴領域に配線された導入部と、コイルワイヤが配線溝の内部を通って第3の巻胴領域に1周未満巻回された先端側導出部と、第2の巻胴領域に奇数層の巻き層をなすように巻回された巻き線構成部と、巻き線構成部に連続すると共に第2の鍔部の第2の巻回用切り込み部を通り、第1の鍔部と第2の鍔部との間隙に戻る導出部を備えているので、コイルワイヤを巻胴部の先端側から巻回し始め、基端側で巻回し終えることになり、巻き層が奇数層となるコイルを簡単に形成することができる。さらに、先端側導出部が配線溝の内部を通ってコイルボビンの先端側に導出されているので、巻き層の外周面を通ってコイルボビンの基端側に戻る従来技術のように、コイルの径が巻き層1層分大きくなることがない。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、配線溝の内部を通っているコイルワイヤが配線溝の上方に突出することがないので、巻き線構成部を円筒状に精確に形成することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、コイルワイヤが第1の巻胴領域から配線溝の底部に向かってやや上り勾配となるので、導入部に続けてコイルワイヤを配線溝の内部に配線するときに、コイルワイヤが配線溝の底部に軽く押し付けられた状態となり、コイルワイヤの巻き乱れの原因となるたわみを防止できる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、コイルワイヤを第3の鍔部の第2の配線溝用切り込み部を通して配線するときに、コイルワイヤが第1の端部と第2の端部との角部に押し当てられて変形することを防止できる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、仕切り用鍔部をさらに備えていることによって、複数個のコイルを備えたボイスコイルモータ用コイルアッシーを形成することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルボビンを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルボビンを示し、(a)中心軸の方向の水平断面図、(b)は中心軸の方向の垂直断面図、(c)はB-B線断面図、(d)はA-A線断面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルボビンを示し、(a)は配線溝の基端側領域の部分拡大図、(b)は配線溝の先端側領域の部分拡大図である。
図4】本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイル形成手順を示す説明図(1)である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイル形成手順を示す説明図(2)である。
図6】本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイル形成手順を示す説明図(3)である。
図7】本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルの構成を示す説明図である。
図8】本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのボイスコイルモータ用コイルボビンを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
図9】本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのボイスコイルモータ用コイルボビンの中心軸の方向の垂直断面図である。
図10】本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのボイスコイルモータ用コイルボビンを示し、(a)C-C線断面図、(b)はD-D線断面図、(c)はE-E線断面図である。
図11】本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのコイル形成手順を示す説明図(1)である。
図12】本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのコイル形成手順を示す説明図(2)である。
図13】本発明の実施の形態に係るコイルアッシーの変形例を示し、(a)は第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルボビンの正面図、(b)は本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのボイスコイルモータ用コイルボビンの変形例の断面図、(c)はF-F線断面図である。
図14】従来技術に係るコイルアッシーを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
まず、以下に説明する本発明の実施の形態のコイルアッシーにおける説明、及び、特許請求の範囲において、「基端側」とは、コイルボビン又はボイスコイルモータ用コイルボビンの巻胴部に対してコイルワイヤを巻回し始める側を示すものとし、「先端側」とは基端側とは反対側、すなわち、コイルワイヤの巻き層を巻回し終える側を示すものとする。なお、本発明の実施の形態のコイルアッシーでは、コイルボビンの「基端側」にコイルワイヤの両端部が配置される構成となる。また、「中心軸」とは、コイルボビンの巻胴部の中心軸であるが、この「中心軸」はシャフトの中心軸とも一致している。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルボビンを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。図1において、15はコイルボビン、20は巻胴部、21は第1の巻胴領域、22は第2の巻胴領域、23は第3の巻胴領域、24は第1の鍔部、25は第2の鍔部、26は第3の鍔部、27は第4の鍔部、29は配線溝、29aは基端側端部、29bは先端側端部、30aは第1のセレーション部、30bは第2のセレーション部、31はコイル形成領域、32は扇状切り欠き部、33は中空部である。また、図2は、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルボビンを示し、(a)中心軸の方向の水平断面図、(b)は中心軸の方向の垂直断面図、(c)はB-B線断面図、(d)はA-A線断面図である。図2において、28は補強部、30cは第3のセレーション部、34は第1の配線溝用切り込み部、35は第2の配線溝用切り込み部、36は第1の巻回用切り込み部、37は第2の巻回用切り込み部であり、その他の符号は図1と同じものを示す。さらに、図3は、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルボビンを示し、(a)は配線溝の先端側領域の部分拡大図、(b)は配線溝の基端側領域の部分拡大図である。図3において用いた符号は、全て図1と同じものを示す。くわえて、図5は、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイル形成手順を示す説明図(2)である。図5において、25aは第1の端部、25bは第2の端部、26aは第1の端部、26bは第2の端部、30dは第4のセレーション部、38a、38b、38c、38d、39a、39b、39c及び39dは曲面形成部分、40はコイルワイヤ、40aはコイルワイヤ始端部、95は間隙であり、その他の符号は図1と同じものを示す。なお、図5は、コイルボビン15の背面図を表したものである。
【0022】
最初に、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルボビンの構成について説明する。図1及び図2に示すように、この実施の形態に係るコイルアッシーのコイルボビン15は、巻胴部20に対して第1の鍔部24、第2の鍔部25、第3の鍔部26及び第4の鍔部27が設けられている。巻胴部20は、略円筒状に形成されており、特に図示しないが、コイルボビン15をソレノイド等に組み込んだ状態においては、中空部33に図示していない可動磁極やシャフトが配置される。また、巻胴部20は、第2の鍔部25と第3の鍔部26とによって、第1の巻胴領域21、第2の巻胴領域22及び第3の巻胴領域23の3つの領域に分割されている。図1に示すように、第2の巻胴領域22のみがコイル形成領域31となり、第1の巻胴領域21及び第3の巻胴領域23は、図5に示すように、コイルワイヤ40のコイルワイヤ始端部40aとリード線との結線など、あるいは、コイルワイヤの巻回方向又は配線方向の切り換えに利用される領域となる。
【0023】
また、図1に示すように、巻胴部20の外周面には、中心軸に沿って配線溝29が形成されている。配線溝29は、巻胴部20の基端側から先端側に向かって延在しており、コイルワイヤ40を巻回し始める側となるコイルワイヤ始端部40aの近傍部分を配線し、収納するために形成されている。さらに、配線溝29は、図3に示すように、基端側端部29aが第1の巻胴領域21まで達しており、先端側端部29bが第3の巻胴領域23を中心軸の方向に横断して第4の鍔部27まで達している。また、図2(a)及び(d)に示すように、中心軸と直交する方向において、基端側端部29aの底部と中心軸との距離は、第1の巻胴領域21の外周面と中心軸との距離よりも大きくなるように形成されている。この構成は、後述する手順によって、コイルワイヤ40を第1の巻胴領域21から配線溝29に向かって配線するときに、コイルワイヤ40が基端側端部29aの底部に向かってやや上り勾配となるので、コイルワイヤ40を配線溝29の内部に配線するときに、コイルワイヤ40が配線溝29の底部に軽く押し付けられた状態となり、コイルワイヤ40の巻き乱れの原因となるたわみを防止できることによる。
【0024】
さらに、図2(a)及び(c)に示すように、中心軸と直交する方向において、先端側端部29bの底部と中心軸との距離は、第3の巻胴領域23の外周面と中心軸との距離よりも小さくなるように形成されている。この構成も、後述する手順によって、コイルワイヤ40を配線溝29から第3の巻胴領域23に向かって配線するときに、コイルワイヤ40が第3の巻胴領域23に向かってやや上り勾配となるので、コイルワイヤ40を第3の巻胴領域23に配線するときに、コイルワイヤ40が第3の巻胴領域23に軽く押し付けられた状態となり、コイルワイヤ40の巻き乱れの原因となるたわみを防止できることを目的としている。
【0025】
また、配線溝29の底部までの深さは、コイルワイヤ40が配線溝29に収納しきれずに突出し、コイルの形状を変形されることを防止するために、コイルワイヤ40の径と等しくなるように形成されている。なお、巻胴部20は、コイルワイヤの巻回時に加わる応力で変形することを防止するために一定程度余裕のある肉厚に形成されているので、多様な径を持つコイルワイヤに適用できるように、底部までの深さをコイルボビン15に巻回可能な最も太いコイルの径と等しくなるように形成してもよい。この場合、底部までの深さがコイルの形成に利用されるほとんどのコイルワイヤの径よりも大きくなるので、相対的に細いコイルワイヤは配線溝29の内部に隠れたような状態となる。また、配線溝29の幅は、コイルワイヤ40を1本配線可能なものであればよい。この幅が過大になると、コイルの形状に歪みができる原因となるので、コイルワイヤ40を1本配線する上で必要十分な幅とすることが望ましい。以上の条件を勘案すると、配線溝29の深さ及び幅は、実際に巻回するコイルワイヤの径に等しいものが最も望ましいが、実際に巻回するコイルワイヤの径よりも多少大きく形成されていてもほとんど問題ないと言える。
【0026】
第1の鍔部24は、略扇板状に形成されており、巻胴部20の外周面の基端側端部において中心軸に対して直交する方向に張り出すように設けられている。なお、第1の鍔部24は、略円環板状に形成されると共に、後述するリード線を通すための切り込み部が設けられたものとしてもよい。また、巻胴部20の基端側端部をコイルボビン15の固定に利用するなどの理由から、第1の鍔部24を巻胴部20の基端側端部よりも僅かに先端側となる位置、つまり、基端側端部の近傍となる位置に設けてもよい。さらに、第1の鍔部24は、上方、すなわち、第1の鍔部24を補強する補強部28を形成した部位と反対側に扇状切り欠き部32が形成されている。扇状切り欠き部32は、図示していないリード線を外部に導出するために形成されると共に、後述する第1の配線溝用切り込み部34と第2の巻回用切り込み部37との中間となる位置に形成されている。
【0027】
図2に示すように、第2の鍔部25は、略円環板状に形成されており、巻胴部20の外周面の基端側端部の近傍において中心軸に対して直交する方向に張り出すように設けられている。また、第2の鍔部25は、第1の鍔部24との間隙にコイルワイヤ40のコイルワイヤ始端部40aやリード線などを配線可能な空間を確保するために、巻胴部20の外周面の基端側端部から所定距離離れた位置に形成されている。くわえて、第2の鍔部25は、周縁から配線溝29まで達する第1の配線溝用切り込み部34、及び、周縁から周縁の近傍の所定位置まで達する第2の巻回用切り込み部37が形成されている。第1の配線溝用切り込み部34は、コイルワイヤ40を基端側から先端側へ第2の鍔部25を通り抜けて配線するためのものであり、第2の鍔部25を周縁から配線溝29まで、かつ、配線溝29と同じ幅で切り込んだ形状になされている。
【0028】
第2の巻回用切り込み部37は、第2の巻胴領域22にコイルワイヤ40を巻回して奇数層の巻き層を形成し終えた後、コイルワイヤ40を第1の鍔部24と第2の鍔部25との間隙に戻すためのものである。また、第2の巻回用切り込み部37は、奇数層の巻き層を形成し終えた後、つまり、巻胴部20の外周面から離れた位置にあるコイルワイヤ40を導出するためのものであるので、中心軸に直交する方向において、周縁から奇数層の巻き層を形成し終えた位置まで形成されている。さらに、図5に示すように、第2の巻回用切り込み部37を介して対向する第1の端部25aと第2の端部25bとを備えている。第1の端部25aと第2の端部25bとには、外周面の一部を凸状の曲面とした曲面形成部分38a及び38bと、曲面形成部分38c及び38dが形成されている。このように、第1の端部25aと第2の端部25bとの外周面の一部を角部分のない凸状の曲面としたので、当該部分に当接したコイルワイヤ40が大きく屈曲することによるストレスを抑えられるようになっている。また、第1の鍔部24と第2の鍔部25とには、図示していないリード線を挟持して保持するために、図1及び図5に示すように、第2のセレーション部30b及び第4のセレーション部30dと、第1のセレーション部30及び第3のセレーション部30cとが形成されている。
【0029】
図1及び図2に示すように、第4の鍔部27は、略円環板状に形成されており、巻胴部20の外周面の先端側端部において中心軸に対して直交する方向に張り出すように設けられている。なお、第4の鍔部27は、巻胴部20の先端側端部をコイルボビン15の固定に利用するなどの理由から、第4の鍔部27を巻胴部20の先端側端部よりも僅かに基端側となる位置、つまり、先端側端部の近傍となる位置に設けてもよい。第3の鍔部26は、略円環板状に形成されており、巻胴部20の外周面の先端側端部の近傍において中心軸に対して直交する方向に張り出すように設けられている。また、第3の鍔部26は、第4の鍔部27との間隙に前述のコイルワイヤ40を配線可能な空間を確保するために、巻胴部20の外周面の先端側端部から所定距離離れた位置に形成されている。くわえて、第3の鍔部26は、周縁から配線溝29まで達する第2の配線溝用切り込み部35、及び、周縁から巻胴部20の外周面まで達する第1の巻回用切り込み部36が形成されている。
【0030】
第2の配線溝用切り込み部35は、コイルワイヤ40を基端側から第3の鍔部26を通り抜けて第1の巻胴領域21まで配線するためのものであり、第2の鍔部25を周縁から配線溝29まで、かつ、配線溝29と同じ幅で切り込んだ形状になされている。第1の巻回用切り込み部36は、先端側に向かって配線されたコイルワイヤ40の基端向きに切り換えるために形成されている。すなわち、配線溝29の内部を通って第1の巻胴領域21まで配線されたコイルワイヤ40は、第3の巻胴領域23に約半周巻回した後、図5に示すように、第1の巻回用切り込み部36を通って第2の巻胴領域22に戻ることになる。また、第1の巻回用切り込み部36は、第2の巻胴領域22においてコイルワイヤ40を巻回するときに、巻き乱れが生じることを防止するために、中心軸と直交する方向において、第1の巻回用切り込み部36の底部と第2の巻胴領域22の外周面とが中心軸に対する距離が等しくなるように形成されている。
【0031】
また、図5に示すように、第3の鍔部26は、第1の巻回用切り込み部36を介して対向する第1の端部26aと第2の端部26bとを備えている。第1の端部26aと第2の端部25bとには、外周面の一部を凸状の曲面とした曲面形成部分39a及び39bと、曲面形成部分39c及び39dが形成されている。したがって、第1の巻回用切り込み部36は、第2の巻回用切り込み部37と同様に、第1の端部26aと第2の端部26bとの外周面の一部を角部分のない凸状の曲面としたので、当該部分に当接したコイルワイヤ40が大きく屈曲することによるストレスを抑えられるようになっている。また、第1の端部26aと第2の端部26bとのを備えている。さらに、第1の端部26aと第2の端部25bと95との間隙95の幅は、中心軸の方向における第3の鍔部26の厚さよりも大きくなるように設定されている。これは、間隙95を通り抜けるコイルワイヤ40の屈曲を抑え、コイルワイヤ40が大きく屈曲することによるストレスを抑えることを目的としている。
【0032】
続けて、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルの形成手順について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイル形成手順を示す説明図(1)である。図4において用いた符号は、全て図1と同じものを示す。また、図6は、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイル形成手順を示す説明図(3)である。図6において、10はコイルアッシー、40bはコイルワイヤ終端部、41はコイル、42は絶縁テープであり、その他の符号は図1と同じものを示す。なお、図6は、コイルボビン15の背面図を表したものである。さらに、図7は、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルの構成を示す説明図である。図7において、40bはコイルワイヤ終端部であり、その他の符号は図1と同じものを示す。
【0033】
まず、図4(1)に示すように、コイルワイヤ40をコイルボビン15の外方から第1の鍔部24の扇状切り欠き部32を介して第1の巻胴領域21まで導入する。さらに、第1の巻胴領域21の外周面に沿って第2の鍔部25の第1の配線溝用切り込み部34に向けて巻回する。そして、コイルワイヤ40を第1の配線溝用切り込み部34を通り抜けるように配線し、続けて配線溝29の内部に配線して行く。次に、図4(2)に示すように、第3の鍔部26の第2の配線溝用切り込み部35を通り抜けて第3の巻胴領域23に導出する。さらに、コイルワイヤ40を第3の巻胴領域23の外周面に沿って第1の巻回用切り込み部36まで巻回して行く。なお、第3の巻胴領域23には、コイルワイヤ40が約半周巻回されることになるが、この部分のコイルワイヤ40はコイル41を構成する部分ではない。
【0034】
次に、図5(3)に示すように、第1の巻回用切り込み部36を通り抜けて第2の巻胴領域22に配線する。続けて、図6(4)に示すように、コイルワイヤ40を第2の巻胴領域22に巻回して行く。そして、図6(5)に示すように、所定の奇数層の巻き層が形成されるところまで巻回してコイル41が形成されたら、第2の鍔部25の第2の巻回用切り込み部37を通り抜けて第1の巻胴領域21に導出する。さらに、コイルワイヤ40を第1の鍔部24の扇状切り欠き部32を介してコイルボビン15の外方へ導出する。最後に、図6(6)に示すように、コイル41に対して絶縁テープ42を1周以上巻回してコイル41を保護する。なお、コイルワイヤ40のコイルワイヤ始端部40a及びコイルワイヤ終端部40bは、図示していないリード線にそれぞれ結線される。これらのコイルの形成手順を経て、コイルアッシー10が完成する。
【0035】
以上のように、コイルの形成手順を経たコイルワイヤ40は、図7(a)に示す導入部16、図7(b)に示す先端側導出部17、図7(c)に示す巻き線構成部18、図7(d)に示す導出部19から構成されているが、先端側導出部17は従来技術に存在しない部分であり、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシー10の特徴的な部分である。また、図14に示した従来技術に係るコイルアッシー100では、戻り線部118が先端側導出部17に対応する部分となる。しかし、戻り線部118は、第1のコイル部111、第2のコイル部113、第3のコイル部115及び第4のコイル部117の外周面から突出した状態でもうけられているので、コイルアッシー100をソレノイドのケース等に収納する際にケースに接触するなどし、絶縁性に問題を生じることなどがある。これに対して、先端側導出部17は、巻胴部20に形成された配線溝29の内部に収納された状態となるので、このような問題を生じることがない。なお、以上に述べたコイル形成手順は、一例であり、細部において異なる手順であってもよい。
【0036】
続けて、本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーについて説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのボイスコイルモータ用コイルボビンを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。図8において、14はボイスコイルモータ用コイルボビン、50は巻胴部、51は第1の巻胴領域、52は第2の巻胴領域、53は第3の巻胴領域、54は第4の巻胴領域、55は第5の巻胴領域、56は第1の鍔部、57は第2の鍔部、57aは第1の配線溝用切り込み部、58は第1の仕切り用鍔部、58aは第3の配線溝用切り込み部、59は第2の仕切り用鍔部、59aは第4の配線溝用切り込み部、60は第3の鍔部、61は第4の鍔部、62は配線溝、62aは基端側端部、62bは先端側端部、63は中空部、64はシャフトである。また、図9は、本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのボイスコイルモータ用コイルボビンの中心軸の方向の垂直断面図である。図9において、65は第1のコイル形成領域、66は第2のコイル形成領域、67は第3のコイル形成領域であり、その他の符号は図8と同じものを示す。さらに、図10は、本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのボイスコイルモータ用コイルボビンを示し、(a)C-C線断面図、(b)はD-D線断面図、(c)はE-E線断面図である。図10において、55aは平坦面、58bは折り返し用切り込み部、59bは折り返し用切り込み部、60aは第2の配線溝用切り込み部、60bは回り込み用切り込み部であり、その他の符号は図8と同じものを示す。くわえて、図11は、本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのコイル形成手順を示す説明図(1)である。図11において、43はコイルワイヤ、43aはコイルワイヤ始端部であり、その他の符号は図8と同じものを示す。
【0037】
まず、本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのボイスコイルモータ用コイルボビンの構成について説明する。図8及び図9に示すように、この実施の形態に係るコイルアッシーのボイスコイルモータ用コイルボビン14は、中空部63と巻胴部50の基端側に底部を備えた略有底円筒状に形成されており、この基端側の底部にボイスコイルモータの可動部材を直動可能に支持するシャフト64が固定されている。なお、ボイスコイルモータ用コイルボビン14は、巻胴部50の先端側に底部を備え、この先端側の底部にシャフト64が固定される構成にしてもよい。また、第1のコイル形成領域65、第2のコイル形成領域66及び第3のコイル形成領域67の中心軸方向における配置やそれぞれの長さは、図8等に示したものに限られるものではなく、コイルアッシーに求められる仕様に応じて適宜変更できる。
【0038】
また、巻胴部50は、ボイスコイルモータの動力源となる3つのコイルを形成するために、第1の鍔部56、第2の鍔部57、第1の仕切り用鍔部58、第2の仕切り用鍔部59、第3の鍔部60及び第4の鍔部61が設けられている。すなわち、第2の鍔部57と第3の鍔部60との間に第1の仕切り用鍔部58と第2の仕切り用鍔部59とを備えることによって、巻胴部50が第1の巻胴領域51、第2の巻胴領域52、第3の巻胴領域53、第4の巻胴領域54及び第5の巻胴領域55の5つの領域に分割されており、第2の巻胴領域52、第3の巻胴領域53及び第4の巻胴領域54をそれぞれ第1のコイル形成領域65、第2のコイル形成領域66及び第3のコイル形成領域67としている。
【0039】
第1の巻胴領域51及び第5の巻胴領域55は、図11に示すように、コイルワイヤ43のコイルワイヤ始端部43aと図示していないリード線との結線など、あるいは、コイルワイヤの巻回方向又は配線方向の切り換えに利用される領域となる。図8及び図9に示すように、巻胴部50の外周面には、中心軸に沿って配線溝62が形成されている。配線溝62は、巻胴部50の基端側から先端側に向かって延在しており、さらに図11に示すように、コイルワイヤ43を巻回し始める側となるコイルワイヤ始端部43aの近傍部分を配線し、収納するために形成されている。さらに、配線溝62は、基端側端部62aが第1の巻胴領域51まで達しており、先端側端部62bが第5の巻胴領域55を分断するように第4の鍔部61まで達している。すなわち、図10(a)に示すように、巻胴部50は、第5の巻胴領域55の一部を平坦面55aとして形成されており、さらに配線溝62と平坦面55aとの中心軸からの距離を等しいものとして、平坦面55aが配線溝62の一部をなすように形成されている。
【0040】
図8及び図9に示すように、第1の鍔部56は、短い略円筒状に形成されており、巻胴部50の外周面の基端側端部において中心軸に対して直交する方向に張り出すように設けられている。第2の鍔部57は、短い略円筒状に形成されており、巻胴部50の外周面の基端側端部の近傍において中心軸に対して直交する方向に張り出すように設けられている。また、第2の鍔部57は、前述のように、コイルワイヤ43のコイルワイヤ始端部43aやリード線などを配線可能な空間を確保するために、第1の鍔部56から所定距離離れた位置に形成されている。くわえて、第2の鍔部57は、周縁から配線溝62まで達する第1の配線溝用切り込み部57aが形成されている。
【0041】
第1の仕切り用鍔部58は、第2の鍔部57との間の巻胴部50の第2の巻胴領域52と、第2の仕切り用鍔部59との間の巻胴部50の第3の巻胴領域53とをコイルの形成領域とすることを目的としてこの位置に配置されている。また、第1の仕切り用鍔部58は、図10(c)に示すように、周縁から配線溝62まで達する第3の配線溝用切り込み部58aと、周縁から第2の巻胴領域52及び第3の巻胴領域53まで達し、かつ、第1の仕切り用鍔部58をその接線方向に切り込んだ折り返し用切り込み部58bが形成されている。折り返し用切り込み部58bは、後述するように、第2の巻胴領域52と第3の巻胴領域53とに対して互いに逆方向となるようにコイルワイヤ43を巻回するために形成されたものである。すなわち、コイルワイヤ43を折り返し用切り込み部58bに係止するようにして、つまり、コイルワイヤ43を折り返し用切り込み部58bで折り返すようにして巻回することによって、巻回方向が逆方向となるようにする。
【0042】
第2の仕切り用鍔部59は、第1の仕切り用鍔部58との間の巻胴部50の第3の巻胴領域53と、第3の鍔部60との間の巻胴部50の第4の巻胴領域54とをコイルの形成領域とすることを目的としてこの位置に配置されている。また、第2の仕切り用鍔部59は、図10(b)に示すように、周縁から配線溝62まで達する第4の配線溝用切り込み部59aと、周縁から第3の巻胴領域53及び第4の巻胴領域54まで達し、かつ、第2の仕切り用鍔部59をその接線方向に切り込んだ折り返し用切り込み部59bが形成されている。折り返し用切り込み部59bは、後述するように、第3の巻胴領域53と第4の巻胴領域54とに対して互いに逆方向となるようにコイルワイヤ43を巻回するために形成されたものである。すなわち、コイルワイヤ43を折り返し用切り込み部59bに係止するようにして、つまり、コイルワイヤ43を折り返し用切り込み部59bで折り返すようにして巻回することによって、巻回方向が逆方向となるようにする。
【0043】
第3の鍔部60は、第2の仕切り用鍔部59との間の巻胴部50の第4の巻胴領域54をコイルの形成領域とすることを目的としてこの位置に配置されている。さらに、第3の鍔部60は、図11に示すように、コイルワイヤ43を第4の鍔部61とも間に配線溝62の内部に配線した後、第4の巻胴領域54に巻回するために、コイルワイヤ43の巻回方向又は配線方向を切り換えることも目的としている。また、第3の鍔部60は、図10(a)に示すように、周縁から配線溝62まで達する第2の配線溝用切り込み部60aと、周縁から第3の巻胴領域53及び第4の巻胴領域54まで達し、かつ、第2の仕切り用鍔部59をその接線方向に切り込んだ回り込み用切り込み部60bが形成されている。回り込み用切り込み部60bは、後述するように、配線溝62から第5の巻胴領域55に導入したコイルワイヤ43を第4の巻胴領域54へ移行させるために形成されたものである。すなわち、コイルワイヤ43を回り込み用切り込み部60bで第4の巻胴領域54へ回り込ませるものである。
【0044】
第4の鍔部61は、略円環板状に形成されており、巻胴部50の外周面の先端側端部において中心軸に対して直交する方向に張り出すように設けられている。第2の鍔部57、第1の仕切り用鍔部58、第2の仕切り用鍔部59及び第3の鍔部60は、配線溝62を通すために、第1の配線溝用切り込み部57a、第3の配線溝用切り込み部58a、第4の配線溝用切り込み部59a及び第2の配線溝用切り込み部60aが形成されている。第1の配線溝用切り込み部57a、第3の配線溝用切り込み部58a、第4の配線溝用切り込み部59a及び第2の配線溝用切り込み部60aは、それぞれの周縁から配線溝62まで、かつ、配線溝62と同じ幅で切り込んだ形状になされている。以上のように、ボイスコイルモータ用コイルボビン14は、第1の仕切り用鍔部58及び第2の仕切り用鍔部59を備えることによって、図9に示すように、第1のコイル形成領域65、第2のコイル形成領域66及び第3のコイル形成領域67が構成され、さらに、隣接する領域とはコイルワイヤ43を逆方向に巻回することが可能になっている。
【0045】
以上に説明した本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルの形成手順について説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのコイル形成手順を示す説明図(2)である。図12において、11はコイルアッシー、43bはコイルワイヤ終端部、43cは回り込み部、43dは第1の折り返し部、43eは第2の折り返し部、44は第1のコイル部、45は第2のコイル部、46は第3のコイル部、47、48及び49は絶縁テープであり、その他の符号は図8及び図11と同じものを示す。
【0046】
まず、図11(1)に示すように、コイルワイヤ43をボイスコイルモータ用コイルボビン14の基端側、つまり、第1の鍔部56の周縁側から第1の巻胴領域51まで導入する。さらに、第1の巻胴領域51の外周面に沿って第2の鍔部57の第1の配線溝用切り込み部57aに向けて巻回する。そして、コイルワイヤ43を第1の配線溝用切り込み部57aを通り抜けるように配線し、続けて配線溝62の内部に配線して行く。次に、図11(2)に示すように、第3の鍔部60の第2の配線溝用切り込み部60aを通り抜けて第5の巻胴領域55に導出する。さらに、コイルワイヤ43を第5の巻胴領域55の外周面に沿って回り込み用切り込み部60bまで巻回し、回り込み用切り込み部60bで第4の巻胴領域54へ移行させる。なお、第5の巻胴領域55のコイルワイヤ43は、コイルを構成する部分ではない。次に、図11(3)に示すように、回り込み部43cに続くコイルワイヤ43を第4の巻胴領域54に巻回して行く。
【0047】
図12(4)に示すように、第4の巻胴領域54に奇数層となる第1のコイル部44が形成されたら、折り返し用切り込み部59bを介して第3の巻胴領域53へ移行させる。そして、第1の折り返し部43dに続くコイルワイヤ43を第3の巻胴領域53において逆方向に巻回し、奇数層となる第2のコイル部45が形成されたら、さらに、折り返し用切り込み部58bを介して第2の巻胴領域52へ移行させる。そして、第2の折り返し部43eに続くコイルワイヤ43を第2の巻胴領域52においてさらに逆方向に巻回し、図12(5)に示すように、奇数層の第3のコイル部46を形成する。そして、コイルワイヤ43を配線溝62の内部を通して第1の鍔部56の周縁側へ導出させる。最後に、図12(6)に示すように、第1のコイル部44、第2のコイル部45及び第3のコイル部46に絶縁テープ47、48及び49をそれぞれ1周以上巻回して、コイルアッシー11を完成させる。
【0048】
以上の形成手順によれば、第1方向に巻回された第1のコイル部44、第2方向に巻回された第2のコイル部45、第1方向に巻回された第3のコイル部46が第1の折り返し部43dと第2の折り返し部43eとを介して連続して形成される。なお、発明者の知見によれば、第2のコイル部45及び第3のコイル部46の形成中に、第1の折り返し部43d及び第2の折り返し部43eに対して一時的に強い引っ張り応力が掛かる場合があるので、第1のコイル部44と第2のコイル部45との巻回を終えた後に、コイルワイヤ43に対して意図的にたわみ、つまりコイルワイヤのゆるみを設けておくことが望ましいことが分かった。具体的には、第2のコイル部45を形成し終わった後、第1の折り返し部43dに配線する前の段階でたわみ(ゆるみ)を設け、第3のコイル部46を形成し終わった後、第2の折り返し部43eに配線する前の段階でたわみ(ゆるみ)を設けることが望ましい。
【0049】
続けて、本発明の第1及び第2の実施の形態に係るコイルアッシーの変形例について説明する。図13は、本発明の実施の形態に係るコイルアッシーの変形例を示し、(a)は第1の実施の形態に係るコイルアッシーのコイルボビンの正面図、(b)は本発明の第2の実施の形態に係るコイルアッシーのボイスコイルモータ用コイルボビンの変形例の断面図、(c)はF-F線断面図である。図13において、70はコイルボビン、71は第1の巻胴領域、72は第2の巻胴領域、73は第3の巻胴領域、74は第1の鍔部、75は第2の鍔部、75aは第1の端部、75bは第2の端部、76は第3の鍔部、77は第4の鍔部、78aは曲面形成部分、78bは曲面形成部分、80はボイスコイルモータ用コイルボビン、83は第3の巻胴領域、85aは平坦面、88は第3の鍔部、88aは配線溝用切り込み部、88bは折り返し用切り込み部、89a及び89bは曲面形成部分、93は中空部、94はシャフトである。
【0050】
図13(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るコイルアッシーの変形例である。コイルボビン70は、第2の鍔部75の第1の端部75aと第2の端部75bとにおいて、外周面のコイルワイヤ40が当接する領域を緩やかな曲面になされた曲面形成部分78aと曲面形成部分78bとを備えている。なお、コイルボビン70の第1の巻胴領域71、第2の巻胴領域72、第3の巻胴領域73、第1の鍔部74、第3の鍔部76及び第4の鍔部77、並びに、その他の部分については、コイルボビン15と同じ形状であるので、説明を省略する。以上のように、コイルボビン70は、曲面形成部分78a及び曲面形成部分78bを形成することによってコイルワイヤ40に対するストレスをさらに軽減している。また、ボイスコイルモータ用コイルボビン80は、第3の鍔部8の折り返し用切り込み部88bにおいて、ボイスコイルモータ用コイルボビン14では角部として形成されている2つの領域を曲面形成部分89aと曲面形成部分89bとして形成している。なお、ボイスコイルモータ用コイルボビン80の第3の巻胴領域83、平坦面85a、配線溝用切り込み部88a、中空部93及びシャフト94、並びに、その他の部分については、ボイスコイルモータ用コイルボビン14と同じ形状であるので、説明を省略する。以上のように、ボイスコイルモータ用コイルボビン80は、曲面形成部分89a及び89bを形成することによってコイルワイヤ40に対するストレスをさらに軽減している。
【0051】
以上のように、コイルアッシー10は、巻胴部20の第1の巻胴領域21に配線された導入部16と、コイルワイヤ40が配線溝29の内部を通って第3の巻胴領域23に1周未満巻回された先端側導出部17と、第2の巻胴領域22に奇数層の巻き層をなすように巻回された巻き線構成部18と、巻き線構成部18に連続すると共に第2の鍔部25の第2の巻回用切り込み部37を通り、第1の鍔部24と第2の鍔部25との間隙に戻る導出部19を備えているので、コイルワイヤ40を巻胴部20の先端側から巻回し始め、基端側で巻回し終えることになり、巻き層が奇数層となるコイル41を簡単に形成することができる。さらに、先端側導出部17が配線溝29の内部を通ってコイルボビン15の先端側に導出されているので、巻き層の外周面を通ってコイルボビンの基端側に戻る従来技術のように、コイルの径が巻き層1層分大きくなることがない。さらに、第1方向に巻回された第1のコイル部44及び第3のコイル部46、並びに、第2方向に巻回された第2のコイル部45を備えているコイルアッシー11においても、巻き層の外周面を通ってコイルボビンの基端側に戻る従来技術のように、コイルの径が巻き層1層分大きくなることがない。
【0052】
また、コイルアッシー10は、コイルワイヤ40が配線溝29の内部に完全に収納されているので、配線溝29の内部を通っているコイルワイヤ40が配線溝29の上方に突出することがなく、巻き線構成部18を円筒状に精確に形成することができる。コイルアッシー11においても、コイルワイヤ43が配線溝62の内部に完全に収納されており、同様の効果が得られる。さらに、コイルアッシー10は、コイルワイヤ40が第1の巻胴領域21から配線溝29の底部に向かってやや上り勾配となるので、導入部16に続けてコイルワイヤ40を配線溝29の内部に配線するときに、コイルワイヤ40が配線溝29の底部に軽く押し付けられた状態となり、コイルワイヤ40の巻き乱れの原因となるたわみを防止できる。くわえて、コイルボビン70では、コイルワイヤ40を第2の鍔部75の第2の配線溝用切り込み部である第1の端部75aと第2の端部75bとの間隙を通したときに、緩やかな曲面になされた曲面形成部分78aと曲面形成部分78bとを形成しているので、コイルワイヤ40が第1の端部75aと第2の端部75bとの角部に押し当てられてストレスが加わり、変形することを防止できる。また、仕切り用鍔部をさらに備えていることによって、コイルアッシー11は、第1のコイル部44、第2のコイル部45及び第3のコイル部46の3つのコイルを備えたボイスコイルモータ用コイルアッシーを形成することが容易になる。
【0053】
本発明は、以上に説明した実施の形態の構成に限定されるものではなく、例えば、前述のように、ロータを、永久磁石からなり、中心軸に直交する方向の断面が扇形状である略柱状に形成された第1のロータ部材と第2のロータ部材とから構成されるものとし、第1のロータ部材と第2のロータ部材との扇形状の外周面を互いに背向するように配置してロータとするなど、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限りにおいて種々のコイルアッシーに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 コイルアッシー
11 コイルアッシー
14 ボイスコイルモータ用コイルボビン
15 コイルボビン
16 導入部
17 先端側導出部
18 巻き線構成部
19 導出部
20 巻胴部
21 第1の巻胴領域
22 第2の巻胴領域
23 第3の巻胴領域
24 第1の鍔部
25 第2の鍔部
25a 第1の端部
25b 第2の端部
26 第3の鍔部
26a 第1の端部
26b 第2の端部
27 第4の鍔部
28 補強部
29 配線溝
29a 基端側端部
29b 先端側端部
30a 第1のセレーション部
30b 第2のセレーション部
30c 第3のセレーション部
30d 第4のセレーション部
31 コイル形成領域
32 扇状切り欠き部
33 中空部
34 第1の配線溝用切り込み部
35 第2の配線溝用切り込み部
36 第1の巻回用切り込み部
37 第2の巻回用切り込み部
38a 曲面形成部分
38b 曲面形成部分
38c 曲面形成部分
38d 曲面形成部分
39a 曲面形成部分
39b 曲面形成部分
39c 曲面形成部分
39d 曲面形成部分
40b コイルワイヤ終端部
41 コイル
42 絶縁テープ
43 コイルワイヤ
43a コイルワイヤ始端部
43b コイルワイヤ終端部
43c 回り込み部
43d 第1の折り返し部
43e 第2の折り返し部
44 第1のコイル部
45 第2のコイル部
46 第3のコイル部
47 絶縁テープ
48 絶縁テープ
49 絶縁テープ
50 巻胴部
51 第1の巻胴領域
52 第2の巻胴領域
53 第3の巻胴領域
54 第4の巻胴領域
55 第5の巻胴領域
55a 平坦面
56 第1の鍔部
57 第2の鍔部
57a 第1の配線溝用切り込み部
58 第1の仕切り用鍔部
58a 第3の配線溝用切り込み部
58b 折り返し用切り込み部
59 第2の仕切り用鍔部
59a 第4の配線溝用切り込み部
59b 折り返し用切り込み部
60 第3の鍔部
60a 第2の配線溝用切り込み部
60b 回り込み用切り込み部
61 第4の鍔部
62 配線溝
62a 基端側端部
62b 先端側端部
63 中空部
64 シャフト
65 第1のコイル形成領域
66 第2のコイル形成領域
67 第3のコイル形成領域
70 コイルボビン
71 第1の巻胴領域
72 第2の巻胴領域
73 第3の巻胴領域
74 第1の鍔部
75 第2の鍔部
75a 第1の端部
75b 第2の端部
76 第3の鍔部
77 第4の鍔部
78a 曲面形成部分
78b 曲面形成部分
80 ボイスコイルモータ用コイルボビン
83 第3の巻胴領域
85a 平坦面
88 第3の鍔部
88a 配線溝用切り込み部
88b 折り返し用切り込み部
89a 曲面形成部分
89b 曲面形成部分
93 中空部
94 シャフト
95 間隙
100 コイルアッシー
101 コイルボビン
102 巻胴部
103 第1の鍔部
104 第2の鍔部
105 第1の仕切り部
106 第2の仕切り部
107 第3の仕切り部
108 第3の鍔部
109 複合コイル
110 コイルワイヤ端部領域
111 第1のコイル部
112 第1の渡り線部
113 第2のコイル部
114 第2の渡り線部
115 第3のコイル部
116 第3の渡り線部
117 第4のコイル部
118 戻り線部
119 巻き層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14