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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132830
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】車両のフレームアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20240920BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240920BHJP
【FI】
B62D25/20 Z
B62D25/20 F
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184170
(22)【出願日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】10-2023-0035189
(32)【優先日】2023-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ソンミン
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA01
3D203AA31
3D203BA06
3D203BA07
3D203BA16
3D203BB12
3D203BB20
3D203BB22
3D203CA25
3D203CA54
3D203CB09
3D203CB19
3D203DA35
3D203DB05
3D235AA01
3D235BB07
3D235CC15
3D235DD35
3D235EE64
3D235FF06
3D235FF07
3D235FF09
3D235FF12
3D235HH26
(57)【要約】
【課題】車両のフレームアセンブリを提供する。
【解決手段】本発明は、車両の車体フロアに設けられ、車両の幅方向に延びたフロアクロスメンバーと、フロアクロスメンバーの車両外側方向に設けられ、フロアクロスメンバーと連結されて内部空間が形成され、内部空間に補強材が固定された車体サイドシルと、車体の下部に設けられ、車体サイドシルよりも車両内側方向に配置され、バッテリーパックが搭載され、側方に車体サイドシルと連結されたシャーシフレームと、を含み、フロアクロスメンバー、車体サイドシル及びシャーシフレームは、互いに連結されて車両の側面衝突に対するロードパスを形成することを特徴とする、車両のフレームアセンブリを提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体フロアに設けられ、車両の幅方向に延びたフロアクロスメンバーと、
フロアクロスメンバーの車両外側方向に設けられ、フロアクロスメンバーと連結されて内部空間が形成され、内部空間に補強材が固定された車体サイドシルと、
車体の下部に設けられ、車体サイドシルよりも車両内側方向に配置され、バッテリーパックが搭載され、側方に車体サイドシルと連結されたシャーシフレームと、を含み、
フロアクロスメンバー、車体サイドシル及びシャーシフレームは、互いに連結されて車両の側面衝突に対するロードパスを形成することを特徴とする、車両のフレームアセンブリ。
【請求項2】
フロアクロスメンバーと車体サイドシルとが互いに連結されるようにする連結ブラケットをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項3】
連結ブラケットは、
一面が補強材の上面を支持する上部ブラケットと、
一面がフロアクロスメンバーの下面を支持し、他面が上部ブラケットと車体サイドシルの内面を挟んで連結される補強ブラケットと、から構成されることを特徴とする、請求項2に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項4】
上部ブラケット及び補強ブラケットは、ガセット構造で形成されることで、補強材とフロアクロスメンバーとを互いに連結することを特徴とする、請求項3に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項5】
補強材は、車体サイドシルの内部空間で車両の長さ方向に延びたことを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項6】
シャーシフレームは、車両の長さ方向に延びた左右のシャーシフレームサイドメンバーと、バッテリーパックの後方に設けられ、左右のシャーシフレームサイドメンバーを連結するシャーシフレームクロスメンバーと、から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項7】
シャーシフレームサイドメンバーには、外側面または下面から延びたシャーシステーが形成されることを特徴とする、請求項6に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項8】
車体サイドシルとシャーシフレームサイドメンバーとが互いに連結されるようにする車体取付ブラケットをさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項9】
車体取付ブラケットは、一面がシャーシステーの上面を支持し、他面は車体サイドシルの一面を支持することを特徴とする、請求項8に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項10】
フロアクロスメンバーと車体サイドシルとが互いに連結されるようにする連結ブラケット及び車体取付ブラケットは、フロアクロスメンバー、車体サイドシル及びシャーシフレームが互いに連結されて車両の側面衝突に対するロードパスを一緒に構成するようにすることを特徴とする、請求項9に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項11】
バッテリーサイドメンバーは、外側方に延び、外側方に延びた部分には結合部が設けられることで、シャーシフレームサイドメンバーと上下方向に結合されるようにすることを特徴とする、請求項6に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項12】
補強材の上部に設けられ、一面がフロアクロスメンバーの端部と対向するように形成された補強構造物をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項13】
補強材の下部は、車体サイドシルを貫通するボルト締め締結構造によってシャーシステーと締結されることを特徴とする、請求項12に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項14】
フロアクロスメンバーは、複数個が車両の長さ方向に離隔して車両の車体フロアに設けられ、
複数のフロアクロスメンバーのうちの少なくとも一つは、シャーシフレームクロスメンバーの上部に設けられ、シャーシフレームサイドメンバーと締結されて車体とシャーシフレームとが結合されるようにすることを特徴とする、請求項6に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項15】
フロアクロスメンバーの端部は、車体サイドシルの内側面と面接触して連結されることを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項16】
車両スライドドアの開閉を調節するドアアームをさらに含み、
ドアアームは車体サイドシルの上部に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項17】
ドアアームは、車体サイドシルの外側上部方向に折り曲げられて延びた形状を有することを特徴とする、請求項16に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項18】
シャーシフレームは、車体のフロアクロスメンバー及び車体サイドシルから分離可能に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフレームアセンブリに係り、より詳細には、車両にスライドドアを適用した構造におけるバッテリークロスメンバー、シャーシフレームサイドメンバー、車体サイドシル及びフロアクロスメンバー間の効率的な連結構造によって車両の側面衝突に対するロードパスを構成することにより、車両のねじり剛性及び連結性を最大化するための車両のフレームアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顧客所望の時点に多様な要求事項を反映して設計することができる単純な構造のモジュール化されたデバイスとして、PBV(Purpose Built Vehicle)が導入されている。PBVは、顧客のビジネス目的とニーズに合わせて低コストで提供可能な環境調和型多目的モビリティ車両であって、市場のニーズが高まるにつれて、多品種少量生産の必要性が増加している。
【0003】
したがって、PBV車両は、乗客の搭乗性及び荷物の積載の利便性を確保するために、ヘイリング/デリバリー特性に基づく様々な目的の車体がシャーシフレームの上部に結合された構造を採用することになった。一方、前述した構造が採用されることにより、PBV車両には、乗客の搭乗性及び荷物の積載の利便性をさらに増大させるためにスライドドアが適用され、これにより車体サイドシルがフロアクロスメンバーに比べて低い位置に配置される。
【0004】
一方、車体サイドシルがフロアクロスメンバーに比べて低い位置に配置されるので、フロアクロスメンバーと車体サイドシル補強構造間の上下段差が大きくなることにより、車両の側面衝突構造が脆弱になるという問題が発生するおそれがある。
【0005】
したがって、車両の側方衝突の際に、フロアクロスメンバーと車体サイドシル補強構造との上下段差を補完することにより、車両の側面衝突に対するロードパスを実現するための方案を必要とする。
【0006】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進させるためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許第10-1947480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、車両にスライドドアを適用した構造におけるバッテリークロスメンバー、シャーシフレームサイドメンバー、車体サイドシル及びフロアクロスメンバー間の効率的な連結構造によって車両の側面衝突に対するロードパスを構成することにより、車両のねじり剛性及び連結性を最大化することができ、車両の下部に搭載される大容量のバッテリーにより加わる過剰な荷重を各メンバーに分散させることができるため、車両の側面衝突に対する安全性を改善することができる車両のフレームアセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリは、車両の車体フロアに設けられ、車両の幅方向に延びたフロアクロスメンバーと、フロアクロスメンバーの車両外側方向に設けられ、フロアクロスメンバーと連結されて内部空間が形成され、内部空間に補強材が固定された車体サイドシルと、車体の下部に設けられ、車体サイドシルよりも車両内側方向に配置され、バッテリーパックが搭載され、側方に車体サイドシルと連結されたシャーシフレームと、を含み、フロアクロスメンバー、車体サイドシル及びシャーシフレームは、互いに連結されて車両の側面衝突に対するロードパスを形成することを特徴とする、車両のフレームアセンブリを提供する。
【0010】
例えば、フロアクロスメンバーと車体サイドシルとが互いに連結されるようにする連結ブラケットをさらに含むことができる。
【0011】
例えば、連結ブラケットは、一面が補強材の上面を支持する上部ブラケットと、一面がフロアクロスメンバーの下面を支持し、他面は上部ブラケットと車体サイドシルの内面を挟んで連結される補強ブラケットと、から構成されることができる。
【0012】
例えば、上部ブラケット及び補強ブラケットは、ガセット構造で形成されることで、補強材とフロアクロスメンバーとを互いに連結することができる。
【0013】
例えば、補強材は、車体サイドシルの内部空間で車両の長さ方向に延びることができる。
【0014】
例えば、シャーシフレームは、車両の長さ方向に延びた左右のシャーシフレームサイドメンバーと、バッテリーパックの後方に設けられ、左右のシャーシフレームサイドメンバーを連結するシャーシフレームクロスメンバーと、から構成されることができる。
【0015】
例えば、シャーシフレームサイドメンバーには、外側面または下面から延びたシャーシステーが形成されることができる。
【0016】
例えば、車体サイドシルとシャーシフレームサイドメンバーとが互いに連結されるようにする車体取付ブラケットをさらに含むことができる。
【0017】
例えば、車体取付ブラケットは、一面がシャーシステーの上面を支持し、他面は車体サイドシルの一面を支持することができる。
【0018】
例えば、フロアクロスメンバーと車体サイドシルとが互いに連結されるようにする連結ブラケット及び車体取付ブラケットは、フロアクロスメンバー、車体サイドシル及びシャーシフレームが互いに連結されて車両の側面衝突に対するロードパスを一緒に構成するようにすることができる。
【0019】
例えば、バッテリーサイドメンバーは、外側方に延び、外側方に延びた部分には結合部が設けられることで、シャーシフレームサイドメンバーと上下方向に結合されるようにすることができる。
【0020】
例えば、補強材の上部に設けられ、一面がフロアクロスメンバーの端部と対向するように形成された補強構造物をさらに含むことができる。
【0021】
例えば、補強材の下部は、車体サイドシルを貫通するボルト締め締結構造によってシャーシステーと締結されることができる。
【0022】
例えば、フロアクロスメンバーは、複数個が車両の長さ方向に離隔して車両の車体フロアに設けられ、複数のフロアクロスメンバーのうちの少なくとも一つは、シャーシフレームクロスメンバーの上部に設けられ、シャーシフレームサイドメンバーと締結されて車体とシャーシフレームとが結合されるようにすることができる。
【0023】
例えば、フロアクロスメンバーの端部は、車体サイドシルの内側面と面接触して連結されることができる。
【0024】
例えば、車両スライドドアの開閉を調節するドアアームをさらに含み、ドアアームは車体サイドシルの上部に設けられることができる。
【0025】
例えば、ドアアームは、車体サイドシルの外側上部方向に折り曲げられて延びた形状を有することができる。
【0026】
例えば、シャーシフレームは、車体のフロアクロスメンバー及び車体サイドシルから分離可能に形成できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の車両のフレームアセンブリによれば、車両にスライドドアを適用した構造におけるバッテリークロスメンバー、シャーシフレームサイドメンバー、車体サイドシル及びフロアクロスメンバー間の効率的な連結構造によって車両の側面衝突に対するロードパスを構成することにより、車両のねじり剛性及び連結性を最大化することができ、車両の下部に搭載される大容量のバッテリーにより加わる過剰な荷重を各メンバーに分散させることができるため、車両の側面衝突に対する安全性を改善することができる。
【0028】
本発明で得られる効果は、上述した効果に限定されず、上述していない別の効果は、以降の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリを上方から見た図である。
図2図1のA-A断面を示す図である。
図3図2のB部分を斜め方向から見た図である。
図4】車両のスライドドアの開閉を調節するドアアームを示す図である。
図5】本発明の一実施形態による補強材の上部に設けられた補強構造物を示す図である。
図6】補強材の下部がシャーシステーと締結された構造を示す図である。
図7】C断面における、補強材の下部がシャーシステーと締結された構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書または出願に開示されている本発明の実施形態に対して、特定の構造的または機能的説明は単に本発明による実施形態を説明するために例示されたものに過ぎず、本発明による実施形態は、様々な形態で実施でき、本明細書または出願に説明された実施形態に限定されるものではない。
【0031】
本発明による実施形態は、多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に例示して本明細書又は出願に詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むと理解されるべきである。
【0032】
別に定義されない限り、技術的或いは科学的用語を含んで、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。 一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上において有する意味と一致する意味であると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限りは、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0033】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、車体サイドシル、バッテリークロスメンバー、シャーシフレーム、及びフロアクロスメンバーが車両の側面衝突に対するロードパスを一緒に構成するようにするものを提案する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリを上方から見た図である。図1は、本実施形態に関連する構成要素を中心に示したものであって、実際の車両の実現においては、これよりも少ないか多い構成要素を含むことができるのは言うまでもない。
【0036】
図1を参照すると、本発明の車両のフレームアセンブリは、バッテリークロスメンバー200、シャーシフレーム600、700、フロアクロスメンバー100、車体サイドシル400、及び連結ブラケット1000、1100を含むことができる。
【0037】
バッテリークロスメンバー200は、バッテリーパック210の構成品であり、バッテリーパック210から車両の幅方向に延びる。バッテリーパック210の重心を最適化するために、バッテリークロスメンバー200は、車両の下部に設けられることが最も好ましい。また、バッテリークロスメンバー200は、バッテリーパック210がシャーシフレーム600、700に搭載された状態でシャーシフレーム600、700に搭載できる。
【0038】
ここで、シャーシフレーム600、700は、左右のシャーシフレームサイドメンバー600とシャーシフレームクロスメンバー700とから構成できる。シャーシフレームサイドメンバー600は、車両の長さ方向に延び、側方でバッテリーパック210が支持されるようにすることができる。シャーシフレームクロスメンバー700は、バッテリーパック210の後方で左右のシャーシフレームサイドメンバー600を互いに連結することができる。
【0039】
また、シャーシフレームサイドメンバー600は、車両の長さ方向に延び、バッテリークロスメンバー200の側部と連結されることができる。ここで、シャーシフレームサイドメンバー600は、バッテリークロスメンバー200と連結されて車体フレームに配置されるが、より具体的には、車体サイドシル400の内側とバッテリークロスメンバー200の外側方との間に配置されることができる。また、バッテリーサイドメンバー550は、バッテリーパック210の両側面にそれぞれ設けられ、結合部250を介してシャーシフレームサイドメンバー600と上下方向に締結されることができる。
【0040】
また、フロアクロスメンバー100は、車両の上下方向または水平方向に加わる荷重の分散のために、互いに一定間隔を保って離隔することができる。フロアクロスメンバー100は、車体サイドシル400と連結されることにより、フレームアセンブリの剛性を全体的に増大させることができる。このとき、車両の車体フロアは、乗客の搭乗可能な空間及び荷物の積載空間として用いられる。ここで、フロアクロスメンバー100は、車両の長さ方向に複数が備えられ、車両の車体フロアに設けられてもよい。複数のフロアクロスメンバー100のうちの少なくとも一つは、シャーシフレームクロスメンバー700の上部に設けられてもよい。フロアクロスメンバー100は、シャーシフレームサイドメンバー600と締結されて車体とシャーシフレーム600、700とが互いに結合されるようにすることにより、車両のねじり剛性及び連結性を最大化することができる。
【0041】
このとき、複数のフロアクロスメンバー100の各端部は、車両の長さ方向に延びる車体サイドシル400の内側面と面接触して連結されてもよい。車体サイドシル400は、シャーシフレーム600、700及びフロアクロスメンバー100の外側方で車両の長さ方向に車体フレームの縁にそれぞれ2つが位置することができる。また、フロアクロスメンバー100は、車両の幅方向に延び、一定間隔で離隔して設けられてもよい。後述する補強ブラケット1100及び補強構造物150を介した車両の側面衝突に対するロードパスを構成するのと同様に、フロアクロスメンバー100は、車体サイドシル400の内側面と面接触して車両の側面衝突に対するロードパスを構成することができる。
【0042】
また、車体サイドシル400は、車両の長さ方向に延び、シャーシフレーム600、700及びフロアクロスメンバー100の外側方に配置されることができる。車体サイドシル400は、内部空間が形成され、内部空間の下部には、安定性が増大するように補強材1050が固定配置されることで重心を低くすることができる。ここで、補強材1050は、車体サイドシル400の内部空間から車両の長さ方向に延び、車両の側面衝突に対する剛性が増大するようにすることができる。
【0043】
フロアクロスメンバー100及び車体サイドシル400は、アッパーボディ車体の構成要素である。このとき、シャーシフレーム600、700は、アッパーボディ車体と互いに結合されることができ、シャーシフレーム600、700は、アッパーボディ車体のフロアクロスメンバー100及び車体サイドシル400と分離可能な構造で形成できる。
【0044】
次いで、連結ブラケット1000、1100は、一面が補強材1050と連結され、他面がフロアクロスメンバー100と連結されることにより、車体サイドシル400とフロアクロスメンバー100が車両の側面衝突に対するロードパスを構成することができる。車体サイドシル400の内部空間は、上部空間と下部空間に区分することができ、連結ブラケット1000、1100は、一面が車体サイドシル400の内部空間に固定された補強材1050の上部に固定できる。
【0045】
一方、連結ブラケット1000、1100は、上部ブラケット1000と補強ブラケット1100と、から構成できる。以下、連結ブラケット1000、1100について説明する。
【0046】
図2は、図1のA-A断面を示す図である。
【0047】
図2を参照すると、まず、連結ブラケット1000、1100は、上部ブラケット1000と補強ブラケット1100と、から構成できる。より具体的には、上部ブラケット1000は、下面が補強材1050の上面に固定され、車体サイドシル400の内面を挟んで補強ブラケット1100と連結されることができる。また、補強ブラケット1100は、一面がフロアクロスメンバー100の下面を支持し、他面は車体サイドシル400の内面を支持することができる。
【0048】
具体的には、補強ブラケット1100は、車体サイドシル400の外側で連結ブラケット1000、1100をフロアクロスメンバー100と連結することができる。補強ブラケット1100は、車体サイドシル400の外側であるバッテリーパック210方向から連結ブラケット1000、1100をフロアクロスメンバー100と連結し、補強ブラケット1100の一面はフロアクロスメンバー100の下面を支持することができる。
【0049】
図2に示すように、上部ブラケット1000は下面と側面がそれぞれ支持され、補強ブラケット1100は上面と側面がそれぞれ支持されることにより、連結ブラケット1000、1100が車体サイドシル400とフロアクロスメンバー100がロードパスを一緒に構成するようにして、車両のねじり剛性及び連結性が最大化できる。
【0050】
このとき、上部ブラケット1000及び補強ブラケット1100の形状は、車両のねじり剛性及び連結性を最大化するために非常に重要な要素である。車両のフロア高さは低くなり、スライドドア構造が適用されることにより、車体サイドシル400は、下端に下がると同時に補強材1050とフロアクロスメンバー100の上下段差が大きくなるので、上下段差を補完するとともに車両の側面衝突に対する剛性及び連結性を増大させるために、補強材1050とフロアクロスメンバー100とを傾斜するように連結することが好ましい。このために、上部ブラケット1000及び補強ブラケット1100は、ガセット構造で形成されることで、補強材1050とフロアクロスメンバー100とを互いに連結することができる。ガセット構造は、補強材1050とフロアクロスメンバー100との上下段差を補完するとともに、補強材1050が受ける車両の側面衝突に対する荷重を、補強材1050を経てフロアクロスメンバー100へ伝達することができる構造である。一方、上部ブラケット1000と補強ブラケット1100の傾斜方向が互いに平行をなすことができるなど、様々に変形することができるのは、当業者には自明である。
【0051】
一方、図3図2のB部分を斜め方向から見た図である。
【0052】
図3を参照すると、車体取付ブラケット1200は、シャーシステー300との結合によって車体サイドシル400と車体サイドメンバー600とが連結されるようにすることにより、車両の側面衝突時に荷重が伝達できる。これにより、車体サイドシル400は、フロアクロスメンバー100、シャーシフレーム600、700、及びバッテリークロスメンバー200と車両の側面衝突に対するロードパスを一緒に構成することができる。
【0053】
より具体的には、車両の側面衝突時の荷重は、車体サイドシル400の内側上部からフロアクロスメンバー100へ伝達され、車体サイドシル400の内側下部からバッテリークロスメンバー200へ伝達される。フロアの高さは低くなり、スライドドア構造が適用されることにより、車体サイドシル400は、下端に下がると同時に、車体サイドシル400とシャーシフレーム600、700との上下段差が大きくなるので、車体取付ブラケット1200は、車体サイドシル400とシャーシフレーム600、700とを連結することにより、上下段差を補完するとともに、車両の側面衝突に対する剛性及び連結性を増大させることができる。ここで、車体取付ブラケット1200は、傾斜した形状に形成されることが好ましい。
【0054】
したがって、車体取付ブラケット1200は、前述した上部ブラケット1000及び補強ブラケット1100と同様にガセット構造で形成されることにより、車体サイドシル400とシャーシフレーム600、700とを互いに連結することができる。ガセット構造は、車両の側面衝突に対する剛性及び連結性を最大化することができる。また、ガセット構造は、車体サイドシル400とシャーシフレーム600、700との上下段差を補完するとともに、車体サイドシル400が受ける車両の側面衝突に対する荷重をシャーシフレーム600、700へ伝達することができる構造である。一方、車体取付ブラケット1200の傾斜方向が互いに平行をなすことができるなど、様々な変形が可能であるのは、当業者には自明であろう。車体取付ブラケット1200は、一面が後述のシャーシステー300の上面を支持し、他面は車体サイドシル400の一面を支持するように配置されることにより、車体サイドシル400の下端方向にロードパスを一緒に構成するようにすることができる。
【0055】
また、前述した図1及び図2を再び参照すると、結合部250は、バッテリーサイドメンバー550から側方に延びた部分に設けられることができる。このとき、結合部250は、複数個設けられ、シャーシフレームサイドメンバー600及びバッテリーパック210を上下方向に結合させることができる。このような第1締結構造800を介してバッテリーパック210を保護する観点で有利であるだけでなく、車両の側面衝突時の衝突に対する車両安定性が増大することができる。
【0056】
また、シャーシステー300は、シャーシフレームサイドメンバー600の外側面または下面に延設されることができる。シャーシステー300は、後述する補強材1050の下部と締結されて連結されるか、或いは車体取付ブラケット1200と締結されることにより、車両のねじり剛性及び連結性をさらに最大化することができる。
【0057】
一方、図4は、車両スライドドアの開閉を調節するドアアーム900を示す図である。
【0058】
図4に示すように、ドアアーム900は、車両のスライドドアをスライドする方式で開閉を調節することができる。ドアアーム900は、車体サイドシル400の外側から上部方向に折り曲げられて延びた形状をしており、車両のスライドドアが車体サイドシル400と固定されるとともに車両の重力方向に固定されることができる。
【0059】
図5は、本発明の一実施形態による補強構造物150を示す図である。
【0060】
図5を参照すると、補強材1050の上部に連結ブラケット1000、1100の代わりに補強構造物150が配置されることができる。補強構造物150は、補強材1050の上部に固定されており、一面がフロアクロスメンバー100の端部と対向するように形成できる。補強構造物150は、車体サイドシル400とフロアクロスメンバー100が車両の側面衝突に対するロードパスを一緒に構成することができるため、本実施形態では、補強構造物150が上部ブラケット1000及び補強ブラケット1100の役割に代わることができる。
【0061】
また、図5に示されている第2締結構造810は、シャーシステー300がシャーシフレームサイドメンバー600と上下方向にボルト締め締結された構造であって、このような締結構造によって車体サイドシル400とシャーシフレーム600、700との結合剛性が増大することができる。
【0062】
これにより、連結ブラケット1000、1100及び車体取付ブラケット1200などの別個のガセット構造を配置することなく同様の効果を期待することができる。
【0063】
図6及び図7はC断面における、補強材1050の下部がシャーシステー300と締結された構造を示す図である。
【0064】
図6及び図7を参照すると、さらに、シャーシステー300は補強材1050の下部と連結されることができる。シャーシステー300が補強材1050の下部と直接連結されるとき、車体サイドシル400の下端方向にロードパスを一緒に構成するようにすることができるため、本実施形態では、車体取付ブラケット1200などの別個のガセット構造が配置されることなく同様の効果を期待することができる。また、本実施形態では、補強構造物150が連結ブラケット1000、1100の役割に代わることができ、別途の連結ブラケット1000、1100の構成が配置されなくなる。
【0065】
したがって、補強材1050の下部は、車体サイドシル400を貫通するボルト締め締結構造によってシャーシステー300と締結されることができる。具体的には、図5に示すように、内側にパイプ(図示せず)が先に挿入され、パイプ(図示せず)にボルトが挿入されて固定されるボルト締め締結構造によって締結されることができる。シャーシステー300と補強材1050の下部とが垂直方向に結合された構造によって、車両の側面衝突時の衝突に対する車両安定性が増大するようにすることができる。
【0066】
また、シャーシフレームクロスメンバー700は、フロアクロスメンバー100の下部から車両の幅方向に延び、フロアクロスメンバー100と上下方向に締結されて車両の側面衝突に対するロードパスを構成することができる。図7に示すように、シャーシフレームクロスメンバー700はフロアクロスメンバー100の下方に設けられ、フロアクロスメンバー100は貫通部2000を介してシャーシフレームクロスメンバー700に連結されたシャーシフレームサイドメンバー600と直結されることができる。
【0067】
ここで、貫通部2000は、第3締結構造820を形成することができる。第3締結構造820は、シャーシステー300がシャーシフレームサイドメンバー600と上下方向にボルト締め締結された構造であり、このような締結構造によって車体サイドシル400とシャーシフレーム600、700間の結合剛性が増大することができる。また、シャーシフレームクロスメンバー700とフロアクロスメンバー100とが上下に直結された構造によって整列され、車両の側面衝突に対する環状のロードパスを構成することができる。ここで、フロアクロスメンバー100とシャーシフレームクロスメンバー700との連結は、車両の重力方向である上下方向に締結されることが結合安定性の観点で好ましい。
【0068】
結局、本発明の車両のフレームアセンブリによれば、車両にスライドドアを適用した構造において、バッテリークロスメンバー、シャーシフレーム、車体サイドシル及びフロアクロスメンバー間の効率的な連結構造によって車両の側面衝突時に1つのロードパスを構成することにより、車両のねじり剛性及び連結性を最大化することができ、車両の下部に搭載される大容量のバッテリーにより加わる過剰な荷重を各メンバーに分散させることができるため、車両の側面衝突に対する安全性を改善することができる。
【0069】
本発明は特定の実施形態について図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術思想から逸脱することなく、本発明に様々な改良及び変化を加え得るのは、当該分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0070】
100 フロアクロスメンバー
150 補強構造物
200 バッテリークロスメンバー
210 バッテリーパック
250 結合部
300 シャーシステー
400 車体サイドシル
550 バッテリーサイドメンバー
600 シャーシフレームサイドメンバー
700 シャーシフレームクロスメンバー
800 第1締結構造
810 第2締結構造
820 第3締結構造
900 ドアアーム
1000 上部ブラケット
1050 補強材
1100 補強ブラケット
1200 車体取付ブラケット
2000 貫通部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7