(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132836
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】血圧測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/022 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61B5/022 500C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023193566
(22)【出願日】2023-11-14
(31)【優先権主張番号】10-2023-0033328
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523351829
【氏名又は名称】株式会社コロト
【氏名又は名称原語表記】KOROT Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】5F, 54 Nonhyeon-ro 2-gil, Gangnam-gu, Seoul 06313, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】チャ キチュル
(72)【発明者】
【氏名】シン ジョンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ サンジン
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AB01
4C017AC03
4C017AC32
4C017AD01
4C017BC16
4C017FF08
(57)【要約】
【課題】血圧測定装置及び方法が開示される。
【解決手段】本発明の血圧測定装置は、被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に、被検査者から検出される信号をディスプレイにリアルタイム表示し、信号のうち被検査者の血圧に対応する基準信号がディスプレイにリアルタイム表示されるとき、基準信号を視覚的に相違に表示したり、基準信号を指示する視覚的なマークを表示するプロセッサを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に、前記被検査者から検出される信号をディスプレイにリアルタイム表示し、前記信号のうち前記被検査者の血圧に対応する基準信号が前記ディスプレイにリアルタイム表示されるとき前記基準信号を視覚的に相違に表示したり、前記基準信号を指示する視覚的なマークを表示するプロセッサを含む、血圧測定装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記カフの内部圧力が可変する間に、マイクで収集されるサウンド信号に含まれているコロトコフ音に基づいて前記信号を前記ディスプレイに表示する、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記カフの内部圧力が可変する間に、前記被検査者から検出されていない信号が検出されれば、該当信号を候補基準信号として選定し、
前記候補基準信号以後に前記被検査者から新しい信号が検出されるか否かに基づいて前記候補基準信号を前記基準信号として決定するか否かを決定する、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記候補基準信号以後に前記被検査者からn個(ここで、nは自然数)の新しい信号が連続的に検出される場合に応答して、前記候補基準信号を前記基準信号として決定する、請求項3に記載の血圧測定装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記被検査者から検出されたオシロメトリック信号のピークを基準にする区間内で検出されるコロトコフ音に基づいて前記信号を前記ディスプレイに表示する、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記被検査者から収集されるサウンド信号の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれる周波数成分の比率に基づいて、前記サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、
前記コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて前記信号を前記ディスプレイに表示する、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記比率が予め決定された閾値比率以上であるサウンド信号を前記コロトコフ音として決定する、請求項6に記載の血圧測定装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記被検査者から収集されるサウンド信号の振幅に応じて前記サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、
前記コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて前記信号を前記ディスプレイに表示する、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記被検査者から前記信号を検出する過程が完了した後、前記オシロメトリックのピークを基準にする区間で、前記基準信号に連続的に検出された周辺信号の振幅が予め決定された閾値振幅よりも小さくても、前記周辺信号の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれた周波数成分の比率が予め決定された閾値比率以上であれば、前記基準信号を前記周辺信号に変更する、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項10】
前記基準信号が前記被検査者の拡張期の血圧に該当する場合、前記周辺信号は、前記基準信号よりも低いカフの内部圧力で検出される信号であり、
前記基準信号が前記被検査者の収縮期の血圧に該当する場合、前記周辺信号は、前記基準信号よりも高いカフの内部圧力で検出される信号である、請求項9に記載の血圧測定装置。
【請求項11】
被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に、前記被検査者から検出されるオシロメトリック信号に基づいて前記被検査者から収集されるサウンド信号に含まれたコロトコフ音を検出してディスプレイにリアルタイム表示し、前記コロトコフ音のうち前記被検査者の血圧に対応する基準コロトコフ音が前記ディスプレイにリアルタイム表示されるとき、前記基準コロトコフ音を視覚的に相違に表示したり、前記基準コロトコフ音を指示する視覚的なマークを表示するプロセッサを含む、血圧測定装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記サウンド信号内の前記オシロメトリック信号のピークを基準にする区間で予め決定された振幅以上の候補基準コロトコフ音が検出されるかを判断し、
前記候補基準コロトコフ音が検出されれば、前記候補基準コロトコフ音の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれる周波数成分の比率に基づいて、前記候補基準コロトコフ音が基準コロトコフ音であるか否かを決定する、請求項11に記載の血圧測定装置。
【請求項13】
被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に、前記被検査者から信号を検出する動作と、
前記信号をディスプレイにリアルタイム表示する動作と、
を含み、
前記表示する動作は、前記被検査者から検出された信号のうち前記被検査者の血圧に対応する基準信号が前記ディスプレイにリアルタイム表示されるとき、前記基準信号を視覚的に相違に表示したり、前記基準信号を指示する視覚的なマークを表示する、血圧測定方法。
【請求項14】
前記表示する動作は、前記カフの内部圧力が可変する間に、マイクで収集されるサウンド信号に含まれたコロトコフ音に基づいて前記信号を前記ディスプレイに表示する、請求項13に記載の血圧測定方法。
【請求項15】
前記検出する動作は、
前記カフの内部圧力が可変する間に、前記被検査者から検出されていない信号が検出されれば、該当信号を候補基準信号として選定し、
前記候補基準信号以後に前記被検査者から新しい信号が検出されるか否かに基づいて、前記候補基準信号を前記基準信号として決定するか否かを決定する、請求項13に記載の血圧測定方法。
【請求項16】
前記検出する動作は、前記候補基準信号以後に前記被検査者からn個(ここで、nは自然数)の新しい信号が連続的に検出される場合に応答して、前記候補基準信号を前記基準信号として決定する、請求項15に記載の血圧測定方法。
【請求項17】
前記検出する動作は、前記被検査者から検出されたオシロメトリック信号のピークを基準にする区間内で検出されるコロトコフ音に基づいて前記信号を検出する、請求項13に記載の血圧測定方法。
【請求項18】
前記検出する動作は、
前記被検査者から収集されるサウンド信号の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれる周波数成分の比率に基づいて、前記サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、
前記コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて前記信号を検出する、請求項13に記載の血圧測定方法。
【請求項19】
前記検出する動作は、前記比率が予め決定された閾値比率以上であるサウンド信号を前記コロトコフ音として決定する、請求項18に記載の血圧測定方法。
【請求項20】
前記検出する動作は、
前記被検査者から収集されるサウンド信号の振幅に応じて前記サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、
前記コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて前記信号を検出する、請求項13に記載の血圧測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血圧測定方法として浸湿的方法と非浸湿的方法がある。浸湿的方法が最も正確な方法であるものの、痛みや感染などの理由により非浸湿的方法が主に行われ、非浸湿的方法は、コロトコフ法及びオシロメトリック法に区分されるが、2つの方法の全てはカフを使用する方式である。コロトコフ法は、血管の開閉による血流の運動中に発生する乱流(turbulence)によって音エネルギーが発生することを聴診器を介して聞き取る方式である。オシロメトリック法は、主に血圧計に使用される方式として、コロトコフ法よりも低い正確度を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、コロトコフ音及びオシロメトリック信号の特性(例えば、コロトコフ音及びオシロメトリック信号の関連性など)を用いてコロトコフ法及びオシロメトリック法の長所が結合された血圧測定装置及び方法を提供することにある。
【0004】
但し、技術的な課題は、上述した技術的な課題に限定されず、更なる技術的な課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る血圧測定装置は、被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に、前記被検査者から検出される信号をディスプレイにリアルタイム表示し、前記信号のうち前記被検査者の血圧に対応する基準信号が前記ディスプレイにリアルタイム表示されるとき前記基準信号を視覚的に相違に表示したり、前記基準信号を指示する視覚的なマークを表示するプロセッサを含む。
【0006】
前記プロセッサは、前記カフの内部圧力が可変する間に、マイクで収集されるサウンド信号に含まれているコロトコフ音に基づいて前記信号を前記ディスプレイに表示することができる。
【0007】
前記プロセッサは、前記カフの内部圧力が可変する間に、前記被検査者から検出されていない信号が検出されれば、該当信号を候補基準信号として選定し、前記候補基準信号以後に前記被検査者から新しい信号が検出されるか否かに基づいて前記候補基準信号を前記基準信号として決定するか否かを決定することができる。
【0008】
前記プロセッサは、前記候補基準信号以後に前記被検査者からn個(ここで、nは自然数)の新しい信号が連続的に検出される場合に応答して、前記候補基準信号を前記基準信号として決定することができる。
【0009】
前記プロセッサは、前記被検査者から検出されたオシロメトリック信号のピークを基準にする区間内で検出されるコロトコフ音に基づいて前記信号を前記ディスプレイに表示することができる。
【0010】
前記プロセッサは、前記被検査者から収集されるサウンド信号の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれる周波数成分の比率に基づいて、前記サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、前記コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて前記信号を前記ディスプレイに表示することができる。
【0011】
前記プロセッサは、前記比率が予め決定された閾値比率以上であるサウンド信号を前記コロトコフ音として決定することができる。
【0012】
前記プロセッサは、前記被検査者から収集されるサウンド信号の振幅に応じて前記サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、前記コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて前記信号を前記ディスプレイに表示することができる。
【0013】
前記プロセッサは、前記被検査者から前記信号を検出する過程が完了した後、前記オシロメトリックのピークを基準にする区間で、前記基準信号に連続的に検出された周辺信号の振幅が予め決定された閾値振幅よりも小さくても、前記周辺信号の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれた周波数成分の比率が予め決定された閾値比率以上であれば、前記基準信号を前記周辺信号に変更することができる。
【0014】
前記基準信号が前記被検査者の拡張期の血圧に該当する場合、前記周辺信号は、前記基準信号よりも低いカフの内部圧力で検出される信号であり、前記基準信号が前記被検査者の収縮期の血圧に該当する場合、前記周辺信号は、前記基準信号よりも高いカフの内部圧力で検出される信号であり得る。
【0015】
一実施形態に係る血圧測定装置は、被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に、前記被検査者から検出されるオシロメトリック信号に基づいて前記被検査者から収集されるサウンド信号に含まれたコロトコフ音を検出してディスプレイにリアルタイム表示し、前記コロトコフ音のうち前記被検査者の血圧に対応する基準コロトコフ音が前記ディスプレイにリアルタイム表示されるとき、前記基準コロトコフ音を視覚的に相違に表示したり、前記基準コロトコフ音を指示する視覚的なマークを表示するプロセッサを含む。
【0016】
前記プロセッサは、前記サウンド信号内の前記オシロメトリック信号のピークを基準にする区間で予め決定された振幅以上の候補基準コロトコフ音が検出されるかを判断し、前記候補基準コロトコフ音が検出されれば、前記候補基準コロトコフ音の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれる周波数成分の比率に基づいて、前記候補基準コロトコフ音が基準コロトコフ音であるか否かを決定することができる。
【0017】
一実施形態に係る血圧測定方法は、被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に、前記被検査者から信号を検出する動作と、前記信号をディスプレイにリアルタイム表示する動作とを含み、前記表示する動作は、前記被検査者から検出された信号のうち前記被検査者の血圧に対応する基準信号が前記ディスプレイにリアルタイム表示されるとき、前記基準信号を視覚的に相違に表示したり、前記基準信号を指示する視覚的なマークを表示する。
【0018】
前記表示する動作は、前記カフの内部圧力が可変する間に、マイクで収集されるサウンド信号に含まれたコロトコフ音に基づいて前記信号を前記ディスプレイに表示することができる。
【0019】
前記検出する動作は、前記カフの内部圧力が可変する間に、前記被検査者から検出されていない信号が検出されれば、該当信号を候補基準信号として選定し、前記候補基準信号以後に前記被検査者から新しい信号が検出されるか否かに基づいて、前記候補基準信号を前記基準信号として決定するか否かを決定することができる。
【0020】
前記検出する動作は、前記候補基準信号以後に前記被検査者からn個(ここで、nは自然数)の新しい信号が連続的に検出される場合に応答して、前記候補基準信号を前記基準信号として決定することができる。
【0021】
前記検出する動作は、前記被検査者から検出されたオシロメトリック信号のピークを基準にする区間内で検出されるコロトコフ音に基づいて前記信号を検出することができる。
【0022】
前記検出する動作は、前記被検査者から収集されるサウンド信号の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれる周波数成分の比率に基づいて、前記サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、前記コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて前記信号を検出することができる。
【0023】
前記検出する動作は、前記比率が予め決定された閾値比率以上であるサウンド信号を前記コロトコフ音として決定することができる。
【0024】
前記検出する動作は、前記被検査者から収集されるサウンド信号の振幅に応じて前記サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、前記コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて前記信号を検出することができる。
【0025】
【発明の効果】
【0026】
一実施形態によれば、オシロメトリック信号を活用してコロトコフ音基盤の血圧測定の正確度を向上し、ノイズや検査者の熟練度に強靭な血圧測定装置及び方法を提供することができる。
【0027】
一実施形態によれば、コロトコフ音に基づいたコロトコフ法とオシロメトリック信号に基づいたオシロメトリック法との長所が結合された血圧測定装置及び方法が提供されることができる。
【0028】
一実施形態によれば、カフが減圧される間に検出されるコロトコフ音がディスプレイにリアルタイム表示されるとき、収縮期の血圧及び拡張期の血圧に関する情報もディスプレイにリアルタイム表示されることで、測定される血圧に対する被検査者150の信頼度を効率よく向上させることができる。被検査者がリアルタイムに検出されるコロトコフ音を視覚的に確認し、コロトコフ音の開始時点に該当する収縮期の血圧とコロトコフ音の終了時点に該当する拡張期の血圧も視覚的に確認することによって、血圧測定装置の測定結果に対する被検査者の信頼が向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施形態に係る血圧測定装置を説明するための図である。
【
図2】一実施形態によりオシロメトリック信号のピーク周辺にコロトコフ音を検出する動作を説明するための図である。
【
図3】一実施形態によりサウンド信号に対する周波数分析を介してコロトコフ音を検出する動作を説明するための図である。
【
図4】一実施形態によりn個のコロトコフ音を用いて被検査者の血圧情報を決定する動作を説明するための図である。
【
図5】一実施形態によりn個のコロトコフ音を用いて被検査者の血圧情報を決定する動作を説明するための図である。
【
図6】一実施形態によりn個のコロトコフ音を用いて被検査者の血圧情報を決定する動作を説明するための図である。
【
図7】一実施形態によりn個のコロトコフ音を用いて被検査者の血圧情報を決定する動作を説明するための図である。
【
図8】一実施形態により血圧測定が完了した後、被検査者の血圧情報を補正する動作を説明するための図である。
【
図9】一実施形態により血圧測定方法を示す図である。
【
図10】一実施形態に係る血圧測定装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
実施形態に対する特定な構造的又は機能的な説明は単なる例示のための目的として開示されたものであって、様々な形態に変更されることができる。したがって、実施形態は特定な開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は技術的な思想に含まれる変更、均等物ないし代替物を含む。
【0031】
第1又は第2などの用語を複数の構成要素を説明するために用いることがあるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に、第2構成要素は第1構成要素にも命名することができる。
【0032】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」されているか「接続」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在し得るものと理解されなければならない。
【0033】
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0034】
異なるように定義さがれない限り、技術的又は科学的な用語を含んで、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0035】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。図面を参照して説明する際に、図面符号に拘わらず同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0036】
図1は、一実施形態に係る血圧測定装置を説明するための図である。
【0037】
血圧を測定する方法は、直接測定方式と間接測定方式とに分類される。直接測定方式は、動脈血観にカテーテルを挿入して血管内の圧力を直接測定することができる。しかし、被検査者の動脈に挿管を行わなければならないことから血管系に損傷を与える可能性があり、普遍的に使用し難い。
【0038】
間接測定方式に対する研究が実行されている。そのうちのコロトコフ法は、聴診器、圧力計、及びカフを用いて血圧を測定する方式であって、最も伝統的でありながらも標準として認められる方式である。コロトコフ法は、カフを加圧してから減圧時に発生するコロトコフ音に基づいて血圧を決定することができる。例えば、カフの減圧時にコロトコフ音が発生し始める地点は収縮期の血圧(SBP;systolic blood pressure)であり、コロトコフ音がこれ以上発生することなく消える地点は拡張期の血圧(DBP;diastolic blood pressure)として決定される。しかし、コロトコフ法は、カフを加圧した後減圧することによって生じるコロトコフ音を検査者(例えば、医師、看護師のような医療スタッフなど)が直接聞いて血圧値を判断しなければならないため、検査者の熟練度が測定の正確度に大きい影響を及ぼす。
【0039】
他の間接測定方式であるオシロメトリック法は相対的に測定が容易であり、ノイズに強靭で自動血圧計において主に活用されている。オシロメトリック法は、カフ内のエアバックに圧力を加えた後徐々に圧力を減少しながら、心臓からの収縮運動により発生する動脈圧が上腕に伝達され、上腕に巻かれているカフの空気ポケットに伝達される動脈圧の大きさをカフ内のエアバックの内部圧力に対応するように検出し、最も大きい動脈圧を基準に一定の大きさの動脈圧が位置している箇所のエアバッグの内部圧力値を最高血圧、最低血圧として算出する方式である。オシロメトリック法は、コロトコフ法に比べて熟練の技術が必要ではない便利性、外部のノイズや動きなどに脆弱でないという安定性のため、自動血圧計に多く用いられている。しかし、血圧測定に明確な基準がないことから血圧計ごとにそれぞれ異なる血圧測定アルゴリズムを使用し、これによって血圧計間に誤差が存在し、精密度が低下することがある。
【0040】
コロトコフ法の正確性及びオシロメトリック法に基づいて自動血圧計の便利さを結合するために、自動血圧計カフにマイクが装着され、マイクから検出されるコロトコフ音がカフ内の圧力変化を測定する圧力センサで検出されたオシロメトリック信号と共に収集され得る。オシロメトリック信号を活用して、血圧がカフの内部圧力よりも高くなる瞬間に発生するインパルス(impulse)形態の可聴信号であるコロトコフ音が検出される開始時点及び終了時点を識別し、該当開始時点と終了時点に基づいて被検査者の血圧情報を決定することができる。本開示は、オシロメトリック信号を活用してコロトコフ音基盤の血圧測定の正確度を向上させ、ノイズや検査者の熟練度に強靭な血圧測定装置及び方法に関する。
【0041】
図1を参照すると、血圧測定装置100は、プロセッサ(図示せず)、ディスプレイ110及び入力部120を含む。
【0042】
プロセッサは、血圧測定装置100の全般的な動作を制御し、血圧測定装置100に含まれている他の構成要素を制御する。
【0043】
ディスプレイ110は、血圧測定過程及び結果を表示してもよい。例えば、ディスプレイ110は、被検査者150の身体の一部を取り囲むカフ130の内部圧力が可変する間に、被検査者150から検出される信号をリアルタイムに表示し得る。ディスプレイ110は、血圧測定が完了すれば、被検査者150の血圧情報を表示する。その他に、ディスプレイ110は血圧測定に関する様々な情報が制限されることなく表示され得る。
【0044】
入力部120は、被検査者150及び/又は検査者から血圧測定に関する入力を受信する。例えば、入力部120は、血圧測定装置100の動作開始、緊急停止、測定された血圧情報、又は、予め格納された血圧情報出力及び入力を受信できるが、前述した例に限定されない。
図1では、説明の便宜のために入力部120が物理的なボタンとして図示されているが、前述した例に限定されず、様々な形態(例えば、タッチ、ジョグダイヤル、スイッチなど)に実現されてもよい。また、他の一実施形態によれば、入力部120は省略され、タッチスクリーンで具現されたディスプレイ110を介して被検査者150及び/又は検査者から入力が受信されてもよい。
【0045】
カフ130は、流体が注入されたり、注入した流体が排出されることにより内部圧力が調節されるエアバックを含み、血圧測定時にエアバックが被検査者150の身体の一部を取り囲むことができる。例えば、被検査者150の身体の一部は上腕であってもよいが、前述した例に限定されない。本明細書において、カフ130内のエアバックの内部圧力は、説明の便宜のためにカフ130の内部圧力に表現されてもよい。
【0046】
連結線140は、血圧測定装置100とカフ130を連結する電線と流体チューブを含む。電線は、カフ130内のセンサ(例えば、マイク、圧力センサなど)と血圧測定装置100を電気的に接続させることができる。流体チューブは、カフ130内のエアバックに注入される流体であるか、エアバックから排出される流体を伝達することができる。
【0047】
血圧測定装置100は、カフ130が被検査者150の上腕に巻回された状態で、一般的な収縮期の血圧以上にカフ130を加圧した後徐々に減圧するとき発生するサウンド信号をマイクで収集し、圧力センサでオシロメトリック信号を検出することができる。血圧測定装置100は、サウンド信号とオシロメトリック信号を分析してサウンド信号からコロトコフ音を検出し、検出されたコロトコフ音に基づいて被検査者150の収縮期の血圧と拡張期の血圧をリアルタイム決定することができる。また、血圧測定装置100は、検出されるコロトコフ音をリアルタイムにディスプレイ110に表示し、収縮期の血圧に該当する基準コロトコフ音と拡張期の血圧に該当する基準コロトコフ音がリアルタイムにディスプレイ110に表示されるとき、該当基準コロトコフ音を視覚的に相違に表示したり、該当基準コロトコフ音を指示する視覚的なマーク(例えば、矢印、三角形など)を表示してもよい。
【0048】
このように、カフ130が減圧される間に検出されるコロトコフ音がディスプレイ110にリアルタイム表示されるとき、収縮期の血圧と拡張期の血圧に関する情報もディスプレイ110にリアルタイムに表示されることで、測定される血圧に対する被検査者150の信頼度を効率よく向上させることができる。被検査者150は、リアルタイムに検出されるコロトコフ音を視覚的に確認でき、コロトコフ音の開始時点に該当する収縮期の血圧と、コロトコフ音の終了時点に該当する拡張期の血圧も視覚的に確認することで、血圧測定装置100の測定結果に対する被検査者150の信頼が向上される。
【0049】
一実施形態によれば、血圧測定装置100は、コロトコフ音及びオシロメトリック信号の特性(例えば、コロトコフ音とオシロメトリック信号の関連性など)を用いてコロトコフ法とオシロメトリック法の長所を結合し得る。血圧測定装置100は、オシロメトリック信号を検出してもよい。血圧測定装置100は、オシロメトリック信号のピークを基準にする区間でコロトコフ音が検出されるか否か、及びコロトコフ音の振幅が予め決定された閾値振幅以上であるか否かを判断する。オシロメトリック信号のピークを基準にする区間で、予め決定された閾値振幅以上のコロトコフ音が検出された場合、血圧測定装置100は、該当コロトコフ音の周波数分析を介してノイズであるか否かを判断する。ノイズではないと判断されれば、血圧測定装置100は、該当コロトコフ音をディスプレイ110にリアルタイム表示することができる。
【0050】
図2は、一実施形態によりオシロメトリック信号のピーク周辺にコロトコフ音を検出する動作を説明するための図である。
【0051】
図2を参照すると、コロトコフ音とオシロメトリック信号間の関連性を用いてサウンド信号からコロトコフ音を検出する動作を説明するための例示が示されている。
【0052】
心臓拍動による血圧変化をパルス形態に示し、このようなパルス形態がオシロメトリック信号にも反映され得る。また、血圧がカフの内部圧力よりも高くなる瞬間にコロトコフ音が発生するため、コロトコフ音は、オシロメトリック信号のピークに相応して示される。このような特性を利用すると、オシロメトリック信号のピーク近所でコロトコフ音が高い正確度で検出され得る。一般に、オシロメトリック信号のピークがコロトコフ音よりもノイズに強靭で検出し易いため、オシロメトリック信号のピークを先に検出した後、該当ピークの近所でコロトコフ音を検出することにより、コロトコフ音の検出正確度を向上させることができる。
【0053】
血圧測定装置は、被検査者から検出されたオシロメトリック信号のピークを基準にする区間内でコロトコフ音を検出することができる。
【0054】
血圧測定装置のディスプレイに表示される画面210には、マイクで収集されるサウンド信号と圧力センサで検出されるオシロメトリック信号(
図2において、OSCに表示されている)が含まれてもよい。
【0055】
第1ケース220は、カフの内部圧力が血圧よりも高くてコロトコフ音が発生していない例示を示す。血圧測定装置は、オシロメトリック信号のピークを基準にする区間221内でサウンド信号にコロトコフ音が含まれているかを確認することができる。区間221は、オシロメトリック信号のピークを基準にして予め決定された大きさを有するように設定されるが、前述した例に限定されず、例えば、ピークの大きさに応じて区間221が動的な大きさを有するよう設定されてもよい。該当区間221でサウンド信号が比較的一定に保持されるため、血圧測定装置は該当区間221にコロトコフ音がないものと判断する。
【0056】
第2ケース230は、血圧がカフの内部圧力よりも高いためコロトコフ音が発生する例示である。血圧測定装置は、オシロメトリック信号のピークを基準にする区間231内でサウンド信号にコロトコフ音が含まれているかを確認する。血圧測定装置は、該当区間221でサウンド信号に含まれているインパルス形態の波をコロトコフ音として検出し得る。
【0057】
血圧測定装置は、オシロメトリック信号のピークに基づいてサウンド信号全体ではない一部区間でコロトコフ音を検出することで、コロトコフ音の検出に必要なリソースを最小化し、コロトコフ音の検出正確度を向上させることができる。
【0058】
また、血圧測定装置は、被検査者から収集されるサウンド信号の振幅に応じて、サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定してもよい。サウンド信号で、実際に人の耳に聞こえる可聴信号がコロトコフ音であるため、コロトコフ音は一定の基準以上の振幅を有している。従って、血圧測定装置は、サウンド信号の振幅に応じてサウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定することができる。例えば、サウンド信号の振幅は、基底線(base line)と該当信号の最大差、又は、該当信号の最大と最小差などに決定されてもよい。血圧測定装置は、このように決定されたサウンド信号の振幅が予め決定された閾値振幅以上であるか否かに応じて、該当サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを判断できる。
【0059】
また、血圧測定装置は、サウンド信号の可聴の有無に応じてサウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定することができる。例えば、人が聞くことができる音はdbSPL値(又は、デシベル)に表現され、0デシベルからが人が聞くことができる音であるものの、一般人の場合は、20デシベル程度から聞くことができる。そして、人の場合、同じ大きさの音であっても低周波の音はよく聞くことができず、高周波であるほど円満に聞くことができる。このような人の周波数による聴力レベルの関係が可聴信号の有無を判断することにあたって活用され得る。
【0060】
図3は、一実施形態によりサウンド信号に対する周波数分析を介してコロトコフ音を検出する動作を説明するための図である。
【0061】
図3を参照すると、周波数分析を介してサウンド信号にコロトコフ音及びノイズが含まれているか否かを判断する動作を説明するための例示が示されている。
【0062】
コロトコフ音は可聴信号であるため、一般に特定の周波数帯域(例えば、50-200Hz)に存在する特性を有する。血圧測定装置は、コロトコフ音の周波数帯域特性を用いて、該当サウンド信号がコロトコフ音であるか、又は、ノイズが含まれているかを決定する。周波数分析は、コロトコフ音の発生可能区間内のサウンド信号に対して実行されることができる。例えば、周波数分析は、
図2に示す一次的にコロトコフ音から検出されたサウンド信号を対象に実行されてもよい。
【0063】
血圧測定装置は、被検査者から収集されるサウンド信号の周波数成分のうち、予め決定された周波数帯域(例えば、50-200Hz)に含まれる周波数成分の比率に基づいて、該当サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定することができる。
【0064】
例えば、予め決定された周波数帯域に含まれている周波数成分と残りの周波数帯域に含まれている周波数成分との間の比率が、予め決定された第1閾値比率以上である第1ケース310において、血圧測定装置は該当サウンド信号をコロトコフ音として決定してもよい。
【0065】
又は、予め決定された周波数帯域に含まれている周波数成分と残りの周波数帯域に含まれている周波数成分との間の比率が予め決定された第1閾値比率未満、第2閾値比率以上である第2ケース320において、血圧測定装置は、該当サウンド信号をノイズが含まれているコロトコフ音として決定してもよい。ここで、第2閾値比率は、第1閾値比率よりも低く設定されてもよい。該当コロトコフ音にはノイズが含まれているため、血圧測定装置は、該当コロトコフ音を血圧値推定に使用するものの、コロトコフの黙音補正には使用しない。
【0066】
又は、予め決定された周波数帯域に含まれる周波数成分と残りの周波数帯域に含まれる周波数成分との間の比率が、予め決定された第2閾値比率未満である第3ケース330において、血圧測定装置は該当サウンド信号をノイズとして決定してもよい。
【0067】
図4~
図7は、一実施形態によりn個のコロトコフ音を用いて被検査者の血圧情報を決定する動作を説明するための図である。
【0068】
図4を参照すると、血圧がカフの内部圧力よりも高い時コロトコフ音が発生するため、コロトコフ音は、SBP地点410からDBP地点420まで心臓拍動の周期に合わせて連続的に発生する特性を有し、血圧測定装置は、このようなコロトコフ音の特性を用いて、間違って検出されたコロトコフ音をリアルタイムに補正し得る。
【0069】
カフの内部圧力が血圧より大きい場合であっも、一時的にインパルス形態のサウンド信号が収集されてもよい。場合に応じて、このようなインパルス形態のサウンド信号が
図2及び
図3を参照して説明した基準を満足すれば、血圧測定装置が該当サウンド信号をコロトコフ音として間違って認識することもある。但し、先に説明したように、正常なコロトコフ音であれば、SBP地点410からDBP地点420まで心臓拍動周期に合わせて連続的に発生する特性を有する一方、このように一時的なインパルス形態のサウンド信号後には後続コロトコフ音が検出されない。
【0070】
血圧測定装置は、カフの内部圧力が可変する間に被検査者から検出されていないコロトコフ音が検出されれば、該当信号を候補基準コロトコフ音として選定し、候補基準コロトコフ音以後に被検査者から新しいコロトコフ音が検出されるか否かに基づいて、候補基準コロトコフ音を収縮期の血圧に対応する基準コロトコフ音として決定するか否かを決定する。血圧測定装置は、候補基準コロトコフ音以後に被検査者からn個(ここで、nは自然数)の新しいコロトコフ音が連続的に検出される場合に応答して、候補基準コロトコフ音を基準コロトコフ音として決定することができる。
【0071】
図5を参照すると、コロトコフ音が一時的に検出されて候補基準コロトコフ音511に選定されたが、該当の候補基準コロトコフ音511以後に新しいコロトコフ音が検出されない例示が示されている。ディスプレイに表示されている画面には、コロトコフ音510とオシロメトリック信号520が示されている。オシロメトリック信号520は、圧力センサから検出された値がそのまま表示されているが、コロトコフ音510は、マイクで収集されたサウンド信号からコロトコフ音として検出された値のみが表示されている。時間に応じて、カフの内部圧力が可変する間にオシロメトリック信号520は引き続き検出される一方、候補基準コロトコフ音511は、一回検出された後に後続するコロトコフ音が検出されなければ、候補基準コロトコフ音511が最終的に基準コロトコフ音として選定されない。
【0072】
図6を参照すると、コロトコフ音が一時的に検出されて候補基準コロトコフ音610に選定され、該当の候補基準コロトコフ音610以後に新しいコロトコフ音が検出される例示を示している。候補基準コロトコフ音610以後にn個の新しいコロトコフ音が連続的に検出されるため、血圧測定装置は、候補基準コロトコフ音610を収縮期の血圧に該当する基準コロトコフ音として決定し、該当基準コロトコフ音を他のコロトコフ音とは視覚的に相違に表示したり、該当基準コロトコフ音を指示する視覚的なマーク(例えば、三角形など)を表示してもよい。
図6では、説明の便宜のためにn=4である場合を基準にして示すが、その他にもnは自然数値を有してもよい。
【0073】
図7を参照すると、先に説明した方式により収縮期の血圧に対応する基準コロトコフ音710と拡張期の血圧に対応する基準コロトコフ音720を指示する視覚的なマーク(例えば、三角形など)が表示される例示が示されている。
図7では説明の便宜のために、基準コロトコフ音710,720を指示する視覚的なマークが表示されているが、実施形態がこれに限定されず、基準コロトコフ音710,720が他のコロトコフ音とは相違に表示されてもよい。
【0074】
血圧測定装置は、コロトコフ音が連続的に検出されてからこれ以上検出されなければ、最後に検出されたコロトコフ音を拡張期の血圧に対応する基準コロトコフ音720として決定する。血圧測定が完了すれば、ディスプレイ画面に検出されたコロトコフ音、オシロメトリック信号だけでなく、様々な血圧関連情報(例えば、収縮期/拡張期の血圧、脈拍など)も共に表示され得る。
【0075】
図5~
図7を参照して表示されたコロトコフ音は、先に説明したコロトコフ音の検出方式により検出されたものである。
【0076】
図8は、一実施形態により血圧測定が完了した後被検査者の血圧情報を補正する動作を説明するための図である。
【0077】
図8を参照すると、血圧測定が完了した後拡張期の血圧に対応する基準コロトコフ音810が周辺コロトコフ音820に補正される例示が示されている。
【0078】
血圧測定装置は、測定されるサウンド信号の特性を分析し、コロトコフ音の検出に使用される基準を可変的に調節し得る。拡張期の血圧に対応する基準コロトコフ音以後にマイクで収集されるサウンド信号の振幅が小さくても、オシロメトリック信号のピーク周辺にコロトコフ音が検出され、該当コロトコフ音の周波数成分のうち、予め決定された周波数帯域に含まれている周波数成分の比率が予め決定された閾値比率以上であれば、血圧測定装置は、基準コロトコフ音810を周辺コロトコフ音820に変更し得る。例えば、血圧測定装置は、基準コロトコフ音810から周辺コロトコフ音820への変更を予め決定された個数だけ行うことができる。
【0079】
血圧測定の完了後にも基準コロトコフ音810を周辺のコロトコフ音820に補正することで、被検査者のコロトコフ音そのものが小さくても、基準コロトコフ音をより正確に検出することができる。
【0080】
図8では、説明の便宜のため、弛緩期の血圧に対応する基準コルトコフ音810を、その後に測定された周辺コルトコフ音820に補正する例を示しているが、前述の説明が収縮期の血圧に対応する基準コルトコフ音をその以前に測定された周辺コルトコフ音に補正する例示も同様に適用され得る。
【0081】
図9は、一実施形態により血圧測定方法を示す図である。
【0082】
以下、実施形態において各動作は順に実行されてもよいが、必ず順に実行されなくてもよい。例えば、各動作の順序が変更されてもよく、少なくとも2つの動作が並列的に実行されてもよい。動作910~動作920は血圧測定装置の少なくとも1つの構成要素(例えば、プロセッサなど)によって実行されてもよい。
【0083】
動作910において、血圧測定装置は、被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に被検査者から信号を検出する。
【0084】
血圧測定装置は、カフの内部圧力が可変する間に被検査者から検出されていない信号が検出されれば、該当信号を候補基準信号として選定し、候補基準信号以後に被検査者から新しい信号が検出されるか否かに基づいて候補基準信号を基準信号として決定するか否かを決定する。血圧測定装置は、候補基準信号以後に被検査者からn個(ここで、nは自然数)の新しい信号が連続的に検出される場合に応答して、候補基準信号を基準信号として決定する。
【0085】
血圧測定装置は、被検査者から検出されたオシロメトリック信号のピークを基準にする区間内で検出されるコロトコフ音に基づいて信号を検出する。
【0086】
血圧測定装置は、被検査者から収集されるサウンド信号の周波数成分のうち、予め決定された周波数帯域に含まれる周波数成分の比率に基づいてサウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて信号を検出する。血圧測定装置は、比率が予め決定された閾値比率以上であるサウンド信号をコロトコフ音として決定する。
【0087】
血圧測定装置は、被検査者から収集されるサウンド信号の振幅に応じてサウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて信号を検出する。
【0088】
動作920において、血圧測定装置は、信号をディスプレイにリアルタイム表示する。血圧測定装置は、被検査者から検出された信号のうち被検査者の血圧に対応する基準信号がディスプレイにリアルタイム表示されるとき、基準信号を視覚的に相違に表示したり、基準信号を指示する視覚的なマークを表示してもよい。血圧測定装置は、カフの内部圧力が可変する間にマイクで収集されるサウンド信号に含まれているコロトコフ音に基づいて信号をディスプレイに表示する。
【0089】
図9に示された各動作には、
図1~
図8を参照して前述した事項がそのまま適用されるため、より詳細な説明は省略する。
【0090】
図10は、一実施形態に係る血圧測定装置を示す図である。
【0091】
図10を参照すると、血圧測定装置1000はプロセッサ1010を含む。また、血圧測定装置1000は、ディスプレイ1020及びメモリ1030をさらに含む。プロセッサ10140、ディスプレイ1020、及びメモリ1030は、バス、PCIe(Peripheral Component Interconnect Express)及び/又はNoC(Network on a Chip)などを介して互いに通信することができる。
【0092】
プロセッサ1010は、被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に被検査者から検出される信号をディスプレイにリアルタイム表示し、信号のうち被検査者の血圧に対応する基準信号がディスプレイにリアルタイム表示されるとき基準信号を視覚的に相違に表示したり、基準信号を指示する視覚的なマークを表示し得る。
【0093】
プロセッサ1010は、カフの内部圧力が可変する間にマイクで収集されるサウンド信号に含まれているコロトコフ音に基づいて信号をディスプレイに表示し得る。
【0094】
プロセッサ1010は、カフの内部圧力が可変する間に被検査者から検出されていない信号が検出されれば、該当信号を候補基準信号として選定し、候補基準信号以後に被検査者から新しい信号が検出されるか否かに基づいて候補基準信号を基準信号として決定するか否かを決定し得る。プロセッサ1010は、候補基準信号以後に被検査者からn個(ここで、nは自然数)の新しい信号が連続的に検出される場合に応答して、候補基準信号を基準信号として決定し得る。
【0095】
プロセッサ1010は、被検査者から検出されたオシロメトリック信号のピークを基準にする区間内で検出されるコロトコフ音に基づいて、信号をディスプレイに表示し得る。
【0096】
プロセッサ1010は、被検査者から収集されるサウンド信号の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれている周波数成分の比率に基づいて、サウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて信号をディスプレイに表示する。プロセッサ1010は、比率が予め決定された閾値比率以上であるサウンド信号をコロトコフ音として決定し得る。
【0097】
プロセッサ1010は、被検査者から収集されるサウンド信号の振幅に応じてサウンド信号がコロトコフ音であるか否かを決定し、コロトコフ音として決定されたサウンド信号に基づいて信号をディスプレイに表示し得る。
【0098】
プロセッサ1010は、被検査者から信号を検出する過程が完了した後、オシロメトリック信号のピークを基準にする区間で基準信号に連続に検出された周辺信号の振幅が予め決定された閾値振幅よりも小さくても、周辺信号の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれている周波数成分の比率が予め決定された閾値比率以上であれば、基準信号を周辺信号に変更し得る。基準信号が被検査者の拡張期の血圧に該当する場合、周辺信号は基準信号よりも低いカフの内部圧力で検出される信号であり、基準信号が被検査者の収縮期の血圧に該当する場合、周辺信号は、基準信号より高いカフの内部圧力で検出される信号であってもよい。
【0099】
また、プロセッサ1010は、被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に、被検査者から検出されるオシロメトリック信号に基づいて被検査者から収集されるサウンド信号に含まれたコロトコフ音を検出してディスプレイにリアルタイム表示し、コロトコフ音のうち被検査者の血圧に対応する基準コロトコフ音がディスプレイにリアルタイム表示されるとき基準コロトコフ音を視覚的に相違に表示したり、基準コロトコフ音を指示する視覚的なマークを表示する。プロセッサ1010は、サウンド信号出内のオシロメトリック信号のピークを基準にする区間で予め決定された振幅以上の候補コロトコフ音が検出されるかを判断し、候補コロトコフ音が検出されれば、候補コロトコフ音の周波数成分のうち予め決定された周波数帯域に含まれる周波数成分の比率に基づいて、候補コロトコフ音がコロトコフ音であるか否かを決定し得える。
【0100】
ディスプレイ1020は、プロセッサ1010の制御に基づいて、被検査者の身体の一部を取り囲むカフの内部圧力が可変する間に被検査者から検出される信号をリアルタイムに表示することができる。ディスプレイ1020は、信号のうち被検査者の血圧に対応する基準信号がディスプレイにリアルタイム表示されるとき基準信号を視覚的に相違に表示したり、基準信号を指示する視覚的なマークを表示してもよい。
【0101】
メモリ1030は、コンピュータで読出し可能な命令語を含んでもよい。プロセッサ1010は、メモリ1030に格納された命令語がプロセッサ1010で実行されることで、先に言及した動作を行うことができる。メモリ1030は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよい。
【0102】
その他に、血圧測定装置1000に関しては上述された動作を処理することができる。
【0103】
以上で説明した実施形態は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合わせで具現されることができる。例えば、実施形態で説明する適応スーパーサンプリング装置、方法、及び構成要素は、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmeticlogicunit)、デジタル信号プロセッサ(digitalsignalprocessor)、マイクロコンピュータ、FPGA(FieldProgrammablegatearray)、PLU(Programmablelogicunit)、マイクロプロセッサ又はコマンドを実行して応答できる他の装置のように汎用コンピュータ又は特殊目的のコンピュータを用いて具現することができる。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及び上記オペレーティングシステム上で実行されるソフトウェアアプリケーションを実行することができる。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答してデータをアクセス、格納、操作、処理、及び生成してもよい。理解の便宜のために、処理装置は1つが使用されるものと説明された場合もあるが、当該の技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processingelement)及び/又は複数タイプの処理要素を含み得ることが分かる。例えば、処理適応スーパーサンプリング装置は、複数のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含んでもよい。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成(processing configuration)も可能である。
【0104】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム(computer program)、コード(code)、命令(instruction)、又はそのいずれかの組み合わせを含んでもよく、希望のように処理装置を構成したり独立的又は結合的に(collectively)処理装置を命令することができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理適応スーパーサンプリング装置によって解釈されるか、処理適応スーパーサンプリング装置に命令又はデータを提供するために、いずれかのタイプの機械、構成要素、物理適応スーパーサンプリング装置、仮想適応スーパーサンプリング装置、コンピュータ記憶媒体、又は適応スーパーサンプリング装置、又は送信される信号波に永久的に具体化することができる。ソフトウェアは、ネットワーク接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された方法で格納又は実行されてもよい。ソフトウェア及びデータは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することができる。
【0105】
本実施形態による方法は、様々なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態に具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例として、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。
【0106】
上記で説明したハードウェア装置は、本発明に示す動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモデルとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0107】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に実行され、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられてもよく、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。
【0108】
したがって、他の具現、他の実施形態及び特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求範囲の範囲に属する。
【符号の説明】
【0109】
100:血圧測定装置
110:ディスプレイ
120:入力部
130:カフ
140:連結線
150:被検査者