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特開2024-132837メンテナンス管理方法、メンテナンス管理システム、及びメンテナンス管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132837
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】メンテナンス管理方法、メンテナンス管理システム、及びメンテナンス管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194080
(22)【出願日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2023041513
(32)【優先日】2023-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】古市 光洋
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】ユーザは、負荷に応じて、部品のメンテナンスを行うことができる。
【解決手段】メンテナンス管理方法は、圃場で作業を行う作業装置100に設けられた回転電機121、131を含む部位における電力量に基づき、部位のうち、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することを含む。また、メンテナンス管理方法は、メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することを含む。ここで、部位は、回転電機121、131の回転子124、133が回転するときに稼働する部品を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場で作業を行う作業装置に設けられた回転電機を含む部位における電力量に基づき、前記部位のうち、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することと、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することと、
を含み、
前記部位は、前記回転電機の回転子が回転するときに稼働する部品を含む
メンテナンス管理方法。
【請求項2】
前記部位に含まれる回転電機は1つである
請求項1に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項3】
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記部位における電力量の累計を表す累計電力量に基づき、前記メンテナンス部位を決定すること
を含む請求項1に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項4】
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記累計電力量が基準電力量に達した部位を前記メンテナンス部位として決定すること
を含む請求項3に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項5】
前記基準電力量は、点検電力量と、交換電力量とを含み、
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記累計電力量が前記点検電力量に達した前記メンテナンス部位を、点検を行う点検部位として決定することと、
前記累計電力量が前記交換電力量に達した前記メンテナンス部位を、交換を行う交換部位として決定することと、
を含み、
前記メンテナンス情報は、前記点検部位と、前記交換部位とを識別可能に表す
請求項4に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項6】
前記部位において、前記累計電力量が前記基準電力量に達するまでの残時間を決定することを含み、
前記メンテナンス情報は、前記残時間を表す情報を含む
請求項4または5に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項7】
前記部位において、前記残時間を決定することは、
前記累計電力量に基づき、単位時間あたりの電力量を決定することと、
前記単位時間あたりの電力量に基づき、前記残時間を決定することと、
を含む請求項6に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項8】
前記単位時間あたりの電力量に基づき、前記残時間を決定することは、
前記単位時間あたりの電力量と、前記累計電力量に対する前記作業装置が稼働した時間とに基づき、前記残時間を決定すること
を含む請求項7に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項9】
前記残時間を決定することは、
前記メンテナンス部位における定格電力に基づき、前記残時間を決定すること
を含む請求項6に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項10】
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記部位において、単位時間あたりに発電する電力量に基づき、前記メンテナンス部位を決定すること
を含む請求項1または2に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項11】
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記部位における電流値に基づき、高電流が流されている部位を表す高電流部位を前記メンテナンス部位として決定すること
を含む請求項1に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項12】
前記高電流部位を決定することは、
前記部位における電流値が高電流閾値を越えた高電流期間に基づき、前記高電流部位を決定すること
を含む請求項11に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項13】
前記高電流期間に基づき前記高電流部位を決定することは、
前記部位が稼働した期間のうち、前記高電流期間が占める割合が第1閾値より大きい部位を前記高電流部位として決定すること
を含む請求項12に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項14】
前記高電流部位を決定することは、
前記作業装置が作業を行った前記圃場のそれぞれにおいて、高電流が流れている部位を表す圃場対応部位を前記高電流部位として決定することを含み、
前記メンテナンス情報は、前記圃場対応部位と、前記圃場対応部位に対応する前記圃場とを関連付けて表す
請求項11から13のいずれか1項に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項15】
前記メンテナンス情報は、前記高電流部位と、前記高電流部位以外の前記メンテナンス部位とを区別して表す
請求項11から13のいずれか1項に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項16】
前記圃場に設けられた小領域において、前記部位における電流値が高電流閾値を越えた高電流期間の割合を表す小領域割合を決定することをさらに含み、
前記メンテナンス情報は、前記小領域の情報に関連付けた前記小領域割合を表す
請求項1に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項17】
圃場で作業を行う作業装置に設けられた回転電機を含む部位における電流値に基づき、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することと、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することと、
を含むメンテナンス管理方法。
【請求項18】
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記作業装置が稼働した期間のうち、高電流期間が占める割合に応じて、メンテナンス時期に達していない部位を前記メンテナンス部位として決定すること
を含み、
前記高電流期間は、前記部位における前記電流値が高電流閾値を越える期間を表す
請求項17に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項19】
前記メンテナンス情報を表示することをさらに含む
請求項1または17に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項20】
圃場で作業を行う作業装置に含まれる部位における電力量に基づき、前記部位のうち、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定する部位決定部と、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力する出力部と、
を備えるメンテナンス管理システム。
【請求項21】
圃場で作業を行う作業装置に設けられた回転電機を含む部位における電流値に基づき、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定する部位決定部と、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力する出力部と、
を備えるメンテナンス管理システム。
【請求項22】
圃場で作業を行う作業装置に含まれる部位における電力量に基づき、前記部位のうち、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することと、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することと、
を演算装置に実行させるメンテナンス管理プログラム。
【請求項23】
圃場で作業を行う作業装置に設けられた回転電機を含む部位における電流値に基づき、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することと、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することと、
を演算装置に実行させるメンテナンス管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンス管理方法、メンテナンス管理システム、及びメンテナンス管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理を用いて、装置のメンテナンスを行う時期を決定することが研究されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、デバイス、例えばモータなどの稼働時間に基づき、デバイスの保全状態を分類する技術が開示されている。また、特許文献1には、動作させるための消費電力がデバイスの劣化により増加することが明記され、稼働時間だけでなく、消費電力量を用いて保全状態を分類することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-128433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術において、デバイスのみについて記載され、デバイスに接続された部品についてはメンテナンスの対象と考えられていない。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、部品の負荷に応じて、メンテナンスを行うべき部位を提案することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態によるメンテナンス管理方法は、圃場(700)で作業を行う作業装置(100)に設けられた回転電機(121、131)を含む部位における電力量に基づき、部位のうち、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することを含む。また、メンテナンス管理方法は、メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することを含む。ここで、部位は、回転電機(121、131)の回転子(124、133)が回転するときに稼働する部品を含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態によるメンテナンス管理方法は、圃場(700)で作業を行う作業装置(100)に設けられた回転電機(121、131)を含む部位における電流値に基づき、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することを含む。また、メンテナンス管理方法は、メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することを含む。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態によるメンテナンス管理システム(1000)は、部位決定部(250)と、出力部(280)とを備える。部位決定部(250)は、圃場(700)で作業を行う作業装置(100)に設けられた回転電機(121、131)を含む部位における電力量に基づき、部位のうち、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定する。出力部(280)は、メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力する。ここで、部位は、回転電機(121、131)の回転子(124、133)が回転するときに稼働する部品を含む。
【0011】
上記目的を達成するための一実施の形態によるメンテナンス管理システム(1000)は、部位決定部(250)と、出力部(280)とを備える。部位決定部(250)は、圃場(700)で作業を行う作業装置(100)に設けられた回転電機(121、131)を含む部位における電流量に基づき、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定する。出力部(280)は、メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力する。
【0012】
上記目的を達成するための一実施の形態によるメンテナンス管理プログラム(430)は、圃場(700)で作業を行う作業装置(100)に設けられた回転電機(121、131)を含む部位における電力量に基づき、部位のうち、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することを演算装置(220、320)に実行させる。また、メンテナンス管理プログラム(430)は、メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することを演算装置(220、320)に実行させる。ここで、部位は、回転電機(121、131)の回転子(124、133)が回転するときに稼働する部品を含む。
【0013】
上記目的を達成するための一実施の形態によるメンテナンス管理プログラム(430)は、圃場(700)で作業を行う作業装置(100)に設けられた回転電機(121、131)を含む部位における電流値に基づき、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することを演算装置(220、320)に実行させる。また、メンテナンス管理プログラム(430)は、メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することを演算装置(220、320)に実行させる。
【発明の効果】
【0014】
上記の形態によれば、ユーザは、負荷に応じて、部品のメンテナンスを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施の形態におけるメンテナンス管理システムの概略図である。
図2】一実施の形態における作業装置の構成を表す図である。
図3】一実施の形態における作業装置に設けられた植付装置の構成を表す図である。
図4】一実施の形態におけるメンテナンス管理装置の構成を表す図である。
図5】一実施の形態におけるメンテナンスデータの構成を表す図である。
図6】一実施の形態におけるメンテナンス管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
図7】一実施の形態における端末の構成を表す図である。
図8】一実施の形態におけるメンテナンス管理システムによる処理を表すフローチャートである。
図9】一実施の形態における端末がメンテナンス情報を表示する画像を表す図である。
図10】一実施の形態におけるメンテナンス管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
図11】一実施の形態におけるメンテナンス管理装置により高電流割合を決定する方法を説明するための図である。
図12】一実施の形態における端末がメンテナンス情報を表示する画像を表す図である。
図13】一実施の形態における端末がメンテナンス情報を表示する画像を表す図である。
図14】一実施の形態における小領域を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態によるメンテナンス管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、図1に示すように、メンテナンス管理システム1000は、1台以上の作業装置100と、メンテナンス管理装置200と、1台以上の端末300とを備える。作業装置100は、圃場内を移動しつつ、作業を行う。メンテナンス管理装置200は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、作業装置100と、端末300とに通信可能に接続されている。
【0017】
例えば、作業装置100は、図2に示すように、苗を植え付ける植付機を含む。例えば、作業装置100は、水田に苗を植え付ける植付装置110を備える。植付装置110は、図3に示すように、複数の部位、例えば、1つ以上の植付ユニット120と、横送りユニット130と、苗のせ台140とを備える。例えば、植付ユニット120は回転電機121、例えば電動機を備え、横送りユニット130は回転電機131、例えば電動機を備える。
【0018】
図1に示すメンテナンス管理装置200は、作業装置100から回転電機121、131における消費電力量を表す電力情報を取得し、作業装置100において、メンテナンスを行うべき部位を決定する。回転電機121、131を含む部位への負荷が高いとき、回転電機121、131の消費電力が増加する。このため、回転電機121、131の負荷が高いとき、回転電機121、131に接続された部品の負荷も高くなる。このため、メンテナンス管理装置200は、各部位の電力量に基づき、メンテナンスを行うべきメンテナンス部位を決定する。
【0019】
このように、メンテナンス管理装置200は、回転電機121、131における電力量に基づき、メンテンナスを行うべき部位を決定する。このため、負荷に応じたメンテナンス部位が決定される。これにより、ユーザは、負荷に応じて、メンテナンスを行うことができる。
【0020】
なお、端末300は、作業装置100の所有者により使用される第1端末300-1と、メンテナンスを行う作業者により使用される第2端末300-2とを含んでもよい。メンテナンス情報が第1端末300-1と、第2端末300-2とに表示されることで、作業装置100の所有者と、メンテナンスを行う作業者とに提供される。これにより、作業装置100のメンテナンスが円滑に行われ得る。
【0021】
(メンテナンス管理システムの構成)
図1に示すメンテナンス管理システム1000に含まれる作業装置100の構成を説明する。作業装置100は、圃場、例えば水田において移動しながら作業を行う。作業装置100は、作業機械と一体に形成された装置、例えば植付機、コンバインなどと、作業機械を牽引して作業を行う装置、例えばトラクターとを含む。また、作業装置100は、飛行して作業を行う装置、例えば農薬散布を行うドローンを含んでもよい。作業装置100は、回転電機121、131を含む1つ以上の部位を備える。例えば、作業装置100は、植付機であるとき、図2に示すように、回転電機121、131を含む植付装置110を備える。例えば、作業装置100がコンバインであるとき、作物を刈り取る刈取部に回転電機が含まれてもよい。また、刈り取った作物を脱穀する脱穀部に回転電機が含まれてもよい。また、作業装置100がトラクターの場合、トラクターから牽引される作業機械に伝達する動力が回転電機により発生されてもよい。
【0022】
例えば、植付機の植付装置110は、図3に示すように、1つ以上の植付ユニット120と、横送りユニット130と、苗のせ台140とを備える。苗のせ台140には、水田に植え付けられる苗が載せられる。植付ユニット120、例えば第1植付ユニット120-1と第2植付ユニット120-2とは、苗のせ台140に載せられた苗を取り、取った苗を水田に植え付ける。横送りユニット130は、苗のせ台140を横方向に移動して、苗のせ台140に対して植付ユニット120が取る苗の位置を変更する。
【0023】
植付ユニット120は、回転電機121と、植付アーム122と、植付軸123とを備える。回転電機121は、回転子124を備え、電力が供給されると回転子124を回転する。回転子124は、回転子124が回転すると植付軸123が回転するように、植付軸123に接続されている。植付軸123は、植付軸123が回転すると植付アーム122が旋回するように、植付アーム122に接続されている。植付アーム122は、植付軸123により旋回されると、植付アーム122の先端にある爪により苗のせ台140に載せられた苗を取る。植付アーム122は、さらに旋回されると、苗のせ台140から取った苗を水田に植え付ける。このように、回転電機121の回転子124が回転するとき、植付アーム122と、植付軸123とは稼働する。
【0024】
また、植付ユニット120は、回転電機121の回転子124が回転するときに稼働する部品として、各部品の稼働を補助する部品を備えてもよい。例えば、植付ユニット120は、補助する部品として、回転子124と植付軸123との接続部分を囲むケース125を備えてもよい。例えば、ケース125には潤滑油が充填され、植付ユニット120は、補助する部品として、潤滑油の漏れを低減するオイルシールを備えてもよい。
【0025】
横送りユニット130は、回転電機131と、横送り軸132とを備える。回転電機131は、回転子133を備え、電力が供給されると回転子133を回転する。回転子133は、回転子133が回転すると横送り軸132が回転するように、横送り軸132に接続されている。横送り軸132は、横送り軸132が回転すると苗のせ台140を横方向に移動するように、苗のせ台140に接続されている。回転電機131は、苗のせ台140が所定の距離だけ移動すると、苗のせ台140が元の位置に戻るように回転子133を逆方向に回転する。横送りユニット130は、苗のせ台140が所定の範囲で左右に移動するように、回転電機131の回転子133を回転する。
【0026】
また、横送りユニット130も、回転電機131の回転子133が回転するときに稼働する部品として、各部品の稼働を補助する部品を備えてもよい。例えば、横送りユニット130は、横送り軸132を回転可能に支持するベアリング134を備えてもよい。例えば、ベアリング134は、横送り軸132の両端に設けられている。
【0027】
次に、メンテナンス管理装置200の構成を説明する。メンテナンス管理装置200は、図4に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。メンテナンス管理装置200は、例えば、クラウドサーバを含むコンピュータである。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置210は省略されてもよい。
【0028】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置230は、作業装置100から取得する電力情報を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を端末300に転送する。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0029】
記憶装置240は、メンテナンス部位を決定するための様々なデータ、例えばメンテナンスデータ410と、稼働履歴データ420と、メンテナンス管理プログラム430とを格納する。記憶装置240は、メンテナンス管理プログラム430を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。メンテナンス管理プログラム430は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0030】
メンテナンスデータ410は、図5に示すように、作業装置100の各部位において、メンテナンスの対象となる対象部品と、基準電力量、例えば点検電力量と、交換電力量とを表す。基準電力量は、部位における電力量、例えば消費電力量の累計を表す累計消費電力量と比較される。例えば、メンテナンス管理装置200は、累計電力量が基準電力量に達した部位を、メンテナンスを行うメンテナンス部位として決定する。例えば、累計電力量が点検電力量に達した部位は点検を行われる部位として決定され、対応する部位の対象部品が点検される。また、累計電力量が交換電力量に達した部位は交換が行われる部位として決定され、対応する部位の対象部品が交換される。また、メンテナンスデータ410は、各部位における定格電力を表してもよい。
【0031】
図5に示す例において、横送りユニット130は、累計電力量が200kWhに達したときに、横送りユニット130の横送り軸132とベアリング134とを対象に点検される。また、横送りユニット130は、累計電力量が400kWhに達したときに、横送りユニット130の横送り軸132とベアリング134とを対象に交換される。
【0032】
植付ユニット120は、累計電力量が100kWhに達したときに、植付ユニット120の植付アーム122と、植付軸123と、オイルシールとを対象に点検される。また、植付ユニット120は、累計電力量が200kWhに達したときに、植付ユニット120の植付アーム122と、植付軸123と、オイルシールとを対象に交換される。
【0033】
図4に示す稼働履歴データ420は、各作業装置100の稼働履歴、例えば累積稼働時間、部位ごとの生涯稼働時間、生涯電力量、累計電力量などを表す。例えば累積稼働時間は、作業装置100が過去に稼働した時間の合計である総時間を表し、例えば作業装置100が道路上を移動した時間を含んでもよい。部位ごとの生涯稼働時間は、各部位が過去に稼働した時間の合計である総時間を表し、例えば各部位に電力が過去に供給された時間の合計を表す。部位ごとの生涯電力量は、各部位に過去に供給された電力量の合計を表す。例えば、部位ごとの生涯電力量は、各部位が稼働した生涯稼働時間において消費された電力量の合計を表す。部位ごとの累計電力量は、対象となる部品が交換されてから、各部位に供給された電力量の合計を表す。例えば、対象部品が交換された直後の部位における累計電力量は、0kWhを表す。また、稼働履歴は、各部位において前回メンテナンスが行われたときの電力量を表す。
【0034】
演算装置220は、メンテナンス管理プログラム430を記憶装置240から読み出し実行して、メンテナンス部位を決定するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置220は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0035】
演算装置220は、メンテナンス管理プログラム430を読み出し実行することで、図6に示すように、部位決定部250と、負荷率決定部260と、時間決定部270と、出力部280とを備える。部位決定部250は、各部位における電力量に基づき、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定する。負荷率決定部260は、各部位における電力量に基づき、各部位における負荷率を決定する。時間決定部270は、各部位における電力量に基づき、メンテナンスを行う時期を決定する。出力部280は、メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を端末300に出力する。
【0036】
次に、端末300の構成を説明する。端末300は、図7に示すように、入出力装置310と、演算装置320と、通信装置330と、記憶装置340とを備える。端末300は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置310には、演算装置320が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置310は、演算装置320が処理を実行した結果を出力する。入出力装置310は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0037】
通信装置330は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置330は、メンテナンス管理装置200から取得する信号を演算装置320に転送する。また、通信装置330は、演算装置320が生成した信号をメンテナンス管理装置200に転送する。通信装置330は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0038】
記憶装置340は、作業装置100のメンテナンス情報を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム440を格納する。記憶装置340は、表示プログラム440を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム440は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0039】
演算装置320は、表示プログラム440を読み出し実行することで、図6に示すように、入出力装置310と協働して、表示部350を実現する。表示部350は、メンテナンス管理装置200から取得するメンテナンス情報を入出力装置310に表示する。
【0040】
(メンテナンス管理システムの動作)
作業者は、圃場で作業を行うために、作業装置100の駆動装置、例えばエンジンや電動機を起動して、圃場における作業を行う。作業装置100の稼働装置が起動されると、メンテナンス管理方法の一部である図8に示す処理が開始される。なお、メンテナンス管理装置200は、起動したときにメンテナンス管理プログラム430を読み出し実行する。
【0041】
ステップS110において、作業装置100は、各部位、例えば植付ユニット120、横送りユニット130などにおける電力量、例えば消費電力量を測定し、測定された消費電力量を表す電力情報をメンテナンス管理装置200に出力する。例えば、作業装置100は、駆動装置、例えばエンジンが停止したとき、駆動装置が起動してから停止するまでに取得された電力情報をメンテナンス管理装置200に出力する。作業装置100は、所定の間隔で電力情報をメンテナンス管理装置200に出力してもよい。電力情報は、各部位、例えば植付ユニット120の回転電機121、横送りユニット130の回転電機131における消費電力量を表す。また、電力情報は、作業装置100の稼働時間、例えば稼働装置が起動してから停止するまでの時間を表す情報を含む。電力情報は、部位ごとの稼働時間、例えば各部位が稼働した時間を表す情報を含む。
【0042】
ステップS120において、メンテナンス管理装置200の演算装置220により実現される部位決定部250は、作業装置100から取得する電力情報に基づき、メンテナンスを行うべきメンテナンス部位を決定する。例えば、最初に、部位決定部250は、作業装置100から取得する電力情報に基づき、稼働履歴データ420を更新する。例えば、部位決定部250は、稼働履歴データ420に表される作業装置100の累積稼働時間に、電力情報に表される作業装置100の稼働時間を加算して、稼働履歴データ420の作業装置100の累積稼働時間を更新する。また、部位決定部250は、稼働履歴データ420に表される部位ごとの生涯稼働時間に、電力情報に含まれる部位ごとの稼働時間を加算して、稼働履歴データ420の部位ごとの生涯稼働時間を更新する。部位決定部250は、稼働履歴データ420に表される部位ごとの生涯電力量に、電力情報に含まれる部位ごとの電力量を加算して、稼働履歴データ420の部位ごとの生涯電力量を更新する。部位決定部250は、稼働履歴データ420に表される部位ごとの累計電力量に、電力情報に含まれる部位ごとの電力量を加算して、稼働履歴データ420の部位ごとの累計電力量を更新する。
【0043】
次に、部位決定部250は、稼働履歴データ420とメンテナンスデータ410とに基づき、各部位において、次にメンテナンスが行われるべき基準電力量を決定する。例えば、部位決定部250は、各部位において、稼働履歴データ420から前回メンテナンスが行われたときの電力量を表すメンテナンス電力量を抽出する。部位決定部250は、メンテナンスデータ410に表される基準電力量のうち、抽出されたメンテナンス電力量より大きい基準電力量を、次にメンテナンスが行われるべき基準電力量として決定する。部位決定部250は、抽出されたメンテナンス電力量に所定の値を加えた値より大きい基準電力量を、次にメンテナンスが行われるべき基準電力量として決定してもよい。
【0044】
例えば、図5に示す例において、横送りユニット130のメンテナンス電力量が0kWhであるとき、部位決定部250は、次にメンテナンスが行われるべき基準電力量として200kWhを決定する。また、横送りユニット130のメンテナンス電力量が213kWhであるとき、部位決定部250は、次にメンテナンスが行われるべき基準電力量として400kWhを決定する。
【0045】
続いて、部位決定部250は、稼働履歴データ420の部位ごとの累計電力量と、次にメンテナンスが行われるべき基準電力量とに基づき、メンテナンス部位を決定する。部位決定部250は、累計電力量が基準電力量、例えば点検電力量または交換電力量に達した部位をメンテナンス部位と決定する。例えば、部位決定部250は、累計電力量が点検電力量に達した部位を、点検を行う点検部位として決定する。また、部位決定部250は、累計電力量が交換電力量に達した部位を、交換を行う交換部位として決定する。
【0046】
図5に示す例において、部位決定部250は、横送りユニット130における累計電力量が200kWhに達していたとき、横送りユニット130を点検部位として決定する。例えば、部位決定部250は、横送りユニット130の回転電機131における消費電力量の累計が200kWhに達していたとき、横送りユニット130を点検部位として決定する。また、部位決定部250は、横送りユニット130における累計電力量が400kWhに達していたとき、横送りユニット130を交換部位として決定する。例えば、部位決定部250は、横送りユニット130の回転電機131における消費電力量の累計が400kWhに達していたとき、横送りユニット130を交換部位として決定する。
【0047】
また、部位決定部250は、第1植付ユニット120-1における累計電力量が100kWhに達していたとき、第1植付ユニット120-1を点検部位として決定する。第2植付ユニット120-2についても同様に、部位決定部250は、累計電力量が100kWhに達していたとき、第2植付ユニット120-2を点検部位として決定する。また、部位決定部250は、第1植付ユニット120-1における累計電力量が200kWhに達していたとき、第1植付ユニット120-1を交換部位として決定する。第2植付ユニット120-2についても同様に、部位決定部250は、累計電力量が200kWhに達していたとき、第2植付ユニット120-2を交換部位として決定する。
【0048】
図8に示すステップS130において、負荷率決定部260は、稼働履歴データ420に基づき、各部位における負荷率を決定する。例えば、負荷率決定部260は、稼働履歴データ420に表される各部位における生涯電力量と、各部位における生涯稼働時間とに基づき、各部位における負荷率を決定する。例えば、負荷率決定部260は、各部位において、生涯稼働時間と、定格電力と、生涯電力量とに基づき、負荷率を決定する。負荷率は、例えば、定格電力に生涯稼働時間を乗算した値に対する生涯電力量の割合を表す。ここで、各部位における定格電力は、メンテナンスデータ410から取得される。
【0049】
ステップS140において、時間決定部270は、稼働履歴データ420に基づき、各部位において基準電力量に達するまでの稼働時間を表す各部位の残時間を決定する。例えば、時間決定部270は、メンテナンス部位を除く各部位において、累積電力量と基準電力量との差と、単位時間あたりの電力量とに基づき、各部位の残時間を決定する。例えば、時間決定部270は、累積電力量と基準電力量との差を、単位時間あたりの電力量で除算して、各部位の残時間を決定する。
【0050】
ここで、単位時間あたりの電力量は、任意の方法で決定されてもよい。例えば、単位時間あたりの電力量は、定格電力を表してもよい。また、単位時間あたりの電力量は、定格電力と負荷率とに基づき決定されてもよい。例えば、単位時間あたりの電力量は、定格電力に負荷率を乗算して決定されてもよい。また、単位時間あたりの電力量は、作業装置100の累積稼働時間と、各部位における生涯電力量とに基づき決定されてもよい。例えば、単位時間あたりの電力量は、作業装置100の累積稼働時間を、各部位における生涯電力量で除算して決定されてもよい。
【0051】
ステップS150において、出力部280は、メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を端末300に出力する。メンテナンス情報は、例えば、メンテナンス部位においてメンテナンスの対象となる対象部品を表す情報を含む。例えば、出力部280は、メンテナンス部位に対する対象部品をメンテナンスデータ410から取得し、取得された対象部品を表す情報をメンテナンス情報に含める。図5に示す例において、メンテナンス部位が横送りユニット130であるとき、出力部280は、メンテナンスを行う部品が横送り軸132とベアリング134とであることを表す情報をメンテナンス情報に含める。また、メンテナンス部位が植付ユニット120であるとき、出力部280は、メンテナンスを行う部品が植付アーム122と、植付軸123と、オイルシールとであることを表す情報をメンテナンス情報に含める。
【0052】
また、メンテナンス情報は、稼働履歴データ420に表されるメンテナンス部位における生涯稼働時間を表す情報を含んでもよい。また、メンテナンス情報は、メンテナンス部位における累積電力量を表す情報を含んでもよい。メンテナンス情報は、メンテナンス部位における生涯電力量を表す情報を含んでもよい。メンテナンス情報は、メンテナンス部位における負荷率を表す情報を含んでもよい。メンテナンス情報は、メンテナンス部位においてメンテナンスを行うべき部品を表す情報を含んでもよい。さらに、メンテナンス情報は、メンテナンス部位において行われるメンテナンスの種類、例えば点検、交換を表す情報を含んでもよい。また、メンテナンス情報は、メンテナンス部位以外の部位に関する情報を含んでもよい。
【0053】
図8に示すステップS160において、端末300の表示部350は、メンテナンス情報を入出力装置310に表示する。例えば、表示部350は、図9に示すように、メンテナンス情報を表すメンテナンス画像500を入出力装置310に表示する。メンテナンス画像500は、メンテナンス情報に表された各情報を表示する領域を有する。例えば、メンテナンス画像500は、型式表示領域501と、稼働時間表示領域502と、ユニット稼働時間表示領域511と、累計電力量表示領域512と、生涯電力量表示領域513と、負荷率表示領域514と、対象表示領域515と、残時間表示領域516とを含む。
【0054】
型式表示領域501には、対象となる作業装置100の型式が表示される。稼働時間表示領域502には、対象となる作業装置100が過去に稼働した累積稼働時間が表示される。
【0055】
ユニット稼働時間表示領域511と、累計電力量表示領域512と、生涯電力量表示領域513と、負荷率表示領域514と、対象表示領域515と、残時間表示領域516とには、部位ごとの情報が表示される。例えば、ユニット稼働時間表示領域511には、各部位における生涯稼働時間が表示される。累計電力量表示領域512には、各部位における累計電力量が表示される。生涯電力量表示領域513には、各部位における生涯電力量が表示される。負荷率表示領域514には、各部位における負荷率が表示され、例えば負荷率が棒の長さにより表される。負荷率は、負荷率の値に応じて異なる表示形態、例えば色、模様で表されてもよい。対象表示領域515には、メンテナンス部位においてメンテナンスを行うべき対象部品が表される。また、対象表示領域515には、メンテナンスの種類、例えば点検、交換などが表されてもよい。残時間表示領域516には、各部位の電力量が次にメンテナンスを行うべき基準電力量に達するまでの稼働時間が表される。また、残時間表示領域516には、各部位において次にメンテナンスを行うべき対象部品が表されてもよい。また、残時間表示領域516には、次に行うべきメンテナンスの種類が表されてもよい。
【0056】
図9に示す例において、メンテナンス画像500は、型式が「RTP」である作業装置100の情報を表し、作業装置100が「260時間」稼働していることを表す。また、ユニット稼働時間表示領域511は、横送りユニット130の生涯稼働時間が「235時間」であり、植付ユニット120、例えば第1植付ユニット120-1の生涯稼働時間が「235時間」であることを表す。累計電力量表示領域512は、横送りユニット130の累計電力量が「155kWh」であり、植付ユニット120の累計電力量が「105kWh」であることを表す。植付ユニット120の累計電力量がメンテナンスデータ410に表される交換電力量に達しているため、植付ユニット120に対する対象表示領域515は、点検すべき部品が植付アーム122と、植付軸123と、オイルシールであることを表す。横送りユニット130の累計電力量がメンテナンスデータ410に表される交換電力量に達していないため、横送りユニット130に対する残時間表示領域516は、次にメンテナンスを行うべき基準電力量に40時間稼働すると達することを表す。また、残時間表示領域516は、次に行うべきメンテナンスが点検であることと、対象部品が横送り軸132とベアリング134であることとを表す。また、生涯電力量表示領域513には、横送りユニット130の生涯電力量が「555kWh」であり、植付ユニット120の生涯電力量が「305kWh」であることを表す。負荷率表示領域514は、横送りユニット130の負荷率が、植付ユニット120の負荷率より低いことを表す。
【0057】
このように、メンテナンス管理システム1000は、回転電機121、131を含む部位における電力量に基づき、回転電機121、131の回転子124、133が回転するときに動く部品を含む部位のうち、メンテナンスを行うべきメンテナンス部位を決定する。これにより、ユーザは、負荷に応じて、各部位のメンテナンスを行うことができる。また、次にメンテナンスを行うべき基準電力量に達する稼働時間が表示されることで、ユーザは、メンテナンスを行う時期を予め調整することができる。さらに、ユーザは、各部位における負荷率を確認することで、決定されたメンテナンス部位におけるメンテナンスの必要性を確認することができる。
【0058】
なお、メンテナンスデータ410に表される各部位の累計電力量は、対応する部位の対象部品が交換されたとき、「0」に更新される。例えば、メンテナンスを行った作業者は、端末300にメンテナンスを行った部位を表す情報を入力する。端末300の表示部350は、入力されたメンテナンスが行われた部位を表す情報をメンテナンス管理装置200に出力する。メンテナンス管理装置200の部位決定部250は、取得された情報からメンテナンスが行われた部位を表す情報を抽出し、メンテナンスデータ410のうち、メンテナンスが行われた部位の累計電力量を「0」に更新する。
【0059】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、各部位、例えば植付ユニット120、横送りユニット130などに含まれる回転電機121、131が1つである例を示したが、これに限定されない。1つの部位は複数の回転電機121、131を含んでもよい。例えば、植付装置110に含まれる複数の植付ユニット120が1つの部位として扱われてもよい。また、植付装置110が1つの部位として扱われてもよい。
【0060】
また、図8に示すステップS120において、メンテナンス管理システム1000の部位決定部250は、メンテナンス部位のうち、メンテナンスの対象となる対象部品を決定してもよい。例えば、部位決定部250は、メンテナンスデータ410と、メンテナンス部位とに基づき、メンテナンスの対象となる対象部品を決定する。部位決定部250は、メンテナンスデータ410から、メンテナンス部位に対応する対象部品を抽出する。部位決定部250は、抽出された対象部品をメンテナンスの対象として決定する。例えば、図5に示す例において、メンテナンス部位が横送りユニット130であるとき、部位決定部250は、メンテナンスデータ410において、横送りユニット130に対応する対象部品である横送り軸132と、ベアリング134とをメンテナンスの対象部品として決定する。
【0061】
また、メンテナンスデータ410は、各部位に含まれる部品ごとに基準電力量を表してもよい。例えば、横送りユニット130において、横送り軸132の点検電力量は、ベアリング134の点検電力量と異なってもよく、横送り軸132の交換電力量は、ベアリング134の交換電力量と異なってもよい。また、メンテナンスデータ410は植付ユニット120におけるケース125に充填された潤滑油の交換電力量を表し、潤滑油の交換電力量が植付アーム122の基準電力量と異なってもよい。この場合、部位決定部250は、図8に示すステップS120において、メンテナンス部位のうち、メンテナンスの対象である対象部品を決定する。
【0062】
実施の形態では、回転電機121、131は電動機として動作する例を示したが、発電機として動作してもよい。例えば、1つの部位に、発電機の回転子が回転するときに稼働する部品を含み、メンテナンス管理システム1000の部位決定部250は、発電機が発電した電力量に基づき、発電機を含む部位をメンテナンスの対象となるメンテナンス部位として決定してもよい。発電機の回転子が回転するときに稼働する部品は、例えば、発電機が発電するための動力を伝達する部品、例えばギア、ベルトなどを含む。また、発電機の回転子が回転するときに稼働する部品は、各部品の稼働を補助する部品、例えばギアの軸を指示するベアリング、潤滑油、オイルシールなどを含む。
【0063】
また、メンテナンス管理システム1000の部位決定部250は、発電機として動作する回転電機を含む部位において単位時間あたりに発電する電力量に基づき、対応する部位がメンテナンス部位であるか否かを決定してもよい。例えば、部位決定部250は、電力情報から、発電機を含む部位において発電した電力量と、対応する部位が稼働した稼働時間を表す部位稼働時間とを抽出する。部位決定部250は、電力量を部位稼働時間で除算した単位時間あたりに発電する電力量が閾値より小さいとき、対応する部位をメンテナンス部位として決定する。部位決定部250は、メンテナンス部位に含まれる発電機の回転子が回転するときに稼働する部品を、メンテナンスの対象として決定してもよい。ここで、閾値は、予め決められた固定値を表す。また、閾値は、対応する部位の部品を交換した直後に発電された電気量に基づき決定されてもよい。例えば、閾値は、部品を交換した直後において、単位時間あたりに発電された電気量に係数を乗算して決定されてもよい。
【0064】
また、メンテナンス管理システム1000の部位決定部250は、電動機として動作する回転電機121、131を含む部位についても、単位時間あたりに消費する電力量に基づき、対応する部位がメンテナンス部位であるか否かを決定してもよい。例えば、部位決定部250は、電力情報から、回転電機121、131を含む部位において消費した電力量と、対応する部位が稼働した稼働時間を表す部位稼働時間とを抽出する。部位決定部250は、電力量を部位稼働時間で除算した単位時間あたりに消費する電力量が閾値より大きいとき、対応する部位をメンテナンス部位として決定する。ここで、閾値は、予め決められた固定値を表す。また、閾値は、対応する部位の部品を交換した直後に消費された電気量に基づき決定されてもよい。例えば、閾値は、部品を交換した直後において、単位時間あたりに消費された電気量に係数を乗算して決定されてもよい。
【0065】
図8に示すステップS130において、負荷率決定部260は、電力情報を用いた任意の方法で各部位における負荷率を決定してもよい。例えば、負荷率決定部260は、稼働履歴データ420に表される各部位の累計電力量に基づき、各部位の負荷率を決定してもよい。例えば、負荷率決定部260は、各部位において、対象となる部品が交換されてから対応する部位が稼働した時間を、累計電力量で除算して負荷率を決定してもよい。この場合、稼働履歴データ420は、各部位において、対象となる部品が交換されてから対応する部位が稼働した時間を表す情報を含む。
【0066】
図4に示す稼働履歴データ420は、各部位において前回メンテナンスが行われたときの電力量を表す情報を含む例を示したが、これに限定されない。稼働履歴データ420は、メンテナンスデータ410に表された基準電力量において、メンテナンスが行われたか否かを表す任意の情報を含んでもよい。例えば、稼働履歴データ420は、メンテナンスが行われた回数を表す情報を含んでもよい。
【0067】
図8に示すステップS120において、メンテナンス管理装置200の部位決定部250は、各部位に設けられた回転電機121、131に流された電流値を用いて、メンテナンス部位を決定してもよい。回転電機121、131の負荷が高くなると、回転電機121、131に流される電流値は大きくなる。このため、部位決定部250は、各部位において、電流値が高い期間を表す高電流期間に基づき、メンテナンス部位を決定してもよい。各部位における回転電機121、131の電流値は、例えば、作業装置100により各時刻(例えば10秒間隔)に測定される。作業装置100は、測定された電流値を含めた電力情報をメンテナンス管理装置200に出力する。
【0068】
この場合、部位決定部250は、図10に示すように、高電流期間に基づきメンテナンス部位を決定する高電流決定部251を備えてもよい。例えば、高電流決定部251は、最初に、作業装置100の電力情報に基づき、各部位において、各部位が稼働した期間に対する高電流期間の割合を高電流割合として決定する。例えば、高電流決定部251は、各部位が稼働した期間に測定された電流値の数に対して、高電流閾値より大きい電流値が測定された数の割合を高電流割合として決定する。
【0069】
例えば、高電流決定部251は、図11に示すように、各部位において、各部位が稼働しているときの各時刻に(例えば所定の間隔おきに)測定された電流値のヒストグラムを決定する。高電流決定部251は、各部位において、稼働しているときに測定された電流値の数、例えば図11に表されるすべての範囲の度数の合計を取得する。例えば、高電流決定部251は、各部位において、測定された電流値が「0」より大きいとき、各部位が稼働していると判定し、「0」より大きい電流値の数を、稼働しているときに測定された電流値の数として決定してもよい。続いて、高電流決定部251は、高電流閾値600より大きい電流値の数、例えば図11の高電流閾値600より大きい範囲610の度数の合計を取得する。高電流決定部251は、取得されたすべての電流値の数に対して、高電流閾値600より大きい電流値の数の割合を高電流割合として決定する。例えば、高電流決定部251は、高電流閾値600より大きい電流値の数をすべての電流値の数で除算して、高電流割合を算出する。なお、高電流割合は、作業装置100が稼働した期間に対する高電流期間の割合を表してもよい。また、高電流割合の決定に用いる電流値は、作業装置100により測定された各時刻の電流値に対する所定の期間の統計値、例えば平均値、中央値などを表してもよい。
【0070】
次に、高電流決定部251は、高電流割合が閾値(例えば10%)より大きい部位を表す高電流部位をメンテナンス部位として決定する。例えば、高電流決定部251は、メンテナンス時期に達していない部位を、高電流割合に応じて、メンテナンス部位として決定する。この場合、出力部280は、図8のステップS150において、メンテナンス部位のうち、高電流部位と、高電流部位以外のメンテナンス部位とを区別して表すメンテナンス情報を出力してもよい。例えば、端末300の表示部350は、図12に示すように、高電流部位を、他のメンテナンス部位と識別可能に表す高電流点検表示領域517を表示してもよい。例えば、高電流点検表示領域517は、対応する部位において、高負荷の割合が高いことを表す。また、表示部350は、高電流部位に対して、高電流点検表示領域517に加えて、メンテナンスの種類、例えば点検、交換などを表す対象表示領域515を表示してもよい。
【0071】
これにより、高電流決定部251は、累積電力量が基準電力量に達する前に、瞬間的な負荷が高い部位について、メンテナンスを推奨し得る。また、高電流決定部251を備える部位決定部250は、他の方法を用いて、メンテナンス時期に達していない部位を、高電流割合に応じて、メンテナンス部位として決定してもよい。例えば、部位決定部250は、図8のステップS120において、高電流割合に応じて各部位における累計電力量を補正した仮想電力量を決定し、決定した仮想電力量と基準電力量とを比較して、メンテナンス部位を決定してもよい。例えば、部位決定部250は、累計電力量に高電流割合を乗算した値を累計電力量に加えて、仮想電力量を決定する。部位決定部250は、決定された仮想電力量が基準電力量に達している部位をメンテナンス部位として決定する。また、部位決定部250は、高電流割合が高くなるほど基準電力量が小さくなるように、基準電力量を補正してもよい。また、部位決定部250は、各部位の稼働時間に基づきメンテナンス部位を決定するとき、各部位の稼働時間を高電流割合に応じて補正し、補正した稼働時間に基づきメンテナンス部位を決定してもよい。
【0072】
なお、高電流決定部251は、作業装置100の稼働時間が所定の時間以上であるときに高電流部位を決定し、稼働時間が所定の時間未満であるときに高電流部位を決定しなくてもよい。これにより、高電流決定部251は、作業装置100の稼働時間が小さいときに、高電流期間の割合が大きいために高電流部位として決定されることを低減することができる。高電流決定部251は、対応する部位の累計電力量または生涯電力量が所定の値以上であるときに高電流部位を決定し、累計電力量または生涯電力量が所定の値未満であるときに高電流部位を決定しなくてもよい。また、高電流決定部251は、対応する部位の稼働時間が所定の値以上であるときに高電流部位を決定し、稼働時間が所定の値未満であるときに高電流部位を決定しなくてもよい。
【0073】
また、高電流決定部251は、高電流が流されている割合に応じてユーザに異なる内容を報知するために、高電流割合を複数の閾値と比較して、各部位を分類してもよい。例えば、高電流決定部251は、高電流割合が第1閾値(例えば10%)より大きい部位を第1高電流部位として決定する。出力部280は、第1高電流部位について部品の点検を推奨することを表すメンテナンス情報を出力する。端末300の表示部350は、第1高電流部位について、当該部位の部品の点検を推奨することを表示する。高電流決定部251は、高電流割合が第1閾値(例えば10%)以下で、かつ、第2閾値(例えば5%)より大きい部位を第2高電流部位として決定する。出力部280は、第2高電流部位について部品の消耗を注意することを表すメンテナンス情報を出力する。端末300の表示部350は、第2高電流部位について、当該部位の部品の消耗に注意することを表示する。
【0074】
さらに、高電流決定部251は、決定された高電流部位について、負荷の大きい圃場をユーザに報知するために、各圃場における各部位が稼働している期間に対する高電流期間の割合の大きい圃場を負荷の大きい圃場として決定してもよい。例えば、高電流決定部251は、各圃場において、各部位が稼働している期間に対する高電流期間の割合を表す圃場割合が最も大きい圃場を高電流圃場として決定する。高電流決定部251は、圃場割合が閾値より大きい圃場を高電流圃場として決定してもよい。出力部280は、高電流部位に関連付けて高電流圃場を表すメンテナンス情報を出力する。端末300の表示部350は、図13に示すように、高電流部位に対して、負荷の大きい圃場を表す高負荷圃場表示領域518を表示する。これにより、ユーザは、負荷の大きい圃場を容易に把握することができる。ここで、高電流圃場に関連付けられた高電流部位を圃場対応部位とも呼ぶ。
【0075】
この場合、作業装置100は、各時刻における自機の位置を測定する測位装置、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機や量子コンパスなどを備え、各時刻における自機の位置を表す位置情報を含む電力情報をメンテナンス管理装置200に出力する。
【0076】
メンテナンス管理装置200の高電流決定部251は、電流値に関連付けられた位置情報に基づき、各電流値が測定されたときに作業が行われていた圃場を決定する。例えば、高電流決定部251は、電流値に関連付けられた位置を含む圃場を、その電流値が測定されたときに作業が行われていた圃場として決定する。高電流決定部251は、決定された圃場に関連付けられた電流値を抽出し、抽出された電流値のすべてのうち、高電流閾値600より大きい電流値の割合を、各圃場における圃場割合として決定する。各圃場に対して決定された圃場割合に基づき、高電流決定部251は、負荷の大きい圃場を決定する。なお、圃場割合は、各圃場において、作業装置100が稼働している期間に対する高電流期間の割合を表してもよい。
【0077】
圃場対応部位は、高電流部位に限定されず、各圃場における各部位が稼働している期間に対する高電流期間の割合の大きい部位を表してもよい。例えば、高電流決定部251は、作業装置100に設けられた回転電機121、131を含むすべての部位について、各圃場における各部位が稼働している期間に対する高電流期間の割合の大きい圃場対応部位を決定する。決定された圃場対応部位と、対応する圃場とが関連付けられたメンテナンス情報が出力部280から出力される。
【0078】
また、高電流決定部251は、図14に示すように、圃場700に設定された小領域710において、各部位が稼働された期間に対する高電流期間の割合を表す小領域割合を決定してもよい。小領域710は、任意の形状に形成され、互いの小領域710が接するように設けられている。例えば、小領域710は矩形に形成されている。小領域710は、任意の方向に並べられてよく、例えば緯線、経線に沿って並べられる。小領域710は、圃場700以外の領域を含むように並べられても、圃場700内を分割して圃場700内に収まるように設けられてもよい。
【0079】
この場合、高電流決定部251は、小領域710において、各部位が稼働した期間に測定された電流値の数に対して、高電流閾値600より大きい電流値が測定された数の割合を小領域割合として決定する。例えば、高電流決定部251は、小領域710に含まれる位置に対応する電流値を抽出する。高電流決定部251は、抽出された電流値のうち、各部位が稼働しているときの電流値の数、例えば「0」より大きい電流値の数を決定する。また、高電流決定部251は、抽出された電流値のうち、高電流閾値600より大きい電流値の数を決定する。高電流決定部251は、各部位が稼働しているときの電流値の数に対する高電流閾値600より大きい電流値の数の割合を小領域割合として決定する。
【0080】
決定された小領域割合は、小領域710を表す情報と関連付けてメンテナンス情報に含められ、出力部280より端末300に伝達される。端末300の表示部350は、小領域710における小領域割合を表す画像を表示する。例えば、表示部350は、図14に示すように、地図上に小領域割合に応じた表示形式、例えば色彩、ハッチングの種類などで表した小領域710を表示する。例えば、図14に示すように、小領域710は、小領域割合を複数の閾値で複数の区分に分類し、分類された区分に応じた表示形式で表される。図14の例は、第1小領域710-1の小領域割合は、第2小領域710-2の小領域割合より低いことを表す。また、第3小領域710-3の小領域割合は、他の小領域710の小領域割合より高いことを表す。これにより、ユーザは、圃場700において、負荷の大きい領域と、負荷の小さい領域とを容易に把握することができる。なお、小領域割合は、各小領域710において、作業装置100が稼働している期間に対する高電流期間の割合を表してもよい。
【0081】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、メンテナンス管理装置200の処理は、すべてまたは一部が端末300で実行されてもよい。また、端末300の処理は、すべてがメンテナンス管理装置200で実行されてもよい。また、端末300は、作業装置100に組み込まれてもよい。メンテナンス管理プログラム430は、表示プログラム440を含んでもよい。
【0082】
例えば、メンテナンス管理システム1000は、図9に示すメンテナンス画像500に表される各情報のうちの一部をユーザに報知しないとき、一部の機能を省略してもよい。例えば、メンテナンス管理システム1000は、ユーザに次にメンテナンスを行うべき基準電力量に達する稼働時間を表す残時間を報知しなくてもよい。例えば、メンテナンス管理装置200の時間決定部270は省略されてもよい。また、メンテナンス管理システム1000は、ユーザに負荷率を報知しなくてもよい。例えば、メンテナンス管理装置200の負荷率決定部260は省略されてもよい。また、メンテナンス管理システム1000は、作業装置100の稼働時間、または/および、各部位における稼働時間をユーザに報知しなくてもよい。
【0083】
また、メンテナンス管理システム1000は、一部の情報をユーザに報知しないとき、稼働履歴データ420に表される一部の情報、または/および、電力情報に含まれる一部の情報を省略してもよい。例えば、メンテナンス管理システム1000がユーザに残時間と、各部位において過去に稼働した時間とを報知しないとき、稼働履歴データ420は各部位の生涯稼働時間を表さなくてもよい。この場合、電力情報には、各部位における稼働時間が含まれなくてもよい。また、メンテナンス管理システム1000がユーザに各部位における生涯電力量を報知しないとき、稼働履歴データ420は、生涯電力量を表さなくてもよい。
【0084】
また、図1に示すメンテナンス管理システム1000は、端末300を含まず、外部の端末にメンテナンス情報を出力してもよい。この場合、外部の端末は、メンテナンス情報を表示して、ユーザに報知する。
【0085】
また、メンテナンス管理システム1000は、作業装置100を含まず、外部の作業装置100から電力情報を取得してもよい。
【0086】
(付記)
各実施の形態で記載したメンテナンス管理方法と、メンテナンス管理システムと、メンテナンス管理プログラムとは以下のように言うことができる。
【0087】
第1の態様に係るメンテナンス管理方法は、
圃場で作業を行う作業装置に設けられた回転電機を含む部位における電力量に基づき、前記部位のうち、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することと、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することと、
を含み、
前記部位は、前記回転電機の回転子が回転するときに稼働する部品を含む。
【0088】
第2の態様に係るメンテナンス管理方法は、第1の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記部位に含まれる回転電機は1つである。
【0089】
第3の態様に係るメンテナンス管理方法は、第1または第2の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記部位における電力量の累計を表す累計電力量に基づき、前記メンテナンス部位を決定すること
を含む。
【0090】
第4の態様に係るメンテナンス管理方法は、第3の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記累計電力量が基準電力量に達した部位を前記メンテナンス部位として決定すること
を含む。
【0091】
第5の態様に係るメンテナンス管理方法は、第4の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記基準電力量は、点検電力量と、交換電力量とを含み、
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記累計電力量が前記点検電力量に達した前記メンテナンス部位を、点検を行う点検部位として決定することと、
前記累計電力量が前記交換電力量に達した前記メンテナンス部位を、交換を行う交換部位として決定することと、
を含み、
前記メンテナンス情報は、前記点検部位と、前記交換部位とを識別可能に表す。
【0092】
第6の態様に係るメンテナンス管理方法は、第4または第5の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記部位において、前記累計電力量が前記基準電力量に達するまでの残時間を決定することを含み、
前記メンテナンス情報は、前記残時間を表す情報を含む。
【0093】
第7の態様に係るメンテナンス管理方法は、第6の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記部位において、前記残時間を決定することは、
前記累計電力量に基づき、単位時間あたりの電力量を決定すること
を含む。
【0094】
第8の態様に係るメンテナンス管理方法は、第7の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記単位時間あたりの電力量に基づき、前記残時間を決定することは、
前記単位時間あたりの電力量と、前記累計電力量に対する前記作業装置が稼働した時間とに基づき、前記残時間を決定すること
を含む。
【0095】
第9の態様に係るメンテナンス管理方法は、第6の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記稼働不可期間を前記作業計画データに登録することは、
前記残時間を決定することは、
前記メンテナンス部位における定格電力に基づき、前記残時間を決定すること
を含む。
【0096】
第10の態様に係るメンテナンス管理方法は、第1または第2の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記部位において、単位時間あたりに発電する電力量に基づき、前記メンテナンス部位を決定すること
を含む。
【0097】
第11の態様に係るメンテナンス管理方法は、第1から第10のいずれか1つの態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記メンテナンス部位を決定することは、
前記部位における電流値に基づき、高電流が流されている部位を表す高電流部位を前記メンテナンス部位として決定すること
を含む。
【0098】
第12の態様に係るメンテナンス管理方法は、第11の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記高電流部位を決定することは、
前記部位における電流値が高電流閾値を越えた高電流期間に基づき、前記高電流部位を決定すること
を含む。
【0099】
第13の態様に係るメンテナンス管理方法は、第12の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記高電流期間に基づき前記高電流部位を決定することは、
前記部位が稼働した期間のうち、前記高電流期間が占める割合が第1閾値より大きい部位を前記高電流部位として決定すること
を含む。
【0100】
第14の態様に係るメンテナンス管理方法は、第12または第13の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記高電流部位を決定することは、
前記作業装置が作業を行った前記圃場のそれぞれにおいて、高電流が流れている部位を表す圃場対応部位を前記高電流部位として決定することを含み、
前記メンテナンス情報は、前記圃場対応部位と、前記圃場対応部位に対応する前記圃場とを関連付けて表す。
【0101】
第15の態様に係るメンテナンス管理方法は、第11から第14のいずれか1つの態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記メンテナンス情報は、前記高電流部位と、前記高電流部位以外の前記メンテナンス部位とを区別して表す。
【0102】
第16の態様に係るメンテナンス管理方法は、第1から第15のいずれか1つの態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記圃場に設けられた小領域において、前記部位における電流値が高電流閾値を越えた高電流期間の割合を表す小領域割合を決定することをさらに含み、
前記メンテナンス情報は、前記小領域の情報に関連付けた前記小領域割合を表す。
【0103】
第17の態様に係るメンテナンス管理方法は、
圃場で作業を行う作業装置に設けられた回転電機を含む部位における電流値が高電流閾値を越えた高電流期間に基づき、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することと、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することと、
を含む。
【0104】
第18の態様に係るメンテナンス管理方法は、第17の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記作業装置が稼働した期間のうち、高電流期間が占める割合に応じて、メンテナンス時期に達していない部位を前記メンテナンス部位として決定すること
を含み、
前記高電流期間は、前記部位における前記電流値が高電流閾値を越える期間を表す。
【0105】
第19の態様に係るメンテナンス管理方法は、第1から第18のいずれか1つの態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記メンテナンス情報を表示することをさらに含む。
【0106】
第20の態様に係るメンテナンス管理システムは、
圃場で作業を行う作業装置に含まれる部位における電力量に基づき、前記部位のうち、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定する部位決定部と、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力する出力部と、
を備える。
【0107】
第21の態様に係るメンテナンス管理システムは、
圃場で作業を行う作業装置に設けられた回転電機を含む部位における電流値に基づき、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定する部位決定部と、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力する出力部と、
を備える。
【0108】
第22の態様に係るメンテナンス管理プログラムは、
圃場で作業を行う作業装置に含まれる部位における電力量に基づき、前記部位のうち、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することと、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することと、
を演算装置に実行させる。
【0109】
第23の態様に係るメンテナンス管理プログラムは、
圃場で作業を行う作業装置に設けられた回転電機を含む部位における電流値に基づき、メンテナンスの対象となるメンテナンス部位を決定することと、
前記メンテナンス部位を表すメンテナンス情報を出力することと、
を演算装置に実行させる。
【符号の説明】
【0110】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
100 :作業装置
110 :植付装置
120 :植付ユニット
121 :回転電機
122 :植付アーム
123 :植付軸
124 :回転子
125 :ケース
130 :横送りユニット
131 :回転電機
132 :横送り軸
133 :回転子
134 :ベアリング
140 :苗のせ台
200 :メンテナンス管理装置
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :部位決定部
251 :高電流決定部
260 :負荷率決定部
270 :時間決定部
280 :出力部
300 :端末
310 :入出力装置
320 :演算装置
330 :通信装置
340 :記憶装置
350 :表示部
410 :メンテナンスデータ
420 :稼働履歴データ
430 :メンテナンス管理プログラム
440 :表示プログラム
500 :メンテナンス画像
501 :型式表示領域
502 :稼働時間表示領域
511 :ユニット稼働時間表示領域
512 :累計電力量表示領域
513 :生涯電力量表示領域
514 :負荷率表示領域
515 :対象表示領域
516 :残時間表示領域
517 :高電流点検表示領域
518 :高負荷圃場表示領域
600 :高電流閾値
610 :範囲
700 :圃場
710 :小領域
1000 :メンテナンス管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14