(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132840
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】表示装置および表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240920BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240920BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240920BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/30 348A
G09F9/00 338
H01L29/78 612Z
H01L29/78 617V
H01L29/78 618B
H01L29/78 617T
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023196155
(22)【出願日】2023-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0035165
(32)【優先日】2023-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ドン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ウイ ヨン
【テーマコード(参考)】
5C094
5F110
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA31
5C094BA03
5C094BA27
5C094DA13
5C094DA15
5C094FA04
5C094FB05
5C094FB14
5C094FB15
5C094JA01
5C094JA20
5F110AA14
5F110BB01
5F110CC02
5F110DD01
5F110EE02
5F110EE03
5F110EE04
5F110EE06
5F110FF02
5F110FF03
5F110FF04
5F110FF05
5F110FF30
5F110GG01
5F110HL02
5F110HL03
5F110HL04
5F110HL06
5F110HL11
5F110HM18
5F110NN03
5F110NN04
5F110NN05
5F110NN23
5F110NN24
5F110NN71
5F110NN72
5F110NN77
5F110NN78
5G435AA14
5G435BB05
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】表示装置および表示装置の製造方法が提供される。
【解決手段】表示装置は、基板と、前記基板上に配置され、第1トランジスタを含む回路層と、前記回路層上に配置され、前記第1トランジスタと連結される発光素子と、を含み、前記第1トランジスタは、第1アクティブ領域と、前記第1アクティブ領域の一側および他側にそれぞれ配置される第1ドレイン電極および第1ソース電極と、前記第1アクティブ領域上に配置されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配置される酸素提供膜と、前記酸素提供膜上に配置される第1ゲート電極と、を含み、前記酸素提供膜は前記ゲート絶縁膜より高い酸素比率を有する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置され、第1トランジスタを含む回路層と、
前記回路層上に配置され、前記第1トランジスタと連結される発光素子と、を含み、
前記第1トランジスタは、
第1アクティブ領域と、
前記第1アクティブ領域の一側および他側にそれぞれ配置される第1ドレイン電極および第1ソース電極と、
前記第1アクティブ領域上に配置されるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に配置される酸素提供膜と、
前記酸素提供膜上に配置される第1ゲート電極と、を含み、
前記酸素提供膜は前記ゲート絶縁膜より高い酸素比率を有する、表示装置。
【請求項2】
前記第1トランジスタで前記酸素提供膜は前記アクティブ領域と重なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記アクティブ領域は前記酸素提供膜の下部に配置される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記酸素提供膜は前記ゲート絶縁膜と直接接触し、前記ゲート絶縁膜は前記アクティブ領域と直接接触する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記酸素提供膜は前記ゲート絶縁膜を間に置いて前記アクティブ領域と離隔して配置される、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記酸素提供膜の酸素放出量は前記ゲート絶縁膜の酸素放出量より大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記酸素提供膜の酸素放出量は前記ゲート絶縁膜の酸素放出量の3倍以上である、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
昇温脱離ガス分析(TDS分析)において、60℃/minの昇温条件および50℃以上1200℃以下の温度範囲で放出される前記酸素提供膜の総酸素放出量は2.5×1014molecules/cm2以上である、請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記ゲート絶縁膜および前記酸素提供膜はシリコン酸化物(SiOx)を含み、
前記ゲート絶縁膜のO/Si比率は1.83より小さく、
前記酸素提供膜のO/Si比率は1.83以上である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記酸素提供膜の厚さは前記ゲート絶縁膜の厚さの2倍以上5倍以下である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記酸素提供膜の厚さは20nm以上50nm以下である、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記酸素提供膜は上面に凹凸を含み、
前記凹凸の最大の高さの差は2nm未満である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記アクティブ領域はITGZO系、ITGO系、およびIGO系酸化物半導体のうち少なくともいずれか一つを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記回路層は第2トランジスタおよび第3トランジスタをさらに含み、
前記第2トランジスタは、
第2アクティブ領域と、
前記第2アクティブ領域の一側および他側にそれぞれ配置される第2ドレイン電極および第2ソース電極と、
前記第2アクティブ領域上に配置される前記ゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に配置される第2ゲート電極と、を含み、
前記第3トランジスタは、
第3アクティブ領域と、
前記第3アクティブ領域の一側および他側にそれぞれ配置される第3ドレイン電極および第3ソース電極と、
前記第3アクティブ領域上に配置されるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に配置される第3ゲート電極と、を含み、
前記第2トランジスタおよび前記第3トランジスタのうち少なくともいずれか一つは、前記ゲート絶縁膜上に配置される前記酸素提供膜を含まない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、および前記第3トランジスタのうちいずれか一つは前記発光素子を駆動する駆動トランジスタであり、残りの二つは前記駆動トランジスタおよび前記発光素子に流れる電流を制御するためのスイッチングトランジスタである、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
基板上にアクティブ層を形成する段階と、
前記アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上に酸素提供膜を形成する段階と、
前記酸素提供膜上に金属層を形成する段階と、を含み、
前記ゲート絶縁膜を形成する段階は、
第1ガスおよび第2ガスを反応ガスとして蒸着工程を行う段階を含み、
前記酸素提供膜を形成する段階は、
前記第1ガスおよび前記第2ガスを反応ガスとして蒸着工程を行う段階を含み、
前記第1ガスはシラン(SiH4)ガスであり、前記第2ガスは亜酸化窒素(N2O)ガスであり、
前記酸素提供膜を形成する段階での前記第2ガスの流量に対する前記第1ガスの流量の比率は、前記ゲート絶縁膜を形成する段階での前記第2ガスの流量に対する前記第1ガスの流量の比率より小さい、表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記酸素提供膜を形成する段階での前記第2ガスの流量に対する前記第1ガスの流量の比率は1:55以下である、請求項16に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記ゲート絶縁膜および前記酸素提供膜はシリコン酸化物(SiOx)を含み、
前記ゲート絶縁膜のO/Si比率は1.83より小さく、
前記酸素提供膜のO/Si比率は1.83以上である、請求項16に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
基板上にアクティブ層を形成する段階と、
前記アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上に金属層を形成する段階と、を含み、
前記ゲート絶縁膜を形成する段階は、
第1ガスおよび第2ガスを反応ガスとして蒸着工程を行う段階と、
第3ガスを反応ガスとしてプラズマ処理工程を行う段階と、を含み、
前記第1ガスはシラン(SiH4)ガスであり、前記第2ガスは亜酸化窒素(N2O)ガスであり、
前記第3ガスは亜酸化窒素(N2O)ガスおよび酸素(O2)ガスのうち少なくともいずれか一つを含む、表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記蒸着工程を行う段階はPECVD工程により行われ、
前記蒸着工程の前記PECVD工程でのプラズマのエネルギの大きさは、前記プラズマ処理工程でのプラズマのエネルギの大きさより大きく、
前記蒸着工程の前記第2ガスの流量は、前記プラズマ処理工程の前記第3ガスの流量より小さい、請求項19に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置および表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会の発展に伴い、映像を表示するための表示装置に対する要求が多様な形態に増加している。表示装置は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、電界放出表示装置(Field Emission Display)、発光表示パネル(Light Emitting Display)などのような平板表示装置であり得る。発光表示装置は、発光素子として有機発光ダイオード素子を含む有機発光表示装置、または発光素子としてLED(Light Emitting Diode)のような無機発光ダイオード素子を含む発光ダイオード表示装置を含むことができる。
【0003】
薄膜トランジスタ(thin film transistor)は、ガラス基板やプラスチック基板上に製造され得るため、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device)または有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display Device)などのような表示装置のスイッチング素子として広く使われている。
【0004】
薄膜トランジスタは、アクティブ層を構成する物質を基準として、非晶質シリコンがアクティブ層として使用される非晶質シリコン薄膜トランジスタ、多結晶シリコンがアクティブ層として使用される多結晶シリコン薄膜トランジスタ、および酸化物半導体がアクティブ層として使用される酸化物半導体薄膜トランジスタに区分することができる。
【0005】
その中で、酸化物半導体薄膜トランジスタ(Oxide semiconductor TFT)は、比較的低い温度でアクティブ層を構成する酸化物が成膜でき、高い移動度(mobility)を有し、酸素の含有量に応じて大きな抵抗変化を有するため、所望の物性が容易に得られるという長所がある。また、酸化物の特性上、酸化物半導体は透明であるため、透明ディスプレイを実現するのに有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、アクティブ層の半導体素子の特性に関する信頼性が向上したトランジスタを含む表示装置および表示装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明が解決しようとする他の課題は、高い移動度を有する酸化物半導体を含むトランジスタを含む表示装置および表示装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置は、基板と、前記基板上に配置され、第1トランジスタを含む回路層と、前記回路層上に配置され、前記第1トランジスタと連結される発光素子と、を含み、前記第1トランジスタは、第1アクティブ領域と、前記第1アクティブ領域の一側および他側にそれぞれ配置される第1ドレイン電極および第1ソース電極と、前記第1アクティブ領域上に配置されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配置される酸素提供膜と、前記酸素提供膜上に配置される第1ゲート電極と、を含み、前記酸素提供膜は前記ゲート絶縁膜より高い酸素比率を有する。
【0010】
前記第1トランジスタで前記酸素提供膜は前記アクティブ領域と重なってもよい。
【0011】
前記アクティブ領域は前記酸素提供膜の下部に配置され得る。
【0012】
前記酸素提供膜は前記ゲート絶縁膜と直接接触し、前記ゲート絶縁膜は前記アクティブ領域と直接接触し得る。
【0013】
前記酸素提供膜は前記ゲート絶縁膜を間に置いて前記アクティブ領域と離隔して配置され得る。
【0014】
前記酸素提供膜の酸素放出量は前記ゲート絶縁膜の酸素放出量より大きくてもよい。
【0015】
前記酸素提供膜の酸素放出量は前記ゲート絶縁膜の酸素放出量の3倍以上であり得る。
【0016】
昇温脱離ガス分析(TDS分析)において、60℃/minの昇温条件および50℃以上1200℃以下の温度範囲で放出される前記酸素提供膜の総酸素放出量は2.5×1014molecules/cm2以上であり得る。
【0017】
前記ゲート絶縁膜および前記酸素提供膜はシリコン酸化物(SiOx)を含み、前記ゲート絶縁膜のO/Si比率は1.83より小さく、前記酸素提供膜のO/Si比率は1.83以上であり得る。
【0018】
前記酸素提供膜の厚さは前記ゲート絶縁膜の厚さの2倍以上5倍以下であり得る。
【0019】
前記酸素提供膜の厚さは20nm以上50nm以下であり得る。
【0020】
前記酸素提供膜は上面に凹凸を含み、前記凹凸の最大の高さの差は2nm未満であり得る。
【0021】
前記アクティブ領域はITGZO系、ITGO系、およびIGO系酸化物半導体のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0022】
前記回路層は第2トランジスタおよび第3トランジスタをさらに含み、前記第2トランジスタは、第2アクティブ領域と、前記第2アクティブ領域の一側および他側にそれぞれ配置される第2ドレイン電極および第2ソース電極と、前記第2アクティブ領域上に配置される前記ゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配置される第2ゲート電極と、を含み、前記第3トランジスタは、第3アクティブ領域と、前記第3アクティブ領域の一側および他側にそれぞれ配置される第3ドレイン電極および第3ソース電極と、前記第3アクティブ領域上に配置されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配置される第3ゲート電極と、を含み、前記第2トランジスタおよび前記第3トランジスタのうち少なくともいずれか一つは、前記ゲート絶縁膜上に配置される前記酸素提供膜を含まなくてもよい。
【0023】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、および前記第3トランジスタのうちいずれか一つは前記発光素子を駆動する駆動トランジスタであり、残りの二つは前記駆動トランジスタおよび前記発光素子に流れる電流を制御するためのスイッチングトランジスタであり得る。
【0024】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置の製造方法は、基板上にアクティブ層を形成する段階と、前記アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する段階と、前記ゲート絶縁膜上に酸素提供膜を形成する段階と、前記酸素提供膜上に金属層を形成する段階と、を含み、前記ゲート絶縁膜を形成する段階は、第1ガスおよび第2ガスを反応ガスとして蒸着工程を行う段階を含み、前記酸素提供膜を形成する段階は、前記第1ガスおよび前記第2ガスを反応ガスとして蒸着工程を行う段階を含み、前記第1ガスはシラン(SiH4)ガスであり、前記第2ガスは亜酸化窒素(N2O)ガスであり、前記酸素提供膜を形成する段階での前記第2ガスの流量に対する前記第1ガスの流量の比率は、前記ゲート絶縁膜を形成する段階での前記第2ガスの流量に対する前記第1ガスの流量の比率より小さい。
【0025】
前記酸素提供膜を形成する段階での前記第2ガスの流量に対する前記第1ガスの流量の比率は1:55以下であり得る。
【0026】
前記ゲート絶縁膜および前記酸素提供膜はシリコン酸化物(SiOx)を含み、前記ゲート絶縁膜のO/Si比率は1.83より小さく、前記酸素提供膜のO/Si比率は1.83以上であり得る。
【0027】
前記課題を解決するための他の実施形態による表示装置の製造方法は、基板上にアクティブ層を形成する段階と、前記アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する段階と、前記ゲート絶縁膜上に金属層を形成する段階と、を含み、前記ゲート絶縁膜を形成する段階は、第1ガスおよび第2ガスを反応ガスとして蒸着工程を行う段階と、第3ガスを反応ガスとしてプラズマ処理工程を行う段階と、を含み、前記第1ガスはシラン(SiH4)ガスであり、前記第2ガスは亜酸化窒素(N2O)ガスであり、前記第3ガスは亜酸化窒素(N2O)ガスおよび酸素(O2)ガスのうち少なくともいずれか一つを含む。
【0028】
前記蒸着工程を行う段階はPECVD工程により行われ、前記蒸着工程の前記PECVD工程でのプラズマのエネルギの大きさは、前記プラズマ処理工程でのプラズマのエネルギの大きさより大きく、前記蒸着工程の前記第2ガスの流量は、前記プラズマ処理工程の前記第3ガスの流量より小さくてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一実施形態による表示装置および表示装置の製造方法によれば、アクティブ層の半導体素子の特性に関する信頼性が向上したトランジスタを含むことができる。
【0030】
本発明の一実施形態による表示装置および表示装置の製造方法によれば、高い移動度を有する酸化物半導体を含むトランジスタを含むことができる。
【0031】
実施形態による効果は、以上で例示した内容によって制限されず、より一層多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】一実施形態による表示装置を示す概略的な斜視図である。
【
図2】
図1のI-I’に沿って切断した表示装置の概略的な断面図である。
【
図3】一実施形態による表示基板およびその他部品を示す平面図である。
【
図4】一実施形態による表示装置の画素およびラインを示す図である。
【
図5】一実施形態による表示基板の表示領域を概略的に示す平面図である。
【
図6】一実施形態による色変換基板の表示領域を概略的に示す平面図である。
【
図7】
図5および
図6のII-II’に沿って切断した表示装置の断面図である。
【
図8】一実施形態による表示装置の画素を示す回路図である。
【
図9】一実施形態による表示装置の薄膜トランジスタ層を示すレイアウト図である。
【
図10】
図9のIII-III’に沿って切断した断面図である。
【
図11】
図9のIV-IV’に沿って切断した断面図である。
【
図12】一実施形態によるゲート絶縁膜および酸素提供膜を示す断面図である。
【
図13】一実施形態によるゲート絶縁膜と酸素提供膜の温度に応じた酸素放出量を比較したグラフである。
【
図14】一実施形態によるゲート絶縁膜と酸素提供膜の総酸素放出量を比較したグラフである。
【
図15】他の実施形態による表示装置の断面図である。
【
図16】他の実施形態による表示装置の断面図である。
【
図17】一実施形態による表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図18】一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図19】一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図20】一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図21】一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図22】一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図23】一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図24】一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図25】一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図26】一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図27】一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図28】他の実施形態による表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図30】他の実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図31】他の実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図32】他の実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図33】他の実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図34】他の実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図35】他の実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現されることができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
【0034】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と称される場合は、他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。これと同様に、「下」、「左」および「右」と称される場合は、他の素子とすぐ隣に介在した場合または中間に他の層または他の素材を介在した場合をすべて含む。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0035】
以下、添付する図面を参照して具体的な実施形態について説明する。
【0036】
図1は一実施形態による表示装置を示す概略的な斜視図である。
図2は
図1のI-I’に沿って切断した表示装置の概略的な断面図である。
【0037】
図1および
図2を参照すると、表示装置1はタブレットPC、スマートフォン、自動車ナビゲーションユニット、カメラ、自動車に提供される中央情報ディスプレイ(center information display,CID)、腕時計型電子機器、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable Multimedia Player)、ゲーム機のような中小型電子装備、テレビ、外部広告板、モニタ、パーソナルコンピュータ、ノートブックコンピュータのような中大型電子装備など多様な電子機器に適用することができる。これは単に実施形態として提示されたものであり、本発明の概念から逸脱しない限り他の電子機器に採用することもできる。
【0038】
一実施形態で表示装置1は平面上で長方形形状からなる。表示装置1は、第1方向DR1に延びた二つの長辺と第1方向DR1と交差する第2方向DR2に延びた二つの短辺を含み得る。表示装置1の前記長辺と前記短辺が交わるコーナは直角であり得るが、これに限定されず、曲面をなすこともできる。他の実施形態で、前記長辺は第2方向DR2に延び、前記短辺は第1方向DR1に延びることもできる。表示装置1の平面形状は例示に限定されず、円形やその他異なる形状を適用することもできる。
【0039】
図示された図面において第1方向DR1と第2方向DR2はそれぞれ水平方向であって互いに交差する。例えば、第1方向DR1と第2方向DR2は相互直交し得る。また、第3方向DR3は第1方向DR1および第2方向DR2に対して交差し、例えば直交する垂直方向であり得る。他に定義しない限り、本明細書における第1ないし第3方向DR1,DR2,DR3の矢印が指す方向を一側、その逆方向を他側と称する。また、本明細書における「上」、「上側」、「上部」、「トップ」、「上面」は図面を基準として第3方向DR3のうち図面の矢印が向かう方向を意味し、「下」、「下側」、「下部」、「ボトム」、「下面」は図面を基準として第3方向DR3の矢印が向かう方向の逆方向を意味するものとする。
【0040】
表示装置1は映像を表示する表示領域DAおよび映像を表示しない非表示領域NDAを含み得る。一実施形態で非表示領域NDAは表示領域DAの周辺に位置し、表示領域DAを囲み得る。
【0041】
表示装置1の概略的な積層構造を説明すると、一実施形態で表示装置1は、表示基板100、表示基板100と対向する色変換基板200を含み、表示基板100と色変換基板200を結合するシーリング部400、および表示基板100と色変換基板200の間に満たされた充填材300をさらに含むことができる。
【0042】
表示基板100は、映像を表示するための素子および回路、例えばスイッチング素子などのような画素回路、表示領域DAに後述する発光領域および非発光領域を定義する画素定義膜および自発光素子(self-light emitting element)を含み得る。一実施形態で前記自発光素子は、有機発光素子(Organic Light Emitting Diode)、量子ドット発光素子(Quantum dot Light Emitting Diode)、無機物基盤のマイクロ発光ダイオード(例えば、Micro LED)、無機物基盤のナノ発光ダイオード(例えば、nano LED)の少なくとも一つを含むことができる。以下では説明の便宜のために前記自発光素子が有機発光素子である場合を例として説明する。
【0043】
色変換基板200は表示基板100上に位置して表示基板100と対向する。一実施形態で色変換基板200は、入射光の色を変換する色変換パターンを含み得る。一実施形態で前記色変換パターンは、カラーフィルタと波長変換パターンのうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0044】
非表示領域NDAで表示基板100と色変換基板200の間にはシーリング部400が位置する。シーリング部400は非表示領域NDAで表示基板100と色変換基板200の縁に沿って配置されて平面上で表示領域DAを囲む。表示基板100と色変換基板200はシーリング部400を媒介として相互結合される。
【0045】
一実施形態でシーリング部400は有機物質からなる。例えばシーリング部400はエポキシ系レジンからなり得るが、これに限定されるものではない。
【0046】
シーリング部400により囲まれた表示基板100と色変換基板200の間の空間には充填材300が位置する。充填材300は表示基板100と色変換基板200の間を埋める。
【0047】
一実施形態で充填材300は光を透過できる材質からなる。一実施形態で充填材300は有機物質からなる。例えば、充填材300はシリコン系有機物質、エポキシ系有機物質などからなるが、これに限定されるものではない。他の実施形態では充填材300を省略することもできる。
【0048】
図3は一実施形態による表示基板およびその他部品を示す平面図である。
【0049】
図3を参照すると、表示装置1は、表示基板100、フレキシブルフィルム510、表示駆動部520、回路ボード530、タイミング制御部540、電源供給部550、およびゲート駆動部560を含み得る。
【0050】
表示基板100は平面上で長方形形状からなる。例えば、表示基板100は第1方向DR1の長辺と第2方向DR2の短辺を有する長方形の平面形状を有することができる。第1方向DR1の長辺と第2方向DR2の短辺が交わるコーナは直角に形成されるか、所定の曲率を有するように丸く形成されることができる。表示基板100の平面形状は長方形に限定されず、他の多角形、円形または楕円形に形成されることができる。例えば、表示基板100は平坦に形成されるが、これに限られない。他の例としては、表示基板100は所定の曲率で曲がるように形成されることができる。
【0051】
表示基板100は表示領域DAと非表示領域NDAを含み得る。
【0052】
表示領域DAは映像を表示する領域であって、表示基板100の中央領域として定義される。表示領域DAは画素SP、ゲート線GL、データ線DL、初期化電圧線VIL、第1電圧線VDL、水平電圧線HVDL、垂直電圧線VVSL、および第2電圧線VSLを含み得る。画素SPはデータ線DLとゲート線GLによって交差する画素領域ごとに形成され得る。画素SPは第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3を含み得る。第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれはゲート線GLおよびデータ線DLに接続され得る。第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれは光を出力する最小単位の領域として定義される。
【0053】
第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれは有機発光層を含む有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)、量子ドット発光層を含む量子ドット発光素子(Quantum Dot LED)、超小型発光ダイオード(Micro LED)、または無機半導体を含む無機発光ダイオード(Inorganic LED)を含み得る。
【0054】
第1画素SP1は第1色の光または赤色光を放出し、第2画素SP2は第2色の光または緑色光を放出し、第3画素SP3は第3色の光または青色光を放出し得る。第2画素SP2の画素回路、第1画素SP1の画素回路、および第3画素SP3の画素回路は第2方向DR2の逆方向に配列できるが、画素回路の順序はこれに限られない。
【0055】
ゲート線GLは第1ゲート線GL1および第2ゲート線GL2を含み得る。第1ゲート線GL1は第1方向DR1に延び、第2方向DR2に互いに離隔し得る。第1ゲート線GL1はゲート駆動部560から第1ゲート信号を受信して第1補助ゲート線BGL1に第1ゲート信号を供給し得る。第1補助ゲート線BGL1は第1ゲート線GL1から延びて第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3に第1ゲート信号を供給し得る。
【0056】
第2ゲート線GL2は第1方向DR1に延び、第2方向DR2に互いに離隔し得る。第2ゲート線GL2はゲート駆動部560から第2ゲート信号を受信して第2補助ゲート線BGL2に第2ゲート信号を供給し得る。第2補助ゲート線BGL2は第2ゲート線GL2から延びて第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3に第2ゲート信号を供給し得る。
【0057】
データ線DLは第2方向DR2に延び、第1方向DR1に互いに離隔し得る。データ線DLは第1ないし第3データ線DL1,DL2,DL3を含み得る。第1ないし第3データ線DL1,DL2,DL3それぞれは第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれにデータ電圧を供給し得る。
【0058】
初期化電圧線VILは第2方向DR2に延び、第1方向DR1に互いに離隔し得る。初期化電圧線VILは表示駆動部520から受信された初期化電圧を第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの画素回路に供給し得る。初期化電圧線VILは第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの画素回路からセンシング信号を受信して表示駆動部520に供給し得る。
【0059】
第1電圧線VDLは第2方向DR2に延び、第1方向DR1に互いに離隔し得る。第1電圧線VDLは電源供給部550から受信された駆動電圧または高電位電圧を第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3に供給し得る。
【0060】
水平電圧線HVDLは第1方向DR1に延び、第2方向DR2に互いに離隔し得る。水平電圧線HVDLは第1電圧線VDLに接続され得る。水平電圧線HVDLは第1電圧線VDLから駆動電圧または高電位電圧を受信し得る。
【0061】
垂直電圧線VVSLは第2方向DR2に延び、第1方向DR1に互いに離隔し得る。垂直電圧線VVSLは第2電圧線VSLに接続され得る。垂直電圧線VVSLは電源供給部550から受信された低電位電圧を第2電圧線VSLに供給し得る。
【0062】
第2電圧線VSLは第1方向DR1に延び、第2方向DR2に互いに離隔し得る。第2電圧線VSLは第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3に低電位電圧を供給し得る。
【0063】
画素SP、ゲート線GL、データ線DL、初期化電圧線VIL、第1電圧線VDL、水平電圧線HVDL、垂直電圧線VVSL、および第2電圧線VSLの接続関係は画素SPの個数および配列に応じて設計変更することができる。
【0064】
非表示領域NDAは表示基板100で表示領域DAを除いた残り領域として定義される。例えば、非表示領域NDAはデータ線DL、初期化電圧線VIL、第1電圧線VDL、および垂直電圧線VVSLと表示駆動部520を連結するファンアウトライン、ゲート駆動部560、およびフレキシブルフィルム510と接続されるパッド部(図示せず)を含み得る。
【0065】
フレキシブルフィルム510は非表示領域NDAの下側に配置されたパッド部に接続され得る。フレキシブルフィルム510の一側に設けられた入力端子はフィルム貼着工程により回路ボード530に貼着し得、フレキシブルフィルム510の他側に設けられた出力端子はフィルム貼着工程によりパッド部に貼着し得る。例えば、フレキシブルフィルム510はテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package)またはチップオンフィルム(Chip on Film)のように曲がることができる。フレキシブルフィルム510は表示装置1のベゼル領域を減少させるために表示基板100の下部にベンディングされ得る。
【0066】
表示駆動部520はフレキシブルフィルム510上に実装する。例えば、表示駆動部520は集積回路(IC)として実現することができる。表示駆動部520はタイミング制御部540からデジタルビデオデータおよびデータ制御信号を受信し、データ制御信号に応じてデジタルビデオデータをアナログデータ電圧に変換してファンアウトラインを介してデータ線DLに供給し得る。
【0067】
回路ボード530はタイミング制御部540および電源供給部550を支持し、信号および電源を表示駆動部520に供給し得る。例えば、回路ボード530は各画素に映像を表示するためにタイミング制御部540から供給される信号と電源供給部550から供給される電源電圧をフレキシブルフィルム510および表示駆動部520に供給し得る。このため、信号ラインと電源ラインが回路ボード530上に設けられる。
【0068】
タイミング制御部540は回路ボード530上に実装し、回路ボード530上に設けられたユーザコネクタを介して表示駆動システムまたはグラフィック装置から供給される映像データとタイミング同期信号を受信し得る。タイミング制御部540はタイミング同期信号に基づいて映像データを画素配置構造に合わせて整列してデジタルビデオデータを生成でき、生成されたデジタルビデオデータを表示駆動部520に供給し得る。タイミング制御部540はタイミング同期信号に基づいてデータ制御信号とゲート制御信号を生成し得る。タイミング制御部540はデータ制御信号に基づいて表示駆動部520のデータ電圧の供給タイミングを制御し、ゲート制御信号に基づいてゲート駆動部560のゲート信号の供給タイミングを制御し得る。
【0069】
電源供給部550は回路ボード530上に配置されてフレキシブルフィルム510および表示駆動部520に電源電圧を供給し得る。例えば、電源供給部550は駆動電圧または高電位電圧を生成して第1電圧線VDLに供給し、低電位電圧を生成して垂直電圧線VVSLに供給し、初期化電圧を生成して初期化電圧線VILに供給し得る。
【0070】
ゲート駆動部560は非表示領域NDAの左側および右側に配置される。ゲート駆動部560はタイミング制御部540から供給されるゲート制御信号に基づいてゲート信号を生成し得る。ゲート制御信号はスタート信号、クロック信号、および電源電圧を含み得るが、これに限られない。ゲート駆動部560は設定された順序に従ってゲート信号をゲート線GLに供給し得る。
【0071】
図4は一実施形態による表示装置の画素およびラインを示す図である。
【0072】
図4を参照すると、画素SPは第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3を含み得る。第2画素SP2の画素回路、第1画素SP1の画素回路、および第3画素SP3の画素回路は第2方向DR2の逆方向に配列できるが、画素回路の順序はこれに限られない。
【0073】
第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれは第1電圧線VDL、初期化電圧線VIL、ゲート線GL、およびデータ線DLに接続され得る。
【0074】
第1電圧線VDLは第2方向DR2に延び得る。第1電圧線VDLは第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3の画素回路の左側に配置される。第1電圧線VDLは第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれのトランジスタに駆動電圧または高電位電圧を供給し得る。
【0075】
水平電圧線HVDLは第1方向DR1に延び得る。水平電圧線HVDLは第k行(ROWk,kは正の整数)に配置された第1ゲート線GL1の上側に配置される。水平電圧線HVDLは第1電圧線VDLに接続され得る。水平電圧線HVDLは第1電圧線VDLから駆動電圧または高電位電圧を受信し得る。
【0076】
初期化電圧線VILは第2方向DR2に延び得る。初期化電圧線VILは第2補助ゲート線BGL2の左側に配置される。初期化電圧線VILは垂直電圧線VVSLおよび第2補助ゲート線BGL2の間に配置される。初期化電圧線VILは第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの画素回路に初期化電圧を供給し得る。初期化電圧線VILは第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの画素回路からセンシング信号を受信して表示駆動部520に供給し得る。
【0077】
垂直電圧線VVSLは第2方向DR2に延び得る。垂直電圧線VVSLは初期化電圧線VILの左側に配置される。垂直電圧線VVSLは電源供給部550と第2電圧線VSLの間に接続され得る。垂直電圧線VVSLは電源供給部550から供給された低電位電圧を第2電圧線VSLに供給し得る。
【0078】
第2電圧線VSLは第1方向DR1に延び得る。第2電圧線VSLは第k+1行(ROWk+1)に配置された第1ゲート線GL1の上側に配置される。第2電圧線VSLは垂直電圧線VVSLから受信された低電位電圧を第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3の発光素子層に供給し得る。
【0079】
第1ゲート線GL1は第1方向DR1に延び得る。第1ゲート線GL1は第2画素SP2の画素回路の上側に配置される。第1ゲート線GL1はゲート駆動部560から受信された第1ゲート信号を第1補助ゲート線BGL1に供給し得る。第1補助ゲート線BGL1は第1ゲート線GL1から第2方向DR2の反対方向に延び得る。第1補助ゲート線BGL1は第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3の画素回路の右側に配置される。第1補助ゲート線BGL1は第1ゲート線GL1から受信された第1ゲート信号を第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3の画素回路に供給し得る。
【0080】
第2ゲート線GL2は第1方向DR1に延び得る。第2ゲート線GL2は第3画素SP3の画素回路の下側に配置される。第2ゲート線GL2はゲート駆動部560から受信された第2ゲート信号を第2補助ゲート線BGL2に供給し得る。第2補助ゲート線BGL2は第2ゲート線GL2から第2方向DR2に延び得る。第2補助ゲート線BGL2は第1電圧線VDLの左側に配置される。第2補助ゲート線BGL2は第2ゲート線GL2から受信された第2ゲート信号を第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3の画素回路に供給し得る。
【0081】
データ線DLは第2方向DR2に延び得る。データ線DLは画素SPにデータ電圧を供給し得る。データ線DLは第1ないし第3データ線DL1,DL2,DL3を含み得る。
【0082】
第1データ線DL1は第2方向DR2に延び得る。第1データ線DL1は第1補助ゲート線BGL1の右側に配置される。第1データ線DL1は表示駆動部520から受信されたデータ電圧を第1画素SP1の画素回路に供給し得る。
【0083】
第2データ線DL2は第2方向DR2に延び得る。第2データ線DL2は第1データ線DL1の右側に配置される。第2データ線DL2は表示駆動部520から受信されたデータ電圧を第2画素SP2の画素回路に供給し得る。
【0084】
第3データ線DL3は第2方向DR2に延び得る。第3データ線DL3は第2データ線DL2の右側に配置される。第3データ線DL3は表示駆動部520から受信されたデータ電圧を第3画素SP3の画素回路に供給し得る。
【0085】
図5は一実施形態による表示基板の表示領域を概略的に示す平面図である。
図6は一実施形態による色変換基板の表示領域を概略的に示す平面図である。
【0086】
図1および
図2に加えて
図5および
図6を参照すると、表示基板100の表示領域DAには複数の発光領域LAおよび非発光領域NLAが定義される。複数の発光領域LAは表示基板100の発光素子で生成された光が表示基板100の外部に放出される領域であり得、非発光領域NLAは表示基板100の外部に光が放出されない領域であり得る。
【0087】
複数の発光領域LAは第1発光領域LA1、第2発光領域LA2および第3発光領域LA3を含み得る。表示基板100の表示領域DAのうち第1行RL1には第2発光領域LA2が配置され、第2行RL2には第1発光領域LA1および第3発光領域LA3が第1方向DR1に沿って並んで配置される。第1行RL1と第2行RL2は第2方向DR2に沿って隣接して配置される。ただし、これに制限されるものではなく、第1発光領域LA1、第2発光領域LA2および第3発光領域LA3は第1方向DR1または第2方向DR2に沿って並んで配置されることもできる。また、第1発光領域LA1または第3発光領域LA3が第1行RL1に配置されることもできる。
【0088】
複数の発光領域LAで表示基板100が色変換基板200に放出する光は第3色の光であり得る。一実施形態で前記第3色の光は青色光であり得、約440nm~約480nm範囲でピーク波長(peak wavelength)を有することができる。ピーク波長(peak wavelength)とは、波長領域内で強度(intensity)が最大となる波長を意味する。ただし、これに制限されるものではなく、複数の発光領域LAで表示基板100が色変換基板200に放出する光は紫外線領域の光であり得る。
【0089】
一実施形態で、第1発光領域LA1は第1方向DR1に所定の第1幅WL1を有し、第2発光領域LA2は第1方向DR1に所定の第2幅WL2を有し、第3発光領域LA3は第1方向DR1に所定の第3幅WL3を有することができる。第1発光領域LA1の第1幅WL1は第2発光領域LA2の第2幅WL2および第3発光領域LA3の第3幅WL3と同一であり得る。また、第1発光領域LA1の面積は第2発光領域LA2の面積および第3発光領域LA3の面積と同一であり得る。ただし、これに制限されるものではなく、発光領域LA1,LA2,LA3の幅WL1,WL2,WL3および面積は互いに異なってもよい。
【0090】
一実施形態で、第1発光領域LA1、第2発光領域LA2および第3発光領域LA3は図面に示すように正方形形状であり得る。ただし、これに制限されるものではなく、長方形、菱形、六角形形状など多様な形状を有することができる。
【0091】
第1発光領域LA1、第2発光領域LA2および第3発光領域LA3はそれぞれ第1画素SP1、第2画素SP2および第3画素SP3を構成することができる。第1発光領域LA1、第2発光領域LA2および第3発光領域LA3は表示領域DA全体に第1方向DR1および第2方向DR2に沿って繰り返し配置される。
【0092】
表示領域DA内で表示基板100の発光領域LAの周辺には非発光領域NLAが位置し得る。非発光領域NLAは発光領域LAの周囲だけでなく、第1発光領域LA1と第2発光領域LA2の間、第2発光領域LA2と第3発光領域LA3の間、第3発光領域LA3と第1発光領域LA1の間にも位置することができる。
【0093】
色変換基板200の表示領域DAには複数の透光領域TAおよび遮光領域BAが定義される。透光領域TAは表示基板100から放出された光が色変換基板200を透過して表示装置1の外部に提供される領域であり得る。遮光領域BAは表示基板100から放出された光が透過しない領域であり得る。
【0094】
複数の透光領域TAは第1透光領域TA1、第2透光領域TA2および第3透光領域TA3を含み得る。色変換基板200の表示領域DAのうち第1行RT1には第2透光領域TA2が配置され、第2行RT2には第1透光領域TA1および第3透光領域TA3が並んで配置される。ただし、これに制限されるものではなく、第1透光領域TA1、第2透光領域TA2および第3透光領域TA3は第1方向DR1または第2方向DR2に沿って並んで配置されることもできる。また、第1透光領域TA1または第3透光領域TA3が第1行RT1に配置されることもできる。
【0095】
第1透光領域TA1は第1発光領域LA1に対応するかまたは第1発光領域LA1と重なってもよい。これと同様に第2透光領域TA2は第2発光領域LA2と対応するか重なり、第3透光領域TA3は第3発光領域LA3と対応するか重なってもよい。
【0096】
表示基板100から提供された第3色の光は第1透光領域TA1、第2透光領域TA2および第3透光領域TA3を透過して表示装置1の外部に提供される。第1透光領域TA1から表示装置1の外部に出射される光を第1出射光といい、第2透光領域TA2から表示装置1の外部に出射される光を第2出射光といい、第3透光領域TA3から表示装置1の外部に出射される光を第3出射光というと、前記第1出射光は前記第1色の光であり、前記第2出射光は前記第1色と異なる第2色の光であり、前記第3出射光は前記第1色および前記第2色と異なる第3色の光であり得る。一実施形態で前記第3色の光は前述したように約440nm~約480nm範囲でピーク波長を有する青色光であり得、前記第2色の光は約510nm~約550nm範囲でピーク波長を有する緑色光であり得る。また、前記第1色の光は約610nm~約650nm範囲でピーク波長を有する赤色光であり得る。ただし、これに限定されるものではなく、前記第2色の光が赤色光であり、前記第1色の光が緑色光であってもよい。
【0097】
一実施形態で、第1透光領域TA1は第1方向DR1に所定の第1幅WL1を有し、第2透光領域TA2は第1方向DR1に所定の第2幅WL2を有し、第3透光領域TA3は第1方向DR1に所定の第3幅WL3を有することができる。第1透光領域TA1の第1幅WL1は第2透光領域TA2の第2幅WL2および第3透光領域TA3の第3幅WL3と同一であり得る。また、第1透光領域TA1の面積は第2透光領域TA2の面積および第3透光領域TA3の面積と同一であり得る。ただし、これに制限されるものではなく、発光領域LA1,LA2,LA3の幅WL1,WL2,WL3および面積は互いに異なってもよい。
【0098】
一実施形態で、第1透光領域TA1、第2透光領域TA2および第3透光領域TA3は図面に示すように正方形形状であり得る。ただし、これに制限されるものではなく、長方形、菱形、六角形形状など多様な形状を有することができる。
【0099】
第1透光領域TA1、第2透光領域TA2および第3透光領域TA3はそれぞれ第1画素SP1、第2画素SP2および第3画素SP3を構成することができる。第1透光領域TA1、第2透光領域TA2および第3透光領域TA3は表示領域DA全体に第1方向DR1および第2方向DR2に沿って繰り返し配置される。
【0100】
表示領域DA内で色変換基板200の透光領域TAの周辺には遮光領域BAが位置し得る。遮光領域BAは透光領域TAの周囲だけでなく、第1透光領域TA1と第2透光領域TA2の間、第2透光領域TA2と第3透光領域TA3の間、第3透光領域TA3と第1透光領域TA1の間にも位置することができる。
【0101】
図7は
図5および
図6のII-II’に沿って切断した表示装置の断面図である。
【0102】
図7を参照すると、表示装置1は表示基板100、表示基板100に対向する色変換基板200、およびこれらを接着する充填材300を含み得る。
【0103】
表示基板100は第1基板110、回路層CCL、発光素子層EMLおよび封止構造物170を含み得る。
【0104】
第1基板110は透明な物質を含むことができる。例えば、第1基板110はガラス、石英などのような透明な絶縁物質を含むことができる。第1基板110はリジッド(rigid)基板であり得る。しかし、第1基板110はこれに限定されず、ポリイミドなどのようなプラスチックを含むこともでき、曲がったり、ベンディングされたり、折り畳まれたり、丸められるフレキシブルな(flexible)特性を有することもできる。
【0105】
回路層CCL(例えば、薄膜トランジスタ層)は第1基板110上に配置される。回路層CCLに係る説明は
図8などを参照して後述する。
【0106】
発光素子層EMLは回路層CCL上に配置される。発光素子層EMLは画素電極PXE、画素定義膜PDL、発光層LEL、および共通電極CMEを含み得る。
【0107】
画素電極PXEは発光ダイオードの第1電極、例えばアノード電極であり得る。画素電極PXEはインジウム-スズ-酸化物(Indium-Tin-Oxide:ITO)、インジウム-亜鉛-酸化物(Indium-Zinc-Oxide:IZO)、酸化亜鉛(Zinc Oxide:ZnO)、酸化インジウム(Induim Oxide:In2O3)の仕事関数の高い物質層と銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、鉛(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)またはこれらの混合物などのような反射性物質層が積層された積層膜構造を有することができる。仕事関数の高い物質層が反射性物質層より上層に配置されて発光層LELに近く配置される。画素電極PXEはITO/Mg、ITO/MgF、ITO/Ag、ITO/Ag/ITOの多層構造を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0108】
画素定義膜PDLは第1基板110の一面上に画素SPの境界に沿って配置される。画素定義膜PDLは画素電極PXE上に配置され、画素電極PXEを露出する開口部を含み得る。画素定義膜PDLおよびその開口部によって発光領域EMAと非発光領域NEMが区分される。画素定義膜PDLはアクリル系樹脂(polyacrylates resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides rein)、不飽和ポリエステル系樹脂(unsaturated polyesters resin)、ポリフェニレン系樹脂(poly phenylenethers resin)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(polyphenylenesulfides resin)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene,BCB)などの有機絶縁物質を含むことができる。画素定義膜PDLは無機物質を含むこともできる。
【0109】
発光層LELは画素定義膜PDLが露出する画素電極PXE上に配置される。表示装置1が有機発光表示装置である一実施形態で、発光層LELは有機物質を含む有機層を含み得る。前記有機層は有機発光層を含み、場合によって発光を補助する補助層として正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層の少なくとも一つをさらに含むことができる。他の実施形態で、表示装置1がマイクロLED表示装置、ナノLED表示装置などである場合、発光層LELは無機半導体のような無機物質を含むことができる。
【0110】
いくつかの実施形態で、発光層LELは厚さ方向に重畳配置された複数の有機発光層とその間に配置された電荷生成層を含むタンデム(tandem)構造を有することができる。重畳配置された各有機発光層は同じ波長の光を発光することもできるが、異なる波長の光を発光することもできる。各画素SPの発光層LELのうち少なくとも一部の層は隣り合う画素SPの同じ層と分離されるかまたは互いに連結されることができる。
【0111】
一実施形態で、各発光層LELが発光する光の波長は画素SP別に同一であり得る。例えば、各画素SPの発光層LELが青色光または紫外線を発光し、後述するカラー制御構造物が波長変換層WCLを含むことによって、各画素SP別の色相を表示することができる。
【0112】
他の実施形態で、各発光層LELが発光する光の波長は画素SP別に発光波長が異なってもよい。例えば、第1画素SP1の発光層LELは第1色を発光し、第2画素SP2の発光層LELは第2色を発光し、第3画素SP3の発光層LELは第3色を発光することもできる。
【0113】
共通電極CMEは発光層LEL上に配置される。共通電極CMEは発光層LELと接するだけでなく、画素定義膜PDLの上面にも接することができる。共通電極CMEは各画素SPを区別せず連結されている。共通電極CMEは画素SPを区別せず全面的に配置された前面電極であり得る。共通電極CMEは発光ダイオードの第2電極、例えばカソード電極であり得る。共通電極CMEはLi、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mg、Ag、Pt、Pd、Ni、Au、Nd、Ir、Cr、BaF、Baまたはこれらの化合物や混合物(例えば、AgとMgの混合物など)のような仕事関数の小さい物質層を含むことができる。共通電極CMEは前記仕事関数の小さい物質層上に配置された透明金属酸化物層をさらに含むことができる。
【0114】
画素電極PXE、発光層LELおよび共通電極CMEは発光素子(例えば、有機発光素子)を構成することができる。発光層LELで発光した光は共通電極CMEを介して上側方向に出射される。
【0115】
封止構造物170は共通電極CME上に配置される。封止構造物170は少なくとも一つの薄膜封止層を含み得る。例えば、封止構造物170は第1無機膜171、有機膜172および第2無機膜173を含み得る。
【0116】
第1無機膜171は発光素子層EML上に配置される。第1無機膜171はシリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、またはシリコン酸窒化物(SiOxNy)などを含むことができる。
【0117】
有機膜172は第1無機膜171上に配置される。有機膜172はアクリル系樹脂(polyacrylates resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides rein)、不飽和ポリエステル系樹脂(unsaturated polyesters resin)、ポリフェニレン系樹脂(poly phenylenethers resin)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(polyphenylenesulfides resin)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene,BCB)などの有機絶縁物質を含むことができる。
【0118】
第2無機膜173は有機膜172上に配置される。第2無機膜173は前述した第1無機膜171と同じ物質を含むことができる。例えば、第2無機膜173はシリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、またはシリコン酸窒化物(SiOxNy)などを含むことができる。
【0119】
色変換基板200は封止構造物170上でそれと対向するように配置される。色変換基板200は第2基板210、遮光部材BML、カラーフィルタ層CFL、第1キャッピング層220、隔壁PTL、波長変換層WCL、透光層TPLおよび第2キャッピング層230を含み得る。
【0120】
第2基板210は透明な物質を含むことができる。第2基板210はガラス、石英などのような透明な絶縁物質を含むことができる。第2基板210はリジッド基板であり得る。しかし、第2基板210はこれに限定されず、第2基板210はポリイミドなどのようなプラスチックを含むこともでき、曲がったり、ベンディングされたり、折り畳まれたり、丸められるフレキシブルな特性を有することもできる。
【0121】
第2基板210は第1基板110と同じ基板を使用することもできるが、物質、厚さ、透過率などが異なってもよい。例えば、第2基板210は第1基板110より高い透過率を有することができる。第2基板210は第1基板110より厚くてもよく、それより薄くてもよい。
【0122】
遮光部材BMLは、第1基板110に向かう、第2基板210の一面上に画素SPの境界に沿って配置される。遮光部材BMLは表示基板100の画素定義膜PDLと重なって、非発光領域NEMに位置し得る。遮光部材BMLは発光領域EMAと重なる第2基板210の一面を露出する開口部を含み得る。遮光部材BMLは平面図上格子形状に形成される。
【0123】
遮光部材BMLは有機物質を含んでなる。遮光部材BMLは外光を吸収することによって外光反射による色の歪曲を低減させることができる。また、遮光部材BMLは発光層LELから放出される光が隣接する画素SPに侵入することを防止する役割をすることができる。
【0124】
一実施形態で、遮光部材BMLは可視光波長をすべて吸収することができる。遮光部材BMLは光吸収物質を含むことができる。例えば、遮光部材BMLは表示装置1のブラックマトリクスとして使用される物質からなる。
【0125】
他の実施形態で、遮光部材BMLは可視光波長のうち特定波長の光は吸収し、他の特定波長の光は透過させることもできる。例えば、遮光部材BMLはカラーフィルタ層CFLと同じ物質を含むことができる。具体的には、遮光部材BMLは青色カラーフィルタ層と同じ物質からなる。いくつかの実施形態で、遮光部材BMLは青色カラーフィルタ層と一体化して形成されることもできる。また、遮光部材BMLは省略することもできる。
【0126】
カラーフィルタ層CFLは、遮光部材BMLが配置された第2基板210の一面上に配置される。カラーフィルタ層CFLは遮光部材BMLの開口部を介して露出する第2基板210の一面上に配置される。さらに、カラーフィルタ層CFLは隣接する遮光部材BMLの上にも一部配置される。
【0127】
カラーフィルタ層CFLは第1画素SP1に配置される第1カラーフィルタ層CFL1、第2画素SP2に配置される第2カラーフィルタ層CFL2および第3画素SP3に配置される第3カラーフィルタ層CFL3を含み得る。各カラーフィルタ層CFLは該当する色波長以外の波長を吸収する染料や顔料のような色料(colorant)を含み得る。第1カラーフィルタ層CFL1は赤色カラーフィルタ層であり、第2カラーフィルタ層CFL2は緑色カラーフィルタであり、第3カラーフィルタ層CFL3は青色カラーフィルタ層であり得る。図面では隣り合うカラーフィルタ層CFLが遮光部材BML上で互いに離隔するように配置された場合を例示したが、隣り合うカラーフィルタ層CFLは遮光部材BML上で少なくとも部分的に重なってもよい。
【0128】
第1キャッピング層220はカラーフィルタ層CFL上に配置される。第1キャッピング層220は外部から水分または空気などの不純物が浸透してカラーフィルタ層CFLを損傷させるか汚染させることを防止することができる。また、第1キャッピング層220はカラーフィルタ層CFLの色料が他の構成に拡散することを防止することができる。
【0129】
第1キャッピング層220はカラーフィルタ層CFLの一面(
図8で下面)と直接接し得る。第1キャッピング層220は無機物質からなる。例えば、第1キャッピング層220はシリコン窒化物、アルミニウム窒化物、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、スズ酸化物およびシリコン酸窒化物などを含んでなる。
【0130】
隔壁PTLは第1キャッピング層220上に配置される。隔壁PTLは非発光領域NEMに位置し得る。隔壁PTLは遮光部材BMLと重なるように配置される。隔壁PTLはカラーフィルタ層CFLを露出する開口部を含み得る。隔壁PTLは感光性有機物質を含んでなるが、これに制限されるものではない。隔壁PTLは遮光物質をさらに含むこともできる。
【0131】
波長変換層WCLおよび/または透光層TPLは隔壁PTLの開口部が露出する空間内には配置されることができる。波長変換層WCLおよび透光層TPLは隔壁PTLをバンク(bank)として用いるインクジェット工程により形成できるが、これに制限されるものではない。
【0132】
各画素SPの発光層LELが第3色を発光する一実施形態で、波長変換層WCLは第1画素SP1に配置される第1波長変換パターンWCL1と第2画素SP2に配置される第2波長変換パターンWCL2を含み得る。第3画素SP3には透光層TPLが配置される。
【0133】
第1波長変換パターンWCL1は第1ベース樹脂BRS1および第1ベース樹脂BRS1内に配置された第1波長変換物質WCP1を含み得る。第2波長変換パターンWCL2は第2ベース樹脂BRS2および第2ベース樹脂BRS2内に配置された第2波長変換物質WCP2を含み得る。透光層TPLは第3ベース樹脂BRS3およびその内部に配置された散乱体SCPを含み得る。
【0134】
第1ないし第3ベース樹脂BRS1,BRS2,BRS3は透光性有機物質を含むことができる。例えば、第1ないし第3ベース樹脂BRS1,BRS2,BRS3はエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、カルド系樹脂またはイミド系樹脂などを含んでなる。第1ないし第3ベース樹脂BRS1,BRS2,BRS3はすべて同じ物質からなることができるが、これに制限されない。
【0135】
散乱体SCPは金属酸化物粒子または有機粒子であり得る。前記金属酸化物としては酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化インジウム(In2O3)、酸化亜鉛(ZnO)または酸化スズ(SnO2)などを例示することができ、前記有機粒子材料としてはアクリル系樹脂またはウレタン系樹脂などを例示することができる。
【0136】
第1波長変換物質WCP1は第3色を第1色に変換し、第2波長変換物質WCP2は第3色を第2色に変換する物質であり得る。第1波長変換物質WCP1と第2波長変換物質WCP2は量子ドット、量子ロッド、蛍光体などであり得る。前記量子ドットはIV族系ナノ結晶、II-VI族系化合物ナノ結晶、III-V族系化合物ナノ結晶、IV-VI族系ナノ結晶またはこれらの組み合わせを含み得る。第1波長変換パターンWCL1と第2波長変換パターンWCL2は波長変換効率を増加させる散乱体SCPをさらに含むことができる。
【0137】
第3画素SP3に配置される透光層TPLは発光層LELで発光した第3色の光の波長を維持した状態で透過させることができる。透光層TPLの散乱体SCPは透光層TPLを介して出射される光の出射経路を調節する役割をすることができる。透光層TPLは波長変換物質を含まなくてもよい。
【0138】
第2キャッピング層230は波長変換層WCL、透光層TPLおよび隔壁PTL上に配置される。第2キャッピング層230は無機物質からなる。第2キャッピング層230は第1キャッピング層220の物質として挙げられた物質の中から選択された物質を含んでなる。第2キャッピング層230と第1キャッピング層220は同じ物質からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0139】
表示基板100と色変換基板200の間に充填材300が配置される。充填材300は表示基板100と色変換基板200の間の空間を充填する一方で、これらを相互接着および結合する役割をすることができる。充填材300は表示基板100の封止構造物170と色変換基板200の第2キャッピング層230の間に配置される。充填材300はSi系有機物質、エポキシ系有機物質などからなるが、これに限定されるものではない。
【0140】
図8は一実施形態による表示装置の画素を示す回路図である。
【0141】
図8を参照すると、画素SPそれぞれは第1電圧線VDL、データ線DL、初期化電圧線VIL、第1ゲート線GL1、第2ゲート線GL2、および垂直電圧線VVSLに接続され得る。
【0142】
第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれは画素回路および発光素子EDを含み得る。第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの画素回路は第1ないし第3トランジスタST1,ST2,ST3および第1キャパシタC1を含み得る。
【0143】
第1トランジスタST1はゲート電極、ドレイン電極、およびソース電極を含み得る。第1トランジスタST1のゲート電極は第1ノードN1に接続され、ドレイン電極は第1電圧線VDLに接続され、ソース電極は第2ノードN2に接続され得る。第1トランジスタST1はゲート電極に印加されるデータ電圧に基づいてドレイン-ソース電流(または駆動電流)を制御することができる。第1トランジスタST1は発光素子EDを駆動する駆動トランジスタであり得る。
【0144】
発光素子EDは駆動電流を受信して発光する。発光素子EDの発光量または輝度は駆動電流の大きさに比例する。発光素子EDは、有機発光層を含む有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)、量子ドット発光層を含む量子ドット発光素子(Quantum Dot LED)、超小型発光ダイオード(Micro LED)、または無機半導体を含む無機発光ダイオード(Inorganic LED)であり得る。
【0145】
発光素子EDの第1電極は第2ノードN2に接続され、発光素子EDの第2電極は垂直電圧線VVSLに接続され得る。発光素子EDの第1電極は第2ノードN2を介して第1トランジスタST1のソース電極、第3トランジスタST3のドレイン電極、および第1キャパシタC1の第2キャパシタ電極に接続され得る。
【0146】
第2トランジスタST2は第1ゲート線GL1の第1ゲート信号によってターン-オンされてデータ線DLと第1トランジスタST1のゲート電極である第1ノードN1を電気的に接続し得る。第2トランジスタST2は第1ゲート信号に基づいてターン-オンされることによって、データ電圧を第1ノードN1に供給し得る。第2トランジスタST2のゲート電極は第1ゲート線GL1に接続され、ドレイン電極はデータ線DLに接続され、ソース電極は第1ノードN1に接続され得る。第2トランジスタST2のソース電極は第1ノードN1を介して第1トランジスタST1のゲート電極および第1キャパシタC1の第1キャパシタ電極に接続され得る。第2トランジスタST2は第1トランジスタST1および発光素子EDに流れる電流を制御するスイッチングトランジスタであり得る。
【0147】
第3トランジスタST3は第2ゲート線GL2の第2ゲート信号によってターン-オンされて初期化電圧線VILと第1トランジスタST1のソース電極である第2ノードN2を電気的に接続し得る。第3トランジスタST3は第2ゲート信号に基づいてターン-オンされることによって、初期化電圧を第2ノードN2に供給し得る。第3トランジスタST3は第2ゲート信号に基づいてターン-オンされることによって、センシング信号を初期化電圧線VILに供給し得る。第3トランジスタST3のゲート電極は第2ゲート線GL2に接続され、ドレイン電極は第2ノードN2に接続され、ソース電極は初期化電圧線VILに接続され得る。第3トランジスタST3のドレイン電極は第2ノードN2を介して第1トランジスタST1のソース電極、第1キャパシタC1の第2キャパシタ電極、および発光素子EDの第1電極に接続され得る。第3トランジスタST3は第1トランジスタST1および発光素子EDに流れる電流を制御するスイッチングトランジスタであり得る。
【0148】
図9は一実施形態による表示装置の薄膜トランジスタ層を示すレイアウト図である。
図10は
図9のIII-III’に沿って切断した断面図である。
図11は
図9のIV-IV’に沿って切断した断面図である。
【0149】
図9ないし
図11を参照すると、回路層CCL(例えば、薄膜トランジスタ層)は第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3、第1電圧線VDL、水平電圧線HVDL、初期化電圧線VIL、第1および第2ゲート線GL1,GL2、第1および第2補助ゲート線BGL1,BGL2、データ線DL、第2電圧線VSL、および垂直電圧線VVSLを含み得る。
【0150】
回路層CCLは、第1基板110上に配置された第1金属層MTL1、第1金属層MTL1を覆うバッファ膜BF、バッファ膜BF上に配置されたアクティブ層ACTL、アクティブ層ACTLを覆うゲート絶縁膜GI、ゲート絶縁膜GIを覆う酸素提供膜ORS、酸素提供膜ORS上に配置された第2金属層MTL2、第2金属層MTL2を覆う層間絶縁膜ILD、層間絶縁膜ILD上に配置された第3金属層MTL3、および第3金属層MTL3を覆う保護膜PVを含み得る。
【0151】
画素SPは第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3を含み得る。第2画素SP2の画素回路、第1画素SP1の画素回路、および第3画素SP3の画素回路は第2方向DR2の逆方向に配列できるが、画素回路の順序はこれに限られない。
【0152】
第1電圧線VDLは平面上で第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3の画素回路の左側に配置される。第1電圧線VDLは第1基板110上の第1金属層MTL1に配置される。第1電圧線VDLは第2金属層MTL2の第1補助電極AUE1および第3金属層MTL3の第2補助電極AUE2と重なってもよい。
【0153】
第1補助電極AUE1は第1電圧線VDLに接続され得る。第2補助電極AUE2は第1補助電極AUE1に接続され得る。第1電圧線VDLは第1および第2補助電極AUE1,AUE2に接続されることによって、ライン抵抗を減少させることができる。
【0154】
第2補助電極AUE2は第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの第1トランジスタST1のドレイン電極DE1に接続され得る。したがって、第1電圧線VDLは第2補助電極AUE2を介して第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3に駆動電圧を供給し得る。
【0155】
水平電圧線HVDLは平面上で第1ゲート線GL1の上側に配置される。水平電圧線HVDLは第3金属層MTL3に配置される。水平電圧線HVDLは第1電圧線VDLに接続されて駆動電圧を受信し得る。
【0156】
初期化電圧線VILは平面上で第1電圧線VDLの左側に配置される。初期化電圧線VILは第1金属層MTL1に配置される。初期化電圧線VILは第3金属層MTL3の第5補助電極AUE5と重なり、第5補助電極AUE5に接続され得る。初期化電圧線VILは第5補助電極AUE5に接続されることによって、ライン抵抗を減少させることができる。
【0157】
第5補助電極AUE5は第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの第3トランジスタST3のソース電極SE3に接続され得る。したがって、初期化電圧線VILは第5補助電極AUE5を介して第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの第3トランジスタST3に初期化電圧を供給し得、第3トランジスタST3からセンシング信号を受信し得る。
【0158】
垂直電圧線VVSLは平面上で初期化電圧線VILの左側に配置される。垂直電圧線VVSLは第1金属層MTL1に配置される。垂直電圧線VVSLは第2金属層MTL2の第3補助電極AUE3および第3金属層MTL3の第4補助電極AUE4と重なってもよい。第3補助電極AUE3は垂直電圧線VVSLに接続され、第4補助電極AUE4は第3補助電極AUE3に接続され得る。垂直電圧線VVSLは第3および第4補助電極AUE3,AUE4に接続されることによって、ライン抵抗を減少させることができる。垂直電圧線VVSLは第2電圧線VSLに接続されて第2電圧線VSLに低電位電圧を供給し得る。
【0159】
第2電圧線VSLは平面上で第2ゲート線GL2の下側に配置される。第2電圧線VSLは第3金属層MTL3に配置される。第2電圧線VSLは垂直電圧線VVSLから低電位電圧を受信し得る。
【0160】
第1ゲート線GL1は平面上で第2画素SP2の画素回路の上側に配置される。第1ゲート線GL1は第3金属層MTL3に配置される。第1ゲート線GL1は第1補助ゲート線BGL1に接続され得、ゲート駆動部560から受信された第1ゲート信号を第1補助ゲート線BGL1に供給し得る。
【0161】
第1補助ゲート線BGL1は平面上で第1ゲート線GL1から第2方向DR2の逆方向に突出する。第1補助ゲート線BGL1は平面上で第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3の画素回路の右側に配置される。第1補助ゲート線BGL1は第2金属層MTL2に配置される。第1補助ゲート線BGL1は第1ゲート線GL1から受信された第1ゲート信号を第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの第2トランジスタST2に供給し得る。
【0162】
第2ゲート線GL2は平面上で第3画素SP3の画素回路の下側に配置される。第2ゲート線GL2は第3金属層MTL3に配置される。第2ゲート線GL2は第2補助ゲート線BGL2に接続され得、ゲート駆動部560から受信された第2ゲート信号を第2補助ゲート線BGL2に供給し得る。
【0163】
第2補助ゲート線BGL2は平面上で第2ゲート線GL2から第2方向DR2に突出する。第2補助ゲート線BGL2は平面上で初期化電圧線VILおよび第1電圧線VDLの間に配置される。第2補助ゲート線BGL2は第2金属層MTL2に配置される。第2補助ゲート線BGL2は第2ゲート線GL2から受信された第2ゲート信号を第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの第3トランジスタST3に供給し得る。
【0164】
第1データ線DL1は平面上で第1補助ゲート線BGL1の右側に配置される。第1データ線DL1は第1金属層MTL1に配置される。第3金属層MTL3の第2連結電極CE2は第1データ線DL1および第1画素SP1の第2トランジスタST2のドレイン電極DE2を電気的に接続し得る。したがって、第1データ線DL1は第2連結電極CE2を介して第1画素SP1の第2トランジスタST2にデータ電圧を供給し得る。
【0165】
第2データ線DL2は平面上で第1データ線DL1の右側に配置される。第2データ線DL2は第1金属層MTL1に配置される。第3金属層MTL3の第5連結電極CE5は第2データ線DL2および第2画素SP2の第2トランジスタST2のドレイン電極DE2を電気的に接続し得る。したがって、第2データ線DL2は第5連結電極CE5を介して第2画素SP2の第2トランジスタST2にデータ電圧を供給し得る。
【0166】
第3データ線DL3は平面上で第2データ線DL2の右側に配置される。第3データ線DL3は第1金属層MTL1に配置される。第3金属層MTL3の第8連結電極CE8は第3データ線DL3および第3画素SP3の第2トランジスタST2のドレイン電極DE2を電気的に接続し得る。したがって、第3データ線DL3は第8連結電極CE8を介して第3画素SP3の第2トランジスタST2にデータ電圧を供給し得る。
【0167】
第1画素SP1の画素回路は第1ないし第3トランジスタST1,ST2,ST3を含み得る。第1画素SP1の第1トランジスタST1はアクティブ領域ACT1、ゲート電極GE1、ドレイン電極DE1、およびソース電極SE1を含み得る。第1トランジスタST1のアクティブ領域ACT1はアクティブ層ACTLに配置され、第1トランジスタST1のゲート電極GE1と重なってもよい。
【0168】
第1トランジスタST1のゲート電極GE1は第2金属層MTL2に配置される。第1トランジスタST1のゲート電極GE1は第1キャパシタC1の第1キャパシタ電極CPE1の一部分であり得る。
【0169】
第1トランジスタST1のドレイン電極DE1およびソース電極SE1はアクティブ層ACTLを熱処理して導体化することができる。ドレイン電極DE1およびソース電極SE1はN型半導体に導体化できるが、これに限られない。第1トランジスタST1のドレイン電極DE1は第2補助電極AUE2を介して第1電圧線VDLに電気的に接続され得る。第1トランジスタST1のドレイン電極DE1は第1電圧線VDLから駆動電圧を受信し得る。
【0170】
第1トランジスタST1のソース電極SE1は第3金属層MTL3の第1連結電極CE1に接続され得る。第1連結電極CE1は第1金属層MTL1の第2キャパシタ電極CPE2に接続され得る。したがって、第1キャパシタC1は第1キャパシタ電極CPE1および第2キャパシタ電極CPE2の間と第1キャパシタ電極CPE1および第1連結電極CE1の間で二重で形成されることができる。
【0171】
図面に示していないが、第1連結電極CE1は第1画素SP1の発光素子EDに電気的に接続され得る。したがって、第1連結電極CE1は第1画素SP1の画素回路から受信された駆動電流を発光素子EDに供給し得る。
【0172】
第1画素SP1の第2トランジスタST2はアクティブ領域ACT2、ゲート電極GE2、ドレイン電極DE2、およびソース電極SE2を含み得る。第2トランジスタST2のアクティブ領域ACT2はアクティブ層ACTLに配置され、第2トランジスタST2のゲート電極GE2と重なってもよい。
【0173】
第2トランジスタST2のゲート電極GE2は第2金属層MTL2に配置される。第2トランジスタST2のゲート電極GE2は第1補助ゲート線BGL1の一部分であり得る。
【0174】
第2トランジスタST2のドレイン電極DE2およびソース電極SE2はアクティブ層ACTLを熱処理して導体化することができる。第2トランジスタST2のドレイン電極DE2は第2連結電極CE2を介して第1データ線DL1に電気的に接続され得る。したがって、第1データ線DL1は第2連結電極CE2を介して第1画素SP1の第2トランジスタST2にデータ電圧を供給し得る。第2トランジスタST2のソース電極SE2は第3金属層MTL3の第3連結電極CE3を介して第1キャパシタC1の第1キャパシタ電極CPE1に電気的に接続され得る。
【0175】
第1画素SP1の第3トランジスタST3はアクティブ領域ACT3、ゲート電極GE3、ドレイン電極DE3、およびソース電極SE3を含み得る。第3トランジスタST3のアクティブ領域ACT3はアクティブ層ACTLに配置され、第3トランジスタST3のゲート電極GE3と重なってもよい。
【0176】
第3トランジスタST3のゲート電極GE3は第2金属層MTL2に配置される。第3トランジスタST3のゲート電極GE3は第2補助ゲート線BGL2の一部分であり得る。
【0177】
第3トランジスタST3のドレイン電極DE3およびソース電極SE3はアクティブ層ACTLを熱処理して導体化することができる。第3トランジスタST3のドレイン電極DE3は第1連結電極CE1の延長部に接続され得る。第3トランジスタST3のドレイン電極DE3は第1連結電極CE1を介して第1トランジスタST1のソース電極SE1および第1キャパシタC1の第2キャパシタ電極CPE2に電気的に接続され得る。
【0178】
第3トランジスタST3のソース電極SE3は第5補助電極AUE5を介して初期化電圧線VILに電気的に接続され得る。第3トランジスタST3のソース電極SE3は初期化電圧線VILから初期化電圧を受信し得る。第3トランジスタST3のソース電極SE3は初期化電圧線VILにセンシング信号を供給し得る。
【0179】
第2画素SP2の画素回路は第1ないし第3トランジスタST1,ST2,ST3を含み得る。第2画素SP2の第1トランジスタST1はアクティブ領域ACT1、ゲート電極GE1、ドレイン電極DE1、およびソース電極SE1を含み得る。第1トランジスタST1のアクティブ領域ACT1はアクティブ層ACTLに配置され、第1トランジスタST1のゲート電極GE1と重なってもよい。
【0180】
第1トランジスタST1のゲート電極GE1は第2金属層MTL2に配置される。第1トランジスタST1のゲート電極GE1は第1キャパシタC1の第1キャパシタ電極CPE1の一部分であり得る。
【0181】
第1トランジスタST1のドレイン電極DE1およびソース電極SE1はアクティブ層ACTLを熱処理して導体化することができる。ドレイン電極DE1およびソース電極SE1はN型半導体に導体化するが、これに限られない。第1トランジスタST1のドレイン電極DE1は第2補助電極AUE2を介して第1電圧線VDLに電気的に接続され得る。第1トランジスタST1のドレイン電極DE1は第1電圧線VDLから駆動電圧を受信し得る。
【0182】
第1トランジスタST1のソース電極SE1は第3金属層MTL3の第4連結電極CE4に接続され得る。第4連結電極CE4は第1金属層MTL1の第2キャパシタ電極CPE2に接続され得る。したがって、第1キャパシタC1は第1キャパシタ電極CPE1および第2キャパシタ電極CPE2の間と第1キャパシタ電極CPE1および第4連結電極CE4の間で二重で形成されることができる。
【0183】
図面に示していないが、第4連結電極CE4は第2画素SP2の発光素子EDに電気的に接続され得る。したがって、第4連結電極CE4は第2画素SP2の画素回路から受信された駆動電流を発光素子EDに供給し得る。
【0184】
第2画素SP2の第2トランジスタST2はアクティブ領域ACT2、ゲート電極GE2、ドレイン電極DE2、およびソース電極SE2を含み得る。第2トランジスタST2のアクティブ領域ACT2はアクティブ層ACTLに配置され、第2トランジスタST2のゲート電極GE2と重なってもよい。
【0185】
第2トランジスタST2のゲート電極GE2は第2金属層MTL2に配置される。第2トランジスタST2のゲート電極GE2は第1補助ゲート線BGL1の一部分であり得る。
【0186】
第2トランジスタST2のドレイン電極DE2およびソース電極SE2はアクティブ層ACTLを熱処理して導体化することができる。第2トランジスタST2のドレイン電極DE2は第5連結電極CE5を介して第2データ線DL2に電気的に接続され得る。したがって、第2データ線DL2は第5連結電極CE5を介して第2画素SP2の第2トランジスタST2にデータ電圧を供給し得る。第2トランジスタST2のソース電極SE2は第3金属層MTL3の第6連結電極CE6を介して第1キャパシタC1の第1キャパシタ電極CPE1に電気的に接続され得る。
【0187】
第2画素SP2の第3トランジスタST3はアクティブ領域ACT3、ゲート電極GE3、ドレイン電極DE3、およびソース電極SE3を含み得る。第3トランジスタST3のアクティブ領域ACT3はアクティブ層ACTLに配置され、第3トランジスタST3のゲート電極GE3と重なってもよい。
【0188】
第3トランジスタST3のゲート電極GE3は第2金属層MTL2に配置される。第3トランジスタST3のゲート電極GE3は第2補助ゲート線BGL2の一部分であり得る。
【0189】
第3トランジスタST3のドレイン電極DE3およびソース電極SE3はアクティブ層ACTLを熱処理して導体化することができる。第3トランジスタST3のドレイン電極DE3は第4連結電極CE4の延長部に接続され得る。第3トランジスタST3のドレイン電極DE3は第4連結電極CE4を介して第1トランジスタST1のソース電極SE1および第1キャパシタC1の第2キャパシタ電極CPE2に電気的に接続され得る。
【0190】
第3トランジスタST3のソース電極SE3は第5補助電極AUE5を介して初期化電圧線VILに電気的に接続され得る。第3トランジスタST3のソース電極SE3は初期化電圧線VILから初期化電圧を受信し得る。第3トランジスタST3のソース電極SE3は初期化電圧線VILにセンシング信号を供給し得る。
【0191】
第3画素SP3の画素回路は第1ないし第3トランジスタST1,ST2,ST3を含み得る。第3画素SP3の第1トランジスタST1はアクティブ領域ACT1、ゲート電極GE1、ドレイン電極DE1、およびソース電極SE1を含み得る。第1トランジスタST1のアクティブ領域ACT1はアクティブ層ACTLに配置され、第1トランジスタST1のゲート電極GE1と重なってもよい。
【0192】
第1トランジスタST1のゲート電極GE1は第2金属層MTL2に配置される。第1トランジスタST1のゲート電極GE1は第1キャパシタC1の第1キャパシタ電極CPE1の一部分であり得る。
【0193】
第1トランジスタST1のドレイン電極DE1およびソース電極SE1はアクティブ層ACTLを熱処理して導体化することができる。ドレイン電極DE1およびソース電極SE1はN型半導体に導体化するが、これに限られない。第1トランジスタST1のドレイン電極DE1は第2補助電極AUE2を介して第1電圧線VDLに電気的に接続され得る。第1トランジスタST1のドレイン電極DE1は第1電圧線VDLから駆動電圧を受信し得る。
【0194】
第1トランジスタST1のソース電極SE1は第3金属層MTL3の第7連結電極CE7に接続され得る。第7連結電極CE7は第1金属層MTL1の第2キャパシタ電極CPE2に接続され得る。したがって、第1キャパシタC1は第1キャパシタ電極CPE1および第2キャパシタ電極CPE2の間と第1キャパシタ電極CPE1および第7連結電極CE7の間で二重で形成されることができる。
【0195】
図面に示していないが、第7連結電極CE7は第3画素SP3の発光素子EDに電気的に接続され得る。したがって、第7連結電極CE7は第3画素SP3の画素回路から受信された駆動電流を発光素子EDに供給し得る。
【0196】
第3画素SP3の第2トランジスタST2はアクティブ領域ACT2、ゲート電極GE2、ドレイン電極DE2、およびソース電極SE2を含み得る。第2トランジスタST2のアクティブ領域ACT2はアクティブ層ACTLに配置され、第2トランジスタST2のゲート電極GE2と重なってもよい。
【0197】
第2トランジスタST2のゲート電極GE2は第2金属層MTL2に配置される。第2トランジスタST2のゲート電極GE2は第1補助ゲート線BGL1の一部分であり得る。
【0198】
第2トランジスタST2のドレイン電極DE2およびソース電極SE2はアクティブ層ACTLを熱処理して導体化することができる。第2トランジスタST2のドレイン電極DE2は第8連結電極CE8を介して第3データ線DL3に電気的に接続され得る。したがって、第3データ線DL3は第8連結電極CE8を介して第3画素SP3の第2トランジスタST2にデータ電圧を供給し得る。第2トランジスタST2のソース電極SE2は第3金属層MTL3の第9連結電極CE9を介して第1キャパシタC1の第1キャパシタ電極CPE1に電気的に接続され得る。
【0199】
第3画素SP3の第3トランジスタST3はアクティブ領域ACT3、ゲート電極GE3、ドレイン電極DE3、およびソース電極SE3を含み得る。第3トランジスタST3のアクティブ領域ACT3はアクティブ層ACTLに配置され、第3トランジスタST3のゲート電極GE3と重なってもよい。
【0200】
第3トランジスタST3のゲート電極GE3は第2金属層MTL2に配置される。第3トランジスタST3のゲート電極GE3は第2補助ゲート線BGL2の一部分であり得る。
【0201】
第3トランジスタST3のドレイン電極DE3およびソース電極SE3はアクティブ層ACTLを熱処理して導体化することができる。第3トランジスタST3のドレイン電極DE3は第7連結電極CE7の第2延長部に接続され得る。第3トランジスタST3のドレイン電極DE3は第7連結電極CE7を介して第1トランジスタST1のソース電極SE1および第1キャパシタC1の第2キャパシタ電極CPE2に電気的に接続され得る。
【0202】
第3トランジスタST3のソース電極SE3は第5補助電極AUE5を介して初期化電圧線VILに電気的に接続され得る。第3トランジスタST3のソース電極SE3は初期化電圧線VILから初期化電圧を受信し得る。第3トランジスタST3のソース電極SE3は初期化電圧線VILにセンシング信号を供給し得る。
【0203】
図10および
図11を参照すると、第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの第1ないし第3トランジスタST1,ST2,ST3それぞれは、ドレイン電極DE1,DE2,DE3、アクティブ領域ACT1,ACT2,ACT3、ソース電極SE1,SE2,SE3、ゲート絶縁膜GI、酸素提供膜ORS、およびゲート電極GE1,GE2,GE3を含み得る。
【0204】
第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3の構造は類似するので、以下では説明の便宜上第1画素SP1を例示として説明する。
【0205】
第1トランジスタST1のアクティブ領域ACT1、ドレイン電極DE1およびソース電極SE1はアクティブ層ACTLに配置される。アクティブ層ACTLはITGZO(InSnGaZnO)系、ITGO(InSnGaO)系、およびIGO(InGaO)系酸化物半導体物質の少なくとも一つを含むことができる。ITGZO(InSnGaZnO)系、ITGO(InSnGaO)系、およびIGO(InGaO)系酸化物半導体はIGZO(InGaZnO)系酸化物半導体に比べて高い電子移動度の特性を有することができる。
【0206】
ゲート絶縁膜GIはエッチングされた一部の領域を除いてアクティブ層ACTL上の全面にわたって形成される。第1トランジスタST1でゲート絶縁膜GIはアクティブ領域ACT1と第3方向DR3で重なってもよい。ゲート絶縁膜GIはアクティブ領域ACT1と直接接触し得る。第1トランジスタST1でゲート絶縁膜GIはソース電極SE1およびドレイン電極DE1上の少なくとも一部を露出するようにコンタクトホールを含み得る。ゲート絶縁膜GIはシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)およびシリコン酸窒化物(SiOxNy)の少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0207】
酸素提供膜ORSはエッチングされた一部の領域を除いてゲート絶縁膜GI上の全面にわたって形成される。第1トランジスタST1で酸素提供膜ORSはアクティブ領域ACT1およびゲート絶縁膜GIと第3方向DR3で重なってもよい。酸素提供膜ORSはゲート絶縁膜GIと直接接触し得る。第1トランジスタST1で酸素提供膜ORSはソース電極SE1およびドレイン電極DE1上の少なくとも一部を露出するようにコンタクトホールを含み得る。酸素提供膜ORSはシリコン酸化物(SiOx)およびシリコン酸窒化物(SiOxNy)の少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0208】
第1トランジスタST1のゲート電極GE1は酸素提供膜ORS上に配置された第3金属層MTL3に配置される。第1トランジスタST1のゲート電極GE1は第1トランジスタST1のアクティブ領域ACT1、ゲート絶縁膜GIおよび酸素提供膜ORSと第3方向DR3で重なってもよい。
【0209】
第2トランジスタST2のアクティブ領域ACT2、ドレイン電極DE2およびソース電極SE2はアクティブ層ACTLに配置される。アクティブ層ACTLはITGZO(InSnGaZnO)系、ITGO(InSnGaO)系、およびIGO(InGaO)系酸化物半導体物質の少なくとも一つを含むことができる。ITGZO(InSnGaZnO)系、ITGO(InSnGaO)系、およびIGO(InGaO)系酸化物半導体はIGZO(InGaZnO)系酸化物半導体に比べて高い電子移動度の特性を有することができる。
【0210】
ゲート絶縁膜GIはエッチングされた一部の領域を除いてアクティブ層ACTL上の全面にわたって形成される。第2トランジスタST2でゲート絶縁膜GIはアクティブ領域ACT2と第3方向DR3で重なってもよい。ゲート絶縁膜GIはアクティブ領域ACT2と直接接触し得る。第2トランジスタST2でゲート絶縁膜GIはソース電極SE2およびドレイン電極DE2上の少なくとも一部を露出するようにコンタクトホールを含み得る。ゲート絶縁膜GIはシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)およびシリコン酸窒化物(SiOxNy)の少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0211】
酸素提供膜ORSはエッチングされた一部の領域を除いてゲート絶縁膜GI上の全面にわたって形成される。第2トランジスタST2で酸素提供膜ORSはアクティブ領域ACT2およびゲート絶縁膜GIと第3方向DR3で重なってもよい。酸素提供膜ORSはゲート絶縁膜GIと直接接触し得る。第2トランジスタST2で酸素提供膜ORSはソース電極SE2およびドレイン電極DE2上の少なくとも一部を露出するようにコンタクトホールを含み得る。酸素提供膜ORSはシリコン酸化物(SiOx)およびシリコン酸窒化物(SiOxNy)の少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0212】
第2トランジスタST2のゲート電極GE2は酸素提供膜ORS上に配置された第3金属層MTL3に配置される。第2トランジスタST2のゲート電極GE2はアクティブ領域ACT2、ゲート絶縁膜GIおよび酸素提供膜ORSと第3方向DR3で重なってもよい。
【0213】
第3トランジスタST3のアクティブ領域ACT3、ドレイン電極DE3およびソース電極SE3はアクティブ層ACTLに配置される。アクティブ層ACTLはITGZO(InSnGaZnO)系、ITGO(InSnGaO)系、およびIGO(InGaO)系酸化物半導体物質の少なくとも一つを含むことができる。ITGZO(InSnGaZnO)系、ITGO(InSnGaO)系、およびIGO(InGaO)系酸化物半導体はIGZO(InGaZnO)系酸化物半導体に比べて高い電子移動度の特性を有することができる。
【0214】
ゲート絶縁膜GIはエッチングされた一部の領域を除いてアクティブ層ACTL上の全面にわたって形成される。第3トランジスタST3でゲート絶縁膜GIはアクティブ領域ACT3と第3方向DR3で重なってもよい。ゲート絶縁膜GIはアクティブ領域ACT3と直接接触し得る。第3トランジスタST3でゲート絶縁膜GIはソース電極SE3およびドレイン電極DE3上の少なくとも一部を露出するようにコンタクトホールを含み得る。ゲート絶縁膜GIはシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)およびシリコン酸窒化物(SiOxNy)の少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0215】
酸素提供膜ORSはエッチングされた一部の領域を除いてゲート絶縁膜GI上の全面にわたって形成される。第3トランジスタST3で酸素提供膜ORSはアクティブ領域ACT3およびゲート絶縁膜GIと第3方向DR3で重なってもよい。酸素提供膜ORSはゲート絶縁膜GIと直接接触し得る。第3トランジスタST3で酸素提供膜ORSはソース電極SE3およびドレイン電極DE3上の少なくとも一部を露出するようにコンタクトホールを含み得る。酸素提供膜ORSはシリコン酸化物(SiOx)およびシリコン酸窒化物(SiOxNy)の少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0216】
第3トランジスタST3のゲート電極GE3は酸素提供膜ORS上に配置された第3金属層MTL3に配置される。第3トランジスタST3のゲート電極GE3はアクティブ領域ACT3、ゲート絶縁膜GIおよび酸素提供膜ORSと第3方向DR3で重なってもよい。
【0217】
図12はゲート絶縁膜および酸素提供膜を示す断面図である。
図13は一実施形態によるゲート絶縁膜と酸素提供膜の温度に応じた酸素放出量を比較したグラフである。
図14は一実施形態によるゲート絶縁膜と酸素提供膜の総酸素放出量を比較したグラフである。
【0218】
図13はTDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析法(昇温脱離ガス分析法)により表面温度に応じて放出された酸素の量を示すグラフであり、
図14は
図13のグラフを積分して総放出された酸素量を示すグラフである。
【0219】
本実施形態で第1ないし第3トランジスタST1,ST2,ST3の構造は類似するので、以下では説明の便宜上第1トランジスタST1を中心に説明する。
【0220】
図10および
図11に加えて
図12ないし
図14を参照すると、本実施形態による表示装置1で、第1トランジスタST1のゲート絶縁膜GI上に酸素提供膜ORSが配置されることによって、酸素提供膜ORSからゲート絶縁膜GIを経てアクティブ領域ACT1に酸素が流入して第1トランジスタST1のアクティブ領域ACT1の半導体特性に関する信頼性を向上させることができる。
【0221】
より具体的には、第1トランジスタST1のアクティブ層ACTLは酸化物半導体、特にITGZO(InSnGaZnO)系、ITGO(InSnGaO)系、およびIGO(InGaO)系酸化物半導体を含み得る。いくつかの実施形態で、アクティブ層ACTLの上部に配置されたゲート絶縁膜GIおよび酸素提供膜ORSはシリコン酸化物(SiOx)を含むことができる。
【0222】
前記ITGZO(InSnGaZnO)系、ITGO(InSnGaO)系、およびIGO(InGaO)系酸化物半導体は酸素欠損(oxygen vacancy)を含むが、前記ITGZO(InSnGaZnO)系、ITGO(InSnGaO)系、およびIGO(InGaO)系酸化物半導体はIGZO(InGaZnO)系酸化物半導体よりも多くの数の酸素欠損を含み得る。第1トランジスタST1のアクティブ層ACTLは多くの酸素欠損を含むことによって、高い電子移動度を有することができる。
【0223】
しかし、酸素欠損のうち一部は不安定なエネルギ状態を有するので、そのうちの一部はアクティブ層ACTLの上部層を積層する後続工程過程で再び酸素が満たされる。このような理由により従来の表示装置でアクティブ層ACTLの半導体特性が変化して半導体素子に信頼性の問題を引き起こし得る。
【0224】
反面、本実施形態による表示装置1は、アクティブ領域ACT1の上部に酸素放出量が高い酸素提供膜ORSを配置することによって、酸素欠損のうち不安定なエネルギ状態を有する酸素欠損にあらかじめ酸素を充填して半導体素子の特性変化を最小化することができ、半導体素子の信頼性が向上することができる。
【0225】
例えば、酸素提供膜ORSの酸素放出量はゲート絶縁膜GIの酸素放出量より大きくてもよい。
図13に示すグラフは、TDS分析法を用いて60℃/minの昇温条件および50℃以上1200℃以下の温度範囲で放出される酸素放出量を示している。
【0226】
図13のグラフにおいてx軸は、TDS分析装置内部の温度の代わりに分析対象の表面温度を示している。
図13のグラフにおいて、y軸はTDS分析装置のディテクタ(detector)が、放出された酸素分子の量を感知して生成した電気信号の強度(intensity)を示している。ディテクタが生成した電気信号の強度が大きいほど放出された酸素量が多いと解析することができる。
【0227】
図13のグラフに示すように、多くの温度区間で、酸素提供膜ORSの酸素放出量はゲート絶縁膜GIの酸素放出量より大きいことが分かる。
【0228】
特に、
図14に示すグラフは
図13のグラフを変換してゲート絶縁膜および酸素提供膜から放出された総酸素放出量を示している。例えば、
図14に示すグラフに示すように、
図13のグラフと同一条件で、酸素提供膜ORSの総酸素放出量は概ね2.70×10
14molecules/cm
2であり、ゲート絶縁膜GIの酸素放出量は概ね9.05×10
13molecules/cm
2であり得る。すなわち、酸素提供膜ORSの酸素放出量はゲート絶縁膜GIの酸素放出量の3倍以上であり得る。好ましくは、酸素提供膜の総酸素放出量は2.5×10
14molecules/cm
2以上であり得る。酸素提供膜の総酸素放出量が2.5×10
14molecules/cm
2以上の場合、ゲート絶縁膜GIを通過してアクティブ領域ACT1に流入する酸素の量が充分になることにより、アクティブ領域ACT1の半導体素子の特性に関する信頼性が向上することができる。
【0229】
一方、酸素提供膜ORSはゲート絶縁膜GIと直接接触し、ゲート絶縁膜GIはアクティブ領域ACT1と直接接触し得る。酸素提供膜ORSはゲート絶縁膜GIを間に置いてアクティブ領域ACT1と離隔して配置される。
【0230】
酸素提供膜ORSおよびゲート絶縁膜GIがシリコン酸化物(SiOx)を含む場合に、酸素提供膜ORSのO/Si比率はゲート絶縁膜GIのO/Si比率より大きくてもよい。例えば、酸素提供膜ORSのO/Si比率は1.83以上であり、ゲート絶縁膜GIのO/Si比率は1.83より小さくてもよい。
【0231】
このように酸素含量が高い酸素提供膜ORSをアクティブ領域ACT1上に直接配置せず、酸素含量が低いゲート絶縁膜GIを酸素提供膜ORSとアクティブ領域ACT1の間に置くことによって、酸素が過剰にアクティブ領域ACT1に注入されることを防止することができる。そのため、酸素提供膜ORSをアクティブ領域ACT1上に直接配置する場合よりも多くの酸素欠損を確保することができ、アクティブ領域ACT1の電子移動度を高く維持することができる。
【0232】
一方、
図12に示すように、酸素提供膜ORSの厚さH2はゲート絶縁膜GIの厚さH1より大きくてもよい。例えば、酸素提供膜ORSの厚さH2はゲート絶縁膜GIの厚さH1の2倍以上5倍以下であり得る。酸素提供膜ORSの厚さH2は20nm以上50nm以下であり得、ゲート絶縁膜GIの厚さは10nm以上15nm以下であり得る。
【0233】
酸素提供膜ORSは表面上に凹凸を含み得る。前記凹凸の最大高さの差SCHは概ね2nm未満であり得る。前記凹凸の最大の高さの差SCHは最も高い凹凸と最も低い凹凸の間の高さ差を意味する。酸素提供膜ORSの粗度を最小化して膜質を向上させることによって、酸素提供膜ORSからアクティブ領域ACT1に流入する酸素の量に関する信頼性を確保することができる。
【0234】
以下では一実施形態による表示装置の他の実施形態について説明する。以下の実施形態では上で説明した実施形態と同じ構成については同じ参照符号を付し、重複する説明は省略または簡略化し、差異点を中心に説明する。
【0235】
図15は他の実施形態による表示装置の断面図である。
図16は他の実施形態による表示装置の断面図である。
【0236】
図15および
図16を参照すると、本実施形態による表示装置は、第2トランジスタST2および第3トランジスタST3は酸素提供膜ORSを含まない点で、
図10などを参照して説明した一実施形態による表示装置と異なる。
【0237】
より具体的には、第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3それぞれの第1ないし第3トランジスタST1,ST2,ST3は、ドレイン電極DE1,DE2,DE3、アクティブ領域ACT1,ACT2,ACT3、ソース電極SE1,SE2,SE3、ゲート絶縁膜GI、およびゲート電極GE1,GE2,GE3を含み得る。
【0238】
第1ないし第3画素SP1,SP2,SP3の構造は類似するので、以下では説明の便宜上第1画素SP1を例示として説明する。
【0239】
第1トランジスタST1は酸素提供膜ORSを含んでもよく、第2トランジスタST2および第3トランジスタST3は酸素提供膜ORSを含まなくてもよい。
【0240】
酸素提供膜ORSはエッチングされた一部の領域を除いてゲート絶縁膜GI上の全面にわたって形成される。第1トランジスタST1で酸素提供膜ORSはアクティブ領域ACT1およびゲート絶縁膜GIと第3方向DR3で重なってもよい。酸素提供膜ORSはゲート絶縁膜GIと直接接触し得る。第1トランジスタST1で酸素提供膜ORSはソース電極SE1およびドレイン電極DE1上の少なくとも一部を露出するようにコンタクトホールを含み得る。
【0241】
反面、第2トランジスタST2および第3トランジスタST3でアクティブ領域ACT2,ACT3と重なる領域には酸素提供膜ORSが配置されなくてもよい。第2トランジスタST2および第3トランジスタST3で酸素提供膜ORSはソース電極SE2,SE3およびドレイン電極DE2,DE3上の少なくとも一部を露出するようにコンタクトホールを含み得る。この時、第2トランジスタST2および第3トランジスタST3でアクティブ領域ACT2,ACT3と重なる領域にある酸素提供膜ORSは共にエッチングされて除去される。そのため、第2トランジスタST2および第3トランジスタST3でゲート電極GE2,GE3はゲート絶縁膜GI上に直接配置される。
【0242】
本実施形態による表示装置1は
図15および
図16に示すように第1ないし第3トランジスタST1,ST2,ST3のうち第1トランジスタST1のみが酸素提供膜ORSを含んでもよい。ただし、これは一つの実施形態を図示することに過ぎなく、様々な他の実施形態で、第2トランジスタST2が酸素提供膜ORSを含み、残りの第1および第3トランジスタST1,ST3が酸素提供膜ORSを含まなくてもよく、第3トランジスタST3が酸素提供膜ORSを含み、残りの第1および第2トランジスタST1,ST2が酸素提供膜ORSを含まなくてもよい。または、第1トランジスタST1が酸素提供膜ORSを含まなく、残りの第2および第3トランジスタST2,ST3が酸素提供膜ORSを含むこともでき、第2トランジスタST2が酸素提供膜ORSを含まなく、残りの第1および第3トランジスタST1,ST3が酸素提供膜ORSを含むこともでき、第3トランジスタST3が酸素提供膜ORSを含まなく、残りの第1および第2トランジスタST1,ST2が酸素提供膜ORSを含むこともできる。
【0243】
以下では一実施形態による表示装置の製造方法について説明する。
【0244】
図17は一実施形態による表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
図18ないし
図27は一実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【0245】
図17ないし
図27を参照すると、一実施形態による表示装置の製造方法(S1)は、基板上にアクティブ層を形成する段階(S110)、アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する段階(S120)、ゲート絶縁膜上に酸素提供膜を形成する段階(S130)、および酸素提供膜上に金属層を形成する段階(S140)を含み得る。
【0246】
最初に、基板上にアクティブ層を形成する段階(S110)で、
図20に示すように、第1基板110上に第1金属層MTL1をパターニングして、第1金属層MTL1上にバッファ膜BFを覆って、バッファ膜BF上にアクティブ層ACTLを形成する。
【0247】
第1金属層MTL1はフォトリソグラフィ工程により第1基板110上に形成される。第1金属層MTL1はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0248】
バッファ膜BFはシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、およびアルミニウムオキシド層のうち一つ以上の無機膜が交互に積層された多重膜で形成される。
【0249】
アクティブ層ACTLはフォトリソグラフィ工程によりバッファ膜BF上に形成される。アクティブ層ACTLはITGZO(InSnGaZnO)系、ITGO(InSnGaO)系、およびIGO(InGaO)系酸化物半導体物質の少なくとも一つで形成されることができる。
【0250】
二番目に、アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する段階(S120)で、
図21に示すように、アクティブ層ACTL上にゲート絶縁膜GIが形成される。ゲート絶縁膜GIはCVD(Chemical Vapor Deposition)、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)のような化学気相蒸着工程により形成されることができる。ゲート絶縁膜GIはシリコン酸化物(SiO
x)、シリコン窒化物(SiN
x)およびシリコン酸窒化物(SiO
xN
y)の少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0251】
ゲート絶縁膜GIが化学気相蒸着工程により形成される場合に、蒸着装置DPSは第1ガスGS1および第2ガスGS2を反応ガスとして蒸着工程を行う。第1ガスGS1はシラン(SiH4)ガスであり、第2ガスGS2は亜酸化窒素(N2O)ガスであり得る。
【0252】
三番目に、ゲート絶縁膜上に酸素提供膜を形成する段階(S130)で、
図22に示すように、ゲート絶縁膜GI上に酸素提供膜ORSが形成される。酸素提供膜ORSは、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)のような化学気相蒸着工程により形成されることができる。酸素提供膜ORSはシリコン酸化物(SiO
x)およびシリコン酸窒化物(SiO
xN
y)の少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0253】
酸素提供膜ORSが化学気相蒸着工程により形成される場合に、蒸着装置DPSは第1ガスGS1および第2ガスGS2を反応ガスとして蒸着工程を行う。第1ガスGS1はシラン(SiH4)ガスであり、第2ガスGS2は亜酸化窒素(N2O)ガスであり得る。
【0254】
その後、
図23に示すように、ゲート絶縁膜GIおよび酸素提供膜ORSの少なくとも一部がエッチングされてコンタクトホールが形成される。コンタクトホールを介して第1金属層MTL1の一部およびアクティブ層ACTLの一部が露出する。
【0255】
その後、一部が露出したアクティブ層ACTLがドープされる。アクティブ領域ACT1,ACT2の一側および他側がドープされてドレイン電極DE1,DE2およびソース電極SE1,SE2が形成される。
【0256】
四番目に、酸素提供膜上に金属層を形成する段階(S140)で、
図24ないし
図27に示すように、酸素提供膜ORS上に第2金属層MTL2をパターニングし、第2金属層MTL2上に層間絶縁膜ILDを覆い、層間絶縁膜ILD上に第3金属層MTL3をパターニングし、第3金属層MTL3上に保護膜PVを覆う。
【0257】
第2金属層MTL2はフォトリソグラフィ工程により第1基板110上に形成される。第2金属層MTL2はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0258】
層間絶縁膜ILDは無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。
【0259】
第3金属層MTL3はフォトリソグラフィ工程により第1基板110上に形成される。第2金属層MTL3はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0260】
保護膜PVは無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。
【0261】
本実施形態による表示装置の製造方法(S1)によれば、ゲート絶縁膜上に酸素提供膜を形成する段階(S130)で第2ガスGS2の流量に対する第1ガスGS1の流量の比率である第1比率は、アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する段階(S120)で第2ガスGS2の流量に対する第1ガスGS1の流量の比率である第2比率より小さくてもよい。例えば、前記第1比率は1:55より小さいか同じであり得、前記第2比率は1:55より大きくてもよい。このように第1比率を第2比率より小さくすることによって、ゲート絶縁膜GIより酸素含量が高い酸素提供膜ORSを形成することができる。
【0262】
以下では一実施形態による表示装置の製造方法の他の実施形態について説明する。以下の実施形態では上で説明した実施形態と同じ構成については重複する説明は省略または簡略化し、差異点を中心に説明する。
【0263】
図28は他の実施形態による表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
図29は
図28のS220を示すフローチャートである。
図30ないし
図35は他の実施形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
【0264】
図28ないし
図35を参照すると、本実施形態による表示装置の製造方法(S2)は酸素提供膜ORSを含まず、ゲート絶縁膜GIにプラズマ処理をする点で、
図17などを参照して説明した一実施形態による表示装置の製造方法(S1)と異なる。
【0265】
より具体的には、他の実施形態による表示装置の製造方法(S2)は、基板上にアクティブ層を形成する段階(S210)、アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する段階(S220)、ゲート絶縁膜上に金属層を形成する段階(S230)を含み得る。
【0266】
最初に、基板上にアクティブ層を形成する段階(S210)で、
図30に示すように、第1基板110上に第1金属層MTL1をパターニングし、第1金属層MTL1上にバッファ膜BFを覆い、バッファ膜BF上にアクティブ層ACTLを形成する。
【0267】
第1金属層MTL1、バッファ膜BFおよびアクティブ層ACTLの形成方法に関する説明は前述した一実施形態による表示装置の製造方法(S1)と同一であるため省略する。
【0268】
二番目に、アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する段階(S220)で、
図29に示すように、アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する段階(S220)は、蒸着工程実行段階(S221)およびプラズマ処理工程実行段階(S222)を含み得る。
【0269】
蒸着工程実行段階(S221)で、
図31に示すように、アクティブ層ACTL上にゲート絶縁膜GIが形成される。ゲート絶縁膜GIは、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)のような化学気相蒸着工程により形成されることができる。ゲート絶縁膜GIはシリコン酸化物(SiO
x)、シリコン窒化物(SiN
x)およびシリコン酸窒化物(SiO
xN
y)の少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0270】
ゲート絶縁膜GIが化学気相蒸着工程により形成される場合に、蒸着装置DPSは第1ガスGS1および第2ガスGS2を反応ガスとして蒸着工程を行う。第1ガスGS1はシラン(SiH4)ガスであり、第2ガスGS2は亜酸化窒素(N2O)ガスであり得る。
【0271】
プラズマ処理工程実行段階(S222)で、蒸着装置DPSは第3ガスGS3を反応ガスとしてプラズマ処理工程を行う。第3ガスGS3は亜酸化窒素(N2O)ガスおよび酸素(O2)ガスのうち少なくともいずれか一つを含むことができる。このように、プラズマ処理によりイオン化された第3ガスGS3粒子がゲート絶縁膜GIの内部に浸透し得る。そのため、ゲート絶縁膜GIの酸素含量が増加し、ゲート絶縁膜GIの酸素放出量もまた、増加し得る。
【0272】
本実施形態による表示装置の製造方法(S2)によれば、酸素含量が高いゲート絶縁膜GIをアクティブ層ACTL上に直接配置する代わりに、酸素含量が低いゲート絶縁膜GIにイオン化された酸素粒子を入れることによって、酸素放出量を調節することができる。
【0273】
いくつかの実施形態で、蒸着工程実行段階(S221)がPECVD工程により行われる場合に、蒸着工程実行段階(S221)のPECVD工程でプラズマのエネルギの大きさは、プラズマ処理工程実行段階(S222)でプラズマのエネルギの大きさより大きくてもよい。また、蒸着工程実行段階(S221)での第2ガスGS2の流量は、プラズマ処理工程実行段階(S222)での第3ガスGS3の流量より小さくてもよい。
【0274】
本実施形態による表示装置の製造方法(S2)によれば、プラズマ処理工程実行段階(S222)で蒸着工程実行段階(S221)よりプラズマエネルギを低くし、酸素を含む反応ガスの流量を高めることによって、酸素含量が低いゲート絶縁膜GIに酸素粒子をさらに入れることができる。
【0275】
その後、
図33に示すように、ゲート絶縁膜GIおよび酸素提供膜ORSの少なくとも一部がエッチングされてコンタクトホールが形成される。コンタクトホールを介して第1金属層MTL1の一部およびアクティブ層ACTLの一部が露出し得る。
【0276】
その後、一部が露出したアクティブ層ACTLがドープされる。アクティブ領域ACT1,ACT2の一側および他側がドープされてドレイン電極DE1,DE2およびソース電極SE1,SE2が形成される。
【0277】
三番目に、ゲート絶縁膜上に金属層を形成する段階(S230)で、
図34および
図35に示すように、ゲート絶縁膜GI上に第2金属層MTL2をパターニングして、第2金属層MTL2上に層間絶縁膜ILDを覆い、層間絶縁膜ILD上に第3金属層MTL3をパターニングし、第3金属層MTL3上に保護膜PVを覆う。
【0278】
第2金属層MTL2、層間絶縁膜ILD、第3金属層MTL3、および保護膜PVの形成方法に関する説明は前述した一実施形態による表示装置の製造方法(S1)と同様であるため省略する。
【0279】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0280】
1 表示装置
100 表示基板
200 色変換基板
300 充填材
400 シーリング部
510 フレキシブルフィルム
520 表示駆動部
530 回路ボード
540 タイミング制御部
550 電源供給部
560 ゲート駆動部
SP1,SP2,SP3 第1ないし第3画素
110 第1基板
CCL 回路層
EML 発光素子層
210 第2基板
MTL1 第1金属層
ACTL アクティブ層
MTL2 第2金属層
MTL3 第3金属層
BF バッファ膜
GI ゲート絶縁膜
ORS 酸素提供膜
ILD 層間絶縁膜
PV 保護膜
DPS 蒸着装置
GS1,GS2,GS3 第1ないし第3ガス