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特開2024-132849薄膜のパターン形成方法、及びその処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132849
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】薄膜のパターン形成方法、及びその処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20240920BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240920BHJP
   C23F 4/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L21/306 F
H01L21/302 105A
H01L21/30 576
C23F4/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204300
(22)【出願日】2023-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2023042321
(32)【優先日】2023-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】399084074
【氏名又は名称】城戸 秀作
(72)【発明者】
【氏名】城戸 秀作
【テーマコード(参考)】
4K057
5F004
5F043
5F146
【Fターム(参考)】
4K057DA12
4K057DB01
4K057DB05
4K057DD01
4K057DE01
4K057DM28
4K057DN01
5F004BA03
5F004DA01
5F004DA04
5F004DA06
5F004DA16
5F004DA17
5F004DA18
5F004DA20
5F004DA23
5F004DA24
5F004DA25
5F004DA26
5F004DB01
5F004DB03
5F004DB07
5F004DB09
5F004EA10
5F004EA28
5F004EA37
5F004FA01
5F043AA26
5F043BB18
5F043CC01
5F043CC09
5F043CC11
5F043CC16
5F146AA28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】下地膜のサイドエッチングを抑制した薄膜のパターン形成方法及びパターン形成処理装置を提供する。
【解決手段】サイドエッチングを抑制した下地膜T0である薄膜のパターン形成方法として、通常の下地膜のエッチング時間を3回以上、最適には、4~10回以上に分割してエッチング処理する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング対象となる下地膜上に形成した少なくとも1種類の有機物質を含む有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクを形成後、エッチング対象となる下地膜のエッチングを少なくとも3回以上、最適には4回以上の回数エッチングを行い、少なくとも有機膜パターンで覆われていない部分の下地膜を全て除去すること特徴とする薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項2】
前記エッチング対象となる下地膜のエッチングを少なくとも3回以上、最適には4回以上の回数エッチングする場合において、エッチング対象となる下地膜の各回のエッチング量の合計、又は各回のエッチングレートと各回の処理時間の積より計算される各回のエッチング量の合計は、エッチング対象となる下地膜の膜厚と同じ値を割合100%の値とすると、それに対し少なくとも割合100~200%以内、最適には、割合110~150%以内の値であることを特徴とする前記請求項1に記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項3】
前記エッチング対象となる下地膜のエッチングを少なくとも3回以上、最適には4回以上の回数エッチングする場合において、エッチング対象となる下地膜の各回のエッチング量、又は各回のエッチングレートと各回の処理時間の積は、下地膜の全膜厚をエッチング回数で割った値と同じ値を割合100%の値とすると、それに対して少なくとも割合100±50%、最適には、割合100±20%の範囲内の値であることを特徴とする前記請求項1乃至2のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項4】
前記エッチング対象となる下地膜のエッチングを少なくとも3回以上、最適には4回以上の回数エッチングする場合において、エッチング対象となる下地膜の各回のエッチング量、又は各回のエッチングレートと各回の処理時間の積は、下地膜の全膜厚をエッチング回数で割った値と同じ値を割合100%の値とすると、それに対して、最終回以外は、少なくとも割合100±20%、最適には、割合100±10%であり、最終回のエッチングのみ少なくとも割合100+0~100%、最適には割合100+0~50%の範囲内であることを特徴とする前記請求項1乃至3のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項5】
前記薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置において、少なくとも2回目以降の各エッチングの前に、前記有機膜パターン、又はレジスト膜パターンのマスクの特性や形状を変化させる処理を行うことを特徴とする前記請求項1乃至4のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも1種類の有機物質を含む有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクが、前記有機膜パターン、又はレジスト膜パターンのマスクの特性や形状を変化させる処理により、下地膜との密着性を回復させたり、少なくとも増大させたりすることを特徴とする前記請求項1乃至5のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項7】
前記少なくとも1種類の有機物質を含む有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクが、前記有機膜パターン、又はレジスト膜パターンのマスクの特性や形状を変化させる処理により、軟化、屈曲、湾曲、液状流動化(リフロー)等の変形をすることを特徴とする前記請求項1乃至6のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項8】
前記少なくとも1種類の有機物質を含む有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクが、前記有機膜パターン、又はレジスト膜パターンのマスクの特性や形状を変化させる処理により、軟化、屈曲、湾曲、液状流動化(リフロー)等の変形した後、下地膜との密着性を回復させたり、少なくとも増大させたりすることを特徴とする前記請求項1乃至7のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項9】
前記少なくとも1種類の有機物質を含む有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクが、前記有機膜パターン、又はレジスト膜パターンのマスクの特性や形状を変化させる処理により、下地膜のサイドエッチングが起こった部分の少なくとも一部、最適には、その全てを覆い隠すように変形することを特徴とする前記請求項1乃至8のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項10】
前記少なくとも1種類の有機物質を含む有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクに対し、各種レジスト特性変更処理を何回も繰り返し行なった場合にも、そのマスク材料の特性として、毎回において、下地膜との密着性を回復させたり、少なくとも増大させたり、軟化、屈曲、湾曲、液状流動化(リフロー)等の変形や、下地膜のサイドエッチングが起こった部分の少なくとも一部、最適には、その全てを覆い隠すような変形を繰り返すことが可能な材料を選択して使用することを特徴とする前記請求項1乃至9のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項11】
前記少なくとも1種類の有機物質を含む有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクが、下地膜の膜厚1/2以下、最適には1/4以下、又は0.5µm以下、最適には、0.25µm以下に形成することを特徴とする前記請求項1乃至10のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項12】
前記薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置において、少なくとも2回目以降の各エッチングの前に前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの特性や形状を変化させる処理を行った後に、2回目以降の現像処理である再現像処理や、アッシング処理を行うことを特徴とする前記請求項1乃至11のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項13】
前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの特性や形状を変化させる処理が、前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの少なくとも一部が、下地膜との密着性や、又は密着面積を回復、増大させたりする処理を含むことを特徴とする前記請求項1乃至12のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項14】
前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの特性や形状を変化させる処理が、前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの少なくとも一部が、軟化、湾曲化のみで、溶解や、液状流動化(リフロー)等を起こさず、下地膜との密着性を向上させたり、又は密着面積を回復、増大させたりする処理を含むことを特徴とする前記請求項1乃至13のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項15】
前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの特性や形状を変化させる処理が、前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの少なくとも一部が溶解や、液状流動化(リフロー)等を起こし、下地膜との密着性を向上させたり、又は密着面積を回復、増大させたりする処理を含むことを特徴とする前記請求項1乃至14のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項16】
前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの特性や形状を変化させる処理が、前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクに対し、加熱ベーク処理を行うのみであることを特徴とする前記請求項1乃至15のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項17】
前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの特性や形状を変化させる処理が、前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクに対し、有機溶剤の薬液に晒す処理であることを特徴とする前記請求項1乃至16のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項18】
前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの特性や形状を変化させる処理が、前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクに対し、有機溶剤の薬液に晒す処理と、加熱ベーク処理とを組み合わせた処理であることを特徴とする前記請求項1乃至17のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項19】
前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクに対し、有機溶剤の薬液に晒す方法が、有機溶剤の薬液の蒸気にさらす方法か、有機溶剤の薬液と不活性ガスのN2、Ar等のガスと同時噴射する方法か、有機溶剤の薬液中に不活性ガスのN2、Ar等のガスをバブリングさせたガスにさらす方法によることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項20】
前記再現像処理が、前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクに対し、露光感度により除去量に差のある処理であることを特徴とする前記請求項1乃至19のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項21】
前記再現像処理が、現像処理に用いる薬液の濃度を薄くした薬液を用いる処理であることを特徴とする前記請求項1乃至20のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項22】
前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの特性や形状を変化させる処理が、前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクに対し、加熱ベーク処理を行う場合の温度が、前記有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクのキュアー温度以下、又は、100~130℃以下あることを特徴とする前記請求項1乃至21のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項23】
前記エッチングが、ウェットエッチング、又はドライエッチングであり、特に、エッチングガスのプラズマ状態から、ラジカルガス部分のみを取り出して別途処理を行うケミカルドライエッチングであることを特徴とする前記請求項1乃至22のいずれかに記載の薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項24】
前記請求項1乃至23に記載の薄膜パターンの処理装置において、その処理ユニットが、レジストの形状や特性を変更する処理ユニット、乾燥や温度を冷却又は安定化する処理ユニット、エッチングする処理ユニットの少なくとも3つのユニット備えることを特徴とする薄膜パターンの処理装置。
【請求項25】
前記請求項1乃至24に記載の薄膜パターンの処理装置において、レジストの形状や特性を変更する処理ユニットが、基板に対し加熱ベークする処理ユニットのみか、有機溶剤の薬液に晒す処理と加熱ベークする処理を組み合わせた処理ユニットであることを特徴とする薄膜パターンの処理装置。
【請求項26】
前記請求項1乃至25に記載の薄膜パターンの処理装置において、乾燥や温度を冷却又は安定化する処理ユニットが、基板温度を常温等にする冷却処理のみか、乾燥処理のみか、乾燥処理と冷却処理を組み合わせたユニットであることを特徴とする薄膜パターンの処理装置。
【請求項27】
前記請求項1乃至26に記載の薄膜パターンの処理装置において、レジストの形状や特性を変更する処理ユニット、乾燥や温度を冷却又は安定化する処理ユニット、エッチングする処理ユニットでの処理を少なくとも2回以上、最適には3回以上繰り返す処理を行うことを特徴とする薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置。
【請求項28】
前記請求項1乃至27に記載の薄膜パターンの処理装置において、レジストの形状や特性を変更する処理ユニット、乾燥や温度を冷却又は安定化する処理ユニット、エッチングする処理ユニットでの処理順に、少なくとも2回以上、最適には3回以上繰り返す処理を行うことを特徴とする薄膜パターンの形成方法、及びその処理装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機マスクを利用した薄膜のパターン形成方法、及びその処理装置に関する。本発明に関する現時点での技術水準をより十分に説明する目的で、本願で引用され或いは特定される特許、特許出願、特許公報、科学論文等の全てを、参照することでそれらの全ての説明を組入れる。
【背景技術】
【0002】
有機膜により形成されたマスク(以下有機マスク、有機膜パターンと呼ぶが、レジストマスク、レジスト膜マスク、レジストパターンマスクもその1例としその範疇に含むものとする)の一例として以下レジストパターンをマスク(以下レジストマスク、レジストパターンマスク、レジスト膜マスク、レジスト膜パターンマスク、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクのいづれかを呼ぶが、いづれも同義とする)を例にとり説明する。レジストマスクとして使用し下地膜をエッチングする工程は、半導体装置を形成する際に必須の工程である。エッチングとしては、ウエットエッチングに代表される等方性エッチングと、ドライエッチングに代表される異方性エッチングとがある。本願明細書で言う等方性エッチングとは、エッチングの方向が、上下のみならず左右方向にもエッチングが進行する場合を示しており、必ずしも上下左右が同一エッチング速度で進行しない場合も含むものとする。更に本願明細書で言う異方性エッチングとは、有機マスクの下部には、エッチングがほとんど進行しないほど上下と左右方向のエッチング速度が異なる場合を言うものとする。但し、ドライエッチングの中でも、プラズマ放電の方式、処理圧力、エッチング対象材料、処理ガスの種類によりその性質が異なり、比較的に等方性の傾向が強く見られる場合(以下、等方性ドライエッチングと呼ぶ)と、異方性の傾向が強い場合(以下、異方性ドライエッチングと呼ぶ)がある。これら異なる性質のエッチングは、エッチングを行う際の条件を考慮してより適当な方が選択される。レジストパターンをマスクとして下地膜をエッチングする場合には、レジストパターン端部(レジストパターンの有る部分と無い部分の境界)において、いわゆるサイドエッチング(又は、アンダーカット)と呼ばれる現象により下地膜がレジストパターンより異なった寸法で形成されという問題点があった。特にその傾向が強いか、細いパターン(例えば1μm以下)の場合には、下地膜パターンが大きく異なった寸法で形成されるだけでなく、下地膜パターン自体が消失し形成されないという問題があった。このため、前記いずれかのエッチング方法であっても下地膜のサイドエッチング(又は、アンダーカット)を極力抑制することが強く求められる。
【0003】
ウエットエッチングを使用してエッチングした際に下地膜のサイドエッチング(又は、アンダーカット)を抑制する従来技術が特許文献1(特開昭50-37374号)に開示されている被処理体の主表面にホトレジスト膜を部分的に形成し、これをマスクとして被処理体を選択的にエッチングするエッチング法において、上記被処理体の主表面に熱可塑性のホトレジスト膜を部分的に形成した後、これをマスクとして被処理体をエッチングして溝を形成し、次に被処理体を加熱することによりホトレジスト膜を軟化させて前記溝の側面部を覆い然る後、さらにエッチングし、前記ホトレジスト膜の軟化および被処理体のエッチング処理を1階ないし多数回行って貫通孔を形成することを特徴とする技術が記載されている。
【0004】
特許文献2(特開昭60-234982号)には特許文献1と同様に被エッチング層の上のレジストを加熱し、レジストがキュア(レジストフローを起こす温度でキュアと別途記載有り)する温度に加熱処理するが、その前後に部分的にエッチングする方法でサイドエッチングを抑制する方法が記載されている。
【0005】
特許文献3(特開平05-327179号)には特許文献1、2と同様に被エッチング層をハーフエッチング後に、被エッチング層上に設けるレジスト層を軟化させてから、残りのエッチングを行い方法が記載されており、レジストを軟化させる方法として通常は熱処理による軟化(同文献の段落番号0016)と記載されている。
【0006】
特許文献4(特開平11-214826号)には特許文献1、2と同様に被エッチング層(この文献では導体層)上にレジスト膜を部分的に形成し、被エッチング層の一部をエッチングした後、真空圧着装置のクッション板でエッチング端のレジスト膜を加熱しながら折り曲げる方法が記載され、その加熱について(同文献の段落番号0010、0011、0021、0032より)軟化温度まで加熱させることが記載されている。
【0007】
特許文献5(特開昭53-77848号)には特許文献1、2、3、4と同様のエッチング途中においてレジスト膜を軟化させる方法として、レジスト膜を有機溶剤中に浸漬して膨潤させる方法が記さている。更にその浸漬する有機溶剤の例として炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類等が記されている。
【0008】
特許文献6(特開昭57-16169号)には特許文献1、2、3、4と同様のエッチング途中にマスク層(本文献でのマスク層は、他の文献のレジスト膜と同様)を折り曲げる方法に、マスク層をパラフィン系の炭化水素、いわゆる白灯油或いは芳香族炭化水素、キシレン、トルエン等膨潤液に浸漬させて膨潤させる方法を用いている。
【0009】
また、特許文献7(特開2002-334830号)には、有機膜(レジスト膜、レジストマスクを含む)を溶解する薬液を有機膜に浸透させ(すなわち、少なくとも有機膜を溶解する薬液に浸漬か、その有機溶剤の蒸気にさらす)ことにより、有機膜を溶解させリフロー(薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)又は薬液ガス暴露等と呼ぶ)させるが、その有機膜の溶解後に下地膜をエッチングする方法が記載されている。
【0010】
特許文献1乃至特許文献4に開示の前述した従来技術はいずれもレジスト膜を加熱処理してレジスト膜を軟化させたり、フローさせる方法を採用するが、その処理温度はレジスト膜がキュアする付近である。その処理温度は、レジスト膜のプリベークや、ポストベーク温度よりも高温であり、レジスト膜中の溶剤成分の大部分が蒸発する為、その処理後は硬化し、レジスト剥離が困難になるという不具合も起こり、更には、再度そのレジスト膜を軟化させるのはほぼ不可能であった。その為、特許文献1に記載のフォトレジスト膜(レジスト膜と同義)の1回目の軟化と下地膜の2回目のエッチング以降のレジスト膜は2回目の軟化以降は困難であると言わざるを得ない。
【0011】
特許文献5乃至特許文献6に開示の前述した従来技術はいずれもレジスト膜を有機溶剤に浸漬する方法によりレジスト膜を膨潤させているが、膨潤ではレジスト膜が膨張するのみで、しかも液中なので下地膜の表面をフローし保護する効果を生み出し難く、浮力により下地膜のサイドエッチング部にうまく貼り付かない可能性が高く、有機溶剤中の浸漬によりレジスト膜の表面等の一部は溶解する可能性もあり、その場合には下地膜の表面をフローするというより、むしろ液中に一部溶けることにより消失する可能性があった。
【0012】
ここでレジスト膜を薬液に浸漬して溶解させフローさせることを以下、薬液浸漬溶解リフローと呼び、レジスト膜を薬液の蒸気にさらして溶解させフローさせることを薬液蒸気溶解リフローと呼ぶ。
【0013】
特許文献7に開示の前述した従来技術はレジスト膜を有機溶剤に浸透させる方法として、第1の方法として薬液浸漬溶解リフローする方法か、第2の方法として薬液蒸気溶解リフローを採用している。この場合、第一の方法(薬液浸漬リフロー)は、前記特許文献5,6と同一の問題点(レジスト膜が液中にて溶解消失等)があり、もう一方の第2の方法(薬液蒸気溶解リフロー)は、有機溶剤を気体状にしてさらすので、レジスト膜の表面を溶解させ、フローさせることが出来るが、レジスト膜を大きく1~4μm以上にもリフローさせて下地膜をエッチングさせる方法なので、レジスト膜とは寸法が大きく異なる下地膜が出来るという1つ目の問題点と、リフローさせるレジスト膜と下地膜の密着性を向上させる為のリフロー後のベークについて記されておらず、サイドエッチングが起こりやすい状態であることの加えて、下地膜をレジスト膜のリフロー前後に1回ずつ合計2回行うのみなので、サイドエッチング抑制効果は少なかった。
【0014】
特許文献8に開示の前述した従来技術はレジスト膜を有機溶剤に浸透させる方法として、こちらの場合も第1の方法として薬液浸漬溶解リフローする方法か、第2の方法として薬液蒸気溶解リフローを採用している。この場合も、第一の方法(薬液浸漬リフロー)は、前記特許文献5,6と同一の問題点(レジスト膜が液中にて溶解消失等)があり、もう一方の第2の方法(薬液蒸気溶解リフロー)は、有機溶剤を気体状にしてさらすので、レジスト膜の表面を溶解させ、フローさせることが出来るが、フローしたレジスト膜と下地膜の密着性を当初のレジスト膜と下地膜の密着性より悪くしたまま下地膜のエッチングをすることで下地膜のサイドエッチングをわざと起こさせることで下地膜の端部をテーパー化しているので、本発明の目的と逆であり、更にエッチングも1回のみなので、サイドエッチングは通常より起こりやすいという問題点があった。
【0015】
従って、上記従来技術が抱えていた欠点及び問題が生じることのない(サイドエッチングを抑制した)下地膜である薄膜のパターン形成方法、及びその処理装置を提供することが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開昭50-37374号公報(第3欄第4行目乃至第15、第8欄第4行目乃至第9行目行目、第1図及び第2図)
【特許文献2】特開昭60-234982号公報(第3欄第4行目乃至第14、第3欄第13行目乃至第4欄第12行目、第1図、第2図及び第3図)
【特許文献3】特開平05-327179号公報(段落番号0008、段落番号009、段落0016及び図1
【特許文献4】特開平11-214826号公報(段落番号0013、段落番号0014及び図4
【特許文献5】特開昭53-77848号公報(第3欄第1行目乃至第10、第5欄第14行目乃至第6欄第8行目、第2図)
【特許文献6】特開昭57-16169号公報(第7欄第10行目乃至第8欄第9行目及び第1~第5図)
【特許文献7】特開2002-334830号公報(段落番号0039、段落番号0041、段落番号0043~段落番号0053及び第1図、第2図)
【特許文献8】特開2005-303151号公報(段落番号0017、段落番号0018、段落番号0019、段落番号0020、段落番号0021、段落番号0022、段落番号0023、段落番号0043及び第1図、第2図、第3図、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、上記従来技術が抱えていた欠点及び問題が生じることのない(サイドエッチングを抑制した)下地膜である薄膜のパターン形成方法を提供することが第一の目的である。
【0018】
本発明の第二の目的は、本発明に関する(サイドエッチングを抑制した)下地膜である薄膜のパターン形成方法を実現する処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
[エッチングによる薄膜のパターン形成方法]
本発明の第一の目的であって、下地膜上に形成した少なくとも1種類の有機物質を含む有機膜パターン、又はレジスト膜を使用したパターンのマスクの端部における下地膜のサイドエッチングを抑制した薄膜のパターン形成方法は、通常の下地膜のエッチング時間、すなわちレジスト膜で覆われていない部分の下地膜全体をエッチング除去する最短時間とその5~30%(もしくは、0~100%)のオーバーエッチング時間を合計した全エッチング時間を3回以上、最適には、4~10回に分割してエッチング処理する方法を用いている。また、より微細(3μm以下等)なパターン加工の場合には、11~数十回にもエッチング回数を分割する方法を用いる場合もある。
【0020】
但し、エッチングの分割は、全処理時間でなく、エッチングする下地膜の全膜厚を対象に分割する方法を取ることも可能で、その分割は前記同様に、下地膜のエッチングする膜厚を対象に3回以上、最適には、4~10回、より微細なパターンの場合には、11~数十回に分割してエッチング処理する方法とすることも可能である。
【0021】
1回目のエッチング処理前には、現像後のポストベーク処理(エッチング前のプリベーク処理でもある)を行い、2回目以降のエッチング処理前に、毎回(2回目以降~最終回のエッチング処理の各回の前に)少なくともレジスト特性変更処理とレジスト安定化処理を行い、必要に応じて、レジストマスクの再現像処理、又はアッシング処理(主にO2ガスのプラズマ雰囲気中処理)を追加した後、毎回のエッチング処理することを特徴としている。
【0022】
但し、前記レジスト特性変更処理とレジスト安定化処理後のエッチング処理の前に加熱ベーク処理(キュア温度以下の90~130℃以下)と温調(冷却)処理を追加する場合もある。
【0023】
ここで、レジスト特性変更処理とは、a)エッチング後にレジストマスクと下地膜の密着面積を回復、又は増大させたり密着性が悪化した部分に対し、少しでも回復させる効果のある処理:レジスト密着強化処理、b)レジストマスクの形状を変化(少なくとも一部が固体のまま、又は液状化せず軟化することにより、屈曲化、湾曲化)させ下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする処理:レジスト変形処理1、c)レジストマスクの形状を変化(少なくとも一部が液状化し、溶解、リフロー、流動化)させ下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする処理:レジスト変形処理2、d)前記a)や前記b)や前記c)のいずれかの組み合わせ処理、の4種の内いずれかの事である。
【0024】
また、基板安定化処理とは、a)基板の温度を常温や、最適な温度したり、冷却する処理:基板温調処理、b)基盤に付着した液体等を温冷風、ドライAir、N2等のブローで除去、乾燥させたりする処理:基板乾燥処理、c)基板に付着した液体等を真空中に置くことで除去、乾燥させたりする処理:基板真空処理、d)前記a)や前記b)や前記c)のいずれかの組み合わせ処理、の4種の内いずれかの事である。
【0025】
更に、必要に応じて追加するレジストマスクの再現像処理、又はアッシング処理は、1)レジストマスクに対し、少しでも現像効果(感光/非感光による溶解速度差のある溶解効果)のある溶解処理、2)レジストマスクへのいわゆるアッシング処理(主にO2ガスのプラズマ雰囲気中処理によるレジストマスクの少なくとも一部の除去処理)のいずれかのことである。但し、1)の再現像処理の場合、レジストマスクを露光後の環境による感光度が影響するので、露光後も感光しない状態に維持しておいた方がより効果的である。
【0026】
ここでエッチングは、ウェットエッチング、ドライエッチングいずれでも可である。特にドライエッチングの場合は、等方性エッチングの場合が効果的である。
【0027】
[エッチングによる薄膜のパターン形成処理装置]
本発明の第二の目的であるパターン形成処理装置は、本発明の第一の目的である下地膜のサイドエッチングを抑制した薄膜のパターン形成方法を実現する処理装置であり、最低限必要な処理ユニットとして、1)エッチング処理ユニット、2)レジスト特性変更処理ユニット、3)基板安定化処理ユニットにより構成された処理装置である。
【0028】
また、基板安定化処理ユニットとは、1)レジストマスクの温度を常温や、エッチング前として最適な温度にする効果のある処理ユニット、2)レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする効果のある処理ユニット、1)+2)の合わせた効果のある処理ユニットのいずれかの事である。
【0029】
更に、必要に応じて追加するレジストマスクの再現像処理ユニット、又はアッシング処理ユニットは、1)レジストマスクに対し、少しでも現像効果(感光/非感光による溶解速度差のある溶解効果)のある溶解処理ユニット、2)レジストマスクへのいわゆるアッシング処理(主にO2ガスのプラズマ雰囲気中処理によるレジストマスクの少なくとも一部の除去処理)のいずれかのユニットのことである。但し、1)の再現像処理ユニットの場合、レジストマスクを露光後の環境による感光度が影響するので、露光後も感光しない状態に維持しておいた方がより効果的である。
【0030】
更にその処理装置は、前記本発明の第一の目的である下地膜のサイドエッチングを抑制した薄膜のパターン形成方法により、その処理順序と処理条件に基づいた1)マルチユニット処理機能の装置、又は、2)連続ユニット処理機能の装置のいずかで構成されているものである。
【0031】
但し、前記レジスト特性変更処理ユニットとレジスト安定化処理ユニット後のエッチング処理ユニット前に加熱ベーク処理(キュア温度以下の90~130℃以下)ユニットと温調(冷却)処理ユニットを追加する場合もある。
【発明の効果】
【0032】
本発明の第一の目的である下地膜のサイドエッチングを抑制した薄膜のパターン形成方法は、通常の下地膜のエッチング時間を少なくとも3回以上、処理能力(時間当たりの効率的処理数)考慮すると最適には4~10回程度に分割してエッチング処理することが効果的であり、しかも毎回のエッチング処理前にレジストマスクに対し、レジスト特性変更処理を行い、レジストマスクと下地膜の密着性が、エッチングにより分離、劣化している状態をエッチング前とほぼ同等の密着状態と横寸法密着位置(その処理方法、処理条件をJ1条件とする)か、密着状態のみほぼ同等状態(その処理方法、処理条件をJ2条件とする)まで回復させること、すなわち、下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりすることが可能である。その為、各回のサイドエッチング量は、大幅に抑制されるので、全体(合計)のサイドエッチング量も、(J1条件時に)分割した1回目分のみか、(J2条件時に)少なくとも2回分以下のサイドエッチング量に抑えることが可能となる。
【0033】
その為、従来の1回のみで全エッチングを行う場合のサイドエッチング量をS1とし、本発明の分割するエッチング回数をn回とすると、本発明の全(合計)のサイドエッチング量をSnとすると、
例1)レジスト特性変更処理の処理方法、処理条件が、J1条件の時
Sn≒(S1/n) (≒は、約、ほぼ同等の意)
例2)レジスト特性変更処理の処理方法、処理条件が、J2条件の時
(S1/n)≦Sn≦ (2×S1/n) (≦は、以下の意)
とすることが出来、そのnの回数が多いほど効果的に全(合計)のサイドエッチング量を抑制することが出来る効果がある。
また、この計算上も、nの回数が2回では不足し、少なくとも3回以上にすることがサイドエッチングを従来より抑制するには重要で、必要であることを示している。
【0034】
更に、微細なパターン(3µm以下)をウェットエッチングにて形成する場合等では、処理能力より微細パターン形成能力をより重視し追及すると、11~数十回にもエッチング数を分割することで、より微細パターン形成の実現が可能となる効果もある。
【0035】
すなわち、図1の従来の下地膜を1回のみでエッチング完了する処理の場合の全エッチング量をE1y、全サイドエッチング量をE1xとし、図2の下地膜を2回のみでエッチング完了する処理の場合の全エッチング量をE2y、全サイドエッチング量をE2xとすると、
合計の各エッチング量:E1x=E2xは、同じであり、
合計の各サイドエッチング量:E2y≒1/2E2y (≒は、同等の意)
の関係になる。
【0036】
また、本発明の第二の目的であるパターン形成処理装置は、本発明の第一の目的である下地膜のサイドエッチングを抑制した薄膜のパターン形成方法を実現する処理装置であり、その繰り返し処理の部分、すなわち少なくとも、1)レジスト特性変更処理ユニット、2)基板安定化処理ユニット、3)エッチング処理ユニットを含んだマルチ処理ユニット装置か、連続繰り返し処理ユニット装置として構成され、本発明の第一の目的であるパターン形成方法による処理順序と処理条件に基づき、各ユニットでマルチ処理、または連続繰り返し処理されるものであり、本発明の第一の目的であるパターン形成方法による処理を効率的に行え、全体の処理時間も短縮される効果がある。
【0037】
但し、この装置に置いて、必要に応じて他の処理ユニットも追加し、処理を追加することも有り得ること。更に、前記本発明のレジスト特性変更処理の処理方法、処理条件JI、J2としては、例として、
J1条件:基板のレジストマスクの有機溶剤暴露処理(レジストマスクが一部溶解リフローし、レジストマスク寸法が1/10~2/10膨張する程度)と110~130℃の加熱ベーク処理を3~10分した後、基板全体が常温(約25℃)等になるように冷却処理すること。
J2条件:基板のレジストマスクの有機溶剤暴露処理(レジストマスクが一部溶解リフローするが、レジストマスク寸法がほとんど変化しないか1/10以内の膨張程度)と110~130℃の加熱ベーク処理を3~10分した後、基板全体が常温(約25℃)等になるように冷却処理すること。
但し、前記J1、J2条件において、レジストマスクの溶解リフローが、キュア温度以下で繰り返し起こせる(冷却し元に戻る)レジストマスク材料の場合は、有機溶剤蒸気暴露は不要で、加熱、冷却のみで可である。
【従来の技術】
【0038】
以下従来の技術を図を参照して説明する。図1は、従来の技術1としての等方性エッチングであるウェットエッチングの例である。まず、下地膜T0上にレジスト膜を塗布、プリベーク(前加熱)、露光、現像、ポストベーク(後加熱)を経て、レジストマスクパターンP1を形成した後、下地膜T0をエッチングし下地膜パターンT1とする。この場合の下地膜を例として0.5μmの銅(Cu)膜とし、ノボラック系樹脂と感光剤よりなるポジ型レジスト膜をスピンコーター等で1~3μm塗布し、プリベークとして100~110℃で1~3分間加熱処理した後、露光、現像(アルカリ系水溶液)し、パターン幅2μmのレジストパターンP1を形成する。更にポストベークとして110~120℃で3~5分間加熱処理して図1(a)の状態となる。
【0039】
次に下地膜T0の銅(Cu)膜のエッチング液としては、例として塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液、アルカリ性アンモニア(アルカリ性アンモニア)溶液、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等が用いられ、そのエッチングレートは、例として25℃で0.25~0.5μm/分のエッチングレートになるような組成で用いられ、今回硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液を0.5μm/分のエッチングレートとなる組成で66秒間(ジャストエッチング60秒+オーバーエッチング6秒)処理して下地膜パターンT1が形成され図1(b)の状態になる。
【0040】
この従来の技術1の場合において、0,5μmの膜厚のエッチングを0.5μm/分のエッチングレートで66秒処理しており、等方性エッチングである為、サイドエッチングは、各両端より最低でも0.5μm以上となり、下地膜パターンT1の上部は1.0μm以下となってしまうことになる。
【0041】
図2は、従来の技術2として、例えば特許文献1~8においても記されている下地膜T0を2回のエッチングで完了するものであり、各エッチング時間は全体のエッチングに必要な時間を均等に1/2に分けて行う(この場合、合計66秒なので、各回33秒となる)。この場合の下地膜T0を従来1と同様0.5μmの銅(Cu)膜とし、ノボラック系樹脂と感光剤よりなるポジ型レジスト膜をスピンコーター等で1~3μm塗布し、プリベークとして100~110℃で1~3分間加熱処理した後、露光、現像(アルカリ系水溶液)し、パターン幅2μmのレジストパターンP1を形成する。更にポストベークとして110~120℃で3~5分間加熱処理して図2(a)の状態になる。
【0042】
次に、下地膜T0の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、前記従来技術1と同様の硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等25℃で0.5μm/分のエッチングレートになるような組成で33秒間処理して下地膜パターンT1が形成され図2(b)の状態になる。
【0043】
次に、高温(レジスト膜のキュアしフローする:軟化点付近の140℃~200℃)加熱処理するか、有機溶剤薬液に浸漬、又は蒸気にさらして薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理し、レジストパターンP1のフローを起こさせレジストパターンP2と変形させる。但し、高温加熱処理の場合と薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理の場合のフロー量と形状は異なり、後者の方が低温でより液状で流動的なフローとなり易い特徴がある。それは、前者がレジストパターン1中の溶剤を蒸発除去させるのに対し、後者はレジストパターン1中に溶剤を浸透させ実際にその表面の少なくとも一部を液状化させ変形させることでレジストパターンP2を形成しているからである。
【0044】
次に、前者の高温加熱処理はそのままで、後者の薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)させた場合のみポストベークとして110~120℃で3~5分間加熱処理して図2(c)の状態になる。
【0045】
次に、2回目の下地膜パターンT1の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、前記従来技術1と同様の硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等であり25℃で0.5μm/分のエッチングレートになるような組成で33秒間処理して下地膜パターンT2を形成し図2(d)の状態になる。
【0046】
この従来の技術2の場合において、0.5μmの膜厚の下地膜T0のエッチングを0.5μm/分のエッチングレートで合計66秒処理を各33秒づつ2回実施しているが、等方性エッチングである為、サイドエッチングは進むが、各回のサイドエッチング量は、1回のエッチング量以下となるので、最終的なサイドエッチング量は、通常の1/2で済むことになる。
【0047】
但し、ここで重要なことは、1回目のサイドエッチング量と、2回目のサイドエッチング量がまだ大きく、エッチングレートも早い為に、エッチング液がレジスト界面に浸透し易く、結果として予想より大きいサイドエッチングを起こしてしまい、従来の技術1ほどではないが、前記段落番号0035に記したサイドエッチング量以上に大きいものとなることである。
【発明の実施の形態】
【0048】
以下本発明の実施の形態を図を用いて説明する。ここでは、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成方法について説明する。
【実施例0049】
図3に本発明の実施例1を示す。この実施例1では、下地膜T0を3回のエッチングで完了するものであり、各エッチング時間は全体のエッチングに必要な時間をエッツチング回数により均等に1/3に分けて行う(この場合、合計66秒なので、各回約22秒となる)。但し、1回当たりのエッチング時間が短くなりすぎると、エッチングの制御性が悪くなる為、エッチング液の組成を調整し、エッチングレートを1/2~1/5に落として使用する。この場合、1/5のレートにし、合計330秒(ジャストエッチング300秒+オーバーエッチング30秒)になる様に調整して実施することとし、各回110秒づつエッチングする。
【0050】
この場合の下地膜T0は、0.5μmの銅(Cu)膜とし、ノボラック系樹脂と感光剤よりなるポジ型レジスト膜をスピンコーター等で1~3μm塗布し、プリベークとして100~110℃で1~3分間加熱処理した後、露光、現像(アルカリ系水溶液)し、パターン幅2μmのレジストパターンP1を形成する。更にポストベークとして110~120℃で3~5分間加熱処理し、その後基板の温調(冷却)処理をして基板の温度を常温(25℃付近)にして、図3(a)の状態になる。
【0051】
次に、下地膜T0の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、前記段落番号0039で記したように硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等25℃で0.1μm/分のエッチングレートになるような組成にしたエッチング液で110秒間処理して下地膜パターンT1が形成され図3(b)の状態になる。
【0052】
次に、レジストマスクパターン(以下、レジストマスク、レジストパターンと呼ぶ場合も有る)P1に対し、レジスト特性変更処理を行うが、レジスト特性変更処理とは、図11-7に示すように、
(a)レジスト密着強化処理:エッチング後にレジストマスクと下地膜の密着性が悪化した部分に対し、少しでも回復させる効果、すなわち下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする処理
(b)レジスト変形処理1:レジストマスクパターンの少なくとも一部が固体のまま、又は液状化せず軟化し、屈曲、又は湾曲化等させ下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする効果のある処理
(c)レジスト変形処理2:レジストマスクパターンの少なくとも一部が液状化し、溶解、又はリフロー、流動化等させ下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする効果のある処理
(d)は、(a)、(b)、(c)の組み合わせた処理
のいずれかの事である。但し、寸法の点において、少なくとも一部が液状化する変形のレジスト変形処理2では、変形後の縦、横、厚みの寸法のいずれかの大きな変化が有り得るが、固体のまま、又は液状化しない変形であるレジスト変形処理1では、変形後も縦、横、厚みにおける各合計の寸法は大きく変化しないことも特徴である。
【0053】
その後、更にレジストマスクパターンP1に対し、基板安定化処理を行うが、基板安定化処理とは、図11-8に示すように、
(a)基板温調処理:レジストマスクの温度を常温や、エッチング前として最適な温度にする効果のある処理
(b)基板乾燥処理:レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする効果のある処理
(c)基板真空乾燥処理:レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする為、真空乾燥する処理
(d) (a)、(b)、(c)の組み合わせた処理
のいずれかの事である。但し、レジスト特性変更処理、基板状態安定化処理は、本実施例1では、以下の例を示すが、それに限らず可能である。
【0054】
但し、この実施例1では、図11-7のレジスト特性変更処理における、(c)レジスト変形処理2として有機溶剤薬液の蒸気にさらして薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理の例を示し、レジストマスクパターンP1中に溶剤を浸透させ実際にその表面の少なくとも一部を液状化させ変形させることでレジストマスクパターンP2を形成し、更に(a)レジスト密着強化処理として、ポストベーク110~120℃で3~5分間加熱処理した後、図11-8の基板状態安定化処理における(a)基板温調処理として、基板温度が常温になるように常温のプレート上に基板を置き3~5分放置して常温に冷却されるのを待ち、図3(c)の状態になる。
【0055】
次に、2回目の下地膜パターンT1の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃、0.1μm/分のエッチングレートになるような組成で110秒間処理して下地膜パターンT2を形成し図3(d)の状態になる。
【0056】
次に、レジストマスクパターンP1からP2に変化させる処理である前記段落番号0052~0054に記載の処理と同様の方法で、レジストマスクパターンP2に対し行うことで、レジストマスクパターンP3のように変化させ、図3(e)の状態になる。
【0057】
次に、3回目の下地膜パターンT2の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃で0.1μm/分のエッチングレートになるような組成で110秒間処理して下地膜パターンT3を形成し図3(f)の状態になる。
【0058】
この本発明の実施例1の場合において、0.5μmの膜厚の下地膜T0のエッチングを0.1μm/分のエッチングレートで合計330秒処理を各110秒づつ3回実施しているが、等方性エッチングである為、サイドエッチングは進むが、各回のサイドエッチング量は、1回のエッチング量以下となるので、実施例1の最終的なサイドエッチング量は、通常の1/3で済むことになる。
【0059】
但し、ここで重要なことは、上中下層のエッチング厚みの3層に分けてみて見ると、下地膜T0のエッチングを3回に分け、しかも各エッチング処理後に、薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理とポストベーク処理を行っているので、2,3回目のエッチングにおいてレジストマスクパターンP1,P2は下地T1,T2への密着力は強く、しかもエッチングレートは低く抑えられており、処理時間も各層にエッチング厚み分のエッチング量しかない為、少なくともエッチングの3回目の下層のエッチングにおいては、1回目の上層のエッチング領域までは、影響を及ぼさない。
【0060】
ここことが、従来の技術1,2のサイドエッチング量と比較して、本発明の実施例1のサイドエッチング量が低く抑えられる理由である。
更に、本発明の特徴である3回以上に分割してエッチングすることが重要であることと、2回以下エッチングに対して大きな有意差があることを示している。
【0061】
更に、必要に応じて前記処理の途中でレジストマスクの再現像処理、又はアッシング処理を追加することがあり、それは、1)レジストマスクに対し、少しでも現像効果(感光/非感光による溶解速度差のある溶解効果)のある溶解処理、2)レジストマスクへのいわゆるアッシング処理(主にO2ガスのプラズマ雰囲気中処理によるレジストマスクの少なくとも一部の除去処理)のいずれかのことである。但し、1)の再現像処理の場合、レジストマスクを露光後の環境による感光度が影響するので、露光後も感光しない状態に維持しておいた方がより効果的である。これは、レジストマスクのレジスト変形処理1、2による寸法膨張(特にレジスト変形処理2の場合は大きい)を抑制、縮小、又は元の寸法に戻す(すなわち、そのマスクパターンの寸法膨張による下地膜パターンのエッチング後の寸法膨張を抑制、縮小、又は元の寸法に戻す)為に追加するものである。
【実施例0062】
図4に本発明の実施例2を示す。この実施例2では、下地膜T0を4回のエッチングで完了するものであり、各エッチング時間は全体のエッチングに必要な時間をエッツチング回数により均等に1/4に分けて行う。但し実施例2でも、実施例1と同じく1回当たりのエッチング時間が短くなりすぎると、エッチングの制御性が悪くなる為、エッチング液の組成を調整し、1/5のレートにし、合計330秒(ジャストエッチング300秒+オーバーエッチング30秒)になる様に調整して実施することとし、各回82.5秒づつエッチングする。
【0063】
この場合の下地膜T0は、0.5μmの銅(Cu)膜とし、ノボラック系樹脂と感光剤よりなるポジ型レジスト膜をスピンコーター等で1~3μm塗布し、プリベークとして100~110℃で1~3分間加熱処理した後、露光、現像(アルカリ系水溶液)し、パターン幅2μmのレジストマスクパターンP1を形成する。更にポストベークとして110~120℃で3~5分間加熱処理し、その後基板の温調(冷却)処理をして基板の温度を常温(25℃付近)にして、図4(a)の状態になる。
【0064】
次に、下地膜T0の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、前記段落番号0051で記したように硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃、0.1μm/分のエッチングレートになるような組成にしたエッチング液で82.5秒間処理して下地膜パターンT1が形成され図4(b)の状態になる。
【0065】
次に、レジストマスクパターン(以下、レジストマスク、レジストパターンと呼ぶ場合も有る)P1に対し、レジスト特性変更処理を行うが、レジスト特性変更処理とは、図11-7に示すように、
(a)レジスト密着強化処理:エッチング後にレジストマスクと下地膜の密着性が悪化した部分に対し、少しでも回復させる効果、すなわち下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする処理
(b)レジスト変形処理1:レジストマスクパターンの少なくとも一部が固体のまま、又は液状化せず軟化し、屈曲、又は湾曲化等させ下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする効果のある処理
(c)レジスト変形処理2:レジストマスクパターンの少なくとも一部が液状化し、溶解、又はリフロー、流動化等させ下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする効果のある処理
(d) (a)、(b)、(c)の組み合わせた処理
のいずれかの事である。但し、寸法の点において、少なくとも一部が液状化する変形のレジスト変形処理2では、変形後の縦、横、厚みの寸法のいずれかの大きな変化が有り得るが、固体のまま、又は液状化しない変形であるレジスト変形処理1では、変形後も縦、横、厚みにおける各合計の寸法は大きく変化しないことも特徴である。
【0066】
その後、更にレジストマスクパターンP1に対し、基板安定化処理を行うが、基板安定化処理とは、図11-8に示すように、
(a)基板温調処理:レジストマスクの温度を常温や、エッチング前として最適な温度にする効果のある処理
(b)基板乾燥処理:レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする効果のある処理
(c)基板真空乾燥処理:レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする為、真空乾燥する処理
(d) (a)、(b)、(c)の組み合わせた処理
のいずれかの事である。但し、レジスト特性変更処理、基板状態安定化処理は、本実施例2では、以下の例を示すが、それに限らず可能である。
【0067】
但し、この実施例2では、図11-7のレジスト特性変更処理における、(c)レジスト変形処理2として有機溶剤薬液の蒸気にさらして薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理する例を示し、レジストマスクパターンP1中に溶剤を浸透させ実際にその表面の少なくとも一部を液状化させ変形させることでレジストマスクパターンP2を形成し、更に(a)レジスト密着強化処理として、ポストベーク110~120℃で3~5分間加熱処理した後、図11-8の基板状態安定化処理における(a)基板温調処理として、基板温度が常温になるように常温のプレート上に基板を置き3~5分放置して常温に冷却されるのを待ち、図4(c)の状態になる
【0068】
次に、2回目の下地膜パターンT1の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃、0.1μm/分のエッチングレートになるような組成で110秒間処理して下地膜パターンT2を形成し図4(d)の状態になる。
【0069】
次に、レジストマスクパターンP1からP2に変化させる処理である前記段落番号0065~0067に記載の処理と同様の方法で、レジストマスクパターンP2に対し行うことで、レジストマスクパターンP3のように変化させ、図4(e)の状態になる。
【0070】
次に、3回目の下地膜パターンT2の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃、で0.1μm/分のエッチングレートになるような組成で82.5秒間処理して下地膜パターンT3を形成し図4(f)の状態になる。
【0071】
次に、レジストマスクパターンP1からP2に変化させる処理である前記段落番号0065~0067に記載の処理と同様の方法で、レジストマスクパターンP3に対し行うことで、レジストマスクパターンP4のように変化させ、図4(g)の状態になる。
【0072】
次に、4回目の下地膜パターンT3の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、前記段落番号0064で記したようにエッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃、0.1μm/分のエッチングレートになるような組成で82.5秒間処理して下地膜パターンT4を形成し図4(h)の状態になる。
【0073】
この本発明の実施例2の場合において、0.5μmの膜厚の下地膜T0のエッチングを0.1μm/分のエッチングレートで合計330秒処理を各82.5秒づつ4回実施しているが、等方性エッチングである為、サイドエッチングは進むが、各回のサイドエッチング量は、1回のエッチング量以下となるので、実施例2の最終的なサイドエッチング量は、通常の1/4で済むことになる。
【0074】
但し、ここで重要なことは、1,2,3,4層のエッチング厚みの4層に分けてみて見ると、下地膜T0のエッチングを4回に分け、しかも各エッチング処理後に、レジスト特性変更処理(図11-7)として、(c)レジスト変形処理2として有機溶剤薬液の蒸気にさらして薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理の例を示し、更に(a)レジスト密着強化処理としてポストベーク処理も組み合わせて行っているので、2,3,4回目のエッチングにおいてレジストマスクパターンP1,P2,P3は下地T1,T2、T3への密着力は強く、しかもエッチングレートは低く抑えられており、処理時間も各層にエッチング厚み分のエッチング量しかない為、少なくともエッチングの3回目では、1層のエッチング領域に対し、エッチングの4回目では、1,2層のエッチング領域に対してまでは、影響を及ぼさない。
【0075】
このことが、従来の技術1,2のサイドエッチング量と比較して、本発明の実施例2のサイドエッチング量が低く抑えられる理由である。
更に、本発明の特徴である3回以上に分割してエッチングすることが重要であることと、2回以下エッチングに対して大きな有意差があることを示している。
【0076】
更に、必要に応じて前記処理の途中でレジストマスクの再現像処理、又はアッシング処理を追加することがあり、それは、1)レジストマスクに対し、少しでも現像効果(感光/非感光による溶解速度差のある溶解効果)のある溶解処理、2)レジストマスクへのいわゆるアッシング処理(主にO2ガスのプラズマ雰囲気中処理によるレジストマスクの少なくとも一部の除去処理)のいずれかのことである。但し、1)の再現像処理の場合、レジストマスクを露光後の環境による感光度が影響するので、露光後も感光しない状態に維持しておいた方がより効果的である。これは、レジストマスクのレジスト変形処理1、2による寸法膨張(特にレジスト変形処理2の場合は大きい)を抑制、縮小、又は元の寸法に戻す(すなわち、そのマスクパターンの寸法膨張による下地膜パターンのエッチング後の寸法膨張を抑制、縮小、又は元の寸法に戻す)為に追加するものである。
【実施例0077】
図5―1,図5-2に本発明の実施例3を示す。この実施例3では、下地膜T0を7回のエッチングで完了するものであり、各エッチング時間は全体のエッチングに必要な時間をエッツチング回数により均等に1/7に分けて行う。但し実施例3でも、実施例1、2と同じく1回当たりのエッチング時間が短くなりすぎると、エッチングの制御性が悪くなる為、エッチング液の組成を調整し、1/10のレートにし、合計660秒(ジャストエッチング600秒+オーバーエッチング60秒)になる様に調整して実施することとし、各回94.3秒づつエッチングする。
【0078】
この場合の下地膜T0は、0.5μmの銅(Cu)膜とし、ノボラック系樹脂と感光剤よりなるポジ型レジスト膜をスピンコーター等で1~3μm塗布し、プリベークとして100~110℃で1~3分間加熱処理した後、露光、現像(アルカリ系水溶液)し、パターン幅2μmのレジストパターンP1を形成する。更にポストベークとして110~120℃で3~5分間加熱処理し、その後基板の温調(冷却)処理をして基板の温度を常温(25℃付近)にして、図5-1(a)の状態になる。
【0079】
次に、下地膜T0の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、前記段落番号0072で記したように硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃で0.05μm/分のエッチングレートになるような組成にしたエッチング液で94.3秒間処理して下地膜パターンT1が形成され図5-1(b)の状態になる。
【0080】
次に、レジストマスクパターンP1に対し、レジスト特性変更処理を行うが、レジスト特性変更処理とは、図11-7に示すように、
(a)レジスト密着強化処理:エッチング後にレジストマスクと下地膜の密着性が悪化した部分に対し、少しでも回復させる効果、すなわち、下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする処理
(b)レジスト変形処理1:レジストマスクパターンの少なくとも一部が固体のまま、又は液状化せず軟化し、屈曲、又は湾曲化等させ下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする効果のある処理
(c)レジスト変形処理2:レジストマスクパターンの少なくとも一部が液状化し、溶解、又はリフロー、流動化等させ下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする効果のある処理
(d) (a)、(b)、(c)の組み合わせた処理
のいずれかの事である。
【0081】
その後、更にレジストマスクパターンP1に対し、基板安定化処理を行うが、基板安定化処理とは、図11-8に示すように、
(a)基板温調処理:レジストマスクの温度を常温や、エッチング前として最適な温度にする効果のある処理
(b)基板乾燥処理:レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする効果のある処理
(c)基板真空乾燥処理:レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする為、真空乾燥する処理
(d) (a)、(b)、(c)の組み合わせた処理
のいずれかの事である。但し、レジスト特性変更処理、基板状態安定化処理は、本実施例3では、以下の例を示すが、それに限らず可能である。
【0082】
但し、この実施例3では、図11-7のレジスト特性変更処理として(c)レジスト変形処理2として有機溶剤薬液の蒸気にさらして薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理の例を示し、更に(a)レジスト密着強化処理としてポストベーク処理も組み合わせて行っている例を示し、レジストマスクパターンP1中に溶剤を浸透させ実際にその表面の少なくとも一部を液状化させ変形させることでレジストマスクパターンP2を形成し、更に(a)レジスト密着強化処理として、ポストベーク110~120℃で3~5分間加熱処理した後、図11-8の基板状態安定化処理における(a)基板温調処理として、基板温度が常温になるように常温のプレート上に基板を置き3~5分放置して常温に冷却されるのを待ち、図5―1(c)の状態になる
【0083】
次に、2回目の下地膜パターンT1の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃、0.1μm/分のエッチングレートになるような組成で110秒間処理して下地膜パターンT2を形成し図5-1(d)の状態になる。
【0084】
次に、レジストマスクパターンP1からP2に変化させる処理である前記段落番号0080~0082に記載の処理と同様の方法で、レジストマスクパターンP2に対し行うことで、レジストマスクパターンP3のように変化させ、図5-1(e)の状態になる。
【0085】
次に、3回目の下地膜パターンT2の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、前記段落番号0079で記したようにエッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃で0.05μm/分のエッチングレートになるような組成で94.3秒間処理して下地膜パターンT3を形成し図5-1(f)の状態になる。
【0086】
次に、レジストマスクパターンP1からP2に変化させる処理である前記段落番号0080~0082に記載の処理と同様の方法で、レジストマスクパターンP3に対し行うことで、レジストマスクパターンP4のように変化させ、図5-1(g)の状態になる。
【0087】
次に、4回目の下地膜パターンT3の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃で0.05μm/分のエッチングレートになるような組成で94.3秒間処理して下地膜パターンT4を形成し図5-1(h)の状態になる。
【0088】
次に、レジストマスクパターンP1からP2に変化させる処理である前記段落番号0080~0082に記載の処理と同様の方法で、レジストマスクパターンP4に対し行うことで、レジストマスクパターンP5のように変化させ、図5-2(i)の状態になる。
【0089】
次に、5回目の下地膜パターンT4の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃で0.05μm/分のエッチングレートになるような組成で94.3秒間処理して下地膜パターンT5を形成し図5-2(j)の状態になる。
【0090】
次に、レジストマスクパターンP1からP2に変化させる処理である前記段落番号0080~0082に記載の処理と同様の方法で、レジストマスクパターンP5に対し行うことで、レジストマスクパターンP6のように変化させ、図5-2(k)の状態になる。
【0091】
次に、6回目の下地膜パターンT5の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、エッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃、0.05μm/分のエッチングレートになるような組成で94.3秒間処理して下地膜パターンT6を形成し図5-2(l)の状態になる。
【0092】
次に、レジストマスクパターンP1からP2に変化させる処理である前記段落番号0080~0082に記載の処理と同様の方法で、レジストマスクパターンP6対し行うことで、レジストマスクパターンP7のように変化させ、図5-2(m)の状態になる。
【0093】
次に、7回目の下地膜パターンT6の銅(Cu)膜のエッチングを行うが、前記段落番号0085で記したようにエッチング液は、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等で25℃、0.05μm/分のエッチングレートになるような組成で94.3秒間処理して下地膜パターンT7を形成し図5-2(n)の状態になる。
【0094】
この本発明の実施例3の場合において、0.5μmの膜厚の下地膜T0のエッチングを0.05μm/分のエッチングレートで合計660秒処理を各94.3秒づつ7回実施しているが、等方性エッチングである為、サイドエッチングは進むが、各回のサイドエッチング量は、1回のエッチング量以下となるので、実施例3の最終的なサイドエッチング量は、通常の1/7で済むことになる。
【0095】
但し、ここで重要なことは、1~7層のエッチング厚みの7層に分けてみて見ると、下地膜T0のエッチングを7回に分け、しかも各エッチング処理後に、薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理とポストベーク処理を行っているので、2~7回目のエッチングにおいてレジストパターンP2~P7は下地T1~T6への密着力は強く、しかもエッチングレートは低く抑えられており、処理時間も各層にエッチング厚み分のエッチング量しかない為、少なくともエッチングの3回目以降では、各エッチング層の2つ上の層以上のエッチング領域に対してまでは、影響を及ぼさない。このように、下地膜のエッチングを3回以上に分割し、その回数が多くなる程、下地膜の側面への影響度を小さく抑えられるので、全体的なサイドエッチング量が、大幅に抑制される効果がある。
【0096】
このことが、従来の技術1,2のサイドエッチング量と比較して、更には、本発明の実施例1,2以上に本発明の実施例3は、サイドエッチング量が低く抑えられる理由であり、本発明の特徴である3回以上に分割してエッチングすることが重要であることと、2回以下エッチングに対して大きな有意差があることを示している。
【0097】
更に、必要に応じて前記処理の途中でレジストマスクの再現像処理、又はアッシング処理を追加することがあり、それは、1)レジストマスクに対し、少しでも現像効果(感光/非感光による溶解速度差のある溶解効果)のある溶解処理、2)レジストマスクへのいわゆるアッシング処理(主にO2ガスのプラズマ雰囲気中処理によるレジストマスクの少なくとも一部の除去処理)のいずれかのことである。但し、1)の再現像処理の場合、レジストマスクを露光後の環境による感光度が影響するので、露光後も感光しない状態に維持しておいた方がより効果的である。これは、レジストマスクのレジスト変形処理1、2による寸法膨張(特にレジスト変形処理2の場合は大きい)を抑制、縮小、又は元の寸法に戻す(すなわち、そのマスクパターンの寸法膨張による下地膜パターンのエッチング後の寸法膨張を抑制、縮小、又は元の寸法に戻す)為に追加するものである。
【0098】
ここで本発明で用いられるレジスト特性変更処理において、(a)レジスト密着強化処理:エッチング後にレジストマスクと下地膜の密着性が悪化した部分に対し、少しでも回復させる効果、すなわち下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする処理の具体例として、レジストマスクのキュア温度以下(例:100~130℃)の加熱(ベーク)処理や、薬液(有機溶剤や、密着強化剤入りの溶液、または水溶液)の塗布、浸漬、蒸気暴露による処理、電磁波、赤外~紫外線などの照射処理である。
【0099】
(b)レジスト変形処理1:レジストマスクの形状を少しでも変化(軟化、湾曲化等)させる効果のある処理の具体例として、レジスト材料自体の特性として、キュアー温度以下(例:100~130℃)の加熱(ベーク)処理により何度も繰り返し軟化、湾曲するレジスト材料を選択して行う処理や、レジストマスクの膜厚を薄く(例:1µm以下、下地膜の膜厚1/2以下)して行う同加熱(ベーク)処理等である。
【0100】
(c)レジスト変形処理2:レジストマスクの形状を少しでも変化(溶解、リフロー、流動化等)させる効果のある処理の具体例として、有機溶剤、その他レジストをリフローさせる効果のある薬液を用いた浸漬や、その薬液による蒸気暴露処理等である。ここで、そのより具体例の薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理についての例は、以下前記段落番号0104以降に詳細を記す。
【0101】
また、基板安定化処理において、
(a)基板温調処理:レジストマスクの温度を常温や、エッチング前として最適な温度にする効果のある処理の具体例として、常温や冷却(20~30℃)したプレート上に放置する処理や、低温、常温のN2、Air等のガスブローによる基板温度を常温等にする冷却処理等である。
【0102】
(b)基板乾燥処理:レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする効果のある処理の例として、常温~やや高温(例:30~80℃)のN2、Air等のガスブロー、Airナイフブローによる乾燥処理等である。その他、基板の親水性向上化、逆に親水性低下化処理も含む。
【0103】
(c)基板真空乾燥処理:レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする為、真空乾燥する処理の具体例として、常温~やや高温(例:30~80℃)のN2、Air等のガスブロー、Airナイフブロー後に、基板を置いた室内を真空引きし、乾燥させる真空乾燥等のことである。
【0104】
ここで、図11-7のレジスト特性変更処理における(c)レジスト変形処理2として有機溶剤薬液の蒸気にさらして薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理の例として、有機溶剤を用いた薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理について以下に詳細を示す。
【0105】
本発明で用いられる薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理に用いられる有機溶剤は、有機マスクや、その1例であるレジスト材料に用いられる溶剤、シンナーが主であるが、有機溶剤であれば、以下の薬液や、その混合液を使用することが可能である。具体的には、アセトン、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドン、更に、以下には、有機溶剤を上位概念としての有機溶剤と、それを具体化した下位概念の有機溶剤とに分けて示している。(Rはアルキル基又は置換アルキル基、Arはフェニル基又はフェニル基以外の芳香環を示す)有機溶剤:・アルコール類(R-OH)・アルコキシアルコール類・エーテル類(R-O-R、Ar-O-R、Ar-O-Ar)・エステル類・ケトン類・グリコール類・アルキレングリコール類・グリコールエーテル類上記有機溶剤の具体例:・CH3OH、C2H5OH、CH3(CH2)XOH・イソプロピルアルコール(IPA)・エトキシエタノール・メトキシアルコール・長鎖アルキルエステル・モノエタノールアミン(MEA)・アセトン・アセチルアセトン・ジオキサン・酢酸エチル・酢酸ブチル・トルエン・メチルエチルケトン(MEK)・ジエチルケトン・ジメチルスルホキシド(DMSO)・メチルイソブチルケトン(MIBK)・ブチルカルビトール・n-ブチルアセテート(nBA)・ガンマーブチロラクトン・エチルセロソルブアセテート(ECA)・乳酸エチル・ピルビン酸エチル・2-ヘプタノン(MAK)・3-メトキシブチルアセテート・エチレングリコール・プロピレングリコール・ブチレングリコール・エチレングリコールモノエチルエーテル・ジエチレングリコールモノエチルエーテル・エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート・エチレングリコールモノメチルエーテル・エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート・エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル・ポリエチレングリコール・ポリプロレングリコール・ポリブチレングリコール・ポリエチレングリコールモノエチルエーテル・ポリジエチレングリコールモノエチルエーテル・ポリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート・ポリエチレングリコールモノメチルエーテル・ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート・ポリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル・メチル-3-メトキシプロピオネート(MMP)・プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)・プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGP)・プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)・エチル-3-エトキシプロピオネート(FEP)・ジプロピレングリコールモノエチルエーテル・トリプロピレングリコールモノエチルエーテル・ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル・プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート・3-メトキシプロピオン酸メチル・3-エトキシプロピオン 酸エチル・N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ペンタノン、シクロプロパン、シクロペンタノン、2-ヘプチルシクロペンタノン、2-ペンチルシクロペンタノン、2-メチル-3-2ペンタノン、4-メチルー2―ペンタノン、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン等である。
【0106】
前記レジスト膜、レジストパターンを前記有機溶剤リフロー処理する工程は、前記有機溶剤を含む有機溶剤含有ガスに前記有機膜パターンを暴露する工程であってもよい。前記有機溶剤含有ガスは、前記有機溶剤の蒸気ガス或いは不活性ガス(N2、Ar等でも可)に有機溶剤を混合した混合ガスでも良い。
【0107】
薬液蒸気にさらす方法は、薬液(前記有機溶剤を含む)中にN2等の不活性ガス(Arでも可)をバブリングしたものにさらす方法か、薬液をN2等の不活性ガス(Arでも可)と同時に噴射したガスにさらす方法でも可である。
【0108】
下地膜のエッチングされた部分の少なくとも一部から全体を被うようにリフロー変形させ、その下地膜を被うリフロー変形程度は、薬液蒸気にさらす時間管理により制御し、そのリフロー変形程度は、有機溶剤の有機膜パターンへの浸透深さ即ち浸透量とその有機溶剤の特性による。
【0109】
有機溶剤を含むレジスト膜パターン(以下有機膜パターンの1例)への浸透深さ即ち浸透量は、有機膜パターンを構成する物質と、有機溶剤含有ガス中の有機溶剤の濃度と、有機膜パターンを有機溶剤へ接触させる接触時間即ち処理時間とに依存する。有機膜パターンを構成する物質は、有機溶剤の有機膜パターンへの浸透の深さとは別の要因に従い決定される可能性が高い。従って、有機溶剤の有機膜パターンへの浸透深さ即ち浸透量の調整は、有機溶剤含有ガス中の有機溶剤の濃度の調整と、有機膜パターンを有機溶剤へ接触させる接触時間即ち処理時間の調整とによって行うことが可能である。
【0110】
有機溶剤の有機膜パターンへの浸透量が少ない場合には溶解リフローは起きない。一方、有機溶剤の有機膜パターンへの浸透量が多い場合に溶解リフローは起きる。溶解リフローが発生する浸透量の臨界値は、有機溶剤の物性及び濃度並びに有機膜パターンの物性を含む条件に依存する。いずれにしても、有機溶剤の有機膜パターンへの浸透量が臨界値未満の場合、溶解リフローは発生せず、浸透量が臨界値を超えた場合、溶解リフローが発生する。よって、下地膜との密着力が調整された有機溶剤浸透領域の底部の要求される水平方向寸法が有機溶剤浸透深さ程度であり、溶解リフローによる有機膜パターンの所定の変形起こり、それ以上は必要なくなった場合、前記有機膜パターンの前記有機溶剤への接触を停止することで、溶解リフローを停止することが出来る。
【0111】
分割してエッチング処理する間に、レジスト膜を前記薬液蒸気溶解リフロー法を用い、下地膜のエッチングされた部分の少なくとも一部から全体を被うようにリフロー変形させ、その部分も加熱ベーク処理し、レジスト膜と下地膜の密着性も向上させているので、次の下地膜のサイドエッチングは、リフローしたレジスト膜位置から始まるので、例えばそのリフロー量を常に下地膜のサイドエッチングを埋める様にリフローさせると、そのサイドエッチング量は毎回リセットされたものとすることも可能である。そのリフロー量の時間管理が重要であるが、その管理によりサイドエッチング量、及び出来上がりの下地膜の寸法を制御することが出来る効果がある。
【0112】
以下本発明の実施例1、実施例2、実施例3の処理工程について説明する。 図11-1~図11-4は、前記本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成方法の実施例1、2、3の処理工程の4種類の例を示し、図11-5は、実施例4の1つ目の処理工程の例として、図11-1、又は図11-2に必要時のみ追加処理として、再現像処理と追加エッチング処理を加えた処理工程の例を示し、図11-6は、実施例4の2つ目の処理工程の例として、図11-3、又は図11-4に必要時のみ追加処理として、再現像処理と追加エッチング処理を加えた処理工程の例を図式で示している。
【0113】
いずれの実施例も、まずS1のレジスト(膜の)塗布処理、S2の加熱(プリ)ベーク処理、S3の温調(冷却)処理、S4のレジスト露光処理、S5のレジスト現像処理、S6の加熱(ポスト)ベーク処理、S7の温調(冷却)処理までは、共通した処理である。
【0114】
図11-1の実施例1、2、3の処理工程では、前記共通した処理の後、レジスト特性変更処理RH1、レジスト安定化RH2、エッチング処理S12の順で行い、このRH1、RH2、S12の処理をエッチングの分割回数繰り返し行った後、レジスト剥離処理S13を行う例が示されている。
【0115】
図11-2の実施例1、2、3の処理工程では、前記共通した処理の後、エッチング処理S12、レジスト特性変更処理RH1、レジスト安定化RH2の順で行い、このS12、RH1、RH2の処理をエッチングの分割回数繰り返し行った後、レジスト剥離処理S13を行う例が示されている。
【0116】
図11-3の実施例1、2、3の処理工程では、前記共通した処理の後、レジスト特性変更処理RH1、レジスト安定化RH2、エッチング処理S12の順で行い、前記共通の処理であるS6、S7を含め、RH1、RH2、S12の処理をエッチングの分割回数繰り返し行った後、レジスト剥離処理S13を行う例が示されている。
【0117】
図11-4の実施例1、2、3の処理工程では、前記共通した処理の後、エッチング処理S12、レジスト特性変更処理RH1、レジスト安定化RH2の順で行い、前記共通の処理であるS6、S7を含め、S12、RH1、RH2の処理をエッチングの分割回数繰り返し行った後、レジスト剥離処理S13を行う例が示されている。
【0118】
図11-5の実施例4の処理工程では、前記共通した処理の後、レジスト特性変更処理RH1、レジスト安定化RH2、エッチング処理S12の順で行い、必要に応じて、再現像処理S14、追加エッチング処理S15を追加する場合を示しており、RH1、RH2、S12の処理と、必要に応じてS14,S15を加えて、エッチングの分割回数繰り返し行った後、レジスト剥離処理S13を行う例が示されている。
【0119】
図11-6の実施例4の処理工程では、前記共通した処理の後、レジスト特性変更処理RH1、レジスト安定化RH2、エッチング処理S12の順で行い、必要に応じて、再現像処理S14、追加エッチング処理S15を追加する場合を示しており、前記共通の処理であるS6、S7を含め、RH1、RH2、S12の処理と、必要に応じてS14,S15を加えて、エッチングの分割回数繰り返し行った後、レジスト剥離処理S13を行う例が示されている。
【0120】
但し、以上に示した実施例において、液体のエッチング処理や、液体を用いる処理では、水洗処理、乾燥処理は必須であり、同処理内に含むか、別途処理の場合も記載省略するものとする。
【0121】
以下本発明の実施例1、実施例2、実施例3、実施例4更なる応用例について説明する。前記実施例1、2、3、4及び処理工程について、エッチング処理は、ウェットエッチング処理を基本に記しているが、ウェットエッチング、ドライエッチングいずれでも可である。特にドライエッチングの場合は、等方性エッチングの場合が効果的であり、いわゆるエッチングガスのプラズマ状態から、ラジカルガス部分のみを取り出して別途処理を行うケミカルドライエッチング処理においても有効である。すなわち、前記実施例1、2,3の処理においては、レジスト膜の現像処理以降は、真空中での処理に置き換えて行う場合も実施例の応用範囲に含むものとする。
【0122】
前記実施例1、2、3、4の処理方法とその詳細について以下追加説明し、各種処理条件が異なる以下の場合もこの実施例1,2,3,4の範囲内である。
1)エッチング対象となる下地膜上に形成した少なくとも1種類の有機物質を含む有機膜パターン(以下レジストマスク、レジストパターン、レジストマスクパターンもその1例とし含むものとする)を形成後、エッチング対象となる下地膜のエッチングを少なくとも3回以上、最適には4回以上の回数エッチングを行うものである。また、それに追加し、少なくとも2回目以降の各エッチングの前に有機膜パターンに対し、その特性や形状を変化させる処理を行う場合もある。また、その特性や形状を変化させる処理が、有機膜パターンに対し、有機溶剤の薬液をさらして軟化又はリフロー(流動化)を起こさせる場合も有る薄膜パターンの形成方法である。
2)エッチング対象となる下地膜のエッチングを少なくとも3回以上、最適には4回以上の回数エッチングする場合において、エッチング対象となる下地膜の各回のエッチング量の合計、又は各回のエッチングレートと各回の処理時間の積(すなわち、各回のエッチング量と同義)の合計は、エッチング対象となる下地膜の膜厚と同じ値を割合100%の値とすると、それに対し少なくとも割合100~200%以内、最適には、割合110~150%以内の値である薄膜パターンの形成方法である。
3)エッチング対象となる下地膜のエッチングを少なくとも3回以上、最適には4回以上の回数エッチングする場合において、エッチング対象となる下地膜の各回のエッチング量、又は各回のエッチングレートと各回の処理時間の積(すなわち、各回のエッチング量と同義)は、エッチング対象となる下地膜の全体をエッチング回数により均等にエッチングした場合のエッチング量(すなわち、下地膜の全膜厚をエッチング回数で割った値)と同じ値を割合100%とすると、それに対し少なくとも割合100±50%、最適には、割合100±20%の範囲内である薄膜パターンの形成方法である。
4)エッチング対象となる下地膜のエッチングを少なくとも3回以上、最適には4回以上の回数エッチングする場合において、エッチング対象となる下地膜の各回のエッチング量、又は各回のエッチングレートと各回の処理時間の積(すなわち、各回のエッチング量と同義)は、エッチング対象となる下地膜の全体をエッチング回数により均等にエッチングした場合のエッチング量(すなわち、下地膜の全膜厚をエッチング回数で割った値)と同じ値を割合100%とすると、それに対し最終回以外は、少なくとも割合100±20%、最適には、割合100±10%の範囲の値であり、最終回のエッチングのみ少なくとも割合100+0~100%、最適には割合100+0~50%の範囲の値である薄膜パターンの形成方法である。
5)有機膜パターンに対し、有機溶剤の薬液をさらして軟化又はリフロー(流動化)させる方法が、それにより少なくとも有機膜パターンの表面積又は下地膜との接触面積が増加している薄膜パターンの形成方法である。
6)有機膜パターンに対し、有機溶剤の薬液をさらす方法が、有機溶剤の薬液の蒸気にさらす方法か、有機溶剤の薬液と不活性ガスのN2、Ar等のガスと同時噴射する方法か、有機溶剤の薬液中に不活性ガスのN2、Ar等のガスをバブリングさせたガスにさらす方法によることを特徴とする薄膜パターンの形成方法である。
【実施例0123】
本発明の実施例4は、実施例1、2,3に必要時のみ追加処理として、再現像処理と追加エッチング処理を加えた実施例であるが、図12には、この追加処理工程部分(再現像処理と追加エッチング処理)を行った場合に断面図の変化を示している。図12(a1)は、実施例1の図3(f)の状態と同様である。この後に、図11-5、6のS14の再現像処理として、通常の図11-5、6のS14のレジスト現像処理と同薬液(又はその希薄液や、他の現像液)で、レジスト部分の未感光部分の少なくともその一部が除去されるように最適な処理時間で処理する。これにより図12(b1)のレジストパターP3は、未感光部分の少なくとも一部が選択的に除去され新たな図8(a2)のようなレジストパターンSP3が残存する。次に図11-5、6のS15の追加エッチング処理を行う。この処理は、図11―5、6のS12のエッチング処理と同等か、図12(c1)の下地膜パターンT3の側面の凹凸や、周辺の残渣の少なくとも一部を除去するのに充分で最適な処理時間で処理(又はその希薄液か、他の組成のエッチング液で同等な効果の処理でも可)する。そのことのより下地膜パターンST3のように、下地膜パターンT3よりやや細まるが、側面がなめらかで残渣の無い下地膜パターンが形成される。
【0124】
図12(a2)は、実施例1の図3(f)の状態において、その前の図11-7のレジスト特性変更処理(その内特に、レジスト変形処理2を含む処理)により図12(a1)のレジストパターンP3より大きく膨張したレジストパターンP3b、下地膜パターンT3bが形成された例である。この場合には、図11-5、6のS14の再現像処理において、レジスト部分の未感光部分の少なくともその一部が除去される処理を前記図12(b1)の場合よりより多くレジスト部分が除去されるように処理したり、S15の追加エッチング処理をより多く処理することにより、図12(b2)のように残存するレジストパターンSP3bや、図12(c2)のように下地膜パターンST3bを元のP3bや、T3bをより大きく縮小させることが出来るので、図11-5、6のS14の再現像処理前により大きく膨張し過ぎたレジストパターンや、下地膜パターンを小さくさせる効果があることを示している。
【0125】
図12(a3)は、図12(a2)よりさらに大きく膨張した
レジストパターンP3c、下地膜パターンT3cが形成された例である。この場合にも、図11-5、6のS14の再現像処理や、S15の追加エッチング処理を更により多く処理することにより、図12(b3)のように残存するレジストパターンSP3cや、図12(c3)のように下地膜パターンST3cを元のP3bや、T3bを更により大きく縮小させることが出来るので、レジストパターンの変形処理による膨張と、この再現像処理による縮小の2つの処理によりその寸法を制御出来る効果は大きく、寸法のプラスマイナス(±)制御が実現出来ることは、より精度の高い寸法制御を実現出来ることを示している。
【0126】
尚、前記段落番号0123~0125にエッチング処理の最後に行う場合を示したが、それに限定されることなく、S14の再現像処理や、S15の追加エッチング処理は、図11-5、図11-6に示すように繰り返し処理の途中において実施することも可能であり、途中でその寸法を制御することでより精度の良い寸法を実現したり、各処理の揺らぎに対応して制御することを可能にすることが出来、最終的な寸法制御にも大きな効果を発揮できるメリットがある。
【0127】
また前記実施例の処理工程について、エッチング処理は、ウェットエッチング処理を基本に記しているが、ウェットエッチング、ドライエッチングいずれでも可である。特にドライエッチングの場合は、等方性エッチングの場合が効果的であり、いわゆるエッチングガスのプラズマ状態から、ラジカルガス部分のみを取り出して別途処理を行うケミカルドライエッチング処理においても有効である。すなわち、前記実施例1、2,3、及び4の処理においては、レジスト膜の現像処理以降のS5~S9は、真空中での処理に置き換えて行う場合も実施例の応用範囲に含むものとする。
【0128】
ここで本発明における3回以上に分割しエッチングする必要性、有効性について記述する。このことが本発明の特徴である3回以上に分割してエッチングすることが重要であることと、2回以下エッチングに対して大きな有意差があることを示している。但し、この分割するエッチングは例として、いずれも、均等な分割時間、分割エッチング量の場合とするが、他の場合も有意差と優位性があるが全ての場合については省略する。
【0129】
図6に、従来例のレジストマスクパターンP1による下地膜T0を1回のみでエッチング完了した場合の寸法詳細図を示す。(a)は、エッチング前のレジストマスクパターンと、下地膜を示す。(b)は、エッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP1の端部E1-1Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、1回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE1x1、エッチング量(Y方向)とE1y1の寸法を示す。(c)は、レジスト剥離後の下地膜のパターン寸法を示すが、全サイドエッチング量E1x、全エッチング量E1yとすると、回数は1回のみなので、E1x=E1x1、E1y=E1y1となる。
【0130】
図7に、従来例のレジストマスクパターンP1による下地膜T0を2回に分割しエッチング完了した場合の寸法詳細図を示す。(a)は、エッチング前のレジストマスクパターンと、下地膜を示す。(b)は、1回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP1の端部E2-1Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、1回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE2x1、エッチング量(Y方向)とE2y1の寸法を示す。(c)は、キュア温度の加熱(ベーク)処理等により、レジストマスクパターンP2に変化した場合を示す。(d)は、2回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP2の端部E2-2Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、2回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE2x2、エッチング量(Y方向)とE2y2の寸法を示す。(e)は、レジスト剥離後の下地膜のパターン寸法を示すが、全サイドエッチング量E2x、全エッチング量E2yとすると、回数は2回なので、E2x=E2x1+E2x2、E2y=E2y1+E2y2となる。
【0131】
図8に、本発明の実施例1のレジストマスクパターンP1による下地膜T0を3回に分割しエッチング完了した場合の寸法詳細図を示す。(a)は、エッチング前のレジストマスクパターンと、下地膜を示す。(b)は、1回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP1の端部E3-1Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、1回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE3x1、エッチング量(Y方向)とE3y1の寸法を示す。(c)は、レジストマスクパターンP1に本発明のレジスト密着強化処理としてレジスト変形処理2(例:有機溶剤の薬液溶解リフロー処理)+レジスト密着強化処理(例:1120~130℃の3~5分加熱処理)を行った後、基板安定化処理として、基板温調処理(例:常温のプレート上に置き)+基板乾燥処理(例:ドライAirブロー)を行ったことにより、レジストマスクパターンP2に変化した場合を示す。(d)は、2回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP2の端部E3-2Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、2回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE3x2、エッチング量(Y方向)とE3y2の寸法を示す。(e)は、(c)と同じ処理により、レジストマスクパターンP2が、レジストマスクパターンP3に変化した場合を示す。(f)は、3回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP3の端部E3-3Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、3回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE3x3、エッチング量(Y方向)とE3y3の寸法を示す。(g)は、レジスト剥離後の下地膜のパターン寸法を示すが、全サイドエッチング量E3x、全エッチング量E3yとすると、回数は3回なので、E3x=E3x1+E3x2(+E3x3)、E3y=E3y1+E3y2+E3y3となる。但し、ここで図からも、分かる様に、E3x3は、-(マイナス)、すなわち、3回目のサイドエッチングは、ほとんど進行せず(逆に少なくなる)、全体のサイドエッチング量に影響しなくなることを示している。
【0132】
図9-1,9-2に、本発明の実施例1のレジストマスクパターンP1による下地膜T0を4回に分割しエッチング完了した場合の寸法詳細図を示す。(a)は、エッチング前のレジストマスクパターンと、下地膜を示す。(b)は、1回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP1の端部E4-1Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、1回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE4x1、エッチング量(Y方向)とE4y1の寸法を示す。(c)は、レジストマスクパターンP1に本発明のレジスト密着強化処理としてレジスト変形処理2(例:有機溶剤の薬液溶解リフロー処理)+レジスト密着強化処理(例:1120~130℃の3~5分加熱処理)を行った後、基板安定化処理として、基板温調処理(例:常温のプレート上に置き)+基板乾燥処理(例:ドライAirブロー)を行ったことにより、レジストマスクパターンP2に変化した場合を示す。(d)は、2回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP2の端部E4-2Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、2回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE4x2、エッチング量(Y方向)とE4y2の寸法を示す。(e)は、(c)と同じ処理により、レジストマスクパターンP2が、レジストマスクパターンP3に変化した場合を示す。(f)は、3回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP3の端部E4-3Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、3回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE4x3、エッチング量(Y方向)とE4y3の寸法を示す。(g)は、(e)と同じ処理により、レジストマスクパターンP3が、レジストマスクパターンP4に変化した場合を示す。(h)は、4回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP4の端部E4-4Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、4回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE4x4、エッチング量(Y方向)とE4y4の寸法を示す。(i)は、レジスト剥離後の下地膜のパターン寸法を示すが、全サイドエッチング量E4x、全エッチング量E4yとすると、回数は4回なので、E4x=E4x1+E4x2(+E4x3)(+E4x4)、E4y=E4y1+E4y2+E4y3+E4y4となる。但し、ここで図からも、分かる様に、E4x3やE4x4は、-(マイナス)、すなわち、3、4回目のサイドエッチングは、ほとんど進行せず(逆に少なくなる)、全体のサイドエッチング量に影響しなくなることを示している。
【0133】
前記、図6図7図8図9-1,9-2の寸法の説明から、3回以上に分割(但し、均等な分割時間、分割エッチング量)した場合には、3回目以上のサイドエッチング量は、全体に影響を与えないことから、本発明の分割エッチングにおいて、分割回数(n)の場合のサイドエッチング量をEnx、その場合の1回目、2回目のサイドエッチング量はEnx1、Enx2とすると、Enx=Enx1+Enx2のみであり、少なくともnを3回以上にすれば、Enxは、従来の1回のみや2回の分割のみで全エッチング完了する場合の全サイドエッチング量E1xや、E2xより小さくなる(すなわち、n≧3、Enx≦E1x、E2x)ことは明らかである。そのことにより、3回以上に分割してエッチングすることは、重要で有効な事である。
【0134】
前記段落番号0128~0133において、エッチングの分割を均等な分割時間、量の場合としたが、図10-1、図10-2、図10-3に、レジストマスクパターンP1による下地膜T0の2回の分割エッチングを完了する場合において、各エッチングの分割が均等でない分割時間、量の場合について説明する。
【0135】
図10―1は、1回目のエッチング分割時間、量が小さく、2回目のエッチング分割時間、量が大きい場合の寸法詳細図を示す。(a)は、エッチング前のレジストマスクパターンと、下地膜を示す。(b)は、1回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP1の端部E2a-1Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、1回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE2ax1、エッチング量(Y方向)とE2ay1の寸法を示す。(c)は、キュア温度の加熱(ベーク)処理等により、レジストマスクパターンP2に変化した場合を示す。(d)は、2回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP2の端部E2a-2Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、2回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE2ax2、エッチング量(Y方向)とE2ay2の寸法を示す。(e)は、レジスト剥離後の下地膜のパターン寸法を示すが、全サイドエッチング量E2ax、全エッチング量E2ayとすると、回数は2回なので、E2ax=E2ax1+E2ax2、E2ay=E2ay1+E2ay2となる。
【0136】
図10―2は、1回目のエッチング分割時間、量と、2回目のエッチング分割時間、量とが同じ場合の寸法詳細図を示す。(a)は、エッチング前のレジストマスクパターンと、下地膜を示す。(b)は、1回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP1の端部E2b-1Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、1回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE2bx1、エッチング量(Y方向)とE2by1の寸法を示す。(c)は、キュア温度の加熱(ベーク)処理等により、レジストマスクパターンP2に変化した場合を示す。(d)は、2回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP2の端部E2b-2Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、2回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE2bx2、エッチング量(Y方向)とE2by2の寸法を示す。(e)は、レジスト剥離後の下地膜のパターン寸法を示すが、全サイドエッチング量E2bx、全エッチング量E2byとすると、回数は2回なので、E2bx=E2bx1+E2bx2、E2by=E2by1+E2by2となる。
【0137】
図10―3は、1回目のエッチング分割時間、量が大きく、2回目のエッチング分割時間、量が小さい場合の寸法詳細図を示す。(a)は、エッチング前のレジストマスクパターンと、下地膜を示す。(b)は、1回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP1の端部E2c-1Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、1回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE2cx1、エッチング量(Y方向)とE2cy1の寸法を示す。(c)は、キュア温度の加熱(ベーク)処理等により、レジストマスクパターンP2に変化した場合を示す。(d)は、2回目のエッチング処理後の状態を示すが、レジストマスクパターンP2の端部E2c-2Pointから(等方性などの)エッチングが進むと仮定すると、2回目のエッチングで下地膜の横(X方向)のサイドエッチングとしてE2cx2、エッチング量(Y方向)とE2cy2の寸法を示す。(e)は、レジスト剥離後の下地膜のパターン寸法を示すが、全サイドエッチング量E2cx、全エッチング量E2cyとすると、回数は2回なので、E2cx=E2cx1+E2cx2、E2cy=E2cy1+E2cy2となる。
【0138】
図10-1、図10-2、図10-3の状態を比較すると、図からも、分かる様に、図10-1のように、各回のエッチング量が他より大きいと、そのサイドエッチング量の影響が大きく、均等にエッチングした方が、全サイドエッチング量は小さくなることが分かる。すなわち、図10―1の場合に全サイドエッチング量E2ax、図10―2の場合に全サイドエッチング量E2bx、図10―3の場合に全サイドエッチング量E2cxとすると、E2ax≧E2bx≦E2cxとなる。このことから、分割エッチングにおける各エッチング時間、量は、均等の方が、全サイドエッチング量を最小とすることが出来る。その為、前記段落番号0127~0132に記述した均等の分割エッチング時間、量について3回以上の分割が、サイドエッチング量を抑制する為に、重要で有効な事であることを補完し、更に必要な重要要素であることを示すものである。このことが本発明の特徴である3回以上に分割してエッチングすることが重要であることと、2回以下エッチングに対して大きな有意差があることを示している。
【実施例0139】
次に本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成方法を達成する為の本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置として実施例5として説明する。本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置に用いられる各処理ユニットとその処理順序の例として、Y1のレジスト(膜)の塗布処理ユニット、Y2の加熱ベーク処理ユニット、Y3の温調(冷却)処理ユニット、Y4のレジスト露光処理ユニット、Y5のレジスト現像処理ユニット、Y6の加熱ベーク処理ユニット、Y7の温調(冷却)処理ユニットまでは、共通した処理順序で行うユニットである。
【0140】
図13-1に実施例5の分例1(実施例5-1)では、前記共通したY1~Y7の処理ユニットの後、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2のレジスト安定化ユニット、Y12のエッチング処理ユニットの順で処理を行い、このYRH1、YRH2、Y12の処理ユニットでの処理をエッチングの分割回数繰り返し行った後、Y13のレジスト剥離処理ユニットでの処理を行う例が示されている。
【0141】
図13-2の実施例5の分例2(実施例5-2)では、前記共通したY1~Y7の処理ユニットの後、Y12のエッチングユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2のレジスト安定化ユニットの順で処理を行い、このY12、YRH1、YRH2の処理ユニットでの処理をエッチングの分割回数繰り返し行った後、Y13のレジスト剥離処理ユニットでの処理を行う例が示されている。
【0142】
図13-3の実施例5の分例3(実施例5-3)では、前記共通したY1~Y5の処理ユニットの後、Y6の加熱ベーク処理ユニット、Y7の温調(冷却)処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2のレジスト安定化処理ユニット、Y12のエッチング処理ユニットの順で行い、前記共通の処理であるY6、Y7を含め、YRH1、YRH2、Y12の処理をエッチングの分割回数繰り返し行った後、レジスト剥離処理Y13を行う例が示されている。
【0143】
図13-4の実施例5の分例4(実施例5-4)では、前記共通したY1~Y5の処理ユニットの後、Y6の加熱ベーク処理ユニット、Y7の温調(冷却)処理ユニット、Y12のエッチング処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2のレジスト安定化処理ユニットの順で行い、前記共通の処理であるY6、Y7を含め、Y12、YRH1、YRH2の処理をエッチングの分割回数繰り返し行った後、レジスト剥離処理Y13を行う例が示されている。
【0144】
図13-5の実施例5の分例5(実施例5-5)では、前記共通したY1~Y5の処理ユニットの後、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2のレジスト安定化処理ユニット、Y12のエッチング処理ユニットの順で処理を行い、必要に応じて、Y14の再現像処理ユニット、Y15の追加エッチング処理ユニットの順で処理を追加する場合を示しており、YRH1、YRH2、Y12ユニットの処理と、必要に応じてY14の再現像処理ユニット、Y15の追加エッチング処理ユニットの処理を加えて、エッチングの分割回数繰り返し行った後、Y13のレジスト剥離処理ユニットでの処理を行う例が示されている。
【0145】
図13-6の実施例5の分例6(実施例5-6)では、前記共通したY1~Y5の処理ユニットの後、Y6の加熱ベーク処理ユニット、Y7の温調(冷却)処理ユニット、Y12のエッチング処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2のレジスト安定化処理ユニットの順で行い、必要に応じて、Y14の再現像処理ユニット、Y15の追加エッチング処理ユニットを加えて、エッチングの分割回数繰り返し行った後、Y13のレジスト剥離処理ユニットでの処理を行う例が示されている。
【0146】
但し、以上に示した実施例5において、液体のエッチング処理ユニットや、液体を用いる処理ユニットでは、水洗処理、乾燥処理は必須であり、同処理ユニット内に含むか、別途処理ユニットの場合も記載省略するものとする。
【0147】
また、レジスト特性変更処理ユニットとは、図13-7に示すように、
(a)レジスト密着強化処理ユニット:エッチング後にレジストマスクと下地膜の密着性が悪化した部分に対し、少しでも回復させる効果、すなわち、下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする処理ユニット
(b)レジスト変形処理1ユニット:レジストマスクパターンの少なくとも一部が固体のまま、又は液状化せず軟化し、屈曲、又は湾曲化等させ下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする効果のある処理ユニット
(c)レジスト変形処理2ユニット:レジストマスクパターンの少なくとも一部が液状化し、溶解、又はリフロー、流動化等させ下地膜とレジスト膜の密着面積を回復、又は増大させたりする効果のある処理ユニット
(d)は、(a)、(b)、(c)の組み合わせた処理ユニット
のいずれかの事である。
【0148】
その後、更にレジストマスクパターンに対し、基板安定化処理ユニットで処理を行うが、基板安定化処理ユニットとは、図13-8に示すように、
(a)基板温調処理ユニット:レジストマスクの温度を常温や、エッチング前として最適な温度にする効果のある処理ユニット
(b)基板乾燥処理ユニット:レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする効果のある処理ユニット
(c)基板真空乾燥処理ユニット:レジストマスクに付着した液体を除去したり、乾燥させたりする為、真空乾燥する処理ユニット
(d) (a)、(b)、(c)の組み合わせた処理ユニット
のいずれかの事である。但し、レジスト特性変更処理ユニット、基板状態安定化処理ユニットは、本実施例5では、前記段落番号0147~0148の例を示すが、それに限らず可能である。
【0149】
図14には、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Aとしてのマルチ処理ユニット装置として、各処理ユニット、搬送系ロボット及び処理基板カセット例を示している。すなわち、Y6の加熱ベーク処理ユニット、Y7の温調(冷却)処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニット、Y12(Y15)のエッチング処理ユニット(又は追加エッチング処理ユニット、兼用も)、Y14の再現像処理ユニット、基板を収納したC1~C4の基板カセット、C1~C4の基板カセットからの出し入れを行うR1の搬送ロボット、R1の搬送ロボットから基板を受け取り各ユニットへの搬送を行うR2の搬送ロボットで構成されている。
【0150】
但し、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置であるマルチユニット装置としては、前記実施例5を実現する装置の例Aに限らず、最低限の処理ユニットとして、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニット、Y12(Y15)のエッチング処理ユニット(又は追加エッチング処理ユニット、兼用も)の3つを備えていれば良い。更に、処理能力向上、追加処理(例えばYRH1のレジスト特性変更処理ユニット)の必要性により、前記Y1~Y5、Y13の処理ユニットを追加した構成とすることの可能でありそれも本発明の実施例5を実現する装置の例Aに含むものとする。
【0151】
図15には、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Bとしてのマルチ処理ユニット装置として、各処理ユニット、搬送系ロボット及び処理基板カセット例を示している。
但し、この場合の例Bは、前記例Aと異なるのは、全てドライユニット、すなわち真空中の処理、処理ユニットである点が、前記例Bとは異なっている。
すなわち、Y6の加熱ベーク処理ユニット、Y7の温調(冷却)処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニット、Y12(Y15)のエッチング処理ユニット(又は追加エッチング処理ユニット、兼用も)、Y14の再現像処理ユニット、基板を収納したC1~C4の基板カセット、C1~C4の基板カセットからの出し入れを行うR1の搬送ロボット、R1の搬送ロボットから基板を受け取り各ユニットへの搬送を行うR2の搬送ロボットも全て真空中で行われる処理であり、真空ユニットで構成されている。例えば、エッチング処理は、いわゆるドライエッチング処理である。再現像もドライの現像処理か、アッシング処理(主にO2ガスのプラズマ雰囲気中処理)で行われるものである。
【0152】
図16には、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Cとしての基板の搬送はコンベア方式(連続、間欠、不連続式のタクト送り)でエッチング処理ユニットにおいては、処理液の塗布はシャワー方式の処理ユニットを連結した装置の例として、各処理ユニット、搬送系ロボット及び処理基板カセット例を示している。
【0153】
この場合には、基板の搬送がコンベア方式(連続、間欠、不連続式)で処理液の塗布はシャワー方式であるY12のコンベア式エッチング処理ユニットにおいては、液体のエッチング処理である為、そのエッチング液の除去の為の水洗処理、乾燥処理は必須であり、同処理内に含むか、別途処理の場合も記載省略するものとする。
【0154】
またY12のコンベア式エッチング処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニットを連続して処理可能な装置であり、この場合の設置例として、Y12のコンベア式エッチング処理ユニットを下段(又は左ライン)に設置し、YRH1のレジスト特性変更処理ユニットと、YRH2の基板安定化処理ユニットを上段(又は右ライン)に設置し、上段、下段の移動をR1、R2の搬送ロボットで基板の移動を行い、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニットの間は、コンベア、又はR1,R2同様の搬送ロボットで搬送するものである。但し、この設置例に限らず、処理順序が同じであれば、上段、下段、左右ラインの違い、途中の搬送ロボット、コンベアが異なるものである場合も含むものとする。
【0155】
図17には、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Dとしての基板の搬送はコンベア方式(連続、間欠、不連続式のタクト送り)でエッチング処理ユニットにおいては、処理液の塗布はシャワー方式の処理ユニットを連結した装置の例として、各処理ユニット、搬送系ロボット及び処理基板カセット例を示している。
【0156】
この場合には、基板の搬送がコンベア方式(連続、間欠、不連続式)で処理液の塗布はシャワー方式であるY12のコンベア式エッチング処理ユニットにおいては、液体のエッチング処理である為、そのエッチング液の除去の為の水洗処理、乾燥処理は必須であり、同処理内に含むか、別途処理の場合も記載省略するものとする。
【0157】
またY12のコンベア式エッチング処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニット、Y14の再現像処理ユニットを連続して処理可能な装置であり、この場合の設置例として、Y12のコンベア式エッチング処理ユニットを下段(又は左ライン)に設置し、YRH1のレジスト特性変更処理ユニットと、YRH2の基板安定化処理ユニット、Y14の再現像処理ユニットを上段(又は右ライン)に設置し、上段、下段の移動をR1、R2の搬送ロボットで基板の移動を行い、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニット、Y14の再現像処理ユニットの間は、コンベア、又はR1,R2同様の搬送ロボットで搬送するものである。但し、この設置例に限らず、処理順序が同じであれば、上段、下段、左右ラインの違い、途中の搬送ロボット、コンベアが異なるものである場合も含むものとする。
【0158】
図18には、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Eとしての基板の搬送はコンベア方式(連続、間欠、不連続式のタクト送り)でエッチング処理ユニットにおいては、処理液の塗布はシャワー方式の処理ユニットを連結した装置の例として、各処理ユニット、搬送系ロボット及び処理基板カセット例を示している。
【0159】
この場合には、基板の搬送がコンベア方式(連続、間欠、不連続式)で処理液の塗布はシャワー方式であるY12のコンベア式エッチング処理ユニットにおいては、液体のエッチング処理である為、そのエッチング液の除去の為の水洗処理、乾燥処理は必須であり、同処理内に含むか、別途処理の場合も記載省略するものとする。
【0160】
またY12のコンベア式エッチング処理ユニット、Y7の加熱ベーク処理ユニット、Y8の温調(冷却)処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニットを連続して処理可能な装置であり、この場合の設置例として、Y12のコンベア式エッチング処理ユニットを下段(又は左ライン)に設置し、Y7の加熱ベーク処理ユニット、Y8の温調(冷却)処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニットを上段(又は右ライン)に設置し、上段、下段の移動をR1、R2の搬送ロボットで基板の移動を行い、Y7の加熱ベーク処理ユニット、Y8の温調(冷却)処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニットの間は、コンベア、又はR1,R2同様の搬送ロボットで搬送するものである。但し、この設置例に限らず、処理順序が同じであれば、上段、下段、左右ラインの違い、途中の搬送ロボット、コンベアが異なるものである場合も含むものとする。
【0161】
図19には、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Fとしての基板の搬送はコンベア方式(連続、間欠、不連続式のタクト送り)でエッチング処理ユニットにおいては、処理液の塗布はシャワー方式の処理ユニットを連結した装置の例として、各処理ユニット、搬送系ロボット及び処理基板カセット例を示している。
【0162】
この場合には、基板の搬送がコンベア方式(連続、間欠、不連続式)で処理液の塗布はシャワー方式であるY12のコンベア式エッチング処理ユニットにおいては、液体のエッチング処理である為、そのエッチング液の除去の為の水洗処理、乾燥処理は必須であり、同処理内に含むか、別途処理の場合も記載省略するものとする。
【0163】
またY12のコンベア式エッチング処理ユニット、Y7の加熱ベーク処理ユニット、Y8の温調(冷却)処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニット、Y14の再現像処理ユニットを連続して処理可能な装置であり、この場合の設置例として、Y12のコンベア式エッチング処理ユニットを下段(又は左ライン)に設置し、Y7の加熱ベーク処理ユニット、Y8の温調(冷却)処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニットと、YRH2の基板安定化処理ユニット、Y14の再現像処理ユニットを上段(又は右ライン)に設置し、上段、下段の移動をR1、R2の搬送ロボットで基板の移動を行い、Y7の加熱ベーク処理ユニット、Y8の温調(冷却)処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニット、Y14の再現像処理ユニットの間は、コンベア、又はR1,R2同様の搬送ロボットで搬送するものである。但し、この設置例に限らず、処理順序が同じであれば、上段、下段、左右ラインの違い、途中の搬送ロボット、コンベアが異なるものである場合も含むものとする。
【0164】
但し、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例A、B、C、D、E、Fに限らず、最低限の処理ユニットとして、Y12のエッチング処理ユニット、YRH1のレジスト特性変更処理ユニット、YRH2の基板安定化処理ユニットの3つを備えていれば良い。更に、処理能力向上、追加処理の必要性により、前記Y6~Y9の処理ユニットの追加や、2つ以上同処理ユニットを設置した構成とすることも可能でありそれも本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例に含むものとする。
【0165】
図13―7に示すレジスト特性変更処理ユニットでも処理の例
としては、前記段落番号0104に示す図11-7のレジスト特性変更処理に対応した処理ユニットである。例えば、(a)レジスト密着強化処理ユニットでは、キュアー温度以下(例:100~130℃)の加熱の処理が行われ、(b)レジスト変形処理1ユニットでは、レジストマスクを固体のまま、又は液状化せず軟化し屈曲、湾曲させる為、キュアー温度以下(例:100~130℃)の特殊な加熱処理温度、時間、雰囲気の処理等が行われ、(c)レジスト変形処理2ユニットでは、液状化し、溶解、リフロー、流動化する処理として有機溶剤薬液の蒸気にさらして薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理が行われる。
【0166】
前記薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理を行うユニットは、前記実施例1~5で述べたように、少なくとも有機溶剤を含む薬液の蒸気にさらす、不活性ガス(N2、Arガス等)と同時噴射、有機溶剤を含む薬液中を不活性ガス(N2、Arガス等)でバブリングしたガスにさらす等、有機膜パターンを軟化、溶解フローさせる処理を起こす処理ユニットであれば良い。
【0167】
図13-7の他の処理ユニットも同様に図11―7の処理に対応したユニットである。図13-8の処理ユニットも、同様に図11-8の処理に対応したユニットである。
【0168】
また、加熱処理以外の前記処理条件としては、例えば、ウェットエッチングにおいては、(1)エッチング液組成、(2)エッチング液温度、(3)エッチング液の噴出条件(シャワー方式の場合:シャワー圧力、シャワー揺動動作等)、(4)エッチング処理時間、(5)水洗処理方法、(6)水洗処理時間、(7)乾燥方法(温度、時間)などであり、等方性ドライエッチング、いわゆるケミカルドライエッチングにおいては、(1)処理圧力(真空度)、(2)放電パワー、(3)処理ガスの種類とガス流量、(4)処理時間、(5)処理基板の温度(基板ステージの温度)などである。
【0169】
レジストの密着力調整のための熱処理である(図11-7の(a))のレジスト密着強化処理や、その他の加熱ベーク処理等の処理温度範囲は特に限定されるものではないが、レジストパターンがキュアしない温度範囲である例えば80℃乃至150℃程度の範囲であってもよいが、最適には、90℃乃至120℃程度の範囲で行うのがよい。薬液溶解リフロー(又は薬液ガス暴露)処理においては、25℃の室温での処理を基本とするが、25~40℃の室温より高い温度で処理のみならず、0~25℃室温程度或いは室温以下の温度下も処理速度、特性により選択することを含む。
【0170】
ここで、追加の説明として、本発明の実施例1、2、3、4の
レジスト特性変更処理であるレジスト変形処理1(図11-7の(b))の1例であるレジストが固体のまま、又は液状化せず軟化し、屈曲、湾曲化等の処理の場合について以下に詳細を示す。
【0171】
具体的な処理例として、前記段落番号0049において図3の本発明の実施例1での場合を示すが、ここで用いられるレジスト特性変更処理として、レジスト変形処理1:レジストマスクの形状がほとんど膨張することなく少なくとも一部が固体のまま、又は液状化せず軟化し、屈曲、湾曲化等させる処理を選択した場合の例を、図20に示す。
【0172】
図11-7(c)のレジスト変形処理2と、図11-7(b)のレジスト変形処理1の違いは、レジスト変形処理2が、レジストマスクパターンの少なくとも一部が液状化し、溶解、又はリフロー、流動化等を引き起こしているのに対し、レジスト変形処理1では、材料の少なくとも一部が固体のまま、又は液状化せず軟化し、屈曲、又は湾曲化等する点が大きく異なる。更に、寸法の点においても、レジスト変形処理2では、変形後の縦、横、厚みの寸法のいずれかの大きな変化が有り得るが、レジスト変形処理1では、変形後も縦、横、厚みにおける各合計の寸法は大きく変化しないことも特徴である。
【0173】
但し、図20は、実施例1の追加説明とするが、これに限らず、実施例1、2、3,4の場合におけるレジスト特性変更処理が、レジスト変形処理1、2やその組み合わせで行われる処理の場合として、いずれにおいても適用できる具体例である。
【0174】
ここでは、通常の塗布、露光、現像により形成されたレジストパターンP1と下地膜T0が、下地膜のエッチングと共にそのサイドエッチングの起こっている先奥部を起点に、レジストマスクパターンが屈曲、又は湾曲し、サイドエッチングの隙間を埋めるようにレジストマスクパターンが密着して、3回のエッチングによる下地膜がT0からT1、T1からT2、T2からT3に変化するにつれて、レジストマスクパターンがP1からP2へ、P2からP3へ、P3からP4へと変化する場合について示している。
【0175】
この場合の例では、レジストパターンは、下地膜の各エッチングにおいて、レジストパターンと下地膜の間にできたサイドエッチングより出来た隙間に対し、レジストパターンのキュアー温度以下(例:100~130℃)の加熱等により、レジストマスクパターンの少なくとも一部が固体のまま、又は液状化せず軟化し、各レジストマスクパターンと下地膜の隙間の先奥部を起点に屈曲や、湾曲することにより、その隙間を埋めるように変形、又は下地膜のサイドエッチングが起こった部分の少なくとも一部、最適には、その全てを覆い隠すように変形し、各レジストマスクパターンP2、P3、P4において、その隙間部分や、下地膜のサイドエッチングが起こった部分に相当する部分が、それぞれM1、M2、M3のように下地膜T1、T2、T3とレジストパターンの密着が強化された界面となりその密着性は、少なくともサイドエッチング以前の下地膜T0とレジストパターンP1の密着性と同等以上の強さに戻るようにしている。
【0176】
図20(a)は、実施例1の図3(a)の下地膜T0にレジストパターンP1を形成した状態である。
【0177】
図20は、実施例1の図3の状態に相似しているが、異なるのは、エッチング後に行うレジスト特性変更処理において実施例1の図3では、図11-7のレジスト変形処理2を行い、図20では、図11-7(b)のレジスト変形処理1を行う点である。この場合には、段落0170~173に記したように、レジスト変形処理1では、レジストマスクの形状がほとんど膨張することなく少なくとも一部固体のまま、又は液状化せず軟化し、屈曲、湾曲化させる。すなわち、図20(b)とその拡大図では、下地膜T0の1回目のエッチングにより、レジストマスクパターンP1とエッチング後の下地膜T1の間にサイドエッチングによる隙間が出来、ヒサシ状になったレジストマスクパターンP1に対し、レジストパターンのキュアー温度以下(例:100~130℃)の加熱等により、サイドエッチングの起こっている先奥部を起点に、レジストマスクパターンP1が屈曲、又は湾曲し、サイドエッチングの隙間を埋めるようにレジストマスクパターンが密着し密着部が強化されたM1界面を形成し、レジストマスクパターンP2が、下地膜T1に密着したものである。
【0178】
図20(c)とその拡大図では、下地膜T1の2回目のエッチングにより、レジストマスクパターンP2とエッチング後の下地膜T2の間にサイドエッチングによる隙間が出来、ヒサシ状になったレジストマスクパターンP2に対し、レジストパターンのキュアー温度以下(例:100~130℃)の加熱等により、サイドエッチングの起こっている先奥部を起点に、レジストマスクパターンP2が屈曲、又は湾曲し、サイドエッチングの隙間を埋めるようにレジストマスクパターンが密着し密着部が強化されたM2界面を形成し、レジストマスクパターンP3が、下地膜T2に密着したものである。
【0179】
図20(d)とその拡大図では、下地膜T2の3回目のエッチングにより、レジストマスクパターンP3とエッチング後の下地膜T3の間にサイドエッチングによる隙間が出来、ヒサシ状になったレジストマスクパターンP3に対し、レジストパターンのキュアー温度以下(例:100~130℃)の加熱等により、サイドエッチングの起こっている先奥部を起点に、レジストマスクパターンP3が屈曲、又は湾曲し、サイドエッチングの隙間を埋めるようにレジストマスクパターンが密着し密着部が強化されたM3界面を形成し、レジストマスクパターンP4が、下地膜T3に密着したものである。
【0180】
前記レジスト変形処理1のより詳細な処理方法として、
1)レジストマスクの膜厚を薄く(例:下地膜の膜厚1/2以下、最適には1/4以下、又は0.5µm以下、最適には、0.25µm以下)に形成することにより、自重により固体のまま、又は液状化せず屈曲、湾曲等の変形するようにし、更に、キュアー温度以下(例:100~130℃)の加熱(ベーク)処理することでその変形を補助すると共に、その密着性を回復強化する方法がある。2)レジストパターンを前記1)のように薄く形成しなくても、レジスト材料自体の特性として、そのままでも自重で変形し易い材料か、キュアー温度以下(例:100~130℃)の加熱(ベーク)処理により固体のまま、又は液状化せず屈曲、湾曲等の変形するようにし、更に、同温度の処理でも、何度も繰り返し軟化し、屈曲、湾曲等の変形をするレジスト材料を選択して行う。
3)レジストパターンを前記1)のように薄く形成しなくても、レジスト材料自体の特性として、各種レジスト特性変更処理を何回も繰り返し行なった場合にも、そのマスク材料の特性として、毎回において、下地膜との密着性を回復させたり、少なくとも増大させたり、軟化、屈曲、湾曲、液状流動化、リフロー等の変形や、下地膜のサイドエッチングが起こった部分の少なくとも一部、最適には、その全てを覆い隠すような変形(それを、下地膜への自己整合型変形と呼ぶ)を繰り返すことが可能な材料を選択して用いて行う。但し、この自己整合型変形と密着性の向上は、それに対して1回のレジスト特性変更処理を行うことで実現される場合もあるが、別々に2回のレジスト特性変形処理を行っても良く、そのような特性を持つレジスト材料を用いて行う。などの方法を採用して行うことで実現出来るものである。この場合のレジストパターンは、前記有機膜パターン、レジストマスクにおいても同様である。
【0181】
このレジスト特性変更処理としてのレジスト変形処理1の1つである(図11-7の(b))の場合には、固体のまま、又は液状化しないので、(図11-7の(c))のレジスト変形処理2の場合のレジストパターンの液状化による溶解、リフロー、流動化等のレジストパターンの膨張変形を起こす場合に比較し、そのエッチング寸法が大きくなるデメリットや、その膨張を制御する必要が無い為、寸法制御し易く、処理も単純になるメリットがある。
【0182】
前記段落番号0170から0181に示したレジスト特性変更処理としてのレジスト変形処理1の1つの例は、図3の実施例1の場合にのみ適用出来るのではなく、前記実施例2、3、4、5にも適用出来るものである。
【0183】
更に、前記実施例1、2、3、4、5においてそのエッチング分割回数は、3~7回の場合の例を示しているが、本発明の実施例はこれに限らず、それ以上にエッチング回数を分割した場合においても応用実施例の内に入るものである。
【0184】
本発明の実施例全てにおいて用いられるエッチングの例として、前記ウェットエッチングの例として、下地膜が、銅(Cu)膜の場合、エッチング液としては、例として塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液、アルカリ性アンモニア(アルカリ性アンモニア)溶液、硫酸過酸化水素(硫酸+過酸化水素)溶液等を必要なエッチングレートになるような組成に調整して用いられている。他のウェットエッチングの例として、下地膜が、金属、半導体、絶縁膜の場合もあり、金属膜の場合、その金属膜のエッチング液等、半導体膜(Si等)の場合には、NaOH系、KOH系、アルカリ系エッチング液等、絶縁膜の場合には、HF系(BHF等)の溶液等を必要なエッチングレートになるような組成に調整して用いられる。
【0185】
ドライエッチングの場合には、金属膜のAl(アルミ)やAl合金、Cr(クロム)、In、ITO等の場合には、主にCl系ガス、BCl、HCl等のガス、半導体膜(Si、Ga等)、絶縁膜(SiO2、Si3N4等)においては、PFC系(CF4等のCxFy:x,yは任意)ガス、HFC系(CHF3等のCxHyFz:x、y、zは任意)ガス、CFC系(CCl2F2等のCxClyFz:x、y、zは任意)ガス、無機ハロゲン(SF6、NF3、SiF4、HF、Cl2、BCl3,Br、HBr、HI、IBr等)ガスのみか、H2、O2、N2、Ar、O3、NH3、H2O、CH4(CxHv:x、yは任意)等のガスと組み合わせてその流量を必要なエッチングレート、均一性に合わせて制御して使用し、プラズマ状態にし、そのイオン、ラジカルを利用し衝撃エネルギーや、化学反応を電位差パワー、圧力で制御しながらドライエッチングする。特に等方性ドライエッチングの場合が効果的であり、いわゆるエッチングガスのプラズマ状態から、ラジカルガス部分のみを取り出して別途処理を行うケミカルドライエッチング処理において効果的に用いられる。
【産業上の利用可能性】
【0186】
本発明は、薄膜のパターン形成方法、及びその処理装置を利用用したウェットエッチング、異方性ドライエッチング、等方性ドライエッチング、ケミカルドライエッチング方法、及びその処理装置に関するものであれば、あらゆるものに適用することが可能であり、その利用の可能性において何ら限定するものではない。幾つかの好適な実施の形態及び実施例に関連付けして本発明を説明したが、これら実施の形態及び実施例は単に実例を挙げて発明を説明するためのものであって、限定することを意味するものではないことが理解できる。本明細書を読んだ後であれば、当業者にとって等価な構成要素や技術による数多くの変更および置換が容易であることが明白であるが、このような変更および置換は、添付の請求項の真の範囲及び精神に該当するものであることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0187】
図1図1は、従来の技術1としての等方性エッチングであるウェットエッチングの例を処理順に示す断面図である。
図2図2は、従来の技術2としての等方性エッチングであるウェットエッチングを2回実施した場合の例を処理順に示す断面図である。
図3図3は、本発明の実施例1としての等方性エッチングであるウェットエッチング(又はドライエッチング)を3回実施した場合の例を処理順に示す断面図である。
図4図4は、本発明の実施例2としての等方性エッチングであるウェットエッチング(又はドライエッチング)を4回実施した場合の例を処理順に示す断面図である。
図5-1】図5―1は、本発明の実施例3としての等方性エッチングであるウェットエッチング(又はドライエッチング)を7回実施する途中の1~4回までの場合の例を処理順に示す断面図である。
図5-2】図5―2は、本発明の実施例3としての等方性エッチングであるウェットエッチング(又はドライエッチング)を7回実施する途中の5~7回までの場合の例を処理順に示す断面図である。
図6図6は、従来例のレジストマスクパターンによる下地膜を1回のみでエッチング完了した場合の寸法詳細図を示す。
図7図7は、従来例のレジストマスクパターンによる下地膜を2回に分割しエッチング完了した場合の寸法詳細図を示す。
図8図8は、本発明の実施例1のレジストマスクパターンによる下地膜を3回に分割しエッチング完了した場合の寸法詳細図を示す。
図9-1】図9-1は、本発明の実施例2のレジストマスクパターンによる下地膜を4回に分割し4回目のエッチングした場合の寸法詳細図を示す。
図9-2】図9-2は、図9-1に引き続き、本発明の実施例2のレジストマスクパターンによる下地膜を4回に分割しエッチング完了した場合の寸法詳細図を示す。
図10-1】図10-1は、従来例のレジストマスクパターンによる下地膜を2回に分割しエッチングする場合において、1回目のエッチング分割時間、量が小さく、2回目のエッチング分割時間、量が大きい場合の寸法詳細図を示す。
図10-2】図10-2は、従来例のレジストマスクパターンによる下地膜を2回に分割しエッチングする場合において、1回目のエッチング分割時間、量と、2回目のエッチング分割時間、量が同じ場合の寸法詳細図を示す。
図10-3】図10-3は、従来例のレジストマスクパターンによる下地膜を2回に分割しエッチングする場合において、1回目のエッチング分割時間、量が大きく、2回目のエッチング分割時間、量が小さい場合の寸法詳細図を示す。
図11-1】図11-1は、本発明の実施例1、2、3における処理工程の4種類の例の1つを図式で示す。
図11-2】図11-2は、本発明の実施例1、2、3における処理工程の4種類の例の1つを図式で示す。
図11-3】図11-3は、本発明の実施例1、2、3における処理工程の4種類の例の1つを図式で示す。
図11-4】図11-4は、本発明の実施例1、2、3における処理工程の4種類の例の1つを図式で示す。
図11-5】図11-5は、本発明の実施例4における処理工程の2種類の例の1つを図式で示す。
図11-6】図11-6は、本発明の実施例4における処理工程の2種類の例の1つを図式で示す。
図11-7】図11-7は、本発明の実施例1、2、3、4におけるレジスト特性変更処理について、3つの具体例とその組み合わせ例を示した図である。
図11-8】図11-8は、本発明の実施例1、2、3における基板安定化処理について、3つの具体例とその組み合わせ例を示した図である。
図12図12は、本発明の実施例4として、追加処理工程部分(再現像処理と追加エッチング処理)を行った場合の断面図を示す。
図13-1】図13-1は、本発明の実施例5の分例1(実施例5-1)として、エッチングによる薄膜のパターン形成処理装置のユニット処理順を示している。
図13-2】図13-2は、本発明の実施例5の分例2(実施例5-2)として、エッチングによる薄膜のパターン形成処理装置のユニット処理順を示している。
図13-3】図13-3は、本発明の実施例5の分例3(実施例5-3)として、エッチングによる薄膜のパターン形成処理装置のユニット処理順を示している。
図13-4】図13-4は、本発明の実施例5の分例4(実施例5-4)として、エッチングによる薄膜のパターン形成処理装置のユニット処理順を示している。
図13-5】図13-5は、本発明の実施例5の分例5(実施例5-5)として、エッチングによる薄膜のパターン形成処理装置のユニット処理順を示している。
図13-6】図13-6は、本発明の実施例5の分例6(実施例5-6)として、エッチングによる薄膜のパターン形成処理装置のユニット処理順を示している。
図13-7】図13-7は、本発明の実施例5におけるレジスト特性変更処理ユニットについて、3つの具体例とその組み合わせ例を示した図である。
図13-8】図13-8は、本発明の実施例5における基板安定化処理ユニットについて、3つの具体例とその組み合わせ例を示した図である。
図14図14は、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Aとしてのマルチ処理ユニット装置の例を示している。
図15図15は、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Bとしての全てドライユニット、すなわち真空中のマルチ処理ユニット装置の例を示している。
図16図16は、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Cとしての基板の搬送はコンベア方式(連続、間欠、不連続式のタクト送り)の装置の例を示している。
図17図17は、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Dとしての基板の搬送はコンベア方式(連続、間欠、不連続式のタクト送り)の装置の例を示している。
図18図18は、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Eとしての基板の搬送はコンベア方式(連続、間欠、不連続式のタクト送り)の装置の例を示している。
図19図19は、本発明のエッチングによる薄膜のパターン形成処理装置の実施例5を実現する装置の例Fとしての基板の搬送はコンベア方式(連続、間欠、不連続式のタクト送り)の装置の例を示している。
図20図20は、本発明の実施例1、2、3、4における追加説明として、レジスト特性変更処理であるレジスト変形処理1の1例であるレジストの軟化、湾曲化処理の場合について、レジストマスクを薄く形成するか、自重で変形し易い材料を選択し、キュアー温度以下でレジストの軟化、湾曲化させた場合の例を示している。
【符号の説明】
【0188】
P1 レジストマスクパターン(当初)
P2 レジストマスクパターン(レジスト特性変更処理1回目後)
P3 レジストマスクパターン(レジスト特性変更処理2回目後)
P4 レジストマスクパターン(レジスト特性変更処理3回目後)
P5 レジストマスクパターン(レジスト特性変更処理4回目後)
P6 レジストマスクパターン(レジスト特性変更処理5回目後)
P7 レジストマスクパターン(レジスト特性変更処理6回目後)
T0 下地膜
T1 下地膜パターン(1回目のエッチング後)
T2 下地膜パターン(2回目のエッチング後)
T3 下地膜パターン(3回目のエッチング後)
T4 下地膜パターン(4回目のエッチング後)
T5 下地膜パターン(5回目のエッチング後)
T6 下地膜パターン(6回目のエッチング後)
T7 下地膜パターン(7回目のエッチング後)
E1x1 下地膜を1回のみでエッチング完了した場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E1y1 下地膜を1回のみでエッチング完了した場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E1-1Point 下地膜を1回のみでエッチング完了した場合のレジストマスクパターンP1の端部
E1x 下地膜を1回のみでエッチング完了した場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量の合計
E1y 下地膜を1回のみでエッチング完了した場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2x1 下地膜を2回でエッチング完了した場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E2y1 下地膜を2回でエッチング完了した場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2-1Point 下地膜を2回でエッチング完了した場合のレジストマスクパターンP1の端部
E2x2 下地膜を2回でエッチング完了した場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E2y2 下地膜を2回でエッチング完了した場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2-2Point 下地膜を2回でエッチング完了した場合のレジストマスクパターンP2の端部
E2x 下地膜を2回でエッチング完了した場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量の合計
E2y 下地膜を2回でエッチング完了した場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E3x1 下地膜を3回でエッチング完了した場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E3y1 下地膜を3回でエッチング完了した場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E3-1Point 下地膜を3回でエッチング完了した場合のレジストマスクパターンP1の端部
E3x2 下地膜を3回でエッチング完了した場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E3y2 下地膜を3回でエッチング完了した場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E3-2Point 下地膜を3回でエッチング完了した場合のレジストマスクパターンP2の端部
E3x3 下地膜を3回でエッチング完了した場合の3回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E3y3 下地膜を3回でエッチング完了した場合の3回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E3-3Point 下地膜を3回でエッチング完了した場合のレジストマスクパターンP3の端部
E3x 下地膜を3回でエッチング完了した場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量の合計
E3y 下地膜を3回でエッチング完了した場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E4x1 下地膜を4回でエッチング完了した場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E4y1 下地膜を4回でエッチング完了した場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E4-1Point 下地膜を4回でエッチング完了した場合のレジストマスクパターンP1の端部
E4x2 下地膜を4回でエッチング完了した場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E4y2 下地膜を4回でエッチング完了した場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E4-2Point 下地膜を3回でエッチング完了した場合のレジストマスクパターンP2の端部
E4x3 下地膜を4回でエッチング完了した場合の3回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E4y3 下地膜を4回でエッチング完了した場合の3回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E4-3Point 下地膜を4回でエッチング完了した場合のレジストマスクパターンP3の端部
E4x4 下地膜を4回でエッチング完了した場合の4回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E4y4 下地膜を4回でエッチング完了した場合の4回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E4-4Point 下地膜を4回でエッチング完了した場合のレジストマスクパターンP4の端部
E4x 下地膜を4回でエッチング完了した場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量の合計
E4y 下地膜を4回でエッチング完了した場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2ax1 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より小さい場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E2ay1 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より小さい場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2a-1Point 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より小さい場合のレジストマスクパターンP1の端部
E2ax2 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より小さい場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E2ay2 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より小さい場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2a-2Point 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より小さい場合のレジストマスクパターンP2の端部
E2ax 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より小さい場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量の合計
E2ay 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より小さい場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2ax1 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目と2回目のエッチング量が同じ場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E2by1 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目と2回目のエッチング量が同じ場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2b-1Point 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目と2回目のエッチング量が同じ場合のレジストマスクパターンP1の端部
E2bx2 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目と2回目のエッチング量が同じ場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E2by2 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目と2回目のエッチング量が同じ場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2b-2Point 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目と2回目のエッチング量が同じ場合のレジストマスクパターンP2の端部
E2bx 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目と2回目のエッチング量が同じ場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量の合計
E2by 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目と2回目のエッチング量が同じ場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2ax1 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より大きい場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E2ay1 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より大きい場合の1回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2a-1Point 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より大きい場合のレジストマスクパターンP1の端部
E2ax2 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より大きい場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量
E2ay2 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より大きい場合の2回目のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
E2a-2Point 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より大きい場合のレジストマスクパターンP2の端部
E2ax 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より大きい場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(X方向)のサイドエッチング量の合計
E2ay 下地膜を2回でエッチング完了し、1回目のエッチング量が2回目より大きい場合の全回のエッチングにおける下地膜の横(Y方向)のサイドエッチング量
S1 レジスト塗布処理
S2 加熱ベーク処理
S3 温調(冷却)処理
S4 レジスト露光処理
S5 レジスト現像処理
S6 加熱ベーク処理
S7 温調(冷却)処理
RH1 レジスト特性変更処理
RH2 基板安定化処理
S12 エッチング処理
S13 レジスト剥離処理
S14 再現像処理
S15 追加エッチング処理
Y1 レジスト塗布処理ユニット
Y2 加熱ベーク処理ユニット
Y3 温調(冷却)処理ユニット
Y4 レジスト露光処理ユニット
Y5 レジスト現像処理ユニット
Y6 加熱ベーク処理ユニット
Y7 温調(冷却)処理ユニット
YRH1 レジスト特性変更処理ユニット
YRH2 基板安定化処理ユニット
Y12 エッチング処理ユニット
Y13 レジスト剥離処理ユニット
Y14 再現像処理ユニット
Y15 追加エッチング処理ユニット
C1、C2、C3、C4 基板カセット(処理基板を収納したカセット)
R1 搬送ロボット(C1~C4の基板カセットからの出し入れを行う)
R2 搬送ロボット(R1の搬送ロボットから基板を受け取り各ユニットへの搬送を行う)
LL1 ロードロックチャンバー1(R1搬送ロボットと経路全体の真空チャンバー)
LL2 ロードロックチャンバー2(R2搬送ロボットと経路全体の真空チャンバー)
R3 搬送ロボット(下段ラインから上段ライン、又は左ラインから右ラインへの移動を行う)
R4 搬送ロボット(上段ラインから下段ライン、又は右ラインから左ラインへの移動を行う)
M1 レジストマスクパターンP2において、エッチングにより下地膜T0とレジストパターンが分離した界面が、新たな下地膜T1とレジストパターンP2が接触した界面となりその密着性が、少なくともサイドエッチング以前の下地膜T0とレジストパターンP1の密着性と同等以上の強さに戻る部分。
M2 レジストマスクパターンP3において、エッチングにより下地膜T1とレジストパターンP2が分離した界面が、新たな下地膜T2とレジストパターンP3が接触した界面となりその密着性が、少なくともサイドエッチング以前の下地膜T1とレジストパターンP2の密着性と同等以上の強さに戻る部分。
M3 レジストマスクパターンP4において、エッチングにより下地膜T2とレジストパターンP3が分離した界面が、新たな下地膜T3とレジストパターンP4が接触した界面となりその密着性が、少なくともサイドエッチング以前の下地膜T2とレジストパターンP3の密着性と同等以上の強さに戻る部分。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6
図7
図8
図9-1】
図9-2】
図10-1】
図10-2】
図10-3】
図11-1】
図11-2】
図11-3】
図11-4】
図11-5】
図11-6】
図11-7】
図11-8】
図12
図13-1】
図13-2】
図13-3】
図13-4】
図13-5】
図13-6】
図13-7】
図13-8】
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20