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特開2024-132869ガスディフューザー取付構造を備えた基板キャリア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132869
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ガスディフューザー取付構造を備えた基板キャリア
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H01L21/68 T
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221339
(22)【出願日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】63/452,730
(32)【優先日】2023-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
(72)【発明者】
【氏名】荘 家和
(72)【発明者】
【氏名】李 國華
(72)【発明者】
【氏名】沈 恩年
(72)【発明者】
【氏名】呂 俊明
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA10
5F131GA14
5F131GA33
5F131GA52
5F131GA69
5F131GA88
5F131GA92
(57)【要約】
【課題】ガスディフューザー取付構造を備えた基板キャリアを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、ウエハ格納空間を画定する筐体と、前記筐体の内壁に一体的に成形され、少なくとも1つのガスディフューザーを保持して、前記少なくとも1つのガスディフューザーをロボットアームの先端の可動範囲外に配置させるための少なくとも1つの取付構造とを備えた基板キャリアを提供する。基板キャリアのガスディフューザーを取り付ける構造を簡素化し、ガスディフューザーとロボットアームとの干渉を避ける。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ格納空間を画定する筐体と、
前記筐体の内壁に一体的に成形され、少なくとも1つのガスディフューザーを保持して、前記少なくとも1つのガスディフューザーをロボットアーム先端の動作範囲外に配置させるための少なくとも1つの取付構造と
を備えた基板キャリア。
【請求項2】
前記取付構造は、第1挟持アームと、第2挟持アームと、当接部とを備え、前記第1挟持アーム及び前記第2挟持アームは前記ガスディフューザーを挟持し、前記当接部は前記ガスディフューザーに当接する請求項1に記載の基板キャリア。
【請求項3】
前記第1挟持アーム又は前記第2挟持アームは、弾性を有する請求項2に記載の基板キャリア。
【請求項4】
前記第1挟持アーム又は前記第2挟持アームは、前記内壁から延びる支持部と、前記支持部から延びる挟持部とをさらに備え、前記支持部の厚さは前記挟持部より大きい請求項2に記載の基板キャリア。
【請求項5】
前記第1挟持アームと前記第2挟持アームは、上開口部及び下開口部を画定し、前記上開口部は前記下開口部より小さい請求項2に記載の基板キャリア。
【請求項6】
前記第1挟持アームと前記第2挟持アームにより画定される上部内径は、下部内径より小さい請求項5に記載の基板キャリア。
【請求項7】
前記ガスディフューザーの直径は、前記第1挟持アームと第2挟持アームにより画定される下部内径より小さい請求項6に記載の基板キャリア。
【請求項8】
前記第1挟持アーム及び前記第2挟持アームと前記ガスディフューザーとの接触面積は、前記当接部と前記ガスディフューザーとの接触面積より小さい請求項2に記載の基板キャリア。
【請求項9】
前記ガスディフューザーの横断面は、円形、楕円形、又は他の形状である請求項1に記載の基板キャリア。
【請求項10】
前記第1挟持アーム、前記第2挟持アーム、前記当接部及び前記ガスディフューザーは、少なくとも1つの排水口を画成する請求項1に記載の基板キャリア。
【請求項11】
ウエハ格納空間を画定する筐体と、
前記筐体の内壁から一体的に延びており、少なくとも1つのガスディフューザーを挟持するための第1挟持アームと第2挟持アームとを含む少なくとも1つの取付構造と
を備えた基板キャリア。
【請求項12】
前記取付構造は、前記第1挟持アームと前記第2挟持アームとの間に配置された当接部をさらに備える請求項11に記載の基板キャリア。
【請求項13】
前記第1挟持アーム及び前記第2挟持アームと前記ガスディフューザーとの接触面積は、前記当接部と前記ガスディフューザーとの接触面積より小さい請求項12に記載の基板キャリア。
【請求項14】
前記第1挟持アーム、前記第2挟持アーム、及び前記ガスディフューザーは、少なくとも1つの排水口を画成する請求項11に記載の基板キャリア。
【請求項15】
前記第1挟持アームと前記第2挟持アームにより画定される上部内径は、下部内径より小さい請求項11に記載の基板キャリア。
【請求項16】
前記ガスディフューザーの直径は、前記第1挟持アームと第2挟持アームにより画定される下部内径より小さい請求項15に記載の基板キャリア。
【請求項17】
前記第1挟持アーム及び第2挟持アームの上端は、前記少なくとも1つのガスディフューザーに直接接触し、前記第1挟持アーム及び第2挟持アームの下端と前記少なくとも1つのガスディフューザーとの間に隙間がある請求項11に記載の基板キャリア。
【請求項18】
前記第1挟持アーム又は前記第2挟持アームは、前記内壁から延びる支持部と、前記支持部から延びる挟持部とをさらに備え、前記支持部の機械的強度は、前記挟持部より大きい請求項11に記載の基板キャリア。
【請求項19】
前記挟持部は、弾性を有し、前記支持部の厚さは前記挟持部より大きい請求項18に記載の基板キャリア。
【請求項20】
前記取付構造は、ロボットアーム先端の動作範囲外に設けられる請求項11に記載の基板キャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板(ウエハ)キャリア、特にフロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)に関し、より特にガスディフューザー取付構造を備えた基板キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ガスディフューザーを備えた従来の基板キャリアは、ケーシングを含み、ケーシング内に複数のガスディフューザー、複数の支持体及び複数の組立式チューブクランプが設けられる。組立式チューブクランプは、ケーシングに取り外し可能に組み付けられ、ガスディフューザーは組み付けられたチューブクランプを介してケーシング内に保持される。ケーシングは、ウエハ格納空間を形成する。ウエハ格納空間内に複数のガスディフューザーを前記ケーシング後部近くに配置することにより、ガスが前記ガスディフューザーを介してウエハ格納空間に均一に拡散させることができる。
【0003】
しかしながら、ガスディフューザーを保持するための従来の組立式チューブクランプは、組み立てられる部品が多すぎるため、組み立てに時間がかかり、コストも高かった。なお、組立式チューブクランプは、落下しやすいリスクがあり、かつ組立式チューブクランプの配置位置により容易にロボットアームと干渉しやすいことで、格納されているウエハに影響を及ぼす可能性がある。さらに、従来の組立式チューブクランプは、ガスディフューザーとの接触面積が大きすぎ、擦れ合うことで多量の粉塵が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ガスディフューザーを筐体の内側に固定して組立プロセスを簡略化することで、組立工数とコストを削減する一体化取付構造を提供したものである。なお、一体化取付構造の挟持部分とガスディフューザーとの間の接触面積を減らすことで、発塵を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、ウエハ格納空間を画定する筐体と、前記筐体の内壁に一体的に成形され、少なくとも1つのガスディフューザーを保持して、前記少なくとも1つのガスディフューザーをロボットアーム先端の動作範囲外に配置させるための少なくとも1つの取付構造とを備えた基板キャリアを提供することである。
【0006】
一具体的な実施形態において、前記取付構造は、第1挟持アームと、第2挟持アームと、当接部とを備え、前記第1挟持アーム及び前記第2挟持アームは前記ガスディフューザーを挟持し、前記当接部は前記ガスディフューザーに当接する。
【0007】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アーム又は前記第2挟持アームは、弾性を有する。
【0008】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アーム又は前記第2挟持アームは、前記内壁から延びる支持部と、前記支持部から延びる挟持部とをさらに備え、前記支持部の厚さは前記挟持部より大きい。
【0009】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アームと前記第2挟持アームは、上開口部及び下開口部を画定し、前記上開口部は前記下開口部より小さい。
【0010】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アームと前記第2挟持アームにより画定される上部内径は、下部内径より小さい。
【0011】
一具体的な実施形態において、前記ガスディフューザーの直径は、前記第1挟持アームと第2挟持アームにより画定される下部内径より小さい。
【0012】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アーム及び前記第2挟持アームと前記ガスディフューザーとの接触面積は、前記当接部と前記ガスディフューザーとの接触面積より小さい。
【0013】
一具体的な実施形態において、前記ガスディフューザーの横断面は、円形、楕円形、又は他の形状である。
【0014】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アーム、前記第2挟持アーム、前記当接部及び前記ガスディフューザーは、少なくとも1つの排水口を画成する。
【0015】
本発明の別の目的は、ウエハ格納空間を画定する筐体と、前記筐体の内壁から一体的に延びており、少なくとも1つのガスディフューザーを挟持するための第1挟持アームと第2挟持アームとを含む少なくとも1つの取付構造とを備えた基板キャリアを提供することである。
【0016】
一具体的な実施形態において、前記取付構造は、前記第1挟持アームと前記第2挟持アームとの間に配置された当接部をさらに備える。
【0017】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アーム及び前記第2挟持アームと前記ガスディフューザーとの接触面積は、前記当接部と前記ガスディフューザーとの接触面積より小さい。
【0018】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アーム、前記第2挟持アーム、及び前記ガスディフューザーは、少なくとも1つの排水口を画成する。
【0019】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アームと前記第2挟持アームにより画定される上部内径は、下部内径より小さい。
【0020】
一具体的な実施形態において、前記ガスディフューザーの直径は、前記第1挟持アームと第2挟持アームにより画定される下部内径より小さい。
【0021】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アーム及び第2挟持アームの上端は、前記少なくとも1つのガスディフューザーに直接接触し、前記第1挟持アーム及び第2挟持アームの下端と前記少なくとも1つのガスディフューザーとの間に隙間がある。
【0022】
一具体的な実施形態において、前記第1挟持アーム又は前記第2挟持アームは、前記内壁から延びる支持部と、前記支持部から延びる挟持部とをさらに備え、前記支持部の機械的強度は、前記挟持部より大きい。
【0023】
一具体的な実施形態において、前記挟持部は、弾性を有し、前記支持部の厚さは前記挟持部より大きい。
【0024】
一具体的な実施形態において、前記取付構造は、ロボットアーム先端の動作範囲外に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施形態に係るガスディフューザー取付構造を備えた基板キャリアを概略的に示す正面図である。
図2図1内のA-A線に沿った断面上面図である。
図3A】本発明の第1の実施形態に係る基板キャリアの取付構造の拡大図である。
図3B】本発明の第1の実施形態に係る基板キャリアの取付構造の拡大立体図である。
図3C】本発明の第1の実施形態に係る基板キャリアの取付構造の正面図である。
図3D】本発明の第1の実施形態に係る基板キャリアの取付構造でガスディフューザーを挟持している状態を示す正面図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る基板キャリアの取付構造の拡大上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照すると、図1は、本発明の第1の実施形態に係るガスディフューザー取付構造11を備えた基板キャリア100を示す。基板キャリア100は、少なくとも1つの取付構造11と、筐体13とを備える。筐体13は、内壁132を有し、ウエハ格納空間131を画定し、取付構造11は筐体13の前側開口に対向する後側内壁132に一体的に成形され、少なくとも1つのガスディフューザー31を保持するために用いられる。本発明の基板キャリア100は、ウエハ支持体17と、チャック19とをさらに備え、ウエハ支持体17はウエハ格納空間131内に設けられ、図2に示すようにウエハ41を載置するために用いられる。
【0027】
図2を参照すると、図2は、図1内のA-A線に沿った断面図である。取付構造11は、筐体13の内壁132から一体的に延び、ロボットアーム先端の動作範囲133外に位置し、ガスディフューザー31を基板キャリア100に取り付けた時、ガスディフューザー31がロボットアーム先端の動作範囲133外に位置し、格納されているウエハ41と接触しないことで、ガスディフューザー31とロボットアームとの衝突の危険性が低減される。
【0028】
図3A~3Bを参照すると、本発明の取付構造11は、筐体13の内壁132からそれぞれ一体的に延びる第1挟持アーム111と第2挟持アーム113とを備える。本実施例において、取付構造11及び筐体13は、同じ素材で作られる。他の可能な実施形態において、取付構造11の一部及び筐体13は、同じ素材で作られ、取付構造11の別の部分及び筐体13は異なる素材で作られる。取付構造11は、第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113を介してガスディフューザー31を保持又は挟持する。取付構造11は、第1挟持アーム111と第2挟持アーム113との間に形成され、ガスディフューザー31に当接することで、ガスディフューザー31の安定性を高める当接部115をさらに備える。また、当接部115とガスディフューザー31との接触面積は、第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113とガスディフューザー31との間のそれぞれの接触面積より小さく、取付構造11とガスディフューザー31との間の接触面積を減らす。当接部115の接触面は、ガスディフューザー31へのスリキズを避けるために凸曲面であることが好ましい。
【0029】
本発明の実施例形態において、第1挟持アーム111は、第1挟持部1111と、第1支持部1113とをさらに備え、第2挟持アーム113は第2挟持部1131と、第2支持部1133とをさらに備える。第1支持部1113及び第2支持部1133は、それぞれ内壁132から延在し、挟持強度及び安定性を提供するために適切な厚さを有するようにそれぞれ構成される。第1挟持部1111は、第1支持部1113から延在し、第2挟持部1131は第2支持部1133から延在する。第1挟持部1111及び第2挟持部1131の末端は、開口部を画定し、ガスディフューザー31が第1挟持アーム111と第2挟持アーム113との間に画定された設置空間に入ることが可能になることで、第1挟持部1111及び第2挟持部1131をガスディフューザー31に接触させる。第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113は、弾性を有し、ガスディフューザー31の輪郭及び受けた力に応じて適切に変形することができ、ガスディフューザー31の組み付けを容易にする。基板キャリア100が工場内で移動又は使用される時、第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113は、空気充填時ガスディフューザー31により発生する振動を吸収し、緩和させることができる。
【0030】
さらに言えば、第1支持部1113の機械的強度は、第1挟持部1111の機械的強度よりも大きく、第2支持部1133の機械的強度は第2挟持部1131の機械的強度よりも大きく、第1支持部1113或いは第2支持部1133に高い機械的強度を持たせることにより、変形又は破断を避ける。換言すれば、第1支持部1113及び第2支持部1133は、第1挟持部1111及び第2挟持部1131よりも強い変形若しくは曲げに抵抗する能力を有する。本発明の実施形態において、図3Aに示すように、第1支持部1113の断面厚さ1113Aは、第1挟持部1111の断面厚さ1111Aより大きく、第2支持部1133の断面厚さ1133Aは第2挟持部1131の断面厚さ1131Aより大きい。
【0031】
ガスディフューザー31を基板キャリア100に取り付けるとき、ガスディフューザー31の一端は、基板キャリア底部の結合部135に位置決めする。例えば結合部135は、筐体13の底部に位置し、ガスディフューザー31の底部を収容するためのユニオンであり、且つ結合部135はガスディフューザー31と結合部135との間に気密を形成するためのシール手段を有する。代替的に、結合部135は、筐体13の底部に位置する連結用受座であり、ガスディフューザー31の底部が連結用受座に嵌着されることができる。ガスディフューザー31の管体は、第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113で保持される。第1挟持部1111及び第2挟持部1131の適切な変形を介して第1挟持部1111と第2挟持部1131との間の開口を制御することで、ガスディフューザー31の管体を第1挟持アーム111と第2挟持アーム113との間の設置空間に挿入し、機械的強度の高い第1支持部1113又は第2支持部1133により機械的強度を与え、組み付け時取付構造11の破断を避けることができる。
【0032】
取付構造11の第1挟持アーム111と第2挟持アーム113との間に少なくとも1つの排水口117がさらに画定され、これによりガスディフューザー31が筐体13上に装着されたとき、筐体13後側の洗浄液をドレインして排水機能を実現する。本発明の実施形態において、ガスディフューザー31が筐体13内に装着されたとき,第1挟持アーム111と当接部115との間に排水口117が画定され、第2挟持アーム113と当接部115との間に別の排水口117が画定される。
【0033】
図3C図3Dを参照すると、第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113は、ガスディフューザー31が通過できる前記開口部、上開口部及び下開口部を画定し、上開口部は下開口部よりもわずかに小さい。図3Cに示すように、第1挟持アーム111と第2挟持アーム113の上端が厚く、下端が薄いことで、第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113はガスディフューザー31に部分的に直接接触されることができ、ガスディフューザー31との間に微小隙間が部分的に形成され、且つ第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113の一部はガスディフューザー31と面接触していないことで、取付構造11とガスディフューザー31との間の接触面積を減少させて、発塵を低減する。具体的に言えば、第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113の上端は、ガスディフューザー31に直接接触し、第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113の下端はガスディフューザー31に接触しない。第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113の下端がガスディフューザー31に接触しないようにすることで、摩擦による塵埃がガスディフューザー31と第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113との間に堆積するのを防ぐことができる。
【0034】
さらに、取付構造11にガスディフューザー31が取り付けられていないとき、上開口部は、上部内径d1を有し、下開口部は下部内径d2を有し、第1挟持アーム111と第2挟持アーム113の内径長さは上部内径d1から下部内径d2まで徐々に増加し、上部内径d1は下部内径d2より小さく、上部内径d1はガスディフューザー直径dよりわずかに小さくて、取付構造11がガスディフューザー31を安定的に保持できことを確保し、下部内径d2はガスディフューザー直径dより大きいため、第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113の下方とガスディフューザー31の表面との間には隙間が存在して、発塵を低減する。なお、第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113をガスディフューザー31に部分的に接触させるために他の手段を使用することもできる。例えば第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113は、異なる厚さを有してもよく、或いは第1挟持アーム111及び第2挟持アーム113は起伏のある表面を有してもよい。
【0035】
当接部115は、ガスディフューザー31と部分的又は完全に直接接触することができる。当接部115は、ガスディフューザー31と完全に接触できることで、ガスディフューザー31の保持の安定性を確保し、若しくは当接部115は、ガスディフューザー31と部分的に接触でき、例えば上端部のみがガスディフューザー31と直接接触し、下端部とガスディフューザー31の表面との間に隙間があることで、当接部115とガスディフューザー31との間の接触面積を減らして、発塵を低減する。
【0036】
図4を参照すると、図4は、本発明の第2の実施形態に係る取付構造の断面図であり、構造及び特徴は、基本的に本出願の第1の実施形態と同じであり、相違点は楕円形の断面を有するガスディフューザー31’を挟持できることであるが、他の構造及び特徴は第1の実施形態に開示されている内容と組み合わせるか、置換することができる。
【0037】
具体的に言えば、本発明の第2の実施形態は、ガスディフューザー31’の取付構造を備えた基板キャリア100の取付構造11は、筐体23の内壁232に形成され、楕円形の断面を有するガスディフューザー31’を保持又は挟持するための第1挟持アーム211と、第2挟持アーム213とを備える。具体的に言えば、第1挟持アーム211及び第2挟持アーム213は、楕円形のガスディフューザー31’上の長軸に対応する両側を挟持するように構成される。他の可能な実施形態において、第1挟持アーム211及び第2挟持アーム213は、少なくとも1つの断面形状のガスディフューザー又は1つの形状であるが異なる方位のガスディフューザー31を挟持することができるように構成され得る。取付構造は、ガスディフューザー31’に当接するための当接部215をさらに備える。
【0038】
ガスディフューザー31’が基板キャリア100に装着されるとき,ガスディフューザー31’は、基板キャリア100の底部の筐体結合部235に位置決めされ、第1挟持アーム211と第2挟持アーム213とにより保持或いは挟持し、並びに当接部215により当接され、この時第1挟持アーム211と当接部215との間及び第2挟持アーム213と当接部215との間には排水口217がそれぞれ画定され、洗浄液をドレインして排水機能を実現する。
【0039】
取付構造11は、筐体23の内壁232から延在して、ガスディフューザー31’が基板キャリア100 に取り付けられたとき、ロボットアーム先端の動作範囲133外にあり、格納されているウエハ41と接触しないようにして、ガスディフューザー31’とロボットアームとの衝突の危険性が低減される。
【0040】
本発明の第1の実施形態と第2の実施形態の取付構造は、ケーシングと一体的に成形される。製造プロセス中に、同じセットの金型について金型の入れ子(mold insert)及びアングルリフター(angle lifter)の構造を交換して、異なる形状のガスディフューザーを挟持するのに適した取付構造を製造でき、例えば取付構造は断面が円形、楕円形或いはその他の任意の断面形状を有するガスディフューザーを挟持して、筐体の製造コストを削減し、製造の利便性を高めることができる。
【符号の説明】
【0041】
100 基板キャリア
11 取付構造
111 第1挟持アーム
1111 第1挟持部
1111A 第1挟持部の断面厚さ
1113 第1支持部
1113A 第1支持部の断面厚さ
113 第2挟持アーム
1131 第2挟持部
1131A 第2挟持部の断面厚さ
1133 第2支持部
1133A 第2支持部の断面厚さ
115 当接部
117 排水口
13 筐体
131 ウエハ格納空間
132 内壁
133 動作範囲
135 結合部
17 ウエハ支持体
19 チャック
211 第1挟持アーム
213 第2挟持アーム
215 当接部
217 排水口
23 筐体
232 内壁
235 結合部
31、31’ ガスディフューザー
41 ウエハ
d1 上部内径
d2 下部内径
d ガスディフューザーの直径
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4