(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132887
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】フィンガー取付ブラケットを有する機器レール
(51)【国際特許分類】
H05K 7/18 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H05K7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024015600
(22)【出願日】2024-02-05
(31)【優先権主張番号】18/121,061
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507202736
【氏名又は名称】パンドウィット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トマシュ・ケー・ワズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機器レールの垂直強度に影響を与えることなく、機器レールの余分な構成要素を減らしたデータセンターキャビネットを提供する。
【解決手段】データセンターキャビネットでラックマウント機器を支持するために、データセンターキャビネットに取り付けられる機器レール120であって、第1の部分122及び第2の部分124を含み、フィンガー取付ブラケット150が機器レール120の第2の部分124に固定される。フィンガー取付ブラケット150は、側壁154、156を有する第1の部材152と、第1の部材152に平行な第2の部材162と、ケーブル管理フィンガー又は他のケーブル管理アクセサリを受け入れるための複数の菱形開口部160と、を有する。側壁154、156の遠位端は、機器レール120に係合して、第1の部材152と機器レール120の第2の部分124との間に開放領域168を形成する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データセンターキャビネットに取り付けられる機器レールであって、
第1の部分及び第2の部分と、
前記第2の部分に固定されるフィンガー取付ブラケットであって、前記フィンガー取付ブラケットは、側壁を有する第1の部材と、前記第1の部材に平行な第2の部材とを有しており、前記側壁の遠位端が、前記機器レールに係合して、前記第1の部材と前記機器レールとの間に開放領域を形成する、前記フィンガー取付ブラケットと、
を備える、前記機器レール。
【請求項2】
前記機器レールの前記第2の部分は、ラックマウント機器を受け入れるための前記機器レールの高さにわたる複数の開口部を含む、請求項1に記載の機器レール。
【請求項3】
前記機器レールに剛性を付加するために、前記機器レールに複数のビードがプレス加工される、請求項1に記載の機器レール。
【請求項4】
前記複数のビードが、前記第1の部分及び前記第2の部分に延在する水平ビードを含む、請求項3に記載の機器レール。
【請求項5】
前記複数のビードが、前記機器レールの長さにわたる垂直ビードを含む、請求項3に記載の機器レール。
【請求項6】
前記第2の部分は、複数の垂直スロット及び締結具開口部を含む、請求項1に記載の機器レール。
【請求項7】
前記フィンガー取付ブラケットの前記第2の部材は、前記第1の部材の一方の前記側壁の遠位端から延び、前記第1の部材の反対側の側壁の遠位端から複数のフックが延び、それにより、前記フックは、前記フィンガー取付ブラケットを前記機器レールに固定するために、前記機器レールの前記垂直スロットに組み付けられる、請求項6に記載の機器レール。
【請求項8】
前記フィンガー取付ブラケットの前記第2の部材は、前記フィンガー取付ブラケットを前記機器レールの前記締結具開口部に取り付けるための締結具を受け入れる複数のスロットを有する、請求項6に記載の機器レール。
【請求項9】
前記フィンガー取付ブラケットの前記第1の部材は、ケーブル管理アクセサリを受け入れるための複数の菱形開口部を有する、請求項1に記載の機器レール。
【請求項10】
機器を受け入れるように適合されたラックユニット開口部と、前記ラックユニット開口部を塞ぐように配置されたラックユニットカバーとをさらに備え、前記ラックユニットカバーは、締結具開口部を有する複数のサイドタブを有する、請求項1に記載の機器レール。
【請求項11】
前部垂直ポストと、前記前部垂直ポストの間に配置されかつそれらに接続された第1の下部左右ビーム及び第1の上部左右ビームと、後部垂直ポストと、前記後部垂直ポストの間に配置されかつそれらに接続された第2の下部左右ビーム及び第2の上部左右ビームと、前記前部垂直ポストの1つと前記後部垂直ポストの1つとの間に配置されかつそれらに接続された複数の前後ビームとを含むフレームと、
前記複数の前後ビームに固定された機器レールであって、各機器レールが、第1の部分及び第2の部分を有する、前記機器レールと、
前記機器レールの1つに固定されるフィンガー取付ブラケットであって、前記フィンガー取付ブラケットは、側壁を有する第1の部材と、前記第1の部材に平行な第2の部材とを有しており、前記側壁の遠位端が、前記機器レールに係合して、前記第1の部材と前記機器レールとの間に開放領域を形成する、前記フィンガー取付ブラケットと、
を備える、データセンターキャビネット。
【請求項12】
前記機器レールは、前記キャビネットの各側で前記キャビネットの前部及び後部に配置される、請求項11に記載のデータセンターキャビネット。
【請求項13】
各機器レールの前記第2の部分は、ラックマウント機器を受け入れるための前記機器レールの高さにわたる複数の開口部を含む、請求項11に記載のデータセンターキャビネット。
【請求項14】
前記機器レールが、前記機器レールに剛性を付加するために前記機器レールにプレス加工された複数のビードを含む、請求項11に記載のデータセンターキャビネット。
【請求項15】
前記複数のビードが、前記第1の部分及び前記第2の部分に延在する水平ビードと、前記機器レールの長さにわたる垂直ビードとを含む、請求項14に記載のデータセンターキャビネット。
【請求項16】
前記機器レールの前記第2の部分は、複数の垂直スロット及び締結具開口部を含む、請求項11に記載のデータセンターキャビネット。
【請求項17】
前記フィンガー取付ブラケットの前記第2の部材は、前記第1の部材の一方の前記側壁の遠位端から延び、前記第1の部材の反対側の側壁の遠位端から複数のフックが延び、それにより、前記フックは、前記フィンガー取付ブラケットを前記機器レールに固定するために、前記機器レールの前記垂直スロットに組み付けられる、請求項16に記載のデータセンターキャビネット。
【請求項18】
前記フィンガー取付ブラケットの前記第2の部材は、前記フィンガー取付ブラケットを前記機器レールに取り付けるための締結具を受け入れる複数のスロットを有する、請求項16に記載のデータセンターキャビネット。
【請求項19】
前記フィンガー取付ブラケットの前記第1の部材は、ケーブル管理アクセサリを受け入れるための複数の菱形開口部を有する、請求項11に記載のデータセンターキャビネット。
【請求項20】
前記機器レールは、機器を受け入れるように適合されたラックユニット開口部と、前記ラックユニット開口部を塞ぐように配置されたラックユニットカバーとを含み、前記ラックユニットカバーは、締結具開口部を有する複数のサイドタブを有する、請求項11に記載のデータセンターキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データセンターキャビネットに関し、より詳細には、データセンターキャビネットに組み付けられたフィンガー取付ブラケットを有する機器レールに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なデータセンターキャビネットでは、ラックマウント機器を受けるための機器レールがキャビネット内に組み付けられる。一般に、より幅の広い800mmなどのキャビネットの機器レールは、適切な強度を維持するのに効果的な追加の構造的特徴を有する。
図1~
図4に示すように、データセンターキャビネット20は、複数の機器レール50を含む。機器レール50は、ガセット60と、機器レール50の長さにわたる補強リブ62とを含む。ガセット60及び補強リブ62は、前後方向への水平力に耐える際に、機器レール50の剛性を高めるために、所定の位置に溶接される。
図2に示すように、機器レール50は、機器レール50に打ち抜き加工した複数の菱形開口部54を含む。菱形開口部54は、ケーブル管理フィンガー70(
図3)を受け入れるように設計されている。
図2Aに示すように、補強リブ62は、機器レール50の背面に溶接されている。補強リブ62は、機器レール50の全高にわたる。補強リブ62には、機器レール50の全高にわたるバルブシール66が装着されている。バルブシール66は、ケーブル管理フィンガー70で占められていない菱形開口部54を塞ぐ。バルブシール66は、ケーブル管理フィンガー70が必要とされないときに、不要な空気が機器レール50の菱形開口部54を通過して流れるのを遮断するために必要とされる。
【0003】
したがって、機器レールの垂直強度に影響を与えることなく、機器レールの余分な構成要素を減らすことが望ましい。製造コストを低減するために、機器レールへの溶接構成要素を無くすことが望ましい。また、不要な空気が機器レールを通過して流れるのを防止するため機器レールと共に使用されるバルブシールを無くすことが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、データセンターキャビネットに取り付けられる機器レールを対象とする。機器レールは、第1の部分と第2の部分とを含む。フィンガー取付ブラケットが第2の部分に固定される。フィンガー取付ブラケットは、側壁を有する第1の部材と、第1の部材に平行な第2の部材とを有する。側壁の遠位端は、機器レールに係合して、第1の部材と機器レールとの間に開放領域を形成する。フィンガー取付ブラケットの第1の部材は、データセンターキャビネット内でケーブルを配線するために、ケーブル管理アクセサリを受け入れるための複数の菱形開口部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】先行技術のデータセンターキャビネットの斜視図である。
【
図2】
図1のデータセンターキャビネットに組み付けられた先行技術の機器レールの背面斜視図である。
【
図2A】
図2の先行技術の機器レールの部分斜視図である。
【
図3】ケーブル管理フィンガーがフィンガー取付穴に組み付けられた
図2の先行技術の機器レールの正面斜視図である。
【
図4】
図3のケーブル管理フィンガーがフィンガー取付穴に組み付けられた先行技術の機器レールの背面図である。
【
図5】本発明の機器レールを有するデータセンターキャビネットの斜視図である。
【
図6】
図5のデータセンターキャビネットに組み付けられた機器レールの背面斜視図である。
【
図7】
図5の機器レール及び本発明のフィンガー取付ブラケットの分解正面斜視図である。
【
図8】
図5の機器レールに組み付けられたフィンガー取付ブラケットの正面斜視図である。
【
図9】
図8のフィンガー取付ブラケットに組み付けられたケーブル管理フィンガーの正面斜視図である。
【
図10】ラックユニットカバー及び
図5の機器レールの分解正面斜視図である。
【
図11】ラックユニットカバーが機器レールに装着された
図5の機器レールの正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図5は、機器レール120を有するデータセンターキャビネット100を示す。データセンターキャビネット100は、2つの前部垂直ポスト104と、2つの後部垂直ポスト106と、上部左右ビーム108と、下部左右ビーム110と、複数の前後ビーム112とを有するフレーム102によって画定される。機器レール120は、キャビネット100の前部及び後部ならびにキャビネット100の両側に据え付けられる。機器レール120は、前後ビーム112に固定される第1の部分122と、第2の部分124とを有するL字形である。第2の部分124は、ラックマウント機器(図示せず)を受けるための機器レール120の高さにわたる複数の開口部126を含む。
【0007】
図6及び
図6Aに示すように、機器レール120は、機器レール120にプレス加工された複数のビード128、130を含む。押圧されたビード128は、機器レール120の第1の部分122及び第2の部分124において水平に延在する。押圧されたビード130は、第2の部分124において垂直に機器レール120の全高にわたる。
【0008】
押圧されたビード128、130は、前後方向に水平力を受ける際に、機器レール150に剛性を付加する。押圧されたビード128、130は、
図1~
図4に示すような先行技術の機器レール50における溶接ガセット60に代わるものである。押圧されたビード128、130は、余分な構成要素を機器レールに溶接することの必要性を排除する。垂直の押圧されたビード130はまた、
図1~
図4に示す先行技術の機器レール50に溶接された補強リブ62の必要性を排除する。
【0009】
図7に示すように、機器レール120は、複数の垂直スロット132及びねじ穴開口部134を含む。フィンガー取付ブラケット150は、機器レール120に取り付けられるように配置される。フィンガー取付ブラケット150は、ケーブルを配線するためのケーブル管理フィンガー170を受け入れるように設計されている。フィンガー取付ブラケット150は、側壁154、156を有する第1の部材152と、第1の部材152に平行な第2の部材162とを含む。第2の部材162は、一方の側壁154の遠位端から延びる。複数のフック158が、反対側の側壁156の遠位端から延びる。第1の部材152は、ケーブル管理フィンガー170または他のケーブル管理アクセサリを受け入れるための複数の菱形開口部160を含む。第2の部材162は、フィンガー取付ブラケット150を機器レール120に取り付けるための締結具を受け入れる複数のスロット164を含む。
【0010】
図7に示すように、フィンガー取付ブラケット150から延びるフック158は、機器レール120の垂直スロット132と整列する。第2の部材162のスロット164は、機器レール120のねじ穴開口部134と整列する。
図8に示すように、フィンガー取付ブラケット150から延びるフック158は、垂直スロット132に差し込まれ、スロット164及び穴134は、フィンガー取付ブラケット150を機器レール120に固定するために、ねじ(図示せず)または他の締結具を受け入れるように位置合わせされる。第1の部材152から延びる側壁154、156の遠位端は、機器レール120に係合して、第1の部材150と機器レール120との間に開放領域168を形成する。
図9に示すように、ケーブル管理フィンガー170は、ケーブル管理フィンガー170の裏側にある取付部材がフィンガー取付ブラケット150と機器レール120との間で菱形開口部160内に配置された状態で、菱形開口部160に取り付けられる。
【0011】
菱形開口部160は、機器レール120、及び機器レール120にプレス加工された垂直ビード130によって遮られる。
【0012】
本発明の機器レール120は、ケーブル管理フィンガーを受け入れるための菱形開口部54をもはや含まない。結果的に、菱形開口部54を取り除くことにより、先行技術の機器レール50(
図2A参照)の菱形開口部54を通ってバイパスされる可能性のある空気を遮断するために使用されるバルブシール66が不要になる。
【0013】
図10及び
図11に示すように、機器レール120はまた、改良されたラックユニットカバー180を含む。
図10は、機器レール120に装着されるように配置されたカバーを示す。
図11は、1RUの開口部136を覆って固定される本発明のカバー180を示す。機器レールは、機器レール120内に垂直な1RU(ラックユニット)の開口部136を含むことが一般的である。1RU開口部136は、EIA/ECA-301-E規格に準拠して1RU開口部136と互換性がある機器またはパッチパネルを受け入れるように設計されている。1RU開口部136が空いているとき、それらは、空気流を遮断するために金属プレート180で覆われる。
図1の先行技術のキャビネットに示すように、カバー80は、機器レール50の上部及び下部でのみ機器レール50に取り付けられている。本発明のカバー180は、カバー180の上部及び下部にそれぞれある締結具開口部182、184に加えて、締結具開口部188を有するサイドタブ186を含む。締結具開口部188を有するサイドタブ186は、カバー180が機器レール120に装着されたときに、機器レール120内の1RU開口部136に剛性を付加する。したがって、追加のタブ186及び締結具は、1RU開口部136において機器レール120に追加の構造的支持を提供する。
【0014】
なお、本発明の特定の好適な実施形態を示し、説明してきたが、本発明の教示から逸脱することなく変更及び修正を行い得ることは、当業者にとって明らかであろう。上記の説明及び添付の図面に明らかにされている事項は、例証としてのみ提供され、限定として提供されたものではない。本発明の実際の範囲は、以下の特許請求の範囲が先行技術に基づいて適切に評価された場合に、その特許請求の範囲で規定されることを意図している。
【符号の説明】
【0015】
100 データセンターキャビネット
102 フレーム
104 前部垂直ポスト
106 後部垂直ポスト
108 上部左右ビーム
110 下部左右ビーム
112 前後ビーム
120 機器レール
122 第1の部分
124 第2の部分
126 開口部
128 ビード
130 垂直ビード
132 垂直スロット
134 ねじ穴開口部
136 開口部
150 フィンガー取付ブラケット
152 第1の部材
154 側壁
156 側壁
158 フック
162 第2の部材
164 スロット
168 開放領域
170 ケーブル管理フィンガー
180 ラックユニットカバー
182 締結具開口部
184 締結具開口部
186 タブ
188 締結具開口部
【外国語明細書】