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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132889
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】冷却塔の放熱メッシュ
(51)【国際特許分類】
   F28F 25/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
F28F25/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017010
(22)【出願日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】112109418
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】524052491
【氏名又は名称】李育松
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李育松
(57)【要約】
【課題】使用サイズの調整が容易である上、メンテナンスを容易に行うこともできる冷却塔の放熱メッシュを提供する。
【解決手段】冷却塔の放熱メッシュは、放熱メッシュ1を備える。放熱メッシュは、網目状に配列した複数のリブ11を有する。放熱メッシュの一端に設けたリブは、複数の側着雄係合部材12を有する。放熱メッシュの他端に設けたリブは、複数の側着雌係合部材13を有する。側着雄係合部材と側着雌係合部材とはそれぞれ互いに係合し得る。リブは、台形波形状にそれぞれ配列する。放熱メッシュは、第1の頂側及び第2の頂側を有する。側着雄係合部材及び側着雌係合部材は、第1の頂側及び第2の頂側中の同一の頂側位置のリブに設ける。リブは、三角状、矩形状に配列してグリッドを形成してメッシュ状にそれぞれ配列する。リブは、半楕円形にそれぞれ形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱メッシュを備える、冷却塔の放熱メッシュであって、
前記放熱メッシュは、網目状に配列した複数のリブを有し、
前記放熱メッシュの一端に設けたリブは、複数の側着雄係合部材を有し、前記放熱メッシュの他端に設けたリブは、複数の側着雌係合部材を有し、前記側着雄係合部材と前記側着雌係合部材とはそれぞれ互いに係合し得ることを特徴とする、冷却塔の放熱メッシュ。
【請求項2】
前記リブは、台形波形状にそれぞれ配列し、前記放熱メッシュは、第1の頂側及び第2の頂側を有することを特徴とする請求項1に記載の冷却塔の放熱メッシュ。
【請求項3】
前記側着雄係合部材及び前記側着雌係合部材は、前記第1の頂側及び前記第2の頂側中の同一の頂側位置の前記リブに設けることを特徴とする請求項2に記載の冷却塔の放熱メッシュ。
【請求項4】
前記リブは、三角状、矩形状に配列してグリッドを形成してメッシュ状にそれぞれ配列することを特徴とする請求項1に記載の冷却塔の放熱メッシュ。
【請求項5】
前記リブは、半楕円形にそれぞれ形成することを特徴とする請求項1に記載の冷却塔の放熱メッシュ。
【請求項6】
前記放熱メッシュの非両側の前記リブには、複数の積層雌係合部材及び積層雄係合部材を設け、
前記積層雄係合部材と前記積層雌係合部材とは互いに係合し得ることを特徴とする請求項1に記載の冷却塔の放熱メッシュ。
【請求項7】
前記リブは、台形波形状にそれぞれ配列することを特徴とする請求項6に記載の冷却塔の放熱メッシュ。
【請求項8】
前記積層雄係合部材は、第1の頂側、第2の頂側のうちの一方に位置する前記リブにそれぞれ配設し、
前記積層雌係合部材は、前記第1の頂側、前記第2の頂側のうちの他方に位置する前記リブにそれぞれ配設することを特徴とする請求項7に記載の冷却塔の放熱メッシュ。
【請求項9】
前記放熱メッシュの材料は、癒着防止及び抗菌の機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却塔の放熱メッシュ。
【請求項10】
前記側着雄係合部材は、リング部を含み、
前記リング部には、中心に向かって延びる複数の爪リブを延設し、
前記爪リブの末端には、係合体を接続し、前記係合体の末端には、係合ヘッドを接続し、
前記係合ヘッドの幅径は、接続した前記係合体よりも大きく、
複数の凹溝は、互いに接続した前記係合ヘッド及び前記係合体に形成し、
前記爪リブの一部は、対応した前記凹溝内に位置し、
前記側着雌係合部材は、円環状に形成することを特徴とする請求項1に記載の冷却塔の放熱メッシュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却塔の放熱メッシュに関し、特に、放熱フィラー、放熱プレートとも称する放熱メッシュを冷却塔内に充填して放熱効果を高める、冷却塔の放熱メッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
冷却塔は、水冷システム中で必要な装置の一つであり、水冷システム中で放熱させたい装置に冷却水を循環させて進入させると、対応する装置の熱量を奪って冷却水の温度が上昇し、昇温後の冷却水を冷却塔に進入させると冷却水の水温が下がり、その後、冷却水を再び装置に送り込んで冷却を行っていた。
【0003】
従来の冷却塔は、一般に放熱フィン、放熱ファンなどの装置を介して放熱を行う。一般に放熱フィンは、出水位置の下方に設置し、溜水時間を延ばして放熱表面積を増やすことにより、外気との接触時間を延ばして熱交換効率を高めるとともに、水流を下方の集水エリアに均一に流していた。
【0004】
放熱フィンは広く普及した製品であるが、従来市販されている放熱フィンには、幾つかの問題点があった。例えば、円筒形状の冷却塔を例にとると、一体成形した長尺状放熱フィンを円柱状に丸めて使用していたが、このような放熱フィンの再利用率は非常に低かった。例えば、より大きな冷却塔に交換する場合、元々使用していた放熱フィンは再利用できないか、一部が破損した場合、放熱フィン全体を廃棄しなければならず、無駄が多かった。
【0005】
こうした現状に鑑み、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、従来の製品では使用寸法が調整困難であり、メンテナンスが容易でない等の問題点を改善することができる、本発明の冷却塔の放熱メッシュを完成したものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、放熱メッシュの両側に、複数の側着雄係合部材及び側着雌係合部材をそれぞれ設け、各側着雄係合部材と各側着雌係合部材とは、互いに係合し、この構造特性を利用し、複数の放熱メッシュを使用する際、互いに隣り合う放熱メッシュの各側着雄係合部材と各側着雌係合部材とを互いに係合させるだけで全長を延ばすことができ、互いに係合させた放熱メッシュを取り外すだけで全長を短くすることができるため、使用者は必要に応じて放熱メッシュの数を増減させ、各種冷却塔の内部空間に容易に適用させることができる上、メンテナンスを行う際、破損した放熱メッシュのみを取り除くことができるため、従来の製品では使用寸法が調整困難である上、メンテナンスを行うことも困難であった問題を確実に改善することができる、冷却塔の放熱メッシュを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、放熱メッシュを備える、冷却塔の放熱メッシュであって、前記放熱メッシュは、網目状に配列した複数のリブを有し、前記放熱メッシュの一端に設けたリブは、複数の側着雄係合部材を有し、前記放熱メッシュの他端に設けたリブは、複数の側着雌係合部材を有し、前記側着雄係合部材と前記側着雌係合部材とはそれぞれ互いに係合し得ることを特徴とする、冷却塔の放熱メッシュを提供する。
【0008】
前記リブは、台形波形状にそれぞれ配列し、前記放熱メッシュは、第1の頂側及び第2の頂側を有することが好ましい。
【0009】
前記側着雄係合部材及び前記側着雌係合部材は、前記第1の頂側及び前記第2の頂側中の同一の頂側位置の前記リブに設けることが好ましい。
【0010】
前記リブは、三角状、矩形状に配列してグリッドを形成してメッシュ状にそれぞれ配列することが好ましい。
【0011】
前記リブは、半楕円形にそれぞれ形成することが好ましい。
【0012】
前記放熱メッシュの非両側の前記リブには、複数の積層雌係合部材及び積層雄係合部材を設け、前記積層雄係合部材と前記積層雌係合部材とは互いに係合し得ることが好ましい。
【0013】
前記リブは、台形波形状にそれぞれ配列することが好ましい。
【0014】
前記積層雄係合部材は、第1の頂側、第2の頂側のうちの一方に位置する前記リブにそれぞれ配設し、前記積層雌係合部材は、前記第1の頂側、前記第2の頂側のうちの他方に位置する前記リブにそれぞれ配設することが好ましい。
【0015】
前記放熱メッシュの材料は、癒着防止及び抗菌の機能を備えることが好ましい。
【0016】
前記側着雄係合部材は、リング部を含み、前記リング部には、中心に向かって延びる複数の爪リブを延設し、前記爪リブの末端には、係合体を接続し、前記係合体の末端には、係合ヘッドを接続し、前記係合ヘッドの幅径は、接続した前記係合体よりも大きく、複数の凹溝は、互いに接続した前記係合ヘッド及び前記係合体に形成し、前記爪リブの一部は、対応した前記凹溝内に位置し、前記側着雌係合部材は、円環状に形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の冷却塔の放熱メッシュは、放熱メッシュの両側に、複数の側着雄係合部材及び側着雌係合部材をそれぞれ設け、各側着雄係合部材と各側着雌係合部材とは、互いに係合し、この構造特性を利用し、複数の放熱メッシュを使用する際、互いに隣り合う放熱メッシュの各側着雄係合部材と各側着雌係合部材とを互いに係合させるだけで全長を延ばすことができ、互いに係合させた放熱メッシュを取り外すだけで全長を短くすることができるため、使用者は必要に応じて放熱メッシュの数を増減させ、各種冷却塔の内部空間に容易に適用させることができる上、メンテナンスを行う際、破損した放熱メッシュのみを取り除くことができるため、従来の製品では使用寸法が調整困難である上、メンテナンスを行うことも困難であった問題を確実に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る冷却塔の放熱メッシュを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る冷却塔の放熱メッシュを示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る冷却塔の放熱メッシュの側着雄係合部材の一端を示す側面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る冷却塔の放熱メッシュの側着雌係合部材の一端を示す側面図である。
図5】2つの放熱メッシュを互いに接続した状態の説明図である。
図6図5の線VI-VIに沿った断面図である。
図7】複数の放熱メッシュを重ねて接続した状態の説明図である。
図8図7の線VIII-VIIIに沿った断面図である。
図9図1のA部分の部分拡大図である。
図10図2のB部分の部分拡大図である。
図11図2の線XI-XIに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一または同様の構成を有する。
【0020】
図1図6を参照する。図1図6に示すように、本発明の一実施形態に係る冷却塔の放熱メッシュが備える放熱メッシュ1は、網目状に配列した複数のリブ11を有する。放熱メッシュ1の一端に設けた各リブ11は、複数の側着雄係合部材12を有する。放熱メッシュ1の他端に設けた各リブ11は、複数の側着雌係合部材13を有する。各側着雄係合部材12と各側着雌係合部材13とは互いに係合し得る。
【0021】
続いて、本発明の実施方式について以下詳説する。本実施形態の放熱メッシュ1の両側には、複数の側着雄係合部材12及び側着雌係合部材13をそれぞれ設ける。各側着雄係合部材12と各側着雌係合部材13とは、互いに係合し、この構造特性を利用し、複数の放熱メッシュ1を使用する際、図5に示すように互いに隣り合う放熱メッシュ1の各側着雄係合部材12と各側着雌係合部材13とを互いに係合させるだけで全長を延ばすことができ、互いに係合させた放熱メッシュ1を取り外すだけで全長を短くすることができる。そのため、使用者は必要に応じて放熱メッシュ1の数を増減させ、各種冷却塔の内部空間に容易に適用させることができる上、メンテナンスを行う際、破損した放熱メッシュ1のみを取り除くことができる。これにより、本発明は、従来の製品では使用寸法が調整困難である上、メンテナンスを行うことも困難であった問題を確実に改善することができる。
【0022】
図3及び図4を参照する。図3及び図4に示すように、各リブ11は、台形波形状に配列する。放熱メッシュ1は、第1の頂側14及び第2の頂側15を有する。各リブ11は、台形波形状に配列し、放熱効果を高めて汚れによる詰まりを防ぐ。
【0023】
図3及び図4を参照する。図3及び図4に示すように、各側着雄係合部材12及び各側着雌係合部材13は、第1の頂側14及び第2の頂側15中の同一の頂側位置のリブ11に設ける。例えば、本実施形態の各側着雄係合部材12及び各側着雌係合部材13は、第1の頂側14にそれぞれ設ける。各側着雄係合部材12及び各側着雌係合部材13が同一の頂側に位置するとき、図6に示すようにスムーズに接続させることができる。
【0024】
図2を参照する。図2に示すように、各リブ11は、三角状、矩形状に配列して各グリッドを形成してメッシュ状に配列し、放熱効果を高めて汚れによる詰まりを防いでもよい。
【0025】
図11を参照する。図11に示すように、各リブ11は、半楕円(又は半楕円に類似した形状)に形成し、放熱効果を高めて汚れによる詰まりを防いでもよい。
【0026】
図1図7及び図8を参照する。図1図7及び図8に示すように、放熱メッシュ1の非両側の各リブ11には、複数の積層雌係合部材16及び積層雄係合部材17を設ける。各積層雄係合部材17と各積層雌係合部材16とは互いに係合し得る上、図7の矢印方向で上方に重ねてもよく、全ての冷却塔が円筒状であるわけではないため、重ねて接続する構造により、本発明を様々な形状の冷却塔に応用してもよい。
【0027】
各積層雄係合部材17は、第1の頂側14、第2の頂側15のうちの一方に位置するリブ11に配設する。各積層雌係合部材16は、第1の頂側14、第2の頂側15のうちの他方に位置するリブ11に配設する。例えば、本実施形態の各積層雄係合部材17は、第1の頂側14に位置し、各積層雌係合部材16は、第2の頂側15に位置する。このような設計により、各積層雄係合部材17と各積層雌係合部材16とをそれぞれ異なる頂側に位置させ、重ねるときに放熱メッシュ1を水平に180度回転させるだけでスムーズに重ねることができる。図8に示すように各空間2を形成するため、積層高さを有効に形成し、前述した内容を組み合わせ、本発明中の各リブ11をそれぞれ三角形状に配列、矩形状に配列又はその他類似の配列により各グリッドを形成し、台形波形状に配列し、複数の放熱メッシュ1を重ねたときに形成される各空間2を組み合わせ、リブ11に多種類の辺角構造を形成する。このため実際に使用する際、水流が放熱メッシュ1を通過するときに、前述した各辺角を回流することにより溜水時間が増えるとともに、前述の構造により多角度の良好な通風効果が発生し、冷却塔のファンが排気を行う際、各空間をスムーズに流れるため、空気と水とが接触する機会が大幅に増え、高い放熱効果が得られる。
【0028】
放熱メッシュ1の材料は、癒着防止及び抗菌の機能を備えてもよい。
【0029】
各側着雄係合部材12は、リング部121を含む。前述したリング部121には、中心に向かって延びる複数の爪リブ122を延設する。前述した各爪リブ122の末端には、係合体123を接続する。前述した係合体123の末端には、係合ヘッド124を接続する。前述した係合ヘッド124の幅径は、接続した係合体123よりも大きい。複数の凹溝125は、互いに接続した係合ヘッド124及び係合体123に形成する。各爪リブ122の一部は、対応した凹溝125内に位置する。各側着雌係合部材13は、円環状に形成し、この構造により側着雄係合部材12と側着雌係合部材13とを確実に係合させ、爪リブ122を凹溝125に当接させる設計により、係合体123に力を加えても歪むことを防ぐことができる。
【0030】
積層雌係合部材16の構造は、側着雌係合部材13と同じである。積層雄係合部材17の構造は、側着雄係合部材12と同じである。
【符号の説明】
【0031】
1 放熱メッシュ
2 空間
11 リブ
12 側着雄係合部材
13 側着雌係合部材
14 第1の頂側
15 第2の頂側
16 積層雌係合部材
17 積層雄係合部材
121 リング部
122 爪リブ
123 係合体
124 係合ヘッド
125 凹溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11