(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132898
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H01G4/30 201N
H01G4/30 201K
H01G4/30 201L
H01G4/30 515
H01G4/30 512
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024022777
(22)【出願日】2024-02-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0033554
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ダエ ヒー
(72)【発明者】
【氏名】カン、セウン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ホン ソク
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、チャン ハク
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC04
5E001AC10
5E001AD04
5E001AE02
5E001AE03
5E001AE04
5E001AF06
5E001AH01
5E001AH05
5E001AH06
5E001AH07
5E001AH09
5E001AJ01
5E001AJ02
5E082AB03
5E082BC35
5E082EE04
5E082EE05
5E082EE23
5E082EE35
5E082FG03
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082PP03
5E082PP09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サイドマージン部内の正孔をトラップして水和を防止することにより、絶縁抵抗の可逆的劣化を防止する積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品100は、誘電体層及び誘電体層と交互に配置される内部電極を含み、第1方向に対向する第1面1及び第2面2、第1面及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3面3及び第4面4並びに上記第1面~第4面と連結され、第3方向に対向する第5面5及び第6面6を含む本体110と、本体の第5面及び第6面上に配置されるサイドマージン部114、115と、第3面及び第4面上に配置される外部電極131、132と、を含む。サイドマージン部は、Sn及び遷移金属を含み、Snの含量に対す遷移金属の含量の割合は10以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Ba及びTiを含む誘電体層及び前記誘電体層と交互に配置される内部電極を含み、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、並びに前記第1面~前記第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、
前記第5面及び前記第6面上に配置されるサイドマージン部と、
前記第3面及び前記第4面上に配置される外部電極と、を含み、
前記サイドマージン部はSn及び遷移金属を含み、
前記サイドマージン部において、Snに対する遷移金属のモル比は10以上である、積層型電子部品。
【請求項2】
前記誘電体層は遷移金属をさらに含み、
前記誘電体層において、前記第5面及び前記第6面に隣接する領域を第1領域、前記第1領域の間に配置された領域を第2領域とするとき、
前記第1領域に含まれたBaに対する遷移金属のモル比が、前記第2領域に含まれたBaに対する遷移金属のモル比よりも高い、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記第1領域の第3方向の平均サイズは50μm以下である、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記誘電体層は、Sn及び遷移金属をさらに含み、前記誘電体層の第3方向の両端に、Snに対する遷移金属のモル比が10以上である領域を一つ以上含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記誘電体層は、Dy、Ho、Tb、La、Yb及びErのうち一つ以上をさらに含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記遷移金属は、Mn、Co、V、Ni、Fe及びこれらの合金のうち一つ以上である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記サイドマージン部はBa及びTiをさらに含み、
前記サイドマージン部において、前記Snの含量は、前記Baの100モルに対して0.1モル以上3.0モル以下である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記誘電体層はSn及び遷移金属をさらに含み、
前記サイドマージン部におけるSnに対する遷移金属のモル比は、前記誘電体層におけるSnに対する遷移金属のモル比よりも高い、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記誘電体層及びサイドマージン部は誘電体グレインを含み、
前記サイドマージン部における前記誘電体グレインの平均グレインサイズは、前記誘電体層における前記誘電体グレインの平均グレインサイズよりも小さい、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記サイドマージン部は、コア-シェル構造を有する誘電体グレインを一つ以上含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記サイドマージン部の第3方向の平均サイズは20μm以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記誘電体層の平均厚さは0.35μm以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記内部電極の平均厚さは0.35μm以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multilayer Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン、及び携帯電話などの様々な電子製品の印刷回路基板に装着され、電気を充電又は放電させる役割を果たすチップ型のコンデンサである。
【0003】
電子製品の小型化、スリム化、多機能化に伴い、チップ部品に対しても小型化が求められており、電子部品の実装も高集積化している。このような傾向に応じて実装される電子部品間の空間が最小化している。
【0004】
特に、静電容量を向上させるために、本体の側面に別途のサイドマージン部を形成する構造の場合、サイドマージン部を介した水分浸透の確率が高くなり、水分浸透による絶縁抵抗劣化を防止するための構造的改善が必要となる実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明のいくつかの目的の一つは、本体の側面に別途のサイドマージン部を形成する場合、サイドマージン部を介した水分浸透によって絶縁抵抗が劣化する現象を抑制することである。
【0006】
ただし、本発明の目的は上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、誘電体層及び上記誘電体層と交互に配置される内部電極を含み、第1方向に対向する第1面及び第2面、上記第1面及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、並びに上記第1面~第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、上記第5面及び第6面上に配置されるサイドマージン部と、上記第3面及び第4面上に配置される外部電極と、を含み、上記サイドマージン部はSn及び遷移金属を含み、上記サイドマージン部において、上記Snの含量に対する上記遷移金属の含量の割合は10以上である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のいくつかの効果の一つは、サイドマージン部に含まれるSnの含量に対する遷移金属の含量の割合を10以上に調節し、サイドマージン部内の正孔をトラップして水和を防止することにより、絶縁抵抗の可逆的劣化を防止することである。
【0009】
ただし、本発明の多様かつ有益な利点及び効果は、上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品を示す斜視図である。
【
図2】一実施例による本体を概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図1のII-II'線に沿った断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による積層型電子部品を製造する方法の一例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態による積層型電子部品を製造する方法の一例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態による積層型電子部品を製造する方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさ等は、より明確な説明のために誇張されることがあり、図面上の同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0012】
そして、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上、任意に示しているため、本発明は必ずしも図示したものに限定されない。なお、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素に対しては、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による積層型電子部品を示す斜視図であり、
図2は、一実施例による本体を概略的に示す斜視図であり、
図3は、
図1のI-I'線に沿った断面図であり、
図4は、
図1のII-II'線に沿った断面図であり、
図5は、
図4のP領域の拡大図であり、
図6~
図8は、本発明の一実施形態による積層型電子部品を製造する方法の一例を示す図である。
【0014】
以下、
図1~
図8を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品について詳細に説明する。
【0015】
図において、第1方向は、誘電体層を挟んで第1内部電極及び第2内部電極が交互に配置される方向又は厚さT方向、上記第1方向と垂直な方向である第2方向及び第3方向のうち、上記第2方向は長さL方向、上記第3方向は幅W方向と定義することができる。
【0016】
本発明の一実施形態による積層型電子部品100は、誘電体層111及び上記誘電体層と交互に配置される内部電極121、122を含み、第1方向に対向する第1面1及び第2面2、上記第1面及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3面3及び第4面4、並びに第1面~第4面と連結され、第3方向に対向する第5面5及び第6面6を含む本体110と、上記第5面及び第6面上に配置されるサイドマージン部114、115と、上記第3面及び第4面上に配置される外部電極131、132と、を含み、上記サイドマージン部はSn及び遷移金属を含み、上記サイドマージン部において、上記Snの含量に対する上記遷移金属の含量の割合は10以上である。
【0017】
本体110は、誘電体層111及び誘電体層111と交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含む。
【0018】
本体110の具体的な形状に特に限定はないが、
図2に示すように本体110は六面体形状又はこれと類似の形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0019】
本体110は、第1方向に互いに対向する第1面1及び第2面2、上記第1面1及び第2面2と連結され、第2方向に互いに対向する第3面3及び第4面4、第1面1及び第2面2と連結され、第3面3及び第4面4と連結され、第3方向に互いに対向する第5面5及び第6面6を含むことができる。
【0020】
本体110を形成する方法は特に限定されない。例えば、
図6~
図8に示すように、複数個の平行な第1内部電極パターン221が印刷された第1セラミックグリーンシート211aと、複数個の平行な第2内部電極パターン222が印刷された第2セラミックグリーンシート211bとを互いに交互に積層し、上記セラミックグリーンシート積層体220を複数個のストライプ状の第1内部電極パターン221及びストライプ状の第2内部電極パターン222を横切るように互いに直交するC1-C1及びC2-C2の切断線に沿って個別のサイズに切断し、積層本体210を形成した後、焼成を経て本体110を形成するか、又は後述するサイドマージン部114、115を積層本体210の側面に付着した後に併せて焼成して本体110を形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0021】
このとき、
図2に示すように、積層型電子部品100の単位体積当たりの静電容量を最大化し、内部電極121、122の端と誘電体層111との段差を最小化するために、内部電極121、122の第3方向の両端は、本体110の第5面5及び第6面6とそれぞれ接することができる。
【0022】
複数の誘電体層111は焼成された状態であって、隣接する誘電体層111間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り特に限定されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、又はチタン酸ストロンチウム系材料などを使用することができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO3系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例として、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)等が一部固溶した(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)又はBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)等が挙げられる。
【0024】
また、上記誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などのパウダーに、本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などを添加することができる。よって、本発明の一実施形態によれば、誘電体層111はBa及びTiを含む。
【0025】
一方、誘電体層111の平均厚さtdは特に限定する必要はない。
【0026】
ただし、一般的に誘電体層111を0.6μm未満の厚さに薄く形成する場合、特に誘電体層111の平均厚さtdが0.35μm以下の場合には信頼性が低下するおそれがある。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、サイドマージン部114、115において、Sn含量に対する遷移金属の含量の割合を10以上に調節し、湿潤環境下でもBa及びTiを含む誘電体層の絶縁抵抗劣化を抑制することにより耐湿信頼性を向上させることができるため、誘電体層111の平均厚さteが0.35μm以下である場合にも、積層型電子部品100の優れた耐湿信頼性を確保することができる。
【0028】
したがって、誘電体層111の平均厚さtdが0.35μm以下の場合に、本発明による効果がより顕著となり、積層型電子部品100の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。
【0029】
上記誘電体層111の平均厚さtdは、上記第1内部電極121及び第2内部電極122の間に配置される誘電体層111の第1方向の平均サイズを意味することができる。一方、本体110が複数の誘電体層111を含む場合、誘電体層111の平均厚さtdは、複数の誘電体層111のうち少なくとも一つの平均厚さを意味することができる。
【0030】
誘電体層111の平均厚さtdは、本体110の長さ及び厚さ方向(L-T)の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされたイメージにおいて、一つの誘電体層を長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は容量形成部Acで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の誘電体層に拡張して平均値を測定すると、誘電体層の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0031】
図2~
図4を参照すると、本体110は、本体110の内部に配置され、第1内部電極121及び第2内部電極122が第1方向に重なる領域である容量形成部Acを含むことができる。
【0032】
容量形成部Acは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であって、誘電体層111を挟んで複数の第1内部電極121及び第2内部電極122を繰り返し積層して形成することができる。
【0033】
上記容量形成部Acの第1方向の一面には上部カバー部112が配置されることができ、上記容量形成部Acの第1方向の他面には下部カバー部113が配置されることができる。
【0034】
上記上部カバー部及び下部カバー部は、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0035】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は内部電極を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。
【0036】
すなわち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113はセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料を含むことができる。
【0037】
一方、カバー部112、113の平均厚さtcは特に限定する必要はない。ただし、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の平均厚さtcは15μm以下であってもよい。ここで、カバー部112、113の平均厚さは、第1カバー部112及び第2カバー部113のそれぞれの平均厚さを意味することができる。
【0038】
カバー部112、113の平均厚さtcは第1方向のサイズを意味することができ、容量形成部Acの上部又は下部において等間隔の5個の地点で測定したカバー部112、113の第1方向のサイズを平均した値であることができる。
【0039】
内部電極121、122は誘電体層111と交互に配置される。このとき、上記内部電極及び誘電体層は第1方向に交互に配置される。
【0040】
内部電極121、122は、第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができる。第1内部電極121及び第2内部電極122は、本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3面3及び第4面4にそれぞれ連結されることができる。具体的に、第1内部電極121の一端は第3面と連結され、第2内部電極122の一端は第4面と連結されることができる。すなわち、一実施例において、内部電極121、122は第3面3又は第4面4と接することができる。
【0041】
図2に示すように、第1内部電極121は第4面4と離隔し、第3面3を介して露出し、第2内部電極122は第3面3と離隔し、第4面4を介して露出することができる。本体の第3面3には第1外部電極131が配置されて第1内部電極121と連結され、本体の第4面4には第2外部電極132が配置されて第2内部電極122と連結されることができる。
【0042】
すなわち、第1内部電極121は第2外部電極132とは連結されず、第1外部電極131と連結され、第2内部電極122は第1外部電極131とは連結されず、第2外部電極132と連結される。したがって、第1内部電極121は第4面4において一定距離離隔して形成され、第2内部電極122は第3面3において一定距離離隔して形成されることができる。このとき、第1内部電極121及び第2内部電極122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されてもよい。
【0043】
また、上述したように、積層型電子部品100の単位体積当たりの静電容量を最大化し、内部電極121、122の端と誘電体層111との段差を最小化するために、内部電極121、122の第3方向の両端は、本体110の第5面5及び第6面6とそれぞれ接することができる。
【0044】
内部電極121、122を形成する材料は特に限定されず、電気伝導性に優れた材料を使用することができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。
【0045】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
一方、内部電極121、122の平均厚さteは特に限定する必要はない。
【0047】
ただし、一般的に内部電極121、122を0.6μm未満の厚さに薄く形成する場合、特に内部電極121、122の平均厚さteが0.35μm以下の場合には、信頼性が低下するおそれがある。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、サイドマージン部114、115において、Sn含量に対する遷移金属の含量の割合を10以上に調節し、湿潤環境下でもBa及びTiを含む誘電体層の絶縁抵抗劣化を抑制することにより、耐湿信頼性を向上させることができるため、内部電極121、122の平均厚さteが0.35μm以下である場合にも、積層型電子部品100の優れた耐湿信頼性を確保することができる。
【0049】
したがって、内部電極121、122の平均厚さteが0.35μm以下の場合に、本発明による効果がより顕著となり、積層型電子部品100の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。
【0050】
上記内部電極121、122の平均厚さteは、内部電極121、122の第1方向の平均サイズを意味することができる。一方、本体110が複数の内部電極121、122を含む場合、内部電極121、122の平均厚さtdは、複数の内部電極121、122のうち少なくとも一つの平均厚さを意味することができる。
【0051】
内部電極121、122の平均厚さteは、本体110の長さ及び厚さ方向(L-T)の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされたイメージにおいて、一つの内部電極を長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は容量形成部Acで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の内部電極に拡張して平均値を測定すると、内部電極の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0052】
図1及び
図4を参照すると、本体110の第5面及び第6面5、6上にはサイドマージン部114、115が配置されることができる。
【0053】
サイドマージン部114、115は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0054】
サイドマージン部114、115を形成する方法は特に限定されない。例えば、積層本体210の側面にサイドマージン部形成用セラミックスラリーを塗布した後に焼成するか、又はサイドマージン部形成用セラミックグリーンシートを加圧密着した後に焼成して形成することができる。サイドマージン部114、115を形成する材料は特に限定する必要はなく、誘電体層111と同じ材料で形成されてもよいが、これに限定されず、誘電体層111と異なる材料で形成された場合には
、異なる組成を有することができる。
【0055】
一方、マージン部114、115の幅は特に限定する必要はない。ただし、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、マージン部114、115の平均幅は15μm以下であってもよい。また、本発明の一実施形態によれば、サイドマージン部114、115において、Sn含量に対する遷移金属の含量の割合を10以上に調節し、湿潤環境下でもBa及びTiを含む誘電体層の絶縁抵抗劣化を抑制することで耐湿信頼性を向上させることができるため、マージン部114、115の平均幅が15μm以下である場合にも、優れた信頼性を確保することができる。サイドマージン部114、115の平均幅は、サイドマージン部114、115の第3方向の平均サイズを意味することができ、容量形成部Acの側面で等間隔の5個の地点で測定したサイドマージン部114、115の第3方向のサイズを平均した値であることができる。
【0056】
本発明の一実施形態によれば、サイドマージン部114、115はSn及び遷移金属を含むことができる。
【0057】
従来の場合、サイドマージン部の誘電体グレインのグレインサイズを小さくして高靭性を実現するために、サイドマージン部にSnを含ませる試みがあった。
【0058】
しかし、サイドマージン部が外部からの衝撃により損傷する場合、損傷部位に水分が浸透し、容量形成部Acに含まれる誘電体層111に影響を及ぼすため、湿潤環境下で誘電体層111における絶縁抵抗劣化の根本的な遮断を行うには限界がある実情である。
【0059】
そこで、本発明の一実施形態によるサイドマージン部114、115は、Sn以外にも遷移金属をさらに含むことで、湿潤環境下でも誘電体層111の絶縁抵抗劣化を抑制して積層型電子部品100の耐湿信頼性を向上させることができる。
【0060】
サイドマージン部114、115におけるSnに対する遷移金属のモル比が10未満である場合、後述する誘電体層111のセラミック内の正孔をトラップして誘電体層111の絶縁抵抗を抑制する効果が十分でない可能性がある。したがって、本発明の一実施形態のように、サイドマージン部114、115におけるSnに対する遷移金属のモル比は10以上であることが好ましく、これにより積層型電子部品100の耐湿信頼性を著しく向上させることができる。
【0061】
一方、サイドマージン部114、115におけるSnに対する遷移金属のモル比の上限値は特に限定されないが、過度な遷移金属の添加は酸素空孔の生成による誘電体層における信頼性の劣化を招く可能性があるため、25以下であることが好ましい。
【0062】
サイドマージン部114、115に含まれる遷移金属の種類は特に限定されない。例えば、上記遷移金属は、Mn、Co、V、Ni、Fe及びこれらの合金のうち一つ以上であってもよい。
【0063】
一方、サイドマージン部114、115の強度及び靭性を向上させるために、サイドマージン部114、115に含まれるSnの含量を調節することができる。この場合、サイドマージン部114、115は、Ba及びTiをさらに含むことができ、サイドマージン部114、115におけるSnの含量は、Ba100モルに対して0.1モル以上3.0モル以下であることが好ましい。サイドマージン部114、115におけるSnの含量がBa100モルに対して0.1モル未満の場合、Snの添加による実質的な効果が現れにくく、サイドマージン部114、115におけるSnの含量がBa100モルに対して3.0モルを超える場合、Sn間のネットワーク形成及び過度な誘電体層の粒成長抑制により耐衝撃性の劣化が問題となる可能性がある。
【0064】
一方、サイドマージン部114、115は、コア-シェル構造を有する誘電体グレインを一つ以上含むことができる。このとき、コア-シェル構造のシェル部は、Tiの一部がSnで置換されることができ、置換されたSnによってサイドマージン部114、115の誘電体グレインの粒成長を抑制することができる。これにより、サイドマージン部114、115の緻密性が向上できる。
【0065】
また、サイドマージン部に含まれるSnに対する遷移金属のモル比を測定する方法は特に限定されない。例えば、積層型電子部品100の第2方向の中心部まで研磨して第1方向及び第3方向の断面を露出させた後、サイドマージン部114、115の第1方向に離隔した任意の5個以上の5μm×5μmの領域でSEM-EDX(Scanning Electron Microscope Energy-Dispersive X-ray spectroscopy)分析によりSn含量の平均値及び遷移金属の含量の平均値を測定した後、Snに対する遷移金属のモル比の平均値を算出することができる。このとき、各元素の含量はat%又はmol%で測定されることができる。
【0066】
上述したように、誘電体層111はBaTiO3系セラミック材料で形成されることができるため、誘電体層111はBa及びTiを含むことができる。このとき、外部からの水分が誘電体層111に浸透する場合、誘電体層111は水和状態で絶縁抵抗が可逆的に劣化することがある。
【0067】
Ba及びTiを含む誘電体層111の誘電体セラミックの水和は、下記のように正孔(hole、下記の化学式1の
【化1】
)が消耗されて可逆的に行われるため、誘電体セラミックがn-typeの性質を有する場合、湿潤環境下で絶縁抵抗が劣化するのに対し、p-typeの性質を有する場合は、湿潤環境下で絶縁抵抗が増加する可能性がある。
【0068】
【0069】
一実施例において、誘電体層111は、Dy、Ho、Tb、La、Yb及びErのうち一つ以上をさらに含むことができる。これにより、誘電体層111に含まれる誘電体グレインの平均グレインサイズを小さくして誘電率を向上させることができ、高温信頼性も向上することができる。ところが、誘電体層111がDy、Ho、Tb、La、Yb及びErのうち一つ以上のような添加剤をさらに含んでn-typeの性質を有する場合、上述のように誘電体層111における誘電体セラミックの水和により絶縁抵抗が劣化することがある。しかし、本発明の一実施形態によれば、サイドマージン部114、115はSn及び遷移金属を含み、サイドマージン部114、115において、Snに対する遷移金属のモル比が10以上であるため、誘電体層111がDy、Ho、Tb、La、Yb及びErのうち一つ以上を含んでいても、水和状態で絶縁抵抗が劣化する現象を防止することができる。
【0070】
具体的に、容量形成部Acに水分が浸透する場合、誘電体層111の第3方向の端では誘電体セラミック内の正孔が消耗されて水和が行われ、絶縁抵抗が劣化することがあるが、本発明の一実施形態のように、サイドマージン部114、115が本体110の第5面及び第6面5、6上に配置される場合、サイドマージン部114、115に含まれる遷移金属が誘電体層111の誘電体セラミック内の正孔をトラップして水和反応を防止することができる。これにより、積層型電子部品100の耐湿信頼性を著しく向上させることができる。
【0071】
一実施例において、誘電体層111は遷移金属を含むことができる。このとき、誘電体層111に含まれる遷移金属は、サイドマージン部114、115に含まれる遷移金属元素が誘電体層111の第3方向の両端に拡散して形成されたものであってもよい。これにより、水分浸透に脆弱な部分である誘電体層111の第3方向の両端に遷移金属が含まれることで、誘電体層111の絶縁抵抗劣化を抑制することができる。
【0072】
このとき、
図5を参照すると、一実施例では、誘電体層111の第3方向の両端に拡散した遷移金属により、誘電体層111は第5面及び第6面に隣接する領域である第1領域111a、及び第1領域111aの間に配置された第2領域111bに区分されることができ、第1領域111aに含まれたBaに対する遷移金属のモル比が第2領域111bに含まれたBaに対する遷移金属のモル比よりも高いことができる。これにより、誘電体層111の全領域に酸素空孔が発生して信頼性が劣化する現象を防止するとともに、水分浸透に脆弱な第1領域111aの正孔をトラップすることにより、積層型電子部品100全体の耐湿信頼性を向上させることができる。
【0073】
一方、Ba及びTiを含む誘電体層111に遷移金属の含量が過度になる場合、酸素空孔の濃度が増加して信頼性が劣化することがある。したがって、誘電体層111の全領域で遷移金属の含量を調節するよりは、誘電体層111の第3方向の両端に隣接する領域でのみ遷移金属の含量を高く形成することが、耐湿信頼性を維持しながらも誘電体層111全体の酸素空孔の濃度を減少させる上で有利であり得る。すなわち、誘電体層の第1領域111aの形成度合いを適宜調節することが好ましく、好ましくは、第1領域111aの第3方向の平均サイズは50μm以下であってもよい。
【0074】
第1領域111aと第2領域111bとを区分する方法は特に限定されない。例えば、積層型電子部品100の第2方向の中心部まで研磨した第1方向及び第3方向の断面において、任意の誘電体層の第3方向の端から第3方向の中心部までSEM-EDX(Scanning Electron Microscope Energy-Dispersive X-ray spectroscopy)分析により遷移金属の含量を測定し、遷移金属の含量が高い領域を第1領域111a、低い領域を第2領域111bに区分することができる。このとき、誘電体層111がSnをさらに含む場合、誘電体層111の第3方向の両端にSnに対する遷移金属のモル比が10以上である領域を第1領域111aに、その他の領域を第2領域111bに区分することができる。このとき、誘電体層111の第3方向の両端からSnに対する遷移金属のモル比が10未満に減少する地点までの第3方向のサイズを測定し、このような測定を任意の5個以上の誘電体層111で繰り返して平均値をとることにより、第1領域111aの第3方向の平均サイズを測定することができる。
【0075】
誘電体層111に含まれる遷移金属は、誘電体層111の誘電体セラミックに固溶して格子内部にホール(hole)を生成することができ、トラップエネルギーを上昇させることにより積層型電子部品100の信頼性向上を可能にすることができる。ただし、誘電体層111に遷移金属が過剰に含まれる場合、酸素空孔の濃度が増加して信頼性が劣化することがある。したがって、一実施例では、誘電体層111に含まれる遷移金属の含量のみを調節するよりは、サイドマージン部114、115におけるSnに対する遷移金属のモル比を、誘電体層111におけるSnに対する遷移金属のモル比よりも高くなるように調節することで、静電容量の形成に寄与しないサイドマージン部114、115と誘電体層111の第3方向の両端に遷移金属が集中分布するようにして誘電体層111の絶縁抵抗劣化を抑制しながらも、積層型電子部品100の高温信頼性を向上させることができる。
【0076】
一実施例において、誘電体層111及びサイドマージン部114、115は誘電体グレインを含み、サイドマージン部114、115における誘電体グレインの平均グレインサイズは誘電体層111における上記誘電体グレインの平均グレインサイズより小さくてもよい。これにより、サイドマージン部114、115は、誘電体層111よりも高い耐湿特性及び靭性を有することができる。したがって、積層型電子部品100の耐湿信頼性を向上させることができ、クラックの発生を抑制することができる。
【0077】
外部電極131、132は、本体110の第3面又は第4面に配置されることができる。具体的に、第1外部電極131は第3面3上に配置されて第1内部電極121と連結され、第2外部電極132は第4面4上に配置されて第2内部電極122と連結される。
【0078】
本実施形態では、積層型電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造について説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは、内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することができる。
【0079】
一方、外部電極131、132は、金属などのように電気伝導性を有するものであれば、如何なる物質を使用して形成されてもよく、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されてもよく、さらに多層構造を有してもよい。
【0080】
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層131a、132a、及び電極層131a、132a上に形成されためっき層131b、132bを含むことができる。
【0081】
電極層131a、132aに対するより具体的な例として、電極層は、導電性金属及びガラスを含む焼成電極であってもよく、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であってもよい。
【0082】
また、電極層131a、132aは、本体110上に焼成電極及び樹脂系電極が順次に形成された形態であってもよい。また、電極層131a、132aは、本体110上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されてもよく、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであってもよい。
【0083】
電極層131a、132に含まれる導電性金属として、電気伝導性に優れた材料を使用することができるが、特に限定されない。例えば、導電性金属はニッケル(Ni)、銅(Cu)及びそれらの合金のうち一つ以上であってもよい。
【0084】
めっき層131b、132bは、積層型電子部品100の密閉性又は実装特性を向上させる役割を果たすことができる。めっき層131b、132bの種類は特に限定されず、Ni、Sn、Pd及びこれらの合金のうち一つ以上を含むめっき層であってもよく、複数の層で形成されてもよい。
【0085】
めっき層131b、132bに対するより具体的な例として、めっき層131b、132bは、Niを含むめっき層又はSnを含むめっき層であってもよく、電極層131a、132a上にNiを含むめっき層及びSnを含むめっき層が順次に形成された形態であってもよく、Snを含むめっき層、Niを含むめっき層及びSnを含むめっき層が順次に形成された形態であってもよい。また、めっき層は、複数のNiめっき層及び/又は複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0086】
(実施例)
本実施例では、サイドマージン部に含まれるSnに対する遷移金属のモル比が1.0倍、5.0倍、10.0倍となるようにサンプルを作製した。
【0087】
具体的に、積層本体210の側面にサイドマージン部形成用セラミックグリーンシートを付着した後、50℃~120℃の温度で熱圧着し、水素雰囲気下で焼結を行った。その後、Cuを含む外部電極を焼成し、Niを含むめっき層及びSnを含むめっき層を順に形成した。
【0088】
下記表1では、各試験番号別に1200個のサンプルで耐湿信頼性の評価を行った結果である。上記耐湿信頼性の評価は、85℃、85%の相対湿度の条件で1時間の間4Vの電圧を印加した後、絶縁抵抗値が最初の絶縁抵抗値の10^7倍以上減少する場合を不良と判断した。
【0089】
【0090】
上記表1の結果では、遷移金属としてMnを使用したが、Co、V、Ni、Feの場合にも同様に適用することができる。
【0091】
試験番号1~2を参照すると、サイドマージン部に含まれるSnに対する遷移金属のモル比が10.0未満の場合、Snに対する遷移金属のモル比が増加するほど耐湿信頼性の改善効果は増加するが、十分ではないことが確認できる。
【0092】
サイドマージン部に含まれるSnに対する遷移金属のモル比が10.0である試験番号3の場合、耐湿不良率が0ppmであることが確認でき、耐湿信頼性の向上効果が顕著であることが確認できる。したがって、本発明の一実施形態のようにサイドマージン部に含まれるSnに対する遷移金属のモル比が10.0以上である場合、積層型電子部品の耐湿信頼性を著しく向上させることができることが確認できる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定するものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【0094】
また、本発明で使用される「一実施例」という表現は、互いに同じ実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一実施例は、他の一実施例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施例で説明された事項が他の一実施例に説明されていなくても、他の一実施例においてその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一実施例に関連する説明として理解することができる。
【0095】
本発明で使用される用語は、単に一実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0096】
100:積層型電子部品
110:本体
111:誘電体層
121、122:内部電極
131、132:外部電極
112、113:カバー部
114、115:サイドマージン部
210:積層本体
220:セラミックグリーンシート積層体
211:セラミックグリーンシート
221、222:内部電極パターン