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特開2024-132920ディスプレイ装置のプログラミング方法及びプログラミングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132920
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置のプログラミング方法及びプログラミングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/34 20180101AFI20240920BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20240920BHJP
   G06F 8/38 20180101ALI20240920BHJP
   G06F 3/048 20130101ALN20240920BHJP
【FI】
G06F8/34
G06F3/14 310E
G06F8/38
G06F3/048
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029052
(22)【出願日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】112109478
(32)【優先日】2023-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】510038452
【氏名又は名称】華凌光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】廖育斌
(72)【発明者】
【氏名】徐健洲
(72)【発明者】
【氏名】倪家祥
(72)【発明者】
【氏名】鍾文▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】陳思聰
(72)【発明者】
【氏名】廖英舜
(72)【発明者】
【氏名】廖▲イェン▼樺
【テーマコード(参考)】
5B069
5B376
5E555
【Fターム(参考)】
5B069DD00
5B069JA02
5B376AA21
5B376BC43
5B376BC49
5B376BC61
5B376BC67
5E555AA79
5E555BA23
5E555BB23
5E555CB05
5E555CC03
5E555DB03
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者がディスプレイ装置におけるGUIを便利にプログラミングできるディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】プログラミングシステムのホストは、装置の記述ファイルを読み込み、解析するステップと、装置の記述ファイルをスクリーンでプログラミングインタフェースを表示するステップと、グラフィックスオブジェクトを表示ページに配置し、且つ前記グラフィックスオブジェクトのオブジェクトパラメータを設定するためのオブジェクト設置ステップを実行するステップと、対応のGUIプロファイルを生成するステップと、プログラミングシステムがディスプレイ装置と接続された後、前記GUIプロファイルをディスプレイ装置に伝送するステップと、ディスプレイ装置のマイクロコントローラが、前記GUIプロファイルに基づいて、対応のGUIをディスプレイモジュールで表示するステップと、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラミングシステムとディスプレイ装置に適用されるディスプレイ装置のプログラミング方法であって、前記プログラミングシステムはホストと、スクリーンと、第一伝送モジュールとを含み、前記ディスプレイ装置は、マイクロコントローラと、第二伝送モジュールと、ディスプレイモジュールを含み、前記第一伝送モジュールと前記第二伝送モジュールは、CAN-busまたはRS-485である通信バスに基づき、前記プログラミング方法は、
前記ホストが、少なくとも一つのノード装置に係る少なくとも一つの記述データを含む装置記述ファイルを読み込み、前記少なくとも一つの記述データは、装置識別コード、メッセージ名称及び信号名称を含むステップと、
前記ホストが、前記装置記述ファイルを解析して、前記少なくとも一つのノード装置に係る前記少なくとも一つの前記記述データにおける前記装置識別コードと、前記メッセージ名称及び前記信号名称を取得するステップと、
前記ホストが、少なくとも一つの表示ページを有するプログラミングエリアを含むプログラミングインタフェースをスクリーンで表示するステップと、
オブジェクト設置のステップを実行し、前記オブジェクト設置のステップにおいて、少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトを前記少なくとも一つの表示ページに配置し、且つ前記少なくとも一つのノード装置に係る前記少なくとも一つの記述データを含む前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトのオブジェクトパラメータを設定することを含むステップと、
前記ホストが、前記プログラミングエリアにおける前記少なくとも一つの表示ページと前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトに基づいて、前記少なくとも一つの表示ページと、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト及びそのオブジェクトパラメータを含む対応のGUIプロファイルを生成するステップと、
前記第一伝送モジュールが前記第二伝送モジュールと接続された後、前記ホストが、前記GUIプロファイルを前記第一伝送モジュールと前記第二伝送モジュールを介して、前記マイクロコントローラに伝送するステップと、
前記マイクロコントローラが、前記GUIプロファイルを記憶モジュールに書き込むステップと、前記マイクロコントローラは、前記記憶モジュールに書き込まれた前記GUIプロファイルに基づいて、前記少なくとも一つの表示ページ及び前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトを含む対応のGUIを前記ディスプレイモジュールで表示し、且つ前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトがそのオブジェクトパラメータを介して、前記少なくとも一つのノード装置に対応するステップと、を含む、
ディスプレイ装置のプログラミング方法。
【請求項2】
前記プログラミングインタフェースは、複数の所定のグラフィックスオブジェクトを有するプログラミングエリアを含み、前記オブジェクト設置のステップにおいて、これらの所定のグラフィックスオブジェクトの中から少なくとも一つを選択して、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトが形成されることを含む、
請求項1に記載のディスプレイ装置のプログラミング方法。
【請求項3】
前記オブジェクト設置のステップにおいて、前記ホストは、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトが前記少なくとも一つの表示ページにおける位置を記録し、前記ホストに生成された前記GUIプロファイルは、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトのオブジェクト位置に関するデータを含み、前記マイクロコントローラが、前記ディスプレイモジュールで前記GUIを表示する場合、前記オブジェクト位置に関するデータに基づいて、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトを前記少なくとも一つの表示ページに配置する、
請求項2に記載のディスプレイ装置のプログラミング方法。
【請求項4】
前記ホストは、前記少なくとも一つの記述データをリストに記録し、前記プログラミングインタフェースは、パラメータ設定エリアを含み、前記オブジェクト設置のステップにおいて、前記プログラミングインタフェースのプログラミングエリアで前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトをクリックすると、前記ホストは、前記パラメータ設定エリアで対応の選択肢メニューを表示し、前記選択肢メニューは、前記リストにリンクして、前記リストにおける記述データを前記オブジェクトパラメータに設定する、
請求項1に記載のディスプレイ装置のプログラミング方法。
【請求項5】
シミュレーションステップを含み、前記シミュレーションステップにおいて、前記ホストは、前記GUIプロファイルにより生成された前記GUI、及び少なくとも一つのノード装置に対応するシミュレーション入力インタフェースを含むシミュレータを前記スクリーンで表示するステップと、前記シミュレーション入力インタフェースによりシミュレーション入力データが生成されるステップと、前記ホストが、前記シミュレーション入力データに基づいて、前記シミュレータにおけるグラフィックスオブジェクトをそのオブジェクトパラメータに基づき対応的に表示させるステップと、を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置のプログラミング方法。
【請求項6】
テストステップを含み、前記テストステップにおいて、
前記少なくとも一つのノード装置に対応するテスト入力インタフェースを含むテスタを前記スクリーンで表示するステップと、
前記テスト入力インタフェースによりテスト入力データが生成されるステップと、
前記ホストが、前記テスト入力データを第一伝送モジュールと第二伝送モジュールを介して、前記マイクロコントローラに伝送し、前記マイクロコントローラは、受信した前記テスト入力データに基づいて、前記ディスプレイモジュールにおけるGUIのグラフィックスオブジェクトを対応的に表示をさせるステップと、を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置のプログラミング方法。
【請求項7】
前記ディスプレイ装置の前記マイクロコントローラは、少なくとも一つの汎用入出力ピンを含み、ここで、前記オブジェクト設置のステップにおいて、少なくとも一つの入力グラフィックスオブジェクトを前記少なくとも一つの表示ページに配置し、且つ前記少なくとも一つの入力グラフィックスオブジェクトの入力オブジェクトパラメータを設定することをさらに含み、前記入力オブジェクトパラメータは、指定された前記汎用入出力ピンに対応するステップと、
前記ホストが、前記プログラミングエリアにおける前記少なくとも一つの表示ページ、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト、前記少なくとも一つの入力グラフィックスオブジェクトに基づいて、前記少なくとも一つの表示ページと、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト及びそのオブジェクトパラメータと、前記入力グラフィックスオブジェクト及びその入力オブジェクトパラメータとを含む対応の前記GUIプロファイルを生成するステップと、
前記マイクロコントローラが前記ディスプレイモジュールで表示した前記GUIは、前記入力グラフィックスオブジェクトをさらに含み、且つ前記少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクトは、そのオブジェクトパラメータを介して、前記少なくとも一つの汎用入出力ピンに対応するステップと、を含む、
請求項1に記載のディスプレイ装置のプログラミング方法。
【請求項8】
前記ディスプレイ装置の前記マイクロコントローラは、少なくとも一つの汎用入出力ピンを含み、ここで、前記オブジェクト設置のステップにおいて、
少なくとも一つの入力グラフィックスオブジェクトを前記少なくとも一つの表示ページに配置し、且つ前記少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクトのオブジェクトパラメータを設定することをさらに含み、前記出力オブジェクトパラメータは、指定された前記汎用入出力ピンに対応するステップと、
前記ホストは、前記プログラミングエリアにおける前記少なくとも一つの表示ページ、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト、前記少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクトに基づいて、前記少なくとも一つの表示ページと、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト及びそのオブジェクトパラメータと、前記出力グラフィックスオブジェクト及びその出力オブジェクトパラメータとを含む対応の前記GUIプロファイルを生成するステップと、
前記マイクロコントローラが前記ディスプレイモジュールで表示した前記GUIは、さらに前記出力グラフィックスオブジェクトを含み、且つ前記少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクトは、そのオブジェクトパラメータを介して、前記少なくとも一つの汎用入出力ピンに対応するステップと、を含む、
請求項1に記載のディスプレイ装置のプログラミング方法。
【請求項9】
第二伝送モジュールを含むディスプレイ装置に接続するのに用いられるプログラミングシステムであって、前記第二伝送モジュールがCAN-bus或RS-485の通信バスに基づき、前記プログラミングシステムは、ホストと、スクリーンと、第一伝送モジュールを含み、前記ホストは、電気的に前記スクリーンと前記第一伝送モジュールを接続し、且つ前記第一伝送モジュールは、第二伝送モジュールと着脱可能に接続され、前記プログラミングシステムにおいて、
前記ホストは、少なくとも一つのノード装置に係る少なくとも一つの記述データを含む装置記述ファイルを読み込み、前記少なくとも一つの記述データは、装置識別コード、メッセージ名称及び信号名称を含み、前記ホストは、前記装置記述ファイルを解析して、前記少なくとも一つの記述データの前記装置識別コード、前記メッセージ名称及び前記信号名称を取得し、
前記ホストは、アプリケーションを実行し、且つ少なくとも一つの表示ページを有するプログラミングエリアを含むプログラミングインタフェースを前記スクリーンで表示し、利用者は、前記ホストを操作して、少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトを前記少なくとも一つの表示ページに配置し、且つ前記少なくとも一つのノード装置に係る前記少なくとも一つの記述データを含む前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトのオブジェクトパラメータを設定でき、
前記ホストは、前記プログラミングエリアにおける前記少なくとも一つの表示ページと前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトに基づいて、前記少なくとも一つの表示ページと、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト及びそのオブジェクトパラメータを含む対応のGUIプロファイルを生成し、
前記ホストは、前記第一伝送モジュールを介して前記GUIプロファイルを出力すること、
を特徴とするディスプレイ装置のプログラミングシステム。
【請求項10】
前記プログラミングインタフェースは、複数の所定のグラフィックスオブジェクトを有するプログラミングエリアを含み、利用者は、前記ホストを操作して、これらの所定のグラフィックスオブジェクトの中から少なくとも一つを選択して、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトを形成できる、
請求項9に記載のディスプレイ装置のプログラミングシステム。
【請求項11】
前記ホストは、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトが前記少なくとも一つの表示ページにおける位置を記録し、
前記ホストに生成された前記GUIプロファイルは、少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトのオブジェクト位置に関するデータを含む、
請求項10に記載のディスプレイ装置のプログラミングシステム。
【請求項12】
前記ホストは、前記少なくとも一つの記述データをリストに記録し、前記プログラミングインタフェースは、パラメータ設定エリアを含み、前記プログラミングインタフェースのプログラミングエリアで前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトをクリックすると、前記ホストは、前記パラメータ設定エリアで対応の選択肢メニューを表示し、前記選択肢メニューは、前記リストにリンクして前記リストにおける記述データを前記オブジェクトパラメータに設定する、請求項9に記載のディスプレイ装置のプログラミングシステム。
【請求項13】
前記ホストは、前記GUIプロファイルにより生成された前記GUI、及び前記少なくとも一つのノード装置に対応するシミュレーション入力インタフェースを含むシミュレータを前記スクリーンで表示し、
前記シミュレーション入力インタフェースによりシミュレーション入力データが生成され、前記ホストは、前記シミュレーション入力データに基づいて、前記シミュレータにおけるグラフィックスオブジェクトをそのオブジェクトパラメータに基づき対応的に表示させる、請求項9に記載のディスプレイ装置のプログラミングシステム。
【請求項14】
前記ホストは、前記少なくとも一つのノード装置に対応するテスト入力インタフェースを含むテスタを前記スクリーンで表示し、前記テスト入力インタフェースによりテスト入力データが生成され、前記ホストは、前記テスト入力データを前記第一伝送モジュールを介して出力する、請求項9に記載のディスプレイ装置のプログラミングシステム。
【請求項15】
前記ディスプレイ装置は、少なくとも一つの汎用入出力ピンを含み、利用者は、前記ホストを操作して、少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトを前記少なくとも一つの表示ページに配置し、前記少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクトのオブジェクトパラメータを設定し、前記オブジェクトパラメータは、指定された前記少なくとも一つの汎用入出力ピンに対応し、
前記ホストは、前記プログラミングエリアにおける前記少なくとも一つの表示ページ、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト、前記少なくとも一つの入力グラフィックスオブジェクトに基づいて、対応の前記GUIプロファイルを生成し、前記GUIプロファイルは、前記少なくとも一つの表示ページと、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト及びそのオブジェクトパラメータと、前記入力グラフィックスオブジェクト及びそのオブジェクトパラメータとを含む、請求項9に記載のディスプレイ装置のプログラミングシステム。
【請求項16】
前記ディスプレイ装置の前記マイクロコントローラは、少なくとも一つの汎用入出力ピンを含み、利用者は、前記ホストを操作して、
少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトを前記少なくとも一つの表示ページに配置し、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトのオブジェクトパラメータを設定し、前記オブジェクトパラメータは、指定された前記少なくとも一つの汎用入出力ピンに対応し、
前記ホストは、前記プログラミングエリアにおける前記少なくとも一つの表示ページ、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト、前記少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクトに基づいて、前記GUIプロファイルは、前記少なくとも一つの表示ページと、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト及びそのオブジェクトパラメータと、前記入力グラフィックスオブジェクト及びそのオブジェクトパラメータとを含む対応の前記GUIプロファイルを生成する、
請求項9に記載のディスプレイ装置のプログラミングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信バスに接続されるディスプレイ装置に関し、特にディスプレイ装置のプログラミング方法及びプログラミングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のディスプレイ装置は、コントロールシステムに接続され、コントロールシステムに係る情報を表示して関係者に見せるために用いられている。例として、車載ディスプレイ装置は、車載コントロールシステムに接続され、且つコントロールシステムと通信することによって、コントロールシステムにおける各ノード装置に係る情報、例えば、車速、油温、バッテリ残量等情報を取得し、且つグラフィックスオブジェクトで表示する。通常、ディスプレイ装置は、コントロールシステムのノード装置との間に、通信バス、例えば、CAN-bus通信バスを介して通信していて、CAN-bus通信プロトコルが優れた耐ノイズ性を有しているため、通信の安定性を向上できる。
【0003】
しかしながら、ディスプレイ装置におけるグラフィックスオブジェクトとコントロールシステムのノード装置との間の相関性を指定するように、利用者は、ディスプレイ装置のマイクロコントローラに対してプログラムコードを作成する必要がある。プログラムコード及びグラフィックスオブジェクトのデコード規則に慣れていない利用者にとっては、プログラムコードを作成するのにかなり多い時間がかかるため、悪い作業効率をきたす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明は、利用者がディスプレイ装置におけるGUIを便利にプログラミングできるディスプレイ装置のプログラミング方法及びプログラミングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に提供されるディスプレイ装置のプログラミング方法は、プログラミングシステム及びディスプレイ装置に適用され、前記プログラミングシステムは、ホストと、スクリーンと、第一伝送モジュールとを含み、前記ディスプレイ装置は、マイクロコントローラと、第二伝送モジュールと、ディスプレイモジュールを含み、前記第一伝送モジュールと前記第二伝送モジュールは、CAN-busまたはRS-485である通信バスに基づき、
前記プログラミング方法は、
前記ホストが、少なくとも一つのノード装置に係る少なくとも一つの記述データを含む装置記述ファイルを読み込み、前記少なくとも一つの記述データは、装置識別コード、メッセージ名称及び信号名称を含むステップと、
前記ホストが、前記装置記述ファイルを解析して、前記少なくとも一つのノード装置に係る前記少なくとも一つの前記記述データにおける前記装置識別コードと、前記メッセージ名称及び前記信号名称を取得するステップと、
前記ホストが、少なくとも一つの表示ページを有するプログラミングエリアを含むプログラミングインタフェースをスクリーンで表示するステップと、
オブジェクト設置のステップを実行し、前記オブジェクト設置のステップにおいて、
少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトを前記少なくとも一つの表示ページに配置し、且つ前記少なくとも一つのノード装置に係る前記少なくとも一つの記述データを含む前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトのオブジェクトパラメータを設定することを含むステップと、
前記ホストが、前記プログラミングエリアにおける前記少なくとも一つの表示ページと前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトに基づいて、前記少なくとも一つの表示ページと、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト及びそのオブジェクトパラメータを含む対応のGUIプロファイルを生成するステップと、
前記第一伝送モジュールが前記第二伝送モジュールと接続された後、前記ホストが、前記GUIプロファイルを前記第一伝送モジュールと前記第二伝送モジュールを介して、前記マイクロコントローラに伝送するステップと、
前記マイクロコントローラが、前記GUIプロファイルを記憶モジュールに書き込むステップと、前記マイクロコントローラは、前記記憶モジュールに書き込まれた前記GUIプロファイルに基づいて、前記少なくとも一つの表示ページ及び前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトを含む対応のGUIを前記ディスプレイモジュールで表示し、且つ前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトがそのオブジェクトパラメータを介して、前記少なくとも一つのノード装置に対応するステップと、を含む、ディスプレイ装置のプログラミング方法。
【0006】
本発明に提供されるプログラミングシステムは、第二伝送モジュールを含むディスプレイ装置に接続するのに用いられ、前記第二伝送モジュールがCAN-bus或RS-485である通信バスに基づき、前記プログラミングシステムは、ホストと、スクリーンと、第一伝送モジュールを含み、前記ホストは、前記スクリーンと前記第一伝送モジュールを電気的に接続し、且つ前記第一伝送モジューは、着脱可能に前記第二伝送モジュールに接続され、前記プログラミングシステムにおいて、
前記ホストは、少なくとも一つのノード装置に係る少なくとも一つの記述データを含む装置記述ファイルを読み込み、前記少なくとも一つの記述データは、装置識別コード、メッセージ名称及び信号名称を含み、前記ホストは、前記装置記述ファイルを解析して、前記少なくとも一つの記述データの前記装置識別コード、前記メッセージ名称及び前記信号名称を取得し、
前記ホストは、アプリケーションを実行し、且つ少なくとも一つの表示ページを有するプログラミングエリアを含むプログラミングインタフェースを前記スクリーンで表示し、利用者は、前記ホストを操作して、少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトを前記少なくとも一つの表示ページに配置し、且つ前記少なくとも一つのノード装置に係る前記少なくとも一つの記述データを含む前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトのオブジェクトパラメータを設定でき、
前記ホストは、前記プログラミングエリアにおける前記少なくとも一つの表示ページと前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクトに基づいて、前記少なくとも一つの表示ページと、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト及びそのオブジェクトパラメータを含む対応のGUIプロファイルを生成し、
前記ホストは、前記第一伝送モジュールを介して前記GUIプロファイルを出力する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の効果は、利用者は、予め作成できた装置記述ファイルを前記ホストに導入し、且つ前記ホストを利用してディスプレイ装置に必要なグラフィックスオブジェクトをプログラミングすることで、GUIを形成できるため、利用者は、GUIを便利にプログラミングし、且つGUIをプログラミングするのにかかる時間を節約できることにある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一の好ましい実施例に係るプログラミングシステム及びディスプレイ装置のシステム構成図である。
図2】本発明の第一の好ましい実施例に係るディスプレイ装置が通信バスを経由してノード装置に接続する模式図である。
図3】本発明の第一の好ましい実施例に係るディスプレイ装置のプログラミング方法のフローチャートである。
図4】本発明の第一の好ましい実施例に係るプログラミングシステムのスクリーンに表示されたプログラミングインタフェースの模式図である。
図5】本発明の第一の好ましい実施例に係るプログラミングシステムのスクリーンに表示されたプログラミングインタフェースのパラメータ設定の模式図である。
図6】本発明の第一の好ましい実施例に係るディスプレイ装置のディスプレイモジュールに表示された対応のGUIの模式図である。
図7】本発明の第一の好ましい実施例に係るプログラミングシステムのスクリーンに表示されたシミュレータの模式図である。
図8】本発明の第一の好ましい実施例に係るプログラミングシステムのスクリーンに表示されたテスタの模式図である。
図9】本発明の第二の好ましい実施例に係るプログラミングシステム及びディスプレイ装置のシステム構成図である。
図10】本発明の第二の好ましい実施例に係るプログラミングシステムのスクリーンに表示されたプログラミングインタフェースの模式図である。
図11】本発明の第二の好ましい実施例に係るプログラミングシステムのスクリーンに表示されたプログラミングインタフェースの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明をより明確に説明するために、好ましい実施例を挙げ、図面に合わせて以下に詳細に説明する。図1を参照して、本発明の第一の好ましい実施例に係るディスプレイ装置のプログラミング方法に適用されたプログラミングシステム10及びディスプレイ装置20のシステム構成図である。前記ディスプレイ20装置は、車両、工作機械などの分野に適用できる組込みシステムであり、例えば、車載用ディスプレイ装置、工作機械用ディスプレイ装置であってよい。
【0010】
前記プログラミングシステム10は、ホスト12と、スクリーン14と第一伝送モジュール16とを含む。前記ホスト12は、例えば、コンピューターホストであり、その内部にファイルを記憶するための記憶装置(例えば、ハードディスク)を有する。前記ホスト12は、利用者が前記ホスト12を操作するための入力モジュール18が接続され、前記入力モジュール18は、マウス、またはキーボードである。前記スクリーン14と通信バスに基づく前記第一伝送モジュール16は、前記ホスト12に接続され、前記通信バスは、例としてCAN-busであるが、これに限定されることなく、他の通信バス、例えばRS-485であってもよい。前記第一伝送モジュール16は、前記ホスト12と前記通信バスとの間の信号を変換するための信号変換器であり得る。
【0011】
前記ディスプレイ装置20は、マイクロコントローラ22と、第二伝送モジュール24と、ディスプレイモジュール26とを含む。前記マイクロコントローラ22は、前記第二伝送モジュール24と前記ディスプレイモジュール26を電気的に接続し、前記第二伝送モジュール24は、前記通信バスに基づき、着脱可能に第一伝送モジュール16に電気的に接続される。前記マイクロコントローラ22は、記憶モジュール28に電気的に接続され、本実施例において、前記記憶モジュール28は、例としてフラッシュメモリであるが、これに限定されることなく、他の固体記憶装置、例えば、ソリッドステートディスク(SSD)であってもよい。本実施例において、前記記憶装置28は、例として、前記マイクロコントローラ22内に内蔵されているが、これに限定されることなく、前記マイクロコントローラ22外に独立していてもよい。前記記憶モジュール28は、前記マイクロコントローラ22により実行されるプログラムコードを記憶するプログラムセクションと、例えば、前記ディスプレイモジュールにおける画像、グラフィックスオブジェクトのファイル、オブジェクトパラメータ等のデータを記憶するデータセクションと、を有する。前記ディスプレイモジュール26は、例えば、タッチディスプレイであり得る。
【0012】
前記第二伝送モジュール24と前記第一伝送モジュール16との接続が切断された後、前記ディスプレイ装置20は、独立で操作できる。例を挙げれば、図2を参照して、前記ディスプレイ装置20の第二伝送モジュール24は、前記通信バス30を経由して他の少なくとも一つのノード装置32に電気的に接続し、通信できる。
【0013】
上記の構成によって、本実施例に係るディスプレイ装置20のプログラミング方法を実施でき、前記方法は、図3に示す以下のステップを含み、
ステップS11では、前記ホスト12は、少なくとも一つのノード装置32に係る少なくとも一つの記述データを含む装置記述ファイルを読み込み、前記少なくとも一つの記述データは、装置識別コード、メッセージ名称及び信号名称を含む。
【0014】
本実施例において、前記記述ファイルは、DBCファイル(CAN database file、CANデータベースファイル)を例として、DBCファイルは、CAN-busで伝送されるCAN ID、メッセージ名称、信号名称、変換割合、定義などの各種の物理信号に関する情報を含む単純なASCIIテキストファイルであり、CANの生データを意味のある物理値にデコードし、且つ異なるCAN IDをそれに対応する信号にマッピングするために利用できる。換言すれば、DBCファイルは、CAN-busメッセージのペイロード(Payload)を物理値に変換するために必要な情報を提供している。利用者は、既知のDBCエディターを介して、DBCファイルを作成、編集できる。
【0015】
ステップS12では、前記ホスト12は、前記装置記述ファイルを解析して、前記少なくとも一つノード装置32に対応する前記少なくとも一つの記述データの前記装置識別コートと、前記メッセージ名称及び前記信号名称を取得する。
【0016】
例を挙げれば、下記の表一に示すように、前記ホスト12がDBCファイルから解析できた一つの記述データ例であり、一つのノード32の装置識別コード(CAN ID)と、メッセージ名称(Message Name)と、信号名称(Signal Name)及びスタートビット(Start Bit)、長さ(Length)、係数(Factor)、オフセット(Offset)及び単位(Unit)を含むデコード情報を含み、すなわち、記述データが信号のデコード規則である。
【0017】
【表1】
【0018】
前記ホスト12は、解析により得た一つまたは複数の記述データをリストに記録する。
ステップ13では、前記ホスト12は、少なくとも一つの表示ページ36を有するプログラミングエリア342を含むプログラミングインタフェース34(図4を参照)を前記スクリーン14で表示する。
【0019】
本実施例において、前記ホスト12は、プログラミングインタフェース34を表示するように、前記ディスプレイ装置20をプログラミングするアプリケーションを実行する。利用者は、前記プログラミングインタフェース34において少なくとも一つの表示ページ36を新たに追加できる。図4において、四つの表示ページのうちの一つであり、他の表示ページは、対応のページタグ38によって表示を切り替えられる。
【0020】
本実施例において、前記プログラミングインタフェース34は、オブジェクトエリア344とパラメータ設定エリア346をさらに含む。前記オブジェクトエリア344は、利用者により表示したい対象グラフィックスオブジェクトとして選択されることができる複数の所定のグラフィックスオブジェクト40を有する。前記パラメータ設定エリアは、設定したい対象グラフィックスオブジェクトのパラメータを表示するために用いられる。
【0021】
ステップS14では、オブジェクト設置のステップを実行し、前記オブジェクト設置のステップにおいて、
図5に合わせて、少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト56を表示ページ36に配置し、且つ少なくとも一つのノード装置32に係る少なくとも一つの記述データを含む前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト56のオブジェクトパラメータを設定することを含む。
【0022】
本実施例において、利用者は、前記ホスト12を操作して、前記オブジェクトエリア344から採用したい少なくとも一つの所定のグラフィックスオブジェクト40を選択して、前記プログラミングエリア342の表示ページ36における所定の位置にドラッグして、グラフィックスオブジェクト56が形成される。図5においては、複数の所定グラフィックスオブジェクト40を前記表示ページ36における異なる所定の位置にドラッグして、複数のグラフィックスオブジェクト56が形成される。
【0023】
利用者は、前記プログラミングインタフェース34の前記プログラミングエリア342において、マウスポインター42で任意の一つのグラフィックスオブジェクト56をクリックすると、前記ホスト12は、選択されたグラフィックスオブジェクトに対して設定可能な複数のパラメータ選択肢44をパラメータ設定エリア346で表示する。これらのパラメータ選択肢は、オブジェクト名称選択肢46、メッセージ名称選択肢48、信号名称選択肢50、及び既定値選択肢52を含み、前記メッセージ名称選択肢48と前記信号名称選択肢50を選択した場合、前記ホスト12は、前記パラメータ設定エリア346で対応の選択肢メニュー58、例えば、プルダウンメニューを表示し、前記選択肢メニュー58は、この記述データまたはこれらの記述データを記録するリストにリンクし、利用者は、リストにおける対応の記述データを選択し、前記ホスト12は、利用者に選択された記述データを選択されたグラフィックスオブジェクト56のオブジェクトパラメータに設定する。
【0024】
これらのパラメータ選択肢44は、位置調整選択肢54をさらに含み、利用者は、前記位置調整選択肢54のX及びYの値を設定でき、さらに前記グラフィックスオブジェクト56のオブジェクト位置を微調整できる。位置調整をする必要がなければ、前記グラフィックスオブジェクト56の所定の位置を前記オブジェクト位置とする。その後、前記ホスト12は、選択されたグラフィックスオブジェクト56が前記表示ページ36における前記オブジェクト位置を記録する。
【0025】
ステップS15では、前記ホスト12は、前記プログラミングエリア342における表示ページ36と前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト56に基づいて、前記表示ページ36と、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト56及びそのパラメータを含む対応のGUIプロファイルを生成する。
【0026】
本実施例において、前記ホスト12に生成された前記GUIプロファイルは、各前記グラフィックスオブジェクト56のオブジェクト位置に関するデータをさらに含む。
【0027】
本実施例において、前記ホスト12は、前記GUIプロファイルをファイル圧縮して、そのファイルのサイズを削減でき、ここのファイル圧縮は、画像の画面に対するロッシ圧縮またはロスレス圧縮の代わりに、GUIプロファイルの全体を一つまたは複数の圧縮ファイル、例えば、Zip、RAR、7zファイル等に圧縮するものである。
【0028】
その後、ディスプレイ装置20に対するプログラミングをする場合、プログラミングしたい対象ディスプレイ装置20の第二伝送モジュール24とプログラミングシステム10の第一伝送モジュール16を物理的なラインで接続する。
【0029】
ステップS16では、前記第一モジュール16が前記第二伝送モジュール24と接続された後、前記ホスト12は、前記GUIプロファイルを前記第一伝送モジュール16と前記第二伝送モジュール24を介して前記マイクロコントローラ22に伝送する。
【0030】
本実施例において、前記第一伝送モジュール16と前記第二伝送モジュール24は、CAN-busの伝送帯域幅が約1MbpsであるCAN-busに基づいて通信しているから、前記GUIプロファイルの伝送時間を削減するために、前記ホスト12は、前記GUIプロファイルの圧縮ファイルを前記第一伝送モジュール16と前記第二伝送モジュール24を介して前記マイクロコントローラー22に伝送する。これによって、データの伝送時間を削減できる。実務上、伝送帯域幅の制限が考慮されない場合、圧縮されない前記GUIプロファイルを伝送してもよい。
【0031】
ステップS17では、前記マイクロコントローラ22は、前記GUIプロファイルを記憶モジュール28に書き込む。前記マイクロコントローラ22は、前記記憶モジュール28に書き込まれた前記GUIプロファイルに基づいて、前記ディスプレイモジュール26で対応のGUI60(図6を参照)を表示し、前記GUI60は、前記少なくとも一つの表示ページ36及び前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト56を含み、且つ前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト56は、そのオブジェクトパラメータを介して前記少なくとも一つのノード装置32に対応する。
【0032】
本実施例において、前記マイクロコントローラ22は、前記GUIプロファイルの圧縮ファイルを解凍した後、前記記憶モジュール28のデータセクションに書き込み、且つGUIプロファイルに基づいて前記ディスプレイモジュール26で対応のGUI60を表示する。前記マイクロコントローラ22は、前記ディスプレイモジュール26で前記GUI60を表示する場合、各前記オブジェクト位置に関するデータに基づいて各前記グラフィックスオブジェクト56を前記表示ページ36に配置する。
【0033】
前記第二伝送モジュール24と第一伝送モジュール16の間の接続が切断された後、前記ディスプレイ装置20は、独立で操作して、前記GUI60を表示できる。
【0034】
また図2に示すように、後続の適用において、前記ディスプレイ20は、前記通信バス30を経由して他の各ノード装置32に電気的に接続し、通信する。前記ディスプレイ装置20のマイクロコントローラ22は、第二伝送モジュールを介して、CANの生データ(Row data)を受信した場合、例えば、装置識別コード(CAN ID):「0X181」、データビット群:「FF FF FF 80 3E FF FF FF」の場合、前記マイクロコントローラ22は、DBCファイルから解析できた記述データ(表一の通り)により設定して得たオブジェクトパラメータによって、定義された少なくとも一つの式に合わせて物理値を算出し、式は前記マイクロコントローラ22のプログラムコードにより実行できる。例えば、下記の式(1)で物理値(physical_value)を算出する。
physical_value=Offset+Factor×row_value_dec(1)
【0035】
ここで、Offset及びFactorは、それぞれオフセット及び係数であり、row_value_decは、オブジェクトパラメータによってCANの生データから取得された0X3E80の十進数(すなわち、16000)である。式(1)で計算して、
physical_value=0+0.125×16000=2000が得られた。
【0036】
これによって、前記マイクロコントローラ22は、表一の記述データに対応するオブジェクトパラメータに基づいてCANの生データをデコードしたデコード結果は、下記の表二に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
そこで、前記マイクロコントローラ22は、デーコード結果を対応のグラフィックスオブジェクトに表示でき、例えば、グラフィックスオブジェクト56の指針の位置を示す物理値を変更することで、前記GUI60におけるグラフィックスオブジェクト56は、ノード装置32から発信された信号に対応して表示できる。実務上、CAN openプロトコルのオブジェクトディクショナリー(Object Dictionary)の方式を採用して、対応のグラフィックスオブジェクト56にデコードした結果の物理値を図形または数値で表示できる。
【0039】
なお、本実施例において、ステップS16の前に、利用者が設定されたGUIをシミュレーションするように、ステップ15で生成された前記GUIプロファイルに基づいて前記スクリーン14で前記GUI60を表示するシミュレーションステップをさらに含んでもよい。
【0040】
より具体的にいえば、前記シミュレーションステップは、
前記ホスト12は、GUIプロファイルに基づいて生成された前記GUI60、及び前記少なくとも一つのノード装置32に対応するシミュレーション入力インタフェース62を含むシミュレータ(図7を参照)を前記スクリーン14で表示するステップと、
図7において、フォーマットが通信バスの生データ(CANの生データ)であるシミュレーション入力データを生成するために、スライダーバーを例としての二つのシミュレーション入力インタフェース62を表示するステップと、
前記ホスト12は、前記シミュレーション入力データに基づいて、前記シミュレータにおけるグラフィックスオブジェクト56をそのオブジェクトパラメータに基づき対応的に表示させ、すなわち、オブジェクトパラメータでシミュレーション入力データをデコードして、且つそのデコード結果を対応のグラフィックスオブジェクト56に表示させるステップと、を含む。
【0041】
なお、本実施例において、ステップS17の後に、利用者は前記ディスプレイ装置20に表示されたGUI60をテストするためのテストステップをさらに含んでもよい。
【0042】
より具体的に言えば、前記テストステップは、
前記ホスト12が、少なくとも一つのノード装置32に対応するテスト入力インタフェース64を含むテスター(図8を参照)をスクリーン14で表示するステップと、
図8において、フォーマットが通信バスの生データ(CANの生データ)であるテスト入力データを生成するために、スライダーバーを例としての二つのテスト入力インタフェース64を表示するステップと、
前記ホスト12が、前記テスト入力データを前記第一伝送モジュール16と前記第二伝送モジュール24を介して前記マイクロコントローラグ22に伝送し、前記マイクロコントローラ22は、受信した前記テスト入力データーに基づいて、前記ディスプレイモジュール26におけるGUI60のグラフィックスオブジェクト56を対応的に表示させ、すなわち、前記マイクロコントローラ22は、各オブジェクトパラメータでテスト入力データをデコードして、且つ対応のグラフィックスオブジェクト56にそのデコード結果を図形及び/または数値で表示させるステップと、を含む。
【0043】
本実施例に係るプログラミング方法及びプログラミングシステム10によって、利用者は、予め作成できた装置記述ファイルを前記ホスト12に導入し、且つ前記ホスト12を利用してディスプレイ装置に必要なグラフィックスオブジェクトをプログラミングすることで、GUIが形成されるとともに、GUIプロファイルをディスプレイ装置20に伝送できるため、グラフィックスオブジェクト56とノード装置32の装置識別コードとを相関させる目的を効果的に達成し、利用者はGUI60を便利にプログラミングできる。
【0044】
図9は、本発明の第一実施例のシステム構成に基づく第二の好ましい実施例に係るディスプレイ装置のプログラミング方法に適用されたプログラミングシステム10及びディスプレイ装置20′のシステム構成図であり、前記ディスプレイ装置20′の前記マイクロコントローラ22は、少なくとも一つの汎用入出力(GPIO)ピン222を含み、前記汎用入出力(GPIO)ピン222は、出力素子または入力素子(図示せず)に接続するために用いられ、前記出力素子は例えば、スイッチ、センサーであり、前記入力素子は、例えば、LED(発光ダイオード)、ランプ、ブザーまたはアクチュエータである。本実施例においては、複数の汎用入出力ピン222である。
【0045】
第一実施例に基づく本実施例のディスプレイ装置20′のプログラミング方法は、ステップS14における前記オブジェクト設置のステップにおいて、入力グラフィックスオブジェクト設置のステップ及び/または出力グラフィックスオブジェクト設置のステップをさらに含み、前記入力グラフィックスオブジェクト設置のステップと前記出力グラフィックスオブジェクト設置のステップは、選択的なステップとして、利用者の選択によって実行される。図10に示すように、オブジェクトエリア344には、複数の所定の入力グラフィックスオブジェクト66(例えば、指示灯の画像)と複数の所定の出力グラフィックスオブジェクト68(例えば、スイッチの画像)とを有する。
【0046】
前記入力グラフィックスオブジェクト設置ステップにおいて、次のステップを含む。
【0047】
少なくとも一つの入力グラフィックスオブジェクト70を前記少なくとも一つの表示ページに配置し、前記少なくとも一つの入力グラフィックスオブジェクト70の入力オブジェクトパラメータを設定し、前記オブジェクトパラメータは、指定された前記少なくとも一つの汎用入出力ピン222に対応する。
【0048】
図10に示すように、利用者は、利用したい所定の入力グラフィックスオブジェクト66(例えば、指示灯)をクリックし、前記表示ページ36にドラッグして、入力グラフィックスオブジェクト70が形成される。表示ページ36は、新たな表示ページ72または第一実施例の表示ページ36であり得る。
【0049】
前記ホスト12は、選択された所定の入力グラフィックスオブジェクト66に対して設定可能な複数のパラメータ選択肢74を前記パラメータ設定エリアで表示する。これらのパラメータ選択肢74は、オブジェクト名称選択肢46、ピン選択肢78及びモード選択肢80を含み、前記ピン選択肢78と前記モード選択肢80を選択した場合、前記ホスト12は、前記パラメータ設定エリア346で対応の選択肢メニュー82、例えば、プルダウン選択肢メニューを表示し、前記選択肢メニュー82は、入出力リストにリンクして、利用者は、前記入出力リストにおける対応のピンデータを選択し、例えば、ピン選択肢78は、GPIO-1を選択すると、第一の汎用入出力ピンを指定することを示し、モード選択肢80は、input(入力)を選択すると、入力モード選択肢であることを示す。前記ホスト12は、利用者による選択されたピンデータを選択された入力グラフィックスオブジェクト70の入力オブジェクトパラメータに設定する。これらのパラメータ選択肢74は、さらに位置調整選択肢84を含む。
【0050】
その後、ステップS15において、前記ホスト12は、前記プログラミングエリア342における前記少なくとも一つの表示ページ36と、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト56と、及び前記少なくとも一つの入力グラフィックスオブジェクト70に基づいて、前記少なくとも一つの表示ページ36と、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト56及びそのオブジェクトパラメータと、及び前記少なくとも一つの入力グラフィックスオブジェクト70及びその入力オブジェクトパラメータと、を含む対応の前記GUIプロファイルを生成する。
【0051】
ステップS17において、前記マイクロコントローラ22が前記ディスプレイモジュール26で表示する前記GUI60は、さらに前記入力グラフィックスオブジェクト70を含み、且つ前記少なくとも一つの入力グラフィックスオブジェクト70は、その入力オブジェクトパラメータを介して前記少なくとも一つの汎用入出力ピン222に対応する。
【0052】
例を挙げれば、第一の汎用入出力ピンは,出力素子に接続し、且つ出力素子から出力されたハイレベル電圧またはローレベル電圧が第一の汎用入出力ピンに入力された場合、前記マイクロコントローラ22は、入力オブジェクトパラメータに基づいて、入力グラフィックスオブジェクト70を対応的に表示し、例えば、ハイレベル電圧が入力されると、入力グラフィックスオブジェクト70は点灯と表示され、ローレベル電圧が入力されると、入力グラフィックスオブジェクト70は消灯と表示される。
【0053】
前記出力グラフィックスオブジェクト設置ステップにおいて、次のステップを含む。
少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクト86を前記少なくとも一つの表示ページに配置し、且つ前記少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクト86のオブジェクトパラメータを設定し、前記オブジェクトパラメータは指定された前記少なくとも一つの汎用入出力ピン222に対応する。
【0054】
図11に示すように、利用者は、利用したい所定の出力グラフィックスオブジェクト68(例えば、スイッチ)をクリックし、前記表示ページ72にドラッグして、出力グラフィックスオブジェクト86が形成される。表示ページ36は、新たな表示ページ72または第一実施例の表示ページ36であり得る。
【0055】
前記ホスト12は、選択された所定の出力グラフィックスオブジェクト68に対して設定可能な複数のパラメータ選択肢を前記パラメータ設定エリア346で表示する。これらのパラメータ選択肢は、オブジェクト名称選択肢46、ピン選択肢78及びモード選択肢80を含み、前記ピン選択肢78と前記モード選択肢80を選択した場合、前記ホスト12は、前記パラメータ設定エリア346で対応の選択肢メニュー82、例えば、プルダウン選択肢メニューを表示し、前記選択肢メニュー82は、前記入出力リストにリンクして、利用者は、前記入出力リストにおける対応のピンデータを選択する。例えば、ピン選択肢は、GPIO-2を選択すると、第二の汎用入出力ピンを指定することを示し、モード選択肢は、output(出力)を選択すると、出力モード選択肢であることを示す。前記ホスト12は、利用者による選択されたピンデータを選択された出力グラフィックスオブジェクト86の出力オブジェクトパラメータに設定する。
【0056】
その後、ステップS15において、前記ホスト12は、前記プログラミングエリア342における前記少なくとも一つの表示ページ36と、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト56と、前記少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクト86に基づいて、前記少なくとも一つの表示ページ36と、前記少なくとも一つのグラフィックスオブジェクト56及びそのオブジェクトパラメータと、前記少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクト86及びその出力オブジェクトパラメータとを含む対応の前記GUIプロファイルを生成する。
【0057】
ステップS17において、前記マイクロコントローラ22は、前記ディスプレイモジュール26で表示された前記GUI60は、さらに前記出力グラフィックスオブジェクト86を含み、且つ前記少なくとも一つの出力グラフィックスオブジェクト86は、その出力オブジェクトパラメータを介して前記少なくとも一つの汎用入出力ピン222に対応する。
例を挙げれば、第二の汎用入出力ピンは、入力素子に接続し、利用者が前記ディスプレイモジュール26で前記出力グラフィックスオブジェクト86をクリックすると、前記マイクロコントローラ22は、出力オブジェクトパラメータに基づいて、第二の汎用入出力ピンからハイレベル電圧またはロ―レベル電圧を出力する。これによって、外付けの入力素子の作動を制御できる。
【0058】
同様に、本実施例の入力グラフィックスオブジェクト70または出力グラフィックスオブジェクト86は、位置調整選択肢84に合わせて、そのオブジェクト位置を設定して、表示ページ36で表示してもよい。
【0059】
本実施例のプログラミング方法及びプログラミングシステムによって、利用者は、マイクロコントローラ22の一つまたは複数の汎用入出力ピンと、入力グラフィックスオブジェクト70及び/または出力グラフィックスオブジェクト86との相関をより効果的にプログラミングできる。
【0060】
上述したのは、あくまでも本発明に係る好ましい実施例に過ぎず、本発明説明書及び本特許請求の範囲を利用して為された同等の変更である限り、当然、すべて本発明の特許の範囲内に含まれるものとすべきである。
【符号の説明】
【0061】
10:プログラミングシステム
12:ホスト
14:スクリーン
16:第一伝送モジュール
18:入力モジュール
20、20′:ディスプレイ装置
22:マイクロコントローラ
222:汎用入出力ピン
24:第二伝送モジュール
26:ディスプレイモジュール
28:記憶モジュール
30:通信バス
32:ノード装置
34:プログラミングインタフェース
342:プログラミングエリア
344:オブジェクトエリア
346:パラメータ設定エリア
36:表示ページ
38:ページタグ
40:所定のグラフィックスオブジェクト
42:マウスポインタ
44:パラメータ選択肢
46:オブジェクト名称選択肢
48:メッセージ名称選択肢
50:信号名称選択肢
52:既定値選択肢
54:位置調整選択肢
56:グラフィックスオブジェクト
58:選択肢メニュー
60:GUI(Graphical User Interface、グラフィカルユーザインタフェース)
62:シミュレーション入力インタフェース
64:テスト入力インタフェース
66:所定の入力グラフィックスオブジェクト
68:所定の出力グラフィックスオブジェクト
70:入力グラフィックスオブジェクト
72:表示ページ
74:パラメータ選択肢
76:オブジェクト名称選択肢
78:ピン選択肢
80:モード選択肢
82:選択肢メニュー
84:位置調整選択肢
86:出力グラフィックスオブジェクト
S11~S17:ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11