(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132947
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】裏面静電気除去機能付きレチクルポッド
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20240920BHJP
G03F 1/66 20120101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L21/68 T
G03F1/66
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024035198
(22)【出願日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】63/452,967
(32)【優先日】2023-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
(72)【発明者】
【氏名】荘 家和
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲ユ▼叡
(72)【発明者】
【氏名】薛 新民
【テーマコード(参考)】
2H195
5F131
【Fターム(参考)】
2H195BB30
2H195BE12
2H195CA20
2H195CA22
5F131AA10
5F131AA12
5F131BA13
5F131CA09
5F131CA12
5F131GA12
5F131GA18
5F131GA24
5F131GA32
5F131GA52
5F131GA66
5F131JA04
5F131JA16
5F131JA36
(57)【要約】
【課題】裏面静電気除去機能付きレチクルポッドを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、レチクルを収容するための内側ポッドの収容空間を有する裏面静電気除去機能付きレチクルポッドを提供する。複数の弾性ガイド部材は、内側ポッドの外側取付部にそれぞれ対応して配置され、内側ポッドの内側カバーと内側ベースとを相対的に変位しないようにガイドする。複数の導電性保持具は、収容空間内にそれぞれ対応して配置され、レチクルの裏面に当接して複数の導電性保持具をレチクルの裏面と常時電気的に導通させることで、複数の導電性保持具及び内側ポッドにより確立される静電気の逃がし経路を形成するために用いられる。同時に複数の導電性保持具がレチクルに当接すること及び前記複数の弾性ガイド部材が内側カバーと内側ベースを自動的にガイドすることにより、レチクルは自動的に内側ベースの中心位置に押し込まれる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側ポッドと、前記外側ポッドに収容される内側ポッドとを含むデュアルポッドに適した裏面静電気除去機能付きレチクルポッドであって、前記内側ポッドは、
内側ベースと、
前記内側ベースに結合することで、レチクルを収容するための収容空間を画成し、前記収容空間外にある複数の外側取付部が設けられるように構成される内側カバーと、
前記外側取付部にそれぞれ対応して配置され、前記内側カバーと前記内側ベースとを相対的に変位しないようにガイドする複数の弾性ガイド部材と、
前記収容空間内に設けられ、前記レチクルの裏面と常時電気的に導通させるように、前記レチクルの前記裏面に当接するための複数の導電性保持具とを備え、
前記複数の導電性保持具、前記内側カバー、前記内側ベースにより確立される静電気の逃がし経路を形成する、
前記複数の導電性保持具が前記レチクルに当接すること及び前記複数の弾性ガイド部材が前記内側カバーと前記内側ベースを自動的にガイドすることにより、前記レチクルは自動的に前記内側ベースの中心位置に押し込まれる、
裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項2】
前記複数の導電性保持具のうちの少なくとも1つは、
前記内側カバーの内側に設けられた保持ベース部と、
一端は前記保持ベース部に連結され、他端は前記レチクルの前記裏面を保持する少なくとも1つの傾斜面保持部と
を備える請求項1に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項3】
前記複数の導電性保持具のうちの少なくとも1つは、前記内側ベースの内側に設けられた保持ベース部と、
一端は前記保持ベース部に連結され、他端は前記レチクルの前記裏面を保持する少なくとも1つの弾性保持部と
を備える請求項1に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項4】
前記内側カバーの内側に設けられ、前記レチクルの前記裏面に当接するための少なくとも一つの導電補助部材をさらに備え、
前記複数の導電性保持具と前記導電補助部材は、前記レチクルの前記裏面と同時に常時電気的に導通させることで、前記導電補助部材、前記複数の導電性保持具、前記内側カバー、前記内側ベースにより確立される前記静電気の逃がし経路を形成する請求項1に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項5】
前記内側カバーと前記内側ベースとが結合される2つの隣接側に前記外側取付部が設けられ、前記外側取付部と前記弾性ガイド部材は構造的に適合する請求項1に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項6】
各前記外側取付部は、内側カバー取付部と、内側ベース取付部とを備え、各前記弾性ガイド部材は前記内側カバー取付部及び前記内側ベース取付部に同時に配置され、かつ前記弾性ガイド部材は、
前記内側カバー取付部に固定されたガイドベース部と、
一端は前記ガイドベース部に連結され、他端は前記内側ベース取付部に当接する少なくとも1つの延長部材と
を備える請求項5に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項7】
前記延長部材には、前記内側ベース取付部に当接するための少なくとも1つの凸部がさらに設けられる請求項6に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項8】
前記内側ベース取付部は、少なくとも1つの凹部を含み、前記凹部は前記内側ベース外側の頂縁につながらず、前記延長部材の一部は前記凹部に位置する請求項6に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項9】
外側ポッドと、前記外側ポッドに収容される内側ポッドとを含むデュアルポッドに適した裏面静電気除去機能付きレチクルポッドであって、前記内側ポッドは、
内側ベースと、
前記内側ベースに結合することで、レチクルを収容するための収容空間を画成し、前記収容空間外にある複数の外側取付部が設けられるように構成される内側カバーと、
前記外側取付部にそれぞれ対応して配置され、前記内側カバーと前記内側ベースとを相対的に変位しないようにガイドする複数の弾性ガイド部材と、
前記収容空間内に設けられ、前記レチクルの裏面と常時電気的に導通させるように、前記レチクルの前記裏面に当接するための複数の導電性保持具とを備え、
前記複数の導電性保持具、前記内側カバー、前記内側ベースにより確立される静電気の逃がし経路を形成する、
前記複数の導電性保持具が前記レチクルに当接すること及び前記複数の弾性ガイド部材が前記内側カバーと前記内側ベースを自動的にガイドすることにより、前記レチクルは自動的に前記内側ベースの中心位置に押し込まれ、
前記内側ポッド及び前記内側ポッドに配置された全ての組立体は、静電気散逸性材料で作られ、前記裏面の静電気は前記複数の導電性保持具を介して電気的に導通されることで、前記複数の導電性保持具、前記内側ポッド、前記複数の組立体により確立される静電気の逃がし経路を形成する、
裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項10】
前記複数の導電性保持具のうちの少なくとも1つは、
前記内側カバーの内側に設けられた保持ベース部と、
一端は前記保持ベース部に連結され、他端は前記レチクルの前記裏面を保持する少なくとも1つの傾斜面保持部と
を備える請求項9に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項11】
前記複数の導電性保持具のうちの少なくとも1つは、前記内側ベースの内側に設けられた保持ベース部と、
一端は前記保持ベース部に連結され、他端は前記レチクルの前記裏面を保持する少なくとも1つの弾性保持部と
を備える請求項9に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項12】
前記内側カバーの内側に設けられ、前記レチクルの前記裏面に当接するための少なくとも一つの導電補助部材をさらに備え、
前記導電補助部材と前記複数の導電性保持具は、前記レチクルの前記裏面と同時に常時電気的に導通させることで、前記導電補助部材、前記複数の導電性保持具、前記内側カバー、前記内側ベースにより確立される静電気の逃がし経路を形成するための少なくとも1つの導電補助部材をさらに備える請求項9に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項13】
前記内側カバーと前記内側ベースとが結合される2つの隣接側に前記外側取付部が設けられ、前記外側取付部と前記弾性ガイド部材は構造的に適合する請求項9に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項14】
各前記外側取付部は、内側カバー取付部と、内側ベース取付部とを備え、各前記弾性ガイド部材は前記内側カバー取付部及び前記内側ベース取付部に同時に配置され、かつ前記弾性ガイド部材は、
前記内側カバー取付部に固定されたガイドベース部と、
一端は前記ガイドベース部に連結され、他端は前記内側ベース取付部に当接する少なくとも1つの延長部材と
を備える請求項13に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項15】
前記延長部材には、前記内側ベース取付部に当接するための少なくとも1つの凸部がさらに設けられる請求項14に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項16】
前記内側ベース取付部は、少なくとも1つの凹部を含み、前記凹部は前記内側ベース外側の頂縁につながらず、前記延長部材の一部は前記凹部に位置する請求項14に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項17】
互いに結合されることで、レチクルを収容するための収容空間を画成する内側カバー及び内側ベースと、
前記内側カバー及び前記内側ベースと静電気の逃がし経路を確立し、前記内側カバーと前記内側ベースとが結合された時、前記収容空間内の前記レチクルの裏面に常時当接して、前記レチクルの前記裏面上の電荷を前記静電気の逃がし経路から逃がさせることができるように構成される複数の導電性保持具と、
前記内側カバーの外周に固定され、前記内側カバーと前記内側ベースとが結合された時、前記内側ベースの複数の外側面に当接できるように構成され、これにより前記内側カバー及び前記内側ベースを互いに相対的に変位させないように自動的にガイドされる複数の弾性ガイド部材と
を含む裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項18】
前記複数の導電性保持具は、前記内側カバーの内側に配置され、前記内側カバーの外側に露出していない請求項17に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項19】
各前記弾性ガイド部材は、ガイドベース部と、前記ガイドベース部から下方に延びる一対の延長部材とを含み、前記内側カバーが前記内側ベースに結合されると、前記一対の延長部材は前記内側カバーの外側から下方に延び、前記内側ベースの2つの隣接側に同時に当接し、前記内側カバー及び前記内側ベースを相対的に変位させないように自動的にガイドする請求項17に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【請求項20】
前記ガイドベース部は、前記内側カバーの角部に固定される請求項19に記載の裏面静電気除去機能付きレチクルポッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レチクルキャリア又はレチクルポッドに関し、特に、常時接触で、導電性を有して静電気の逃がし経路を形成するレチクルポッドに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、半導体素子のナノメートルサイズの小型化や電子製品の機能の緻密化において、静電気放電(ESD)による半導体ワークピースへの危害又は潜在的な損傷は、業界関係者が解決に苦労している問題である。特に静電気吸着力による汚染については、静電気力の作用において、静電気によるパーティクルの吸着現象により半導体ワークピース(例:レチクル)の汚染を引き起こし、不良率の増加につながっていた。
【0003】
二重レチクルポッドを例に挙げると、現在の極端紫外線(EUV)リソグラフィ工程において、レチクルはデュアルポッド(極端紫外線レチクルSMIFポッド、EUV POD)で保護する必要があり、従来のデュアルポッドは外側ポッドと内側ポッドがあり、レチクルは内側ポッド内に収容され、内側ポッドは外側ポッド内に収容される。露光機内は低湿度の真空環境のため、レチクルが露光機の真空チャンバー内で露光された後、レチクルの表面及び裏面の金属コーティングに静電気が残留する。現行の内側ポッドは、すでにレチクル表面(FS)静電気散逸の効果を有するが、レチクルの裏面はレチクルが真空チャンバーから出されて外側ポッドを内側ポッドに覆い被せてから導通経路を確立して静電気を散逸することができるため、外側ポッドが内側ポッドを覆い被せる前にレチクルに多量の静電気を蓄積し続けることで、パーティクルがレチクル裏面(Back Side)に吸引されてレチクルを汚染する。なお、現行の二重レチクルポッドの外側ポッドは、内側ポッドのレチクル保持具を押すことができる押圧機構を備えるよう構成され、一度外側ポッドが開けられると、内側ポッドのレチクル保持具を押すことができず、レチクルの変位を制限する機能が失われ、レチクルの表面が内側ポッドのレチクルの支持部材と擦れてパーティクルが発生してレチクルを汚染する可能性がある。
【0004】
したがって、外側ポッドが開けられると、内側ポッドのレチクル保持具がレチクルと接触しなくなり、静電気の逃がし経路が遮断されるという問題、及び外側ポッドが開けられると、内側ポッドのレチクル保持具がレチクルと接触しなくなり、レチクルの変位を制限できなくなるという問題をどのように解決するかが、現在業界が克服しなければならない課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述のレチクル裏面に多量の静電気を蓄積し続けること及びレチクルの変位を制限できないこと等の多くの問題を解決するための裏面静電気除去機能付きレチクルポッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、外側ポッドと、外側ポッドに収容される内側ポッドとからなるデュアルポッドに適した裏面静電気除去機能付きレチクルポッドを提供することであり、内側ポッドは内側ベースと、内側カバーと、複数の弾性ガイド部材と、複数の導電性保持具とを含む。内側カバーは内側ベースを覆い、内側ベースに結合することで、レチクルを収容するため収容空間及び収容空間の外にある複数の外側取付部を画成するよう構成される。複数の弾性ガイド部材は、外側取付部にそれぞれ対応して配置され、内側カバーと内側ベースとを相対的に変位しないようにガイドする。複数の導電性保持具は収容空間内に設けられ、レチクルの裏面と常時電気的に導通させるように前記レチクルの前記裏面に当接して、複数の導電性保持具、内側カバー、内側ベースの静電気の逃がし経路を形成するために用いられる。前記複数の導電性保持具がレチクルに当接すること及び前記複数の弾性ガイド部材が内側カバーと内側ベースを自動的にガイドすることにより、レチクルは自動的に内側ベースの中心位置に押し込まれる。
【0007】
一具体的実施形態において、複数の導電性保持具のうちの少なくとも1つは、内側カバーの内側に設けられた保持ベース部と、一端は保持ベース部に連結され、他端はレチクルの裏面を保持する少なくとも1つの傾斜面保持部とを備える。
【0008】
一具体的実施形態において、複数の導電性保持具のうちの少なくとも1つは、内側ベースの内側に設けられた保持ベース部と、一端は保持ベース部に連結され、他端はレチクルの裏面を保持する少なくとも1つの弾性保持部とを備える。
【0009】
一具体的実施形態において、内蓋の内側に設けられ、レチクルの裏面に当接する少なくとも1つの導電補助部材をさらに備え、導電補助部材と複数の導電性保持具は、レチクルの裏面と同時に常時電気的に導通させることで、導電補助部材、複数の導電性保持具、内蓋、内基台により確立される静電気の逃がし経路を形成するための少なくとも1つの導電補助部材をさらに備える。
【0010】
一具体的実施形態において、内側カバーの内側ベースに結合した2つの隣接側に外側取付部が設けられ、外側取付部と弾性ガイド部材は構造的に適合する。
【0011】
一具体的実施形態において、各外側取付部は、内側カバー取付部と、内側ベース取付部とを備え、各弾性ガイド部材は内側カバー取付部及び内側ベース取付部に同時に配置され、内側カバー取付部に固定されたガイドベース部と、一端はガイドベース部に連結され、他端は内側ベース取付部に当接する少なくとも1つの延長部材とを備える。
【0012】
一具体的実施形態において、延長部材には、内側ベース取付部に当接するための少なくとも1つの凸部がさらに設けられる。
【0013】
一具体的実施形態において、内側ベース取付部は、少なくとも1つの凹部を含み、凹部は内側ベース外側の頂縁につながらず、延長部材の一部は凹部に位置する。
【0014】
本発明の別の目的は、外側ポッドと、外側ポッドに収容される内側ポッドとからなるデュアルポッドに適した裏面静電気除去機能付きレチクルポッドを提供することであり、内側ポッドは内側ベースと、内側カバーと、複数の弾性ガイド部材と、複数の導電性保持具とを含む。内側カバーは内側ベースを覆い、内側ベースに結合することで、レチクルを収容するため収容空間及び収容空間外にある複数の外側取付部を画成するよう構成される。複数の弾性ガイド部材は、外側取付部にそれぞれ対応して配置され、内側カバーと内側ベースとを相対的に変位しないようにガイドする。複数の導電性保持具は収容空間内に設けられ、レチクルの裏面と常時電気的に導通させるように、レチクルの裏面に当接して、複数の導電性保持具、内側カバー、内側ベースの静電気の逃がし経路を形成するために用いられる。前記複数の導電性保持具がレチクルに当接すること及び前記複数の弾性ガイド部材が内側カバーと内側ベースを自動的にガイドすることにより、レチクルは自動的に内側ベースの中心位置に押し込まれる。内側ポッド及び内側ポッドに配置された全ての組立体は、静電気散逸性材料で作られ、裏面の静電気は複数の導電性保持具を介して電気的に導通されることで、複数の導電性保持具、内側ポッド、全ての組立体により確立される静電気の逃がし経路を形成する。
【0015】
上記実施形態によれば、内側ポッドは、外側ポッド又はその他の外力の補助を必要とせず、内側カバーを内側ベースに覆い被せるだけで内側ポッド自体が静電気の逃がし経路を確立できる。すなわち、外側ポッドの外側カバーが閉じられていない場合でも、内側カバー上の導電性保持具或いは弾性ガイド部材が静電気の逃がし経路を自ら確立して、レチクルの裏面に存在する静電気を除去することができ、レチクルの表面(Front Side)にはパターンがあり、裏面は表面の反対側にある。
【0016】
上記実施形態によれば、内側ポッドは、外側ポッド又はその他の外力の補助を必要とせず、内側カバーを内側ベースに覆い被せるだけで導電性保持具がレチクルの移動を制限することができ、弾性ガイド部材は内側カバーと内側ベース間の相対変位を制限し、導電性保持具と弾性ガイド部材の構造的構成により、収容空間に収容されたレチクルを内側ベースの中心位置に自動的にガイドすることもできる。本発明は、外側ポッドを開けることにより、レチクルへの保持機能が失われ、レチクルが内側ポッドの内部と擦れてパーティクルが発生してレチクルを汚染するという問題を確実に解決することができる。
【0017】
本発明の別の目的は、内側カバーと、内側ベースと、複数の導電性保持具と、複数の弾性ガイド部材とを含む裏面静電気除去機能付きレチクルポッドを提供することである。内側カバーと内側ベースは、互いに結合されることで、レチクルを収容するための収容空間を画成する。前記複数の導電性保持具は、前記内側カバー及び前記内側ベースと静電気の逃がし経路を確立し、且つ前記複数の導電性保持具は前記内側カバーと前記内側ベースとが結合された時、前記収容空間内のレチクルの裏面に常時当接して、前記レチクルの裏面上の電荷を前記静電気の逃がし経路から逃がさせることができるように構成される。前記複数の弾性ガイド部材は、前記内側カバーの外周に固定され、前記複数の導電性保持具は前記内側カバーと前記内側ベースとが結合された時、前記内側ベースの複数の外側面に当接できるように構成され、これにより前記内側カバー及び前記内側ベースを互いに相対的に変位させないように自動的にガイドされる。
【0018】
上記実施形態によれば、前記複数の導電性保持具は、前記内側カバーの内側に配置され、前記内側カバーの外側に露出していない。
【0019】
上記実施形態によれば、各前記弾性ガイド部材は、ガイドベース部と、前記ガイドベース部から下方に延びる一対の延長部材とを含み、前記内側カバーが前記内側ベースに結合されると、前記對延長部材は前記内側カバーの外側から下方に延び、前記内側ベースの2つの隣接側に同時に当接し、前記内側カバー及び前記内側ベースを相対的に変位させないように自動的にガイドする。
【0020】
上記実施形態によれば、前記ガイドベース部は、前記内側カバーの角部に固定される。
【0021】
本発明をよりよく理解するため、以下の図面及び説明を参照することができる。以下の図面を参照しつつ、非限定的かつ非網羅的な実施形態を説明する。図面中の構成要素は必ずしも実際のサイズに描かれているわけではなく、構造及び原理の説明に焦点を合わせて描かれていることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明のデュアルポッドの分解側面図である。
【
図4】本発明の内側ポッドの内側カバーの底面図である。
【
図5】本発明の半導体ワークピース(例えばレチクル)を収容した内側ポッドの概略図である。
【
図7】本発明の導電性保持具の立体図(内側ポッドの内側カバーは省略されている)である。
【
図8】
図7の導電性保持具が半導体ワークピースに当接している様子を示す概略図である。
【
図9】別の角度から見た
図8の導電性保持具が半導体ワークピースに当接している様子を示す概略図である。
【
図10】導電性保持具の他の変形例の立体図である。
【
図12】本発明の追加された導電補助部材の概略図である。
【
図13】本発明の導電性保持具が半導体ワークピースに当接する前の様子を示す概略図である。
【
図14】
図13の導電性保持具が半導体ワークピースに当接した後の様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下は、図面を参照しつつ本発明をより完全に説明し、かつ特定の実施形態を例示する。しかし、請求された主題は、様々な異なる形態で具体的に実施され得、したがって、カバー又は出願の請求する主題の構成は、本明細書に開示された具体的実施形態に限定されない。具体的実施形態は、単なる例示である。同様に、本発明は、出願又はカバーされる請求の主題に対して合理的に広い範囲を提供することを意図している。なお、本発明における図面と例示は通常、尺度で描かれておらず、実際の相対的なサイズに対応することを意図したものではない。
【0024】
一貫性と分かりやすい目的のため、例示的な図面では符号により同一の特徴を示している(ただし、いくつかの例ではこのように示されていない)。しかしながら、異なる実施形態における特徴は他の態様で異なる場合があるため、図面に示される特徴に狭く限定されるべきではない。 本発明の明細書及び上記の図面における用語「第1」及び「第2」は、要素を区別するために使用され、必ずしも特定の順番を記述するために使用されているのではない。
【0025】
図1を参照すると、
図1は本発明のデュアルポッドの分解側面図を示す。レチクルポッド1は、外側ポッド10と、外側ポッド10に収容される内側ポッド20とからなるデュアルポッドである。本実施形態において、デュアルポッドは、極端紫外線レチクルSMIFポッド(EUV POD)のデュアルレチクルポッドであってもよいが、ここでデュアルポッドは半導体ワークピースを載置できるSMIFポッドの形態に限定されない。内側ポッド20は、EUV内側ポッド(EUV Inner Pod、EIP)であり得、外側ポッド10はEUV外側ポッド(EUV Outer Pod、EOP)であってもよい。内側ポッド20は、内側カバー21と、内側ベース22とを備え、内側ベース22は、半導体ワークピースR(例えばレチクル)を受けために用いることができる。外側ポッド10は、外側カバー11と、外側ベース12とを備え、外側カバー11は外側ベース12に結合されると、内側ポッド20を収容できる収容空間を画成する。敏感と損傷を受けやすい半導体ワークピースRを徹底的に保護するため、内側カバー21及び内側ベース22は、静電気散逸(electrostatic dissipative、ESD)特性を持っていてもよい。静電気散逸特性を持つ材料として、表面抵抗が10
4~10
11Ωの材料などの静電気散逸材料、又は表面抵抗が10
11Ω未満の材料などの導電材料、或いはその他の静電気散逸特性を持つ材料の組み合わせが挙げられる。
【0026】
さらに説明すると、内側ポッド20は、外側ポッド10又はその他の外力の補助を必要とせず、内側カバー21を内側ベース22に覆い被せるだけで内側ポッド20自体が静電気の逃がし経路を確立できる。まず、内側ポッド20に配置される組立体の構造について説明する。
図2~
図6を参照すると、
図2は、本発明の内側ポッドの立体図、
図3は本発明の内側ポッドの分解図、
図4は本発明の内側ポッドの内側カバーの底面図、
図5は本発明の半導体ワークピースを収容した内側ポッドの概略図、
図6は
図2のA-A’線に沿った断面図である。
【0027】
内側ポッド20の内側カバー21は、内側ベース22を覆い、内側ベース22に結合することで、収容空間23を画成するよう構成され、収容空間23の外にある内側ポッド20の外側辺に複数の外側取付部24が設けられる。収容空間23は、半導体ワークピースRを収容するために用いられる。内側ポッド20は、複数の弾性ガイド(flexible guiding)部材30と、複数の導電性保持具40とをさらに備える。複数の弾性ガイド部材30は、外側取付部24にそれぞれ対応して配置され、複数の弾性ガイド部材30は内側カバー21と内側ベース22とを相対的に変位しないようにガイドする。複数の導電性保持具40は、収容空間23内に設けられ、半導体ワークピースRの裏面BSに当接して複数の導電性保持具40を内側カバー21と内側ベース22とが結合される間に半導体ワークピースRの裏面BSと常時電気的に導通させることで複数の導電性保持具40、内側カバー21、内側ベース22により確立された静電気の逃がし経路を形成するために用いられる。導電性保持具40の構成材料は、前述の静電気散逸性材料から選択することができ、又は導電性保持具40の一部が前述の静電気散逸性材料から選択することができ、導電性保持具40の少なくとも一部が内側カバー21と導通できるようにする。
【0028】
本実施形態において、複数の導電性保持具40は、内側カバー21の内側211に設けられ、
図4に示すように、複数の導電性保持具40は内側211の面取り部、すなわち、内側カバー21の内側211の四隅に位置する。さらに
図6に示す静電気の逃がし経路では、内側カバー21が内側ベース22を覆った後、複数の導電性保持具40の傾斜面が半導体ワークピースRの面取り部に押し付け、導電性保持具40の末端が半導体ワークピースRの裏面BSに当接して半導体ワークピースRの裏面BSに蓄積された電荷が複数の導電性保持具40、内側カバー21、内側ベース22かなる静電気の逃がし経路を経由してGNDに逃がすことができる。
【0029】
導電性保持具40は、外側カバーの押圧機構により保持力を与える必要がないため、内側カバー21と内側ベース22とが結合された時、自体の構造設計及び弾性特性を利用して半導体ワークピースRに押し付け続けることができる。導電性保持具40は、半導体ワークピースRを保持することができるが、内側カバー21と内側ベース22とが互いに制限されるものではなく、4つの導電性保持具40の押し付けにより内側カバー21と内側ベース22とが水平方向にずれるか、輸送途中に内側カバー21は内側ベース22に対して変位する可能性がある。したがって、裏面静電気散逸能力を備えた内側ポッドを作るため、本発明はまた、弾性ガイド部材30を使用して内側カバー21と内側ベース22との相対関係を制限する。
【0030】
本実施形態において,内側カバー21の内側ベース22に結合される2つの隣接側、すなわち、内側ポッドの外側ポッドと隣り合う外側位置に外側取付部24が設けられる。外側取付部24は、内側カバー21の頂面よりも低い取付面を有している。外側取付部24と弾性ガイド部材30は構造的に適合するため、弾性ガイド部材30が外側ポッドの隣り合う面取り部に対応する。各外側取付部24は、内側カバー取付部241と、内側ベース取付部242とを備え、各弾性ガイド部材30は内側カバー取付部241及び内側ベース取付部242に同時に配置される。
図11を参照すると、弾性ガイド部材30は、ガイドベース部31と、少なくとも1つの延長部材32とを備え、ガイドベース部31は内側カバー取付部241に設けられ、延長部材32の一端はガイドベース部31に連結され、他端はガイドベース部31から下方に延び、内側ベース取付部242に当接する。この構造設計の配置関係により、内側カバー21が内側ベース22に結合された時、複数の弾性ガイド部材30のガイド作用を介して内側ポッド20の内側カバー21と内側ベース22との間には相対的な変位がなく、同時に複数の導電性保持具40で半導体ワークピースRに押し付けることにより、半導体ワークピースRを内側ベース22の中心位置に自動的にガイドすることを実現する。
【0031】
本実施形態において、
図6に示すように内側ベース取付部242は、内側ベース22外側の頂縁221に連結されていない凹部2421を含み、内側カバー21と内側ベース22とが結合された時、延長部材32の一部は凹部2421に位置する。この凹部2421は、延長部材32の弾性緩衝ストローク及び空間を与えるのに十分なだけあればよい。このため、凹部2421の縦方向断面の高さは、内側ベース22外側の頂縁221とつながっておらず、内側カバー21と内側ベース22との被覆密閉度に影響を与えることはない。もちろん、本発明の内側ベース22の取付部242は、凹部2421のない構造として設計することもでき、弾性ガイド部材30が内側カバー21と内側ベース22との間の相対変位を防止できる限り、それはこの特許保護の範囲内に含まれる。
【0032】
上述から内側ポッド20における複数の弾性ガイド部材30と複数の導電性保持具40が果たす重要な機能を理解した後、複数の導電性保持具40の詳細な構造設計についてさらに説明する。引き続き
図7及び
図8を参照すると、本実施形態において、導電性保持具40は内側カバー21の内側211に配置されるように構造的に設計される。半導体ワークピースRは矩形レチクルの場合、導電性保持具40は、半導体ワークピースRの裏面BS及び隣接側、すなわち面取り部に当接し、四つの面取り部に導電性保持具40を設けて、半導体ワークピースRの変位を効果的に制限させることが好ましい。もちろん、半導体ワークピースRが非矩形レチクルの場合、本発明の導電性保持具40の構造設計にも適し、同一の常時電気的な導通及び静電気の逃がし経路の目的及び効果を達成する。
【0033】
具体的には、複数の導電性保持具40のうちの少なくとも1つは、保持ベース部41と、少なくとも1つの傾斜面保持部42とを備える。保持ベース部41は、内側カバー21の内側211に連結され、傾斜面保持部42の一端は保持ベース部41に連結され、傾斜面保持部42の他端は半導体ワークピースRの裏面BS方向に向けて延び、一対の傾斜面を介して半導体ワークピースRの隣接側(面取り部)に接触することにより、半導体ワークピースRの変位を制限するための当接力を与える。次に、傾斜面保持部42の末端には、保持ベース部41から離れた押し当て部43が設けられ、押し当て部43は弾性を有し、半導体ワークピースRの裏面BSにわずかに接触して、導電性保持具40と半導体ワークピースRとの常時電気的な導通状態となる。前記一対の傾斜面保持部42は、つながらない2つの部材であり得、各傾斜面保持部42に押し当て部43が設けられる。2つの傾斜面保持部42は、保持ベース部41に連結され、2つの傾斜面保持部42の末端はそれぞれ半導体ワークピースRの隣接側に傾斜面で接触し、各々押し当て部43を用いて半導体ワークピースRの裏面BSにわずかに接触する。
【0034】
もちろん、本発明は、
図10に示すように、必要に応じて異なる構造設計の押し当て部43を調整することもできる。2つの傾斜面保持部42の一端は、保持ベース41に連結され、他端は押し当て部43に連結される。同様に、
図10の2つの傾斜面保持部42は、それぞれ半導体ワークピースRの隣り合う側に傾斜面で接触可能であり、押し当て部43は半導体ワークピースRの裏面BSにわずかに接触し、かつ押し当て部43は半導体ワークピースRの角部をカバーする。内側ポッド20が外側ポッド10内に収納されているかどうか、また外側カバー11が開閉しているかどうかに関係なく、内側ポッド20自体が独立した静電気の逃がし経路を確立することができる。内側カバー21と内側ベース22とが結合された時、導電性保持具40は半導体ワークピースRの裏面BSと常時電気的に導通されることで、半導体ワークピースRの裏面BSに蓄積された多量の静電気を導電性保持具40、内側カバー21、内側ベース22の静電気の逃がし経路を経由して静電気をグランド(GND)に逃がす。
【0035】
複数の弾性ガイド部材30の詳細な構造設計についてさらに説明する。引き続き
図2、
図6及び
図11を参照すると、本実施形態において、弾性ガイド部材30は、内側ポッド20の隣り合う外縁に配置されるように構造的に設計されている。内側ポッド20が矩形体の場合、弾性ガイド部材30は、内側ポッド20の角部に当接し、好ましくは四隅に弾性ガイド部材30が設けられて、内側カバー21と内側ベース22とが相対的に変位することなくガイドされ得る。弾性ガイド部材30のガイドベース部31は、内側カバー取付部241に設けられ、延長部材32の一端はガイドベース部31に連結され、延長部材32の他端は内側ベース22の内側ベース取付部242方向に向けて延び。延長部材32は、弾性力を有し、内側ベース22の外側、すなわち内側ベース取付部242の位置に当接し続け、内側ベース22の変位量を弾性的に調整することができる。ガイドベース部31及び延長部材32は、内側カバー21と内側ベース22を制限するガイド作用力を同時に与えることで、内側カバー21及び内側ベース22が制限されて相対的に変位しないようにする。延長部材32に少なくとも1つの凸部33が設けられ、凸部33は内側ベース取付部242に弾性的かつ連続的に当接する。
【0036】
延長部材32は、つながらない2つの部材であり得、2つの延長部材32の一端はガイドベース部31に連結され、他端はそれぞれ内側ベース22の隣接側に当接する。もちろん、本発明は、必要に応じて異なる構造設計の延長部材32を調整することもでき、例えば延長部材32の一端はガイドベース部31に連結され、他端は連続壁であり、延長部材32が内側ベース22の角部を覆うように該連続壁が内側ベース22の内側ベース取付部242方向に延びる。本発明は、弾性ガイド部材30の構造設計のいかなる形態にも限定されず、弾性ガイド部材30が内側ポッド20の外側に当接し続けることで、内側カバー21及び内側ベース22が制限されて相対的に変位しないようにし、同時に導電性保持具40を使用して半導体ワークピースRに当接することで、内側カバー21及び内側ベース22の自動ガイドを実現し、半導体ワークピースRが内側ベース22の中心位置に押し込まれることができる限り、それはこの特許保護の範囲内に含まれる。
【0037】
また、
図12に示すように、半導体ワークピース保持装置は、内側カバー21の内側211に設けられ少なくとも1つの導電補助部材50をさらに備え、内側カバー21と内側ベース22とが結合された時、導電補助部材50は半導体ワークピースRの裏面BSに当接又は接触するために用いられる。導電補助部材50は、可撓性の導電部材50又は任意の幾何学的形状の弾性力を有する導電部材50であり、本発明はいかなる構造設計にも限定されず、導電補助部材50は、静電気散逸材料、例えば表面抵抗が10
4~10
11Ωの材料を有し、かつ内側カバー21と内側ベース22とが結合された時、導電補助部材50と導電性保持具40とが半導体ワークピースRの裏面BSと常時電気的に導通し、内側ポッド20自体に静電気の逃がし経路を確立させることができる限り、それはこの特許保護の範囲内に含まれる。半導体ワークピースRの裏面BSの常時電気的に導通する接点として導電補助部材50を追加することで、導電補助部材50、導電性保持具40、内側カバー21、内側ベース22の静電気の逃がし経路を形成し、半導体ワークピースRの裏面BS上の静電気散逸効率を加速することができる。
【0038】
図13及び
図14に示すように、本実施形態において、導電性保持具40の別の構造設計は、内側ベース22の内側に配置される。導電性保持具40のうちの少なくとも1つは、保持ベース部41と、少なくとも1つの弾性保持部42とを備える。保持ベース部41は、内側ベース22の内側に設けられる。弾性保持部42の一端は、保持ベース部41に連結され、弾性保持部42は押し当て部43をさらに有し、押し当て部43は弾性を有し、半導体ワークピースRの裏面BSにわずかに接触する。弾性保持部42は、半導体ワークピースRの変位を制限する当接力を与える。本発明は、同一の常時電気的な導通及び静電気の逃がし経路の目的及び効果を達成するため、導電性保持具40が内側カバー21の内側211又は内側ベース22の内側に配置されるかにかかわらず、半導体ワークピースRの裏面BSに当接することが意図される。
【0039】
内側ポッド20及び内側ポッド20に配置される全ての組立体は、静電気散逸材料で作られ、表面抵抗が104~1011Ωの材料特性を備える。組立体には、半導体ワークピースRを支持する支持組立体、気体流通組立体或いは内側ポッド20に配置される必要な構造設計の組立体が含まれる。半導体ワークピースRの裏面BSに常時電気的な導通を確立し、内側ポッド20自体に静電気の逃がし経路(例えば導電性保持具40、内側カバー21、内側ベース22、組立体の静電気の逃がし経路を形成)を確立させることができる限り、それはこの特許保護の範囲内に含まれる。
【0040】
要するに、内側ポッドには弾性ガイド部材と、導電性保持具と、静電気散逸特性を備えた組立体が装備されるため、内側ポッドは、外側ポッド又はその他の外力の補助を必要とせず、内側カバーを内側ベースに覆い被せるだけで導電性保持具が半導体ワークピースの移動を制限することができ、弾性ガイド部材は内側カバーと内側ベース間の相対変位を制限し、導電性保持具と弾性ガイド部材の構造的構成により、収容空間に収容された半導体ワークピースを内側ベースの中心位置に自動的にガイドすることもできる。本発明は、外側ポッドを開けることにより、半導体ワークピースへの保持機能が失われ、半導体ワークピースが内側ポッドの内部と擦れてパーティクルが発生してレチクルを汚染するという問題を確実に解決することができる。
【0041】
しかし、本発明の各具体的実施形態は説明の目的のためのものであって、本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく多種多様な改変を加えることができ、かつ本発明の特許範囲に含まれるべきであることを理解されたい。したがって、本明細書に記載される各具体的実施形態は本発明を限定ではなく、本発明の真の範囲及び精神は後記の特許請求の範囲に開示される。
【符号の説明】
【0042】
10 外側ポッド
1 レチクルポッド
11 外側カバー
12 外側ベース
20 内側ポッド
21 内側カバー
211 内側
22 内側ベース
221 頂縁
23 収容空間
24 外側取付部
241 内側カバー取付部
242 内側ベース取付部
2421 凹部
30 弾性ガイド部材
31 ガイドベース部
32 延長部材
33 凸部
40 導電性保持具
41 保持ベース部
42 傾斜面保持部
43 押し当て部
50 導電補助部材
BS 裏面
GND グランド
R 半導体ワークピース