(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132953
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】時計ムーブメント
(51)【国際特許分類】
G04B 17/06 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G04B17/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024035648
(22)【出願日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】23161901.6
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】599091346
【氏名又は名称】ロレックス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】ROLEX SA
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コルポ, ファビアノ
(72)【発明者】
【氏名】ムジー, グレゴリー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】発振器の発振周波数の微細且つ信頼できる調整を可能にする、調速システムを提供する。
【解決手段】調速システム150は、フレーム6と、フレーム6に関して幾何学的軸A4周りに旋回される、組立てんぷ4と、組立てんぷ4と弾性戻しシステム1、2、3が発振器100を形成するよう、組立てんぷ4をフレーム6へ連結させることが意図される、弾性戻しシステム1、2、3と、を含み、弾性戻しシステム1、2、3は、第一剛性k1を有する第一ひげぜんまい1の形状の、第一弾性戻し要素と、第二剛性k2を有する、第二弾性戻し要素2と、第三剛性k3を有する、第三弾性戻し要素3と、を含み、第一弾性戻し要素1と第二弾性戻し要素2とは、組立てんぷ4とフレーム6との間で、直列に組付けられ、第三弾性戻し要素3と第二弾性戻し要素2とは、フレーム6と第一弾性戻し要素1との間で、並列に組付けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調速システム(150)と、
調整装置(200)と、
を含む、時計ムーブメント(300)であって、
前記調速システム(150)は、
フレーム(6)と、
前記フレーム(6)に関して幾何学的軸(A4)周りに旋回される、組立てんぷ(4)であり、前記組立てんぷ(4)の慣性を調整する可動ねじまたは慣性ブロック(43a、43b及び44a、44b)を含む、前記組立てんぷ(4)と、
前記組立てんぷ(4)と弾性戻しシステム(1、2、3)が発振器(100)を形成するよう、前記組立てんぷ(4)を前記フレーム(6)へ連結させることが意図される、弾性戻しシステム(1、2、3)と、
を含み、
前記弾性戻しシステム(1、2、3)は、
第一剛性k1を有する第一ひげぜんまい(1)の形状の、第一弾性戻し要素と、
第二剛性k2を有する、第二弾性戻し要素(2)と、
第三剛性k3を有する、第三弾性戻し要素(3)と、
を含み、
前記第一弾性戻し要素(1)と前記第二弾性戻し要素(2)とは、前記組立てんぷ(4)と前記フレーム(6)との間で、直列に組付けられ、
前記第三弾性戻し要素(3)と前記第二弾性戻し要素(2)とは、前記フレーム(6)と前記第一弾性戻し要素(1)との間で、並列に組付けられる、
時計ムーブメント(300)。
【請求項2】
前記調整装置(200)は、前記第三弾性戻し要素(3)の第三剛性k3を変更する装置である、特に前記第三弾性戻し要素(3)の有効長を変更する装置である、特に前記第三弾性戻し要素(3)の少なくとも1つのブレード(31)の有効長を変更する装置である、
請求項1に記載の時計ムーブメント(300)。
【請求項3】
k2+k3>k1、またはk2+k3>>k1、特にk2+k3>10×k1である、及びまたは
前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1より実質的に大きい、特に前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1より実質的に大きく、前記第三剛性k3より実質的に大きい、
請求項1または2に記載の時計ムーブメント(300)。
【請求項4】
前記第一剛性k1と前記第三剛性k3とは、類似または同じオーダーである、特にk3=α×k1、ここで0.5≦α≦2である、及び
前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1と前記第三剛性k3より実質的に大きい、特に, k2=β×k1及びまたはk2=β×k3、ここで10≦β≦80、好ましくはβ=20、またはβ≒20である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)。
【請求項5】
前記第二剛性k2と前記第三剛性k3とは、類似または同じオーダーである、特にk3=γ×k2、ここで0.5≦γ≦2である、及び
前記第二剛性k2と前記第三剛性k3とは、前記第一剛性k1より実質的に大きい、特にk2=δ×k1及びまたはk3=δ×k1、ここで100≦δ≦200、好ましくはδ=125またはδ≒125である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)。
【請求項6】
前記組立てんぷ(4)と前記弾性戻しシステム(1、2、3)とは、前記発振器(100)の発振周波数が、3Hzと8Hzの間、特に4Hzまたは5Hzであるよう、構成される及びまたは配置される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)。
【請求項7】
前記第一ひげぜんまい(1)は、特に第一ブレード(11)の第一中央端に配置され前記組立てんぷ(4)の前記てん輪(41)に固定された真(42)に固着されたひげ玉(14)を介して、前記組立てんぷ(4)に連結される、少なくとも1つの第一ブレード(11)を含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)。
【請求項8】
前記第三弾性戻し要素(3)は、少なくとも1つの第二ブレード(31)を有する第二ひげぜんまい(3)を含み、その第二中央端(34)は、前記第二ひげぜんまい(3)を前記フレーム(6)へ固着することが意図される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)。
【請求項9】
前記第二弾性戻し要素(2)は、前記第一ひげぜんまい(1)及び前記第二ひげぜんまい(3)の可撓性ガイドを、特にRCCピボットを形成する、弾性ブレード(21a、21b、22a、22b)の少なくとも1つの組、特に2つの組を含み、前記ブレードの仮想交差中心は、前記軸(A4)が通過する点と一致する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)。
【請求項10】
前記時計ムーブメントは、接続部材(5)を含み、前記接続部材(5)は、第一及び第二接続手段(12、32)を受ける2つのプレート(51、52)を含み、前記2つのプレート(51、52)は、前記第二弾性戻し要素(2)により前記フレーム(6)に連結される、
請求項1から9のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)。
【請求項11】
前記第一、第二及び第三弾性戻し要素の少なくとも1つは、
あらゆる配向の単結晶シリコン、及びまたは
多結晶シリコン、及びまたは
非晶質シリコン、及びまたは
非晶質二酸化ケイ素、及びまたは
あらゆるタイプやレベルのドーピングによるドープされたシリコン、及びまたは
多孔質シリコン、及びまたは
炭化ケイ素、及びまたは
ガラス、及びまたは
複合材料、及びまたは
工業用セラミック、及びまたは
石英、及びまたは
金属、及びまたは
金属合金、特にNb-ZrまたはNb-Ti製の合金、
を、少なくとも部分的に、含んでもよい、
請求項1から10のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)を含む、時計(400)、特に腕時計(400)。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)または請求項12に記載の時計(400)の調整方法であって、前記第三弾性戻し要素(3)の前記第三剛性k3を変更する、特に前記第三弾性戻し要素(3)の有効長を変更する、特に前記第三弾性戻し要素(3)の少なくとも1つのブレード(31)の有効長を変更する、ステップを含む、
調整方法。
【請求項14】
前記第三剛性k3を変更する前記ステップの前に、前記幾何学的軸(A4)に関して、前記組立てんぷ(4)の少なくとも2つのねじまたは慣性ブロック(43a、43b、44a、44b)を移動するステップを含む、
請求項13に記載の調整方法。
【請求項15】
前記第三剛性k3を変更する前記ステップの前に、前記フレーム(6)の一部である中間部材(61)を、前記フレーム(6)の前記残りに関して動かす、特に回転させる操作を含む、前記時計のビートを開始するステップを含み、前記中間部材(61)は、接続部材(5)を前記フレーム(6)の前記残りに連結し、前記接続部材(5)は、前記第一ひげぜんまい(1)と前記第二弾性戻し要素(2)との間の前記連結を提供する、
請求項13または14に記載の調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計ムーブメント用調速システムに関する。本発明はまた、弾性戻し要素の剛性を変更する装置に関する。本発明は更に、当該調速システムまたは当該剛性変更用の装置を含む、時計ムーブメントに関する。本発明は最後に、当該時計ムーブメントまたは当該調速システムまたは当該剛性変更用の装置を含む、時計に関する。
【背景技術】
【0002】
機械式時計ムーブメントは、通常、慣性要素と弾性戻し要素、特にてん輪とひげぜんまいで構成される組立体の形状の、発振器が設けられる。
【0003】
このような組立体が、ムーブメントの正しい動作を保証するよう十分に正確な時間基準を構成するため、慣性要素または弾性戻し要素を調整する手段が用いられる。これらは、例えば、慣性要素の慣性を変化させる調整手段、または弾性戻し要素の剛性に作用する手段であってもよい。特に、慣性要素は、一日あたり数秒または数十秒の程度の、ムーブメントの歩度のある程度微細な調整を可能にするために移動可能な、慣性ブロックまたは調整ねじが設けられてもよい。これら慣性ブロックは、例えば、慣性要素が静止中に、より具体的にはムーブメントが静止中に、時計士により調整されてもよい。加えて、または代替的に、弾性戻し要素の剛性は、例えばインデックスを用いて、当該要素の実効長を変更することで調整されてもよい。このようなシステムは、慣性要素が動作中に調整可能という利点を有するが、慣性要素の慣性ブロックまたは調整ねじを移動することで与えられる正確性と比較して、十分に正確な調整を可能にするものではない。
【0004】
特許文献1は、第一弾性戻し要素に直接統合されるという特徴を有する、慣性要素に連結された第一弾性戻し要素の実効長を調整する装置に関する。特に、当該文献は、外端が弾性要素の組を含む、ひげぜんまいの形状の第一弾性戻し要素を開示する。これらは、ひげぜんまいの外端の末端部に対向してクランプを正確な態様で移動させるよう設計される。ひげぜんまいの実効長は、kはひげぜんまいの剛性であり、Iはてん輪の慣性である、k/Iの比率を変更することで、調整され、これによりひげぜんまいの剛性を、そして発振器の、即ち慣性要素/ひげぜんまい組立体の周波数を変更する。しかしながらこのような装置は、ひげぜんまいの実効長の変化に特に繊細である。実際、4Hzの公称周波数の発振器について、例えば、約10%のひげぜんまいの剛性の変更は、1日あたり数千秒の歩度の変化を生じる。このような調整装置では、1日あたり数秒から数十秒の程度の微調整を達成することは非常に難しい。所定のひげぜんまいについて、1日あたり約10秒で歩度を調整するために必要な長さの調整は、数十マイクロメートルと推定される。更に、ひげぜんまいの長さに直接作用させることは、発振器の動作を妨害しかねない。
【0005】
特許文献2は、機械式クロックの発振器を、電気式基準発振器と同期させる方法に関する。明細書の
図2に示される特定の実施形態によれば、クロックの発振器は、それぞれの内端がてん真に固定され、それぞれの外端がフレームに固定された、好ましくは同じ寸法を有する、2つのひげぜんまいにより戻されるてん輪を含み、2つのひげぜんまいのうちの1つの有効長は、電気式基準発振器により制御される追加装置を用いて変更可能である。2つのひげぜんまいが並列に配置される、このような配置は、2つのばねのうちの単一の一つの剛性を変更可能なため、機械式クロックの歩度を調整可能な正確性を二倍にすることに寄与する。しかしながら、当該利点は、特にインデックスを用いて、1日あたり数秒または数十秒の程度の微調整を達成するには十分ではない。
【0006】
特許文献3は、てん輪の形状の慣性要素に連結されるひげぜんまいの形状の第一弾性戻し要素と、ひげぜんまいと直列に連結される第二弾性戻し要素を含むという特徴を有する、発振器を開示し、当該第二弾性戻し要素の剛性は、ひげぜんまいの剛性を変更させることなく第二弾性戻し要素に可変力またはトルクを付与するよう設計された、プレストレス手段により変更可能である。第二弾性戻し要素の剛性は、好ましくは、ひげぜんまいの剛性よりも大きく、これは第二弾性戻し要素の剛性を変更することで、ひげぜんまいの剛性に直接作用するよりも、歩度のより微細な調整を可能にすることを意味する。しかしながら、当該第二弾性戻し要素の剛性の変更は、てん輪の回転軸に対して、特に発振器の等時性に対して、ひげぜんまいの外端の位置を変化させることなく実施することが必要であり、これは実際には実現が難しい。
【0007】
特許文献4は、特許文献3の主題を形成するコンセプトと同様であるが、一体成形発振器用のコンセプトを開示する。特に当該発振器は、慣性要素の仮想ピボットを定義するよう設計された弾性ブレードで形成される可撓性ガイドと、可撓性ガイドに直列に配置された可撓性要素を含む発振器の剛性を調整する手段とを含む。これら調整手段もまた、可撓性ガイドが定義する仮想ピボットの位置決めを変化させることなく、剛性を変化させるために可撓性要素に可変力またはトルクを付与するよう設計されたプレストレス手段を含むが、これは実際には実現が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第4006648号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第833085号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第4009115号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第4016194号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上述の問題の克服に寄与し、従来技術から既知の調速システムを改善する、調速システムを提供することである。特に、本発明は、発振器の発振周波数の微細且つ信頼できる調整を可能にする、調速システムを提案する。このようなシステムのおかげで、調整は、発振器の動作中に、発振器に影響を与えることなく、実施可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一態様によれば、主題は、以下の提案により定義される。
【0011】
1. 慣性要素(4;4’)と、
フレーム(6)と、
前記慣性要素(4;4’)と弾性戻しシステム(1;1’、2、3)が発振器(100;100’)を形成するよう、前記慣性要素(4;4’)を前記フレーム(6)へ連結させることが意図される、弾性戻しシステム(1;1’、2、3)と、
を含む、時計ムーブメント(300)用調速システム(150;150’)であって、
前記弾性戻しシステム(1;1’、2、3)は、
第一剛性k1を有する、第一弾性戻し要素(1;1’)と、
第二剛性k2を有する、第二弾性戻し要素(2)と、
第三剛性k3を有する、第三弾性戻し要素(3)と、
前記第三剛性k3を変更する装置(200)と、
を含み、
前記第一弾性戻し要素(1;1’)と前記第二弾性戻し要素(2)とは、前記慣性要素(4;4’)と前記フレーム(6)との間で、直列に組付けられ、
前記第三弾性戻し要素(3)と前記第二弾性戻し要素(2)とは、前記フレーム(6)と前記第一弾性戻し要素(1;1’)との間で、並列に組付けられる、
調速システム(150;150’)。
【0012】
2. k2+k3>k1、またはk2+k3>>k1、特にk2+k3>10×k1である、及びまたは
前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1より実質的に大きい、特に前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1より実質的に大きく、前記第三剛性k3より実質的に大きい、
提案1に記載の調速システム(150;150’)。
【0013】
3. 前記第一剛性k1と前記第三剛性k3とは、類似または同じオーダーである、特にk3=α×k1、ここで0.5≦α≦2である、及び
前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1と前記第三剛性k3より実質的に大きい、特にk2=β×k1及びまたはk2=β×k3、ここで10≦β≦80、好ましくはβ=20、またはβ≒20である、
提案1または2に記載の調速システム(150;150’)。
【0014】
4. 前記第二剛性k2と前記第三剛性k3とは、類似または同じオーダーである、特にk3=γ×k2、ここで0.5≦γ≦2である、及び
前記第二剛性k2と前記第三剛性k3とは、前記第一剛性k1より実質的に大きい、特にk2=δ×k1及びまたはk3=δ×k1、ここで100≦δ≦200、好ましくはδ=125またはδ≒125である、
提案1または2に記載の調速システム(150;150’)。
【0015】
5. 前記慣性要素(4;4’)と前記弾性戻しシステム(1;1’、2、3)とは、前記発振器(100;100’)の前記発振周波数が、8Hzと100Hzの間、または100Hz以上であるよう、構成される及びまたは配置される、
提案1から4のいずれか一つに記載の調速システム(150;150’)。
【0016】
6. 前記第一弾性戻し要素(1)は、前記慣性要素(4)へ連結される少なくとも1つのブレード(11)を含むひげぜんまい(1)であり、前記慣性要素(4)は、幾何学的軸(A4)周りに前記フレーム(6)に関して旋回される、
提案1から5のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0017】
7. 前記第一弾性戻し要素(1’)は、特に2つのブレード(11’、12’)を含み、前記慣性要素(4’)を弾性的に戻し、幾何学的軸(A4’)周りに案内する、特に旋回させるよう構成される及びまたは配置される、可撓性ガイド(1’)である、
提案1から5のいずれか一つに記載の調速システム(150’)。
【0018】
8. 前記第二弾性戻し要素(2)は、前記フレーム(6)内に埋め込まれ、前記第一弾性戻し要素(1;1’)用のRCCピボットを定義する、可撓性ブレード(21、22)を含み、前記可撓性ブレード(21、22)の前記仮想交差中心は、前記慣性要素(4;4’)がその周りを旋回する幾何学的軸(A4;A4’)が通過する点と一致する、
提案1から7のいずれか一つに記載の調速システム(150;150’)。
【0019】
9. 前記第三弾性戻し要素(3)は、直線または湾曲弾性ブレード(31)を含む、
提案1から8のいずれか一つに記載の調速システム(150;150’)。
【0020】
10. 前記第一、第二及び第三弾性戻し要素は、接続部材(5)により、特に前記第一弾性戻し要素(1;1’)の一部である、または前記第一弾性戻し要素(1)を形成するひげぜんまい(1)のブレード(11)の前記延長に形成される、または前記第一弾性戻し要素(1’)を形成する可撓性ガイド(1’)のブレード(11’、12’)の前記延長に形成される、接続部材(5)により、互いに連結される、
提案1から9のいずれか一つに記載の調速システム(150;150’)。
【0021】
11. 前記第二弾性戻し要素(2)は、前記第一弾性戻し要素(1)を形成するひげぜんまい(1)のブレード(11)の前記延長に形成される湾曲ブレード(21)である、
提案1から10のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0022】
12. 前記慣性要素(4;4’)と前記第一、第二及び第三弾性戻し要素は、一体に製造される、または一体成形組立体を形成する、
提案1から11のいずれか一つに記載の調速システム(150;150’)。
【0023】
13. 前記第一、第二、及び第三弾性戻し要素の少なくとも1つは、
あらゆる配向の単結晶シリコン、及びまたは
多結晶シリコン、及びまたは
非晶質シリコン、及びまたは
非晶質二酸化ケイ素、及びまたは
あらゆるタイプやレベルのドーピングによるドープされたシリコン、及びまたは
多孔質シリコン、及びまたは
炭化ケイ素、及びまたは
ガラス、及びまたは
複合材料、及びまたは
工業用セラミック、及びまたは
石英、
を、少なくとも部分的に、含んでもよい、
提案1から12のいずれか一つに記載の調速システム(150;150’)。
【0024】
14. 提案1から13のいずれか一つに記載の調速システム(150;150’)用の調整装置(200)であって、
前記装置(200)は、第三弾性戻し要素(3)の第三剛性k3を変更する装置、特に前記第三弾性戻し要素(3)の有効長を変更する装置、特に前記第三弾性戻し要素(3)の少なくとも1つのブレード(31)の有効長を変更する装置である、
調整装置(200)。
【0025】
15. 提案1から13のいずれか一つに記載の調速システム(150;150’)、及びまたは提案14に記載の装置(200)を含む、時計ムーブメント(300)。
【0026】
16. 提案1から13のいずれか一つに記載の調速システム(150;150’)、及びまたは提案14に記載の装置(200)、及びまたは提案15に記載の時計ムーブメント(300)を含む、時計(400)、特に腕時計(400)。
【0027】
17. 提案1から13のいずれか一つに記載の調速システム(150;150’)、または提案15に記載の時計ムーブメント(300)、または提案16に記載の時計(400)の発振器(100;100’)の調整方法であって、前記第三弾性戻し要素(3)の前記第三剛性k3を変更する、特に前記第三弾性戻し要素(3)の有効長を変更する、特に前記第三弾性戻し要素(3)の少なくとも1つのブレード(31)の有効長を変更する、ステップを含む、
調整方法。
【0028】
本発明の第二態様によれば、主題は、以下の提案により定義される。
【0029】
18. フレーム(6)と、
幾何学的軸(A4)周りに前記フレーム(6)に関して旋回される、組立てんぷ(4)と、
前記組立てんぷ(4)と弾性戻しシステム(1、2、3)が発振器(100)を形成するよう、前記組立てんぷ(4)を前記フレーム(6)へ連結させることが意図される、弾性戻しシステム(1、2、3)と、
を含む、時計ムーブメント(300)用調速システム(150)であって、
前記弾性戻しシステム(1、2、3)は、
第一剛性k1を有するひげぜんまい(1)の形状の、第一弾性戻し要素と、
第二剛性k2を有する、第二弾性戻し要素(2)と、
第三剛性k3を有する、第三弾性戻し要素(3)と、
を含み、
前記第一弾性戻し要素(1)と前記第二弾性戻し要素(2)とは、前記組立てんぷ(4)と前記フレーム(6)との間で、直列に組付けられ、
前記第三弾性戻し要素(3)と前記第二弾性戻し要素(2)とは、前記フレーム(6)と前記第一弾性戻し要素(1)との間で、並列に組付けられる、
調速システム(150)。
【0030】
19. 前記第三剛性k3を変更する装置(200)を含む、
提案18に記載の調速システム(150)。
【0031】
20. k2+k3>k1、またはk2+k3>>k1、特にk2+k3>10×k1である、及びまたは
前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1より実質的に大きい、特に前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1より実質的に大きく、前記第三剛性k3より実質的に大きい、
提案18または19に記載の調速システム(150)。
【0032】
21. 前記第一剛性k1と前記第三剛性k3とは、類似または同じオーダーである、特にk3=α×k1、ここで0.5≦α≦2である、及び
前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1と前記第三剛性k3より実質的に大きい、特にk2=β×k1及びまたはk2=β×k3、ここで10≦β≦80、好ましくはβ=20、またはβ≒20である、
提案18から20のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0033】
22. 前記第二剛性k2と前記第三剛性k3とは、類似または同じオーダーである、特にk3=γ×k2、ここで0.5≦γ≦2である、及び
前記第二剛性k2と前記第三剛性k3とは、前記第一剛性k1より実質的に大きい、特にk2=δ×k1及びまたはk3=δ×k1、ここで100≦δ≦200、好ましくはδ=125またはδ≒125である、
提案18から21のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0034】
23. 前記組立てんぷ(4)と前記弾性戻しシステム(1、2、3)とは、前記発振器(100)の発振周波数が、3Hzと8Hzの間、特に4Hzまたは5Hzであるよう、構成される及びまたは配置される、
提案18から22のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0035】
24. 前記第一ひげぜんまい(1)は、特に第一ブレード(11)の第一中央端に配置され前記てん輪(41)に固定された真(42)に固着されたひげ玉(14)を介して、前記組立てんぷ(4)に連結される、少なくとも1つの第一ブレード(11)を含む、
提案18から22のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0036】
25. 前記第一ひげぜんまい(1)は、前記第一ブレード(11)の第一遠心端に配置され、前記第一ひげぜんまい(1)を前記第二弾性戻し要素(2)へ、特に接続部材(5)を用いて連結する、第一接続手段(12)を含む、
提案24に記載の調速システム(150)。
【0037】
26. 前記ひげ玉(14)、前記第一ブレード(11)及び前記第一接続手段(12)は、一体成形組立体を形成する、
提案24から25のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0038】
27. 前記第三弾性戻し要素(3)は、少なくとも1つの第二ブレード(31)を有する第二ひげぜんまい(3)を含み、その第二中央端(34)は、前記第二ひげぜんまい(3)を前記フレーム(6)へ固着することが意図される、
提案18から26のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0039】
28. 前記第二ひげぜんまい(3)はまた、前記第二ブレード(31)の第二遠心端に配置され、前記ひげぜんまい(3)を前記第二弾性戻し要素(2)へ、特に接続部材(5)を用いて連結する、第二接続手段(32)を含む、
提案27に記載の調速システム(150)。
【0040】
29. 前記二中央端(34)、前記第二ブレード(31)及び前記第二接続手段(32)は、一体成形組立体を形成する、
提案27から28のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0041】
30. 前記第二弾性戻し要素(2)は、前記第一ひげぜんまい(1)及び前記第二ひげぜんまい(3)の可撓性ガイドを、特にRCCピボットを形成する、弾性ブレード(21a、21b、22a、22b)の少なくとも1つの組、特に2つの組を含み、前記ブレードの仮想交差中心は、前記軸(A4)が通過する点と一致する、
提案18から29のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0042】
31. 前記弾性ブレード(21a、21b、22a、22b)は、それぞれU字型、または実質的にU字型、またはV字型、または実質的にV字型、またはW字型、または実質的にW字型である、
提案30に記載の調速システム(150)。
【0043】
32. 前記接続部材(5)は、第一及び第二接続手段(12、32)を受ける2つのプレート(51、52)を含み、前記2つのプレート(51、52)は、前記第二弾性戻し要素(2)により前記フレーム(6)に連結される、
提案18から31のいずれか一つに記載の、また提案25または28に記載の調速システム(150)。
【0044】
33. 前記第一、第二及び第三弾性戻し要素の少なくとも1つは、
あらゆる配向の単結晶シリコン、及びまたは
多結晶シリコン、及びまたは
非晶質シリコン、及びまたは
非晶質二酸化ケイ素、及びまたは
あらゆるタイプやレベルのドーピングによるドープされたシリコン、及びまたは
多孔質シリコン、及びまたは
炭化ケイ素、及びまたは
ガラス、及びまたは
複合材料、及びまたは
工業用セラミック、及びまたは
石英、及びまたは
金属、及びまたは
金属合金、特にNb-ZrまたはNb-Ti製の合金、
を、少なくとも部分的に、含んでもよい、
提案18から32のいずれか一つに記載の調速システム(150)。
【0045】
34. 提案18から33のいずれか一つに記載の、また提案19に記載の調速システム(150)用の調整装置(200)であって、
前記装置(200)は、第三弾性戻し要素(3)の第三剛性k3を変更する装置、特に前記第三弾性戻し要素(3)の有効長を変更する装置、特に前記第三弾性戻し要素(3)の少なくとも1つのブレード(31)の有効長を変更する装置である、
調整装置(200)。
【0046】
35. 提案18から33のいずれか一つに記載の調速システム(150)、及びまたは提案34に記載の装置(200)を含む、時計ムーブメント(300)。
【0047】
36. 提案18から33のいずれか一つに記載の調速システム(150)、及びまたは提案34に記載の装置(200)、及びまたは提案35に記載の時計ムーブメント(300)を含む、時計(400)、特に腕時計(400)。
【0048】
37. 提案18から33のいずれか一つに記載の調速システム(150)、または提案35に記載の時計ムーブメント(300)、または提案36に記載の時計(400)の発振器(100)の調整方法であって、前記第三弾性戻し要素(3)の前記第三剛性k3を変更する、特に前記第三弾性戻し要素(3)の有効長を変更する、特に前記第三弾性戻し要素(3)の少なくとも1つのブレード(31)の有効長を変更する、ステップを含む、
調整方法。
【0049】
本発明の第三態様によれば、主題は、以下の提案により定義される。
【0050】
38. 調速システム(150)と、
調整装置(200)と、
を含む、時計ムーブメント(300)であって、
前記調速システム(150)は、
フレーム(6)と、
前記フレーム(6)に関して幾何学的軸(A4)周りに旋回される、組立てんぷ(4)であり、前記組立てんぷ(4)の慣性を調整する可動ねじまたは慣性ブロック(43a、43b及び44a、44b)を含む、前記組立てんぷ(4)と、
前記組立てんぷ(4)と弾性戻しシステム(1、2、3)が発振器(100)を形成するよう、前記組立てんぷ(4)を前記フレーム(6)へ連結させることが意図される、弾性戻しシステム(1、2、3)と、
を含み、
前記弾性戻しシステム(1、2、3)は、
第一剛性k1を有する第一ひげぜんまい(1)の形状の、第一弾性戻し要素と、
第二剛性k2を有する、第二弾性戻し要素(2)と、
第三剛性k3を有する、第三弾性戻し要素(3)と、
を含み、
前記第一弾性戻し要素(1)と前記第二弾性戻し要素(2)とは、前記組立てんぷ(4)と前記フレーム(6)との間で、直列に組付けられ、
前記第三弾性戻し要素(3)と前記第二弾性戻し要素(2)とは、前記フレーム(6)と前記第一弾性戻し要素(1)との間で、並列に組付けられる、
時計ムーブメント(300)。
【0051】
39. 前記調整装置(200)は、前記第三弾性戻し要素(3)の第三剛性k3を変更する装置である、特に前記第三弾性戻し要素(3)の有効長を変更する装置である、特に前記第三弾性戻し要素(3)の少なくとも1つのブレード(31)の有効長を変更する装置である、
提案38に記載の時計ムーブメント(300)。
【0052】
40. k2+k3>k1、またはk2+k3>>k1、特にk2+k3>10×k1である、及びまたは
前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1より実質的に大きい、特に前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1より実質的に大きく、前記第三剛性k3より実質的に大きい、
提案38または39に記載の時計ムーブメント(300)。
【0053】
41. 前記第一剛性k1と前記第三剛性k3とは、類似または同じオーダーである、特にk3=α×k1、ここで0.5≦α≦2である、及び
前記第二剛性k2は、前記第一剛性k1と前記第三剛性k3より実質的に大きい、特にk2=β×k1及びまたはk2=β×k3、ここで10≦β≦80、好ましくはβ=20、またはβ≒20である、
提案38から40のいずれか一つに記載の時計ムーブメント(300)。
【0054】
42. 前記第二剛性k2と前記第三剛性k3とは、類似または同じオーダーである、特にk3=γ×k2、ここで0.5≦γ≦2である、及び
前記第二剛性k2と前記第三剛性k3とは、前記第一剛性k1より実質的に大きい、特にk2=δ×k1及びまたはk3=δ×k1、ここで100≦δ≦200、好ましくはδ=125またはδ≒125である、
提案38から40のいずれか一つに記載の時計ムーブメント(300)。
【0055】
43. 前記組立てんぷ(4)と前記弾性戻しシステム(1、2、3)とは、前記発振器(100)の発振周波数が、3Hzと8Hzの間、特に4Hzまたは5Hzであるよう、構成される及びまたは配置される、
提案38から42のいずれか一つに記載の時計ムーブメント(300)。
【0056】
44. 前記第一ひげぜんまい(1)は、特に第一ブレード(11)の第一中央端に配置され前記組立てんぷ(4)の前記てん輪(41)に固定された真(42)に固着されたひげ玉(14)を介して、前記組立てんぷ(4)に連結される、少なくとも1つの第一ブレード(11)を含む、
提案38から43のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)。
【0057】
45. 前記第一ひげぜんまい(1)は、前記第一ブレード(11)の第一遠心端に配置され、前記第一ひげぜんまい(1)を前記第二弾性戻し要素(2)へ、特に接続部材(5)を用いて連結する、第一接続手段(12)を含む、
提案44に記載の時計ムーブメント(300)。
【0058】
46. 前記ひげ玉(14)、前記第一ブレード(11)及び前記第一接続手段(12)は、一体成形組立体を形成する、
提案44から45のいずれか一つに記載の時計ムーブメント(300)。
【0059】
47. 前記第三弾性戻し要素(3)は、少なくとも1つの第二ブレード(31)を有する第二ひげぜんまい(3)を含み、その第二中央端(34)は、前記第二ひげぜんまい(3)を前記フレーム(6)へ固着することが意図される、
提案38から46のいずれか一項に記載の時計ムーブメント(300)。
【0060】
48. 前記第二ひげぜんまい(3)はまた、前記第二ブレード(31)の第二遠心端に配置され、前記ひげぜんまい(3)を前記第二弾性戻し要素(2)へ、特に接続部材(5)を用いて連結する、第二接続手段(32)を含む、
提案47に記載の時計ムーブメント(300)。
【0061】
49. 前記二中央端(34)、前記第二ブレード(31)及び前記第二接続手段(32)は、一体成形組立体を形成する、
提案47から48のいずれか一つに記載の時計ムーブメント(300)。
【0062】
50. 前記第二弾性戻し要素(2)は、前記第一ひげぜんまい(1)及び前記第二ひげぜんまい(3)の可撓性ガイドを、特にRCCピボットを形成する、弾性ブレード(21a、21b、22a、22b)の少なくとも1つの組、特に2つの組を含み、前記ブレードの仮想交差中心は、前記軸(A4)が通過する点と一致する、
提案38から49のいずれか一つに記載の時計ムーブメント(300)。
【0063】
51. 前記弾性ブレード(21a、21b、22a、22b)は、それぞれU字型、または実質的にU字型、またはV字型、または実質的にV字型、またはW字型、または実質的にW字型である、
提案50に記載の時計ムーブメント(300)。
【0064】
52. 前記接続部材(5)は、前記第一及び第二接続手段(12、32)を受ける2つのプレート(51、52)を含み、前記2つのプレート(51、52)は、前記第二弾性戻し要素(2)により前記フレーム(6)に連結される、
提案1から51のいずれか一つに記載の、また提案45または48に記載の時計ムーブメント(300)。
【0065】
53. 前記第一、第二及び第三弾性戻し要素の少なくとも1つは、
あらゆる配向の単結晶シリコン、及びまたは
多結晶シリコン、及びまたは
非晶質シリコン、及びまたは
非晶質二酸化ケイ素、及びまたは
あらゆるタイプやレベルのドーピングによるドープされたシリコン、及びまたは
多孔質シリコン、及びまたは
炭化ケイ素、及びまたは
ガラス、及びまたは
複合材料、及びまたは
工業用セラミック、及びまたは
石英、及びまたは
金属、及びまたは
金属合金、特にNb-ZrまたはNb-Ti製の合金、
を、少なくとも部分的に、含んでもよい、
提案38から52のいずれか一つに記載の時計ムーブメント(300)。
【0066】
54. 提案38から53のいずれか一つに記載の時計ムーブメント(300)を含む、時計(400)、特に腕時計(400)。
【0067】
55. 提案38から53のいずれか一つに記載の時計ムーブメント(300)または提案54に記載の時計(400)の調整方法であって、前記第三弾性戻し要素(3)の前記第三剛性k3を変更する、特に前記第三弾性戻し要素(3)の有効長を変更する、特に前記第三弾性戻し要素(3)の少なくとも1つのブレード(31)の有効長を変更する、ステップを含む、
調整方法。
【0068】
56. 前記第三剛性k3を変更する前記ステップの前に、前記幾何学的軸(A4)に関して、前記組立てんぷ(4)の少なくとも2つのねじまたは慣性ブロック(43a、43b、44a、44b)を移動するステップを含む、
提案55に記載の調整方法。
【0069】
57. 前記第三剛性k3を変更する前記ステップの前に、前記フレーム(6)の一部である中間部材(61)を、前記フレーム(6)の前記残りに関して動かす、特に回転させる操作を含む、前記時計のビートを開始するステップを含み、前記中間部材(61)は、接続部材(5)を前記フレーム(6)の前記残りに連結し、前記接続部材(5)は、前記第一ひげぜんまい(1)と前記第二弾性戻し要素(2)との間の前記連結を提供する、
提案55または56に記載の調整方法。
【0070】
添付の図面は、例として、本発明にかかる時計の2つの実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】
図1は、本発明にかかる時計の全体構造の原理の、模式図である。
【
図2】
図2は、調速システムの第一実施形態の第一変形例の、模式図である。
【
図3】
図3は、調速システムの第一実施形態の第二変形例の、模式図である。
【
図4】
図4は、調速システムの第一実施形態の第三変形例の、分解組立斜視図である。
【
図5】
図5は、調速システムの第一実施形態の第三変形例の、上面図である。
【
図6】
図6は、調速システムの第一実施形態の第三変形例の、側面図である。
【
図7】
図7は、調速システムの第一実施形態の第三変形例の一部の、上面図である。
【
図8】
図8は、調速システムの第一実施形態の第四変形例の、斜視図である。
【
図9】
図9は、調速システムの第一実施形態の第五変形例の、模式図である。
【
図10】
図10は、調速システムの第二実施形態の第一変形例を組み込んだ時計の図である。
【
図11】
図11は、調速システムの第二実施形態の第二変形例の、模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
実施形態や変形例に関わらず、時計400は、
図1を参照して以下に詳細に説明される。
【0073】
時計400は、例えば小型時計、特に腕時計である。時計400は、自身を外部環境から保護するため時計ケースまたはケーシング内に搭載されることが意図される、時計ムーブメント300を含む。
【0074】
時計ムーブメント300は、機械式ムーブメント、特に自動式ムーブメントであってもよく、またはハイブリッドムーブメント、即ち電子部品を含む機械式ムーブメントであってもよい。
【0075】
時計ムーブメント300は、調速システム150を含む。
【0076】
調速システム150は、
- フレーム6と、
- 慣性要素4;4’と、弾性戻しシステム1;1’、2、3とを含む、発振器100;100’と、
- 好ましくは、特に弾性戻し要素3の有効長を変更することで、弾性戻しシステムの弾性戻し要素3の剛性を変更する装置200と、
を含む。
【0077】
本発明の第一の態様によれば、時計ムーブメント300用の調速システム150は、
- 慣性要素4;4’と、
- フレーム6と、
- 慣性要素4;4’をフレーム6へ連結させることが意図される、弾性戻しシステム1;1’、2、3と、
を含み、
弾性戻しシステム1;1’、2、3は、
- 第一剛性k1を有する、第一弾性戻し要素1;1’と、
- 第二剛性k2を有する、第二弾性戻し要素2と、
- 第三剛性k3を有する、第三弾性戻し要素3と、
- 特に弾性戻し要素3の有効長を変更することで、第三剛性k3を変更する装置200と、
を含む。
第一弾性戻し要素1;1’と第二弾性戻し要素2とは、慣性要素4;4’とフレーム6との間で、直列に組付けられ、第三弾性戻し要素3と第二弾性戻し要素2とは、フレーム6と第一弾性戻し要素1;1’との間で並列に組付けられる。
【0078】
本発明の第二の態様によれば、時計ムーブメント300用の調速システム150は、
- フレーム6と、
- フレーム6に関して幾何学的軸A4周りに旋回される、組立てんぷ4の形状の、慣性要素4と、
- 組立てんぷ4をフレーム6へ連結させることが意図される、弾性戻しシステム1、2、3と、
を含む。
弾性戻しシステム1、2、3は、
- 第一剛性k1を有する第一ひげぜんまい1の形状の、第一弾性戻し要素と、
- 第二剛性k2を有する、第二弾性戻し要素2と、
- 第三剛性k3を有する、第三弾性戻し要素3と、
を含む。
第一弾性戻し要素1と第二弾性戻し要素2とは、組立てんぷ4とフレーム6の間で、直列に組付けられ、第三弾性戻し要素3と第二弾性戻し要素2とは、フレーム6と第一弾性戻し要素1の間で、並列に組付けられる。
【0079】
システムの2つの弾性戻し要素は、2つの別個の要素を接続するために、両者が相次ぐ、またはそれぞれの端部の一つにより互いに連結されるときに、「直列」と称され、これは、所定の強度の機械的負荷がシステムに、特に2つの別個の要素の一方または他方にかかると、2つの弾性戻し要素のそれぞれは、当該所定の強度の負荷を少なくとも実質的に受けることを意味する。
【0080】
システムの2つの弾性戻し要素は、両者が2つの別個の要素を、それぞれの2つの端部で直接接続するときに、「並列」と称され、これは、システムに所定の強度の変形が与えられると、2つの弾性戻し要素のそれぞれが、当該強度により少なくとも実質的に変形されることを意味する。
【0081】
調速システム及びまたは発振器は、当該発振器の一部を形成する弾性戻し要素の剛性を変更することで、ムーブメントの歩度の微調整を可能にするよう、特に形作られる及びまたは配置される。調整は、特に、当該発振器の一部を形成する弾性戻し要素の少なくとも1つの弾性ブレードの実効または有効長を、特にフレームに対して移動可能なレバーまたはフレームワークを用いて、変更することで、実施されてもよい。
【0082】
図1で模式的に示される発振器100は、
- 慣性要素4に連結される、剛性k1の第一弾性戻し要素1と、
- 第一弾性戻し要素1と直列に連結される、剛性k2の第二弾性戻し要素2と、
- 第一弾性戻し要素1と直列に連結され、第二弾性戻し要素2と並列に連結される、剛性k3の第三弾性戻し要素3であって、当該第三弾性戻し要素3の剛性k3は、第三弾性戻し要素3の剛性k3を変更する装置200を用いて変更可能である、第三弾性戻し要素3と、を含むという特徴を有する。有利には、当該第三弾性戻し要素3の剛性k3は、当該第三弾性戻し要素3の少なくとも1つの弾性ブレード31の実効または有効長を、特にレバーまたはフレームワーク7を用いて、変更することで変更されてもよい。
【0083】
発明者が行った研究によれば、発振器100の戻し要素1、2、3のこのような配置は、慎重に選択された剛性k1、k2、k3について、歩度の非常に微細な調整を可能にすることを実証した。例えば、4Hzの周波数が与えられた発振器100について、及び所定の剛性k1について、k2=20×k1であり、k3=k1の場合、剛性k3の±10%の変動は、±10秒/日に等しいまたは実質的に等しい、発振器100を含む時計の歩度の変動をもたらす。
【0084】
第三弾性戻し要素3の剛性k3の約±10%の変動は、第三弾性戻し要素3の少なくとも1つの弾性ブレード31の実効または有効長の調整を可能にする、レバーまたはフレームワークの使用により可能になるように見える。レバーまたはフレームワークは、時計士により、または自立装置により操作されてもよい。例えば、約±10%の剛性の変動は、軸A4周りの数度の角度、または約10度の角度で、レバーまたはフレームワークを移動することで生じてもよい。
【0085】
調速システム150は、てん輪と少なくとも1つのひげぜんまいといった、伝統的時計製造要素の使用、または一体成形組立体を形成するのに適した、可撓性ガイド及び要素の使用のいずれかを含む、様々な実施形態及び変形例に沿って以下に説明される。
【0086】
(
図2から9に示す)第一実施形態において、第一弾性戻し要素は、慣性要素4に連結された、ひげぜんまい1の形状である。
【0087】
(
図10から11に示す)第二実施形態において、第一弾性戻し要素は、慣性要素4’を弾性的に戻すよう、また案内するよう、特に旋回させるよう設計された、可撓性ガイド1’の形状である。
【0088】
以下に、これら2つの実施形態の様々な変形例が説明される。これら変形例において、
- 第三弾性戻し要素は、直線または湾曲弾性ブレード、またはひげぜんまいといった、様々な形状であってもよい、及び
- 慣性要素は、振動錘に限定される、または真により旋回されるてん輪の形状(一般的には「組立てんぷ」と称される)であってもよい。後者の場合、真は、特に打ち込みにより、てん輪に固定されてもよい。代替的に、真は、てん輪と一体であってもよい。換言すれば、真とてん輪とは、一体成形組立体を形成してもよい。
【0089】
実施形態や変形例に関わらず、第一弾性戻し要素1は、
図1から11に示すように、接続部材5を用いて、第二及び第三弾性戻し要素2、3にそれぞれ連結されてもよい。有利には、当該接続部材5は、(例えば、剛性k2とk3の非線形性といった)第二及び第三弾性戻し要素2、3により引き起こされるあらゆる外乱による、慣性要素と第一弾性戻し要素により構成される組立体の動作への影響が少なくなるよう、慣性要素に連結された第一弾性戻し要素1から第二及び第三弾性戻し要素2、3を機械的に分断することに寄与する剛性要素であってもよい。
【0090】
実施形態や変形例に関わらず、第二及び第三弾性戻し要素2、3は、フレーム6に連結される。フレームは、時計ムーブメント300のフレーム、特にプレートまたは台板といったムーブメントブランク6、特にてんぷ受であってもよい。
【0091】
実施形態や変形例に関わらず、第三弾性戻し要素3は、変更装置200の調整要素7を用いてフレーム6に連結されてもよい。
【0092】
(第一弾性戻し要素としてひげぜんまいまたは可撓性ガイドを採用する)実施形態や変形例に関わらず、第二弾性戻し要素を製造する有利な方法は、接続部材5を案内することを目的とする、少なくとも2つの埋め込みブレードで構成される、RCC(リモートセンターコンプライアンス)ピボットを用いることからなる。RCCピボットを構成する可撓性ブレードの仮想交差中心は、有利には、(第一実施形態では)慣性要素の幾何学的軸A4が通過する点と一致してもよく、または(第二実施形態では)可撓性ガイド1’と慣性要素の幾何学的(及び仮想)軸A4’が通過する点と一致してもよい。当該構成は、3つの弾性戻し要素のその他の配置と比較して、発振器100;100’の安定性を改善させる。
【0093】
慣性要素4;4’、特に「組立てんぷ4」、またはより一般的には発振器100;100’または調速システム150は、小型時計脱進機を用いて、ムーブメント300の最終輪列または最終ギヤを調速する。あらゆる既知の小型時計脱進機構成及びあらゆる既知の最終ギヤ構成を使用することができる。
【0094】
(
図2で模式的に示される)第一実施形態の第一変形例において、第一弾性戻し要素は、ブレード11が設けられたひげぜんまい1の形状であり、その第一中央端は、幾何学的軸A4の真42を用いて、慣性要素4の振動錘41に連結される。
【0095】
第二弾性戻し要素2は、2つの弾性ブレード21、22を含む。2つのブレード21、22は、好ましくは直線である。例えば、両者は、慣性要素4のピボット軸A4に関して、半径方向に向けられる。
【0096】
第三弾性戻し要素3は、単一弾性ブレード31の形状である。ブレード3は、好ましくは直線である。例えば、ブレード31は、慣性要素4のピボット軸A4に関して、半径方向に向けられる。
【0097】
ブレード21、22、31は、それぞれの第一端において、ひげぜんまい1に、ブレード11よりも実質的に硬く、ひげぜんまい1の遠心端においてブレード11を延長する、ひげぜんまい1の端部5において、連結される。ブレード21、22、31はまた、それぞれの第二端において、フレーム6に連結される。特に、ブレード21、22の第二端は、フレーム6に埋め込まれる、特に永続的に埋め込まれる。また、特に、ブレード31の第二端は、フレーム6に対して並進移動可能である中で、フレーム6に連結される、レバー7またはフレームワーク7からなる調整要素7に固定された、2つのピン81、82間で締結されるまたは保持される。ピンは、ピンとの接点において、第三ブレード31がクランプされる及びまたは保持される及びまたは支持されることを可能にする。接点において、第三ブレード31のたわみは、制限される、または相殺される。このため、ブレードの曲げは、端部5との接続点と、ピンとの接点との間で発生する。その結果、曲げられる第三ブレードの実効または有効長は、レバー7またはフレームワーク7を移動することで調整される。これによる効果は、第三ブレード31の剛性k3を変更することである。
【0098】
発振器100の作動中、慣性要素4は、軸A4周りに発振し、これはブレード11の圧縮と膨張、及びブレード21、22、23のたわみを生じる。特に、ブレード21、22は、ブレード11とひげぜんまい1の接続部材5とをフレーム6に連結する、可撓性ガイドを定義する。特に、この場合、ブレード21、22は、ブレード11とひげぜんまい1の接続部材5とをフレーム6に連結する、RCC(リモートセンターコンプライアンス)ピボットを定義する。RCCピボットの軸は、好ましくは、慣性要素4がその周りで旋回される幾何学的軸A4と一致する。ブレード31の実効長(そして前述のようにその剛性k3)を変更することは、ブレード21、22及びブレード31とそれぞれ直列に連結されるひげぜんまい1を含む、発振器100の剛性k100を変化させることを可能にする。
【0099】
前述のように、これは、接合点を提供し、レバー7またはフレームワーク7の並進移動の効果の下、ブレード31の実効長を定義する、ピン81、82のおかげで可能になる。
【0100】
発明者が行った研究によれば、発振器100のブレード11、21、22、31のこのような配置は、慎重に選択された剛性k1、k2、k3について、歩度の非常に繊細な調整を可能にすることを実証した。例えば、4Hzの動作周波数が与えられた発振器100について、及び所定の剛性k1について、k2=20×k1であり、k3=k1の場合、剛性k3の±10%の変動は、±10秒/日に等しいまたは実質的に等しい、発振器100を含む時計の歩度の変動をもたらす。
【0101】
(
図3に模式的に示す)第一実施形態の第二変形例において、ブレード31は、湾曲(円形または実質的に円形)形状を有し、その実効長は、回転可能なレバー7またはフレームワーク7を用いて調整可能である。これら特徴は、特に、第一実施形態の第一変形例との唯一の差異である。
【0102】
例えば、当該第二変形例において、接続部材5は、第一変形例の接続部材5よりもわずかに複雑さの高い構造を有する。特に、第二変形例にかかる接続部材5は、肘形形状を有してもよい。接続部材5は、(第一変形例と同一態様で)ブレード21、22をブレード11へ固定するため、軸A4周りに延長する第一円形または実質的円形部分と、ブレード31をブレード11へ固定するよう設計された、軸A4に関して半径方向にまたは実質的に半径方向に向けられた、第二直線部分とを有してもよい。
【0103】
ブレード31の他端は、好ましくは、フレーム6内に埋め込まれる。しかしながら、幾何学的軸A4周りの慣性要素4の発振の影響下で、その静止位置のいずれかの側に移動する、当該ブレード31の実効または有効長は、フレーム6に対して回転可能な、レバーまたはフレームワーク7に固定されたピン81及び82により定義される。第一変形例同様、ピン81及び82は、ブレード31に対する接合点を提供し、このためブレード31の実効または有効長の一端を定義する、即ち曲げに有効に供されるブレード31の長さを定義する。
【0104】
第一実施形態の(
図4から7に示す)第三変形例において、第三弾性戻し要素は、自身の中央端34が(
図4及び6で模式的に示す)フレーム6に連結または固着されたブレード31が設けられたひげぜんまい3の形状である。当該ひげぜんまい3は、ひげぜんまい1に、特にひげぜんまい1のブレード11に、接続部材5を用いて連結され、接続部材5は、第二弾性戻し要素2を介してフレーム6に機械的に連結される。この場合のフレームは、好ましくは、受、特にてんぷ受といった、ムーブメントブランク6である。
【0105】
特に、第二弾性戻し要素2及び接続部材5は、フレーム6の残りに固定または付着された中間部材61と一体である。このため、中間部材61は、フレーム6の一部を形成する。より一般的には、第二弾性戻し要素2と接続部材5は、フレーム6の残りに固定された同じ中間部材61内に含まれる。
【0106】
図7で特に示される、中間部材61は、概して細長いパネルの形状である。当該中間部材61は、有利には、第二弾性戻し要素2を形成する、弾性ブレード21a、21b及び22a、22bの2つの組が設けられる。
【0107】
特に、これらブレードの2つの組は、てん輪41に連結された真42の幾何学的軸A4を通過する平面Pに対して、対称的に配置され、真42は、部材61の中央開口610を通過する。
【0108】
ブレード21a、21bの組は、第一部分またはプレート51を中間部材61に弾性的に連結する。ブレード22a、22bの組は、第二部分またはプレート52を中間部材61に弾性的に連結する。部分またはプレート51及び52は、共に接続部材5を構成する。このため、プレート51、52は、それぞれブレード21a、21b及び22a、22bの組に固定される。
【0109】
これらプレート51、52のそれぞれは、ひげぜんまい1及び3のそれぞれの第一端部13a、33a及びそれぞれの第二端部13b、33bに、それぞれ固着されることが意図される。このように、ひげぜんまい1、3は、接続要素5を構成するプレート51、52に連結される。これらプレート自身は、弾性ブレード21a、21b及び22a、22bによりフレーム6に連結される。
【0110】
台板6の残りに固着された部材61は、このように、ひげぜんまい1及び3の支持部を構成することができる。
【0111】
特に、第一端部13a、13bと、第二端部33a、33bは、それぞれ、プレート51、52のそれぞれに形成された開口53a、53b内に適合される、特に打ち込まれることが意図される、スタッドまたはピンの形状である。代替的に、2つのプレートはスタッドを含み、ひげぜんまいの接続手段は、これらスタッドを受けるまたはスタッドが打ち込まれる開口を含んでもよい。
【0112】
プレート51、52のそれぞれは、ブレード21a、22b及び22a、22bの延長に形成され、ブレードのそれぞれは、この場合、U字型または実質的にU字型である。代替的に、弾性ブレード21a、21b及び22a、22bは、例えば、それぞれV字型または実質的にV字型、またはW字型または実質的にW字型であってもよい。代替的に、弾性ブレード21a、21b及び22a、22bは、例えば、それぞれ、必要とされる剛性値を達成するように形作られてもよい。
【0113】
特に、構造21a、21b、51及び22a、22b、52は、統一または一体成形要素を構成する。より一般的には、これら構造は、中間部材61内に含まれ、中間部材は一体成形組立体を形成する。統一組立体は、2つのプレート51、52を包含してもよい。
【0114】
スタッド13a、13b及び33a、33bの組は、ひげぜんまい1、3のブレード11、31の遠心端でその延長にそれぞれ形成される、接続手段12、32にそれぞれ固定される。特に、これらスタッドの2つの組は、上記平面Pに対して対称的に配置され、これは接続部材5を形成するプレート51、52を用いて、弾性ブレード21a、21b及び22a、22bの組とそれぞれ協働することが可能であることを意味する。
【0115】
第一接続手段12は、第一ブレード11の第一遠心端に配置され、第一ひげぜんまい1を第二弾性戻し要素2へ、特に接続部材5を用いて、連結する。
【0116】
第二接続手段32は、第三ブレード31の第二遠心端に配置され、第二ひげぜんまい3を第二弾性戻し要素2へ、特に接続部材5を用いて、連結する。
【0117】
弾性ブレード21a、21b及び22a、22bの組のそれぞれは、ひげぜんまい1及び3を部分51、52を用いて連結する一方、ひげぜんまい1及び3の可撓性ガイドを、特に(その仮想中心が軸A4と一致する)RCCピボットを定義する。
【0118】
図4、5及び6に示す構成例において、中間部材61は、ひげぜんまい1及び3の境界面に配置される。換言すれば、中間部材は、軸A4に従ってまたは
図6の矢印で模式的に示される垂直方向zに従って、ひげぜんまい1及び3の間に配置される。
【0119】
変更装置200は、例えば、ひげぜんまい3とフレーム6と、特にてんぷ受6との間に、(垂直方向zに沿って)配置されてもよい。先行する変更例で説明したように、またより具体的には
図6で示すように、ピン81、82は、フレーム6に関して回転可能である一方、フレーム6に連結された、レバー7またはフレームワーク7に固定される。
【0120】
有利には、ひげぜんまい1、3のブレード11及び31は、類似または実質的に類似、または同一であってもよい。このため、有利には、k3=k1である。例えば、4Hzの周波数が与えられた発振器100について、及びk3に等しい所定の剛性k1について、k2=20×k1である場合、剛性k3の±10%の変動は、±10秒/日に等しいまたは実質的に等しい、発振器100を含む時計の歩度の変動をもたらす。
【0121】
このような変形例は、伝統的時計製造要素(例えば、ひげぜんまい1、3、組立てんぷ4)を用いる一方で、中間部材61の特定の構造を用いて組立を簡単にするという利点を有し、中間部材61は、第二弾性戻し要素2と接続部材5の機能を組み合わせるという利点を有する。
【0122】
ひげ玉14は、好ましくは、第一ブレード11の第一中央端に配置され、てん輪41に固定された真42に固着される。
【0123】
有利には、ひげ玉14、第一ブレード11及び第一接続手段12は、一体成形組立体を形成する。同様に、有利には、第二中央端34、第二ブレード31及び第二接続手段32は、一体成形部品を形成してもよい。
【0124】
更に、てん輪41、真42及び(例えばひげ玉14を用いて真42に固着された)ひげぜんまい1は、変更装置200を用いた調整を可能にすることが望ましくない場合、フレーム6に直接組付けられてもよいという利点を有する。このため、当該組立体41、42、1は、従来のムーブメントと、変更装置200が設けられたムーブメント300の両方に組み込み可能な、標準化組立体を構成してもよい。
【0125】
任意で、てん輪41は、1日あたり数秒程度の、ムーブメントの歩度の微調整を可能にするため、可動ねじまたは慣性ブロックを含んでもよい。これらねじまたは慣性ブロックは、例えば、てん輪41の外縁410に可動的に固着される。これらねじまたは慣性ブロックは、例えば、キーまたはスクリュードライバを用いて(軸A4に向かうまたは離れるように)移動されるために、てん輪が静止中に、時計士により調整されてもよい。これら工具には、ムーブメントの歩度の非常に微細な調整を可能にするため、一般的に、ねじまたは慣性ブロックの延長または後退を示す手段が設けられる。
【0126】
より具体的には
図4及び5に示す、第三変形例において、てん輪41の外縁410は、有利には、別個の構成を、特に異なる質量を有する、慣性ブロック43a、43b及び44a、44bの2つの組を含む。特に、慣性ブロック43a、43bは、慣性ブロック44a、44bより長い。このため、軸A4に対する所定の運動について、慣性ブロック44a、44bは、慣性ブロック43a、43bに比べて、より微細な調整を提供する。慣性ブロックは、好ましくは、組立てんぷ4の釣り合いを最大限維持するために、組で移動される。
【0127】
本明細書で説明する手順によれば、第一実施形態の第三変形例は、ひげぜんまい3の弾性ブレード31の剛性k3を変更することで、特にレバー7またはフレームワーク7に固定され当該ブレードの接合点を提供するピン81、82を用いて、特にひげぜんまい3の弾性ブレード31の有効長を変更することで、ムーブメントの歩度の微調整を可能にする。当該解決策は、てん輪または発振器の作動中に歩度を調整するために、実施されることができる。代替的に、当該解決策は、てん輪が静止中に、例えば時計ムーブメントの組立または修理中に、実施されることができる。後者の場合、中間部材61をフレーム6の残りに関して動かす操作を含む、時計のビートを開始する潜在的ステップが、事前に実施されてもよい。中間部材61を動かす操作は、好ましくは、フレーム6の残りに関して幾何学的軸A4周りに中間部材61を回転させる操作である。
【0128】
任意で、歩度の予備または追加調整が、てん輪の停止中に、例えば時計ムーブメントの組立または修理中に、慣性ブロック43a、43b及び44a、44bを用いて実施されてもよい。
【0129】
このため、このような第三変形例は、調速システムの発振器を調整する手段の実施を可能にし、手段は以下を含む。
【0130】
- 任意で、軸A4に対しててん輪41の外縁410の慣性ブロック43a、43b及び44a、44bの位置決めを変更することからなる第一ステップ。
【0131】
- ひげぜんまい3の弾性ブレード31の剛性k3を、特にひげぜんまい3の弾性ブレード31の実効長を変更することで、変更することからなる第二ステップ。
【0132】
好ましくは、第一任意ステップは、第二ステップに先行して、特に調速システムまたは発振器の全体が組み立てられる前に、実施されてもよい。有利には、第一ステップは、てん輪が静止中に実施されてもよい。有利には、第二ステップは、てん輪が作動中に実施されてもよい。代替的に、第二ステップは、てん輪が静止中に実施されてもよい。任意で、中間部材61を回転させる操作を含む、時計のビートを開始する潜在的ステップが、第二ステップに先行して実施されてもよい。
【0133】
第一実施形態の(
図8に示す)第四変形例は、第三ブレード31がより硬い点で、第三変形例と基本的に異なる。第三変形例と比較すると、ブレード31の断面が大きい、及びまたはブレード31の長さが短い。例えば、第二弾性戻し要素2の剛性と、第三弾性戻し要素3の剛性とは、等しいまたは実質的に等しい。
【0134】
実際、発明者が行った研究によれば、例えば、4Hzの周波数が与えられた発振器100について、及び所定の剛性k1について、及び類似または同じオーダーであり、剛性k1よりも実質的に大きい、約125×k1の第二剛性k2と第三剛性k3について、剛性k3の±10%の変動は、±15秒/日に等しいまたは実質的に等しい、発振器100を含む時計の歩度の変動をもたらす。
【0135】
第一実施形態の(
図9で模式的に示す)第五変形例において、第二弾性戻し要素2と接続部材5が、ひげぜんまい1のブレード11の延長に形成されることが提案される。このため、この場合、第二弾性戻し要素2は、ブレード11より硬い、湾曲弾性ブレード21の形状である。接続部材5は、ブレード11の遠心端に形成された、(軸A4に関して半径方向または実質的に半径方向に向けられた)肘51の形状である。これは、ブレード11を第三弾性戻し要素を形成する湾曲弾性ブレード31へ連結し、第三弾性戻し要素を湾曲弾性ブレード21に連結する。ブレード21及び31の遠心端は、ブレード21の遠心端に形成された肘210を用いて、例えば埋め込み接続により、フレーム6に連結される。
【0136】
湾曲弾性ブレード31の実効長もまた、フレーム6に対して回転可能な、レバー7またはフレームワークのピン81、82により調整される。
【0137】
第二実施形態によれば、第一弾性戻し要素1’は、慣性要素4’を軸A4’周りに弾性的に戻すよう、また案内するよう、特に旋回させるよう設計された、可撓性ガイド1’の形状である。このため、第一弾性戻し要素1’は、例えば、Writtrickピボットを形成するよう交差する2つのブレード11’及び12’を含んでもよい。特に、ブレード11’及び12’は、2つの別個の平行面に配置される。ブレード11’及び12’は、それぞれの第一端において、接続部材5に連結される。ブレード11’及び12’はまた、それぞれの第二端において、振動錘41’に連結される。このため、慣性要素4’は、振動錘41’と、第一弾性戻し要素1’を形成するブレード11’と12’と、案内要素42’を含んでもよい。
【0138】
(
図10に示され、原理は第一実施形態の第一変形例と同等な)第二実施形態の第一変形例によれば、第二弾性戻し要素2は、RCCピボットを構成する2つの直線弾性ブレード21、22を含み、第三弾性戻し要素3は単一の直線弾性ブレード31の形状であり、ブレード21、22、31のそれぞれは、軸A4’に関して半径方向にまたは実質的に半径方向に延長する。
【0139】
ブレード11’、12’及び21、22及び31は、互いに、それぞれの第一端において、接続部材5を用いて、連結される。ブレード21、22、31はまた、それぞれの第二端において、フレーム6に連結される。特に、ブレード21、22の第二端は、フレーム6に永続的に埋め込まれ、ブレード31の第二端は、フレーム6に関して並進移動可能な一方、フレーム6に連結された、変更装置200のフレームワーク7に固定された2つの突起81、82間に係合する。
【0140】
発振器100’の動作中、錘41’は、軸A4’周りに発振し、これはブレード11’及び12’の曲げと、ブレード21、22、31のたわみを生じさせる。特にブレード21、22は、ブレード11’、12’と接続部材5とをフレーム6に連結する、可撓性ガイドを定義する。特に、ブレード21、22は、ブレード11’、12’と接続部材5とをフレーム6に連結する、RCCピボットを定義する。RCCピボットの軸は、好ましくは、慣性要素4’がその周りを旋回する、幾何学的(及び仮想)軸A4’と一致する。ブレード31の実効長の変更は、ブレード21、22及びブレード31のそれぞれと直列に連結される第一弾性戻し要素1’を含む、発振器100’の剛性k100’を変化させることを可能にする。
【0141】
発明者が行った研究によれば、発振器100’のブレード11’、12’、21、22、31のこのような配置は、慎重に選択された剛性k1’、k2、k3について、歩度の非常に微細な調整を可能にすることを実証した。例えば、10Hzの周波数が与えられた発振器100’について、及び所定の剛性k1’について、k2=20×k1’であり、k3=k1’の場合、剛性k3の±10%の変動は、±10秒/日に等しいまたは実質的に等しい、発振器100を含む時計の歩度の変動をもたらす。
【0142】
(
図11に示す)第二実施形態の第二変形例は、ブレード31が湾曲形状を有し、その実効または有効長は、回転可能なレバー7を用いて調整可能なことを除き、第一変形例と実質的に同一である。
【0143】
このため、接続部材5は、第一変形例の接続部材5よりもわずかに複雑さの高い構造を有する。特に、第二変形例にかかる接続部材5は、肘形形状を有する。2つの第一円形または実質的円形部分は、ブレード21、22をブレード11’、12’へ固定するため、軸A4’周りに延長し、軸A4’に関して半径方向にまたは実質的に半径方向に向けられた、第二直線部分は、ブレード31をブレード11’、12’へ固定するよう設計される。
【0144】
ブレード31の他端は、フレーム6内に埋め込まれる。しかしながら、幾何学的軸A4’周りの慣性要素4’の発振の影響下で、その静止位置のいずれかの側に移動する、当該ブレード31の実効長は、フレーム6に機械的に連結された回転レバー7に固定されたピン81及び82により定義される。
【0145】
実施形態や変形例に関わらず、発振器100、100’は、一体成形部品であってもよく、要素の組立体で構成されてもよい。
【0146】
本明細書で説明したひげぜんまい1、3は、好ましくは、単一ブレードを含む。もちろん、1以上の平面内の、2つのブレードといった複数のブレードを含む、少なくとも1つのひげぜんまいを実施することも可能である。
【0147】
実施形態や変形例に関わらず、発振器100;100’は、本明細書で説明した第一、第二及び第三弾性戻し要素に加えて、1以上の他の弾性戻し要素を含んでもよい。例えば、発振器100;100’は、熱補償目的で、または歩度の修正を微調整するため、少なくとも1つの第四弾性戻し要素を含んでもよい。例えば、第四弾性戻し要素は、第二及び第三弾性戻し要素と並列に配置されてもよい。
【0148】
実施形態や変形例に関わらず、弾性戻し要素は、あらゆる配向の単結晶シリコン、多結晶シリコン, 非晶質シリコン, 非晶質二酸化ケイ素, あらゆるタイプやレベルのドーピングによるドープされたシリコン、または多孔質シリコンを、少なくとも部分的に、含んでもよい。弾性戻し要素はまた、炭化ケイ素、ガラス、セラミック、複合材料、または石英を含んでもよい。代替的に、弾性戻し要素は、金属または金属合金、特にNb-ZrまたはNb-Ti製の合金といった、常磁性金属合金から構成されてもよい。
【0149】
本明細書は、旋回される慣性要素を用いた解決策を説明する。もちろん、本発明のコンセプトは、例えば並進で移動されるよう設計された、慣性要素にも適用可能である。
【0150】
本明細書において、慣性要素の発振周波数は、3Hzから8Hzの間であってよく、典型的には4Hzである。当該周波数は、もちろん、時計の特定の要件に応じて選択されることができ、当該周波数はまた、8Hz以上であってもよく、例えば10Hz、または10Hzから100Hzの間、または100Hz以上であってもよい。
【0151】
有利には、実施形態や変形例に関わらず、剛性k1、k2、k3は、
- k2+k3>k1、またはk2+k3>>k1、例えばk2+k3>10×k1、及びまたは
- 第二剛性k2は、第一剛性k1よりも実質的に大きい、特に第二剛性k2は、第一剛性k1よりも実質的に大きく、第三剛性k3よりも実質的に大きい、
ようにされる。
特に、実施形態や変形例に関わらず、剛性k1、k2、k3は、
- 第一剛性k1と第三剛性k3は、類似または同じオーダーである、特にk3=α×k1、ここで0.5≦α≦2である、及び
- 第二剛性k2は、第一剛性k1及び第三剛性k3よりも実質的に大きい、特にk2=β×k1及びまたはk2=β×k3、ここで10≦β≦80、好ましくはβ=20またはβ≒20である、
ようにされる。
代替的に、実施形態や変形例に関わらず、剛性k1、k2、k3は、
- 第二剛性k2と第三剛性k3は、類似または同じオーダーである、特にk3=γ×k2、ここで0.5≦γ≦2である、及び
- 第二剛性k2と第三剛性k3は、第一剛性k1よりも実質的に大きい、特にk2=δ×k1及びまたはk3=δ×k1、ここで100≦δ≦200、好ましくはδ=125またはδ≒125である、
ようにされてもよい。
【0152】
特定の変形例において、第二弾性戻し要素2は、湾曲ブレード21である。有利には、湾曲ブレードは、第一弾性戻し要素1を形成するひげぜんまい1のブレード11の延長に形成されてもよい。
【0153】
上述の様々な実施形態や変形例において、第一、第二及び第三弾性戻し要素は、接続部材5により互いに連結される。当該接続部材5は、
- 第一弾性戻し要素1;1’の一部を形成する、または
- 第一弾性戻し要素1を形成するひげぜんまい1のブレード11の延長に形成される、または
- 第一弾性戻し要素1’を形成する可撓性ガイド1’のブレード11’、12’の延長に形成される、
ことであってもよい。
【0154】
実施形態や変形例に関わらず、慣性要素4;4’及び第一、第二及び第三弾性戻し要素は、単一部品製であってもよく、一体成形組立体を形成してもよい。
【0155】
本発明はまた、調整装置200そのものに関する。装置は、上述の調速システム150;150’、または上述の発振器100;100’を調整するために用いられてもよい。調整装置200は、特に第三弾性戻し要素3の剛性k3を変更する装置であってもよい。この剛性の変更は、特に第三弾性戻し要素3の有効または実効長を変更することで、特に第三弾性戻し要素3の少なくとも1つのブレード31の有効または実効長を変更することで達成されてもよい。
【0156】
上述の解決策において、調整装置は、より具体的には弾性戻し要素の有効または実効長を変更するために使用可能な、弾性戻し要素の剛性を変更する装置200である。
【0157】
有利には、実施形態や変形例に関わらず、レバーまたはフレームワーク7は、フレームに対して移動可能であり、第三弾性戻し要素の接合点または支持部を提供する、要素であってもよい。特に、接合点または支持部は、第三弾性戻し要素に、特に第三弾性戻し要素の弾性ブレードに重みをかけるよう配置されたピン81、82の表面に、特に円筒面に設けられてもよい。
【0158】
本発明はまた、上述の調速システム150;150’の発振器100;100’または上述の時計ムーブメント300または上述の時計400を調整する方法に関する。
【0159】
方法は、第三弾性戻し要素3の第三剛性k3を変更するステップを含む。
【0160】
第三弾性戻し要素3の第三剛性k3の変更は、第三弾性戻し要素3の有効長の変更、特に第三弾性戻し要素3の少なくとも1つのブレード31の有効長の変更であってもよい。変更は、好ましくは、上述の調整装置を用いて実施される。このような調整装置は、第三弾性戻し要素3の点において、第三弾性戻し要素3の変形を、特に制限、または相殺することを可能にし、当該点は第三弾性戻し要素3に沿って移動可能である。
【0161】
発振器のてん輪の慣性を調整することによるムーブメントの歩度の調整の可能性に加えて、本明細書で説明した解決策は、発振器の一部を形成する所定の弾性戻し要素の剛性を変更することで、特に可動であり弾性ブレードの接合点を提供するレバーまたはフレームワークを用いて、特に発振器の一部を形成する弾性戻し要素の少なくとも1つの弾性ブレードの実効長を変更することで、ムーブメントの歩度の微調整を可能にする。提案した解決策は、発振器の作動中に歩度を調整するために実施可能である。
【0162】
説明した解決策において、発振器は、慣性要素に連結された第一弾性戻し要素、第一弾性戻し要素と直列に連結される第二弾性戻し要素、及び第一弾性戻し要素と直列に連結され、第二弾性戻し要素2と並列に連結される第三弾性戻し要素を含むという特徴を有し、第三弾性戻し要素の剛性は、第三弾性戻し要素の剛性を変更する追加装置を用いて変更可能である。有利には、第三弾性戻し要素の剛性は、特に第三弾性戻し要素の実効長を変更する、可動レバーまたはフレームワークの形状であってもよい、追加装置を用いて、第三弾性戻し要素の少なくとも1つの弾性ブレードの実効長を調整することで変更されてもよい。当該可動レバーまたはフレームワークは、有利には、ピンまたは突起との接点において、第三ブレード31をクランプ及びまたは保持及びまたは支持するピンまたは突起を含む。これら接点において、第三ブレード31のたわみは制限される、または相殺される。有利には、当該レバーまたはフレームワークは、2つのピンまたは2つの突起の組を含む。もちろん、当該レバーまたはフレームワークは、2つのピンまたは2つの突起以上のピンや突起を含んでもよい。
【符号の説明】
【0163】
1 第一弾性戻し要素
2 第二弾性戻し要素
3 第三弾性戻し要素
4 組立てんぷ
5 接続部材
6 フレーム
11 第一ブレード
14 ひげ玉
31 第二ブレード
41 てん輪
42 真
51 プレート
52 プレート
61 中間部材
100 発振器
150 調速システム
200 調整装置
300 ムーブメント
400 時計
【外国語明細書】