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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132957
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】デバイス用の作動機構
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/666 20060101AFI20240920BHJP
   H01H 33/42 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01H33/666 M
H01H33/42 D
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024036130
(22)【出願日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】202311016937
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】2306481.9
(32)【優先日】2023-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラシケシュ ソラーゼ
(72)【発明者】
【氏名】ビシャル パワール
(72)【発明者】
【氏名】ミナル ワグモア
(72)【発明者】
【氏名】カウシィク コナ
(72)【発明者】
【氏名】マンゲシュ ピングル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性が高くコンパクトで省スペースのデバイスを提供する
【解決手段】第1の軸に沿って配置され、各々が固定接点及び可動接点を備え、負荷から電源を接続及び切断するように構成された複数の切替機構と、複数の切替機構を同時に作動させるための作動機構と、を備える。作動機構は、複数の切替機構の可動接点を移動させるように構成されたブリッジと、第1の軸に平行な回転軸に沿って配置され、回転軸を中心として回転するように構成されたシャフトと、シャフトの回転からのトルクを、ブリッジに対して第2の方向に作用する直線力に変換するように構成された1つ以上の力伝達機構と、を備える。第2の方向は、第1の軸に垂直である。直線力に応じた第2の方向におけるブリッジの移動は、可動接点を固定接点と電気的に接触させて切替機構を閉じ、電源を負荷に接続させる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸(104)に沿って配置され、各々が固定接点(250)及び可動接点(252)を備え、負荷から電源を接続及び切断するように構成された複数の切替機構(210)と、
前記複数の切替機構を同時に作動させるための作動機構と、を備え、前記作動機構は、
前記複数の切替機構の前記可動接点を移動させるように構成されたブリッジ(254)と、
前記第1の軸に平行な回転軸に沿って配置され、前記回転軸を中心として回転するように構成されたシャフト(214)と、
前記シャフトの回転からのトルクを、前記ブリッジに対して第2の方向(258)に作用する直線力に変換するように構成された1つ以上の力伝達機構と、を備え、
前記第2の方向は、前記第1の軸に垂直であり、前記直線力に応じた前記第2の方向における前記ブリッジの移動は、前記可動接点を前記固定接点と電気的に接触させて前記切替機構を閉じ、前記電源を前記負荷に接続させる、
スイッチングデバイス(208)。
【請求項2】
前記各切替機構に対して、前記移動接点は、前記第2の方向に沿って前記シャフトと前記固定接点との間に配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記1つ又は複数の力伝達機構は、前記第2の方向に沿って前記シャフトと前記固定接点との間に配置される、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記1つ以上の力伝達機構は、前記シャフトに結合される、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記各切替機構は真空インタラプタを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記1つ以上の力伝達機構は、
前記第1の軸及び前記第2の方向の両方に垂直な第3の軸(106)を中心として回転するように構成された二次シャフト(334)と、
前記二次シャフトの回転に応じて前記ブリッジを前記第2の方向に移動させるために前記直線力を加えるように構成された四節リンク機構(330)と、
前記シャフトの回転からのトルクを伝達して前記四節リンク機構を駆動するように、前記シャフトの回転に応じて前記二次シャフトを回転させるように構成されたカップリングと、を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記カップリングは、傘歯車対(340)を含む、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記傘歯車対は、1:1の傘歯車対である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記カップリングは、平歯車対(342)をさらに備え、前記傘歯車対及び前記平歯車対は、前記第3の軸に平行に延在するシャフトによって回転可能に接続される、請求項7又は8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記平歯車対は、1:1の平歯車対である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記シャフト及び前記二次シャフトは重なり合うが前記第2の方向に沿ってオフセットされる、請求項9又は10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記1つ以上の力伝達機構は、前記シャフト上に配置された1つ以上のカム(402)と、前記ブリッジ上に配置された1つ以上の対応するカムフォロア(404)と、を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記シャフトは、当該シャフトの前記回転軸に平行に延在するが前記回転軸からオフセットされるオフセット部分(214a)を備え、前記デバイスは、
前記シャフトの前記オフセット部分に連結された弾性変形可能部材(506)をさらに備え、
ユーザ入力に応じた前記回転軸を中心とする前記シャフトの回転は、前記弾性変形可能部材の変形を引き起こし、前記変形した弾性変形可能部材の変形による復元力は、前記ユーザ入力非依存に前記回転軸の周りの前記シャフトのさらなる回転を引き起こし、
任意選択的に、前記弾性変形可能部材は引張ばねである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記切替機構が閉じているときに前記作動機構を保持するように構成されたラッチ(348)をさらに備え、前記ラッチは、前記作動機構を解放して前記切替機構を開くために、ユーザによって係合可能である、請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の、複数のスイッチングデバイスを備え、
前記各スイッチングデバイスは、複数の極を備え、前記各極は、前記スイッチングデバイスのそれぞれの切替機構に関連付けられる、開閉装置(100b)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、デバイス用の作動機構に関する。特に、本出願は、複数の切替機構を有するスイッチングデバイスであって、作動機構及び切替機構が深さ方向の配向で配置されているスイッチングデバイスに関する。いくつかの特定の例示的な実装形態では、デバイスは、真空回路遮断器(Vacuum Circuit Breaker、VCB)である。
【背景技術】
【0002】
開閉装置及び他のスイッチングデバイスは、電力会社、商業ビル所有者、及びソーラー発電や風力タービンなどの分散型再生可能発電資産のオペレータらによって操作される機器などの電気機器を制御及び保護するために使用される。そのような開閉装置は、リングメインユニット(RMU)のような、様々な用途のための各種中電圧デバイス(例えば、定格12kV又は24kVのデバイス)を含む。他のスイッチングデバイスは、例えば、真空回路遮断器(VCB)を含む。
【0003】
任意の所与の機器仕様又は用途に対して、信頼性が高くコンパクトで省スペースのデバイスを提供することが望ましい。また、省スペースの作動機構を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
保護すべき事項は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0005】
本明細書で開示されるスイッチングデバイスは、第1の軸に沿って配置され、各々が固定接点及び可動接点を備え、負荷から電源を接続及び切断するように構成された複数の切替機構と、複数の切替機構を同時に作動させるための作動機構と、を備える。作動機構は、複数の切替機構の可動接点を移動させるように構成されたブリッジと、第1の軸に平行な回転軸に沿って配置され、回転軸を中心として回転するように構成されたシャフトと、シャフトの回転からのトルクを、ブリッジに対して第2の方向に作用する直線力に変換するように構成された1つ以上の力伝達機構と、を備える。第2の方向は、第1の軸に垂直である。直線力に応じた第2の方向におけるブリッジの移動は、可動接点を固定接点と電気的に接触させて切替機構を閉じ、電源を負荷に接続させる。
【0006】
いくつかの実装形態では、各切替機構に対して、移動接点は、第2の方向に沿ってシャフトと固定接点との間に配置される。任意選択的に、1つ又は複数の力伝達機構は、第2の方向に沿ってシャフトと固定接点との間に配置される。任意選択的に、1つ以上の力伝達機構はシャフトに結合される。
【0007】
いくつかの実装形態では、各切替機構は真空インタラプタを備える。任意選択的に、スイッチングデバイスは真空回路遮断器である。
【0008】
いくつかの例では、1つ又は複数の力伝達機構は、第1の軸及び第2の方向の両方に垂直な第3の軸を中心として回転するように構成された二次シャフトと、二次シャフトの回転に応じてブリッジを第2の方向に移動させるために直線力を加えるように構成された四節リンク機構と、シャフトの回転からのトルクを伝達して四節リンク機構を駆動するように、シャフトの回転に応じて二次シャフトを回転させるように構成されたカップリングと、を備える。
【0009】
任意選択的に、カップリングは傘歯車対を備える。任意選択的に、傘歯車対は1:1の傘歯車対である。いくつかの例では、カップリングは、平歯車対をさらに備え、傘歯車対及び平歯車対は、第3の軸に平行に延在するシャフトによって回転可能に接続される。任意選択的に、平歯車対は1:1の平歯車対である。この構成は、よりコンパクトなデバイスの提供を容易にすることができる。
【0010】
いくつかの例では、シャフト及び二次シャフトは重なり合うが第2の方向に沿ってオフセットされる。任意選択的に、シャフトは、シャフトの回転軸に平行に延在するが回転軸からオフセットされたオフセット部分を備える。任意選択的に、デバイスは、シャフトのオフセット部分に結合された弾性変形可能部材をさらに備え、ユーザ入力に応じた回転軸を中心とするシャフトの回転は、弾性変形可能部材の変形を引き起こし、変形した弾性変形可能部材の変形による復元力は、ユーザ入力非依存に回転軸を中心とするシャフトのさらなる回転を引き起こす。任意選択的に、弾性変形可能部材は引張ばねである。
【0011】
このオフセットされた弾性変形可能な部材は、トグル点の提供を容易にすることができ、トグル点の先でデバイスのユーザ非依存作動可能にする。したがって、デバイスのより迅速な作動を容易にすることができる。
【0012】
任意選択的に、1つ以上の力伝達機構は、シャフト上に配置された1つ以上のカムと、ブリッジ上に配置された1つ以上の対応するカムフォロアと、を備える。カム及びカムフォロアの構成は、作動機構のシャフトを介した切替機構の確実な作動を容易にすることができる一方で、シャフトを作動機構の残りの部分及び切替機構と整列させることによって、作動機構全体をよりコンパクトにすることができる。
【0013】
いくつかの例では、デバイスは、切替機構が閉じているときに作動機構を保持するように構成されたラッチをさらに備え、ラッチは、作動機構を解放して切替機構を開くために、ユーザによって係合可能である。ラッチは、作動機構を保持し、シャフトのさらなる回転を防止するように係合することができ、それによって、ユーザによって解放されるまで切替機構を閉じたままにする。したがって、デバイスの偶発的な開放を防止することができる。
【0014】
また、本明細書に開示されるのは、上述したような複数のスイッチングデバイスを備える開閉装置であって、各スイッチングデバイスは複数の極を備え、各極はスイッチングデバイスのそれぞれの切替機構に関連付けられる。
【0015】
いくつかの例では、1つ又は複数の接地又は切断スイッチも設けることができる。例えば、本明細書で説明されるスイッチングデバイスは、複数の断路器及び接地スイッチをさらに備えることができ、各断路器及び接地スイッチは、それぞれの切替機構に関連付けられる。各断路器及び接地スイッチは、第1の端部及び第2の端部を有する断路器ブレードを備えることができ、断路器ブレードは、3つの異なる位置の間で第1の端部を中心として枢動するように構成され、3つの位置は、断路器及び接地スイッチが閉じられ、電源が断路器ブレードを介して負荷に接続される第1の位置と、断路器及び接地スイッチが開いており、電源が負荷から切り離されている第2の位置、すなわち絶縁位置と、電源が負荷から切り離されており、断路器ブレードの第2の端部が接地接点に電気的に接続されている第3の位置と、を含む。そのような断路器及び接地スイッチ(接地切断スイッチとも呼ばれる)は、3PSスイッチ(3極断路器及び接地スイッチ)と呼ぶことができる。
【0016】
信頼性が高くコンパクトで省スペースの開閉装置を提供することが望ましい。また、ケーブル健全性の現場試験を容易にし、開閉装置の保守の容易さを改善するために、オン、オフ(又は絶縁)、及び接地の3つの位置を有する接地切断スイッチ(断路器及び接地スイッチとも呼ばれる)を提供することが望ましい。3極断路器及び接地をコンパクトな開閉装置と組み合わせることが特に望ましい。本明細書に記載の作動機構を備える開閉装置はこのようなコンパクトな開閉装置を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下の説明は、図面を参照している。
図1A図1Aは、既存の開閉装置構造の平面図を示し、図1Bは、本明細書で説明されるような深さ方向の開閉装置構造の平面図を示す。
図1B図1Aは、既存の開閉装置構造の平面図を示し、図1Bは、本明細書で説明されるような深さ方向の開閉装置構造の平面図を示す。
図2A図2Aは、深さ方向構造を有する例示的なスイッチングデバイスの概略平面図を示し、図2Bは、図2Aのスイッチングデバイスの側面図を示す。
図2B図2Aは、深さ方向構造を有する例示的なスイッチングデバイスの概略平面図を示し、図2Bは、図2Aのスイッチングデバイスの側面図を示す。
図3-1】Aは第1の例示的なスイッチングデバイスの斜視図である。
図3-2】Bは、Aのスイッチングデバイスの側面図である。
図3-3】Cは、第1の例示的なスイッチングデバイスの作動機構の一態様の概略図である。
図3-4】D及びEは、第1の例示的なスイッチングデバイスの作動機構の別の態様の概略図である。
図4図4は、第2の例示的なスイッチングデバイスの斜視図を示す。
図5A図5Aは、図4の第2の例示的なスイッチングデバイスの側面図を示し、図5Bは、第2の例示的なスイッチングデバイスの作動機構の概略図である。
図5B図5Aは、図4の第2の例示的なスイッチングデバイスの側面図を示し、図5Bは、第2の例示的なスイッチングデバイスの作動機構の概略図である。
図6図6は、作動中の第2の例示的なスイッチングデバイスの位置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1Aの概略図を参照すると、既存の開閉装置構造が平面図(トップダウン)で示されている。この例示的な開閉装置100aは、3ウェイ、3相(又は3極)デバイスであり、すなわち、各々が3つの相/極210を有する3つのスイッチングデバイス208を有する。いくつかの例では、各スイッチングデバイスは、ライブ接点及び接地接点のための2極切断スイッチ、例えば、2つの位置(オン、接地)を有するスイッチを有する。切断スイッチ又は断路器及び接地スイッチは図示されていない。
【0019】
各スイッチングデバイスは、長手方向102(又は長手方向軸102)に沿ってパネル又は筐体216内に配置され、各スイッチングデバイスの位相/極(L1、L2、L3)も同様に長手方向に沿って配置される。この配置は、本明細書では「長手方向」の配向又は「横幅方向」の配向と呼ぶ。既存の開閉装置の1つの特定の例では、そのような長手方向/幅方向構造は、1100mmの横幅w(長手方向102に沿って)と、600mmの深さd(長手方向に垂直な横方向104に沿って)と、を提供する。しかしながら、開閉装置は、他の寸法を有してもよく、スイッチ形式の任意の好適な組合せを含んでもよいことが理解されるであろう。
【0020】
図1Bの概略図を参照すると、本発明による新しい開閉装置構造が平面図(トップダウン)で示されている。この例示的な開閉装置100bは、3ウェイ、3相(又は3極)デバイスであり、すなわち、各々が3つの相/極210を有する3つのスイッチングデバイス208を有する。いくつかの例では、各スイッチングデバイスは、3つの位置(オン、オフ又は絶縁、接地)を持つ3極接地切断スイッチ(又は断路器及び接地スイッチ)を有する。他の例では、各スイッチングデバイスは、開閉装置100aのように、2極切断スイッチを有する。切断スイッチ又は断路器及び接地スイッチは図示されていない。
【0021】
各スイッチングデバイス208は、長手方向102に沿ってパネル又は筐体116内に配置されるが、各スイッチングデバイス208の位相/極210は、横方向104に沿って配置される(各スイッチの極は、それぞれの横軸104に沿って配置される)。この配置は、本明細書では「横方向」の配向又は「深さ方向」の配向と呼ばれる。提案された開閉装置の1つの特定の例において、そのような横方向/深さ方向の構造は、780mmの深さd(長手方向102に垂直な横方向104に沿って)とともに、900mmの横幅w(長手方向102に沿って)を提供する。別の特定の実施例では、そのような横方向/深さ方向構造は、750mmの深さd(長手方向102に垂直な横方向104に沿って)とともに、700mmの横幅w(長手方向102に沿って)を提供する。しかしながら、この配向を有する開閉装置は、他の寸法を有してもよく、スイッチ形式の任意の好適な組合せを含んでもよいことが理解されるであろう。例えば、任意の開閉装置100bは、複数のスイッチングデバイス208を備えてもよく、各スイッチングデバイスは、図1Bの構造に従って配置された複数の極210を有してもよい。
【0022】
言い換えれば、図1Bの開閉装置構成は、一般に、負荷から電源を切断するように構成された複数のスイッチングデバイス208を備える任意の開閉装置に対して実装することができる。図1Bに図示される新規な開閉装置構造によって、開閉装置製品の横幅を減少させてもよい。これは、よりコンパクトな開閉装置を提供する一方で、例えば、接地接点のための3極断路スイッチ(3極断路器及び接地スイッチ)を提供することも可能にする。しかしながら、開閉装置100bの深さ方向の配向に対応するために、既存の開閉装置100aの作動機構を改造する必要がある。これについて、図2を参照して説明する。
【0023】
図2を参照して、スイッチングデバイス208を説明する。図2Aは平面図(上から)を示し、図2Bは側面図を示す。いくつかの特定の例では、スイッチングデバイス208は、真空回路遮断器(VCB)として実装することができる。しかしながら、スイッチングデバイスは、必要に応じて、任意の他の形式のデバイスであってもよいことが理解されるであろう。例えば、デバイスは負荷遮断スイッチであってもよい。
【0024】
スイッチングデバイス208は、任意選択的に、筐体216内に封入することができる。所望の寸法又は容量の開閉装置100b又は他の断路装置を提供するために、1つ又は複数の開閉装置208を組み合わせて提供することができる。1つ又は複数のスイッチングデバイス208は、筐体216のスイッチング区画内(破線で図示される)に設けることができる。
【0025】
スイッチングデバイス208は、負荷から電源を接続及び切断するように構成された複数の切替機構210を備える。ここでは、3つの切替機構(210a、210b、210c)が存在するが、スイッチングデバイス108の用途に応じて、2つの切替機構又は3つより多くの切替機構が存在してもよい。言い換えれば、任意の適切な数の切替機構(任意の適切な形式、例えば、機械式、電気機械式、及び/又は半導体式)が使用されてもよい。複数の切替機構は、第1の軸104(図1の横軸と同じ配向を有する)に沿って配置される。換言すれば、切替機構は深さ方向の配向で配置されている。各切替機構210は、固定接点250及び可動接点252を備える。
【0026】
作動機構は、複数の切替機構を同時に作動させるために設けられる。作動機構は、複数の切替機構の可動接点を移動させるように構成されたブリッジ254を備える。作動機構は、回転軸256に沿って配置されたシャフト214を備える。回転軸256は、第1の軸104に平行である。シャフトは、回転軸256を中心に回転するように構成される。ハンドル240によって、又は任意の好適な機構を通して、シャフトを回転又は旋回させることができる。
【0027】
作動機構はまた、シャフトの回転からのトルクを、ブリッジ254に対して第2の方向258に作用する直線力に変換するように構成された1つ以上の力伝達機構を備える。第2の方向は、第1の軸104に垂直である。ここで、第2の方向は、軸106に平行なものとして示されている。直線力に応じた第2の方向258におけるブリッジの移動は、可動接点252を固定接点250と電気的に接触させて切替機構210を閉じ、電源を負荷に接続させる。ブリッジ254は、可動接点252を担持することができ、あるいは、可動接点を駆動して固定接点に電気的に接触させてスイッチングデバイス108を閉じる(オン位置)ように構成することができる。ブリッジ254はまた、可動接点を移動させて固定接点との電気的接触を絶ち、スイッチングデバイスを開くことができる(オフ位置)。
【0028】
このようにして、作動機構は、シャフトのアライメントが第1の軸104に沿った切替機構210のアライメントに平行になるように、深さ方向の配向で配置される。このようにして、横幅方向又は長手方向の(軸102に沿った)寸法がより小さい、よりコンパクトな設計を提供することができる。換言すれば、作動機構の深さ方向のアライメント又は配向は、よりコンパクトなスイッチングデバイスの提供を容易にすることができる。
【0029】
いくつかの例では、図2を参照して説明した作動機構を有する開閉装置100bが提供される。開閉装置は、上記態様のいずれかに記載の複数のスイッチングデバイスを備える。各スイッチングデバイスは、複数の極を備え、各極は、スイッチングデバイス208のそれぞれの切替機構210に関連付けられる。言い換えれば、各スイッチングデバイス208は、複数の極と作動機構とを備え、各極は、固定接点及び可動接点を有するそれぞれの切替機構210と関連付けられ、作動機構はシャフト214を備える。シャフト214は、ハンドル240を介して外部から入力された力を伝達して、可動接点252を移動させてそれぞれのスイッチングデバイス208の切替機構210を開閉するために、回転軸を中心として回転するように構成されている。複数のスイッチングデバイスは、開閉装置100b内に長手方向軸(102)に沿って配置される。各スイッチングデバイスの複数の極は、長手方向軸に垂直な第1の軸(104)に沿って配置される。各シャフト214は、第1の軸104に平行な回転軸に沿って配置される。したがって、本明細書に記載の深さ方向の作動機構によってコンパクトな開閉装置を提供することができる。
【0030】
図2をさらに参照すると、いくつかの例では、各切替機構は、移動接点252が第2の方向に沿ってシャフト214と固定接点250との間に配置されるように配置又は配向され得る。換言すれば、固定接点250は、軸106に沿ってシャフトからオフセットされ、移動接点は、固定接点とシャフトとの間に配置される。いくつかの例では、1つ以上の力伝達機構は、第2の方向に沿ってシャフトと固定接点との間に配置される。換言すれば、作動機構の可動部分は、固定接点とシャフトとの間に配置され、各可動部分は、軸106に沿って空間内に固定される。
【0031】
垂直オフセット(第2の方向258に沿ったオフセット)を提供することによって、(長手方向102における)スイッチングデバイス208の横幅を低減してもよい。換言すれば、軸106又は第2の方向に沿った作動機構及び切替機構の配置又は配向は、よりコンパクトなスイッチングデバイスの提供を容易にすることができる。
【0032】
切替機構は、任意の好適な様式で実装されてもよいし、又は任意の好適な形式、例えば、任意の好適な形式の機械式又は電気機械式の機構であってもよい。切替機構の上部接点は、シャフト214の回転に応じて作動機構によって移動可能な可動接点252である。切替機構の固定接点は、筐体216に固定されてもよいし、又は任意の他の適切な方法で固定されてもよい。
【0033】
いくつかの特定の例では、各切替機構110は、真空インタラプタ(Vacuum Interrupter、VI)として実装されるか、又は真空インタラプタを備える。これらの例では、ブリッジ254は、移動接点を駆動して固定接点と電気的に接触させるように構成される。例えば、第2の方向258におけるブリッジの移動が真空インタラプタを作動させるように、ブリッジを、真空インタラプタに関連付けられた1つ以上の駆動ピン又は駆動ロッド(図3Aに図示される駆動ロッド344など)に結合させることができる。VIは、VCB、すなわち真空回路遮断器の一部として実装することができる。VCBでは、通電接点(例えば、移動接点又は可動接点)のスイッチオン及び閉鎖の動作、ならびに相互に関連するアーク遮断は、真空遮断器と呼ばれる遮断器内の真空チャンバの中で行われる。
【0034】
真空遮断器VIの上部接点は、シャフト214の回転に応じて作動機構によって移動可能な可動接点252である。真空インタラプタVIの固定接点は、支持板(図示せず)を介して筐体216の底板に固定することができる。VIの筐体は、固定接点及び移動接点を覆い、支持板にボルト留めされる。絶縁材料(図示せず)で形成された支柱支持体を支持板と底板との間にボルト留めして、支持板を筐体216のスイッチング区画内に保持することができる。上述したように、移動接点は、シャフト214の作動/回転に応じてVI筐体内で移動する。特に、シャフト214の回転は、作動機構のブリッジ254に結合された駆動ピン/ロッドを作動させ、可動接点をシャフト214から離れるように第2の方向258に押し、切替機構210を開く。
【0035】
次に、特に図3を参照して、(図2を参照して説明したように)シャフトの回転からのトルクを、ブリッジ254に対して第2の方向258に作用する直線力に変換するように構成された1つ又は複数の力伝達機構の、第1の例示的な実装形態について説明する。ブリッジは、1つ以上のプレート360の間に挟まれてもよいし、あるいは、少なくとも部分的に1つ以上のプレート360の中に封入されてもよい。
【0036】
この例では、1つ又は複数の力伝達機構は、ブリッジを第2の方向258に移動させるために直線力を加えるように構成された四節リンク機構330を備える。シャフト214が回転すると、四節リンク機構330を図3Aの左側に向かって移動又は枢動させられる。その結果、リンク機構のバーは、水平に対してある角度(図3Dに示す)から、水平に対して垂直又はほぼ垂直(図3Eに示す)に移動し、それによってバー長の垂直成分が増加する。垂直方向(すなわち、軸106に沿った方向)におけるバー長の増加は、ブリッジ254を下方(第2の方向258)に移動させる。変位量dは、図3D、3Eの位置間の、バー長の垂直成分の長さ変化に対応する。当業者によって理解されるように、弾性変形可能部材332及びカム336によって、又は任意の他の好適な構成要素によって、四節リンク機構の移動をさらに容易にすることができる。弾性変形可能部材332は、任意選択的に、引張ばねである。
【0037】
そのようなリンク機構330は、既存の開閉装置100aの作動機構と同一又は同様であってもよい。特に、四節リンク機構は、シャフトの回転に応じてブリッジを第2の方向258に移動させるために直線力を加えるように構成される。図1Aに図示される既存のデバイスでは、ハンドル240の回転を通して、シャフト214によるリンケージの直接駆動が可能である。しかしながら、切替機構108を横幅方向の配向から(図1Bのような)深さ方向の配向に変更するには、既存の作動機構を改造する必要がある。
【0038】
図3の実装形態では、1つ又は複数の力伝達機構は、第1の軸102及び第2の方向258(軸106に沿った)両方に垂直な第3の軸を中心として回転するように構成された二次シャフト334を備える。換言すれば、二次シャフト334は、第3の軸102(図1の長手方向102と整列している)を中心として回転するように構成されている。四節リンク機構330は、二次シャフト334の回転に応じてブリッジを第2の方向に移動させるために直線力を加えるように構成される。カップリングは、シャフトの回転からのトルクを伝達して四節リンク機構330を駆動するように、シャフト214の回転に応じて二次シャフト334を回転させるように構成される。
【0039】
図3A及び図3Bは、リンク機構330を示すスイッチングデバイス210の一例の斜視図及び側面図をそれぞれ示し、図3Cは、カップリングの一例の概略図を示す。このようにカップリングを提供することによって、既存の作動機構をわずかに改造するだけで、小型のスイッチングデバイス208を提供することができる。結果として、ユーザインターフェース(例えば、ハンドル240又は他の機構)及び動作モードを同一のままにしておくことができ、ユーザ/オペレータ訓練課程の必要性を低減又は排除する。
【0040】
図3を参照すると、この特定の実装形態のカップリングは、傘歯車対340を備える。傘歯車対は、シャフト214の回転からのトルクを回転軸(横方向)から第3の軸102(長手方向)に伝達する。これにより、作動機構に対する切替機構の配向の変更が容易になり、すなわち、作動機構を切替機構と整列可能にする。いくつかの例では、傘歯車対は1:1の傘歯車対であるが、任意の好適な歯車装置が使用されてもよい。傘歯車は、90度、すなわち直角に動力を伝達するために最も頻繁に使用される。2つの傘歯車シャフトの軸は交差し、歯車自体の歯支持面は円錐状に形成される。傘歯車は、90度離れたシャフト(ここではシャフト215、346)上に取り付けられることが最も多い。しかしながら、1つの軸から別の垂直軸にトルクを伝達するための任意の他の適切な構成が、傘歯車機構の代わりに使用されてもよい。例えば、スパイラルギヤやウォームギヤを用いてもよい。
【0041】
カップリングは、平歯車対342をさらに備え、傘歯車対340及び平歯車対342は、第3の軸102に平行に延在するシャフト346によって回転可能に接続される。いくつかの例では、平歯車対は1:1の平歯車対であるが、任意の適切な歯車装置が使用されてもよい。軸106に沿ったトルクを相殺するための任意の他の適切な構成が、平歯車機構の代わりに使用されてもよい。平歯車(又は他の機構)の使用によって、トルクが垂直方向に(すなわち、軸106に沿って)伝達される。軸214及び軸334を上下方向にオフセットさせることにより、軸214、334を上下に配置することができる。これは、よりコンパクトなデバイスの提供を容易にすることができる。換言すれば、(平面図で見たときに、それらが交差するように見えるが、実際には接触しないように)シャフト214及び二次シャフト334を重複するように配置する一方でシャフトを第2の方向258にオフセットすることによって、より小さく、よりコンパクトなスイッチングデバイス108を提供することができる。
【0042】
いくつかの実装形態では、スイッチングデバイスは、切替機構が閉じられているときに作動機構を固定位置に保持するように構成されたラッチ348をさらに備える。例えば、作動機構がブリッジを第2の方向258に押して切替機構210を閉じると、ラッチ348が係合して作動機構を保持することができる。いくつかの例では、図3Aを参照して説明されるように、ラッチ348のラッチ部分348aは、シャフト214に結合されるか、あるいは、他の方法でシャフト214に配置される。ラッチの係合部分348bは、シャフト214のさらなる回転を防止することによって、ラッチ部分に係合して作動機構を保持する(すなわち、ブリッジが第2の方向258と反対の方向に移動するのを防止する)ように構成されている。係合部分は、筐体216に結合されてもよく、又は作動機構を保持するために任意の適切な方法で配置及び/又は固定されてもよい。
【0043】
ラッチ348はさらに、作動機構を解放して切替機構を開くために、ユーザによって係合可能である。換言すれば、ユーザは、ブリッジが第2の方向と反対の方向に移動することを可能にするように、ラッチを押すか、押し下げるか、あるいは、移動させることができ、それによって、切替機構210が開くことを可能にする。いくつかの例では、図3Aを参照して説明されるように、ラッチの係合部分348bは、作動機構を解放して切替機構を開くために、ユーザによって係合可能である。例えば、係合部分は、ラッチ部分348aが解放又は係合解除されることを可能にするように、トリガを備えてもよく、あるいは、移動可能であってもよい。ラッチ部分の解放又は係合解除は、シャフト214が回転軸を中心として回転することを可能にし、それによって、切替機構を開くことを可能にする。
【0044】
図3Aの特定の例では、ラッチ348は、リンク機構のバーが水平に対して垂直又はほぼ垂直である左位置に四節リンク機構を保持し、それによってバー長の垂直成分を増加させる。上述したように、垂直方向(すなわち、軸106に沿った)におけるバー長の増加は、ブリッジ254を下方(第2の方向258)に移動させる。四節リンク機構330をこの位置に保持することによって、ブリッジもまた、切替機構110が閉じられた状態でこの下方位置に保持される。ユーザによるラッチ348の係合は、四節リンク機構が図3Aの右に向かって戻るように枢動することを可能にし、水平に対してバーを傾け、軸106に沿って垂直の長さ成分を短縮する(それによって、ブリッジ254が上方に移動し、切替機構を開くことを可能にする)。
【0045】
図3に図示される傘歯車と平歯車との組合せは、作動機構のシャフト214を介した切替機構210の確実な作動を容易にすることができる一方で、シャフト214を作動機構の残りの部分及び切替機構と整列させることによって、作動機構全体をよりコンパクトにすることができる。したがって、より狭い設置面積を達成することができる。これらの利点は、スイッチングデバイス208が開閉装置100bの一部として実装される場合にさらに増大し、よりコンパクトな開閉装置を提供することができる。さらに、より狭い設置面積の結果として、開閉装置全体の製造コストを低減することができ(より少ない材料、より小さい筐体)、堅牢でコスト効果のある開閉装置の提供を容易にする。加えて、ユーザインターフェース(すなわち、ハンドル240)が既存の開閉装置110a製品と同一に保たれるため、追加のユーザ/オペレータ訓練課程を提供する必要がない場合がある。
【0046】
次に、特に図4を参照して、(図2を参照して説明したように)シャフトの回転からのトルクを、ブリッジ254に対して第2の方向258に作用する直線力に変換するように構成された1つ又は複数の力伝達機構の、第2の例示的な実装形態について説明する。
【0047】
力伝達機構を表すスイッチングデバイス210の一例の斜視図を示す図4の実装形態では、1つ又は複数の力伝達機構は、シャフト214上に配置された1つ又は複数のカム402と、ブリッジ254上に配置された1つ又は複数の対応するカムフォロア404と、を備える。シャフト214が回転軸を中心として回転すると、カム402はシャフトとともに回転する。カム402は、シャフト214が回転するにつれてカムフォロア404に力を及ぼすように成形され、それは次にブリッジ254を下方に(第2の方向258に)移動させる。
【0048】
ここでは示されていないが、図3に関して上述したようにラッチが設けられてもよい。例えば、カム402及びカムフォロア404がブリッジを第2の方向258に押して切替機構210を閉じると、ラッチが係合して作動機構を保持し、シャフト214のさらなる回転を防止することができる。ユーザによるラッチの係合は、シャフト214が回転を継続可能にするとともに、続いて(切替機構の閉鎖後に)ブリッジ254が再び上方に移動することを可能にするように成形されるカム402を、回転させる。カム402は、ブリッジを高速に移動させること、その結果として切替機構を高速に開くことを容易にするように成形されてもよく、スイッチングデバイス208を通る回路の迅速な遮断を容易にする。
【0049】
図5をさらに参照すると、図5Aは、図4のスイッチングデバイス210の一例の斜視図を示し、図5Bは、この例の力伝達機構の概略図を示す。
【0050】
この例では、シャフト214は、シャフト214の回転軸256に平行に延在するが回転軸256からオフセットされたオフセット部分214aを備える。オフセット部分214は、S字屈曲部によってシャフト214の残りの部分(すなわち、ハンドル240を介してユーザによって作動されるシャフトの主要部分)に接合又は結合することができる。他の例では、オフセット部分214aは、S字屈曲部を導入又は作成することによってシャフト214から形成される。
【0051】
スイッチングデバイス210は、シャフト214のオフセット部分214aに結合された弾性変形可能部材506をさらに備える。ユーザ入力に応じた回転軸256を中心とするシャフト214の回転は、弾性変形可能部材506の変形を引き起こす。弾性変形可能部材506は、他端で筐体216に結合されてもよく、又はシャフト214が回転するときの部材506の変形を容易にするために任意の適切な方法で配置及び/又は固定されてもよい。この例では、弾性変形可能部材は、ヒンジ点508(オフセット部分214aに結合された反対側の部材506の端部に配置されている)を中心としてヒンジ留め又は回転するように構成されているが、任意の他の適切な固定点又は結合点508が使用されてもよい。
【0052】
この例では、弾性変形可能な部材は引張ばねである。換言すれば、オフセット部分214aが回転軸256からオフセットされていることにより、弾性変形可能部材は、第2の方向258に引っ張られるか、又は伸ばされる。シャフト214が図5Aに示される位置(すなわち、回転軸256が部材506の結合点508とオフセット部分214aとの間に延在する位置)から180度回転するとき、部材506は最大限に伸長することになる。変形した弾性変形可能部材506の変形(すなわち、伸長)による復元力は、回転軸を中心とするシャフト214のさらなる回転を引き起こす。シャフトのこのさらなる回転は、ユーザ入力非依存にすることができる。換言すれば、オフセット部分214a及び弾性変形可能部材506は、作動機構のためのトグル点を提供するように作用し、そのトグル点の後の切替機構の閉鎖は、ユーザに依存しない。このメカニズムは、図6を参照してより詳細に説明される。
【0053】
他の例では、部材506は任意の他の適切な構成要素であってもよいことが理解されるであろう。例えば、圧縮ばねが使用されてもよく、弾性変形可能部材は、図5Aに示される位置で最大圧縮が生じるように構成される。次いで、復元力は、オフセット部分214aを弾性変形可能部材506から離れるように押すように作用し、ユーザ入力非依存にシャフト214を駆動する。しかしながら、任意の他の弾性変形可能な部材(形態及び/又は機能によって弾性変形可能である)が使用されてもよい。
【0054】
図6を参照すると、回転軸256を中心とするシャフト214の異なる回転角度に対応する、シャフト214の3つの別個の位置が示されている。上述したように、ユーザは、シャフト214を介して作動機構に入力動作を与えることができる。オペレータは、ハンドル240(又は他の入力手段)を使用して、回転軸256を中心としてシャフト214を(0度から180度まで)回転させる。位置1は、この範囲内の例示的な位置であり、カムは、例示的に、水平から15度下に配向される。この例では、シャフト(及びカム)は、回転軸を中心として時計回り方向に回転している。
【0055】
(位置2に示されるように)180度で又は180度を過ぎた直後、弾性変形可能部材506(ここでは引張ばね)は、最大限に変形している。これはトグル点であり、180度の回転の前に、引張ばね506からの復元力が、シャフト214を反対方向(すなわち、ユーザ回転の方向と反対の方向)に回転させる。180度を過ぎた後、ユーザはハンドルを解放することができ、結果として生じる復元力は、シャフト214を同じ回転方向に回転させ続ける。換言すれば、変形した(伸びた)ばね506の復元力は、シャフト(及びカム)を時計回り方向に回転させる。カムはここで例示的に165度に配向されている。
【0056】
位置3において、カム402とカムフォロア404の対は、主軸の回転からのトルクを軸106に沿った運動に変換するように作用する。特に、カム402は、第2の方向258におけるブリッジ254の変位又は垂直動作を引き起こすように成形される。この例では、ブリッジ254の垂直変位は距離dによって示されている。この変位dは、切替機構を閉じるのに十分である。この位置において、弾性変形可能な部材を変形しないようにすることが可能であり、シャフト214の回転を引き起こすために印加される復元力は存在しない。
【0057】
ラッチが設けられる場合は、この位置にシャフト214をラッチさせて、シャフト214のさらなる回転を防止する(その結果として切替機構の偶発的又は意図しない開放を防止する)ことができる。加えて、又は代替として、カム及び/又はカムフォロアは、ユーザ入力非依存にシャフトのさらなる回転を防止するように成形されてもよい。例えば、1つ以上の凹部、戻り止め、又は突出部が、カム及びカムフォロアを係合するために使用されてもよく、それによって、切替機構210を開放するために、閾値入力トルクがシャフト214を通して印加されることを要求する。
【0058】
図4図6に図示されるカム及びカムフォロアの構成は、作動機構のシャフト214を介した切替機構210の確実な作動を容易にすることができる一方で、シャフト214を作動機構の残りの部分及び切替機構と位置を揃えることによって、作動機構全体をよりコンパクトにすることができる。したがって、より狭い設置面積を達成することができる。これらの利点は、スイッチングデバイス208が開閉装置100bの一部として実装される場合にさらに増大し、よりコンパクトな開閉装置を提供することができる。さらに、より狭い設置面積の結果として、開閉装置全体の製造コストを低減することができ(より少ない材料、より小さい筐体)、堅牢でコスト効果のある開閉装置の提供を容易にする。加えて、ユーザインターフェース(すなわち、ハンドル240)が既存の開閉装置110a製品と同一に保たれるため、追加のユーザ/オペレータ訓練課程を提供する必要がない場合がある。力伝達機構は他の機構よりも複雑でなく、必要な構成要素が少ないので、カム及びカムフォロア構成を使用することによって、組み立て時間及び/又はコストも削減することができる。
【0059】
前述の実施形態は、限定するものとして解釈されるべきではなく、他の変種、変形例、及び均等物は当業者に明らかであり、特許請求の範囲の文言によって明確に除外されない限り、特許請求の範囲によって包含されることが意図されることを理解されたい。
【0060】
さらに、本出願の開示は、本明細書において、又はその任意の一般化において明示的又は暗示的に開示される任意の新規な特徴又は特徴の任意の新規な組合せを含むと理解されるべきである。特許請求の範囲は、任意のそのような特徴及び/又はそこから派生するそのような特徴の組合せを包含するように構成され得る。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図3-4】
図4
図5A
図5B
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸(104)に沿って配置され、各々が固定接点(250)及び可動接点(252)を備え、負荷から電源を接続及び切断するように構成された複数の切替機構(210)と、
前記複数の切替機構を同時に作動させるための作動機構と、を備え、前記作動機構は、
前記複数の切替機構の前記可動接点を移動させるように構成されたブリッジ(254)と、
前記第1の軸に平行な回転軸に沿って配置され、前記回転軸を中心として回転するように構成されたシャフト(214)と、
前記シャフトの回転からのトルクを、前記ブリッジに対して第2の方向(258)に作用する直線力に変換するように構成された1つ以上の力伝達機構と、を備え、
前記第2の方向は、前記第1の軸に垂直であり、前記直線力に応じた前記第2の方向における前記ブリッジの移動は、前記可動接点を前記固定接点と電気的に接触させて前記切替機構を閉じ、前記電源を前記負荷に接続させる、
スイッチングデバイス(208)。
【請求項2】
前記各切替機構に対して、前記移動接点は、前記第2の方向に沿って前記シャフトと前記固定接点との間に配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記1つ又は複数の力伝達機構は、前記第2の方向に沿って前記シャフトと前記固定接点との間に配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記1つ以上の力伝達機構は、前記シャフトに結合される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記各切替機構は真空インタラプタを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記1つ以上の力伝達機構は、
前記第1の軸及び前記第2の方向の両方に垂直な第3の軸(106)を中心として回転するように構成された二次シャフト(334)と、
前記二次シャフトの回転に応じて前記ブリッジを前記第2の方向に移動させるために前記直線力を加えるように構成された四節リンク機構(330)と、
前記シャフトの回転からのトルクを伝達して前記四節リンク機構を駆動するように、前記シャフトの回転に応じて前記二次シャフトを回転させるように構成されたカップリングと、を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記カップリングは、傘歯車対(340)を含む、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記傘歯車対は、1:1の傘歯車対である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記カップリングは、平歯車対(342)をさらに備え、前記傘歯車対及び前記平歯車対は、前記第3の軸に平行に延在するシャフトによって回転可能に接続される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記平歯車対は、1:1の平歯車対である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記シャフト及び前記二次シャフトは重なり合うが前記第2の方向に沿ってオフセットされる、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記1つ以上の力伝達機構は、前記シャフト上に配置された1つ以上のカム(402)と、前記ブリッジ上に配置された1つ以上の対応するカムフォロア(404)と、を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記シャフトは、当該シャフトの前記回転軸に平行に延在するが前記回転軸からオフセットされるオフセット部分(214a)を備え、前記デバイスは、
前記シャフトの前記オフセット部分に連結された弾性変形可能部材(506)をさらに備え、
ユーザ入力に応じた前記回転軸を中心とする前記シャフトの回転は、前記弾性変形可能部材の変形を引き起こし、前記変形した弾性変形可能部材の変形による復元力は、前記ユーザ入力非依存に前記回転軸の周りの前記シャフトのさらなる回転を引き起こし、
任意選択的に、前記弾性変形可能部材は引張ばねである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記切替機構が閉じているときに前記作動機構を保持するように構成されたラッチ(348)をさらに備え、前記ラッチは、前記作動機構を解放して前記切替機構を開くために、ユーザによって係合可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の、複数のスイッチングデバイスを備え、
前記各スイッチングデバイスは、複数の極を備え、前記各極は、前記スイッチングデバイスのそれぞれの切替機構に関連付けられる、開閉装置(100b)。
【外国語明細書】