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特開2024-132962電気自動車のバッテリモジュールのためのコネクタアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132962
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】電気自動車のバッテリモジュールのためのコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/296 20210101AFI20240920BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240920BHJP
   H01R 11/26 20060101ALI20240920BHJP
   H01R 4/30 20060101ALI20240920BHJP
   H01M 50/517 20210101ALI20240920BHJP
【FI】
H01M50/296
B60K1/04 Z
H01R11/26
H01R4/30
H01M50/517
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024036596
(22)【出願日】2024-03-11
(31)【優先権主張番号】102023000004809
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519223712
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ イタリア ディストリビューション エッセ エッルレ エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルチェロ ファリノラ
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ ジェンタ
【テーマコード(参考)】
3D235
5E012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
3D235BB20
3D235BB24
3D235CC15
3D235FF43
3D235HH02
5E012BA22
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT06
5H040DD05
5H040NN03
5H043AA13
5H043AA19
5H043FA08
5H043HA06F
5H043HA09F
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性を確保しつつ、機能的なコネクタアセンブリを提供する。
【解決手段】電気自動車のバッテリモジュールMのためのコネクタアセンブリ1は、相互に導電可能に接続されるよう配置されるコネクタ要素2及び相手部品3を備え、コネクタ要素は、相手部品と結合するように構成されたアウターカラーを有する保護ケーシング4を備え、2つのコネクタアセンブリを電気的に接続するよう適合された両端部を有する電気接続ユニット5と、アウターカラー内に軸方向に配置され、相手部品と係合する接続ねじを備える締結ユニットと、コネクタ要素又は相手部品への浸水を防止するための一体化された封止システムと、アウターカラー内に挿入されたねじを、相手部品に固定されていないときにも所定位置にロックするためのロックリングであって、ロックリングは、アウターカラーの内面に沿って形成されるロック肩部と協働する少なくとも1つのロックフランジを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車のバッテリモジュール(M)のためのコネクタアセンブリ(1)であって、
- 前記コネクタアセンブリ(1)は、接続方向に沿って相互に導電可能に接続されるように配置されているコネクタ要素(2)および相手部品(3)を備え、

- 前記コネクタ要素(2)は、アウターカラー(4’)を有する保護ケーシング(4)を備えており、
前記アウターカラー(4’)は、電気的に絶縁され、前記相手部品(3)の受入れ部と結合するように構成されており、

- 前記コネクタアセンブリ(1)は、対応するバッテリモジュール(M)に配置されている2つのコネクタアセンブリ(1)を電気的に接続するのに適した両端部を有する電気接続ユニット(5)を備え、
各端部について、前記電気接続ユニット(5)は、前記コネクタ要素(2)に接続される接続端部(10)を有し、

- 前記保護ケーシング(4)は、前記アウターカラー(4’)、および前記電気接続ユニット(5)の一端部と係合するための受入れ部(6)を備える単一体として作製されており、
- 前記コネクタアセンブリ(1)は、接続ねじ(8)を有する締結ユニット(7)を備え、前記接続ねじ(8)は、前記アウターカラー(4’)内に軸方向に配置され、前記相手部品(3)と係合するように構成され、

- 前記接続ねじ(8)はさらに、前記コネクタ要素(2)、前記相手部品(3)および前記電気接続ユニット(5)を電気的に接続するように前記接続端部(10)と係合するように構成され、
- 前記コネクタアセンブリ(1)は、前記コネクタ要素(2)または前記相手部品(3)への浸水を防止するための一体化された封止システムを備え、

- 前記コネクタアセンブリ(1)は、ロックリング(22)を備え、前記ロックリング(22)は、前記アウターカラー(4’)内に挿入された前記ねじ(8)を、前記相手部品(3)に固定されていないときにも所定位置にロックするためのロックリング(22)であって、
前記ロックリング(22)は、前記アウターカラー(4’)の内面に沿って形成されているロック肩部(24)と協働する少なくとも1つのロックフランジ(23)を備える、
コネクタアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記封止システムは、環状ガスケットとして構成されている第1の封止要素(18)を備え、
前記第1の封止要素(18)は、前記相手部品(3)のカップ部(3’)と係合する前記アウターカラー(4’)の下部に沿って形成されている受入れ座部内に配置される、
請求項1に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記封止システムは、前記電気接続ユニット(5)の端部に径方向に重なる環状ガスケット(19)として構成されている第2の封止要素(19)を備え、
前記第2の封止要素(19)は、最終組立て済み構成において、前記保護ケーシング(4)の前記受入れ部(6)内に配置される、
請求項1または2に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記受入れ部(6)は、前記コネクタ要素(2)および前記相手部品(3)を接続するための前記接続方向に実質的に垂直な方向に沿って配向されたさらなるアウターカラーを形成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記コネクタアセンブリ(1)は、前記ねじ(8)の頭部(15)の上方に、前記保護ケーシング(4)の開いた上端部と結合する電気的に絶縁された上部カバー(14)を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記封止システムは、環状ガスケットとして構成されている第3の封止要素(20)を備え、
第3の封止要素(20)は、前記アウターカラー(4’)の上縁部と係合する前記カバー(14)の結合部(14’)内に固定される、
請求項5に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記カバー(14)は、上部閉じ面の内面から突出する突出要素(17)を備え、
前記突出要素(17)は、前記ねじ(8)が前記相手部品(3)に正しく固定されていないときに前記頭部(15)に接触するように配置されている、
請求項5または6に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記接続ねじ(8)は、電気的に絶縁された上部キャップ(8’)を備え、
前記ロックリング(22)は、前記上部キャップ(8’)の基部(8’’)と嵌合するようなサイズを有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記ロックリング(22)は、それぞれ一対のロック肩部(24)と協働する一対のロックフランジ(23)を備え、

組み立て中において、
- 前記ロックリング(22)は、前記基部(8’’)までの前記カラー(4’)に沿った前記リング(22)の軸方向の挿入を可能とするために、前記フランジ(23)が前記肩部(24)に対してオフセットされた位置に向きを合わされた状態で前記上部キャップ(8’)に軸方向に挿入され、
- 前記ロックリング(22)は、前記肩部(24)が前記フランジ(23)に垂直方向に重なるように、前記ねじ(8)の軸周りに回転する、
請求項8に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項10】
各フランジ(23)は、ロック肩部(24)の側縁部と相互に係合するように構成されている接触歯部(26)を保持するそれぞれの可撓性ロックタブ(25)を備える、
請求項9に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項11】
請求項1に記載のコネクタアセンブリ(1)を組み立てるための方法であって、
- 前記電気接続ユニット(5)の一端部を前記コネクタ要素(2)の前記受入れ部(6)に挿入することと、
- 前記接続ねじ(8)を前記アウターカラー(4’)に挿入し、前記接続端部(10)の締結孔(11)に係合させることと、
- 前記ねじ(8)の上部キャップ(8’)に沿った軸方向の挿入およびその後の回転により前記ロックリング(22)を組み付けることと、
- 前記コネクタ要素(2)を前記相手部品(3)と接続することと
を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車のバッテリモジュールのためのコネクタアセンブリに関し、コネクタアセンブリは、
接続方向に沿って相互に導電可能に接続されるように配置されるコネクタ要素および相手部品(counterpart)であって、
コネクタ要素は、電気的に絶縁され、相手部品の受入れ部と結合するように構成されたアウターカラー(outer collar、外側カラー)を有する保護ケーシングを備える、コネクタ要素および相手部品と、
対応するバッテリモジュールに配置される2つのコネクタアセンブリを電気的に接続するように適合された両端部を有する電気接続ユニットであって、各端部について、電気接続ユニットは、コネクタ要素に接続される接続端部を備える、電気接続ユニットと、
アウターカラー内に軸方向に配置され、相手部品と係合する接続ねじを備える締結ユニット(fastening unit)と
を備える。
【背景技術】
【0002】
上記のタイプのコネクタは、電気駆動車両に搭載されるバッテリパックを形成する複数のバッテリモジュールを電気的に接続するために作製される。
【0003】
文献DE 10 2021 117 336は、接続ねじにより互いに接続される2つのコネクタ部品を備える、そのような用途のためのコネクタアセンブリについて記載している。
【0004】
一般に、バッテリモジュール用電気コネクタの分野において、様々な構成要素間の電気的接続を簡略化および高信頼化する必要性は、今や製造者にとっての主たる関心となっている。このことを考慮して、上記文献に記載の解決策を、いくつかの欠点を克服するようにさらに洗練することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、使用中の全体的な信頼性を確保しつつ、極めて簡略かつ機能的な上記のタイプのコネクタアセンブリを提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、組立て作業を極めて直感的にする、そのようなコネクタアセンブリを組み立てるための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的のうちの1つまたは複数を実現するために、本発明は、電気自動車のバッテリモジュールのためのコネクタアセンブリに関し、コネクタアセンブリは、
接続方向に沿って相互に導電可能に接続されるように配置されるコネクタ要素および相手部品であって、
コネクタ要素は、電気的に絶縁され、相手部品の受入れ部と結合するように構成されたアウターカラーを有する保護ケーシングを備える、コネクタ要素および相手部品と、
対応するバッテリモジュールに配置される2つのコネクタアセンブリを電気的に接続するように適合された両端部を有する電気接続ユニットであって、各端部について、電気接続ユニットは、コネクタ要素に接続される接続端部を備え、
保護ケーシングは、前記アウターカラー、および電気接続ユニットの一端部と係合するための受入れ部を備える単一体により作製される、電気接続ユニットと、
アウターカラー内に軸方向に配置され、相手部品と係合する接続ねじを備える締結ユニットであって、
接続ねじはさらに、コネクタ要素、相手部品、および、別のコネクタアセンブリに接続される電気接続ユニットを電気的に接続するように前記接続端部と係合する、締結ユニットと、
コネクタ要素または相手部品への浸水を防止するための一体化された封止システムと、
アウターカラー内に挿入されたねじを、相手部品に固定されていないときにも所定位置にロックするためのロックリング(locking ring)であって、前記ロックリングは、アウターカラーの内面に沿って形成されるロック肩部と協働する少なくとも1つのロックフランジを備える、ロックリングと
を備える。
【0008】
1つまたは複数の実施形態において、封止システムは、環状ガスケットとして構成される第1の封止要素を備える。第1の封止要素は、相手部品のカップ部と係合するアウターカラーの下部に沿って形成される受入れ座部内に配置される。
【0009】
1つまたは複数の実施形態において、封止システムは、電気接続ユニットの端部に径方向に重なる環状ガスケットとして構成される第2の封止要素を備える。前記第2の封止要素は、最終組立て済み構成において、保護ケーシングの受入れ部内に配置される。
【0010】
1つまたは複数の実施形態において、封止システムは、アウターカラーの上縁部と係合するカバーの結合部内に固定される環状ガスケットとして構成される第3の封止要素を備える。
【0011】
1つまたは複数の実施形態において、ロックリングは、それぞれ一対のロック肩部と協働する一対のロックフランジを備え、組み立て中において、
ロックリングは、キャップの基部までのカラーに沿ったリングの軸方向の挿入を可能とするために、フランジが肩部に対してオフセットされた位置に向きを合わされた状態でねじの上部キャップに軸方向に挿入され、
ロックリングは、肩部がフランジに垂直方向に重なるように、ねじの軸周りに回転する。
【0012】
1つまたは複数の実施形態において、各フランジは、ロック肩部の側縁部と相互に係合するのに適した接触歯部(contact tooth)を保持するそれぞれの可撓性ロックタブを備える。
【0013】
本発明はまた、添付の特許請求の範囲に記載の組み立て方法を対象とする。
【0014】
本発明のさらなる特徴および利点が、単に非限定的な例として提供されている添付の図面に関連した以下の説明から得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】接続済み構成における、本発明に係るコネクタアセンブリの好適な実施形態を示す斜視図である。
図2】前図に示すコネクタ要素の分解斜視図である。
図3】前図に示すコネクタ要素の一部である上部カバーの斜視図である。
図4図2で既に示した、保護ケーシングのさらなる斜視図である。
図5図2で既に示した、ロックリングのさらなる斜視図である。
図6】コネクタアセンブリを組み立てるための方法のステップを示す図である。
図7】コネクタアセンブリを組み立てるための方法のステップを示す図である。
図8図1に示す平面VIII-VIIIにおけるコネクタアセンブリの断面図である。
図9】最終組立て済み構成におけるコネクタアセンブリのさらなる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明は、1つまたは複数の実施形態の例の完全な理解を目的とした様々な具体的詳細を示す。実施形態は、それらの具体的詳細のうちの1つまたは複数なしで、または他の方法、構成要素、材料等で実施されてもよい。他の場合において、公知の構造、材料または操作は、実施形態の様々な態様を不明確にすることを回避するために、詳細に図示または説明されない。本説明における「一実施形態」との記載は、その実施形態に関連して説明される特定の構成、構造、または特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを示すためのものである。したがって、場合によっては本説明における様々な箇所に見られる「一実施形態において」などの表現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。
加えて、特定の構成、構造、または特徴が、本明細書に示されている以外の方法で1つまたは複数の実施形態において適当に組み合わされ、かつ/または実施形態に関連付けられてもよく、したがって、例えば、1つの図に関連して本明細書で例示されている特徴が、異なる図において例示されている1つまたは複数の実施形態に適用されてもよい。
【0017】
本明細書に示す参照事項は、単に便宜上のものであり、よって、実施形態の保護範囲または外延を限定するものではない。
【0018】
また、例えばコネクタアセンブリがその動作に必要なそれら自体公知である追加の基本的要素を含み得るということを前提として、本発明の理解に有用な要素のみが以下の説明において説明されていることに留意されたい。
【0019】
添付の図面において、参照符号1は、電気駆動車両に搭載されるバッテリパックを形成する複数のバッテリモジュールMを電気的に接続するために作製される、本発明に係るコネクタアセンブリ全体の好適な実施形態を示す。
【0020】
図1は、接続済み状態におけるコネクタアセンブリ1の好適な実施形態を示す。コネクタアセンブリ1は、対応するバッテリモジュールMに既に装着されている相手部品3と結合し、それにより接続方向に沿った電気的かつ機械的な結合を同時に実現するように構成されたコネクタ要素2を備える。
【0021】
図2は、コネクタ要素2を形成する構成要素を示す分解斜視図である。
【0022】
コネクタ要素2は、電気的に絶縁され、相手部品3と結合するように構成されたアウターカラー4’を有する保護ケーシング4を備える。相手部品3は、接続方向に沿ってアウターカラー4の下部を受け入れるのに適した受入れ部を画定する電気的に絶縁された接触保護部(tactile protection)を備える。
【0023】
参照符号5は、車両のバッテリアセンブリのそれぞれのモジュールMに配置される2つのコネクタアセンブリ1を電気的に接続するのに適した、図1図2図8に部分的に示されている電気接続ユニットを示す。電気接続ユニット5は、組立て済み構成においてそれぞれのコネクタアセンブリ1に接続するように構成された両端部を有する、軸方向に管状ケーシングに沿って収容される一束の接続ケーブルとして構成されてよい。
【0024】
1つまたは複数の実施形態において、コネクタ要素2の保護ケーシング4は、前記アウターカラー4’と、電気接続ユニット5の端部と係合するための受入れ部6とを備える単一体として作製される。例示の実施形態に関して、受入れ部6は、相手部品3と結合するためにアウターカラー4’に対して垂直に配向された追加のアウターカラーを形成する。実際、図1に示す構成に関して、アウターカラー4’は、垂直方向に沿って相手部品3と結合し、電気接続ユニット5の端部は、水平方向に沿って受入れ部6と係合する。よって、図1に示す構成において、電気接続ユニット5の管状ケーシングは、コネクタ要素2と相手部品3との間の接続方向に垂直に、前記水平方向に沿って延びることが理解されよう。
【0025】
コネクタアセンブリ1は、コネクタ要素2を相手部品3に締結するように構成された締結ユニット7を備える。図2図8に関して、締結ユニット7は、アウターカラー4’内に軸方向に配置され、相手部品3のカラー内に配置されるナット要素9と結合することで、コネクタ要素2と相手部品3との間の接続を確立する接続ねじ8を備える。さらなる特徴によれば、最終接続済み構成において、接続ねじ8は、電気接続ユニット5の接続端部10において切り取られた締結孔11を通して接続端部10とも結合することで、コネクタ要素2、相手部品3、および、別のコネクタアセンブリ1に接続される電気接続ユニット5の間の電気的接続を確立する。
このとき、最終組立て済み構成において、締結孔11がコネクタ要素2を相手部品3と接続するねじ8と軸方向に結合するように、接続ユニット5の端部は、ケーシング4の受入れ部6内で間隙を空けていることが理解されよう。ねじ8はまた、カラー4’内に配置され、それぞれ接続ユニット5の接続端部10およびカラー4’内に形成される対応する面21’と接触する両面を有するコンタクトリング21に係合する。
【0026】
好ましくは、電気接続ユニット5は、受入れ部6(図1図2図8)の外面に沿って切り取られたそれぞれのリブ13と係合するのに適した結合フランジ12を備える。
【0027】
電気的接続を確立するために、締結ユニット7は、導電材料から作製され、ナット要素9はまた、相手部品3の接触保護部内の中央に配置される電気コンタクト部9’の一部分と接触するように装着される。
【0028】
さらなる特徴によれば、コネクタアセンブリ1は、接続ねじ8の頭部15の上方に、すなわち相手部品3の反対側の位置に、コネクタ要素2を閉じるように配置される電気的に絶縁された上部カバー14を備える。よって、図1の組立て済み構成を観察する場合、コネクタ要素2の下部がバッテリモジュールMの上面に取り付けられた相手部品3と結合する接続方向は、実質的に垂直な軸に沿って延びることに留意されたい。このとき、カバー14は、コネクタ要素2の保護ケーシング4の開いた上端部と係合する。
【0029】
追加の好適な特徴によれば、カバー14は、それぞれカバー14のカバー壁およびコネクタ要素2の保護ケーシング4に接続される両端部を有する、保持ロープなどの弾性保持要素16を備える。
【0030】
図3図8に示すさらなる好適な特徴によれば、カバー14は、上部エンドプレートの内面から突出する(最終組立て済み構成においてねじ頭部に向かって突出する)対応する要素17を備える。突出要素17は、ねじ8がその相手部品3と適切に固定されていない場合にねじ頭部15に接触し、それにより組立て作業者に警告を与えるように配置される。
【0031】
本発明のさらなる特徴によれば、コネクタアセンブリ1は、コネクタ要素2または相手部品3内への浸水を防止するための一体化された封止システムを備える。
【0032】
1つまたは複数の実施形態において、封止システムは、アウターカラー4’の下部に沿って形成される受入れ座部内に配置される、環状ガスケットとして構成される第1の封止要素18を備える。受入れ座部は、第1の封止要素18を収容し、相手部品3のカップ部3’とのロックを形成するようなサイズを有し、それにより、環状ガスケットが相手部品3とコネクタ要素2のケーシング4の下部との間に配される。
【0033】
1つまたは複数の実施形態において、封止システムは、電気接続ユニット5の端部に係合する環状ガスケットの形態で構成される第2の封止要素19を備える。より詳細には、第2の封止要素19は、接続ねじ8と接続される接続端部10と嵌合フランジ12との間に配置され、それにより、最終組立て済み構成において、環状ガスケットがコネクタ要素2の保護ケーシング4の受入れ部6内に係合する。
【0034】
1つまたは複数の実施形態において、封止システムは、アウターカラー4’の上縁部と係合するカバー14の結合部14’内に固定される環状ガスケットとして構成される第3の封止要素20を備える。よって、図9を観察する場合、結合部14’は、カバー14の外側壁と、環状ガスケットが外側に装着される内側壁とにより形成されることに留意されたい。
【0035】
本発明のさらなる特徴によれば、コネクタアセンブリ1は、ねじ8を相手部品3に取り付けられていないときにも所定位置に保つ目的で、コネクタ要素2の保護ケーシング4内に固定され、アウターカラー4’内に形成される少なくとも1つのロック要素と協働するねじのロックリング22を備える。固定ねじ8は、ねじの頭部15に配される電気的に絶縁された上部キャップ8’を備える。ロックリング22は、上部キャップ8’の基部8’’に径方向に装着されるようなサイズを有する。図4図7に示す好適な実施形態によれば、ロックリング22は、アウターカラー4’の円筒壁の内面に沿って形成されるそれぞれのロック肩部24と協働する2つのロックフランジ23を備える。
【0036】
組み立て中において、ロックねじ8をアウターカラー4’、接続端部10の孔11およびコンタクトリング21内に挿入した後、ロックリング22が、そのフランジ23が肩部24に対してオフセットされた位置に向きを合わされた状態で(図6)ねじのキャップ8’の周囲に配され、それにより、リング21をカラー4’に沿って軸方向に挿入することができ、これによりロック肩部24の体積を乗り越える。ロックリング22が、ねじ頭部に配されたキャップ8’の底縁部に配置されると、フランジ23が肩部24と垂直方向に位置合わせされるようにリング22を回転させることができる(図7)。実際の例示的実施形態において、ロックリング22の回転は、90°の角度で行われる。
1つまたは複数の実施形態において、ロックリング22の回転は、リング22、および肩部24を有するアウターカラー4’と協働するように適合された操作ヘッドを有する組立て器具を用いて行われる。
【0037】
図6図7に示すさらなる好適な特徴によれば、各フランジ23は、ロック肩部24の側縁部と相互に係合するのに適した接触歯部26を支持するそれぞれの可撓性ロックタブ25を保持する。ロックリング22の回転中、最終的構成において各タブ25の端部が上がり、それにより歯部26と肩部24の側縁部との間の接触を実現するまで、歯部26を有する可撓性タブ25が、それぞれの肩部24の下方を通過することにより、リング22と一体に回転する。
【0038】
前述の構造に従って、本発明はまた、上述の特徴を有するコネクタアセンブリ1を組み立てるための方法を対象とし、方法は、
コンタクトリング21をコネクタ要素2内に挿入し、対応する面21’に当接させることと、
電気接続ユニット5の端部をコネクタ要素2の受入れ部6内に配置することと、
接続ねじ8を、コンタクトリング21および電気接続ユニット5の端部の締結孔11に係合させることにより、アウターカラー4’内に挿入することと、
ロックリング22をねじのキャップ8’に沿って軸方向に挿入した後に回転させることにより、ロックリング22を組み付けることと、
コネクタ要素2を相手部品3と接続することと
を含む。
【0039】
図8図9に示す最終組立て済み構成において見ることができるように、ねじの頭部は、コンタクトリング21と接触する接続ユニット5の接続端部10と接触する。
【0040】
勿論、本発明の原理に従うことを前提として、構成および実施形態の詳細は、本発明の保護範囲から逸脱しない限りにおいて、単に例として説明され示されているものとは大きく異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 コネクタアセンブリ
2 コネクタ要素
3 相手部品
3’ カップ部
M バッテリモジュール
4 保護ケーシング
4’ アウターカラー
6 受入れ部
13 リブ
5 電気接続ユニット
10 接続端部
11 締結孔
12 結合フランジ
7 締結ユニット
8 接続ねじ
8’ 上部キャップ
8’’ 基部
15 頭部
9 ナット要素
9’ 電気コンタクト部
21 コンタクトリング
21’ 当接面
14 上部カバー
14’ 結合部
16 弾性保持要素
17 突出要素
18 第1の封止要素
19 第2の封止要素
20 第3の封止要素
22 ロックリング
23 ロックフランジ
25 可撓性タブ
26 歯部
24 ロック肩部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車のバッテリモジュール(M)のためのコネクタアセンブリ(1)であって、
- 前記コネクタアセンブリ(1)は、接続方向に沿って相互に導電可能に接続されるように配置されているコネクタ要素(2)および相手部品(3)を備え、

- 前記コネクタ要素(2)は、アウターカラー(4’)を有する保護ケーシング(4)を備えており、
前記アウターカラー(4’)は、電気的に絶縁され、前記相手部品(3)の受入れ部と結合するように構成されており、

- 前記コネクタアセンブリ(1)は、対応するバッテリモジュール(M)に配置されている2つのコネクタアセンブリ(1)を電気的に接続するための両端部を有する電気接続ユニット(5)を備え、
各端部について、前記電気接続ユニット(5)は、前記コネクタ要素(2)に接続される接続端部(10)を有し、

- 前記保護ケーシング(4)は、前記アウターカラー(4’)、および前記電気接続ユニット(5)の一端部と係合するための受入れ部(6)を備える単一体として作製されており、
- 前記コネクタアセンブリ(1)は、接続ねじ(8)を有する締結ユニット(7)を備え、前記接続ねじ(8)は、前記アウターカラー(4’)内に軸方向に配置され、前記相手部品(3)と係合するように構成され、

- 前記接続ねじ(8)はさらに、前記コネクタ要素(2)、前記相手部品(3)および前記電気接続ユニット(5)を電気的に接続するように前記接続端部(10)と係合するように構成され、
- 前記コネクタアセンブリ(1)は、前記コネクタ要素(2)または前記相手部品(3)への浸水を防止するための一体化された封止システムを備え、

- 前記コネクタアセンブリ(1)は、ロックリング(22)を備え、前記ロックリング(22)は、前記アウターカラー(4’)内に挿入された前記接続ねじ(8)を、前記相手部品(3)に固定されていないときにも所定位置にロックするためのロックリング(22)であって、
前記ロックリング(22)は、前記アウターカラー(4’)の内面に沿って形成されているロック肩部(24)と協働する少なくとも1つのロックフランジ(23)を備える、
コネクタアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記封止システムは、環状ガスケットとして構成されている第1の封止要素(18)を備え、
前記第1の封止要素(18)は、前記相手部品(3)のカップ部(3’)と係合する前記アウターカラー(4’)の下部に沿って形成されている受入れ座部内に配置される、
請求項1に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記封止システムは、前記電気接続ユニット(5)の端部に径方向に重なる環状ガスケット(19)として構成されている第2の封止要素(19)を備え、
前記第2の封止要素(19)は、最終組立て済み構成において、前記保護ケーシング(4)の前記受入れ部(6)内に配置される、
請求項1または2に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記受入れ部(6)は、前記コネクタ要素(2)および前記相手部品(3)を接続するための前記接続方向に実質的に垂直な方向に沿って配向されたさらなるアウターカラーを形成する、
請求項1または2に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記コネクタアセンブリ(1)は、前記接続ねじ(8)の頭部(15)の上方に、前記保護ケーシング(4)の開いた上端部と結合する電気的に絶縁された上部カバー(14)を備える、
請求項1または2に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記封止システムは、環状ガスケットとして構成されている第3の封止要素(20)を備え、
第3の封止要素(20)は、前記アウターカラー(4’)の上縁部と係合する前記上部カバー(14)の結合部(14’)内に固定される、
請求項5に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記上部カバー(14)は、上部閉じ面の内面から突出する突出要素(17)を備え、
前記突出要素(17)は、前記接続ねじ(8)が前記相手部品(3)に正しく固定されていないときに前記頭部(15)に接触するように配置されている、
請求項5に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記接続ねじ(8)は、電気的に絶縁された上部キャップ(8’)を備え、
前記ロックリング(22)は、前記上部キャップ(8’)の基部(8’’)と嵌合するようなサイズを有する、
請求項1または2に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記ロックリング(22)は、それぞれ一対のロック肩部(24)と協働する一対のロックフランジ(23)を備え、

組み立て中において、
- 前記ロックリング(22)は、前記基部(8’’)までの前記アウターカラー(4’)に沿った前記ロックリング(22)の軸方向の挿入を可能とするために、前記一対のロックフランジ(23)が前記一対のロック肩部(24)に対してオフセットされた位置に向きを合わされた状態で前記上部キャップ(8’)に軸方向に挿入され、
- 前記ロックリング(22)は、前記一対のロック肩部(24)が前記一対のロックフランジ(23)に垂直方向に重なるように、前記接続ねじ(8)の軸周りに回転する、
請求項8に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記一対のロックフランジ(23)のそれぞれが、ロック肩部(24)の側縁部と相互に係合するように構成されている接触歯部(26)を保持するそれぞれの可撓性ロックタブ(25)を備える、
請求項9に記載のコネクタアセンブリ(1)。
【請求項11】
請求項1に記載のコネクタアセンブリ(1)を組み立てるための方法であって、
- 前記電気接続ユニット(5)の一端部を前記コネクタ要素(2)の前記受入れ部(6)に挿入することと、
- 前記接続ねじ(8)を前記アウターカラー(4’)に挿入し、前記接続端部(10)の締結孔(11)に係合させることと、
- 前記接続ねじ(8)の上部キャップ(8’)に沿った軸方向の挿入およびその後の回転により前記ロックリング(22)を組み付けることと、
- 前記コネクタ要素(2)を前記相手部品(3)と接続することと
を含む、
方法。
【外国語明細書】