(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013297
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】人流制御装置、人流制御システム、及び特典発行決定方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20240125BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20240125BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115269
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(71)【出願人】
【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一
(72)【発明者】
【氏名】松井 涼
(72)【発明者】
【氏名】盛林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩
(72)【発明者】
【氏名】藤井 信忠
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 るりこ
(72)【発明者】
【氏名】樋口 流雲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】イベント会場から退場するユーザの混雑を効果的に緩和する。
【解決手段】ユーザへの特典発行により人流制御を行う人流制御装置であって、コントローラを含む。コントローラは、人流制御対象領域における混雑状況を示す混雑情報を取得し、発行対象の特典に関する特典情報を取得し、特典に対するユーザの取得希望に関する希望情報を取得し、混雑情報、特典情報、及び希望情報に基づき、人流制御効果に対する特典発行パターンの最適化計算処理により特典発行に使用する特典発行パターンを決定し、決定した特典発行パターンに基づいて特典をユーザに発行する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザへの特典発行により人流制御を行う人流制御装置であって、
コントローラを含み、
前記コントローラは、
人流制御対象領域における混雑状況を示す混雑情報を取得し、
発行対象の前記特典に関する特典情報を取得し、
前記特典に対する前記ユーザの取得希望に関する希望情報を取得し、
前記混雑情報、前記特典情報、及び前記希望情報に基づき、人流制御効果に対する特典発行パターンの最適化計算処理により特典発行に使用する前記特典発行パターンを決定し、
決定した前記特典発行パターンに基づいて前記特典を前記ユーザに発行する、
人流制御装置。
【請求項2】
前記希望情報は、前記ユーザ各々が希望する前記特典に対する入札値を含み、
前記コントローラは、
前記ユーザ各々の前記特典に対する前記入札値の相対関係に応じて、特典発行に使用する前記特典発行パターンを決定する、
請求項1に記載の人流制御装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
予め定めた所定条件を前記ユーザが満たすことで前記入札値として使用できるポイントを前記ユーザに付与し、
前記ユーザの入札により、当該入札における前記入札値分の前記ポイントを、当該ユーザの蓄積された前記ポイントから減ずる、
請求項2に記載の人流制御装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記特典発行パターン各々に関して、前記ユーザ各々に対する前記特典の価値と前記入札値との関係を示す値である関係値と、当該特典による特典効果値とに基づき、ユーザ別人流制御効果を算出し、
前記特典発行パターン毎に、前記ユーザ別人流制御効果を集計し、
前記ユーザ別人流制御効果の集計値が最大である前記特典発行パターンを、特典発行に使用する前記特典発行パターンとして決定する、
請求項1に記載の人流制御装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記ユーザの入力操作に基づく重み付け値によって前記特典の前記価値、前記入札値、及び前記特典効果値に重み付け処理を施し、前記ユーザ別人流制御効果を算出する、
請求項4に記載の人流制御装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
下記式(1)で表される目的関数の最適化計算結果に基づき、特典発行に使用する前記特典発行パターンを決定する、
請求項1に記載の人流制御装置。
【数1】
ただし、前記式(1)において、
f(ti)は、施設における滞在効果時間を表し、
f(po)は、入札時に使用した入札値を表し、
f(pr)は、前記特典の価値を表す。
【請求項7】
前記コントローラは、
下記式(2)で表される目的関数の最適化計算結果に基づき、特典発行に使用する前記特典発行パターンを決定する、
請求項1に記載の人流制御装置。
【数2】
ただし、前記式(2)において、
f(tir)は、施設における滞在効果時間であって、前記人流制御対象領域の起点からの方向別の滞在効果時間を表し、
f(po)は、入札時に使用した入札値を表し、
f(pr)は、前記特典の価値を表し、
f(cr)は、前記人流制御対象領域の前記起点付近の各方向に対する混雑度を表し、
f(ca)は、前記人流制御対象領域の前記起点付近の全方向に対する混雑度を表す。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記ユーザが属するグループにおける人数のデータを含む前記希望情報を取得した場合、当該人数分の前記希望情報として処理する、
請求項1に記載の人流制御装置。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記人数分の前記特典を発行する、
請求項8に記載の人流制御装置。
【請求項10】
ユーザへの特典発行により人流制御を行う人流制御システムであって、
人流制御装置と、複数の前記ユーザ各々が使用する端末装置と、を含み、
前記人流制御装置は、
人流制御対象領域における混雑状況を示す混雑情報を取得し、
発行対象の前記特典に関する特典情報を取得し、
前記特典に対する前記ユーザ各々の取得希望に関する希望情報を取得し、
前記混雑情報、前記特典情報、及び前記希望情報に基づき、人流制御効果に対する特典発行パターンの最適化計算処理により特典発行に使用する前記特典発行パターンを決定し、
決定した前記特典発行パターンに基づいて前記特典を前記ユーザに発行し、
前記端末装置は、
前記ユーザの入力操作に基づく前記特典に対する取得希望に関する前記希望情報を前記人流制御装置に送信し、
前記人流制御装置から発行された前記特典を受信し、
受信した前記特典を使用に際して出力する、
人流制御システム。
【請求項11】
ユーザへの特典発行により人流制御を行う際に用いられる特典発行決定方法であって、
人流制御対象領域における混雑状況を示す混雑情報を取得するステップと、
発行対象の前記特典に関する特典情報を取得するステップと、
前記特典に対する前記ユーザの取得希望に関する希望情報を取得するステップと、
前記混雑情報、前記特典情報、及び前記希望情報に基づき、人流制御効果に対する特典発行パターンの最適化計算処理により特典発行に使用する前記特典発行パターンを決定するステップと、
を含む、特典発行決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人流制御装置、人流制御システム、及び特典発行決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばスポーツの試合やアーティストのコンサートなどのイベントの終了後、イベント会場の周辺では、退場する来場者による混雑が発生することが多い。これに関し、例えば交通機関に障害が発生した場合の混雑を避けるために、ユーザに待機場所を提示し、さらに当該待機場所で利用できるクーポンをユーザ端末に送信する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、例えば人気クーポンに利用が集中し、会場周辺の一部の施設のみがユーザで混雑したり、またユーザが望まないクーポンが届き、利用されないことで混雑緩和の効果が十分得られなかったりすることが課題であった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、イベント会場から退場するユーザの混雑を効果的に緩和することが可能な人流制御装置、人流制御システム、及び人流制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な本発明の人流制御装置は、ユーザへの特典発行により人流制御を行う人流制御装置であって、コントローラを含む。前記コントローラは、人流制御対象領域における混雑状況を示す混雑情報を取得し、発行対象の前記特典に関する特典情報を取得し、前記特典に対する前記ユーザの取得希望に関する希望情報を取得し、前記混雑情報、前記特典情報、及び前記希望情報に基づき、人流制御効果に対する特典発行パターンの最適化計算処理により特典発行に使用する前記特典発行パターンを決定し、決定した前記特典発行パターンに基づいて前記特典を前記ユーザに発行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、イベント会場から退場するユーザの混雑を効果的に緩和することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】イベント会場周辺(人流制御対象領域)の状況の一例を示す概略平面図
【
図8】ユーザの端末装置に表示された特典一覧表示の一例を示す概略平面図
【
図9】人流制御装置が行う特典発行処理を示すフローチャート
【
図10】
図9の特典発行処理における特典発行調停処理を示すフローチャート
【
図11】入札者(ユーザ)毎の入札先特典情報を表す模式図
【
図12】入札者(ユーザ)毎の各入札特典に対応する入札ポイント情報を示す模式図
【
図13】入札者(ユーザ)毎の各入札特典に対応する滞在効果時間情報を示す模式図
【
図14】入札者(ユーザ)毎の各入札特典に対応する実販売価格情報を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態の内容に限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施形態の人流制御システム1の全体構成図である。人流制御システム1は、人流制御装置10と、端末装置20と、を備える。さらに、人流制御システム1は、定点カメラ30を備える。
【0011】
人流制御装置10は、イベント会場から退場するユーザの混雑を緩和する装置である。人流制御装置10は、端末装置20及び定点カメラ30と、インターネット等を含む通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。なお、
図1では、端末装置20及び定点カメラ30のそれぞれを1つずつ描画しているが、これらはユーザ数に応じた数、またイベント会場の規模等に応じた人流制御に必要な数となる。人流制御装置10の詳細な構成については後述する。
【0012】
端末装置20は、イベント会場のユーザに所持されて使用される装置である。端末装置20は、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報端末装置であるが、これらに限定されるわけではない。
【0013】
端末装置20は、例えばGPS(Global Positioning System)を搭載する。端末装置20の位置、すなわちユーザの位置は、GPSによって検出される。ユーザの位置情報は、端末装置20から人流制御装置10に送信される。
【0014】
また、端末装置20は、イベント会場に関する特典(後述)を人流制御装置10から受信することができる。ユーザは、端末装置20を用いて、特典の選択、利用等の操作を行うことができる。ユーザによる特典に関する操作情報は、端末装置20から人流制御装置10に送信される。
【0015】
定点カメラ30は、例えばイベント会場から退場するユーザが使用する道路、道路上の施設周辺、施設内、交通機関の停車場所等に設置される。定点カメラ30は、これらの場所のそれぞれに、例えば撮影方向や撮影範囲が異なるように複数台設置されて良い。定点カメラ30は、イベント会場周辺の混雑状況を動画、或いは静止画として撮像することができる。定点カメラ30が撮像したカメラ画像は、定点カメラ30から人流制御装置10に送信される。
【0016】
なお、定点カメラ30は、例えば人体検知センサに代えても良い。人体検知センサとしては、例えば赤外線を利用したセンサを用いることができる。イベント会場周辺の混雑状況を端末装置20によるユーザの位置情報から取得する場合、定点カメラ30を人流制御システム1から除外しても良い。
【0017】
続いて、人流制御装置10の詳細な構成について、
図1を用い、適宜
図2を参照しながら説明する。
【0018】
図2は、イベント会場EV周辺(人流制御対象領域)の状況の一例を示す概略平面図である。例えば、本実施形態において、人流制御装置10は、
図2に示す1つのイベント会場EVから退場するユーザの混雑を緩和する。なお、イベント会場EVは、1つに限定されるわけではなく、複数であっても良い。
【0019】
イベント会場EVは、イベントを開催可能な会場である。イベントとは、例えばスポーツの試合やアーティストのコンサート等であって、開催時に多くの人(ユーザ)が集まる。イベント会場EVのユーザは、イベント終了後、一斉にイベント会場EVから退場することが想定される。
【0020】
本実施形態において、イベント会場EV周辺(人流制御対象領域)には、イベント会場EVから退場するユーザが使用する道路R1、R2、R3、R4、R5が存在する。
図2の例では、道路R1、R3は、イベント会場EVから交通機関の停車場所STに近づく方向に延びる。道路R2は、道路R1に接続し、さらに停車場所STに近づく方向、若しくは停車場所STから離れる方向に延びる。道路R4は、道路R2、R3それぞれの、イベント会場EVから停車場所STまでの中間地点を接続する。道路R5は、道路R2から脇にそれ、停車場所STまで延びる。
【0021】
イベント会場EV周辺(人流制御対象領域)には、例えば少なくとも1つの交通機関の停車場所STと、複数の施設SH1、SH2、SH3、SH4、SH5と、が存在する。停車場所STは、例えば鉄道の駅、バスの停留所等を含む。複数の施設SH1、SH2、SH3、SH4、SH5は、例えば飲食物、雑貨、衣料品等を販売する店舗等を含む。例えば、施設SH1は、イベント会場EV内に位置する。施設SH2は道路R2上に位置し、施設SH3は道路R3上に位置し、施設SH4は道路R4上に位置し、SH5は道路R5上に位置する。なお、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、道路R1、R2、R3、R4、R5それぞれ及び施設SH1、SH2、SH3、SH4、SH5それぞれを表す符号の記載を省略することがある。
【0022】
イベント会場EVのイベントへのユーザの参加に際し、人流制御装置10は、予め定めた所定条件を満たすことでユーザにポイントを付与する。さらに、人流制御装置10は、当該ポイントを使用することで入手可能な特典をユーザに提示する。特典は、施設SH1、SH2、SH3、SH4、SH5で利用可能な、例えば引換券、割引券等のクーポンである。さらにこのとき、人流制御装置10は、いずれの特典を、いずれのユーザに発行するか調停を行うことで、イベント会場EV周辺の混雑状況を緩和する人流制御を行う。詳細に言えば、人流制御装置10は、オークション形式によって特典の発行を調停する。
【0023】
人流制御装置10は、例えばCPU(Central Processing Unit)等を含む制御部(コントローラ)11と、ROM(Read only memory)及びRAM(Random access memory)等を含む記憶部12と、通信ネットワークNを介した通信を実現する通信部13と、をハードウェア資源として備える。
【0024】
制御部11は、取得部11aと、ポイント付与部11bと、特典提示部11cと、受付部11dと、人流制御部11eと、を備える。これらの各構成要素それぞれの機能は、記憶部12に格納されたプログラムに従い、CPUが演算処理を行うことによって実現される。制御部11の一部、または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されても良い。
【0025】
取得部11aは、通信部13を介して各種情報を取得する。取得部11aは、混雑情報12aと、施設情報12bと、ユーザ情報12cと、特典情報12dと、入札情報12e等を取得する。これらの各種情報は、記憶部12に形成された混雑情報データテーブル12Aと、施設情報データテーブル12Bと、ユーザ情報データテーブル12Cと、特典情報データテーブル12Dと、入札情報データテーブル12Eに記憶される。
【0026】
なお、各データテーブルは、1単位の情報を記憶するデータレコードが記憶する情報量に応じて形成されており、以降で説明する
図3~
図7で示す形態で各データレコードに各項目のデータが記憶される。
【0027】
混雑情報12aは、イベント会場EV周辺(人流制御対象領域)の混雑状況であって、イベント会場EVから退場するユーザが使用する道路R1、R2、R3、R4、R5の混雑状況を示す。
図3は、混雑情報12aの一例を示す図である。
図3に示すように、混雑情報12aは、混雑状況を観測する道路上の地点を示す識別情報(「地点番号」)と、地点の位置を示す位置情報と、地点の混雑状況を示す情報等を含み、混雑情報データテーブル12Aに記憶される。
【0028】
混雑状況を示す情報としては、例えば道路上の地点を含む所定領域に存在する人の数や密度を示す混雑度や、人の流れを示す人流情報等が用いられる。例えば
図3において、「混雑状況」は、人の混雑度(例えば、人の密度で層別された複数段階のレベル値)であって数値が大きいほど人の密度が高いことを表す。取得部11aは、端末装置20によるユーザの位置情報、若しくは定点カメラ30が撮像したカメラ画像に基づき、各地点の人の数を計測することで混雑情報12aを取得し、混雑情報データテーブル12Aの該当レコードに記憶する。
【0029】
また、地点情報と位置情報は、例えば人流制御装置10の管理者等が、人流制御装置10のキーボード等の操作器を用いるなどして、定点カメラ30の設置位置や混雑状況の計測地点として適当な位置に基づいて設定登録される。そして、取得部11aは、これら地点情報と位置情報を取得し、取得したこれら情報に基づいて混雑情報12aの地点番号を設定(当該地点番号用のデータレコードを作成)し、定点カメラ30の設置位置や混雑状況の情報を記憶する。
【0030】
なお、
図3に示す混雑情報12aは一例であって、これに限定されるわけではない。また、本実施形態では、混雑情報として端末装置20によるユーザの位置情報、若しくは定点カメラ30が撮像したカメラ画像に基づくリアルタイムの情報を適用しているが、事前に推測(過去のイベントにおける混雑度実績やイベントチケットの販売状況等に基づいて推測)したデータを適用しても良い。
【0031】
施設情報12bは、イベント会場EV周辺の道路R1、R2、R3、R4、R5沿い付近に位置する施設SH1、SH2、SH3、SH4、SH5の状況を示す。
図4は、施設情報12bの一例を示す図である。
図4に示すように、施設情報12bは、例えば施設それぞれの識別情報(「施設番号」)と、施設内の混雑状況を示す情報と、特典に関する情報(特典を識別する識別情報である特典番号)と、他の施設関連情報(施設名、連絡先、場所、営業時間等)等を含み、施設情報データテーブル12Bに記憶される。
【0032】
施設内の人の数に関する情報としては、例えば施設内の人の数や密度を示す混雑度や、施設に出入りする人の流れを示す人流情報等であって、端末装置20若しくは定点カメラ30から取得したユーザ等の人の位置情報や人の移動方向情報に基づいて生成される。なお、施設内の混雑状況については、事前に推測(過去のイベントにおける混雑度実績等に基づいて推測)したデータを適用しても良い。本実施形態において、特典に関する情報は、特典の識別情報である特典番号であり、他に特典内容等の情報が含まれても良い。
【0033】
また、特典に関する情報や他の施設関連情報は、対応する各施設のスタッフ等が、人流制御装置10と通信接続された端末装置を用いて入力するなどして設定登録される。
【0034】
なお、
図4に示す施設情報12bは一例であって、これに限定されるわけではない。
【0035】
ユーザ情報12cは、イベント会場EVのユーザそれぞれの状況を示す。
図5は、ユーザ情報12cの一例を示す図である。
図5に示すように、ユーザ情報12cは、例えばユーザそれぞれの識別情報(「ユーザID」)と、ユーザの位置情報と、ユーザが所有するポイント数と、ユーザが入手した特典に関する情報と、ユーザの連絡先情報(通信接続用情報で、例えばユーザ所有の端末装置20のメールアドレス)等を含み、ユーザ情報データテーブル12Cに記憶される。
【0036】
取得部11aは、人流制御装置10と通信接続されたイベントチケットの販売システムにおけるイベントチケット購入者情報を取得する、或いはユーザが端末装置20を用いて登録した特典サービスに対する参加情報を端末装置20から取得する。取得部11aは、取得したこれらイベントチケット購入者情報や参加情報に基づいてユーザ情報12cのユーザIDを設定(当該ユーザID用のデータレコードを作成)し、ユーザの連絡先情報等を対応するデータレコードに記憶する。取得部11aは、各ユーザの端末装置20からユーザの位置情報を取得し、対応するデータレコードに記憶する。
【0037】
後述するポイント付与部11bは、ユーザにポイントを付与する。ポイント付与の際に、ポイント付与部11bは、ユーザ情報12cの所有ポイント数を更新(新規入手ポイントを加算登録)する。なお、特典獲得等においてユーザが使用したポイントは、ユーザ情報12cの所有ポイント数から減算される。
【0038】
後述する人流制御部11eは、ユーザに特典を付与する。特典付与の際に、人流制御部11eは、ユーザ情報12cの入手特典番号を更新(新規付与された特典番号を追加)する。なお、ユーザが利用した特典については、対応する入手特典番号がユーザ情報12cから削除される。
【0039】
なお、
図5に示すユーザ情報12cは一例であって、これに限定されるわけではない。例えば、ユーザの居住地、嗜好等に関する情報を予め取得しておいても良い。
【0040】
特典情報12dは、イベント会場EVのユーザに対して発行される発行対象の特典の状況を示す。
図6は、特典情報12dの一例を示す図である。
図6に示すように、特典情報12dは、例えば特典それぞれの識別情報(「特典番号」)と、特典の発行施設と、特典内容と、特典の実販売価格と、施設に対する滞在効果時間と、特典の上限発行枚数と、端末装置20で動作して特典として機能する特典本体データ(例えば、割引クーポン券の表示等)等を含み、特典情報データテーブル12Dに記憶される。
【0041】
特典情報12dにおけるこれら各項目のデータは、例えば各施設のスタッフ等が、人流制御装置10と通信接続された端末装置を用いて入力するなどして設定登録される。
【0042】
特典番号は、特典情報12dの各項目のデータが登録される際に、重複しないデータが自動付与される。特典番号は、施設情報12bの特典番号と同じコードが用いられ、すなわち同じ特典は同じ特典番号となり、施設情報12bと特典情報12dとを関連付けることができるようになっている。
【0043】
発行施設は、特典を発行した施設を識別するための識別情報であり、施設情報12bにおける施設番号と同じコードが用いられ、施設情報12bと特典情報12dとを関連付けることができるようになっている。なお、施設情報12bと特典情報12dとの関連付けは、特典番号でも行えるので、施設情報12bにおける特典番号のデータ、または特典情報12dにおける発行施設のデータの一方は省略することができる。
【0044】
特典内容は、特典種別等の特典の内容を把握するための情報であり、端末装置20等における特典内容の表示等に利用される。実販売価格は、当該特典を購入する場合の価格である。
【0045】
滞在効果時間は、ユーザが入手した特典を施設で利用することで費やすと想定される施設におけるユーザの滞在時間である。例えば、施設内で着席して提供される飲食物等の場合、滞在効果時間は長くなる傾向にある。一方、例えば、施設から持ち帰る物品等の場合、滞在効果時間は短くなる傾向にある。また、本実施形態において、交通機関(停車場所ST)の利用に対する滞在効果時間を考慮した人流制御としている。これにより、例えば
図2に示す施設SH5で利用される特典の場合、イベント会場EVから真っすぐ交通機関の停車場所STに向かう移動経路(例えば、道路R1及びR2を通る経路)から外れており、交通機関の利用のための移動時間も含めた滞在効果時間は長くなる傾向にある。
【0046】
上限発行枚数は、特典の発行数の上限値である。特典本体データは、本実施形態において、端末装置20で動作して特典として機能するデータであり、特典発行先のユーザの端末装置20に送信されるデータである。特典本体データは、特典を識別でき、また当該データの正当性を証明するデータであり、例えば2次元コード画像等の画像データが用いられる。
【0047】
なお、
図6に示す特典情報12dは一例であって、これに限定されるわけではない。
【0048】
入札情報12eは、イベント会場EVのユーザに対して発行される特典の調停に関するオークションへの入札の状況を示す。
図7は、入札情報12eの一例を示す図である。
図7に示すように、入札情報12eは、例えば入札したユーザに関する情報(「ユーザID」)と、当該ユーザが入札した特典それぞれの識別情報(「入札特典番号」)と、特典への入札値(入札ポイント数)を含み、入札情報データテーブル12Eに記憶される。
【0049】
ユーザIDは、入札を行ったユーザを識別するための識別情報であり、ユーザ情報12cにおけるユーザIDと同じコードが用いられ、ユーザ情報12cと入札情報12eとを関連付けることができるようになっている。ユーザIDは、例えばユーザが端末装置20を用いて入札を行った際に端末装置20の情報(端末装置20に記憶された個人情報)に基づいて、或いはユーザによる端末装置20の入力操作に基づいて登録される。
【0050】
入札特典番号は、ユーザが入札を行った特典の識別番号である。入札特典番号は、施設情報12bにおける特典番号、ユーザ情報12cにおける入手特典番号、及び施設情報12bにおける特典番号と同じコードが用いられ、施設情報12b、ユーザ情報12c、特典情報12d、及び入札情報eを関連付けることができるようになっている。入札特典番号は、ユーザによる入札に関する端末装置20の入力操作に基づいて登録される。
【0051】
入札ポイント数は、ユーザが行った入札における入札値(本実施形態ではポイント)である。入札ポイント数は、ユーザによる入札に関する端末装置20の入力操作に基づいて登録される。
【0052】
なお、
図7に示す入札情報12eは一例であって、これに限定されるわけではない。
【0053】
ポイント付与部11bは、イベント会場EVのイベントへのユーザの参加に際して所定条件を満たすことでユーザにポイントを付与する。ポイントは、例えばユーザがイベント会場EVへの入場手続きを行うことで付与される。ポイントは、例えばユーザがイベント会場EVで物品を購入することで付与される。ポイントは、例えばユーザが公共交通機関を利用してイベント会場EVへ来場することで付与される。ポイントは、例えばイベント終了後、ユーザが直ちに退場することなく、イベント会場EVの自席等で待機した貢献度に応じて付与される。例えば、ユーザの待機時間が長いほど、多くのポイントがユーザに付与される。
【0054】
ポイント付与部11bは、通信部13を介し、ユーザそれぞれが所持する端末装置20にポイント情報を送信する。ユーザは、端末装置20の専用アプリケーションを用いて、人流制御装置10から送信されたポイント情報を受信することができる。
【0055】
付与ポイント情報12fは、例えば付与条件と、付与されるポイント数とが対応付けされ、記憶部12に予め記憶される。ポイント付与部11bは、取得部11aが取得したユーザの端末装置20からの情報、或いは他の物品販売システム等からのユーザの物品購入情報等に基づき、ユーザの行動等の情報を把握する。この把握したユーザの行動等の情報と付与ポイント情報12fにおけるポイントの付与条件とを比較することにより、ポイント付与部11bは、対応するポイントをユーザに付与する。ユーザに付与されたポイントは、ユーザ情報12cにおける当該ユーザの所有ポイント数に加算される。
【0056】
特典提示部11cは、特典を提供した各施設、例えば施設SH1、SH2、SH3、SH4、SH5で利用可能な複数の特典をユーザに提示する。特典提示部11cは、特典情報12dを参照し、例えば特典それぞれの識別情報、特典の発行施設、特典の内容等の情報を、通信部13を介してユーザそれぞれが所持する端末装置20に送信する。なお、特典提示部11cは、端末装置20に表示される特典の画像(例えばアイコン、ボタン)を特典情報12dに基づいて生成し、当該画像を端末装置20に送信しても良い。
【0057】
図8は、ユーザの端末装置20に表示された特典一覧表示の一例を示す概略平面図である。ユーザの端末装置20では、画面20aに複数の特典画像20bが表示される。なお、
図8に示す特典一覧表示は一例であって、これに限定されるわけではない。例えば、本実施形態において、3つの特典画像20bが画面20aに表示されているが、2つ以下、或いは4つ以上の特典画像20bを画面20aに表示することにしても良い。
【0058】
ユーザは、端末装置20の専用アプリケーションを用いて、画面20aに表示された特典画像20bを閲覧することができる。専用アプリケーションは、画面20aをスクロール若しくは切り替える制御をすることで、より多くの特典画像20bを表示することができる。これにより、ユーザは、当該多くの特典画像20bを閲覧することができる。特典画像20bには、特典情報12dの少なくとも一部、例えば特典の内容が掲載され、ユーザがその特典の内容を把握可能になっている。
【0059】
特典画像20bには、押しボタン機能が埋め込まれている。ユーザが特典画像20bの表示領域を押すと、特典情報12dの別の内容(例えば、特典に関する画像(特典対象の食べ物の画像等))が新たに画面20aに表示される。この場合、専用アプリケーションは、例えば特典画像20bの表示領域を表示処理用の表示位置データに基づいて検出し、検出した特典画像20bの表示領域と端末装置20のタッチパネルにおける操作位置との位置関係に基づき、ユーザが特典画像20bの表示領域を押したことを判断する。
【0060】
ユーザは、端末装置20の専用アプリケーションを用いて、画面20aに特典画像20bとして表示された特典を選択することができる。端末装置20は、ユーザが選択した特典の識別情報等を、上記処理により人流制御装置10に対して送信する。なお、端末装置20の専用アプリケーションは、端末装置20のCPU等で構成されるコントローラの、専用アプリケーションのプログラムに基づく処理によって、人流制御装置10との各種データ等の送信及び受信、受信した各種データ等の加工及び表示、ユーザの操作に基づく各種処理や送信データの生成等の各種機能を実現する。
【0061】
受付部11dは、通信部13を介し、ユーザが選択した特典に関する情報を端末装置20から受信する。すなわち、受付部11dは、複数の特典のうちユーザが取得を希望する特典の選択を受け付ける。ユーザが選択した特典に関する情報は、ユーザ情報12c、特典情報12d、或いは入札情報12e等の情報として記憶部12に記憶される。
【0062】
受付部11dは、ユーザ毎に複数の特典の選択を受け付けることにして良い。すなわち、例えばユーザは、第一希望、第二希望、第三希望といった複数の特典に対する取得希望に関する情報(希望情報)を、その優先順位情報を含めて端末装置20に入力することができる。端末装置20は、それら特典情報を人流制御装置10に対して送信する。受付部11dは、それら特典情報を受け付け(受信し)、記憶部12に記憶する。すなわち、制御部11は、特典に対する前記ユーザの取得希望に関する希望情報を取得する。
【0063】
また、受付部11dは、特典を入手するために使用するポイント数の入力を受け付ける。具体的には、ユーザは、端末装置20に希望する特典に対して当該特典入手に使用するポイント数を入力する。端末装置20は、それらポイント数に関する情報を人流制御装置10に対して送信する。受付部11dは、それらポイント数に関する情報を受け付け(受信し)、ユーザ情報12c、特典情報12d、或いは入札情報12e等の情報として記憶部12に記憶する。
【0064】
人流制御部11eは、イベント会場EV周辺の混雑状況と、ユーザが希望する特典等に基づき、どの特典をどのユーザに発行するか、調停を行う。詳細に言えば、人流制御部11eは、取得部11aが取得した混雑情報12a及び施設情報12bと、受付部11dが受け付けたユーザが希望する特典と、に基づいてユーザに対する特典の発行を調停し、調停後の特典をユーザに発行することで、混雑状況を緩和する人流制御を行う。
【0065】
さらに詳細に言えば、人流制御部11eは、混雑情報12a及び施設情報12bから道路R1、R2、R3、R4、R5上の各地点及び各施設SH1、SH2、SH3、SH4、SH5等の、イベント会場EV周辺の混雑状況を把握する。また、人流制御部11eは、ユーザ情報12c、特典情報12d、及び入札情報12e等から、ユーザが希望する特典の状況を把握する。また、人流制御部11eは、イベント会場EV周辺の混雑状況、特典の発行施設と発行枚数等の発行状況、及び特典の発行施設に対する滞在効果時間を考慮し、各特典の発行条件、例えば発行枚数、発行時間等を決定する。
【0066】
そして、制御部11(人流制御部11e)は、混雑情報12a、特典情報12d、及びユーザの希望情報に基づき、人流制御効果に対する特典発行パターンの最適化計算処理により特典発行に使用する特典発行パターンを決定し、決定した特典発行パターンに基づいて特典をユーザに発行する。この構成によれば、ユーザの希望も考慮して特典を発行することができ、その特典が施設で利用される可能性が高くなる。すなわち、ユーザを、効率良く混雑状況が緩和される方向(施設)に向かって移動させることが期待できる。したがって、イベント会場EVから退場するユーザの混雑を効果的に緩和することが可能になる。
【0067】
そして、人流制御部11eは、ユーザが希望する特典の状況と各特典の発行条件との調停を行い、どのユーザにどの特典を発行するかという特典発行詳細方法を決定する。具体的には、本実施形態において、所謂オークション方式が用いられる。
【0068】
例えば、特典入手希望者数がその特典の上限発行枚数以下の場合、人流制御部11eは、特典入手希望者全員に特典を発行する。その場合、特典入手希望者の設定した使用ポイント(入札値)は消費され、人流制御部11eは、ユーザ情報12cにおける当該特典入手希望者の所有ポイント数を使用ポイント分だけ減算する。また、特典入手希望者数がその特典の上限発行枚数を超える場合、人流制御部11eは、設定した使用ポイント(入札値)が上位(特典の上限発行枚数まで)の特典入手希望者に特典を発行する。その場合、特典が発行された特典入手希望者の設定した使用ポイントは消費され、人流制御部11eは、ユーザ情報12cにおける当該特典入手希望者の所有ポイント数を使用ポイント分だけ減算する。なお、特典が発行されなかった特典入手希望者の設定した使用ポイント(入札値)は減算されず、ユーザ情報12cにおける当該特典入手希望者の所有ポイント数は維持される。
【0069】
なお、上記のオークション方式は単純な方式であるが、より工夫を凝らしたオークション方式の詳細については後述する。
【0070】
また、特典の発行に関する調停方法は、オークションに限定されるわけではなく、例えば抽選等の他の方法を適用しても良い。
【0071】
続いて、人流制御装置10の動作の一例について、
図9及び
図10を用い、適宜
図11、
図12、
図13及び
図14を参照しながら説明する。
図9は、人流制御装置10が行う特典発行処理を示すフローチャートである。
図10は、
図9の特典発行処理における特典発行調停処理を示すフローチャートである。そして、
図11、
図12、
図13、及び
図14は、特典発行調停処理における処理内容を分かり易くするために入札情報12eの一例を層別、集約等により模式化した図である。
図11は、入札者(ユーザ)毎の入札先特典情報を表す模式図である。
図12は、入札者(ユーザ)毎の各入札特典に対応する入札ポイント情報を示す模式図である。
図13は、入札者(ユーザ)毎の各入札特典に対応する滞在効果時間情報を示す模式図である。
図14は、入札者(ユーザ)毎の各入札特典に対応する実販売価格情報を示す模式図である。
【0072】
図9に示す処理は、特典提供実施(入札開始)時(オペレータの操作や特定条件状態時(イベント完了から予め定めた所定時間、例えば混雑が解消すると予想される時間))に、人流制御装置10の制御部11により実行される。
【0073】
ステップS101において、制御部11(取得部11a)は、端末装置20からの位置データ、定点カメラ30の撮影データ等を取得し、当該位置データの統計処理及び当該撮影データの画像解析処理により、イベント会場EV周辺における各地点の混雑情報を生成し、記憶部12における混雑情報データテーブル12Aに混雑情報12aとして記憶し、ステップS102に移る。
【0074】
ステップS102において、制御部11(取得部11a)は、イベント会場EV周辺の施設に関する各種情報を取得し、必要な加工処理を行い、記憶部12における施設情報データテーブル12Bに施設情報12bとして記憶し、ステップS103に移る。なお、制御部11は、施設領域内の位置データを送信した端末装置20の数、施設を撮影する定点カメラ30の撮影画像の解析結果、施設の端末装置から送信される施設スタッフの入力操作等に基づく店舗の状態(混雑)データに基づき、施設に関する各種情報を生成する。
【0075】
なお、ステップS101及びステップS102において生成した混雑情報及び施設情報は、事前に推測(過去のイベントにおける実績や事前の予約入力等に基づいて推測)したデータを適用しても良い。
【0076】
ステップS103において、制御部11(特典提示部11c)は、入札対象となっている特典をユーザに提示し、ステップS104に移る。具体的には、制御部11は、入札対象となっている特典の情報を各ユーザの端末装置20に送信する。そして、ユーザの端末装置20には、入札対象となっている特典の情報が表示される(
図8参照)。
【0077】
ステップS104において、制御部11(受付部11d)は、ユーザの端末装置20からのユーザによる特典選択(入札)データの受け付けを開始し、その後にユーザの端末装置20から取得した入札データを記憶部12における入札情報データテーブル12Eに入札情報12eとして記憶し、ステップS105に移る。具体的には、制御部11(受付部11d)は、複数の特典のうちユーザが希望する特典の選択情報、及び特典を入手するために使用するポイント数の情報を受け付ける。
【0078】
ステップS105において、制御部11(人流制御部11e)は、入札対象となっている特典の入札が完了(入札期間終了)したか判断し、入札が完了していればステップS106に移り、入札が完了していなければ入札が完了するまでステップS105の処理を繰り返す。つまり、入札の完了時点まで、入札データの受付が継続される。なお、この入札完了までの待ち時間中、制御部11は、必要に応じて他の処理を割り込み要求信号等により実行する。
【0079】
ステップS106において、制御部11(人流制御部11e)は、各ユーザの特典に対する入札状況(使用ポイント数、希望順位等)や特典の特性(滞在効果時間、実販売価格等)等に基づき、特典発行の調停(落札者の決定)を行い、ステップS107に移る。なお、特典発行の調停処理については後述する。また、この時点(ステップS105で入札の完了が判定された時点)で入札データの受付が終了し、ユーザは入札できなくなる。
【0080】
ステップS107において、制御部11(人流制御部11e)は、特典発行の調停結果に基づき、落札者となったユーザの端末装置20に落札対象の特典に関する情報(特典本体情報等)を送信し、処理を終える。
【0081】
次に、
図9で示した特典発行処理におけるステップS105の特典発行調停処理の詳細を説明する。説明を具体的なデータ例を用いて行うが、まず各入札者(ユーザ)の入札状況や、入札対象の特典の特性のデータの設定例について説明する。
【0082】
図11に示した入札者毎の入札先特典情報は、各入札者がどの特典に入札したかを示す情報である。例えば、
図11は、ユーザAについて、特典1及び特典3に入札していることを示している。また、
図11は、ユーザBについて、特典1、特典4及び特典5に入札していることを示している。以下、ユーザC、D、Eについても同様である。
【0083】
図12に示した入札者毎の入札ポイント情報は、各入札者がどの特典の入札に何ポイント設定したかを示す情報である。例えば、
図12は、ユーザAが、特典1の入札に対して300ポイントを設定し、特典3の入札に対して200ポイントを設定していることを示している。また、
図12は、ユーザBが、特典1の入札に対して100ポイントを設定し、特典4の入札に対して100ポイントを設定し、特典5の入札に対して500ポイントを設定していることを示している。以下、ユーザC、D、Eについても同様である。
【0084】
なお、入札ポイントは、人流制御装置10が特典毎に予め定めた複数のポイント数(例えば、100、300、500ポイントの3種類)からユーザが選択するようにしても良いし、ユーザが任意のポイント数を入力するようにしても良い。このようなポイントの設定方法は、端末装置20の専用アプリケーションの機能としてプログラムに埋め込まれ、また制御部11(特典提示部11c)により提供される特典関連のデータを当該専用アプリケーションに対応させることで実現できる。
【0085】
なお、
図11及び
図12では特典1から特典5までの5種類の特典を掲載しているが、実際の特典の種類の数は、対象のイベントにおける人流制御に対して提供される特典の種類数となる。後述する
図13及び
図14においても同様である。
【0086】
図13に示した入札者毎の入札特典に対応する滞在効果時間情報は、各入札者が入札した特典が該当施設の滞在時間に対してどの程度の効果を生じるか、つまり人流制御(待機時間)に対する効果時間を示す情報である。例えば、
図13は、ユーザAが入札した特典1の滞在効果時間が30分であり、特典3の滞在効果時間が40分であることを示している。また、
図13は、ユーザBが入札した特典1の滞在効果時間が30分であり、特典4の滞在効果時間が50分であり、特典5の滞在効果時間が30分であることを示している。なお、滞在効果時間については、当該施設利用に要する移動時間(通常の移動時間(例えば、交通機関の停車場所STへの寄り道無しの移動)に対して余計にかかる移動時間)を加味した時間でも良い。以下、ユーザC、D、Eについても同様である。
【0087】
図14に示した入札者毎の入札特典に対応する実販売価格情報は、各入札者が入札した特典の実販売価格相当額、つまり特典の価値を示す情報であり、例えば販売物品の割引額等が用いられる。なお、特典提供者からみれば、実販売価格情報は特典発行に対するコストとも言える。例えば、
図14は、ユーザAが入札した特典1の実販売価格が300円であり、特典3の実販売価格が600円であることを示している。また、
図14は、ユーザBが入札した特典1の実販売価格が300円であり、特典4の実販売価格が400円であり、特典5の実販売価格が700円であることを示している。以下、ユーザC、D、Eについても同様である。
【0088】
人流制御部11eは、オークション形式によって特典の発行を調停する。続いて、
図10を用いて、この特典発行調停処理(
図9の特典発行処理におけるステップS105の詳細処理)を説明する。
【0089】
ステップS201において、人流制御装置10の制御部11(人流制御部11e)は、入札情報12e及び特典情報12dから各ユーザの入札に関する情報、各特典に関する情報を抽出し、ステップS202に移る。なお、この際、制御部11(人流制御部11e)は、層別、集約処理等により、(a)特典への入札ポイント情報(
図12参照)、(b)入札特典の滞在効果時間情報(
図13参照)、(c)入札特典の実販売価格情報(
図14参照)といった形式でデータを整理し、以降の処理に備える。
【0090】
ステップS202において、制御部11(人流制御部11e)は、ステップS201で抽出整理して得られた(a)特典への入札ポイント情報と、(b)入札特典の滞在効果時間情報と、(c)入札特典の実販売価格情報と、について、スケーリングを行い、ステップS203に移る。当該スケーリングでは、次のステップS203で行われる最適化計算において上記(a)、(b)、(c)の情報のいずれを重視して計算するかが決定される。例えば、(b)入札特典の滞在効果時間情報を重視する場合、(b)のデータが大きく重み付けされ(例えば、大きい係数αを積算する)、(a)のデータ、及び(c)のデータは小さく重み付けされ(例えば、小さい係数β、γ(αより小さい)を積算する)、最適化計算が行われる。このスケーリングにより重視する情報に応じて、オークションにおける落札者が変わってくる。
【0091】
ステップS203において、制御部11(人流制御部11e)は、スケーリングされた(a)特典への入札ポイント情報の各データと、(b)入札特典の滞在効果時間情報の各データと、(c)入札特典の実販売価格情報の各データと、を含む目的関数の最適化計算を行うことで特典の発行を調停し、ステップS204に移る。詳細に言えば、制御部11(人流制御部11e)は、下記式(1)で表される目的関数の最適化計算を行うことで特典の発行を調停する。
【0092】
言い換えれば、制御部11は、複数の特典発行パターン(単純には全特典発行パターン)、つまりどのユーザにどの特典を発行するのかという発行状態を表す各パターンについて、目的とする効果(本件の場合は人流制御効果であり、具体的には施設滞在時間を効果指標としている)が最大となる特典発行パターンを最適解とする。そして、制御部11は、当該最適解の特典発行パターンで特典を発行する。
【0093】
なお、最適化計算の制約条件は、発行する特典の上限数、及びユーザ一人が入手できる特典の数である。例えば、ユーザ一人が入手できる特典は1つである。
【0094】
【数1】
ただし、上記式(1)において、
f(ti)は、施設におけるユーザの滞在効果時間(混雑緩和効果)を表し、
f(po)は、ユーザが入札時に使用した入札ポイント数を表し、
f(pr)は、ユーザが入札した特典の実販売価格を表す。
なお、スケーリング処理により重み付け係数が積算されている。
【0095】
すなわち、制御部11(人流制御部11e)は、上記式(1)で表される目的関数の最適化計算を行うことで、組合せオークション理論によって特典の発行を調停する。
【0096】
詳細に言えば、制御部11(人流制御部11e)は、最適化計算の上記制約条件のもとで、どのユーザにどの特典を発行するのかという発行状態を表す全ての特典発行パターンにおいて、上記式(1)で表される目的関数F1の演算を行う。目的関数F1の演算において、制御部11(人流制御部11e)は、特典発行パターン各々に関して、ユーザ各々に対する特典の実販売価格(価値)と入札値との関係を示す値である関係値と、当該特典による施設におけるユーザの滞在効果時間(特典効果値)とに基づき、ユーザ別人流制御効果を算出し、特典発行パターン毎に、当該ユーザ別人流制御効果を集計する。
【0097】
そして、制御部11(人流制御部11e)は、目的関数F1(ユーザ別人流制御効果の集計値)が最大となる特典発行パターンを最適解(特典発行に使用する特典発行パターン)として決定する。すなわち、制御部11(人流制御部11e)は、目的関数F1の演算を行うことで、目的とする効果(施設滞在時間を指標とする人流制御効果)が最大となる特典発行パターンを算出する。なお、目的関数F1の演算を行う特典発行パターンは、適当な条件で絞り込むことにしても良い。
【0098】
ステップS204において、人流制御部11eは、ステップS203の最適化計算の結果として決定された特典発行パターン(最適解)に基づき、複数の特典それぞれの落札者(ユーザ)を決定し、調停を終了する(
図6のエンド)。つまり、
図9の特典発行処理におけるステップS105の特典発行調停処理が完了する。
【0099】
この後、処理は、
図9の特典発行処理におけるステップS106に移り、調停結果に基づいて各落札ユーザに該当の落札特典が発行される。そして、落札特典の関連情報(特典本体情報等)は、当該特典を落札したユーザそれぞれが所持する端末装置20に送信され、端末装置20のディスプレイに表示等される。ユーザは、端末装置20を用いて落札特典の確認や使用が可能となる。
【0100】
上記のように、制御部11(人流制御部11e)は、受付部11dが受け付けた複数のユーザそれぞれが希望する特典の選択を入札とし、オークション形式によって特典の発行を調停する。この構成によれば、ユーザは、人流制御装置10から提示された複数の特典の中から、気に入った特典を任意に選択することができる。これにより、ユーザに望まない特典が届くことを回避することができ、ユーザの満足度が向上する。さらに、特典の利用率を高めることができ、イベント会場EVから退場するユーザの混雑を効果的に緩和することが可能になる。
【0101】
また、上記のように、制御部11(人流制御部11e)は、受付部11dが受け付けた特典の入札に関するポイント数を入札値としてオークション形式によって特典の発行を調停する。言い換えれば、制御部11(人流制御部11e)は、ユーザ各々が取得を希望する特典に対する入札値の相対関係に応じて、特典発行に使用する特典発行パターンを決定する。この構成によれば、ユーザは、人流制御装置10から提示された複数の特典の中から、気に入った特典に対して自分が指定する任意のポイント数(入札値)で入札することができる。これにより、ユーザは、自分の価値観に応じて特典への入札を行うことができ、満足度が向上する。また、入札にポイントを必要とすることで、ユーザが必要以上に特典を入手して利用しない状況の発生を抑制することが可能である。
【0102】
また、上記のように、制御部11(ポイント付与部11b)は、予め定めた所定条件をユーザが満たすことで入札値として使用できるポイントをユーザに付与する。また、制御部11(人流制御部11e)は、ユーザ各々が取得を希望する特典に対する入札により、当該入札における入札値分のポイントを、当該ユーザの蓄積されたポイントから減ずる。この構成によれば、ユーザは、人流制御装置10から提示された複数の特典に対し、ポイントを入札に使用し、気に入った特典を取得することができる。これにより、ユーザは、自分の価値観に応じて特典への入札を行うことができ、満足度が向上する。
【0103】
また、上記のように、制御部11(人流制御部11e)は、ユーザが特典を入手するために入札時に使用した入札ポイント数と、ユーザが入手した特典を施設で利用することで費やすと想定される施設におけるユーザの滞在効果時間と、ユーザが入手した特典の実販売価格と、を含む目的関数の最適化計算を行うことで特典の発行を調停する。言い換えれば、制御部11(人流制御部11e)は、特典発行パターン各々に関して、ユーザ各々に対する特典の実販売価格(価値)と入札値との関係を示す値である関係値と、当該特典による施設におけるユーザの滞在効果時間(特典効果値)とに基づき、ユーザ別人流制御効果を算出する。そして、制御部11(人流制御部11e)は、特典発行パターン毎に、ユーザ別人流制御効果を集計し、ユーザ別人流制御効果の集計値が最大である特典発行パターンを、特典発行に使用する特典発行パターンとして決定する。
【0104】
上記の構成によれば、組合せオークション理論によって特典の発行を調停することができ、混雑緩和、イベント主催者及び施設の満足度向上、並びにユーザの満足度向上を総合的に実現することが可能になる。イベント主催者及び施設の満足度向上としては、例えば施設へのユーザの誘引、売り上げ増加等が考えられる。ユーザの満足度向上としては、例えばユーザそれぞれの目的、嗜好に応じた特典の入手等が考えられる。
【0105】
また、上記のように、制御部11(人流制御部11e)は、ユーザの入力操作に基づく重み付け値によって特典の実販売価格(価値)、入札値、及び施設におけるユーザの滞在効果時間(特典効果値)に重み付け処理を施し、上記ユーザ別人流制御効果を算出する。この構成によれば、特典の実販売価格(価値)、入札値、及び施設におけるユーザの滞在効果時間(特典効果値)に対する優先順位を任意に定めることができる。これにより、混雑緩和、イベント主催者及び施設の満足度向上、並びにユーザの満足度向上を容易に調整することが可能である。
【0106】
そして、制御部11(人流制御部11e)は、上記式(1)で表される目的関数の最適化計算を行うことで特典の発行を調停する。この構成によれば、当該計算により、混雑緩和、イベント主催者及び施設の満足度向上、並びにユーザの満足度向上を総合的に実現可能な最適解を容易に得ることが可能になる。
【0107】
また、制御部11(人流制御部11e)は、下記式(2)で表される目的関数の最適化計算を行うことで特典の発行を調停することにして良い。式(2)は、イベント会場EVからの方向別の混雑度、或いはイベント会場EV周辺の各領域別の混雑度に応じて特典の発行を調停することを目的としている。つまり、式(2)は、混雑度の高い方向、或いは領域の混雑度を優先的に低減させ、混雑度の平準化も狙っている。なお、最適化計算の制約条件は、発行する特典の上限数、及びユーザ一人が入手できる特典の数である。
【0108】
【数2】
ただし、上記式(2)において、
f(tir)は、施設におけるユーザの滞在効果時間(混雑緩和効果)であって、イベント会場EVを起点とした方向別、或いはイベント会場EV付近に設定された領域(例えば、イベント会場EV付近を東西南北50m毎に区切った領域)別の滞在効果時間を表し、
f(po)は、ユーザが入札時に使用した入札ポイント数を表し、
f(pr)は、ユーザが入札した特典の実販売価格を表し、
f(cr)は、イベント会場EV付近の各方向(各領域)に対する混雑度を表し、
f(ca)は、イベント会場EV付近の全方向(全領域(人流制御対象領域))に対する混雑度を表す。
なお、スケーリング処理により重み付け係数が積算されている。
【0109】
例えば、イベント会場EV付近の各方向(イベント会場EVから退場するユーザの移動方向毎)の混雑状況としては、イベント会場EVに対して東西南北の方向の混雑状況を示す指標値(例えば、5段階の混雑度を表す1~5(数値が大きいほど混雑している)の数値)を入力する(領域の場合も同様)。この構成によれば、イベント会場EVからの方向毎(イベント会場EV付近の領域毎)の混雑状況を関連付けた組合せオークションを行い、特典の発行を調停することができる。したがって、イベント会場EVから退場するユーザの混雑を、詳細に制御することが可能となり、より一層効果的に緩和することが可能になる。
【0110】
また、上記のように、制御部11(受付部11d)は、ユーザ毎に複数の特典の選択を受け付ける。例えば、本実施形態において、受付部11dは、ユーザ毎に3つの特典の選択を受け付ける。ユーザは、3つを上限として特典を選択(入札)することができ、2つ、若しくは1つのみであっても良い。この構成によれば、ユーザは、気に入った複数の特典を任意に選択することが可能である。したがって、ユーザの満足度を向上させることが可能である。また、ユーザが必要以上に特典を入手して利用しない状況の発生を抑制できる。
【0111】
また、取得部11aは、複数のユーザによって構成されるグループに関するグループ情報12gを取得することにして良い。グループ情報12gは、例えばグループの構成人数と、構成員それぞれの識別情報と、構成員それぞれの年齢と、を含む。そして、制御部11(人流制御部11e)は、ユーザが属するグループにおける人数のデータを含む希望情報(特典に対する取得希望に関する情報)を取得した場合、当該人数分の希望情報として処理する。
【0112】
上記の構成によれば、ユーザのグループ情報12gを関連付けた組合せオークションを行い、特典の発行を調停することができる。すなわち、特典は、グループの構成状況(構成人数)に応じて発行される。したがって、ユーザの満足度を向上させることが可能である。
【0113】
また、制御部11(人流制御部11e)は、ユーザが属するグループの人数分の特典を発行することにして良い。この構成によれば、ユーザが属するグループは、構成員全員が一緒に特典を利用することができる。したがって、ユーザの満足度を向上させることが可能である。また、グループ内において同一特典の数が不足することで、当該特典が利用されない状況の発生を抑制できる。したがって、特典の利用率を高めることができ、イベント会場EVから退場するユーザの混雑を効果的に緩和することが可能になる。
【0114】
また、実施形態によれば、人流制御システム1は、上記構成の人流制御装置10と、人流制御装置10に対して情報を送信及び受信する端末装置20と、を備える。この構成によれば、ユーザは、端末装置20を用いて、容易に複数の特典を閲覧することができ、容易に希望する特典を選択することが可能である。さらに、ユーザは、端末装置20を用いて、容易に入手した特典を施設で利用することができる。すなわち、ユーザは希望する特典を入手し易くなり、その特典が施設で利用される可能性が高くなる。したがって、イベント会場EVから退場するユーザの混雑を効果的に緩和することが可能になる。
【0115】
なお、本明細書中で実施形態として開示された種々の技術的特徴は、その技術的創作の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれる。また、本明細書中で示した複数の実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせて実施して良い。
【0116】
また、上記実施形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されていると説明したが、これらの機能のうちの一部は電気的なハードウェア資源によって実現されて良い。また逆に、ハードウェア資源によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されて良い。
【符号の説明】
【0117】
1 人流制御システム
10 人流制御装置
11 制御部(コントローラ)
11a 取得部
11b ポイント付与部
11c 特典提示部
11d 受付部
11e 人流制御部
12 記憶部
12a 混雑情報
12b 施設情報
12c ユーザ情報
12d 特典情報
12e 入札情報
12f 付与ポイント情報
12g グループ情報
13 通信部
20 端末装置
EV イベント会場
R1、R2、R3、R4、R5 道路
SH1、SH2、SH3、SH4、SH5 施設
ST 停車場所