IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロードの特許一覧

特開2024-132972ガスを液化するための液化器及び方法
<>
  • 特開-ガスを液化するための液化器及び方法 図1
  • 特開-ガスを液化するための液化器及び方法 図2
  • 特開-ガスを液化するための液化器及び方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132972
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ガスを液化するための液化器及び方法
(51)【国際特許分類】
   F25J 1/02 20060101AFI20240920BHJP
   F25J 5/00 20060101ALI20240920BHJP
   F28F 3/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F25J1/02
F25J5/00
F28F3/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024037321
(22)【出願日】2024-03-11
(31)【優先権主張番号】2302424
(32)【優先日】2023-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】レミー・クルツ
【テーマコード(参考)】
4D047
【Fターム(参考)】
4D047AA01
4D047AA02
4D047AA10
4D047AB02
4D047AB07
4D047AB08
4D047DA17
4D047DB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液化器の設置面積を低減し、どの機器の、例えばフレームワーク中のタービンの遅れての設置も容易にすることが可能なガスを液化するための液化器、および極低温でガスを液化するための方法を提供する。
【解決手段】ガス用の液化器は、一端において、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器Eであって、各プレートが、長さ及び幅を有し、プレートが、それらの長さがフレームワークの長さに対して平行になるように配置される、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器を包含し、他端において、冷気を少なくとも1つの熱交換器に提供するためのタービンMを包含するフレームワークOを備え、フレームワークは、タービンが交換器の真下に位置付けられるように向けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームワーク(O)を備えるアセンブリを備える、極低温で液化されるガス用の液化器であって、前記フレームワークは、実質的に細長い平行六面体の形状を有し、その長さに対応する主軸と2つの端部とを有し、前記フレームワークは、蒸留塔を包含せず、前記フレームワークの内側には、
i)前記フレームワークの一端において、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器(E)と、ここで、各プレートは、長さ及び幅を有し、前記プレートは、それらの長さが前記フレームワークの前記主軸に対して平行になるように配置されており、
ii)液化されるべきガスを少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器に送るためのライン(C)と、
iii)冷却又は液化されたガスを少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器から除去するためのラインと、
iv)前記フレームワークの内側に据え付けられた支持体と、
v)少なくとも1つのタービン(M)と、ここで、前記タービンは、前記支持体に締結され、前記フレームワークの外側に配置された圧縮器を駆動するように構成され、前記タービンは、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器中で冷却若しくは加熱されたガスを前記タービン中で膨張されるように送るために、及び/又は前記タービン中で膨張されたガスを前記タービンから少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器に送るために、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器に接続されており、
vi)前記圧縮器中で圧縮されたガスを冷却するために接続された少なくとも1つの冷却器(R)と、
vii)冷媒を前記冷却器に送るための手段と
があり、
a)前記タービンは、前記フレームワークの他端に位置付けられ、前記冷却器は、前記タービンと少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器との間に位置付けられているか、又は
b)前記冷却器は、前記フレームワークの他端に位置付けられ、前記タービンは、前記冷却器と少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器との間に位置付けられており、
前記フレームワークは、その主軸が垂直になるように位置付けられ、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器(E)は、少なくとも1つの前記タービン(M)及び少なくとも1つの前記冷却器(R)、液化されるべきガスを前記フレームワーク中の前記プレートフィン熱交換器に送るための手段(C)、及び液化されたガスを前記フレームワークから除去するために前記プレートフィン熱交換器に接続された手段の上方に位置付けられている、液化器。
【請求項2】
前記フレームワークを少なくとも2つの部分(1,2,3,4,5)に分割する少なくとも1つの仕切りを備え、前記仕切りは、前記フレームワーク(O)の前記主軸に対して垂直に配置された矩形プレートの形状を有し、前記仕切りは、前記冷却器(R)が前記フレームワークの前記他端にある場合には前記タービン(M)用の支持体として機能するか、又は前記タービンが前記フレームワークの前記他端にある場合には前記冷却器用の支持体として機能し、前記タービン及び前記冷却器は、前記仕切りによって互いに分離されている、請求項1に記載の液化器。
【請求項3】
基礎上に前記フレームワークを配置するために前記フレームワーク(O)の前記他端に接続された締結脚部(P)を備える、請求項1又は2に記載の液化器。
【請求項4】
前記プレートフィン熱交換器中で冷却されたガスを前記圧縮器に送るために前記プレートフィン熱交換器を前記圧縮器に流体接続するための手段を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の液化器。
【請求項5】
前記タービン中で膨張されたガスを前記プレートフィン熱交換器に送るために前記プレートフィン熱交換器を前記タービンに流体接続するための手段を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の液化器。
【請求項6】
前記フレームワークは、少なくとも3つの区画(1,2,3)に分割され、各区画は、前記フレームワークの長さの一部分である寸法を有し、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器(E)は、少なくとも3つの前記区画(1)のうちの1つの中にあり、前記タービン(M)は、少なくとも3つの前記区画(3)のうちの別のものの中にあり、少なくとも1つの前記冷却器(R)は、少なくとも3つの前記区画のうちの別のもの(2)の中にあり、前記区画は、前記タービンを包含し、少なくとも1つの前記冷却器は、前記プレートフィン熱交換器を包含する前記区画によって形成された前記平行六面体よりも幅の広い平行六面体を形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の液化器。
【請求項7】
熱交換器もタービンも包含しないが、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器(E)と別の要素との間に接続ラインを包含する第4の区画(4)を備え、前記別の要素は、少なくとも1つの前記タービン(M)であり得る、請求項6に記載の液化器。
【請求項8】
前記タービン(M)は、前記フレームワーク(O)の他端に位置付けられ、前記冷却器(R)を包含する前記区画(2)と並んで配置された区画(5)を介して前記第4の区画(4)に接続されている、請求項7に記載の液化器。
【請求項9】
前記フレームワーク(O)は、少なくとも10mの長さであり、前記冷却器(R)及び前記タービン(M)は、少なくとも4mに等しい前記フレームワークの長さの一部分を占有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の液化器。
【請求項10】
少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器は、断熱されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の液化器。
【請求項11】
フレームワーク(O)を備えるアセンブリを使用して、極低温でガスを液化するための方法であって、前記フレームワークは、実質的に細長い平行六面体の形状を有し、その長さに対応する主軸と2つの端部とを有し、前記フレームワークは、蒸留塔を包含せず、前記フレームワークの内側には、
i)前記フレームワークの一端において、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器(E)と、ここで、各プレートは、長さ及び幅を有し、前記プレートは、それらの長さが前記フレームワークの前記主軸に対して平行になるように配置され、
ii)液化されるべきガスを少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器に送るためのライン(C)と、
iii)冷却又は液化されたガスを少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器から除去するためのラインと、
iv)前記フレームワークの内側に据え付けられた支持体と、
v)少なくとも1つのタービン(M)と、ここで、前記タービンは、前記支持体に締結され、前記フレームワークの外側に配置された圧縮器を駆動するように構成され、前記タービンは、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器中で冷却若しくは加熱されたガスを前記タービン中で膨張されるように送るために、及び/又は前記タービン中で膨張されたガスを前記タービンから少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器に送るために、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器に接続され、
vi)前記圧縮器中で圧縮されたガスを冷却するために接続された少なくとも1つの冷却器(R)と、
vii)があり、a)前記タービンは、前記フレームワークの他端に位置付けられ、前記冷却器は、前記タービンと少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器との間に位置付けられるか、又はb)前記冷却器は、前記フレームワークの他端に位置付けられ、前記タービンは、前記冷却器と少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器との間に位置付けられ、
viii)前記フレームワークは、その主軸が垂直になるように位置付けられ、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器(E)は、少なくとも1つの前記タービン(M)及び少なくとも1つの前記冷却器(R)の上方に位置付けられ、
液化されるべきガスは、前記フレームワーク中の前記プレートフィン熱交換器に送られ、液化されたガスは、前記プレートフィン熱交換器から除去され、冷媒が、前記冷却器に送られ、冷気が、少なくとも1つの前記タービン中でガスを膨張させることによって前記液化のために提供され、前記ガスは、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器中で冷却若しくは加熱されており、及び/又前記タービン中で膨張されたガスは、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器に送られる、方法。
【請求項12】
フレームワーク(O)を備えるアセンブリであって、前記フレームワークは、実質的に細長い平行六面体の形状を有し、その長さに対応する主軸と2つの端部とを有し、前記フレームワークは、蒸留塔を包含せず、前記フレームワークの内側には、
i)前記フレームワークの一端において、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器(E)と、ここで、各プレートは、長さ及び幅を有し、前記プレートは、それらの長さが前記フレームワークの前記主軸に対して平行になるように配置されており、
ii)液化されるべきガスを少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器に送るためのライン(C)と、
iii)冷却又は液化されたガスを少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器から除去するためのラインと、
iv)前記フレームワークの内側に据え付けられた支持体と、
v)少なくとも1つのタービン(M)と、ここで、前記タービンは、前記支持体に締結され、前記フレームワークの外側に配置された圧縮器を駆動するように構成され、前記タービンは、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器中で冷却若しくは加熱されたガスを前記タービン中で膨張されるように送るために、及び/又は前記タービン中で膨張されたガスを前記タービンから少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器に送るために、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器に接続されており、
vi)前記圧縮器中で圧縮されたガスを冷却するために接続された少なくとも1つの冷却器(R)と、
vii)冷媒を前記冷却器に送るための手段と
viii)があり、a)前記タービンは、前記フレームワークの他端に位置付けられ、前記冷却器は、前記タービンと少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器との間に位置付けられるか、又はb)前記冷却器は、前記フレームワークの他端に位置付けられ、前記タービンは、前記冷却器と少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器との間に位置付けられており、
少なくとも1つの前記タービン(M)及び少なくとも1つの前記冷却器(R)は、前記フレームワークが、その長さであるその主軸が垂直になるように位置付けられた場合に動作を可能にするように前記フレームワーク中で支持され、少なくとも1つの前記プレートフィン熱交換器(E)は、少なくとも1つの前記タービン(M)及び少なくとも1つの前記冷却器(R)の上方に位置付けられたときに動作するように前記フレームワーク中で支持されている、アセンブリ。
【請求項13】
カラムのシステムと、請求項1~10のいずれか一項に記載の液化器と、液化されるべきガスとして窒素富化ガスを前記カラムのシステムから前記液化器に送るための手段(C)とを備える、極低温蒸留によって空気を分離するための装置。
【請求項14】
前記液化器中で液化されたガスを前記カラムのシステムに送るための手段を備える、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温で液化されるガス、例えば、窒素、水素、及び天然ガスを液化するための液化器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
FR2706025は、熱交換器、サブ冷却器、弁、極低温ポンプ、タービン、及びそれらを共に接続するためのパイプを包含するフレームワークを備える、極低温蒸留によって空気を分離するための装置を説明している。蒸留塔は、このフレームワークの外側に配置されている。
【0003】
窒素液化器は、US20220404094から知られている。
【0004】
Bryan Trocquet、GasTech 2009による「Marinized Liquefaction and Gas Conditioning for Floating LNG」は、一端に熱交換器を有するフレームワークを開示している。
【0005】
本発明の1つの目的は、液化器の設置面積を低減し、どの機器の、例えばフレームワーク中のタービンの遅れての設置も、タービンが遅れて配送された場合であっても、容易にすることである。
【0006】
実際、タービンは、他の要素の到着後に配送されることが多く、低減された数の必要な操作でタービンを設置するための手段を見つけることが望ましく、特に、クレーンを使用する必要なく、作業場中で、天井クレーン又は単純なマテリアルリフトを機器の現場での設置のために使用することができる。
【0007】
モジュールアセンブリ用のフレームワークとしても機能する液化器の熱交換器用の支持手段を使用することが有益である。結果として、このフレームワークは、アセンブリが有資格スタッフによって作業場中に据え付けられることを可能にする液化器の他の要素を包含し、交換器とフレームワークの他の要素、例えば接続ボックス、パイプ、器具類、及び電気との間の接続もまた製造作業場中で行われる。
【0008】
設置面積を低減することに加えて、地面から少なくとも4mの高さに交換器を位置付けることは、液体を生成することを可能にし、それによって、静水圧を作り出し、静水圧は、ガスを移送するために使用することができるか、又は液体を加圧するために使用されるポンプのサイズを低減するために使用することができる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の一態様によると、フレームワークを備えるアセンブリを備える、極低温で液化されるガス用の液化器が提供され、フレームワークは、実質的に細長い平行六面体の形状を有し、その長さに対応する主軸と2つの端部とを有し、フレームワークは、蒸留塔を包含せず、フレームワークの内側には、
i)フレームワークの一端において、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器と、ここで、各プレートは、長さ及び幅を有し、プレートは、それらの長さがフレームワークの主軸に対して平行になるように配置され、
ii)液化されるべきガスを少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に送るためのライン(C)と、
iii)冷却又は液化されたガスを少なくとも1つのプレートフィン熱交換器から除去するためのラインと、
iv)フレームワークの内側に据え付けられた支持体と、
v)少なくとも1つのタービンと、ここで、タービンは、支持体に締結され、フレームワークの外側に配置された圧縮器を駆動するように構成され、タービンは、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器中で冷却若しくは加熱されたガスをタービン中で膨張されるように送るために、及び/又はタービン中で膨張されたガスをタービンから少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に送るために、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に接続され、
vi)圧縮器中で圧縮されたガスを冷却するために接続された少なくとも1つの冷却器と、
vii)冷媒を冷却器に送るための手段と
viii)があり、a)タービンは、フレームワークの他端に位置付けられ、冷却器は、タービンと少なくとも1つのプレートフィン熱交換器との間に位置付けられるか、又はb)冷却器は、フレームワークの他端に位置付けられ、タービンは、冷却器と少なくとも1つのプレートフィン熱交換器との間に位置付けられ、
フレームワークは、その主軸が垂直になるように位置付けられ、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器は、少なくとも1つのタービン及び少なくとも1つの冷却器、液化されるべきガスをフレームワーク中のプレートフィン熱交換器に送るための手段及び液化されたガスをフレームワークから除去するためにプレートフィン熱交換器に接続された手段の上方に位置付けられる。
【0010】
科学及び論理と多少なりとも両立する限り共に組み合わせることができる他の任意選択の態様によると、
・フレームワークは、フレームワークを少なくとも2つの部分に分割する少なくとも1つの仕切りを備え、仕切りは、フレームワークの主軸に対して垂直に配置された矩形プレートの形状を有し、仕切りは、冷却器がフレームワークの他端にある場合にはタービン用の支持体として機能するか、又はタービンがフレームワークの他端にある場合には冷却器用の支持体として機能し、タービン及び冷却器は、仕切りによって互いに分離され、
・フレームワークは、フレームワークを少なくとも3つの部分に分割する少なくとも2つの仕切りを備え、仕切りは、フレームワークの主軸に対して垂直に配置された矩形プレートの形状を有し、仕切りのうちの1つは、冷却器がフレームワークの他端にある場合にはタービン用の支持体として機能するか、又はタービンがフレームワークの他端にある場合には冷却器用の支持体として機能し、タービン及び冷却器は、支持体として機能する仕切りによって互いに分離され、
・フレームワークは、基礎上にフレームワークを配置するためにフレームワークの他端に接続された締結脚部を備え、
・フレームワークは、プレートフィン熱交換器中で冷却されたガスを圧縮器に送るためにプレートフィン熱交換器を圧縮器に流体接続するための手段を備え、
・フレームワークは、タービン中で膨張されたガスを少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に送るためにプレートフィン熱交換器をタービンに流体接続するための手段を備え、
・フレームワークは、少なくとも3つの区画に分割され、各区画は、フレームワークの長さの一部分である寸法を有し、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器は、少なくとも3つの区画のうちの1つの中にあり、タービンは、少なくとも3つの区画のうちの別のものの中にあり、少なくとも1つの冷却器は、少なくとも3つの区画のうちの別のものの中にあり、
・フレームワークは、熱交換器もタービンも包含しないが、プレートフィン熱交換器と別の要素との間に接続ラインを包含する第4の区画を備え、別の要素は、少なくとも1つのタービンであり得、
・タービンは、フレームワークの他端に位置付けられ、冷却器を包含する区画と並んで配置された区画を介して第4の区画に接続され、
フレームワークは、少なくとも10mの長さであり、冷却器及びタービンは、少なくとも4mに等しいフレームワークの長さの一部分を占有し、
・タービンは、冷気を少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に提供するために接続され、
・フレームワークは、単一ピースとして形成され、
・少なくとも1つのプレートフィン熱交換器は、断熱される。
【0011】
本発明の別の態様によると、フレームワークを備えるアセンブリを使用して、極低温でガスを液化するための方法が提供され、フレームワークは、実質的に細長い平行六面体の形状を有し、その長さに対応する主軸と2つの端部とを有し、フレームワークは、蒸留塔を包含せず、フレームワークの内側には、
i)フレームワークの一端において、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器(E)と、ここで、各プレートは、長さ及び幅を有し、プレートは、それらの長さがフレームワークの主軸に対して平行になるように配置され、
ii)液化されるべきガスを少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に送るためのライン(C)と、
iii)冷却又は液化されたガスを少なくとも1つのプレートフィン熱交換器から除去するためのラインと、
iv)フレームワークの内側に据え付けられた支持体と、
v)少なくとも1つのタービン(M)と、ここで、タービンは、支持体に締結され、フレームワークの外側に配置された圧縮器を駆動するように構成され、タービンは、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器中で冷却若しくは加熱されたガスをタービン中で膨張されるように送るために、及び/又はタービン中で膨張されたガスをタービンから少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に送るために、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に接続され、
vi)圧縮器中で圧縮されたガスを冷却するために接続された少なくとも1つの冷却器(R)と、
があり、a)タービンは、フレームワークの他端に位置付けられ、冷却器は、タービンと少なくとも1つのプレートフィン熱交換器との間に位置付けられるか、又はb)冷却器は、フレームワークの他端に位置付けられ、タービンは、冷却器と少なくとも1つのプレートフィン熱交換器との間に位置付けられ、
viii)フレームワークは、その主軸が垂直になるように位置付けられ、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器(E)は、少なくとも1つのタービン(M)及び少なくとも1つの冷却器(R)の上方に位置付けられ、
液化されるべきガスは、フレームワーク中のプレートフィン熱交換器に送られ、液化されたガスは、プレートフィン熱交換器から除去され、冷媒が、冷却器に送られ、冷気が、少なくとも1つのタービン中でガスを膨張させることによって液化のために提供され、ガスは、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器中で冷却若しくは加熱されており、及び/又タービン中で膨張されたガスは、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に送られる。
【0012】
本発明の別の態様によると、フレームワークを備えるアセンブリが提供され、フレームワークは、実質的に細長い平行六面体の形状を有し、その長さに対応する主軸と2つの端部とを有し、フレームワークは、蒸留塔を包含せず、フレームワークの内側には、
i)フレームワークの一端において、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器と、ここで、各プレートは、長さ及び幅を有し、プレートは、それらの長さがフレームワークの主軸に対して平行になるように配置され、
ii)液化されるべきガスを少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に送るためのライン(C)と、iii)冷却又は液化されたガスを少なくとも1つのプレートフィン熱交換器から除去するためのラインと、
iv)フレームワークの内側に据え付けられた支持体と、
v)少なくとも1つのタービンと、ここで、タービンは、支持体に締結され、フレームワークの外側に配置された圧縮器を駆動するように構成され、タービンは、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器中で冷却若しくは加熱されたガスをタービン中で膨張されるように送るために、及び/又はタービン中で膨張されたガスをタービンから少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に送るために、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器に接続され、
vi)圧縮器中で圧縮されたガスを冷却するために接続された少なくとも1つの冷却器と、
vii)冷媒を冷却器に送るための手段と
があり、a)タービンは、フレームワークの他端に位置付けられ、冷却器は、タービンと少なくとも1つのプレートフィン熱交換器との間に位置付けられるか、又はb)冷却器は、フレームワークの他端に位置付けられ、タービンは、冷却器と少なくとも1つのプレートフィン熱交換器との間に位置付けられ、
少なくとも1つのタービン及び少なくとも1つの冷却器は、フレームワークが、その長さであるその主軸が垂直になるように位置付けられた場合に動作を可能にするようにフレームワーク中で支持され、少なくとも1つのプレートフィン熱交換器は、少なくとも1つのタービン及び少なくとも1つの冷却器の上方に位置付けられたときに動作するようにフレームワーク中で支持される。
【0013】
支持体は、特に、フレームワークの2つの端部間に位置付けられ、且つフレームワークの長さに対して垂直である平坦な表面であり得る。
【0014】
支持体は、フレームワークの仕切りであり得る。
【0015】
本発明の別の態様によると、カラムのシステムと、上記で説明したような液化器と、液化されるべきガスとして窒素富化ガスをカラムのシステムから液化器に送るための手段と、ことによると液化器中で液化されたガスをカラムのシステムに送るための手段とを備える、極低温蒸留によって空気を分離するための装置が提供される。
【0016】
本発明を、以下の図面に関してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】垂直位置にある本発明によるフレームワークの長手方向断面図である。
図2】水平位置にある製造及び移送中の本発明による変形フレームワークの長手方向断面図である。
図3】現場での設置を示す図2による変形フレームワークの長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、その長さであるその主軸が垂直になるように設置された窒素液化器フレームワークOとフレームワーク中に包含された機器とを備えるアセンブリを示す。フレームワークの一端は、地面から又は平坦な表面から数メートルに位置付けられ、その一方で、反対側の端部は、地面又は平坦な表面に固着される。
【0019】
フレームワークOは、長さ、幅、及び高さを有する実質的に平行六面体の形状を有する。フレームワークの断面は、矩形又は正方形である。
【0020】
ここで示すように、実質的に平行六面体のフレームワークは、実際には、異なる幅であり得、且つ好ましくは溶接又はボルト留めによって互いに接合された2つの平行六面体を備え、区画1及び4が、一方の平行六面体を形成し、区画2及び3が、他方の平行六面体を形成する。安定性の理由により、より幅の広い平行六面体(この場合、平行六面体は区画2及び3を包含する)が他方の平行六面体の真下に配置されることが好ましい。
【0021】
第1の区画1中のフレームワークの頂部には、液化されるべきガスを液化温度に近い温度又は液化温度まで冷却するために使用される少なくとも1つの熱交換器Eがある。交換器は、フレームワークが垂直に設置されたときに、それらの高温端が上に、底端部が下に向けられる。ラインCは、液化されるべきガスを熱交換器の高温端に送り、このラインCは、潜在的に、窒素ガスを生成する空気分離装置に接続される。
【0022】
第1の区画1は、パーライトなどの粉末断熱材を使用して断熱される。
【0023】
第1の区画1の真下には、壁によって第1の区画から分離され、本質的に粉末状の断熱材又はロックウールを包含する、接続ボックスとも呼ばれる補助区画4であり得る。補助区画4は、熱交換器もタービンも包含しない。それは、その中の開口部を介して仕切りを通過する主要接続ラインを包含する。これらのラインは、熱交換器Eをタービンに接続し、タービンは、フレームワークOの端部に位置付けられた第3の区画3中に位置付けられる。タービンは、少なくとも1つの熱交換器中で冷却若しくは加熱されたガスをタービン中で膨張されるように送るために、及び/又はタービン中で膨張されたガスをタービンから少なくとも1つの熱交換器に送るために、少なくとも1つの交換器に接続される。
【0024】
熱交換器Eは、プレートのスタックを備えるプレートフィン熱交換器であり、各プレートは、フィンによって少なくとも1つの隣接するプレートから分離され、各プレートは、長さ及び幅を有し、プレートは、それらの長さがフレームワークの軸に対して平行になるように配置される。
【0025】
図は、熱交換器が2つの本体を備えることを示し、2つの本体の各々は、熱交換器であるとみなすことができ、各々は、プレートのスタックを備え、各プレートは、長さ及び幅を有し、プレートは、それらの長さがフレームワークの軸に対して平行になるように配置される。
【0026】
タービンは、シャフトを介して液化器の圧縮器を駆動し、圧縮器は、フレームワークOの外側に位置付けられる。圧縮器は、少なくとも1つの熱交換器中で冷却又は加熱されたガスを圧縮するために使用される。
【0027】
圧縮器中で圧縮されたガスの少なくとも一部分は、方法に応じてタービン中で膨張することができる。
【0028】
第3の区画3と補助区画4との間に位置付けられた第2の区画2には、第3の区画3のタービンによって駆動された圧縮器中で圧縮されたガスを冷却するために水などの冷媒を供給された冷却器Rがある。従って、第2の区画2と第3の区画3との間の仕切りを通過するラインがある。この仕切りは、冷却器Rの重量に耐えるように強化される必要があり得る。冷却器Rは、周囲温度又は20℃を上回る温度で動作するので、断熱される必要がないか、又はスタッフが高温部分に触れるのを防止するための保護要素を有し得る。フレームワークは、好ましくは、冷却器の周囲を金属シートで被覆されず、冷却器は、従って、オープンエアである。
【0029】
少なくとも1つの交換器EからタービンTに来て、タービンTから少なくとも1つの交換器に向かって行く流体への直接アクセスを可能にするために、区画5が、第2の区画2と並んで、第2の区画と第4の区画との間にフレームワークの一方の側で延在する。流体は、このことから、第2の区画2を通過する必要がなく、ラインは、区画5を通過するだけである。区画のラインがL字形であるので、これは、交換器が加熱及び冷却されるときにより高い柔軟性を提供し、膨張及び収縮を引き起こす。
【0030】
この区画5は、特定の断熱材又はロックウールを使用して断熱され、従って、区画1及び4(存在する場合)と同様に、気密閉鎖されなければならない。
【0031】
フレームワークは、洗浄塔又は蒸留塔を包含しないが、それは、液化器自体がこれらの要素を包含しないためである。
【0032】
供給ガスが、フレームワークO中に送られ、少なくとも1つの交換器E中で冷却され、1つの変形形態では、供給ガスの少なくとも一部分が、タービンTによって駆動された圧縮器中で圧縮され、次いで、冷却器R中で冷却され、供給ガスの少なくとも一部分は、タービンT中で膨張される。タービンTに送られたガスは、好ましくは、冷却器Rから来る。
【0033】
供給ガスの一部分は、交換器中又は交換器の下流中のうちのいずれかで液化され、本方法の製品を形成する。
【0034】
供給ガスは、窒素、水素、天然ガスであり得る。
【0035】
この場合、このタイプの液化器は、一般に、カラムのシステムSを備える、極低温蒸留によって空気を分離するための装置に関連し、液化器の供給ガスを備える空気を分離するための装置からの窒素ガスと、形成された液体窒素の少なくとも一部分とは、ことによると、空気を分離するための装置に戻される。
【0036】
交換器は、それらの長さがフレームワークの主軸の方向に延在するようにある高さで配置され、それによって、交換器の真下の空間を賢く活用することに留意されたい。更に、フレームワークが少なくとも10mの長さであると仮定すると、冷却器及びタービンは、少なくとも4mに等しいフレームワークの長さの一部分を占有し、フレームワークが垂直に配置されたとき、少なくとも1つの交換器の低温端は、地面から少なくとも6mにある。低温端から出て来る液化されたガスは、このことから、無視できない静水圧を有し、他の場所に送ることを容易にし、存在する場合にはポンプのサイズが低減されることを可能にする。
【0037】
区画1及び4(存在する場合)がパーライトを使用して断熱されているので、フレームワークは、金属シートで被覆される。存在する場合には断熱が通常ロックウールである区画2及び3の場合、フレームワークが金属シートで被覆されないことも可能である。
【0038】
タービンが現場に遅れて到着する場合、タービンが挿入されることを可能にするのに十分な大きさの開口部をフレームワーク中に残しておくのが賢明である。タービンTの区画5が地表面にあるので、この挿入は特に容易であり、クレーンの使用を必要としない。
【0039】
タービンTは、冷気を少なくとも1つの熱交換器Eに提供するために接続される。
【0040】
図2のフレームワークOを備えるアセンブリは、区画2及び3が反転しているという点で図1のアセンブリとは異なり、冷却器Rは、区画2中のフレームワークの端部に位置付けられ、タービンMは、区画4と冷却器Rの区画2との間に位置付けられる。タービンTの区画3が2mよりも高い高さにあるので、この挿入は、クレーンの使用を必要としない。
【0041】
製造及び移送中(図2)、フレームワークは、その主軸が水平になるように配置される。交換器Eが位置付けられたフレームワークの端部に吊り上げラグLを見ることができる。そのようなラグLは、フレームワークOの両端に位置付けることができる。
【0042】
現場での設置中(図3)、これらのラグ又は取り付け具Lは、クレーンGがフレームワークを吊り上げ、その主軸が垂直になるように設置することを可能にする。脚部Pは、フレームワークが地面又は基礎に締結されることを可能にする。
【0043】
フレームワークOは、移送を容易にするための標準化されたコンテナの形態を取ることができる。
【0044】
フレームワークOは、フラッシングガスを区画1、4、及び5に送るための手段を備える(後者の2つの区画が存在する場合)。
【0045】
タービンは、現場で、フレームワーク中に移送され得るか、又はフレームワーク中に組み込まれ得る。第2の場合では、フレームワークの寸法及び剛性値が、タービンが存在する場合とタービンが不在の場合の両方の場合で計算されなければならない。
【0046】
フレームワークは、単一動作で吊り上げられ得、好ましくは、単一ピースとして形成され得る。
【0047】
少なくとも1つのタービン及び少なくとも1つの冷却器は、フレームワークが、その長さであるその主軸が垂直になるように位置付けられた場合に動作を可能にするようにフレームワーク中で支持される。少なくとも1つの熱交換器は、少なくとも1つのタービン及び少なくとも1つの冷却器の上方に位置付けられたときに動作するようにフレームワーク中で支持される。
【0048】
フレームワークが移送されなければならない場合、その中に包含された機器は、前記機器が最終的にフレームワークで垂直に動作しなければならない場合であっても、移送のために水平に固定されなければならないことを理解されたい。
【0049】
少なくとも1つのタービン中で膨張されるべきガスは、液化されるべきガス、又は別のガス、例えば混合された冷媒であり得る。
図1
図2
図3
【外国語明細書】