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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132993
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240920BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H10B12/00 801
H01L29/78 613B
H01L29/78 617K
H01L29/78 616T
H01L29/78 618B
H01L27/04 C
H10B12/00 671Z
H10B12/00 625
H10B12/00 671A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038925
(22)【出願日】2024-03-13
(31)【優先権主張番号】P 2023039908
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】宮入 秀和
(72)【発明者】
【氏名】中島 基
【テーマコード(参考)】
5F038
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
5F038AC07
5F038AC09
5F038AC15
5F038CA02
5F038EZ20
5F083AD04
5F083AD24
5F083AD69
5F083FR01
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5F110NN35
5F110NN72
5F110NN77
5F110NN78
5F110QQ11
5F110QQ19
(57)【要約】
【課題】微細化又は高集積化が可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、容量素子と、を有する。第1のトランジスタ、容量素子、及び第2のトランジスタは、この順に積層されている。第1及び第2のトランジスタのそれぞれは、半導体層と、半導体層上の第1の導電体と、第1の絶縁体と、第1の絶縁体上の第2の導電体と、を有する。第1及び第2のトランジスタのそれぞれにおいて、半導体層の側面は第1の導電体の側面と一致し、半導体層及び第1の導電体は開口を有し、第1の絶縁体は開口の内側に配置され、第1の絶縁体は開口の形状を反映した凹部を有し、第2の導電体は凹部を埋め込むように設けられている。第1のトランジスタが有する第2の導電体と、容量素子が有する一対の電極の一方と、第2のトランジスタが有する半導体層と、は接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、容量素子と、を有し、
前記第1のトランジスタ、前記容量素子、及び前記第2のトランジスタは、この順に積層され、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのそれぞれは、半導体層と、前記半導体層上の第1の導電体と、第1の絶縁体と、前記第1の絶縁体上の第2の導電体と、を有し、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのそれぞれにおいて、
前記半導体層の側面は、前記第1の導電体の側面と一致し、
前記半導体層及び前記第1の導電体は、開口を有し、
前記第1の絶縁体は、前記開口の内側に配置され、
前記第1の絶縁体は、前記開口の形状を反映した凹部を有し、
前記第2の導電体は、前記凹部を埋め込むように設けられ、
前記容量素子は、一対の電極の一方として機能する第3の導電体を有し、
前記第1のトランジスタが有する前記第2の導電体と、前記第3の導電体と、前記第2のトランジスタが有する前記半導体層と、は接続されている、半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
第4の導電体をさらに有し、
前記第3の導電体と、前記第2のトランジスタが有する前記半導体層と、は、前記第4の導電体を介して接続されている、半導体装置。
【請求項3】
請求項2において、
平面視において、前記第4の導電体の中心は、前記第2のトランジスタが有する前記半導体層の有する開口の中心からずれており、
平面視において、前記第4の導電体の中心は、前記第3の導電体の中心からずれている、半導体装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記容量素子は、一対の電極の他方として機能する第5の導電体を有し、
前記第5の導電体は、面状に設けられている、半導体装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記第5の導電体は、前記容量素子の誘電体を介して前記第3の導電体と対向する第1の領域と、前記第1のトランジスタと重ならない第2の領域と、を有し、
前記第1の領域の幅は、前記第2の領域の膜厚と一致する、半導体装置。
【請求項6】
第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、容量素子と、を有し、
前記第1のトランジスタ、前記容量素子、及び前記第2のトランジスタは、この順に積層され、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのそれぞれは、半導体層と、前記半導体層上の第1の導電体と、第1の絶縁体と、前記第1の絶縁体上の第2の導電体と、を有し、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのそれぞれにおいて、
前記半導体層の側面は、前記第1の導電体の側面と一致し、
前記半導体層及び前記第1の導電体は、開口を有し、
前記第1の絶縁体は、前記開口の内側に配置され、
前記第1の絶縁体は、前記開口の形状を反映した凹部を有し、
前記第2の導電体は、前記凹部を埋め込むように設けられ、
前記第1のトランジスタが有する前記第2の導電体は、前記容量素子の一対の電極の一方として機能する領域を有し、
前記第1のトランジスタが有する前記第2の導電体と、前記第2のトランジスタが有する前記半導体層と、は接続されている、半導体装置。
【請求項7】
請求項6において、
第3の導電体をさらに有し、
前記第1のトランジスタが有する前記第2の導電体と、前記第2のトランジスタが有する前記半導体層とは、前記第3の導電体を介して接続されている、半導体装置。
【請求項8】
請求項7において、
平面視において、前記第3の導電体の中心は、前記第2のトランジスタが有する前記半導体層の有する開口の中心からずれており、
平面視において、前記第3の導電体の中心は、前記第1のトランジスタが有する前記第2の導電体の中心からずれている、半導体装置。
【請求項9】
請求項6において、
前記容量素子は、一対の電極の他方として機能する第4の導電体を有し、
前記第4の導電体は、面状に設けられている、半導体装置。
【請求項10】
請求項6において、
前記第1のトランジスタが有する前記第2の導電体は、前記第1のトランジスタが有する前記第1の絶縁体を介して前記第1のトランジスタが有する前記半導体層と対向する第1の領域と、前記容量素子の一対の電極の他方の上方であって、前記第2のトランジスタが有する前記半導体層の下面と接する第2の領域と、を有し、
前記第1の領域は第1の幅を有し、
前記第2の領域は、前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する、半導体装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項において、
断面視において、前記半導体層の開口側の側面は、テーパ形状を有する、半導体装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項において、
前記半導体層は、第1の金属酸化物と、前記第1の金属酸化物上の第2の金属酸化物と、前記第2の金属酸化物上の第3の金属酸化物と、を有する、半導体装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記第2の金属酸化物は、インジウムと、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、及び錫から選ばれる一又は複数と、を有する、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、半導体装置、記憶装置、及び電子機器に関する。本発明の一態様は、半導体装置の作製方法に関する。本発明の一態様は、半導体ウエハ、及びモジュールに関する。
【0002】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能し得る装置全般を指す。トランジスタなどの半導体素子をはじめ、半導体回路、演算装置、記憶装置は、半導体装置の一態様である。表示装置(液晶表示装置、及び発光表示装置など)、投影装置、照明装置、電気光学装置、蓄電装置、記憶装置、半導体回路、撮像装置、及び電子機器などは、半導体装置を有すると言える場合がある。
【0003】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様は、物、方法、又は製造方法に関するものである。また、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。
【背景技術】
【0004】
記憶装置の高集積化に伴い、メモリの占有面積の縮小が求められている。しかし、Siトランジスタを用いた記憶装置の微細化は、技術面及びコスト面において困難になりつつある。
【0005】
近年、短チャネル効果に強く、オフ状態におけるリーク電流が極めて小さいトランジスタを形成できる半導体材料として、酸化物半導体が注目を集めている。従来のSiトランジスタ(チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ)の上方に直接OSトランジスタ(チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ)を形成する技術(BEOL(Back end of line)-Tr技術とも呼ばれる)は、デザインルールを維持したままで3D機能回路を構築することが可能となる。したがって、高機能な記憶装置を低消費電力、低コストで実現できる技術として期待されている。
【0006】
さらに、OSトランジスタを縦型とすることができれば、デザインルールを6F(Fは最小加工寸法)から4Fへと最小化することが可能となる。例えば、特許文献1には、酸化物半導体の側面が、ゲート絶縁層を介してワード線に覆われている縦型のトランジスタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-108331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一態様は、微細化又は高集積化が可能なトランジスタを提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、良好な電気特性を有するトランジスタを提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、電気特性のばらつきが少ないトランジスタを提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、オン電流が大きいトランジスタを提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、信頼性が良好なトランジスタを提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、新規なトランジスタを提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、当該トランジスタを有する半導体装置又は記憶装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、低消費電力の半導体装置又は記憶装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、動作速度が速い半導体装置又は記憶装置を提供することを課題の一とする。
【0009】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、容量素子と、を有する半導体装置である。第1のトランジスタ、容量素子、及び第2のトランジスタは、この順に積層されている。第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのそれぞれは、半導体層と、半導体層上の第1の導電体と、第1の絶縁体と、第1の絶縁体上の第2の導電体と、を有する。第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのそれぞれにおいて、半導体層の側面は、第1の導電体の側面と一致し、半導体層及び第1の導電体は、開口を有し、第1の絶縁体は、開口の内側に配置され、第1の絶縁体は、開口の形状を反映した凹部を有し、第2の導電体は、凹部を埋め込むように設けられている。容量素子は、一対の電極の一方として機能する第3の導電体を有する。第1のトランジスタが有する第2の導電体と、第3の導電体と、第2のトランジスタが有する半導体層と、は接続されている。
【0011】
上記半導体装置は、第4の導電体をさらに有し、第3の導電体と、第2のトランジスタが有する半導体層と、は、第4の導電体を介して接続されていることが好ましい。
【0012】
上記半導体装置において、平面視において、第4の導電体の中心は、第2のトランジスタが有する半導体層の有する開口の中心からずれており、平面視において、第4の導電体の中心は、第3の導電体の中心からずれている、ことが好ましい。
【0013】
上記半導体装置において、容量素子は、一対の電極の他方として機能する第5の導電体を有し、第5の導電体は、面状に設けられている、ことが好ましい。
【0014】
上記半導体装置において、第5の導電体は、容量素子の誘電体を介して第3の導電体と対向する第1の領域と、第1のトランジスタと重ならない第2の領域と、を有し、第1の領域の幅は、第2の領域の膜厚と一致する、ことが好ましい。
【0015】
本発明の一態様は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、容量素子と、を有する半導体装置である。第1のトランジスタ、容量素子、及び第2のトランジスタは、この順に積層されている。第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのそれぞれは、半導体層と、半導体層上の第1の導電体と、第1の絶縁体と、第1の絶縁体上の第2の導電体と、を有し、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのそれぞれにおいて、半導体層の側面は、第1の導電体の側面と一致し、半導体層及び第1の導電体は、開口を有し、第1の絶縁体は、開口の内側に配置され、第1の絶縁体は、開口の形状を反映した凹部を有し、第2の導電体は、凹部を埋め込むように設けられている。第1のトランジスタが有する第2の導電体は、容量素子の一対の電極の一方として機能する領域を有する。第1のトランジスタが有する第2の導電体と、第2のトランジスタが有する半導体層と、は接続されている。
【0016】
上記半導体装置は、第3の導電体をさらに有し、第1のトランジスタが有する第2の導電体と、第2のトランジスタが有する半導体層とは、第3の導電体を介して接続されている、ことが好ましい。
【0017】
上記半導体装置において、平面視において、第3の導電体の中心は、第2のトランジスタが有する半導体層の有する開口の中心からずれており、平面視において、第3の導電体の中心は、第1のトランジスタが有する第2の導電体の中心からずれている、ことが好ましい。
【0018】
上記半導体装置において、容量素子は、一対の電極の他方として機能する第4の導電体を有し、第4の導電体は、面状に設けられている、ことが好ましい。
【0019】
上記半導体装置において、第1のトランジスタが有する第2の導電体は、第1のトランジスタが有する第1の絶縁体を介して第1のトランジスタが有する半導体層と対向する第1の領域と、容量素子の一対の電極の他方の上方であって、第2のトランジスタが有する半導体層の下面と接する第2の領域と、を有し、第1の領域は第1の幅を有し、第2の領域は、第1の幅よりも大きい第2の幅を有する、ことが好ましい。
【0020】
上記半導体装置の断面視において、半導体層の開口側の側面は、テーパ形状を有することが好ましい。
【0021】
上記半導体装置において、半導体層は、第1の金属酸化物と、第1の金属酸化物上の第2の金属酸化物と、第2の金属酸化物上の第3の金属酸化物と、を有することが好ましい。
【0022】
上記半導体装置において、第2の金属酸化物は、インジウムと、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、及び錫から選ばれる一又は複数と、を有することが好ましい。
【0023】
本発明の別の一態様は、上記半導体装置と、駆動回路と、を有する記憶装置である。駆動回路と半導体装置は、重ねて設けられている。駆動回路が有する周辺回路は、半導体装置に対するデータの書き込み及び読み出しを行う機能を有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様により、微細化または高集積化が可能なトランジスタを提供できる。本発明の一態様により、良好な電気特性を有するトランジスタを提供できる。本発明の一態様により、電気特性のばらつきが少ないトランジスタを提供できる。本発明の一態様により、オン電流が大きいトランジスタを提供できる。本発明の一態様により、信頼性が良好なトランジスタを提供できる。本発明の一態様により、新規なトランジスタを提供できる。本発明の一態様により、当該トランジスタを有する半導体装置又は記憶装置を提供できる。本発明の一態様により、低消費電力の半導体装置又は記憶装置を提供できる。本発明の一態様により、動作速度が速い半導体装置又は記憶装置を提供できる。
【0025】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図1(B)は、半導体装置の構成を説明するための回路図である。
図2図2(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図2(B)乃至図2(F)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図3図3(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図3(B)及び図3(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図4図4(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図4(B)乃至図4(D)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図5図5(A)及び図5(B)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。図5(C)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。
図6図6(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図6(B)及び図6(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。図6(D)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。
図7図7(A)及び図7(B)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。図7(C)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。
図8図8(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図8(B)及び図8(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。図8(D)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。
図9図9は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。
図10図10(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図10(B)及び図10(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図11図11は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。
図12図12(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図12(B)及び図12(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図13図13(A)及び図13(B)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図14図14(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図14(B)及び図14(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図15図15(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図15(B)及び図15(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。図15(D)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。
図16図16(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図16(B)及び図16(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図17図17(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図17(B)及び図17(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。図17(D)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。
図18図18(A)は、半導体装置の構成例を示す斜視図である。図18(B)及び図18(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図19図19(A)及び図19(B)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図20図20(A)及び図20(B)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図21図21(A)及び図21(B)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図22図22(A)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。図22(B)及び図22(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図23図23(A)乃至図23(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。図23(D)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。
図24図24(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図24(B)及び図24(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図25図25(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図25(B)及び図25(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図26図26(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図26(B)及び図26(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図27図27(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図27(B)及び図27(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図28図28(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図28(B)及び図28(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図29図29(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図29(B)及び図29(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図30図30(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図30(B)及び図30(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図31図31(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図31(B)及び図31(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図32図32(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図32(B)及び図32(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図33図33(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図33(B)及び図33(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図34図34(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図34(B)及び図34(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図35図35(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図35(B)及び図35(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図36図36(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図36(B)及び図36(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図37図37(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図37(B)及び図37(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図38図38(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図38(B)及び図38(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図39図39(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図39(B)及び図39(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図40図40(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図40(B)及び図40(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図41図41(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図41(B)及び図41(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図42図42(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図42(B)及び図42(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図43図43(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図43(B)及び図43(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図44図44(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図44(B)及び図44(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図45図45(A)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。図45(B)及び図45(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図46図46(A)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。図46(B)及び図46(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図47図47(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図47(B)及び図47(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図48図48(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図48(B)及び図48(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図49図49(A)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。図49(B)及び図49(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図50図50(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図50(B)及び図50(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図51図51(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図51(B)及び図51(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図52図52(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図52(B)及び図52(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図53図53(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図53(B)及び図53(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図54図54(A)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。図54(B)及び図54(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図55図55(A)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。図55(B)及び図55(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図56図56(A)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。図56(B)及び図56(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図57図57(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図57(B)及び図57(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図58図58(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図58(B)及び図58(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図59図59(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図59(B)及び図59(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図60図60(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図60(B)及び図60(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図61図61(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図61(B)及び図61(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図62図62(A)は、半導体装置の作製方法例を示す平面図である。図62(B)及び図62(C)は、半導体装置の作製方法例を示す断面図である。
図63図63(A)は、半導体装置の構成例を示す平面図である。図63(B)及び図63(C)は、半導体装置の構成例を示す断面図である。
図64図64は、半導体装置の構成例を説明するブロック図である。
図65図65(A)乃至図65(H)は、メモリセルの回路構成例を説明する図である。
図66図66(A)及び図66(B)は、半導体装置の構成例を説明する斜視図である。
図67図67は、CPU(Central Processing Unit)を説明するブロック図である。
図68図68(A)及び図68(B)は、半導体装置の斜視図である。
図69図69(A)及び図69(B)は、半導体装置の斜視図である。
図70図70(A)及び図70(B)は、各種の記憶装置を階層ごとに示す図である。
図71図71(A)及び図71(B)は、電子部品の一例を示す図である。
図72図72(A)及び図72(B)は、電子機器の一例を示す図であり、図72(C)乃至図72(E)は、大型計算機の一例を示す図である。
図73図73は、宇宙用機器の一例を示す図である。
図74図74は、データセンターに適用可能なストレージシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0028】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお、図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、実際の製造工程において、エッチングなどの処理により層、レジストマスクなどが意図せずに目減りすることがあるが、理解を容易とするため、図に反映しないことがある。また、図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、同様の機能を指す場合には、ハッチングパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0029】
また、特に斜視図又は平面図などにおいて、発明の理解を容易とするため、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。また、一部の隠れ線などの記載を省略する場合がある。また、図面は、例えば、ハッチングパターンなどの表記を省略する場合がある。また、同一の構成要素に対して、平面図におけるハッチングパターンと、断面図におけるハッチングパターンとを異ならせる場合がある。
【0030】
また、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順または積層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
【0031】
また、本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成要素同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成要素同士の位置関係は、各構成要素を描写する方向に応じて適宜変化するものである。したがって、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0032】
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接的に接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図又は文章に開示されているものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0033】
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域、又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域、又はソース電極)の間にチャネルが形成される領域(以下、チャネル形成領域ともいう)を有しており、チャネル形成領域を介して、ソースとドレインとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル形成領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
【0034】
また、ソース又はドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合、又は回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソース又はドレインの用語は、入れ替えて用いることができる場合がある。
【0035】
半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物と言える。不純物が含まれることにより、例えば、半導体の欠陥準位密度が高くなること、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、酸化物半導体の主成分以外の遷移金属などがあり、例えば、水素、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。なお、水も不純物として機能する場合がある。また、例えば不純物の混入によって、酸化物半導体に酸素欠損(V:oxygen vacancyともいう)が形成される場合がある。
【0036】
なお、本明細書等において、酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。例えば、酸化窒化シリコンと記載した場合は、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンと記載した場合は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
【0037】
また、本明細書等において、「絶縁体」という用語を、絶縁膜又は絶縁層と言い換えることができる。また、「導電体」という用語を、導電膜又は導電層と言い換えることができる。また、「酸化物」という用語を、酸化物膜又は酸化物層と言い換えることができる。
【0038】
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が-10度以上10度以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、-5度以上5度以下の場合も含まれる。また、「概略平行」とは、二つの直線が-30度以上30度以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80度以上100度以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85度以上95度以下の場合も含まれる。また、「概略垂直」とは、二つの直線が60度以上120度以下の角度で配置されている状態をいう。
【0039】
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
【0040】
本明細書等において、複数の要素に同じ符号を用いる場合、特に、それらを区別する必要があるときには、符号に“[n]”、“[m,n]”等の識別用の符号を付記して記載する場合がある。
【0041】
本明細書等において、「高さが一致」とは、断面視において、基準となる面(例えば、基板表面等の平坦な面)からの高さが等しい構成を示す。例えば、半導体装置の製造プロセスにおいて、平坦化処理(代表的にはCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理)を行うことで、単層又は複数の層の表面を露出する場合がある。この場合、CMP処理の被処理面は、基準となる面からの高さが等しい構成となる。ただし、CMP処理の際の処理装置、処理方法、又は被処理面の材料によって、複数の層の高さが異なる場合がある。本明細書等においては、この場合も「高さが一致」として扱う。例えば、基準面に対して、2つの高さを有する層(ここでは第1の層と、第2の層とする)を有する場合であって、第1の層の上面の高さと、第2の層の上面の高さとの差が20nm以下である場合も、「高さが一致」という。
【0042】
本明細書等において、「端部が一致」とは、平面視において、積層した層と層との間で少なくとも輪郭の一部が重なることをいう。例えば、上層と下層とが、同一のマスクパターン、又は一部が同一のマスクパターンにより加工された場合を含む。ただし、厳密には輪郭が重ならず、上層の輪郭が下層の輪郭より内側に位置すること、又は、上層の輪郭が下層の輪郭より外側に位置することもあり、この場合も「端部が一致」という。
【0043】
なお、一般に、「完全一致」と「概略一致」の差を明確に区分けするのは困難である。このため、本明細書等において「一致」とは、完全に一致している場合と、概略一致している場合のいずれも含むものとする。
【0044】
なお本明細書等において、第1の膜厚と第2の膜厚が一致するとは、第1の膜厚と第2の膜厚との差の絶対値を、第1の膜厚で除した値が0.1以下であることをいう。または、第1の膜厚と第2の膜厚との差の絶対値を、第2の膜厚で除した値が0.1以下であることをいう。
【0045】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置、及び半導体装置の作製方法について図面を用いて説明する。
【0046】
本発明の一態様は、基板上に記憶層が設けられる半導体装置に関する。記憶層は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、容量素子と、を有し、これらによりメモリセルを構成することができる。本発明の一態様の半導体装置は、メモリセルを有することから、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、容量素子と、を有するともいえる。また、本発明の一態様の半導体装置はメモリセルを有することから、データを記憶する機能を有する。よって、本発明の一態様の半導体装置は、記憶装置ということができる。
【0047】
第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、及び容量素子を用いてメモリセルを構成する場合、第1のトランジスタは読み出し用トランジスタとして機能し、第2のトランジスタは書き込み用トランジスタとして機能する。
【0048】
本発明の一態様の半導体装置は、チャネル形成領域に金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有するトランジスタ(OSトランジスタともいう)を有することが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が小さい。よって、OSトランジスタを記憶装置とすることができる半導体装置に用いることにより長期にわたり記憶内容を保持できる。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、又は、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ないため、半導体装置の消費電力を十分に低減できる。よって、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、OSトランジスタの周波数特性は高いため、半導体装置はデータの読み出し、及び書き込みを高速に行うことができる。よって、動作速度が速い半導体装置を提供できる。
【0049】
また、OSトランジスタは、短チャネル効果に強い。したがって、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ(Siトランジスタともいう)と比較して、OSトランジスタは、縦型構造でも基板浮遊効果の影響を受けづらく、且つ、ゲート絶縁膜が厚くてもチャネル長を容易に短くすることができる。すなわち、ゲートリーク電流を小さくできるため、記憶装置の保持特性を向上させることができる。
【0050】
なお、短チャネル効果とは、トランジスタの微細化(チャネル長の縮小)に伴って顕在化する電気特性の劣化である。短チャネル効果には、ドレイン誘起障壁低下、電子速度飽和、ホットキャリア劣化などがある。また、短チャネル効果の具体例としては、しきい値電圧の低下、サブスレッショルドスイング値の増大、漏れ電流の増大などがある。ここで、サブスレッショルドスイング値とは、ドレイン電圧一定にてドレイン電流を1桁変化させるサブスレッショルド領域でのゲート電圧の変化量をいう。
【0051】
第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、ソース及びドレインの一方が下方に位置し、他方が上方に位置することから、電流が上下方向に流れる構成を有する。別言すると、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのチャネル長方向は上下方向となる。つまり、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、縦型構造のトランジスタ(以下、縦型トランジスタともいう)である。電流が横方向に流れる、所謂横型構造のトランジスタ(以下、横型トランジスタともいう)と比較して、縦型トランジスタは、微細化を図ることができる。したがって、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタの構造を縦型構造とすることで、トランジスタを高密度に配置でき、半導体装置における高集積化を実現できる。また、横型トランジスタと比較して、縦型トランジスタは単位面積あたりのチャネル幅を大きくすることができる。したがって、トランジスタに流れる電流密度が高くなり、トランジスタのオン電流を増大させ、周波数特性を向上させることができる。
【0052】
第1のトランジスタ、容量素子、及び第2のトランジスタは、この順に積層されている。このような構成にすることで、第1のトランジスタと第2のトランジスタを接続する配線を設ける必要が無くなり、半導体装置の作製工程における工程数を低減し、生産性の向上を図ることができる。また、第1のトランジスタと第2のトランジスタを接続する配線を配置するための領域を設ける必要が無くなり、半導体装置における高集積化を実現できる。
【0053】
また、本発明の一態様の半導体装置が有する縦型トランジスタはチャネル長を酸化物半導体の膜厚で制御できるため、横型トランジスタと比較して、チャネル長の加工ばらつきを小さくできる。つまり、トランジスタに流れる電流密度のばらつきを抑制できる。したがって、周波数特性を向上させることができる。
【0054】
<半導体装置の構成例>
以下では、本発明の一態様の半導体装置の構成例について説明する。なお、本実施の形態の半導体装置が有する構成要素はそれぞれ、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0055】
図1(A)は、本発明の一態様の半導体装置の構成例を示す斜視図である。
【0056】
なお、本明細書に係る図面等において、X方向、Y方向、及びZ方向を示す矢印を付す場合がある。なお、本明細書等において、「X方向」とはX軸に沿う方向であり、明示する場合を除き順方向と逆方向を区別しない場合がある。「Y方向」及び「Z方向」についても同様である。また、X方向、Y方向、及びZ方向は、それぞれが互いに交差する方向である。例えば、X方向、Y方向、及びZ方向は、それぞれが互いに直交する方向である。本明細書等では、X方向、Y方向、又はZ方向の1つを「第1方向」又は「第1の方向」と呼ぶ場合がある。また、他の1つを「第2方向」又は「第2の方向」と呼ぶ場合がある。また、残りの1つを「第3方向」又は「第3の方向」と呼ぶ場合がある。
【0057】
本発明の一態様の半導体装置は、複数のメモリセル100を有する。図1(A)では、半導体装置が有する複数のメモリセル100がマトリクス状に配置されている例を示している。メモリセル100をマトリクス状に配置することで、メモリセルアレイを構成することができる。また、半導体装置は、導電体244と、導電体312と、導電体262と、導電体246aと、導電体246bと、を有する。導電体244、導電体312、導電体262、導電体246a、及び導電体246bは、配線として機能する。
【0058】
メモリセル100は、トランジスタ200aと、トランジスタ200bと、容量素子300と、を有する。また、メモリセル100は、導電体244、導電体312、導電体262、導電体246a、及び導電体246bと電気的に接続される。
【0059】
導電体244、導電体312、導電体262、導電体246a、及び導電体246bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体244、導電体312、導電体262、導電体246a、及び導電体246bの一又は複数は積層構造としてもよく、例えば、チタン又は窒化チタンと上記導電性材料との積層、タンタル又は窒化タンタルと上記導電性材料との積層等としてもよい。
【0060】
本発明の一態様の半導体装置は、記憶装置として用いることができる。半導体装置を記憶装置として用いる場合の回路図を図1(B)に示す。半導体装置は、メモリセル100を有する記憶装置と言い換えることができる。
【0061】
図1(B)に示すように、トランジスタ200aにおいて、ゲートは容量素子300の一対の電極の一方と電気的に接続され、ソース及びドレインの一方は配線SLと電気的に接続され、ソース及びドレインの他方は配線RBLと電気的に接続される。トランジスタ200bにおいて、ゲートは配線WOLと電気的に接続され、ソース及びドレインの一方は容量素子300の一対の電極の一方と電気的に接続され、ソース及びドレインの他方は配線WBLと電気的に接続される。容量素子300の一対の電極の他方は、配線CALと電気的に接続される。
【0062】
配線WOLは書き込みワード線として機能し、配線WBLは書き込みビット線として機能し、配線RBLは読み出しビット線として機能し、配線SLは選択線として機能し、配線CALは容量線として機能する。
【0063】
配線WOLは導電体262と対応し、配線WBLは導電体246bと対応し、配線RBLは導電体246a及び導電体244の一方と対応し、配線SLは導電体246a及び導電体244の他方と対応し、配線CALは導電体312と対応する。つまり、導電体262は書き込みワード線として機能する領域を有し、導電体246bは書き込みビット線として機能する領域を有し、導電体246a及び導電体244の一方は読み出しビット線として機能する領域を有し、導電体246a及び導電体244の他方は選択線として機能する領域を有し、導電体312は容量線として機能する領域を有する。
【0064】
なお、半導体装置が有するメモリセル100は、トランジスタ200aを有さなくてもよい場合がある。例えば、メモリセル100は、トランジスタ200bと、容量素子300と、を有してもよい。このとき、半導体装置には、1トランジスタ1容量素子型のメモリセルが複数設けられ、当該半導体装置は、記憶装置として用いることができる。
【0065】
メモリセルを有する記憶装置については、後の実施の形態で詳細に説明する。
【0066】
[メモリセル100]
図2(A)乃至図2(F)は、本発明の一態様の半導体装置が有するメモリセルの構成例を説明する斜視図及び断面図である。図2(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図2(B)乃至図2(F)はメモリセル100を含む領域の断面図である。
【0067】
図2(A)乃至図2(F)に示すメモリセル100は、トランジスタ200aと、トランジスタ200a上の容量素子300と、容量素子300上のトランジスタ200bと、を有する。トランジスタ200a、トランジスタ200b、及び容量素子300を積層することで、メモリセル100の占有面積を小さくすることができ、メモリ密度の向上を図ることができる。また、メモリセル100は、導電体245を有する。
【0068】
メモリセル100は、トランジスタ200aのゲートと、容量素子300の一対の電極の一方と、トランジスタ200bのソース及びドレインの一方と、が電気的に接続されている。図2(A)乃至図2(C)では、トランジスタ200aのゲート電極と、容量素子300の一対の電極の一方と、トランジスタ200bのソース領域及びドレイン領域の一方と、が接続されている。また、容量素子300の一対の電極の一方と、トランジスタ200bのソース領域及びドレイン領域の一方とは、導電体245を介して接続されている。具体的には、トランジスタ200aのゲート電極は、容量素子300の一対の電極の一方と接する領域を有し、容量素子300の一対の電極の一方は、導電体245と接する領域を有し、導電体245は、トランジスタ200bのソース領域及びドレイン領域の一方と接する領域を有する。
【0069】
トランジスタ200aは、酸化物230aと、酸化物230a上の導電体242aと、絶縁体250aと、絶縁体250a上の導電体260aと、を有する。酸化物230aは導電体244の上面に接する領域を有する。導電体242aは導電体246aの下面に接する領域を有する。
【0070】
トランジスタ200bは、酸化物230bと、酸化物230b上の導電体242bと、絶縁体250bと、絶縁体250b上の導電体260bと、を有する。酸化物230bは導電体245の上面に接する領域を有する。導電体242bは導電体246bの下面に接する領域を有する。導電体260bは導電体262の下面に接する領域を有する。
【0071】
容量素子300は、導電体311と、絶縁体313と、導電体312と、を有する。なお、メモリセル100の全体像を把握しやすくするため、図2(A)乃至図2(C)では、導電体312を、図1(A)に示す導電体312のZ方向の長さ(高さ)よりも短く図示している。
【0072】
導電体311は、導電体260aの上面に接する領域と、導電体245の下面に接する領域と、を有する。
【0073】
なお、図2(A)乃至図2(C)に示す構成において、トランジスタ200aとトランジスタ200bとは、積層して設けられるため、トランジスタ200aとトランジスタ200bとは、構造が異なってもよい。例えば、トランジスタ200a及びトランジスタ200bの一方は、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、又は逆スタガ型のトランジスタ等であってもよい。また、トップゲート型またはボトムゲート型のトランジスタ構造としてもよい。また、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられてもよい。
【0074】
以降において、アルファベットで区別する構成要素について、これらに共通する事項を説明する場合には、アルファベットを省略した符号を用いて説明する場合がある。例えば、トランジスタ200aとトランジスタ200bに共通する事項を説明する場合には、トランジスタ200と記載する場合がある。
【0075】
〔トランジスタ200〕
上述したように、トランジスタ200は、酸化物230と、酸化物230上の導電体242と、絶縁体250と、絶縁体250上の導電体260と、を有する。
【0076】
ここで、酸化物230aを含む、XY平面における断面図を、図2(D)に示す。図2(D)は、図2(B)にA1-A2の一点鎖線で示す部位の断面図でもある。なお、酸化物230bを含む、XY平面における断面図は、図2(D)を参照できる。また、図2(D)では、理解をしやすくするため、導電体244の輪郭を点線で示す。
【0077】
図2(B)乃至図2(D)に示すように、酸化物230及び導電体242は、円筒形状(円柱形状ともいう)を有する。なお、酸化物230及び導電体242が有する円筒形状は、Z方向に延在している。また、酸化物230及び導電体242は開口を有する。なお、酸化物230及び導電体242が有する開口を、開口部、中空、中空部などと呼ぶ場合がある。また、酸化物230が有する開口と、導電体242が有する開口と、は重なる。また、酸化物230及び導電体242の上面形状は中空円形状を有する。別言すると、酸化物230及び導電体242は、中空部が設けられた円筒形状を有する。なお、中空部が設けられた円筒形状を中空円筒形状と呼ぶ場合がある。また、酸化物230の側面は、導電体242の側面と一致する。具体的には、酸化物230の開口側の側面は導電体242の開口側の側面と一致し、酸化物230の外側の側面は導電体242の外側の側面と一致する。
【0078】
なお、本明細書等において、2つの側面が一致するとは、2つの側面が面一である、2つの側面が揃っている又は概略揃っている場合を指す。
【0079】
なお、本明細書等において、ある構成要素の上面形状とは、その平面視における当該構成要素の輪郭形状のことを言う。また平面視とは、当該構成要素の被形成面、または当該構成要素が形成される支持体(例えば基板)の表面の法線方向から見ることを言う。
【0080】
図2(D)には、酸化物230及び導電体242の上面形状が中空円形状を有する構成を示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物230及び導電体242の上面形状は、中空の楕円形状を有してもよいし、中空の多角形状を有してもよいし、角部が丸みを帯びている中空の多角形状を有してもよい。ここで、多角形状とは、三角形、四角形、五角形、及び六角形などを指す。
【0081】
絶縁体250及び導電体260は、酸化物230及び導電体242が有する開口の内側に配置されている。絶縁体250は、当該開口の形状を反映した凹部を有する。導電体260は、当該凹部を埋め込むように設けられる。絶縁体250は、酸化物230の開口側の側面に接する領域と、導電体242の開口側の側面に接する領域と、導電体244又は導電体245の上面に接する領域と、導電体260の側面に接する領域と、導電体260の底面に接する領域と、を有する。
【0082】
トランジスタ200において、導電体260はゲート電極として機能し、絶縁体250はゲート絶縁体として機能する。なお、ゲート絶縁体は、ゲート絶縁層又はゲート絶縁膜と呼ぶ場合もある。また、酸化物230の、絶縁体250を介して導電体260と対向する領域の少なくとも一部は、チャネル形成領域として機能する。
【0083】
導電体244は、トランジスタ200aのソース電極及びドレイン電極の一方として機能する領域を有し、導電体242aは、トランジスタ200aのソース電極及びドレイン電極の他方として機能する。また、導電体245は、トランジスタ200bのソース電極及びドレイン電極の一方として機能し、導電体242bは、トランジスタ200bのソース電極及びドレイン電極の他方として機能する。
【0084】
トランジスタ200は、縦型トランジスタである。また、トランジスタ200は、チャネル形成領域がゲート電極を取り囲む構造を有する。したがって、トランジスタ200は、CAA(Channel-All-Around)構造のトランジスタと言える。
【0085】
なお、トランジスタ200のチャネル長は、断面視において、半導体(又はトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに対向する領域の長さ、又はチャネル形成領域における、ソースとドレインとの間の距離をいう。つまり、トランジスタ200のチャネル長は、酸化物230の膜厚(下面から上面までの距離)に相当する。したがって、トランジスタ200では酸化物230の膜厚によってチャネル長を調整できるため、酸化物230の膜厚を薄くすることでチャネル長の短いトランジスタ200を作製できる。薄膜が形成可能な成膜方法を用いて酸化物230を成膜することで、例えば、トランジスタ200のチャネル長を、30nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、8nm以下、又は5nm以下とすることができる。つまり、酸化物230を、膜厚が例えば3nm以上30nm以下となるように形成することができる。OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、上記のチャネル長であっても、トランジスタ200のオフ電流を小さくすることができる。図2(C)は、トランジスタ200のチャネル長(長さL)を、一点鎖線の両矢印で示している。
【0086】
一方、トランジスタを飽和領域で動作させる場合、飽和領域における電気特性を向上させるために、トランジスタのチャネル長を長くする場合がある。トランジスタ200は縦型トランジスタであるため、トランジスタ200の平面視における占有面積は、酸化物230の膜厚に依存しない。よって、チャネル長に相当する酸化物230の膜厚は厚くてもよい。例えば、酸化物230の膜厚は、30nmを超えて100nm以下であってもよい。
【0087】
以上より、酸化物230の膜厚は、3nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上30nm以下、より好ましくは5nm以上30nm以下、さらに好ましくは5nm以上15nm以下とする。
【0088】
また、トランジスタ200のチャネル幅は、平面視において、半導体(又はトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに対向する領域の長さ、又はチャネル形成領域における、チャネル長方向を基準として垂直方向のチャネル形成領域の長さをいう。つまり、トランジスタ200のチャネル幅は、平面視において、酸化物230が有する中空の円周に相当する。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。すなわち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。例えば、後述するように、トランジスタの断面視において、酸化物230の中空部の側面がテーパ形状を有する場合である。そのため、本明細書等では、チャネル幅は、チャネル形成領域における、いずれか一の値、最大値、最小値、又は平均値とする。図2(D)は、トランジスタ200のチャネル幅(長さW)を、一点鎖線の両矢印で示している。
【0089】
なお、チャネル長及びチャネル幅は、例えば、断面の透過型電子顕微鏡(TEM)像を解析することなどによって、値を決定することができる。
【0090】
図2(A)乃至図2(C)では、導電体262、導電体312、及び導電体244はX方向に延在して設けられる。つまり、導電体262が延在する方向は、導電体312が延在する方向、及び導電体244が延在する方向と同じである。
【0091】
ここで、導電体246aを含む、XY平面における断面図を、図2(E)に示す。図2(E)は、図2(B)にA3-A4の一点鎖線で示す部位の断面図でもある。なお、導電体246bを含む、XY平面における断面図は、図2(E)を参照できる。また、理解をしやすくするため、図2(E)では、導電体242aの輪郭を点線で示す。
【0092】
図2(E)に示すように、導電体246aは導電体260aと重なる領域近傍で分断されている。ただし、導電体246aは、導電体242aと重なる領域を有し、当該領域において導電体242aと接するため、分断されている導電体246a同士は、導電体246aの下方に設けられる導電体242aを介して電気的に接続される。よって、導電体246aは、導電体242aを介してY方向に延在しているとみなすことができる。つまり、導電体246aは、Y方向に延在しているとみなすことができる。同様に、導電体246bは、Y方向に延在しているとみなすことができる。
【0093】
以上より、導電体244は、導電体246aが延在する方向と直交する方向に延在している。また、導電体262は、導電体246bが延在する方向と直交する方向に延在している。
【0094】
上述したように、トランジスタ200は縦型トランジスタである。縦型トランジスタは、最小ピッチの配線が交差するクロスポイントに形成することができる。具体的には、トランジスタ200aは、導電体244と導電体246aとが交差する領域の間に形成され、トランジスタ200bは、導電体262と導電体246bとが交差する領域の間に形成される。したがって、半導体装置の微細化又は高集積化を図ることができる。
【0095】
トランジスタ200は、チャネル形成領域を含む酸化物230に、半導体として機能する金属酸化物(酸化物半導体)を用いることが好ましい。
【0096】
半導体として機能する金属酸化物のバンドギャップは、2.0eV以上が好ましく、2.5eV以上がより好ましい。バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減できる。
【0097】
酸化物230として、例えば、インジウム酸化物、ガリウム酸化物、及び亜鉛酸化物等の金属酸化物を用いることが好ましい。また、酸化物230として、例えば、インジウムと、元素Mと、亜鉛と、の中から選ばれる二又は三を有する金属酸化物を用いることが好ましい。なお、元素Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、錫、アンチモン、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種又は複数種である。特に、元素Mは、ガリウム、アルミニウム、及び錫から選ばれた一種又は複数種であることが好ましい。このとき、酸化物230は、インジウムと、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、及び錫から選ばれる一又は複数と、を有することが好ましく、インジウムと、亜鉛と、ガリウム、アルミニウム、及び錫から選ばれる一又は複数と、を有することがより好ましい。なお、インジウム、元素M及び亜鉛を有する金属酸化物を、In-M-Zn酸化物と表記することがある。
【0098】
具体的には、酸化物230として、In:M:Zn=4:2:3[原子数比]もしくはその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:1[原子数比]もしくはその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:1.2[原子数比]もしくはその近傍の組成、又はIn:M:Zn=1:1:2[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いることができる。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。
【0099】
特に、酸化物230として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。又は、酸化物230として、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAZOとも記す)を用いてもよい。又は、酸化物230として、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAGZO、IGAZO、又はAGIZOとも記す)を用いてもよい。
【0100】
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
【0101】
縦型トランジスタのチャネル形成領域にシリコンを用いる場合、基板浮遊効果が生じることで、当該縦型トランジスタの電気特性が不安定となる。一方、IGZO、IAZO、及びIAGZOなどの金属酸化物は、正孔有効質量が大きい。したがって、当該金属酸化物をチャネル形成領域に用いることで、チャネル形成領域において正孔が蓄積されるのを抑制し、基板浮遊効果の影響が小さい、または実質的にない縦型トランジスタを作製できる。つまり、酸化物230に上記金属酸化物を用いることで、トランジスタ200に安定した電気特性を付与することができる。したがって、良好な電気特性を有するトランジスタ、及び当該トランジスタを有する半導体装置を提供できる。また、電気特性のばらつきが少ないトランジスタ、及び当該トランジスタを有する半導体装置を提供できる。
【0102】
酸化物230は、結晶性を有する酸化物半導体を用いることが好ましい。結晶性を有する酸化物半導体として、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、単結晶酸化物半導体等が挙げられる。酸化物230として、CAAC-OS又はnc-OSを用いることが好ましく、CAAC-OSを用いることが特に好ましい。
【0103】
CAAC-OSは、結晶性の高い、緻密な構造を有しており、不純物及び欠陥(例えば、酸素欠損)が少ない金属酸化物である。特に、金属酸化物の形成後に、金属酸化物が多結晶化しない程度の温度(例えば、400℃以上600℃以下)で加熱処理することで、CAAC-OSをより結晶性の高い、緻密な構造にすることができる。このようにして、CAAC-OSの密度をより高めることで、当該CAAC-OS中の不純物又は酸素の拡散をより低減できる。
【0104】
また、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
【0105】
また、酸化物230としてCAAC-OS等の結晶性を有する酸化物を用いることで、導電体245、導電体244及び導電体242による、酸化物230からの酸素の引き抜きを抑制できる。これにより、熱処理を行なっても、酸化物230から酸素が引き抜かれることを抑制できるため、トランジスタは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対して安定である。また、導電体242、導電体244、及び導電体245の導電率が低下することを抑制できる。
【0106】
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc-OSは、微小な結晶(ナノ結晶ともいう)を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られないため、膜全体で配向性が見られない。すなわち、酸化物230としてnc-OSを用いる場合、酸化物230中を流れるキャリアの方向によらず酸化物230の膜特性が一定となるため、トランジスタの電気特性は安定する。
【0107】
なお、酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。酸化物230は、CAAC-OS、nc-OS、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、CAC-OS(cloud-aligned composite oxide semiconductor)のうち、二種以上を有してもよい。
【0108】
なお、CAAC-OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°又はその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC-OSを構成する金属元素の種類、組成などにより変動する場合がある。また、例えば、CAAC-OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
【0109】
また、nc-OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと同等又はナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
【0110】
酸化物230は、トランジスタ200のチャネル形成領域を含む半導体層と言い換えることができる。なお、当該半導体層に適用可能な材料は、半導体として機能する金属酸化物(酸化物半導体)に限られない。
【0111】
半導体層に用いることができる他の半導体材料としては、例えば、単体元素よりなる半導体、又は化合物半導体が挙げられる。単体元素よりなる半導体として、例えば、シリコン、及びゲルマニウムが挙げられる。化合物半導体として、例えば、ヒ化ガリウム、及びシリコンゲルマニウムが挙げられる。その他、化合物半導体として、例えば、有機半導体、及び、窒化物半導体が挙げられる。なお、前述の酸化物半導体も、化合物半導体の一種である。なお、これらの半導体材料に、ドーパントとして不純物が含まれてもよい。
【0112】
半導体層に用いることができるシリコンとして、単結晶シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、及び非晶質シリコンが挙げられる。多結晶シリコンとして、例えば、低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Poly Silicon)が挙げられる。
【0113】
半導体層に非晶質シリコンを用いたトランジスタは、低コストで作製できる。半導体層に多結晶シリコンを用いたトランジスタは、電界効果移動度が高く、高速動作が可能である。また、半導体層に微結晶シリコンを用いたトランジスタは、非晶質シリコンを用いたトランジスタより電界効果移動度が高く、高速動作が可能である。
【0114】
又は、半導体層として、半導体として機能する遷移金属カルコゲナイドを用いてもよく、例えば、硫化モリブデン(代表的にはMoS)、セレン化モリブデン(代表的にはMoSe)、モリブデンテルル(代表的にはMoTe)、硫化タングステン(代表的にはWS)、セレン化タングステン(代表的にはWSe)、タングステンテルル(代表的にはWTe)、硫化ハフニウム(代表的にはHfS)、セレン化ハフニウム(代表的にはHfSe)、硫化ジルコニウム(代表的にはZrS)、セレン化ジルコニウム(代表的にはZrSe)などを用いてもよい。
【0115】
酸化物230の成膜は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、又は原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法などを用いて行うことができる。酸化物230の成膜は、特にスパッタリング法を用いて行うことが好ましい。スパッタリング法を用いることで、結晶性を有する金属酸化物を形成することができる。また、スパッタリング法は、薄膜が形成可能な成膜方法であるため、酸化物230の成膜に好適に用いることができる。
【0116】
また、図2(A)乃至図2(C)に示すように、トランジスタ200aとトランジスタ200bを積層する場合、酸化物230aと酸化物230bの膜厚を異ならせることができる。つまり、トランジスタ200aとトランジスタ200bのチャネル長を異ならせることができる。
【0117】
トランジスタのチャネル長を長くすることで、トランジスタのしきい値電圧のばらつきを低減できる。そこで、例えば、酸化物230aの膜厚を、酸化物230bの膜厚よりも大きくする。このとき、読み出し用トランジスタとして機能するトランジスタ200aのチャネル長が長くなり、読み出し精度が高いメモリセルを実現できる。
【0118】
また、トランジスタのチャネル長が短いほど、オン抵抗が小さくなり、高速動作が可能なトランジスタとなる。そこで、例えば、酸化物230bの膜厚を、酸化物230aの膜厚よりも小さくする。このとき、書き込み用トランジスタとして機能するトランジスタ200bのチャネル長が短くなるため、書き込み速度が速いメモリセルを実現できる。さらに、酸化物230aの膜厚を大きくすることで、読み出し用トランジスタとして機能するトランジスタ200aのチャネル長が長くなり、書き込み速度が速く、読み出し精度が高いメモリセルを実現できる。
【0119】
また、図2(A)乃至図2(C)に示す構成において、トランジスタ200aの半導体層、及びトランジスタ200bの半導体層は、同じ材料を用いて形成してもよいし、異なる材料を用いて形成してもよい。例えば、トランジスタ200aとして、半導体として機能する金属酸化物とは異なる半導体材料を用い、トランジスタ200bとして、半導体として機能する金属酸化物を用いるとよい。このような構成にすることで、長期にわたり記憶内容を保持でき、読み出し速度が速いメモリセルを実現できる。
【0120】
ここで、半導体として機能する金属酸化物の側面がゲート絶縁層を介してワード線に覆われている、所謂ゲートオールアラウンド構造のトランジスタでは、ワード線又はゲート絶縁層に形成される開口部の内側に金属酸化物が設けられる。当該トランジスタを微細化するには、開口部の内壁を基板面に対してできる限り垂直にする必要がある。このとき、当該金属酸化物の成膜時に高い段差被覆性が必要とされるため、当該金属酸化物の成膜方法の自由度が制限されてしまう。
【0121】
一方、トランジスタ200は、酸化物230及び導電体242の積層体に開口を形成し、当該開口の内側に絶縁体250及び導電体260を形成することで、作製される。このとき、酸化物230は、上面が平坦な被形成面に形成することになり、酸化物230の成膜時に高い段差被覆性は必要とされない。したがって、酸化物230の成膜方法を自由に適用することができる。例えば、酸化物230の成膜にスパッタリング法を用いることができ、結晶性を有する金属酸化物を形成することができる。
【0122】
なお、開口又は凹部の形成には、LELE(Litho-Etch-Litho-Etch)及びSADP(Self-Aligned Double Patterning)などのダブルパターニング、SAQP(Self-Aligned Quadruple Patterning)などのクアドロプルパターニング、並びにSAОP(Self-Aligned octuple Patterning)などのオクタプルパターニングなどのマルチパターニング技術を用いるとよい。マルチパターニング技術を用いることで、微細な開口又は微細な凹部を形成することができる。
【0123】
また、レジストパターンに対してシュリンク剤を用いることで、レジストパターンの開口部を縮小してもよい。例えば、シュリンク剤をレジスト表面に塗布した後、加熱処理を行う。これにより、レジストがシュリンク剤と反応し、レジストの表面に反応層が形成される。このとき、レジストパターンの開口部の側面に反応層が形成されるため、当該開口部を縮小することができる。開口部が縮小したレジストパターンを用いることで、微細な開口又は微細な凹部を形成することができる。なお、上記シュリンク剤は、パターンシュリンク剤、又はホールシュリンク剤と呼ばれることがある。
【0124】
また、EUV(Extreme Ultraviolet)光などを用いた露光により、微細なパターンを直接形成してもよい。
【0125】
また、上記の方法を組み合わせてパターニングを行なってもよい。
【0126】
以上より、基板浮遊効果の影響が小さい又は実質的にない酸化物半導体をスパッタリング法により成膜した後、SAQP等のマルチパターニング技術を用いて中空部を有する円筒形状のチャネルを形成する。中空部にゲート電極を設けた縦型トランジスタとすることで、微細化または高集積化が可能なトランジスタを提供できる。当該トランジスタを用いることで、最小加工寸法(F)が例えば15nm以下のメモリセルを実現できる。ここで、最小加工寸法(F)は、例えば、導電体244のY方向の幅、導電体262のY方向の幅、又は導電体246のX方向の幅とする。
【0127】
導電体242としては、例えば、タンタルを含む窒化物、チタンを含む窒化物、モリブデンを含む窒化物、タングステンを含む窒化物、タンタル及びアルミニウムを含む窒化物、又はチタン及びアルミニウムを含む窒化物などを用いることが好ましい。本発明の一態様においては、タンタルを含む窒化物が特に好ましい。また、例えば、ルテニウム、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、又はランタンとニッケルを含む酸化物などを用いてもよい。これらの材料は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。
【0128】
なお、酸化物230などに含まれる水素が、導電体242に拡散する場合がある。特に、導電体242にタンタルを含む窒化物を用いることで、酸化物230などに含まれる水素は、導電体242に拡散しやすく、拡散した水素は、導電体242が有する窒素と結合することがある。つまり、酸化物230などに含まれる水素は、導電体242に吸い取られる場合がある。
【0129】
また、導電体242は、酸化物230と接する領域を有するため、酸素を含む導電性材料を用いることが好ましい。導電体242として酸素を含む導電性材料を用いることで、導電体242が酸素を吸収しても導電性を維持することができる。また、絶縁体250として酸素を含む絶縁体を用いる場合においても、導電体242は導電性を維持できるため好適である。
【0130】
酸素を含む導電性材料として、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物(ITOともいう)、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物(ITSOともいう)、インジウム亜鉛酸化物(IZO(登録商標)ともいう)、及び、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物などが挙げられる。また、酸素を含む導電性材料として、酸化ルテニウム、ストロンチウム及びルテニウムを含む酸化物、またはランタン及びニッケルを含む酸化物などが挙げられる。本明細書等では、酸素を含む導電性材料を用いて成膜される導電膜を、酸化物導電膜と呼ぶことがある。
【0131】
絶縁体250は、酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体を用いて形成することが好ましい。このような構成にすることで、酸化物230に含まれる酸素が、導電体260へ拡散するのを抑制できる。つまり、酸化物230に酸素欠損が形成されるのを抑制できる。また、酸化物230に含まれる酸素による導電体260の酸化を抑制できる。したがって、トランジスタ200の電気特性を良好にし、信頼性を向上させることができる。
【0132】
絶縁体250としては、例えば、アルミニウム及びハフニウムの一方または両方と、酸素と、を含む絶縁体を用いることが好ましい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、又はハフニウム及びシリコンを含む酸化物(ハフニウムシリケート)などを用いることができる。
【0133】
また、絶縁体250としては、水素を捕獲する又は固着する機能を有する絶縁体を用いることが好ましい。酸化物230に接して設けられる絶縁体250が水素を捕獲する又は固着する機能を有することで、酸化物230中の水素濃度を低減できる。
【0134】
なお、対応する物質を捕獲する又は固着する機能は、対応する物質が拡散し難い性質を有するともいえる。よって、対応する物質を捕獲する又は固着する機能を、バリア性と言い換えることができる。
【0135】
水素を捕獲する又は固着する機能を有する絶縁体として、マグネシウムを含む酸化物、アルミニウム及びハフニウムの一方または両方を含む酸化物等が挙げられる。アルミニウム及びハフニウムの一方又は両方を含む酸化物として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)が挙げられる。また、これらの酸化物に、酸化シリコンが添加されてもよい。水素を捕獲する又は固着する機能を有する絶縁体として、例えば、マグネシウム及びシリコンを含む酸化物、アルミニウム及びシリコンを含む酸化物、ハフニウム及びシリコンを含む酸化物(ハフニウムシリケート)等が挙げられる。
【0136】
また、絶縁体250は、後述する高誘電率(high-k)材料を用いてもよい。絶縁体250として高誘電率材料を用いることで、ゲート絶縁体として機能する絶縁体の等価酸化膜厚(EOT:Equivalent Oxide Thickness)の薄膜化が可能となる。よって、絶縁体250の絶縁耐圧を高くすることができる。
【0137】
また、絶縁体250は、後述する比誘電率が低い材料を用いてもよい。絶縁体250として比誘電率が低い材料を用いることで、導電体260と導電体246の間に生じる寄生容量を低減できる。
【0138】
また、絶縁体250はZ方向に延在している。絶縁体250の上面は、導電体246の上面よりも上方に位置することが好ましい。これにより、導電体246と導電体260が接するのを防ぎ、導電体246と導電体260の間のリーク電流及びショートを防止できる。なお、絶縁体250上であって、導電体246と導電体260との間に絶縁体が設けられ、当該絶縁体の上面が導電体246の上面よりも上方に位置する場合、絶縁体250の上面は、導電体246の上面よりも下方に位置してもよい。
【0139】
図2(B)乃至図2(E)では、絶縁体250を単層とする構成について示したが、本発明はこれに限られず、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、絶縁体250を2層の積層構造とする場合、酸化物230側に設ける絶縁体は、酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体を用いて形成し、導電体260側に設ける絶縁体は、高誘電率材料を用いて形成してもよい。
【0140】
導電体260としては、例えば、タンタルを含む窒化物、チタンを含む窒化物、モリブデンを含む窒化物、タングステンを含む窒化物、タンタル及びアルミニウムを含む窒化物、チタン及びアルミニウムを含む窒化物、又は窒化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、例えば、ルテニウム、酸化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、又はランタンとニッケルを含む酸化物などを用いてもよい。これらの材料は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、導電体260と接する絶縁体250として酸素を含む絶縁性材料を用いる場合に好適である。
【0141】
また、導電体260は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いてもよい。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、及び酸化ルテニウムなどが挙げられる。
【0142】
また、導電体260が酸素の拡散を抑制する機能を有することにより、絶縁体250に含まれる酸素によって、導電体260が酸化して導電率が低下することを抑制できる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。
【0143】
以上が、トランジスタ200についての説明である。
【0144】
〔容量素子300〕
容量素子300は、導電体311と、絶縁体313と、導電体312と、を有する。
【0145】
容量素子300において、導電体311は一対の電極の一方として機能し、導電体312は一対の電極の他方として機能し、絶縁体313は誘電体として機能する。
【0146】
ここで、導電体312を含む、XY平面における断面図を、図2(F)に示す。なお、図2(F)は、図2(B)にA5-A6の一点鎖線で示す部位の断面図でもある。
【0147】
絶縁体313を介して導電体311と導電体312が対向する領域の面積を大きくする(つまり、導電体311の下面から上面までの距離を大きくし、導電体312の下面から上面までの距離を大きくする、又は、当該領域のZ方向の距離を大きくする)ことが好ましい。絶縁体313を介して導電体311と導電体312が対向する領域の面積を大きくすることで、容量素子300の静電容量を大きくすることができる。容量素子300のXY平面の単位面積当たりの静電容量を大きくすることで、読み出しデータの信頼性を高めることができる。
【0148】
ここで、導電体312の下面から上面までの距離(導電体312の高さ、又は導電体312の膜厚)を長さH312とする(図2(C)参照)。このとき、例えば、長さH312は、長さL以上、長さLの2倍(2L)以上、又は長さLの3倍(3L)以上であることが好ましい。なお、長さH312の上限は特に限定されないが、半導体装置の生産性向上などの観点から、長さH312は、長さLの20倍(20L)以下、10倍(10L)以下、又は5倍(5L)以下であることが好ましい。よって、長さH312は、L以上10L以下、2L以上10L以下、3L以上10L以下、又は3L以上5L以下であることが好ましい。
【0149】
導電体311は、導電体260に適用可能な導電性材料を用いて形成することができる。また、導電体312は、導電体244に適用可能な導電性材料を用いて形成することができる。
【0150】
絶縁体313には、後述する高誘電率(high-k)材料を用いることが好ましい。このような高誘電率材料を用いることで、リーク電流を抑制できる程度に絶縁体313を厚くし、且つ容量素子300の静電容量を十分確保することができる。また、絶縁体313は、ALD法またはCVD法などの被覆性の良好な成膜方法を用いて成膜することが好ましい。
【0151】
また、上記の材料からなる絶縁体を積層して用いることが好ましく、高誘電率材料と、当該高誘電率材料より絶縁耐力が大きい材料との積層構造を用いることが好ましい。例えば、絶縁体313として、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの順番で積層された絶縁体を用いることができる。また、例えば、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムの順番で積層された絶縁体を用いることができる。また、例えば、ハフニウムジルコニウム酸化物、酸化アルミニウム、ハフニウムジルコニウム酸化物、酸化アルミニウムの順番で積層された絶縁体を用いることができる。酸化アルミニウムのような、比較的絶縁耐力が大きい絶縁体を積層して用いることで、絶縁耐力が向上し、容量素子300の静電破壊を抑制できる。
【0152】
また、絶縁体313として、強誘電性を有しうる材料を用いてもよい。強誘電性を有しうる材料としては、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、ハフニウム及びジルコニウムを含む酸化物などの金属酸化物が挙げられる。また、強誘電性を有しうる材料としては、酸化ハフニウムに元素J1(ここでの元素J1は、ジルコニウム、シリコン、アルミニウム、ガドリニウム、イットリウム、ランタン、ストロンチウムなどから選ばれた一つまたは複数)を添加した材料が挙げられる。ここで、ハフニウムの原子数と元素J1の原子数の比は適宜設定することができ、例えば、ハフニウムの原子数と元素J1の原子数の比を1:1またはその近傍にすることが好ましい。また、強誘電性を有しうる材料としては、酸化ジルコニウムに元素J2(ここでの元素J2は、ハフニウム、シリコン、アルミニウム、ガドリニウム、イットリウム、ランタン、ストロンチウムなどから選ばれた一つまたは複数)を添加した材料、などが挙げられる。また、ジルコニウムの原子数と元素J2の原子数の比は適宜設定することができ、例えば、ジルコニウムの原子数と元素J2の原子数の比を1:1またはその近傍にすることが好ましい。また、強誘電性を有しうる材料として、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)、ビスマスフェライト(BFO)、チタン酸バリウム、などのペロブスカイト構造を有する圧電性セラミックスを用いてもよい。
【0153】
また、強誘電性を有しうる材料としては、元素M1と、元素M2と、窒素と、を有する金属窒化物が挙げられる。ここで、元素M1は、アルミニウム、ガリウム、インジウムなどから選ばれた一つまたは複数である。また、元素M2は、ホウ素、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム、ユーロピウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロムなどから選ばれた一つまたは複数である。なお、元素M1の原子数と元素M2の原子数の比は適宜設定することができる。また、元素M1と、窒素と、を有する金属酸化物は、元素M2を含まなくても、強誘電性を有する場合がある。また、強誘電性を有しうる材料としては、上記金属窒化物に元素M3が添加された材料が挙げられる。なお、元素M3は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウムなどから選ばれた一つまたは複数である。ここで、元素M1の原子数、元素M2の原子数、および元素M3の原子数の比は適宜設定することができる。
【0154】
また、強誘電性を有しうる材料としては、SrTaON、BaTaONなどのペロブスカイト型酸窒化物、κアルミナ型構造のGaFeOなどが挙げられる。
【0155】
なお、上記の説明においては、金属酸化物、及び金属窒化物について例示したがこれに限定されない。例えば、上述の金属酸化物に窒素が添加された金属酸窒化物、または上述の金属窒化物に酸素が添加された金属窒酸化物などを用いてもよい。
【0156】
また、強誘電性を有しうる材料としては、例えば、上記に列挙した材料から選ばれた複数の材料からなる混合物または化合物を用いることができる。または、絶縁体313を、上記に列挙した材料から選ばれた複数の材料からなる積層構造とすることができる。ところで、上記に列挙した材料などは、成膜条件だけでなく、各種プロセスなどによっても結晶構造(特性)が変わり得る可能性があるため、本明細書等では強誘電性を発現する材料を強誘電体と呼ぶだけでなく、強誘電性を有しうる材料とも呼んでいる。
【0157】
強誘電体は、絶縁体であって、外部から電場を与えることによって内部に分極が生じ、且つ当該電場をゼロにしても分極が残る性質を有する。このため、当該材料を誘電体として用いた容量素子(以下、強誘電体キャパシタと呼ぶ場合がある)を用いて、不揮発性の記憶素子を形成することができる。強誘電体キャパシタを用いた、不揮発性の記憶素子は、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、強誘電体メモリなどと呼ばれることがある。例えば、強誘電体メモリは、トランジスタと、強誘電体キャパシタを有し、トランジスタのソースおよびドレインの一方が、強誘電体キャパシタの一方の端子に電気的に接続された構成を有する。よって、容量素子300として強誘電体キャパシタを用いる場合、本実施の形態で示す記憶装置は、強誘電体メモリとして機能する。
【0158】
以上が、容量素子300についての説明である。
【0159】
図2(D)に示すように、平面視において、導電体244は、酸化物230aの有する中空の中心と重なる。なお、導電体244は、酸化物230aの少なくとも一部と接するのであれば、平面視において、酸化物230aの有する中空の中心と重ならなくてもよい。例えば、平面視において、導電体244は、酸化物230aの有する中空の中心からY方向にずれた位置に配置されてもよい。
【0160】
導電体262は、導電体260bの少なくとも一部と接することが好ましい。例えば、平面視において、導電体262は、導電体262のY方向の幅を二等分する直線が、導電体260bの中心と重なるように配置されてもよいし、導電体260bの中心からY方向にずれた位置となるように配置されてもよい。
【0161】
図2(B)に示すように、導電体246は、凸型の形状部を有してもよい。当該凸型の形状部は、導電体246と導電体242とが重なる領域に設けられ、導電体242と接する。なお、凸型の形状部を有する導電体246の形成方法については、後述する。
【0162】
図2(B)には、導電体246が凸型の形状部を有する構成を示している。なお、導電体246が導電体242の上面の少なくとも一部と接するのであれば、本発明はこれに限られるものではない。
【0163】
図3(A)乃至図3(C)を用いて、半導体装置の別の構成例について説明する。なお、図3(A)乃至図3(C)に示す半導体装置は、図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置の変形例である。図3(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図3(B)及び図3(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。
【0164】
図3(A)乃至図3(C)に示す半導体装置は、導電体246a及び導電体246bの形状が、図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置とは異なる。具体的には、導電体246は、凸型の形状部を有さない。別言すると、導電体246の下面は、導電体242と接しない領域から導電体242と接する領域に亘って平坦である。このような構成であっても、導電体246は、導電体242と接することができる。
【0165】
上述したように、導電体246は、導電体260と重なる領域近傍で分断されている。なお、導電体246と導電体260とが接しないのであれば、本発明はこれに限られるものではない。
【0166】
図4(A)乃至図4(D)を用いて、半導体装置の別の構成例について説明する。なお、図4(A)乃至図4(C)に示す半導体装置は、図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置の変形例である。図4(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図4(B)及び図4(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。
【0167】
また、導電体246aを含む、XY平面における断面図を、図4(D)に示す。図4(D)は、図4(B)にA3-A4の一点鎖線で示す部位の断面図でもある。なお、導電体246bを含む、XY平面における断面図は、図4(D)を参照できる。また、理解をしやすくするため、図4(D)では、導電体242aの輪郭を点線で示す。
【0168】
図4(A)乃至図4(C)に示す半導体装置は、導電体246a及び導電体246bの形状が、図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置とは異なる。具体的には、導電体246は分断されることなく、一続きの導電体としてY方向に延在して設けられている。このような構成にすることで、導電体246と導電体242との接触面積が増大し、接触抵抗が低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制できる。
【0169】
図4(D)に示すように、導電体246は開口を有する。また、当該開口の内側に、絶縁体250及び導電体260が設けられている。なお、平面視において、導電体246のX方向の幅が絶縁体250の外周の直径よりも大きい場合(図4(D)参照)、導電体246は、一続きの導電体としてY方向に延在している。一方、平面視において、導電体246のX方向の幅が絶縁体250の外周の直径と等しい場合、又は、導電体246のX方向の幅が絶縁体250の外周の直径よりも小さい場合、導電体246は、絶縁体250によって分断される。しかしながら、上述したように、分断された導電体246同士は導電体242を介して電気的に接続されるため、導電体246は、Y方向に延在しているとみなすことができる。
【0170】
また、図2(E)には、平面視において、導電体242と重なる領域の導電体246の端部が直線状である構成を示している。なお、本発明はこれに限られるものではない。例えば、平面視において、導電体242と重なる領域の導電体246の端部は、絶縁体250の外周と同じ輪郭を有してもよい。
【0171】
図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置は、平面視において、導電体245の輪郭と酸化物230bの外周とが一致する構成を有する。別言すると、断面視において、導電体245の側面と酸化物230bの外側の側面とが一致する構成を有する。又は、平面視において、導電体245の中心(重心)と酸化物230bの有する中空の中心とが重なり、且つ、導電体245の側面と酸化物230bの外周とが一致する構成を有する。このような構成にすることで、導電体245と酸化物230bとの接触面積を大きくすることができる。これにより、トランジスタ200bのオン電流を大きくし、電気特性を良好とすることができる。よって、高速に動作する半導体装置を実現できる。
【0172】
なお、導電体245は、酸化物230bの少なくとも一部と接するのであれば、断面視において、導電体245の側面と酸化物230bの外側の側面とは一致しなくてもよい。別言すると、平面視において、導電体245の輪郭と酸化物230bの外周とは一致しなくてもよい。
【0173】
図5(A)及び図5(B)に示す半導体装置は、図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置の変形例である。図5(A)及び図5(B)はメモリセル100を含む領域の断面図である。図5(C)はメモリセル100を含む領域の平面図である。なお、理解をしやすくするため、図5(C)では、酸化物230b、導電体245、及び導電体311を図示している。
【0174】
例えば、図5(A)及び図5(B)に示すように、断面視において、導電体245の側面が、酸化物230bの外側の側面よりも内側に位置する構成としてもよい。このとき、断面視において、導電体245の幅を、酸化物230bの有する中空部の幅(平面視における、酸化物230bの内周の直径)よりも大きくすることで、導電体245は酸化物230bと接する領域を有することができる。別言すると、図5(C)に示すように、平面視において、導電体245の面積を、酸化物230bの有する中空部の面積よりも大きくすることで、導電体245は酸化物230bと接する領域を有することができる。
【0175】
なお、平面視において、導電体245の面積が、酸化物230bの有する中空部の面積よりも小さい場合であっても、導電体245は酸化物230bと接する領域を有することができる場合がある。
【0176】
図6(A)乃至図6(D)を用いて、半導体装置の別の構成例について説明する。なお、図6(A)乃至図6(C)に示す半導体装置は、図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置の変形例である。図6(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図6(B)及び図6(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。図6(D)はメモリセル100を含む領域の平面図である。なお、理解をしやすくするため、図6(D)では、酸化物230b、導電体245、及び導電体311を図示している。
【0177】
図6(D)に示すように、平面視において、導電体245が酸化物230bと重なる領域を有する範囲で、導電体245の中心が酸化物230bの有する中空部の中心からずれるように、導電体245を配置してもよい。別言すると、導電体245の少なくとも一部が酸化物230bと重なり、且つ、導電体245の中心が酸化物230bの有する中空部の中心からずれている構成であってもよい。また、導電体245が導電体311と重なる領域を有する範囲で、導電体245の中心が導電体311の中心からずれるように、導電体245を配置してもよい。別言すると、導電体245の少なくとも一部が導電体311と重なり、且つ、導電体245の中心が導電体311の中心からずれている構成であってもよい。これにより、導電体311と酸化物230bとを接続することができる。
【0178】
本明細書等において、Aの中心がBの中心からずれる、と記載されている場合、Aの中心がBの中心と一致しない、Aの中心がBの中心と重ならない、Aの中心がBの中心と異なる、と言い換えることができる。
【0179】
なお、図6(D)には、導電体245が、酸化物230bの有する中空部の中心に対して、X方向及びY方向にずれた位置に設けられる構成を示している。なお、本発明はこれに限られるものではない。導電体245は、酸化物230bの有する中空部の中心に対して、X方向及びY方向のいずれか一方にずれた位置に設けてもよい。
【0180】
また、図6(D)には、平面視において、導電体311の中心と導電体260aの中心とが一致する構成を示している。なお、酸化物230b、導電体245、導電体311、及び導電体260aが接続されるのであれば、本発明はこれに限られるものではない。
【0181】
図7(A)乃至図7(B)に示す半導体装置は、図6(A)乃至図6(C)に示す半導体装置の変形例である。図7(A)及び図7(B)はメモリセル100を含む領域の断面図である。また、図7(C)はメモリセル100を含む領域の平面図である。なお、理解をしやすくするため、図7(C)では、酸化物230b、導電体245、導電体311、及び導電体260aを図示している。
【0182】
例えば、図7(C)に示すように、平面視において、導電体311が導電体260aと重なる領域を有する範囲で、導電体311の中心が導電体260aの中心からずれるように、導電体311を配置してもよい。別言すると、導電体311の少なくとも一部が導電体260aと重なり、且つ、導電体311の中心が導電体260aの中心からずれている構成であってもよい。
【0183】
また、図5(C)には、平面視において、トランジスタ200aの中心とトランジスタ200bの中心とが一致する構成を示している。ここで、平面視におけるトランジスタ200の中心とは、平面視における、導電体260の中心、導電体242の有する中空部の中心、又は酸化物230の有する中空部の中心ともいえる。なお、本発明はこれに限られるものではない。例えば、トランジスタ200aと、導電体311と、トランジスタ200bとが電気的に接続できるのであれば、トランジスタ200aの中心とトランジスタ200bの中心とは一致しなくてもよい。
【0184】
図8(A)乃至図8(D)を用いて、半導体装置の別の構成例について説明する。なお、図8(A)乃至図8(C)に示す半導体装置は、図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置の変形例である。図8(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図8(B)及び図8(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。図8(D)はメモリセル100を含む領域の平面図である。なお、理解をしやすくするため、図8(D)では、酸化物230b、導電体245、及び導電体242aを図示している。
【0185】
図8(D)に示すように、平面視において、導電体245の面積が、酸化物230bの有する中空部の面積よりも小さい場合であっても、トランジスタ200aの中心とトランジスタ200bの中心とをずらすことで、導電体311とトランジスタ200bとを電気的に接続することができる。なお、図8(D)には、トランジスタ200bが、導電体245の中心に対して、Y方向にずれた位置に設けられる構成を示している。なお、本発明はこれに限られるものではない。トランジスタ200bは、平面視において、導電体245の中心に対して、X方向にずれた位置に設けてもよいし、X方向及びY方向にずれた位置に設けてもよい。
【0186】
図1(A)には、導電体312がX方向に延在するように設けられる構成を示している。なお、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体312はY方向に延在して設けられてもよいし、面状に設けてもよい。
【0187】
本明細書等において、面状とは、複数の素子(一例として、マトリクス状に配置されているメモリセル)に共通な一続きの層として設けられている層の形状を指す。
【0188】
導電体312が面状に設けられている半導体装置の構成例を示す斜視図を、図9に示す。また、図9に示す半導体装置が有するメモリセル100を含む領域の斜視図及び断面図を図10(A)乃至図10(C)に示す。図10(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図10(B)及び図10(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。なお、メモリセル100の全体像を把握しやすくするため、図10(A)乃至図10(C)では、導電体312を、図9に示す導電体312のZ方向の長さ(高さ)よりも短く図示している。
【0189】
図10(A)乃至図10(C)に示す半導体装置は、図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置の変形例である。
【0190】
図9乃至図10(C)に示すように、導電体312は面状に設けられている。このような構成にすることで、導電体312の形状を加工するための工程を削減でき、半導体装置の作製コストを削減できる。
【0191】
なお、図9乃至図10(C)では、導電体312の膜厚が全面に亘って均一である例を示している。なお、容量素子300に必要な静電容量が確保されるのであれば、本発明はこれに限られるものではない。
【0192】
本発明の一態様の半導体装置の別の構成例を示す斜視図を、図11に示す。また、図11に示す半導体装置が有するメモリセル100を含む領域の斜視図及び断面図を図12(A)乃至図12(C)に示す。図12(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図12(B)及び図12(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。なお、メモリセル100の全体像を把握しやすくするため、図12(A)乃至図12(C)では、導電体312を、図11に示す導電体312のZ方向の長さ(高さ)よりも短く図示している。
【0193】
図12(A)乃至図12(C)に示す半導体装置は、図10(A)乃至図10(C)に示す半導体装置の変形例である。
【0194】
図11乃至図12(C)に示すように、導電体312は面状に設けられている。なお、図11乃至図12(C)に示す半導体装置では、導電体312は、絶縁体313を介して導電体311と対向する第1の領域と、トランジスタ200と重ならない第2の領域と、を有する。さらに、第1の領域の幅は、第2の領域の膜厚と一致する。このような構成にすることで、絶縁体313を介して導電体311と導電体312とが対向する領域の面積を大きくする(つまり導電体311の高さを高くする)場合においても、導電体312の膜厚を厚くする必要が無くなる。よって、導電体312の成膜時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。なお、導電体312と電気的に接続し、配線として機能する導電体を設けてもよい。
【0195】
導電体312となる導電膜は、例えば、絶縁体313となる絶縁膜を成膜した後、ALD法またはCVD法などの被覆性の良好な成膜方法を用いて成膜することが好ましい。なお、図12(A)乃至図12(C)に示す導電体312の形成方法については、後述する。
【0196】
なお、図13(A)及び図13(B)に示すように、導電体312は、導電体312aと、導電体312bと、を有してもよい。導電体312aは、トランジスタ200と重ならない領域に設けられ、導電体312bは、絶縁体313を介して導電体311と対向するように設けられている。このような構成にすることで、導電体312aの膜厚と、導電体312の幅とを異ならせることができる。例えば、導電体312aは配線として機能する領域を有するため、導電体312aの膜厚を厚くすることで、導電体312aの導電性を高めることができる。
【0197】
図2(A)乃至図2(C)には、トランジスタ200aのゲート電極として導電体260aが設けられ、容量素子300の一対の電極の一方として導電体311が設けられている構成を示している。なお、本発明はこれに限られるものではない。例えば、一つの導電体が、トランジスタ200aのゲート電極としての機能と、容量素子300の一対の電極の一方としての機能と、を有してもよい。
【0198】
図14(A)乃至図14(C)を用いて、半導体装置の別の構成例について説明する。なお、図14(A)乃至図14(C)に示す半導体装置は、図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置の変形例である。図14(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図14(B)及び図14(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。
【0199】
図14(A)乃至図14(C)に示すように、導電体260aは、導電体245に接するように、Z方向に延在して設けられてもよい。このとき、導電体260aは、絶縁体313を介して導電体312と対向する領域を有する。よって、導電体260aは、トランジスタ200aのゲート電極として機能する領域と、容量素子300の一対の電極の一方として機能する領域と、を有する。このような構成にすることで、導電体311を形成する工程を省略できる。よって、生産性の良好な半導体装置を提供できる。
【0200】
なお、図5(C)を用いて説明したように、平面視において導電体245の面積が、酸化物230bの面積と酸化物230bの有する中空部の面積との和よりも小さい構成を、図14(A)乃至図14(C)に示す半導体装置に適用してもよい。
【0201】
また、図6(D)を用いて説明したように、平面視において、導電体245の中心が酸化物230bの有する中空部の中心及び容量素子300の一対の電極の一方として機能する導電体の中心からずれるように、導電体245を配置する構成を、図14(A)乃至図14(C)に示す半導体装置に適用してもよい。図15(A)乃至図15(C)に示す半導体装置は、平面視において、導電体245の面積が酸化物230bの有する中空部の面積と一致し、導電体245の中心が酸化物230bの有する中空部の中心からずれており、導電体245の中心がトランジスタ200aの中心からずれている構成を有している。なお、図15(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図であり、図15(B)及び図15(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。図15(D)はメモリセル100を含む領域の平面図である。なお、理解をしやすくするため、図15(D)では、酸化物230b、導電体245、及び導電体260aを図示している。図15(A)乃至図15(C)に示す半導体装置は、図14(A)乃至図14(C)に示す半導体装置の変形例である。
【0202】
図2(A)乃至図2(C)には、容量素子300の一対の電極の一方として導電体311が設けられ、容量素子300の一対の電極の一方とトランジスタ200bとを電気的に接続する導電体として導電体245が設けられている構成を示している。なお、本発明はこれに限られるものではない。例えば、容量素子300の一対の電極の一方として機能する導電体が、トランジスタ200bと電気的に接続してもよい。
【0203】
図16(A)乃至図16(C)を用いて、半導体装置の別の構成例について説明する。なお、図16(A)乃至図16(C)に示す半導体装置は、図8(A)乃至図8(C)に示す半導体装置の変形例である。図16(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図16(B)及び図16(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。
【0204】
図16(A)乃至図16(C)に示すように、導電体311は、酸化物230bと接するように、Z方向に延在して設けられてもよい。よって、導電体311は、容量素子300の一対の電極の一方として機能する領域を有し、トランジスタ200bと電気的に接続する。このような構成にすることで、導電体245を形成する工程を省略できる。よって、生産性の良好な半導体装置を提供できる。
【0205】
なお、導電体312には、絶縁体313及び導電体311を設ける開口が形成されている。導電体312をX方向に延在して設ける場合、上記開口の径を導電体312のY方向の幅よりも小さくする必要がある。このとき、平面視における導電体311の面積も小さくする必要がある。そこで、図16(A)乃至図16(C)に示す構成では、トランジスタ200aの中心とトランジスタ200bの中心とをずらすことが好ましい。
【0206】
なお、図9乃至図10(C)を用いて説明したように、導電体312を面状に設ける場合、平面視における導電体311の面積を大きくすることができる。
【0207】
図17(A)乃至図17(D)を用いて、半導体装置の別の構成例について説明する。なお、図17(A)乃至図17(C)に示す半導体装置は、図10(A)乃至図10(C)に示す半導体装置の変形例である。図17(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図17(B)及び図17(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。図17(D)はメモリセル100を含む領域の平面図である。なお、理解をしやすくするため、図17(D)では、導電体260a、導電体311、及び酸化物230bを図示している。
【0208】
図17(D)に示すように、平面視において、導電体311の面積は、導電体260aの面積よりも大きくすることが好ましい。さらに、平面視において、導電体311の中心がトランジスタ200aの中心からずれる位置に、導電体311を設けることが好ましい。このような構成にすることで、トランジスタ200aの中心とトランジスタ200bの中心をずらすことなく、導電体260a、導電体311、及び酸化物230bとを接続することができる。また、導電体311の平面視における面積を大きくすることで、酸化物230bの形成に用いるマスクの位置合わせ精度が緩和され、微細なメモリセルを容易に作製できる。また、導電体311の平面視における面積を大きくすることで、容量素子300の静電容量を大きくすることができる。又は、導電体311の平面視における面積を大きくすることで、容量素子300の静電容量を小さくすることなく、断面視における、絶縁体313を介して導電体311と導電体312が対向する領域の面積を小さくすることができる。これにより、導電体312の膜厚を小さくでき、成膜時間の短縮を図ることができる。
【0209】
なお、平面視において、導電体311の面積は、酸化物230bの面積と酸化物230bの有する中空部の面積との和よりも小さいことが好ましい。このような構成にすることで、メモリセル間の距離を小さくでき、半導体装置における高集積化を実現できる。
【0210】
図2(A)乃至図2(C)には、トランジスタ200aのゲート電極として導電体260aが設けられ、容量素子300の一対の電極の一方として導電体311が設けられ、容量素子300の一対の電極の一方とトランジスタ200bとを電気的に接続する導電体として導電体245が設けられている構成を示している。なお、本発明はこれに限られるものではない。例えば、トランジスタ200aのゲート電極としての機能と、容量素子300の一対の電極の一方としての機能と、を有する導電体が、トランジスタ200bと電気的に接続してもよい。
【0211】
図18(A)乃至図18(C)を用いて、半導体装置の別の構成例について説明する。なお、図18(A)乃至図18(C)に示す半導体装置は、図2(A)乃至図2(C)に示す半導体装置の変形例である。図18(A)はメモリセル100を含む領域の斜視図である。図18(B)及び図18(C)はメモリセル100を含む領域の断面図である。
【0212】
図18(A)乃至図18(C)に示すように、導電体260aは、酸化物230bと接するように、Z方向に延在して設けられてもよい。このとき、導電体260aは、絶縁体313を介して導電体312と対向する領域を有する。よって、導電体260aは、トランジスタ200aのゲート電極として機能する領域と、容量素子300の一対の電極の一方として機能する領域と、を有し、トランジスタ200bと電気的に接続する。このような構成にすることで、導電体311及び導電体245を形成する工程を省略できる。よって、生産性の良好な半導体装置を提供できる。
【0213】
図18(A)乃至図18(C)に示す導電体260aは、第1の領域と、第2の領域と、を有する。第1の領域は、絶縁体250を介して酸化物230aと対向する領域、及び絶縁体313を介して導電体312と対向する領域を指す。第2の領域は、導電体312の上方であって、酸化物230bの下面と接する領域を指す。第1の領域は第1の幅を有し、第2の領域は、第1の幅よりも大きい第2の幅を有する。このような構成にすることで、酸化物230bの形成に用いるマスクの位置合わせ精度が緩和され、微細なメモリセルを容易に作製できる。
【0214】
なお、導電体260aは、導電体312の上方であっても、第1の幅を有してもよい。このとき、トランジスタ200aの中心とトランジスタ200bの中心をずらすことで、導電体260aとトランジスタ200bとを電気的に接続することができる。
【0215】
図2(A)乃至図2(C)には、酸化物230及び導電体242のそれぞれの側面が、基板面(図示せず)に対して垂直となる構成を示している。なお、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物230及び導電体242aのそれぞれの側面が、テーパ形状を有してもよい。
【0216】
本明細書等において、テーパ形状とは、構造の側面の少なくとも一部が、基板面又は被形成面に対して傾斜して設けられている形状のことを指す。例えば、傾斜した側面と基板面又は被形成面とのなす角(テーパ角ともいう)が、90度未満である領域を有する形状のことを指す。なお、構造の側面及び基板面は、必ずしも完全に平坦である必要はなく、曲率を有する略平面状、又は凹凸を有する略平面状であってもよい。
【0217】
図19(A)は、メモリセル100を含む領域の断面図である。図19(A)に示すように、断面視において、酸化物230aの開口側(絶縁体250a側)の側面は、テーパ角θaのテーパ形状を有してもよい。また、断面視において、酸化物230bの開口側(絶縁体250b側)の側面は、テーパ角θbのテーパ形状を有してもよい。ここで、テーパ角θ(テーパ角θa及びテーパ角θb)は、酸化物230の開口側の側面と基板面のなす角である。ただし、テーパ角θの頂点から出る2辺のうち下側の1辺は、基板面に限らず、導電体244もしくは導電体245の上面、又は酸化物230の下面などであってもよい。つまり、テーパ角θは、酸化物230の側面と、導電体244もしくは導電体245の上面、又は酸化物230の下面と、のなす角としてもよい。このとき、酸化物230の外側の側面も、テーパ角θのテーパ形状を有する。なお、テーパ角θaとテーパ角θbとは、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0218】
酸化物230の開口側の側面がテーパ形状を有することで、酸化物230の開口に設ける絶縁体250の被覆性が向上し、鬆等の欠陥を低減できる。また、酸化物230の下底面の面積が大きくなり、導電体244又は導電体245と酸化物230との接触面積を大きくすることができる。
【0219】
なお、テーパ角θは90度に近いほど、導電体260を、酸化物230が有する開口のより下方に設けることができる。よって、酸化物230が絶縁体250を介して導電体260と対向する領域の面積を大きくすることができ、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。また、トランジスタ200の占有面積を低減できる。例えば、テーパ角θは80度以上、85度以上、又は87度以上であって、90度未満とする。
【0220】
上記構成においても、酸化物230の上面形状は中空円形状を有する。つまり、上記構成において、酸化物230は中空の円錐台形状を有する。つまり、酸化物230が有する円錐台形状の上底面(導電体242側の面)の面積は、酸化物230が有する円錐台形状の下底面(導電体244側又は導電体245側の面)の面積よりも小さい。
【0221】
酸化物230と同様に、導電体242の開口側(絶縁体250側)の側面、及び導電体242の外側の側面は、テーパ形状を有する。なお、導電体242の開口側の側面と基板面のなす角、及び導電体242の外側の側面と基板面のなす角は、テーパ角θと一致する。なお、酸化物230に用いる材料と導電体242に用いる材料との組み合わせ、又は、酸化物230及び導電体242の加工条件などによっては、導電体242の開口側の側面と基板面のなす角、及び導電体242の外側の側面と基板面のなす角は、テーパ角θと一致しない場合がある。
【0222】
また、導電体242は中空の円錐台形状を有する。つまり、導電体242が有する円錐台形状の上底面(導電体246側の面)の面積は、導電体242が有する円錐台形状の下底面(酸化物230側の面)の面積よりも小さい。
【0223】
図2(A)乃至図2(C)には、酸化物230aが導電体244と接し、酸化物230bが導電体245と接する構成を示している。なお、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物230aと導電体244との間に導電体を設けてもよい。また、酸化物230bと導電体245との間に導電体を設けてもよい。
【0224】
図19(B)はメモリセル100を含む領域の断面図である。図19(B)に示すように、酸化物230aと導電体244の間に導電体242cが設けられてもよい。このとき、導電体242cは、酸化物230aの下面に接する領域と、導電体244の上面の少なくとも一部に接する領域と、を有する。また、酸化物230bと導電体245との間に導電体242dが設けられてもよい。このとき、導電体242dは、酸化物230bの下面に接する領域と、導電体245の上面の少なくとも一部に接する領域と、を有する。
【0225】
導電体242c及び導電体242dのそれぞれは、円筒形状を有する。なお、導電体242c及び導電体242dのそれぞれが有する円筒形状は、Z方向に延在している。また、導電体242c及び導電体242dのそれぞれは開口を有する。また、導電体242c及び導電体242dそれぞれの上面形状は中空円形状を有する。別言すると、導電体242c及び導電体242dのそれぞれは、中空部が設けられた円筒形状を有する。導電体242cは、トランジスタ200aのソース電極及びドレイン電極の一方として機能し、導電体242dは、トランジスタ200bのソース電極及びドレイン電極の一方として機能する。
【0226】
導電体242cが有する開口の内側に、絶縁体250a及び導電体260aが配置される。このような構成にすることで、絶縁体250aを介して酸化物230aと導電体260aとが対向する領域の端部を、導電体244により近づけることができる。別言すると、絶縁体250aを介して酸化物230aと導電体260aとが重ならない領域、所謂Loff領域を狭くする又は設けない構成とすることができる。したがって、トランジスタ200aの周波数特性を向上させることができる。なお、導電体242dを設けることで、トランジスタ200bについても同様のことがいえる。これにより、メモリセル100の書き込み速度及び読み出し速度の向上、半導体装置の動作速度の向上などを図ることができる。よって、動作速度が速い半導体装置を提供できる。
【0227】
なお、導電体242cとなる導電膜、及び導電体242dとなる導電膜は異なる工程で成膜される。よって、導電体242c及び導電体242dは、異なる材料で形成されてもよいし、同じ材料で形成されてもよい。
【0228】
また、導電体242dと導電体311とが接するように導電体242dを設ける場合においては、導電体245を設けなくてもよい。このような構成にすることで、導電体245を形成するための工程を削減でき、半導体装置の作製コストを削減できる。
【0229】
図2(A)乃至図2(C)には、酸化物230を単層とする構成について示したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物230は、2層以上の積層構造としてもよい。
【0230】
図20(A)はメモリセル100を含む領域の断面図である。図20(A)に示すように、酸化物230aは、酸化物230a1と、酸化物230a1上の酸化物230a2と、酸化物230a2上の酸化物230a3との3層の積層構造を有してもよい。また、酸化物230bは、酸化物230b1と、酸化物230b1上の酸化物230b2と、酸化物230b2上の酸化物230b3との3層の積層構造を有してもよい。
【0231】
トランジスタ200aにおいて、酸化物230a2は、チャネル形成領域として機能し、酸化物230a1は、ソース領域及びドレイン領域の一方として機能し、酸化物230a3は、ソース領域及びドレイン領域の他方として機能する。また、トランジスタ200bにおいて、酸化物230b2は、チャネル形成領域として機能し、酸化物230b1は、ソース領域及びドレイン領域の一方として機能し、酸化物230b3は、ソース領域及びドレイン領域の他方として機能する。
【0232】
以降では、酸化物230a1及び酸化物230b1をまとめて酸化物230_1ということがある。また、酸化物230a2及び酸化物230b2をまとめて酸化物230_2ということがある。また、酸化物230a3及び酸化物230b3をまとめて酸化物230_3ということがある。
【0233】
酸化物230_2としては、上述の酸化物230に用いることができる金属酸化物を用いればよい。
【0234】
酸化物230_1及び酸化物230_3は、酸化物230_2と比較して、導電率が高い材料を用いることが好ましい。また、酸化物230_1及び酸化物230_3は、縮退した酸化物半導体を用いることが好ましい。
【0235】
例えば、酸化物230_1及び酸化物230_3として、酸化物230_2に用いることができる金属酸化物に窒素が添加された材料を用いることができる。具体的には、インジウム、上述した元素M、亜鉛、及び窒素を有する金属酸化物(金属酸窒化物ともいう)を用いることが好ましい。より具体的には、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び窒素を含む酸化物(In、Ga、及びZnを有する酸窒化物、又は窒素が添加されたIGZOともいう)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、及び窒素を含む酸化物(In、Al、及びZnを有する酸窒化物、又は窒素が添加されたIAZOともいう)、又は、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び窒素を含む酸化物(In、Al、Ga、及びZnを有する酸窒化物、窒素が添加されたIAGZO、窒素が添加されたIGAZO、又は窒素が添加されたAGIZOともいう)などを用いることができる。
【0236】
例えば、窒素が添加されたIGZOは、ウルツ鉱型の結晶構造を有する傾向がある。ウルツ鉱型の結晶構造は、In-M-Zn酸化物が有する結晶の結晶構造との格子整合性が高い。したがって、酸化物230_1としてウルツ鉱型の結晶構造を有する金属酸窒化物を用いることで、酸化物230_2の結晶性を高めることができる。つまり、酸化物230_2としてCAAC構造を有する金属酸化物を形成しやすくなる。
【0237】
また、上述したように、酸化物230_2としてCAAC-OSを用いる場合、酸化物230_2が有する結晶は、基板面に対してc軸配向している。なお、CAAC-OS中の不純物は、c軸方向に拡散しにくい傾向がある。つまり、酸化物230_2としてCAAC-OSを用いることで、酸化物230_2への不純物の混入を抑制できる。例えば、酸化物230_2への窒素の混入を抑制できる。したがって、酸化物230_2の導電性が高くなるのを抑制できる。
【0238】
なお、上記では酸化物230_2に用いることができる金属酸化物に窒素が添加された材料について説明したが、酸化物230_2に用いることができる金属酸化物に添加する元素は、金属酸化物の導電性を高める元素としてもよい。当該元素として例えば、水素、第15族元素(代表的には窒素(N)、リン(P)、砒素(As)、及びアンチモン(Sb))、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、インジウム(In)、フッ素(F)、塩素(Cl)、チタン(Ti)、及び亜鉛(Zn)から選ばれた一種又は複数種を用いることができる。
【0239】
なお、酸化物230_1及び酸化物230_3に用いる金属酸化物は、酸化物230_2と比較して、導電率が高ければよい。例えば、酸化物230_1及び酸化物230_3は、酸化物230_2と酸素以外に共通の元素を主成分として有し、化学組成が異なる金属酸化物を用いてもよい。
【0240】
酸化物230_1及び酸化物230_3と、酸化物230_2とが酸素以外に共通の元素を主成分として有する場合、酸化物230は化学組成が異なる複数の酸化物層の積層構造を有することが好ましい。例えば、酸化物230_2としてIn-M-Zn酸化物を用いる場合、酸化物230_1又は酸化物230_3に用いる金属酸化物において主成分である金属元素の原子数の和に対するインジウムの原子数の割合が、酸化物230_2に用いる金属酸化物において主成分である金属元素の原子数の和に対するインジウムの原子数の割合より、大きいことが好ましい。また、酸化物230_1又は酸化物230_3に用いる金属酸化物において、元素Mに対するインジウムの原子数の割合が、酸化物230_2に用いる金属酸化物における、元素Mに対するインジウムの原子数の割合より大きいことが好ましい。
【0241】
酸化物230_1及び酸化物230_3と、酸化物230_2とが、酸素以外に共通の元素を主成分として有することで、酸化物230_1又は酸化物230_3と酸化物230_2との界面における欠陥準位密度を低くすることができる。酸化物230_1又は酸化物230_3と酸化物230_2との界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
【0242】
又は、酸化物230_1及び酸化物230_3として、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化タングステン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化錫、インジウム亜鉛酸化物、インジウム錫酸化物、又はシリコンを含むインジウム錫酸化物等を用いてもよい。
【0243】
なお、酸化物230を上述の3層積層構造とする場合、図20(B)に示すように、導電体242を設けなくてもよい場合がある。このとき、導電体246が導電体242の有する機能を兼ねる。つまり、導電体246は、配線としての機能と、ソース電極及びドレイン電極の他方としての機能と、を有する。導電体242を設けない構成にすることで、半導体装置の作製工程における工程数を低減し、生産性の向上を図ることができる。
【0244】
図20(A)では、酸化物230を上述の3層積層構造とする構成を示しているが、酸化物230は、2層又は4層以上の積層構造としてもよい。
【0245】
例えば、酸化物230を、酸化物230_1と、酸化物230_1上の酸化物230_2との2層の積層構造を有してもよい。導電体242と酸化物230_2とが接した状態で加熱処理を行う場合、導電体242近傍の酸化物230_2は、シート抵抗が低下することがある。また、キャリア濃度が増加することがある。したがって、導電体242近傍の酸化物230_2を、自己整合的に低抵抗化することができる。このとき、酸化物230_2の低抵抗化された領域を、ソース領域及びドレイン領域の他方として機能させることができる。
【0246】
図2(A)乃至図2(C)では、トランジスタ200aのゲート絶縁体として絶縁体250aが設けられ、容量素子300の誘電体として絶縁体313が設けられている構成を示している。なお、本発明はこれに限られるものではない。例えば、一つの絶縁体が、トランジスタ200aのゲート絶縁体としての機能と、容量素子300の誘電体としての機能と、を有してもよい。
【0247】
図21(A)は、メモリセル100を含む領域の断面図である。図21(A)に示すように、絶縁体250aは、上面が導電体312の下面よりも上方に位置するように、Z方向に延在して設けられてもよい。絶縁体250aの上面は、導電体312の上面と高さが一致することが好ましい。または、絶縁体250aの上面は、導電体312の上面よりも上方に位置することが好ましい。このとき、絶縁体250aは、導電体311と導電体312の間に位置する領域を有する。よって、絶縁体250aは、トランジスタ200aのゲート絶縁体として機能する領域と、容量素子300の誘電体として機能する領域と、を有する。このような構成にすることで、絶縁体313を形成する工程を省略できる。よって、生産性の良好な半導体装置を提供できる。
【0248】
または、絶縁体250aと絶縁体313との間に絶縁体を設けてもよい。また、絶縁体250aと導電体262との間に絶縁体を設けてもよい。図21(B)は、メモリセル100を含む領域の断面図である。図21(B)に示すように、絶縁体250aと絶縁体313との間に絶縁体276aが設けられ、絶縁体250bと導電体262との間に絶縁体276bが設けられてもよい。例えば、絶縁体276は、絶縁体250と比較して、比誘電率が低い材料を用いることが好ましい。このような構成にすることで、導電体246と導電体260との間に生じる寄生容量を低減できる。このように、材料及び構成の選択の自由度が高まり、半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0249】
<半導体装置の詳細な構成例1>
以下では、図22(A)乃至図23(D)を用いて、本発明の一態様の半導体装置の詳細な構成例を説明する。なお、以下に示す半導体装置において、先の<半導体装置の構成例>に示した半導体装置を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。また、以降では、先の<半導体装置の構成例>に示した半導体装置と異なる部分について主に説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0250】
図22(A)乃至図22(C)は、複数のメモリセルを有する半導体装置の平面図及び断面図である。図22(A)は、当該半導体装置の平面図である。また、図22(B)及び図22(C)は、当該半導体装置の断面図である。ここで、図22(B)は、図22(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図22(C)は、図22(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位の断面図である。なお、図22(A)では、半導体装置が有する複数のメモリセルのうちの4つを示している。
【0251】
図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置は、基板(図示せず)上の導電体244と、導電体244上のトランジスタ200aと、トランジスタ200a上の導電体246aと、トランジスタ200a上の容量素子300と、容量素子300上の導電体245と、導電体245上のトランジスタ200bと、トランジスタ200b上の導電体246bと、トランジスタ200b上の導電体262と、を有する。
【0252】
基板上には絶縁体216aが設けられ、絶縁体216a上には絶縁体251aが設けられ、絶縁体251a上には絶縁体274aが設けられ、絶縁体274a上には絶縁体278aが設けられている。また、導電体246a上には絶縁体277aが設けられ、導電体246aが分断されている領域に絶縁体276aが設けられている。また、容量素子300上には絶縁体314が設けられ、絶縁体314上には絶縁体216bが設けられ、絶縁体216b上には絶縁体251bが設けられ、絶縁体251b上には絶縁体274bが設けられ、絶縁体274b上には絶縁体278bが設けられている。また、導電体246b上には絶縁体277bが設けられ、導電体246bが分断されている領域に絶縁体276bが設けられている。また、絶縁体277b及び絶縁体278b上に絶縁体285が設けられている。
【0253】
絶縁体216、絶縁体274、絶縁体276、絶縁体277、絶縁体278、絶縁体314、及び絶縁体285は層間膜として機能する。
【0254】
絶縁体216、絶縁体274、絶縁体276、絶縁体277、絶縁体278、絶縁体314、及び絶縁体285は、後述する比誘電率が低い材料を用いることが好ましい。比誘電率が低い材料を層間膜として用いることで、配線間に生じる寄生容量を低減できる。
【0255】
絶縁体251aは、絶縁体251a1と、絶縁体251a1上の絶縁体251a2と、を有する。また、絶縁体251bは、絶縁体251b1と、絶縁体251b1上の絶縁体251b2と、を有する。以降では、絶縁体251a1及び絶縁体251b1をまとめて絶縁体251_1ということがある。また、絶縁体251a2及び絶縁体251b2をまとめて絶縁体251_2ということがある。
【0256】
導電体244は、絶縁体216aが有する開口に埋め込まれるように設けられている。
【0257】
図22(B)及び図22(C)では、導電体244は、導電体244aと、導電体244a上の導電体244bとの2層構造を有する。導電体244aは、絶縁体216aが有する開口の底面及び側面に接して設けられる。導電体244bは、導電体244aに形成された凹部に埋め込まれるように設けられる。ここで、導電体244bの上面は、導電体244a及び絶縁体216aのそれぞれの上面と高さが一致する。
【0258】
ここで、導電体244aは、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、導電体244aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
【0259】
導電体244aに、酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることにより、導電体244bが酸化して導電率が低下することを抑制できる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。したがって、導電体244aとしては、上記導電性材料を単層または積層とすることができる。例えば、導電体244aは、窒化チタンを用いればよい。
【0260】
また、導電体244bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。例えば、導電体244bは、タングステンを用いればよい。
【0261】
導電体244の電気抵抗率は、導電体244に印加する電位を考慮して設計され、導電体244の膜厚は当該電気抵抗率に合わせて設定される。また、絶縁体216aの膜厚は、導電体244とほぼ同じになる。ここで、導電体244の設計が許す範囲で導電体244及び絶縁体216aの膜厚を薄くすることが好ましい。絶縁体216aの膜厚を薄くすることで、絶縁体216a中に含まれる水素などの不純物の絶対量を低減できるため、当該不純物が酸化物230aに拡散するのを抑制できる。
【0262】
なお、図22(B)では、導電体244が2層構造を有する構成について示しているが、本発明はこれに限られない。例えば、導電体244は、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
【0263】
なお、導電体244の材料、及び構成などは、先の<半導体装置の構成例>で説明した内容を参照できる。また、導電体244は、導電体242に適用可能な導電性材料を用いてもよい。
【0264】
導電体245は、絶縁体216bに埋め込まれるように配置される。導電体245の上面は、絶縁体216bの上面と高さが一致する。
【0265】
導電体262は、絶縁体285に埋め込まれるように配置される。導電体262の上面は、絶縁体285の上面と高さが一致する。
【0266】
導電体262は、導電体262aと、導電体262a上の導電体262bとの2層構造を有することが好ましい。例えば、導電体262aは、導電体262bの底面及び側面を包むように配置されることが好ましい。なお、図22(B)では、導電体262は、導電体262aと導電体262bの2層構造として示しているが、単層構造としてもよいし、3層以上の積層構造としてもよい。
【0267】
導電体262aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
【0268】
また、導電体262aが酸素の拡散を抑制する機能を有することにより、絶縁体285に含まれる酸素によって、導電体262bが酸化して導電率が低下することを抑制できる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。
【0269】
また、導電体262は配線として機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、導電体262bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体262bは積層構造としてもよく、例えば、チタン又は窒化チタンと、上記導電性材料との積層構造としてもよい。
【0270】
半導体装置が有するメモリセルは、トランジスタ200aと、容量素子300と、トランジスタ200bとで構成される。また、図22(A)乃至図22(C)に示すメモリセルは、図12(A)乃至図12(C)に示すメモリセル100の詳細な構成例でもある。
【0271】
図22(A)乃至図22(C)に示すように、トランジスタ200aは、酸化物230aと、酸化物230a上の導電体242aと、絶縁体250aと、絶縁体250a上の導電体260aと、を有する。トランジスタ200bは、酸化物230bと、酸化物230b上の導電体242bと、絶縁体250bと、絶縁体250b上の導電体260bと、を有する。容量素子300は、導電体311と、導電体311上の導電体316と、絶縁体313と、絶縁体313上の絶縁体315と、導電体312と、を有する。
【0272】
図20(A)に示す構成と同様に、酸化物230aは、酸化物230a1と、酸化物230a1上の酸化物230a2と、酸化物230a2上の酸化物230a3と、を有する。酸化物230bは、酸化物230b1と、酸化物230b1上の酸化物230b2と、酸化物230b2上の酸化物230b3と、を有する。
【0273】
絶縁体250aは、絶縁体250a1と、絶縁体250a1上の絶縁体250a2と、を有する。絶縁体250bは、絶縁体250b1と、絶縁体250b1上の絶縁体250b2と、を有する。以降では、絶縁体250a1及び絶縁体250b1をまとめて絶縁体250_1ということがある。絶縁体250a2及び絶縁体250b2をまとめて絶縁体250_2ということがある。
【0274】
ここで、酸化物230a2を含む、XY平面における断面図を、図23(A)に示す。図23(A)では、酸化物230a2の上面が中空円形状を有する構成を示している。このとき、絶縁体250a1は酸化物230a2の内側に同心円状に設けられ、絶縁体250a2は絶縁体250a1の内側に同心円状に設けられ、導電体260aは絶縁体250a2の内側に同心円状に設けられている。酸化物230b2、絶縁体250b1、絶縁体250b2、及び導電体260bについても同様である。
【0275】
ここで、酸化物230_2の中空部の中心から円筒形状の外周に向かう方向における、酸化物230_2の幅を、幅H1とする。別言すると、幅H1は、中空円筒形状の外径と内径との差の半分である。
【0276】
隣接する酸化物230_2同士が接しないためには、幅H1は、最小加工寸法(F)の半分より小さくする必要がある。一方、中空円筒形状の酸化物230_2を形成するには、幅H1はある程度の大きさにする必要がある。最小加工寸法(F)が例えば15nmである場合、幅H1は、1nm以上7nm以下が好ましく、1.5nm以上6nm以下がより好ましく、2nm以上5nm以下がより好ましい。このような構成にすることで、隣接する酸化物230_2同士が接することなく、且つ、隣接する酸化物230_2間に少なくとも絶縁体251aを設けることができる。なお、幅H1の好ましい範囲は上記に限られない。幅H1は、最小加工寸法、および絶縁体251aの膜厚などを考慮して適宜設定することができる。
【0277】
酸化物230aは、導電体244と重なる領域を有する。より具体的には、酸化物230a1は、導電体244の上面の少なくとも一部と接する。また、酸化物230bは、導電体245と重なる領域を有する。より具体的には、酸化物230b1は、導電体245の上面の少なくとも一部と接する。
【0278】
酸化物230は、導電体242と重なる。より具体的には、酸化物230_3は、導電体242の下面と接する。
【0279】
絶縁体250aの上面は、絶縁体251a及び絶縁体274aのそれぞれの上面と高さが一致する。また、絶縁体250bの上面は、絶縁体251b及び絶縁体274bのそれぞれの上面と高さが一致する。
【0280】
絶縁体250上には、絶縁体276が設けられている。絶縁体276は、絶縁体250と重なる領域を有する。
【0281】
ここで、絶縁体276a及び導電体246aを含む、XY平面における断面図を、図23(B)に示す。なお、図23(B)では、理解をしやすくするため、導電体242aの輪郭を点線で示す。
【0282】
絶縁体276は円筒形状を有し、且つ、開口を有する。つまり、絶縁体276は、中空部が設けられた円筒形状を有する。別言すると、絶縁体276の上面形状は、中空円形状を有する。絶縁体276が有する中空部に、導電体260が設けられている。また、導電体260の断面形状が円形状である場合、絶縁体276は導電体260の外側に同心円状に設けられている。
【0283】
平面視において、絶縁体276の中空部の径は、絶縁体250が有する凹部の径と同じ又は当該凹部の径より大きいことが好ましい。このような構成にすることで、導電体260を絶縁体250の凹部に、より確実に埋め込むことができる。
【0284】
また、平面視において、絶縁体276の外周は、絶縁体250の輪郭と一致することが好ましい。このような構成にすることで、絶縁体276の外周が絶縁体250の輪郭よりも外側に位置する構成と比較して、導電体242と導電体246との接触面積を大きくすることができる。また、絶縁体276の外周が絶縁体250の輪郭よりも内側に位置する構成と比較して、導電体246aと容量素子300の一対の電極の一方(後述する導電体311)の間の距離、及び導電体262と導電体246bの間の距離を大きくすることができる。したがって、導電体246aと導電体311の間、及び導電体262と導電体246bの間のリーク電流及びショートを防止できる。
【0285】
また、絶縁体276は、絶縁体276の上面が導電体246の上面よりも上方に位置するように、Z方向に延在していることが好ましい。別言すると、導電体246の上面が、絶縁体276の下面よりも上方に位置し、且つ、絶縁体276の上面よりも下方に位置するように、絶縁体276はZ方向に延在していることが好ましい。このような構成にすることで、導電体246aと容量素子300の一対の電極の一方(後述する導電体311)が接することを防ぎ、導電体246aと導電体311の間のリーク電流及びショートを防止できる。また、導電体262と導電体246bが接することを防ぎ、導電体262と導電体246bの間のリーク電流及びショートを防止できる。
【0286】
平面視において、絶縁体277及び導電体246は、端部が一致する領域を有する。
【0287】
トランジスタ200は、チャネル形成領域を含む酸化物230_2に、半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を用いることが好ましい。なお、酸化物230_1及び酸化物230_3の、絶縁体250を介して導電体260と対向する領域の一部がチャネル形成領域として機能する場合がある。
【0288】
なお、図22(B)に示すトランジスタ200では、酸化物230は、酸化物230_1、酸化物230_2、及び酸化物230_3の3層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られない。例えば、酸化物230は、単層、又は、2層若しくは4層以上の積層構造としてもよい。また、酸化物230aの構成と酸化物230bの構成は、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0289】
導電体242は、酸化物230と重なる。より具体的には、導電体242は、酸化物230_3の上面と接する。
【0290】
図22(B)には、導電体242を単層で示している。なお、本発明はこれに限られず、導電体242を2層以上の積層構造としてもよい。例えば、導電体242は、酸化物230_3上の第1の導電体と、第1の導電体上の第2の導電体との2層積層構造にしてもよい。
【0291】
導電体242の第1の導電体は、酸化しにくい特性を有する導電性材料で構成されることが好ましい。これにより、導電体242の第1の導電体が酸化し、導電体242の導電率が低下するのを抑制できる。なお、導電体242の第1の導電体は、水素を吸い取りやすい(抜き取りやすい)特性を有してもよい。これにより、酸化物230の水素が導電体242の第1の導電体へ拡散し、酸化物230の水素濃度を低減できる。よって、トランジスタ200に安定した電気特性を付与することができる。
【0292】
導電体242の第2の導電体は、導電体242の第1の導電体よりも、導電性の高い導電性材料で構成されることが好ましい。この場合、導電体242の第2の導電体は、少なくとも一部において、導電体242の第1の導電体よりも導電性が高い領域を有していればよい。また、導電体242の第2の導電体は、導電体242の第1の導電体よりも、抵抗率が低い導電性材料で構成されることが好ましい。これにより、配線遅延を抑制した半導体装置を作製できる。
【0293】
なお、導電体242の第2の導電体は、水素を吸い取りやすい特性を有してもよい。これにより、導電体242の第1の導電体に吸い取られた水素が、導電体242の第2の導電体にも拡散し、酸化物230中の水素濃度をより低減できる。よって、トランジスタ200に安定した電気特性を付与することができる。
【0294】
ここで、導電体242の第1の導電体及び第2の導電体は、構成する元素が同じで、且つ、化学組成の異なる導電性材料を用いることが好ましい。このとき、導電体242の第1の導電体と第2の導電体とを、大気環境にさらさずに連続して成膜することができる。大気開放せずに成膜することで、導電体242の第1の導電体表面に大気環境からの不純物又は水分が付着することを防ぐことができ、導電体242の第1の導電体と第2の導電体との界面近傍を清浄に保つことができる。
【0295】
また、導電体242の第1の導電体に、タンタルに対する窒素の原子数比が高い、タンタルを含む窒化物を用い、導電体242の第2の導電体に、タンタルに対する窒素の原子数比が低い、タンタルを含む窒化物を用いることが好ましい。例えば、導電体242の第1の導電体として、タンタルに対する窒素の原子数比が1.0以上2.0以下、好ましくは1.1以上1.8以下、より好ましくは1.2以上1.5以下のタンタルを含む窒化物を用いる。また、例えば、導電体242の第2の導電体として、タンタルに対する窒素の原子数比が0.3以上1.5以下、好ましくは0.5以上1.3以下、より好ましくは0.6以上1.0以下のタンタルを含む窒化物を用いる。
【0296】
タンタルを含む窒化物において、タンタルに対する窒素の原子数比を高くすることで、タンタルを含む窒化物の酸化を抑制できる。また、タンタルを含む窒化物の耐酸化性を高めることができる。また、タンタルを含む窒化物中への酸素の拡散を抑制できる。よって、タンタルに対する窒素の原子数比が高い、タンタルを含む窒化物を導電体242の第1の導電体に用いることが好ましい。これにより、導電体242の第1の導電体と酸化物230との間に酸化層が形成されるのを防ぐことができる、又は酸化層の膜厚を薄くすることができる。
【0297】
また、タンタルを含む窒化物において、タンタルに対する窒素の原子数比を低くすることで、当該窒化物の抵抗率を下げることができる。よって、タンタルに対する窒素の原子数比が低い、タンタルを含む窒化物を導電体242の第2の導電体に用いることが好ましい。これにより、配線遅延を抑制した半導体装置を作製できる。
【0298】
なお、導電体242において、第1の導電体と第2の導電体の境界は明確に検出することが困難な場合がある。タンタルを含む窒化物を導電体242に用いる場合、各層内で検出されるタンタル、及び窒素濃度は、各層の段階的な変化に限らず、第1の導電体と第2の導電体との間の領域で連続的に変化(グラデーションともいう)していてもよい。つまり、導電体242の、酸化物230に近い領域であるほど、タンタルに対する窒素の原子数比が高ければよい。よって、導電体242の下方に位置する領域における、タンタルに対する窒素の原子数比は、導電体242の上方に位置する領域における、タンタルに対する窒素の原子数比よりも高いことが好ましい。
【0299】
導電体242の第1の導電体の膜厚は、0.1nm以上5.0nm以下、好ましくは0.5nm以上3.0nm以下、より好ましくは1.0nm以上3.0nm以下とする。この場合、導電体242の第1の導電体は、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。また、導電体242の第1の導電体の膜厚は導電体242の第2の導電体の膜厚より薄いことが好ましい。この場合、導電体242の第1の導電体は、少なくとも一部において、導電体242の第2の導電体より膜厚が薄い領域を有していればよい。
【0300】
なお、導電体242の第1の導電体及び第2の導電体が、構成する元素は同じで、且つ、化学組成の異なる導電性材料を用いる例について示したが、これに限られず、導電体242の第1の導電体と第2の導電体とは、異なる導電性材料を用いて形成されてもよい。例えば、導電体242の第1の導電体としてタンタルを含む窒化物を用い、導電体242の第2の導電体としてチタンを含む窒化物又はタングステンを用いてもよい。
【0301】
絶縁体250_1は、酸化物230及び導電体242が有する開口の内側(酸化物230及び導電体242の中空部)に配置される。絶縁体250_1は、ゲート絶縁体の一部として機能する。また、絶縁体251_1は、酸化物230及び導電体242の円筒形状の外側に配置される。
【0302】
詳細は後述するが、絶縁体250_1及び絶縁体251_1は同じ工程で形成される。したがって、絶縁体251_1は、絶縁体250_1と同じ絶縁性材料を有する。また、絶縁体251_1の膜厚は、絶縁体250_1の膜厚と等しくなる。
【0303】
また、絶縁体250_1は、絶縁体251_1と同一層に設けられる。図22(B)及び図22(C)では、絶縁体250a1及び絶縁体251a1は、絶縁体216a及び導電体244上に設けられ、絶縁体250b1及び絶縁体251b1は、絶縁体216b及び導電体245上に設けられる。
【0304】
絶縁体250_1及び絶縁体251_1として、酸素に対するバリア絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁体250_1及び絶縁体251_1として、例えば、アルミニウム及びハフニウムの一方又は両方と、酸素と、を含む絶縁体を用いるとよい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、ハフニウム及びシリコンを含む酸化物(ハフニウムシリケート)などを用いることができる。本実施の形態では、絶縁体250_1及び絶縁体251_1として、酸化アルミニウムを用いる。この場合、絶縁体250_1及び絶縁体251_1は、少なくとも酸素と、アルミニウムと、を有する。
【0305】
図22(B)及び図22(C)に示すように、酸化物230は絶縁体250_1及び絶縁体251_1に囲まれている。これにより、熱処理などを行なった際に、酸化物230からの酸素の脱離を、酸素に対するバリア性を有する絶縁体250_1及び絶縁体251_1によって防ぐことができる。よって、酸化物230に酸素欠損が形成されるのを抑制できる。これにより、酸化物230に形成される、酸素欠損、及びVHを低減できる。よって、トランジスタ200の電気特性を良好にし、信頼性を向上させることができる。
【0306】
また、絶縁体274、絶縁体251_2、及び絶縁体250_2などに過剰な量の酸素が含まれていても、酸素が酸化物230に過剰に供給されるのを抑制できる。よって、酸化物230_1及び酸化物230_3が過剰に酸化され、トランジスタ200のオン電流の低下、又は電界効果移動度の低下を起こすのを抑制できる。
【0307】
また、図22(B)及び図22(C)に示すように、導電体242は絶縁体250_1及び絶縁体251_1に囲まれている。これにより、導電体242の側面が酸化され、当該側面に酸化膜が形成されるのを抑制できる。これにより、トランジスタ200のオン電流の低下、又は電界効果移動度の低下を起こすのを抑制できる。
【0308】
絶縁体250_1及び絶縁体251_1として酸化アルミニウムを用いる場合、酸化物230_2の、絶縁体250_1と接する領域及びその近傍、並びに絶縁体251_1と接する領域及びその近傍にアルミニウムが添加される場合がある。例えば、酸化物230_2としてIGZOを用いる場合、酸化物230_2の、絶縁体250_1と接する領域及びその近傍、並びに絶縁体251_1と接する領域及びその近傍は、インジウムと、ガリウムと、アルミニウムと、亜鉛と、を有する。
【0309】
また、図22(B)などに示すように、酸化物230_2の開口の側面に接して、酸化アルミニウムなどにより形成される絶縁体250_1を設けることにより、酸化物230_2と絶縁体250_1の界面及びその近傍に、酸化物230_2に含まれるインジウムが偏在する場合がある。これにより、酸化物230_2の開口側の表面近傍が、インジウム酸化物に近い原子数比、又はIn-Zn酸化物に近い原子数比になる。このように酸化物230_2、特に酸化物230_2の開口側の表面近傍のインジウムの原子数比が大きくなることで、トランジスタ200の電界効果移動度を向上させることができる。
【0310】
絶縁体250_1は、絶縁体250_2及び導電体260とともに、導電体242及び酸化物230が有する開口内に設ける必要がある。トランジスタ200の微細化を図るにあたって、絶縁体250_1の膜厚は薄いことが好ましい。絶縁体250_1の膜厚は、0.1nm以上5.0nm以下、好ましくは0.5nm以上3.0nm以下、より好ましくは1.0nm以上3.0nm未満とする。この場合、絶縁体250_1は、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。また、絶縁体250_1の膜厚は絶縁体250_2の膜厚より薄いことが好ましい。この場合、絶縁体250_1は、少なくとも一部において、絶縁体250_2より膜厚が薄い領域を有していればよい。
【0311】
絶縁体250_1の膜厚を上記のように薄くするには、絶縁体250_1はALD法を用いて成膜することが好ましい。ALD法は、プリカーサ及びリアクタントの反応を熱エネルギーのみで行う熱ALD(Thermal ALD)法、プラズマ励起されたリアクタントを用いるPEALD(Plasma Enhanced ALD)法などがある。PEALD法では、プラズマを利用することで、より低温での成膜が可能となり好ましい場合がある。
【0312】
ALD法は、一層ずつ原子を堆積することができるため、極薄の成膜が可能、アスペクト比の高い構造への成膜が可能、ピンホールなどの欠陥の少ない成膜が可能、被覆性に優れた成膜が可能、低温での成膜が可能、などの効果がある。よって、絶縁体250_1を導電体242及び酸化物230が有する開口部の側面などに被覆性良く、上記のような薄い膜厚で成膜することができる。
【0313】
なお、ALD法で用いるプリカーサには炭素などを含むものがある。このため、ALD法により設けられた膜は、他の成膜方法により設けられた膜と比較して、炭素などの不純物を多く含む場合がある。なお、不純物の定量は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)、X線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)、またはオージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)を用いて行うことができる。
【0314】
絶縁体250_2は、絶縁体250_1の凹部に配置される。絶縁体250_2は、ゲート絶縁体の一部として機能する。また、絶縁体251_2は、絶縁体251_1の上面に接して配置される。
【0315】
詳細は後述するが、絶縁体250_2及び絶縁体251_2は同じ工程で形成される。したがって、絶縁体251_2は、絶縁体250_2と同じ絶縁性材料を有する。また、絶縁体251_2の膜厚は、絶縁体250_2の膜厚と等しくなる。
【0316】
また、図22(B)では、絶縁体250_2は絶縁体250_1上に設けられ、絶縁体251_2は絶縁体251_1上に設けられる。上述したように、絶縁体250_1は、絶縁体251_1と同一層に設けられるため、絶縁体250_2は、絶縁体251_2と同一層に設けられるとみなすことができる。
【0317】
なお、絶縁体250_2及び絶縁体251_2の材料、及び構成などは、先の<半導体装置の構成例>で説明した絶縁体250の内容を参照できる。本実施の形態では、絶縁体250_2及び絶縁体251_2として、酸化ハフニウムを用いる。この場合、絶縁体250_2及び絶縁体251_2は、少なくとも酸素と、ハフニウムと、を有する。
【0318】
導電体260は、絶縁体250の凹部に配置される。導電体260は、酸化物230及び導電体242が有する開口を埋めるように自己整合的に形成される。
【0319】
図22(B)には、導電体260を単層で示している。なお、本発明はこれに限られず、導電体260を2層以上の積層構造としてもよい。
【0320】
導電体246は、導電体242上に配置される。また、導電体246は、導電体242の上面の少なくとも一部に接して配置される。また、導電体246は、導電体242と重畳する領域に凸型の形状部を有する。
【0321】
導電体262は、導電体260b上に配置される。導電体262は、導電体260bの上面に接して配置される。また、平面視において、導電体262は導電体246bと重畳しない。導電体262は、絶縁体276b上に位置している。また、導電体262の下面の少なくとも一部は、絶縁体276bの上面と接する。つまり、絶縁体276bは、絶縁体250bと導電体262との間に設けられている。また、絶縁体276bは、導電体262の下面と接する領域を有する。
【0322】
容量素子300において、導電体311及び導電体316は一対の電極の一方として機能し、導電体312は一対の電極の他方として機能し、絶縁体313及び絶縁体315は誘電体として機能する。
【0323】
導電体311は、導電体260aの上面に接する領域と、導電体316の下面に接する領域と、を有する。導電体316は、導電体311の上面に接する領域と、導電体245の下面の少なくとも一部に接する領域と、を有する。平面視において、導電体316は、導電体311と重なる。
【0324】
図22(B)では、導電体311は、第1の導電体と、第1の導電体上の第2の導電体との2層積層構造を有する。導電体316は、第1の導電体と、第1の導電体上の第2の導電体との2層積層構造を有する。
【0325】
導電体311の第1の導電体及び導電体316の第1の導電体は、導電体244aに適用可能な導電性材料を用いることができる。また、導電体311の第2の導電体及び導電体316の第2の導電体は、導電体244bに適用可能な導電性材料を用いることができる。
【0326】
なお、図22(B)では、導電体311及び導電体316のそれぞれが2層構造を有する構成について示しているが、本発明はこれに限られない。例えば、導電体311及び導電体316のそれぞれは、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
【0327】
絶縁体313は、絶縁体277a及び絶縁体278a上に設けられる。また、絶縁体313は、導電体311と重なる開口を有する。絶縁体315は、絶縁体313上に設けられ、絶縁体313が有する開口と重なる開口を有する。
【0328】
絶縁体313及び絶縁体315の材料、及び構成などは、先の<半導体装置の構成例>で説明した絶縁体313の内容を参照できる。
【0329】
ここで、導電体312を含む、XY平面における断面図を、図23(C)に示す。図23(C)には、導電体312が円形状の開口を有する構成を示している。このとき、絶縁体313は導電体312の内側に同心円状に設けられ、導電体311の第1の導電体は絶縁体313の内側に同心円状に設けられ、導電体311の第2の導電体は導電体311の第1の導電体の内側に同心円状に設けられている。
【0330】
導電体312は、絶縁体313上に設けられる。導電体312は、絶縁体313及び絶縁体315を介して導電体311及び導電体316と対向する領域を有する。導電体312の形状は、図11乃至図12(C)を用いて説明した内容を参照できる。
【0331】
ここで、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置の平面図を、図23(D)に示す。なお、理解をしやすくするため、図23(D)では、酸化物230b、導電体245、及び導電体316を図示している。図23(D)に示すように、平面視において、導電体245は、酸化物230bに重なる領域と、導電体316に重なる領域と、を有する。より具体的には、導電体245は、導電体316の上面の少なくとも一部に接する領域と、酸化物230b1の下面の少なくとも一部に接する領域と、を有する。
【0332】
導電体245は、第1の導電体と、第1の導電体上の第2の導電体との2層積層構造を有する。導電体245の第1の導電体は、導電体244aに適用可能な導電性材料を用いることができる。また、導電体245の第2の導電体は、導電体244bに適用可能な導電性材料を用いることができる。
【0333】
なお、図22(B)では、導電体245が2層構造を有する構成について示しているが、本発明はこれに限られない。例えば、導電体245は、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
【0334】
図22(B)では、絶縁体314が有する開口の内側に、導電体317が設けられている。導電体317は、導電体312と接する領域を有する。導電体317が配線として機能する場合、導電体312は容量素子300の一対の電極の他方として機能するのであれば、導電体312の膜厚を厚くする必要が無くなる。よって、導電体312の成膜時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。
【0335】
図22(C)に示す、長さL及び長さH312については、図2(C)を用いて説明した内容を参照できる。
【0336】
[半導体装置の構成材料]
以下では、半導体装置に用いることができる構成材料について説明する。
【0337】
〔基板〕
トランジスタ200を形成する基板としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板、または導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムを材料とした半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えば、SOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などがある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
【0338】
〔絶縁体〕
絶縁体としては、絶縁性を有する酸化物、窒化物、酸化窒化物、窒化酸化物、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属窒化酸化物などがある。
【0339】
例えば、トランジスタの微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体として機能する絶縁体に、高誘電率(high-k)材料を用いることで物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時の低電圧化が可能となる。一方、層間膜として機能する絶縁体には、比誘電率が低い材料を用いることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。したがって、絶縁体の機能に応じて、材料を選択することが好ましい。
【0340】
高誘電率材料としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウム及びハフニウムを有する酸化物、アルミニウム及びハフニウムを有する酸化窒化物、シリコン及びハフニウムを有する酸化物、シリコン及びハフニウムを有する酸化窒化物、又はシリコン及びハフニウムを有する窒化物などがある。
【0341】
比誘電率が低い材料としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、又は樹脂などがある。なお、樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、またはアクリルなどがある。
【0342】
また、金属酸化物を用いたトランジスタは、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体で囲うことによって、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム、またはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。具体的には、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化酸化シリコン、窒化シリコンなどの金属窒化物を用いることができる。
【0343】
また、ゲート絶縁体として機能する絶縁体は、加熱により脱離する酸素を含む領域を有する絶縁体であることが好ましい。例えば、加熱により脱離する酸素を含む領域を有する酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを酸化物230と接する構造とすることで、酸化物230が有する酸素欠損を補償することができる。
【0344】
〔導電体〕
導電体としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、コバルト、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンなどから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、または、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。
【0345】
また、上記の材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。例えば、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。
【0346】
なお、トランジスタのチャネル形成領域に酸化物を用いる場合において、ゲート電極として機能する導電体には、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造を用いることが好ましい。この場合は、酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けるとよい。酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けることで、当該導電性材料から脱離した酸素がチャネル形成領域に供給されやすくなる。
【0347】
特に、ゲート電極として機能する導電体として、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる金属元素および酸素を含む導電性材料を用いることが好ましい。また、前述した金属元素および窒素を含む導電性材料を用いてもよい。例えば、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物を用いてもよい。また、窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を用いてもよい。このような材料を用いることで、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる水素を捕獲することができる場合がある。または、外方の絶縁体などから混入する水素を捕獲することができる場合がある。
【0348】
[半導体装置の作製方法1]
次に、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置の作製方法の一例を、図24(A)乃至図44(C)を用いて説明する。
【0349】
図24(A)乃至図44(C)において、各図の(A)は、平面図を示す。また、各図の(B)はそれぞれ、各図の(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位に対応する断面図である。また、各図の(C)はそれぞれ、各図の(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位に対応する断面図である。
【0350】
以下において、絶縁体を形成するための絶縁性材料、導電体を形成するための導電性材料、又は半導体を形成するための半導体材料は、メッキ法、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを適宜用いて成膜することができる。
【0351】
なお、スパッタリング法にはスパッタリング用電源に高周波電源を用いるRFスパッタリング法、および直流電源を用いるDCスパッタリング法がある。DCスパッタリング法には、さらにパルス的に電極に印加する電圧を変化させるパルスDCスパッタリング法がある。RFスパッタリング法は主に絶縁膜を成膜する場合に用いられ、DCスパッタリング法は主に金属導電膜を成膜する場合に用いられる。また、パルスDCスパッタリング法は、主に、酸化物、窒化物、炭化物などの化合物をリアクティブスパッタリング法で成膜する際に用いられる。
【0352】
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法、または光を利用する光CVD(Photo CVD)法などに分類できる。さらに用いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、または有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
【0353】
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、熱CVD法は、プラズマを用いないため、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法である。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、および素子(トランジスタ、および容量素子など)などは、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、および素子などが破壊される場合がある。一方、プラズマを用いない熱CVD法の場合、こういったプラズマダメージが生じないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、熱CVD法では、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
【0354】
また、ALD法としては、プリカーサ及びリアクタントの反応を熱エネルギーのみで行う熱ALD法、またはプラズマ励起されたリアクタントを用いるPEALD法などを用いることができる。
【0355】
CVD法及びALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積するスパッタリング法とは異なる。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
【0356】
また、CVD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。例えば、CVD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送または圧力調整に掛かる時間を要さない分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
【0357】
また、ALD法では、異なる複数種のプリカーサを同時に導入することで任意の組成の膜を成膜することができる。または、異なる複数種のプリカーサを導入する場合、各プリカーサのサイクル数を制御することで任意の組成の膜を成膜することができる。
【0358】
まず、基板(図示しない)を準備し、当該基板上に絶縁体216aを成膜する。絶縁体216aの成膜は、スパッタリング法を用いて行うことが好ましい。成膜ガスに水素を含む分子を用いなくてもよいスパッタリング法を用いることで、絶縁体216a中の水素濃度を低減できる。
【0359】
本実施の形態では、絶縁体216aとして、酸素ガスを含む雰囲気でシリコンターゲットを用いて、パルスDCスパッタリング法で酸化シリコン膜を成膜する。パルスDCスパッタリング法を用いることで、膜厚分布をより均一にし、スパッタレート、成膜速度、および膜質を向上することができる。
【0360】
次に、絶縁体216aに開口を形成する。開口とは、例えば、溝、およびスリットなども含まれる。また、開口が形成された領域を指して開口部とする場合がある。開口の形成はウェットエッチングを用いてもよいが、ドライエッチングを用いるほうが微細加工には好ましい。
【0361】
ドライエッチング装置としては、平行平板型電極を有する容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を用いることができる。平行平板型電極を有する容量結合型プラズマエッチング装置は、平行平板型電極の一方の電極に高周波電圧を印加する構成としてもよい。または平行平板型電極の一方の電極に複数の異なった高周波電圧を印加する構成としてもよい。または平行平板型電極それぞれに同じ周波数の高周波電圧を印加する構成としてもよい。または平行平板型電極それぞれに周波数の異なる高周波電圧を印加する構成としてもよい。または高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置を用いることができる。高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置は、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)エッチング装置などを用いることができる。
【0362】
なお、絶縁体216aをエッチングして開口を形成する際のエッチングストッパ膜として機能する絶縁体を、絶縁体216aの下面と接して設けることが好ましい。例えば、開口を形成する絶縁体216aに酸化シリコン又は酸化窒化シリコンを用いた場合は、当該絶縁体は窒化シリコン、酸化アルミニウム、又は酸化ハフニウムを用いるとよい。
【0363】
開口の形成後に、導電体244aとなる導電膜を成膜する。当該導電膜は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体を含むことが望ましい。例えば、窒化タンタル、窒化タングステン、又は窒化チタンなどを用いることができる。又は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体と、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、又はモリブデンタングステン合金との積層膜とすることができる。
【0364】
本実施の形態では、導電体244aとなる導電膜として窒化チタン膜を成膜する。このような金属窒化物を導電体244bの下方に設けることにより、絶縁体216aなどによって、導電体244bが酸化されるのを抑制できる。また、導電体244bとして銅などの拡散しやすい金属を用いても、当該金属が導電体244aから外に拡散するのを防ぐことができる。
【0365】
次に、導電体244bとなる導電膜を成膜する。当該導電膜としては、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、又はモリブデンタングステン合金などを用いることができる。本実施の形態では、当該導電膜として、タングステン膜を成膜する。
【0366】
次に、CMP処理を行うことで、導電体244aとなる導電膜及び導電体244bとなる導電膜の一部を除去し、絶縁体216aを露出する。その結果、絶縁体216aに形成される開口部のみに、導電体244a及び導電体244bが残存することで、導電体244(導電体244a及び導電体244b)が形成される。なお、当該CMP処理により、絶縁体216aの一部が除去される場合がある。
【0367】
次に、絶縁体216a及び導電体244上に、酸化膜230F1、酸化膜230F2、酸化膜230F3を順に成膜する(図24(A)乃至図24(C)参照)。なお、酸化膜230F1、酸化膜230F2、及び酸化膜230F3は、大気環境にさらさずに連続して成膜することが好ましい。大気開放せずに成膜することで、酸化膜230F1上、及び酸化膜230F2上に大気環境からの不純物又は水分が付着することを防ぐことができ、酸化膜230F1と酸化膜230F2との界面及びその近傍、並びに酸化膜230F2と酸化膜230F3との界面及びその近傍を清浄に保つことができる。
【0368】
例えば、酸化膜230F1、酸化膜230F2、及び酸化膜230F3をスパッタリング法によって成膜する場合は、スパッタリングガスとして酸素、又は酸素と貴ガスの混合ガスを用いる。スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を高めることで、成膜される酸化膜中の過剰酸素を増やすことができる。また、上記の酸化膜をスパッタリング法によって成膜する場合は、上記のIn-M-Zn酸化物などのターゲットを用いることができる。
【0369】
なお、酸化膜230F1及び酸化膜230F3として窒素が添加された金属酸化膜をスパッタリング法によって成膜する場合、スパッタリングガスに窒素ガスを含めて成膜することにより、ターゲットが窒素を含まない構成であっても、窒素が添加された金属酸化膜を成膜することができる。窒素ガスを添加して金属酸化膜を成膜する場合、窒素流量比が大きいほど、金属酸化膜のキャリア移動度を高めることができる。
【0370】
窒素流量比は、酸化物230a1及び酸化物230a3に求める特性に合わせて、10%以上100%以下の範囲で適宜設定することができる。このとき、例えば、スパッタリングガスを窒素ガスとアルゴンガスの混合ガスにすることができる。また、スパッタリングガスを、窒素ガスと酸素ガスの混合ガスとしてもよいし、窒素ガスと酸素ガスとアルゴンガスの混合ガスとしてもよい。
【0371】
なお、ターゲットとして窒素を含むターゲットを用いる場合には、窒素が添加された金属酸化膜を成膜する場合でも、スパッタリングガスとして窒素を用いない構成にすることができる。
【0372】
酸化膜230F1のスパッタリングガスに酸素ガスが含まれる場合、スパッタリングガスに含まれる酸素の一部が絶縁体216aに供給される場合がある。したがって、当該スパッタリングガスに含まれる酸素の割合は70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは100%としてもよい。
【0373】
上記のスパッタリングガスは、高純度化されていることが好ましい。例えば、スパッタリングガスとして用いる酸素ガス、窒素ガス、又はアルゴンガスは、露点が-40℃以下、好ましくは-80℃以下、より好ましくは-100℃以下、より好ましくは-120℃以下にまで高純度化したガスを用いることで金属酸化膜に水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
【0374】
酸化膜230F2をスパッタリング法で形成する場合、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を、30%を超えて100%以下、好ましくは70%以上100%以下として成膜すると、酸素過剰型の酸化物半導体が形成される。酸素過剰型の酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、比較的高い信頼性が得られる。ただし、本発明の一態様はこれに限定されない。酸化膜230F2をスパッタリング法で形成する場合、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を1%以上30%以下、好ましくは5%以上20%以下として成膜すると、酸素欠乏型の酸化物半導体が形成される。酸素欠乏型の酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られる。また、基板を加熱しながら成膜を行うことによって、当該酸化膜の結晶性を向上させることができる。
【0375】
酸化膜230F3の成膜方法は、酸化膜230F1の成膜方法を参照できる。
【0376】
なお、酸化膜230F1、酸化膜230F2、及び酸化膜230F3を、大気に暴露することなく、スパッタリング法で成膜することが好ましい。例えば、マルチチャンバー方式の成膜装置を用いればよい。これにより、酸化膜230F1、酸化膜230F2、及び酸化膜230F3について、各成膜工程の合間に膜中に水素が混入するのを抑制できる。
【0377】
また、酸化膜230F1及び酸化膜230F3として窒素が添加された金属酸化膜をスパッタリング法によって成膜し、酸化膜230F2として金属酸化膜をスパッタリング法によって成膜する場合、酸化膜230F1を成膜した後、スパッタリング装置に導入するガスの種類を切り替えることで、即ち窒素の導入を停止することで、酸化膜230F2を成膜する。さらに、酸化膜230F2を成膜した後、スパッタリング装置に導入するガスの種類を切り替えることで、即ち窒素を導入することで、酸化膜230F3を成膜する。これにより、酸化膜230F1、酸化膜230F2、及び酸化膜230F3を成膜することが連続的に可能であり、量産性に優れている。
【0378】
本実施の形態では、酸化膜230F1及び酸化膜230F3として、スパッタリング法によって、窒素が添加された金属酸化膜を成膜する。また、酸化膜230F2として、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]の酸化物ターゲット、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]の酸化物ターゲット、In:Ga:Zn=1:1:1.2[原子数比]の酸化物ターゲット、又はIn:Ga:Zn=1:1:2[原子数比]の酸化物ターゲットを用いて成膜する。なお、各酸化膜は、成膜条件及び原子数比を適宜選択することで、酸化物230a1、酸化物230a2、及び酸化物230a3に求める特性に合わせて形成することができる。
【0379】
次に、加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理は、酸化膜230F1、酸化膜230F2、及び酸化膜230F3が多結晶化しない温度範囲で行えばよく、250℃以上650℃以下、好ましくは400℃以上600℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、又は酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、窒素ガスと酸素ガスの混合雰囲気で加熱処理をする場合、酸素ガスを20%程度にすることが好ましい。また、加熱処理は減圧状態で行なってもよい。または、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、又は10%以上含む雰囲気で加熱処理を行なってもよい。
【0380】
また、上記加熱処理で用いるガスは、高純度化されていることが好ましい。例えば、上記加熱処理で用いるガスに含まれる水分量が1ppb以下、好ましくは0.1ppb以下、より好ましくは0.05ppb以下にすることができる。高純度化されたガスを用いて加熱処理を行うことで、酸化膜230F1、酸化膜230F2、及び酸化膜230F3などに水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
【0381】
本実施の形態では、加熱処理として、窒素ガスと酸素ガスの流量比を4:1として、400℃の温度で1時間の処理を行う。このような酸素ガスを含む加熱処理によって、酸化膜230F2中の炭素、水、及び水素などの不純物を低減できる。このように膜中の不純物を低減することで、酸化膜230F2の結晶性を向上させ、より密度の高い、緻密な構造にすることができる。これにより、酸化膜230F2中の結晶領域を増大させ、酸化膜230F2中における、結晶領域の面内ばらつきを低減できる。よって、トランジスタの電気特性の面内ばらつきを低減できる。
【0382】
また、加熱処理を行うことで、絶縁体216a中、及び酸化膜230F2中のそれぞれの水素濃度を低減できる。特に、酸化膜230F2から形成される酸化物230a2は、トランジスタ200aのチャネル形成領域として機能する。そのため、水素濃度が低減された酸化物230a2を有するトランジスタ200aは、良好な信頼性を有するため好ましい。
【0383】
次に、酸化膜230F3上に導電膜242Fを成膜する(図24(A)乃至図24(C)参照)。例えば、導電膜242Fとして、スパッタリング法を用いて窒化タンタル膜を成膜することができる。なお、導電膜242Fの成膜前に、加熱処理を行なってもよい。当該加熱処理は、減圧下で行い、大気に暴露することなく、連続して導電膜242Fを成膜してもよい。このような処理を行うことによって、酸化膜230F3の表面に吸着している水分及び水素を除去し、さらに酸化膜230F1中、酸化膜230F2中、及び酸化膜230F3中の水分濃度及び水素濃度を低減させることができる。加熱処理の温度は、100℃以上400℃以下が好ましい。本実施の形態では、加熱処理の温度を200℃とする。
【0384】
次に、導電膜242F上に絶縁膜291Fを成膜する(図24(A)乃至図24(C)参照)。絶縁膜291Fは、酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁膜を用いることが好ましい。例えば、絶縁膜291Fとして、スパッタリング法によって、酸化アルミニウム膜、又は窒化シリコン膜を成膜することができる。
【0385】
なお、導電膜242F及び絶縁膜291Fを、大気に暴露することなく、スパッタリング法で成膜することが好ましい。例えば、マルチチャンバー方式の成膜装置を用いればよい。これにより、導電膜242F及び絶縁膜291Fを、膜中の水素を低減して成膜し、さらに、各成膜工程の合間に膜中に水素が混入するのを抑制できる。また、絶縁膜291F上にハードマスクを設ける場合、当該ハードマスクとなる膜も大気に暴露することなく連続して成膜してもよい。
【0386】
次に、リソグラフィー法を用いて、酸化膜230F1、酸化膜230F2、酸化膜230F3、導電膜242F、及び絶縁膜291Fを中空円筒形状に加工して、酸化物230a(酸化物230a1、酸化物230a2、及び酸化物230a3)、導電体242a、及び絶縁体291を形成する。ここで、酸化物230a1、酸化物230a2、酸化物230a3、導電体242a、及び絶縁体291は、少なくとも一部が導電体244と重なるように形成する。上記加工はドライエッチング法又はウェットエッチング法を用いることができる。
【0387】
なお、リソグラフィー法では、まず、マスクを介してレジストを露光する。次に、露光された領域を、現像液を用いて除去または残存させてレジストマスクを形成する。次に、当該レジストマスクを介してエッチング処理することで導電体、半導体、または絶縁体などを所望の形状に加工することができる。例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV光などを用いて、レジストを露光することでレジストマスクを形成することができる。また、基板と投影レンズとの間に液体(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、前述した光に代えて、電子ビームまたはイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームまたはイオンビームを用いる場合には、マスクは不要となる。なお、レジストマスクは、アッシングなどのドライエッチング処理を行う、ウェットエッチング処理を行う、ドライエッチング処理後にウェットエッチング処理を行う、またはウェットエッチング処理後にドライエッチング処理を行うことで、除去することができる。
【0388】
さらに、レジストマスクの下に絶縁体又は導電体からなるハードマスクを用いてもよい。ハードマスクを用いる場合、導電膜242F上にハードマスク材料となる絶縁膜又は導電膜を形成し、その上にレジストマスクを形成し、ハードマスク材料をエッチングすることで所望の形状のハードマスクを形成することができる。導電膜242Fなどのエッチングは、レジストマスクを除去してから行なってもよいし、レジストマスクを残したまま行なってもよい。後者の場合、エッチング中にレジストマスクが消失することがある。導電膜242Fなどのエッチング後にハードマスクをエッチングにより除去しても良い。一方、ハードマスクの材料が後工程に影響が無い、又は後工程で利用できる場合、必ずしもハードマスクを除去する必要は無い。本実施の形態では、絶縁体291をハードマスクとして用いている。
【0389】
以降では、リソグラフィー法を用いて、中空円筒形状を有する、酸化物230a、導電体242a、及び絶縁体291を形成する方法の一例について説明する。
【0390】
まず、絶縁膜291F上にレジストマスク292を形成する(図24(A)乃至図24(C)参照)。レジストマスク292は、レジストマスク292の少なくとも一部が導電体244と重なる領域に設けられる。
【0391】
なお、レジストマスク292の上面形状を円形状としているがこれに限られるものではなく、例えば上面を楕円形状としてもよいし、三角形、及び四角形などの多角形状にしてもよい。また、上面を多角形状とする場合、当該多角形状は角部が丸みを帯びてもよい。
【0392】
レジストマスク292は、例えば、マスクを介してレジストを露光し、露光された領域を、現像液を用いて除去する又は残存させることで形成することができる。なお、レジストマスク292を酸素プラズマによる等方性エッチングにより、シュリンクしてもよい。レジストマスクのシュリンクを、レジストスリミング、又はレジストトリミングと呼ぶ場合がある。レジストマスク292をシュリンクすることで、レジストマスク292を微細化することができる。
【0393】
又は、レジストマスク292は、例えば、ラインパターンが形成可能なマスクを介してレジストを露光し、Z軸で90度回転させた当該マスクを介して当該レジストを再度露光し、露光された領域を、現像液を用いて除去する又は残存させることで形成してもよい。当該加工により、レジストマスク292の上面形状は、角部が丸みを帯びている形状、又は円形状となる。
【0394】
また、レジストマスク292の形成には、上述したマルチパターニング技術を用いるとよい。例えば、マルチパターニング技術を用いてX方向に延在するラインパターンのレジストマスクを形成し、Y方向に延在するラインパターンのレジストマスクを形成するマルチパターニング技術を用いて、X方向に延在するラインパターンのレジストマスクを加工することで、レジストマスク292を形成してもよい。当該加工により、レジストマスク292の上面形状は、角部が丸みを帯びている形状、又は円形状となる。
【0395】
次に、レジストマスク292上に絶縁膜293Fを成膜する(図24(A)乃至図24(C)参照)。絶縁膜293Fの膜厚は、図23(A)に示す幅H1に相当する。よって、絶縁膜293Fの膜厚は、トランジスタ200の設計に合わせて適宜設定することができる。
【0396】
次に、絶縁膜293Fを異方性エッチングして、絶縁体293を形成する。絶縁膜293Fの異方性エッチングとしては、例えばドライエッチング法を用いればよい。絶縁膜293Fを異方性エッチングすることで、レジストマスク292の側面に絶縁体293が形成される。つまり、絶縁体293はサイドウォールと言い換えることができる。
【0397】
次に、レジストマスク292を除去する(図25(A)乃至図25(C)参照)。レジストマスク292を除去することで、絶縁膜291F上に絶縁体293が残存する。なお、絶縁体293が有する開口の上面形状は、レジストマスク292の上面形状に対応する。例えば、レジストマスク292の上面が円形状である場合、図25(A)に示すように、絶縁体293の上面形状は中空円筒形状となる。また、レジストマスク292の上面形状が上述した楕円形状である場合、絶縁体293の上面形状は、中空の楕円形状となる。また、レジストマスク292の上面形状が上述した角部が丸みを帯びている多角形状である場合、絶縁体293の上面形状は、角部が丸みを帯びている中空の多角形状となる。
【0398】
次に、絶縁体293をハードマスクとして、絶縁膜291Fの一部、導電膜242Fの一部、酸化膜230F3の一部、酸化膜230F2の一部、及び酸化膜230F1の一部を、絶縁体216a及び導電体244の上面が露出するまで加工する。上記加工はドライエッチング法又はウェットエッチング法を用いることができる。ドライエッチング法による加工は微細加工に適している。また、絶縁膜291F、導電膜242F、酸化膜230F3、酸化膜230F2、及び酸化膜230F1の加工は、それぞれ異なる条件で行なってもよい。
【0399】
上記加工により、上面形状が絶縁体293の上面形状と同じ又は概略同じである、絶縁体291、導電体242a、及び酸化物230a(酸化物230a1、酸化物230a2、及び酸化物230a3)が形成される(図26(A)乃至図26(C)参照)。つまり、平面視において、絶縁体291、導電体242a、及び酸化物230aは、端部が一致する。また、酸化物230a、導電体242a、及び絶縁体291のそれぞれは、中空円筒形状となる。なお、上述したように、酸化物230a、導電体242a、及び絶縁体291の上面形状は、レジストマスク292の上面形状に対応する。よって、上記中空円筒形状は、レジストマスク292の上面形状に合わせて適宜言い換えることができる。
【0400】
以上が、リソグラフィー法を用いて、中空円筒形状を有する、酸化物230a、導電体242a、及び絶縁体291を形成する方法の一例である。
【0401】
なお、酸化物230a、及び導電体242aの側面が、絶縁体216aの上面に対し、垂直となる構成にすることが好ましい。このような構成にすることで、複数のトランジスタ200aを設ける際に、小面積化、及び高密度化が可能となる。
【0402】
ただし、上記構成に限られず、図19(A)を用いて説明したように、酸化物230a、及び導電体242aの側面がテーパ形状になっていてもよい。側面をテーパ形状にすることで、これより後の工程において、絶縁体250a1及び絶縁体251a1となる絶縁膜などの被覆性が向上し、鬆などの欠陥を低減できる。
【0403】
次に、絶縁体293を除去する(図26(A)乃至図26(C)参照)。
【0404】
ここまでの工程で、酸化物230a、導電体242a、及び絶縁体291の側面への不純物の付着又はこれらの内部への当該不純物の拡散が生じる場合がある。このような不純物を除去する工程を行なってもよい。当該不純物として、例えば、ハフニウム、アルミニウム、シリコン、タンタル、フッ素、又は塩素などがある。
【0405】
上記エッチング工程で酸化物230aの側面に付着した不純物を除去するために、洗浄処理を行なってもよい。洗浄方法としては、洗浄液などを用いたウェット洗浄(ウェットエッチング処理ということもできる)、プラズマを用いたプラズマ処理、熱処理による洗浄などがあり、上記洗浄を適宜組み合わせて行なってもよい。
【0406】
ウェット洗浄としては、アンモニア水、シュウ酸、リン酸、もしくはフッ化水素酸などを炭酸水もしくは純水で希釈した水溶液、純水、又は炭酸水などを用いて行なってもよい。又は、これらの水溶液、純水、又は炭酸水を用いた超音波洗浄を行なってもよい。又は、これらの洗浄を適宜組み合わせて行なってもよい。
【0407】
なお、本明細書等では、フッ化水素酸を純水で希釈した水溶液を希釈フッ化水素酸と呼び、アンモニア水を純水で希釈した水溶液を希釈アンモニア水と呼ぶ場合がある。また、当該水溶液の濃度、温度などは、除去したい不純物、洗浄される半導体装置の構成などによって、適宜調整することができる。希釈アンモニア水のアンモニア濃度は0.01%以上5%以下、好ましくは0.1%以上0.5%以下とすることができる。また、希釈フッ化水素酸のフッ化水素濃度は0.01ppm以上100ppm以下、好ましくは0.1ppm以上10ppm以下とすることができる。
【0408】
なお、超音波洗浄には、200kHz以上、好ましくは900kHz以上の周波数を用いることが好ましい。当該周波数を用いることで、酸化物230aなどへのダメージを低減できる。
【0409】
また、上記洗浄処理を複数回行なってもよく、洗浄処理毎に洗浄液を変更してもよい。例えば、第1の洗浄処理として希釈フッ化水素酸又は希釈アンモニア水を用いた処理を行い、第2の洗浄処理として純水又は炭酸水を用いた処理を行なってもよい。
【0410】
上記エッチング後、又は上記洗浄後に加熱処理を行なってもよい。加熱処理は、100℃以上450℃以下、好ましくは350℃以上400℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物230a2に酸素を供給して、酸素欠損の低減を図ることができる。また、このような熱処理を行うことで、酸化物230a2の結晶性を向上させることができる。また、加熱処理は減圧状態で行なってもよい。又は、酸素雰囲気で加熱処理した後に、大気に露出せずに連続して窒素雰囲気で加熱処理を行なってもよい。
【0411】
なお、上記洗浄処理及び加熱処理は、絶縁体293を除去する前に行なってもよい。
【0412】
次に、絶縁体216a、導電体244、及び絶縁体291上に、絶縁膜250F1を成膜する(図27(A)乃至図27(C)参照)。別言すると、酸化物230a、導電体242a、及び絶縁体291を覆って、絶縁膜250F1を成膜する。
【0413】
絶縁膜250F1はALD法を用いて成膜することが好ましい。上述の通り、絶縁膜250F1は薄い膜厚で成膜することが好ましく、膜厚のばらつきが小さくなるようにする必要がある。これに対して、ALD法は、プリカーサと、リアクタント(例えば酸化剤など)を交互に導入して行う成膜方法であり、このサイクルを繰り返す回数によって膜厚を調節することができるため、精密な膜厚調節が可能である。また、図27(A)乃至図27(C)に示すように、絶縁膜250F1は、酸化物230a、導電体242a、及び絶縁体291に形成される開口の側面、酸化物230a、導電体242a、及び絶縁体291の外側の側面、並びに導電体244及び絶縁体216aの上面に、被覆性良く成膜される必要がある。特に、酸化物230aの側面、及び導電体242aの側面には、被覆性良く成膜されることが好ましい。ALD法は、上記開口の底面及び側面において原子の層を一層ずつ堆積させることができるため、絶縁膜250F1を当該開口に対して良好な被覆性で成膜することができる。
【0414】
また、絶縁膜250F1をALD法で成膜する場合、酸化剤として、オゾン(O)、酸素(O)、水(HO)などを用いることができる。水素を含まない、オゾン(O)、酸素(O)などを酸化剤として用いることで、酸化物230aに拡散する水素を低減できる。
【0415】
絶縁膜250F1は、酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁膜を用いることが好ましい。例えば、絶縁膜250F1として、ALD法を用いて酸化アルミニウム膜を成膜することができる。このようにして、酸化物230a及び導電体242aを、酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁膜250F1で覆うことができる。これにより、後の工程で、酸化物230a及び導電体242aに、絶縁体274aなどから酸素が直接拡散するのを抑制できる。
【0416】
次に、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行なってもよい。ここで、マイクロ波処理とは、例えばマイクロ波を用いて高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いた処理のことを指す。また、本明細書等において、マイクロ波とは、300MHz以上300GHz以下の周波数を有する電磁波を指すものとする。
【0417】
マイクロ波処理は、例えばマイクロ波を用いた高密度プラズマを発生させる電源を有する、マイクロ波処理装置を用いることが好ましい。ここで、マイクロ波処理装置の周波数は、300MHz以上300GHz以下、好ましくは2.4GHz以上2.5GHz以下、例えば、2.45GHzにすることができる。高密度プラズマを用いることより、高密度の酸素ラジカルを生成することができる。また、マイクロ波処理装置のマイクロ波を印加する電源の電力は、1000W以上10000W以下、好ましくは2000W以上5000W以下にすることができる。また、マイクロ波処理装置は基板側にRFを印加する電源を有してもよい。また、基板側にRFを印加することで、高密度プラズマによって生成された酸素イオンを、効率よく酸化物230a2中に導くことができる。
【0418】
また、上記マイクロ波処理は、減圧下で行うことが好ましく、圧力は、10Pa以上1000Pa以下、好ましくは300Pa以上700Pa以下にすることができる。また、処理温度は、750℃以下、好ましくは500℃以下、例えば400℃程度とすることができる。また、酸素プラズマ処理を行なった後に、外気に曝すことなく、連続して熱処理を行なってもよい。例えば、100℃以上750℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下にすることができる。
【0419】
また、例えば、上記マイクロ波処理は、酸素ガスとアルゴンガスを用いて行えばよい。ここで、酸素流量比(O/(O+Ar))は、0%より大きく100%以下、好ましくは0%より大きく50%以下、より好ましくは10%以上40%以下、さらに好ましくは10%以上30%以下にすることができる。このように、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うことで、酸化物230a2中のキャリア濃度を低下させることができる。また、マイクロ波処理において、チャンバーに過剰な量の酸素が導入されないようにすることで、酸化物230a1及び酸化物230a3でキャリア濃度が過剰に低下するのを防ぐことができる。
【0420】
酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うことで、マイクロ波、又はRF等の高周波を用いて酸素ガスをプラズマ化し、当該酸素プラズマを酸化物230a2に作用させることができる。このとき、マイクロ波、又はRF等の高周波を酸化物230a2に照射することもできる。つまり、酸化物230a2に、マイクロ波、もしくはRF等の高周波、または酸素プラズマなどを作用させることができる。プラズマ、またはマイクロ波などの作用により、酸化物230a2のVHを分断し、水素を酸化物230a2から除去することができる。つまり、酸化物230a2に含まれるVHを低減できる。よって、酸化物230a2中の酸素欠損、およびVHを低減し、キャリア濃度を低下させることができる。また、酸化物230a2で形成された酸素欠損に、上記酸素プラズマで発生した酸素ラジカル、または絶縁体250a1に含まれる酸素を供給することで、さらに、酸化物230a2中の酸素欠損を低減し、キャリア濃度を低下させることができる。
【0421】
また、導電体242aの側面に接して、酸素に対するバリア性を有する絶縁膜250F1が設けられている。これにより、マイクロ波処理によって、導電体242aの側面に酸化膜が形成されるのを抑制できる。
【0422】
また、絶縁膜250F1の膜質を向上させることができるため、トランジスタ200aの信頼性が向上する。
【0423】
次に、絶縁膜250F1上に絶縁膜250F2を成膜する(図27(A)乃至図27(C)参照)。絶縁膜250F2は、酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体を用いて形成することが好ましい。このような構成にすることで、酸化物230aに含まれる酸素による導電体260aの酸化を抑制できる。例えば、絶縁膜250F2として、熱ALD法を用いて酸化ハフニウム膜を成膜することができる。なお、酸化ハフニウムは、高誘電率材料でもある。よって、絶縁膜250F2として酸化ハフニウム膜を成膜することで、ゲート絶縁体として機能する絶縁体の等価酸化膜厚の薄膜化が可能となる。よって、絶縁体250aの絶縁耐圧を高くすることができる。
【0424】
絶縁膜250F1を成膜した後に上記マイクロ波処理を行わない場合、絶縁膜250F1及び絶縁膜250F2は、大気環境にさらさずに連続して成膜することが好ましい。大気開放せずに成膜することで、絶縁膜250F1上に大気環境からの不純物又は水分が付着することを防ぐことができ、絶縁膜250F1と絶縁膜250F2との界面及びその近傍を清浄に保つことができる。
【0425】
次に、絶縁膜250F2上に絶縁膜274Fを成膜する(図27(A)乃至図27(C)参照)。例えば、絶縁膜274Fとして、スパッタリング法を用いて酸化シリコン膜を成膜することができる。成膜ガスに水素を含む分子を用いなくてもよいスパッタリング法を用いることで、絶縁膜274F中の水素濃度を低減できる。なお、絶縁膜274Fの成膜前に、加熱処理を行なってもよい。本実施の形態では、絶縁膜274Fとして、CVD法によって酸化シリコン膜を成膜する。
【0426】
次に、CMP処理を行うことで、絶縁膜274Fの一部、絶縁膜250F2の一部、及び絶縁膜250F1の一部を除去し、絶縁体291を露出する。当該CMP処理によって、絶縁体274a、絶縁体274c、絶縁体250a(絶縁体250a1及び絶縁体250a2)、及び絶縁体251a(絶縁体251a1及び絶縁体251a2)が形成される。具体的には、絶縁膜274Fから絶縁体274a及び絶縁体274cが形成され、絶縁膜250F2から絶縁体250a2及び絶縁体251a2が形成され、絶縁膜250F1から絶縁体250a1及び絶縁体251a1が形成される(図28(A)乃至図28(C)参照)。
【0427】
上述したように、酸化物230a、導電体242a、及び絶縁体291のそれぞれは、中空円筒形状を有する。つまり、酸化物230a、導電体242a、及び絶縁体291の積層体は、中空円筒形状を有する。絶縁体250a1は、当該積層体の中空部の内壁、絶縁体216aの上面、及び導電体244の上面に接して設けられ、絶縁体250a2は、絶縁体250a1に形成された凹部の内壁及び底面に接して設けられ、絶縁体274cは、絶縁体250a2に形成された凹部を埋め込むように設けられる。
【0428】
また、絶縁体251a1は、上記積層体の外側の側面、絶縁体216aの上面、及び導電体244の上面に接して設けられる。また、絶縁体251a2は、絶縁体251a1の上面に接して設けられ、絶縁体274aは、絶縁体251a2の上面に接して設けられる。
【0429】
上記CMP処理により、絶縁体291の上面の一部が除去される場合がある。
【0430】
絶縁体274aの上面は、絶縁体274cの上面と高さが一致する。また、絶縁体250a1、絶縁体250a2、絶縁体251a1、及び絶縁体251a2は、それぞれの最上部の高さが一致する。
【0431】
次に、絶縁体291を除去し、導電体242aの上面を露出する(図28(A)乃至図28(C)参照)。絶縁体291の除去には、ドライエッチング法又はウェットエッチング法を用いるとよい。
【0432】
絶縁体291を除去することで、導電体242aの上面を自己整合的に露出することができる。したがって、後に形成する導電体246aを、位置合わせすることなく確実に導電体242aと接するように配置することができる。なお、絶縁体291をエッチングによって除去する際、絶縁体274cが当該エッチングにより除去されないように、選択比の高いエッチング条件を用いることが好ましい。これにより、絶縁体291を除去した後、絶縁体274cを残存させることができる。
【0433】
次に、導電体246aとなる導電膜、絶縁体277aとなる絶縁膜を順に成膜する。次に、リソグラフィー法によって、当該導電膜の一部、及び当該絶縁膜の一部を加工する(図29(A)乃至図29(C)参照)。当該加工により、導電体246a及び絶縁体277aを形成することができる。このとき、導電体246aの導電体242aと重なる領域に凸型の形状部が形成される。なお、当該加工は、ウェットエッチングを用いてもよいが、ドライエッチングを用いるほうが微細加工には好ましい。
【0434】
次に、絶縁体250a、絶縁体277a、及び絶縁体274cなどの上に絶縁体278aとなる絶縁膜を成膜する。当該絶縁膜は、絶縁体277aとなる絶縁膜と同じ材料を用いて成膜してもよいし、異なる材料を用いて成膜してもよい。
【0435】
次に、CMP処理を行うことで、絶縁体278aとなる絶縁膜の一部を除去し、絶縁体277aを露出する。当該CMP処理によって、上面が平坦化された絶縁体278aが形成される(図30(A)乃至図30(C)参照)。なお、当該CMP処理により、絶縁体277aの上面の一部が除去される場合がある。
【0436】
次に、絶縁体278aの、絶縁体274c及び絶縁体250aと重なる領域に開口を形成する(図31(A)乃至図31(C)参照)。なお、レジストマスク292を上述したマルチパターニング技術を用いて形成する場合、絶縁体278aに開口を形成する場合にも、上述したマルチパターニング技術を用いる。
【0437】
次に、絶縁体274c、絶縁体250a、絶縁体277a、及び絶縁体278a上に、絶縁体276aとなる絶縁膜を成膜する。当該絶縁膜はALD法を用いて成膜することが好ましい。当該絶縁膜は、絶縁体278aに形成される開口の底面及び側面に、被覆性良く成膜される必要がある。ALD法は、上記開口の底面及び側面において原子の層を一層ずつ堆積させることができるため、当該絶縁膜を当該開口に対して良好な被覆性で成膜することができる。本実施の形態では、当該絶縁膜としてPEALD法で窒化シリコン膜を成膜する。
【0438】
次に、絶縁体276aとなる絶縁膜を異方性エッチングして絶縁体276aを形成する(図32(A)乃至図32(C)参照)。絶縁体276aを形成することで、絶縁体250a2の上面の一部、及び絶縁体274cの上面が露出する。
【0439】
上記異方性エッチングとしては、例えばドライエッチング法を用いればよい。開口部の側面に絶縁体276aを設けることで、導電体246aと後に形成する導電体260aとの物理的距離を保つことができる。したがって、導電体246aと導電体260aとが導通することを防止できる。別言すると、導電体246aと導電体260aとが電気的に接続することを防止できる。
【0440】
次に、絶縁体274cを除去する。絶縁体274cの除去には、ドライエッチング法又はウェットエッチング法を用いるとよい。なお、絶縁体274cをエッチングによって除去する際、絶縁体250a及び絶縁体276aが当該エッチングにより除去されないように、選択比の高いエッチング条件を用いることが好ましい。これにより、絶縁体274cを除去した後、絶縁体250a及び絶縁体276aを残存させることができる。
【0441】
次に、導電膜260F、導電膜261Fを順に成膜する(図33(A)乃至図33(C)参照)。本実施の形態では、導電膜260FとしてALD法を用いて窒化チタン膜を成膜し、導電膜261FとしてCVD法を用いてタングステン膜を成膜する。
【0442】
次に、CMP処理を行うことで、導電膜260Fの一部、及び導電膜261Fの一部を除去し、絶縁体276a、絶縁体277a、及び絶縁体278aを露出する。当該CMP処理によって、導電体260aが形成される(図34(A)乃至図34(C)参照)。これにより、導電体260aは、絶縁体276aの開口及び絶縁体250aの凹部を埋め込むように配置される。つまり、導電体260aは、絶縁体250aを介して、酸化物230aに形成される開口を埋め込むように配置される。
【0443】
なお、図34(B)及び図34(C)では、絶縁体276aの開口及び絶縁体250aの凹部に導電膜260Fの一部が残存することで導電体260aが形成されているが、本発明はこれに限られない。上記CMP処理の条件、又は絶縁体276aの開口の大きさもしくは深さなどによっては、絶縁体276aの開口及び絶縁体250aの凹部に、導電膜260Fの一部及び導電膜261Fの一部が残存する場合がある。このとき、導電体260aは、導電膜260Fから形成された第1の導電体と、導電膜261Fから形成された第2の導電体との積層構造となる。また、図34(B)及び図34(C)に示すように、絶縁体276aの開口及び絶縁体250aの凹部に導電膜260Fのみを残存させる場合、導電膜261Fを成膜しなくてもよい場合がある。
【0444】
上記CMP処理により、絶縁体277aの一部及び絶縁体278aの一部が除去される場合がある。
【0445】
次に、導電体260a、絶縁体276a、絶縁体277a、及び絶縁体278a上に絶縁体310を成膜する。絶縁体310の成膜は、絶縁体216aの成膜に係る記載を参照できる。
【0446】
次に、絶縁体310の、導電体260aと重なる領域に開口を形成する。なお、当該開口を形成する際、絶縁体276aの一部が除去される場合がある。
【0447】
次に、絶縁体310に形成した開口を埋め込むように、導電体311を形成する(図35(A)乃至図35(C)参照)。導電体311の形成は、導電体244の形成に係る記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。なお、導電体311の形成により、絶縁体310の一部が除去される場合がある。
【0448】
次に、絶縁体310を除去する(図36(A)乃至図36(C)参照)。絶縁体310の除去には、ドライエッチング法又はウェットエッチング法を用いるとよい。
【0449】
次に、絶縁体313、導電体312、及び絶縁体314を順に成膜する(図37(A)乃至図37(C)参照)。
【0450】
絶縁体313及び導電体312はALD法を用いて成膜することが好ましい。絶縁体313及び導電体312は、導電体311の上面及び側面に、被覆性良く成膜される必要がある。ALD法は、導電体311の上面及び側面において原子の層を一層ずつ堆積させることができるため、絶縁体313及び導電体312を良好な被覆性で成膜することができる。
【0451】
絶縁体314は、CMP処理によって上面が平坦化されることが好ましい。
【0452】
次に、絶縁体314及び導電体312に、導電体311と重なる開口を形成する(図38(A)乃至図38(C)参照)。平面視において、当該開口の面積は、導電体311の面積よりも大きいことが好ましい。このような構成にすることで、導電体311と、後に形成する導電体316とを、当該開口の内側で接する構成とすることができる。
【0453】
次に、絶縁体313及び絶縁体314上に、絶縁膜315Fを成膜する(図39(A)乃至図39(C)参照)。絶縁膜315Fの膜厚は、絶縁体313の膜厚と一致することが好ましい。また、絶縁膜315Fは、絶縁体313と同じ材料を用いて形成されることが好ましい。絶縁体313と、絶縁膜315Fから形成される絶縁体315は、容量素子300の誘電体として機能する。よって、上記の構成にすることで、Z方向において、容量素子300の一対の電極の間隔が一定に保たれ、容量素子300間の静電容量のばらつきを低減できる。
【0454】
次に、絶縁膜315Fを異方性エッチングして、絶縁体315を形成する(図40(A)乃至図40(C)参照)。絶縁体315を形成することで、絶縁体313の上面の一部が露出する。また、絶縁体314及び導電体312に形成された開口の側面に絶縁体315が形成される。つまり、絶縁体315はサイドウォールと言い換えることができる。
【0455】
次に、絶縁体313に、導電体311に達する開口を形成する(図41(A)乃至図41(C)参照)。
【0456】
なお、絶縁膜315Fと絶縁体313とを同じ材料を用いて形成する場合、絶縁膜315Fを異方性エッチングする際、絶縁体313の上面の一部も除去されることがある。このとき、絶縁体315と、絶縁体313の導電体311に達する開口と、を同時に形成することができる。
【0457】
次に、絶縁体315及び絶縁体313に形成した開口を埋め込むように、導電体316を形成する(図42(A)乃至図42(C)参照)。導電体316の形成は、導電体244の形成に係る記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。なお、導電体316の形成により、絶縁体314の一部及び絶縁体315の一部が除去される場合がある。
【0458】
なお、絶縁体314に、導電体312に達する開口を形成し、当該開口を埋め込むように導電体317を形成してもよい(図43(A)乃至図43(C)参照)。このとき、導電体317を配線として機能させることで、導電体312を薄膜化することができる。よって、ALD法による導電体312の成膜時間が短くなり、半導体装置の生産性を向上させることができる。
【0459】
次に、導電体316、絶縁体315、及び絶縁体314上に、絶縁体216bを形成する。次に、絶縁体216bの、導電体316と重なる領域に開口を形成し、当該開口を埋め込むように導電体245を形成する(図44(A)乃至図44(C)参照)。絶縁体216b及び導電体245の形成はそれぞれ、絶縁体216a及び導電体244の形成に係る記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0460】
続いて、トランジスタ200bを形成する。トランジスタ200bの作製方法(酸化物230bから導電体260bまでの作製方法)は、図24(A)乃至図34(C)を用いて説明した内容を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0461】
次に、導電体260b、絶縁体276b、絶縁体277b、及び絶縁体278b上に、絶縁体285を形成する(図22(A)乃至図22(C)参照)。絶縁体285の成膜は、スパッタリング法を用いて行うことが好ましい。成膜ガスに水素を含む分子を用いなくてもよいスパッタリング法を用いることで、絶縁体285中の水素濃度を低減できる。本実施の形態では、絶縁体285として、スパッタリング法によって酸化シリコン膜を成膜する。
【0462】
次に、絶縁体285に開口を形成する(図22(A)乃至図22(C)参照)。当該開口を形成することで、少なくとも、導電体260bの上面及び絶縁体276bの上面が露出する。開口の形成はウェットエッチングを用いてもよいが、ドライエッチングを用いるほうが微細加工には好ましい。なお、絶縁体285に開口を形成する際、絶縁体276bの一部が除去される場合がある。
【0463】
次に、導電体262aとなる導電膜、導電体262bとなる導電膜を順に成膜する。本実施の形態では、導電体262aとなる導電膜としてALD法を用いて窒化チタン膜を成膜し、導電体262bとなる導電膜としてCVD法を用いてタングステン膜を成膜する。
【0464】
次に、CMP処理を行うことで、導電体262aとなる導電膜の一部、及び導電体262bとなる導電膜の一部を除去し、絶縁体285を露出する。当該CMP処理によって、導電体262(導電体262a及び導電体262b)を形成する(図22(A)乃至図22(C)参照)。
【0465】
以上により、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置を作製できる。
【0466】
[変形例1]
以下では、図45(A)乃至図45(C)を用いて、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置と異なる構成例について説明する。
【0467】
図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置の変形例を図45(A)乃至図45(C)に示す。図45(A)は、当該半導体装置の平面図である。また、図45(B)及び図45(C)は、当該半導体装置の断面図である。ここで、図45(B)は、図45(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図45(C)は、図45(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位の断面図である。なお、図45(A)では、半導体装置が有する複数のメモリセルのうちの4つを示している。
【0468】
図45(A)乃至図45(C)に示す半導体装置は、絶縁体250及び絶縁体251のそれぞれが3層の積層構造を有する点で、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置とは異なる。また、図45(A)乃至図45(C)に示す半導体装置は、絶縁体212及び絶縁体247を有する点で、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置とは異なる。以降では、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置と異なる部分について主に説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0469】
絶縁体250aは、絶縁体250a1と、絶縁体250a1上の絶縁体250a2と、絶縁体250a2上の絶縁体250a3と、の3層積層構造を有する。絶縁体250a3は、絶縁体250a2と、導電体260aとの間に設けられる。絶縁体250bは、絶縁体250b1と、絶縁体250b1上の絶縁体250b2と、絶縁体250b2上の絶縁体250b3と、の3層積層構造を有する。絶縁体250b3は、絶縁体250b2と、導電体260bとの間に設けられる。以降では、絶縁体250a3及び絶縁体250b3をまとめて絶縁体250_3ということがある。
【0470】
絶縁体251aは、絶縁体251a1と、絶縁体251a1上の絶縁体251a2と、絶縁体251a2上の絶縁体251a3と、の3層積層構造を有する。絶縁体251a3は、絶縁体251a2と、絶縁体274aとの間に設けられる。絶縁体251bは、絶縁体251b1と、絶縁体251b1上の絶縁体251b2と、絶縁体251b2上の絶縁体251b3と、の3層積層構造を有する。絶縁体251b3は、絶縁体251b2と、絶縁体274bとの間に設けられる。以降では、絶縁体251a3及び絶縁体251b3をまとめて絶縁体251_3ということがある。
【0471】
絶縁体250_3はゲート絶縁体の一部として機能する。絶縁体250_3としては、水素に対するバリア絶縁膜を用いることが好ましい。これにより、導電体260に含まれる水素などの不純物が、酸化物230_2に拡散するのを抑制できる。絶縁体250_3として、例えば、窒化シリコンを用いるとよい。また、例えば、絶縁体250_3としてPEALD法で成膜した窒化シリコンを用いるとよい。この場合、絶縁体250_3は、少なくとも窒素と、シリコンと、を有する。または、絶縁体250_3として、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、インジウムガリウム亜鉛酸化物、又は窒化酸化シリコンなどを用いてもよい。
【0472】
また、絶縁体250_3が、さらに酸素に対するバリア性を有してもよい。これにより、絶縁体250_2に含まれる酸素が、導電体260へ拡散するのを抑制できる。
【0473】
また、絶縁体250_3は、絶縁体250_1、絶縁体250_2、及び導電体260と、ともに、酸化物230及び導電体242が有する開口に設ける必要がある。トランジスタ200の微細化を図るにあたって、絶縁体250_3の膜厚は薄いことが好ましい。絶縁体250_3の膜厚は、0.1nm以上5.0nm以下、好ましくは0.5nm以上3.0nm以下、より好ましくは1.0nm以上3.0nm以下とする。この場合、絶縁体250_3は、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。また、絶縁体250_3の膜厚は絶縁体250_2の膜厚より薄いことが好ましい。この場合、絶縁体250_3は、少なくとも一部において、絶縁体250_2より膜厚が薄い領域を有していればよい。
【0474】
絶縁体250_3及び絶縁体251_3は同じ工程で形成される。したがって、絶縁体251_3は、絶縁体250_3と同じ絶縁性材料を有する。また、絶縁体251_3の膜厚は、絶縁体250_3の膜厚と等しくなる。
【0475】
絶縁体247は、導電体262と、絶縁体277b、絶縁体278b、及び絶縁体285との間に位置する。また、絶縁体247は、導電体262の側面に接するように設けられている。
【0476】
絶縁体247は、水、水素などの不純物が、導電体262に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。これにより、絶縁体285に含まれる水素などの不純物が、導電体262を介して、酸化物230_2に拡散するのを抑制できる。絶縁体247としては、絶縁体250_3に用いることができる絶縁体を用いればよい。例えば、絶縁体247としてPEALD法で成膜した窒化シリコンを用いればよい。この場合、絶縁体247は、少なくとも窒素と、シリコンと、を有する。
【0477】
なお、絶縁体247と同一材料からなる絶縁体が、導電体260bの絶縁体276bから露出した領域の側面を覆うように形成される場合がある。
【0478】
絶縁体212は、基板(図示せず)上に設けられ、絶縁体216a及び導電体244の下方に設けられる。
【0479】
絶縁体212は層間膜として機能する。絶縁体212は、水、水素などの不純物が、基板側からトランジスタ200aに拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。絶縁体212を設けることで、水、水素などの不純物が、基板側からトランジスタ200a側に拡散するのを抑制できる。
【0480】
絶縁体212としては、上述の絶縁体250_3に用いることができる絶縁体を用いればよい。例えば、絶縁体212としては、窒化シリコン又は窒化酸化シリコンなどの、シリコンを含む窒化物を用いることが好ましい。具体的には、絶縁体212としてスパッタリング法で成膜された窒化シリコン膜を用いればよい。絶縁体212をスパッタリング法で成膜することで、密度が高い窒化シリコン膜を形成することができる。また、絶縁体212として、スパッタリング法で成膜された窒化シリコン膜の上に、さらに、PEALD法、又はCVD法で成膜された窒化シリコン膜を積層してもよい。
【0481】
[変形例2]
以下では、図46(A)乃至図48(C)を用いて、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置と異なる構成例、及びその作製方法について説明する。
【0482】
図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置の変形例を図46(A)乃至図46(C)に示す。図46(A)は、当該半導体装置の平面図である。また、図46(B)及び図46(C)は、当該半導体装置の断面図である。ここで、図46(B)は、図46(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図46(C)は、図46(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位の断面図である。なお、図46(A)では、半導体装置が有する複数のメモリセルのうちの4つを示している。
【0483】
図46(A)乃至図46(C)に示す半導体装置は、絶縁体314、絶縁体315、導電体316、及び導電体317を設けない点で、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置とは異なる。以降では、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置と異なる部分について主に説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0484】
図46(A)乃至図46(C)に示す半導体装置が有するメモリセルは、図10(A)乃至図10(C)に示すメモリセル100の詳細な構成例でもある。
【0485】
図46(A)乃至図46(C)に示す半導体装置では、導電体311の上面は、導電体312及び絶縁体313のそれぞれの上面と高さが一致する。
【0486】
絶縁体314、絶縁体315、導電体316、及び導電体317を設けない構成とすることで、半導体装置の作製工程が短縮され、半導体装置の生産性を高めることができる。
【0487】
平面視において、導電体245及び導電体311は、端部が一致することが好ましい。または、導電体245の輪郭は、導電体311の輪郭よりも内側に位置することが好ましい。このような構成にすることで、導電体245と導電体312が接することを防ぎ、導電体245と導電体312の間のリーク電流及びショートを防止できる。
【0488】
また、平面視において、導電体311と導電体260aが重なる範囲において、導電体311の中心と導電体260aの中心とをずらしてもよい。このような構成にすることで、トランジスタ200aの中心とトランジスタ200bの中心をずらすことなく、導電体260a、導電体311、導電体245、及び酸化物230bとを接続することができる。よって、メモリセルの占有面積を小さくし、メモリ密度の向上を図ることができる。また、トランジスタ200aに用いるマスクと、トランジスタ200bに用いるマスクとを共通化できるため、製造コストを低くすることができる。
【0489】
次に、図46(A)乃至図46(C)に示す半導体装置の作製方法を、図47(A)乃至図48(C)を用いて説明する。
【0490】
図47(A)乃至図48(C)において、各図の(A)は、平面図を示す。また、各図の(B)はそれぞれ、各図の(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位に対応する断面図である。また、各図の(C)はそれぞれ、各図の(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位に対応する断面図である。
【0491】
導電体311を形成するまでの作製方法は、図24(A)乃至図36(C)を用いて説明した内容を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0492】
次に、導電体311、絶縁体276a、絶縁体277a、及び絶縁体278a上に、絶縁膜313F、導電膜312Fを順に成膜する(図47(A)乃至図47(C)参照)。絶縁膜313F及び導電膜312Fの成膜はそれぞれ、絶縁体313及び導電体312の成膜に係る記載を参照できる。
【0493】
なお、導電膜312Fは第1の導電膜と、第1の導電膜上の第2の導電膜との2層積層膜であってもよい。このとき、例えば、導電膜312Fの第1の導電膜としてALD法を用いて窒化チタン膜を成膜し、導電膜312Fの第2の導電膜としてCVD法を用いてタングステン膜を成膜してもよい。
【0494】
次に、CMP処理を行うことで、導電膜312Fの一部、及び絶縁膜313Fの一部を除去し、導電体311を露出する。当該CMP処理によって、導電体312及び絶縁体313が形成される(図48(A)乃至図48(C)参照)。
【0495】
絶縁体216及び導電体245の形成方法、トランジスタ200bの形成方法、絶縁体285及び導電体262の形成方法は、先の[半導体装置の作製方法1]で説明した内容を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0496】
以上により、図46(A)乃至図46(C)に示す半導体装置を作製できる。
【0497】
[変形例3]
以下では、図49(A)乃至図55(C)を用いて、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置及び図46(A)乃至図46(C)に示す半導体装置と異なる構成例、及びその作製方法について説明する。
【0498】
図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置及び図46(A)乃至図46(C)に示す半導体装置の変形例を図49(A)乃至図49(C)に示す。図49(A)は、当該半導体装置の平面図である。また、図49(B)及び図49(C)は、当該半導体装置の断面図である。ここで、図49(B)は、図49(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図49(C)は、図49(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位の断面図である。なお、図49(A)では、半導体装置が有する複数のメモリセルのうちの4つを示している。
【0499】
図49(A)乃至図49(C)に示す半導体装置は、絶縁体314、絶縁体315、導電体316、導電体317、及び導電体245を設けない点で、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置とは異なる。また、図49(A)乃至図49(C)に示す半導体装置は、導電体245を設けない点で、図46(A)乃至図46(C)に示す半導体装置とは異なる。以降では、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置又は図46(A)乃至図46(C)に示す半導体装置と異なる部分について主に説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0500】
図49(A)乃至図49(C)に示す半導体装置が有するメモリセルは、図17(A)乃至図17(C)に示すメモリセル100の詳細な構成例でもある。
【0501】
絶縁体276a、絶縁体277a、及び絶縁体278a上に導電体312が設けられ、導電体312上に絶縁体216bが設けられている。絶縁体216b及び導電体312には、導電体260aと重なる領域に開口が形成されている。絶縁体216b及び導電体312に形成された開口の側面に接して絶縁体313が設けられ、その内側に導電体311が設けられている。
【0502】
導電体311は、導電体260aの上面に接する領域と、酸化物230bの下面の少なくとも一部に接する領域と、を有する。導電体311の上面は、絶縁体313及び絶縁体216bのそれぞれの上面と高さが一致する。
【0503】
絶縁体314、絶縁体315、導電体316、導電体317、及び導電体245を設けない構成とすることで、半導体装置の作製工程が短縮され、半導体装置の生産性を高めることができる。
【0504】
平面視において、導電体311と導電体260aが重なる領域を有する範囲において、導電体311の中心と導電体260aの中心とはずれている。このような構成にすることで、トランジスタ200aの中心とトランジスタ200bの中心をずらすことなく、導電体260a、導電体311、及び酸化物230bとを接続することができる。よって、メモリセルの占有面積を小さくし、メモリ密度の向上を図ることができる。また、トランジスタ200aに用いるマスクと、トランジスタ200bに用いるマスクとを共通化できるため、製造コストを低くすることができる。
【0505】
次に、図49(A)乃至図49(C)に示す半導体装置の作製方法を、図50(A)乃至図53(C)を用いて説明する。
【0506】
図50(A)乃至図53(C)において、各図の(A)は、平面図を示す。また、各図の(B)はそれぞれ、各図の(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位に対応する断面図である。また、各図の(C)はそれぞれ、各図の(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位に対応する断面図である。
【0507】
導電体260aを形成するまでの作製方法は、図24(A)乃至図34(C)を用いて説明した内容を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0508】
次に、導電体260a、絶縁体276a、絶縁体277a、及び絶縁体278a上に、導電体312、絶縁体216bを順に成膜する(図50(A)乃至図50(C)参照)。導電体312及び絶縁体216bの成膜はそれぞれ、導電膜312F及び絶縁体216aの成膜に係る記載を参照できる。
【0509】
次に、絶縁体216b及び導電体312に開口を形成する(図51(A)乃至図51(C)参照)。当該開口は、導電体260aと重なるように形成する。なお、図示しないが、当該開口の形成により、絶縁体276aの一部、絶縁体277aの一部、及び絶縁体278aの一部が除去される場合がある。
【0510】
次に、絶縁膜313Fを成膜する(図51(A)乃至図51(C)参照)。絶縁膜313Fの成膜は、絶縁体313の成膜に係る記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0511】
次に、絶縁膜313Fを異方性エッチングして、絶縁体313を形成する(図52(A)乃至図52(C)参照)。絶縁体313を形成することで、導電体260aの上面が露出する。また、絶縁体216b及び導電体312に形成された開口の側面に絶縁体313が形成される。つまり、絶縁体313はサイドウォールと言い換えることができる。
【0512】
次に、絶縁体313を介して、絶縁体216b及び導電体312に形成された開口を埋め込むように導電体311を形成する(図53(A)乃至図53(C)参照)。導電体311の形成は、導電体244の形成に係る記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。なお、導電体311の形成により、絶縁体216bの一部が除去される場合がある。
【0513】
以降の作製方法は、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置の作製方法、又は図46(A)乃至図46(C)に示す半導体装置の作製方法で説明した内容を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0514】
以上により、図49(A)乃至図49(C)に示す半導体装置を作製できる。
【0515】
図49(A)乃至図49(C)では、導電体311と酸化物230bとが接する構成を示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば図54(A)乃至図54(C)に示すように、導電体245を設け、導電体245を介して導電体311と酸化物230bとを接続してもよい。このとき、平面視において、導電体311の中心と導電体260aの中心とは一致してもよいし、一致しなくてもよい。
【0516】
図54(B)及び図54(C)では、導電体312上に絶縁体314が設けられ、絶縁体314及び導電体312に形成された開口の内側に絶縁体313及び導電体311が設けられている。また、導電体311、絶縁体313、及び絶縁体314上に絶縁体216bが設けられ、絶縁体216bに形成された開口の内側に導電体245が設けられている。
【0517】
図54(A)乃至図54(C)に示す半導体装置が有するメモリセルは、図6(A)乃至図6(C)に示すメモリセル100の詳細な構成例でもある。ただし、図54(A)乃至図54(C)では、導電体312が面状に設けられている。
【0518】
なお、図54(A)乃至図54(C)には、絶縁体314及び導電体312に形成された開口の内側に、絶縁体313及び導電体311が設けられる構成を示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば図55(A)乃至図55(C)に示すように、上記開口の内側に導電体312bを設けてもよい。このとき、導電体312bは、絶縁体314及び導電体312aに形成された開口の側面と、絶縁体313との間に設けられる。
【0519】
図55(A)乃至図55(C)に示す半導体装置が有するメモリセルは、図13(A)乃至図13(C)に示すメモリセル100の詳細な構成例でもある。
【0520】
上記構成において、導電体312は、導電体312aと導電体312bとを有する。導電体312aは配線として機能し、導電体312bは容量素子300の一対の電極の他方として機能する。上記構成にすることで、導電体312aの膜厚を厚くすることなく、容量素子300の一対の電極が対向する領域の面積を大きくすることができる。よって、容量素子300の静電容量を大きくすることができる。
【0521】
<半導体装置の詳細な構成例2>
以下では、図56(A)乃至図56(C)を用いて、本発明の一態様の半導体装置の詳細な構成例を説明する。なお、以下に示す半導体装置において、先の<半導体装置の構成例>又は<半導体装置の詳細な構成例1>に示した半導体装置を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。また、以降では、先の<半導体装置の構成例>又は<半導体装置の詳細な構成例1>に示した半導体装置と異なる部分について主に説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0522】
図56(A)乃至図56(C)は、複数のメモリセルを有する半導体装置の平面図及び断面図である。図56(A)は、当該半導体装置の平面図である。また、図56(B)及び図56(C)は、当該半導体装置の断面図である。ここで、図56(B)は、図56(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図56(C)は、図56(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位の断面図である。なお、図56(A)では、半導体装置が有する複数のメモリセルのうちの4つを示している。
【0523】
図56(A)乃至図56(C)に示す半導体装置は、導電体311、絶縁体313、絶縁体314、絶縁体315、導電体316、導電体317、及び導電体245を設けない点で、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置とは異なる。また、図56(A)乃至図56(C)に示す半導体装置は、導電体311及び絶縁体313を設けない点で、図49(A)乃至図49(C)に示す半導体装置とは異なる。また、図56(A)乃至図56(C)に示す半導体装置は、導電体260aの形状が、図22(A)乃至図22(C)に示す半導体装置及び図49(A)乃至図49(C)に示す半導体装置とは異なる。
【0524】
図56(A)乃至図56(C)に示す半導体装置が有するメモリセルは、図18(A)乃至図18(C)に示すメモリセル100の詳細な構成例でもある。ただし、図56(A)乃至図56(C)では、導電体312が面状に設けられている。
【0525】
絶縁体314、導電体312、及び絶縁体278aには、絶縁体250aと重なる領域に開口が形成され、当該開口の内側に、絶縁体276aと、導電体260aの一部と、が設けられている。上記開口の内側において、絶縁体276aは絶縁体314の側面に接する領域と、導電体312の側面に接する領域と、絶縁体278aの側面に接する領域と、を有する。
【0526】
導電体260aは、上記開口を埋め込むように設けられている。導電体260aは、絶縁体314の上面の一部に接する領域と、絶縁体216bの側面に接する領域と、酸化物230b1の下面の少なくとも一部に接する領域と、を有する。導電体260aは、絶縁体250aを介して酸化物230aと対向する領域と、絶縁体276aを介して導電体312と対向する領域と、を有する。導電体260aの上面は、絶縁体216bの上面と高さが一致する。
【0527】
導電体260aにおいて、絶縁体250aを介して酸化物230aと対向する領域は、トランジスタ200aのゲート電極として機能し、絶縁体276aを介して導電体312と対向する領域は、容量素子300の一対の電極の一方として機能する。また、絶縁体276aにおいて、導電体260aと導電体312とに挟まれる領域は、容量素子300の誘電体として機能する。
【0528】
上記構成にすることで、導電体260aが容量素子300の一対の電極の一方として機能できるため、導電体311を設ける必要が無くなる。また、絶縁体276aが容量素子300の誘電体として機能できるため、絶縁体313を設ける必要が無くなる。したがって、導電体311及び絶縁体313を形成するための工程を削減でき、半導体装置の作製コストを削減できる。
【0529】
平面視において、絶縁体314の上方に位置する導電体260aの面積は、絶縁体276aが有する開口の内側に位置する導電体260aの面積よりも大きいことが好ましい。このような構成にすることで、トランジスタ200aの中心とトランジスタ200bの中心とをずらすことなく、導電体260a及び酸化物230bを接続することができる。よって、メモリセルの占有面積を小さくし、メモリ密度の向上を図ることができる。
【0530】
なお、平面視において、絶縁体314の上方に位置する導電体260aの面積は、絶縁体276aが有する開口の内側に位置する導電体260aの面積以下であってもよい。このとき、トランジスタ200aの中心とトランジスタ200bの中心とをずらすことで、導電体260a及び酸化物230bを接続することができる。
【0531】
図56(A)乃至図56(C)に示す半導体装置では、導電体260aは、導電体260a1と、導電体260a1上の導電体260a2との2層構造を有する。導電体260a1及び導電体260a2はそれぞれ、導電体262a及び導電体262bに適用可能な導電性材料を用いるとよい。
【0532】
なお、図56(A)乃至図56(C)では、導電体260aが2層構造を有する構成について示しているが、本発明はこれに限られない。例えば、導電体260aは、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
【0533】
[半導体装置の作製方法2]
次に、図56(A)乃至図56(C)に示す半導体装置の作製方法を、図57(A)乃至図62(C)を用いて説明する。
【0534】
図57(A)乃至図62(C)において、各図の(A)は、平面図を示す。また、各図の(B)はそれぞれ、各図の(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位に対応する断面図である。また、各図の(C)はそれぞれ、各図の(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位に対応する断面図である。
【0535】
絶縁体278aを形成するまでの作製方法は、図24(A)乃至図30(C)を用いて説明した内容を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0536】
次に、絶縁体277a及び絶縁体278a上に、導電体312、絶縁体314を順に成膜する(図57(A)乃至図57(C)参照)。導電体312及び絶縁体314の成膜はそれぞれ、前述した導電膜312F及び絶縁体314の成膜に係る記載を参照できる。
【0537】
次に、絶縁体314、導電体312、及び絶縁体278aに開口を形成する(図58(A)乃至図58(C)参照)。当該開口は、絶縁体250a及び絶縁体274cと重なるように形成する。なお、レジストマスク292を上述したマルチパターニング技術を用いて形成する場合、上記開口を形成する場合にも、上述したマルチパターニング技術を用いる。
【0538】
次に、絶縁体274c、絶縁体250a、及び絶縁体314上に、絶縁体276aとなる絶縁膜を成膜し、その後、当該絶縁膜を異方性エッチングして絶縁体276aを形成する(図59(A)乃至図59(C)参照)。絶縁体276aの形成は、先の[半導体装置の作製方法1]で説明した内容を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0539】
次に、絶縁体274cを除去する。絶縁体274cの除去は、先の[半導体装置の作製方法1]で説明した内容を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0540】
次に、導電膜260F、導電膜261Fを順に成膜する(図60(A)乃至図60(C)参照)。導電膜260F及び導電膜261Fの成膜は、先の[半導体装置の作製方法1]で説明した内容を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0541】
次に、導電膜260F及び導電膜261Fを加工して、導電体260a1及び導電体260a2を形成する(図61(A)乃至図61(C)参照)。なお、導電膜260F及び導電膜261Fを加工する際、導電体260aと重ならない領域の絶縁体314の一部が除去される場合がある。
【0542】
次に、導電体260a及び絶縁体314上に、絶縁体216bとなる絶縁膜を成膜する。次に、CMP処理によって、導電体260aが露出するまで当該絶縁膜を加工することで、絶縁体216bを形成する(図62(A)乃至図62(C)参照)。このとき、導電体260aの上面が平坦化される。導電体260a及び絶縁体216bの上面を平坦化することで、後の工程が容易となり、メモリセルの歩留まりを高くすることができる。
【0543】
次に、トランジスタ200b及び導電体262を形成する。トランジスタ200b及び導電体262の形成方法は、先の[半導体装置の作製方法1]で説明した内容を参照できるため、詳細な説明は省略する。
【0544】
以上により、図56(A)乃至図56(C)に示す半導体装置を作製できる。
【0545】
図56(A)乃至図56(C)には、導電体260aと酸化物230bとが接する構成を示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば図63(A)乃至図63(C)に示すように、導電体245を設け、導電体245を介して導電体260aと酸化物230bとを接続してもよい。
【0546】
図63(A)乃至図63(C)に示す半導体装置が有するメモリセルは、図15(A)乃至図15(C)に示すメモリセル100の詳細な構成例でもある。ただし、図63(A)乃至図63(C)では、導電体312が面状に設けられている。
【0547】
本発明の一態様により、微細化又は高集積化が可能な半導体装置を提供できる。本発明の一態様により、トランジスタの電気特性のばらつきが少ない半導体装置を提供できる。本発明の一態様により、信頼性が良好な半導体装置を提供できる。本発明の一態様により、良好な電気特性を有する半導体装置を提供できる。本発明の一態様により、オン電流が大きい半導体装置を提供できる。
【0548】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0549】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置900について説明する。半導体装置900は記憶装置として機能できる。
【0550】
図64に、半導体装置900の構成例を示すブロック図を示す。図64に示す半導体装置900は、駆動回路910と、メモリアレイ920と、を有する。メモリアレイ920は、1以上のメモリセル950を有する。図64では、メモリアレイ920がマトリクス状に配置された複数のメモリセル950を有する例を示している。
【0551】
メモリセル950に、上記実施の形態で例示した半導体装置を適用することができる。
【0552】
駆動回路910は、PSW931(パワースイッチ)、PSW932、及び周辺回路915を有する。周辺回路915は、周辺回路911、コントロール回路912、及び電圧生成回路928を有する。
【0553】
半導体装置900において、各回路、各信号、及び各電圧は、必要に応じて、適宜取捨することができる。あるいは、他の回路または他の信号を追加してもよい。信号BW、信号CE、信号GW、信号CLK、信号WAKE、信号ADDR、信号WDA、信号PON1、信号PON2は外部からの入力信号であり、信号RDAは外部への出力信号である。信号CLKはクロック信号である。
【0554】
また、信号BW、信号CE、及び信号GWは制御信号である。信号CEはチップイネーブル信号であり、信号GWはグローバル書き込みイネーブル信号であり、信号BWはバイト書き込みイネーブル信号である。信号ADDRはアドレス信号である。信号WDAは書き込みデータであり、信号RDAは読み出しデータである。信号PON1、信号PON2は、パワーゲーティング制御用信号である。なお、信号PON1、信号PON2は、コントロール回路912で生成してもよい。
【0555】
コントロール回路912は、半導体装置900の動作全般を制御する機能を有するロジック回路である。例えば、コントロール回路912は、信号CE、信号GW、及び信号BWを論理演算して、半導体装置900の動作モード(例えば、書き込み動作、読み出し動作)を決定する。または、コントロール回路912は、この動作モードが実行されるように、周辺回路911の制御信号を生成する。
【0556】
電圧生成回路928は負電圧を生成する機能を有する。信号WAKEは、信号CLKの電圧生成回路928への入力を制御する機能を有する。例えば、信号WAKEとしてHレベルの信号が与えられると、信号CLKが電圧生成回路928へ入力され、電圧生成回路928は負電圧を生成する。
【0557】
周辺回路911は、メモリセル950に対するデータの書き込み及び読み出しを行うための回路である。周辺回路911は、行デコーダ941、列デコーダ942、行ドライバ923、列ドライバ924、入力回路925、出力回路926、及びセンスアンプ927を有する。
【0558】
行デコーダ941及び列デコーダ942は、信号ADDRをデコードする機能を有する。行デコーダ941は、アクセスする行を指定するための回路であり、列デコーダ942は、アクセスする列を指定するための回路である。行ドライバ923は、行デコーダ941が指定する行を選択する機能を有する。列ドライバ924は、データをメモリセル950に書き込む機能、メモリセル950からデータを読み出す機能、読み出したデータを保持する機能等を有する。
【0559】
入力回路925は、信号WDAを保持する機能を有する。入力回路925が保持するデータは、列ドライバ924に出力される。入力回路925の出力データが、メモリセル950に書き込むデータ(Din)である。列ドライバ924がメモリセル950から読み出したデータ(Dout)は、出力回路926に出力される。出力回路926は、Doutを保持する機能を有する。また、出力回路926は、Doutを半導体装置900の外部に出力する機能を有する。出力回路926から出力されるデータが信号RDAである。
【0560】
PSW931は周辺回路915へのVDDの供給を制御する機能を有する。PSW932は、行ドライバ923へのVHMの供給を制御する機能を有する。ここでは、半導体装置900の高電源電圧がVDDであり、低電源電圧はGND(接地電位)である。また、VHMは、ワード線を高レベルにするために用いられる高電源電圧であり、VDDよりも高い。信号PON1によってPSW931のオン・オフが制御され、信号PON2によってPSW932のオン・オフが制御される。図64では、周辺回路915において、VDDが供給される電源ドメインの数を1としているが、複数にすることもできる。この場合、各電源ドメインに対してパワースイッチを設ければよい。
【0561】
図65(A)乃至図65(H)を用いて、メモリセル950に適用できる他のメモリセルの構成例について説明する。
【0562】
[DOSRAM]
図65(A)に、DRAMのメモリセルの回路構成例を示す。本明細書などにおいて、OSトランジスタを用いたDRAMを、DOSRAM(Dynamic Oxide Semiconductor Random Access Memory)と呼ぶ。メモリセル951は、トランジスタM1と、容量素子CAと、を有する。
【0563】
なお、トランジスタM1は、フロントゲート(単にゲートと呼ぶ場合がある。)及びバックゲートを有していてもよい。このとき、バックゲートは定電位または信号が与えられる配線に接続されていてもよいし、フロントゲートとバックゲートとが接続されていてもよい。
【0564】
トランジスタM1の第1端子は、容量素子CAの第1端子と接続され、トランジスタM1の第2端子は、配線BILと接続され、トランジスタM1のゲートは、配線WOLと接続されている。容量素子CAの第2端子は、配線CALと接続されている。
【0565】
配線BILは、ビット線として機能し、配線WOLは、ワード線として機能する。配線CALは、容量素子CAの第2端子に所定の電位を印加するための配線として機能する。データの書き込み時、および読み出し時において、配線CALには、低レベル電位(基準電位という場合がある)を印加するのが好ましい。
【0566】
データの書き込みおよび読み出しは、配線WOLに高レベル電位を印加し、トランジスタM1を導通状態にし、配線BILと容量素子CAの第1端子を接続することによって行われる。また、データの書き込み終了後は、配線WOLに低レベル電位を印加し、トランジスタM1を非導通状態にする。これにより、容量素子CAの第1端子の電位を保持し、書き込んだデータを保持することができる。なお、配線WOLに印加する低レベル電位は、例えば、基準電位又は負電位としてもよい。本明細書等において、負電位とは基準電位よりも低い電位のことをいう。よって、基準電位を0Vとした場合、負電位は0Vよりも低い電位である。例えば、トランジスタM1がノーマリオン特性である場合、配線WOLに負電位を印加することで、トランジスタM1を非導通状態にすることができる。
【0567】
なお、本明細書等において、ノーマリオン特性とは、ゲートに電圧を印加しなくてもチャネルが存在し、トランジスタに電流が流れてしまう状態のことをいう。また、ノーマリオフ特性とは、ゲートに電位を印加しない、またはゲートに接地電位を与えたときに、トランジスタに電流が流れない状態のことをいう。
【0568】
また、メモリセル950に用いることができるメモリセルは、メモリセル951に限定されず、回路構成の変更を行うことができる。例えば、図65(B)に示すようなメモリセル952の構成としてもよい。メモリセル952は、容量素子CA、及び配線CALを有さない場合の例である。トランジスタM1の第1端子は、電気的にフローティングの状態である。
【0569】
メモリセル952において、トランジスタM1を介して書き込まれた電位は、破線で示す第1端子とゲートとの間の容量(寄生容量ともいう)に保持される。このような構成とすることで、メモリセルの構成を大幅に簡略化することができる。
【0570】
なお、トランジスタM1としてOSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が極めて小さいという特性を有している。トランジスタM1としてOSトランジスタを用いることによって、トランジスタM1のリーク電流を非常に小さくすることができる。つまり、書き込んだデータをトランジスタM1によって長時間保持することができるため、メモリセルのリフレッシュの頻度を少なくすることができる。または、メモリセルのリフレッシュ動作を不要にすることができる。また、リーク電流が非常に小さいため、メモリセル951、及びメモリセル952に対して多値データ、またはアナログデータを保持することができる。
【0571】
[NOSRAM]
図65(C)に、2トランジスタ1容量素子のゲインセル型のメモリセルの回路構成例を示す。メモリセル953は、トランジスタM2と、トランジスタM3と、容量素子CBと、を有する。本明細書などにおいて、トランジスタM2にOSトランジスタを用いたゲインセル型のメモリセルを有する記憶装置を、NOSRAM(Nonvolatile Oxide Semiconductor RAM)と呼ぶ。
【0572】
トランジスタM2の第1端子は、容量素子CBの第1端子と接続され、トランジスタM2の第2端子は、配線WBLと接続され、トランジスタM2のゲートは、配線WOLと接続されている。容量素子CBの第2端子は、配線CALと接続されている。トランジスタM3の第1端子は、配線RBLと接続され、トランジスタM3の第2端子は、配線SLと接続され、トランジスタM3のゲートは、容量素子CBの第1端子と接続されている。
【0573】
配線WBLは、書き込みビット線として機能し、配線RBLは、読み出しビット線として機能し、配線WOLは、ワード線として機能する。配線CALは、容量素子CBの第2端子に所定の電位を印加するための配線として機能する。データの書き込み時、データ保持の最中、データの読み出し時において、配線CALには、低レベル電位又は接地電位を印加するのが好ましい。
【0574】
データの書き込みは、配線WOLに高レベル電位を印加し、トランジスタM2を導通状態にし、配線WBLと容量素子CBの第1端子を接続することによって行われる。具体的には、トランジスタM2が導通状態のときに、配線WBLに記録する情報に対応する電位を印加し、容量素子CBの第1端子、およびトランジスタM3のゲートに当該電位を書き込む。その後、配線WOLに低レベル電位を印加し、トランジスタM2を非導通状態にすることによって、容量素子CBの第1端子の電位、およびトランジスタM3のゲートの電位を保持する。
【0575】
データの読み出しは、配線SLに所定の電位を印加することによって行われる。トランジスタM3のソース-ドレイン間に流れる電流、及びトランジスタM3の第1端子の電位は、トランジスタM3のゲートの電位、及びトランジスタM3の第2端子の電位によって決まるため、トランジスタM3の第1端子に接続されている配線RBLの電位を読み出すことによって、容量素子CBの第1端子(またはトランジスタM3のゲート)に保持されている電位を読み出すことができる。つまり、容量素子CBの第1端子(またはトランジスタM3のゲート)に保持されている電位から、このメモリセルに書き込まれている情報を読み出すことができる。
【0576】
図65(C)に示すメモリセル953として、実施の形態1で説明したメモリセル100を適用できる。このとき、トランジスタM2はトランジスタ200bに、トランジスタM3はトランジスタ200aに、容量素子CBは容量素子300にそれぞれ対応する。
【0577】
Siトランジスタを用いた記憶装置を微細化すると、Siトランジスタ間、容量素子間、又はSiトランジスタ-容量素子間のリーク電流が大きくなる。リーク電流は記憶内容の長期にわたる保持を妨げるため、従来技術においては、容量素子へのhigh-k材料の適用、又は容量素子の高さを高くする等により容量素子の容量値を大きくし、記憶内容の保持を図っている。しかしながら、high-k材料は小さいリーク電流とトレードオフの関係にあることが多く、材料の変更で容量値を大きくすることが困難となっている。また、容量素子の高さもアスペクト比が高くなりすぎたことで、プロセス面の技術課題を克服することが困難になりつつある。
【0578】
また、Siトランジスタを用いた記憶装置を微細化すると、基板浮遊効果等により、縦型のトランジスタを用いた4Fの採用が技術的に困難であり、6Fから4Fへとデザインルールを最小化することが難しく、コスト面においても課題の克服が困難になりつつある。
【0579】
一方、OSトランジスタは、オフ電流が小さい。よって、OSトランジスタを記憶装置に用いることにより長期にわたり記憶内容を保持できる。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、又は、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ないため、半導体装置の消費電力を十分に低減できる。よって、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、OSトランジスタは、短チャネル効果に強い。したがって、OSトランジスタは、縦型構造でも基板浮遊効果の影響を受けづらく、且つ、ゲート絶縁膜が厚くてもチャネル長を容易に短くすることができる。すなわち、ゲートリーク電流を小さくできるため、記憶装置の保持特性を向上させることができる。
【0580】
また、配線CALに接地電位が印加される場合、複数の容量素子間において、接地電位の印加された電極同士が隣接するため、容量素子間のリーク電流が発生しなくなる。図1又は図9等に示すように、導電体312を延在して設ける構成、又は導電体312を面状に設ける構成とすることで、容量素子間のリーク電流を防止できる。
【0581】
データの読み出し時間は、NOSRAMではトランジスタM3のスイッチング速度に依存し、DOSRAMでは容量素子CAと配線BILとの間で生じる電荷の再分配による配線BILの電位変化に掛かる時間に依存する。よって、NOSRAMは、データの読み出し時間が短い。また、NOSRAMは、DOSRAMよりも容量素子の静電容量を小さくできるため、データの書き込み時間が短い。したがって、NOSRAMの構成とすることで、動作速度が速い半導体装置を提供できる。一方、DOSRAMは、NOSRAMと比較して、メモリセルあたりのトランジスタの数が少ないため、半導体装置の製造コストを低くすることができる。
【0582】
また、例えば、配線WBLと配線RBLを一本の配線BILとしてまとめた構成であってもよい。そのメモリセルの回路構成例を図65(D)に示す。メモリセル954は、メモリセル953の配線WBLと配線RBLを一本の配線BILとして、トランジスタM2の第2端子、及びトランジスタM3の第1端子が、配線BILと接続されている構成となっている。つまり、メモリセル954は、書き込みビット線と、読み出しビット線と、を1本の配線BILとして動作する構成となっている。
【0583】
図65(E)に示すメモリセル955は、メモリセル953における容量素子CB及び配線CALを省略した場合の例である。また、図65(F)に示すメモリセル956は、メモリセル954における容量素子CB及び配線CALを省略した場合の例である。このような構成とすることで、メモリセルの集積度を高めることができる。
【0584】
なお、少なくともトランジスタM2にはOSトランジスタを用いることが好ましい。特に、トランジスタM2及びトランジスタM3にOSトランジスタを用いることが好ましい。
【0585】
OSトランジスタは、オフ電流が極めて小さいという特性を有しているため、書き込んだデータをトランジスタM2によって長時間保持することができるため、メモリセルのリフレッシュの頻度を少なくすることができる。または、メモリセルのリフレッシュ動作を不要にすることができる。また、リーク電流が非常に小さいため、メモリセル953、メモリセル954、メモリセル955、メモリセル956に対して多値データ、またはアナログデータを保持することができる。
【0586】
トランジスタM2としてOSトランジスタを適用したメモリセル953、メモリセル954、メモリセル955、及びメモリセル956は、NOSRAMの一態様である。
【0587】
なお、トランジスタM3としてSiトランジスタを用いてもよい。Siトランジスタは電界効果移動度を高めることができるほか、pチャネル型トランジスタとすることもできるため、回路設計の自由度を高めることができる。
【0588】
また、トランジスタM3としてOSトランジスタを用いた場合、メモリセルを単極性回路で構成することができる。
【0589】
また、図65(G)に、3トランジスタ1容量素子のゲインセル型のメモリセル957を示す。メモリセル957は、トランジスタM4乃至トランジスタM6と、容量素子CCと、を有する。
【0590】
トランジスタM4の第1端子は、容量素子CCの第1端子と接続され、トランジスタM4の第2端子は、配線BILと接続され、トランジスタM4のゲートは、配線WOLと接続されている。容量素子CCの第2端子は、トランジスタM5の第1端子と、配線GNDLと、に電気的に接続されている。トランジスタM5の第2端子は、トランジスタM6の第1端子と接続され、トランジスタM5のゲートは、容量素子CCの第1端子と接続されている。トランジスタM6の第2端子は、配線BILと接続され、トランジスタM6のゲートは配線RWLと接続されている。
【0591】
配線BILは、ビット線として機能し、配線WOLは、書き込みワード線として機能し、配線RWLは、読み出しワード線として機能する。配線GNDLは、低レベル電位を与える配線である。
【0592】
データの書き込みは、配線WOLに高レベル電位を印加し、トランジスタM4を導通状態にし、配線BILと容量素子CCの第1端子を接続することによって行われる。具体的には、トランジスタM4が導通状態のときに、配線BILに記録する情報に対応する電位を印加し、容量素子CCの第1端子、及びトランジスタM5のゲートに当該電位を書き込む。その後、配線WOLに低レベル電位を印加し、トランジスタM4を非導通状態にすることによって、容量素子CCの第1端子の電位、及びトランジスタM5のゲートの電位を保持する。
【0593】
データの読み出しは、配線BILに所定の電位をプリチャージして、その後配線BILを電気的に浮遊状態にし、且つ配線RWLに高レベル電位を印加することによって行われる。配線RWLが高レベル電位となるため、トランジスタM6は導通状態となり、配線BILとトランジスタM5の第2端子が電気的に接続状態となる。このとき、トランジスタM5の第2端子には、配線BILの電位が印加されることになるが、容量素子CCの第1端子(またはトランジスタM5のゲート)に保持されている電位に応じて、トランジスタM5の第2端子の電位、及び配線BILの電位が変化する。ここで、配線BILの電位を読み出すことによって、容量素子CCの第1端子(またはトランジスタM5のゲート)に保持されている電位を読み出すことができる。つまり、容量素子CCの第1端子(またはトランジスタM5のゲート)に保持されている電位から、このメモリセルに書き込まれている情報を読み出すことができる。
【0594】
なお、少なくともトランジスタM4にOSトランジスタを用いることが好ましい。
【0595】
なお、トランジスタM5及びトランジスタM6としてSiトランジスタを用いてもよい。前述した通り、Siトランジスタは、半導体層に用いるシリコンの結晶状態などによっては、OSトランジスタよりも電界効果移動度が高くなる場合がある。
【0596】
また、トランジスタM5及びトランジスタM6としてOSトランジスタを用いた場合、メモリセルを単極性回路で構成することができる。
【0597】
[OS-SRAM]
図65(H)に、OSトランジスタを用いたSRAM(Static Random Access Memory)の一例を示す。本明細書などにおいて、OSトランジスタを用いたSRAMを、OS-SRAM(Oxide Semiconductor-SRAM)と呼ぶ。なお、図65(H)に示すメモリセル958は、バックアップ可能なSRAMのメモリセルである。
【0598】
メモリセル958は、トランジスタM7乃至トランジスタM10と、トランジスタMS1乃至トランジスタMS4と、容量素子CD1と、容量素子CD2と、を有する。なお、トランジスタMS1及びトランジスタMS2は、pチャネル型トランジスタであり、トランジスタMS3及びトランジスタMS4は、nチャネル型トランジスタである。
【0599】
トランジスタM7の第1端子は、配線BILと接続され、トランジスタM7の第2端子は、トランジスタMS1の第1端子と、トランジスタMS3の第1端子と、トランジスタMS2のゲートと、トランジスタMS4のゲートと、トランジスタM10の第1端子と、に接続されている。トランジスタM7のゲートは、配線WOLと接続されている。トランジスタM8の第1端子は、配線BILBと接続され、トランジスタM8の第2端子は、トランジスタMS2の第1端子と、トランジスタMS4の第1端子と、トランジスタMS1のゲートと、トランジスタMS3のゲートと、トランジスタM9の第1端子と、に接続されている。トランジスタM8のゲートは、配線WOLと接続されている。
【0600】
トランジスタMS1の第2端子は、配線VDLと電気的に接続されている。トランジスタMS2の第2端子は、配線VDLと電気的に接続されている。トランジスタMS3の第2端子は、配線GNDLと電気的に接続されている。トランジスタMS4の第2端子は、配線GNDLと電気的に接続されている。
【0601】
トランジスタM9の第2端子は、容量素子CD1の第1端子と接続され、トランジスタM9のゲートは、配線BRLと接続されている。トランジスタM10の第2端子は、容量素子CD2の第1端子と接続され、トランジスタM10のゲートは、配線BRLと接続されている。
【0602】
容量素子CD1の第2端子は、配線GNDLと接続され、容量素子CD2の第2端子は、配線GNDLと接続されている。
【0603】
配線BIL及び配線BILBは、ビット線として機能し、配線WOLは、ワード線として機能し、配線BRLは、トランジスタM9及びトランジスタM10の導通状態、非導通状態を制御する配線である。
【0604】
配線VDLは、高レベル電位を与える配線であり、配線GNDLは、低レベル電位を与える配線である。
【0605】
データの書き込みは、配線WOLに高レベル電位を印加し、且つ配線BRLに高レベル電位を印加することによって行われる。具体的には、トランジスタM10が導通状態のときに、配線BILに記録する情報に対応する電位を印加し、トランジスタM10の第2端子側に当該電位を書き込む。
【0606】
ところで、メモリセル958は、トランジスタMS1乃至トランジスタMS2によってインバータループを構成しているため、トランジスタM8の第2端子側に、当該電位に対応するデータ信号の反転信号が入力される。トランジスタM8が導通状態であるため、配線BILBには、配線BILに印加されている電位、すなわち配線BILに入力されている信号の反転信号が出力される。また、トランジスタM9及びトランジスタM10が導通状態であるため、トランジスタM7の第2端子の電位、及びトランジスタM8の第2端子の電位は、それぞれ容量素子CD2の第1端子、及び容量素子CD1の第1端子に保持される。その後、配線WOLに低レベル電位を印加し、且つ配線BRLに低レベル電位を印加し、トランジスタM7乃至トランジスタM10を非導通状態にすることによって、容量素子CD1の第1端子、及び容量素子CD2の第1端子の電位を保持する。
【0607】
データの読み出しは、あらかじめ配線BIL及び配線BILBを所定の電位にプリチャージした後に、配線WOLに高レベル電位を印加し、配線BRLに高レベル電位を印加することによって、容量素子CD1の第1端子の電位が、メモリセル958のインバータループによってリフレッシュされ、配線BILBに出力される。また、容量素子CD2の第1端子の電位が、メモリセル958のインバータループによってリフレッシュされ、配線BILに出力される。配線BIL及び配線BILBでは、それぞれプリチャージされた電位から容量素子CD2の第1端子の電位、及び容量素子CD1の第1端子の電位に変動するため、配線BILまたは配線BILBの電位から、メモリセルに保持された電位を読み出すことができる。
【0608】
なお、トランジスタM7乃至トランジスタM10としてOSトランジスタを適用することが好ましい。これにより書き込んだデータをトランジスタM7乃至トランジスタM10によって長時間保持することができるため、メモリセルのリフレッシュの頻度を少なくすることができる。または、メモリセルのリフレッシュ動作を不要にすることができる。
【0609】
なお、トランジスタMS1乃至トランジスタMS4としてSiトランジスタを用いてもよい。
【0610】
半導体装置900が有する駆動回路910とメモリアレイ920は同一平面上に設けてもよい。また、図66(A)に示すように、駆動回路910とメモリアレイ920を重ねて設けてもよい。駆動回路910とメモリアレイ920を重ねて設けることで、信号伝搬距離を短くすることができる。また、図66(B)に示すように、駆動回路910上にメモリアレイ920を複数層重ねて設けてもよい。なお、製造工程の関係上、駆動回路910とメモリアレイ920が同一平面上とならないことも想定されるため、概略同一平面上であっても同一平面上であると言い換えることができる。
【0611】
メモリアレイ920が有するトランジスタとしてOSトランジスタを用いることで、半導体装置900の配線を形成するBEOL(Back end of line)工程中にトランジスタを形成することができる。また、メモリアレイ920の下方に設ける駆動回路910にSiトランジスタを用いる場合、BEOL-Tr技術(Siトランジスタの上方にOSトランジスタを直接形成する技術)を適用することで、半導体装置900の微細化を図ることができる。
【0612】
続いて、上記記憶装置などの半導体装置を備えることができる演算処理装置の一例について説明する。
【0613】
図67に、演算装置960のブロック図を示す。図67に示す演算装置960は、例えばCPUに適用することができる。また、演算装置960は、CPUよりも並列処理可能なプロセッサコアを多数(数10~数100個)有するGPU(Graphics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、NPU(Neural Processing Unit)などのプロセッサにも適用することができる。
【0614】
図67に示す演算装置960は、基板990上に、ALU991(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ992、インストラクションデコーダ993、インタラプトコントローラ994、タイミングコントローラ995、レジスタ996、レジスタコントローラ997、バスインターフェイス998、キャッシュ999、及びキャッシュインターフェイス989を有している。基板990は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。書き換え可能なROM及びROMインターフェイスを有してもよい。また、キャッシュ999及びキャッシュインターフェイス989は、別チップに設けてもよい。
【0615】
キャッシュ999は、別チップに設けられたメインメモリとキャッシュインターフェイス989を介して接続される。キャッシュインターフェイス989は、メインメモリに保持されているデータの一部をキャッシュ999に供給する機能を有する。またキャッシュインターフェイス989は、キャッシュ999に保持されているデータの一部を、バスインターフェイス998を介してALU991またはレジスタ996等に出力する機能を有する。
【0616】
後述するように、演算装置960上に積層して、メモリアレイ920を設けることができる。メモリアレイ920はキャッシュとして用いることができる。このとき、キャッシュインターフェイス989はメモリアレイ920に保持されているデータをキャッシュ999に供給する機能を有していてよい。またこのとき、キャッシュインターフェイス989の一部に、駆動回路910を有することが好ましい。
【0617】
なお、キャッシュ999を設けず、メモリアレイ920のみをキャッシュとして用いることもできる。
【0618】
図67に示す演算装置960は、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際の演算装置960はその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図67に示す演算装置960を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作する、いわゆるマルチコアの構成とすることが好ましい。コアの数が多いほど、演算性能を高めることができる。コアの数は多いほど好ましいが、例えば2個、好ましくは4個、より好ましくは8個、さらに好ましくは12個、さらに好ましくは16個またはそれ以上とすることが好ましい。また、サーバ用途など非常に高い演算性能が求められる場合には、16個以上、好ましくは32個以上、さらに好ましくは64個以上のコアを有するマルチコアの構成とすることが好ましい。また、演算装置960が内部演算回路、データバスなどで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
【0619】
バスインターフェイス998を介して演算装置960に入力された命令は、インストラクションデコーダ993に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ992、インタラプトコントローラ994、レジスタコントローラ997、タイミングコントローラ995に入力される。
【0620】
ALUコントローラ992、インタラプトコントローラ994、レジスタコントローラ997、タイミングコントローラ995は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行う。具体的には、ALUコントローラ992は、ALU991の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ994は、演算装置960のプログラム実行中に、外部の入出力装置、周辺回路などからの割り込み要求を、その優先度、マスク状態などから判断し、処理する。また、レジスタコントローラ997は、レジスタ996のアドレスを生成し、演算装置960の状態に応じてレジスタ996の読み出し又は書き込みを行う。
【0621】
また、タイミングコントローラ995は、ALU991、ALUコントローラ992、インストラクションデコーダ993、インタラプトコントローラ994、及びレジスタコントローラ997の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ995は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
【0622】
図67に示す演算装置960において、レジスタコントローラ997は、ALU991からの指示に従い、レジスタ996における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ996が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ996内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ996内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
【0623】
メモリアレイ920と演算装置960は、重ねて設けることができる。図68(A)及び図68(B)に半導体装置970Aの斜視図を示す。半導体装置970Aは、演算装置960上に、メモリアレイが設けられた層930を有する。層930には、メモリアレイ920L1、メモリアレイ920L2、及びメモリアレイ920L3が設けられている。演算装置960と各メモリアレイは、互いに重なる領域を有する。半導体装置970Aの構成を分かりやすくするため、図68(B)では演算装置960及び層930を分離して示している。
【0624】
メモリアレイを有する層930と演算装置960を重ねて設けることで、両者の接続距離を短くすることができる。よって、両者間の通信速度を高めることができる。また、接続距離が短いため消費電力を低減できる。
【0625】
メモリアレイを有する層930と演算装置960とを積層する方法としては、演算装置960上に直接メモリアレイを有する層930を積層する方法(モノリシック積層ともいう)を用いてもよいし、演算装置960と層930とをそれぞれ異なる基板上に形成し、2つの基板を貼り合せ、貫通ビアまたは導電膜の接合技術(Cu-Cu接合など)を用いて電気的に接続する方法を用いてもよい。前者は貼合わせにおける位置ずれを考慮する必要がないため、チップサイズを小さくできるだけでなく、作製コストを削減できる。
【0626】
ここで、演算装置960にキャッシュ999を有さず、層930に設けられるメモリアレイ920L1、メモリアレイ920L2、及びメモリアレイ920L3は、それぞれキャッシュとして用いることができる。このとき、例えばメモリアレイ920L1をL1キャッシュ(レベル1キャッシュともいう)として用い、メモリアレイ920L2をL2キャッシュ(レベル2キャッシュともいう)として用い、メモリアレイ920L3をL3キャッシュ(レベル3キャッシュともいう)として用いることができる。3つのメモリアレイのうち、メモリアレイ920L3が最も容量が大きく、且つ、最もアクセス頻度が低い。また、メモリアレイ920L1が最も容量が小さく、且つ最もアクセス頻度が高い。
【0627】
なお、演算装置960に設けられるキャッシュ999をL1キャッシュとして用いる場合は、層930に設けられる各メモリアレイを、それぞれ下位のキャッシュ、またはメインメモリとして用いることができる。メインメモリはキャッシュよりも容量が大きく、アクセス頻度の低いメモリである。
【0628】
また、図68(B)に示すように、駆動回路910L1、駆動回路910L2、及び駆動回路910L3が設けられている。駆動回路910L1は接続電極940L1を介してメモリアレイ920L1と接続されている。同様に駆動回路910L2は接続電極940L2を介してメモリアレイ920L2と、駆動回路910L3は接続電極940L3を介してメモリアレイ920L3と接続されている。
【0629】
なお、ここではキャッシュとして機能するメモリアレイを3つとした場合を示したが、1つまたは2つとしてもよいし、4つ以上としてもよい。
【0630】
メモリアレイ920L1をキャッシュとして用いる場合、駆動回路910L1はキャッシュインターフェイス989の一部として機能してもよいし、駆動回路910L1がキャッシュインターフェイス989と接続される構成としてもよい。同様に、駆動回路910L2、駆動回路910L3も、キャッシュインターフェイス989の一部として機能する、またはこれと接続される構成としてもよい。
【0631】
メモリアレイ920をキャッシュとして機能させるか、メインメモリとして機能させるかは、各駆動回路910が有するコントロール回路912によって決定される。コントロール回路912は、演算装置960から供給された信号に基づいて、半導体装置900が有する複数のメモリセル950の一部をRAMとして機能させることができる。
【0632】
半導体装置900は、複数のメモリセル950の一部をキャッシュとして機能させ、他の一部をメインメモリとして機能させることができる。すなわち半導体装置900はキャッシュとしての機能と、メインメモリとしての機能を併せ持つことができる。本発明の一態様に係る半導体装置900は、例えば、ユニバーサルメモリとして機能できる。
【0633】
また、一つのメモリアレイ920を有する層930を演算装置960に重ねて設けてもよい。図69(A)に半導体装置970Bの斜視図を示す。
【0634】
半導体装置970Bでは、一つのメモリアレイ920を複数のエリアに分けて、それぞれ異なる機能で使用することができる。図69(A)では、領域L1をL1キャッシュとして、領域L2をL2キャッシュとして、領域L3をL3キャッシュとして用いる場合の例を示している。
【0635】
また半導体装置970Bでは、領域L1乃至領域L3のそれぞれの容量を状況に応じて変えることができる。例えばL1キャッシュの容量を増やしたい場合には、領域L1の面積を大きくすることにより実現する。このような構成とすることで、演算処理の効率化を図ることができ、処理速度を向上させることができる。
【0636】
また、複数のメモリアレイを積層してもよい。図69(B)に半導体装置970Cの斜視図を示している。
【0637】
半導体装置970Cは、メモリアレイ920L1を有する層930L1と、その上にメモリアレイ920L2を有する層930L2と、その上にメモリアレイ920L3を有する層930L3とが積層されている。最も演算装置960に物理的に近いメモリアレイ920L1を上位のキャッシュに用い、最も演算装置960から物理的に遠いメモリアレイ920L3を下位のキャッシュまたはメインメモリに用いることができる。このような構成とすることで、各メモリアレイの容量を増大させることができるため、より処理能力を向上させることができる。
【0638】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0639】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る記憶装置の応用例について説明する。
【0640】
一般に、コンピュータなどの半導体装置では、用途に応じて様々な記憶装置が用いられる。図70(A)に、半導体装置に用いられる各種の記憶装置を階層ごとに示す。上層に位置する記憶装置ほど速い動作速度が求められ、下層に位置する記憶装置ほど大きな記憶容量と高い記録密度が求められる。図70(A)では、最上層から順に、CPUなどの演算処理装置にレジスタ(register)として混載されるメモリ、L1キャッシュ(L1 cache)、L2キャッシュ(L2 cache)、L3キャッシュ(L3 cache)、メインメモリ(main memory)、ストレージ(storage)等がある。なお、ここではL3キャッシュまで有する例を示したが、さらに下位のキャッシュを有していてもよい。
【0641】
CPUなどの演算処理装置にレジスタとして混載されるメモリは、演算結果の一時保存などに用いられるため、演算処理装置からのアクセス頻度が高い。よって、記憶容量よりも速い動作速度が求められる。また、レジスタは演算処理装置の設定情報などを保持する機能も有する。
【0642】
キャッシュは、メインメモリ(main memory)に保持されているデータの一部を複製して保持する機能を有する。使用頻繁が高いデータを複製してキャッシュに保持しておくことで、データへのアクセス速度を高めることができる。キャッシュに求められる記憶容量はメインメモリより少ないが、メインメモリよりも速い動作速度が求められる。また、キャッシュで書き換えられたデータは複製されてメインメモリに供給される。
【0643】
メインメモリは、ストレージ(storage)から読み出されたプログラム、データなどを保持する機能を有する。
【0644】
ストレージは、長期保存が必要なデータ、及び演算処理装置で使用する各種のプログラムなどを保持する機能を有する。よって、ストレージには動作速度よりも大きな記憶容量と高い記録密度が求められる。例えば3D NANDなどの高容量且つ不揮発性の記憶装置を用いることができる。
【0645】
本発明の一態様に係る酸化物半導体を用いた記憶装置(OSメモリ(OS memory))は、動作速度が速く、長期間のデータ保持が可能である。そのため図70(A)に示すように、本発明の一態様に係る記憶装置は、キャッシュが位置する階層とメインメモリが位置する階層の双方に好適に用いることができる。また、本発明の一態様に係る記憶装置は、ストレージが位置する階層にも適用することができる。
【0646】
また、図70(B)では、キャッシュの一部にSRAMを、他の一部に本発明の一態様のOSメモリを適用した場合の例を示す。
【0647】
キャッシュのうち、最も下位に位置するものを、LLC(Last Level cache)と呼ぶことができる。LLCはこれよりも上位のキャッシュよりも速い動作速度は求められないものの、大きな記憶容量を有することが望ましい。本発明の一態様のOSメモリは動作速度が速く、長期間のデータ保持が可能であるため、LLCに好適に用いることができる。なお、本発明の一態様のOSメモリは、FLC(Final Level cache)にも適用することができる。
【0648】
例えば、図70(B)に示すように、上位のキャッシュ(L1キャッシュ、L2キャッシュ等)にSRAMを用い、LLCに本発明の一態様のOSメモリを用いる構成とすることができる。また、図70(B)に示すように、メインメモリにはOSメモリだけでなくDRAMを適用することもできる。
【0649】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0650】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置を用いることができる、電子部品、電子機器、大型計算機、宇宙用機器、およびデータセンター(Data Center:DCとも呼称する)について説明する。本発明の一態様の半導体装置を用いた、電子部品、電子機器、大型計算機、宇宙用機器、およびデータセンターは、低消費電力化といった高性能化に有効である。
【0651】
[電子部品]
電子部品700が実装された基板(実装基板704)の斜視図を、図71(A)に示す。図71(A)に示す電子部品700は、モールド711内に半導体装置710を有している。図71(A)は、電子部品700の内部を示すために、一部の記載を省略している。電子部品700は、モールド711の外側にランド712を有する。ランド712は電極パッド713と電気的に接続され、電極パッド713は半導体装置710とワイヤ714を介して電気的に接続されている。電子部品700は、例えばプリント基板702に実装される。このような電子部品が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板702上で電気的に接続されることで実装基板704が完成する。
【0652】
また、半導体装置710は、駆動回路層715と、記憶層716と、を有する。なお、記憶層716は、複数のメモリセルアレイが積層された構成である。駆動回路層715と、記憶層716と、が積層された構成は、モノリシック積層の構成とすることができる。モノリシック積層の構成では、TSV(Through Silicon Via)などの貫通電極技術、および、Cu-Cu直接接合などの接合技術、を用いることなく、各層間を接続することができる。駆動回路層715と、記憶層716と、をモノリシックに積層することで、例えば、プロセッサ上にメモリが直接形成される、いわゆるオンチップメモリの構成とすることができる。オンチップメモリの構成とすることで、プロセッサと、メモリとのインターフェイス部分の動作を高速にすることが可能となる。
【0653】
また、オンチップメモリの構成とすることで、TSVなどの貫通電極を用いる技術と比較し、接続配線などのサイズを小さくすることが可能であるため、接続ピン数を増加させることも可能となる。接続ピン数を増加させることで、並列動作が可能となるため、メモリのバンド幅(メモリバンド幅ともいう)を向上させることが可能となる。
【0654】
また、記憶層716が有する、複数のメモリセルアレイを、OSトランジスタを用いて形成し、当該複数のメモリセルアレイをモノリシックで積層することが好ましい。複数のメモリセルアレイをモノリシック積層の構成とすることで、メモリのバンド幅、及びメモリのアクセスレイテンシのいずれか一または双方を向上させることができる。なお、バンド幅とは、単位時間あたりのデータ転送量であり、アクセスレイテンシとは、アクセスしてからデータのやり取りが始まるまでの時間である。なお、記憶層716にSiトランジスタを用いる構成の場合、OSトランジスタと比較し、モノリシック積層の構成とすることが困難である。そのため、モノリシック積層の構成において、OSトランジスタは、Siトランジスタよりも優れた構造であるといえる。
【0655】
また、半導体装置710を、ダイと呼称してもよい。なお、本明細書等において、ダイとは、半導体チップの製造工程で、例えば円盤状の基板(ウエハともいう)などに回路パターンを形成し、さいの目状に切り分けて得られたチップ片を表す。なお、ダイに用いることのできる半導体材料として、例えば、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、または窒化ガリウム(GaN)などが挙げられる。例えば、シリコン基板(シリコンウエハともいう)から得られたダイを、シリコンダイという場合がある。
【0656】
次に、電子部品730の斜視図を図71(B)に示す。電子部品730は、SiP(System in Package)又はMCM(Multi Chip Module)の一例である。電子部品730は、パッケージ基板732(プリント基板)上にインターポーザ731が設けられ、インターポーザ731上に半導体装置735、及び複数の半導体装置710が設けられている。
【0657】
電子部品730では、半導体装置710を広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)として用いる例を示している。また、半導体装置735は、CPU、GPU、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路に用いることができる。
【0658】
パッケージ基板732は、例えば、セラミックス基板、プラスチック基板、又は、ガラスエポキシ基板を用いることができる。インターポーザ731は、例えば、シリコンインターポーザ、又は樹脂インターポーザを用いることができる。
【0659】
インターポーザ731は、複数の配線を有し、端子ピッチの異なる複数の集積回路を電気的に接続する機能を有する。複数の配線は、単層又は多層で設けられる。また、インターポーザ731は、インターポーザ731上に設けられた集積回路をパッケージ基板732に設けられた電極と電気的に接続する機能を有する。これらのことから、インターポーザを「再配線基板」又は「中間基板」と呼ぶ場合がある。また、インターポーザ731に貫通電極を設けて、当該貫通電極を用いて集積回路とパッケージ基板732を電気的に接続する場合もある。また、シリコンインターポーザでは、貫通電極として、TSVを用いることもできる。
【0660】
HBMでは、広いメモリバンド幅を実現するために多くの配線を接続する必要がある。このため、HBMを実装するインターポーザには、微細且つ高密度の配線形成が求められる。よって、HBMを実装するインターポーザには、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
【0661】
また、シリコンインターポーザを用いた、SiP及びMCM等では、集積回路とインターポーザ間の膨張係数の違いによる信頼性の低下が生じにくい。また、シリコンインターポーザは表面の平坦性が高いため、シリコンインターポーザ上に設ける集積回路とシリコンインターポーザ間の接続不良が生じにくい。特に、インターポーザ上に複数の集積回路を横に並べて配置する2.5Dパッケージ(2.5次元実装)では、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
【0662】
一方で、シリコンインターポーザ、及びTSVなどを用いて端子ピッチの異なる複数の集積回路を電気的に接続する場合、当該端子ピッチの幅などのスペースが必要となる。そのため、電子部品730のサイズを小さくしようとした場合、上記の端子ピッチの幅が問題になり、広いメモリバンド幅を実現するために必要な多くの配線を設けることが、困難になる場合がある。そこで、上述したように、OSトランジスタを用いたモノリシック積層の構成が好適である。TSVを用いて積層したメモリセルアレイと、モノリシック積層したメモリセルアレイと、を組み合わせた複合化構造としてもよい。
【0663】
また、電子部品730と重ねてヒートシンク(放熱板)を設けてもよい。ヒートシンクを設ける場合は、インターポーザ731上に設ける集積回路の高さを揃えることが好ましい。例えば、本実施の形態に示す電子部品730では、半導体装置710と半導体装置735の高さを揃えることが好ましい。
【0664】
電子部品730を他の基板に実装するため、パッケージ基板732の底部に電極733を設けてもよい。図71(B)では、電極733を半田ボールで形成する例を示している。パッケージ基板732の底部に半田ボールをマトリクス状に設けることで、BGA(Ball Grid Array)実装を実現できる。また、電極733を導電性のピンで形成してもよい。パッケージ基板732の底部に導電性のピンをマトリクス状に設けることで、PGA(Pin Grid Array)実装を実現できる。
【0665】
電子部品730は、BGA及びPGAに限らず様々な実装方法を用いて他の基板に実装することができる。実装方法としては、例えば、SPGA(Staggered Pin Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)、QFJ(Quad Flat J-leaded package)、及び、QFN(Quad Flat Non-leaded package)が挙げられる。
【0666】
[電子機器]
次に、電子機器6500の斜視図を図72(A)に示す。図72(A)に示す電子機器6500は、スマートフォンとして用いることのできる携帯情報端末機である。電子機器6500は、筐体6501、表示部6502、電源ボタン6503、ボタン6504、スピーカ6505、マイク6506、カメラ6507、光源6508、及び制御装置6509などを有する。なお、制御装置6509としては、例えば、CPU、GPU、及び記憶装置の中から選ばれるいずれか一または複数を有する。本発明の一態様の半導体装置は、表示部6502、制御装置6509などに適用することができる。
【0667】
図72(B)に示す電子機器6600は、ノート型コンピュータとして用いることのできる情報端末機である。電子機器6600は、筐体6611、キーボード6612、ポインティングデバイス6613、外部接続ポート6614、表示部6615、制御装置6616などを有する。なお、制御装置6616としては、例えば、CPU、GPU、及び記憶装置の中から選ばれるいずれか一または複数を有する。本発明の一態様の半導体装置は、表示部6615、制御装置6616などに適用することができる。なお、本発明の一態様の半導体装置を、上述の制御装置6509、及び制御装置6616に用いることで、消費電力を低減させることができるため好適である。
【0668】
[大型計算機]
次に、大型計算機5600の斜視図を図72(C)に示す。図72(C)に示す大型計算機5600には、ラック5610にラックマウント型の計算機5620が複数格納されている。なお、大型計算機5600を、スーパーコンピュータと呼称してもよい。
【0669】
計算機5620は、例えば、図72(D)に示す斜視図の構成とすることができる。図72(D)において、計算機5620は、マザーボード5630を有し、マザーボード5630は、複数のスロット5631、複数の接続端子を有する。スロット5631には、PCカード5621が挿入されている。加えて、PCカード5621は、接続端子5623、接続端子5624、接続端子5625を有し、それぞれ、マザーボード5630に接続されている。
【0670】
図72(E)に示すPCカード5621は、CPU、GPU、記憶装置などを備えた処理ボードの一例である。PCカード5621は、ボード5622を有する。また、ボード5622は、接続端子5623と、接続端子5624と、接続端子5625と、半導体装置5626と、半導体装置5627と、半導体装置5628と、接続端子5629と、を有する。なお、図72(E)には、半導体装置5626、半導体装置5627、および半導体装置5628以外の半導体装置を図示しているが、それらの半導体装置については、以下に記載する半導体装置5626、半導体装置5627、および半導体装置5628の説明を参照することができる。
【0671】
接続端子5629は、マザーボード5630のスロット5631に挿入することができる形状を有しており、接続端子5629は、PCカード5621とマザーボード5630とを接続するためのインターフェイスとして機能する。接続端子5629の規格としては、例えば、PCIeなどが挙げられる。
【0672】
接続端子5623、接続端子5624、接続端子5625は、例えば、PCカード5621に対して電力供給、信号入力などを行うためのインターフェイスとすることができる。また、例えば、PCカード5621によって計算された信号の出力などを行うためのインターフェイスとすることができる。接続端子5623、接続端子5624、接続端子5625のそれぞれの規格としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、SATA(Serial ATA)、SCSI(Small Computer System Interface)などが挙げられる。また、接続端子5623、接続端子5624、接続端子5625から映像信号を出力する場合、それぞれの規格としては、HDMI(登録商標)などが挙げられる。
【0673】
半導体装置5626は、信号の入出力を行う端子(図示しない。)を有しており、当該端子をボード5622が備えるソケット(図示しない。)に対して差し込むことで、半導体装置5626とボード5622を電気的に接続することができる。
【0674】
半導体装置5627は、複数の端子を有しており、当該端子をボード5622が備える配線に対して、例えば、リフロー方式のはんだ付けを行うことで、半導体装置5627とボード5622を電気的に接続することができる。半導体装置5627としては、例えば、FPGA、GPU、CPUなどが挙げられる。半導体装置5627として、例えば、電子部品730を用いることができる。
【0675】
半導体装置5628は、複数の端子を有しており、当該端子をボード5622が備える配線に対して、例えば、リフロー方式のはんだ付けを行うことで、半導体装置5628とボード5622を電気的に接続することができる。半導体装置5628としては、例えば、記憶装置などが挙げられる。半導体装置5628として、例えば、電子部品700を用いることができる。
【0676】
大型計算機5600は並列計算機としても機能できる。大型計算機5600を並列計算機として用いることで、例えば、人工知能の学習、および推論に必要な大規模の計算を行うことができる。
【0677】
[宇宙用機器]
本発明の一態様の半導体装置は、情報を処理および記憶する機器などの宇宙用機器に好適に用いることができる。
【0678】
本発明の一態様の半導体装置は、OSトランジスタを含むことができる。当該OSトランジスタは、放射線照射による電気特性の変動が小さい。つまり放射線に対する耐性が高いため、放射線が入射しうる環境において好適に用いることができる。例えば、OSトランジスタは、宇宙空間にて使用する場合に好適に用いることができる。
【0679】
図73には、宇宙用機器の一例として、人工衛星6800を示している。人工衛星6800は、機体6801と、ソーラーパネル6802と、アンテナ6803と、二次電池6805と、制御装置6807と、を有する。なお、図73においては、宇宙空間に惑星6804を例示している。なお、宇宙空間とは、例えば、高度100km以上を指すが、本明細書に記載の宇宙空間は、熱圏、中間圏、及び成層圏を含むことができる。
【0680】
また、図73には、図示していないが、二次電池6805に、バッテリマネジメントシステム(BMSともいう)、またはバッテリ制御回路を設けてもよい。上述のバッテリマネジメントシステム、またはバッテリ制御回路に、OSトランジスタを用いると、消費電力が低く、且つ宇宙空間においても高い信頼性を有するため好適である。
【0681】
また、宇宙空間は、地上に比べて100倍以上、放射線量の高い環境である。なお、放射線として、例えば、X線、及びガンマ線に代表される電磁波(電磁放射線)、並びにアルファ線、ベータ線、中性子線、陽子線、重イオン線、中間子線などに代表される粒子放射線が挙げられる。
【0682】
ソーラーパネル6802に太陽光が照射されることにより、人工衛星6800が動作するために必要な電力が生成される。しかしながら、例えばソーラーパネルに太陽光が照射されない状況、またはソーラーパネルに照射される太陽光の光量が少ない状況では、生成される電力が少なくなる。よって、人工衛星6800が動作するために必要な電力が生成されない可能性がある。生成される電力が少ない状況下であっても人工衛星6800を動作させるために、人工衛星6800に二次電池6805を設けるとよい。なお、ソーラーパネルは、太陽電池モジュールと呼ばれる場合がある。
【0683】
人工衛星6800は、信号を生成することができる。当該信号は、アンテナ6803を介して送信され、たとえば地上に設けられた受信機、または他の人工衛星が当該信号を受信することができる。人工衛星6800が送信した信号を受信することにより、当該信号を受信した受信機の位置を測定することができる。以上より、人工衛星6800は、衛星測位システムを構成することができる。
【0684】
また、制御装置6807は、人工衛星6800を制御する機能を有する。制御装置6807としては、例えば、CPU、GPU、及び記憶装置の中から選ばれるいずれか一または複数を用いて構成される。なお、制御装置6807には、本発明の一態様である半導体装置を用いると好適である。OSトランジスタは、Siトランジスタと比較し、放射線照射による電気特性の変動が小さい。つまり放射線が入射しうる環境においても信頼性が高く、好適に用いることができる。
【0685】
また、人工衛星6800は、センサを有する構成とすることができる。たとえば、可視光センサを有する構成とすることにより、人工衛星6800は、地上に設けられている物体に当たって反射された太陽光を検出する機能を有することができる。または、熱赤外センサを有する構成とすることにより、人工衛星6800は、地表から放出される熱赤外線を検出する機能を有することができる。以上より、人工衛星6800は、たとえば地球観測衛星としての機能を有することができる。
【0686】
なお、本実施の形態においては、宇宙用機器の一例として、人工衛星について例示したがこれに限定されない。例えば、本発明の一態様の半導体装置は、宇宙船、宇宙カプセル、宇宙探査機などの宇宙用機器に好適に用いることができる。
【0687】
以上の説明の通り、OSトランジスタは、Siトランジスタと比較し、広いメモリバンド幅の実現が可能なこと、放射線耐性が高いこと、といった優れた効果を有する。
【0688】
[データセンター]
本発明の一態様の半導体装置は、例えば、データセンターなどに適用されるストレージシステムに好適に用いることができる。データセンターは、データの不変性を保障するなど、データの長期的な管理を行うことが求められる。長期的にデータを管理する場合、膨大なデータを記憶するためのストレージおよびサーバの設置、データを保持するための安定した電源の確保、またはデータの保持に要する冷却設備の確保、など建屋の大型化が必要となる。
【0689】
データセンターに適用されるストレージシステムに本発明の一態様の半導体装置を用いることにより、データの保持に要する電力の低減、データを保持する半導体装置の小型化を図ることができる。そのため、ストレージシステムの小型化、データを保持するための電源の小型化、冷却設備の小規模化、などを図ることができる。そのため、データセンターの省スペース化を図ることができる。
【0690】
また、本発明の一態様の半導体装置は、消費電力が低いため、回路からの発熱を低減することができる。よって、当該発熱によるその回路自体、周辺回路、およびモジュールへの悪影響を低減できる。また、本発明の一態様の半導体装置を用いることにより、高温環境下においても動作が安定したデータセンターを実現できる。よってデータセンターの信頼性を高めることができる。
【0691】
図74にデータセンターに適用可能なストレージシステムを示す。図74に示すストレージシステム6900は、ホスト6901(Host Computerと図示)として複数のサーバ6901sbを有する。また、ストレージ6903(Storageと図示)として複数の記憶装置6903mdを有する。ホスト6901とストレージ6903とは、ストレージエリアネットワーク6904(SAN:Storage Area Networkと図示)およびストレージ制御回路6902(Storage Controllerと図示)を介して接続されている形態を図示している。
【0692】
ホスト6901は、ストレージ6903に記憶されたデータにアクセスするコンピュータに相当する。ホスト6901同士は、ネットワークで互いに接続されていてもよい。
【0693】
ストレージ6903は、フラッシュメモリを用いることで、データのアクセススピード、つまりデータの記憶及び出力に要する時間を短くしているものの、当該時間は、ストレージ6903内のキャッシュメモリとして用いることのできるDRAMが要する時間に比べて格段に長い。ストレージシステム6900では、ストレージ6903のアクセススピードの長さの問題を解決するために、通常ストレージ6903内にキャッシュメモリを設けてデータの記憶及び出力に要する時間を短くしている。
【0694】
上述のキャッシュメモリは、ストレージ制御回路6902およびストレージ6903内に用いられる。ホスト6901とストレージ6903との間でやり取りされるデータは、ストレージ制御回路6902およびストレージ6903内の当該キャッシュメモリに記憶されたのち、ホスト6901またはストレージ6903に出力される。
【0695】
上述のキャッシュメモリのデータを記憶するためのトランジスタとして、OSトランジスタを用いてデータに応じた電位を保持する構成とすることで、リフレッシュする頻度を減らし、消費電力を低くすることができる。またメモリセルアレイを積層する構成とすることで小型化が可能である。
【0696】
なお、本発明の一態様の半導体装置を、電子部品、電子機器、大型計算機、宇宙用機器、およびデータセンターの中から選ばれるいずれか一または複数に適用することで、消費電力を低減させる効果が期待される。そのため、半導体装置の高性能化、または高集積化に伴うエネルギー需要の増加が見込まれる中、本発明の一態様の半導体装置を用いることで、二酸化炭素(CO)に代表される、温室効果ガスの排出量を低減させることも可能となる。また、本発明の一態様の半導体装置は、低消費電力であるため地球温暖化対策としても有効である。
【0697】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0698】
BIL:配線、BILB:配線、BRL:配線、CA:容量素子、CAL:配線、CB:容量素子、CC:容量素子、GNDL:配線、RBL:配線、RWL:配線、SL:配線、VDL:配線、WBL:配線、WOL:配線、100:メモリセル、200a:トランジスタ、200b:トランジスタ、200:トランジスタ、212:絶縁体、216a:絶縁体、216b:絶縁体、216:絶縁体、230_1:酸化物、230_2:酸化物、230_3:酸化物、230a:酸化物、230b:酸化物、230:酸化物、242a:導電体、242b:導電体、242c:導電体、242d:導電体、242F:導電膜、242:導電体、244a:導電体、244b:導電体、244:導電体、245:導電体、246a:導電体、246b:導電体、246:導電体、247:絶縁体、250_1:絶縁体、250_2:絶縁体、250_3:絶縁体、250a:絶縁体、250b:絶縁体、250:絶縁体、251_1:絶縁体、251_2:絶縁体、251_3:絶縁体、251a:絶縁体、251b:絶縁体、251:絶縁体、260a:導電体、260b:導電体、260F:導電膜、260:導電体、261F:導電膜、262a:導電体、262b:導電体、262:導電体、274a:絶縁体、274b:絶縁体、274c:絶縁体、274F:絶縁膜、274:絶縁体、276a:絶縁体、276b:絶縁体、276:絶縁体、277a:絶縁体、277b:絶縁体、277:絶縁体、278a:絶縁体、278b:絶縁体、278:絶縁体、285:絶縁体、291F:絶縁膜、291:絶縁体、292:レジストマスク、293F:絶縁膜、293:絶縁体、300:容量素子、310:絶縁体、311:導電体、312a:導電体、312b:導電体、312F:導電膜、312:導電体、313F:絶縁膜、313:絶縁体、314:絶縁体、315F:絶縁膜、315:絶縁体、316:導電体、317:導電体、700:電子部品、702:プリント基板、704:実装基板、710:半導体装置、711:モールド、712:ランド、713:電極パッド、714:ワイヤ、715:駆動回路層、716:記憶層、730:電子部品、731:インターポーザ、732:パッケージ基板、733:電極、735:半導体装置、900:半導体装置、910:駆動回路、911:周辺回路、912:コントロール回路、915:周辺回路、920:メモリアレイ、923:行ドライバ、924:列ドライバ、925:入力回路、926:出力回路、927:センスアンプ、928:電圧生成回路、930:層、931:PSW、932:PSW、941:行デコーダ、942:列デコーダ、950:メモリセル、951:メモリセル、952:メモリセル、953:メモリセル、954:メモリセル、955:メモリセル、956:メモリセル、957:メモリセル、958:メモリセル、960:演算装置、970A:半導体装置、970B:半導体装置、970C:半導体装置、989:キャッシュインターフェイス、990:基板、991:ALU、992:ALUコントローラ、993:インストラクションデコーダ、994:インタラプトコントローラ、995:タイミングコントローラ、996:レジスタ、997:レジスタコントローラ、998:バスインターフェイス、999:キャッシュ、5600:大型計算機、5610:ラック、5620:計算機、5621:PCカード、5622:ボード、5623:接続端子、5624:接続端子、5625:接続端子、5626:半導体装置、5627:半導体装置、5628:半導体装置、5629:接続端子、5630:マザーボード、5631:スロット、6500:電子機器、6501:筐体、6502:表示部、6503:電源ボタン、6504:ボタン、6505:スピーカ、6506:マイク、6507:カメラ、6508:光源、6509:制御装置、6600:電子機器、6611:筐体、6612:キーボード、6613:ポインティングデバイス、6614:外部接続ポート、6615:表示部、6616:制御装置、6800:人工衛星、6801:機体、6802:ソーラーパネル、6803:アンテナ、6804:惑星、6805:二次電池、6807:制御装置、6900:ストレージシステム、6901sb:サーバ、6901:ホスト、6902:ストレージ制御回路、6903md:記憶装置、6903:ストレージ
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