(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132998
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】医療システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/20 20060101AFI20240920BHJP
A61B 17/22 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61B18/20
A61B17/22 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024039281
(22)【出願日】2024-03-13
(31)【優先権主張番号】63/490,127
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/582,621
(32)【優先日】2023-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド リーク
(72)【発明者】
【氏名】ケスター ジュリアン バチェラー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム イー. マーヴィン ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】キンボルト ヤング
【テーマコード(参考)】
4C026
4C160
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026DD03
4C026DD08
4C026FF17
4C026GG06
4C026HH13
4C160EE03
4C160EE15
4C160JJ11
4C160MM32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】砕石術処置中に、灌注、吸引、またはその両方を自動的に調節することができる医療システムを提供する。
【解決手段】システムは、1つまたは複数のセンサを含むことができる。処理回路が、例えば1つまたは複数のセンサからの1つまたは複数の信号に基づいて、軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルの表示を生成するように構成され得る。制御信号は、灌注流量および/または軟性鏡の遠位先端における吸引速度を調整するために使用され得る。濁度レベルは、溶液の電解伝導率を測定するためのセンサ、軟性鏡の遠位先端におけるコイルの両端の電磁誘導を測定するためのセンサ、および/または後方反射光の測度もしくは光源によって溶液中に放射され、光センサによって測定される吸収光の測度を使用して決定され得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濁度または手術シーン明瞭性のうちの少なくとも一方を決定することが可能な医療システムであって、
軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサと、
前記1つまたは複数の濁度センサに結合され、
前記1つまたは複数の濁度センサから信号を取得し、
前記軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを決定し、
前記決定された濁度レベルに基づき、前記軟性鏡の前記遠位先端またはその付近における灌注、吸引、照明のうちの少なくとも一方を制御するための信号を提供する
ように構成される処理回路と
を備える、医療システム。
【請求項2】
前記処理回路が、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号と、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号を前記濁度レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づいて、前記濁度レベルを決定するように構成される、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記処理回路が、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号と、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号をシーン明瞭性レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づいて、前記シーン明瞭性レベルを決定するように構成される、請求項1に記載の医療システム。
【請求項4】
前記1つまたは複数の濁度センサのうちの第1の濁度センサが、前記軟性鏡の管腔または作業チャネルの内側に位置する、請求項1に記載の医療システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の濁度センサのうちの第2の濁度センサが、前記軟性鏡の前記管腔または前記作業チャネルの外部に位置する、請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の濁度センサが、
第1の電極と、
前記第1の電極から横方向に間隔を空けてオフセットされた第2の電極と
を含み、
前記第1の電極または前記第2の電極のうちの少なくとも一方は、検知回路に接続され、前記検知回路が、前記第1の電極と前記第2の電極との間で生成された電圧信号または電流信号のうちの少なくとも一方を検出および測定するように構成された電圧センサまたは電流センサのうちの少なくとも一方を備える、
請求項1に記載の医療システム。
【請求項7】
前記第1の電極または前記第2の電極のうちの少なくとも一方が、前記軟性鏡の管腔または作業チャネルの内側に位置する、請求項6に記載の医療システム。
【請求項8】
前記1つまたは複数の濁度センサが、
交流(AC)電源に結合された第1の電磁コイルと、
AC電圧計に結合された第2の電磁コイルであって、前記第1の電磁コイルから横方向に間隔を空けてオフセットされて位置する第2の電磁コイルと
を含み、
前記AC電源が、前記第1の電磁コイルと前記第2の電磁コイルとの間の溶液を通過する電流を前記第1の電磁コイルに誘導させ、前記電流が、前記AC電圧計によって測定される電圧を前記第2の電磁コイルに誘導する、
請求項1に記載の医療システム。
【請求項9】
前記軟性鏡の前記遠位先端に配置された溶液中に光を放射する光源を備え、前記1つまたは複数の濁度センサは、前記軟性鏡の前記遠位先端に向かって反射された前記放射光の少なくとも一部を測定するように構成された光センサを含む、
請求項1に記載の医療システム。
【請求項10】
前記軟性鏡の前記遠位先端に位置する溶液中に光を放射する光源を備え、前記1つまたは複数の濁度センサは、前記光源から横方向に間隔を空けて位置し、前記溶液中に懸濁した1つまたは複数の固体によって減衰または吸収された前記放射光の一部を検出および測定するように構成された光センサを含む、
請求項1に記載の医療システム。
【請求項11】
濁度または手術シーン明瞭性のうちの少なくとも一方を決定することができる医療システムであって、
砕石術発光源と、
軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサと、
前記1つまたは複数の濁度センサに結合された処理回路であって、
前記1つまたは複数の濁度センサから信号を取得し、
前記軟性鏡の一部に近接する溶液の濁度レベルを決定し、
前記濁度レベルに基づいて、少なくとも1つの砕石術発光源、または前記軟性鏡の遠位先端もしくはその付近における灌注、吸引、もしくは照明のうちの少なくとも1つを制御するための信号を提供する
ように構成された処理回路と
を備える、医療システム。
【請求項12】
前記砕石術発光源がレーザ発光源を含み、前記砕石術発光源を制御することが、前記レーザ発光源から放射される放射光すなわちレーザ光の強度または量を調整することを含む、請求項11に記載の医療システム。
【請求項13】
前記砕石術発光源が音響振動源を含み、前記砕石術発光源を制御することが、前記音響振動源によって放射される超音波信号の周波数を調整することを含む、請求項11に記載の医療システム。
【請求項14】
前記処理回路が、
前記医療システムに通信可能に結合されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に、ユーザに対する表示または推奨のうちの少なくとも一方を出力する
ように更に構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つまたは複数の濁度センサが、前記軟性鏡の前記遠位先端と、砕石術処置中に標的から除去された物質の量を決定するように構成された軟性鏡に接続されたデバイスの灌注ポートとの間に位置する粒子カウンタを含み、前記表示には、前記軟性鏡の前記遠位先端またはその付近における濁度百分率、前記軟性鏡の前記遠位先端またはその付近におけるシーン明瞭性百分率、前記標的の現在のアブレーション速度、または前記標的のアブレーションを完了するのに必要な推定時間のうちの少なくとも一方が含まれる、
請求項14に記載の医療システム。
【請求項16】
濁度または手術シーン明瞭性のうちの少なくとも一方を決定する方法であって、
軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサを提供するステップと、
前記1つまたは複数の濁度センサから信号を取得するステップと、
前記軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを決定するステップと、
前記濁度レベルに基づいて、少なくとも1つのアブレーションエネルギー、または前記軟性鏡の前記遠位先端またはその付近における灌注、吸引、もしくは照明のうちの少なくとも1つを制御するための信号を提供するステップと
を含む、方法。
【請求項17】
前記濁度レベルを決定するステップが、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号と、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号を前記濁度レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づく、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記濁度レベルに少なくとも部分的に基づいて手術シーン明瞭性レベルを決定するステップを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
シーン明瞭性レベルを決定するステップが、前記1つまたは複数のセンサからの前記信号と、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号をシーン明瞭性レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づく、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記濁度レベルに少なくとも部分的に基づいて、前記軟性鏡を含む医療デバイスに結合された砕石術発光源に制御信号を提供するステップを含む、
請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、砕石術処置中に腎臓結石などの結石を治療している間など、手術シーン明瞭性の測度を提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
砕石術による腎臓結石などの結石の治療は、標的近くの患者の手術シーンのその場観察を伴う外科的処置である。観察は、尿管鏡、内視鏡、または別の同様のデバイスなどのスコープに取り付けられたカメラなど、撮像デバイスを使用して行われ得る。砕石術は、超音波エネルギーやレーザエネルギーなどのエネルギーを標的結石に向けて、標的をより小さい断片に破壊し、断片は、その後、灌注システムによって除去され得る。
【0003】
腎臓結石を治療すると、溶液中に懸濁固形物を生じさせる。これは、スコープを通して見たときの手術シーンの医師の視認性を損なう可能性がある。したがって、手術シーンの視覚的明瞭性は、溶液中の懸濁固形物の程度に少なくとも部分的に基づく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、(例えば、砕石術処置において使用されるスコープの遠位先端における)手術部位の溶液中の懸濁固形物の程度に少なくとも部分的に基づくことができるような手術シーン明瞭性を評価するためのシステムおよび方法が開示される。例えば、システムは、手術シーン明瞭性の測度を提供することができ、これを使用してスコープの灌注システムに自動フィードバックを提供することができる。既存のシステムは、一般に、照明ファイバを含む軟性鏡と、手術シーンを観察することが可能な撮像システムとを使用する。そのようなスコープは、灌注、吸引、把持などの機能を提供するために使用することができるなど、スコープの遠位先端またはその付近を含む1つまたは複数の作業チャネルを備えることができる。
【0006】
砕石術処置中に、腎臓結石などの結石は、電磁エネルギーまたは音響エネルギーを対象の結石に加えることなどによって、より小さな断片に破壊することができる。これらの小さな破片は、手術シーンまたはその付近などにおける溶液中に懸濁し、次いで灌注または吸引システムの一方または両方によって排出され得る。シーン視認性は、破壊の程度、結石が破壊されたときに結石から生じる懸濁固形物のサイズおよび/または数によって影響を及ぼされ得る。本明細書では、手術シーンまたはその付近などにおいて、濁度と呼ばれる、溶液の相対的な透明度(例えば、混濁度)の測度を検出および定量化するためのシステムが開示される。システムは、医療デバイス上または医療デバイス内に含まれるセンサを使用して濁度を測定することができる。濁度に基づいて、システムは、命令、制御信号、またはフィードバックのうちの1つまたは複数を接続された灌注システムに提供することができる。命令は、灌注システムの設定を自動的に調整するか、またはユーザにそうするように命令するか、または推奨される命令を実行するかどうかを確認する機会をユーザに与えることであり得る。例えば、灌注システムは、食塩水などの灌注溶液の量が増加、減少、または停止するように灌注流量を調整するように命令され得る。別の例では、システムは複数の命令または制御信号を提供することができる。例えば、システムは、検出された濁度が閾値を超えるか、または別の指定された基準を満たすことに応答して、灌注を中止または停止または減少させ、同時に(または実質的に同時に)吸引を開始する、始める、または増加させることができる。別の例では、システムは、検出された濁度が閾値を超えるか、または別の指定された基準を満たすことに応答するなどして、灌注と吸引の両方を一緒に増加させることができる。
【0007】
したがって、濁度レベルおよび/または手術シーン明瞭性を決定することができる医療システムは、デバイスの灌注システムに、手術シーン(例えば、軟性鏡の遠位先端)での灌注溶液の流量および/または吸引速度を調整させることができる。決定された濁度レベルは、手術シーンでの培地の透明度の測度に対応し、それを可能な値の範囲内でその値を定量化することができる。次いで、定量値は、閾値または1つもしくは複数の他の基準との比較などのために、プロセッサ回路に渡されるかまたは中継され得る。得られた情報は、アナログセンサまたはポンプ(またはポンプ制御)に通信することができるようなフィードバックまたは他の制御信号を生成するために使用することができ、これを使用してスコープの遠位先端での灌注および/または吸引または吸引の量を制御することができる。高濁度または低透明度の測定は、灌注液の流れを増加させ、および/または対応する吸引速度を調整するために信号が灌注システムに送信されることを生じ得る。低濁度または高透明度の測定は、灌注液の流れを減少させ、および/または対応する吸引速度を調整するために信号が灌注システムに送信されることを生じ得る。
【0008】
一例では、医療システムは、濁度測定に基づいて、医師の介入なしに(例えば、自動的に)灌注および/または吸引を自動的に調整することができる。自動調整は、人工知能(AI)もしくは機械学習(ML)または他のアルゴリズム(例えば、非AIまたは非MLの決定論的アルゴリズム)もしくはプロセスによって実行することができる。追加的または代替的に、調整は、ハードウェアベースのフィードバックループまたはフィードバック制御を使用して行うことができる。別の例では、アルゴリズムは、灌注および/または吸引の設定を調整するための推奨を医師に出力することができ、医師はそれを受け入れることも拒否することもできる。
【0009】
追加的または代替的に、医療システムは、異なる時点で濁度レベルを決定し、(処置が進行するにつれて)手術野が十分に明瞭でないと決定し、信号をアブレーション源に送信して、アブレーションエネルギーを低下させるかまたは終了させることができる。例えば、結石がアブレーションされ、手術シーンまたはスコープの遠位先端の濁度レベルが増加すると、コントローラ回路は、レーザ、超音波トランスデューサ、熱トランスデューサなどに、シーンが明瞭になるまでアブレーションエネルギーの放射を停止させることができる。追加的または代替的に、医療システムは、照準ビームまたは他の照明光源の輝度を調整するために、光源または放射体に信号を送信することによって、濁度の増加に応答することができる。
【0010】
追加的または代替的に、濁度レベルを使用して、処置を終了するのに必要な時間を決定または推定することができる。例えば、粒子カウンタなどのセンサを医療システムに含めることができ、どれだけの物質が結石または標的シーンから除去されたか、および/またはアブレーションの速度、または物質が結石または標的シーンから除去される速度を決定するために使用することができる。この決定に少なくとも部分的に基づいて、システムは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)などの表示を医師または他のユーザに提供することができる。この表示には、結石のアブレーションを終了するためにどれだけの時間がかかると推定されるか、および/または処置全体を終了するためにどれだけの時間がかかると推定されるかを含めることができる。そのような表示または推定は、処置に複数の結石をアブレーションすることが含まれる場合に特に有用であり得る。追加的または代替的に、医療システムは、センサデータを使用して、現在の濁度レベルまたは濁度百分率(例えば、手術野に現在どれだけのほこり、破片、粒子などがあるか)を決定し、その情報をGUIに表示することができる。
【0011】
医療システムが医師に出力することができる他の表示例としては、警告やエラーメッセージ、推奨などがある。例えば、医療システムは、スコープの遠位先端またはその付近に位置することができる加速度計などを介して、過剰な振動が検出されたときに表示を提供することができる。濁度レベルが大きいほど、スコープの先端でより多くの振動が発生する可能性があり、これは処置に悪影響を及ぼす可能性がある。医療システムはまた、濁度レベルに基づいてスコープの先端を移動、調整、再配置などするための推奨を医師に出力することができる。例えば、スコープの先端を濁りの少ない術野の部分に移動させることを推奨することができる。別の例では、上述のように照明光源またはアブレーションエネルギーを自動的に調整する代わりに、医療システムは、医療デバイスの設定を新しい値に変更するように医師に推奨を提供し得、例えば、ユーザによる調整またはユーザによる調整の確認を可能にし得る。新しい値は、アブレーションエネルギーの量、照明光源の新しい輝度レベルまたは輝度百分率などを含むことができる。
【0012】
したがって、医療システムは、軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを測定または特定するための1つまたは複数のセンサおよび処理回路を含むことができる。濁度レベルは、医療システムの、または医療システムに結合されている1つまたは複数のセンサを使用して、決定することができる。例えば、センサは、軟性鏡の遠位先端におけるコイルを横切る電磁誘導を測定し、濁度を決定することができる。別の例では、1つまたは複数のセンサは、撮像情報を収集するためのカメラなどの撮像センサまたは光学センサを含むことができる。そのような例では、(例えば、他のセンサから収集されたデータと併せて)撮像センサによって取り込まれた撮像情報に少なくとも部分的に基づいて、術野の明瞭性レベルを決定することができる。
【0013】
別のセンサは、物質が砕けたり、結石から除去される速度を測定することができる。別の例では、発光ダイオード(LED)によって溶液中に光が放射され得、光の挙動に基づいて濁度レベルを決定することができる。例えば、1つまたは複数のセンサは、スコープに含まれるかまたはスコープに接続された、光学センサに向かって後方反射される放射光の量(比濁濁度)を測定するためのセンサを含むことができる。追加的または代替的に、1つまたは複数のセンサは、溶液によって吸収される放射光の量(吸収濁度)を測定または特定するためのセンサを含むことができる。
【0014】
濁度レベルまたはシーン明瞭性は、(例えば、相関関数および/またはルックアップテーブルを使用して)濁度レベルに対する1つまたは複数のセンサからの1つまたは複数の信号の相関に少なくとも部分的に基づいて、処理回路によって特定され得る。相関関係に基づいて、処理回路は、軟性鏡に接続された医療デバイスの灌注システムに信号を提供することができる。信号は、i)灌注流量および/またはii)軟性鏡の遠位先端における吸引速度のうちの少なくとも一方を制御または調整することができる。
【0015】
シーン明瞭性または濁度に基づくなど、灌注および/または吸引の自動調整の利点は、自動調整が、より効率的で生産的な結石除去処置をもたらすことができることである。より効率的で生産性の高い結石除去処置は、全体的な処置時間や長さの短縮につながる。濁度レベルが低下していない場合、砕石術処置はあまり効率的ではない。したがって、灌注や吸引を自動的に制御して濁りを低減できるシステムであれば、医師は結石の除去作業に集中することができ、その一方でシステムは自動的に手術シーン明瞭性を維持することができる。本システムの別の利点は、破片がより効率的に除去されるため、処置中により多くの破片を除去できることである。したがって、将来的な処置やフォローアップ処置の必要性を減らしたり、低くしたりすることができる。また、センサからのデータおよびそれに対応する処置中の濁度測定値は、処置の全体的な効率レベルまたはスコアを決定するために使用することができる。次に、この効率スコアは、処置のその後の分析、医師または外科チームの有効性または効率などに使用することができる。
【0016】
必ずしも縮尺通りに描かれていない図面では、同様の符号は、異なる図において同様の構成要素を示し得る。異なる添え字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表し得る。図面は、一般に、限定ではなく例として、本明細書で説明される様々な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】濁度センサを含むことができる医療デバイスの一例を示す図である。
【0018】
【
図2】
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、電解伝導率を使用する濁度センサの一例を示す図である。
【0019】
【
図3】
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、電磁誘導を使用する濁度センサの一例を示す図である。
【0020】
【
図4】
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、比濁濁度センサの一例を示す図である。
【0021】
【
図5】
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、吸収濁度センサの一例を示す図である。
【0022】
【
図6】軟性鏡の遠位端に含まれ得るファイバ先端の断面の一例を示す図である。
【0023】
【
図7】濁度または手術シーン明瞭性の少なくとも一方を決定する方法の一例を示す図である。
【0024】
【
図8】本明細書で説明される技法(例えば、方法論)のうちのいずれか1つまたは複数が機能し得る例示的な装置、デバイス、または機械の一例のブロック図である。
【0025】
【
図9】例示的なコンピュータベースの臨床意思決定支援システム(CDSS)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
腎臓結石の治療は、結石をより小さな断片に破壊することを含み得る。得られたより小さな破片は、溶液中の懸濁固形物になり得る。次いで、これらの懸濁固形物は、灌注および/または吸引システムを使用して排出され得る。シーン視認性は、懸濁固形物の破壊の程度(例えば、サイズおよび数)によって影響を受ける可能性があり、スコープを通して見たときに外科手術シーンの医師の視認性を損ない得る。本発明者らは、とりわけ、溶液中の懸濁固形物の程度または量に基づいて手術シーンの視覚的明瞭性を評価するための改善されたシステムの必要性を認識した。本発明者らはまた、医師が結石アブレーションに集中することができるように、懸濁固形物の除去をより効率的に行うシステムの必要性も認識した。
【0027】
図1は、濁度センサを含むことができる医療デバイスの一例を示す。
図1に示すように、医療デバイスは、デバイス本体100またはハンドルと、近位端112でデバイス本体100に接続された内視鏡などの軟性鏡102とを含むことができる。医療デバイスは、灌注ポート106、入出力(I/O)接続部108、およびアクセサリポート110を更に含むことができる。軟性鏡102(例えば、前記軟性内視鏡部)は、軟性鏡102の内部に長手方向内腔作業チャネルを含むことができる。長手方向の作業チャネルは、近位端112から遠位端104または先端に広がる、走るなどすることができ、灌注および/または吸引に使用することができ、カメラおよび/または光源(例えば、ファイバまたは固体におけるように)などを含むことができる。
【0028】
濁度センサは、軟性鏡102の管腔の内部に、または軟性鏡102および/またはデバイス本体100の外部に配置され得る。例えば、濁度センサは、遠位端104、灌注ポート106、および/または遠位端104と灌注ポート106との間の位置(デバイス本体100の内部部分など)のうちの1つまたは複数に配置され得る。すなわち、開示された(および後述する)1つまたは複数のセンサによる測定は、医療デバイスに対応する異なる位置で行われ、または収集され得る。例えば、軟性鏡102の遠位端104と灌注ポート106との間に位置するセンサ(例えば、粒子カウンタ)は、排出されている浮遊要素もしくは粒子の数または量を記録することができる。別の例では、遠位端104またはその付近に位置する粒子カウンタは、アブレーション処置の終了時などに、溶液または媒体中に現在いくつの浮遊要素または粒子があるかを記録することができる。次いで、灌注および/または吸引の速度または量を、粒子カウンタによってカウントされた粒子の数に基づいて決定(または調整)することができる。
【0029】
現在の粒子数は、医師が、アブレーションされた結石からの破片はすべて処置が完了する前に確実に除去され得ることを確認するのに役立つ。除去されずに残った破片は、排尿時に自然に排泄することが難しくなる可能性があり、新たな結石を成長させるための潜在的な「播種要素」として作用する可能性がある。更に、複数のセンサからのデータを互いに組み合わせて使用することができる。例えば、画像センサを使用して、新たな結石が形成され得る潜在的に損なわれた組織を識別することができ、それを医師が治療することができる。したがって、粒子カウンタおよび撮像センサからのデータを一緒に使用して、新たな結石形成のリスクを低減することができる。
【0030】
デバイス入出力回路は、1つまたは複数のセンサ信号を、I/O接続部108で医療デバイスに接続された(本明細書で論じるアルゴリズムを動作させる)システムコントローラまたは他のコントローラ回路に渡すことができる。砕石術処置では、1つまたは複数のセンサを、超音波、超音波、熱、RF、またはレーザによる砕石術システムなどの診断または治療エネルギーデバイスと組み合わせて使用することができる。例えば、砕石術エネルギーデバイスから放射されるエネルギーの量は、センサデータから決定された濁度レベルまたは手術シーン明瞭性に基づいて、制御または調整され得る。
【0031】
図2は、
図1の医療デバイスなどの医療デバイス内に含まれ得る、濁度を測定するために電解伝導率を使用する濁度センサの一例を示す。溶液の電気伝導性は、例えば一定の距離だけ離れた2つの電極(210および212)の間で、濁度センサによって測定され得る。電極210および212は、作業チャネル214および/または灌注ポートまたは内視鏡などの軟性鏡の遠位先端の中またはその近くに含まれ得る。スコープの遠位先端が位置する溶液200の電気伝導度は、溶液200のイオン密度(または粒子密度)に依存し得る。砕石術処置は、溶液200内に懸濁されたイオン202または粒子を生成し得る。したがって、溶液200のセンチメートル当たりのコンダクタンスは、規定値試験または励起電流に応答する直流電圧測定を使用して測定され得、その逆も同様である。電圧または電流測定値は、検知回路208に位置する電圧センサ204および/または電流センサ206によって取得され得る。測定された伝導率応答信号は、電極形状および2つの電極210と212の間隔の関数と見なされ得、濁度と相関され得る。測定して得られた伝導率応答信号は、濁度の測度を提供することができる相関関数またはルックアップテーブルへのインデックスとして使用され得る。
【0032】
図3は、
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、電磁誘導を使用する濁度センサの一例を示す。AC電圧源300と流体または溶液200との間に電磁結合が形成され得る。電磁結合は、AC電圧計302によって測定され得る。AC電圧源300およびAC電圧計302は、検知回路308に含まれる構成要素であり得る。一次コイル304は、AC電力によって通電され得、試料溶液200を通過する電流を誘導することができる。次に、この誘導された電流は、二次コイル306に測定可能な電圧を誘導することができ、この電圧は、AC電圧計302によって測定され得る。一次コイル304および/または二次コイル306は、上述した軟性鏡102などの軟性鏡の作業チャネル310および/または灌注ポートに位置することができる。
【0033】
測定電圧に基づいて濁度の測度を提供するために、例えば相関関数またはルックアップテーブルを使用して、二次コイル306で測定された電圧と濁度との間の相関関係が特定され得る。濁度の測度は、コイルの形状とコイル間の間隔との関数であり得る。AC電圧源300および/またはAC電圧計302は、軟性鏡102に挿入される光ファイバ(またはファイババンドル)によって使用される作業チャネルに位置することができる。例えば、AC電圧源300および/またはAC電圧計302は、軟性鏡102の遠位先端104を通って軟性鏡102から延びるなど、軟性鏡102に挿入されるファイバの先端に位置することができ、および/または医療デバイスの灌注ポート106に位置することができる。
【0034】
図4は、
図1の医療デバイスなどの医療デバイスに含まれ得る、比濁濁度センサの一例を示す。発光ダイオード(LED)406などの光源は、照明光400を溶液200中に放射し得る。受光された照明光に応答して、溶液200は散乱応答光402を提供することができ、散乱応答光402は光センサ404によって検出され得る。所与の量の照明光に応答した応答光後方反射の程度(例えば、後方反射光の量)は、光センサ404を使用して測定され得る。測定された後方反射光を電気信号に変換することができる。電気信号は、相関関数、ルックアップテーブルなどを使用することなどによって、溶液200の濁度の表示を提供することができる。
【0035】
LED406および/または光センサ404は、例えば、軟性鏡102の遠位先端104におけるファイバ先端408の断面を示す
図4に示されているように、例えば、軟性鏡102に挿入され得る照明ファイバまたはファイババンドルに含まれるかまたは一体化されることによって、ファイバベースであり得る。
【0036】
図5は、
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、吸収濁度センサの一例を示す。
図5では、LED500などの光源が、光センサ502の反対側に位置することができる。LED500と光センサ502との間で、溶液200中の懸濁固形物(イオン202)が、溶液200を照らす放射光504を減衰させる。放射光504の検出された部分は、光センサ502によって電気信号に変換され得、電気信号は、相関関数、ルックアップテーブルなどを介して濁度値を生成するために使用され得る。したがって、溶液200による照明光の吸収度は、濁度の測度を提供することができる。そのような構成はまた、上記で同様に説明されたように、ファイバベースであり、照明ファイバまたはファイババンドルに含まれるかまたは一体化され得る。
【0037】
図6は、
図1に示す軟性鏡102の遠位端104に含まれ得るファイバ先端600の断面の一例を示す。一例では、ファイバ先端600は、1つまたは複数のセンサを含むことができる。1つまたは複数のセンサは、光学センサ602(例えば、カメラ)および/または環境センサ604を含むことができる。環境センサ604は、温度センサおよび/もしくは圧力センサ、またはファイバ先端600が位置する環境もしくは媒体のパラメータを検知もしくは測定することができる任意の他のセンサを含むことができる。1つまたは複数のセンサはまた、
図2~
図5について上述した濁度センサのうちの1つまたは複数を含むこともできる。
【0038】
ファイバ先端600はまた、レーザチャネル606などの1つまたは複数のチャネルを含むことができ、その中にレーザファイバまたは光ファイバを挿入または含めることができ、および/または、これらファイバを通じて、レーザ放射、すなわちレーザ光(可視または不可視)が放射され得る。1つまたは複数のチャネルはまた、吸引チャネル608(作業チャネル)を含むこともできる。吸引チャネル608は、断片化された結石などの粒子を手術野から吸引したり、その他の方法で除去したりすることを可能にするために、ポンプや真空などに接続され得る。ファイバ先端600はまた、灌注チャネル610を含むことができる。灌注チャネル610は、灌注システム、ポンプなどに接続され得る。生理食塩水などの灌注流体を灌注チャネル610から圧送または放出して、吸引チャネル608を通じて吸引するには小さすぎる手術野から、より小さな塵状粒子を除去することができる。
【0039】
図7は、濁度または手術シーン明瞭性の少なくとも一方を決定する方法700の一例を示す。方法700は、いくつかの動作またはステップ(702~712)を全体の一部として含む(include)か、または全体を構成するものとして含む(comprise)ことができる。これらの動作は例示的なものであり、本方法は、列挙された動作のうちの1つまたは複数を省略することができ、動作を繰り返すことができ、他の動作を含むことができ、または、適宜もしくは必要に応じて、動作を同時に、実質的に同時に、または別の順序で実行することができる。動作は、
図8について後述するように、機械またはコンピュータのプロセッサまたはコントローラによって自動的に実行され得る。
【0040】
702で、方法700は、軟性鏡に結合された1つまたは複数のセンサを提供することを含むことができる。軟性鏡は、医療デバイスのハンドルまたは本体に接続された内視鏡または他の同様のスコープであり得る。1つもしくは複数のセンサは、温度もしくは圧力センサなどの環境センサ、1つもしくは複数の粒子カウンタ、または
図2~
図5について上述した濁度センサのうちの1つもしくは複数を含むことができる。704で、方法700は、1つまたは複数のセンサから信号を取得することを含むことができ、706で、軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを決定することを含むことができる。
【0041】
溶液は、腎臓結石などの標的が位置する培地(例えば、空気、水、生理食塩水など)であり得る。濁度レベルを決定することは、1つまたは複数のセンサからの信号と、相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも1つとに、少なくとも部分的に基づくことができる。相関関数および/またはルックアップテーブルは、1つまたは複数のセンサからの信号を濁度レベルおよび/または手術シーン明瞭性レベルと相関させることができる。濁度レベルは、遠位先端での混濁レベルまたは視認性レベルに相当することができ、標的がどれだけアブレーションされたかに基づくことができる。
【0042】
708で、方法700は、少なくとも1つの動作パラメータを制御するための信号(例えば、軟性鏡の遠位先端またはその付近における灌注または吸引の量または流れを制御する)を提供することを含むことができる。例えば、濁度レベルが高い場合(培地がアブレーションされた標的から出た大量のダストおよび/または粒子を含有し、手術シーンの視認性が低いことを意味する)、灌注流体を軟性鏡のチャネルから圧送して手術シーンを明瞭にすることができる。追加的または代替的に、信号が真空に送られ、軟性鏡の別のチャネルを通じて粒子を吸引または除去することができる。または、別の例では、信号は、濁度測定値またはレベルに基づいて、照準ビームなどの照明光源を作動または停止(例えば、オンまたはオフ)させることができる。
【0043】
710で、方法700は、1つまたは複数のセンサから第2の信号を取得することと、内視鏡の遠位先端またはその付近における第2の濁度レベルを決定することとを任意選択的に含むことができる。第2の濁度レベルを決定することは、1つまたは複数のセンサからの信号と、1つまたは複数のセンサからの信号を濁度レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方とに少なくとも部分的に基づくことができる。710で行われた決定は、706で行われた決定に続いて、またはそれよりも後の時点で行うことができる。したがって、第2の濁度レベルは、706で行われた決定からの濁度レベルの変化を表すことができる。
【0044】
712で、方法700は、少なくとも1つの動作パラメータ(例えば、軟性鏡の遠位先端またはその付近における吸引または灌注のうちの少なくとも一方)を調整するための第2の信号を提供することを任意選択的に含むことができる。調整は、710で決定された第2の濁度レベル(または濁度レベルの変化)に少なくとも部分的に基づいて行われ得る。例えば、第2の濁度レベルが706で決定された濁度レベルよりも高い場合、灌注および/または吸引の量を増加させることができる。逆に、第2の濁度レベルが706で決定された濁度レベルよりも低い場合、灌注および/または吸引の量を減らすか、または完全に終了させることができる。信号が照明光源の制御に使用される場合、第2の濁度レベルが706で決定された濁度レベルと異なるとき、照準ビームなどの照明光源の強度または輝度を、必要に応じてまたは適宜、調整(例えば、増加、減少、または終了)することができる。
【0045】
708および/または712で、灌注および/または吸引を制御するための信号と共に、それとは別個に、またはそれに代えて、制御信号を砕石術発光源に送信することができる。例えば、砕石術発光源がレーザである場合、濁度レベル、第2の濁度レベル、濁度レベルの変化、および/または手術シーン明瞭性の量(または変化)に基づいて、放射中のレーザ放射の量を増加、減少、または終了するように制御信号を送信することができる。
【0046】
図8は、本明細書で説明される技法(例えば、方法論)のうちのいずれか1つまたは複数が機能し得る装置、デバイス、または機械800の一例のブロック図である。代替的な実施形態では、機械800は、スタンドアロンデバイスとして動作し得るか、または他の機械に接続(例えば、ネットワーク接続)することができる。機械800は、I/O接続部108および/またはアクセサリポート110を介して医療デバイスに接続されるなど、
図1の医療デバイスに接続することができる。ネットワーク接続配備では、機械800は、サーバ-クライアントネットワーク環境において、サーバマシン、クライアントマシン、またはその両方の能力において動作し得る。一例では、機械800は、ピアツーピア(P2P)(または他の分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして機能し得る。機械800は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはその機械によって行われるべき動作を指定する命令(順次またはその他)を実行することが可能な任意の機械であり得る。更に、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語はまた、クラウドコンピューティング、サービス型ソフトウェア(SaaS)、他のコンピュータクラスタ構成など、本明細書で説明される方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実行するために1つの命令セット(または複数の命令セット)を個別にまたは共同で実行する機械の任意の集合を含むと解釈されるものとする。
【0047】
例は、本明細書で説明されるように、論理またはいくつかの構成要素もしくは機構を含み得るか、あるいはそれらによって動作し得る。回路セットは、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、論理など)を含む有形エンティティにおいて実装された回路の集合である。回路セットメンバーシップは、時間や潜在するハードウェアのばらつきに関して柔軟であり得る。回路セットは、単独でまたは組み合わせて、動作時に指定された動作を実行し得るメンバーを含む。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作(例えば、ハードワイヤ化)を行うように不変に設計することができる。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作の命令を符号化するように物理的に修正された(例えば、不変の集結した粒子の磁気的に、電気的に、移動可能な配置など)コンピュータ可読媒体を含む、可変に接続された物理的構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路など)を含み得る。物理的構成要素を接続する際に、ハードウェア構成の基礎となる電気的特性は、例えば、絶縁体から導体に、またはその逆に変更される。命令は、埋め込みハードウェア(例えば、実行ユニットまたはローディング機構)が、動作中に特定の動作の部分を行うために可変接続を介してハードウェア内に回路セットのメンバーを作成することを可能にする。したがって、コンピュータ可読媒体は、デバイスが動作しているときに回路セットメンバーの他の構成要素に通信可能に結合される。一例では、物理的構成要素のいずれも、2つ以上の回路セットの2つ以上のメンバーに使用することができる。例えば、動作中、実行ユニットは、ある時点では第1の回路セットの第1の回路において使用され、異なる時点では第1の回路セット中の第2の回路によってまたは第2の回路セット中の第3の回路によって再使用することができる。
【0048】
機械(例えば、コンピュータシステム)800は、ハードウェアプロセッサ802(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、ハードウェア・プロセッサ・コア、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはそれらの任意の組合せ)、メインメモリ804、およびスタティックメモリ806を含み得、それらの一部または全部は、インターリンク(例えば、バス)830を介して互いに通信し得る。機械800は、ディスプレイユニット810、英数字入力デバイス812(例えば、キーボード)、およびユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス814(例えば、マウス)を更に含み得る。一例では、ディスプレイユニット810、入力デバイス812、およびUIナビゲーションデバイス814は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。機械800は、記憶デバイス(例えば、駆動ユニット)808と、信号生成デバイス818(例えば、スピーカ)と、ネットワーク826に接続されたネットワークインターフェースデバイス820と、全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、または他のセンサなどの1つまたは複数のセンサ816とを更に含み得る。機械800は、1つまたは複数の周辺デバイス(例えば、プリンタ、カードリーダなど)と通信するかまたはそれを制御するために、直列(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))接続、並列接続、または他の有線もしくは無線(例えば、赤外線(IR)、近距離通信(NFC)など)接続など、出力コントローラ828を含み得る。
【0049】
記憶デバイス808は、本明細書で説明される技法または機能のいずれか1つまたは複数を具現化するかまたはそれによって使用されるデータ構造または命令824(例えば、ソフトウェア)の1つまたは複数のセットが記憶された機械可読媒体822を含み得る。命令824はまた、機械800によるその実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ804内、スタティックメモリ806内、またはハードウェアプロセッサ802内に存在し得る。一例では、ハードウェアプロセッサ802、メインメモリ804、スタティックメモリ806、または記憶デバイス808のうちの1つまたは任意の組合せが、機械可読媒体を構成し得る。
【0050】
機械可読媒体822は単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つまたは複数の命令824を記憶するように構成された単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含み得る。「機械可読媒体」という用語は、機械800による実行のための命令を記憶、符号化、または搬送することが可能であり、機械800に本開示の技法のいずれか1つまたは複数を実行させるか、あるいは、そのような命令によって使用されるかまたはそれに関連するデータ構造を記憶、符号化、または搬送することが可能である、任意の非一時的な媒体を含み得る。非限定的な機械可読媒体の例は、ソリッドステートメモリ、ならびに光および磁気媒体を含み得る。一例では、集結した機械可読媒体は、不変(例えば、静止)質量を有する複数の粒子を有する機械可読媒体を含む。したがって、集結した機械可読媒体は、一時的な伝搬信号ではない。集結した機械可読媒体の具体的な例は、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM))およびフラッシュ・メモリ・デバイスなどの不揮発性メモリと、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクとを含み得る。
【0051】
図9は、医療処置中の手術部位の濁度に関する情報に基づいて、灌注および/または吸引システムの変更された設定を実施または推奨するように構成することができる例示的なコンピュータベース臨床意思決定支援システム(CDSS)900の概略図を示す。様々な実施形態では、CDSS900は、患者に固有の、患者および/または患者が予定している医療処置に関する情報が人工知能(AI)モデル904への入力機能として提供される入力インターフェース902を含むことができる。入力特徴はまた、情報をAIモデルに適用して1つまたは複数の変更されたレーザ設定を生成する推論動作を行うことができるプロセッサ802などのプロセッサ、および1つまたは複数の変更されたレーザ設定がユーザ、例えば臨床医に伝達されるユーザインターフェース(UI)にも提供され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、入力インターフェース902は、CDSS900と入力特徴のうちの少なくともいくつかを生成する1つまたは複数の医療デバイスとの間の直接データリンクであり得る。例えば、入力インターフェース902は、処置に関する情報および/あるいは医療デバイスまたはスコープに結合されたセンサからの情報(例えば、信号)を、治療および/または診断医療処置中にCDSS900に直接伝送し得る。追加的または代替的に、入力インターフェース902は、ユーザとCDSS900との間の対話を容易にする古典的なユーザインターフェースであり得る。例えば、入力インターフェース902は、ユーザが患者に固有である処置に関する情報を手動で入力し得るユーザインターフェースを容易にし得る。追加的または代替的に、入力インターフェース902は、1つまたは複数の入力特徴を抽出することができる電子患者記録へのアクセスをCDSS900に提供し得る。これらの場合のいずれにおいても、入力インターフェース902は、以下を評価するためにCDSS900が使用される時間に、またはその時間の前に、特定の患者に関連して以下の入力特徴のうちの1つまたは複数を収集するように構成することができる。
【0053】
医療処置に関する情報、
【0054】
処置中に使用されるべき医療デバイスに関する情報、
【0055】
医療デバイスの灌注システムまたは医療デバイスに接続された灌注システムの1つまたは複数の設定に関する情報、
【0056】
手術部位における溶液のセンチメートル当たりのコンダクタンスの測度、溶液の電気伝導度、または
図2について説明された電圧および/もしくは電流、
図3について説明された二次コイルの電圧、
図4について説明された散乱光および/または電気信号の量、
図5について説明された光センサによって吸収された放射光の量、
図1について説明された粒子数を含むことができる1つまたは複数のセンサからの情報910、
【0057】
(例えば、1つまたは複数のセンサからの情報から導出されるかまたはそれに基づく)濁度の測度912に関する情報。
【0058】
上記の入力特徴のうちの1つまたは複数に基づいて、プロセッサ802は、実装されるべき1つまたは複数の灌注設定の変更またはユーザに提案されるべき1つまたは複数の灌注設定の推奨される変更を生成するために、AIモデルを使用して推論動作を実行することができる。例えば、入力インターフェース902は、処置、デバイス、および/またはセンサに関する情報を、これらの入力特徴をAIモデルを通して出力層に伝搬することができるAIモデルの入力層に配信し得る。AIモデルは、データの分析において発見されたパターンに基づいて推論を行うことによって、明示的にプログラムされることなくタスクを実行する能力を、コンピュータシステムに提供することができる。AIモデルは、既存のデータから学習し、新しいデータに関する予測を行い得るアルゴリズム(例えば、機械学習アルゴリズム)の研究および構築を探索することができる。そのようなアルゴリズムは、出力または評価として表されるデータ駆動型の予測または決定を行うために、例示的な訓練データからAIモデルを構築することによって動作することができる。
【0059】
機械学習(ML)のための2つのモードは、教師ありMLおよび教師なしMLを含む。教師ありMLは、入力と出力との間の関係を学習するために、事前知識(例えば、入力を出力または結果に相関させる例)を使用することができる。教師ありMLの目的は、何らかの訓練データが与えられると、訓練入力と出力との間の関係を最もよく近似する関数を学習することを含み、その結果、MLモデルは、対応する出力を生成するために入力が与えられたときに同じ関係を実装することができる。教師なしMLは、分類もラベル付けもされていない情報を使用するMLアルゴリズムの訓練を含み、これは、アルゴリズムが案内なしにその情報に作用することを可能にする。
教師なしMLは、データ内の構造を自動的に識別することができるため、探索的分析に有用であり得る。
教師ありMLのためのタスクは、分類問題および回帰問題を含む。カテゴリ分類問題とも呼ばれる分類問題は、項目をいくつかのカテゴリ値(例えば、この物体はリンゴかオレンジか?)のうちの1つに分類することを目的とする。回帰アルゴリズムは、(例えば、何らかの入力の値にスコアを提供することによって)いくつかの項目を定量化することを目的とする。教師ありMLアルゴリズムのいくつかの例は、ロジスティック回帰(LR)、ナイーブベイズ、ランダムフォレスト(RF)、ニューラルネットワーク(NN)、ディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)、行列因数分解、およびサポート・ベクター・マシン(SVM)を含む。教師なしMLのためのいくつかのタスクは、クラスタリング、表現学習、および密度推定を含む。教師なしMLアルゴリズムのいくつかの例は、K平均クラスタリング、主成分分析、およびオートエンコーダである。別のタイプのMLは、データを交換することなく、ローカルデータを保持する複数の非集中型デバイスにわたってアルゴリズムを訓練する(協調学習としても知られる)連合学習である。この手法は、すべてのローカルデータセットが1つのサーバにアップロードされる従来の集中型機械学習技法、ならびに、ローカル・データ・サンプルが同一に分散していることを前提とすることが多い、より古典的な非集中型手法とは対照的である。連合学習は、複数の当事者がデータを共有することなく共通の堅牢な機械学習モデルを構築することを可能にし、したがって、データプライバシー、データセキュリティ、データアクセス権、および異種データへのアクセスなど、重要な問題に対処することを可能にする。いくつかの例では、AIモデルは、プロセッサ802による推論動作の実行前に連続的にまたは定期的に訓練することができる。次いで、推論動作中に、AIモデルに提供された患者固有の入力特徴は、入力層から、1つまたは複数の隠れ層を通して、最終的にレーザ設定のうちの1つまたは複数への変更に対応する出力層に伝搬することができる。例えば、手術野の濁度が高いとき、灌注流体の流れおよび/または吸引の量など、灌注設定の変更が出力層に伝搬され得る。推論動作中に、および/または推論動作に続いて、灌注設定の変更は、ユーザインターフェース(UI)を介してユーザに通信され、および/または、プロセッサ802に灌注設定を自動的に調整させ、新しい設定を使用してレーザ処置を続行させることができる。
【0060】
実施例1は、濁度または手術シーン明瞭性のうちの少なくとも一方を決定することが可能な医療システムであって、本医療システムは、軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサと、1つまたは複数の濁度センサに結合され、1つまたは複数のセンサから信号を取得し、軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを決定し、その決定された濁度レベルに基づき、軟性鏡の遠位先端またはその付近における灌注、吸引、照明のうちの少なくとも一方を制御するための信号を提供するように構成される処理回路とを備える。
【0061】
実施例2では、実施例1の主題は、任意選択的に、処理回路が、1つまたは複数の濁度センサからの信号と、1つまたは複数の濁度センサからの信号を濁度レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づいて、濁度レベルを決定するように構成されることを含む。
【0062】
実施例3では、実施例1~2のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択に、処理回路が、1つまたは複数の濁度センサからの信号と、1つまたは複数の濁度センサからの信号をシーン明瞭性レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づいて、シーン明瞭性レベルを決定するように構成されることを含む。
【0063】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、1つまたは複数の濁度センサのうちの第1の濁度センサが、軟性鏡の管腔または作業チャネルの内側に位置することを含む。
【0064】
実施例5では、実施例4の主題は、任意選択的に、1つまたは複数の濁度センサのうちの第2の濁度センサが、軟性鏡の管腔または作業チャネルの外側に位置することを含む。
【0065】
実施例6では、実施例1~5のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、1つまたは複数の濁度センサが、第1の電極と、第1の電極から横方向に間隔を空けてオフセットされた第2の電極とを含み、第1の電極または第2の電極のうちの少なくとも一方は、検知回路に接続され、検知回路は、第1の電極と第2の電極との間で生成された電圧信号または電流信号のうちの少なくとも一方を検出および測定するように構成された電圧センサまたは電流センサのうちの少なくとも一方を備えることを含む。
【0066】
実施例7では、実施例6の主題は、任意選択的に、第1の電極または第2の電極のうちの少なくとも一方が、軟性鏡の管腔または作業チャネルの内側に位置することを含む。
【0067】
実施例8では、実施例1~7のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、1つまたは複数の濁度センサが、交流(AC)電源に結合された第1の電磁コイルと、AC電圧計に結合された第2の電磁コイルであって、第1の電磁コイルから横方向に間隔を空けてオフセットされて位置する第2の電磁コイルとを含み、AC電源は、第1の電磁コイルと第2の電磁コイルとの間の溶液を通過する電流を第1の電磁コイルに誘導させ、電流は、AC電圧計によって測定される電圧を第2の電磁コイルに誘導することを含む。
【0068】
実施例9では、実施例1~8のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、軟性鏡の遠位先端に位置する溶液中に光を放射する光源を含み、1つまたは複数の濁度センサは、軟性鏡の遠位先端に向かって反射された放射光の少なくとも一部を測定するように構成された光センサを含む。
【0069】
実施例10では、実施例1~9のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、軟性鏡の遠位先端に位置する溶液中に光を放射する光源を含み、1つまたは複数の濁度センサは、光源から横方向に間隔を空けて位置し、溶液中に懸濁した1つまたは複数の固体によって減衰または吸収された放射光の一部を検出および測定するように構成された光センサを含む。
【0070】
実施例11は、濁度または手術シーン明瞭性のうちの少なくとも一方を決定することができる医療システムであって、この医療システムは、砕石術発光源と、軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサと、1つまたは複数のセンサに結合された処理回路であって、1つまたは複数のセンサから信号を取得し、軟性鏡の溶液の一部に近接する濁度レベルを決定し、濁度レベルに基づいて、少なくとも1つの砕石術発光源、または軟性鏡の遠位先端もしくはその付近における灌注、吸引、もしくは照明のうちの少なくとも1つを制御するための信号を提供するように構成された処理回路とを備える。
【0071】
実施例12では、実施例11の主題は、砕石術発光源がレーザ発光源を含み、砕石術発光源を制御することが、レーザ発光源から放射される放射光すなわちレーザ光の強度または量を調整することを含むことを任意選択的に含む。
【0072】
実施例13では、実施例11~12のいずれか1つまたは複数の主題は、砕石術発光源が音響振動源を含み、砕石術発光源を制御することが、音響振動源によって放出される超音波信号の周波数を調整することを含むことを任意選択的に含む。
【0073】
実施例14では、実施例11~13のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、処理回路が、医療システムに通信可能に結合されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に、ユーザに対する表示または推奨のうちの少なくとも一方を出力するように更に構成されることを含む。
【0074】
実施例15では、実施例14の主題は、任意選択的に、1つまたは複数の濁度センサが、軟性鏡の遠位先端と、砕石術処置中に標的から除去された物質の量を決定するように構成された軟性鏡に接続されたデバイスの灌注ポートとの間に位置する粒子カウンタを含み、表示には、軟性鏡の遠位先端またはその付近における濁度百分率、軟性鏡の遠位先端またはその付近におけるシーン明瞭性百分率、標的の現在のアブレーション速度、または標的のアブレーションを完了するのに必要な推定時間のうちの少なくとも一方が含まれることを含む。
【0075】
実施例16では、濁度または手術シーン明瞭性のうちの少なくとも一方を決定する方法であって、本方法は、軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサを提供するステップと、1つまたは複数の濁度センサから信号を取得するステップと、軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを決定するステップと、濁度レベルに基づいて、少なくとも1つのアブレーションエネルギー、または軟性鏡の遠位先端またはその付近における灌注、吸引、もしくは照明のうちの少なくとも1つを制御するための信号を提供するステップとを含む。
【0076】
実施例17では、実施例16の主題は、任意選択的に、濁度レベルを決定するステップが、1つまたは複数の濁度センサからの信号と、1つまたは複数の濁度センサからの信号を濁度レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0077】
実施例18では、例実施例16~17のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、濁度レベルに少なくとも部分的に基づいて手術シーン明瞭性レベルを決定することを含む。
【0078】
実施例19では、実施例18の主題は、任意選択的に、シーン明瞭性レベルを決定するステップが、1つまたは複数の濁度センサからの信号と、1つまたは複数の濁度センサからの信号をシーン明瞭性レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0079】
実施例20では、実施例16~19のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、濁度レベルに少なくとも部分的に基づいて、軟性鏡を含む医療デバイスに結合された砕石術発光源に制御信号を提供することを含む。
【0080】
上記の発明を実施するための形態は、発明を実施するための形態の一部を形成する添付の図面の参照を含む。図面は、例として、実施され得る特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。そのような例は、図示または説明されたものに加えて要素を含み得る。しかしながら、本発明者らは、図示または説明された要素のみが提供される例をも企図する。更に、本発明者らは、特定の例(またはその1つまたは複数の態様)に関して、あるいは本明細書で図示または説明された他の例(またはその1つまたは複数の態様)に関してのいずれかで、図示または説明された要素(またはその1つまたは複数の態様)の任意の組合せまたは置換を使用する例をも企図する。
【0081】
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許文献は、参照により個々に組み込まれるかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書と参照によりそのように組み込まれたそれらの文書との間に矛盾する使用がある場合、組み込まれた参考文献における使用は、本明細書の使用を補足するものと見なされるべきであり、一致しない矛盾については、本明細書における使用が統制する。
【0082】
本明細書では、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」の任意の他の事例または使用とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように使用される。本明細書では、「または」という用語は、非排他的であることを指すか、あるいは、別段に明記しない限り、「AまたはB」が「AであるがBでない」、「BであるがAでない」、および「AおよびB」を含むことを指すために使用される。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「そこにおいて(in which)」という用語は、それぞれ「含む、備える(comprising)」および「ここにおいて(wherein)」という用語の平易な英語の同義語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「含む、備える(comprising)」という用語はオープンエンドであり、すなわち、特許請求の範囲においてそのような用語の後に列挙される要素に加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、またはプロセスは、依然としてその特許請求の範囲内にあると見なされる。更に、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値的な要件を課すことを意図しない。
【0083】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、上記で説明された例(またはその1つまたは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。上記の説明を検討すると、当業者などによって、他の実施形態が使用され得る。要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするものであり、特許請求の範囲またはその意味を解釈または限定するために使用されないという理解の下で提出される。また、上記の発明を実施するための形態では、本開示を合理化するために様々な特徴が一緒にグループ化され得る。これは、特許請求されていない開示された特徴が任意の請求項に必須であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にあり得る。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書によって、発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態として独立している。実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に、決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサと、
前記1つまたは複数の濁度センサに結合され、
前記1つまたは複数の濁度センサから信号を取得し、
前記軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを決定し、
前記決定された濁度レベルに基づき、前記軟性鏡の前記遠位先端またはその付近における灌注、吸引、照明のうちの少なくとも一方を制御するための信号を提供する
ように構成される処理回路とを備える、医療システム。
【請求項2】
前記処理回路が、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号と、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号を前記濁度レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づいて、前記濁度レベルを決定するように構成される、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記処理回路が、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号と、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号をシーン明瞭性レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づいて、前記シーン明瞭性レベルを決定するように構成される、請求項1に記載の医療システム。
【請求項4】
前記1つまたは複数の濁度センサのうちの第1の濁度センサが、前記軟性鏡の管腔または作業チャネルの内側に位置する、請求項1に記載の医療システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の濁度センサのうちの第2の濁度センサが、前記軟性鏡の前記管腔または前記作業チャネルの外部に位置する、請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の濁度センサが、
第1の電極と、
前記第1の電極から横方向に間隔を空けてオフセットされた第2の電極と
を含み、
前記第1の電極または前記第2の電極のうちの少なくとも一方は、検知回路に接続され、
前記検知回路が、前記第1の電極と前記第2の電極との間で生成された電圧信号または電流信号のうちの少なくとも一方を検出および測定するように構成された電圧センサまたは電流センサのうちの少なくとも一方を備える、請求項1に記載の医療システム。
【請求項7】
前記第1の電極または前記第2の電極のうちの少なくとも一方が、前記軟性鏡の管腔または作業チャネルの内側に位置する、請求項6に記載の医療システム。
【請求項8】
前記1つまたは複数の濁度センサが、
AC電源に結合された第1の電磁コイルと、
AC電圧計に結合された第2の電磁コイルであって、前記第1の電磁コイルから横方向に間隔を空けてオフセットされて位置する第2の電磁コイルと
を含み、
前記AC電源が、前記第1の電磁コイルと前記第2の電磁コイルとの間の溶液を通過する電流を前記第1の電磁コイルに誘導させ、
前記電流が、前記AC電圧計によって測定される電圧を前記第2の電磁コイルに誘導する、請求項1に記載の医療システム。
【請求項9】
前記軟性鏡の前記遠位先端に配置された溶液中に光を放射する光源を備え、
前記1つまたは複数の濁度センサは、前記光源から放射され、前記軟性鏡の前記遠位先端に向かって反射された前記光の少なくとも一部を測定するように構成された光センサを含む、請求項1に記載の医療システム。
【請求項10】
前記軟性鏡の前記遠位先端に位置する溶液中に光を放射する光源を備え、
前記1つまたは複数の濁度センサは、前記光源から横方向に間隔を空けて位置し、前記光源から放射され、前記溶液中に懸濁した1つまたは複数の固体によって減衰または吸収された前記光の一部を検出および測定するように構成された光センサを含む、請求項1に記載の医療システム。
【請求項11】
砕石術発光源と、
軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサと、
前記1つまたは複数の濁度センサに結合され、
前記1つまたは複数の濁度センサから信号を取得し、
前記軟性鏡の一部に近接する溶液の濁度レベルを決定し、
前記濁度レベルに基づいて、少なくとも1つの前記砕石術発光源、または前記軟性鏡の遠位先端もしくはその付近における灌注、吸引、もしくは照明のうちの少なくとも1つを制御するための信号を提供する
ように構成された処理回路とを備える、医療システム。
【請求項12】
前記砕石術発光源がレーザ発光源を含み、
前記砕石術発光源を制御するための信号は、前記レーザ発光源から放射される放射光すなわちレーザ光の強度または量を調整するための信号である、請求項11に記載の医療システム。
【請求項13】
前記砕石術発光源が音響振動源を含み、
前記砕石術発光源を制御するための信号は、前記音響振動源によって放射される超音波信号の周波数を調整するための信号である、請求項11に記載の医療システム。
【請求項14】
前記処理回路が、
前記医療システムに通信可能に結合されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に、ユーザに対する表示または推奨のうちの少なくとも一方を出力する
ように更に構成される、請求項11に記載の医療システム。
【請求項15】
前記1つまたは複数の濁度センサが、前記軟性鏡の前記遠位先端と、砕石術処置中に標的から除去された物質の量を決定するように構成された軟性鏡に接続されたデバイスの灌注ポートとの間に位置する粒子カウンタを含み、前記表示には、前記軟性鏡の前記遠位先端またはその付近における濁度百分率、前記軟性鏡の前記遠位先端またはその付近におけるシーン明瞭性百分率、前記標的の現在のアブレーション速度、または前記標的のアブレーションを完了するのに必要な推定時間のうちの少なくとも一方が含まれる、
請求項14に記載の医療システム。
【請求項16】
濁度または手術シーン明瞭性のうちの少なくとも一方を決定する制御方法であって、
軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサを提供するステップと、
前記1つまたは複数の濁度センサから信号を取得するステップと、
前記軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを決定するステップと、
前記濁度レベルに基づいて、少なくとも1つのアブレーションエネルギー、または前記軟性鏡の前記遠位先端またはその付近における灌注、吸引、もしくは照明のうちの少なくとも1つを制御するための信号を提供するステップとを含む、制御方法。
【請求項17】
前記濁度レベルを決定するステップが、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号と、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号を前記濁度レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づいて、前記濁度レベルを決定する、請求項16に記載の制御方法。
【請求項18】
前記濁度レベルに少なくとも部分的に基づいて手術シーン明瞭性レベルを決定するステップを含む、請求項16に記載の制御方法。
【請求項19】
シーン明瞭性レベルを決定するステップが、前記1つまたは複数のセンサからの前記信号と、前記1つまたは複数の濁度センサからの前記信号をシーン明瞭性レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づいて、前記シーン明瞭性レベルを決定する、請求項18に記載の制御方法。
【請求項20】
前記濁度レベルに少なくとも部分的に基づいて、前記軟性鏡を含む医療デバイスに結合された砕石術発光源に制御信号を提供するステップを含む、請求項16に記載の制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、砕石術処置中に腎臓結石などの結石を治療している間など、手術シーン明瞭性の測度を提供する医療システムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
砕石術による腎臓結石などの結石の治療は、標的近くの患者の手術シーンのその場観察を伴う外科的処置である。観察は、尿管鏡、内視鏡、または別の同様のデバイスなどのスコープに取り付けられたカメラなど、撮像デバイスを使用して行われ得る。砕石術は、超音波エネルギーやレーザエネルギーなどのエネルギーを標的結石に向けて、標的をより小さい断片に破壊し、断片は、その後、灌注システムによって除去され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
腎臓結石を治療すると、溶液中に懸濁固形物を生じさせる。これは、スコープを通して見たときの手術シーンの医師の視認性を損なう可能性がある。したがって、手術シーンの視覚的明瞭性は、溶液中の懸濁固形物の程度に少なくとも部分的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、(例えば、砕石術処置において使用されるスコープの遠位先端における)手術部位の溶液中の懸濁固形物の程度に少なくとも部分的に基づくことができるような手術シーン明瞭性を評価するための医療システムおよび制御方法が開示される。例えば、医療システムは、手術シーン明瞭性の測度を提供することができ、これを使用してスコープの灌注システムに自動フィードバックを提供することができる。既存のシステムは、一般に、照明ファイバを含む軟性鏡と、手術シーンを観察することが可能な撮像システムとを使用する。そのようなスコープは、灌注、吸引、把持などの機能を提供するために使用することができるなど、スコープの遠位先端またはその付近を含む1つまたは複数の作業チャネルを備えることができる。
【0005】
砕石術処置中に、腎臓結石などの結石は、電磁エネルギーまたは音響エネルギーを対象の結石に加えることなどによって、より小さな断片に破壊することができる。これらの小さな破片は、手術シーンまたはその付近などにおける溶液中に懸濁し、次いで灌注または吸引システムの一方または両方によって排出され得る。シーン視認性は、破壊の程度、結石が破壊されたときに結石から生じる懸濁固形物のサイズおよび/または数によって影響を及ぼされ得る。本明細書では、手術シーンまたはその付近などにおいて、濁度と呼ばれる、溶液の相対的な透明度(例えば、混濁度)の測度を検出および定量化するための医療システムが開示される。医療システムは、医療デバイス上または医療デバイス内に含まれるセンサを使用して濁度を測定することができる。濁度に基づいて、医療システムは、命令、制御信号、またはフィードバックのうちの1つまたは複数を接続された灌注システムに提供することができる。命令は、灌注システムの設定を自動的に調整するか、またはユーザにそうするように命令するか、または推奨される命令を実行するかどうかを確認する機会をユーザに与えることであり得る。例えば、灌注システムは、食塩水などの灌注溶液の量が増加、減少、または停止するように灌注流量を調整するように命令され得る。別の例では、医療システムは複数の命令または制御信号を提供することができる。例えば、医療システムは、検出された濁度が閾値を超えるか、または別の指定された基準を満たすことに応答して、灌注を中止または停止または減少させ、同時に(または実質的に同時に)吸引を開始する、始める、または増加させることができる。別の例では、医療システムは、検出された濁度が閾値を超えるか、または別の指定された基準を満たすことに応答するなどして、灌注と吸引の両方を一緒に増加させることができる。
【0006】
したがって、濁度レベルおよび/または手術シーン明瞭性を決定することができる医療システムは、デバイスの灌注システムに、手術シーン(例えば、軟性鏡の遠位先端)での灌注溶液の流量および/または吸引速度を調整させることができる。決定された濁度レベルは、手術シーンでの培地の透明度の測度に対応し、それを可能な値の範囲内でその値を定量化することができる。次いで、定量値は、閾値または1つもしくは複数の他の基準との比較などのために、プロセッサ回路に渡されるかまたは中継され得る。得られた情報は、アナログセンサまたはポンプ(またはポンプ制御)に通信することができるようなフィードバックまたは他の制御信号を生成するために使用することができ、これを使用してスコープの遠位先端での灌注および/または吸引または吸引の量を制御することができる。高濁度または低透明度の測定は、灌注液の流れを増加させ、および/または対応する吸引速度を調整するために信号が灌注システムに送信されることを生じ得る。低濁度または高透明度の測定は、灌注液の流れを減少させ、および/または対応する吸引速度を調整するために信号が灌注システムに送信されることを生じ得る。
【0007】
一例では、医療システムは、濁度測定に基づいて、医師の介入なしに(例えば、自動的に)灌注および/または吸引を自動的に調整することができる。自動調整は、人工知能(AI)もしくは機械学習(ML)または他のアルゴリズム(例えば、非AIまたは非MLの決定論的アルゴリズム)もしくはプロセスによって実行することができる。追加的または代替的に、調整は、ハードウェアベースのフィードバックループまたはフィードバック制御を使用して行うことができる。別の例では、アルゴリズムは、灌注および/または吸引の設定を調整するための推奨を医師に出力することができ、医師はそれを受け入れることも拒否することもできる。
【0008】
追加的または代替的に、医療システムは、異なる時点で濁度レベルを決定し、(処置が進行するにつれて)手術野が十分に明瞭でないと決定し、信号をアブレーション源に送信して、アブレーションエネルギーを低下させるかまたは終了させることができる。例えば、結石がアブレーションされ、手術シーンまたはスコープの遠位先端の濁度レベルが増加すると、コントローラ回路は、レーザ、超音波トランスデューサ、熱トランスデューサなどに、シーンが明瞭になるまでアブレーションエネルギーの放射を停止させることができる。追加的または代替的に、医療システムは、照準ビームまたは他の照明光源の輝度を調整するために、光源または放射体に信号を送信することによって、濁度の増加に応答することができる。
【0009】
追加的または代替的に、濁度レベルを使用して、処置を終了するのに必要な時間を決定または推定することができる。例えば、粒子カウンタなどのセンサを医療システムに含めることができ、どれだけの物質が結石または標的シーンから除去されたか、および/またはアブレーションの速度、または物質が結石または標的シーンから除去される速度を決定するために使用することができる。この決定に少なくとも部分的に基づいて、医療システムは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)などの表示を医師または他のユーザに提供することができる。この表示には、結石のアブレーションを終了するためにどれだけの時間がかかると推定されるか、および/または処置全体を終了するためにどれだけの時間がかかると推定されるかを含めることができる。そのような表示または推定は、処置に複数の結石をアブレーションすることが含まれる場合に特に有用であり得る。追加的または代替的に、医療システムは、センサデータを使用して、現在の濁度レベルまたは濁度百分率(例えば、手術野に現在どれだけのほこり、破片、粒子などがあるか)を決定し、その情報をGUIに表示することができる。
【0010】
医療システムが医師に出力することができる他の表示例としては、警告やエラーメッセージ、推奨などがある。例えば、医療システムは、スコープの遠位先端またはその付近に位置することができる加速度計などを介して、過剰な振動が検出されたときに表示を提供することができる。濁度レベルが大きいほど、スコープの先端でより多くの振動が発生する可能性があり、これは処置に悪影響を及ぼす可能性がある。医療システムはまた、濁度レベルに基づいてスコープの先端を移動、調整、再配置などするための推奨を医師に出力することができる。例えば、スコープの先端を濁りの少ない術野の部分に移動させることを推奨することができる。別の例では、上述のように照明光源またはアブレーションエネルギーを自動的に調整する代わりに、医療システムは、医療デバイスの設定を新しい値に変更するように医師に推奨を提供し得、例えば、ユーザによる調整またはユーザによる調整の確認を可能にし得る。新しい値は、アブレーションエネルギーの量、照明光源の新しい輝度レベルまたは輝度百分率などを含むことができる。
【0011】
したがって、医療システムは、軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを測定または特定するための1つまたは複数のセンサおよび処理回路を含むことができる。濁度レベルは、医療システムの、または医療システムに結合されている1つまたは複数のセンサを使用して、決定することができる。例えば、センサは、軟性鏡の遠位先端におけるコイルを横切る電磁誘導を測定し、濁度を決定することができる。別の例では、1つまたは複数のセンサは、撮像情報を収集するためのカメラなどの撮像センサまたは光学センサを含むことができる。そのような例では、(例えば、他のセンサから収集されたデータと併せて)撮像センサによって取り込まれた撮像情報に少なくとも部分的に基づいて、術野の明瞭性レベルを決定することができる。
【0012】
別のセンサは、物質が砕けたり、結石から除去される速度を測定することができる。別の例では、発光ダイオード(LED)によって溶液中に光が放射され得、光の挙動に基づいて濁度レベルを決定することができる。例えば、1つまたは複数のセンサは、スコープに含まれるかまたはスコープに接続された、光学センサに向かって後方反射される放射光の量(比濁濁度)を測定するためのセンサを含むことができる。追加的または代替的に、1つまたは複数のセンサは、溶液によって吸収される放射光の量(吸収濁度)を測定または特定するためのセンサを含むことができる。
【0013】
濁度レベルまたはシーン明瞭性は、(例えば、相関関数および/またはルックアップテーブルを使用して)濁度レベルに対する1つまたは複数のセンサからの1つまたは複数の信号の相関に少なくとも部分的に基づいて、処理回路によって特定され得る。相関関係に基づいて、処理回路は、軟性鏡に接続された医療デバイスの灌注システムに信号を提供することができる。信号は、i)灌注流量および/またはii)軟性鏡の遠位先端における吸引速度のうちの少なくとも一方を制御または調整することができる。
【0014】
シーン明瞭性または濁度に基づくなど、灌注および/または吸引の自動調整の利点は、自動調整が、より効率的で生産的な結石除去処置をもたらすことができることである。より効率的で生産性の高い結石除去処置は、全体的な処置時間や長さの短縮につながる。濁度レベルが低下していない場合、砕石術処置はあまり効率的ではない。したがって、灌注や吸引を自動的に制御して濁りを低減できるシステムであれば、医師は結石の除去作業に集中することができ、その一方でシステムは自動的に手術シーン明瞭性を維持することができる。本システムの別の利点は、破片がより効率的に除去されるため、処置中により多くの破片を除去できることである。したがって、将来的な処置やフォローアップ処置の必要性を減らしたり、低くしたりすることができる。また、センサからのデータおよびそれに対応する処置中の濁度測定値は、処置の全体的な効率レベルまたはスコアを決定するために使用することができる。次に、この効率スコアは、処置のその後の分析、医師または外科チームの有効性または効率などに使用することができる。
【0015】
必ずしも縮尺通りに描かれていない図面では、同様の符号は、異なる図において同様の構成要素を示し得る。異なる添え字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表し得る。図面は、一般に、限定ではなく例として、本明細書で説明される様々な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】濁度センサを含むことができる医療デバイスの一例を示す図である。
【0017】
【
図2】
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、電解伝導率を使用する濁度センサの一例を示す図である。
【0018】
【
図3】
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、電磁誘導を使用する濁度センサの一例を示す図である。
【0019】
【
図4】
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、比濁濁度センサの一例を示す図である。
【0020】
【
図5】
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、吸収濁度センサの一例を示す図である。
【0021】
【
図6】軟性鏡の遠位端に含まれ得るファイバ先端の断面の一例を示す図である。
【0022】
【
図7】濁度または手術シーン明瞭性の少なくとも一方を決定する
制御方法の一例を示す図である。
【0023】
【
図8】本明細書で説明される技法(例えば、方法論)のうちのいずれか1つまたは複数が機能し得る例示的な装置、デバイス、または機械の一例のブロック図である。
【0024】
【
図9】例示的なコンピュータベースの臨床意思決定支援システム(CDSS)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
腎臓結石の治療は、結石をより小さな断片に破壊することを含み得る。得られたより小さな破片は、溶液中の懸濁固形物になり得る。次いで、これらの懸濁固形物は、灌注および/または吸引システムを使用して排出され得る。シーン視認性は、懸濁固形物の破壊の程度(例えば、サイズおよび数)によって影響を受ける可能性があり、スコープを通して見たときに外科手術シーンの医師の視認性を損ない得る。本発明者らは、とりわけ、溶液中の懸濁固形物の程度または量に基づいて手術シーンの視覚的明瞭性を評価するための改善された医療システムの必要性を認識した。本発明者らはまた、医師が結石アブレーションに集中することができるように、懸濁固形物の除去をより効率的に行う医療システムの必要性も認識した。
【0026】
図1は、濁度センサを含むことができる医療デバイスの一例を示す。
図1に示すように、医療デバイスは、デバイス本体100またはハンドルと、近位端112でデバイス本体100に接続された内視鏡などの軟性鏡102とを含むことができる。医療デバイスは、灌注ポート106、入出力(I/O)接続部108、およびアクセサリポート110を更に含むことができる。軟性鏡102(例えば、前記軟性内視鏡部)は、軟性鏡102の内部に長手方向内腔作業チャネルを含むことができる。長手方向の作業チャネルは、近位端112から遠位端104または先端に広がる、走るなどすることができ、灌注および/または吸引に使用することができ、カメラおよび/または光源(例えば、ファイバまたは固体におけるように)などを含むことができる。
【0027】
濁度センサは、軟性鏡102の管腔の内部に、または軟性鏡102および/またはデバイス本体100の外部に配置され得る。例えば、濁度センサは、遠位端104、灌注ポート106、および/または遠位端104と灌注ポート106との間の位置(デバイス本体100の内部部分など)のうちの1つまたは複数に配置され得る。すなわち、開示された(および後述する)1つまたは複数の濁度センサによる測定は、医療デバイスに対応する異なる位置で行われ、または収集され得る。例えば、軟性鏡102の遠位端104と灌注ポート106との間に位置する濁度センサ(例えば、粒子カウンタ)は、排出されている浮遊要素もしくは粒子の数または量を記録することができる。別の例では、遠位端104またはその付近に位置する粒子カウンタは、アブレーション処置の終了時などに、溶液または媒体中に現在いくつの浮遊要素または粒子があるかを記録することができる。次いで、灌注および/または吸引の速度または量を、粒子カウンタによってカウントされた粒子の数に基づいて決定(または調整)することができる。
【0028】
現在の粒子数は、医師が、アブレーションされた結石からの破片はすべて処置が完了する前に確実に除去され得ることを確認するのに役立つ。除去されずに残った破片は、排尿時に自然に排泄することが難しくなる可能性があり、新たな結石を成長させるための潜在的な「播種要素」として作用する可能性がある。更に、複数のセンサからのデータを互いに組み合わせて使用することができる。例えば、画像センサを使用して、新たな結石が形成され得る潜在的に損なわれた組織を識別することができ、それを医師が治療することができる。したがって、粒子カウンタおよび撮像センサからのデータを一緒に使用して、新たな結石形成のリスクを低減することができる。
【0029】
デバイス入出力回路は、1つまたは複数のセンサ信号を、I/O接続部108で医療デバイスに接続された(本明細書で論じるアルゴリズムを動作させる)システムコントローラまたは他のコントローラ回路に渡すことができる。砕石術処置では、1つまたは複数の濁度センサを、超音波、超音波、熱、RF、またはレーザによる砕石術システムなどの診断または治療エネルギーデバイスと組み合わせて使用することができる。例えば、砕石術エネルギーデバイスから放射されるエネルギーの量は、センサデータから決定された濁度レベルまたは手術シーン明瞭性に基づいて、制御または調整され得る。
【0030】
図2は、
図1の医療デバイスなどの医療デバイス内に含まれ得る、濁度を測定するために電解伝導率を使用する濁度センサの一例を示す。溶液の電気伝導性は、例えば一定の距離だけ離れた2つの電極(210および212)の間で、濁度センサによって測定され得る。電極210および212は、作業チャネル214および/または灌注ポート
106または内視鏡などの軟性鏡の遠位先端
104の中またはその近くに含まれ得る。スコープの遠位先端
104が位置する溶液200の電気伝導度は、溶液200のイオン密度(または粒子密度)に依存し得る。砕石術処置は、溶液200内に懸濁されたイオン202または粒子を生成し得る。したがって、溶液200のセンチメートル当たりのコンダクタンスは、規定値試験または励起電流に応答する直流電圧測定を使用して測定され得、その逆も同様である。電圧または電流測定値は、検知回路208に位置する電圧センサ204および/または電流センサ206によって取得され得る。測定された伝導率応答信号は、電極形状および2つの電極210と212の間隔の関数と見なされ得、濁度と相関され得る。測定して得られた伝導率応答信号は、濁度の測度を提供することができる相関関数またはルックアップテーブルへのインデックスとして使用され得る。
【0031】
図3は、
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、電磁誘導を使用する濁度センサの一例を示す。AC電圧源300と流体または溶液200との間に電磁結合が形成され得る。電磁結合は、AC電圧計302によって測定され得る。AC電圧源300およびAC電圧計302は、検知回路308に含まれる構成要素であり得る。一次コイル304は、AC電力によって通電され得、試料溶液200を通過する電流を誘導することができる。次に、この誘導された電流は、二次コイル306に測定可能な電圧を誘導することができ、この電圧は、AC電圧計302によって測定され得る。一次コイル304および/または二次コイル306は、上述した軟性鏡102などの軟性鏡の作業チャネル310および/または灌注ポート
106に位置することができる。
【0032】
測定電圧に基づいて濁度の測度を提供するために、例えば相関関数またはルックアップテーブルを使用して、二次コイル306で測定された電圧と濁度との間の相関関係が特定され得る。濁度の測度は、コイルの形状とコイル間の間隔との関数であり得る。AC電圧源300および/またはAC電圧計302は、軟性鏡102に挿入される光ファイバ(またはファイババンドル)によって使用される作業チャネル310に位置することができる。例えば、AC電圧源300および/またはAC電圧計302は、軟性鏡102の遠位先端104を通って軟性鏡102から延びるなど、軟性鏡102に挿入されるファイバの先端に位置することができ、および/または医療デバイスの灌注ポート106に位置することができる。
【0033】
図4は、
図1の医療デバイスなどの医療デバイスに含まれ得る、比濁濁度センサの一例を示す。発光ダイオード(LED)406などの光源は、照明光400を溶液200中に放射し得る。受光された照明光に応答して、溶液200は散乱応答光402を提供することができ、散乱応答光402は光センサ404によって検出され得る。所与の量の照明光に応答した応答光後方反射の程度(例えば、後方反射光の量)は、光センサ404を使用して測定され得る。測定された後方反射光を電気信号に変換することができる。電気信号は、相関関数、ルックアップテーブルなどを使用することなどによって、溶液200の濁度の表示を提供することができる。
【0034】
LED406および/または光センサ404は、例えば、軟性鏡102の遠位先端104におけるファイバ先端408の断面を示す
図4に示されているように、例えば、軟性鏡102に挿入され得る照明ファイバまたはファイババンドルに含まれるかまたは一体化されることによって、ファイバベースであり得る。
【0035】
図5は、
図1の医療デバイスなど、医療デバイスに含まれ得る、吸収濁度センサの一例を示す。
図5では、LED500などの光源が、光センサ502の反対側に位置することができる。LED500と光センサ502との間で、溶液200中の懸濁固形物(イオン202)が、溶液200を照らす放射光504を減衰させる。放射光504の検出された部分は、光センサ502によって電気信号に変換され得、電気信号は、相関関数、ルックアップテーブルなどを介して濁度値を生成するために使用され得る。したがって、溶液200による照明光の吸収度は、濁度の測度を提供することができる。そのような構成はまた、上記で同様に説明されたように、ファイバベースであり、照明ファイバまたはファイババンドルに含まれるかまたは一体化され得る。
【0036】
図6は、
図1に示す軟性鏡102の遠位端104に含まれ得るファイバ先端600の断面の一例を示す。一例では、ファイバ先端600は、1つまたは複数のセンサを含むことができる。1つまたは複数のセンサは、光学センサ602(例えば、カメラ)および/または環境センサ604を含むことができる。環境センサ604は、温度センサおよび/もしくは圧力センサ、またはファイバ先端600が位置する環境もしくは媒体のパラメータを検知もしくは測定することができる任意の他のセンサを含むことができる。1つまたは複数のセンサはまた、
図2~
図5について上述した濁度センサのうちの1つまたは複数を含むこともできる。
【0037】
ファイバ先端600はまた、レーザチャネル606などの1つまたは複数のチャネルを含むことができ、その中にレーザファイバまたは光ファイバを挿入または含めることができ、および/または、これらファイバを通じて、レーザ放射、すなわちレーザ光(可視または不可視)が放射され得る。1つまたは複数のチャネルはまた、吸引チャネル608(作業チャネル)を含むこともできる。吸引チャネル608は、断片化された結石などの粒子を手術野から吸引したり、その他の方法で除去したりすることを可能にするために、ポンプや真空などに接続され得る。ファイバ先端600はまた、灌注チャネル610を含むことができる。灌注チャネル610は、灌注システム、ポンプなどに接続され得る。生理食塩水などの灌注流体を灌注チャネル610から圧送または放出して、吸引チャネル608を通じて吸引するには小さすぎる手術野から、より小さな塵状粒子を除去することができる。
【0038】
図7は、濁度または手術シーン明瞭性の少なくとも一方を決定する
制御方法700の一例を示す。
制御方法700は、いくつかの動作またはステップ(702~712)を全体の一部として含む(include)か、または全体を構成するものとして含む(comprise)ことができる。これらの動作は例示的なものであり、本
制御方法は、列挙された動作のうちの1つまたは複数を省略することができ、動作を繰り返すことができ、他の動作を含むことができ、または、適宜もしくは必要に応じて、動作を同時に、実質的に同時に、または別の順序で実行することができる。動作は、
図8について後述するように、機械またはコンピュータのプロセッサまたはコントローラによって自動的に実行され得る。
【0039】
702で、
制御方法700は、軟性鏡に結合された1つまたは複数のセンサを提供することを含むことができる。軟性鏡は、医療デバイスのハンドルまたは本体に接続された内視鏡または他の同様のスコープであり得る。1つもしくは複数のセンサは、温度もしくは圧力センサなどの環境センサ、1つもしくは複数の粒子カウンタ、または
図2~
図5について上述した濁度センサのうちの1つもしくは複数を含むことができる。704で、
制御方法700は、1つまたは複数のセンサから信号を取得することを含むことができ、706で、軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを決定することを含むことができる。
【0040】
溶液は、腎臓結石などの標的が位置する培地(例えば、空気、水、生理食塩水など)であり得る。濁度レベルを決定することは、1つまたは複数のセンサからの信号と、相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも1つとに、少なくとも部分的に基づくことができる。相関関数および/またはルックアップテーブルは、1つまたは複数のセンサからの信号を濁度レベルおよび/または手術シーン明瞭性レベルと相関させることができる。濁度レベルは、遠位先端での混濁レベルまたは視認性レベルに相当することができ、標的がどれだけアブレーションされたかに基づくことができる。
【0041】
708で、制御方法700は、少なくとも1つの動作パラメータを制御するための信号(例えば、軟性鏡の遠位先端またはその付近における灌注または吸引の量または流れを制御する)を提供することを含むことができる。例えば、濁度レベルが高い場合(培地がアブレーションされた標的から出た大量のダストおよび/または粒子を含有し、手術シーンの視認性が低いことを意味する)、灌注流体を軟性鏡のチャネルから圧送して手術シーンを明瞭にすることができる。追加的または代替的に、信号が真空に送られ、軟性鏡の別のチャネルを通じて粒子を吸引または除去することができる。または、別の例では、信号は、濁度測定値またはレベルに基づいて、照準ビームなどの照明光源を作動または停止(例えば、オンまたはオフ)させることができる。
【0042】
710で、制御方法700は、1つまたは複数のセンサから第2の信号を取得することと、内視鏡の遠位先端またはその付近における第2の濁度レベルを決定することとを任意選択的に含むことができる。第2の濁度レベルを決定することは、1つまたは複数のセンサからの信号と、1つまたは複数のセンサからの信号を濁度レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方とに少なくとも部分的に基づくことができる。710で行われた決定は、706で行われた決定に続いて、またはそれよりも後の時点で行うことができる。したがって、第2の濁度レベルは、706で行われた決定からの濁度レベルの変化を表すことができる。
【0043】
712で、制御方法700は、少なくとも1つの動作パラメータ(例えば、軟性鏡の遠位先端またはその付近における吸引または灌注のうちの少なくとも一方)を調整するための第2の信号を提供することを任意選択的に含むことができる。調整は、710で決定された第2の濁度レベル(または濁度レベルの変化)に少なくとも部分的に基づいて行われ得る。例えば、第2の濁度レベルが706で決定された濁度レベルよりも高い場合、灌注および/または吸引の量を増加させることができる。逆に、第2の濁度レベルが706で決定された濁度レベルよりも低い場合、灌注および/または吸引の量を減らすか、または完全に終了させることができる。信号が照明光源の制御に使用される場合、第2の濁度レベルが706で決定された濁度レベルと異なるとき、照準ビームなどの照明光源の強度または輝度を、必要に応じてまたは適宜、調整(例えば、増加、減少、または終了)することができる。
【0044】
708および/または712で、灌注および/または吸引を制御するための信号と共に、それとは別個に、またはそれに代えて、制御信号を砕石術発光源に送信することができる。例えば、砕石術発光源がレーザである場合、濁度レベル、第2の濁度レベル、濁度レベルの変化、および/または手術シーン明瞭性の量(または変化)に基づいて、放射中のレーザ放射の量を増加、減少、または終了するように制御信号を送信することができる。
【0045】
図8は、本明細書で説明される技法(例えば、方法論)のうちのいずれか1つまたは複数が機能し得る装置、デバイス、または機械800の一例のブロック図である。代替的な実施形態では、機械800は、スタンドアロンデバイスとして動作し得るか、または他の機械に接続(例えば、ネットワーク接続)することができる。機械800は、I/O接続部108および/またはアクセサリポート110を介して医療デバイスに接続されるなど、
図1の医療デバイスに接続することができる。ネットワーク接続配備では、機械800は、サーバ-クライアントネットワーク環境において、サーバマシン、クライアントマシン、またはその両方の能力において動作し得る。一例では、機械800は、ピアツーピア(P2P)(または他の分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして機能し得る。機械800は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはその機械によって行われるべき動作を指定する命令(順次またはその他)を実行することが可能な任意の機械であり得る。更に、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語はまた、クラウドコンピューティング、サービス型ソフトウェア(SaaS)、他のコンピュータクラスタ構成など、本明細書で説明される方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実行するために1つの命令セット(または複数の命令セット)を個別にまたは共同で実行する機械の任意の集合を含むと解釈されるものとする。
【0046】
例は、本明細書で説明されるように、論理またはいくつかの構成要素もしくは機構を含み得るか、あるいはそれらによって動作し得る。回路セットは、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、論理など)を含む有形エンティティにおいて実装された回路の集合である。回路セットメンバーシップは、時間や潜在するハードウェアのばらつきに関して柔軟であり得る。回路セットは、単独でまたは組み合わせて、動作時に指定された動作を実行し得るメンバーを含む。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作(例えば、ハードワイヤ化)を行うように不変に設計することができる。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作の命令を符号化するように物理的に修正された(例えば、不変の集結した粒子の磁気的に、電気的に、移動可能な配置など)コンピュータ可読媒体を含む、可変に接続された物理的構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路など)を含み得る。物理的構成要素を接続する際に、ハードウェア構成の基礎となる電気的特性は、例えば、絶縁体から導体に、またはその逆に変更される。命令は、埋め込みハードウェア(例えば、実行ユニットまたはローディング機構)が、動作中に特定の動作の部分を行うために可変接続を介してハードウェア内に回路セットのメンバーを作成することを可能にする。したがって、コンピュータ可読媒体は、デバイスが動作しているときに回路セットメンバーの他の構成要素に通信可能に結合される。一例では、物理的構成要素のいずれも、2つ以上の回路セットの2つ以上のメンバーに使用することができる。例えば、動作中、実行ユニットは、ある時点では第1の回路セットの第1の回路において使用され、異なる時点では第1の回路セット中の第2の回路によってまたは第2の回路セット中の第3の回路によって再使用することができる。
【0047】
機械(例えば、コンピュータシステム)800は、ハードウェアプロセッサ802(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、ハードウェア・プロセッサ・コア、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはそれらの任意の組合せ)、メインメモリ804、およびスタティックメモリ806を含み得、それらの一部または全部は、インターリンク(例えば、バス)830を介して互いに通信し得る。機械800は、ディスプレイユニット810、英数字入力デバイス812(例えば、キーボード)、およびユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス814(例えば、マウス)を更に含み得る。一例では、ディスプレイユニット810、入力デバイス812、およびUIナビゲーションデバイス814は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。機械800は、マスストレージ(例えば、駆動ユニット)808と、信号生成デバイス818(例えば、スピーカ)と、ネットワーク826に接続されたネットワークインターフェースデバイス820と、全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、または他のセンサなどの1つまたは複数のセンサ816とを更に含み得る。機械800は、1つまたは複数の周辺デバイス(例えば、プリンタ、カードリーダなど)と通信するかまたはそれを制御するために、直列(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))接続、並列接続、または他の有線もしくは無線(例えば、赤外線(IR)、近距離通信(NFC)など)接続など、出力コントローラ828を含み得る。
【0048】
マスストレージ808は、本明細書で説明される技法または機能のいずれか1つまたは複数を具現化するかまたはそれによって使用されるデータ構造または命令824(例えば、ソフトウェア)の1つまたは複数のセットが記憶された機械可読媒体822を含み得る。命令824はまた、機械800によるその実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ804内、スタティックメモリ806内、またはハードウェアプロセッサ802内に存在し得る。一例では、ハードウェアプロセッサ802、メインメモリ804、スタティックメモリ806、またはマスストレージ808のうちの1つまたは任意の組合せが、機械可読媒体を構成し得る。
【0049】
機械可読媒体822は単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つまたは複数の命令824を記憶するように構成された単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含み得る。「機械可読媒体」という用語は、機械800による実行のための命令を記憶、符号化、または搬送することが可能であり、機械800に本開示の技法のいずれか1つまたは複数を実行させるか、あるいは、そのような命令によって使用されるかまたはそれに関連するデータ構造を記憶、符号化、または搬送することが可能である、任意の非一時的な媒体を含み得る。非限定的な機械可読媒体の例は、ソリッドステートメモリ、ならびに光および磁気媒体を含み得る。一例では、集結した機械可読媒体は、不変(例えば、静止)質量を有する複数の粒子を有する機械可読媒体を含む。したがって、集結した機械可読媒体は、一時的な伝搬信号ではない。集結した機械可読媒体の具体的な例は、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM))およびフラッシュ・メモリ・デバイスなどの不揮発性メモリと、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクとを含み得る。
【0050】
図9は、医療処置中の手術部位の濁度に関する情報に基づいて、灌注および/または吸引システムの変更された設定を実施または推奨するように構成することができる例示的なコンピュータベース臨床意思決定支援システム(CDSS)900の概略図を示す。様々な実施形態では、CDSS900は、患者に固有の、患者および/または患者が予定している医療処置に関する情報が人工知能(AI)モデル904への入力機能として提供される入力インターフェース902を含むことができる。入力特徴はまた、情報をAIモデルに適用して1つまたは複数の変更されたレーザ設定を生成する推論動作を行うことができるプロセッサ802などのプロセッサ、および1つまたは複数の変更されたレーザ設定がユーザ、例えば臨床医に伝達されるユーザインターフェース(UI)にも提供され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、入力インターフェース902は、CDSS900と入力特徴のうちの少なくともいくつかを生成する1つまたは複数の医療デバイスとの間の直接データリンクであり得る。例えば、入力インターフェース902は、処置に関する情報および/あるいは医療デバイスまたはスコープに結合されたセンサからの情報(例えば、信号)を、治療および/または診断医療処置中にCDSS900に直接伝送し得る。追加的または代替的に、入力インターフェース902は、ユーザとCDSS900との間の対話を容易にする古典的なユーザインターフェースであり得る。例えば、入力インターフェース902は、ユーザが患者に固有である処置に関する情報を手動で入力し得るユーザインターフェースを容易にし得る。追加的または代替的に、入力インターフェース902は、1つまたは複数の入力特徴を抽出することができる電子患者記録へのアクセスをCDSS900に提供し得る。これらの場合のいずれにおいても、入力インターフェース902は、以下を評価するためにCDSS900が使用される時間に、またはその時間の前に、特定の患者に関連して以下の入力特徴のうちの1つまたは複数を収集するように構成することができる。
【0052】
医療処置に関する情報。
【0053】
処置中に使用されるべき医療デバイスに関する情報。
【0054】
医療デバイスの灌注システムまたは医療デバイスに接続された灌注システムの1つまたは複数の設定に関する情報。
【0055】
手術部位における溶液のセンチメートル当たりのコンダクタンスの測度、溶液の電気伝導度、または
図2について説明された電圧および/もしくは電流、
図3について説明された二次コイルの電圧、
図4について説明された散乱光および/または電気信号の量、
図5について説明された光センサによって吸収された放射光の量、
図1について説明された粒子数を含むことができる1つまたは複数のセンサからの情報910
。
【0056】
(例えば、1つまたは複数のセンサからの情報から導出されるかまたはそれに基づく)濁度の測度912に関する情報。
【0057】
上記の入力特徴のうちの1つまたは複数に基づいて、プロセッサ802は、実装されるべき1つまたは複数の灌注設定の変更またはユーザに提案されるべき1つまたは複数の灌注設定の推奨される変更を生成するために、AIモデルを使用して推論動作を実行することができる。例えば、入力インターフェース902は、処置、デバイス、および/またはセンサに関する情報を、これらの入力特徴をAIモデルを通して出力層に伝搬することができるAIモデルの入力層に配信し得る。AIモデルは、データの分析において発見されたパターンに基づいて推論を行うことによって、明示的にプログラムされることなくタスクを実行する能力を、コンピュータシステムに提供することができる。AIモデルは、既存のデータから学習し、新しいデータに関する予測を行い得るアルゴリズム(例えば、機械学習アルゴリズム)の研究および構築を探索することができる。そのようなアルゴリズムは、出力または評価として表されるデータ駆動型の予測または決定を行うために、例示的な訓練データからAIモデルを構築することによって動作することができる。
【0058】
機械学習(ML)のための2つのモードは、教師ありMLおよび教師なしMLを含む。教師ありMLは、入力と出力との間の関係を学習するために、事前知識(例えば、入力を出力または結果に相関させる例)を使用することができる。教師ありMLの目的は、何らかの訓練データが与えられると、訓練入力と出力との間の関係を最もよく近似する関数を学習することを含み、その結果、MLモデルは、対応する出力を生成するために入力が与えられたときに同じ関係を実装することができる。教師なしMLは、分類もラベル付けもされていない情報を使用するMLアルゴリズムの訓練を含み、これは、アルゴリズムが案内なしにその情報に作用することを可能にする。
教師なしMLは、データ内の構造を自動的に識別することができるため、探索的分析に有用であり得る。
教師ありMLのためのタスクは、分類問題および回帰問題を含む。カテゴリ分類問題とも呼ばれる分類問題は、項目をいくつかのカテゴリ値(例えば、この物体はリンゴかオレンジか?)のうちの1つに分類することを目的とする。回帰アルゴリズムは、(例えば、何らかの入力の値にスコアを提供することによって)いくつかの項目を定量化することを目的とする。教師ありMLアルゴリズムのいくつかの例は、ロジスティック回帰(LR)、ナイーブベイズ、ランダムフォレスト(RF)、ニューラルネットワーク(NN)、ディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)、行列因数分解、およびサポート・ベクター・マシン(SVM)を含む。教師なしMLのためのいくつかのタスクは、クラスタリング、表現学習、および密度推定を含む。教師なしMLアルゴリズムのいくつかの例は、K平均クラスタリング、主成分分析、およびオートエンコーダである。別のタイプのMLは、データを交換することなく、ローカルデータを保持する複数の非集中型デバイスにわたってアルゴリズムを訓練する(協調学習としても知られる)連合学習である。この手法は、すべてのローカルデータセットが1つのサーバにアップロードされる従来の集中型機械学習技法、ならびに、ローカル・データ・サンプルが同一に分散していることを前提とすることが多い、より古典的な非集中型手法とは対照的である。連合学習は、複数の当事者がデータを共有することなく共通の堅牢な機械学習モデルを構築することを可能にし、したがって、データプライバシー、データセキュリティ、データアクセス権、および異種データへのアクセスなど、重要な問題に対処することを可能にする。いくつかの例では、AIモデルは、プロセッサ802による推論動作の実行前に連続的にまたは定期的に訓練することができる。次いで、推論動作中に、AIモデルに提供された患者固有の入力特徴は、入力層から、1つまたは複数の隠れ層を通して、最終的にレーザ設定のうちの1つまたは複数への変更に対応する出力層に伝搬することができる。例えば、手術野の濁度が高いとき、灌注流体の流れおよび/または吸引の量など、灌注設定の変更が出力層に伝搬され得る。推論動作中に、および/または推論動作に続いて、灌注設定の変更は、ユーザインターフェース(UI)を介してユーザに通信され、および/または、プロセッサ802に灌注設定を自動的に調整させ、新しい設定を使用してレーザ処置を続行させることができる。
【0059】
実施例1は、濁度または手術シーン明瞭性のうちの少なくとも一方を決定することが可能な医療システムであって、本医療システムは、軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサと、1つまたは複数の濁度センサに結合され、1つまたは複数のセンサから信号を取得し、軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを決定し、その決定された濁度レベルに基づき、軟性鏡の遠位先端またはその付近における灌注、吸引、照明のうちの少なくとも一方を制御するための信号を提供するように構成される処理回路とを備える。
【0060】
実施例2では、実施例1の主題は、任意選択的に、処理回路が、1つまたは複数の濁度センサからの信号と、1つまたは複数の濁度センサからの信号を濁度レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づいて、濁度レベルを決定するように構成されることを含む。
【0061】
実施例3では、実施例1~2のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択に、処理回路が、1つまたは複数の濁度センサからの信号と、1つまたは複数の濁度センサからの信号をシーン明瞭性レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づいて、シーン明瞭性レベルを決定するように構成されることを含む。
【0062】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、1つまたは複数の濁度センサのうちの第1の濁度センサが、軟性鏡の管腔または作業チャネルの内側に位置することを含む。
【0063】
実施例5では、実施例4の主題は、任意選択的に、1つまたは複数の濁度センサのうちの第2の濁度センサが、軟性鏡の管腔または作業チャネルの外側に位置することを含む。
【0064】
実施例6では、実施例1~5のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、1つまたは複数の濁度センサが、第1の電極と、第1の電極から横方向に間隔を空けてオフセットされた第2の電極とを含み、第1の電極または第2の電極のうちの少なくとも一方は、検知回路に接続され、検知回路は、第1の電極と第2の電極との間で生成された電圧信号または電流信号のうちの少なくとも一方を検出および測定するように構成された電圧センサまたは電流センサのうちの少なくとも一方を備えることを含む。
【0065】
実施例7では、実施例6の主題は、任意選択的に、第1の電極または第2の電極のうちの少なくとも一方が、軟性鏡の管腔または作業チャネルの内側に位置することを含む。
【0066】
実施例8では、実施例1~7のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、1つまたは複数の濁度センサが、交流(AC)電源に結合された第1の電磁コイルと、AC電圧計に結合された第2の電磁コイルであって、第1の電磁コイルから横方向に間隔を空けてオフセットされて位置する第2の電磁コイルとを含み、AC電源は、第1の電磁コイルと第2の電磁コイルとの間の溶液を通過する電流を第1の電磁コイルに誘導させ、電流は、AC電圧計によって測定される電圧を第2の電磁コイルに誘導することを含む。
【0067】
実施例9では、実施例1~8のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、軟性鏡の遠位先端に位置する溶液中に光を放射する光源を含み、1つまたは複数の濁度センサは、軟性鏡の遠位先端に向かって反射された放射光の少なくとも一部を測定するように構成された光センサを含む。
【0068】
実施例10では、実施例1~9のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、軟性鏡の遠位先端に位置する溶液中に光を放射する光源を含み、1つまたは複数の濁度センサは、光源から横方向に間隔を空けて位置し、溶液中に懸濁した1つまたは複数の固体によって減衰または吸収された放射光の一部を検出および測定するように構成された光センサを含む。
【0069】
実施例11は、濁度または手術シーン明瞭性のうちの少なくとも一方を決定することができる医療システムであって、この医療システムは、砕石術発光源と、軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサと、1つまたは複数のセンサに結合された処理回路であって、1つまたは複数のセンサから信号を取得し、軟性鏡の溶液の一部に近接する濁度レベルを決定し、濁度レベルに基づいて、少なくとも1つの砕石術発光源、または軟性鏡の遠位先端もしくはその付近における灌注、吸引、もしくは照明のうちの少なくとも1つを制御するための信号を提供するように構成された処理回路とを備える。
【0070】
実施例12では、実施例11の主題は、砕石術発光源がレーザ発光源を含み、砕石術発光源を制御することが、レーザ発光源から放射される放射光すなわちレーザ光の強度または量を調整することを含むことを任意選択的に含む。
【0071】
実施例13では、実施例11~12のいずれか1つまたは複数の主題は、砕石術発光源が音響振動源を含み、砕石術発光源を制御することが、音響振動源によって放出される超音波信号の周波数を調整することを含むことを任意選択的に含む。
【0072】
実施例14では、実施例11~13のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、処理回路が、医療システムに通信可能に結合されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に、ユーザに対する表示または推奨のうちの少なくとも一方を出力するように更に構成されることを含む。
【0073】
実施例15では、実施例14の主題は、任意選択的に、1つまたは複数の濁度センサが、軟性鏡の遠位先端と、砕石術処置中に標的から除去された物質の量を決定するように構成された軟性鏡に接続されたデバイスの灌注ポートとの間に位置する粒子カウンタを含み、表示には、軟性鏡の遠位先端またはその付近における濁度百分率、軟性鏡の遠位先端またはその付近におけるシーン明瞭性百分率、標的の現在のアブレーション速度、または標的のアブレーションを完了するのに必要な推定時間のうちの少なくとも一方が含まれることを含む。
【0074】
実施例16では、濁度または手術シーン明瞭性のうちの少なくとも一方を決定する方法であって、本方法は、軟性鏡に結合された1つまたは複数の濁度センサを提供するステップと、1つまたは複数の濁度センサから信号を取得するステップと、軟性鏡の遠位先端またはその付近における溶液の濁度レベルを決定するステップと、濁度レベルに基づいて、少なくとも1つのアブレーションエネルギー、または軟性鏡の遠位先端またはその付近における灌注、吸引、もしくは照明のうちの少なくとも1つを制御するための信号を提供するステップとを含む。
【0075】
実施例17では、実施例16の主題は、任意選択的に、濁度レベルを決定するステップが、1つまたは複数の濁度センサからの信号と、1つまたは複数の濁度センサからの信号を濁度レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0076】
実施例18では、例実施例16~17のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、濁度レベルに少なくとも部分的に基づいて手術シーン明瞭性レベルを決定することを含む。
【0077】
実施例19では、実施例18の主題は、任意選択的に、シーン明瞭性レベルを決定するステップが、1つまたは複数の濁度センサからの信号と、1つまたは複数の濁度センサからの信号をシーン明瞭性レベルに相関させる相関関数またはルックアップテーブルのうちの少なくとも一方と、に少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0078】
実施例20では、実施例16~19のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択的に、濁度レベルに少なくとも部分的に基づいて、軟性鏡を含む医療デバイスに結合された砕石術発光源に制御信号を提供することを含む。
【0079】
上記の発明を実施するための形態は、発明を実施するための形態の一部を形成する添付の図面の参照を含む。図面は、例として、実施され得る特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。そのような例は、図示または説明されたものに加えて要素を含み得る。しかしながら、本発明者らは、図示または説明された要素のみが提供される例をも企図する。更に、本発明者らは、特定の例(またはその1つまたは複数の態様)に関して、あるいは本明細書で図示または説明された他の例(またはその1つまたは複数の態様)に関してのいずれかで、図示または説明された要素(またはその1つまたは複数の態様)の任意の組合せまたは置換を使用する例をも企図する。
【0080】
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許文献は、参照により個々に組み込まれるかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書と参照によりそのように組み込まれたそれらの文書との間に矛盾する使用がある場合、組み込まれた参考文献における使用は、本明細書の使用を補足するものと見なされるべきであり、一致しない矛盾については、本明細書における使用が統制する。
【0081】
本明細書では、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」の任意の他の事例または使用とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように使用される。本明細書では、「または」という用語は、非排他的であることを指すか、あるいは、別段に明記しない限り、「AまたはB」が「AであるがBでない」、「BであるがAでない」、および「AおよびB」を含むことを指すために使用される。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「そこにおいて(in which)」という用語は、それぞれ「含む、備える(comprising)」および「ここにおいて(wherein)」という用語の平易な英語の同義語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「含む、備える(comprising)」という用語はオープンエンドであり、すなわち、特許請求の範囲においてそのような用語の後に列挙される要素に加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、またはプロセスは、依然としてその特許請求の範囲内にあると見なされる。更に、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値的な要件を課すことを意図しない。
【0082】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、上記で説明された例(またはその1つまたは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。上記の説明を検討すると、当業者などによって、他の実施形態が使用され得る。要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするものであり、特許請求の範囲またはその意味を解釈または限定するために使用されないという理解の下で提出される。また、上記の発明を実施するための形態では、本開示を合理化するために様々な特徴が一緒にグループ化され得る。これは、特許請求されていない開示された特徴が任意の請求項に必須であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にあり得る。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書によって、発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態として独立している。実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に、決定されるべきである。
【外国語明細書】