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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133024
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】電力利用コスト分析装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024040930
(22)【出願日】2024-03-15
(31)【優先権主張番号】P 2023041611
(32)【優先日】2023-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】507184096
【氏名又は名称】日本テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】馬本 英一
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】従来、単に過去所定期間内において検出されたデマンド値のうち比較的大きい値および当該各デマンド値を検出した日時を並べた表や、当該表に基づき将来目標とすべきデマンド値候補値を複数並べた表を一覧形式に提示可能とするだけであった。
【課題を解決するための手段】月間の、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報、前記月間のトータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力することによって、前記5種の情報の観点から電力需要者自身がどのような時に最も電気を消費するかということを天候と関連付けて示すまたはどれほど電気料金を費やしたかを示すことができ、電力消費量自体の総合的な低減と、天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる課金額の総合的な削減の動機づけと促進を図ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって、
気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する気象データ取得部(Q)と、
取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する変換ルール保持部(R)と、
月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する最大需要電力情報保持部(A)、
上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する最大電気使用量情報保持部(B)、
前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する月間電気使用量情報保持部(C)、
前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持するトータル月間電気使用量情報保持部(D)、
のいずれか一以上と、
前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持するトータル月間電気料金情報保持部(E)と、
前記各情報のいずれか一以上を出力するための情報出力部(F)と、
を有する電力利用コスト分析装置。
【請求項2】
電気使用量に応じて変化する課金分の課金プランを示す情報である応電気使用量課金プラン情報と、前記月間の応電気使用量課金分料金を示す情報である月間応電気使用量課金分料金情報を保持する月間応電気使用量課金分料金情報保持部(G)をさらに有する請求項1に記載の電力利用コスト分析装置。
【請求項3】
保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する比較部(H)をさらに有する請求項1に記載の電力利用コスト分析装置。
【請求項4】
前記比較部(H)は、電力需要者ごとに電力消費効率の観点から同一の所定デマンド時間帯ごと(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の優劣を示す判定である優劣判定をする所定デマンド時間帯ごと優劣判定手段(J)を有する請求項3に記載の電力利用コスト分析装置。
【請求項5】
前記比較部(H)は、所定のデマンド時間帯ごとに電力消費効率の観点から異なる電力需要者間で優劣を示す判定である優劣判定をする電力需要者間優劣判定手段(K)を有する請求項3または請求項4のいずれかに記載の電力利用コスト分析装置。
【請求項6】
電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、電力需要者ごとにその電力消費性向を示す情報である電力消費性向情報を保持する電力消費性向情報保持部(L)をさらに有する請求項1から請求項3のいずれか一に記載の電力利用コスト分析装置。
【請求項7】
前記比較部(H)は、1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得するデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得手段(M)をさらに有する請求項3に記載の電力利用コスト分析装置。
【請求項8】
前記比較部(H)は、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力である気温毎最大需要電力を取得する気温毎最大需要電力取得手段(N)をさらに有する請求項3に記載の電力利用コスト分析装置。
【請求項9】
将来の少なくとも気温を含む天候を示す情報である将来天候情報を取得する将来天候情報取得部(O)と、
取得した将来天候情報に含まれる気温から、将来の時点での最大需要電力の予測値である将来最大需要電力予測値を取得する将来最大需要電力予測値取得部(P)と、をさらに有する請求項8に記載の電力利用コスト分析装置。
【請求項10】
天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する計算機である装置の動作方法であって、
気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する気象データ取得ステップ(q)と、
取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する変換ルール保持ステップ(r)と、
月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する最大需要電力情報保持ステップ(a)、
上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する最大電気使用量情報保持ステップ(b)、
前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する月間電気使用量情報保持ステップ(c)、
前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持するトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)、
のいずれか一以上と、
前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持するトータル月間電気料金情報保持ステップ(e)と、
前記各情報のいずれか一以上を出力するための情報出力ステップ(f)と、
を有する、計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法。
【請求項11】
電気使用量に応じて変化する課金分の課金プランを示す情報である応電気使用量課金プラン情報と、前記月間の応電気使用量課金分料金を示す情報である月間応電気使用量課金分料金情報を保持する月間応電気使用量課金分料金情報を保持する月間応電気使用量課金分料金情報保持ステップ(g)をさらに有する、請求項10に記載の動作方法。
【請求項12】
保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する比較ステップ(h)をさらに有する、請求項10に記載の動作方法。
【請求項13】
前記比較ステップ(h)は、電力需要者ごとに電力消費効率の観点から同一の所定デマンド時間帯ごと(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の優劣を示す判定である優劣判定をする所定デマンド時間帯ごと優劣判定サブステップ(j)を有する、請求項12に記載の動作方法。
【請求項14】
前記比較ステップ(h)は、所定のデマンド時間帯ごとに電力消費効率の観点から異なる電力需要者間で優劣を示す判定である優劣判定をする電力需要者間優劣判定サブステップ(k)を有する、請求項12または請求項13のいずれか一に記載の動作方法。
【請求項15】
電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、電力需要者ごとにその電力消費性向を示す情報である電力消費性向情報を保持する電力消費性向情報保持ステップ(l)をさらに有する、請求項10から請求項12のいずれか一に記載の動作方法。
【請求項16】
前記比較ステップ(h)は、1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得するデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得サブステップ(m)をさらに有する、請求項12に記載の動作方法。
【請求項17】
前記比較ステップ(h)は、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力を取得する気温毎最大需要電力取得サブステップ(n)をさらに有する、請求項12に記載の動作方法。
【請求項18】
将来の少なくとも気温を含む天候を示す情報である将来天候情報を取得する将来天候情報取得ステップ(o)と、
取得した将来天候情報に含まれる気温から、将来の時点での最大需要電力の予測値である将来最大需要電力予測値を取得する将来最大需要電力予測値取得ステップ(p)と、をさらに有する、請求項17に記載の動作方法。
【請求項19】
天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する計算機である装置に実行させるプログラムであって、
気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する気象データ取得ステップ(q)と、
取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する変換ルール保持ステップ(r)と、
月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する最大需要電力情報保持ステップ(a)、
上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する最大電気使用量情報保持ステップ(b)、
前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する月間電気使用量情報保持ステップ(c)、
前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持するトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)、
のいずれか一以上と、
前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持するトータル月間電気料金情報保持ステップ(e)と、
前記各情報のいずれか一以上を出力するための情報出力ステップ(f)と、
を有する、計算機である電力利用コスト分析装置に実行させるプログラム。
【請求項20】
電気使用量に応じて変化する課金分の課金プランを示す情報である応電気使用量課金プラン情報と、前記月間の応電気使用量課金分料金を示す情報である月間応電気使用量課金分料金情報を保持する月間応電気使用量課金分料金情報を保持する月間応電気使用量課金分料金情報保持ステップ(g)をさらに実行させる、請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】
保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する比較ステップ(h)をさらに実行させる、請求項19に記載のプログラム。
【請求項22】
前記比較ステップ(h)は、電力需要者ごとに電力消費効率の観点から同一の所定デマンド時間帯ごと(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の優劣を示す判定である優劣判定をする所定デマンド時間帯ごと優劣判定サブステップ(j)をさらに実行させる、請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記比較ステップ(h)は、所定のデマンド時間帯ごとに電力消費効率の観点から異なる電力需要者間で優劣を示す判定である優劣判定をする電力需要者間優劣判定サブステップ(k)をさらに実行させる、請求項21または請求項22のいずれか一に記載のプログラム。
【請求項24】
電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、電力需要者ごとにその電力消費性向を示す情報である電力消費性向情報を保持する電力消費性向情報保持ステップ(l)をさらに実行させる、請求項19から請求項21のいずれか一に記載のプログラム。
【請求項25】
前記比較ステップ(h)は、1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得するデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得サブステップ(m)をさらに実行させる、請求項21に記載のプログラム。
【請求項26】
前記比較ステップ(h)は、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力を取得する気温毎最大需要電力取得サブステップ(n)をさらに実行させる、請求項21に記載のプログラム。
【請求項27】
将来の少なくとも気温を含む天候を示す情報である将来天候情報を取得する将来天候情報取得ステップ(o)と、
取得した将来天候情報に含まれる気温から、将来の時点での最大需要電力の予測値である将来最大需要電力予測値を取得する将来最大需要電力予測値取得ステップ(p)と、をさらに実行させる請求項26に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を購入し及び使用する需要者である電力需要者の電力利用のコスト削減や環境に配慮して電力使用量の削減を図るために、電力需要者のおかれている電力使用時の天候の情報と、それにあわせて電力の利用状況を示す各種情報やコストの情報のいずれか一以上を出力することが可能な電力利用コスト分析装置に関する発明である。また、上記「いずれか一以上」の部分を「いずれか二以上」とした発明でもよい。これに関連して、計算機である前記装置の動作方法と、計算機である前記装置に読み取り動作可能なプログラムに関する発明も含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気の使用量や使用に伴う電気料金の把握は、定期的に電力小売業者から送られてくる電気料金の請求書の記載内容を見ることや、電力小売業者が提供しているウェブ上の電気料金算定シミュレーションサービス等により行われているのが一般的である。電気料金の請求書は、例えば、過去所定期間(例:過去検針日から翌月検針日前日までの1か月間)における時間帯ごとの電気使用量や同期間中の総電気使用量、総電気使用量に対応する請求額の情報等が表示されている。また、ウェブ上の電気料金算定シミュレーションサービスにおいては、契約形態や電気使用量を入力することにより、請求されるべき電気料金の情報等が表示される。これらを利用することにより、電力小売業者から電力を購入する電力需要者は、当該各情報に基づいて自身が使用した電気使用量と電気料金を把握できる。
【0003】
特許文献1に記載の省電力シートでは、電力需要者毎に電力基本料金算定期間(すなわち1年間の)中のデマンド値の最大値と、デマンド値の最大値よりも小さい候補値と、その時に試算される電気料金額を電力需要者へ提示し、現在の最大デマンド値を下げた場合にどのくらいの電気料金削減効果があるかを示すことができる。また、デマンド値データに加えて電力基本料金算定期間中の事業場の情報(営業時間、天候、スタッフID、売上などの情報)を用いることにより各検出日時がどのような日であったかを思い起こし、そこで起きたイベントの内容等を分析して、より細やかな省電力対策を取ることができる。
【0004】
特許文献2に記載の省エネ行動支援システムは、同一電力小売業者から供給を受ける標準的なエネルギ消費者と対象エネルギ消費者のエネルギ消費量データと気温データの相関をグラフで視覚化し、比較することで、意識付けを行う。季節ごとの30日間の電力消費実績や、前記指定日を含む所定の複数日と、過去一年又は複数年に係る対応する同日とを比較するといった事例も触れられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-176277号
【0006】
【特許文献2】特開2008-225826号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明では、最大デマンド値によって決まる電気料金の基本料金部分を下げることが目的であり、基本料金以外の電気料金(特に電気使用量に応じて変化する従量制部分の電気料金)の削減については記載されていない。そのため天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度において、基本料金以外も含む(例:従量制部分)課金であって電気利用のコストである電気料金の削減や電気使用量の分析ならびに分析に基づいた電気使用に関する改善の策定を行うことができないという問題があった。
【0008】
特許文献2に記載の発明は、サンプルとして抽出された複数のエネルギ消費者の同一気温下におけるエネルギ消費量の平均値を気温毎に算出して得られる標準的エネルギ消費量データと、対象エネルギ消費者とを比較しており、対象エネルギ消費者自身のエネルギ消費傾向との比較がされていない。また考慮している天候要素は気温のみであり、他の要因が考慮されていなかった。
【0009】
そこで本発明では、天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者に対し、(1)ある月間のデマンド時間帯の最大需要電力情報、(2)前記月間に含まれる1日の最大電気使用量情報、(3)前記月間の月間電気使用量情報、(4)前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、その月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する情報とを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報、(5)前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報の、(1)から(5)のいずれか一以上(「いずれか二以上」としてもよい。)を出力することによって、電力需要者自身がどのような時に最も電気を消費したかということを天候と関連付けて示すまたはどれほど電気料金を費やしたかを示すことができ、天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる課金額の削減、及び電気使用量の分析ならびに分析に基づいた電気使用に関する改善の策定の動機づけと促進を図ることができる電力利用コスト分析装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような電力利用コスト分析装置に関する課題を解決するために、本願では、第一の発明として、
天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって、
気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する気象データ取得部(Q)と、
取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する変換ルール保持部(R)と、
月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する最大需要電力情報保持部(A)、
上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する最大電気使用量情報保持部(B)、
前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する月間電気使用量情報保持部(C)、
前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持するトータル月間電気使用量情報保持部(D)、
のいずれか一以上と、
前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持するトータル月間電気料金情報保持部(E)と、
前記各情報のいずれか一以上を出力するための情報出力部(F)と、
を有する電力利用コスト分析装置を提供する。
【0011】
第二の発明として、第一の発明を基礎として、
電気使用量に応じて変化する課金分の課金プランを示す情報である応電気使用量課金プラン情報と、前記月間の応電気使用量課金分料金を示す情報である月間応電気使用量課金分料金情報を保持する月間応電気使用量課金分料金情報保持部(G)をさらに有する電力利用コスト分析装置 を提供する。
【0012】
第三の発明として、第一の発明又は第二の発明のいずれか一を基礎として、
保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する比較部(H)をさらに有する電力利用コスト分析装置を提供する
【0013】
第四の発明として、第三の発明を基礎として、
前記比較部(H)は、電力需要者ごとに電力消費効率の観点から同一の所定デマンド時間帯ごと(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の優劣を示す判定である優劣判定をする所定デマンド時間帯ごと優劣判定手段(J)を有する電力利用コスト分析装置を提供する。
【0014】
第五の発明として、第三の発明または第四の発明のいずれか一を基礎として、
前記比較部(H)は、所定のデマンド時間帯ごとに電力消費効率の観点から異なる電力需要者間で優劣を示す判定である優劣判定をする電力需要者間優劣判定手段(K)を有する電力利用コスト分析装置を提供する。
【0015】
第六の発明として、第一の発明から第五の発明のいずれか一を基礎として、
電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、電力需要者ごとにその電力消費性向を示す情報である電力消費性向情報を保持する電力消費性向情報保持部(L)をさらに有する電力利用コスト分析装置を提供する。
【0016】
第七の発明として、第三の発明から第五の発明、または第三の発明から第五発明のいずれか一を基礎とする第六の発明のいずれか一を基礎として、
前記比較部(H)は、1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得するデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得手段(M)をさらに有する電力利用コスト分析装置を提供する。
【0017】
第八の発明として、第三の発明から第五の発明または第七の発明、または第三の発明から第五発明のいずれか一を基礎とする第六の発明のいずれか一を基礎として、
前記比較部(H)は、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力を取得する気温毎最大需要電力取得手段(N)をさらに有する電力利用コスト分析装置を提供する。
【0018】
第九の発明として、第一の発明から第八の発明のいずれか一を基礎として、
将来の少なくとも気温を含む天候を示す情報である将来天候情報を取得する将来天候情報取得部(O)と、
取得した将来天候情報に含まれる気温から、将来の時点での最大需要電力の予測値である将来最大需要電力予測値を取得する将来最大需要電力予測値取得部(P)と、をさらに有する電力利用コスト分析装置を提供する。
【0019】
さらに、第一の発明から第九の発明の計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法と、実行させるプログラムも提供する。また、プログラムは記録媒体に記録されたものであってもよい。
【発明の効果】
【0020】
以上の構成を有する本発明の電力利用コスト分析装置によって、月間の、最大需要電力情報か、最大電気使用量情報か、月間電気使用量情報か、トータル月間電気使用量情報か、前記月間のトータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力することによって、前記5種の情報の観点から電力需要者自身がどのような時に最も電気を消費するかということを天候と関連付けて示すまたはどれほど電気料金を費やしたかを示すことができ、電力消費量自体の総合的な低減と、天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる課金額の総合的な削減の動機づけと促進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
各図の簡単な説明の後ろにつけた[]内の数字は、図の説明または図を使用した説明の主な段落番号を示す。
図1】実施形態1にかかる発明の機能ブロック図[0058-0113]
図2】実施形態1にかかる発明の動作フローチャート図[0124-0125]
図3】実施形態1にかかる発明のハードウェア図[0126-0131]
図4】実施形態2にかかる発明の機能ブロック図[0134-0139]
図5】実施形態2にかかる発明の動作フローチャート図[0140-0141]
図6】実施形態2にかかる発明のハードウェア図[0142-0147]
図7】実施形態3にかかる発明の機能ブロック図[0150-0158]
図8】実施形態3にかかる発明の動作フローチャート図[0159-0160]
図9】実施形態3にかかる発明のハードウェア図[0161-0166]
図10】実施形態4にかかる発明の機能ブロック図[0169-0176]
図11】実施形態4にかかる発明の動作フローチャート図[0177-0178]
図12】実施形態4にかかる発明のハードウェア図[0179-0184]
図13】実施形態5にかかる発明の機能ブロック図[0187-0191]
図14】実施形態5にかかる発明の動作フローチャート図[0192-0193]
図15】実施形態5にかかる発明のハードウェア図[0194-0199]
図16】実施形態6にかかる発明の機能ブロック図[0202-0207]
図17】実施形態6にかかる発明の動作フローチャート図[0208-0209]
図18】実施形態6にかかる発明のハードウェア図[0210-0215]
図19】実施形態7にかかる発明の機能ブロック図[0218-0223]
図20】実施形態7にかかる発明の動作フローチャート図[0224-0225]
図21】実施形態7にかかる発明のハードウェア図[0226-0231]
図22】実施形態8にかかる発明の機能ブロック図[0234-0241]
図23】実施形態8にかかる発明の動作フローチャート図[0242-0243]
図24】実施形態8にかかる発明のハードウェア図[0244-0249]
図25】実施形態9にかかる発明の機能ブロック図[0252-0259]
図26】実施形態9にかかる発明の動作フローチャート図[0260-0261]
図27】実施形態9にかかる発明のハードウェア図[0262-0267]
図28】本発明の装置の全体構成概略図[0030]
図29】本発明の装置のハードウェア構成例[0031]
図30】本発明の装置を使用し電力利用コスト分析する際の画面例1[0117-0118]
図31】本発明の装置を使用し電力利用コスト分析する際の画面例2[0119-0123]
【発明を実施するための形態】
【0022】
<全実施形態の説明の前提>
<本発明を構成し得るハードウェアについて>
本件発明は、原則的に電子計算機を利用する発明であるが、少なくとも一部はソフトウェアによって実現され、ハードウェアによっても実現され、ソフトウェアとハードウェアの協働によっても実現される。この場合に、ソフトウェアはハードウェア資源を利用して各種演算を行い求められるデータや情報を通じて諸機能を実現する。ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア資源を用いて具体的に実現されていると言える。
【0023】
本件発明の各構成要件の全部又は一部を実現するハードウェアでは、計算機の基本的構成であるCPU、メモリ、バス、入出力装置、各種周辺機器、ユーザーインターフェイスなどによって構成される。各種周辺機器には、記憶装置、インターネット等インターフェイス、インターネット等機器、LAN機器、Wifi(登録商標)機器、ディスプレイ、ディスプレイインターフェイス、キーボード、マウス、スピーカ、マイク、カメラ、ビデオ、テレビ、CD装置、DVD装置、ブルーレイ装置、USBメモリ、USBメモリインターフェイス、着脱可能タイプのハードディスク、一般的なハードディスク、プロジェクタ装置、SSD、電話、ファックス、コピー機、印刷装置、ムービー編集装置、各種センサ装置などが含まれうる。
【0024】
また、本装置は、必ずしも一つの筐体によって構成されている必要はなく、複数の筐体を通信で結合して構成されるものであってもよい。また、通信は、LANであってもWAN、Wifi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、赤外線通信、超音波通信、近距離無線通信(NFC)、携帯電話網であってもよく、さらに、一部が国境を跨いで設置されていてもよい。
【0025】
<全実施形態における本願発明の自然法則の利用性の充足>
【0026】
本発明は、計算機とソフトウェアとの協働で機能するものである。本発明では電力の需要者に対し、インターネット回線等のネットワークを介して天候に関する情報を入手し、保持している電力需要者の過去の月間またはその月間に含まれる一日の最大電気使用量や、月間の所定時間のトータル電気使用量などを前記天候に関する情報と関連付けた情報と、前記月間のトータル電気料金とを出力する処理を行う。前記各種情報をデータとしてやり取りしたり、計算機上で検索したりといったICTならではの処理が含まれているのでいわゆるビジネスモデル特許として成立するものである。この観点からも本願発明は計算機などのリソースを請求項や明細書に記載された事項と、それらの事項に関係する技術常識に基づいて判断すれば、本願発明は自然法則を利用したものであることとなる。
【0027】
<特許法で求められる自然法則の利用の意義についての出願人の理解>
【0028】
特許法で求められる自然法則の利用とは、法目的に基づいて、発明が産業上利用性を有し、産業の発達に寄与するものでなければならないとの観点から、産業上有用に利用することができる発明であることを担保するために求められるものである。つまり、産業上有用であること、すなわち出願に際して宣言した発明の効果がその発明の実施によってある一定の確実性の下再現できることを求めるものである。この観点から自然法則利用性とは、発明の効果を発揮するための発明の構成である発明特定事項(発明構成要件)のそれぞれが発揮する機能が自然法則を利用して発揮されるものであればよい、と解釈される。さらに言えば、発明の効果とはその発明を利用する利用者に所定の有用性を提供できる可能性があればよいのであって、その有用性を利用者がどのように感じたり、考えたりするかという観点で見るべきではない。したがって、電力需要者や本発明の装置の管理運営者などが本電力利用コスト分析装置によって得る効果が心理的な効果(安心できる等)であったとしても、その効果自体は求められる自然法則の利用性の有無を判断するための対象外の事象である。
【0029】
<ハードウェア構成>
【0030】
図28に本装置の全体構成の概略を示す。インターネット回線(2850)(他の商用回線や専用回線でもよい)を介して本装置のプログラムが動作するサーバ装置(2851)、電力需要者Aが高圧電力を受電する高圧受変電設備を監視する高圧受変電設備監視装置A(2853A)、高圧電力を受電する高圧受変電設備A(2854A)、電力需要者Aが使用するPC(2855A)、電力需要者Bが高圧電力を受電する高圧受変電設備を監視する高圧受変電設備監視装置B(2853B)、高圧電力を受電する高圧受変電設備B(2854B)、電力需要者Bが使用するPC(2855B)、一般家庭である電力需要者Cが低圧電力を受電するスマートメータ(2853C)、電力需要者Cが使用するスマートフォン(2855C)が有線または無線(Wifi(登録商標)や携帯電話回線網など)で接続されている。図28ではサーバ装置(2851)は1台のみ図示されているが、複数台から構成されていてもよい。本発明の装置のサーバ装置を管理又は/及び運営する者(図28の管理運営者(2852))がいてもよい。インターネット接続できる情報端末(PC等)を介してサーバ装置へアクセスしたり、またはサーバ装置に直接接続した情報端末でサーバ装置を管理又は/及び運営したりすることができる。または、サーバ装置を置かず各電力需要者が使用するPCやスマートフォン等の情報端末上で動作するアプリとして構成されていてもよい。高圧受変電設備を監視する高圧受変電設備監視装置は高圧受変電設備と一体化されていてもよい。
【0031】
図29は本発明の各実施形態における電力利用コスト分析装置を構成する電力利用コスト分析装置のハードウェア構成の一例を示す図である。PCに準じた構成とした場合を例として、本実施形態における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成について、図29を用いて説明する。なお、図28に図示したサーバ装置もPCに準じた構成としてもよく、以降のハードウェア構成の説明と同様であるため、説明を省略する。
【0032】
この図にあるように、計算機は、マザーボード上に構成される、チップセット、CPU、不揮発性メモリ、メインメモリ、各種バス、BIOS(またはUEFI)、USBやLANなどの各種周辺機器や通信回線接続用インターフェイス、リアルタイムクロック等からなる。これらはオペレーティングシステムやデバイスドライバ(USBなどの各種インターフェイス、カメラ、マイク、スピーカ又はヘッドホン、ディスプレイなどの各種機器組込み用)、各種プログラムなどと協働して動作する。USB端子(またはPS/2ポート)経由で接続されるキーボードやマウスなどの入力信号も用いて、本発明を構成する各種プログラムや各種データはこれらのハードウェア資源を効率的に利用して各種の処理を実行するように構成されている。LAN端子などを通じてインターネット回線へ接続される。インターネット回線への接続にWiFi(登録商標)を使用して接続したり、携帯電話回線網を介して接続したりしてもよい。
【0033】
以下ハードウェアとしてコンピュータを構成する主な部品について、例として説明する。なおこれらの例に本発明は限定されない。
≪チップセット≫
【0034】
「チップセット」は、計算機のマザーボードに実装され、CPUの外部バスと、マザーボードに搭載された不揮発性メモリや周辺機器を接続する標準バスとの連絡機能、つまりブリッジ機能を集積した大規模集積回路(LSI)のセットである。古くは、CPUと接続しメインメモリやグラフィックス処理用のチップ(GPU)を搭載したグラフィックスカードとの間のように高速性を求められる処理を行うノースブリッジと、ノースブリッジと接続し比較的低速なインターフェイスとの間の処理をするサウスブリッジの2チップ構成であった。近年は、CPUにノースブリッジ機能が統合され、以前のサウスブリッジのみとなったが、引き続きチップセットとも呼ばれる。本明細書ではCPUにノースブリッジの機能が内蔵されたサウスブリッジのみの1チップ構成で説明する。なお前記のようにノースブリッジとサウスブリッジの2チップ構成の場合でも、サウスブリッジの機能をもCPUに統合したチップセットなしの場合でも、本発明の効果は変わらない。
【0035】
(サウスブリッジ)
チップセットが1構成チップ時のサウスブリッジは、PCI Expressインターフェイス(スロット)、SATA(Serial ATA)またはeSATAインターフェイス、USBインターフェイス、LAN(Ethernet)インターフェイス、リアルタイムクロックなどとのI/O機能やサウンド機能を担う。1チップ構成時のチップセットは、ディスプレイや、USB/LAN端子などの外部接続や、HDDやSSDとの接続用のSATAなどや、PCI Expressなどのインターフェイスを制御する処理を行うチップであり、CPUとはポイント・ツー・ポイントのハードウェアインターフェイス(例えばDMI:Direct Media Interface)で接続される。チップによっては、不揮発性メモリ(HDDなど)のRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks:複数のHDDなどをひとつのドライブのように認識・表示させる技術)をサポートする。
また近年使われることが少なくなった、高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなPS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、RS-232Cなどのシリアルポート、プリンタ向けのIEEE1284などのパラレルポート、ISAバスなどをサポートする場合には、サウスブリッジにLow Pin Countバスで接続するスーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIが使われる。
【0036】
≪バス≫
バスにはパラレルバスとシリアルバスとがある。パラレルバスは、ビット数分の信号線を用意して、クロックに同期させて伝送する。クロック信号の専用線をデータ線と平行して設け、受信側でのデータ復調の同期を行う。シリアルバスは、1ビットずつデータを転送する。
マザーボード上の周辺機器や各種制御部と、CPU(MPU)と、を繋ぐためにバスが用いられる。CPU内部でCPUコアとキャッシュメモリなどを接続する内部バスに対し、CPUとCPU外のメモリ等を接続するためのバスは外部バスと呼ばれる。CPUに内蔵されたメモリコントローラとメインメモリとの間をつなぐ外部バスは、例えばDDR4-SDRAM(Double-Data-Rate4 Synchronous Dynamic Random Access Memory)を使用するDDR4規格対応の場合は64bit幅のパラレルバスである。DDR4規格の一例としてDDR4-3200メモリ規格対応であれば、メモリ最大動作周波数3200MHz×バス幅64(bit)÷8(bit→Byte変換)=25.6(GB/s)の帯域幅となる。CPUとサウスブリッジ間の接続には上記のようにDMI(Direct Media Interface)などのポイント・ツー・ポイント接続が使われる。
PCI ExpressやSATA等の外部接続用の拡張バスはチップセットによって連結される。パラレルバスとしては、GPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。
シリアルバスは、1ビットずつデータを転送する。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI Expressでは、ポイント・ツー・ポイント配線とシリアル転送方式を採用している。USBや、SATAもデータ転送はシリアルである。
【0037】
≪CPU≫
【0038】
CPUはメインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。CPUは計算機内での演算を行なう中心として機能する。なお、CPUは演算の中心となるCPUコア部分と、その周辺部分とから構成され、CPU内部にレジスタ、キャッシュメモリ(1次、2次、3次)や、キャッシュメモリとCPUコアとを接続する内部バス、メモリコントローラ、タイマー、サウスブリッジとの接続バスとのインターフェイスなどが含まれる。CPUにグラフィック機能(GPU)を統合している場合は、グラフィックスインターフェイスやCPUコアと接続する内部バスなども含まれる。GPUを内蔵したCPUで外付けグラフィックスボードを使用する場合は、CPUに内蔵されたグラフィックインターフェイス(PCI Expressなど)に接続される。
なお、CPUコアは一つのCPU(チップ)に複数備えられていてもよい。実施形態での説明は2コアタイプのものであるが、これに限定されない。またCPUチップを複数備える構成であってもよい。CPU内にプログラムを内蔵することもできる。
【0039】
≪不揮発性メモリ≫
【0040】
(HDD)
【0041】
ハードディスクドライブの基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。外部インターフェイスは、SATA(過去ではATA)やSAS(Serial Attached SCSI、過去ではSCSI)などを採用することができる。HDDのインターフェイスは大きくは前記のATA系とSCSI系に二分される。ATA系は物理的に接続された相手に一方的にデータを送る方式であり、マザーボード上のBIOS(またはUEFI)に依存するために、CPUの処理時間を常に要求する。SCSI系は接続された相手の状態を確認しながら正確にデータを送る方式であり、HDD内に制御用システムを備えるため、CPUの負荷を抑えられる。ATA系は廉価で大容量であるが、SCSI系はサーバ向けのシステムから発展し、高速性や拡張性の高さで優れ、SCSIコマンドをマルチスレッドで処理できるため、高負荷環境下でも高い信頼度をもつ。
HDDは容量単価に優れるが、上記のように可動部を含むためアクセスに時間を要することや機械的故障の懸念があることから、高い信頼性を要求されるサーバ装置向けなどでRAIDを使い、複数台のHDDに同時に分散して読み書きしたり、複数のHDDに同じファイルを書き込んだりといった構成をとることができる。
【0042】
(フラッシュメモリ)
現在、NAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリの2種が一般に使われている。読み出し書き出し速度は一長一短あるが、NAND型の方が高集積化には有利であり、データストレージ用途に使われる。ハードディスクドライブと比較し、可動部がないため小型で、稼動時の振動や音が発生しない。但し容量単価はハードディスクドライブを置き換えるようなところまで下がってはいない。ハードディスクドライブよりも高価だが、装置が小型化でき、衝撃などにも強くなるという利点がある。スマートフォンや携帯情報端末では、搭載されるデータストレージ目的の記憶容量は通常64GB~256GB程度であるため、小型軽量化目的もあってフラッシュメモリが使われる。PCなどではOSやアプリケーションソフトを記憶するアクセス頻度の高いドライブにはフラッシュメモリからなるソリッドステートドライブ(SSD)が使用されるようになりつつある。
【0043】
≪メインメモリ≫
【0044】
CPUが直接アクセスしてメインメモリ上の各種プログラムを実行する。メインメモリは揮発性のメモリでDRAMが用いられる。メインメモリ上のプログラムはプログラムの起動命令を受けて不揮発性メモリからメインメモリ上に展開される。その後もプログラム内で各種実行命令や、実行手順に従ってCPUがプログラムを実行する。
【0045】
≪オペレーティングシステム(OS)≫
【0046】
オペレーティングシステムは計算機上の資源をアプリケーションに利用させるための管理をしたり、各種デバイスドライバを管理したり、ハードウェアである計算機自身を管理するために用いられる。小型の計算機ではオペレーティングシステムとしてファームウェアを用いることもある。
【0047】
≪UEFI≫
【0048】
以前使用されていたBIOSを発展させた後継として同様の役割りをするUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)が近年使われている。UEFIもBIOSと同様フラッシュROMに格納された状態でマザーボード上に搭載される。UEFIを収めたフラッシュROMチップは、計算機のハードウェアを立ち上げてオペレーティングシステムを稼働させるための手順をCPUに実行させるもので、最も典型的には計算機の起動命令を受けるとCPUが最初に読取りに行くハードウェアである。ここには、ディスク(不揮発性メモリ)に格納されているオペレーティングシステムのアドレスが記載されており、CPUに展開されたUEFIによってオペレーティングシステムが順次メインメモリに展開されて稼働状態となる。なお、UEFIは、バスに接続されている各種デバイスの有無をチェックするチェック機能をも有している。チェックの結果はメインメモリ上に保存され、適宜オペレーティングシステムによって利用可能な状態となる。なお、外部装置などをチェックするようにUEFIを構成してもよい。
【0049】
図に示すように、本発明は基本的に汎用計算機プログラム、各種デバイスで構成することが可能である。計算機の動作は基本的に不揮発性メモリに記録されているプログラムをメインメモリにロードして、メインメモリとCPUと各種デバイスとで処理を実行していく形態をとる。デバイスとの通信はバス線と繋がったインターフェイスを介して行われる。インターフェイスには、ディスプレイインターフェイス、USB、LAN端子、PCI Expressインターフェイス、通信バッファ等が考えられる。
【0050】
以下に記載する本発明の装置を構成する各機能ブロックは、いずれもハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアのいずれによっても実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶媒体とそれらの媒体の読取ドライブなど)、情報入力に利用される操作ボタン等の入力デバイス、マウス、タッチパネル、専らタッチパネルをタッチする目的で利用する電子ペン、ジョイスティック又はジョイスティック類似のポインタ位置入力装置その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェイス、LAN端子などの通信用インターフェイス、GPS受信インターフェイス、GPS用演算装置、ジャイロセンサ、加速度センサ、回転検知センサ、これらセンサの信号の処理装置、カメラ、画像ファイル処理回路、スピーカ、マイク、音声ファイル処理回路、通信用インターフェイス、バーコードリーダー、電子カードリーダー、POS端末、顔認証装置、暗号化装置、指紋認証装置、掌紋認証装置、網膜認証装置などの生体認証装置や、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられる。特にスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ、データセンターのサーバ装置、有線・無線ネットワーク及びインターフェイスなどを利用する。
【0051】
メインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェイスなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、二以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0052】
また、本発明は、その一部をソフトウェアとして構成することも可能である。さらに、そのようなソフトウェアが記録された記憶媒体も当然に本発明の技術的な範囲に含まれる(本実施形態に限らず、本明細書の全体を通じて同様である。)。
【0053】
<本願発明において使う用語について>
【0054】
「識別情報」とは、何らかを識別するために用いられる記号、文字、符号などである。ただし、識別情報そのものが識別される情報そのものである場合があってもよい。例えば、例えば、文字列記録Aを識別する情報である識別情報が、文字列記録A自身である場合があってよい。従って例えば電力需要者を識別する電力需要者識別情報であれば、単なる記号、文字、符号である場合とその記号、文字、符号などで識別される電力需要者の氏名や屋号や住所又は連絡先などである場合が同時に成立してもよい。
【0055】
「関連付け」とは、二以上の情報が直接的に関連付けられている場合の他、二以上の情報が他の一以上の情報を介して間接的に関連付けられている場合も含む意味で本願明細書においては用いられる。間接的な関連付けは、必ずしも一の装置(筐体が一の筐体である装置)内での関連付けに限定されず、複数の装置にわたって関連付けられている場合も含まれる。
【0056】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0057】
<実施形態1 概要>主に請求項1、10、19
実施形態1の電力利用コスト分析装置は天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって、ある月の電気料金を削減するために、気象データを取得し、ある月内でのデマンド時間帯での最大の需要電力を下げるために使用する情報である最大需要電力情報、前記ある月内での一日単位の電気使用量を下げるために使用する情報である最大電気使用量情報、前記ある月の電気使用量を下げるために使用する情報である月間電気使用量情報、前記ある月内において活動時間帯と非活動時間帯とに分けて前記月内の電気使用量を下げるために使用する情報であるトータル月間電気使用量情報、前記月単位で電気料金を下げるための情報であるトータル月間電気料金情報、のいずれか一以上を出力するように構成される。
【0058】
<実施形態1 機能的構成>
図1に実施形態1の電力利用コスト分析装置の機能ブロック図を示す。実施形態1の電力利用コスト分析装置(0100)は天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって、最大需要電力情報保持部(A)(0101)と、最大電気使用量情報保持部(B)(0102)と、月間電気使用量情報保持部(C)(0103)と、トータル月間電気使用量情報保持部(D)(0104)と、トータル月間電気料金情報保持部(E)(0105)と、情報出力部(F)(0106)を有する。
【0059】
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。以下の実施形態1以降の説明でも同様である。
【0060】
<実施形態1 構成の説明>
【0061】
<実施形態1 電力利用コスト分析装置(0100)>
「電力利用コスト分析装置」(0100)は、天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であるように構成される。
【0062】
「天候に応じて変化する電力供給可能量」とは、太陽光を太陽電池により電気に変える太陽光発電や、太陽光を太陽炉で集光する気力発電やスターリングエンジンの熱源として利用する発電や、風力を利用して風車を回して発電する風力発電などのように、天候によって発電量が変動する電力の供給可能量のことを言う。太陽光を利用した発電では日射量と日射時間、および風力発電では風の強さと風が吹く時間によって発電量が変わる。太陽光発電の場合、緯度や気候(冬季に積雪する地域は太陽電池パネルが雪で隠されるために不向き。高緯度地方は日照時間が短いため不向き)の影響を受ける。風力発電の場合、風が強すぎると風車が破損する懸念があり稼働させられないため、適する風速の範囲(風速3から25m/秒で発電を行うが、年間平均風速6m以上の地域が望ましい)で使用される。
【0063】
「天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格」とは、上記の天候に応じて供給可能量が変化する発電の例として太陽光によって発電した電力を電力取引市場で発電者が売電する場合、快晴となりやすく日照時間が長い季節(例:夏季)では発電した電力が昼間に大量に売りに出されるために、電力の需要よりも供給が多くなり電力取引市場価格が下がる。夏季の昼間に雨が一日降る場合は、太陽光による発電が昼間に行えず、電力供給量が下がるが、冷房用途の電力需要は減らないために、昼間の電力取引市場価格は上がる。このように電力取引市場価格は、翌日の予報天候に応じて変化する電力供給可能予測量に応じて変動する。
【0064】
「電力取引市場」とは、発電業者と電力小売業者間の電力の取引を仲介する市場である。例えば、日本では一般社団法人日本卸電力取引所(略称:JEPX)が相当する。
【0065】
「電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度」とは、電力需要者が電力小売業者から買電する又は/及び電力小売業者へ売電する契約において、電力需要者に課される電力購入金額又は/及び電力販売によって得られる獲得金額が電力取引市場価格に連動(電力取引市場価格と同一である場合を妨げない。)するとあらかじめ定められた制度を言う。課金制度としては、例えば、電力需要者の電気使用量に応じて課金される従量制部分について、少なくともその一部が、電力取引市場価格に連動した単価(例:円/kWh)となっている課金制度である。課金制度は、固定料金と従量制課金部分との組み合わせでもよく、従量制課金部分に電力取引市場価格とは連動しない単価部分(例:燃料費調整額)を含んでもよい。なお、「連動する」とは、任意の関係性をもって依存することを言い、常に固定された関係性まで要求されるものでなくてもよい(あってもよいが。)。
【0066】
<実施形態1 電力利用コスト分析装置:課金制度の例>
課金制度の例は、電気料金のうち従量制部分において、電力小売業者が適宜設定する単価部分を電力取引市場価格(単価)に連動する単価とする課金制度である。電気料金は固定料金と電気使用量に応じて金額が上がる従量制部分とから構成してもよい。固定料金部分は、例えば一般家庭であればブレーカの契約アンペア数に応じた基本料金、高圧電力契約の電力需要者であれば過去にデマンド時間帯当たりで需要電力が最大となった最大需要電力に応じた基本料金、電力小売業者の手数料などである。火力発電に関する燃料費調整額が固定額であれば固定料金部分に含めることができる。また前記説明で固定料金に含めた基本料金は、契約アンペア数や最大需要電力に応じた固定単価料金であってもよい。
【0067】
なお、従量制部分の単価は市場取引価格(単価)そのままでもよいし、電力取引市場価格(単価)に例えば電力小売業者の所定の手数料を加えた単価のように電力取引市場価格(単価)に連動するが市場取引価格(単価)そのものではない課金制度としてもよい。従量制部分の単価が電力取引市場価格(単価)そのものではない計算式の例としては、固定料金+(外的要因固定単価+電力取引市場価格連動単価)×電気使用量である。この式の2項目以降の従量制部分については、外的要因固定単価として発電業者(発電所)から電力需要者まで間の送電事業者へ支払う託送料(単価)、再エネ賦課金(単価)、燃料代調整金(月ごとに決まる単価)などの電力小売業者に依存しない外的要因に拠る固定単価部分が、電力取引市場価格連動単価のほかにある。そのほか前記のように電力小売業者が電力の仕入れや事業を行う上での経費などに要した費用の回収や利益分としての供給管理手数料単価を適宜前式に設定することができる。
【0068】
<実施形態1 電力利用コスト分析装置:電気使用量低減、電気料金削減の検討>
本発明の装置は、電気を電力需要者が電力小売業者から購入する際に(逆に電力需要者が太陽光発電などによって発電した余剰電力を電力小売業者へ売電する場合でもよい)、天候に応じて変動する発電量(電力供給可能量)に応じて変動する電力取引市場価格に連動する課金制度で電力小売業者と電力需要者が契約している場合に、電力需要者の電力利用コストや電気使用量を削減することによって良好となる対環境性を分析する装置である。つまり、金銭のことのみならず環境に対する配慮をも同時に検討するのである。一日の中で特に電気使用量が多い時間帯(またはデマンド時間帯)や、月間の中でも電気使用量が多い日や、電気使用量の多い月が、どうして電気使用量が多かったのかを後記する代表的な天候の情報(代表天候情報)と照らして推測することができる。活動時間帯と非活動時間帯、または平日と休日とを比較して電気使用量を後記する代表天候情報と関連付けて比較することにより、活動時間帯がどうして多いのかなどを推測することができる。また、これらの情報に基づいて事業場での事業の活動の仕方を改善しようとする場合でも、ライフ・ワークバランスを考慮しながら改善をすることができる。例えば、従業員に対し混雑時間帯を避けた通勤をさせたり、テレワークを導入したりするなどの施策の検討もこれらの情報を分析することで可能となる。推測の結果から電力需要者が電気使用量の低減策又は/および電気料金削減策を得ることができ、実施することができる。
【0069】
<実施形態1 電力利用コスト分析装置:電気料金削減のための構成例>
また電気使用量低減や電気料金削減を検討している時点よりも未来の、将来の電力取引市場価格(単価)または電力取引市場価格に連動する価格(単価)を対象時点の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する情報と関連付けて取得し、取得した電力取引市場連動単価と、本発明の装置から出力された情報とに基づいて、将来の電気使用予定を作成または修正するように構成することができる。天候の情報として例示した気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間は電力需要者の電気使用量等に影響する。また天候の情報のうち風速や日照時間(天気:晴曇雨などを含めてもよい)によって、風力発電や太陽光発電などの発電量(電力供給可能量)が変化するといったようにも影響を受ける。
【0070】
例えば、明日の電力取引市場連動価格を天候の情報と関連付けて取得し、天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格(単価)が高い時間帯(またはデマンド時間帯)での活動を、安い時間帯(またはデマンド時間帯)へシフトさせることを検討する。活動時間帯のシフトを検討する際には、気温などの天候の情報から予想する空調や照明のために使用する電気使用量(電気料金)などをも含めて、活動時間帯をシフトさせた場合と、シフトさせなかった場合でどちらの電気料金が安いかを予想する。
【0071】
このためには実施形態1の構成に加え、電気使用量低減や電気料金削減を検討している時点よりも未来の、将来の電力取引市場価格(単価)または電力取引市場価格に連動する価格(単価)を対象時点の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する情報と関連付けて取得する電力取引市場連動価格取得部と、取得した電力取引市場連動価格を保持する電力取引市場連動価格保持部と、将来の電気使用予定を示す情報である将来電気使用予定情報を保持する将来電気使用予定情報保持部と、取得した電力取引市場連動価格と、前記出力された情報と、保持された将来電気使用予定情報に基づいて、将来の電気料金が現在保持している電気使用予定よりも安くなるように電気使用予定を編集(作成、修正)するための電気使用予定編集ルールを保持する電気使用予定編集ルール保持部と、取得した電力取引市場連動単価と、前記出力された情報と、現時点での将来電気使用予定情報である現時点将来電気使用予定情報に基づいて、将来の電気料金である現時点将来電気料金を試算する現時点将来電気料金試算部と、取得した電力取引市場連動単価と、前記出力された情報と、現時点での将来電気使用予定情報である現時点将来電気使用予定情報と、試算した現時点将来電気料金と、電気使用予定編集ルールに基づいて、現時点将来電気料金よりも電気料金が安くなる将来電気使用予定情報を取得する将来電気使用予定情報取得部と、をさらに有するように構成することで達成できる。
【0072】
<実施形態1 気象データ取得部(Q)(0116)>
「気象データ取得部(Q)」(0116)は、気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得するように構成される。
【0073】
「気象データ」は、日本の気象庁が各地の気象台や観測所で観測した気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間などのデータである。気象庁の管轄する観測所は、降水量のみ観測する有線ロボット雨量計や、降水量、気温、風向、風速を測定する有線ロボット気象計や、降水量、気温、風向、風速、日照時間、相対湿度、気圧(一部の観測所を除く)、積雪の深さ(一部の観測所に限る)を観測する地上気象観測装置などの種類がある。気象データの入手先は気象庁のみには限定されない。民間気象会社(例:ウェザーニュースなど)などから入手し使用してもよい。晴曇雨といった天気についての情報は日本気象協会や前記民間気象会社から入手してもよい。天気に関しては、冬季に雨の代わりに雪を用いてもよい。また晴曇雨の3段階ではなく、「晴れ時々曇り」や「晴れのち雨」や「晴一時雨」などのように、「時々」や「のち」や「一時」であらわされる天気をも用いることができる。気象庁の定義に拠れば、「時々」は現象が断続的に起こり、その現象の発現期間の合計時間が予報期間の1/2未満のときである。「一時」は現象が連続的に起こり、その現象の発現期間が予報期間の1/4未満のときである。「のち」は予報時間の前半と後半で天気が変わる場合である。
【0074】
「所定時間間隔」とは、例えば最も短い間隔では、前記気象データの観測間隔(例:10分)である。別例としては、デマンド時間帯の時間長さ毎(日本では30分ごと)である。
【0075】
<実施形態1 変換ルール保持部(R)(0117)>
「気象データ取得部(Q)」(0117)は、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持するように構成される。
【0076】
データの取得原は気象庁の公開データ、気象専門会社(例えばウェザーニュース)の販売データなどである。ここで「代表的」とは代表的に電力の使用に影響を与える値をいい、気象データが数値情報の場合には例示すると、中央値、平均値、最大値平均値と標準偏差、これらの数値の時間積分値などがあげられるがこれに限定されない。天候に関するデータでは、後述する段落番号0083のように天候を数値化して得られた値であってもよいし、天候に関する気象データを適用する地域の中でその天候が観測された面積が一番大きな天候であってもよい。またその天候が観測された時間長がもっとも長い天候としてもよい。また、変換ルールは本システムの利用者に応じてカスタマイズできるように構成されてもよく、そのために利用者識別情報と関連付けて変換ルールを保持するようにし、このシステムの利用時に利用者識別情報を取得し、その利用者識別情報に関連付けられている変換ルールを採用して演算をするようにしてもよい。またこの変換ルールは編集可能であることが好ましく、例えば変換ルール編集部を設けることでその機能を実現することができる。
【0077】
「デマンド」とは、電力取引関連では、電力小売業者と取引する際の最短時間(2023年初頭時点の日本では30分間)において電力需要者が要求する電力(需要電力:単位はkW又はMW)の平均値である。2023年時点の日本では毎時0分から30分までと、30分から60分までをそれぞれ一つのデマンド時間帯とし、1日を48のデマンド時間帯に分割している。デマンドがどの時間帯の値かを示す時間帯に関する情報を、本明細書では「デマンド時間帯」とよぶ。
【0078】
「日」は、本明細書中において特に指定しない限り、1日を意味する。暦法上の1日でもよいし、暦法上の1日に相当する時間である連続した24時間であってもよい。
【0079】
「週」は、本明細書中において特に指定しない限り、1週間を意味する。日曜始まりでもよいし月曜始まりでもよい(他の曜日始まりであってもよい)。暦法上の1週間に相当する日数である連続した7日間であってもよい。
【0080】
「月」は、本明細書中において特に指定しない限り、1カ月を意味する。暦法上の1カ月でもよいし、暦法上の1カ月に相当する日数である連続した期間(例:30日)であってもよい。
【0081】
「四半期」は、本明細書中において特に指定しない限り、1年間を4分割した3カ月間を意味する。通常は、4月から6月、7月から9月、10月から12月、1月から3月の4つの期間のいずれかを指す。
【0082】
「代表天候情報」の、代表的にとは、代表的に電力の使用に影響を与える値である。デマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記気象データを観測する所定時間間隔以上の時間長である。)といった期間内には、少なくとも一以上の気象データがあり、複数の気象データがある場合にはその複数の気象データを代表する値でもある。どのように代表する値を取得するかを定めるのが変換ルールである。数値で表現される気温や湿度や風速といった気象データは、例えば前記のように中央値、平均値、最大値平均値と標準偏差、これらの数値の時間積分値などを代表する値する変換ルールが考えられるがこれには限定されない。晴曇雨や風向など数値ではない気象データについては、気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期といった期間内で、最も長い時間観測された気象データを代表値としたり、前記気象データを適用する地域の中でその気象データ(例:晴曇雨や風向など)が観測された面積が一番大きな気象データを代表値としたりしてもよい。このように、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報が代表天候情報である。
【0083】
「変換ルール」は、取得した気象データが観測された時刻が属するデマンド時間帯、日、週、月、四半期のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである。例えば、2024年3月1日昼の12時10分の東京の観測点のデータは、気温14.6℃、相対湿度52%、平均風速北西4.1m、最大瞬間風速北西8.2m、日照時間10分、快晴であったことから、この1つのデータをもって12:00-12:30のデマンド時間帯の代表天候情報とするルールとしてもよい。または12:00-12:30のデマンド時間帯時間帯における開始時刻である12:00、または終了時刻である12:30での気象データの1つのデータを代表天候情報とするルールでもよい。または例えば10分毎のデータである12時00分、前記12時10分、12時20分、12時30分の4つの気象データの平均を代表的な天候とするルールでもよい。この場合晴曇雨は、例えば、晴を1点、曇りを2点、雨を3点として平均値を求め、平均値を四捨五入した時の1の位の点数で晴曇雨を判定するルールや、最多頻度の天気を代表と決定するルールなどが考えられる。天気に関し「晴一時雨」や「晴時々雨」や「晴のち雨」のような気象データの観測期間で変わる場合には、観測された天気の時間の長さの長い天気を代表天候情報とするといったルールとしてもよい。
【0084】
デマンド時間帯に対する代表天候情報に変換する変換ルールを例として説明したが、気象データを取得する所定時間間隔が上記例のように、日、週、月、四半期よりも短いのであれば、日、週、月、四半期に対しても前記の説明例と同様の変換ルールを適用できる。例えば「月」であれば、対象月内に観測された気象データを所定時間間隔(例:10分間隔、1時間間隔)で一以上取得し、平均値や最多頻度値や中央値を代表天候情報とする例である。
【0085】
<実施形態1 最大需要電力情報保持部(A)(0101)>
「最大需要電力情報保持部(A)」(0101)は、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持するように構成される。
【0086】
取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて、月間の最大需要電力が発生したデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得する。そして、前記月間の最大需要電力と、取得した代表天候情報とを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持するように最大需要電力情報保持部(A)は構成される。
【0087】
「月間」は、本明細書中において特に指定しない限り、1カ月内を意味する。暦法上の1カ月でもよいし、暦法上の1カ月に相当する日数である連続した期間(例:30日)であってもよい。
【0088】
「最大需要電力情報」とは、ある月間において電力小売業者との契約におけるデマンド時間帯の平均需要電力が最大となったデマンド時間帯での最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて最大需要電力となったデマンド時間帯又は/及びそのデマンド時間帯が含まれる日の天候に関する代表天候情報を取得したうえでこの代表天候情報とを関連付けた情報である。以下、本明細書において、デマンド時間帯の平均需要電力を単にデマンド時間帯の需要電力と表記する。
【0089】
「最大需要電力情報」が最大需要電力とその最大需要電力となったデマンド時間帯と、前記デマンド時間帯又は/及びそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるため、最大需要電力がどのような天候(代表天候情報)の時に発生したかがわかる。夏場の昼下がりのデマンド時間帯に最大需要電力が発生していて、その日の昼間は気温が30℃以上となったが、ほぼ一日風がなく、曇りであって日照がほぼないような場合であれば、自家発電用に太陽光発電や風力発電が設置されていたとしてもほとんど寄与せずに、冷房用エアコン向け電力需要のため電力小売業者から購入する需要電力が最大となったと推測することができる。最大需要電力は、前記のようにある月内のデマンド時間当たりの需要電力の最大値を示すために、需要電力が最大となった原因(例:気温、電力需要者の事業活動、電気使用の時間帯傾向、電力消費性向など)を究明することは、最大需要電力を低減し、前記該当月の月間電気使用量または翌月以降の将来の月間電気使用量を低減する一助となる。原因究明のため、後記実施形態3のように前記月間とは別の月間の最大需要電力情報と比較することが好ましい。デマンド時間帯、曜日、天候の情報などを比較することによって原因を把握しやすくなる。課金である電気料金のうち基本料金を決定するのは電力需給契約期間内(通常は1年であるがこれに限定されない)での最大需要電力であるが、このように月ごとの最大需要電力を分析することで常日頃から最大需要電力を少なくしようとするための訓練ができる点に本件発明の効果がある。したがって基本料金を低減することには直接的には結び付かないものの、訓練効果によって、間接的に基本料金を低減することにつながると言える。
【0090】
月間の最大需要電力と、その最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を取得する最大需要電力情報取得部をさらに有するように構成することができる。最大需要電力は電力を受電する受電設備に最大需要電力出力部を有し、最大需要電力情報取得部に気象データ取得部(Q)から気象データを取得する天候情報取得手段を有するように構成することもできる。受電設備は、電力需要者が一般家庭であればスマートメータが該当し、電力需要者が高圧受電者であれば高圧受電設備が該当する。スマートメータや高圧受変電設備の監視装置(高圧受変電設備と一体化していてもよい)や、高圧受変電設備自身に最大需要電力を出力する最大需要電力出力部を有することができる。後記する、最大電気使用量や月間電気使用量やトータル電気使用量なども最大需要電力と同様受電設備から出力する様に構成することができる。または最大需要電力や電気使用量のデータを受電設備が出力し、電力需要者の使用するコンピュータやセンターサーバ装置が受信し保持して、所定の期間分の情報を保持した時点以降で最大電気使用量や月間電気使用量やトータル電気使用量として取得するように構成してもよい。
【0091】
電力の需要者である電力需要者を識別する情報である電力需要者識別情報を保持する電力需要者識別情報保持部をさらに有し、電力需要者の最大需要電力情報と、電力需要者識別情報と関連付けて保持するように構成することができる。電力需要者識別情報は、後記する最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報、トータル月間電気料金情報のそれぞれを各保持部に保持する際に、関連付けて保持するように構成することが好ましい。センターサーバ装置に多数の電力需要者の各種情報(少なくとも全請求項に記載の「・・・情報」を含む。)を保持して、センターサーバ装置側で統計処理などを行って比較分析できるように構成してよい。この観点から本発明である電力利用コスト分析装置はセンターサーバ装置内に構築されて、各電力需要者がネットワークを介して前記各情報を閲覧可能に構成されてもよい。この場合に本発明の実施は、センターサーバ装置内での実施と各電力需要者が閲覧することによって成立する実施の二階層の実施(特許法2条3項)が発生する。ただし、本電力利用コスト分析装置が各電力需要者の利用するコンピュータ内に構築されるように構成してもよい。
【0092】
また、最大需要電力情報に含まれる最大需要電力は、電力小売業者から電力需要者が高圧電力を購入するときの課金制度の契約において、基本料金を決めるデータでもある。ただし、一般家庭などのように基本料金を「アンペア」で決める場合、すなわち最大使用電流で決める場合も「最大使用電流」は、本件明細書でいう「最大需要電力」に含まれるものとする。基本料金は、基本料金算定期間中(例:1年、一般に電力購入の契約は1年契約であるため基本料金算定期間は1年であるが、これに限定されない。)の最大需要電力で定まるために、最大需要電力を維持または低減することは電気料金削減に有効である。
【0093】
<実施形態1 最大電気使用量情報保持部(B)(0102)>
「最大電気使用量情報保持部(B)」(0102)は、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持するように構成される。
【0094】
「最大電気使用量情報」とは、前記デマンド時間帯あたりの需要電力が最大となった最大需要電力情報に対し、同じ月間内で1日間に使用した電気使用量の最大値をいう。電気使用量の単位は「kWh」又は「MWh」であるがこれに限定されるものでない。電気使用量の単位であればよい。その日の天候の情報、または/及びその日を含む週の代表天候情報を取得したうえで関連付けることにより、電気使用量が最大となるような天候の要因があるかを推測することができる。1日間に使用した電気使用量の最大となった原因(例:気温、電力需要者の事業活動、電気使用の時間帯傾向、電力消費性向など)を究明することは、一日の最大電気使用量を低減し、ひいては前記月の月間電気使用量を低減する一助となる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。原因究明のため、後記実施形態3のように前記月間とは別の月間の最大電気使用量情報と比較することが好ましい。平日/休日の区別、曜日、天候の情報などを比較することによって原因を把握しやすくなる。
【0095】
上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、その1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する情報とを関連付けた情報である最大電気使用量情報を取得する最大電気使用量情報取得部をさらに有するように構成することができる。
【0096】
<実施形態1 月間電気使用量情報保持部(C)(0103)>
「月間電気使用量情報保持部(C)」(0103)は、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持するように構成される。
【0097】
「月間電気使用量情報」とは、前記月間の電気使用量と、その月又はその月を含む四半期(3カ月)の天候に関する情報を関連付けた情報である。ある月の電気使用量について、その月またはその月を含む四半期の天候に関する代表天候情報から、なぜそのような電気使用量となったかを推測することができる。例えば日本であれば7月から9月にかけて、特に8月は、気温が上がり、晴れた場合に夜は熱帯夜となり日中は猛暑日となって冷房用に空調関連の電気使用量が増える。12月から2月であれば、昼夜冷え込むため暖房用に空調関連の電気使用量が増える。このように原因(例:気温、電力需要者の事業活動、電気使用の時間帯傾向、電力消費性向など)を究明することは、月間電気使用量を低減する一助となる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。原因究明のため、後記実施形態3のように前記月間とは別の月間の月間電気使用量情報と比較することが好ましい。平日/休日の区別、曜日、天候の情報などを比較することによって原因を把握しやすくなる。
【0098】
前記月間の電気使用量と、その月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する情報とを関連付けた情報である月間電気使用量情報を取得する月間電気使用量情報取得部をさらに有するように構成できる。
【0099】
<実施形態1 トータル月間電気使用量情報保持部(D)(0104)>
「トータル月間電気使用量情報保持部(D)」(0104)は、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持するように構成される。
【0100】
「トータル月間電気使用量情報」とは、ある月間の、所定活動時間帯、非活動時間帯、平日、休日それぞれのトータル電気使用量のいずれか一以上を、代表天候情報を取得したうえでこれと関連付けたものである。「所定活動時間帯」とは、例えばその電力需要者が、電気を使用する場所に入場してから退場するまでの時間帯である。例えば商店であれば、商店の営業時間(開店前の準備、閉店後の片付けの時間を含めてもよい)が所定活動時間帯であり、閉店時間(閉店後の片づけが終わってから、次の開店前準備開始までの時間としてもよい)が非活動時間帯である。昼間家人が在宅している一般家庭であれば、起床から就寝までが所定活動時間帯であり、就寝時間が非活動時間帯となる。共稼ぎの一般家庭であれば起床から出勤までの朝方と、夕方帰宅してから就寝までが所定活動時間であり、その他の就寝時間や不在時間帯が非活動時間帯となる。工場のように交代勤務を行い昼夜24時間稼働している場合には、朝から夕方の日中に昼間勤務の労働者が加わって工場内の人員が増える時間帯を活動時間帯とし、夕方から朝方にかけて夜勤者しかおらず工場内の人員が減った時間帯を非活動時間帯としてもよい。極端な例では、無人で自働機械によって生産を行っている工場では、通常工場内の生産ラインに人がいなくて生産を行っている時が所定活動時間帯であり、生産ライン内に人がいて生産設備を止めてメンテナンス作業を行っているようなときは非活動時間帯となる。また商店や工場であれば、休日が非稼働日(非活動時間帯)、その他が稼働日(所定活動時間帯)となって、電気使用量に差異が生じると考えられる。電力需要者の活動、非活動による電気使用量の差異を把握するために、さらに代表天候情報と関連付けた情報が、トータル月間電気使用量情報である。
【0101】
ある月について時間を所定活動時間帯と非活動時間帯に分けて、それぞれの時間帯での電気使用量、または平日と休日の電気使用量について、代表天候情報も考慮して、そのような電気使用量となった原因(例:気温、電力需要者の事業活動、電気使用の時間帯傾向、電力消費性向など)を究明することは、トータル月間電気使用量を低減し、ひいては前記月の月間電気使用量を低減する一助となる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。原因究明のため、後記実施形態3のように前記月間とは別の月間のトータル月間電気使用量情報と比較することが好ましい。電力需要者に起因するイベントの情報や、天候の情報などを比較することによって原因を把握しやすくなる。
【0102】
前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、その月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を取得するトータル月間電気使用量情報取得部をさらに有するように構成できる。なお、電力需要者から活動時間帯、非活動時間帯について入力を受け付けてその時間帯に沿って活動時間帯の電力使用量、非活動時間帯の電力使用量を区別できるようにするとよい。この機能を活動時間帯非活動時間帯入力受付部が受け付け、受け付けた時間帯の区切りに応じて電気使用量を取得するように構成することができる。
【0103】
<実施形態1 トータル月間電気料金情報保持部(E)(0105)>
「トータル月間電気料金情報保持部(E)」(0105)は、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持するように構成される。
【0104】
「トータル月間電気料金情報」とは、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上が属する月間の、トータル電気料金を示す。電力需要者にとって電気料金は削減されることが望ましい。そのためトータル月間電気料金情報は電力需要者にとって重要であり、電気料金削減のため電力需要者は、電気使用量の低減(電気料金のうち従量制料金部分に影響する)や、最大需要電力の維持または低減(最大需要電力は電気購入契約の基本料金額に影響する)を図るよう動機付けされる。
【0105】
天候の情報も考慮して、そのようなトータル月間電気料金となった原因(例:気温、電力需要者の事業活動、電気使用の時間帯傾向、電力消費性向など)を究明することは、トータル月間電気料金を低減する一助となる。前記月または翌月以降の将来の月間電気使用量を低減する一助ともなりうる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。原因究明のため、前記月間とは別の月間のトータル月間電気料金情報と比較することが好ましい。電力需要者に起因するイベントの情報や、天候の情報、電気使用の時間帯傾向、電力消費性向などを比較することによって原因を把握しやすくなる。
【0106】
「トータル月間電気料金情報」は電力小売業者から取得するようにトータル月間電気料金情報取得部を有するように構成してもよい。また電力需要者が電力小売業者から購入する電力を受電する受電設備は、デマンド時間毎の需要電力を示す情報であるデマンド毎需要電力量情報を取得するデマンド毎需要電力量取得部と、デマンド毎需要電力量を保持するデマンド毎需要電力量保持部と、保持したデマンド毎需要電力量出力部とを有し、電力需要者の情報端末は、前記受電設備から出力されたデマンド時間帯毎需要電力量情報を取得するデマンド時間帯毎需要電力量情報取得部と、デマンド時間帯毎需要電力量情報を保持するデマンド時間帯毎需要電力量情報保持部と、保持されたデマンド時間帯毎需要電力量情報と、電力需要者と電力小売業者との契約を示す情報である電力契約情報に基づいて、電力需要者が電力小売業者へ支払う電気料金額を試算する電気料金試算部とを有するように構成してもよい。
【0107】
<実施形態1 情報出力部(F)(0106)>
「情報出力部(F)」(0106)は、前記各情報のいずれか一以上を出力するように構成される。前記各情報とは気象データ(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータ)、代表天候情報、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報である。さらに、月間の最大需要電力、1日の最大電気使用量、月間の電気使用量、月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量をも含めてもよい。
【0108】
出力は、電力需要者、電力小売業者、本発明の装置の管理運営者のいずれか一以上に対して行う。出力はインターネット回線を介して、電子メールとして出力してもよいし、専用アプリまたはウェブブラウザによってディスプレイ上で閲覧するように構成してもよい。または紙に印刷してもよい。最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上を電力需要者に対して出力する際には(特に紙出力時には)、決まった場所に同じ情報を記載するように定めた所定の様式を使用するとよい。最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上を一定の様式によって電力需要者へ示すことによって、過去出力された情報と見比べやすく、電力需要者自身の電気使用量が多い部分を気づかせることが容易となる。最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上を示す際にそれぞれに関連付けられている代表天候情報も示すように構成すると、電気使用量への天候の影響を把握しやすくなる。出力された様式は電気使用量の低減に寄与できる、いわば省電力シートともいえる物である。
【0109】
出力された情報を、時系列的に保持するように構成することもできる。前記のように過去出力された情報と比較する際に、いつの時点の情報と比較しているのかを把握しやすくなる。また、ある月とその前の月との比較、ある月に対し前年同月との比較、ある月が属する年と別の年との比較、ある月が属する季節(または四半期)と別の季節(四半期)に属する月との比較などいろいろな組み合わせの比較を行うことができ、出力された情報を利用して、どのように電気使用量を低減し、電気料金を削減するか方策を、電力需要者が検討する際に役立てることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0110】
また出力は、出力される情報が該当する電力需要者だけではなく、電力小売業者が自身と契約している電力需要者の電力使用実績を把握することに使用したり、他の電力需要者が他の電力需要者の電力使用実績と自身の電力使用実績を比較(自分以外の電力需要者の電力使用実績閲覧時には、他の電力需要者の氏名や詳細な住所などは隠されていることが好ましい)したりするために、行われてもよい。
【0111】
なお情報出力部から出力される情報はほかに代表天候情報とトータル月間電気使用情報との単回帰分析結果や重回帰分析結果を出力するように構成してもよい。そして、利用者のデータを業種別、規模別などで群をつくり、群ごとに回帰係数や、p値、t値などを集計して、群ごとの代表的な回帰線を作り、群代表回帰線との比較結果を出力するように構成してもよい。
【0112】
電力需要者は、本発明の装置を利用することにより、例えば気象データは気象庁(または民間気象会社:ウェザーニュースなど)から、天気に関する情報は日本気象協会から、電力取引市場価格はJEPXから、月間の最大需要電力や1日の最大電気使用量や月間の電気使用量やトータル月間電気使用量などは電力小売業者から取得した各種情報を一度に閲覧することが容易にできる。特に本発明の装置は月間の最大需要電力や1日の最大電気使用量や月間の電気使用量やトータル月間電気使用量などの情報を代表天候情報と関連付けて電力需要者へ提供するため、電気使用量が増えた時の代表天候情報との相関を把握しやすく、電気使用量の抑制の気づきとしやすい効果がある。
【0113】
本発明の装置は、気象データ取得部(Q)と変換ルール保持部(R)とトータル月間電気料金情報保持部(E)と情報出力部(F)とを有し、さらに最大需要電力情報保持部(A)、最大電気使用量情報保持部(B)、月間電気使用量情報保持部(C)、トータル月間電気使用量情報保持部(D)の4つのうちのいずれか一以上を有する。
【0114】
<実施形態1 電力利用コスト分析装置:変形例>
実施形態1の変形例として、最大需要電力情報保持部(A)、最大電気使用量情報保持部(B)、月間電気使用量情報保持部(C)、トータル月間電気使用量情報保持部(D)のいずれか一以上ではなく、いずれか二以上を有するように構成することができる。最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上ではなく二以上を用いたほうが、そのような電気使用量となった原因を複数の観点から究明することができ、より有効な低減のための施策を検討できる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。このためには次のような構成とすると達成できる(「」部が実施形態1との相違箇所)。
【0115】
天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって、
気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する気象データ取得部(Q)と、
取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する変換ルール保持部(R)と、
月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する最大需要電力情報保持部(A)、
上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する最大電気使用量情報保持部(B)、
前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する月間電気使用量情報保持部(C)、
前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報とを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持するトータル月間電気使用量情報保持部(D)、
の「いずれか二以上」と、
前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持するトータル月間電気料金情報保持部(E)と、
前記各情報のいずれか一以上を出力するための情報出力部(F)と、
を有する電力利用コスト分析装置。なお、このように情報保持部が二以上あり、出力される情報も二以上の場合には、人工知能を用いて各情報の相関性を取得するように構成してもよい。
【0116】
<実施形態1 電力利用コスト分析装置:使用例>
本発明の電力利用コスト分析装置を用いて電力利用コスト分析を行う例を図30図31を用いて説明する。本発明の電力利用コスト分析装置は、需要家が自らの電力利用コストを分析するために利用したり、電力小売業者が顧客である需要家への営業活動の一環として需要家の電力利用コストを分析して提示するために利用したりするような利用が考えられる。以下説明では、需要家が自身の電力利用コストを分析するために本発明の装置を利用する場合を例として説明する。電力小売業者が利用した場合も同様である。
【0117】
<実施形態1 電力利用コスト分析装置:使用例:出力設定:出力項目選択>
図30は、東京都新宿区にある佐藤ビルのオーナーまたは管理者が、電力利用コスト分析をするために、出力項目等を設定する画面例である。出力項目として、所定の月間内でデマンド時間帯当たりの最大需要電力、所定の月間内での一日の最大電気使用量である最大電気使用量、所定の月間での電気使用量である月間電気使用量、所定の月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上であるトータル月間電気使用量、所定月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金のいずれか一以上を選択する。図30では各出力項目いは「出力する」と「出力しない」の2つのボタンが配されており、どちらかを押下して選択する。図30では5つの項目すべてに対し「出力する」が選択されている。
【0118】
<実施形態1 電力利用コスト分析装置:使用例:出力設定:比較型式選択>
出力項目選択の下では、どのような期間での比較を行って出力するかの比較型式を選択する。所定の期間として「月」内のデマンド時間帯や、日などが前記説明での出力項目としてあげられている。比較型式では、比較対象として後ほど指定する月の、前月との比較「前月比比較」、指定する月に対応する前年同月との比較「前年同月比比較」、指定する年とその前年との比較「前年比比較」のうちのいずれかを、ラジオボタン式のボタンを押下選択する。図30では「前月比比較」が選択されている。比較型式の下では、比較を行う対象月の入力をドラム形式で、年、月をそれぞれ入力する。設定の入力が終わったら、画面右下の「決定」ボタンを押下する。選択を取り消すときは「取消」ボタンを、電力利用コスト分析を中止するときは「戻る」ボタンを押下する。
【0119】
<実施形態1 電力利用コスト分析装置:使用例:前月比比較の例>
図31は、佐藤ビルでの電力利用コスト分析として2022年11月を対象月に指定し、前月(2022年10月)と比較した表である。図30の画面で「出力する」を選択した、最大需要電力と最大電気使用量と月間電気使用量とトータル月間電気使用量とトータル月間電気料金の5つの項目が表示され、さらに「天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格」としてJEPXでの電力単価が、図30での選択項目にかかわらず、参考値として示されている。なお図31は前月比比較であるが、前年同月比比較や前年比比較でも同様の効果が得られる。また所定期間が日や月ではなく週や四半期や年であってもよい。
【0120】
最大需要電力と最大電気使用量と月間電気使用量とトータル月間電気使用量とトータル月間電気料金の各項目に対し、本装置が取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて前記5つの情報の対応する期間(デマンド時間帯、日、月、週等)が含まれる期間の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したで、それぞれ対応する情報(最大需要電力、最大電気使用量、月間電気使用量、トータル月間電気使用量、トータル月間電気料金)に関連付けて、各欄に記載されている。
【0121】
図31の表を見ると、2022年11月は前月の2022年10月とで最大需要電力を比べると発生時間帯はともに午後の日中であり、対象となる11月は前月に比べ27kW少ない。発生時間帯に対応する天気(代表天候情報)は前月の晴に対し11月は曇りであり、該当時間帯の気温は4.8℃低い。そのため最大需要電力の減少については、天気と気温の影響によるものと考えられる。最大電気使用量については、11月のほうが380kwh多い。これは発生日に対応する代表天候情報である最高気温が11月の方が高く、天気が晴れのち曇りと日照があったためと考えられる。月間電気使用量も11月の方が1236kWh増えている。月間代表天候(天気:代表天候情報)を比較すると10月は雨だが、11月は晴れであり、月間最高気温が高い。そのため電気使用量が増えたと考えられる。
【0122】
トータル月間電気料金については11月は前月に比べ92014円増と約1割増えている。電気使用量自体の増分は気温や天気(代表天候情報)の影響によって空調用の電気使用が増えたと考えられる。電気料金の増分が電気使用量の増分よりも大きいのは、最下段に示されるJEPXでの電力取引市場価格(単価)が11月の方が高いためと考えられる。
【0123】
このように、本装置は、取得した気象情報と保持されている変換ルールに基づいて、最大需要電力や最大電気使用量などが発生した期間を含む期間の天候に関する代表天候情報を取得したうえで、代表天候情報と前記最大需要電力や、最大電気使用量などを関連付けて保持するように構成されている。このような構成としていることによって、本装置を利用して電力利用コストを分析しようとしている者が、電力使用量と代表天候情報をみて、天候に拠らず電力使用量が増えているようであれば、天候以外の理由を探る端緒とすることができる。天候に拠って電気使用量が増減するのであれば、天候要因で電気使用量が増えそうな場合に、どのように電気使用量を減らすか検討するきっかけとすることができる。
【0124】
<実施形態1 動作方法>
図2は、実施形態1の電力利用コスト分析装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態1の電力利用コスト分析装置の動作方法では、気象データ取得ステップ(q)(S0201)と、変換ルール保持ステップ(r)(S0202)とを実施し、最大需要電力情報保持ステップ(a)(S0204)と最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S0206)と月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S0208)とトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S0210)のいずれか一以上を実施し、トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S0211)と、情報出力ステップ(f)(S0213)と、を実施する。
【0125】
ここで天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法は、
気象データ取得ステップ(q)(S0201)は、気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する処理を行い、
変換ルール保持ステップ(r)(S0202)は、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する処理を行い、
(S0203)では最大需要電力情報保持ステップ(a)(S0204)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0204)をスキップし(S0205)の前に処理を移す、
最大需要電力情報保持ステップ(a)(S0204)は、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する処理を行い、
(S0205)では最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S0206)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0206)をスキップし(S0207)の前に処理を移す、
最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S0206)は、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S0207)では月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S0208)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0208)をスキップし(S0209)の前に処理を移す、
月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S0208)は、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S0209)ではトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S0210)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0210)をスキップし(S0211)の前に処理を移す、
トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S0210)は、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S0211)は、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する処理を行い、
(S0212)では、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力するか判断し、出力しない場合は(S0201)の前に処理を移す、
情報出力ステップ(f)(S0213)は、選択された情報である、前記各情報のいずれか一以上を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力利用コスト分析装置に実行させる動作方法である。
【0126】

<実施形態1 ハードウェアの構成>
本実施形態における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成について、図3を用いて説明する。
【0127】
図3は、本実施形態1における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力利用コスト分析装置は、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、「グラフィックカード」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0128】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本装置の起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0129】
本装置の起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0130】
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、気象データ取得プログラム(q)と、変換ルール保持プログラム(r)と、最大需要電力情報保持プログラム(a)と最大電気使用量情報保持プログラム(b)と月間電気使用量情報保持プログラム(c)とトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報保持プログラム(e)と、情報出力プログラム(f)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、気象データと変換ルールと、最大需要電力情報と最大電気使用量情報と月間電気使用量情報とトータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報などが格納されている。図3では上記のすべてのプログラムと、すべての情報を「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」に格納した場合を示している。次のプログラムの動作説明は、すべてのプログラムとすべての情報を上記のように格納し機能させた場合について行う。「いずれか一以上と」記載したプログラムおよび情報が4つすべてではなく一以上の場合でも同様の効果が得られる。
【0131】
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている気象データ取得プログラム(q)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してインターネット回線を経由し、天気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する。
「メインメモリ」に格納されている変換ルール保持プログラム(r)を実行して、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大需要電力情報保持プログラム(a)を実行して、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大電気使用量情報保持プログラム(b)を実行して、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている月間電気使用量情報保持プログラム(c)を実行して、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)を実行して、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気料金情報保持プログラム(e)を実行して、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている情報出力プログラム(f)を実行して、前記各情報のいずれか一以上を、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し出力する、または「I/Oコントローラ」や「グラフィックカード」を経由してディスプレイへ表示するために出力する、または「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してプリンタで印刷するために出力する。
【0132】
<実施形態1の効果>
本実施形態1の電力利用コスト分析装置によって、天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する情報、または天候する情報と所定活動時間帯や非活動時間帯のトータル電気使用量とを関連付けた情報を、電力需要者へ示すことにより、電力需要者が電気使用量低減の方策を検討することができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0133】
<実施形態2 概要>主に請求項2、11、20
実施形態2の電力利用コスト分析装置は、月間応電気使用量課金分料金情報を保持する月間応電気使用量課金分料金情報保持部(G)をさらに有するように構成される。
【0134】
<実施形態2 機能的構成>
図4に実施形態1を基礎とする実施形態2の電力利用コスト分析装置の機能ブロック図を示す。実施形態2の電力利用コスト分析装置は実施形態1の構成に加え、さらに月間応電気使用量課金分料金情報保持部(G)(0407)を有する。月間応電気使用量課金分料金情報保持部(G)(0407)以外は実施形態1と同様のため、月間応電気使用量課金分料金情報保持部(G)(0407)のみ説明する。
【0135】
<実施形態2 構成の説明>
<実施形態2 月間応電気使用量課金分料金情報保持部(G)(0407)>
「月間応電気使用量課金分料金情報保持部(G)」(0407)は、電気使用量に応じて変化する課金分の課金プランを示す情報である応電気使用量課金プラン情報と、前記月間の応電気使用量課金分料金を示す情報である月間応電気使用量課金分料金情報を保持するように構成される。
【0136】
「応電気使用量課金プラン情報」とは、電力需要者の電気使用量に応じて変化する課金部分の課金プランを示す情報である。電力需要者が電気小売業者と契約している課金制度は、実施形態1で説明したように、固定料金部分と電気使用量に応じて変化する部分とから構成される課金制度が一般的である。課金制度のうち、電気使用量に応じて変化する課金部分の課金プランを示す情報が応電気使用量課金プラン情報である。電気使用量に応じて変化する従量制部分については、電気使用量へ単価を乗じて課金を計算することができる。単価には、電気使用量によって単価が変わらない固定単価の場合と、固定単価だが電気使用量の大きさによって数段階に単価が変わる段階固定単価の場合と、本発明でのように電力取引市場価格(電力取引市場単価)に連動して定まる単価の場合など、いくつかの場合がありうる。
【0137】
「応電気使用量課金分料金」は、応電気使用量課金プラン情報と、電気使用量に基づいて取得できる電気使用量に応じた課金分の料金である。課金制度のうち電気使用量に応じて変化する従量制部分のみの課金分料金を応電気使用量課金分料金として、応電気使用量課金分料金を示す情報を保持する。固定料金とで従量制料金とからなる課金制度の場合は従量制料金を応電気使用量課金分料金とする。
【0138】
電気使用量に応じて変化する課金分の応電気使用量課金分料金を示す情報を保持することにより、電気使用量低減した際の電気料金削減効果が把握しやすくなる。効果が把握しやすくなることによって、電気使用量低減に向けた電力需要者の意欲を高めることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0139】
実施形態2の構成に加え、電気使用量に応じて変化する課金分の課金プランを示す情報である応電気使用量課金プラン情報と、前記月間の応電気使用量課金分料金を示す情報である月間応電気使用量課金分料金情報を取得する月間応電気使用量課金分料金情報取得部を有するように構成してもよい。また実施形態2の構成に加えさらに、保持された月間応電気使用量課金分料金情報を出力する月間応電気使用量課金分料金情報出力部を有するように構成することもできる。
【0140】
<実施形態2 動作方法>
図5は、実施形態1を基礎とする実施形態2の電力利用コスト分析装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態2の電力利用コスト分析装置の動作方法では、気象データ取得ステップ(q)(S0501)と、変換ルール保持部(r)(S0502)とを実施し、最大需要電力情報保持ステップ(a)(S0504)と最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S0506)と月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S0508)とトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S0510)のいずれか一以上を実施し、トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S0511)と、月間応電気使用量課金分料金情報保持ステップ(g)(S0512)と、情報出力ステップ(f)(S0514)と、を実施する。
【0141】
ここで天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法は、
気象データ取得ステップ(q)(S0501)は、気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する処理を行い、
変換ルール保持ステップ(r)(S0502)は、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する処理を行い、
(S0503)では最大需要電力情報保持ステップ(a)(S0504)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0504)をスキップし(S0505)の前に処理を移す、
最大需要電力情報保持ステップ(a)(S0504)は、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する処理を行い、
(S0505)では最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S0506)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0506)をスキップし(S0507)の前に処理を移す、
最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S0506)は、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S0507)では月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S0508)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0508)をスキップし(S0509)の前に処理を移す、
月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S0508)は、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S0509)ではトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S0510)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0510)をスキップし(S0511)の前に処理を移す、
トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S0510)は、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S0511)は、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する処理を行い、
月間応電気使用量課金分料金情報保持ステップ(g)(S0512)は、電気使用量に応じて変化する課金分の課金プランを示す情報である応電気使用量課金プラン情報と、前記月間の応電気使用量課金分料金を示す情報である月間応電気使用量課金分料金情報を保持する処理を行い、
(S0513)では、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力するか判断し、出力しない場合は(S0501)の前に処理を移す、
情報出力ステップ(f)(S0514)は、選択された情報である、前記各情報のいずれか一以上を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力利用コスト分析装置に実行させる動作方法である。
【0142】
<実施形態2 ハードウェアの構成>
本実施形態2における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成について、図6を用いて説明する。
【0143】
図6は、実施形態1を基礎とする実施形態2における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力利用コスト分析装置は、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、「グラフィックカード」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0144】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本装置の起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0145】
本装置の起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0146】
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、気象データ取得プログラム(q)と、変換ルール保持プログラム(r)と、最大需要電力情報保持プログラム(a)と最大電気使用量情報保持プログラム(b)と月間電気使用量情報保持プログラム(c)とトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報保持プログラム(e)と、情報出力プログラム(f)と、月間応電気使用量課金分料金情報保持プログラム(g)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、気象データと変換ルールと、最大需要電力情報と最大電気使用量情報と月間電気使用量情報とトータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報と、月間応電気使用量課金分料金情報などが格納されている。図6では上記のすべてのプログラムと、すべての情報を「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」に格納した場合を示している。次のプログラムの動作説明は、すべてのプログラムとすべての情報を上記のように格納し機能させた場合について行う。「いずれか一以上と」記載したプログラムおよび情報が4つすべてではなく一以上の場合でも同様の効果が得られる。
【0147】
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている気象データ取得プログラム(q)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してインターネット回線を経由し、天気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する。
「メインメモリ」に格納されている変換ルール保持プログラム(r)を実行して、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大需要電力情報保持プログラム(a)を実行して、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大電気使用量情報保持プログラム(b)を実行して、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている月間電気使用量情報保持プログラム(c)を実行して、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)を実行して、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気料金情報保持プログラム(e)を実行して、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている月間応電気使用量課金分料金情報保持プログラム(g)を実行して、電気使用量に応じて変化する課金分の課金プランを示す情報である応電気使用量課金プラン情報と、前記月間の応電気使用量課金分料金を示す情報である月間応電気使用量課金分料金情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている情報出力プログラム(f)を実行して、前記各情報のいずれか一以上を、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し出力する、または「I/Oコントローラ」や「グラフィックカード」を経由してディスプレイへ表示するために出力する、または「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してプリンタで印刷するために出力する。
【0148】
<実施形態2の効果>
本実施形態2の電力利用コスト分析装置によって、実施形態1の効果に加え、応電気使用量課金プラン情報を保持することによって、電気使用量低減した際の電気料金削減効果が把握しやすくなる。効果が把握しやすくなることによって、電気使用量低減に向けた電力需要者の意欲を高めることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0149】
<実施形態3 概要>主に請求項3、12、21
実施形態3の電力利用コスト分析装置は、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する比較部(H)を、さらに有するように構成される。
【0150】
<実施形態3 機能的構成>
図7に実施形態1または実施形態2のいずれか一を基礎とする実施形態3の電力利用コスト分析装置の機能ブロック図を示す。実施形態1を基礎とする実施形態3の電力利用コスト分析装置は、さらに比較部(H)(0708)を有する。比較部(H)(0708)以外は実施形態1と同様のため、比較部(H)(0708)のみ説明する。なお実施形態2を基礎としても同様の効果が得られる。
【0151】
<実施形態3 構成の説明>
<実施形態3 比較部(H)(0708)>
「比較部(H)」(0708)は、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較するように構成される。
【0152】
「その情報に対応する異なる相当期間」とは、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報に対して、それぞれ別の月間での最大需要電力が発生したデマンド時間帯、別の月間での最大電気使用量となった日、別の一か月、といった前記の3種の情報のいずれか一以上と対応する同様の長さの期間である。
【0153】
例えば、前月の最大需要電力となったデマンド時間帯と、今月の最大需要電力となったデマンド時間帯を比較する。対応する最大需要電力情報には天候の情報が関連づけられているため、前月と今月のデマンド時間帯の時間と天候の情報を比較する。比較し、同じような時間帯で同じような天候の時に需要電力が最大となったのか、同じ時間帯でも異なる天候なのに最大となったのか、異なる時間帯なのに最大となったのかを把握することができる。同じ時間帯で同じ天候の時に最大となったのであれば、天候(暑いまたは寒いための空調用に電気使用)起因、またはもっとも活動が盛んになる時間帯だったためなどのように原因を究明することができる。同じ時間帯で異なる天候の場合、天気(晴曇雨など)や気温のなどの天候の情報を参照し最大需要電力となった原因を究明することができる。異なる時間帯なのに最大になった場合、天候要因や、電力需要者自身の活動を振り返り原因を究明することができる。
【0154】
また別例では、最大電気使用量情報についても先月の一日の最大使用電気量となった日とその天候の情報とを、今月で最大電気使用量となった一日の日とその天候とを比べることで、その日が平日だったのか休日だったのか、天候として気温の高低や晴れていたのかなど、電気使用量が最大となった要因を把握することができる。別例では、月間電気使用量情報について今月と前年同月の電気使用量を天候の情報をも含めて比較し、電気使用量が最大となった要因を把握することができる。電気使用量が最大となった要因を把握することにより、情報出力部(F)から情報の出力を受けた電力需要者が電気使用量低減のための方策を見出す一助とすることができる。
【0155】
このように相当する期間における対応する情報と比較することによって、最大需要電力または最大電気使用量となった原因を電力需要者が究明することができる。また対象の月間電気使用量を、相当する期間の別の月間電気使用量と比較し、なぜそのような月間電気使用量となったかの原因を電力需要者が究明することができる。将来の電気使用において、得た原因の情報に基づいて、最大需要電力または最大電気使用量又は月間電気使用量を低減するように対策を行い、電気料金の削減を図ることができる。対策例としては電気を使用する器具の制限やより低消費電力である機器への更新や、電気料金が安い時間帯への活動のシフトなどである。
【0156】
他の期間と比較することによって、電力需要者は電気使用量低減のための方策を検討しやすくなる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0157】
<実施形態3 比較部(H):比較ルールを使用する場合の構成例>
比較部(H)において比較する際にどのように比較するかを定めた比較ルールに基づいて比較するように構成することができる。そのためには下記のように構成すると達成できる。保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較するためのルールである比較ルールを保持する比較ルール保持部をさらに有し、比較部(H)は、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを、保持された比較ルールに基づいて比較する、電力利用コスト分析装置。
【0158】
<実施形態3 比較部(H):比較対象の情報を指定する場合の構成例>
さらに、比較する際にどの情報を比較するかを指定するための情報を取得するように構成することもできる。そのためには、比較する対象として、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上を指定する情報である比較対象指定情報を取得する比較対象指定情報取得部をさらに有するように構成することができる。
【0159】
<実施形態3 動作方法>
図8は、実施形態1を基礎とする実施形態3の電力利用コスト分析装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態3の電力利用コスト分析装置の動作方法では、気象データ取得ステップ(q)(S0801)と、変換ルール保持ステップ(r)(S0802)とを実施し、最大需要電力情報保持ステップ(a)(S0804)と最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S0806)と月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S0808)とトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S0810)のいずれか一以上を実施し、トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S0811)と、比較ステップ(h)(S0812)と、情報出力ステップ(f)(S0814)と、を実施する。なお実施形態2を基礎としても同様の効果が得られる。
【0160】
ここで天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法は、
気象データ取得ステップ(q)(S0801)は、気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する処理を行い、
変換ルール保持ステップ(r)(S0802)は、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する処理を行い、
(S0803)では最大需要電力情報保持ステップ(a)(S0804)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0804)をスキップし(S0805)の前に処理を移す、
最大需要電力情報保持ステップ(a)(S0804)は、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する処理を行い、
(S0805)では最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S0806)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0806)をスキップし(S0807)の前に処理を移す、
最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S0806)は、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S0807)では月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S0808)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0808)をスキップし(S0809)の前に処理を移す、
月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S0808)は、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S0809)ではトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S0810)を実施するか判断し、実施しない場合は(S0810)をスキップし(S0811)の前に処理を移す、
トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S0810)は、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S0811)は、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する処理を行い、
比較ステップ(h)(S0812)は、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する処理を行い、
(S0813)では、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力するか判断し、出力しない場合は(S0801)の前に処理を移す、
情報出力ステップ(f)(S0814)は、選択された情報である、前記各情報のいずれか一以上を出力する処理を行う。このような一連の処理を計算機である電力利用コスト分析装置に実行させる動作方法である。
【0161】
<実施形態3 ハードウェアの構成>
本実施形態3における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成について、図9を用いて説明する。
【0162】
図9は、実施形態1を基礎とする実施形態3における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力利用コスト分析装置は、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、「グラフィックカード」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態2を基礎としても同様の効果が得られる。
【0163】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本装置の起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0164】
本装置の起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0165】
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、気象データ取得プログラム(q)と、変換ルール保持プログラム(r)と、最大需要電力情報保持プログラム(a)と最大電気使用量情報保持プログラム(b)と月間電気使用量情報保持プログラム(c)とトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報保持プログラム(e)と、情報出力プログラム(f)と、比較プログラム(h)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、気象データと変換ルールと、最大需要電力情報と最大電気使用量情報と月間電気使用量情報とトータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報などが格納されている。図9では上記のすべてのプログラムと、すべての情報を「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」に格納した場合を示している。次のプログラムの動作説明は、すべてのプログラムとすべての情報を上記のように格納し機能させた場合について行う。「いずれか一以上と」記載したプログラムおよび情報が4つすべてではなく一以上の場合でも同様の効果が得られる。
【0166】
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている気象データ取得プログラム(q)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してインターネット回線を経由し、天気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する。
「メインメモリ」に格納されている変換ルール保持プログラム(r)を実行して、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大需要電力情報保持プログラム(a)を実行して、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大電気使用量情報保持プログラム(b)を実行して、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている月間電気使用量情報保持プログラム(c)を実行して、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)を実行して、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気料金情報保持プログラム(e)を実行して、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている比較プログラム(h)を実行して、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する。
「メインメモリ」に格納されている情報出力プログラム(f)を実行して、前記各情報のいずれか一以上を、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し出力する、または「I/Oコントローラ」や「グラフィックカード」を経由してディスプレイへ表示するために出力する、または「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してプリンタで印刷するために出力する。
【0167】
<実施形態3の効果>
本実施形態3の電力利用コスト分析装置によって、実施形態1の効果に加え、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較することにより電気使用量が最大となった要因を把握し、電力需要者が電気使用量削減の方策を得る一助とすることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0168】
<実施形態4 概要>主に請求項4、13、22
実施形態3を基礎とする実施形態4の電力利用コスト分析装置は、比較部(H)に、電力需要者ごとに電力消費効率の観点から同一の所定デマンド時間帯ごと(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の優劣を示す判定である優劣判定をする所定デマンド時間帯ごと優劣判定手段(J)を、さらに有するように構成される。
【0169】
<実施形態4 機能的構成>
図10に実施形態3を基礎とする実施形態4の電力利用コスト分析装置の機能ブロック図を示す。実施形態3を基礎とする実施形態4の電力利用コスト分析装置は、さらに比較部(H)(1008)に、所定デマンド時間帯ごと優劣判定手段(J)(1009)を有する。所定デマンド時間帯ごと優劣判定手段(J)(1009)以外は実施形態3と同様のため、所定デマンド時間帯ごと優劣判定手段(J)(1009)のみ説明する。
【0170】
<実施形態4 構成の説明>
<実施形態4 所定デマンド時間帯ごと優劣判定手段(J)(1009)>
「所定デマンド時間帯ごと優劣判定手段(J)」(1009)は、電力需要者ごとに電力消費効率の観点から同一の所定デマンド時間帯ごと(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の優劣を示す判定である優劣判定をするように、比較部(H)(1008)内に構成される。
【0171】
「電力消費効率」とは、例えばデマンド時間帯ごとの電気使用量(需要電力)の大小であり、少なければ電力消費効率が優れているといえる。または例えば、デマンド時間帯当たりに同じ電気使用量だったとしても、電気料金が高いデマンド時間帯よりは、安い時間帯のほうが電力消費効率としては優れているとするように、優劣を判定することもできる。
【0172】
「所定のデマンド時間帯」とは、例えば12時から12時30分といった特定の時刻のデマンド時間帯であってもよいし、特定の開始時刻から終了時刻までの連続した複数のデマンド時間帯としての意味でもよい。
【0173】
所定のデマンド時間帯として、例えば今月最大需要電力となったデマンド時間帯が10日の14時00分-14時30分であれば、その前日の14時00分-14時30分のデマンド時間帯、その前週の同じ曜日の14時00分-14時30分のデマンド時間帯、前月の10日の14時00分-14時30分のデマンド時間帯、昨年の同じ月の10日の14時00分-14時30分のデマンド時間帯の需要電力と天候の情報などから電力消費効率の優劣を示す判定を行う。優劣判定を行うことで電力需要者に対し、同様なデマンド時間帯での電力消費効率の優劣を自覚させることにより、優劣が付けられた理由を究明させて需要電力を低減し、電気料金の低減を図ることができる。需要電力を低減し電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。なお同一の所定デマンド時間帯は前記のように単位デマンド時間帯に限定されず、特定の開始時刻から終了時刻までの連続した複数のデマンド時間帯であってもよい。
【0174】
ある電力需要者の、デマンド時間帯当たりの電気使用量(需要電力)を示す情報を保持するデマンド時間帯毎電力需要情報保持部を設けることができる。
【0175】
ある一の電力需要者に対し、電力消費効率の観点から同一の所定デマンド時間帯ごと(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の優劣を示す判定である優劣判定をするためのルールである所定デマンド時間帯ごと優劣判定ルールを保持する所定デマンド時間帯ごと優劣判定ルール保持手段をさらに比較部(H)に有するように構成することができる。前記所定デマンド時間帯ごと優劣判定ルールは、例えば電力消費効率の定義の仕方や、比較対象(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の選択の仕方や、優劣判定の基準などについて含めることができる。例えば所定デマンド時間帯ごと優劣判定ルールとして、前週と今週の月曜の14時から14時30分のデマンド時間帯の電気使用量を電力消費効率として比較し、電気使用量の少なかった方を優れていると判断するというルールが考えられる。同じ電気使用量であれば該当デマンド時間帯の電気料金を比べて少ない方が優れていると判定するルールや、同じ電気使用量であって該当デマンド時間帯の気温が空調設備稼働しなくても過ごせる20℃から27℃くらいまでの間の温度ではない方が優れているとするルールなども考えられる。
【0176】
本実施形態4では、例えばある一の電力需要者の、当日と前日の同じデマンド時間帯の電気使用量と比較することもできるし、一日(別の日であってもよい)の中で日中と夜間での同じ時間長での電気使用量の比較でもよい。
【0177】
<実施形態4 動作方法>
図11は、実施形態3を基礎とする実施形態4の電力利用コスト分析装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態4の電力利用コスト分析装置の動作方法では、気象データ取得ステップ(q)(S1101)と、変換ルール保持ステップ(r)(S1102)とを実施し、最大需要電力情報保持ステップ(a)(S1104)と最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S1106)と月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S1108)とトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S1110)のいずれか一以上を実施し、トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S1111)と、比較ステップ(h)(S1112)と、比較ステップ(h)(S1112)内に所定デマンド時間帯ごと優劣判定サブステップ(j)(S1113)と、情報出力ステップ(f)(S1115)と、を実施する。
【0178】
ここで天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法は、
気象データ取得ステップ(q)(S1101)は、気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する処理を行い、
変換ルール保持ステップ(r)(S1102)は、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する処理を行い、
(S1103)では最大需要電力情報保持ステップ(a)(S1104)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1104)をスキップし(S1105)の前に処理を移す、
最大需要電力情報保持ステップ(a)(S1104)は、月間の最大需要電力と、その最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する情報とを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する処理を行い、
(S1105)では最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S1106)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1106)をスキップし(S1107)の前に処理を移す、
最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S1106)は、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、その1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する情報とを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S1107)では月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S1108)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1108)をスキップし(S1109)の前に処理を移す、
月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S1108)は、前記月間の電気使用量と、その月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する情報とを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S1109)ではトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S1110)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1110)をスキップし(S1111)の前に処理を移す、
トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S1110)は、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、その月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する情報とを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S1111)は、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する処理を行い、
比較ステップ(h)(S1112)は、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する処理を行い、
比較ステップ(h)(S1112)内の所定デマンド時間帯ごと優劣判定サブステップ(j)(S1113)は、電力需要者ごとに電力消費効率の観点から同一の所定デマンド時間帯ごと(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の優劣を示す判定である優劣判定をする処理を行い、
(S1114)では、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力するか判断し、出力しない場合は(S1101)の前に処理を移す、
情報出力ステップ(f)(S1115)は、選択された情報である、前記各情報のいずれか一以上を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力利用コスト分析装置に実行させる動作方法である。
【0179】
<実施形態4 ハードウェアの構成>
本実施形態4における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成について、図12を用いて説明する。
【0180】
図12は、実施形態3を基礎とする実施形態4における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力利用コスト分析装置は、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、「グラフィックカード」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0181】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本装置の起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0182】
本装置の起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0183】
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、気象データ取得プログラム(q)と、変換ルール保持プログラム(r)と、最大需要電力情報保持プログラム(a)と最大電気使用量情報保持プログラム(b)と月間電気使用量情報保持プログラム(c)とトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報保持プログラム(e)と、情報出力プログラム(f)と、比較プログラム(h)と、所定デマンド時間帯ごと優劣判定サブプログラム(j)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、気象データと変換ルールと、最大需要電力情報と最大電気使用量情報と月間電気使用量情報とトータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報などが格納されている。図12では上記のすべてのプログラムと、すべての情報を「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」に格納した場合を示している。次のプログラムの動作説明は、すべてのプログラムとすべての情報を上記のように格納し機能させた場合について行う。「いずれか一以上と」記載したプログラムおよび情報が4つすべてではなく一以上の場合でも同様の効果が得られる。
【0184】
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている気象データ取得プログラム(q)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してインターネット回線を経由し、天気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する。
「メインメモリ」に格納されている変換ルール保持プログラム(r)を実行して、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大需要電力情報保持プログラム(a)を実行して、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大電気使用量情報保持プログラム(b)を実行して、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている月間電気使用量情報保持プログラム(c)を実行して、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)を実行して、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気料金情報保持プログラム(e)を実行して、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている比較プログラム(h)を実行して、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する。
「メインメモリ」に格納されている所定デマンド時間帯ごと優劣判定サブプログラム(j)を実行して、電力需要者ごとに電力消費効率の観点から同一の所定デマンド時間帯ごと(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の優劣を示す判定である優劣判定をする。
「メインメモリ」に格納されている情報出力プログラム(f)を実行して、前記各情報のいずれか一以上を、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し出力する、または「I/Oコントローラ」や「グラフィックカード」を経由してディスプレイへ表示するために出力する、または「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してプリンタで印刷するために出力する。
【0185】
<実施形態4の効果>
本実施形態4の電力利用コスト分析装置によって、実施形態3の効果に加え、電力需要者ごとに電力消費効率の観点から同一の所定デマンド時間帯ごと(前日比、前週比、前月比、昨年比など)の優劣判定を行うことで電力需要者に対し、同様なデマンド時間帯での電力消費効率の優劣を自覚させることにより、優劣が付けられた理由を究明させて需要電力を低減し、電気料金の低減を図ることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0186】
<実施形態5 概要>主に請求項5、14、23
実施形態3または実施形態4のいずれか一を基礎とする実施形態5の電力利用コスト分析装置は、比較部(H)に、所定のデマンド時間帯ごとに電力消費効率の観点から異なる電力需要者間で優劣を示す判定である優劣判定をする電力需要者間優劣判定手段(K)を、さらに有するように構成される。
【0187】
<実施形態5 機能的構成>
図13に実施形態3を基礎とする実施形態5の電力利用コスト分析装置の機能ブロック図を示す。実施形態3を基礎とする実施形態5の電力利用コスト分析装置は、さらに比較部(H)(1308)に、電力需要者間優劣判定手段(K)(1310)を有する。電力需要者間優劣判定手段(K)(1310)以外は実施形態3と同様のため、電力需要者間優劣判定手段(K)(1310)のみ説明する。なお実施形態4を基礎としても同様の効果が得られる。
【0188】
<実施形態5 構成の説明>
<実施形態5 電力需要者間優劣判定手段(K)(1310)>
「電力需要者間優劣判定手段(K)」(1310)は、所定のデマンド時間帯ごとに電力消費効率の観点から異なる電力需要者間で優劣を示す判定である優劣判定をするように、比較部(H)(1308)内に構成される。
【0189】
本実施形態5では、前記実施形態4の構成とは異なり、所定のデマンド時間帯に対する電力消費効率の観点から、異なる複数の電力需要者を比較する。特定の所定長さのデマンド時間帯(1単位長でもよいし、連続した複数単位長でもよい)の電気使用量を比較する。例えば先週月曜日の14時から14時30分のデマンド時間帯の電気使用量を電力消費率として、異なる電力需要者間で比較し優劣判定を行うといった例である。比較する異なる電力需要者は2以上であればよく、2者には限定されない。
【0190】
電力需要者にとっては、他の異なる電力需要者と電力消費効率を比較し優劣を判定することは、自身の電力消費効率を省みるきっかけとなる。自身の電力消費効率が劣っていれば、他の電力需要者の情報から改善点を探求し、逆に自身が優れていれば他の電力需要者が劣っていた理由探求して反面教師とすることによって自身の電力消費効率の悪化を防止し改善の端緒を得ることができる。このようにして電力消費効率を改善し電気使用量を減らすことができれば、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0191】
<実施形態5 電力需要者間優劣判定手段(K):電力需要者比較属性>
そのためには、比較する異なる電力需要者は、例えば同様の業種、同様の事業規模、同様の従業員数、同様の地域(気温、風力、日照時間など)、一般家庭であれば類似の家屋構造(一軒屋、マンション、アパート)や家族構成や住所や職業などといった属性のうち、電力消費量が類似するだろうと考えられる属性である比較属性を合わせて選択するとよい。例えるならば、24時間稼働の工場と一般家庭ではデマンド時間帯ごとの需要電力や電力消費効率が異なっても当然とも言えるからである。
【0192】
<実施形態5 動作方法>
図14は、実施形態3を基礎とする実施形態5の電力利用コスト分析装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態5の電力利用コスト分析装置の動作方法では、気象データ取得ステップ(q)(S1401)と、変換ルール保持ステップ(r)(S1402)とを実施し、最大需要電力情報保持ステップ(a)(S1404)と最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S1406)と月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S1408)とトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S1410)のいずれか一以上を実施し、トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S1411)と、比較ステップ(h)(S1412)と、比較ステップ(h)(S1412)内の電力需要者間優劣判定サブステップ(k)(S1413)と、情報出力ステップ(f)(S1415)と、を実施する。なお実施形態4を基礎としても同様の効果が得られる。
【0193】
ここで天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法は、
気象データ取得ステップ(q)(S1401)は、気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する処理を行い、
変換ルール保持ステップ(r)(S1402)は、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する処理を行い、
(S1403)では最大需要電力情報保持ステップ(a)(S1404)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1404)をスキップし(S1405)の前に処理を移す、
最大需要電力情報保持ステップ(a)(S1404)は、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する処理を行い、
(S1405)では最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S1406)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1406)をスキップし(S1407)の前に処理を移す、
最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S1406)は、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S1407)では月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S1408)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1408)をスキップし(S1409)の前に処理を移す、
月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S1408)は、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S1409)ではトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S1410)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1410)をスキップし(S1411)の前に処理を移す、
トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S1410)は、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S1411)は、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する処理を行い、
比較ステップ(h)(S1412)は、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する処理を行い、
比較ステップ(h)(S1412)内の電力需要者間優劣判定サブステップ(k)(S1413)は、所定のデマンド時間帯ごとに電力消費効率の観点から異なる電力需要者間で優劣を示す判定である優劣判定をする処理を行い、
(S1414)では、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力するか判断し、出力しない場合は(S1401)の前に処理を移す、
情報出力ステップ(f)(S1415)は、選択された情報である、前記各情報のいずれか一以上を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力利用コスト分析装置に実行させる動作方法である。
【0194】
<実施形態5 ハードウェアの構成>
本実施形態5における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成について、図15を用いて説明する。
【0195】
図15は、実施形態3を基礎とする本実施形態5における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力利用コスト分析装置は、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、「グラフィックカード」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態4を基礎としても同様の効果が得られる。
【0196】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本装置の起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0197】
本装置の起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0198】
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、気象データ取得プログラム(q)と、変換ルール保持プログラム(r)と、最大需要電力情報保持プログラム(a)と最大電気使用量情報保持プログラム(b)と月間電気使用量情報保持プログラム(c)とトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報保持プログラム(e)と、情報出力プログラム(f)と、比較プログラム(h)と、電力需要者間優劣判定サブプログラム(k)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、気象データと変換ルールと、最大需要電力情報と最大電気使用量情報と月間電気使用量情報とトータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報などが格納されている。図15では上記のすべてのプログラムと、すべての情報を「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」に格納した場合を示している。次のプログラムの動作説明は、すべてのプログラムとすべての情報を上記のように格納し機能させた場合について行う。「いずれか一以上と」記載したプログラムおよび情報が4つすべてではなく一以上の場合でも同様の効果が得られる。
【0199】
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている気象データ取得プログラム(q)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してインターネット回線を経由し、天気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する。
「メインメモリ」に格納されている変換ルール保持プログラム(r)を実行して、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大需要電力情報保持プログラム(a)を実行して、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大電気使用量情報保持プログラム(b)を実行して、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている月間電気使用量情報保持プログラム(c)を実行して、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)を実行して、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気料金情報保持プログラム(e)を実行して、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている比較プログラム(h)を実行して、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する。
「メインメモリ」に格納されている電力需要者間優劣判定サブプログラム(k)を実行して、所定のデマンド時間帯ごとに電力消費効率の観点から異なる電力需要者間で優劣を示す判定である優劣判定をする。
「メインメモリ」に格納されている情報出力プログラム(f)を実行して、前記各情報のいずれか一以上を、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し出力する、または「I/Oコントローラ」や「グラフィックカード」を経由してディスプレイへ表示するために出力する、または「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してプリンタで印刷するために出力する。
【0200】
<実施形態5の効果>
本実施形態5の電力利用コスト分析装置によって、実施形態3の効果に加え、所定のデマンド時間帯ごとに電力消費効率の観点から異なる電力需要者間で優劣判定することにより、電力消費効率改善の端緒をつかむことができる。このようにして電力消費効率を改善し電気使用量を減らすことができれば、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0201】
<実施形態6 概要>主に請求項6、15、24
実施形態1から実施形態5のいずれか一を基礎とする実施形態6の電力利用コスト分析装置は、電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、電力需要者ごとにその電力消費性向を示す情報である電力消費性向情報を保持する電力消費性向情報保持部(L)を、さらに有するように構成される。
【0202】
<実施形態6 機能的構成>
図16に実施形態1を基礎とする実施形態6の電力利用コスト分析装置の機能ブロック図を示す。実施形態1を基礎とする実施形態6の電力利用コスト分析装置は、さらに電力消費性向情報保持部(L)(1611)を有する。電力消費性向情報保持部(L)(1611)以外は実施形態1と同様のため、電力消費性向情報保持部(L)(1611)のみ説明する。なお実施形態2から5のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0203】
<実施形態6 構成の説明>
<実施形態6 電力消費性向情報保持部(L)(1611)>
「電力消費性向情報保持部(L)」(1611)は、電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、電力需要者ごとにその電力消費性向を示す情報である電力消費性向情報を保持するように構成される。
【0204】
<実施形態6 電力消費性向情報保持部(L):電力消費性向:一般家庭>
「電力消費性向」の例として電力需要者が一般家庭の時について説明する。一般家庭の電気使用量はエアコンなどの空調設備が最も多く、次に照明である。空調設備は外気温によって、稼働状況が変わるため、天候(気温)に応じて大きく左右される部分である。また照明も、天気が晴ではなく曇りや雨であれば室内が薄暗くなるために照明をつけたり、夏よりも冬の方の日照時間が短いために照明の点灯時間が長くなったりするといったように天候(晴曇雨、又は日照時間)に影響される。このような性向が電力消費性向の例である。また例えば電力需要者が太陽光発電設備を有している場合の電力消費性向は、晴れた日なら電力需要者自身が使用する日中の電力の少なくとも一部を賄えるために電力小売業者からの電力の購入量を減らし、曇りや雨の日のように太陽光発電によって自身の使用する日中の電力が賄えないような天気であれば電力小売業者から電力の購入量が減らせない、といった性向が電力消費性向の別例である。なお晴れた日において、電力需要者が有する太陽光発電設備が、自身が消費する電力以上の電力を発する場合には電力小売業者へ余剰分を売電することもでき、そのような電力の売電の性向も電力消費性向に含めてもよい。また電力需要者が風力発電設備を有していた場合は、晴曇雨といった天気ではなく風速といった天候に影響を受ける。
【0205】
<実施形態6 電力消費性向情報保持部(L):電力消費性向:工場や商店>
経済産業省資料「冬季の省エネ・節電メニュウ」令和4年11月によれば、電力需要者が工場(製造業)の場合は、電気は83%が生産設備の稼働に使用される。残り17%が空調や照明といった生産現場の雰囲気(作業環境の温湿度、照度、生産に使用する水や薬品や空気の温湿度も含めることができる)に主に使われる。作業環境の温湿度は外気温や湿度の影響を受けるため、工場も一般家庭と同じく空調設備の稼働状況は天候の影響を受けるといってよい。例えば外部とは区切られた一定の温湿度環境に保たれた屋内で生産している食品や薬品関係、クリーンルームなどでは、外気温と屋内設定温度の差を解消するために、夏は冷房を強く稼働させ、冬は逆に暖房を強く稼働させる。
【0206】
また生産現場で使用する水や薬品なども温度管理している場合は、少なくとも冬は適温まで加温しなければならない(所定の適温よりも低い液温の薬品は反応速度が下がり、生産に支障をきたす)ため、空調設備に加えて天候の影響を受ける部分がある。商店である小売店の場合(括弧内%は電気使用量に占める割合)は、売り場の雰囲気(温湿度)を保つための空調設備(22.2%)と、売り場の照明(23.8%)と、ショーケース(6.1%)と、冷蔵・冷凍設備用(5.8%)が主な電気使用の用途となる。このうち空調設備と冷蔵・冷凍設備が天候(外気温)の影響を受ける。夏季は冷房と冷蔵・冷凍設備稼働のための電気使用量が多くなり、冬季は暖房用の電気使用量が増える。冷蔵・冷凍設備は冬季の方が夏季よりも電気使用量が減ると考えられる。このように電力需要者が工場や商店などの一般家庭以外であっても、天候に影響を受ける電力消費性向を有している。また工場や商店であっても太陽光発電や風力発電設備を有していた場合には、発電量が天候(天気:晴曇雨や、風速)の影響を受けるため電力小売業者からの電力の購入量が影響を受けるといった電力消費性向となる。
【0207】
電力需要者が自身の、天候に応じて変化する電力消費性向を知ることができれば、将来の天候の予報と自身の電力消費性向に基づいて、電気をより効率的に使い電気使用量を減らすように努めることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0208】
<実施形態6 動作方法>
図17は、実施形態1を基礎とする実施形態6の電力利用コスト分析装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態6の電力利用コスト分析装置の動作方法では、気象データ取得ステップ(q)(S1701)と、変換ルール保持ステップ(r)(S1702)とを実施し、最大需要電力情報保持ステップ(a)(S1704)と、最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S1706)と、月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S1708)と、トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S1710)のいずれか一以上を実施し、トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S1711)と、電力消費性向情報保持ステップ(l)(S1712)と、情報出力ステップ(f)(S1714)と、を実施する。なお実施形態2から5のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0209】
ここで天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法は、
気象データ取得ステップ(q)(S1701)は、気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する処理を行い、
変換ルール保持ステップ(r)(S1702)は、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する処理を行い、
(S1703)では最大需要電力情報保持ステップ(a)(S1704)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1704)をスキップし(S1705)の前に処理を移す、
最大需要電力情報保持ステップ(a)(S1704)は、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する処理を行い、
(S1705)では最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S1706)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1706)をスキップし(S1707)の前に処理を移す、
最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S1706)は、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S1707)では月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S1708)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1708)をスキップし(S1709)の前に処理を移す、
月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S1708)は、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S1709)ではトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S1710)を実施するか判断し、実施しない場合は(S1710)をスキップし(S1711)の前に処理を移す、
トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S1710)は、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S1711)は、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する処理を行い、
電力消費性向情報保持ステップ(l)(S1712)は、電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、電力需要者ごとにその電力消費性向を示す情報である電力消費性向情報を保持する処理を行い、
(S1713)では、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力するか判断し、出力しない場合は(S1701)の前に処理を移す、
情報出力ステップ(f)(S1714)は、選択された情報である、前記各情報のいずれか一以上を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力利用コスト分析装置に実行させる動作方法である。
【0210】
<実施形態6 ハードウェアの構成>
本実施形態6における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成について、図18を用いて説明する。
【0211】
図18は、実施形態1を基礎とする本実施形態6における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力利用コスト分析装置は、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、「グラフィックカード」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態2から5のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0212】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本装置の起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0213】
本装置の起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0214】
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、気象データ取得プログラム(q)と、変換ルール保持プログラム(r)と、最大需要電力情報保持プログラム(a)と最大電気使用量情報保持プログラム(b)と月間電気使用量情報保持プログラム(c)とトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報保持プログラム(e)と、情報出力プログラム(f)と、電力消費性向情報保持プログラム(l)と、である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、気象データと変換ルールと、最大需要電力情報と最大電気使用量情報と月間電気使用量情報とトータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報と、電力消費性向情報などが格納されている。図18では上記のすべてのプログラムと、すべての情報を「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」に格納した場合を示している。次のプログラムの動作説明は、すべてのプログラムとすべての情報を上記のように格納し機能させた場合について行う。「いずれか一以上と」記載したプログラムおよび情報が4つすべてではなく一以上の場合でも同様の効果が得られる。
【0215】
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている気象データ取得プログラム(q)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してインターネット回線を経由し、天気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する。
「メインメモリ」に格納されている変換ルール保持プログラム(r)を実行して、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大需要電力情報保持プログラム(a)を実行して、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大電気使用量情報保持プログラム(b)を実行して、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている月間電気使用量情報保持プログラム(c)を実行して、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)を実行して、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気料金情報保持プログラム(e)を実行して、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている電力消費性向情報保持プログラム(l)を実行して、電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、電力需要者ごとにその電力消費性向を示す情報である電力消費性向情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている情報出力プログラム(f)を実行して、前記各情報のいずれか一以上を、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し出力する、または「I/Oコントローラ」や「グラフィックカード」を経由してディスプレイへ表示するために出力する、または「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してプリンタで印刷するために出力する。
【0216】
<実施形態6の効果>
本実施形態6の電力利用コスト分析装置によって、実施形態1の効果に加え、電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、電力需要者ごとにその電力消費性向を示す情報である電力消費性向情報も保持され、出力することができる。電力需要者が自身の、天候に応じて変化する電力消費性向を知ることができれば、将来の天候の予報と自身の電力消費性向に基づいて、電気をより効率的に使い電気使用量を減らすように努めることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0217】
<実施形態7 概要>主に請求項7、16、25
実施形態7の電力利用コスト分析装置は、比較部(H)に、1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得するデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得手段(M)を、さらに有するように構成される。
【0218】
<実施形態7 機能的構成>
図19に実施形態3を基礎とする実施形態7の電力利用コスト分析装置の機能ブロック図を示す。実施形態7の電力利用コスト分析装置は実施形態3の構成に加え、さらに比較部(H)(1908)に、デマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得手段(M)(1912)を有する。デマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得手段(M)(1912)以外は実施形態3と同様のため、デマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得手段(M)(1912)のみ説明する。なお実施形態4または5、または実施形態3から実施形態5のいずれか一を基礎とする実施形態6、のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0219】
<実施形態7 構成の説明>
<実施形態7 デマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得手段(M)(1912)>
「デマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得手段(M)」(1912)は、1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得するように、比較部(H)(1908)内に構成される。
【0220】
「1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得する」とは、例えば先月1カ月の日ごとに最大需要電力が発生したデマンド時間帯を調べ、デマンド時間帯ごとの発生回数(頻度)を取得するということである。前記例が2023年時点の日本であるならば、デマンド時間帯の単位30分を1コマとして1日(午前0時0分から午後23時60分まで)を区切り、48コマとする。その48コマごとに先月の1日が13時00分-13時30分に最大需要電力となった、2日では14時00分から14時30分が最大需要電力となったというように、1日のデマンド時間帯48コマごとの最大需要電力発生頻度を取得する。1カ月が30日であれば、1か月分の頻度取得後の48コマの各頻度の合計は30となる。頻度を取得する期間は、本実施形態7が基礎とする実施形態3(請求項3対応)のように一日間、1カ月間、年間、異なる年の相当期間である。
【0221】
最大需要電力が発生した頻度が、特定の時間帯のデマンド時間帯に集中しているようであれば、該当する電力需要者にとってその時間帯における電力使用量が多い理由を調査するきっかけとなる。そして前記頻度が多い特定の時間帯の電気使用量を低減することで電気料金の削減へとつなげることができる。もし頻度の高い特定時間帯が電力取引市場価格の高い時間帯であれば、電力取引市場価格が安い時間帯での使用に振り分けることによっても電気料金を減らすことができる。例えば、真夏の1カ月間での14時から14時30分のデマンド時間帯が最大需要電力の発生回数が最も多いデマンド時間帯という結果であって、その時の外気温が35℃という場合には、空調設備の冷房設定温度を25℃設定ではなく1度上げて26℃設定とたうえでサーキュレータにより冷たい空気を攪拌するなどの電力使用量低減策を講じることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0222】
1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに、異なる電力需要者に対して取得するように構成してもよい。異なる電力需要者間での電力消費性向も鑑みて頻度の分布を比較し、各電力需要者が自身の電気の使用の仕方を見直すきっかけとすることができる。頻度を取得する異なる電力需要者は、例えば同様の業種、同様の事業規模、同様の従業員数、同様の地域(気温、風力、日照時間など)、一般家庭であれば類似の家屋構造(一軒屋、マンション、アパート)や家族構成や住所や職業などといった属性のうち、電力消費量が類似するだろうと考えられる属性である比較属性を合わせて選択するとよい。24時間稼働の工場と一般家庭では最大需要電力が発生したデマンド時間帯及びその頻度が異なっても当然とも言えるからである。
【0223】
前記例は、電力需要者を識別する電力需要者識別情報を保持する電力需要者識別情報保持部と、電力需要者の属性(業種、事業規模、所在地、従業員数、所在地の気温や風速や日照時間のいずれか一以上)を示す情報である電力需要者属性情報を電力需要者識別情報と関連付けて保持する電力需要者属性情報保持部と、をさらに有し、デマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得手段(M)は一の電力需要者識別情報で識別される電力需要者と、電力需要者属性情報が類似する他の電力需要者識別情報で識別される電力需要者とそれぞれに対して、1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得するように構成することで達成できる。
【0224】
<実施形態7 動作方法>
図20は、実施形態3を基礎とする実施形態7の電力利用コスト分析装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態7の電力利用コスト分析装置の動作方法では、気象データ取得ステップ(q)(S2001)と、変換ルール保持ステップ(r)(S2002)とを実施し、最大需要電力情報保持ステップ(a)(S2002)と、最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S2004)と、月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S2006)と、トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S2008)のいずれか一以上を実施し、トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S2009)と、比較ステップ(h)(S2010)と、比較ステップ(h)(S2010)内にデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得サブステップ(m)(S2011)と、情報出力ステップ(f)(S2013)と、を実施する。なお実施形態4または5、または実施形態3から実施形態5のいずれか一を基礎とする実施形態6、のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0225】
ここで天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法は、
気象データ取得ステップ(q)(S2001)は、気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する処理を行い、
変換ルール保持ステップ(r)(S2002)は、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する処理を行い、
(S2003)では最大需要電力情報保持ステップ(a)(S2004)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2004)をスキップし(S2005)の前に処理を移す、
最大需要電力情報保持ステップ(a)(S2004)は、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する処理を行い、
(S2005)では最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S2006)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2006)をスキップし(S2007)の前に処理を移す、
最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S2006)は、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S2007)では月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S2008)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2008)をスキップし(S2009)の前に処理を移す、
月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S2008)は、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S2009)ではトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S2010)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2010)をスキップし(S2011)の前に処理を移す、
トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S2010)は、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S2011)は、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する処理を行い、
比較ステップ(h)(S2012)は、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する処理を行い、
比較ステップ(h)(S2012)内のデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得サブステップ(m)(S2013)は、1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得する処理を行い、
(S2014)では、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力するか判断し、出力しない場合は(S2001)の前に処理を移す、
情報出力ステップ(f)(S2015)は、選択された情報である、前記各情報のいずれか一以上を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力利用コスト分析装置に実行させる動作方法である。
【0226】
<実施形態7 ハードウェアの構成>
本実施形態7における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成について、図21を用いて説明する。
【0227】
図21は、実施形態3を基礎とする本実施形態7における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力利用コスト分析装置は、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、「グラフィックカード」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態4または5、または実施形態3から実施形態5のいずれか一を基礎とする実施形態6のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0228】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本装置の起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0229】
本装置の起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0230】
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、気象データ取得プログラム(q)と、変換ルール保持プログラム(r)と、最大需要電力情報保持プログラム(a)と最大電気使用量情報保持プログラム(b)と月間電気使用量情報保持プログラム(c)とトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報保持プログラム(e)と、情報出力プログラム(f)と、比較プログラム(h)と、デマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得サブプログラム(m)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、気象データと変換ルールと、最大需要電力情報と最大電気使用量情報と月間電気使用量情報とトータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報と、頻度などが格納されている。図21では上記のすべてのプログラムと、すべての情報を「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」に格納した場合を示している。次のプログラムの動作説明は、すべてのプログラムとすべての情報を上記のように格納し機能させた場合について行う。「いずれか一以上と」記載したプログラムおよび情報が4つすべてではなく一以上の場合でも同様の効果が得られる。
【0231】
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている気象データ取得プログラム(q)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してインターネット回線を経由し、天気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する。
「メインメモリ」に格納されている変換ルール保持プログラム(r)を実行して、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大需要電力情報保持プログラム(a)を実行して、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大電気使用量情報保持プログラム(b)を実行して、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている月間電気使用量情報保持プログラム(c)を実行して、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)を実行して、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気料金情報保持プログラム(e)を実行して、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている比較プログラム(h)を実行して、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する。
「メインメモリ」に格納されているデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度取得サブプログラム(m)を実行して、1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得する。
「メインメモリ」に格納されている情報出力プログラム(f)を実行して、前記各情報のいずれか一以上を、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し出力する、または「I/Oコントローラ」や「グラフィックカード」を経由してディスプレイへ表示するために出力する、または「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してプリンタで印刷するために出力する。
【0232】
<実施形態7の効果>
本実施形態7の電力利用コスト分析装置によって、実施形態3の効果に加え、1日のうちで最大需要電力が発生した頻度をデマンド時間帯ごとに取得することにより、電力需要者が自身の電力使用の傾向を把握し最大需要電力の低減と、ひいては電気料金削減を図ることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0233】
<実施形態8 概要>主に請求項8、17、26
実施形態8の電力利用コスト分析装置は、比較部(H)に、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力を取得する気温毎最大需要電力取得手段(N)を、さらに有するように構成される。
【0234】
<実施形態8 機能的構成>
図22に実施形態3を基礎とする実施形態8の電力利用コスト分析装置の機能ブロック図を示す。実施形態3を基礎とする実施形態8の電力利用コスト分析装置は、さらに比較部(H)(2208)に、気温毎最大需要電力取得手段(N)(2213)を有する。気温毎最大需要電力取得手段(N)(2213)以外は実施形態3と同様のため、気温毎最大需要電力取得手段(N)(2213)のみ説明する。なお実施形態4または5または7、または実施形態3から実施形態5のいずれか一を基礎とする実施形態6のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0235】
<実施形態8 構成の説明>
<実施形態8 気温毎最大需要電力取得手段(N)(2213)>
「気温毎最大需要電力取得手段(N)」(2213)は、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力を取得するように、比較部(H)(2208)内に構成される。
【0236】
気温毎に、デマンド時間帯当たりの最大需要電力を求める。例えば本実施形態8が基礎とする実施形態3(請求項3対応)での一日間、1カ月間、年間、異なる年の相当期間において、デマンド時間帯当たりの需要電力ごとに気温が関連付けられている。そのため、例えば1カ月の期間内で、34℃の最大需要電力、35℃の最大需要電力、といった具合に気温毎に対応するデマンド時間帯の最大需要電力をしらべ、各温度の最大需要電力を、気温毎最大需要電力として取得する。
【0237】
例えば東京在住の電力需要者に対して気温毎最大需要電力を取得すると、夏季の真夏日や猛暑日(例:7月、8月)で30℃以上となったときや、冬季で冬日や真冬日となったとき(例:1月、2月)で0℃以下となったときに、25℃付近の空調がなくても過ごせる温度帯と比べて、より大きな最大需要電力が発生しやすい。将来の天候の予報を入手し気温の情報を知ることによって、電力需要者は将来の電気使用量を予想することができる。予想した電気使用量の低減も検討できる。電気使用量を減らすことができれば、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0238】
気温毎最大需要電力取得手段(N)を異なる電力需要者毎に取得するように構成することもできる。電力需要者間で比較することによって、気温毎の最大需要電力の違いを把握し、電気使用量低減検討の一助とすることができる。
【0239】
<実施形態8 気温毎最大需要電力取得手段(N):電力需要者比較属性>
比較する電力需要者は、例えば同様の業種、同様の事業規模、同様の地域(気温、風力、日照時間など)、一般家庭であれば類似の家屋構造(一軒屋、マンション、アパート)や家族構成や住所や職業などといった属性のうち、電力消費量が類似するだろうと考えられる比較属性を合わせて選択するとよい。例えば一般家庭の電力需要者であっても、沖縄在住の電力需要者と北海道旭川在住の電力需要者の比較では天候や住宅構造が違いすぎて、参考となりにくいためである。ただし、例えば東京在住の電力需要者が、北海道在住の他の電力需要者の冬季の気温毎最大需要電力を見ることによって、電気使用量低減のための参考とすることもできる。もし北海道在住の電力需要者の方が冬季の電気使用量が、東京在住の電力需要者より低い外気温に対しより少ない電気使用量であった場合、東京在住の電力需要者は、北海道在住の電力需要者が電気使用量を下げる効果的な対策を行っていると気づくことができ、可能ならばその対策を取り入れて、電気料金削減に役立てることができる。
【0240】
前記例は、電力需要者を識別する電力需要者識別情報を保持する電力需要者識別情報保持部と、電力需要者の属性(業種、事業規模、所在地、従業員数、所在地の気温や風速や日照時間のいずれか一以上)を示す情報である電力需要者属性情報を電力需要者識別情報と関連付けて保持する電力需要者属性情報保持部と、をさらに有し、気温毎最大需要電力取得手段(N)は一の電力需要者識別情報で識別される電力需要者と、電力需要者属性情報が類似する他の電力需要者識別情報で識別される電力需要者とそれぞれに対して気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力である気温毎最大需要電力を取得するように構成することで達成できる。
【0241】
気温毎に対応するデマンド時間帯の需要電力を時間情報と関連付けて取得するように構成してもよい。気温毎に、対応するデマンド時間帯は複数存在する(単数であってもよい)と考えられる。気温毎に需要電力の平均値である気温毎需要電力平均値を取得するように構成することもできる。気温毎需要電力平均値に関連付ける時間情報は、ある気温(例:25℃)において所定の調査期間内で最も頻度が高かったデマンド時間帯を示す時間情報(1日内0時0分から23時60分までの)を用いるように構成してもよい。または気温毎に、対応するデマンド時間帯の頻度の分布を示す情報を関連付けてもよい。
【0242】
<実施形態8 動作方法>
図23は、実施形態3を基礎とする実施形態8の電力利用コスト分析装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態8の電力利用コスト分析装置の動作方法では、気象データ取得ステップ(q)(S2301)と、変換ルール保持ステップ(r)(S2302)とを実施し、最大需要電力情報保持ステップ(a)(S2304)と、最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S2306)と、月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S2308)と、トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S2310)のいずれか一以上を実施し、トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S2311)と、比較ステップ(h)(S2312)と、比較ステップ(h)(S2312)内の気温毎最大需要電力取得サブステップ(n)(S2313)と、情報出力ステップ(f)(S2315)と、を実施する。なお実施形態4または5または7、または実施形態3から実施形態5のいずれか一を基礎とする実施形態6のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0243】
ここで天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法は、
気象データ取得ステップ(q)(S2301)は、気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する処理を行い、
変換ルール保持ステップ(r)(S2302)は、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する処理を行い、
(S2303)では最大需要電力情報保持ステップ(a)(S2304)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2304)をスキップし(S2305)の前に処理を移す、
最大需要電力情報保持ステップ(a)(S2304)は、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する処理を行い、
(S2305)では最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S2306)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2306)をスキップし(S2307)の前に処理を移す、
最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S2306)は、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S2307)では月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S2308)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2308)をスキップし(S2309)の前に処理を移す、
月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S2308)は、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S2309)ではトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S2310)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2310)をスキップし(S2311)の前に処理を移す、
トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S2310)は、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S2311)は、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する処理を行い、
比較ステップ(h)(S2312)は、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する処理を行い、
比較ステップ(h)(S2312)内の気温毎最大需要電力取得サブステップ(n)(S2313)は、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力(気温毎最大需要電力)を取得する処理を行い、
(S2314)では、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力するか判断し、出力しない場合は(S2301)の前に処理を移す、
情報出力ステップ(f)(S2315)は、選択された情報である、前記各情報のいずれか一以上を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力利用コスト分析装置に実行させる動作方法である。
【0244】
<実施形態8 ハードウェアの構成>
本実施形態8における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成について、図24を用いて説明する。
【0245】
図24は、実施形態3を基礎とする本実施形態8における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力利用コスト分析装置は、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、「グラフィックカード」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態4または5または7、または実施形態3から実施形態5のいずれか一を基礎とする実施形態6、のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0246】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本装置の起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0247】
本装置の起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0248】
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、気象データ取得プログラム(q)と、変換ルール保持プログラム(r)と、最大需要電力情報保持プログラム(a)と最大電気使用量情報保持プログラム(b)と月間電気使用量情報保持プログラム(c)とトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報保持プログラム(e)と、情報出力プログラム(f)と、比較プログラム(h)と、気温毎最大需要電力取得サブプログラム(n)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、気象データと変換ルールと、最大需要電力情報と最大電気使用量情報と月間電気使用量情報とトータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報と、気温毎最大需要電力などが格納されている。図21では上記のすべてのプログラムと、すべての情報を「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」に格納した場合を示している。次のプログラムの動作説明は、すべてのプログラムとすべての情報を上記のように格納し機能させた場合について行う。「いずれか一以上と」記載したプログラムおよび情報が4つすべてではなく一以上の場合でも同様の効果が得られる。
【0249】
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている気象データ取得プログラム(q)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してインターネット回線を経由し、天気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する。
「メインメモリ」に格納されている変換ルール保持プログラム(r)を実行して、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大需要電力情報保持プログラム(a)を実行して、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大電気使用量情報保持プログラム(b)を実行して、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている月間電気使用量情報保持プログラム(c)を実行して、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)を実行して、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気料金情報保持プログラム(e)を実行して、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている比較プログラム(h)を実行して、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する。
「メインメモリ」に格納されている気温毎最大需要電力取得サブプログラム(n)を実行して、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力(気温毎最大需要電力)を取得する。
「メインメモリ」に格納されている情報出力プログラム(f)を実行して、前記各情報のいずれか一以上を、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し出力する、または「I/Oコントローラ」や「グラフィックカード」を経由してディスプレイへ表示するために出力する、または「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してプリンタで印刷するために出力する。
【0250】
<実施形態8の効果>
本実施形態8の電力利用コスト分析装置によって、実施形態3の効果に加え、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力を取得することができる。将来の天候の予報として気温の情報を知ることができれば、電気使用量低減の検討ができる。電気使用量を減らすことができれば、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0251】
<実施形態9 概要>主に請求項9、18、27
実施形態1から実施形態8のいずれか一を基礎とする実施形態9の電力利用コスト分析装置は、将来の少なくとも気温を含む天候を示す情報である将来天候情報を取得する将来天候情報取得部(O)と、取得した将来天候情報に含まれる気温から、将来の時点での最大需要電力の予測値である将来最大需要電力予測値を取得する将来最大需要電力予測値取得部(P)と、をさらに有するように構成される。
【0252】
<実施形態9 機能的構成>
図25に実施形態8を基礎とする実施形態9の電力利用コスト分析装置の機能ブロック図を示す。実施形態9の電力利用コスト分析装置は実施形態8の構成に加え、さらに将来天候情報取得部(O)(2514)と、将来最大需要電力予測値取得部(P)(2515)と、を有する。将来天候情報取得部(O)(2514)と、将来最大需要電力予測値取得部(P)(2515)以外は実施形態8と同様のため、将来天候情報取得部(O)(2514)と、将来最大需要電力予測値取得部(P)(2515)のみ説明する。なお実施形態1から7のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0253】
<実施形態9 構成の説明>
<実施形態9 将来天候情報取得部(O)(2514)>
「将来天候情報取得部(O)」(2514)は、将来の少なくとも気温を含む天候を示す情報である将来天候情報を取得するように構成される。将来天候情報は、該当する時間を示す情報である時間情報と関連付けて取得することがより好ましい。
【0254】
少なくとも気温を含む気象予報などの情報を、気象庁や気象予報会社などから取得するように構成することができる。取得した将来の少なくとも気温を含む天候を示す情報である将来天候情報を保持する将来天候情報保持部をさらに有するように構成するとよい。より好ましくは、将来天候情報に該当する時間を示す時間情報と関連付けて保持するように構成する。
【0255】
取得する天候情報は気温以外に、例えば晴曇雨雪霜霧等の天気、湿度、日照時間、風速、風向などを含むことができる。将来天候情報は、将来の一日単位の天候情報でもよいが、日中と日没後の時間帯での天候情報や、3時間毎や1時間毎といったようにより細かい時間帯ごとの天候情報であることが好ましい。より好ましくはデマンド時間帯毎の天候情報である。
【0256】
<実施形態9 将来最大需要電力予測値取得部(P)(2515)>
「将来最大需要電力予測値取得部(P)」(2515)は、取得した将来天候情報に含まれる気温から、将来の時点での最大需要電力の予測値である将来最大需要電力予測値を取得するように構成される。将来最大需要電力予測値は、電力需要者識別情報で識別される電力需要者毎に取得されるように構成することができる。
【0257】
将来の時点での気温を含む情報と、過去の電気使用量の実績から取得した気温毎最大需要電力に基づいて、将来最大需要電力予測値を取得できる。電力需要者は将来時点での将来最大需要電力予測値を低減することを検討でき、電気使用量の低減を図ることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0258】
本実施形態9の構成は次のような構成としてもよい。将来最大需要電力予測値取得部(P)は、取得した将来天候情報が該当する時間(年月日や時刻)を示す情報である時間情報を関連付けて取得し、さらに、取得した将来最大需要電力予測値情報を、電力需要者を識別する情報である電力需要者識別情報および気温を含む将来天候情報に関連付けて保持する将来最大需要電力予測値情報保持部と、電力需要者に対し予想した将来最大需要電力予測値を出力する将来最大需要電力予測値出力部をさらに有するように構成することができる。このような構成とすることによって、電力需要者毎に気温を含む将来天候情報と関連付けられた将来最大需要電力予測値を出力し、提供することができる。将来最大需要電力予測値を取得された電力需要者が、過去に該当する気温時に示した電力消費性向を参考にして、将来最大需要電力予測値の時点での電力消費性向を改善することを検討することができる。
【0259】
将来最大需要電力予測値を予測した対象時点の最大需要電力と、実際の最大需要電力とを比較して差異を検証する、比較検証部をさらに有するように構成してもよい。比較検証部では、将来天候情報に含まれる気温、またはその他の天候情報と、実際の天候情報の差異を取得する将来天候情報比較検証手段をさらに有するように構成してもよい。天候情報の予測が当たったために最大需要電力予測値が当たったのか、天候情報の予測が当たったのに最大需要電力予測値が外れた場合は何が原因だったのか検証するきっかけとすることができる。原因を究明できたならば、将来最大需要電力予測値取得部(P)へフィードバックすることができ、予測の精度を向上することができる。
【0260】
<実施形態9 動作方法>
図26は、実施形態8を基礎とする実施形態9の電力利用コスト分析装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態9の電力利用コスト分析装置の動作方法では、気象データ取得ステップ(q)(S2601)と、変換ルール保持ステップ(r)(S2602)とを実施し、最大需要電力情報保持ステップ(a)(S2604)と、最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S2606)と、月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S2608)と、トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S2610)のいずれか一以上を実施し、トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S2611)と、比較ステップ(h)(S2612)と、比較ステップ(h)(S2612)内の気温毎最大需要電力取得サブステップ(n)(S2613)と、将来天候情報取得ステップ(o)(S2614)と、将来最大需要電力予測値取得ステップ(p)(S2615)と、情報出力ステップ(f)(S2617)と、を実施する。なお実施形態1から7のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0261】
ここで天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法は、
気象データ取得ステップ(q)(S2601)は、気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する処理を行い、
変換ルール保持ステップ(r)(S2602)は、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する処理を行い、
(S2603)では最大需要電力情報保持ステップ(a)(S2604)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2604)をスキップし(S2605)の前に処理を移す、
最大需要電力情報保持ステップ(a)(S2604)は、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する処理を行い、
(S2605)では最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S2606)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2606)をスキップし(S2607)の前に処理を移す、
最大電気使用量情報保持ステップ(b)(S2606)は、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S2607)では月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S2608)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2608)をスキップし(S2609)の前に処理を移す、
月間電気使用量情報保持ステップ(c)(S2608)は、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
(S2609)ではトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S2610)を実施するか判断し、実施しない場合は(S2610)をスキップし(S2611)の前に処理を移す、
トータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)(S2610)は、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する処理を行い、
トータル月間電気料金情報保持ステップ(e)(S2611)は、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する処理を行い、
比較ステップ(h)(S2612)は、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する処理を行い、
比較ステップ(h)(S2612)内の気温毎最大需要電力取得サブステップ(n)(S2313)は、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力(気温毎最大需要電力)を取得する処理を行い、
将来天候情報取得ステップ(o)(S2614)は、将来の少なくとも気温を含む天候を示す情報である将来天候情報を取得する処理を行い、
将来最大需要電力予測値取得ステップ(p)(S2615)は、取得した将来天候情報に含まれる気温から、将来の時点での最大需要電力の予測値である将来最大需要電力予測値を取得する処理を行い、
(S2616)では、最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力するか判断し、出力しない場合は(S2601)の前に処理を移す、
情報出力ステップ(f)(S2617)は、選択された情報である、前記各情報のいずれか一以上を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である電力利用コスト分析装置に実行させる動作方法である。
【0262】
<実施形態9 ハードウェアの構成>
本実施形態9における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成について、図27を用いて説明する。
【0263】
図27は、実施形態8を基礎とする本実施形態9における電力利用コスト分析装置のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように、本実施形態における電力利用コスト分析装置は、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」と、「チップセット」と、「メインメモリ」と、「グラフィックカード」と、各種プログラムやデータ(情報)を保持する「不揮発性メモリ」や、「I/Oコントローラ」、「USB、SATA、LAN端子、etc」、「BIOS(UEFI)」、「PCI Expressスロット」、「リアルタイムクロック」を備えている。そして、それらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお実施形態1から7のいずれか一を基礎としても同様の効果が得られる。
【0264】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本装置の起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0265】
本装置の起動により、「メインメモリ」には、「不揮発性メモリ」に蓄積されている各種プログラム、データ(情報)が読み出されて展開され格納されると同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。実行命令を受け付けることで「CPU」によって順次プログラムがデータを利用した演算をおこなう。なお、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0266】
本実施形態において「メインメモリ」に格納されているプログラムは、気象データ取得プログラム(q)と、変換ルール保持プログラム(r)と、最大需要電力情報保持プログラム(a)と最大電気使用量情報保持プログラム(b)と月間電気使用量情報保持プログラム(c)とトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報保持プログラム(e)と、情報出力プログラム(f)と、比較プログラム(h)と、気温毎最大需要電力取得サブプログラム(n)と、将来天候情報取得プログラム(o)と、将来最大需要電力予測値取得プログラム(p)である。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、気象データと変換ルールと、最大需要電力情報と最大電気使用量情報と月間電気使用量情報とトータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報と、気温毎最大需要電力と、天候情報と、最大需要電力の予測値などが格納されている。図27では上記のすべてのプログラムと、すべての情報を「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」に格納した場合を示している。次のプログラムの動作説明は、すべてのプログラムとすべての情報を上記のように格納し機能させた場合について行う。「いずれか一以上と」記載したプログラムおよび情報が4つすべてではなく一以上の場合でも同様の効果が得られる。
【0267】
「CPU」は、
「メインメモリ」に格納されている気象データ取得プログラム(q)を実行して、「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してインターネット回線を経由し、天気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する。
「メインメモリ」に格納されている変換ルール保持プログラム(r)を実行して、取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大需要電力情報保持プログラム(a)を実行して、月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている最大電気使用量情報保持プログラム(b)を実行して、上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている月間電気使用量情報保持プログラム(c)を実行して、前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気使用量情報保持プログラム(d)を実行して、前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報を取得したうえでこれとを関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されているトータル月間電気料金情報保持プログラム(e)を実行して、前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持する。
「メインメモリ」に格納されている比較プログラム(h)を実行して、保持されている最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報のいずれか一以上と、その情報に対応する異なる一日間、1月間、年間、異なる年の相当期間における前記情報に対応する情報とを比較する。
「メインメモリ」に格納されている気温毎最大需要電力取得サブプログラム(n)を実行して、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力(気温毎最大需要電力)を取得する。
「メインメモリ」に格納されている将来天候情報取得プログラム(o)を実行して、将来の少なくとも気温を含む天候を示す情報である将来天候情報を、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由して、取得する。
「メインメモリ」に格納されている将来最大需要電力予測値取得プログラム(p)を実行して、取得した将来天候情報に含まれる気温から、将来の時点での最大需要電力の予測値である将来最大需要電力予測値である将来最大需要電力予測値を取得する。
「メインメモリ」に格納されている情報出力プログラム(f)を実行して、前記各情報のいずれか一以上を、「USB、SATA、LAN端子、etc」を通じてインターネット回線を経由し出力する、または「I/Oコントローラ」や「グラフィックカード」を経由してディスプレイへ表示するために出力する、または「USB、SATA、LAN端子、etc」を介してプリンタで印刷するために出力する。
【0268】
<実施形態9の効果>
本実施形態9の電力利用コスト分析装置によって、実施形態1の効果に加え、取得した将来の少なくとも気温を含む天候を示す情報である将来天候情報に含まれる気温から、将来の時点での最大需要電力の予測値である将来最大需要電力予測値を取得することができる。そのため電力需要者は将来時点での将来最大需要電力予測値を低減することを検討でき、電気使用量の低減を図ることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0269】
<別の実施形態 実施形態10から実施形態17>
以上説明した実施形態1から9とは別の実施形態について以下説明する。いずれも様々な分析を行い、電力需要者が電気使用量低減検討する際に助けとなる発明である。いずれの実施形態も、電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【0270】
<実施形態10 概要>
実施形態7を基礎とする実施形態10では、過去のデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度から、電力需要者毎のデマンド時間帯毎最大需要電力が発生する時間帯を予測するように構成される。
【0271】
<実施形態10 構成>
取得した、1日のうちで最大需要電力が発生したデマンド時間帯の頻度を示す情報であるデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度を保持するデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度保持部と、
保持したデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度にもとづいて、所定の一日の最大需要電力が発生する確率をデマンド時間帯ごとに取得するデマンド時間帯毎最大需要電力発生確率取得ルールを保持するデマンド時間帯毎最大需要電力発生確率取得ルール保持部と、
保持したデマンド時間帯毎最大需要電力発生頻度と、デマンド時間帯毎最大需要電力発生確率取得ルールにもとづいて、デマンド時間帯毎最大需要電力発生確率を取得するデマンド時間帯毎最大需要電力発生確率取得部と、
をさらに有する請求項7に記載の電力利用コスト分析装置、のように構成することができる。さらにデマンド時間帯毎最大需要電力発生確率を出力するデマンド時間帯毎最大需要電力発生確率出力部や、デマンド時間帯毎最大需要電力発生確率を、確率を求めた対象日を示す時間情報と関連付けて保持するデマンド時間帯毎最大需要電力発生確率保持部を有するように構成することができる。
【0272】
デマンド時間帯毎最大需要電力発生確率取得ルールは、一日のデマンド時間帯すべてではなく、確率が多い順に所定数(例:3つ)を順位付けして取得するように構成してもよい。またデマンド時間帯毎最大需要電力発生確率取得ルールは、デマンド時間帯毎最大需要電力発生確率をそのデマンド時間帯の予測気温を関連付けて取得するように構成してもよい。
【0273】
本実施形態10では、一日のうちで最大需要電力が発生するデマンド時間帯または上位いくつかのデマンド時間帯を知ることができ、そのデマンド時間帯において電気使用量低減に向けた対応を行うことができる。
【0274】
<実施形態11 概要>
実施形態8を基礎とする実施形態11では、過去の気温毎最大需要電力と、少なくとも気温を含む将来天候情報から、電力需要者のデマンド時間帯当たりの最大需要電力が発生する時間帯を気温によって予測するように構成される。
【0275】
<実施形態11 構成>
取得した、気温毎にデマンド時間帯当たりの最大需要電力である気温毎最大需要電力を保持する気温毎最大需要電力保持部と、
保持した気温毎最大需要電力と、将来天候情報にもとづいて、所定の一日の最大需要電力が発生する確率をデマンド時間帯ごとに取得する気温毎最大需要電力発生確率取得ルールを保持する気温毎最大需要電力発生確率取得ルール保持部と、
保持した気温毎最大需要電力と、将来天候情報と、気温毎最大需要電力発生確率取得ルールにもとづいて、気温毎最大需要電力発生確率を取得する気温毎最大需要電力発生確率取得部と、
をさらに有する実施形態9に記載の電力利用コスト分析装置、のように構成することができる。さらに気温毎最大需要電力発生確率を出力する気温毎最大需要電力発生確率出力部や、気温毎最大需要電力発生確率を、確率を求めた対象日または/及びデマンド時間帯を示す時間情報と関連付けて保持する気温毎最大需要電力発生確率保持部を設けることができる。
【0276】
気温毎最大需要電力発生確率取得ルールは、対象の一日に該当する予測気温すべてに対してではなく、確率が多い順に所定数(例:3つ)を順位付けして取得するように構成してもよい。
【0277】
本実施形態11では、将来天候情報に含まれる気温から、その気温時の最大需要電力を予測することができ、前記気温となる時間帯において、電力需要者は電気使用量低減のための対応とすることができる。
【0278】
<実施形態12 概要>
実施形態3を基礎とする実施形態12では、保持された電力需要者の属性を示す電力需要者属性情報のうちで、同じ業種の電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、業種ごとの電力消費性向を示す情報である業種毎電力消費性向情報を取得する。いわば業種ごとの電力消費性向のトレンドが得られる。業種内で、事業規模の違いなどで絶対値が該当業界の電力需要者間で異なるため、所定期間内の総電力使用量で規格化するなどの手法によって事業規模が違っても比較できるようにすることができる。業種毎電力消費性向情報は、業種毎電力消費性向情報に該当する業種の複数の電力需要者の平均であってもよい。
【0279】
<実施形態12 構成>
電力需要者の電力消費性向が天候に応じて変化する場合に、
電力需要者の属性を示す情報である電力需要者属性情報を電力需要者識別情報と関連付けて保持する電力需要者属性情報保持部と、
電力需要者属性情報に含まれる業種に種別が同様である電力需要者の電力消費性向を示す情報である業種毎電力消費性向情報を取得する業種毎電力消費性向情報取得部を、さらに有する請求項3に記載の電力利用コスト分析装置のように構成することができる。さらに取得した業種毎電力消費性向情報を保持する業種毎電力消費性向情報保持部を有するように構成するとよい。
【0280】
本実施形態12では、業種ごとの電力消費性向のトレンドを得ることができる。
【0281】
<実施形態13 概要>
実施形態1を基礎とする実施形態13では、電力需要者は自身が管理運営する太陽光発電、水力発電、風力発電などの再生可能エネルギーまたは/及び蓄電池からの電力、または化石燃料を使用する発電機からの電力を使用することができるように構成される。
【0282】
<実施形態13 構成>
請求項1に記載の電力利用コスト分析装置であって、最大需要電力や、最大電気使用量や、電気使用量や、トータル電気使用量には、電力需要者が電力小売業者から購入する電力又は/及び電力小売業者が管理運営する発電又は/及び蓄電設備から受電する電力を含む電力利用コスト分析装置のように構成することができる。
【0283】
電力需要者は、電力小売業者からの購入する電力のほかに、自身が管理運営する発電又は/及び蓄電設備から受電する電力を使用できる。または自身が管理運営する発電又は/及び蓄電設備が発生する電力を自身が使いきれない場合に電力小売業者へ売ったり、または単に電力小売業者へ売ったりすることができる。本実施例13の構成では、天候情報に日照時間を含めるように構成することが好ましい。
【0284】
本実施形態13では、電力需要者自身が管理運営する発電又は/及び蓄電設備が発生する電力をも使用したり、電力小売業者へ売電したりすることができる。
【0285】
<実施形態14 概要>
実施形態1を基礎とする電力利用コスト分析装置であって、各電力小売業者が発する電力使用の一日または1週間の見通しを示す情報である電気予報情報に基づいて、各月の最大需要電力が発生するデマンド時間帯を予測し電力需要者へ提示する。電力需要者が対策を講じることができる。例えば夏季と冬季、または春季と秋季では日照時間が異なり太陽光発電効率も異なり、空調設備の電気使用量も傾向が変わってくるため、季節ごとや月ごとに最大需要電力が発生するデマンド時間帯や、電力小売業者の供給能力に対する総電気使用量の割合などを記したレポートを出力するように構成するとよい。
【0286】
<実施形態14 構成>
請求項1に記載の電力利用コスト分析装置であって、
電力小売業者が発する電力使用の一日または1週間の見通しを示す情報である電気予報情報を取得する電気予報情報取得部と、
電気予報情報に基づいて最大需要電力が発生すると予想されるデマンド時間帯である応電気予報最大需要電力予想デマンド時間帯を出力する応電気予報最大需要電力予想デマンド時間帯出力部と、
を、さらに有する電力利用コスト分析装置のように構成することができる。応電気予報最大需要電力予想デマンド時間帯については、月ごとに出力されることが好ましい。季節ごとや月ごとによって、最大需要電力発生デマンド時間帯が変化する場合に対応しやすくなる。
【0287】
本実施形態14では、電気予報に基づいて最大需要電力が発生すると予測されるデマンド時間帯を、電力需要者へ示すことによって、電力需要者が対策を講じることができる。
【0288】
<実施形態15 概要>
実施形態1を基礎とする実施形態15では、電力取引市場の価格が極めて安い、所定の価格以下となる時間帯を、時間帯ごとの日照時間又は/及び風速を含む天候情報に基づいて予測するように構成される。
【0289】
<実施形態15 構成>
実施形態1を基礎とするに記載の電力利用コスト分析装置であって、
電力取引市場価格を取得する電力取引市場価格取得部と、
取得した電力取引市場価格を保持する電力取引市場価格保持部と、
電力取引市場価格が所定の関係か判断するための閾値と判断するためのルールを関連付けて保持する電力取引市場価格判断ルール保持部と、
保持した電力取引市場価格と、電力取引市場価格判断ルールとに基づいて、電力取引市場価格が所定の関係にあるかをデマンド時間帯ごとに判断する判断部と、
判断部が所定の関係にあると判断したデマンド時間帯を判断結果として出力する判断結果出力部と、をさらに有する電力利用コスト分析装置のように構成することができる。所定の関係とは例えば所定の閾値(例:0.01円/kWh)以下となることである。さらに所定の関係となるデマンド時間帯を取得して出力するデマンド時間帯出力手段を判断部に有するように構成することができる。またさらにデマンド時間帯ごとに所定の関係となる確率を出力するデマンド時間帯毎確率取得手段を判断部に有するように構成してもよい。電力小売業者は所定の関係となる時間帯に、電力需要者が電力利用を増進するように、電力取引市場価格に連動して定まる課金制度について、前記時間帯での電力利用にインセンティブを付与することもできる。インセンティブは、電力需要家に対して前記該当時間帯での電力利用に対する課金の割引や、数量に応じて換金や他の物品やサービスと交換可能なポイントの付与などである。
【0290】
前記のデマンド時間帯毎確率を月ごとまたは週ごとに取得するように構成すれば、例えば電力取引市場の価格が安い時間帯に、工場の生産設備の稼働時間または設備稼働率のピークをシフトする目安として使用できる。電力需要者にとっては電気料金の安い時間帯に生産をシフトし、電気料金削減しながら生産を維持できるメリットが生じる。
【0291】
本実施形態15では、電力取引市場価格が安い時間帯の発生時間帯と確率を得ることができる。前記確率を電力需要者へ提示し、価格が安い(すなわち供給が多い)時間帯での電力需要者の電力利用を促し、電力需要の均一化を促進できる。
【0292】
<実施形態16 概要>
実施形態5を基礎とする実施形態16では、異なる地域に居住する電力需要者間で電力用効率の観点から優劣判定をおこなうように構成される。
【0293】
<実施形態16 構成>
実施形態5を基礎とするに記載の電力利用コスト分析装置であって、
電力需要者間優劣判定手段(K)にて優劣判定の対象となる異なる電力需要者は、居住地域が異なっているように構成される。例えば、北海道に居住する電力需要者と沖縄に居住する電力需要者では、デマンド時間帯ごとの電気使用量、すなわち電気利用トレンドに差異があると考えられる。地域ごとの電気利用トレンドの月間レポートとして出力し、参考とすることができる。
【0294】
本実施形態16では、あえて電気利用トレンドの異なる電力需要者を比較することにより、自身の電力使用量低減のための施策の気づきとすることができる。
【0295】
<実施形態17 概要>
実施形態3を基礎とする実施形態17では、1日の中でのデマンド時間帯当たり最大需要電力と発生デマンド時間帯と、一日の中での電力取引市場価格が所定の閾値と所定の関係(例:所定の閾値以下)になったデマンド時間帯について月ごとのトレンドを集計したレポートを一年分作成するように構成される。
【0296】
<実施形態17 構成>
実施形態15を基礎とするに記載の電力利用コスト分析装置であって、
判断部が所定の関係にあると判断したデマンド時間帯を判断結果として判断結果出力部が出力したデマンド時間帯を含む判断結果を保持する判断結果保持部と、
保持された最大需要電力情報と、保持された判断結果に含まれるデマンド時間帯を関連付けて、そのデマンド時間帯が属する月ごとのトレンドを示す月毎トレンド情報として保持する月毎トレンド情報保持部と、
月毎トレンド情報が一年分そろったら年間の月毎トレンド情報を出力する年間月毎トレンド情報出力部と、
異なる年に対する年間月毎トレンド情報を比較する年間月毎トレンド情報比較部と、
を、さらに有する電力利用コスト分析装置のような構成とすることができる。
【0297】
このような構成とすることによって、月ごとに最大需要電力が発生する頻度が高いデマンド時間帯の傾向(トレンド)と、電力取引市場価格が所定の閾値以下となる頻度が高いデマンド時間帯の傾向(トレンド)を知ることができ、さらに一年分まとめることによって1年の間での前記トレンドの季節変動の傾向を、電力需要者は把握することができる。さらに、異なる1年(例:今年と前年)の年間月毎トレンド情報を比較することで、年間のトレンドの変化を把握することができる。例えば昨年と比べて今年の夏季の最大需要電力発生デマンド時間帯がずれていたり、今年のほうが夏期に電力取引市場価格が所定の閾値以下になるデマンド時間帯が多く発生していたりし、前記最大需要電力発生デマンド時間帯は、電力取引市場価格が安い時間帯が終わった(例:早朝や夕方)などに発生しているなどの傾向を把握することができる。
【0298】
本実施形態17では、最大需要電力発生デマンド時間帯のトレンドと、電力取引市場価格が所定の閾値以下になる月ごとのトレンドを年間でまとめることにより、年間のトレンド推移を電力需要者が把握し、異なる年度同士をも比較して、電気使用量の低減に役立てることができる。
【0299】
<本発明の効果>
以上の構成を有する本発明の電力利用コスト分析装置によって、月間の、最大需要電力情報か、最大電気使用量情報か、月間電気使用量情報か、トータル月間電気使用量情報か、前記月間のトータル月間電気料金情報のいずれか一以上を出力することによって、前記5種の情報の観点から電力需要者自身がどのような時に最も電気を消費するかということを天候と関連付けて示すまたはどれほど電気料金を費やしたかを示すことができ、電力消費量自体の総合的な低減と、天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる課金額の総合的な削減の動機づけと促進を図ることができる。電気使用量を減らすことによって、電力需要者の電力利用コストである電気料金(課金額)を削減することができるとともに、対環境性も良好とすることができる。
【符号の説明】
【0300】
電力利用コスト分析装置・・・0100
最大需要電力情報保持部(A)・・・0101
最大電気使用量情報保持部(B)・・・0102
月間電気使用量情報保持部(C)・・・0103
トータル月間電気使用量情報保持部(D)・・・0104
トータル月間電気料金情報保持部(E)・・・0105
情報出力部(F)・・・0106
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【手続補正書】
【提出日】2024-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する装置であって、
気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する気象データ取得部(Q)と、
取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する変換ルール保持部(R)と、
月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する最大需要電力情報保持部(A)、
上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する最大電気使用量情報保持部(B)、
前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する月間電気使用量情報保持部(C)、
前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持するトータル月間電気使用量情報保持部(D)、
のいずれか一以上((A)、(B)、(C)、(D)のいずれか一以上)と、
前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持するトータル月間電気料金情報保持部(E)と、を有し、さらに、
最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報と、を出力するための情報出力部(F)と、
を有する電力利用コスト分析装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項10】
天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する計算機である装置の動作方法であって、
気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する気象データ取得ステップ(q)と、
取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する変換ルール保持ステップ(r)と、
月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する最大需要電力情報保持ステップ(a)、
上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する最大電気使用量情報保持ステップ(b)、
前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する月間電気使用量情報保持ステップ(c)、
前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持するトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)、
のいずれか一以上((a)、(b)、(c)、(d)のいずれか一以上)と、
前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持するトータル月間電気料金情報保持ステップ(e)と、を有し、さらに、
最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報と、を出力するための情報出力ステップ(f)と、
を有する、計算機である電力利用コスト分析装置の動作方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項19
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項19】
天候に応じて変化する電力供給可能量に応じて変動する電力取引市場価格に連動して定められる電力の需要者に対する課金額があらかじめ定められた課金制度に基づく電力需給システムの電力需要者の電力利用コストを分析する計算機である装置に実行させるプログラムであって、
気象データであって、気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、のいずれか一以上のデータを所定時間間隔で取得する気象データ取得ステップ(q)と、
取得した気象データに基づいて、取得した気象データである気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間、をその気象データが観測されたデマンド時間帯、日、週、月、四半期(デマンド時間帯、日、週、月、四半期は、前記所定時間間隔以上の時間長である。以下同じ。)のいずれか一以上の代表的な天候に関する情報である代表天候情報に変換するルールである変換ルールを保持する変換ルール保持ステップ(r)と、
月間の最大需要電力と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその最大需要電力が発生したデマンド時間帯と、そのデマンド時間帯または/およびそのデマンド時間帯が含まれる日の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報である最大需要電力情報を保持する最大需要電力情報保持ステップ(a)、
上記月間に含まれる1日の最大電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその1日または/およびその1日が含まれる週の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報である最大電気使用量情報を保持する最大電気使用量情報保持ステップ(b)、
前記月間の電気使用量と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいてその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報である月間電気使用量情報を保持する月間電気使用量情報保持ステップ(c)、
前記月間の所定活動時間帯のトータル電気使用量、非活動時間帯のトータル電気使用量、平日のトータル電気使用量、休日のトータル電気使用量のいずれか一以上と、取得した気象データと保持されている変換ルールとに基づいて取得したその月またはその月を含む四半期の天候(気温、湿度、風速、晴曇雨、日照時間のいずれか一以上)に関する代表天候情報と、を関連付けた情報であるトータル月間電気使用量情報を保持するトータル月間電気使用量情報保持ステップ(d)、
のいずれか一以上((a)、(b)、(c)、(d)のいずれか一以上)と、
前記月間のトータル電気料金を示すトータル月間電気料金情報を保持するトータル月間電気料金情報保持ステップ(e)と、を有し、さらに、
最大需要電力情報、最大電気使用量情報、月間電気使用量情報、トータル月間電気使用量情報のいずれか一以上と、トータル月間電気料金情報と、を出力するための情報出力ステップ(f)と、
を有する、計算機である電力利用コスト分析装置に実行させるプログラム。