(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133025
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】少なくとも1つのトランジスタを有する処理装置を使って入力量を処理するための方法、この方法を実行するための装置、計算機構、および使用
(51)【国際特許分類】
G06G 7/60 20060101AFI20240920BHJP
G11C 11/54 20060101ALI20240920BHJP
G11C 13/00 20060101ALI20240920BHJP
G06F 17/16 20060101ALI20240920BHJP
G06N 3/063 20230101ALI20240920BHJP
G06G 7/184 20060101ALI20240920BHJP
G06G 7/16 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G06G7/60
G11C11/54
G11C13/00 200
G06F17/16 F
G06N3/063
G06G7/184
G06G7/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024040948
(22)【出願日】2024-03-15
(31)【優先権主張番号】10 2023 106 814.8
(32)【優先日】2023-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】タハ・ソリマン
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・キルヒナー
【テーマコード(参考)】
5B056
【Fターム(参考)】
5B056FF01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】少なくとも1つのトランジスタを使って入力量を処理する方法及び装置を提供する
【解決手段】方法は、第1のトランジスタ(110-1)と第1の入力量(E-1)の特徴をなしている第1のメモリスティブ要素(MR-1)を提供(200)し、前記第1のメモリスティブ要素(MR-1)を使って、前記第1のトランジスタ(110-1)の制御電極(110-1a)と関連付けられた容量の充電電流に影響を及ぼし、第2の入力量(E2)の特徴をなしている第1の制御量(AG-1)を前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)に印加(202)し、前記第1のトランジスタ(110-1)の負荷区間を通る電流の経時的推移の特徴をなしている第1の量(G1)をベースとして、前記第1の入力量(E-1)と前記第2の入力量(E2)との少なくとも1つの積の特徴をなしている第1の出力量(A1)を確定(204)する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1のトランジスタ(110-1)、例えば電界効果トランジスタを有する処理装置(100;100a)を使って入力量を処理するための方法であって、前記第1のトランジスタ(110-1)を、前記第1のトランジスタ(110-1)と関連付けられた第1の入力量(E1)の特徴をなしている第1のメモリスティブ要素(MR-1)と共に提供(200)し、前記第1のメモリスティブ要素(MR-1)を使って、前記第1のトランジスタ(110-1)の制御電極(110-1a)と関連付けられた容量(C-1a)の充電電流に影響を及ぼし得るステップ、前記第1のトランジスタ(110-1)と関連付けられた第2の入力量(E2)の特徴をなしている第1の制御量(AG-1)を前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)に印加(202)するステップ、前記第1のトランジスタ(110-1)の負荷区間(110-1-LS)を通る電流(I-LS)の経時的推移の特徴をなしている第1の量(G1)をベースとして、前記第1の入力量(E1)と前記第2の入力量(E2)との少なくとも1つの積の特徴をなしている第1の出力量(A1)を確定(204)するステップを有する、方法。
【請求項2】
前記第1の量(G1)が、以下の要素、すなわちa)前記負荷区間(110-1-LS)を通る前記電流(I-LS)自体、b)少なくとも前記負荷区間(110-1-LS)を通る前記電流(I-LS)をベースとして確定可能な電圧(U-I-LS)、の少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
以下の要素、すなわちa)前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)と関連付けられた容量(C-1a)としての、前記第1のトランジスタ(110-1)の真性容量および/または寄生容量、例えばミラー容量の使用(210)、b)前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)と関連付けられた前記容量(C-1a)のための、例えば、容量または前記真性容量に追加的な、外部の例えば非真性容量(C-1a’)の提供(212)、の少なくとも1つを有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のメモリスティブ要素(MR-1)を前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)に直列に接続(215)するステップ、前記第1のメモリスティブ要素(MR-1)を介して前記第1の制御量(AG-1)を前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)に印加(216)するステップを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のメモリスティブ要素(MR-1)を前記第1のトランジスタ(110-1)の負荷区間(110-1-LS)に直列に、例えば前記第1のトランジスタ(110-1)のソース電極(110-1b)と第1の基準電位(BP-1)、例えば接地電位との間に接続(218)するステップ、前記第1の制御量(AG-1)を前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)に印加、例えば直接的に印加(219)するステップを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)と関連付けられた前記容量(C-1a)を充電(222)するための充電電流(I-L)を、例えば充電機構(12)を使って提供(220)するステップを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の入力量(E2)をベースとして入力電圧(V-1)を提供(230)するステップと、任意選択で例えば設定可能な抵抗(12b)、例えば前記第1のメモリスティブ要素(MR-1)を介して、前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)に前記入力電圧(V-1)を印加(232)するステップと、任意選択で、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)と関連付けられた前記容量(C-1a)を少なくとも一時的に充電(234)するステップとを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の前記負荷区間(110-1-LS)を通る前記電流(I-LS)が設定可能な第1の閾値を上回る第1の時点(t1)を確定(240)するステップ、前記第1の時点(t1)をベースとして前記第1の出力量(A1)を確定(242)するステップを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記設定可能な第1の閾値が、以下の要素、すなわちa)前記第1のトランジスタ(110-1)の飽和電流、b)例えば前記負荷区間(110-1-LS)に直列接続された少なくとも1つの制限抵抗を使って、前記第1のトランジスタ(110-1)の前記負荷区間(110-1-LS)を通る前記電流(I-LS)がそれに制限可能および/または制限されている制限電流、c)任意の設定可能な電流値、の少なくとも1つに相当する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の制御量(AG-1)による前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)の前記印加(202)の開始(t0)と、前記第1のトランジスタ(110-1)の前記負荷区間(110-1-LS)を通る前記電流(I-LS)が閾値、例えば前記設定可能な第1の閾値を上回る時点、例えば前記第1の時点(t1)との間の第1の時間差(td1)を確定(250)するステップと、前記第1の時間差(td1)をベースとして前記第1の出力量(A1)を確定(252)するステップとを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記負荷区間(110-1-LS)に直列接続された少なくとも1つの制限抵抗(R-1)を使って、前記第1のトランジスタ(110-1)の前記負荷区間(110-1-LS)を通る前記電流(I-LS)を制限(260)するステップを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記処理装置(100;100a)が、少なくとも1つのさらなるトランジスタ、例えば電界効果トランジスタ(110-2、110-3)を有し、前記第1のトランジスタ(110-1)および前記少なくとも1つのさらなるトランジスタ(110-2、110-3)の負荷区間のそれぞれの第1の端子(LS-1a、LS-2a、LS-3a)が、第1の回路節点(N1)と接続されており、この場合、前記方法が、前記少なくとも1つのさらなるトランジスタ(110-2、110-3)を、前記少なくとも1つのさらなるトランジスタ(110-1、110-3)と関連付けられた第1の入力量(E1)の特徴をなしているそれぞれのさらなるメモリスティブ要素(MR-2、MR-3)と共に提供(300)し、前記それぞれのさらなるメモリスティブ要素(MR-2、MR-3)を使って、前記少なくとも1つのさらなるトランジスタ(110-2、110-3)の制御電極(110-2a、110-3a)と関連付けられた容量(C-1b、C-1c)の充電電流に影響を及ぼし得るステップ、前記それぞれのさらなるトランジスタ(110-2、110-3)と関連付けられた第2の入力量(110-2-E2、110-3-E2)の特徴をなしているそれぞれの第1の制御量(110-2-AG-1、110-3-AG-1)を前記少なくとも1つのさらなるトランジスタ(110-2、110-3)のそれぞれの制御電極(110-2a、110-3a)に印加(302)するステップ、前記第1の回路節点(N1)と関連付けられた電流(I-N1)の経時的推移の特徴をなしている第2の量(G2)をベースとして、例えば前記それぞれの第1の入力量(E1、110-2-E1、110-3-E1)と前記それぞれの第2の入力量(E2、110-2-E2、110-3-E2)とのそれぞれの積の合計の特徴をなしている前記第1の出力量(A1’)を確定(304)するステップを有し、これに関しては例えば、前記第2の量(G2)が、以下の要素、すなわちa)前記第1の回路節点(N1)と関連付けられた前記電流(I-N1)自体、b)少なくとも前記第1の回路節点(N1)と関連付けられた前記電流(I-N1)をベースとして確定可能な電圧、の少なくとも1つである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
開始時点(t01)に、前記第1の制御量(AG-1)による前記第1のトランジスタ(110-1)の前記制御電極(110-1a)の前記印加(302)を開始(310)するステップ、例えば前記開始時点(t01)以降の設定可能な時間中に繰り返し、例えば周期的に、例えば連続的に前記第2の量(G2)を確定(312)するステップを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
設定可能な時点(t02、t03、t04、...)に、前記第2の量(G2)の変化(G2’)を確定(320)し、例えば前記設定可能な時点(t02、t03、t04、...)がそれぞれ、前記それぞれの第1の入力量(E1-k)に関するおよび/または前記それぞれの第2の入力量(E2-k)に関する可能な値と関連付けられているステップと、前記第2の量(G2)の前記確定された変化(G2’)に重み付け(322)し、重み付けされた変化(G2”)が得られるステップと、任意選択で、前記第2の量(G2)の前記重み付けされた変化(G2”)を合計することで前記第1の出力量(A1”)を確定(324)するステップとを有する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
例えば設定可能な停止基準が満たされるまで、前記確定(320)および前記重み付け(322)を繰り返す(323)ステップを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記設定可能な時点(t02、t03、t04、...)を、前記それぞれの第1の入力量(E1)に関するおよび/または前記それぞれの第2の入力量(E2)に関する可能な値に割り当てる(330)ステップを有する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の方法を実行するための装置(1000)。
【請求項18】
少なくとも1つの第1のトランジスタ(110-1)、例えば電界効果トランジスタを有する処理装置(100;100a)を有し、例えば前記処理装置(100;100a)がn個(n>1)のトランジスタ、例えば電界効果トランジスタ(110-1、...)を有する、請求項17に記載の装置(1000)。
【請求項19】
前記少なくとも1つのトランジスタ(110-1)のための充電電流(I-L)を提供(220)するために少なくとも1つの充電機構(12;12-1、12-2、12-3)を有する、請求項17または18に記載の装置(1000)。
【請求項20】
以下の量、すなわちa)第1の量(G1)、b)第2の量(G2)、の少なくとも1つを確定するために、少なくとも1つの測定機構(20)、例えばアナログ/デジタル変換器、例えば電流ベースのアナログ/デジタル変換器を有する、請求項17~19のいずれか一項に記載の装置(1000)。
【請求項21】
以下の要素、すなわちa)前記装置(1000)の少なくとも1つのコンポーネントのコントロール、b)請求項1から16のいずれか一項に記載の方法の少なくとも1つの態様の実行、の少なくとも1つを実行するために形成されているコントロール機構(400)を有する、請求項17~20のいずれか一項に記載の装置(1000)。
【請求項22】
請求項17~21のいずれか一項に記載の少なくとも1つの装置(1000)を有する計算機構、例えばベクトル行列乗算機構(VMM)。
【請求項23】
以下の要素、すなわちa)例えばそれぞれ複数ビットを有し得る例えば重みおよび/または入力量を用いたCompute-in-Memory法の実行(501)、b)人工ニューラルネットワーク(502)、例えば人工ディープニューラルネットワーク、c)画像処理(503)、d)計算の効率的な実行(504)、e)計算の実行に関する効率の向上(505)、f)自動運転(506)、g)機械学習(507)、例えば推論(508)、の少なくとも1つのための、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法および/または請求項17~21のいずれか一項に記載の装置(1000)および/または請求項22に記載の計算機構(VMM)の使用(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、少なくとも1つのトランジスタを有する処理装置を使って入力量を処理するための方法に関する。
本開示はさらに、少なくとも1つのトランジスタを有する処理装置を使って入力量を処理するための方法を実行するための装置に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
例示的な実施形態は、少なくとも1つの第1のトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する処理装置を使って入力量を処理するための方法であって、第1のトランジスタを、第1のトランジスタと関連付けられた第1の入力量の特徴をなしている第1のメモリスティブ要素と共に提供し、この第1のメモリスティブ要素を使って、第1のトランジスタの制御電極と関連付けられた容量の充電電流に影響を及ぼし得るステップ、第1のトランジスタと関連付けられた第2の入力量の特徴をなしている第1の制御量を第1のトランジスタの制御電極に印加するステップ、第1のトランジスタの負荷区間を通る電流の経時的推移の特徴をなしている第1の量をベースとして、第1の入力量と第2の入力量との少なくとも1つの積の特徴をなしている第1の出力量を確定するステップを有する、方法に関する。したがって、さらなる例示的な実施形態では、例えば第1の入力量と第2の入力量との積を、トランジスタを使用して確定することができ、この両方の入力量の少なくとも1つはアナログ(つまり例えば連続値)であり得る。
【0003】
さらなる例示的な実施形態では、第1のトランジスタは、例えば電界効果トランジスタであり、例えばMOS(金属酸化物半導体)タイプの、例えばNMOSタイプの電界効果トランジスタである。さらなる例示的な実施形態では、その他のタイプも使用可能である。
【0004】
さらなる例示的な実施形態では、実施形態に基づく原理が、上で例示的に挙げた電界効果トランジスタとは違うトランジスタタイプにも適用可能である。以下では、分かりやすくする理由から、および一般性を制限することなく、しかしながら例示的に、電界効果トランジスタの使用を前提とする。したがって、制御電極は例えばゲート電極であり、負荷区間は例えばドレイン・ソース区間である。
【0005】
さらなる例示的な実施形態では、メモリスティブ要素は、例えば以下のタイプ、すなわちa)メモリスタ、b)RRAM(抵抗変化型メモリ)、c)PCM(相変化メモリ)、のメモリスティブ要素である。
【0006】
さらなる例示的な実施形態では、メモリスティブ要素の電気抵抗は、例えばプログラミングによって設定可能であり、これにより、メモリスティブ要素に第1の入力量に関する値を割り当てることができ、この値が、上で既に説明したように、制御電極と関連付けられた容量の充電電流に影響を与える。例えば、メモリスティブ要素は、第1の入力量の値に基づいて、例えば第1のトランジスタのミラー容量のための充電電流を制限することができ、したがって例えば、第1のトランジスタのアクティブ化(非導通状態から導通状態への切替)に関し、ミラー容量および第1の入力量の値に応じた時間応答を実現し得る。
【0007】
さらなる例示的な実施形態では、第1の量は、以下の要素、すなわちa)負荷区間を通る電流自体、b)少なくとも負荷区間を通る電流をベースとして確定可能な電圧、の少なくとも1つであることが企図されている。
【0008】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、以下の要素、すなわちa)第1のトランジスタの制御電極と関連付けられた容量としての、第1のトランジスタの真性容量および/または寄生容量、例えば上で既に例示的に挙げたミラー容量の使用、b)第1のトランジスタの制御電極と関連付けられた容量のための、例えば、容量または真性容量に追加的な、外部の例えば非真性容量の提供、の少なくとも1つを有することが企図されている。
【0009】
したがって、さらなる例示的な実施形態では、例えば真性ミラー容量の代わりにまたはそれに加えて、例えば設定可能な容量値を調整するために、制御電極にさらなる容量が割り当てられ得る。さらなる例示的な実施形態では、製造プロセス中に、製造技術上の制約の範囲内で、真性容量を適合することも可能である。さらなる例示的な実施形態では、上で説明した容量の充電により、トランジスタの規定のアクティブ化、つまり例えば、トランジスタの例えば遮断(高抵抗)状態から導通(低抵抗)状態への転換が可能である。
【0010】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、第1のメモリスティブ要素を第1のトランジスタの制御電極に直列に接続するステップ、第1のメモリスティブ要素を介して第1の制御量を第1のトランジスタの制御電極に印加するステップを有することが企図されている。これにより、第1のトランジスタの制御電極と関連付けられた容量のための充電電流は、メモリスティブ要素により、例えば第1の入力量の意味において制限可能である。
【0011】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、第1のメモリスティブ要素を第1のトランジスタの負荷区間に直列に、例えば第1のトランジスタのソース電極と第1の基準電位、例えば接地電位との間に接続するステップ、第1の制御量を第1のトランジスタの制御電極に印加、例えば直接的に印加するステップを有することが企図されている。この構成でも、第1のトランジスタの制御電極と関連付けられた容量のための充電電流が、メモリスティブ要素により、例えば第1の入力量の意味において制限可能である。
【0012】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、第1の電界効果トランジスタの制御電極と関連付けられた容量を充電するための充電電流を、例えば充電機構を使って提供するステップを有することが企図されている。
【0013】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、第2の入力量をベースとして入力電圧を提供するステップと、任意選択で例えば設定可能な抵抗、例えば第1のメモリスティブ要素を介して、第1のトランジスタの制御電極に入力電圧を印加するステップと、任意選択で、第1の電界効果トランジスタの制御電極と関連付けられた容量を少なくとも一時的に充電するステップとを有することが企図されている。さらなる例示的な実施形態では、設定可能な抵抗、例えば第1のメモリスティブ要素を介した充電により、容量の充電に関する(したがって例えば、トランジスタの負荷区間の低抵抗状態への転換に関する)時間応答が調整可能である。これに加え、充電に関する時間応答は、例えば第2の入力量をベースとして選択可能な入力電圧に依存する。
【0014】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、(例えば第1の電界効果トランジスタの制御電極と関連付けられた容量の充電以降で考察された)第1の電界効果トランジスタの負荷区間を通る電流が設定可能な第1の閾値を上回る第1の時点を確定するステップ、第1の時点をベースとして第1の出力量を確定するステップを有することが企図されている。
【0015】
言い換えれば、実施形態に基づく原理を適用して、例えば乗算a*b=c(*は(「スカラー」)乗算演算子)は、第1のトランジスタを使用して評価可能であり、これに関し、因数aは、例えば第1の入力量(例えば、第1のメモリスティブ要素のプログラミングされた抵抗値またはプログラミングされた導電率)に相当し、かつ因数bは、例えば第2の入力量(例えば、第1のトランジスタの制御電極と関連付けられた容量を充電するための入力電圧)に相当する。
【0016】
それに応じて、さらなる例示的な実施形態では、第1のトランジスタの負荷区間を通る電流が設定可能な第1の閾値を上回る第1の時点に、乗算a*b=cの結果に関する、つまり積cに関する設定可能な値が割り当てられ得る。同等の様式で、さらなる例示的な実施形態では、(例えば充電工程の開始後に算定された)異なる時点に、積cに関するそれぞれ異なる結果値を割り当てることができ、したがって、さらなる例示的な実施形態では、例えば第1の時点のある特定の値をベースとして、これと対応している積cに関する結果値が類推され得る。
【0017】
言い換えれば、さらなる例示的な実施形態では、時間測定を実行することができ、この時間測定をベースとして積cが確定可能である。これは、さらなる例示的な実施形態では、時間測定が、現在使える技術で非常に効率的におよび/または精密に実行可能なので、有利である。
【0018】
さらなる例示的な実施形態では、設定可能な第1の閾値は、以下の要素、すなわちa)第1のトランジスタの飽和電流、b)例えば負荷区間に直列接続された少なくとも1つの制限抵抗を使って、第1のトランジスタの負荷区間を通る電流がそれに制限可能および/または制限されている制限電流、c)任意の設定可能な電流値、の少なくとも1つに相当することが企図されている。
【0019】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、第1の制御量による第1のトランジスタの制御電極の印加の開始と、第1のトランジスタの負荷区間を通る電流が閾値、例えば設定可能な第1の閾値を上回る時点、例えば第1の時点との間の第1の時間差を確定するステップと、例えば可能な乗算結果c=a*bへの可能な時間差の割り当てを使用し、第1の時間差をベースとして第1の出力量を確定するステップとを有することが企図されている。
【0020】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、負荷区間に直列接続された少なくとも1つの制限抵抗を使って、第1のトランジスタの負荷区間を通る電流を制限するステップを有することが企図されている。
【0021】
さらなる例示的な実施形態では、処理装置が、少なくとも1つのさらなるトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有し、第1のトランジスタおよび少なくとも1つのさらなるトランジスタの負荷区間のそれぞれの第1の端子が、第1の回路節点と接続されており、この場合、本方法は、少なくとも1つのさらなるトランジスタを、少なくとも1つのさらなるトランジスタと関連付けられた第1の入力量の特徴をなしているそれぞれのさらなるメモリスティブ要素と共に提供し、このそれぞれのさらなるメモリスティブ要素を使って、少なくとも1つのさらなるトランジスタの制御電極と関連付けられた容量の充電電流に影響を及ぼし得るステップ、それぞれのさらなるトランジスタと関連付けられた第2の入力量の特徴をなしているそれぞれの第1の制御量を少なくとも1つのさらなるトランジスタのそれぞれの制御電極に印加するステップ、第1の回路節点と関連付けられた電流の経時的推移の特徴をなしている第2の量をベースとして、例えばそれぞれの第1の入力量とそれぞれの第2の入力量とのそれぞれの積の合計の特徴をなしている第1の出力量を確定するステップを有し、これに関しては例えば、第2の量は、以下の要素、すなわちa)第1の回路節点と関連付けられた電流自体、b)少なくとも第1の回路節点と関連付けられた電流をベースとして確定可能な電圧、の少なくとも1つであることが企図されている。これに伴って、さらなる例示的な実施形態では、例えばMAC(multiply and accumulate、乗累算)タイプの計算が可能であり、この場合、第1のトランジスタおよび少なくとも1つのさらなる例えば第2のトランジスタが、例えばそれぞれ乗算を、例えば上で例示的に説明した実施形態に倣って実行する。累算、例えば足し算は、ここでは例えば、両方のトランジスタのそれぞれの負荷区間を第1の回路節点に接続することによって、つまり例えば、両方のトランジスタの電流の足し算によって行われる。
【0022】
上で挙げた構成では、例えば、第1のトランジスタにより、第1の積c1=a1*b1を、因数a1、b1(例えば、第1のメモリスティブ要素に関する相応の抵抗値のプログラミングおよび/または第1のトランジスタの例えば真性容量を充電するための相応の入力電圧の設定によって実現可能)をベースとして確定することができ、かつ第2のトランジスタにより、第2の積c2=a2*b2を、因数a2、b2(例えば、第2のメモリスティブ要素に関する相応の抵抗値のプログラミングおよび/または第2のトランジスタの例えば真性容量を充電するための相応の入力電圧の設定によって実現可能)をベースとして確定することができ、この場合、累算、例えば足し算、c1+c2は、第1の回路節点で、両方のトランジスタの負荷区間を通るそれぞれの負荷電流を組み合わせることによって実行可能である。1つより多くのトランジスタを備えた例示的な実施形態でも、第2の量と、1つまたは複数の相応の閾値が第2の量によって上回られる時点の場合に応じてなされた割り当てとをベースとして、MAC計算の結果c1+c2が類推され得る。
【0023】
さらなる例示的な実施形態では、処理装置が、n個(n>1)のトランジスタを、それぞれ割り当てられたメモリスティブ要素と共に有し、n個のトランジスタの負荷区間のそれぞれの第1の端子が、回路節点、例えば第1の回路節点と接続されており、この場合、本方法は、第kのトランジスタ(k=1、...、n)(例えば全てのn個のトランジスタ)を、第kのトランジスタと関連付けられたそれぞれの第1の入力量の特徴をなしている第kのメモリスティブ要素と共に提供するステップ、第kのトランジスタと関連付けられたそれぞれの第2の入力量の特徴をなしている第kの制御量を第kのトランジスタ(例えば全てのn個のトランジスタ)の(それぞれの)制御電極に印加するステップ、第1の回路節点と関連付けられた電流の経時的推移の特徴をなしている量または第2の量をベースとして、例えばそれぞれの第1の入力量とそれぞれの第2の入力量とのk個の積の合計の特徴をなしている第1の出力量を確定するステップを有することが企図されている。したがって、さらなる例示的な実施形態では、実施形態に基づく原理が、任意の数nのトランジスタへと拡張可能であり、これにより例えば、例えば最大n個の積の形成および例えば最大n個の積の累算を可能にするMAC計算が可能である。このような計算は、さらなる例示的な実施形態では、例えば人工(ディープ)ニューラルネットワーク((D)NN)の評価(推論)に使用され得る。
【0024】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、開始時点に、第1の制御量による第1のトランジスタの制御電極の印加を開始するステップ、例えば開始時点以降の設定可能な時間中に繰り返し、例えば周期的に、例えば連続的に第2の量を確定するステップを有することが企図されている。
【0025】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、設定可能な時点に、第2の量の変化を確定し、例えばこの設定可能な時点がそれぞれ、それぞれの第1の入力量に関するおよび/またはそれぞれの第2の入力量に関する可能な値と関連付けられているステップと、第2の量の確定された変化に重み付けし、重み付けされた変化が得られるステップと、任意選択で、第2の量の重み付けされた変化を合計することで第1の出力量を確定するステップとを有することが企図されている。
【0026】
さらなる例示的な実施形態では、第2の量の確定されるべき変化と見なされ得るのは、例えば、使用されるトランジスタの少なくとも1つの、高抵抗状態から低抵抗状態への移行と関連付けられている変化である。さらなる例示的な実施形態では、例えば、使用されるトランジスタの少なくとも1つの負荷区間を通る最大電流が100nAである場合、第2の量の変化は約100nAの範囲内で考慮され得る。さらなる例示的な実施形態では、例えば、使用されるトランジスタのどれも前記の100nAより相応に低い最大電流を有さない場合に限り、第2の量の例えば100nAより明らかに小さい変化は考慮されないままでよい。
【0027】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、例えば設定可能な停止基準が満たされるまで、確定および重み付けを繰り返すステップを有することが企図されている。
さらなる例示的な実施形態では、停止基準は、例えば、使用されるトランジスタの数をベースとして、ならびに/または使用されるトランジスタの少なくとも1つのそれぞれの第1および/もしくは第2の入力量をベースとして設定可能な、設定可能な最大測定時間が過ぎることである。
【0028】
さらなる例示的な実施形態では、停止基準は、第2の量が、例えば処理装置の構成(例えばトランジスタの数)に応じた最大値を有する場合に満たされている(例えば第1の節点での最大電流は、例えば全てのトランジスタが低抵抗である状態に相当する)。
【0029】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、(例えば第2の量の変化と関連付けられた)設定可能な時点を、それぞれの第1の入力量に関するおよび/またはそれぞれの第2の入力量に関する可能な値に割り当てるステップを有することが企図されている。
【0030】
さらなる例示的な実施形態は、実施形態に基づく方法を実行するための装置に関する。
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、少なくとも1つの第1のトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する処理装置を有し、例えば処理装置がn個(n>1)のトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有することが企図されている。
【0031】
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、少なくとも1つのトランジスタのための充電電流を提供するために少なくとも1つの充電機構を有することが企図されている。
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、以下の量、すなわちa)第1の量、b)第2の量、の少なくとも1つを確定するために、少なくとも1つの測定機構、例えばアナログ/デジタル変換器、例えば電流ベースのアナログ/デジタル変換器を有することが企図されている。
【0032】
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、以下の要素、すなわちa)本装置の少なくとも1つのコンポーネントのコントロール、b)実施形態に基づく方法の少なくとも1つの態様の実行、の少なくとも1つを実行するために形成されているコントロール機構を有することが企図されている。
【0033】
さらなる例示的な実施形態は、実施形態に基づく少なくとも1つの装置を有する計算機構、例えばベクトル行列乗算機構に関する。
さらなる例示的な実施形態は、以下の要素、すなわちa)例えばそれぞれ複数ビットを有し得る例えば重みおよび/または入力量を用いたCompute-in-Memory法の実行、b)人工ニューラルネットワーク、例えば人工ディープニューラルネットワーク、c)画像処理、d)計算の効率的な実行、e)計算の実行に関する効率の向上、f)自動運転、g)機械学習、例えば推論、の少なくとも1つのための、実施形態に基づく方法および/または実施形態に基づく装置および/または実施形態に基づく計算機構の使用に関する。
【0034】
本発明のさらなる特徴、適用可能性、および利点は、図面の図に示した本発明の例示的実施形態の以下の説明から明らかである。これに関し、全ての説明されるまたは図示される特徴は、請求項またはその関連部分でのまとまりとは関係なく、および明細書または図面での表現または表示とは関係なく、単独でまたは任意の組合せで、本発明の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図2】例示的な実施形態に基づく簡易ブロック図を概略的に示す図である。
【
図3】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図4】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図5】例示的な実施形態に基づく簡易回路図を概略的に示す図である。
【
図6】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図7】例示的な実施形態に基づく簡易回路図を概略的に示す図である。
【
図8】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図9】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図10】例示的な実施形態に基づく簡易回路図を概略的に示す図である。
【
図11】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図12】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図13】例示的な実施形態に基づく簡易回路図を概略的に示す図である。
【
図14】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図15】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図16】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図17】例示的な実施形態に基づく簡易タイミング図を概略的に示すグラフである。
【
図18】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図19】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易ブロック図を概略的に示す図である。
【
図20】例示的な実施形態に基づく簡易ブロック図を概略的に示す図である。
【
図21】例示的な実施形態に基づく使用の態様を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
例示的な実施形態(
図1および
図2を参照)は、少なくとも1つの第1のトランジスタ110-1、例えば電界効果トランジスタを有する処理装置100(
図2)を使って入力量を処理するための方法であって、第1のトランジスタ110-1を、第1のトランジスタ110-1と関連付けられた第1の入力量E1の特徴をなしている第1のメモリスティブ要素MR-1と共に提供200し、この第1のメモリスティブ要素MR-1を使って、第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aと関連付けられた容量C-1aの充電電流I-L1に影響を及ぼし得るステップ、第1のトランジスタ110-1と関連付けられた第2の入力量E2の特徴をなしている第1の制御量AG-1を第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aに印加202するステップ、第1のトランジスタ110-1の負荷区間110-1-LSを通る電流I-LSの経時的推移の特徴をなしている第1の量G1をベースとして、第1の入力量E1と第2の入力量E2との少なくとも1つの積の特徴をなしている第1の出力量A1を確定204するステップを有する、方法に関する。したがって、さらなる例示的な実施形態では、例えば第1の入力量E1と第2の入力量E2との積を、第1のトランジスタ110-1を使用して確定することができ、この両方の入力量E1、E2の少なくとも1つはアナログ(つまり例えば連続値)であり得る。
【0037】
さらなる例示的な実施形態では、第1のトランジスタは、例えば電界効果トランジスタであり、例えばMOS(金属酸化物半導体)タイプの、つまりMOSFET、例えばNMOSタイプの電界効果トランジスタである。さらなる例示的な実施形態では、その他のタイプも使用可能である。
【0038】
さらなる例示的な実施形態では、実施形態に基づく原理が、上で例示的に挙げた電界効果トランジスタ、例えばMOSFETとは違うトランジスタタイプにも適用可能である。以下では、分かりやすくする理由から、および一般性を制限することなく、しかしながら例示的に、電界効果トランジスタの使用を前提とする。したがって、制御電極110-1aは例えばゲート電極であり、負荷区間110-1-LSは例えばドレイン・ソース区間である。
【0039】
さらなる例示的な実施形態では、第1のメモリスティブ要素MR-1は、例えば以下のタイプ、すなわちa)メモリスタ、b)RRAM(抵抗変化型メモリ)、c)PCM(相変化メモリ)、のメモリスティブ要素である。
【0040】
さらなる例示的な実施形態では、メモリスティブ要素MR-1の電気抵抗は、例えばプログラミングによって設定可能であり、これにより、メモリスティブ要素に第1の入力量E1に関する値を割り当てることができ、この値が、上で既に説明したように、制御電極110-1aと関連付けられた容量C-1aの充電電流I-L1に影響を与える。例えば、第1のメモリスティブ要素MR-1は、第1の入力量E1の値に基づいて、例えば第1のトランジスタ110-1のミラー容量のための充電電流I-L1を制限することができ、したがって例えば、第1のトランジスタ110-1のアクティブ化(非導通状態から導通状態への切替)に関し、ミラー容量および第1の入力量E1の値に依存する時間応答を実現し得る。
【0041】
さらなる例示的な実施形態では、第1の量G1は、以下の要素、すなわちa)負荷区間110-1-LSを通る電流I-LS自体、b)少なくとも負荷区間110-1-LSを通る電流I-LSをベースとして確定可能な電圧U-I-LS、の少なくとも1つであることが企図されている。
【0042】
さらなる例示的な実施形態、
図3では、本方法は、以下の要素、すなわちa)第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aと関連付けられた容量としての、第1のトランジスタ110-1の真性容量および/または寄生容量C-1a、例えば上で既に例示的に挙げたミラー容量の使用210、b)第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aと関連付けられた容量C-1aのための、例えば、容量または真性容量に追加的な、外部の例えば非真性容量C-1a’の提供212、の少なくとも1つを有することが企図されている。
【0043】
したがって、さらなる例示的な実施形態では、例えば真性ミラー容量の代わりにまたはそれに加えて、例えば設定可能な容量値を調整するために、制御電極110-1aにさらなる容量C-1a’が割り当てられ得る。さらなる例示的な実施形態では、製造プロセス中に、製造技術上の制約の範囲内で、真性容量を適合することも可能である。さらなる例示的な実施形態では、上で説明した容量C-1aの充電により、第1のトランジスタ110-1の規定のアクティブ化、つまり例えば、第1のトランジスタ110-1の例えば遮断(高抵抗)状態から導通(低抵抗)状態への転換が可能である。
【0044】
さらなる例示的な実施形態、
図4、
図5では、本方法は、第1のメモリスティブ要素MR-1を第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aに直列に接続215するステップ、第1のメモリスティブ要素MR-1を介して第1の制御量AG-1を第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aに印加216するステップを有することが企図されている。これにより、第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aと関連付けられた容量C-1aのための充電電流I-L1(
図2)は、第1のメモリスティブ要素MR-1により、例えば第1の入力量E1の意味において制限可能である。
【0045】
さらなる例示的な実施形態、
図5では、任意選択の電流制限抵抗R-1が、例えば負荷区間110-1-LSに直列接続されて設けられていることが企図されている。任意選択の電流制限抵抗R-1は、例えば、第1のトランジスタ110-1が電流I-LSを既に内的には制限しない場合に使用可能である。さらなる例示的な実施形態では、任意選択の電流制限抵抗R-1の代わりにまたはそれに加えて、前記の電流制限を引き起こすために、例えば第1の制御量AG-1に関する値域を制限してもよい。
【0046】
さらなる例示的な実施形態では、
図5に基づく例示的な構成により、第1のトランジスタの出力電流が効率的におよび例えば比較的精密に調整され得る。
さらなる例示的な実施形態では、
図5に基づく例示的な構成により、第1の制御量AG-1および第1のメモリスティブ要素MR-1の導電率をベースとして、例えば第1の制御量AG-1と第1のメモリスティブ要素MR-1の導電率との積として、MAC計算が可能である。
【0047】
さらなる例示的な実施形態、
図6、
図7では、本方法は、第1のメモリスティブ要素MR-1を第1のトランジスタ110-1の負荷区間110-1-LSに直列に、例えば第1のトランジスタ110-1のソース電極110-1-bと第1の基準電位BP-1、例えば接地電位との間に接続218するステップ、第1の制御量AG-1を第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aに印加、例えば直接的に印加219するステップを有することが企図されている。この構成でも、第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aと関連付けられた容量C-1a(
図2)のための充電電流I-L1(
図2)は、第1のメモリスティブ要素MR-1により、例えば第1の入力量E1の意味において制限可能である。
【0048】
さらなる例示的な実施形態では、
図7に基づく構成の場合、出力電流I-LSは確かに第1のメモリスティブ要素MR-1によって影響を及ぼされ得るが、このことは、出力電流I-LSの例えば経時的変化を適切に評価すれば、この構成の使用可能性を、(例えばさらなるトランジスタおよび割り当てられたメモリスティブ要素と連携した)例えば乗算またはMAC計算の実行に関し、妨げはしない。
【0049】
さらなる例示的な実施形態、
図8では、本方法は、第1の電界効果トランジスタ110-1の制御電極110-1aと関連付けられた容量C-1aを充電222するための充電電流I-Lを、例えば充電機構12(
図2)を使って提供220するステップを有することが企図されている。
【0050】
さらなる例示的な実施形態、
図9、
図10では、本方法は、第2の入力量E2をベースとして入力電圧V-1を提供230するステップと、任意選択で例えば設定可能な抵抗12b(
図10)、例えば第1のメモリスティブ要素MR-1(
図2)を介して、第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1a(
図10)に入力電圧V-1を印加232するステップと、任意選択で、第1の電界効果トランジスタ110-1の制御電極110-1aと関連付けられた容量C-1aを少なくとも一時的に充電234(
図9)するステップとを有することが企図されている。さらなる例示的な実施形態では、設定可能な抵抗12b、例えば第1のメモリスティブ要素MR-1を介した充電234により、容量C-1aの充電に関する(したがって例えば、第1のトランジスタ110-1の負荷区間の低抵抗状態への転換に関する)時間応答が調整可能である。これに加え、充電に関する時間応答は、例えば第2の入力量E2をベースとして選択可能な入力電圧V-1に依存する。
【0051】
図10からの要素12aは、例示的な実施形態に基づく入力電圧V-1を提供するための電圧源を象徴している。
さらなる例示的な実施形態、
図11では、本方法は、(例えば第1の電界効果トランジスタの制御電極と関連付けられた容量の充電以降で考察された)第1の電界効果トランジスタ110-1の負荷区間110-1-LSを通る電流I-LSが設定可能な第1の閾値を上回る第1の時点t1を確定240するステップ、第1の時点t1をベースとして第1の出力量A1を確定242するステップを有することが企図されている。
【0052】
言い換えれば、実施形態に基づく原理を適用して、例えば乗算a*b=c(*は(「スカラー」)乗算演算子)は、第1のトランジスタ110-1を使用して評価可能であり、これに関し、因数aは、例えば第1の入力量E1(例えば、第1のメモリスティブ要素MR-1のプログラミングされた抵抗値またはプログラミングされた導電率)に相当し、かつ因数bは、例えば第2の入力量E2(例えば、第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aと関連付けられた容量C-1aを充電するための入力電圧V-1)に相当する。
【0053】
それに応じて、さらなる例示的な実施形態では、第1のトランジスタ110-1の負荷区間を通る電流I-LSが設定可能な第1の閾値を上回る第1の時点t1に、乗算a*b=cの結果に関する、つまり積cに関する設定可能な値が割り当てられ得る。同等の様式で、さらなる例示的な実施形態では、(例えば充電工程の開始後に計算される)異なる時点に、積cに関するそれぞれ異なる結果値を割り当てることができ、したがって、さらなる例示的な実施形態では、例えば第1の時点t1のある特定の値をベースとして、これと対応している積cに関する結果値が類推され得る。
【0054】
言い換えれば、さらなる例示的な実施形態では、時間測定を実行することができ、この時間測定をベースとして積cが確定可能である。これは、さらなる例示的な実施形態では、時間測定が、現在使える技術で非常に効率的におよび/または精密に実行可能なので、有利である。
【0055】
さらなる例示的な実施形態では、設定可能な第1の閾値は、以下の要素、すなわちa)第1のトランジスタ110-1の飽和電流、b)例えば負荷区間に直列接続された少なくとも1つの制限抵抗R-1(任意選択で
図5を参照)を使って、第1のトランジスタ110-1の負荷区間を通る電流I-LSがそれに制限可能および/または制限されている制限電流、c)任意の設定可能な電流値、の少なくとも1つに相当することが企図されている。
【0056】
さらなる例示的な実施形態、
図12では、本方法は、第1の制御量AG-1による第1のトランジスタの制御電極の印加の開始と、第1のトランジスタの負荷区間を通る電流が閾値、例えば設定可能な第1の閾値を上回る時点、例えば第1の時点との間の第1の時間差td1を確定250するステップと、例えば可能な乗算結果c=a*bへの可能な時間差の割り当てを使用し、第1の時間差td1をベースとして第1の出力量A1を確定252するステップとを有することが企図されている。
【0057】
さらなる例示的な実施形態、
図12では、本方法は、負荷区間110-1-LSに直列接続された少なくとも1つの制限抵抗R-1(
図5)を使って、第1のトランジスタ110-1の負荷区間110-1-LSを通る電流I-LSを制限260するステップを有することが企図されている。
【0058】
さらなる例示的な実施形態、
図13、
図14では、処理装置100aが、少なくとも1つのさらなるトランジスタ、例えば電界効果トランジスタ(ここでは例示的に2つのさらなる電界効果トランジスタ)110-2、110-3(
図13)を有し、第1のトランジスタ110-1および少なくとも1つのさらなるトランジスタ110-2、110-3の負荷区間のそれぞれの第1の端子LS-1a、LS-2a、LS-3aが、第1の回路節点N1と接続されており、この場合、本方法は、少なくとも1つのさらなるトランジスタ110-2、110-3を、少なくとも1つのさらなるトランジスタ110-2、110-3と関連付けられた第1の入力量の特徴をなしているそれぞれのさらなるメモリスティブ要素MR-2、MR-3と共に提供300(
図14)し、このそれぞれのさらなるメモリスティブ要素MR-2、MR-3を使って、少なくとも1つのさらなるトランジスタ110-2、110-3の制御電極110-2a、110-3aと関連付けられた容量C-1b、C-1cの充電電流に影響を及ぼし得るステップ、それぞれのさらなるトランジスタ110-2、110-3と関連付けられた第2の入力量110-2-E2、110-3-E2の特徴をなしているそれぞれの第1の制御量110-2-AG-1、110-3-AG-1を少なくとも1つのさらなるトランジスタ110-2、110-3のそれぞれの制御電極110-2a、110-3aに印加302するステップ、第1の回路節点N1と関連付けられた電流I-N1の経時的推移の特徴をなしている第2の量G2をベースとして、例えばそれぞれの第1の入力量とそれぞれの第2の入力量とのそれぞれの積の合計の特徴をなしている第1の出力量A1’を確定304するステップを有し、これに関しては例えば、第2の量G2は、以下の要素、すなわちa)第1の回路節点N1と関連付けられた電流I-N1自体、b)少なくとも第1の回路節点N1と関連付けられた電流I-N1をベースとして確定可能な電圧、の少なくとも1つであることが企図されている。これに伴って、さらなる例示的な実施形態では、例えばMAC(multiply and accumulate、乗累算)タイプの計算が可能であり、この場合、第1のトランジスタ110-1および少なくとも1つのさらなる例えば第2のトランジスタ110-2が、例えばそれぞれ乗算を、例えば上で例示的に説明した実施形態に倣って実行する。累算、例えば足し算は、ここでは例えば、両方のトランジスタ110-1、110-2のそれぞれの負荷区間を第1の回路節点N1に接続することによって、つまり例えば、両方のトランジスタ110-1、110-2の電流I-1-LS、I-2-LSの足し算によって行われる。同等のことが、場合によっては存在するさらなるトランジスタ110-3にも当てはまる。
【0059】
上で挙げた構成では、例えば、第1のトランジスタ110-1により、第1の積c1=a1*b1を、因数a1、b1(例えば、第1のメモリスティブ要素MR-1に関する相応の抵抗値のプログラミングおよび/または第1のトランジスタの例えば真性容量を充電するための相応の入力電圧の設定によって実現可能)をベースとして確定することができ、かつ第2のトランジスタ110-2により、第2の積c2=a2*b2を、因数a2、b2(例えば、第2のメモリスティブ要素MR-2に関する相応の抵抗値のプログラミングおよび/または第2のトランジスタの例えば真性容量を充電するための相応の入力電圧の設定によって実現可能)をベースとして確定することができ、この場合、累算、例えば足し算、c1+c2は、第1の回路節点N1で、両方のトランジスタの負荷区間を通るそれぞれの負荷電流を組み合わせることによって実現可能である。1つより多くのトランジスタを備えた例示的な実施形態でも、第2の量G2と、1つまたは複数の相応の閾値が第2の量G2によって上回られる時点の場合に応じてなされた割り当てとをベースとして、MAC計算の結果c1+c2が類推され得る。
【0060】
図13に基づく要素12-1a、12-2a、12-3aは、それぞれ第2の入力量E2、110-2-E2、110-3-E2の特徴をなしている電圧源を象徴している。
図13に基づく要素12cは、任意選択の動作電圧供給部を象徴している。
【0061】
さらなる例示的な実施形態、
図13では、処理装置100aが、n(ここでは例示的にn=3)個(n>1)のトランジスタ110-1、110-2、110-3を、それぞれ割り当てられたメモリスティブ要素MR-1、MR-2、MR-3と共に有し、n個のトランジスタ110-1、110-2、110-3の負荷区間のそれぞれの第1の端子LS-1a、LS-2a、LS-3aが、回路節点、例えば第1の回路節点N1と接続されており、この場合、本方法は、第kのトランジスタ(k=1、...、n)(例えば全てのn個のトランジスタ)を、第kのトランジスタと関連付けられたそれぞれの第1の入力量の特徴をなしている第kのメモリスティブ要素と共に提供するステップ、第kのトランジスタと関連付けられたそれぞれの第2の入力量の特徴をなしている第kの制御量を第kのトランジスタ(例えば全てのn個のトランジスタ)の(それぞれの)制御電極に印加するステップ、第1の回路節点と関連付けられた電流の経時的推移の特徴をなしている量または第2の量をベースとして、例えばそれぞれの第1の入力量とそれぞれの第2の入力量とのk個の積の合計の特徴をなしている第1の出力量を確定するステップを有することが企図されている。したがって、さらなる例示的な実施形態では、実施形態に基づく原理が、任意の数nのトランジスタへと拡張可能であり、これにより例えば、例えば最大n個の積の形成および例えば最大n個の積の累算を可能にするMAC計算が可能である。このような計算は、さらなる例示的な実施形態では、例えば人工(ディープ)ニューラルネットワーク((D)NN)の評価(推論)に使用され得る。
【0062】
さらなる例示的な実施形態、
図15では、本方法は、開始時点t01に、第1の制御量AG-1による第1のトランジスタ110-1の制御電極110-1aの印加302を開始310するステップ、例えば開始時点t01以降の設定可能な時間中に繰り返し、例えば周期的に、例えば連続的に第2の量G2を確定312するステップを有することが企図されている。
【0063】
これについて
図17は、例えばそれぞれ割り当てられたメモリスティブ要素MR-1、MR-2、MR-3を備えた3つの電界効果トランジスタ(FET)110-1、110-2、110-3を有する
図13に基づく処理装置100aで生じ得るような、第1の回路節点N1を通る電流I-N1の経時的推移を、および割り当てられた結果値“9”、“6”、“4”、“3”、“2”、“1”を例示的な実施形態に基づく帰属の時点t02、t03、t04、t05、t06、t07と共に、概略的に示している。
図17からは例えば、電流I-N1が、開始時点t01と時点t02の間で比較的強く上昇することが認識可能であり、例えば3つの可能な振幅段AS1、AS2、AS3(縦軸を参照)の2つに相当し(
図17では値AS2)、これは例えば、
図13に基づく3つのFETの2つが、時間間隔(t01,t02)内に遮断状態から導通状態へ移行した結果として生じている。例えば
図13に基づくFETの負荷区間を通るそれぞれの電流が、例えば、見やすくする理由から例えば
図13では図示していないそれぞれの制限抵抗R-1を使って、例えば100nAの設定値に制限される場合に限り、例えば振幅段AS1、または2つの隣接する振幅段の差AS2-AS1、AS3-AS2は、例示的な100nAに相当する。
【0064】
したがって、時間間隔(t01,t02)内の例示的な電流上昇は、MAC計算の結果への寄与「2*9」と解釈でき、これに関し値9は、時点t02(第2の振幅段AS2の達成)への値“9”の割り当てから生じており、かつ因数「2」は、時間間隔(t01,t02)内の電流上昇が、2つの振幅段、つまりゼロ~AS2に相当するという事実から生じている。
【0065】
さらなる電流上昇は、
図17によれば、時間間隔(t05,t06)内で後にようやく発生し、しかも1つの振幅段の、つまりここでは例示的に最大限可能な第3の振幅段AS3への電流上昇(例えば、全ての3つのFeFET110-1、110-2、110-3を通る電流の、それぞれ100nAへの制限に基づく)が発生する。したがって、時間間隔(t05,t06)内の例示的な電流上昇は、例えば、MAC計算の結果への寄与「1*2」と解釈でき、これに関し値2は、時点t06(第3の振幅段AS3の達成)への値“2”の割り当てから生じており、かつ因数「1」は、時間間隔(t05,t06)内の電流上昇が、1つの振幅段、つまりAS2~AS3に相当するという事実から生じている。
【0066】
さらなる例示的な実施形態では、MAC計算の結果は、つまり2*9+1*2=20と解釈され得る。
さらなる例示的な実施形態、
図16では、本方法は、設定可能な時点に、第2の量G2の変化G2’を確定320し、例えばこの設定可能な時点がそれぞれ、それぞれの第1の入力量E1に関するおよび/またはそれぞれの第2の入力量E2に関する可能な値と関連付けられているステップと、第2の量G2の確定された変化G2’に重み付け322し、重み付けされた変化G2”が得られるステップと、任意選択で、第2の量G2の重み付けされた変化G2”を合計することで第1の出力量A1”を確定324するステップとを有することが企図されている。
【0067】
さらなる例示的な実施形態では、第2の量G2の確定されるべき変化と見なされ得るのは、例えば、使用されるトランジスタ110-1、110-2、...の少なくとも1つの、高抵抗状態から低抵抗状態への移行と関連付けられている変化である。さらなる例示的な実施形態では、例えば、使用されるトランジスタの少なくとも1つの負荷区間を通る最大電流が100nAである場合、第2の量G2の変化は約100nAの範囲内で考慮され得る。さらなる例示的な実施形態では、例えば、使用されるトランジスタのどれも前記の100nAより相応に低い最大電流を有さない場合に限り、第2の量G2の例えば100nAより明らかに小さい変化は考慮されないままでよい。
【0068】
さらなる例示的な実施形態、
図16では、本方法は、例えば設定可能な停止基準が満たされるまで、確定320および重み付け322を繰り返す323ステップを有することが企図されている。
【0069】
さらなる例示的な実施形態では、停止基準は、例えば、使用されるトランジスタ110-1、110-2、...の数をベースとして、ならびに/または使用されるトランジスタの少なくとも1つのそれぞれの第1および/もしくは第2の入力量をベースとして設定可能な、設定可能な最大測定時間が過ぎることである。
【0070】
さらなる例示的な実施形態では、停止基準は、第2の量G2が、例えば処理装置100、100aの構成(例えばトランジスタの数)に応じた最大値を有する場合に満たされている(例えば第1の節点N1での最大電流は、例えば全てのトランジスタが低抵抗である状態に相当する)。
【0071】
さらなる例示的な実施形態、
図18では、本方法は、(例えば第2の量G2の変化と関連付けられた)設定可能な時点t02、t03、...(
図17)を、それぞれの第1の入力量に関するおよび/またはそれぞれの第2の入力量に関する可能な値“9”、“6”、...に割り当てる330ステップを有することが企図されている。これに関しては
図18に基づき、例えば割り当てZUORDが生じ、この割り当てZUORDは、任意選択で後にMAC計算の実行のために使用可能である(任意選択のブロック332を参照)。
【0072】
さらなる例示的な実施形態では、例えば因数a、bの少なくとも1つがゼロ、つまりa=0および/またはb=0である場合、乗算a*b=cの結果として、値ゼロ、つまりc=0も発生し得る。
【0073】
例示的に、因数a(第1の入力量E1に相当)が値ゼロを有し得るのは、印加202、302の際、つまり容量C-1a(
図2)の充電中に、ゲート・ソース電圧の経時的推移が、測定時間内には、つまり例えば当該測定の終了前には相応の閾値に達しないような値に、第1のメモリスティブ要素MR-1の抵抗がプログラミングされる場合である。
【0074】
例示的に、入力電圧V-1が値ゼロを有する場合、因数b(第2の入力量E2に相当)は値ゼロを有し得る。このとき容量C-1aの充電は行われず、かつ当該FETは(例えばまったく)導通せず、したがって測定中に電流寄与をもたらすこともない。
【0075】
さらなる例示的な実施形態、
図2は、実施形態に基づく方法を実行するための装置1000に関する。
さらなる例示的な実施形態では、装置1000は、少なくとも1つの第1のトランジスタ110-1、例えば電界効果トランジスタを有する処理装置100、100aを有し、例えば処理装置100、100aがn個(n>1)のトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有することが企図されている。
【0076】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、本装置は、少なくとも1つのトランジスタ110-1のための充電電流を提供するために少なくとも1つの充電機構12を有することが企図されている。
【0077】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、装置1000は、以下の量、すなわちa)第1の量G1、b)第2の量G2、の少なくとも1つを確定するために、少なくとも1つの測定機構20、例えばアナログ/デジタル変換器、例えば電流ベースのアナログ/デジタル変換器を有することが企図されている。
【0078】
第1および/または第2の量が、電圧U-I-LSの形態で存在している場合に限り、例えば、測定機構20は、電圧U-I-LSをデジタル(時間離散型および/または値離散型)信号に変換するためのアナログ/デジタル変換器として形成されていてもよい。
【0079】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、装置1000は、以下の要素、すなわちa)装置1000の少なくとも1つのコンポーネント(例えば12および/または20)のコントロール、b)実施形態に基づく方法の少なくとも1つの態様の実行、の少なくとも1つを実行するために形成されているコントロール機構400を有することが企図されている。
【0080】
図19は例示的に、さらなる例示的な実施形態に基づくコントロール機構400の構成を示している。
例示的に、コントロール機構400は、少なくとも1つの計算コア(不図示)を備えた計算機構(「コンピュータ」)402を有し、計算機構402に割り当てられたメモリ機構404を、以下の要素、すなわちa)データDAT(例えば装置1000または処理装置100の少なくとも1つのコンポーネントと関連付けられたデータ、例えば第1の入力量E1に関する可能な値および/または第2の入力量E2に関する可能な値および/または割り当てZUORDおよび/またはその時々の構成についてのデータ(例えば、メモリスティブ要素MR-1、MR-2、MR-3がその時々にどのようにプログラミングされているか、および/または入力電圧V-1、V-2、...にどの値がその時々に提供されるか、の特徴をなしている))、b)例えば実施形態に基づく方法を実行するためのコンピュータプログラムPRG、の少なくとも1つを少なくとも一時的に記憶するために有する。
【0081】
さらなる例示的な実施形態では、メモリ機構404は、揮発性メモリ(例えばメインメモリ(RAM))404a、および/もしくは不揮発性(NVM)メモリ(例えばフラッシュEEPROM)404b、またはこれらの組合せもしくはその他の明確には挙げていないメモリタイプとの組合せを有する。
【0082】
その代わりにコントロール機構400は、例えばASIC(特定用途向け集積回路)として、および/もしくはプログラミング可能な論理回路、例えばFPGAとして、および/もしくはマイクロコントローラとして、および/もしくはデジタルシグナルプロセッサとして、および/もしくは例えば行列算術演算のためのアクセラレータ回路として、および/もしくは例えば純粋なハードウェア回路、例えばデジタル回路として形成されていてもよく、かつ/またはこれらの要素の少なくとも1つを有し得る。
【0083】
さらなる例示的な実施形態、
図19は、コンピュータ402によって実行される際にコンピュータ402に実施形態に基づく方法を実行させる命令PRG’を含むコンピュータ可読のメモリ媒体SMに関する。
【0084】
さらなる例示的な実施形態は、コンピュータ402によるプログラムPRGの実行時にコンピュータ402に実施形態に基づく方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラムPRGに関する。
【0085】
さらなる例示的な実施形態はデータキャリア信号DCSに関し、データキャリア信号DCSは、実施形態に基づくコンピュータプログラムPRGの特徴をなしており、かつ/または実施形態に基づくコンピュータプログラムPRGを伝送する。データキャリア信号DCSは、例えば、装置400の任意選択のデータインターフェイス406を介して受信可能である。
【0086】
さらなる例示的な実施形態、
図20は、実施形態に基づく少なくとも1つの装置1000を有する計算機構、例えばベクトル行列乗算機構VMMに関する。
さらなる例示的な実施形態、
図21は、以下の要素、すなわちa)例えばそれぞれ複数ビットを有し得る例えば重みおよび/または入力量E1、E2を用いたCompute-in-Memory法の実行501、b)人工ニューラルネットワーク502、例えば人工ディープニューラルネットワーク503、c)画像処理504、d)計算の効率的な実行505、e)計算の実行に関する効率の向上506、f)自動運転507、g)機械学習508、例えば推論、の少なくとも1つのための、実施形態に基づく方法および/または実施形態に基づく装置1000および/または実施形態に基づく計算機構VMMの使用500に関する。
【0087】
助成および支援についての情報
本出願に至ったプロジェクトは、合同事業ECSEL(JU)の助成金協定No.826655の枠組みの中で助成された。このJUは、欧州連合およびベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、スイスの、研究およびイノベーションプログラム ホライズン2020による支援を得ている。
【外国語明細書】