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▶ シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133031
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/38 20060101AFI20240920BHJP
   H01H 50/54 20060101ALI20240920BHJP
   H01H 50/14 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01H50/38 G
H01H50/54 E
H01H50/14 C
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024041322
(22)【出願日】2024-03-15
(31)【優先権主張番号】202310262205.6
(32)【優先日】2023-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518215954
【氏名又は名称】シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Hongfa Electric Power Controls Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.93 Yinong Road, Haicang District, Xiamen, Fujian 361027,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ウェングアン ダイ
(72)【発明者】
【氏名】リジ ス
(72)【発明者】
【氏名】モン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ソンシェン チェン
(72)【発明者】
【氏名】フォンジュ シエ
(57)【要約】
【課題】本発明は、電力機器の技術分野に関し、リレーを提供する。
【解決手段】このリレーは、接点アセンブリとを含み、接点アセンブリは、可動接触子と一対の固定接点引出端とを含み、可動接触子は、一対の固定接点引出端に接触または離間するために使用される。固定接点引出端と可動接触子が互いに近接する側の少なくとも一方には内側接触部が設けられ、固定接点引出端と可動接触子との間は内側接触部のみによって接触され、内側接触部は一対の固定接点引出端の互いに近接する側に設置され、固定接点引出端と可動接触子との間の接触位置が、できるだけ可動接触子の中心の収縮電流領域に近づけ、また、固定接点引出端の内側に集中させることで、収縮領域のサイズを小さくして電動反発力を低減し、固定接点引出端と可動接触子が互いに弾けることによるアーク燃焼のリスクを軽減し、安全性を向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接点アセンブリを含むリレーであって、
前記接点アセンブリは、可動接触子と一対の固定接点引出端とを含み、前記可動接触子は、一対の前記固定接点引出端に接触または離間するために使用され、
前記固定接点引出端と前記可動接触子が互いに近接する側の少なくとも一方には、内側接触部が設けられ、前記固定接点引出端と前記可動接触子との間は前記内側接触部のみによって接触され、前記内側接触部は、一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に設けられている
ことを特徴とするリレー。
【請求項2】
前記内側接触部は、一対の前記固定接点引出端の中心線の間に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項3】
前記可動接触子に対する前記内側接触部の投影は、前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の底部の投影より小さい
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項4】
前記固定接点引出端は、前記可動接触子に近い一端の底部に凹溝が設けられ、前記内側接触部は、前記固定接点引出端のうちに前記凹溝が設けられていない部分であり、且つ一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項5】
前記凹溝の断面形状は、円形、楕円形、長円孔形及び多角形のいずれかであるか、または、
前記凹溝は、前記固定接点引出端に設けられ、前記可動接触子の幅方向に沿った貫通溝構造である
ことを特徴とする請求項4に記載のリレー。
【請求項6】
前記可動接触子の長さは、一対の前記固定接点引出端に対応する前記凹溝の外側縁間の距離未満である
ことを特徴とする請求項4に記載のリレー。
【請求項7】
前記内側接触部は、前記可動接触子の前記固定接点引出端に近い側に凸設されたボスであり、前記ボスの少なくとも一部は、一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項8】
前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の底部の投影面積は、前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の中央部の投影面積以下である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のリレー。
【請求項9】
前記可動接触子は、スラスト部と、2つの延長部とを含み、
前記スラスト部は、前記可動接触子に対する一対の前記固定接点引出端の投影の間に設けられ、
前記2つの延長部は、前記スラスト部の両側に設けられ、一対の前記固定接点引出端に対応して接触しており、
基準面に対する前記内側接触部の投影は、前記基準面に対する前記延長部の投影よりも小さく、前記基準面は前記スラスト部の上面が位置する面である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のリレー。
【請求項10】
前記延長部は、テーパ構造であり、
前記内側接触部が一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に近づくように、
前記延長部の小端部は、前記スラスト部から遠ざかるように配置されている
ことを特徴とする請求項9に記載のリレー。
【請求項11】
前記延長部は、少なくとも前記固定接点引出端に向かう側が円弧状構造であり、前記内側接触部は、一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に近接している
ことを特徴とする請求項9に記載のリレー。
【請求項12】
前記可動接触子の幅方向に沿って、前記内側接触部の両側は平行に配置されている
ことを特徴とする請求項11に記載のリレー。
【請求項13】
前記固定接点引出端の軸方向に沿って、前記スラスト部の両側は平面構造である
ことを特徴とする請求項9に記載のリレー。
【請求項14】
少なくとも前記スラスト部の前記固定接点引出端に近い側に設けられた耐短絡アセンブリをさらに含む
ことを特徴とする請求項10に記載のリレー。
【請求項15】
前記耐短絡アセンブリは、
前記スラスト部の前記固定接点引出端に近い側に設けられた上部導磁体と、
前記スラスト部の前記固定接点引出端から遠い側に設けられた下部導磁体とを含み、
前記上部導磁体と前記下部導磁体との間には磁気回路が形成され、前記可動接触子に故障大電流が流れると、吸引力を発生させて、前記可動接触子と前記固定接点引出端との間の電動反発力に抵抗する
ことを特徴とする請求項14に記載のリレー。
【請求項16】
前記スラスト部には貫通孔が設けられ、前記下部導磁体の少なくとも一部が前記貫通孔に穿設される
ことを特徴とする請求項15に記載のリレー。
【請求項17】
前記上部導磁体および前記下部導磁体の数は複数であり、複数の前記上部導磁体および複数の前記下部導磁体は対応して設けられ、
隣接する2つの前記下部導磁体の互いに近接する側が前記貫通孔に穿設される
ことを特徴とする請求項16に記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電力機器の技術分野に関し、特にリレーに関する。
【背景技術】
【0002】
リレーは電子制御素子であり、通常は自動制御回路に応用される。リレーには、制御システムと被制御システムが含まれ、制御システムは入力回路とも呼ばれ、被制御システムは出力回路とも呼ばれる。リレーは、実際には小さな電流で大きな電流を制御する「自動スイッチ」である。そのため、回路では自動調整、安全保護、変換回路などの役割を果たしている。
【0003】
高圧直流リレーはリレーの一種であり、既存の高圧直流リレーの多くは可動接触子直動式構造を採用する。新エネルギー自動車の航続距離の要求が高まるにつれて、通常の状況では高圧直流リレーの熱損失が減少することが要求され、電池パックが短絡した場合また電池容量がより高いため、リレーの耐短絡電流、電圧がさらに上昇することが要求されている。短絡負荷が大きい場合、短絡電流による電動反発力により高圧直流リレーの接触子が弾け、接点にアークが発生する。負荷の短絡電流及び電圧が高いため、接触子間で瞬時に激しいアーク燃焼を引き起こす。
【0004】
この問題を解決するには、従来はコイルのサイズを大きくして、可動鉄心の保持力を高めるしかなかったが、小型化、低消費電力というユーザーの要求のもとでは、コイルのアンペアターン値の向上を実現することができず、接点圧力を大きくするだけでは、接点接触抵抗の低下と大きな電動反発力に抵抗することができない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、安全性と軽量性の要求を満たすリレーを提供する。
【0006】
本発明の一態様によれば、接触容器と接点アセンブリとを含むリレーが提供され、
接点アセンブリは、可動接触子と一対の固定接点引出端とを含み、前記固定接点引出端は、接触容器上に設置され、少なくとも部分的に接触容器内に延在し、前記可動接触子は、前記接触容器内に設置され、前記可動接触子は、一対の前記固定接点引出端に接触または離間するために使用され、
前記固定接点引出端と前記可動接触子が互いに近接する側の少なくとも一方には、内側接触部が設けられ、前記固定接点引出端と前記可動接触子との間は前記内側接触部のみによって接触され、前記内側接触部は、一対の固定接点引出端の互いに近接する側に設置される。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の底部の投影面積は、前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の中央部の投影面積以下である。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記内側接触部は、一対の前記固定接点引出端の中心線の間に設けられている。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記可動接触子に対する前記内側接触部の投影は、前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の底部の投影より小さい。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記固定接点引出端は、前記可動接触子に近い一端の底部に凹溝が設けられ、前記内側接触部は、前記固定接点引出端のうちに前記凹溝が設けられていない部分であり、且つ一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に位置する。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記凹溝の断面形状は、円形、楕円形、長円孔形及び多角形のいずれかであるか、または、
前記凹溝は、前記固定接点引出端に設けられ、前記可動接触子の幅方向に沿った貫通溝構造である。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記内側接触部は、前記可動接触子の前記固定接点引出端に近い側に凸設されたボスであり、前記ボスの少なくとも一部は、一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に位置する。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記可動接触子の長さは、一対の前記固定接点引出端に対応する前記凹溝の外側縁間の距離未満である。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記可動接触子は、スラスト部と、2つの延長部とを含み、
前記スラスト部は、一対の前記固定接点引出端の間に設けられ、
前記2つの延長部は、前記スラスト部の両側に設けられ、一対の前記固定接点引出端に対応して接触しており、
ここで、基準面に対する前記内側接触部の投影は、前記基準面に対する前記延長部の投影よりも小さく、前記基準面は前記スラスト部の上面が位置する面である。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記延長部は、テーパ構造であり、
前記内側接触部が一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に近づくように、
前記延長部の小端部は、前記スラスト部から遠ざかるように配置されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記延長部は、少なくとも前記固定接点引出端に向かう側が円弧状構造であり、前記内側接触部は、一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に近接している。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記可動接触子の幅方向に沿って、前記内側接触部の両側が平行に配置されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記固定接点引出端の軸方向に沿って、前記スラスト部の両側が平面構造である。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも前記スラスト部の前記固定接点引出端に近い側に設けられた耐短絡アセンブリをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記耐短絡アセンブリは、
前記スラスト部の前記固定接点引出端に近い側に設けられた上部導磁体と、
前記スラスト部の前記固定接点引出端から遠い側に設けられた下部導磁体とを含み、
前記上部導磁体と前記下部導磁体との間には磁気回路が形成され、前記可動接触子に故障大電流が流れると、吸引力を発生させて、前記可動接触子と前記固定接点引出端との間の電動反発力に抵抗する。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記スラスト部には貫通孔が設けられ、前記下部導磁体の少なくとも一部が前記貫通孔に穿設される。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記上部導磁体および前記下部導磁体の数は複数であり、複数の前記上部導磁体および複数の前記下部導磁体は対応して設けられ、隣接する2つの前記下部導磁体の互いに近接する側が前記貫通孔に穿設される。
【0023】
本発明の実施例は、以下の利点または有益な効果を有する。
【0024】
本発明の実施例のリレーでは、固定接点引出端は、接触容器上に設置され、少なくとも部分的に接触容器内に延在しており、接触容器は固定接点引出端に固定位置を提供すると共に、接触容器は接点アセンブリの可動接触子と固定接点引出端の少なくとも一部に絶縁環境を提供する。可動接触子は、一対の固定接点引出端に接触または離間するために使用され、一対の固定接点引出端の底部の固定接点に可動接触子が接触すると、電流が一方の固定接点引出端から流入して、可動接触子を通過した後に他方の固定接点引出端から流出することで、負荷の接続が実現される。
【0025】
固定接点引出端と可動接触子との間は内側接触部で接触しているため、固定接点引出端と可動接触子との間に電流が流れる経路が形成される。内側接触部は、一対の固定接点引出端の互いに近接する側に設置され、固定接点引出端と可動接触子との接触位置を、可動接触子の長手方向に沿った可動接触子の中心線に近づけされ、また、固定接点引出端と可動接触子との間の電流が流れる経路に応じて、接触位置は可動接触子の中心線領域にできるだけ近づけ、且つ固定接点引出端の内側に集中させることで、電動反発力を低減し、固定接点引出端と可動接触子が互いに弾けることによるアーク燃焼のリスクを低減し、安全性を向上させる。同時に、体積やサイズを大きくすることなく電動反発力を低減でき、軽量化の要求にも応える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明をより良く理解するために、以下の図に示される実施例を参照する。図面中の部品は必ずしも一定の縮尺ではなく、本発明の技術的特徴を強調し明確に示すために、関連する要素が省略される場合がある。さらに、関連する要素または部品は、当技術分野で既知のように異なる設定を有することができる。また、図面においても、同一の符号は、各図面において同一または類似の部品を示している。本発明の上記および他の特徴および利点は、添付の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に説明することによって、より明らかになるであろう。
図1】本発明の実施例1によって提供されるリレーの分解概略図を示す。
図2】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの分解概略図を示す。
図3】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの断面図を示す。
図4】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリが接触したときの電流の概略図を示す。
図5】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの概略構造図1を示す。
図6】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの概略構造図2を示す。
図7】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリと内側接触部との相対位置を示す概略図である。
図8】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける凹溝を示す概略構造図1を示す。
図9】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける凹溝を示す概略構造図2を示す。
図10】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける凹溝を示す概略構造図3を示す。
図11】本発明の実施例1によって提供されるリレーの概略構造図を示す。
図12】本発明の実施例1によって提供されるリレーの断面図である。
図13】本発明の実施例2によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの分解概略図を示す。
図14】本発明の実施例2によって提供されるリレーにおける接点アセンブリが接触したときの電流の概略図を示す。
図15】本発明の実施例2によって提供されるリレーにおける接点アセンブリと内側接触部との相対位置を示す模式図である。
図16】本発明の実施例2によって提供されるリレーの概略構造図1を示す。
図17】本発明の実施例2によって提供されるリレーの概略構造図2を示す。
図18】本発明の実施例2によって提供されるリレーの断面図である。
図19】本発明の実施例3によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの分解概略図を示す。
図20】本発明の実施例3によって提供されるリレーの概略構造図2を示す。
図21】本発明の実施例3によって提供されるリレーの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の例示的な実施例における技術的解決策は、本発明の例示的な実施例における添付図面を参照して、以下に明確かつ完全に説明される。本明細書で説明される例示的な実施例は、例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図するものではないので、本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施例に対して様々な修正および変更を加えることができることを理解されたい。
【0028】
本発明の説明において、特に明記および限定されない限り、「第1」および「第2」という用語は説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとして理解することはできない。「複数」という用語は2つ以上を意味し、「および/または」という用語には、関連付けられてリストされた項目の1つまたは複数のあらゆる組み合わせが含まれる。特に、「この/前記」オブジェクト(対象物)または「ある」オブジェクトに言及することは、可能な複数のそのようなオブジェクトのうちの1つを意味することも意図されている。
【0029】
特に指定または記載がない限り、用語「接続」、「固定」などは広い意味で理解されるべきであり、例えば、「接続」は、固定接続でもよいし、取り外し可能な接続でもよいし、一体的接続でもよいし、電気的接続でもよいし、信号接続でもよい。「接続」は、直接接続することも、中間媒体を介して間接的に接続することもできる。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて理解できるであろう。
【0030】
また、本発明の説明において、本発明の例示的な実施例で説明される「上」、「下」、「内」、「外」などの方向を示す用語は、図面に示す角度で記述されるものであり、本発明の例示的な実施例を限定するものとして解釈されるべきではない。また、コンテキストでは、1つの要素または特徴が別の要素の「上」、「下」、「内」、「外」に接続されていると言及すると、それは別の要素の「上」、「下」、「内」、「外」に直接的に接続されていることができるだけでなく、中間要素を介して間接的に別の要素の「上」、「下」、「内」、「外」に接続されることもできる。
【0031】
次に、例示的な実施形態について、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0032】
しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形態で実施することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。逆に、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、例示的な実施形態の構想を当業者に全面的に伝達するように提供されるものである。なお、各図において同一の符号は同一または類似の構成を示しており、その詳細な説明は省略する。
【0033】
実施例1
本実施例は、リレー、特に高圧直流リレーを提供する。図1および図2に示すように、このリレーは接触容器1と接点アセンブリ2を含む。接点アセンブリ2は可動接触子22と一対の固定接点引出端21を含む。固定接点引出端21は、接触容器1上に設置され、少なくとも部分的に接触容器1内に延在しており、可動接触子22は、接触容器1内に設置され、可動接触子22は、一対の固定接点引出端21に接触または離間するために使用される。
【0034】
本発明の実施例のリレーでは、固定接点引出端21は接触容器1上に設置され、少なくとも部分的に接触容器1内に延在しており、接触容器1は固定接点引出端21に固定位置を提供すると共に、接触容器1は接点アセンブリ2の可動接触子22と固定接点引出端21の少なくとも一部に絶縁環境を提供する。可動接触子22は、一対の固定接点引出端21に接触または離間するために使用され、一対の固定接点引出端21の底部の固定接点に可動接触子22が接触すると、電流が一方の固定接点引出端21から流入して、可動接触子22を通過した後に他方の固定接点引出端21から流出することで、負荷の接続が実現される。
【0035】
短絡負荷が大きい場合、短絡電流の作用により、可動接触子22と固定接点引出端21との間に電動反発力が発生して、接触子が弾け、接点にアークが発生して激しく燃焼し、爆発を引き起こす可能性もある。
【0036】
この問題を解決するために、図3に示すように、本実施例によって提供される固定接点引出端21と可動接触子22が互いに近接する側の少なくとも一方には内側接触部20が設けられ、固定接点引出端21と可動接触子22との間は内側接触部20のみによって接触され、内側接触部20は一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に設置される。
【0037】
本実施例によって提供されるリレーでは、固定接点引出端21と可動接触子22との間は内側接触部20で接触しているため、固定接点引出端21と可動接触子22との間に電流が流れる経路が形成される。内側接触部20は、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に設置され、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置を、可動接触子22の長手方向に沿った可動接触子22の中心線に近づけされ、また、固定接点引出端21と可動接触子22との間の電流が流れる経路に応じて、接触位置は可動接触子22の中心線領域にできるだけ近づけ、且つ、固定接点引出端21の内側に集中させることで、電動反発力を低減し、固定接点引出端21と可動接触子22が互いに弾けることによるアーク燃焼のリスクを軽減し、安全性を向上させる。同時に、このリレーは、体積やサイズを大きくすることなく電動反発力を低減でき、軽量化の要求にも応える。
【0038】
なお、内側とは、具体的には、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側(図1に示すように、Qは一対の固定接点引出端21の互いに近接する方向である)、または可動接触子22の長手方向の中心線に近接する側(図1に示すように、Lは可動接触子22の長手方向であり、Tは可動接触子22の幅方向である)を指す。したがって、内側接触部20は、固定接点引出端21の中心線が内側を向く側に配置されるか、あるいは、内側接触部20は、2つの固定接点引出端21の中心線の間に配置される(図1に示すように、Mは固定接点引出端21の中心線である)。
【0039】
なお、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置が、固定接点引出端21の中心軸近傍であれば、固定接点引出端21のうち可動接触子22を越える部分は、可動接触子22と回路を形成できないため、固定接点引出端21と可動接触子22の対応する部分との間のみ電動反発力が発生し、固定接点引出端21から接触位置に向かう電流の方向と水平面とのなす角度が比較的緩やかであり、電流の方向が水平面に平行に近くなり、水平面上の電流のコンポーネントが比較的大きくなり、固定接点引出端21と可動接触子22との間の電動反発力は比較的大きくなる。
【0040】
しかしながら、図4に示すように、本実施例によって提供される固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置が、固定接点引出端21の中心軸から遠く離れており、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に近接している場合、固定接点引出端21から内側接触部20に向かう電流の方向が急峻であり、つまり、固定接点引出端21から内側接触部20に向かう電流の方向と水平面とのなす角度が比較的大きいため、水平面上の電流のコンポーネントが比較的小さくなり、それによって固定接点引出端21と可動接触子22との間の電動反発力は低減される。
【0041】
一実施例では、内側接触部20の一対の固定接点引出端21が互いに近接する側の端縁は、固定接点引出端21の端縁と面一となっている。
【0042】
これにより、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置が、さらに、固定接点引出端21の互いに近接する側に近づくことになり、すなわち、内側接触部20が固定接点引出端21の内側に位置することにより、電動反発力を低減する目的を達成できる。
【0043】
一実施例では、図5図7に示すように、固定接点引出端21は、可動接触子22に近接する一端の底部に凹溝211が設けられ、内側接触部20は、固定接点引出端21のうちに凹溝211が設けられていない部分であり、且つ一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に位置する。
【0044】
固定接点引出端21は、可動接触子22に近接する一端の底部に凹溝211が設けられ、すなわち、固定接点引出端21の底部のうちに凹溝211が設けられていない部分は凸構造であり、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に内側接触部20が配置され、凸構造の全てが内側接触部20であるわけではなく、凸構造のうち、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に近い部分が内側接触部20である。
【0045】
このように、可動接触子22に近接する固定接点引出端21の一端の底部は、可動接触子22の長手方向の中心線に近い方向の縁で可動接触子22に接触しており、固定接点引出端21には凹溝211が設けられ、凹溝211は可動接触子22の接触位置の局所領域に位置を譲ることができる。固定接点引出端21は接触容器1に固定されているため、固定接点引出端21の位置も相対的に固定され、可動接触子22の長さ寸法のばらつきが中心距離を超えたり、可動接触子22がその長手方向にある程度の位置ずれがあったとしても、固定接点引出端21は、可動接触子22が凹溝211の領域に接触できないようにある程度の位置を譲るので、固定接点引出端21と可動接触子22との接触領域を正確に制御することができ、接触領域は相対的に固定され、リレーの一貫性が保証される。同時に、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置となる内側接触部20が内側位置に近くなり、可動接点と固定接点との間の電動反発力が低減される。
【0046】
一実施例では、図8図10に示すように、凹溝211の断面形状は、円形、楕円形、長円孔形及び多角形のいずれかであるか、または、凹溝211は、固定接点引出端21に設けられた、可動接触子22の幅方向に沿って延びる貫通溝構造である。
【0047】
例えば、凹溝211の断面形状が円形であり、凹溝211が円形の溝であれば、固定接点引出端21の凸構造は円環構造となり、内側接触部20は、円環構造の内側に近い部分である。
【0048】
本実施例は、凹溝211の断面形状を限定するものではなく、円形を基礎として変形及び拡張し、楕円形、長円孔及び多角形等を形成することができ、そのうち長円孔は腰部孔又は滑走路孔等と呼ぶこともできることが理解できる。ここで、多角形としては、三角形、長方形、五角形、六角形などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
もちろん、いくつかの他の実施例では、上記の形状の部分構造、具体的には、半円形、半楕円形、半長円孔、半多角形などの他の不規則な形状であってもよく、または、固定接点引出端21の下端に直接貫通溝が設けられており、貫通溝は可動接触子22の幅方向に沿って延びており、また、貫通溝の延在方向は、一対の固定接点引出端21の底部の中心点接続線に垂直である。本実施例では、内側接触部20が固定接点引出端21の内側に位置する限り、凹溝211の形状は限定されない。
【0050】
一実施例では、図4に示すように、可動接触子22の長さは、一対の固定接点引出端21に対応する凹溝211の外側縁間の距離よりも短い。つまり、可動接触子22の長さは、一対の固定接点引出端21に対応する凹溝211の互いに離れた側の縁間の距離よりも短い。
【0051】
可動接触子22の長さが、一対の静電接触引出端21に対応する凹溝211の外側縁間の距離以上であれば、両者の接触位置は、一対の静電接触引出端21の互いに離れている側、すなわち固定接点引出端21の外側を覆うことができ、固定接点引出端21と可動接触子22との間の電動反発力は比較的大きくなる。このため、可動接触子22の長さを、一対の固定接点引出端21に対応する凹溝211の外側縁間の距離よりも短くすることは、可動接触子22の長さを短くすることと等価であり、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置を、固定接点引出端21の互いに近接する側に近づけ、すなわち、内側接触部20を固定接点引出端21の内側に位置するか、あるいは内側接触部20を可動接触子22の長手方向の中心線に近づけて、電動反発力を低減する目的を達成できる。
【0052】
一実施例では、可動接触子22に対する内側接触部20の投影は、可動接触子22に対する固定接点引出端21の底部の投影よりも小さい。
【0053】
可動接触子22の長さを減少させ、可動接触子22の長さが、2つの固定接点引出端21の中心線間の距離よりも短くなり、このとき、可動接触子22に対する内側接触部20の投影が、可動接触子22に対する固定接点引出端21の投影に等しい場合、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置は、内側接触部20であってもよい。しかしながら、本実施例によって提供される可動接触子22に対する内側接触部20の投影は、可動接触子22に対する固定接点引出端21の底部の投影よりも小さいため、単純に可動接触子22の長さを短くするだけで内側接触部20を得ることはできず、固定接点引出端21の可動接触子22に近い一端の底部に凹溝211を設ける必要があり、固定接点引出端21のうちに凹溝211が設けられていない内側部分が内側接触部20を形成することにより、固定接点引出端21と可動接触子22との接触領域を効果的に低減することができ、固定接点引出端21と可動接触子22との接触領域を内側に近づけることができる。
【0054】
一実施例では、図7に示すように、可動接触子22の長手方向に沿って、内側接触部20の少なくとも一側が円弧状構造である。
【0055】
凹溝211の形状が貫通溝、長方形、六角形等である場合、内側接触部20の内側縁は固定接点引出端21の内側縁に沿っており、すなわち、内側接触部20の内側は円弧構造であり、内側接触部20の片側は円弧構造である。
【0056】
凹溝211が円形、楕円形、長円孔等である場合、内側接触部20の内側縁は固定接点引出端21の内側縁に沿っており、内側接触部20の外側縁は凹溝211の溝壁縁に沿っており、内側接触部20の内側縁および外側縁はいずれも円弧構造であり、内側接触部20の両側は円弧構造である。
【0057】
一実施例では、可動接触子22に対する固定接点引出端21の底部の投影面積は、可動接触子22に対する固定接点引出端21の中央部の投影面積以下である。
【0058】
換言すれば、内側接触部20は、可動接触子22に対する固定接点引出端21の中央部の投影範囲内にあり、可動接触子22に対する内側接触部20の投影範囲は、可動接触子22に対する固定接点引出端21の中央部の投影範囲内にあることで、固定接点引出端21から内側接触部20に向かう電流の方向をより急峻にすることができ、それにより電動反発力を低減できる。
【0059】
一実施例では、図7に示すように、可動接触子22は、スラスト部221と、2つの延長部222とを含み、スラスト部221は、一対の固定接点引出端21の間に設けられ、2つの延長部は、スラスト部221の両側に設けられ、一対の固定接点引出端21に対応して接触している。
【0060】
スラスト部221に推力が加えられた後、スラスト部221は、延長部222を固定接点引出端21に近接する方向に移動させ、2つの延長部222を一対の固定接点引出端21に選択的に接触させ、スラスト部221は推力を担う役割を果たし、延長部222は可動接触子22と固定接点引出端21との相互接触領域を提供し、2つの離間した固定接点引出端21の両方に、対応する延長部222が突き合わせられるようにしている。
【0061】
一実施例では、静電接触子引出端21の軸方向に沿って、スラスト部221の両側は平面構造である。
【0062】
このようにして、スラスト部221の下側面が平面構造となり、力を受ける面積を増大させるとともに、受ける力の安定性を確保することができる。スラスト部221の上側面が平面構造となり、他の部品の取り付け位置を提供する。
【0063】
一実施例では、図7に示すように、基準面に対する内側接触部20の投影は、基準面に対する延長部222の投影よりも小さく、基準面はスラスト部221の上面が位置する面である。
【0064】
延長部222は、可動接触子22と固定接点引出端21との相互接触領域を提供するため、基準面に対する内側接触部20の投影が、基準面に対する延長部222の投影に等しい場合、延長部222全体が可動接触子22と固定接点引出端21との接触領域になるので、接触領域が比較的大きくなる。このため、基準面に対する内側接触部20の投影を、基準面に対する延長部222の投影よりも小さく、内側接触部20が、可動接触子22と固定接点引出端21との実際の接触領域であるため、接触領域が内側に近くなり、電動反発力を低減するという目的を達成することができる。
【0065】
一実施例では、図7に示すように、延長部222はテーパ構造であり、内側接触部20が一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に近づくように、延長部222の小端部は、スラスト部221から遠ざかるように配置されている。
【0066】
延長部222をテーパ構造とすることにより、可動接触子22は両端が鋭角構造となり、延長部222の小端部がスラスト部221から遠ざかるように配置される。長方形構造に比べて、これは長方形構造の板を基準にして頂点の4隅を切り取って両端を鋭角構造にすることに相当し、両端の鋭角構造が回避の役割を果たしており、可動接触子22と固定接点引出端21との接触面積を減少させるとともに、内側接触部20は一対の固定接点引出端21の互いに近接する側にもある程度近接しており、内側接触部20は可動接触子22の長手方向の中心線により近づけ、電動反発力を減少させる目的を達成することができる。
【0067】
可動接触子22の幅方向に沿って、内側接触部20の両側間の角度は、鋭角、直角、又は鈍角であることが理解される。
【0068】
一実施例では、接触容器1は絶縁カバー11を含み、絶縁カバー11とヨーク板はフランジ部材12を介して接続されており、絶縁カバー11とヨーク板は接触チャンバを形成し、接触チャンバは、可動接触子22と固定接点引出端21との間の接触に絶縁環境を提供する。
【0069】
一実施例では、図1および図11図12に示すように、リレーは、プッシュロッド411、ベース413、固定片、弾性部材43およびU字形ブラケット42を含むプッシュアセンブリ4も含む。ベース413、固定片およびプッシュロッド411の上部は、一体的に射出成形されてプッシュロッドユニット41を形成することができ、U字形ブラケット42の底部は固定片に固定接続されており、U字形ブラケット42およびベース413はフレーム構造を形成しており、U字形ブラケット42およびベース413によって形成されるフレーム構造に可動接触子22および弾性部材43が取り付けられており、弾性部材43の一端はベース413に接触され、他端は可動接触子22に接触され、弾性部材43は弾性力を提供することができ、可動接触子22は、ベース413から遠ざかり、固定接点引出端21に近づく傾向にある。
【0070】
本実施例によって提供されるリレーの動作プロセスは次のとおりである。
【0071】
下部導磁体は、弾性部材43の一端がベース413に接触し、他端が可動接触子22に接触しているので、弾性部材43は、プッシュロッドユニット41の押下により弾性力を提供することができ、可動接触子22は、ベース413から遠ざかり、固定接点引出端21に近づく傾向にあり、プッシュロッドユニット41が適切な位置に移動されると、可動接触子22の両端の可動接点は2つの固定接点引出端21にそれぞれ接触する。
【0072】
実施例2
本実施例は、可動接触子22の具体的な構造を除いて、実施例1と同様である。
【0073】
図13図15に示すように、本実施例によって提供される延長部222は、少なくとも固定接点引出端21に向かう一側が円弧状構造であり、内側接触部20は、一対の固定接点引出端21が互いに近接する一側に近接している。
【0074】
延長部222の固定接点引出端21に向かう側のみが円筒構造である場合、延長部222の上端は半円筒構造となり、延長部222の下端は平面となる。延長部222の固定接点引出端21に近づく側および遠ざかる側がともに半円筒構造である場合、延長部222全体が棒状構造、または円筒構造となり、延長部222の断面が、三角形、五角形、六角形などの多角形の棒状構造であってもよい。
【0075】
可動接触子22が棒状構造である場合には、棒材や線材を圧造または旋削加工することにより作製することができ、板材をプレス加工して得られる従来の可動接触子に比べて、可動接触子22の廃材のない加工を実現したり、廃材の発生を大幅に削減したりすることができ、可動接触子22の材料費を大幅に削減することができる。丸棒の円弧状の表面により、接触状態において2つの固定接点引出端21と可動接触子22との間で、ほぼ線形の小面積接触が実現され、固定接点引出端21と可動接触子22との間の接触抵抗および接点間の電動反発力が低減され、接点の接触信頼性が向上する。また、前記可動接触子22の延長部222の断面が円形であるため、接点が分離されてアークが引き出されるとき、磁気吹き出し磁界の作用により、アークは丸棒の円弧面および固定接点引出端21の丸み面取りに沿って外側に素早く移動することができ、接点ギャップが急速に大きくなるにつれて、アークの根元が外側に移動することに有利になり、接点位置でアークが継続的にアブレートし続ける時間が短縮され、接点の摩耗が軽減され、リレーの寿命が向上する。
【0076】
延長部222は、少なくとも固定接点引出端21に向かう一側が円弧状構造であるため、内側接触部20は延長部222の最上部位置領域に相当し、凹溝211の形状が円形構造である場合、内側接触部20は凸構造全体を基準として可動接触子22の幅方向の中心線方向に収縮し、接触領域をさらに内側に近づけ、両者間の電動反発力を軽減する目的を達成する。
【0077】
これにより、内側接触部20の可動接触子22の長手方向の両側は、凹溝211の溝壁および固定接点引出端21の内側縁と面一となっており、内側接触部20の可動接触子22の幅方向の両側は、平行に配置されており、接触面積が比較的小さいだけでなく、比較的整然としており、固定接点引出端21と可動接触子22との接触信頼性が向上する。
【0078】
いくつかの他の実施例では、可動接触子22の延長部222の全体の断面は多角形、具体的には三角形であり、三角形の1つの頂点が上を向いており、固定接点引出端21の下端と協働することができる。その結果、接触状態においても、固定接点引出端21と可動接触子22は依然として、線形に似た小面積で接触している。同時に、磁気吹き出し磁界の作用により、固定接点引出端21と可動接触子22との間に生成されたアークは、延長部222の対応する傾斜および固定接点引出端21の丸み面取りに沿って外側に素早く移動することができる。
【0079】
図16図18に示すように、リレーは電磁石ユニット44も備える。電磁石ユニット44は、ヨーク板の絶縁カバー11から離れた側に配置され、金属カバーを囲む。プッシュロッドユニット41は、電磁石ユニット44に駆動接続され、プッシュロッドユニット41は、金属カバーとヨーク板で囲まれた駆動チャンバ内に移動可能に配置され、ヨーク板の貫通孔を介して可動接触子22に接続されている。電磁石ユニット44が通電されると、プッシュロッドユニット41を駆動して移動させることができ、さらに、固定接点引出端21に対して接触または離間するように可動接触子22を移動させることができる。
【0080】
電磁石ユニット44は、コイルボビン441と、コイル442と、固定鉄心444と、可動鉄心443とを備える。コイルボビン441は、中空円筒状であり、絶縁材料で形成されている。金属カバーはコイルボビン441に穿設されており、コイル442はコイルボビン441を囲み、固定鉄心444は金属カバー内に固定的に設置されており、固定鉄心444の一部は貫通孔2211内に延びている。固定鉄心444には、貫通孔2211の位置に対応して配置された第1貫通孔が設けられ、プッシュロッドユニット41が第1貫通孔を貫通している。可動鉄心443は、金属カバー内に移動可能に配置され、固定鉄心444と対向して設けられる。可動鉄心443は、プッシュロッドユニット41に接続されており、コイル442が通電されると、固定鉄心444に吸引される。可動鉄心443とプッシュロッドユニット41とは、ネジ止め(留め)、リベッティング(リベット留め)、溶接、またはその他の方法で接続されることができる。
【0081】
リレーはまた、ハウジングの中空キャビティ内に配置され、接点アセンブリ2のアークを消すために使用される消弧ユニット5を含む。消弧ユニット5は、2つの消弧磁石51を備えている。消弧磁石51は永久磁石であってもよく、各消弧磁石51は略直方体状であってもよい。2つの消弧磁石51は、絶縁カバー11の両側にそれぞれ配置されており、可動接触子22の長手方向に沿って対向して配置されている。
【0082】
本実施例では、2つの消弧磁石51は、絶縁カバー11の左右両側にそれぞれ位置している。2つの消弧磁石51は、互いに対向する面の極性が反対である。すなわち、絶縁カバー11の左側に位置する消弧磁石51の左面はS極であり、右面はN極であり、絶縁カバー11の右側に位置する消弧磁石51の左面はS極であり、右面はN極である。
【0083】
もちろん、2つの消弧用磁石51の互いに対向する面の極性を同一にすることも可能であり、例えば、絶縁カバー11の左側に位置する消弧磁石51の左面はS極であり、右面はN極であり、絶縁カバー11の右側に位置する消弧磁石51の左面はN極であり、右面はS極である。
【0084】
このように、2つの消弧磁石51を対向配置することにより、接点アセンブリ2の周囲に磁界を形成することができる。
【0085】
したがって、固定接点引出端21と可動接触子22との間に発生したアークは、磁界の作用により、いずれも互いに遠ざかる方向に引き伸ばされ、消弧が実現される。
【0086】
また、消弧ユニット5は、2つの消弧磁石51の位置に対応して配置された2つのヨーククランプ52を備えている。また、2つのヨーククランプ52は、絶縁カバー11および2つの消弧磁石51を囲んでいる。ヨーククリップ52が消弧磁石51を取り囲む設計により、消弧磁石51によって生成される磁場が外側に広がり、消弧効果に影響を与えるのを防ぐことができる。ヨーククランプ52は、軟磁性材料からなる。軟磁性材料には、鉄、コバルト、ニッケルおよびそれらの合金などが含まれるが、これらに限定されない。
【0087】
本実施例によって提供されるリレーの動作プロセスは次のとおりである。
【0088】
コイル442が通電されると、固定鉄心444は可動鉄心443を吸引し、可動鉄心443がプッシュロッドユニット41を上方に移動するように駆動し、固定鉄心444と可動鉄心443の間のばねは圧縮され、プッシュロッドユニット41はU字形ブラケット42、弾性部材43を介して可動接触子22を移動させ、可動接触子22の両端を2つの固定接点引出端21にそれぞれ接触させて、可動接点と固定接点を閉じるプロセスを完了する。
【0089】
コイル442に電流が遮断されると、固定鉄心444は可動鉄心443の吸引を解除し、圧縮されたバネの弾性力により、可動鉄心443はプッシュロッドユニット41を下方に移動させ、可動接触子22の両端の可動接点を2つの固定接点引出端21から分離させて、可動接点と固定接点を分離するプロセスを完了する。
【0090】
実施例3
本実施例は、可動接触子22の具体的な構造と、耐短絡機能をさらに向上させることを除いて、実施例1と同様である。
【0091】
短絡負荷が大きい場合、短絡電流の作用により、可動接触子22と固定接点引出端21との間に電動反発力が発生して、接触子が弾け、接点はアークが発生して激しく燃焼し、爆発を引き起こす可能性もある。
【0092】
この問題を解決するために、図19~21に示すように、本実施例によって提供されるリレーは、可動接触子22と固定接点引出端21との間の電動反発力に抵抗するために使用される耐短絡アセンブリ3をさらに備え、耐短絡アセンブリ3は、可動接触子22のスラスト部221の固定接点引出端21に近い側に設置され、スラスト部221の両側が平面構造であるため、スラスト部221の両側の平面は耐短絡アセンブリ3に取り付け利便性と信頼性を提供する。
【0093】
一実施例では、図19及び図21に示すように、耐短絡アセンブリ3は、スラスト部221の固定接点引出端21に近い側に設けられた上部導磁体31と、スラスト部221の固定接点引出端21から遠い側に設けられた下部導磁体32とを含み、上部導磁体31と下部導磁体32との間には磁気回路が形成されて、可動接触子22に故障が発生して大電流が流れると吸引力を発生させ、可動接触子22と固定接点引出端21との間の電動反発力に抵抗するために使用される。上部導磁体31と下部導磁体32は、鉄、コバルト、ニッケルおよびそれらの合金などの材料で作製することができる。
【0094】
下部導磁体32は、可動接触子22のスラスト部221の下方に固定されており、可動接触子22と共に固定接点引出端21に近づく方向に移動することができ、上部導磁体31と下部導磁体32との間に磁気回路を形成することができ、可動接触子22に故障が発生して大電流が流れる場合、上部導磁体31は可動接触子22の上方に位置し、下部導磁体32は可動接触子22の下方に位置するため、可動接触子22が上部導磁体31と下部導磁体32との2つの磁石の間に介在することに相当し、上部導磁体31が下部導磁体32に対して吸引力を発生すると、この吸引力は可動接触子22を吸引して引っ張る役割を果たし、可動接触子22と固定接点引出端21との間の故障電流による電動反発力に抵抗するために使用され、可動接触子22と固定接点引出端21との間に相互に離脱して引張りアークが爆発することを回避し、可動接触子22と固定接点引出端21との接触の信頼性と安全性を保証する。
【0095】
いくつかの他の実施例において、上部導磁体31は、直線構造を有してもよく、上部導磁体31は、可動接触子22の2つの可動接点間の位置に対応して配置され、可動接触子22の幅方向に沿って延び、上部導磁体31と下部導磁体32との整合と対応に用いられる。下部導磁体32は、U字形構造を有しており、下部導磁体32の開口は可動接触子22に向かって設けられ、下部導磁体32の2つのサイドアームを上部導磁体31の方向に延びることにより、下部導磁体32の2つのサイドアームをそれぞれ上部導磁体31の両端に近接または接触することができ、可動接触子22上にその幅に沿って周回する導磁リングを形成することができる。可動接触子22の長手方向の両端が可動接点であるため、可動接触子22の幅方向に形成された周回導磁リングは干渉せず、可動接触子22に故障が発生して大電流が流れる場合、可動接触子22と固定接点引出端21との間の故障電流による電動反発力に抵抗するように、可動接点圧力方向の電磁吸引力が発生する。
【0096】
一実施例では、図19図21に示すように、スラスト部221には貫通孔2211が設けられ、下部導磁体32の少なくとも一部が貫通孔2211に穿設される。
【0097】
このように、可動接触子22のスラスト部221は、可動接触子22と下部導磁体32との間の固定効果を高めるために、下部導磁体32の取付と固定位置を提供する。下部導磁体32はU字形構造に似ているため、下部導磁体32の開口は可動接触子22のスラスト部221に向かって設けられ、下部導磁体32の一方のサイドアームは可動接触子22の長辺に包まれ、他方のサイドアームは貫通孔2211に穿設される。
【0098】
一実施例では、上部導磁体31および下部導磁体32の数は複数であり、複数の上部導磁体31および複数の下部導磁体32は対応して設けられ、隣接する2つの下部導磁体32の互いに近接する側が貫通孔2211に穿設される。
【0099】
複数の上部導磁体31と複数の下部導磁体32とを対応させて配置することにより、上部導磁体31と下部導磁体32との間の磁気吸引効果が増大し、可動接触子22と固定接点引出端21との間の故障電流によって生じる電動反発力に抵抗するように、可動接触子22を吸引して引っ張る効果がさらに向上する。
【0100】
例えば、上部導磁体31および下部導磁体32の数は2つであり、2つの下部導磁体32の互いに近接する側壁が同時に貫通孔2211に穿設され、同じ貫通孔2211を利用して2つの下部導磁体32の取り付けを実現し、製造コストと組み立ての困難さが軽減される。
【0101】
一実施例では、図19図21に示すように、U字形ブラケット42は上部導磁体31に固定的に接続され、下部導磁体32は可動接触子22の底部に接続され、可動接触子22と下部導磁体32は可動部材を形成し、耐短絡アセンブリ3と可動接触子22は、U字形ブラケット42とプッシュロッドユニット41との間に設置される。プッシュロッドユニット41とU字形ブラケット42は、リミット(limit:制限)突起412とリミット孔421を介して係合し、プッシュロッドユニット41の移動力はU字形ブラケット42に伝達され、可動接触子22を移動するように駆動して、可動接触子22が一対の固定接点引出端に対して接触または離間することができる。
【0102】
実施例4
本実施例の原理は実施例1と同様であり、異なる点は内側接触部20の位置のみである。
【0103】
本実施例によって提供される内側接触部20は、可動接触子22の固定接点引出端21に近い側に凸設されたボスであり、ボスの少なくとも一部は、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に位置する。
【0104】
可動接触子22の固定接点引出端に近い側が平面構造である場合、両者の間の接触領域は比較的大きく、可動接触子22の固定接点引出端21に近い側にボスが凸設されて、内側接触部20が形成されることにより、両者の間の接触領域を減少させ、接触面積を減少させる役割を果たす。ボスの少なくとも一部は、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に位置し、両者の接触位置を可動接触子の中心の収縮電流領域にできるだけ近づけて固定接点引出端21の内側に集中させることにより、収縮領域の大きさを小さくすることができ、それにより、電動反発力を低減し、固定接点引出端21と可動接触子22が互いに弾けることによるアーク燃焼のリスクを低減し、安全性を向上させる。
【0105】
一実施例では、ボスの断面形状は、部分的な環状構造または部分的な帯状構造のいずれかである。
【0106】
環状構造には、円形の環、楕円形の環、長円の環および多角形の環が含まれるが、これらに限定されず、多角形の環には、三角形の環、長方形の環、五角形の環、六角形の環などが含まれるが、これらに限定されないことが理解される。ボスの少なくとも一部は、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に位置しているため、完全な円形構造の内側の部分を内側接触部20として切り取ることに相当する。
【0107】
本発明の実施例によって提供される可動接触子22は、実施例1または実施例2における可動接触子22の形状、あるいは他の形状を有してもよいことは理解される。
【0108】
他の実施例では、固定接点引出端21の可動接触子22に近い一端に凹溝211が設けられ、可動接触子22の固定接点引出端21に近い側にボスが凸設され、固定接点引出端21および可動接触子22は、それぞれ2つの内側接触部20に対応し、2つの内側接触部20は互いに近い側が互いに接触し、固定接点引出端21と可動接触子22は、2つの内側接触部20を介して互いに接触している。
【0109】
なお、図面に示され、本明細書に記載されているリレーは、本発明の原理を用いた一例にすぎない。当業者であれば、本発明の原理は図面に示された装置または明細書に記載された装置の詳細または構成要素に限定されるものではないことを明確に理解すべきである。
【0110】
本発明は、本明細書で提案された構成要素の詳細な構造および配置方法に適用を限定しないことが理解されるべきである。本発明は他の実施形態を有することができ、様々な方法で実現し、実行することができる。前述の変形形態及び変形形態は、本発明の範囲内にある。本明細書に開示され限定された本発明は、明細書および/または図面に記載されているか、または明らかな2つ以上の別個の特徴のすべての代替的な組み合わせに拡張されていることが理解されるべきである。これらの異なるすべての組み合わせは、本発明の複数の代替可能な態様を構成する。本明細書に記載の実施形態は、本発明を実施するための既知の最良の形態を示しており、当業者であれば本発明を利用することができる。
【0111】
本発明の他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の明細書および実施を考慮することにより、当業者には容易に明らかとなるであろう。
【0112】
本発明は、本発明の一般原理に従い、本発明に開示されていない技術分野における常識または慣用の技術手段を含む、本発明のあらゆる変形、使用、または改変を網羅することを意図している。
【0113】
本明細書および例示的な実施形態は、例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神は特許請求の範囲によって示されることが意図されている。
【0114】
本発明は、上で説明し、添付図面に示した正確な構成に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正および変更を行うことができることを理解されたい。
【0115】
本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
【符号の説明】
【0116】
1.接触容器; 2.接点アセンブリ; 3.耐短絡アセンブリ; 4.プッシュアセンブリ; 5.消弧ユニット;
11.絶縁カバー; 12.フランジ部材;
20.内側接触部; 21.固定接点引出端; 211.凹溝;
22.可動接触子; 221.スラスト部; 2211.貫通孔; 222.延長部;
31.上部導磁体; 32.下部導磁体;
41.プッシュロッドユニット; 411.プッシュロッド; 412.リミット突起; 413.ベース;
42.U字形ブラケット; 421.リミット孔;
43.弾性部材;
44.電磁石ユニット; 441.コイルボビン; 442.コイル; 443.可動鉄心; 444.固定鉄心;
51.消弧磁石; 52.ヨーククランプ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電力機器の技術分野に関し、特にリレーに関する。
【背景技術】
【0002】
リレーは電子制御素子であり、通常は自動制御回路に応用される。リレーには、制御システムと被制御システムが含まれ、制御システムは入力回路とも呼ばれ、被制御システムは出力回路とも呼ばれる。リレーは、実際には小さな電流で大きな電流を制御する「自動スイッチ」である。そのため、回路では自動調整、安全保護、変換回路などの役割を果たしている。
【0003】
高圧直流リレーはリレーの一種であり、既存の高圧直流リレーの多くは可動接触子直動式構造を採用する。新エネルギー自動車の航続距離の要求が高まるにつれて、通常の状況では高圧直流リレーの熱損失が減少することが要求され、電池パックが短絡した場合また電池容量がより高いため、リレーの耐短絡電流、電圧がさらに上昇することが要求されている。短絡負荷が大きい場合、短絡電流による電動反発力により高圧直流リレーの接触子が弾け、接点にアークが発生する。負荷の短絡電流及び電圧が高いため、接触子間で瞬時に激しいアーク燃焼を引き起こす。
【0004】
この問題を解決するには、従来はコイルのサイズを大きくして、可動鉄心の保持力を高めるしかなかったが、小型化、低消費電力というユーザーの要求のもとでは、コイルのアンペアターン値の向上を実現することができず、接点圧力を大きくするだけでは、接点接触抵抗の低下と大きな電動反発力に抵抗することができない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、安全性と軽量性の要求を満たすリレーを提供する。
【0006】
本発明の一態様によれば、接点アセンブリとを含むリレーが提供され、
接点アセンブリは、可動接触子と一対の固定接点引出端とを含み、前記可動接触子は、一対の前記固定接点引出端に接触または離間するために使用され、
前記固定接点引出端と前記可動接触子が互いに近接する側の少なくとも一方には、内側接触部が設けられ、前記固定接点引出端と前記可動接触子との間は前記内側接触部のみによって接触され、前記内側接触部は、一対の固定接点引出端の互いに近接する側に設置される。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の底部の前記可動接触子に向かう側の端面の投影面積は、前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の中央部の投影面積以下である。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記内側接触部は、一対の前記固定接点引出端の中心線の間に設けられている。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記可動接触子に対する前記内側接触部の投影面積は、前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の底部の投影面積より小さい。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記固定接点引出端は、前記可動接触子に近い一端の底部に凹溝が設けられ、前記内側接触部は、前記固定接点引出端のうちに前記凹溝が設けられていない部分であり、且つ一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に位置する。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記凹溝の断面形状は、円形、楕円形、長円孔形及び多角形のいずれかであるか、または、
前記凹溝は、前記固定接点引出端に設けられ、前記可動接触子の幅方向に沿った貫通溝構造である。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記内側接触部は、前記可動接触子の前記固定接点引出端に近い側に凸設されたボスであり、前記ボスの少なくとも一部は、一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に位置する。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記可動接触子の長さは、一対の前記固定接点引出端に対応する前記凹溝の外側縁間の距離未満である。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記可動接触子は、スラスト部と、2つの延長部とを含み、
前記スラスト部は、一対の前記固定接点引出端の間に設けられ、
前記2つの延長部は、前記スラスト部の両側に設けられ、一対の前記固定接点引出端に対応して接触しており、
ここで、基準面に対する前記内側接触部の投影面積は、前記基準面に対する前記延長部の投影面積よりも小さく、前記基準面は前記スラスト部の上面が位置する面である。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記延長部は、テーパ構造であり、
前記内側接触部が一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に近づくように、
前記延長部の小端部は、前記スラスト部から遠ざかるように配置されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記延長部は、少なくとも前記固定接点引出端に向かう側が円弧状構造であり、前記内側接触部は、一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に近接している。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記可動接触子の幅方向に沿って、前記内側接触部の両側が平行に配置されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記固定接点引出端の軸方向に沿って、前記スラスト部の両側が平面構造である。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも前記スラスト部の前記固定接点引出端に近い側に設けられた耐短絡アセンブリをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記耐短絡アセンブリは、
前記スラスト部の前記固定接点引出端に近い側に設けられた上部導磁体と、
前記スラスト部の前記固定接点引出端から遠い側に設けられた下部導磁体とを含み、
前記上部導磁体と前記下部導磁体との間には磁気回路が形成され、前記可動接触子に故障大電流が流れると、吸引力を発生させて、前記可動接触子と前記固定接点引出端との間の電動反発力に抵抗する。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記スラスト部には貫通孔が設けられ、前記下部導磁体の少なくとも一部が前記貫通孔に穿設される。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記上部導磁体および前記下部導磁体の数は複数であり、複数の前記上部導磁体および複数の前記下部導磁体は対応して設けられ、隣接する2つの前記下部導磁体の互いに近接する側が前記貫通孔に穿設される。
【0023】
本発明の実施例は、以下の利点または有益な効果を有する。
【0024】
本発明の実施例のリレーでは、固定接点引出端は、接触容器上に設置され、少なくとも部分的に接触容器内に延在しており、接触容器は固定接点引出端に固定位置を提供すると共に、接触容器は接点アセンブリの可動接触子と固定接点引出端の少なくとも一部に絶縁環境を提供する。可動接触子は、一対の固定接点引出端に接触または離間するために使用され、一対の固定接点引出端の底部の固定接点に可動接触子が接触すると、電流が一方の固定接点引出端から流入して、可動接触子を通過した後に他方の固定接点引出端から流出することで、負荷の接続が実現される。
【0025】
固定接点引出端と可動接触子との間は内側接触部で接触しているため、固定接点引出端と可動接触子との間に電流が流れる経路が形成される。内側接触部は、一対の固定接点引出端の互いに近接する側に設置され、固定接点引出端と可動接触子との接触位置を、可動接触子の長手方向に沿った可動接触子の中心線に近づけされ、また、固定接点引出端と可動接触子との間の電流が流れる経路に応じて、接触位置は可動接触子の中心線領域にできるだけ近づけ、且つ固定接点引出端の内側に集中させることで、電動反発力を低減し、固定接点引出端と可動接触子が互いに弾けることによるアーク燃焼のリスクを低減し、安全性を向上させる。同時に、体積やサイズを大きくすることなく電動反発力を低減でき、軽量化の要求にも応える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明をより良く理解するために、以下の図に示される実施例を参照する。図面中の部品は必ずしも一定の縮尺ではなく、本発明の技術的特徴を強調し明確に示すために、関連する要素が省略される場合がある。さらに、関連する要素または部品は、当技術分野で既知のように異なる設定を有することができる。また、図面においても、同一の符号は、各図面において同一または類似の部品を示している。本発明の上記および他の特徴および利点は、添付の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に説明することによって、より明らかになるであろう。
図1】本発明の実施例1によって提供されるリレーの分解概略図を示す。
図2】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの分解概略図を示す。
図3】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの断面図を示す。
図4】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリが接触したときの電流の概略図を示す。
図5】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの概略構造図1を示す。
図6】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの概略構造図2を示す。
図7】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける接点アセンブリと内側接触部との相対位置を示す概略図である。
図8】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける凹溝を示す概略構造図1を示す。
図9】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける凹溝を示す概略構造図2を示す。
図10】本発明の実施例1によって提供されるリレーにおける凹溝を示す概略構造図3を示す。
図11】本発明の実施例1によって提供されるリレーの概略構造図を示す。
図12】本発明の実施例1によって提供されるリレーの断面図である。
図13】本発明の実施例2によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの分解概略図を示す。
図14】本発明の実施例2によって提供されるリレーにおける接点アセンブリが接触したときの電流の概略図を示す。
図15】本発明の実施例2によって提供されるリレーにおける接点アセンブリと内側接触部との相対位置を示す模式図である。
図16】本発明の実施例2によって提供されるリレーの概略構造図1を示す。
図17】本発明の実施例2によって提供されるリレーの概略構造図2を示す。
図18】本発明の実施例2によって提供されるリレーの断面図である。
図19】本発明の実施例3によって提供されるリレーにおける接点アセンブリの分解概略図を示す。
図20】本発明の実施例3によって提供されるリレーの概略構造図2を示す。
図21】本発明の実施例3によって提供されるリレーの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の例示的な実施例における技術的解決策は、本発明の例示的な実施例における添付図面を参照して、以下に明確かつ完全に説明される。本明細書で説明される例示的な実施例は、例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図するものではないので、本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施例に対して様々な修正および変更を加えることができることを理解されたい。
【0028】
本発明の説明において、特に明記および限定されない限り、「第1」および「第2」という用語は説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとして理解することはできない。「複数」という用語は2つ以上を意味し、「および/または」という用語には、関連付けられてリストされた項目の1つまたは複数のあらゆる組み合わせが含まれる。特に、「この/前記」オブジェクト(対象物)または「ある」オブジェクトに言及することは、可能な複数のそのようなオブジェクトのうちの1つを意味することも意図されている。
【0029】
特に指定または記載がない限り、用語「接続」、「固定」などは広い意味で理解されるべきであり、例えば、「接続」は、固定接続でもよいし、取り外し可能な接続でもよいし、一体的接続でもよいし、電気的接続でもよいし、信号接続でもよい。「接続」は、直接接続することも、中間媒体を介して間接的に接続することもできる。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて理解できるであろう。
【0030】
また、本発明の説明において、本発明の例示的な実施例で説明される「上」、「下」、「内」、「外」などの方向を示す用語は、図面に示す角度で記述されるものであり、本発明の例示的な実施例を限定するものとして解釈されるべきではない。また、コンテキストでは、1つの要素または特徴が別の要素の「上」、「下」、「内」、「外」に接続されていると言及すると、それは別の要素の「上」、「下」、「内」、「外」に直接的に接続されていることができるだけでなく、中間要素を介して間接的に別の要素の「上」、「下」、「内」、「外」に接続されることもできる。
【0031】
次に、例示的な実施形態について、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0032】
しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形態で実施することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。逆に、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、例示的な実施形態の構想を当業者に全面的に伝達するように提供されるものである。なお、各図において同一の符号は同一または類似の構成を示しており、その詳細な説明は省略する。
【0033】
実施例1
本実施例は、リレー、特に高圧直流リレーを提供する。図1および図2に示すように、このリレーは接触容器1と接点アセンブリ2を含む。接点アセンブリ2は可動接触子22と一対の固定接点引出端21を含む。固定接点引出端21は、接触容器1上に設置され、少なくとも部分的に接触容器1内に延在しており、可動接触子22は、接触容器1内に設置され、可動接触子22は、一対の固定接点引出端21に接触または離間するために使用される。
【0034】
本発明の実施例のリレーでは、固定接点引出端21は接触容器1上に設置され、少なくとも部分的に接触容器1内に延在しており、接触容器1は固定接点引出端21に固定位置を提供すると共に、接触容器1は接点アセンブリ2の可動接触子22と固定接点引出端21の少なくとも一部に絶縁環境を提供する。可動接触子22は、一対の固定接点引出端21に接触または離間するために使用され、一対の固定接点引出端21の底部の固定接点に可動接触子22が接触すると、電流が一方の固定接点引出端21から流入して、可動接触子22を通過した後に他方の固定接点引出端21から流出することで、負荷の接続が実現される。
【0035】
短絡負荷が大きい場合、短絡電流の作用により、可動接触子22と固定接点引出端21との間に電動反発力が発生して、接触子が弾け、接点にアークが発生して激しく燃焼し、爆発を引き起こす可能性もある。
【0036】
この問題を解決するために、図3に示すように、本実施例によって提供される固定接点引出端21と可動接触子22が互いに近接する側の少なくとも一方には内側接触部20が設けられ、固定接点引出端21と可動接触子22との間は内側接触部20のみによって接触され、内側接触部20は一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に設置される。
【0037】
本実施例によって提供されるリレーでは、固定接点引出端21と可動接触子22との間は内側接触部20で接触しているため、固定接点引出端21と可動接触子22との間に電流が流れる経路が形成される。内側接触部20は、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に設置され、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置を、可動接触子22の長手方向に沿った可動接触子22の中心線に近づけされ、また、固定接点引出端21と可動接触子22との間の電流が流れる経路に応じて、接触位置は可動接触子22の中心線領域にできるだけ近づけ、且つ、固定接点引出端21の内側に集中させることで、電動反発力を低減し、固定接点引出端21と可動接触子22が互いに弾けることによるアーク燃焼のリスクを軽減し、安全性を向上させる。同時に、このリレーは、体積やサイズを大きくすることなく電動反発力を低減でき、軽量化の要求にも応える。
【0038】
なお、内側とは、具体的には、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側(図1に示すように、Qは一対の固定接点引出端21の互いに近接する方向である)、または可動接触子22の長手方向の中心線に近接する側(図1に示すように、Lは可動接触子22の長手方向であり、Tは可動接触子22の幅方向である)を指す。したがって、内側接触部20は、固定接点引出端21の中心線が内側を向く側に配置されるか、あるいは、内側接触部20は、2つの固定接点引出端21の中心線の間に配置される(図1に示すように、Mは固定接点引出端21の中心線である)。
【0039】
なお、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置が、固定接点引出端21の中心線M近傍であれば、固定接点引出端21のうち可動接触子22を越える部分は、可動接触子22と回路を形成できないため、固定接点引出端21と可動接触子22の対応する部分との間のみ電動反発力が発生し、固定接点引出端21から接触位置に向かう電流の方向と水平面とのなす角度が比較的緩やかであり、電流の方向が水平面に平行に近くなり、水平面上の電流のコンポーネントが比較的大きくなり、固定接点引出端21と可動接触子22との間の電動反発力は比較的大きくなる。
【0040】
しかしながら、図4に示すように、本実施例によって提供される固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置が、固定接点引出端21の中心線Mから遠く離れており、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に近接している場合、固定接点引出端21から内側接触部20に向かう電流の方向が急峻であり、つまり、固定接点引出端21から内側接触部20に向かう電流の方向と水平面とのなす角度が比較的大きいため、水平面上の電流のコンポーネントが比較的小さくなり、それによって固定接点引出端21と可動接触子22との間の電動反発力は低減される。
【0041】
一実施例では、内側接触部20の一対の固定接点引出端21が互いに近接する側の端縁は、固定接点引出端21の端縁と面一となっている。
【0042】
これにより、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置が、さらに、固定接点引出端21の互いに近接する側に近づくことになり、すなわち、内側接触部20が固定接点引出端21の内側に位置することにより、電動反発力を低減する目的を達成できる。
【0043】
一実施例では、図5図7に示すように、固定接点引出端21は、可動接触子22に近接する一端の底部に凹溝211が設けられ、内側接触部20は、固定接点引出端21のうちに凹溝211が設けられていない部分であり、且つ一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に位置する。
【0044】
固定接点引出端21は、可動接触子22に近接する一端の底部に凹溝211が設けられ、すなわち、固定接点引出端21の底部のうちに凹溝211が設けられていない部分は凸構造であり、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に内側接触部20が配置され、凸構造の全てが内側接触部20であるわけではなく、凸構造のうち、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に近い部分が内側接触部20である。
【0045】
このように、可動接触子22に近接する固定接点引出端21の一端の底部は、可動接触子22の長手方向の中心線に近い方向の縁で可動接触子22に接触しており、固定接点引出端21には凹溝211が設けられ、凹溝211は可動接触子22の接触位置の局所領域に位置を譲ることができる。固定接点引出端21は接触容器1に固定されているため、固定接点引出端21の位置も相対的に固定され、可動接触子22の長さ寸法のばらつきが中心距離を超えたり、可動接触子22がその長手方向にある程度の位置ずれがあったとしても、固定接点引出端21は、可動接触子22が凹溝211の領域に接触できないようにある程度の位置を譲るので、固定接点引出端21と可動接触子22との接触領域を正確に制御することができ、接触領域は相対的に固定され、リレーの一貫性が保証される。同時に、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置となる内側接触部20が内側位置に近くなり、可動接点と固定接点との間の電動反発力が低減される。
【0046】
一実施例では、図8図10に示すように、凹溝211の断面形状は、円形、楕円形、長円孔形及び多角形のいずれかであるか、または、凹溝211は、固定接点引出端21に設けられた、可動接触子22の幅方向に沿って延びる貫通溝構造である。
【0047】
例えば、凹溝211の断面形状が円形であり、凹溝211が円形の溝であれば、固定接点引出端21の凸構造は円環構造となり、内側接触部20は、円環構造の内側に近い部分である。
【0048】
本実施例は、凹溝211の断面形状を限定するものではなく、円形を基礎として変形及び拡張し、楕円形、長円孔及び多角形等を形成することができ、そのうち長円孔は腰部孔又は滑走路孔等と呼ぶこともできることが理解できる。ここで、多角形としては、三角形、長方形、五角形、六角形などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
もちろん、いくつかの他の実施例では、上記の形状の部分構造、具体的には、半円形、半楕円形、半長円孔、半多角形などの他の不規則な形状であってもよく、または、固定接点引出端21の下端に直接貫通溝が設けられており、貫通溝は可動接触子22の幅方向に沿って延びており、また、貫通溝の延在方向は、一対の固定接点引出端21の底部の中心点接続線に垂直である。本実施例では、内側接触部20が固定接点引出端21の内側に位置する限り、凹溝211の形状は限定されない。
【0050】
一実施例では、図4に示すように、可動接触子22の長さは、一対の固定接点引出端21に対応する凹溝211の外側縁間の距離よりも短い。つまり、可動接触子22の長さは、一対の固定接点引出端21に対応する凹溝211の互いに離れた側の縁間の距離よりも短い。
【0051】
可動接触子22の長さが、一対の静電接触引出端21に対応する凹溝211の外側縁間の距離以上であれば、両者の接触位置は、一対の静電接触引出端21の互いに離れている側、すなわち固定接点引出端21の外側を覆うことができ、固定接点引出端21と可動接触子22との間の電動反発力は比較的大きくなる。このため、可動接触子22の長さを、一対の固定接点引出端21に対応する凹溝211の外側縁間の距離よりも短くすることは、可動接触子22の長さを短くすることと等価であり、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置を、固定接点引出端21の互いに近接する側に近づけ、すなわち、内側接触部20を固定接点引出端21の内側に位置するか、あるいは内側接触部20を可動接触子22の長手方向の中心線に近づけて、電動反発力を低減する目的を達成できる。
【0052】
一実施例では、可動接触子22に対する内側接触部20の投影面積は、可動接触子22に対する固定接点引出端21の底部の投影面積よりも小さい。
【0053】
可動接触子22の長さを減少させ、可動接触子22の長さが、2つの固定接点引出端21の中心線間の距離よりも短くなり、このとき、可動接触子22に対する内側接触部20の投影が、可動接触子22に対する固定接点引出端21の投影に等しい場合、固定接点引出端21と可動接触子22との接触位置は、内側接触部20であってもよい。しかしながら、本実施例によって提供される可動接触子22に対する内側接触部20の投影面積は、可動接触子22に対する固定接点引出端21の底部の投影面積よりも小さいため、単純に可動接触子22の長さを短くするだけで内側接触部20を得ることはできず、固定接点引出端21の可動接触子22に近い一端の底部に凹溝211を設ける必要があり、固定接点引出端21のうちに凹溝211が設けられていない内側部分が内側接触部20を形成することにより、固定接点引出端21と可動接触子22との接触領域を効果的に低減することができ、固定接点引出端21と可動接触子22との接触領域を内側に近づけることができる。
【0054】
一実施例では、図7に示すように、可動接触子22の長手方向に沿って、内側接触部20の少なくとも一側が円弧状構造である。
【0055】
凹溝211の形状が貫通溝、長方形、六角形等である場合、内側接触部20の内側縁は固定接点引出端21の内側縁に沿っており、すなわち、内側接触部20の内側は円弧構造であり、内側接触部20の片側は円弧構造である。
【0056】
凹溝211が円形、楕円形、長円孔等である場合、内側接触部20の内側縁は固定接点引出端21の内側縁に沿っており、内側接触部20の外側縁は凹溝211の溝壁縁に沿っており、内側接触部20の内側縁および外側縁はいずれも円弧構造であり、内側接触部20の両側は円弧構造である。
【0057】
一実施例では、可動接触子22に対する固定接点引出端21の底部の可動接触子22に向かう側の端面の投影面積は、可動接触子22に対する固定接点引出端21の中央部の投影面積以下である。
【0058】
換言すれば、内側接触部20は、可動接触子22に対する固定接点引出端21の中央部の投影範囲内にあり、可動接触子22に対する内側接触部20の投影範囲は、可動接触子22に対する固定接点引出端21の中央部の投影範囲内にあることで、固定接点引出端21から内側接触部20に向かう電流の方向をより急峻にすることができ、それにより電動反発力を低減できる。
【0059】
一実施例では、図7に示すように、可動接触子22は、スラスト部221と、2つの延長部222とを含み、スラスト部221は、一対の固定接点引出端21の間に設けられ、2つの延長部は、スラスト部221の両側に設けられ、一対の固定接点引出端21に対応して接触している。
【0060】
スラスト部221に推力が加えられた後、スラスト部221は、延長部222を固定接点引出端21に近接する方向に移動させ、2つの延長部222を一対の固定接点引出端21に接触させ、スラスト部221は推力を担う役割を果たし、延長部222は可動接触子22と固定接点引出端21との相互接触領域を提供し、2つの離間した固定接点引出端21の両方に、対応する延長部222が突き合わせられるようにしている。
【0061】
一実施例では、静電接触子引出端21の軸方向に沿って、スラスト部221の両側は平面構造である。
【0062】
このようにして、スラスト部221の下側面が平面構造となり、力を受ける面積を増大させるとともに、受ける力の安定性を確保することができる。スラスト部221の上側面が平面構造となり、他の部品の取り付け位置を提供する。
【0063】
一実施例では、図7に示すように、基準面に対する内側接触部20の投影面積は、基準面に対する延長部222の投影面積よりも小さく、基準面はスラスト部221の上面が位置する面である。
【0064】
延長部222は、可動接触子22と固定接点引出端21との相互接触領域を提供するため、基準面に対する内側接触部20の投影面積が、基準面に対する延長部222の投影面積に等しい場合、延長部222全体が可動接触子22と固定接点引出端21との接触領域になるので、接触領域が比較的大きくなる。このため、基準面に対する内側接触部20の投影面積を、基準面に対する延長部222の投影面積よりも小さく、内側接触部20が、可動接触子22と固定接点引出端21との実際の接触領域であるため、接触領域が内側に近くなり、電動反発力を低減するという目的を達成することができる。
【0065】
一実施例では、図7に示すように、延長部222はテーパ構造であり、内側接触部20が一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に近づくように、延長部222の小端部は、スラスト部221から遠ざかるように配置されている。
【0066】
延長部222をテーパ構造とすることにより、可動接触子22は両端が鋭角構造となり、延長部222の小端部がスラスト部221から遠ざかるように配置される。長方形構造に比べて、これは長方形構造の板を基準にして頂点の4隅を切り取って両端を鋭角構造にすることに相当し、両端の鋭角構造が回避の役割を果たしており、可動接触子22と固定接点引出端21との接触面積を減少させるとともに、内側接触部20は一対の固定接点引出端21の互いに近接する側にもある程度近接しており、内側接触部20は可動接触子22の長手方向の中心線により近づけ、電動反発力を減少させる目的を達成することができる。
【0067】
可動接触子22の幅方向に沿って、内側接触部20の両側間の角度は、鋭角、直角、又は鈍角であることが理解される。
【0068】
一実施例では、接触容器1は絶縁カバー11を含み、絶縁カバー11とヨーク板はフランジ部材12を介して接続されており、絶縁カバー11とヨーク板は接触チャンバを形成し、接触チャンバは、可動接触子22と固定接点引出端21との間の接触に絶縁環境を提供する。
【0069】
一実施例では、図1および図11図12に示すように、リレーは、プッシュロッド411、ベース413、固定片、弾性部材43およびU字形ブラケット42を含むプッシュアセンブリ4も含む。ベース413、固定片およびプッシュロッド411の上部は、一体的に射出成形されてプッシュロッドユニット41を形成することができ、U字形ブラケット42の底部は固定片に固定接続されており、U字形ブラケット42およびベース413はフレーム構造を形成しており、U字形ブラケット42およびベース413によって形成されるフレーム構造に可動接触子22および弾性部材43が取り付けられており、弾性部材43の一端はベース413に接触され、他端は可動接触子22に接触され、弾性部材43は弾性力を提供することができ、可動接触子22は、ベース413から遠ざかり、固定接点引出端21に近づく傾向にある。
【0070】
本実施例によって提供されるリレーの動作プロセスは次のとおりである。
【0071】
性部材43の一端がベース413に接触し、他端が可動接触子22に接触しているので、弾性部材43は、プッシュロッドユニット41の押下により弾性力を提供することができ、可動接触子22は、ベース413から遠ざかり、固定接点引出端21に近づく傾向にあり、プッシュロッドユニット41が適切な位置に移動されると、可動接触子22の両端の可動接点は2つの固定接点引出端21にそれぞれ接触する。
【0072】
実施例2
本実施例は、可動接触子22の具体的な構造を除いて、実施例1と同様である。
【0073】
図13図15に示すように、本実施例によって提供される延長部222は、少なくとも固定接点引出端21に向かう一側が円弧状構造であり、内側接触部20は、一対の固定接点引出端21が互いに近接する一側に近接している。
【0074】
延長部222の固定接点引出端21に向かう側のみが円筒構造である場合、延長部222の上端は半円筒構造となり、延長部222の下端は平面となる。延長部222の固定接点引出端21に近づく側および遠ざかる側がともに半円筒構造である場合、延長部222全体が棒状構造、または円筒構造となり、延長部222の断面が、三角形、五角形、六角形などの多角形の棒状構造であってもよい。
【0075】
可動接触子22が棒状構造である場合には、棒材や線材を圧造または旋削加工することにより作製することができ、板材をプレス加工して得られる従来の可動接触子に比べて、可動接触子22の廃材のない加工を実現したり、廃材の発生を大幅に削減したりすることができ、可動接触子22の材料費を大幅に削減することができる。丸棒の円弧状の表面により、接触状態において2つの固定接点引出端21と可動接触子22との間で、ほぼ線形の小面積接触が実現され、固定接点引出端21と可動接触子22との間の接触抵抗および接点間の電動反発力が低減され、接点の接触信頼性が向上する。また、前記可動接触子22の延長部222の断面が円形であるため、接点が分離されてアークが引き出されるとき、磁気吹き出し磁界の作用により、アークは丸棒の円弧面および固定接点引出端21の丸み面取りに沿って外側に素早く移動することができ、接点ギャップが急速に大きくなるにつれて、アークの根元が外側に移動することに有利になり、接点位置でアークが継続的にアブレートし続ける時間が短縮され、接点の摩耗が軽減され、リレーの寿命が向上する。
【0076】
延長部222は、少なくとも固定接点引出端21に向かう一側が円弧状構造であるため、内側接触部20は延長部222の最上部位置領域に相当し、凹溝211の形状が円形構造である場合、内側接触部20は凸構造全体を基準として可動接触子22の幅方向の中心線方向に収縮し、接触領域をさらに内側に近づけ、両者間の電動反発力を軽減する目的を達成する。
【0077】
これにより、内側接触部20の可動接触子22の長手方向の両側は、凹溝211の溝壁および固定接点引出端21の内側縁と面一となっており、内側接触部20の可動接触子22の幅方向の両側は、平行に配置されており、接触面積が比較的小さいだけでなく、比較的整然としており、固定接点引出端21と可動接触子22との接触信頼性が向上する。
【0078】
いくつかの他の実施例では、可動接触子22の延長部222の全体の断面は多角形、具体的には三角形であり、三角形の1つの頂点が上を向いており、固定接点引出端21の下端と協働することができる。その結果、接触状態においても、固定接点引出端21と可動接触子22は依然として、線形に似た小面積で接触している。同時に、磁気吹き出し磁界の作用により、固定接点引出端21と可動接触子22との間に生成されたアークは、延長部222の対応する傾斜および固定接点引出端21の丸み面取りに沿って外側に素早く移動することができる。
【0079】
図16図18に示すように、リレーは電磁石ユニット44も備える。電磁石ユニット44は、ヨーク板の絶縁カバー11から離れた側に配置され、金属カバーを囲む。プッシュロッドユニット41は、電磁石ユニット44に駆動接続され、プッシュロッドユニット41は、金属カバーとヨーク板で囲まれた駆動チャンバ内に移動可能に配置され、ヨーク板の貫通孔を介して可動接触子22に接続されている。電磁石ユニット44が通電されると、プッシュロッドユニット41を駆動して移動させることができ、さらに、固定接点引出端21に対して接触または離間するように可動接触子22を移動させることができる。
【0080】
電磁石ユニット44は、コイルボビン441と、コイル442と、固定鉄心444と、可動鉄心443とを備える。コイルボビン441は、中空円筒状であり、絶縁材料で形成されている。金属カバーはコイルボビン441に穿設されており、コイル442はコイルボビン441を囲み、固定鉄心444は金属カバー内に固定的に設置されており、固定鉄心444の一部は貫通孔2211内に延びている。固定鉄心444には、貫通孔2211の位置に対応して配置された第1貫通孔が設けられ、プッシュロッドユニット41が第1貫通孔を貫通している。可動鉄心443は、金属カバー内に移動可能に配置され、固定鉄心444と対向して設けられる。可動鉄心443は、プッシュロッドユニット41に接続されており、コイル442が通電されると、固定鉄心444に吸引される。可動鉄心443とプッシュロッドユニット41とは、ネジ止め(留め)、リベッティング(リベット留め)、溶接、またはその他の方法で接続されることができる。
【0081】
リレーはまた、ハウジングの中空キャビティ内に配置され、接点アセンブリ2のアークを消すために使用される消弧ユニット5を含む。消弧ユニット5は、2つの消弧磁石51を備えている。消弧磁石51は永久磁石であってもよく、各消弧磁石51は略直方体状であってもよい。2つの消弧磁石51は、絶縁カバー11の両側にそれぞれ配置されており、可動接触子22の長手方向に沿って対向して配置されている。
【0082】
本実施例では、2つの消弧磁石51は、絶縁カバー11の左右両側にそれぞれ位置している。2つの消弧磁石51は、互いに対向する面の極性が反対である。すなわち、絶縁カバー11の左側に位置する消弧磁石51の左面はS極であり、右面はN極であり、絶縁カバー11の右側に位置する消弧磁石51の左面はS極であり、右面はN極である。
【0083】
もちろん、2つの消弧用磁石51の互いに対向する面の極性を同一にすることも可能であり、例えば、絶縁カバー11の左側に位置する消弧磁石51の左面はS極であり、右面はN極であり、絶縁カバー11の右側に位置する消弧磁石51の左面はN極であり、右面はS極である。
【0084】
このように、2つの消弧磁石51を対向配置することにより、接点アセンブリ2の周囲に磁界を形成することができる。
【0085】
したがって、固定接点引出端21と可動接触子22との間に発生したアークは、磁界の作用により、いずれも互いに遠ざかる方向に引き伸ばされ、消弧が実現される。
【0086】
また、消弧ユニット5は、2つの消弧磁石51の位置に対応して配置された2つのヨーククランプ52を備えている。また、2つのヨーククランプ52は、絶縁カバー11および2つの消弧磁石51を囲んでいる。ヨーククリップ52が消弧磁石51を取り囲む設計により、消弧磁石51によって生成される磁場が外側に広がり、消弧効果に影響を与えるのを防ぐことができる。ヨーククランプ52は、軟磁性材料からなる。軟磁性材料には、鉄、コバルト、ニッケルおよびそれらの合金などが含まれるが、これらに限定されない。
【0087】
本実施例によって提供されるリレーの動作プロセスは次のとおりである。
【0088】
コイル442が通電されると、固定鉄心444は可動鉄心443を吸引し、可動鉄心443がプッシュロッドユニット41を上方に移動するように駆動し、固定鉄心444と可動鉄心443の間のばねは圧縮され、プッシュロッドユニット41はU字形ブラケット42、弾性部材43を介して可動接触子22を移動させ、可動接触子22の両端を2つの固定接点引出端21にそれぞれ接触させて、可動接点と固定接点を閉じるプロセスを完了する。
【0089】
コイル442に電流が遮断されると、固定鉄心444は可動鉄心443の吸引を解除し、圧縮されたバネの弾性力により、可動鉄心443はプッシュロッドユニット41を下方に移動させ、可動接触子22の両端の可動接点を2つの固定接点引出端21から分離させて、可動接点と固定接点を分離するプロセスを完了する。
【0090】
実施例3
本実施例は、可動接触子22の具体的な構造と、耐短絡機能をさらに向上させることを除いて、実施例1と同様である。
【0091】
短絡負荷が大きい場合、短絡電流の作用により、可動接触子22と固定接点引出端21との間に電動反発力が発生して、接触子が弾け、接点はアークが発生して激しく燃焼し、爆発を引き起こす可能性もある。
【0092】
この問題を解決するために、図19~21に示すように、本実施例によって提供されるリレーは、可動接触子22と固定接点引出端21との間の電動反発力に抵抗するために使用される耐短絡アセンブリ3をさらに備え、耐短絡アセンブリ3は、可動接触子22のスラスト部221の固定接点引出端21に近い側に設置され、スラスト部221の両側が平面構造であるため、スラスト部221の両側の平面は耐短絡アセンブリ3に取り付け利便性と信頼性を提供する。
【0093】
一実施例では、図19及び図21に示すように、耐短絡アセンブリ3は、スラスト部221の固定接点引出端21に近い側に設けられた上部導磁体31と、スラスト部221の固定接点引出端21から遠い側に設けられた下部導磁体32とを含み、上部導磁体31と下部導磁体32との間には磁気回路が形成されて、可動接触子22に故障が発生して大電流が流れると吸引力を発生させ、可動接触子22と固定接点引出端21との間の電動反発力に抵抗するために使用される。上部導磁体31と下部導磁体32は、鉄、コバルト、ニッケルおよびそれらの合金などの材料で作製することができる。
【0094】
下部導磁体32は、可動接触子22のスラスト部221の下方に固定されており、可動接触子22と共に固定接点引出端21に近づく方向に移動することができ、上部導磁体31と下部導磁体32との間に磁気回路を形成することができ、可動接触子22に故障が発生して大電流が流れる場合、上部導磁体31は可動接触子22の上方に位置し、下部導磁体32は可動接触子22の下方に位置するため、可動接触子22が上部導磁体31と下部導磁体32との2つの磁石の間に介在することに相当し、上部導磁体31が下部導磁体32に対して吸引力を発生すると、この吸引力は可動接触子22を吸引して引っ張る役割を果たし、可動接触子22と固定接点引出端21との間の故障電流による電動反発力に抵抗するために使用され、可動接触子22と固定接点引出端21との間に相互に離脱して引張りアークが爆発することを回避し、可動接触子22と固定接点引出端21との接触の信頼性と安全性を保証する。
【0095】
いくつかの他の実施例において、上部導磁体31は、直線構造を有してもよく、上部導磁体31は、可動接触子22の2つの可動接点間の位置に対応して配置され、可動接触子22の幅方向に沿って延び、上部導磁体31と下部導磁体32との整合と対応に用いられる。下部導磁体32は、U字形構造を有しており、下部導磁体32の開口は可動接触子22に向かって設けられ、下部導磁体32の2つのサイドアームを上部導磁体31の方向に延びることにより、下部導磁体32の2つのサイドアームをそれぞれ上部導磁体31の両端に近接または接触することができ、可動接触子22上にその幅に沿って周回する導磁リングを形成することができる。可動接触子22の長手方向の両端が可動接点であるため、可動接触子22の幅方向に形成された周回導磁リングは干渉せず、可動接触子22に故障が発生して大電流が流れる場合、可動接触子22と固定接点引出端21との間の故障電流による電動反発力に抵抗するように、可動接点圧力方向の電磁吸引力が発生する。
【0096】
一実施例では、図19図21に示すように、スラスト部221には貫通孔2211が設けられ、下部導磁体32の少なくとも一部が貫通孔2211に穿設される。
【0097】
このように、可動接触子22のスラスト部221は、可動接触子22と下部導磁体32との間の固定効果を高めるために、下部導磁体32の取付と固定位置を提供する。下部導磁体32はU字形構造に似ているため、下部導磁体32の開口は可動接触子22のスラスト部221に向かって設けられ、下部導磁体32の一方のサイドアームは可動接触子22の長辺に包まれ、他方のサイドアームは貫通孔2211に穿設される。
【0098】
一実施例では、上部導磁体31および下部導磁体32の数は複数であり、複数の上部導磁体31および複数の下部導磁体32は対応して設けられ、隣接する2つの下部導磁体32の互いに近接する側が貫通孔2211に穿設される。
【0099】
複数の上部導磁体31と複数の下部導磁体32とを対応させて配置することにより、上部導磁体31と下部導磁体32との間の磁気吸引効果が増大し、可動接触子22と固定接点引出端21との間の故障電流によって生じる電動反発力に抵抗するように、可動接触子22を吸引して引っ張る効果がさらに向上する。
【0100】
例えば、上部導磁体31および下部導磁体32の数は2つであり、2つの下部導磁体32の互いに近接する側壁が同時に貫通孔2211に穿設され、同じ貫通孔2211を利用して2つの下部導磁体32の取り付けを実現し、製造コストと組み立ての困難さが軽減される。
【0101】
一実施例では、図19図21に示すように、U字形ブラケット42は上部導磁体31に固定的に接続され、下部導磁体32は可動接触子22の底部に接続され、可動接触子22と下部導磁体32は可動部材を形成し、耐短絡アセンブリ3と可動接触子22は、U字形ブラケット42とプッシュロッドユニット41との間に設置される。プッシュロッドユニット41とU字形ブラケット42は、リミット(limit:制限)突起412とリミット孔421を介して係合し、プッシュロッドユニット41の移動力はU字形ブラケット42に伝達され、可動接触子22を移動するように駆動して、可動接触子22が一対の固定接点引出端に対して接触または離間することができる。
【0102】
実施例4
本実施例の原理は実施例1と同様であり、異なる点は内側接触部20の位置のみである。
【0103】
本実施例によって提供される内側接触部20は、可動接触子22の固定接点引出端21に近い側に凸設されたボスであり、ボスの少なくとも一部は、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に位置する。
【0104】
可動接触子22の固定接点引出端に近い側が平面構造である場合、両者の間の接触領域は比較的大きく、可動接触子22の固定接点引出端21に近い側にボスが凸設されて、内側接触部20が形成されることにより、両者の間の接触領域を減少させ、接触面積を減少させる役割を果たす。ボスの少なくとも一部は、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に位置し、両者の接触位置を可動接触子の中心の収縮電流領域にできるだけ近づけて固定接点引出端21の内側に集中させることにより、収縮領域の大きさを小さくすることができ、それにより、電動反発力を低減し、固定接点引出端21と可動接触子22が互いに弾けることによるアーク燃焼のリスクを低減し、安全性を向上させる。
【0105】
一実施例では、ボスの断面形状は、部分的な環状構造または部分的な帯状構造のいずれかである。
【0106】
環状構造には、円形の環、楕円形の環、長円の環および多角形の環が含まれるが、これらに限定されず、多角形の環には、三角形の環、長方形の環、五角形の環、六角形の環などが含まれるが、これらに限定されないことが理解される。ボスの少なくとも一部は、一対の固定接点引出端21の互いに近接する側に位置しているため、完全な円形構造の内側の部分を内側接触部20として切り取ることに相当する。
【0107】
本発明の実施例によって提供される可動接触子22は、実施例1または実施例2における可動接触子22の形状、あるいは他の形状を有してもよいことは理解される。
【0108】
他の実施例では、固定接点引出端21の可動接触子22に近い一端に凹溝211が設けられ、可動接触子22の固定接点引出端21に近い側にボスが凸設され、固定接点引出端21および可動接触子22は、それぞれ2つの内側接触部20に対応し、2つの内側接触部20は互いに近い側が互いに接触し、固定接点引出端21と可動接触子22は、2つの内側接触部20を介して互いに接触している。
【0109】
なお、図面に示され、本明細書に記載されているリレーは、本発明の原理を用いた一例にすぎない。当業者であれば、本発明の原理は図面に示された装置または明細書に記載された装置の詳細または構成要素に限定されるものではないことを明確に理解すべきである。
【0110】
本発明は、本明細書で提案された構成要素の詳細な構造および配置方法に適用を限定しないことが理解されるべきである。本発明は他の実施形態を有することができ、様々な方法で実現し、実行することができる。前述の変形形態及び変形形態は、本発明の範囲内にある。本明細書に開示され限定された本発明は、明細書および/または図面に記載されているか、または明らかな2つ以上の別個の特徴のすべての代替的な組み合わせに拡張されていることが理解されるべきである。これらの異なるすべての組み合わせは、本発明の複数の代替可能な態様を構成する。本明細書に記載の実施形態は、本発明を実施するための既知の最良の形態を示しており、当業者であれば本発明を利用することができる。
【0111】
本発明の他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の明細書および実施を考慮することにより、当業者には容易に明らかとなるであろう。
【0112】
本発明は、本発明の一般原理に従い、本発明に開示されていない技術分野における常識または慣用の技術手段を含む、本発明のあらゆる変形、使用、または改変を網羅することを意図している。
【0113】
本明細書および例示的な実施形態は、例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神は特許請求の範囲によって示されることが意図されている。
【0114】
本発明は、上で説明し、添付図面に示した正確な構成に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正および変更を行うことができることを理解されたい。
【0115】
本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
【符号の説明】
【0116】
1.接触容器; 2.接点アセンブリ; 3.耐短絡アセンブリ; 4.プッシュアセンブリ; 5.消弧ユニット;
11.絶縁カバー; 12.フランジ部材;
20.内側接触部; 21.固定接点引出端; 211.凹溝;
22.可動接触子; 221.スラスト部; 2211.貫通孔; 222.延長部;
31.上部導磁体; 32.下部導磁体;
41.プッシュロッドユニット; 411.プッシュロッド; 412.リミット突起; 413.ベース;
42.U字形ブラケット; 421.リミット孔;
43.弾性部材;
44.電磁石ユニット; 441.コイルボビン; 442.コイル; 443.可動鉄心; 444.固定鉄心;
51.消弧磁石; 52.ヨーククランプ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接点アセンブリを含むリレーであって、
前記接点アセンブリは、可動接触子と一対の固定接点引出端とを含み、前記可動接触子は、一対の前記固定接点引出端に接触または離間するために使用され、
前記固定接点引出端と前記可動接触子が互いに近接する側の少なくとも一方には、内側接触部が設けられ、前記固定接点引出端と前記可動接触子との間は前記内側接触部のみによって接触され、前記内側接触部は、一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に設けられている
ことを特徴とするリレー。
【請求項2】
前記内側接触部は、一対の前記固定接点引出端の中心線の間に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項3】
前記可動接触子に対する前記内側接触部の投影面積は、前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の底部の投影面積より小さい
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項4】
前記固定接点引出端は、前記可動接触子に近い一端の底部に凹溝が設けられ、前記内側接触部は、前記固定接点引出端のうちに前記凹溝が設けられていない部分であり、且つ一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項5】
前記凹溝の断面形状は、円形、楕円形、長円孔形及び多角形のいずれかであるか、または、
前記凹溝は、前記固定接点引出端に設けられ、前記可動接触子の幅方向に沿った貫通溝構造である
ことを特徴とする請求項4に記載のリレー。
【請求項6】
前記可動接触子の長さは、一対の前記固定接点引出端に対応する前記凹溝の外側縁間の距離未満である
ことを特徴とする請求項4に記載のリレー。
【請求項7】
前記内側接触部は、前記可動接触子の前記固定接点引出端に近い側に凸設されたボスであり、前記ボスの少なくとも一部は、一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項8】
前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の底部の前記可動接触子に向かう側の端面の投影面積は、前記可動接触子に対する前記固定接点引出端の中央部の投影面積以下である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のリレー。
【請求項9】
前記可動接触子は、スラスト部と、2つの延長部とを含み、
前記スラスト部は、前記可動接触子に対する一対の前記固定接点引出端の投影の間に設けられ、
前記2つの延長部は、前記スラスト部の両側に設けられ、一対の前記固定接点引出端に対応して接触しており、
基準面に対する前記内側接触部の投影面積は、前記基準面に対する前記延長部の投影面積よりも小さく、前記基準面は前記スラスト部の上面が位置する面である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のリレー。
【請求項10】
前記延長部は、テーパ構造であり、
前記内側接触部が一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に近づくように、
前記延長部の小端部は、前記スラスト部から遠ざかるように配置されている
ことを特徴とする請求項9に記載のリレー。
【請求項11】
前記延長部は、少なくとも前記固定接点引出端に向かう側が円弧状構造であり、前記内側接触部は、一対の前記固定接点引出端の互いに近接する側に近接している
ことを特徴とする請求項9に記載のリレー。
【請求項12】
前記可動接触子の幅方向に沿って、前記内側接触部の両側は平行に配置されている
ことを特徴とする請求項11に記載のリレー。
【請求項13】
前記固定接点引出端の軸方向に沿って、前記スラスト部の両側は平面構造である
ことを特徴とする請求項9に記載のリレー。
【請求項14】
少なくとも前記スラスト部の前記固定接点引出端に近い側に設けられた耐短絡アセンブリをさらに含む
ことを特徴とする請求項10に記載のリレー。
【請求項15】
前記耐短絡アセンブリは、
前記スラスト部の前記固定接点引出端に近い側に設けられた上部導磁体と、
前記スラスト部の前記固定接点引出端から遠い側に設けられた下部導磁体とを含み、
前記上部導磁体と前記下部導磁体との間には磁気回路が形成され、前記可動接触子に故障大電流が流れると、吸引力を発生させて、前記可動接触子と前記固定接点引出端との間の電動反発力に抵抗する
ことを特徴とする請求項14に記載のリレー。
【請求項16】
前記スラスト部には貫通孔が設けられ、前記下部導磁体の少なくとも一部が前記貫通孔に穿設される
ことを特徴とする請求項15に記載のリレー。
【請求項17】
前記上部導磁体および前記下部導磁体の数は複数であり、複数の前記上部導磁体および複数の前記下部導磁体は対応して設けられ、
隣接する2つの前記下部導磁体の互いに近接する側が前記貫通孔に穿設される
ことを特徴とする請求項16に記載のリレー。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4