(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133040
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】医療デバイス、子宮鏡下切除アセンブリ、および処理方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/32 20060101AFI20240920BHJP
A61B 18/12 20060101ALI20240920BHJP
A61B 17/94 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61B17/32
A61B18/12
A61B17/94
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024041657
(22)【出願日】2024-03-15
(31)【優先権主張番号】63/490,349
(32)【優先日】2023-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケスター ジュリアン バチェラー
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エー. ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】テオドール シー. ブラス
(72)【発明者】
【氏名】ジョーイ マグノ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイク テッラヴェッキア
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ディー. ホルトン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG29
4C160KK03
4C160NN01
(57)【要約】
【課題】外科的処理を良好に行うこと。
【解決手段】医療デバイスは、細長い部材と、細長い部材の近位端にある灌注ポートと、細長い部材の遠位端から延びる切除アセンブリと、を備える。細長い部材は、細長い部材の長手軸に沿って第1の軌道および第2の軌道を画定する。切除アセンブリは、第1の軌道に沿って配置された第1の部分を含む第1の部材と、長手軸に沿って延びて灌注ポートと連通する流体導管通路、および第2の軌道に沿って配置された第3の部分を有する第2の部材と、第1の部材の遠位端から延びる電気的に活性化可能な切除要素と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い部材と、
前記細長い部材の近位端にある灌注ポートと、
前記細長い部材の遠位端から延びる切除アセンブリと、を備え、
前記細長い部材は、
前記細長い部材の長手軸に沿って第1の軌道および第2の軌道を画定し、
前記切除アセンブリは、
前記第1の軌道に沿って配置された第1の部分を含む第1の部材と、
前記長手軸に沿って延びて前記灌注ポートと連通する流体導管通路、および、前記第2の軌道に沿って配置された第3の部分を有する第2の部材と、
前記第1の部材の遠位端から延びる電気的に活性化可能な切除要素と、を含む、医療デバイス。
【請求項2】
前記第1の部材は、前記第1の軌道に沿って引込み位置と延び位置との間で摺動可能であり、前記第1の部分および前記第1の部材の第2の部分が、前記引込み位置において前記細長い部材内に配置され、前記第2の部分が、前記延び位置において前記細長い部材から遠位に延びる、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記第2の部材は、前記第2の軌道に沿って引込み位置と延び位置との間で摺動可能であり、前記第3の部分および前記第2の部材の第4の部分が、前記引込み位置において前記細長い部材内に配置され、前記第4の部分が、前記延び位置において前記細長い部材から遠位に延びる、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記切除アセンブリは、
前記第1の部材の遠位端と前記第2の部材の遠位端との間に延びる導電性安定化部材と、
前記第1の部材の遠位端に配置された第1の電気絶縁体と、
前記第2の部材の遠位端に配置された第2の電気絶縁体と、をさらに備え、
前記切除要素は、
前記第1の電気絶縁体と前記第2の電気絶縁体との間に延びて、電気的に活性化可能な切除ループを形成する、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記細長い部材は、
前記細長い部材の遠位端にある、または前記細長い部材の遠位端から延びる吸引ポートと、
前記細長い部材の遠位端に配置されたカメラと、をさらに備え、
前記切除ループは、
前記カメラの視野内にあるように配置または移動可能である、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記第1の部材は、
前記第1の軌道内に延びる導電性外管と、
前記導電性外管の内側に配置された絶縁体と、を備え、
前記切除要素の一部分は、
前記絶縁体内に配置される、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記切除要素は、前記第1の部材から延びる導体の一部分を含む、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記導電性外管は、アースに電気的に結合される、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記第2の部材は、導電性材料から形成された外側ジャケットを含み、
前記外側ジャケットは、アースに電気的に結合される、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項10】
医療デバイスの処理方法であって、
前記医療デバイスは、
細長い部材と、
前記細長い部材の近位端にある灌注ポートと、
前記細長い部材の遠位端から延びる切除アセンブリと、を備え、
前記細長い部材は、
前記細長い部材の長手軸に沿って第1の軌道および第2の軌道を画定し、
前記切除アセンブリは、
前記第1の軌道に沿って配置された第1の部分を含む第1の部材と、
前記長手軸に沿って延びて前記灌注ポートと連通する流体導管通路、および、前記第2の軌道に沿って配置された第3の部分を有する第2の部材と、
前記第1の部材の遠位端から延びる電気的に活性化可能な切除要素と、を含み、前記処理方法は、
前記医療デバイスを滅菌することと、
前記医療デバイスを滅菌容器内に保管することと、を含む、
処理方法。
【請求項11】
第1の部材と、
管腔、および、前記管腔の長手軸に沿って延びて前記管腔と連通する流体導管通路を有する第2の部材と、
前記第1の部材の遠位端から延びる電気的に活性化可能な切除要素と、を備える、子宮鏡下切除アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の部材の遠位端と前記第2の部材の遠位端との間に延びる導電性安定化部材と、
前記第1の部材の遠位端に配置された第1の電気絶縁体と、
前記第2の部材の遠位端に配置された第2の電気絶縁体と、をさらに備え、
前記切除要素は、
前記第1の電気絶縁体と前記第2の電気絶縁体との間に延びて、電気的に活性化可能な切除ループを形成する、請求項11に記載の子宮鏡下切除アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の部材は、
導電性外管と、
前記導電性外管の内側に配置された絶縁体と、を備え、
前記切除要素の一部分は、
前記絶縁体内に配置される、請求項12に記載の子宮鏡下切除アセンブリ。
【請求項14】
前記切除要素は、前記第1の部材から延びる導体の一部分を含む、請求項13に記載の子宮鏡下切除アセンブリ。
【請求項15】
前記導電性外管は、アースに電気的に結合される、請求項13に記載の子宮鏡下切除アセンブリ。
【請求項16】
前記第2の部材は、導電性材料から形成された外側ジャケットを含み、
前記外側ジャケットは、アースに電気的に結合される、請求項13に記載の子宮鏡下切除アセンブリ。
【請求項17】
子宮鏡下切除アセンブリを備える子宮鏡の処理方法であって、
前記子宮鏡下切除アセンブリは、
第1の部材と、
管腔、および、前記管腔の長手軸に沿って延びて前記管腔と連通する流体導管通路を有する第2の部材と、
前記第1の部材の遠位端から延びる電気的に活性化可能な切除要素と、を備え、 前記処理方法は、
前記を備える子宮鏡を滅菌することと、
前記子宮鏡を滅菌容器内に保管することと、を含む、
処理方法。
【請求項18】
細長い部材と、
前記細長い部材の近位端にある灌注ポートと、
前記細長い部材の遠位端にある、または前記細長い部材の遠位端から延びる吸引ポートと、
前記細長い部材の遠位端に配置されたカメラと、を備え、
前記細長い部材は、
前記細長い部材の長手軸に沿って第1の軌道および第2の軌道を画定し、前記第1の軌道と前記第2の軌道とがともに、標的部位に切除アセンブリ、および前記標的部位に灌注液を供給するように構成される、医療デバイス。
【請求項19】
前記第2の軌道が前記灌注ポートと連通し、前記吸引ポートが前記細長い部材の遠位端の第1の側方部分に位置し、前記カメラが前記吸引ポートの下方の前記細長い部材の遠位端の対向する第2の側方部分に位置する、請求項18に記載の医療デバイス。
【請求項20】
医療デバイスの処理方法であって、
前記医療デバイスは、
細長い部材と、
前記細長い部材の近位端にある灌注ポートと、
前記細長い部材の遠位端にある、または前記細長い部材の遠位端から延びる吸引ポートと、
前記細長い部材の前記遠位端に配置されたカメラと、を備え、
前記細長い部材は、
前記細長い部材の長手軸に沿って第1の軌道および第2の軌道を画定し、前記第1の軌道と前記第2の軌道とがともに、標的部位に切除アセンブリ、および前記標的部位に灌注液を供給するように構成され、
前記処理方法は、
前記医療デバイスを滅菌することと、
前記医療デバイスを滅菌容器内に保管することと、を含む、処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この文献は、限定するものではないが、概して、様々な外科的処置に使用することができる医療デバイス、子宮鏡下切除アセンブリ、および処理方法に関する。より具体的には、本出願は、限定するものではないが、女性患者の生殖系を治療するために使用することができる医療デバイス、子宮鏡下切除アセンブリ、および処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
子宮のライニングに増殖が起こることがある。これを治療せずに放置すると不快感を引き起こし、月経および生殖能力に支障をきたす可能性がある。増殖は、ポリープおよび子宮筋腫を含み得る。子宮ポリープは、子宮の内側のライニングに形成し得る増殖である。子宮内膜組織の過剰増殖が起こると、子宮ポリープが形成し得る。ポリープは子宮内膜に付着し、子宮内に広がることができる。
【0003】
子宮筋腫は、子宮壁に発生し得る非癌性増殖である。子宮筋腫の異なる種類は、壁内筋腫、粘膜下筋腫、漿膜下筋腫および有茎性筋腫を含む。壁内筋腫は、子宮の筋肉壁内に発生する可能性があり、重度の出血を引き起こす可能性がある。粘膜下筋腫は、子宮腔の内側に発生する可能性があり、または子宮腔に当接する可能性もある。粘膜下筋腫はまた、重度の出血を引き起こす可能性がある。漿膜下筋腫は、子宮の外壁に発生する可能性があり、膨満感または圧迫感の症状を引き起こす可能性がある。有茎性筋腫は、茎と呼ばれる柄のような成長物によって子宮壁に付着することがある。
【0004】
患者が粘膜下線維腫を患っているとき、子宮鏡下処置を使用して子宮内を検査し、子宮鏡下切除術によって子宮筋腫を除去することができる。子宮鏡は、膣を通して、および子宮頸部の自然開口を通して挿入することができる。典型的には、子宮鏡の直径により、子宮頸部を拡張しなければならず、これは痛みを伴い、患者が全身麻酔下にあることを必要とする場合がある。その結果、手術室が必要となり、拡張による回復期間が長くなることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、外科的処置を良好に行うことができる医療デバイス、子宮鏡下切除アセンブリ、および処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、必要とされるのは、より少ない子宮頸部の拡張およびより少ない麻酔を可能にするより小さい直径の子宮鏡である。この問題は、第1および第2の軌道を含む細長い部材を有する子宮鏡を提供することによって対処することができる。例えば、第1および第2の軌道は、それぞれの長手方向の管腔または作業チャネルを含むことができる。切除アセンブリは、第1および第2の軌道内に引っ込み、第1および第2の軌道から延びることができる。切除アセンブリは、第1の軌道に沿って配置された第1の部分を有する第1の部材を含むことができる。第1の部材は、切除アセンブリの制御部材として機能することができる。切除アセンブリはまた、切除アセンブリの支持部材として機能することができる第2の部材を有することができる。第2の部材は、細長い部材の長手軸に沿って延びる流体導管通路を有することができる。第2の部材内の流体導管通路は、灌注液源と流体的に結合することができる。これにより、灌注液を第2の部材内の流体導管通路を介して標的部位に供給することができる。第1および第2の軌道は、二重の機能性を有することができる。第1および第2の軌道は、切除アセンブリを標的部位に送達するための構造を提供することができる。さらに、第1および第2の軌道の一方または両方は、標的部位に灌注液を供給することができる。
【0007】
切除アセンブリはまた、電気的に活性化可能な切除要素および導電性安定化部材を有することができる。引込み位置では、第1および第2の部材は、第1および第2の軌道の内側に配置することができる。延び位置では、第1および第2の部材の遠位部分は、第1および第2の軌道から延びることができる。延び位置では、第2の部材は、細長い部材の長手軸に沿って延びる流体導管通路を介して標的部位に灌注液を供給することができる。第1の部材は、電気的に活性化可能な切除要素の一部分の周りに配置された電気絶縁体を含むことができる。切除要素は第1の部材から延びて、電気的に活性化可能な切除ループを形成することができる。第1の部材はまた、導電性外管を含むことができる。電気的に活性化可能な切除ループは、第1の部材の遠位端から導電性安定化部材まで延びることができる。導電性安定化部材は、第1の部材の遠位端と、第2の部材の遠位端との間に延びることができる。
【0008】
細長い部材はまた、カメラおよび吸引ポートを含むことができる。電気的に活性化可能な切除ループは、電気的に活性化可能な切除ループがカメラの視野内にあり、吸引ポートがカメラの上方にあるように配向することができる。吸引ポートがカメラの上方にある状態で、子宮鏡の使用中に気泡が形成されると、吸引ポートは気泡をカメラの視野から引き離すことができる。これは、そうでなければカメラの視野を遮る可能性がある気泡の量を低減または最小化するのに役立つことができる。
【0009】
潜在的な利点は、子宮頸部の拡張および患者の麻酔の量を減少させる能力を含む。より具体的には、切除アセンブリおよび標的部位への灌注の両方を提供する二重機能管腔を有する子宮鏡を提供することによって、子宮鏡の全体的な横方向サイズを縮小することができ、それによって子宮頸部を拡張すべき量を減少させ、潜在的に子宮鏡下処置に必要な麻酔の量も減少させる。
【0010】
別の潜在的な利点は、大きな子宮筋腫または大きなポリープなどの組織の大部分を除去する能力を有しながら、小さなサイズを有することによって小さな領域で動作することができるデバイスに関するものである。
【0011】
さらなる潜在的な利点は、子宮鏡の吸引ポートが子宮鏡のカメラの上方にあるように子宮鏡を構成し、それによって、子宮鏡下処置中に形成される気泡をカメラの視野から引き離すことによってカメラの視野を拡大することに関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図6】
図1の子宮鏡の遠位端から延びている切除アセンブリの斜視図を示す。
【
図9】
図1の子宮鏡の再処理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
子宮鏡は、第1および第2の軌道(例えば、管腔またはチャネル)を含むことができる細長い部材を含むことができる。切除アセンブリは、第1および第2の軌道内に引っ込み、第1および第2の軌道から延びることができる。切除アセンブリは、第1の軌道に沿って配置された第1の部分を有する第1の部材を含むことができる。第1の部材は、切除アセンブリの制御部材として機能することができる。切除アセンブリはまた、細長い部材の長手軸に沿って延びる流体導管通路を有する第2の部材を有することができる。第2の部材の流体導管通路は、灌注液源と流体的に結合することができる。これにより、灌注液を第2の部材内の流体導管通路を介して標的部位に供給することができる。第2の部材は、切除アセンブリの支持部材として機能することができる。第1および第2の軌道は、二重の機能性を有することができる。第1および第2の軌道は、切除アセンブリを標的部位に送達するための構造を提供することができる。さらに、第1および第2の軌道の一方または両方は、標的部位に灌注液を供給することができる。
【0014】
図1は、切除アセンブリ102を有する子宮鏡100の一例を示す。子宮鏡100は、本発明に係る医療デバイスに相当する。また、切除アセンブリ102は、本発明に係る子宮鏡下切除アセンブリに相当する。子宮鏡100は剛性の子宮鏡であるように示されているが、子宮鏡100は可撓性タイプの子宮鏡であってもよい。子宮鏡100は、子宮鏡100の様々な構成要素を受容するように機能することができるハウジング104を含むことができる。このような構成要素の例は、内視鏡、光源、流入チャネル、および流出チャネルを含むことができるが、これらに限定されない。
【0015】
子宮鏡100はまた、ハウジング104から延びる細長い部材106を含むことができる。細長い部材106は、吸引源接続部110を有する側方吸引ポート108を含むことができる。吸引源接続部110は、側方吸引ポート108と、側方吸引ポート108から流体を吸い出すことができる吸引源との流体結合を容易にすることができる。したがって、標的部位から除去された液体および破片などの物質を、側方吸引ポート108を介して標的部位および子宮鏡100から除去することができる。特に、液体および破片は、吸引ポートネック112に沿って側方吸引ポート108から吸引源まで移動することができる。吸引は側方吸引ポート108で発生するものとして説明されているが、吸引は細長い部材106の異なる部分で発生する可能性がある。例えば、加えてまたは代わりに、細長い部材106は、細長い部材106の近位端114に近接して配置された吸引ポートを有することができる。
【0016】
側方吸引ポート108を使用して、細長い部材106の近位端114に配置された灌注ポート116で細長い部材106に供給される灌注液を除去することができる。灌注ポート116に結合することができる灌注源(図示せず)から細長い部材106に灌注液を供給することができる。灌注液は、切除アセンブリ102を介して標的部位に供給することができる。
【0017】
細長い部材106は、
図2に示すように、長手軸203に沿って第1の軌道200および第2の軌道202の両方を画定することができる。切除アセンブリ102の第1の部材204は、第1の軌道200に沿って配置することができる。第1の部材204は、制御部材または制御アームとすることができる。切除アセンブリ102の第2の部材206は、第2の軌道202に沿って配置することができる。第2の部材206は、支持部材または支持アームとすることができる。第2の部材206は、灌注液(「IR」)を標的部位に送達するのに通ることができる長手軸203に沿って延びる流体導管通路208を含むことができる。第2の部材206は、長手軸203に沿って延びる流体導管通路208が第2の部材206の管腔210内に開口することができる第2の部材206の管腔210を画定することができる。第2の部材206の管腔210は、灌注ポート116と流体連通することができる。第2の部材206の管腔210は、第2の部材206の近位端にある開口部212まで延びることができる。開口部212は、
図3により明確に示されている。第2の部材206の開口部212は、灌注ポート116を通って灌注液源から供給される灌注液IRが第2の部材206の開口部212に移動できるように、灌注ポート116に近接して配置することができる。第2の部材206の開口部212から、灌注液IRは、第2の部材206の管腔210を通って長手軸203に沿って延びる流体導管通路208に移動することができる。
【0018】
図4では、長手軸203に沿って延びる流体導管通路208は、第2の部材206の管腔210と流体連通している。灌注ポート116と流体連通する第2の部材206の管腔210と流体連通することにより、長手軸203に沿って延びる流体導管通路208は灌注ポート116と流体連通する。したがって、灌注液IRは、長手軸203に沿って延びる流体導管通路208を介して第2の部材206の管腔210を出て、標的部位に流れることができる。
図4では、第2の部材206をアースに接続することができる。第2の部材206がアースに接続されているとき、第2の部材206は、第2の部材206の管腔210の周りに配置された絶縁体400と、絶縁体400の周りに配置された第2の部材の外側ジャケット402とを含むことができる。絶縁体400は、セラミック、任意の種類のポリマー、ゴムなどの任意の種類の電気絶縁材料から形成することができる。第2の部材206の外側ジャケット402は、導電性材料から形成することができ、切除アセンブリ102が標的部位を治療するために使用されているときに、活性切除要素のアースとして機能することができる。第2の部材206の外側ジャケット402に用いることができる材料の例は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅などを含むことができる。
【0019】
図2に戻ると、切除アセンブリ102は、第1の部材204内に配置され、第1の部材を通って延びることができる電気的に活性化可能な切除要素214を含むことができる。電気的に活性化可能な切除要素214は、導体とすることができ、子宮鏡100の電源(図示せず)から第1の部材204の遠位端216まで延びることができる。電気的に活性化可能な切除要素214の一部分は、第1の部材204の遠位端216で第1の部材204から延びることができる。
【0020】
図5では、第1の部材204は、電気的に活性化可能な切除要素214の一部分の周りに配置された絶縁体500を含むことができる。絶縁体500は、第1の部材204の導電性外管502の内側に位置し、電気的に活性化可能な切除要素214を導電性外管502から絶縁することができる。絶縁体500は、絶縁体400と同じ電気絶縁材料から形成することができる。導電性外管502は、第2の部材206の外側ジャケット402と同じ導電性材料から形成することができ、切除アセンブリ102が標的部位を治療するために使用されているときに、電気的に活性化可能な切除要素214のアースとして機能するためにアースに電気的に結合することができる。導電性外管502はまた、第1の軌道200内に延びることができる。
【0021】
図1および
図2では、切除アセンブリ102は、第2の部材206および第1の部材204が実質的に細長い部材106の内側に配置される引込み位置に示されている。切除アセンブリ102は、切除アセンブリ102が引込み位置および延び位置にあり得るように、方向XおよびYに沿って摺動可能であり得る。第1の部材204は、方向XおよびYに沿って第1の軌道200(例えば、管腔またはチャネル)内を摺動可能であり得る。加えて、第2の部材206は、方向XおよびYに沿って第2の軌道202(例えば、管腔またはチャネル)内を摺動可能であり得る。引込み位置では、第2の部材206の第3の部分218と第2の部材206の第4の部分220が両方とも第1の軌道200に沿って配置され得る。引込み位置では、第1の部材204の第1の部分222と第1の部材204の第2の部分224の両方が第2の軌道202内に配置され得る。
【0022】
延び位置では、
図6に示すように、第2の部材206の第3の部分218は第1の軌道200に沿って配置され得る一方で、第2の部材206の第4の部分220は細長い部材106から遠位に延びることができる。延び位置では、さらに
図6に示すように、第1の部材204の第1の部分222は第2の軌道202に沿って配置され得る一方で、第1の部材204の第2の部分224は細長い部材106から遠位に延びることができる。
【0023】
子宮鏡100はまた、ハンドル118を含むことができる。ハンドル118を使用して、
図1および
図2の引込み位置から
図6の延び位置まで切除アセンブリ102の位置を制御することができる。特に、ハンドル118を、方向Xに沿って移動させて切除アセンブリ102を
図6に示す位置に移動させ、方向Yに沿って移動させて切除アセンブリ102を
図1および
図2に示す位置に移動させることができる。切除処置中に、切除アセンブリ102は、組織部位から組織を切除するために細長い部材106から延びることができる。
【0024】
切除アセンブリ102はまた、第1の電気絶縁体600および第2の電気絶縁体602を含むことができる。第1の電気絶縁体600は、第1の部材204の遠位端216に配置することができる。第2の電気絶縁体602は、第2の部材206の遠位端606に配置することができる。第1の電気絶縁体600および第2の電気絶縁体602は、絶縁体400と同じ電気絶縁材料から形成することができる。電気的に活性化可能な切除要素214は、
図6に示すように、第1の電気絶縁体600と第2の電気絶縁体602との間に延びて電気的に活性化可能な切除ループを形成することができる。
【0025】
電気的に活性化可能な切除要素214は、銅線、ニッケル線、アルミニウム線、鋼線などの任意の種類の導電性材料から形成することができる。切除処置中に、電気的に活性化可能な切除要素214を使用して、標的部位の組織を気化させることができる。切除処置中の気化を可能にするために、電源から電気的に活性化可能な切除要素214に電流を供給することができる。第2の部材206は、上述のような導電性材料で形成された第2の部材206の外側ジャケット402(
図4)を有することができる。さらに、第2の部材206の外側ジャケット402をアースに電気的に結合することができる。電気的に活性化可能な切除要素214は、第2の部材206および第2の部材206の外側ジャケット402に電気的に接続することができ、したがって、組織の気化中に電気的に活性化可能な切除要素214に供給される電流用の経路を提供する。
【0026】
切除処置中に、灌注液IRは、上記のように、第2の部材206の管腔210に供給され、そして長手軸203に沿って延びる流体導管通路208を介して標的部位に送達され得る。したがって、子宮鏡100は、標的部位で組織を切除するための機構を提供すると同時に、標的部位に灌注液を送達することができる単一の部材、すなわち細長い部材106のみを必要とする。
【0027】
細長い部材106はまた、側方吸引ポート108と流体的に結合することができる遠位吸引ポート226を含むことができる。遠位吸引ポート226は、細長い部材106の遠位端604から側方吸引ポート108まで延びることができる。切除処置中に、吸引が遠位吸引ポート226に加えられると、破片608および灌注液IRを遠位吸引ポート226に吸い込むことができる。したがって、灌注液608および切除機構を提供することに加えて、細長い部材106などの単一の部材は、切除処置中に標的部位から灌注液IRおよび破片608を除去することができる。
【0028】
子宮鏡100は、細長い部材106の遠位端604に配置された視野612を有するカメラ610を含むことができる。切除アセンブリ102、特に電気的に活性化可能な切除要素214は、カメラ視野612内にあり得る。子宮鏡100のオペレータは、カメラ610を用いて切除アセンブリ102と共に標的部位を見ることができる。子宮鏡100の使用中に、オペレータは、ハンドル118およびカメラ610を用いて、電気的に活性化可能な切除要素214を使用する切除を制御することができる。
図6に示すように、カメラ610は、細長い部材106の上側部分に配置され、一方、遠位吸引ポート226は、カメラ610の下方の細長い部材106の下側部分に配置される。
【0029】
あるいは、
図7に示すように、カメラ610は、細長い部材106の下側部分に配置され、一方、遠位吸引ポート226は、細長い部材106の上側部分に配置されてもよい。ここで、遠位吸引ポート226は、カメラ610の上方に配置される。標的部位での切除中に、気泡700が形成される可能性があり、気泡700がカメラ視野612に入ると、カメラ610の視野を妨げる可能性がある。カメラ610を遠位吸引ポート226の下方に向けることによって、遠位吸引ポート226は気泡700をカメラ視野612から吸い出すことができ、それによってより鮮明なカメラ視野612を提供する。
【0030】
上述の実施例では、切除アセンブリ102は、第2の部材206、第1の部材204、電気的に活性化可能な切除要素214、第1の電気絶縁体600および第2の電気絶縁体602を含んでいた。切除アセンブリはまた、
図8に示すように、第1の部材204の遠位端216と第2の部材206の遠位端606との間に延びる導電性安定化部材800を含むことができる。
図8に示すように、切除アセンブリ102は、第1の部材204の遠位端216に第1の電気絶縁体600を含み、第2の部材206の遠位端606に第2の電気絶縁体602を含む。導電性安定化部材800は、組織の気化中に電気的に活性化可能な切除要素214に供給される電流用の経路を提供することができる。導電性安定化部材800は、導電性外管502に電気的に接続することができ、それによって電気的に活性化可能な切除要素214内の電流がアースに流れる経路を提供する。
【0031】
子宮鏡100は、一回の使用後に処分してもよい。あるいは、子宮鏡100は、複数回繰り返し使用してもよい。子宮鏡100を複数回繰り返し使用してもよいとき、子宮鏡100は、子宮鏡100の再処理方法を示すフローチャートである
図9に示す再処理方法900のように使用することができる。上述した子宮鏡100は、一回の使用後に廃棄されてもよいし、複数回繰り返し使用されてもよい。複数回繰り返し使用するとき、
図9の再処理方法900を使用することができる。デバイスを再製するオペレータは、治療に使用された後に使用済みの子宮鏡100を回収することができ、902において子宮鏡100を工場または他の施設に輸送することができる。使用済みの子宮鏡100は、他の治療による汚染の防止に役立つなどのために、専用の容器に入れて輸送することができる。
【0032】
904において、オペレータは、使用済みの子宮鏡100を洗浄および滅菌する。洗浄時には、ブラシなどを用いて、子宮鏡100の各部分に付着した堆積物を除去する。子宮鏡100には、血液や体液などに由来する病原性微生物などを除去するために、イソプロパノール含有洗浄剤、タンパク質分解酵素洗剤、アルコールなどの洗浄液のいずれかを適用することができる。洗浄剤は、上述した洗浄液に限定されず、他の洗浄剤を用いることもできる。滅菌時には、高圧蒸気滅菌、酸化エチレンガス滅菌、ガンマ線滅菌、過酸化水素および過酸化水素低温滅菌を子宮鏡100に適用することができる。このような構造を有する子宮鏡100により、子宮鏡100は洗浄しやすい。
【0033】
洗浄および滅菌の後、906において子宮鏡100の受入検査を実行することができる。受入検査中に、子宮鏡100の点検を実行して、子宮鏡100に重大な欠陥があるかどうかを判定することができる。さらに、子宮鏡100の再処理された回数を判定することができる。子宮鏡100の再処理された回数を閾値と比較して、子宮鏡100の再処理された回数が閾値を超えており、もはや使用されるべきではないかどうかを判定することができる。
【0034】
次に、908において、子宮鏡100を分解することができ、ここで、切除アセンブリ102または細長い部材106などの子宮鏡100の様々な構成要素が子宮鏡100から取り外される。切除アセンブリ102および細長い部材106のみが除去されるものとして言及されているが、本明細書に記載の子宮鏡100の任意の部分は、908において除去することができる。
【0035】
908において分解した後、910において、子宮鏡100の欠陥があるとみなされる構成要素はすべて交換することができる。さらに説明すると、切除アセンブリ102が欠陥があるとみなされる場合、切除アセンブリを910において交換することができる。切除アセンブリ102が交換されるものとして言及されているが、本明細書に記載の子宮鏡100の任意の部分は、910において交換することができる。
【0036】
910において子宮鏡100の構成要素が交換された後、912において子宮鏡100を再組み立てすることができる。再組み立て中に、子宮鏡100がその元の状態から交換部品(単数または複数)を含むように変更されたことを示すことができる識別子を追加することができる。識別子は、子宮鏡100を再処理、改修、または再製されたものとして示すラベルまたは任意の他の種類のしるしを含むことができる。
【0037】
次いで、914において、子宮鏡100が検査および試験される。具体的には、ユーザは、様々な機能試験によって、新たに形成された子宮鏡100が元の製品と同じ有効性および安全性を有することを検証することができる。点検後、916において、子宮鏡100を滅菌し保管することができる。子宮鏡100は、酸化エチレンガスまたは酸化プロピレンガスなどの滅菌ガスで滅菌することができる。滅菌後、子宮鏡100は、916において保管され、その後918において出荷され得る。
【0038】
本発明の主題の様々な態様および特徴を説明してきたが、例示的な実施形態として以下の番号付けされた実施例が提供される。
【0039】
実施例1は、細長い部材と、細長い部材の近位端にある灌注ポートと、細長い部材の遠位端から延びる切除アセンブリと、を備え、細長い部材は、細長い部材の長手軸に沿って第1の軌道および第2の軌道を画定し、切除アセンブリは、第1の軌道に沿って配置された第1の部分を含む第1の部材と、長手軸に沿って延びて灌注ポートと連通する流体導管通路、および、第2の軌道に沿って配置された第3の部分を有する第2の部材と、第1の部材の遠位端から延びる電気的に活性化可能な切除要素と、を含む、医療デバイスである。
【0040】
実施例2では、実施例1の主題は、第1の部材は、第1の軌道に沿って引込み位置と延び位置との間で摺動可能であり、第1の部分および第1の部材の第2の部分が、引込み位置において細長い部材内に配置され、第2の部分が、延び位置において細長い部材から遠位に延びる、ことを含む。
【0041】
実施例3では、実施例1~2の主題は、第2の部材は、第2の軌道に沿って引込み位置と延び位置との間で摺動可能であり、第3の部分および第2の部材の第4の部分が、引込み位置において細長い部材内に配置され、第4の部分が、延び位置において細長い部材から遠位に延びる、ことを含む。
【0042】
実施例4では、実施例1~3の主題は、切除アセンブリは、第1の部材の遠位端と第2の部材の遠位端との間に延びる導電性安定化部材と、第1の部材の遠位端に配置された第1の電気絶縁体と、第2の部材の遠位端に配置された第2の電気絶縁体と、をさらに備え、切除要素は、第1の電気絶縁体と第2の電気絶縁体との間に延びて、電気的に活性化可能な切除ループを形成する、ことを含む。
【0043】
実施例5では、実施例4の主題は、細長い部材は、細長い部材の遠位端にある、または細長い部材の遠位端から延びる吸引ポートと、細長い部材の遠位端に配置されたカメラと、をさらに備え、切除ループは、カメラの視野内にあるように配置または移動可能である、ことを含む。
【0044】
実施例6では、実施例4~5の主題は、第1の部材は、第1の軌道内に延びる導電性外管と、導電性外管の内側に配置された絶縁体と、を備え、切除要素の一部分は、絶縁体内に配置される、ことを含む。
【0045】
実施例7では、実施例6の主題は、切除要素は、第1の部材から延びる導体の一部分を含む、ことを含む。
【0046】
実施例8では、実施例6~7の主題は、導電性外管は、アースに電気的に結合される、ことを含む。
【0047】
実施例9では、実施例6~8の主題は、第2の部材は、導電性材料から形成された外側ジャケットを含み、外側ジャケットは、アースに電気的に結合される、ことを含む。
【0048】
実施例10は、医療デバイスを処理するための処理方法であり、医療デバイスは、細長い部材と、細長い部材の近位端にある灌注ポートと、細長い部材の遠位端から延びる切除アセンブリと、を備え、細長い部材は、細長い部材の長手軸に沿って第1の軌道および第2の軌道を画定し、切除アセンブリは、第1の軌道に沿って配置された第1の部分を含む第1の部材と、長手軸に沿って延びて灌注ポートと連通する流体導管通路、および、第2の軌道に沿って配置された第3の部分を有する第2の部材と、第1の部材の遠位端から延びる電気的に活性化可能な切除要素と、を含み、この処理方法は、医療デバイスを滅菌することと、医療デバイスを滅菌容器内に保管することと、を含む。
【0049】
実施例11は、第1の部材と、管腔、および、管腔の長手軸に沿って延びて管腔と連通する流体導管通路を有する第2の部材と、第1の部材の遠位端から延びる電気的に活性化可能な切除要素と、を備える子宮鏡下切除アセンブリである。
【0050】
実施例12では、実施例11の主題は、第1の部材の遠位端と第2の部材の遠位端との間に延びる導電性安定化部材と、第1の部材の遠位端に配置された第1の電気絶縁体と、第2の部材の遠位端に配置された第2の電気絶縁体と、をさらに備え、切除要素は、第1の電気絶縁体と第2の電気絶縁体との間に延びて、電気的に活性化可能な切除ループを形成する。
【0051】
実施例13では、実施例12の主題は、第1の部材は、導電性外管と、導電性外管の内側に配置された絶縁体と、を備え、切除要素の一部分は、絶縁体内に配置される、ことを含む。
【0052】
実施例14では、実施例13の主題は、切除要素は、第1の部材から延びる導体の一部分を含む、ことを含む。
【0053】
実施例15では、実施例13~14の主題は、導電性外管は、アースに電気的に結合される、ことを含む。
【0054】
実施例16では、実施例13~15の主題は、第2の部材は、導電性材料から形成された外側ジャケットを含み、外側ジャケットは、アースに電気的に結合される、ことを含む。
【0055】
実施例17は、子宮鏡下切除アセンブリを備える子宮鏡を処理するための処理方法であり、子宮鏡下切除アセンブリは、第1の部材と、管腔、および、管腔の長手軸に沿って延びて管腔と連通する流体導管通路を有する第2の部材と、第1の部材の遠位端から延びる電気的に活性化可能な切除要素と、を備え、この処理方法は、子宮鏡を滅菌することと、子宮鏡を滅菌容器内に保管することと、を含む。
【0056】
実施例18は、細長い部材と、細長い部材の近位端にある灌注ポートと、細長い部材の遠位端にある、または細長い部材の遠位端から延びる吸引ポートと、細長い部材の遠位端に配置されたカメラと、を備え、細長い部材は、細長い部材の長手軸に沿って第1の軌道および第2の軌道を画定し、第1の軌道と第2の軌道とがともに、標的部位に切除アセンブリ、および標的部位に灌注液を供給するように構成される、医療デバイスである。
【0057】
実施例19では、実施例18の主題は、第2の軌道が灌注ポートと連通し、吸引ポートが細長い部材の遠位端の第1の側方部分に位置し、カメラが吸引ポートの下方の細長い部材の遠位端の対向する第2の側方部分に位置する、ことを含む。
【0058】
実施例20は、医療デバイスを処理するための方法であり、医療デバイスは、細長い部材と、細長い部材の近位端にある灌注ポートと、細長い部材の遠位端にある、または細長い部材の遠位端から延びる吸引ポートと、細長い部材の遠位端に配置されたカメラと、を備え、細長い部材は、細長い部材の長手軸に沿って第1の軌道及び第2の軌道を画定し、第1の軌道と第2の軌道とがともに、標的部位に切除アセンブリ、および標的部位に灌注液を供給するように構成され、この処理方法は、医療デバイスを滅菌することと、医療デバイスを滅菌容器内に保管することと、を含む。
【0059】
実施例21は、処理回路構成によって実行されると、処理回路構成に実施例1~20のいずれかを実施するための動作を実行させる命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体である。
【0060】
実施例22は、実施例1~20のいずれかを実施する手段を備える装置である。
【0061】
実施例23は、実施例1~20のいずれかを実施するシステムである。
【0062】
実施例24は、実施例1~20のいずれかを実施する方法である。
【0063】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例示として、本発明を実施することができる特定の例を示す。これらの例は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。そのような実施例は、図示または記載のものの他にも要素を含むことができる。しかしながら、本発明者は、図示または説明の要素のみが設けられる例も企図する。さらに、本発明者はまた、特定の例(またはその1つ以上の態様)に関して、または本明細書に例示もしくは記載の他の例(またはその1つ以上の態様)に関して、例示もしくは記載の要素(またはその1つ以上の態様)の任意の組合せまたは順列を使用する実施例を企図する。
【0064】
本明細書では、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、特許文献で一般的であるように、「少なくとも1つの(at least one)」または「1つ以上の(one or more)」の任意の他の事例または使用とは無関係に、1つ以上を含むように使用される。本明細書では、「または(or)」という用語は、特に明記しない限り、「AまたはB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および「AおよびB」を含むように、非排他的な「または(or)」を指すために使用される。本明細書では、「含む(including)」および「そこにおいて(in which)」という用語は、それぞれの用語「備える(comprising)」および「そこにおいて(wherein)」の平易な英語の同義語として使用される。また、以下の特許請求の範囲では、「含む(including)」および「含む、備える(comprising)」という用語はオープンエンドであり、すなわち、特許請求の範囲でそのような用語の後に列挙されている要素の他にも要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、またはプロセスは、依然としてその特許請求の範囲内にあるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0065】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、上述の実施例(またはその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。上記の説明を検討すれば、当業者などは、他の実施例を使用することができる。要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に把握できることを可能にするために、37C.F.R.§1.72(b)に準拠するように提供される。それは、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないという理解のもとで提出されるものである。また、上記の「発明を実施するための形態」では、本開示を合理化するために様々な特徴をまとめてグループ化することができる。これは、特許請求されていない開示の特徴がいずれかの請求項に必須であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、開示の特定の実施例のすべての特徴より少ない特徴に存在することができる。したがって、以下の特許請求の範囲は、例または実施例として「発明を実施するための形態」に組み込まれ、各請求項は別個の実施例として独立しており、そのような実施例は様々な組合せまたは順列で互いに組み合わせることができると考えられる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲と、このような特許請求の範囲に付与される権利の等価物の全範囲との両方を基準に決定されるべきである。
【符号の説明】
【0066】
100 子宮鏡
102 切除アセンブリ
104 ハウジング
106 部材
108 側方吸引ポート
110 吸引源接続部
112 吸引ポートネック
114 近位端
116 灌注ポート
118 ハンドル
200 第1の軌道
202 第2の軌道
203 長手方向軸
204 第1の部材
206 第2の部材
208 流体導管通路
210 管腔
212 開口部
214 切除要素
216 遠位端
218 第3の部分
220 第4の部分
222 第1の部分
224 第2の部分
226 遠位吸引ポート
400 絶縁体
402 外側ジャケット
500 絶縁体
502 導電性外管
600 第1の電気絶縁体
602 第2の電気絶縁体
604 遠位端
606 遠位端
608 破片
610 カメラ
612 カメラ視野
700 気泡
800 導電性安定化部材
IR 灌注液