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特開2024-133051コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法、コンテンツ管理プログラム、およびユーザ端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133051
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法、コンテンツ管理プログラム、およびユーザ端末
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/235 20110101AFI20240920BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20240920BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/258
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060624
(22)【出願日】2024-04-04
(62)【分割の表示】P 2023043297の分割
【原出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 一之
(72)【発明者】
【氏名】前田 卓魅
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164MA04S
5C164SB08P
5C164SC11P
5C164UB41S
5C164UB88S
5C164YA11
(57)【要約】
【課題】動画コンテンツの特定のシーンに関する情報へのアクセスを支援すること。
【解決手段】コンテンツ管理システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、第1端末によって生成された動画コンテンツを第2端末上に表示し、動画コンテンツが表示されている間に第1端末において受け付けられたユーザ操作に応答して、該ユーザ操作のタイミングに対応する動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成し、マークを動画コンテンツと併せて第2端末上に表示する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
配信者端末によって生成された動画コンテンツを視聴者端末上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記配信者端末において受け付けられた、配信者によるユーザ操作に応答して、該配信者によるユーザ操作のタイミングに対応する前記動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成し、
前記マークを前記動画コンテンツと併せて前記視聴者端末上に表示する、
コンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記視聴者端末において表示された前記マークに対する、視聴者によるユーザ操作に応答して、前記視聴者端末上において、該マークに関連する前記シーンから前記動画コンテンツを再生する、
請求項1に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記配信者端末または前記視聴者端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて前記視聴者端末上に表示し、
前記視聴者端末において表示された前記マークに対する、視聴者によるユーザ操作に応答して、該マークに関連する前記シーンに対応する前記コメントを前記視聴者端末上に表示する、
請求項1または2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記動画コンテンツの進行状況を表すシークバーを前記視聴者端末上に表示し、
前記マークを、前記配信者によるユーザ操作の前記タイミングに対応する前記シークバー上の位置に表示する、
請求項1または2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記配信者によるユーザ操作の前記タイミングに対応する前記シーンの少なくとも一部を含むスクリーンショット画像を、前記マークとして生成する、
請求項1または2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項6】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
予め設定されたタイミングに対応する前記動画コンテンツの別シーンに関連する別マークを生成し、
前記別マークを前記動画コンテンツと併せて前記視聴者端末に表示する、
請求項1または2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項7】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記配信者端末または前記視聴者端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて前記視聴者端末上に表示し、
前記コメントの頻度が所定の閾値に達したタイミングに対応する前記動画コンテンツのシーンに関連する別マークを生成し、
前記別マークを前記動画コンテンツと併せて前記視聴者端末上に表示する、
請求項1または2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項8】
少なくとも一つのプロセッサを備えるコンテンツ管理システムによって実行されるコンテンツ管理方法であって、
配信者端末によって生成された動画コンテンツを視聴者端末上に表示するステップと、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記配信者端末において受け付けられた、配信者によるユーザ操作に応答して、該配信者によるユーザ操作のタイミングに対応する前記動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成するステップと、
前記マークを前記動画コンテンツと併せて前記視聴者端末上に表示するステップと、
を含むコンテンツ管理方法。
【請求項9】
配信者端末によって生成された動画コンテンツを視聴者端末上に表示するステップと、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記配信者端末において受け付けられた、配信者によるユーザ操作に応答して、該配信者によるユーザ操作のタイミングに対応する前記動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成するステップと、
前記マークを前記動画コンテンツと併せて前記視聴者端末上に表示するステップと、
をコンピュータに実行させるコンテンツ管理プログラム。
【請求項10】
サーバを介して配信者端末と接続するユーザ端末であって、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記配信者端末によって生成された動画コンテンツを画面上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記配信者端末において受け付けられた、配信者によるユーザ操作に応答して、前記サーバによって生成されたマークであって、該配信者によるユーザ操作のタイミングに対応する前記動画コンテンツのシーンに関連する該マークを、前記動画コンテンツと併せて前記画面上に表示する、
ユーザ端末。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法、コンテンツ管理プログラム、およびユーザ端末に関する。
【背景技術】
【0002】
表示されている動画コンテンツのシーンについての情報を記録する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ユーザの指示を受けて、再生中の動画コンテンツを撮像し、スクリーンショットを生成する端末を有する情報処理システムが記載されている。特許文献2には、動画データの再生中に記録されたライブ配信の一部に基づいてギフトを生成し、そのギフトを動画データの再生中に生成側のユーザに付与するための処理を行うサーバが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-121125号公報
【特許文献2】特許第7071718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動画コンテンツの特定のシーンに関する情報へのアクセスを支援することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るコンテンツ管理システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、第1端末によって生成された動画コンテンツを第2端末上に表示し、動画コンテンツが表示されている間に第1端末において受け付けられたユーザ操作に応答して、該ユーザ操作のタイミングに対応する動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成し、マークを動画コンテンツと併せて第2端末上に表示する。
【0006】
このような側面においては、動画コンテンツが表示されている間に行われた第1端末でのユーザ操作に応答して、その操作に対応するシーンのマークが第2端末上に表示される。このマークにより、そのシーンに関する情報が、ユーザ操作を受け付けた第1端末とは別の第2端末に提供されるので、第2端末のユーザによるその情報へのアクセスを支援することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、動画コンテンツの特定のシーンに関する情報へのアクセスを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】コンテンツ管理システムの適用の一例を示す図である。
図2】コンテンツ管理システムに関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】コンテンツ管理システムに関連する機能構成の一例を示す図である。
図4】コンテンツ管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図5】マーク生成の一例を示す図である。
図6】マーク操作の一例を示す図である。
図7】マーク操作の別の例を示す図である。
図8】マーク表示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[システムの概要]
本開示に係るコンテンツ管理システムは、ユーザに配信されるコンテンツを管理するコンピュータシステムである。コンテンツとは、コンピュータまたはコンピュータシステムによって提供され、人が認識可能な情報をいう。コンテンツを示す電子データをコンテンツデータという。一例では、コンテンツは音声を含み得る映像によって表現される動画コンテンツである。動画コンテンツは、カメラなどの撮像装置によって生成された映像を含んでもよいし、コンピュータグラフィック(CG)を含んでもよいし、これらの双方を含んでもよい。コンテンツは様々な態様の情報伝達またはコミュニケーションのために用いることができ、例えば、ニュース、教育、医療、ゲーム、チャット、商取引、講演、セミナー、研修、コンサート、アンケートなどの様々な場面または目的で利用され得る。コンテンツの配信とは、ユーザにコンテンツを提供するために実行される処理をいい、例えば、通信ネットワークを経由して情報をユーザに向けて送信する処理をいう。
【0011】
コンテンツ管理システムは、動画コンテンツを示すコンテンツデータをユーザ端末に送信することで、該動画コンテンツをユーザに提供する。一例では、その動画コンテンツは配信者から提供される。配信者とは、コンテンツ管理システムによって視聴者に情報を提供しようとする人であり、動画コンテンツの発信者である。視聴者とは、コンテンツ管理システムによって情報を得ようとする人であり、動画コンテンツの利用者である。コンテンツ管理システムは、配信者端末から提供されたコンテンツデータを視聴者端末に送信する。視聴者端末は、コンテンツデータを処理して画面上に動画コンテンツを表示する。本開示において、配信者と視聴者とをユーザと総称して説明し、配信者端末と視聴者端末とをユーザ端末と総称して説明を行う場合がある。
【0012】
一例では、コンテンツ管理システムはリアルタイム配信を行ってもよい。この場合、例えば、配信者端末は、撮影した映像を処理してコンテンツデータを生成し、そのコンテンツデータをコンテンツ管理システムに向けてリアルタイムに送信する。コンテンツ管理システムはそのコンテンツデータを受信し、視聴者端末に向けてそのコンテンツデータをリアルタイムに送信する。これはインターネット生放送の一態様である。コンテンツデータはコンテンツ管理システムにおいて生成されてもよい。すなわち、コンテンツ管理システムは、配信者端末から提供されるリアルタイムの映像を処理してコンテンツデータを生成し、そのコンテンツデータを視聴者端末に向けてリアルタイムに送信してもよい。コンテンツ管理システムは、リアルタイム配信後の所与の期間においてコンテンツを視聴可能なタイムシフトのために用いられてもよい。
【0013】
コンテンツ管理システムは、視聴者が任意のタイミングでコンテンツを視聴可能なオンデマンド配信を行ってもよい。この場合、例えば、コンテンツ管理システムは、過去に撮影された映像を処理することで生成されたコンテンツデータを、データベースなどの記憶装置に格納してもよい。コンテンツ管理システムは、視聴者の要求に応じて、格納されたコンテンツデータを視聴者端末に向けて送信してもよい。
【0014】
コンテンツ管理システムは、第1端末によって生成された動画コンテンツを第2端末上に表示する。第1端末は例えば配信者端末であり、第2端末は例えば視聴者端末である。
【0015】
一例では、コンテンツ管理システムは、動画コンテンツが表示されている間に第1端末において取得されたイベントに応答して、該イベントのタイミングに対応する動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成する。マークは、シーンに関連する情報をユーザに視覚的に伝えるためのしるしであり、動画コンテンツとは独立した情報である。マークを示す電子データをマークデータという。マークは、例えば、静止画(写真、イラストなど)、動画像(映像またはアニメーション)、絵文字および文字(テキスト)のうちの少なくとも一つを含んで構成されてもよい。一例として、マークはシーンの少なくとも一部を含むスクリーンショット画像であってもよい。「イベントのタイミングに対応する(動画コンテンツの)シーン」は、例えば、イベントが発生した時点で表示されていたシーンでもよい。イベントとはコンピュータ内で発生する所定の現象をいい、コンテンツ管理システムではマーキングのトリガーとして機能する。イベントの例として、ユーザ操作の発生と、所定のパラメータに関する条件の充足とが挙げられる。
【0016】
一例では、コンテンツ管理システムは、生成されたマークを動画コンテンツと併せて第2端末上に表示する。すなわち、コンテンツ管理システムは生成されたマークを動画コンテンツとともに表示する。「マークを動画コンテンツと併せて表示する」とは、マークおよび動画コンテンツの双方を同一画面上に表示する処理をいう。マークは動画コンテンツと重なることなく表示されてもよいし、マークの少なくとも一部が動画コンテンツと重なるように表示されてもよい。
【0017】
以下では、マークを生成および表示する処理をマーキングともいう。上述したように、一例では、コンテンツ管理システムは第1端末でのユーザ操作に応答して第2端末にマークを表示する。マークがスクリーンショット画像である場合には、そのスクリーンショット画像は、マーキングのためのユーザ操作を受け付けた第1端末上にではなく、第1端末とは別の第2端末上に表示される。したがって、コンテンツ管理システムによって実行されるこのようなマーキングは、或る一つの端末内で閉じた処理である従来のスクリーンショットとは異なる。
【0018】
ユーザ端末は、動画コンテンツの進行状況を表すシークバーを、動画コンテンツと併せて上に表示してもよい。その場合、コンテンツ管理システムは、イベントのタイミングに対応するシークバー上の位置に、該タイミングに対応するシーンのマークを表示してもよい。
【0019】
[システムの構成]
図1は、一例に係るコンテンツ管理システム1の適用を示す図である。この例では、コンテンツ管理システム1はサーバ10を備える。サーバ10は、コンテンツデータを配信するコンピュータである。サーバ10は、通信ネットワークNを介して1以上の配信者端末20(第1端末)および1以上の視聴者端末30(第2端末)と接続する。サーバ10は、通信ネットワークNを介してユーザデータベース40とも接続する。通信ネットワークNはインターネットを含んで構成されていてもよいし、イントラネットを含んで構成されていてもよい。
【0020】
配信者端末20は、配信者によって用いられるコンピュータである。一例では、配信者端末20は、動画コンテンツを生成する機能と、コンテンツ管理システム1にアクセスしてその動画コンテンツを示すコンテンツデータを送信する機能とを有する。配信者端末20は映像を撮影、収録、および送信する機能を有する撮影システムであってもよい。あるいは、配信者端末20は高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末、ウェアラブル端末(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートグラスなど)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯端末でもよい。あるいは、配信者端末20はデスクトップ型パーソナルコンピュータなどの据置型端末でもよい。
【0021】
視聴者端末30は、視聴者によって用いられるコンピュータである。一例では、視聴者端末30は、コンテンツ管理システム1にアクセスしてコンテンツデータを受信および表示する機能を有する。視聴者端末30は高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末、ウェアラブル端末(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートグラスなど)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯端末でもよい。あるいは、視聴者端末30はデスクトップ型パーソナルコンピュータなどの据置型端末でもよい。
【0022】
配信者は、配信者端末20を操作してコンテンツ管理システム1にログインし、これにより動画コンテンツを視聴者に提供できる。視聴者は、視聴者端末30を操作してコンテンツ管理システム1にログインし、これにより視聴者はコンテンツを視聴できる。本開示では、コンテンツ管理システム1の視聴者および配信者が既にログインしていることを前提とする。視聴者によるコンテンツ管理システム1へのログインが省略されてもよい。すなわち、コンテンツ管理システム1は、ログインしていない一般の視聴者の視聴者端末30にコンテンツデータを送信してもよい。この場合、ログインしていない一般の視聴者もコンテンツを視聴できる。
【0023】
ユーザデータベース40は、コンテンツ管理システム1を利用するユーザに関するユーザデータを記憶する非一時的な記憶装置である。一例では、ユーザデータの各レコードは、個々のユーザを一意に特定する識別子であるユーザIDと、ユーザの属性を示す属性情報とを含む。ユーザの属性とは、ユーザの特徴または性質を示す情報をいう。例えば、属性情報は氏名、年齢、性別、ユーザによって視聴されたコンテンツの識別子である1以上のコンテンツID、または各コンテンツの視聴回数を含んでもよい。属性情報は、ユーザが使用できるアイコンを含んでもよい。ユーザのアイコンは、該ユーザによって制作されてもよいし、他者からギフトとして該ユーザに提供されてもよいし、該ユーザによって他者にギフトとして提供可能であってもよい。ギフトとしてのアイコンは、通常のアイコンとは異なる特殊な表示態様を有してもよいし、ギフトの受領者に金銭などの報酬を付与する機能を有してもよい。属性情報は、ユーザデータベース40以外の領域に記憶されていてもよい。例えば、属性情報は、視聴者端末30におけるブラウザのクッキー(Cookie)領域に記憶されていてもよい。属性情報は、ユーザがコンテンツ管理システム1にログインしているか否かを示す情報を含んでいてもよい。
【0024】
ユーザデータベース40は、単一のデータベースとして構築されてもよいし、複数のデータベースの集合であってもよい。ユーザデータベース40は、コンテンツ管理システム1の構成要素であってもよいし、コンテンツ管理システム1とは別のコンピュータシステム内に設けられてもよい。
【0025】
図2は、コンテンツ管理システム1に関連するハードウェア構成の一例を示す図である。図2は、サーバ10として機能するサーバコンピュータ100と、配信者端末20または視聴者端末30として機能する端末コンピュータ200とを示す。
【0026】
一例として、サーバコンピュータ100はハードウェア構成要素として、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信部104を備える。プロセッサ101は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)である。主記憶部102は、実行されようとするプログラム、演算結果などを記憶する装置であり、例えばROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)により構成される。補助記憶部103は、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶可能な装置であり、例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部103は、サーバコンピュータ100をサーバ10として機能させるためのサーバプログラムP1と各種のデータとを記憶する。通信部104は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。
【0027】
本実施形態では、コンテンツ管理プログラムはサーバプログラムP1として実装される。サーバ10の各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上にサーバプログラムP1を読み込ませてプロセッサ101にそのプログラムを実行させることで実現される。サーバプログラムP1は、サーバ10の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ101はサーバプログラムP1に従って通信部104を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを実行する。
【0028】
サーバ10は、一つまたは複数のコンピュータにより構成され得る。複数のコンピュータが用いられる場合には、通信ネットワークNを介してこれらのコンピュータが互いに接続されることで、論理的に一つのサーバ10が構成される。
【0029】
一例として、端末コンピュータ200はハードウェア構成要素として、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、および撮像部207を備える。プロセッサ201は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置であり、例えばCPUまたはGPUである。主記憶部202は、実行されようとするプログラム、演算結果などを記憶する装置であり、例えばROMまたはRAMにより構成される。補助記憶部203は、一般に主記憶部202よりも大量のデータを記憶可能な装置であり、例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部203は、端末コンピュータ200を配信者端末20または視聴者端末30として機能させるためのクライアントプログラムP2と各種のデータとを記憶する。通信部204は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。入力インタフェース205は、ユーザの操作または動作に基づいてデータを受け付ける装置であり、例えば、キーボード、操作ボタン、ポインティングデバイス、タッチパネル、マイクロフォン、センサ、およびカメラのうちの少なくとも一つによって構成される。出力インタフェース206は、端末コンピュータ200で処理されたデータを出力する装置であり、例えば、モニタ、タッチパネル、HMDなどの表示装置を含んで構成される。撮像部207は、現実世界を写した画像(映像または写真)を撮影する装置であり、例えばカメラである。撮像部207は入力インタフェース205としても機能し得る。
【0030】
配信者端末20または視聴者端末30の各機能要素は、対応するクライアントプログラムP2をプロセッサ201または主記憶部202に読み込ませてプロセッサ201にそのプログラムを実行させることで実現される。クライアントプログラムP2は、配信者端末20または視聴者端末30の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ201はクライアントプログラムP2に従って通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、または撮像部207を動作させ、主記憶部202または補助記憶部203におけるデータの読み出しおよび書き込みを行う。
【0031】
サーバプログラムP1およびクライアントプログラムP2の少なくとも一つは、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に非一時的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、これらのプログラムの少なくとも一つは、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークNを介して提供されてもよい。これらのプログラムは別々に提供されてもよいし、一緒に提供されてもよい。
【0032】
図3は、コンテンツ管理システム1に関連する機能構成の一例を示す図である。サーバ10は、機能要素としてコンテンツ転送部11およびマーク制御部12を備える。コンテンツ転送部11は、配信者端末20から送信されたコンテンツデータを受信し、そのコンテンツデータを視聴者端末30に送信する機能要素である。マーク制御部12は、配信者端末20または視聴者端末30でのイベントに応答して、配信者端末20または視聴者端末30におけるマーキングを実行する機能要素である。
【0033】
配信者端末20は、機能要素としてコンテンツ生成部21、コンテンツ表示部22、画面制御部23、マーキング要求部24、およびマーク表示部25を備える。コンテンツ生成部21は動画コンテンツを生成し、その動画コンテンツを示すコンテンツデータをサーバ10に送信する機能要素である。コンテンツ表示部22は、生成された動画コンテンツを配信者端末20の画面上に表示する機能要素である。画面制御部23は、マークに対するユーザ操作に応答して、画面の表示を制御する機能要素である。マーキング要求部24は、マーキングに関するイベントを取得し、マークの生成および表示を要求するためのマーキング要求をサーバ10に送信する機能要素である。配信者端末20で取得されるイベントは、例えば、配信者端末20において受け付けられたユーザ操作である。マーク表示部25は、サーバ10からマークデータを受信し、そのマークデータに基づいてマークを画面上に表示する機能要素である。
【0034】
視聴者端末30は、機能要素としてコンテンツ表示部31、画面制御部32、マーキング要求部33、およびマーク表示部34を備える。コンテンツ表示部31は、サーバ10からコンテンツデータを受信し、そのコンテンツデータに基づいて動画コンテンツを表示する機能要素である。画面制御部32は、マークに対するユーザ操作に応答して、画面の表示を制御する機能要素である。マーキング要求部33は、マーキングに関するイベントを取得し、マーキング要求をサーバ10に送信する機能要素である。視聴者端末30で取得されるイベントは、例えば、視聴者端末30において受け付けられたユーザ操作である。マーク表示部34は、サーバ10からマークデータを受信し、そのマークデータに基づいてマークを画面上に表示する機能要素である。
【0035】
[システムの動作]
図4を参照しながら、コンテンツ管理システム1の動作を説明するとともに、一例に係るコンテンツ管理方法について説明する。図4は、コンテンツ管理システム1の動作の一例を処理フローS1として示すシーケンス図である。
【0036】
ステップS101では、配信者端末20のコンテンツ生成部21が動画コンテンツを生成する。一例では、コンテンツ生成部21は、配信者が配信開始のためのユーザ操作を行ったことに応答して、動画コンテンツの生成を開始する。例えば、コンテンツ生成部21は、撮像部207によって撮影された映像を含む動画コンテンツを生成してもよいし、補助記憶部203に記憶されたコンテンツ素材に基づいて動画コンテンツを生成してもよい。
【0037】
ステップS102では、コンテンツ生成部21がその動画コンテンツを示すコンテンツデータをサーバ10に送信する。一例では、コンテンツ生成部21は、映像の撮影に基づく動画コンテンツの生成に応じてコンテンツデータを連続的にサーバ10に送信する。サーバ10ではコンテンツ転送部11がそのコンテンツデータを受信する。
【0038】
ステップS103では、コンテンツ転送部11がそのコンテンツデータを視聴者端末30に送信する。一例として、コンテンツ転送部11は、視聴者端末30からのコンテンツ要求に応答して、その視聴者端末30にコンテンツデータを送信し始める。コンテンツ要求は、動画コンテンツの再生をサーバ10に要求するためのデータ信号である。一例では、コンテンツ転送部11はコンテンツデータを連続的に視聴者端末30に送信する。視聴者端末30ではコンテンツ表示部31が、コンテンツ転送部11から送信されたコンテンツデータを受信する。
【0039】
ステップS104では、配信者端末20のコンテンツ表示部22が、コンテンツ生成部21によって生成された動画コンテンツを画面上に表示する。動画コンテンツが音声を含む場合には、コンテンツ表示部22は動画コンテンツに含まれる音声をスピーカから出力し得る。コンテンツ表示部22はシークバーを動画コンテンツと併せて画面上に表示してもよい。
【0040】
ステップS105では、視聴者端末30のコンテンツ表示部31が、受信されたコンテンツデータを処理して動画コンテンツを画面上に表示する。動画コンテンツが音声を含む場合には、コンテンツ表示部31は動画コンテンツに含まれる音声をスピーカから出力し得る。コンテンツ表示部31はシークバーを動画コンテンツと併せて画面上に表示してもよい。
【0041】
配信者端末20において動画コンテンツが表示されている間にマーキングに関するイベントが発生した場合には、ステップS106,S107が実行される。
【0042】
ステップS106では、マーキング要求部24が、マーキングに関するイベントを取得する。一例として、マーキング要求部24は、配信者による配信者端末20への所定のユーザ操作をイベントとして取得する。ユーザ操作は、例えば、画面上の所定の位置に対するタップまたはクリック操作、所定のコマンド入力または音声入力などであってよい。マーキング要求部24は、マークが表示されるユーザ端末として配信者端末20を指定するための入力をさらに受け付けてもよい。この入力は、配信者が自分の端末上にのみマークを表示させる場合に行われる。
【0043】
ステップS107では、マーキング要求部24がマーキング要求をサーバ10に送信する。例えば、マーキング要求部24は、マーキングに関するイベントが発生した時刻を含むマーキング要求を生成する。以下ではその時刻を「イベント時刻」ともいう。マーキング要求部24はイベント時刻に加えて、マークを表示させようとするユーザ端末、およびマークの少なくとも一方をさらに示すマーキング要求を生成してもよい。マーキング要求部24は生成されたマーキング要求を送信する。サーバ10では、マーク制御部12がそのマーキング要求を受信する。
【0044】
視聴者端末30において動画コンテンツが表示されている間にマーキングに関するイベントが発生した場合には、ステップS108,S109が実行される。
【0045】
ステップS108では、マーキング要求部33が、マーキングに関するイベントを取得する。一例として、マーキング要求部33は、視聴者による視聴者端末30への所定のユーザ操作をイベントとして取得する。配信者端末20と同様に、ユーザ操作は、例えば、画面上の所定の位置に対するタップまたはクリック操作、所定のコマンド入力または音声入力などであってよい。マーキング要求部33は、マークが表示されるユーザ端末として視聴者端末30を指定するための入力をさらに受け付けてもよい。この入力は、視聴者が自分の端末上にのみマークを表示させる場合に行われる。
【0046】
ステップS109では、マーキング要求部33がマーキング要求をサーバ10に送信する。例えば、マーキング要求部33は、イベント時刻を含むマーキング要求を生成する。マーキング要求部33はそのイベント時刻に加えて、マークを表示させようとするユーザ端末、およびマークの少なくとも一方をさらに示すマーキング要求を生成してもよい。マーキング要求部33は、生成されたマーキング要求を送信する。サーバ10では、マーク制御部12がそのマーキング要求を受信する。
【0047】
ステップS110では、マーク制御部12が、配信者端末20または視聴者端末30から受信したマーキング要求に基づいてマークデータを生成する。例えば、マーク制御部12は、マーキング要求によって示されるイベント時刻、すなわち、マーキングに関するイベントが配信者端末20または視聴者端末30において発生した時刻を含む。マーク制御部12は、マーキング要求によって示されるマークをさらに含むマークデータを生成してもよい。あるいは、マーク制御部12は、イベント時刻に対応する動画コンテンツのシーンを特定し、そのシーンを示すマークを生成し、そのマークをさらに含むマークデータを生成してもよい。あるいは、マーク制御部12はユーザデータベース40を参照して、マーキング要求に対応するユーザ、すなわちマーキング要求の基となるユーザ操作を行ったユーザのアイコンを取得し、そのアイコンをマークとしてさらに含むマークデータを生成してもよい。
【0048】
ステップS111では、マーク制御部12がマークデータを、マークを表示させようとするユーザ端末に送信する。マークを表示させようとするユーザ端末が指定されていない場合には、マーク制御部12は、動画コンテンツを表示している配信者端末20および各視聴者端末30にマークデータを送信してもよい。ユーザ端末が指定されている場合には、マーク制御部12はそのユーザ端末にマークデータを送信する。処理フローS1では、マーク制御部12は配信者端末20および視聴者端末30にマークデータを送信する。
【0049】
ステップS112では、配信者端末20のマーク表示部25が、サーバ10から受信したマークデータに基づいてマークを画面上に表示する。一例では、マーク表示部25は、マークデータによって示されるイベント時刻に対応するシークバー上の位置、例えばユーザ操作のタイミングに対応するシークバー上の位置を特定し、その位置にマークを表示する。マークデータがマークを含む場合には、マーク表示部25はそのマークを表示する。マークデータがマークを含まない場合には、マーク表示部25は、イベント時刻に対応する動画コンテンツのシーンを特定し、そのシーンを示すマークを生成し、そのマークを表示してもよい。
【0050】
ステップS113では、視聴者端末30のマーク表示部34が、サーバ10から受信したマークデータに基づいてマークを画面上に表示する。マーク表示部34は配信者端末20と同様にマークを表示する。マーク表示部34は、マークデータによって示されるイベント時刻に対応するシークバー上の位置にマークを表示してもよい。マーク表示部34は、マークデータに含まれるマークを表示してもよいし、イベント時刻に対応する動画コンテンツのシーンを特定し、そのシーンを示すマークを表示してもよい。
【0051】
ステップS114では、画面制御部23が、マークに対するユーザ操作に応答して、画面の表示を制御する。そのユーザ操作は、例えば、配信者端末20の画面上に表示されているマークに対するタップまたはクリック操作であってよい。一例として、画面制御部23は、操作されたマークに対応するシーンから動画コンテンツを再生してもよい。あるいは、画面制御部23は操作されたマークを拡大表示してもよい。
【0052】
ステップS115では、画面制御部32が、マークに対するユーザ操作に応答して、画面の表示を制御する。そのユーザ操作は、例えば、視聴者端末30の画面上に表示されているマークに対するタップまたはクリック操作であってよい。配信者端末20と同様に、画面制御部32は、操作されたマークに対応するシーンから動画コンテンツを再生してもよいし、操作されたマークを拡大表示してもよい。
【0053】
処理フローS1では、サーバ10は対象端末(配信者端末20または視聴者端末30)に、コンテンツデータ、マークデータのような各種データを送信して、該対象端末に動画コンテンツおよびマークの表示を制御させる。このようなサーバ10による対象端末の制御は、サーバ10(コンテンツ管理システム1)が動画コンテンツおよびマークを対象端末上に表示することの一例である。
【0054】
[マーク制御の例]
図5~8を参照しながら、マーク制御の様々な例を説明する。図5は、配信者側でのマークの生成および表示の例を示す図であり、図6~8は、視聴者側でのマークの表示および操作による画面制御の例を示す図である。図5では配信者端末20として用いられるスマートフォンを示し、図6~8では視聴者端末30としてラップトップ型パーソナルコンピュータを示すが、これらの図で示される例は互いに代替しても同様に実行され得ることに留意されたい。
【0055】
図5の例では、配信者端末20は、動画コンテンツ310を表示するコンテンツ領域301と、動画コンテンツ310の進行状況を表すシークバー320と、動画コンテンツ310が表示されている間にユーザから投稿されたコメントを表示するコメントリスト330を含む画面300を表示する。シークバー320およびコメントリスト330は、コンテンツ領域301に重ねて表示されている。
【0056】
コメントとは、ユーザによって入力される、動画コンテンツとは独立した情報をいう。コンテンツ管理システム1(サーバ10)は、動画コンテンツ310が表示されている間に配信者端末20(第1端末)または視聴者端末30(第2端末)において入力されたコメントを、動画コンテンツ310と併せて配信者端末20および視聴者端末30の少なくとも一方に表示する。
【0057】
この例では、コンテンツ領域301は、ある家族の日常を映すライブ配信を動画コンテンツ310として表示している。シークバー320上には、動画コンテンツ310のシーンに関連するマーク341,342,343と、動画コンテンツ310の現在の再生位置を示すスクローラ321と、カメラアイコン322とが表示されている。マークはスクリーンショット画像であり、該マークを生成するためのユーザ操作が行われたタイミングに対応する動画コンテンツ310のシーンの少なくとも一部を含む。シークバー320上において、各マークは、そのタイミングに対応する位置に表示されている。コメントリスト330では、投稿されたコメントが時系列に並んで配置され、新たなコメントの投稿に伴って下から上に次々と流れるように表示される。動画コンテンツ310、シークバー320およびコメントリスト330は、1以上の視聴者端末30にも配信され、したがって、配信者および視聴者は同時にまたはほぼ同時にこれらの情報を共有する。
【0058】
この例において、配信者が、新たなマーク344を生成するためのユーザ操作を行ったとする。ユーザ操作は、例えば、画面300に表示されているカメラアイコン322に対するタップまたはクリックでもよい。配信者端末20のマーキング要求部24はそのユーザ操作を受け付ける(ステップS106)。そしてマーキング要求部24は、そのユーザ操作の時刻を含むマーキング要求を生成し、そのマーキング要求をサーバ10に送信する(ステップS107)。サーバ10ではマーク制御部12が、そのマーキング要求に基づいてマークデータを生成し、そのマークデータを配信者端末20および視聴者端末30に送信する(ステップS110,S111)。配信者端末20では、マーク表示部25がそのマークデータに基づいてマーク344を画面300上に表示する(ステップS112)。マーク表示部25は、マーク341~343と同様の手法により、ユーザ操作が行われたタイミングに対応するシークバー320上の位置にマーク344を表示する。図5の例では、マーク344は、そのユーザ操作が行われたタイミングに対応する動画コンテンツ310のシーンの少なくとも一部を含むスクリーンショット画像である。
【0059】
図6は、マークに対する視聴者の操作に応答した画面制御の一例を示す。この例では、視聴者端末30は、図5の例における配信者端末20の画面300と同様の画面400を表示する。画面400は、マウスなどのポインティングデバイスにより操作可能なポインタ303をさらに含む。
【0060】
図6の例において、視聴者がマーク342にポインタ303を重ねてタップまたはクリックをしたとする。視聴者端末30の画面制御部32はそのユーザ操作を受け付け、画面400を制御する(ステップS115)。すなわち、画面制御部32は、マーク342に関連する動画コンテンツ310のシーンをコンテンツ領域301に表示し、そのシーンから動画コンテンツ310を再生する。また、画面制御部32はスクローラ321をマーク342の位置に移す。画面制御部32は、コメントリスト330の中のコメントを、動画コンテンツ310のシーンに連動して変化させてもよい。すなわち、画面制御部32は、コンテンツ領域301内のシーンに合わせてコメントリスト330を表示してもよい。
【0061】
図7は、マークに対する視聴者の操作に応答した画面制御の別の例を示す。この例でも、視聴者端末30は、図5の例における配信者端末20の画面300と同様の画面400を表示する。この例において、視聴者がマーク341にポインタ303を重ねたとする。視聴者端末30の画面制御部32はそのユーザ操作を受け付け、画面400を制御する(ステップS115)。一例として、画面制御部32は、マーク341を拡大して表示する(マーク341´)。更なる例として、画面制御部32は、マーク341に関連するシーンに対応するコメント331を、マーク341´とともに表示する。そのコメント331は、例えば、マーク341が生成された時点での動画コンテンツ310のシーンに対応する。コメント331は、マーク341が生成された時に実際に動画コンテンツ310とともに視聴者端末30に表示されていたコメントでもよい。あるいは、コメント331は、マーク341が生成された時に視聴者端末30に動画コンテンツ310が表示されていたならば表示されていたコメントでもよい。したがって、視聴者は、マーク341に関連するシーンより後の時点から動画コンテンツ310を視聴した場合にも、マーク341を操作してコメント331を確認できる。
【0062】
図7の例において、画面制御部32はマークとともに複数のコメントを表示してもよい。例えば、画面制御部32は該複数のコメントを同時に表示してもよいし、順次表示してもよい。あるいは、画面制御部32は、複数のコメントのうち、「いいね」などの反応が付けられたコメントを他のコメントより優先して表示してもよい。
【0063】
図5図7に示した例ではマークがシークバー320上に表示されるが、マークはシークバー以外の場所に表示されてもよい。図8はマーク表示の一例を示す図である。この図に示す視聴者端末30上の画面400Aは、図6および図7に示す画面400の変形であるといえる。画面400Aは、シークバー320に代えて、マーク341~344のような1以上のマークを表示するためのマーク領域323と、マーク領域323とは独立したシークバー324とを含む。マーク領域323は動画コンテンツ310の進行状況を示す役割を持たず、その役割はシークバー324が担う。シークバー324は、動画コンテンツ310の現在の再生位置を示すスクローラ325を含む。
【0064】
マーク341~344の表示位置は、マークが生成されたタイミングを示さなくてもよい。図8の例では、マーク表示部34は、マーク341~344を、それらのマークが生成された順にマーク領域323上に表示する。
【0065】
図5図8の例に限定されず、コンテンツ管理システム1はマークを別の位置に表示してもよい。例えば、マーク制御部12は、ドラッグ・アンド・ドロップなどのユーザ操作によって指定された位置にマークを表示してもよい。
【0066】
[ユーザ端末]
本開示の一側面に係るユーザ端末は、通信ネットワークを介して他端末と接続するユーザ端末であって、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、動画コンテンツを画面上に表示し、動画コンテンツが表示されている間に他端末において受け付けられたユーザ操作に応答して生成されたマークであって、該ユーザ操作のタイミングに対応する動画コンテンツのシーンに関連する該マークを、動画コンテンツと併せて画面上に表示する。すなわち、本開示の一側面に係るユーザ端末は、上述したコンテンツ管理システムにアクセス可能なユーザ端末を含む。この場合において、ユーザ端末および他端末は、第1端末(配信者端末20)または第2端末(視聴者端末30)のいずれでもよい。
【0067】
本開示の一側面に係るユーザ端末は、上記動作が可能なように製造されたユーザ端末、上記動作を可能にするプログラムがインストールされたユーザ端末、または上記動作を可能にするハードウェアが接続されたユーザ端末を含む。
【0068】
[変形例]
以上、本開示での様々な例を詳細に説明した。しかし、本開示は上記の例に限定されるものではない。本開示に関しては、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0069】
マーク制御部12はユーザ操作を受け付けることなく、すなわちユーザ端末からのマーキング要求を受け付けることなく、予め設定された別のイベントに応答してマークを動的に制御してもよい。例えば、マーク制御部12は、動画コンテンツの所定のシーンが到来したことに応答して、該シーンに関連するマークを生成し、該マークを動画コンテンツと併せてユーザ端末上に表示してもよい。マーク制御部12は、動画コンテンツが表示されている間にユーザ端末で入力されたコメントの単位時間あたりの数(すなわち頻度)を計測し、当該コメントの頻度が所定の閾値に達したタイミングに対応する動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成し、当該マークを動画コンテンツと併せてユーザ端末上に表示してもよい。マーク制御部12は、ユーザ端末間で所定のコメント(例えば所定の語句を含むコメント)またはギフトの送受信が発生したタイミングに対応する動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成し、該マークを動画コンテンツと併せてユーザ端末上に表示してもよい。これらのような動的なマークの制御において、マーク制御部12はマークを配信者端末20および視聴者端末30の少なくとも一方において表示してもよい。
【0070】
上記の例ではコンテンツ管理システム1がサーバ10を備えるが、コンテンツ管理システムは、サーバを用いないユーザ端末間のコンテンツ配信に適用されてもよい。この場合には、サーバ10の各機能要素は、いずれかのユーザ端末に実装されてもよく、複数のユーザ端末に分かれて実装されてもよい。これに関連して、コンテンツ管理プログラムはクライアントプログラムとして実現されてもよい。コンテンツ管理システムはサーバを用いて構成されてもよいし、サーバを用いることなく構成されてもよい。すなわち、コンテンツ管理システムは、クライアント-サーバ方式によって実装されてもよく、クライアント-クライアント方式であるP2P(Peer to Peer)またはE2E(End to End)暗号化によって実装されてもよい。クライアント-クライアント方式では、コンテンツ配信の秘匿性が向上する。
【0071】
配信者端末20または視聴者端末30において動画コンテンツの表示態様が変化した場合に、マーク表示部25または34は、動画コンテンツとマークとの位置関係を維持するように該マークの表示位置を自動的に変更してもよい。動画コンテンツの表示態様の変化の例として、全画面表示と縮小表示との間の切り替えと、画面の向きが縦向きと横向きとの間で変化することに伴う動画コンテンツの変化とが挙げられる。あるいは、動画コンテンツの表示態様が変化した場合に、マーク表示部25または34は画面内の空き領域にマークを移動させてもよい。
【0072】
上記の例ではユーザ端末として配信者端末20および視聴者端末30を示すが、他の種類のユーザ端末が配信者端末20または視聴者端末30と同様の機能要素を備えてもよい。例えば、動画コンテンツを管理するモデレータによって用いられるコンピュータであるモデレータ端末がその機能要素を備えてもよい。
【0073】
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念を示す。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念を示す。
【0074】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップの一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0075】
二つの数値の大小関係の比較では、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらが用いられてもよく、「以下」および「未満」という二つの基準のうちのどちらが用いられてもよい。
【0076】
本明細書で述べた各機能要素の任意の一部または全部がプログラムによって実現されてもよい。本明細書で言及したプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録して頒布されてもよいし、インターネットなどの通信回線(無線通信も含む)を介して頒布されてもよいし、任意の端末にインストールされた状態で頒布されてもよい。
【0077】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本開示についての追加の効果または種々の変形例を想到できるかもしれないが、本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨とを逸脱しない範囲で、種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0078】
例えば、本明細書において1台の装置(あるいは部材。以下同じ)として説明される構成(これは、図面において1台の装置として描かれている構成を含む)が、複数の装置によって実現されもよい。あるいは、本明細書において複数の装置として説明される構成(これは、図面において複数の装置として描かれている構成を含む)が1台の装置によって実現されてもよい。あるいは、或る装置(例えばサーバ)に含まれる手段または機能の一部または全部が、他の装置(例えばユーザ端末)に含まれてもよい。
【0079】
本明細書に記載された事項のすべてが必須の要件というわけではない。例えば、本明細書に記載されているが特許請求の範囲に記載されていない事項は、任意の付加的事項ということができる。
【0080】
本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄に記載された公知技術を知っているにすぎない。本開示は必ずしもその公知技術における課題を解決することを目的とするものではないことにも留意されたい。本開示において解決しようとする課題は、本明細書の全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する旨の記載がある場合、当該所定の効果に対応する課題が解決されるということもできる。しかし、その効果に関する記載は必ずしも、そのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【0081】
[付記]
上記の様々な例から把握されるとおり、本開示は以下に示す態様を含む。
(付記1)
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
第1端末によって生成された動画コンテンツを第2端末上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末において受け付けられたユーザ操作に応答して、該ユーザ操作のタイミングに対応する前記動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成し、
前記マークを前記動画コンテンツと併せて前記第2端末上に表示する、
コンテンツ管理システム。
(付記2)
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記第2端末において表示された前記マークに対するユーザ操作に応答して、前記第2端末上において、該マークに関連する前記シーンから前記動画コンテンツを再生する、
付記1に記載のコンテンツ管理システム。
(付記3)
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて前記第2端末上に表示し、
前記第2端末において表示された前記マークに対するユーザ操作に応答して、該マークに関連する前記シーンに対応する前記コメントを前記第2端末上に表示する、
付記1または2に記載のコンテンツ管理システム。
(付記4)
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記動画コンテンツの進行状況を表すシークバーを前記第2端末上に表示し、
前記マークを、前記ユーザ操作の前記タイミングに対応する前記シークバー上の位置に表示する、
付記1~3のいずれかに記載のコンテンツ管理システム。
(付記5)
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記ユーザ操作の前記タイミングに対応する前記シーンの少なくとも一部を含むスクリーンショット画像を、前記マークとして生成する、
付記1~4のいずれかに記載のコンテンツ管理システム。
(付記6)
前記少なくとも一つのプロセッサが、
予め設定されたタイミングに対応する前記動画コンテンツの別シーンに関連する別マークを生成し、
前記別マークを前記動画コンテンツと併せて前記第2端末に表示する、
付記1~5のいずれかに記載のコンテンツ管理システム。
(付記7)
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて前記第2端末上に表示し、
前記コメントの頻度が所定の閾値に達したタイミングに対応する前記動画コンテンツのシーンに関連する別マークを生成し、
前記別マークを前記動画コンテンツと併せて前記第2端末上に表示する、
付記1~6のいずれかに記載のコンテンツ管理システム。
(付記8)
少なくとも一つのプロセッサを備えるコンテンツ管理システムによって実行されるコンテンツ管理方法であって、
第1端末によって生成された動画コンテンツを第2端末上に表示するステップと、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末において受け付けられたユーザ操作に応答して、該ユーザ操作のタイミングに対応する前記動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成するステップと、
前記マークを前記動画コンテンツと併せて前記第2端末上に表示するステップと、
を含むコンテンツ管理方法。
(付記9)
第1端末によって生成された動画コンテンツを第2端末上に表示するステップと、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末において受け付けられたユーザ操作に応答して、該ユーザ操作のタイミングに対応する前記動画コンテンツのシーンに関連するマークを生成するステップと、
前記マークを前記動画コンテンツと併せて前記第2端末上に表示するステップと、
をコンピュータに実行させるコンテンツ管理プログラム。
(付記10)
通信ネットワークを介して他端末と接続するユーザ端末であって、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
動画コンテンツを画面上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記他端末において受け付けられたユーザ操作に応答して生成されたマークであって、該ユーザ操作のタイミングに対応する前記動画コンテンツのシーンに関連する該マークを、前記動画コンテンツと併せて前記画面上に表示する、
ユーザ端末。
【0082】
付記1,8,9によれば、動画コンテンツが表示されている間に行われた第1端末でのユーザ操作に応答して、その操作に対応するシーンのマークが第2端末上に表示される。このマークにより、そのシーンに関する情報が、ユーザ操作を受け付けた第1端末とは別の第2端末に提供されるので、第2端末のユーザによるその情報へのアクセスを支援することができる。
【0083】
付記10によれば、動画コンテンツが表示されている間に行われた他端末でのユーザ操作に応答して、その操作に対応するシーンのマークがユーザ端末上に表示される。このマークにより、そのシーンに関する情報が、ユーザ操作を受け付けた他端末とは別のユーザ端末上に提供されるので、ユーザ端末のユーザによるその情報へのアクセスを支援することができる。
【0084】
付記2によれば、表示されたマークに対するユーザ操作に応答して、該マークに関連するシーンから動画コンテンツが再生される。この仕組みにより、特定のシーンへのアクセスを向上させるとともに、動画コンテンツをそのシーンから再び提供することができる。
【0085】
付記3によれば、マークに関連するシーンにおいて表示されていたコメントが、該マークに対するユーザ操作に応答して表示される。この仕組みにより、そのシーンにおける話題を提供することができる。
【0086】
付記4によれば、動画コンテンツの進行状況を表すシークバー上において、ユーザ操作のタイミングに対応する位置にマークが表示される。この仕組みにより、動画コンテンツにおける特定のシーンの位置を明確に示すことができる。その結果、動画コンテンツの特定のシーンに関する情報へのアクセスが一層向上する。
【0087】
付記5によれば、動画コンテンツのシーンを示すスクリーンショット画像がマークとして表示されるので、そのシーンに関する情報を視覚的に分かりやすく提供することができる。
【0088】
付記6によれば、予め設定されたタイミングに対応するシーンに関連するマークが自動的に表示される。この仕組みにより、ユーザ操作を求めることなくマークを表示することができる。
【0089】
付記7によれば、コメントの頻度が所定の閾値に達したタイミングでのシーンに関連するマークが自動的に表示される。この仕組みにより、動画コンテンツの視聴が盛り上がっている可能性の高いシーンに関する情報へのアクセスが向上する。
【符号の説明】
【0090】
1…コンテンツ管理システム、10…サーバ、11…コンテンツ転送部、12…マーク制御部、20…配信者端末、21…コンテンツ生成部、22…コンテンツ表示部、23…画面制御部、24…マーキング要求部、25…マーク表示部、30…視聴者端末、31…コンテンツ表示部、32…画面制御部、33…マーキング要求部、34…マーク表示部、40…ユーザデータベース、300,400,400A…画面、301…コンテンツ領域、310…動画コンテンツ、320,324…シークバー、321,325…スクローラ、322…カメラアイコン、323…マーク領域、330…コメントリスト、341~344…マーク、P1…サーバプログラム、P2…クライアントプログラム。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8