(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133055
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】バッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/392 20190101AFI20240920BHJP
G01R 31/382 20190101ALI20240920BHJP
G01R 31/385 20190101ALI20240920BHJP
G01R 31/389 20190101ALI20240920BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G01R31/392
G01R31/382
G01R31/385
G01R31/389
H02J7/00 Y
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024075859
(22)【出願日】2024-05-08
(62)【分割の表示】P 2022548210の分割
【原出願日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0108826
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】カン、チャン-ボム
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン-ミュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン-ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジン-スク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン-シク
(72)【発明者】
【氏名】シン、ジャン-ファン
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヒョウン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ダル-フーン
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、バッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム及び方法を開示する。本発明によるプラットフォームサービスシステムは、電気車のバッテリー特性データを、ネットワークを通じて収集してバッテリー識別コードとマッチングして累積保存し、前記バッテリー特性データを分析してバッテリーの現在の健康状態(SOH)を算出してバッテリー識別コードとマッチングしてSOH履歴DBに保存し、クライアントからバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信すると、バッテリー識別コードを用いてSOH履歴DBを照会して現在のSOHを決定し、予め定義されたSOH別の再使用等級情報から現在のSOHに対応する再使用等級を決定してクライアント側へ伝送する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)電気車のバッテリー特性データを、ネットワークを通じて収集し、バッテリー識別コードとマッチングしてバッテリー特性データDBに累積して保存するデータ管理モジュールと、
(b)前記バッテリー特性データを分析してバッテリーの現在の健康状態であるSOHを算出し、バッテリー識別コードとマッチングしてSOH履歴DBに保存するSOH管理モジュールと、
(c)クライアントからネットワークを通じてバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信すると、バッテリー識別コードを用いて前記SOH履歴DBを照会して現在のSOHを決定し、予め定義されたSOH別の再使用等級情報を参照して現在のSOHに対応する再使用等級を決定して再使用等級管理DBに保存し、前記再使用等級に関わる情報を前記クライアント側へ伝送する再使用等級管理モジュールと、
(d)前記クライアントからネットワークを通じてバッテリーの再使用承認メッセージが受信されると、前記バッテリーの識別コードを再使用追跡管理DBに保存する再使用追跡管理モジュールと、を含む、バッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項2】
前記予め定義されたSOH別の再使用等級情報は、SOH区間別に再使用等級を定義する、請求項1に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項3】
前記再使用等級は、中古車再使用等級、エネルギー貯蔵システム(ESS)再使用等級及び資源回収等級を含む、請求項1または2に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項4】
前記再使用追跡管理モジュールは、
前記クライアントからネットワークを通じてバッテリーの再使用承認メッセージを受信し、
再使用が承認されたバッテリーのバッテリー識別コードを含むバッテリー再使用情報を、ネットワークを通じて再使用会社管理システムへ伝送し、
前記再使用会社管理システムから再使用対象バッテリーのバッテリー識別コードを含むバッテリー入庫認証メッセージが受信されると、バッテリー入庫認証メッセージに含まれたバッテリー識別コードを再使用会社の識別コードとマッチングして再使用追跡管理DBに保存する、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項5】
前記再使用会社管理システムが、ESS管理システムまたは資源回収管理システムである、請求項4に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項6】
前記SOH管理モジュールは、前記バッテリー特性データDBに保存された新しいバッテリー特性データからバッテリーのSOHを算出して前記SOH履歴DBに累積して保存し、
前記再使用等級管理モジュールは、最新SOHに対応する再使用等級を決定し、
直前の再使用等級と比較して再使用等級が変更された場合、ネットワークを通じて再使用等級変更情報を前記クライアント側へ伝送する、請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項7】
前記クライアントが、バッテリー診断デバイスまたは使用者の携帯端末機にインストールされたプログラムである、請求項1から6のいずれか一項に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項8】
前記データ管理モジュールは、周期的にESS管理システムから再使用バッテリーのSOCによる電圧プロファイル及び/または電流プロファイルを含む前記バッテリー特性データを、ネットワークを通じて収集し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードとマッチングして前記バッテリー特性データDBに保存し、
前記SOH管理モジュールは、前記再使用バッテリーのバッテリー特性データを分析して再使用バッテリーの現在のSOHを算出し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードとマッチングして前記SOH履歴DBに保存し、
前記再使用等級管理モジュールは、前記ESS管理システムからネットワークを通じて再使用バッテリーのバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードを用いて前記SOH履歴DBを照会して現在のSOHを決定し、予め定義されたSOH別の再使用等級情報を参照して現在のSOHに対応する再使用等級を決定して前記再使用等級管理DBに保存し、前記再使用等級に関わる情報を前記ESS管理システムへ伝送する、請求項1から7のいずれか一項に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項9】
前記SOH管理モジュールは、前記バッテリー特性データDBに保存された新しいバッテリー特性データからバッテリーのSOHを算出して前記SOH履歴DBに累積して保存し、
前記再使用等級管理モジュールは、最新SOHに対応する再使用等級を決定し、直前の再使用等級と比較して再使用等級が変更された場合、ネットワークを通じて再使用等級変更情報をESS管理システムへ伝送する、請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項10】
バッテリー取引システムまたは保険会社システムからネットワークを通じてバッテリー識別コードと共にバッテリー残存価値評価要請を受信し、
前記バッテリー識別コードを用いて前記SOH履歴DBを照会してバッテリーの現在のSOHを決定し、
予め定義されたSOH別の残存価値情報を参照してバッテリー残存価値を決定した後、前記バッテリー取引システムまたは前記保険会社システムへ伝送する残存価値管理モジュールをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項11】
前記残存価値管理モジュールは、前記バッテリー残存価値が伝送された前記バッテリー取引システムまたは前記保険会社システムの識別コード、伝送時間を示すタイムスタンプ及び課金を含むトランザクション課金情報を課金DBに保存する、請求項10に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム。
【請求項12】
(a)電気車のバッテリー特性データを、ネットワークを通じて収集してバッテリー識別コードとマッチングして保存する段階と、
(b)前記バッテリー特性データを分析してバッテリーの現在の健康状態であるSOHを算出してバッテリー識別コードとマッチングして保存する段階と、
(c)クライアントからネットワークを通じてバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信する段階と、
(d)前記バッテリー識別コードを用いて現在のSOHを決定し、SOH別の再使用等級情報を参照して現在のSOHに対応する再使用等級を決定する段階と、
(e)前記再使用等級に関わる情報を前記クライアント側へ伝送する段階と、
(f)前記クライアントからネットワークを通じてバッテリーの再使用承認メッセージが受信されると、前記バッテリーの再使用を追跡管理する段階と、を含む、バッテリー統合管理プラットフォームサービス方法。
【請求項13】
前記SOH別の再使用等級情報は、SOH区間別に再使用等級を定義し、
前記再使用等級は、中古車再使用等級、ESS再使用等級及び資源回収等級を含む、請求項12に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービス方法。
【請求項14】
前記クライアントからネットワークを通じてバッテリーの再使用承認メッセージを受信する段階と、
再使用が承認されたバッテリーのバッテリー識別コードを含むバッテリー再使用情報を、前記ネットワークを通じて再使用会社管理システムへ伝送する段階と、
前記再使用会社管理システムから再使用バッテリーのバッテリー識別コードを含むバッテリー入庫認証メッセージが受信されると、バッテリー入庫認証メッセージに含まれたバッテリー識別コードを再使用会社の識別コードとマッチングして再使用追跡管理DBに保存する段階と、をさらに含む、請求項12または13に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービス方法。
【請求項15】
保存された新しいバッテリー特性データからバッテリーの最新SOHを算出して累積して保存する段階と、
前記最新SOHに対応する再使用等級を決定し、直前の再使用等級と比較して再使用等級が変更された場合、ネットワークを通じて再使用等級変更情報を前記クライアント側へ伝送する段階と、をさらに含む、請求項12から14のいずれか一項に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービス方法。
【請求項16】
ESS管理システムから再使用バッテリーのSOCによる電圧プロファイル及び/または電流プロファイルを含むバッテリー特性データを、ネットワークを通じて収集し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードとマッチングして保存する段階と、
前記再使用バッテリーのバッテリー特性データを分析して再使用バッテリーの現在のSOHを算出し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードとマッチングして保存する段階と、
前記ESS管理システムからネットワークを通じて再使用バッテリーのバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードを用いて現在のSOHを決定し、予め定義されたSOH別の再使用等級情報を参照して現在のSOHに対応する再使用等級を決定して保存し、前記再使用等級に関わる情報を前記ESS管理システムへ伝送する段階と、をさらに含む、請求項12から15のいずれか一項に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービス方法。
【請求項17】
バッテリー取引システムまたは保険会社システムからネットワークを通じてバッテリー識別コードと共にバッテリー残存価値評価要請を受信する段階と、
前記バッテリー識別コードを用いてバッテリーの現在のSOHを決定する段階と、
予め定義されたSOH別の残存価値情報を参照してバッテリー残存価値を決定した後、前記バッテリー取引システムまたは前記保険会社システムへ伝送する段階と、をさらに含む、請求項12から16のいずれか一項に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービス方法。
【請求項18】
前記バッテリー残存価値が伝送された前記バッテリー取引システムまたは前記保険会社システムの識別コード、伝送時間を示すタイムスタンプ及び課金を含むトランザクション課金情報を課金DBに保存する段階をさらに含む、請求項17に記載のバッテリー統合管理プラットフォームサービス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム及びその方法に関し、より詳しくは、バッテリーの全体使用周期の間にバッテリーの健康状態(State Of Health:SOH)、再使用等級及び残存価値を統合的に管理し、クライアント、他のサーバーまたは他のシステムへ多様な情報サービスが提供可能なプラットフォームサービスシステム及びその方法に関する。
【0002】
本出願は、2020年8月27日出願の韓国特許出願第10-2020-0108826号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
化石燃料の使用による環境汚染の問題から環境に優しい電気車が脚光を浴びている。電気車は、エンジンの代わりにバッテリーとモーターを搭載しており、バッテリーからの電力でモーターを駆動して走行する自動車である。
【0004】
電気車においてバッテリーの性能は電気車の走行性能に直結する。したがって、バッテリーの性能が臨界値以下に低下すると、バッテリーを交替しなければならない。通常、バッテリーの完全充電容量(full charge capacity)が初期の完全充電容量に対して80%以下に低下すると、バッテリーの交替が必要であると判断する。
【0005】
一方、電気車で使用されるバッテリーは、高価の材料を含んでいる。例えば、Ni-Co-Mn系正極活物質を含むリチウム二次電池は、多量のLi、Ni、Co及びMnを含んでいる。これらの元素は全て高価の原料であり、特に、Coは、電池の製造コストの20%を占める高価の原料である。したがって、電気車から交替されたバッテリー、即ち、中古バッテリーの再使用方案に対して多様な研究が盛んでいる。
【0006】
中古バッテリーは、電気車への使用に不適切な性能を有しているが、充電容量が顕著に低くなければ、 ESS(Energy Storage System;エネルギー貯蔵システム)のバッテリーとしての再使用に問題がない。ESSに使用されるバッテリーは、電気車に使用されるバッテリー水準の高い性能を求めないためである。即ち、ESSには、容量さえ充分であれば、低出力のバッテリーを使用しても差し支えない。
【0007】
一方、ESSへの使用に不適切なバッテリーは、安全性のイシューによってもう以上再使用が不可能である。性能が顕著に低下したバッテリーは、過充電または過放電状態になりやすく、熱暴走などの問題を起こす恐れがある。これによって、当該バッテリーは、廃棄バッテリーに分類して資源回収の会社に任せてバッテリーに含まれた原料物質をリサイクルすることが望ましい。
【0008】
電気車は、多くの品物と同様に中古市場で取り引きされ得る。中古物品の価格は残存価値によって決定され、残存価値は、物品の使用履歴によって影響を受ける。即ち、使用期間が同一であっても、老朽化するほど残存価値は低くなる。
【0009】
電気車の残存価値を決定するに際して重要なファクターは、核心部品であるバッテリーの残存価値である。しかし、バッテリーの残存価値を、統一性を有する基準によって信頼性よく評価可能なモデルは未だ存在しない。したがって、電気車の中古価格は、一般車両と同様に走行距離と事故履歴、そして車両の管理状態を考慮して決定されている。
【0010】
電気車のバッテリーに対する残存価値の評価は、保険加入時にも必要である。自動車保険の価格は、運転者の運転経歴及び事故履歴と共に自動車の残存価値を考慮して算出されるためである。したがって、バッテリーの残存価値の評価は、中古電気車に対する保険加入時にも考慮すべき重要なファクターである。
【0011】
バッテリーの残存価値は、健康状態(SOH:State Of Health)というファクターを用いて定量的に評価し得る。即ち、バッテリーの残存価値は、SOHに比例するといえる。
【0012】
SOHは、バッテリーの使用サイクルによって遅い変化の傾向を見せるパラメータを用いて算出する。即ち、SOHは、バッテリーのBOL(Beginning Of Life)パラメータを基準にしてMOL(Middle Of Life)パラメータの割合を算定して定量的に算出し得る。
【0013】
SOHの算出のために通常考慮されるパラメータとしては、バッテリーの満充電容量や内部抵抗が挙げられ、最近は、電極の拡散係数やクーロン効率のような電気化学的なパラメータも考慮されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述したような従来技術の背景下で創案されたものであり、バッテリーの全体使用周期の間にバッテリーのSOHと再使用等級を統合的に管理し、クライアント、他のサーバーまたは他のシステム側へ多様な情報サービスが提供可能なプラットフォームサービスシステム及びその方法を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、高い信頼性の電気車バッテリーの再使用モデルを駆逐することは勿論、電気車のバッテリーの残存価値を信頼性よく評価して保証できるプラットフォームサービスシステム及び方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を達成するための本発明によるバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステムは、(a)電気車のバッテリー特性データを、ネットワークを通じて収集し、バッテリー識別コードとマッチングしてバッテリー特性データDBに累積して保存するデータ管理モジュールと、(b)前記バッテリー特性データを分析してバッテリーの現在の健康状態であるSOHを算出し、バッテリー識別コードとマッチングしてSOH履歴DBに保存するSOH管理モジュールと、(c)クライアントからネットワークを通じてバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信すると、バッテリー識別コードを用いて前記SOH履歴DBを照会して現在のSOHを決定し、予め定義されたSOH別の再使用等級情報を参照して現在のSOHに対応する再使用等級を決定して再使用等級管理DBに保存し、前記再使用等級に関わる情報を前記クライアント側へ伝送する再使用等級管理モジュールと、を含み得る。
【0017】
望ましくは、前記予め定義されたSOH別の再使用等級情報は、SOH区間別に再使用等級を定義し得る。例えば、前記再使用等級は、中古車再使用等級、エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System;ESS)再使用等級及び資源回収等級を含み得る。
【0018】
望ましくは、本発明によるプラットフォームサービスシステムは、前記クライアントからネットワークを通じてバッテリーの再使用承認メッセージを受信し、再使用が承認されたバッテリーのバッテリー識別コードを含むバッテリー再使用情報を、ネットワークを通じて再使用会社管理システムへ伝送し、前記再使用会社管理システムから再使用対象バッテリーのバッテリー識別コードを含むバッテリー入庫認証メッセージが受信されると、バッテリー入庫認証メッセージに含まれたバッテリー識別コードを再使用会社の識別コードとマッチングして再使用追跡管理DBに保存する再使用追跡管理モジュールをさらに含み得る。
【0019】
望ましくは、前記再使用会社管理システムは、ESS管理システムまたは資源回収管理システムであり得る。
【0020】
一面によると、前記SOH管理モジュールは、前記バッテリー特性データDBに保存された新しいバッテリー特性データからバッテリーのSOHを算出してSOH履歴DBに累積して保存し、前記再使用等級管理モジュールは、最新SOHに対応する再使用等級を決定し、直前の再使用等級と比較して再使用等級が変更された場合、ネットワークを通じて再使用等級変更情報を前記クライアント側へ伝送し得る。
【0021】
本発明において、前記クライアントは、バッテリー診断デバイスまたは使用者の携帯端末機にインストールされたプログラムであり得る。
【0022】
他面によると、前記データ管理モジュールは、周期的にESS管理システムから再使用バッテリーのSOCによる電圧プロファイル及び/または電流プロファイルを含むバッテリー特性データを、ネットワークを通じて収集し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードとマッチングしてバッテリー特性データDBに保存し得る。また、前記SOH管理モジュールは、前記再使用バッテリーのバッテリー特性データを分析して再使用バッテリーの現在のSOHを算出し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードとマッチングしてSOH履歴DBに保存し得る。また、前記再使用等級管理モジュールは、前記ESS管理システムからネットワークを通じて再使用バッテリーのバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードを用いて前記SOH履歴DBを照会して現在のSOHを決定し、予め定義されたSOH別の再使用等級情報を参照して現在のSOHに対応する再使用等級を決定して再使用等級管理DBに保存し、前記再使用等級に関わる情報を前記ESS管理システムへ伝送し得る。
【0023】
本発明の他面によると、前記SOH管理モジュールは、前記バッテリー特性データDBに保存された新しいバッテリー特性データからバッテリーのSOHを算出してSOH履歴DBに累積して保存し得る。また、前記再使用等級管理モジュールは、最新SOHに対応する再使用等級を決定し、直前の再使用等級と比較して再使用等級が変更された場合、ネットワークを通じて再使用等級変更情報をESS管理システムへ伝送し得る。
【0024】
さらに他面によると、本発明によるプラットフォームサービスシステムは、バッテリー取引システムまたは保険会社システムからネットワークを通じてバッテリー識別コードと共にバッテリー残存価値評価要請を受信し、前記バッテリー識別コードを用いて前記SOH履歴DBを照会してバッテリーの現在のSOHを決定し、予め定義されたSOH別の残存価値情報を参照してバッテリー残存価値を決定した後、前記バッテリー取引システムまたは保険会社システムへ伝送するように構成された残存価値管理モジュールをさらに含み得る。
【0025】
望ましくは、前記残存価値管理モジュールは、前記バッテリー残存価値が伝送されたバッテリー取引システムまたは保険会社システムの識別コード、伝送時間を示すタイムスタンプ及び課金を含むトランザクション課金情報を課金DBに保存し得る。
【0026】
上記技術的課題を達成するための本発明によるバッテリー統合管理プラットフォームサービス方法は、(a)電気車のバッテリー特性データを、ネットワークを通じて収集してバッテリー識別コードとマッチングしてバッテリー特性データDBに累積して保存する段階と、(b)前記バッテリー特性データを分析してバッテリーの現在の健康状態であるSOHを算出してバッテリー識別コードとマッチングしてSOH履歴DBに保存する段階と、(c)クライアントからネットワークを通じてバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信する段階と、(d)前記バッテリー識別コードを用いて前記SOH履歴DBを照会して現在のSOHを決定し、予め定義されたSOH別の再使用等級情報を参照して現在のSOHに対応する再使用等級を決定して再使用等級管理DBに保存する段階と、(e)前記再使用等級に関わる情報を前記クライアント側へ伝送する段階と、を含み得る。
【0027】
望ましくは、前記予め定義されたSOH別の再使用等級情報は、SOH区間別に再使用等級を定義し得る。この場合、前記再使用等級は、中古車再使用等級、ESS再使用等級及び資源回収等級を含み得る。
【0028】
一面によると、本発明によるプラットフォームサービス方法は、前記クライアントからネットワークを通じてバッテリーの再使用承認メッセージを受信する段階と、再使用が承認されたバッテリーのバッテリー識別コードを含むバッテリー再使用情報を、前記ネットワークを通じて再使用会社管理システムへ伝送する段階と、前記再使用会社管理システムから再使用バッテリーのバッテリー識別コードを含むバッテリー入庫認証メッセージが受信されると、バッテリー入庫認証メッセージに含まれたバッテリー識別コードを再使用会社の識別コードとマッチングして再使用追跡管理DBに保存する段階と、をさらに含み得る。
【0029】
他面によると、本発明によるプラットフォームサービス方法は、前記バッテリー特性データDBに保存された新しいバッテリー特性データからバッテリーの最新SOHを算出してSOH履歴DBに累積して保存する段階と、前記最新SOHに対応する再使用等級を決定し、直前の再使用等級と比較して再使用等級が変更された場合、ネットワークを通じて再使用等級変更情報を前記クライアント側へ伝送する段階と、をさらに含み得る。
【0030】
さらに他面によると、本発明によるプラットフォームサービス方法は、ESS管理システムから再使用バッテリーのSOCによる電圧プロファイル及び/または電流プロファイルを含むバッテリー特性データを、ネットワークを通じて収集し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードとマッチングしてバッテリー特性データDBに保存する段階と、前記再使用バッテリーのバッテリー特性データを分析して再使用バッテリーの現在のSOHを算出し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードとマッチングしてSOH履歴DBに保存する段階と、前記ESS管理システムからネットワークを通じて再使用バッテリーのバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信し、再使用バッテリーのバッテリー識別コードを用いて前記SOH履歴DBを照会して現在のSOHを決定し、予め定義されたSOH別の再使用等級情報を参照して現在のSOHに対応する再使用等級を決定して再使用等級管理DBに保存し、前記再使用等級に関わる情報を前記ESS管理システムへ伝送する段階と、をさらに含み得る。
【0031】
さらに他面によると、本発明によるプラットフォームサービス方法は、バッテリー取引システムまたは保険会社システムからネットワークを通じてバッテリー識別コードと共にバッテリー残存価値評価要請を受信する段階と、前記バッテリー識別コードを用いて前記SOH履歴DBを照会してバッテリーの現在のSOHを決定する段階と、予め定義されたSOH別の残存価値情報を参照してバッテリー残存価値を決定した後、前記バッテリー取引システムまたは保険会社システムへ伝送する段階と、をさらに含み得る。
【0032】
さらに他面によると、本発明によるプラットフォームサービス方法は、前記バッテリー残存価値が伝送されたバッテリー取引システムまたは保険会社システムの識別コード、伝送時間を示すタイムスタンプ及び課金を含むトランザクション課金情報を課金DBに保存する段階をさらに含み得る。
【発明の効果】
【0033】
本発明によると、電気車に搭載されたバッテリーの再使用に関わる統合的な管理モデルを提供することで、バッテリーが生産された以後から廃棄されるまで、残存価値を最大限に活用することができる。また、プラットフォームサービスシステムが、再使用段階に進入したバッテリーに対してもSOHを推定して再使用等級を持続的に管理することで、バッテリーの全体使用周期にかけて統合的な管理が可能である。また、プラットフォームサービスシステムによってバッテリーの全体使用周期にかけてSOHが管理されるため、SOHから算出されるバッテリーの残存価値の信頼性及び正確性を向上させることができる。また、正確なSOH情報に基づいて算出されたバッテリーの残存価値を中古バッテリーの取引または中古電気車の保険料算定に活用することで、中古電気車の取引市場を活性化できる。また、本発明は、バッテリーの品質保証サービスという新概念のビジネスが具現可能である。
【0034】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施例によるバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステムの構成を概略的に示したブロック図である。
【
図2】本発明の一実施例によるデータ管理モジュールが実行する制御ロジッグを詳しく示したフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施例によるSOH管理モジュールが実行する制御ロジッグを詳しく示したフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施例による再使用等級管理モジュールが実行する制御ロジッグを詳しく示したフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施例による再使用追跡管理モジュールが実行する制御ロジッグを詳しく示したフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施例による再使用等級管理モジュールが再使用等級変更お知らせサービスを提供する過程を詳しく示したフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施例による残存価値管理モジュールがバッテリーの残存価値を評価して伝送する過程を詳しく示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0037】
図1は、本発明の実施例によるバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム10の構成を概略的に示したブロック図である。
【0038】
図1を参照すると、本発明の実施例によるバッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム10は、プラットフォームサーバー20と、データベースサーバー30と、を含む。
【0039】
プラットフォームサービスシステム10は、ネットワーク40を通じてクライアント50または他のシステム60とデータ送受信可能に接続される。
【0040】
クライアント50は、コンピューターデバイスにインストールされたプログラムであって、プラットフォームサーバー20から提供する多様なサービスを用いるために開発されたものである。クライアント50の機能については、後述する。
【0041】
クライアント50は、バッテリー診断デバイス51にインストールされるか、または電気車70を所有した使用者の携帯端末機52にインストールされ得る。バッテリー診断デバイス51は、電気車整備会社、バッテリー流通会社などのようにバッテリーの点検が必要な会社で運用するコンピューター端末である。バッテリー診断デバイス51は、オンボード診断(On-Board Diagnostic;OBD)デバイスであり、使用者の携帯端末機52はスマートフォンまたはタブレットPCであり得る。しかし、本発明はクライアント50がインストールされたデバイスの種類によって限定されない。
【0042】
他のシステム60は、ESS管理システム61、資源回収管理システム62、バッテリー取引システム63または保険会社システム64であり得る。
【0043】
ネットワーク40は、インターネットサービスを支援する有無線通信網を含み、有線ネットワーク及び/またはモバイル環境でインターネットサービスを提供できる通信網であれば、いずれもネットワーク40の範疇に含まれる。
【0044】
ネットワーク40は、一つのネットワーク事業者によって提供される有無線通信網のみならず、二つ以上の通信客体がデータを送受信することにおいてデータが経由される他のネットワーク事業者の有無線通信網を含み得る。通信客体は、ネットワーク40を通じてデータの送受信が可能なクライアント、サーバー、装置、システムであり得る。
【0045】
また、バッテリー統合管理プラットフォームサービスシステム10は、ネットワーク40を通じて電気車70に搭載されたバッテリー管理装置71または充電ステーション80の充電制御装置81とデータ送受信可能に接続され得る。
【0046】
バッテリー管理装置71と充電制御装置81が接続されるネットワークノードは、無線ネットワークノードまたは有線ネットワークノードであり得る。
【0047】
無線ネットワークノードは、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、ジグビー(登録商標)などの通信プロトコルを支援する近距離無線ネットワークノードまたはモバイル通信事業者の通信基地局ノードであり得る。しかし、本発明は、ネットワードノードの種類によって限定されない。
【0048】
先ず、データベースサーバー30について説明する。
【0049】
データベースサーバー30は、バッテリー特性データDB31を含み得る。バッテリー特性データDB31は、バッテリーの充電状態(State Of Charge:SOC)による電圧プロファイル及び/または電流プロファイルを含むバッテリー特性データを保存する。
【0050】
電圧プロファイルと電流プロファイルは、バッテリーのSOC別に電圧の変化または電流の変化を示すデータセットを含む。
【0051】
望ましくは、バッテリー特性データは、バッテリー識別コードによって区分されるように保存されて管理され得る。バッテリー識別コードは、バッテリーモデルコードとバッテリーの一連番号コードを含み得る。
【0052】
また、データベースサーバー30は、SOH履歴DB32を含み得る。SOH履歴DB32は、複数の時点で決定されたバッテリーのSOHを保存する。望ましくは、SOHは、バッテリー識別コードによって区分されるように保存され、その変化履歴を容易に把握できるように情報の保存時点を示すタイムスタンプ(例えば、年/月/日/時/分/秒)と共に保存され得る。
【0053】
また、データベースサーバー30は、再使用等級管理DB33を含み得る。再使用等級管理DB33は、バッテリーの再使用等級に関わる情報を保存する。再使用等級は、バッテリーのSOH区間によって決定される。再使用等級に関わる情報は、バッテリー識別コードによって区分されるように保存される。再使用等級情報は、その変化履歴を容易に把握できるようにタイムスタンプと共に保存され得る。
【0054】
また、データベースサーバー30は、ルックアップDB34を含み得る。ルックアップDB34は、SOH別の再使用等級情報を保存し得る。SOH別の再使用等級情報は、バッテリーモデルコードによって区分されるように保存される。一例で、SOH別の再使用等級情報は、バッテリーモデルコードとSOHを用いて、それに対応する再使用等級をマッピングするルックアップテーブルであり得る。また、ルックアップDB34は、SOH別の残存価値情報を保存し得る。SOH別の残存価値情報は、バッテリーモデルコードによって区分されるように保存される。一例で、SOH別の残存価値情報は、バッテリーモデルコードとSOHを用いて、それに対応するバッテリーの残存価値をマッピングするルックアップテーブルであり得る。
【0055】
また、データベースサーバー30は、再使用追跡管理DB35を含み得る。再使用追跡管理DB35は、バッテリーの全体使用周期の間、中古バッテリーがどこで再使用されているかを追跡するための再使用追跡情報を保存する。望ましくは、再使用追跡情報は、バッテリー再使用ノードの識別コード、当該ノードで使用されるバッテリー識別コード及び当該ノードで使用が開始された時点を示すタイムスタンプを含む。バッテリー再使用ノードは、バッテリー再使用の会社として、例えば、中古バッテリー流通会社、ESSメーカーまたは資源回収の会社であり得る。
【0056】
また、データベースサーバー30は、課金DB36を含む。課金DB36は、外部のクライアント50または他のシステム60で有料情報照会が行われた場合、情報照会に関わる課金情報を保存し得る。課金情報は、情報照会を要請した外部のクライアント50または他のシステム60の識別コード、情報照会に対するトランザクションが行われた時間を示すタイムスタンプ及び課金政策によって賦課された料金情報を含み得る。
【0057】
上述したDB31~36は、商用化した階層型データベース(Hierarchical Database)、ネットワーク型データベース (Network Database)、関係型データベース(Relational Database)、ファイルシステムに基づくデータベースなどで構築されて管理され得る。しかし、本発明はDBの構造や構築に活用された商用化技術などによって限定されないことは、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者にとって自明である。
【0058】
次に、プラットフォームサーバー20の構成について説明する。
【0059】
プラットフォームサーバー20は、本発明の実施例によってバッテリー統合管理プラットフォームサービスを提供する過程で必要な多様な制御ロジッグを実行するサーバーコンピューターである。
【0060】
プラットフォームサーバー20は、データ管理モジュール21を含み得る。データ管理モジュール21は、複数の電気車70に搭載されたバッテリー管理装置71からバッテリーのSOCによる電圧プロファイル及び/または電流プロファイルを含むバッテリー特性データを、ネットワーク40を通じて収集し、データベースサーバー30と連動してバッテリー特性データDB31に保存する。
【0061】
望ましくは、バッテリー管理装置71は、バッテリー特性データと共にバッテリー識別コードを共に伝送する。これによって、データ管理モジュール21は、バッテリー識別コードとマッチングしてバッテリー特性データをバッテリー特性データDB31に保存し得る。
【0062】
選択的に、バッテリー特性データは、バッテリーのSOCによる温度プロファイルをさらに含み得る。
【0063】
図2は、本発明の一実施例によるデータ管理モジュール21が実行する制御ロジッグを詳しく示したフローチャートである。
【0064】
図2を参照すると、データ管理モジュール21は、サービスが開始されると、段階S10でネットワーク40を通じてバッテリー特性データとバッテリー識別コードが受信されたかを判断する。バッテリー特性データとバッテリー識別コードは、電気車70に含まれているバッテリー管理装置71または充電ステーション80の充電制御装置81から伝送され得る。
【0065】
データ管理モジュール21は、新しい特性データの受信が確認されると、段階S20でデータベースサーバー30と連動してバッテリー識別コードとマッチングしてバッテリー特性データをタイムスタンプと共にバッテリー特性データDB31に保存する。
【0066】
また、データ管理モジュール21は、段階S30で時間周期ΔTが経過したかを判断する。データ管理モジュール21は、ΔTが経過したと判断されると、プロセスを段階S10へ進み、バッテリー識別コードとバッテリー特性データの新規受信有無をさらに確認する段階へ戻る。したがって、段階S10~段階S20は、時間周期ΔTが経過する度に繰り返される。これによって、バッテリー特性データDB31には、複数の電気車70に搭載されているバッテリーの特性データが収集され、タイムスタンプと共に累積して記録される。
【0067】
また、プラットフォームサーバー20は、SOH管理モジュール22を含む。SOH管理モジュール22は、バッテリー特性データDB31に保存されたバッテリー特性データを分析してバッテリーの現在のSOHを算出し、データベースサーバー30と連動してバッテリー識別コードとマッチングしてタイムスタンプと共にSOH履歴DB32に保存し得る。SOH管理モジュール22は、各バッテリーに対するSOHを独立的に算出してSOH履歴DB32に保存し得る。望ましくは、現在のSOHの算出時に用いられるバッテリー特性データは、現在時点を基準にして最も最近に収集されたデータである。
【0068】
図3は、本発明の一実施例によるSOH管理モジュール22が実行する制御ロジッグを詳しく示したフローチャートである。
【0069】
図3を参照すると、SOH管理モジュール22は、サービスが開始されると、段階S40でデータベースサーバー30と連動してバッテリー特性データDB31を照会することでバッテリー特性データが新たに保存されているのかを判断する。
【0070】
SOH管理モジュール22は、新しいバッテリー特性データが保存されたと判断されると、段階S50でバッテリー特性データの量が十分であるかを判断する。SOHを正確に計算するためには最小限のデータが必要であるためである。一例で、SOH管理モジュール22は、電流プロファイル及び/または電圧プロファイルが測定されたSOC区間が予め設定された幅以上、例えば、60%以上であるかを判断する。SOH推定結果の信頼性と演算負荷を考慮してSOC区間の幅は増減し得る。
【0071】
SOH管理モジュール22は、十分な量のバッテリー特性データが新たに保存されていると判断されると、段階S70で新規バッテリー特性データを分析してSOHを決定し、バッテリー識別コードとマッチングしてタイムスタンプと共にSOH履歴DB32に保存する。一方、SOH管理モジュール22は、バッテリー特性データの量が十分ではなければ、段階S60で時間周期ΔTが経過したのかを判断する。SOH管理モジュール22は、ΔTが経過すると、プロセスを段階S40へ進んで前述した段階を繰り返す。これによって、SOH管理モジュール22は、ΔTが経過する度に、新規のバッテリー特性データの量が十分な場合にSOHを決定し、バッテリー識別コードとマッチングしてタイムスタンプと共にSOH履歴DB32に保存する過程を繰り返し得る。
【0072】
本発明において、SOHは、公知の技術を用いて決定し得る。
【0073】
一例で、SOH管理モジュール22は、バッテリー特性データに含まれた電流プロファイルを用いて予め設定されたSOC区間で電流を積算して部分充電容量を決定し、同じSOC区間で算出された初期の部分充電容量と対比してSOHを決定し得る。バッテリーが退化すると、同じ充電状態区間で計算された部分充電容量が減少するため、初期の部分充電容量に対する現在の部分充電容量の割合をSOHと決定し得る。各バッテリーモデルの初期の部分充電容量は、予め定義されてルックアップDB34に記録され得る。SOH管理モジュール22は、バッテリー識別コードに含まれたバッテリーモデルコードを用いてルックアップDB34から当該バッテリーモデルの初期の部分充電容量をルックアップしてSOHを決定するのに使用し得る。
【0074】
他の例で、SOH管理モジュール22は、バッテリー特性データに含まれた電流プロファイルと電圧プロファイルを用いて線形回帰法によってI-Vプロファイルを算出し、I-Vプロファイルの傾きをバッテリーの現在抵抗値として決定し、現在抵抗値を初期抵抗値と対比してSOHを決定し得る。バッテリーが退化すると、バッテリーの抵抗値が増加するので、現在抵抗値に対する初期抵抗値の割合をバッテリーのSOHとして決定し得る。
【0075】
さらに他の例で、SOH管理モジュール22は、バッテリー特性データに含まれた電流プロファイルと電圧プロファイルを受けてSOHを出力する適応フィルターを用いてSOHを決定し得る。
【0076】
望ましくは、適応フィルターは、カルマンフィルターまたは拡張カルマンフィルターであり得る。適応フィルターは、バッテリーモデルから誘導され得る。バッテリーモデルは、等価回路モデルまたは電気化学モデルであり得る。
【0077】
拡張カルマンフィルターを用いるSOH決定方法は、韓国公開特許公報第2007-0074621号に開示されており、本発明の一部として本明細書に組み込まれ得る。
【0078】
開示された方法は、拡張カルマンフィルターを用いて、バッテリーの電圧、電流及び温度からSOHを決定する方法である。当該方法が本発明に適用される実施例において、バッテリー特性データはバッテリーのSOCによって測定された温度プロファイルをさらに含み得る。
【0079】
また、プラットフォームサーバー20は、再使用等級管理モジュール23をさらに含み得る。
【0080】
再使用等級管理モジュール23は、クライアント50からネットワーク40を通じてバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信し得る。
【0081】
また、再使用等級管理モジュール23は、バッテリー識別コードを用いてデータベースサーバー30を通じてSOH履歴DB32を照会してバッテリーの現在のSOHを決定し得る。現在のSOHは、タイムスタンプ情報を参照して決定する。即ち、最も最近に保存されたSOHがバッテリーの現在のSOHとなる。
【0082】
また、再使用等級管理モジュール23は、予め定義されたSOH別の再使用等級情報を参照して現在のSOHに対応する再使用等級を決定し得る。
【0083】
また、再使用等級管理モジュール23は、データベースサーバー30と連動して現在のSOHに対応する再使用等級をバッテリー識別コードとマッチングしてタイムスタンプと共に再使用等級管理DB33に保存し得る。
【0084】
また、再使用等級管理モジュール23は、決定された再使用等級を、ネットワーク40を通じてクライアント50側へ伝送し得る。
【0085】
図4は、本発明の一実施例による再使用等級管理モジュール23が実行する制御ロジッグを詳しく示したフローチャートである。
【0086】
図4を参照すると、再使用等級管理モジュール23は、段階S80でクライアント50側からネットワーク40を通じてバッテリー再使用等級に関わる算出要請が受信されたかを判断する。当該算出要請は、バッテリー識別コードと共に受信される。
【0087】
再使用等級管理モジュール23は、バッテリー再使用等級に関わる算出要請が受信されたと判断されると、段階S100でバッテリー識別コードを用いてデータベースサーバー30を通じてSOH履歴DB32を照会することでバッテリーの現在のSOHを決定し得る。
【0088】
再使用等級管理モジュール23は、バッテリー再使用等級に関わる算出要請が受信されなかったと判断されると、段階S90で時間周期ΔTが経過するまでプロセス進行を保留し、ΔTが経過すると、プロセスを段階S80へ復帰させる。
【0089】
段階S100の後、段階S110へ進む。
【0090】
再使用等級管理モジュール23は、段階S110でバッテリー識別コードに含まれたバッテリーモデルコードを用いて現在のSOHに対応する再使用等級を決定し得る。即ち、再使用等級管理モジュール23は、データベースサーバー30を通じてルックアップDB34からバッテリーモデルコードに対応するSOH別の再使用等級情報を照会してバッテリーの現在のSOHに対応する再使用等級を決定し得る。望ましくは、SOH別の再使用等級情報は、SOHによって再使用等級をマッピングするルックアップテーブルであり得る。
【0091】
一実施例で、SOHが80%以上であるバッテリーは、中古車再使用等級に決定し、SOHが60%以上かつ80%未満であるバッテリーは、ESS再使用等級に決定し、SOHが60%未満であるバッテリーは、資源回収等級に決定し得る。
【0092】
ここで、中古車再使用等級とは、中古電気車において交替用として使用可能な等級を意味する。中古車再使用等級が付与されたバッテリーは、出力が低い電気車に再使用可能である。例えば、中古車再使用等級が付与されたバッテリーは、小型電気自動車、電動ゴルフカート、電気二輪車、電気自転車などに使用可能である。ESS再使用等級とは、高出力が求められる電気車には使用できないが、ESSには使用可能な等級を意味する。ESSは、家庭、ビル、工場などで深夜時間帯の電気エネルギーを貯蔵する電力貯蔵装置であり得る。他の例で、ESSは、太陽光発電、風力発電、地熱発電などによって生産された再生エネルギーを貯蔵する電力貯蔵装置であり得る。さらに他の例で、ESSは、電力網(グリッド)の安定化のために使用される電力貯蔵装置であり得る。さらに他の例で、ESSは、停電状況が発生したときに電力を供給する無停電電源装置(UPS)であり得る。さらに他の例で、ESSは、パワーバンク用に使用される電力貯蔵装置であり得る。資源回収等級とは、SOHが顕著に低くて再使用が不可能であるため、廃棄してバッテリーに使用された原料物質を回収する等級を意味する。
【0093】
再使用等級を区分するSOH区間は、バッテリーモデルによって変更が可能であることは、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者にとって自明である。即ち、SOH別の再使用等級情報は、バッテリーモデル毎に独立的に生成されてルックアップDB34に保存され得る。
【0094】
段階S110の後、段階S120へ進む。
【0095】
再使用等級管理モジュール23は、段階S120でデータベースサーバー30と連動してバッテリーの再使用等級をバッテリー識別コードとマッチングしてタイムスタンプと共に再使用等級管理DB33に保存し得る。
【0096】
また、再使用等級管理モジュール23は、段階S130でバッテリーの再使用等級に関わる情報をクライアント50側へ伝送し得る。
【0097】
バッテリー診断デバイス51のクライアント50がバッテリーの再使用等級に関わる情報を受信すると、クライアント50は、ディスプレイによってバッテリーの再使用等級を表示し得る。そうすると、バッテリー診断オペレーター(作業者)は、電気車70の使用者にバッテリーの再使用等級を告知し得る。バッテリーが中古車再使用等級判定を受けた場合、使用者はバッテリーをそのまま使用し続けるか、または新品に入れ替えた後、既存のバッテリーは中古車用として販売し得る。また、使用者は、バッテリーがESS再使用等級判定を受けた場合、バッテリーを新品に入れ替え、既存のバッテリーはESS再使用バッテリーとして販売し得る。また、使用者は、バッテリーが資源回収等級判定を受けた場合、バッテリーを新品に入れ替え、既存のバッテリーは資源回収用バッテリーとしてバッテリー製造メーカーまたはバッテリー資源回収の会社に返納し得る。
【0098】
使用者の携帯端末機52にインストールされたクライアント50がバッテリーの再使用等級に関わる情報を受信すると、使用者は、電気車70に搭載されたバッテリーの再使用等級を確認し得る。使用者は、バッテリーが中古車再使用等級判定を受けた場合、バッテリーをそのまま使用し続けるか、または電気車整備所で新品に入れ替えた後、既存のバッテリーは電気車整備所を通じて中古車用として販売し得る。また、使用者は、バッテリーがESS再使用等級判定を受けた場合、電気車整備所でバッテリーを新品に入れ替え、既存のバッテリーは電気車整備所を通じてESS再使用バッテリーとして販売し得る。また、使用者は、バッテリーが資源回収等級判定を受けた場合、電気車整備所でバッテリーを新品に入れ替え、既存のバッテリーは電気車整備所を通じて資源回収用バッテリーとしてバッテリー製造メーカーまたはバッテリー資源回収の会社に返納し得る。
【0099】
一方、中古車再使用等級またはESS再使用等級に判定されたバッテリーは、電気車整備所からオフラインの運送手段によってバッテリー再組立の会社側へ伝達され得る。一例で、バッテリー再組立の会社は、バッテリー製造メーカーであり得る。他の例で、バッテリー再組立の会社は、バッテリー製造メーカーとは異なる他の会社であり得る。
【0100】
バッテリー再組立の会社は、バッテリーを分解して複数のセルを抽出した後、再使用等級に最適化したバッテリーとして再組立し得る。ここで、セルは、円筒型セル、パウチセルまたは角形セルであり得る。例えば、バッテリー再組立の会社は、電気車に搭載されたバッテリーを分解してESSに使用可能なバッテリーとして再組立し得る。
【0101】
バッテリーの再組立過程で、単位セルの相互間の電気的接続が改めて行われ、センサー、制御ユニットなどが取り付けられ、外部ケース内に単位セルの組立体が収納され得る。
【0102】
再組立されたバッテリーの外装ケースには、バッテリー識別コードが含まれた一次元バーコード、二次元バーコードなどが印刷され得る。また、バッテリー識別コードは、再組立されたバッテリーに含まれた制御ユニット内のメモリーに記録され得る。
【0103】
一例で、バーコードは、バッテリー再使用等級に関わる情報をさらに含み得る。また、バッテリー再使用等級に関わる情報は、再組立されたバッテリーに含まれた制御ユニット内のメモリーに追加に記録され得る。
【0104】
一方、電気車から抽出されたバッテリーが二つ以上のバッテリーに再組立された場合、バッテリーの外装ケースに印刷されるバーコードは、再組立一連番号をさらに含み得る。また、制御ユニットのメモリーにもバッテリー識別コードと共に再組立一連番号がさらに保存され得る。このように、バッテリー識別コードが、再組立されたバッテリーの外装ケースの表面に印刷されるか、または制御ユニット内のメモリーに記録されることでバッテリーの再使用履歴が追跡可能になる。
【0105】
再組立されたバッテリーは、流通チャンネルを通じて中古バッテリー取引会社、ESSメーカーまたは資源回収の会社に入庫され得る。再組立されたバッテリーが伝達される会社の種類は、バッテリーの再使用等級に基づいて決定される。再使用または資源回収のために中古バッテリー取引会社、ESSメーカーまたは資源回収の会社に入庫されたバッテリーは、再使用または資源回収サイクルに入る前に、再使用対象となるバッテリーのバッテリー識別コードまたは資源回収対象となるバッテリーのバッテリー識別コードがネットワーク40を通じてプラットフォームサービスシステム10に伝送されることで、バッテリーの再使用が追跡される過程がさらに行われ得る。
【0106】
プラットフォームサーバー20は、上記のようなバッテリーの再使用過程を追跡するために再使用追跡管理モジュール24をさらに含み得る。
【0107】
再使用追跡管理モジュール24は、クライアント50からネットワーク40を通じてバッテリーの再使用を承認する承認メッセージを受信し得る。
【0108】
一例で、再使用承認は、電気車70のバッテリーを他の中古電気車のバッテリーに再使用することを承認することである。他の例で、再使用承認は、電気車70のバッテリーをESS用バッテリーとして再使用することを承認することであり得る。さらに他の例で、再使用承認は、電気車70のバッテリーを資源回収用に返納してリサイクルすることを承認することであり得る。
【0109】
バッテリー再使用の承認過程は、クライアント50の画面に表示された承認インターフェースによって行われ得る。承認インターフェースは、バッテリー診断デバイス51または使用者の携帯用の端末機52のディスプレイを通じてバッテリーの再使用等級に関わる情報が表示された後に、GUI(Graphic User Interface;グラフィカル・ユーザー・インターフェース)の形態で提供され得る。
【0110】
再使用追跡管理モジュール24は、承認インターフェースを通じて、電気車に搭載されたバッテリーを、中古車用、ESS用または資源回収用にリサイクルするかを問い、それに対して使用者が同意するようなGUIを提供し得る。
【0111】
再使用追跡管理モジュール24は、使用者がGUI、例えば、同意ボタンを操作すると、ネットワーク40を通じてクライアント50から再使用承認メッセージを受信し得る。
【0112】
また、再使用追跡管理モジュール24は、ネットワーク40を通じて、再使用会社管理システムへ再使用の承認が行われたバッテリーのバッテリー識別コードと、再使用等級を含むバッテリー再使用情報を伝送し得る。再使用会社管理システムは、ESS管理システム61または資源回収管理システム62であり得る。ESS管理システム61または資源回収管理システム62は、ESSメーカーまたは資源回収の会社が運用する統合管理システムである。
【0113】
また、再使用追跡管理モジュール24は、再使用会社管理システムから再使用対象のバッテリーのバッテリー識別コードが含まれたバッテリー入庫認証メッセージが受信されると、バッテリー入庫認証メッセージに含まれたバッテリー識別コードを再使用会社の識別コードとマッチングしてタイムスタンプと共に再使用追跡管理DB35に保存し得る。
【0114】
図5は、本発明の一実施例による再使用追跡管理モジュール24が実行する制御ロジッグを詳しく示したフローチャートである。
【0115】
再使用追跡管理モジュール24は、段階S140でネットワーク40を通じてクライアント50から再使用承認メッセージが受信されたかを判断する。望ましくは、再使用承認メッセージは、再使用承認の対象となるバッテリー識別コードを含み得る。再使用承認メッセージは、バッテリー診断デバイス51または使用者の携帯端末機52から伝送され得る。
【0116】
再使用追跡管理モジュール24は、再使用承認メッセージに対する受信が確認されると、段階S150で再使用承認が行われたバッテリーのバッテリー識別コードと再使用等級を含むバッテリー再使用情報を再使用会社管理システムへ伝送する。
【0117】
一例で、再使用追跡管理モジュール24は、再使用が承認されたバッテリーの再使用等級がESS再使用等級である場合、ネットワーク40を通じてESS管理システム61へバッテリー再使用情報を伝送し得る。他の例で、再使用追跡管理モジュール24は、再使用が承認されたバッテリーの再使用等級が資源回収等級である場合、ネットワーク40を通じて資源回収管理システム62へバッテリー再使用情報を伝送し得る。ESS管理システム61または資源回収管理システム62は、ネットワーク40を通じて受信したバッテリー再使用情報をデータベースに記録して管理し得る。データベースに保存されたバッテリー再使用情報は、バッテリー入庫認証メッセージの生成時に参照され、これについては後述する。
【0118】
一方、再使用追跡管理モジュール24は、段階S140で再使用承認メッセージに対する受信が確認されないと、段階S160で時間周期ΔTが経過するまでプロセスを保留し、ΔTが経過すると、プロセスを段階S140へ復帰させる。
【0119】
段階S150の後、段階S170へ進む。
【0120】
再使用追跡管理モジュール24は、段階S170でネットワーク40を通じて再使用会社管理システムからバッテリー入庫認証メッセージが受信されたかを判断する。
【0121】
バッテリー入庫認証メッセージは、再使用等級を受けたバッテリーがオフラインの流通チャンネルを通じて指定された再使用会社に入庫された後、バッテリー識別コードと再使用等級に関わる情報が再使用会社管理システムに登録されるときに生成され、ネットワーク40を通じて再使用追跡管理モジュール24へ伝送され得る。
【0122】
望ましくは、バッテリー入庫認証メッセージは、次の過程を経て生成された後、ネットワーク40を通じて再使用追跡管理モジュール24側へ伝送され得る。
【0123】
再使用承認が行われたバッテリーには、バッテリー識別コード及び再使用等級に関わる情報を含む一次元または二次元バーコードが付着され得る。バーコードが付着された再使用バッテリーは、オフラインの流通チャンネルを経てプラットフォームサービスシステム10の運用会社が指定した再使用会社に入庫される。その後、入庫された再使用バッテリーの表面に付着されたバーコードがバーコードスキャナによってスキャンされることで、再使用バッテリーの識別コードと再使用等級が再使用会社管理システムに入力される。再使用会社管理システムは、ESS管理システム61または資源回収管理システム62であり得る。そうすると、再使用会社管理システムは、バーコードスキャナによって入力された再使用バッテリーのバッテリー識別コード及び再使用等級がデータベースに予め保存されているバッテリー再使用情報(再使用バッテリーのバッテリー識別コード及び再使用等級)と一致すると、再使用バッテリーのバッテリー識別コードと再使用会社の識別コードを含むバッテリー入庫認証メッセージを生成し、ネットワーク40を通じて再使用追跡管理モジュール24へ伝送し得る。
【0124】
他の例で、再使用バッテリーに含まれた制御ユニットのメモリーに再使用バッテリーのバッテリー識別コード及び再使用等級に関わる情報が記録されている場合、再使用会社管理システムは、制御ユニットの通信ポートによって制御ユニットのメモリーに保存された再使用バッテリーのバッテリー識別コード及び再使用等級に関わる情報を読み出した後、読み出された情報がデータベースに予め保存されているバッテリー再使用情報(再使用バッテリーのバッテリー識別コード及び再使用等級)と一致すると、再使用バッテリーのバッテリー識別コードと再使用会社の識別コードを含むバッテリー入庫認証メッセージを生成し、ネットワーク40を通じて再使用追跡管理モジュール24へ伝送し得る。
【0125】
段階S170の後、段階S180へ進む。
【0126】
再使用追跡管理モジュール24は、データベースサーバー30と連動してバッテリー入庫認証メッセージに含まれた再使用バッテリーのバッテリー識別コードと再使用会社の識別コードとを互いにマッチングしてタイムスタンプと共に再使用追跡管理DB35に保存する。タイムスタンプは、再使用バッテリーの使用が開始された時点を示す情報として看做され得る。これによって、再使用バッテリーが実際に再使用サイクルに進入したか否か、そしてバッテリーの再使用現況を統合的に管理できる。
【0127】
本発明の他の面によると、プラットフォームサービスシステム10は、バッテリーの再使用等級が変更されたことを感知して、再使用等級が変更されたことを使用者の携帯端末機52のクライアント50側へ通報する再使用等級変更お知らせサービスを提供し得る。
【0128】
図6は、本発明の一実施例による再使用等級管理モジュール23が再使用等級変更お知らせサービスを提供する過程を詳しく示したフローチャートである。
【0129】
図6を参照すると、再使用等級管理モジュール23は、段階S190でデータベースサーバー30を通じてSOH履歴DB32を照会することで、SOHが新たに保存されたバッテリーがあるかを判断する。
【0130】
再使用等級管理モジュール23は、SOHが新たに保存されたバッテリーが確認されると、データベースサーバー30と連動してSOH履歴DB32から当該バッテリーの最新SOH及びバッテリー識別コードを照会し、バッテリー識別コードに含まれたバッテリーモデルコードを用いて予め定義されたSOH別の再使用等級情報を参照し、最新のSOHに対応するバッテリーの再使用等級を決定する。
【0131】
再使用等級管理モジュール23は、段階S190でSOHが新たに保存されたバッテリーが確認されないと、段階S200で時間周期ΔTの間にプロセスの進行を保留し、その後、段階S190へプロセスを復帰させる。
【0132】
段階S190の後、段階S210へ進む。
【0133】
再使用等級管理モジュール23は、段階S210で再使用等級が決定されたバッテリーのバッテリー識別コードを用いてデータベースサーバー30を通じて再使用等級管理DB33から直前に保存された再使用等級を照会し、再使用等級が変更されたかを判断する。
【0134】
再使用等級管理モジュール23は、再使用等級に変更があると判断されると、段階S230で再使用等級が変更されたことを知らせるメッセージを生成し、ネットワーク40を通じて使用者の携帯端末機52のクライアント50側へ伝送する。
【0135】
そうすると、使用者は、電気車70に搭載されたバッテリーの再使用等級が変更されたことを認知し、電気車整備所を訪問してバッテリーを入れ替えた後、電気車から抽出したバッテリーを中古車用バッテリー、ESS用バッテリーまたは資源回収用バッテリーにその用途を変更し得る。
【0136】
再使用等級変更のお知らせサービスは、電気車の統合情報表示デバイスを通じて提供し得る。この場合、電気車のコンピューティング装置は、無線通信網を通じて、再使用等級管理モジュール23から電気車に搭載されたバッテリーの再使用等級が変更されたことを知らせるメッセージを受信し、統合情報表示デバイスの画面を通じて表示し得る。
【0137】
本発明のさらに他面によると、プラットフォームサービスシステム10は、電気車のバッテリーがESS用バッテリーに再使用された場合にも、当該バッテリーに対して再使用等級を持続的に管理可能なサービスを提供できる。
【0138】
具体的には、データ管理モジュール21は、周期的にESS管理システム61から再使用バッテリーのSOCによる電圧プロファイル及び/または電流プロファイルと再使用バッテリーのバッテリー識別コードを含むバッテリー特性データを、ネットワーク40を通じて伝送を受けることができる。
【0139】
また、データ管理モジュール21は、データベースサーバー30と連動してバッテリー特性データを再使用バッテリーのバッテリー識別コードとマッチングしてタイムスタンプと共にバッテリー特性データDB31に保存し得る。
【0140】
また、SOH管理モジュール22は、バッテリー特性データDB31に保存された再使用バッテリーの特性データを分析して再使用バッテリーの現在のSOHを算出し、データベースサーバー30と連動して現在のSOHを再使用バッテリーのバッテリー識別コードとマッチングしてタイムスタンプと共にSOH履歴DB32に保存し得る。
【0141】
再使用等級管理モジュール23は、ESS管理システム61からネットワーク40を通じて再使用バッテリーのバッテリー識別コードと共に再使用等級算出要請を受信し得る。また、再使用等級管理モジュール23は、再使用バッテリーのバッテリー識別コードを用いてSOH履歴DB32を照会して再使用バッテリーの現在のSOHを決定し、バッテリー識別コードに含まれたバッテリーモデルコードと予め定義されたOH別の再使用等級情報を参照して現在のSOHに対応する再使用等級を決定して再使用等級管理DB33に保存し、再使用等級に関わる情報をESS管理システム61へ伝送し得る。そうすると、ESS管理システム61は、バッテリーの再使用等級に関わる情報をバッテリー識別コードとマッチングしてデータベースに保存して管理し得る。
【0142】
本発明のさらに他面によると、プラットフォームサービスシステム10は、電気車のバッテリーがESS用バッテリーに再使用された場合にも、再使用バッテリーの再使用等級が変更された場合、自動でお知らせを提供するサービスを提供し得る。
【0143】
即ち、SOH管理モジュール22は、バッテリー特性データDB31に保存された新しい再使用バッテリーの特性データを基準でバッテリーのSOHを算出し、SOH履歴DB32に累積して保存できる。
【0144】
また、再使用等級管理モジュール23は、最新のSOHに対応する再使用バッテリーの再使用等級を決定し、直前の再使用等級と比較して再使用等級が変更された場合、即ち、再使用等級が資源回収等級に変更された場合、ネットワーク40を通じて再使用等級変更情報をESS管理システム61へ伝送し得る。望ましくは、再使用等級変更情報は、再使用等級が変更されたバッテリーのバッテリー識別コードを含み得る。
【0145】
ESS管理システム61は、ネットワーク40を通じて再使用等級変更情報を受信すると、再使用等級が変更された再使用バッテリーのバッテリー識別コードをデータベースに保存し、ディスプレイを通じて出力し得る。
【0146】
ESSメーカーは、資源回収等級に再使用等級が変更されたバッテリーを資源回収の会社へ伝達でき、資源回収の会社は、バッテリーに対するリサイクル過程によってバッテリーに含まれた原料物質(例えば、Li、Co、Mn、Niなど)を回収し得る。
【0147】
本発明のさらに他面によると、プラットフォームサービスシステム10は、残存価値管理モジュール25をさらに含み得る。
【0148】
残存価値管理モジュール25は、バッテリー取引システム63または保険会社システム64からネットワーク40を通じてバッテリー識別コードと共にバッテリー残存価値評価要請を受信し、バッテリー識別コードを用いてSOH履歴DB32を照会してバッテリーの現在のSOHを決定し、バッテリー識別コードに含まれたバッテリーモデルコードと予め定義されたSOH別の残存価値情報を参照して現在のSOHに対応するバッテリーの残存価値を決定した後、ネットワーク40を通じてバッテリー取引システム63または保険会社システム64へ伝送し得る。
【0149】
図7は、本発明の一実施例による残存価値管理モジュール25がバッテリーの残存価値を評価して伝送する過程を詳しく示したフローチャートである。
【0150】
図7を参照すると、残存価値管理モジュール25は、段階S240でバッテリー取引システム63または保険会社システム64からネットワーク40を通じてバッテリー識別コードと共にバッテリー残存価値評価要請が受信されたかを判断する。
【0151】
残存価値管理モジュール25は、バッテリー残存価値評価要請が受信されたと判断されると、段階S260でバッテリー識別コードを用いてデータベースサーバー30を通じてSOH履歴DB32からバッテリーの現在のSOHを決定する。
【0152】
一方、残存価値管理モジュール25は、バッテリー残存価値評価要請の受信が確認されないと、時間周期ΔTの間にプロセス進行を保留し、ΔTが経過すると、プロセスを段階S240へ復帰させる。
【0153】
段階S260の後、段階S270へ進む。
【0154】
残存価値管理モジュール25は、段階S270で、バッテリー識別コードに含まれたバッテリーモデルコードを用いてデータベースサーバー30を通じて予め定義されたSOH別の残存価値情報を照会してバッテリーのSOHに対応するバッテリーの残存価値を決定する。残存価値は、バッテリーの初期価値に対する現在価値の割合として示し得る。SOH別の残存価値情報は、ルックアップテーブルのフォーマットでルックアップDB34に予め保存され得る。望ましくは、SOH別の残存価値情報は、バッテリーモデルコードによって区分されるように生成され、ルックアップDB34に予め保存され得る。
【0155】
また、残存価値管理モジュール25は、段階S280で、バッテリーの残存価値情報を、ネットワーク40を通じてバッテリー残存価値情報を要請したバッテリー取引システム63または保険会社システム64へ伝送する。
【0156】
また、残存価値管理モジュール25は、段階S290でバッテリー残存価値が伝送されたバッテリー取引システム63または保険会社システム64の識別コード、伝送時間を含むタイムスタンプ及び課金を含むトランザクション課金情報を課金DB36に保存し得る。
【0157】
バッテリー取引システム63は、ネットワーク40を通じてeコマースウェブサイトを提供し得る。eコマースウェブサイトは、中古バッテリー流通会社または電気車持ち株が中古バッテリーを、オンラインを通じて販売できる流通チャンネルを提供する。
【0158】
望ましくは、バッテリー取引システム63を運用する会社は、中古バッテリー流通会社から中古バッテリーを受けた後、プラットフォームサービスシステム10によってバッテリーの残存価値に対して評価を受けた後、残存価値によってバッテリーの価格を決定して販売し得る。
【0159】
バッテリー取引システム63は、中古バッテリーが販売目的でeコマースウェブサイトに登録される過程でバッテリーの残存価値を本発明によるプラットフォームサービスシステム10に問い合わせて(query)、伝送を受け得る。プラットフォームサービスシステム10から伝送されたバッテリー残存価値は、バッテリー取引システム63が中古バッテリーの価格を算定するのに活用され得る。一例で、バッテリー取引システム63は、バッテリー残存価値に比例して中古バッテリーの価格を決定し、中古バッテリー販売情報を、eコマースウェブサイトを通じて提供し得る。
【0160】
保険会社システム64は、ネットワーク40を通じて保険加入ウェブサイトを提供し得る。保険加入ウェブサイトは、中古電気車の使用者がオンラインを通じて自動車保険に加入できるようにサービスを提供し得る。
【0161】
保険会社システム64は、中古電気車に対する保険加入を受け付ける過程で使用者からバッテリー識別コードを受け、バッテリーの残存価値を本発明によるプラットフォームサービスシステム10に問い合わせて伝送を受け得る。保険会社システム64は、プラットフォームサービスシステム10が提供したバッテリー残存価値と使用者から入力された中古電気車の運行距離を用いて中古電気車の残存価値を決定し、これに基づいて中古電気車の保険料を算定できる。ここで、バッテリーの残存価値が高いほど中古電気車の残存価値が高く決定されることは自明である。
【0162】
本発明のさらに他面によると、プラットフォームサービスシステム10は、電気車出庫段階からバッテリー再使用等級が持続的に管理されてきたバッテリーに対して品質保証(ワランティ)サービスを提供し得る。
【0163】
即ち、任意のサーバーまたは任意のシステムは、ネットワーク40を通じてバッテリー識別コードと共にバッテリー品質保証要請をプラットフォームサービスシステム10へ伝送し得る。
【0164】
そうすると、プラットフォームサービスシステム10は、バッテリー識別コードを用いてデータベースサーバー30を通じてSOH履歴DB32を照会して当該バッテリーに対してSOH100%から再使用等級の管理が持続的に維持されてきたことが確認されると、ワランティメッセージを、バッテリー品質保証要請をしたサーバーまたはシステムへ伝送し、当該トランザクションに対してサーバーまたはシステムの識別コードを含む課金情報を生成して課金DB36に記録し得る。
【0165】
本発明によると、電気車に搭載されたバッテリーの再使用に関わる統合的な管理モデルを提供することで、バッテリーが出庫して廃棄されるまで残存価値を最大限に活用可能である。また、プラットフォームサービスシステムが再使用段階に進入したバッテリーに対してもSOHを推定して再使用等級を持続的に管理することで、バッテリーの全体使用周期にかけて統合的な管理が可能である。また、プラットフォームサービスシステムによってバッテリーの全体使用周期にかけてSOHが管理されるので、バッテリー残存価値の信頼性と正確性を向上させることができる。また、正確なSOH情報に基づいて算出されたバッテリー残存価値を中古電気車(バッテリー)の取引価格の算定または中古電気車の保険料の算定に活用することで、中古電気車取引市場を活性化させることができる。また、本発明は、バッテリーの品質保証サービスという新概念のビジネスが具現可能である。
【0166】
本発明において、プラットフォームサーバー20に含まれた各モジュールが実行する制御ロジッグは、少なくとも一つ以上が組み合わせられ、 組み合わせられた制御ロジックはコンピューターが判読可能なコード体系で作成され、コンピューターが判読可能な記録媒体に収録され得る。前記記録媒体は、コンピューターに含まれたプロセッサによってアクセス可能なものであれば、その種類は特に制限されない。一例として、前記記録媒体は、ROM、RAM、レジスター、CD-ROM、磁気デープ、ハードディスク、フロッピーディスク及び光データ記録装置を含む群より選択された少なくとも一つ以上を含む。また、前記コード体系は、ネットワークで連結されたコンピューターに分散して保存し実行され得る。また、前記組み合わせられた制御ロジックを具現するための機能的なプログラム、コード及びコードセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマーによって容易に推論できる。
【0167】
本発明の多様な実施様態を説明するに際し、「~モジュール」と命名された構成要素は、物理的に区分される要素というよりは、機能的に区分される要素として理解されなければならない。したがって、各々の構成要素は、他の構成要素と選択的に統合されるか、または各々の構成要素が制御ロジッグの効率的な実行のためにサブ構成要素に分割され得る。しかし、構成要素が統合または分割されても機能の同一性が認められるなら、統合または分割された構成要素も本発明の範囲内にあると解釈すべきことは、当業者にとって自明である。
【0168】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【外国語明細書】